(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-24
(45)【発行日】2023-02-01
(54)【発明の名称】加工チャンバの電極に予め歪ませたRFバイアス電圧信号を供給するための区分的RF電力システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
H05H 1/46 20060101AFI20230125BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20230125BHJP
【FI】
H05H1/46 R
H01L21/302 101B
H01L21/302 101C
H01L21/302 101G
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021207224
(22)【出願日】2021-12-21
(62)【分割の表示】P 2019564967の分割
【原出願日】2018-04-20
【審査請求日】2022-01-19
(32)【優先日】2017-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508240030
【氏名又は名称】エムケーエス インストゥルメンツ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】キィ・ルー
(72)【発明者】
【氏名】アーロン・ラドムスキー
【審査官】中尾 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-103465(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0000888(US,A1)
【文献】特開2007-138295(JP,A)
【文献】特開平09-055347(JP,A)
【文献】国際公開第2012/012523(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0050396(KR,A)
【文献】Muhammad E.S. Elrabaa,A portable high-frequency digitally controlled oscillator (DCO),Integration, the VLSI journal,NL,Elsevier,2013年11月13日,Vol. 47,pp. 339-346
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H 1/46
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の直流(DC)バイアス電圧をそれぞれ発生するように構成された複数のバイアスモジュールと、
(i)前記複数のバイアスモジュールから電流を受け取り、(ii)前記複数のバイアスモジュールからの電流の流れを制御して高周波バイアス電圧信号を発生するように構成されたスイッチと、
前記スイッチに接続され、高周波出力電圧信号に基づいて前記スイッチの状態を制御して前記高周波バイアス電圧信号の波形を整形するように構成された制御モジュールと、
を備え、
前記高周波出力電圧信号の少なくとも一部分が前記高周波バイアス電圧信号に基づいて負荷に供給される、高周波電力システム。
【請求項2】
一次巻線および二次巻線を備える変圧器であって、
前記一次巻線が、前記複数のDCバイアス電圧に基づいて発生された組み合わされたエンベロープ信号を受け取るように構成され、
前記二次巻線が、前記高周波バイアス電圧信号を出力するように構成され、
前記スイッチが、前記一次巻線に接続され、
前記二次巻線が、負荷とつながっている、変圧器をさらに備える、請求項1に記載の高周波電力システム。
【請求項3】
前記複数のバイアスモジュールとそれぞれ直列に、かつ前記バイアスモジュールと前記一次巻線の間に接続された複数のダイオードをさらに備える、請求項2に記載の高周波電力システム。
【請求項4】
前記スイッチが、
前記一次巻線に接続された第1の端子と、
基準端子に接続された第2の端子と、
前記制御モジュールに接続された制御端子と、を備える、請求項2に記載の高周波電力システム。
【請求項5】
前記複数のDCバイアス電圧のうち少なくとも1つが前記複数のDCバイアス電圧のうち別の1つと組み合わされて、前記一次巻線において受け取られる前記組み合わされたエンベロープ信号をもたらす、請求項2に記載の高周波電力システム。
【請求項6】
前記複数のバイアスモジュールが第1のバイアスモジュールおよび第2のバイアスモジュールを含み、
前記制御モジュールが、前記第1のバイアスモジュールをオン状態に保ち、前記第1のバイアスモジュールが前記オン状態に保たれたまま、前記第2のバイアスモジュールをオン状態とオフ状態の間で遷移させるように構成された、請求項1に記載の高周波電力システム。
【請求項7】
高周波ソース信号を発生するように構成されたソース発生器をさらに備え、
前記スイッチの出力と前記ソース発生器の出力が前記負荷につなげられて前記高周波出力電圧信号をもたらす、請求項1に記載の高周波電力システム。
【請求項8】
前記高周波出力電圧信号をフィルタリングして、検知された高周波バイアス信号を発生するように構成されたフィルタであって、
前記検知された高周波バイアス信号が前記高周波出力電圧信号の前記少なくとも一部分を表す、フィルタをさらに備え、
前記制御モジュールが、前記検知された高周波バイアス信号に基づいて前記スイッチの状態を制御するように構成された、請求項1に記載の高周波電力システム。
【請求項9】
前記制御モジュールが、前記検知された高周波バイアス信号に基づいて前記複数のバイアスモジュールのうち1つまたは複数の状態を制御するように構成された、請求項8に記載の高周波電力システム。
【請求項10】
前記制御モジュールが、前記スイッチが可変抵抗として使用されるように、前記スイッチを線形モードで動作させるように構成された、請求項9に記載の高周波電力システム。
【請求項11】
前記制御モジュールは、前記スイッチが飽和領域において動作してオン状態とオフ状態の間で遷移するスイッチングモードで前記スイッチを動作させるように構成された、請求項9に記載の高周波電力システム。
【請求項12】
前記スイッチが、前記複数のDCバイアス電圧を、組み合わされたエンベロープ信号の形で受け取るように接続された、請求項1に記載の高周波電力システム。
【請求項13】
前記複数のDCバイアス電圧のうち少なくとも1つが前記スイッチにおいて受け取られる一方で、前記複数のDCバイアス電圧のうち別の1つが前記スイッチにおいて受け取られる、請求項12に記載の高周波電力システム。
【請求項14】
高周波電力システムを動作させる方法であって、
複数のバイアスモジュールによって複数の直流(DC)バイアス電圧を発生するステップと、
スイッチにおいて前記複数のバイアスモジュールから電流を受け取るステップと、
前記スイッチによって前記複数のバイアスモジュールからの電流の流れを制御して高周波バイアス電圧信号を発生するステップと、
前記高周波バイアス電圧信号に基づいて、高周波出力電圧信号の少なくとも一部分を負荷に供給するステップと、
前記高周波出力電圧信号に基づいて前記スイッチの状態を制御して前記高周波バイアス電圧信号の波形を整形するステップと、
を含む方法。
【請求項15】
前記複数のDCバイアス電圧に基づいて、組み合わされたエンベロープ信号を発生するステップと、
前記組み合わされたエンベロープ信号を変圧器の一次巻線において受け取るステップと、
前記変圧器の二次巻線から前記高周波バイアス電圧信号を出力するステップであって、前記スイッチが前記一次巻線に接続された、ステップと、をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記複数のバイアスモジュールから複数のダイオードを通して前記スイッチへ電流を流すステップであって、前記複数のダイオードが、前記複数のバイアスモジュールとそれぞれ直列に、かつ前記バイアスモジュールと前記一次巻線の間に接続された、ステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記複数のDCバイアス電圧のうち少なくとも2つを組み合わせて、組み合わされたエンベロープ信号を発生するステップと、
前記組み合わされたエンベロープ信号を前記一次巻線に供給するステップと、をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
第1のバイアスモジュールをオン状態に保つステップと、
前記第1のバイアスモジュールが前記オン状態に保たれたまま、第2のバイアスモジュールをオン状態とオフ状態の間で遷移させるステップと、をさらに含み、
前記複数のバイアスモジュールが前記第1のバイアスモジュールおよび前記第2のバイアスモジュールを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
高周波ソース信号を発生するステップと、
前記高周波バイアス電圧信号および前記高周波ソース信号に基づいて前記高周波出力電圧信号を発生するステップと、をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記高周波出力電圧信号をフィルタリングして、検知された高周波バイアス信号を発生するステップであって、前記検知された高周波バイアス信号が前記高周波出力電圧信号の前記少なくとも一部分を表す、ステップと、
前記検知された高周波バイアス信号に基づいて前記スイッチの状態を制御するステップと、をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
前記検知された高周波バイアス信号に基づいて前記複数のバイアスモジュールのうち1つまたは複数の状態を制御するステップをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記スイッチが可変抵抗として使用されるように前記スイッチを線形モードで動作させるステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記スイッチが飽和領域において動作してオン状態とオフ状態の間で遷移するスイッチングモードで前記スイッチを動作させるステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記スイッチに前記複数のDCバイアス電圧を供給するステップと、
前記スイッチの出力に従って前記高周波バイアス電圧信号を供給するステップと、をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項25】
前記複数のDCバイアス電圧のうち少なくとも1つを前記スイッチに供給する一方で、前記複数のDCバイアス電圧のうち別の1つを前記スイッチに供給するステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項26】
負荷に高周波電力を供給するための高周波電力システムであって、前記高周波電力システムが、
プロセッサと、
メモリと、を備え、前記メモリが、前記プロセッサによって実行可能な命令を記憶し、前記命令が、
複数のバイアスモジュールにシグナリングして複数の直流バイアス電圧を発生し、
前記複数の直流バイアス電圧に基づいてスイッチの状態を制御して高周波バイアス電圧信号を発生し、
前記高周波バイアス電圧信号に基づいて高周波出力信号の一部分を含む、前記負荷の高周波電圧を示すフィードバック信号を受け取り、
前記フィードバック信号に基づいて前記スイッチの状態を制御して所定のイオンエネルギー分布関数をもたらすように構成された、高周波電力システム。
【請求項27】
前記命令が、
前記イオンエネルギー分布関数をもたらすための高周波電圧パターンを選択し、
前記複数のバイアスモジュールにシグナリングし、前記選択された高周波電圧パターンに基づいて前記スイッチの状態を制御するようにさらに構成された、請求項26に記載の高周波電力システム。
【請求項28】
前記命令が、
前記選択された高周波電圧パターンに基づいて、シース電圧または前記シース電圧を示す電圧を推定し、
前記シース電圧または前記シース電圧を示す電圧に基づいて、前記高周波バイアス電圧信号を決定し、
前記高周波バイアス電圧信号に基づいて、前記複数のバイアス電圧およびスイッチパラメータを決定し、
前記スイッチパラメータに従って前記スイッチの状態を制御して前記高周波バイアス電圧信号をもたらすようにさらに構成された、請求項27に記載の高周波電力システム。
【請求項29】
前記命令が、
前記高周波バイアス電圧信号の以前の1つまたは複数のサイクルのフィードバック信号の過去の値および前記高周波電力システムの対応するパラメータ値に基づいてフィードバック信号の電圧を予測し、
前記高周波バイアス電圧信号の現在のサイクルのフィードバック信号の電圧を前記予測された電圧と比較して差分値を提供するようにさらに構成され、前記フィードバック信号が前記高周波出力信号のフィルタリングされたものであり、前記命令が、
前記差分値に基づいて、前記高周波バイアス電圧信号の次のサイクルのために、前記複数の直流バイアス電圧のうち1つまたは複数あるいは前記スイッチの動作を調節するようにさらに構成された、請求項26に記載の高周波電力システム。
【請求項30】
前記命令が、
前記高周波バイアス電圧信号の以前の1つまたは複数のサイクルについての1つまたは複数の差分値にアクセスするようにさらに構成され、前記1つまたは複数の差分値の各々が、前記フィードバック信号のそれぞれの予測された電圧とそれぞれの検知された電圧の間の差であり、前記命令が、
前記1つまたは複数の差分値に基づいて、前記高周波バイアス電圧信号の次のサイクルのために、前記複数の直流バイアス電圧のうち1つまたは複数あるいは前記スイッチの動作を調節するようにさらに構成された、請求項29に記載の高周波電力システム。
【請求項31】
前記命令が、
以前の1つまたは複数のサイクルについての1つまたは複数の調整値にアクセスするようにさらに構成され、前記1つまたは複数の調整値の各々が前記複数の直流バイアス電圧または前記スイッチの動作のうち1つに対応し、前記命令が、
前記1つまたは複数の調整値に基づいて、前記高周波バイアス電圧信号の次のサイクルのために、前記複数の直流バイアス電圧のうち1つまたは複数あるいは前記スイッチの動作を調節するようにさらに構成された、請求項29に記載の高周波電力システム。
【請求項32】
前記命令が、前記フィードバック信号に基づいて前記複数のバイアスモジュールのうち1つまたは複数のオン時間を調節するようにさらに構成された、請求項26に記載の高周波電力システム。
【請求項33】
前記命令が、前記フィードバック信号に基づいて前記スイッチの周波数およびデューティサイクルを調節するようにさらに構成された、請求項26に記載の高周波電力システム。
【請求項34】
前記命令が、
前記所定のイオンエネルギー分布関数をもたらすための高周波電圧パターンを選択し、
前記フィードバック信号および前記選択された高周波電圧パターンに基づいて、前記高周波バイアス電圧信号のサイクルのために前記複数のバイアスモジュールのうちどれを活性化するかを選択するようにさらに構成された、請求項26に記載の高周波電力システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、加工チャンバ用の高周波バイアス電位制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ここで提供される背景技術の説明は、本開示の状況を全般的に提示するためのものである。この背景技術の段落において説明されている範囲の、現在名前を挙げられている発明者の研究、ならびに出願時点において従来技術として別様に認定され得ない説明の態様は、明示的にも暗示的にも本開示に対する従来技術として認められるものではない。
【0003】
プラズマエッチングは、半導体工程において頻繁に使用されている。プラズマエッチングでは、基板上の露出面をエッチングするために、電界によってイオンが加速される。電界は、RF電力システムの高周波(RF)発生器によって発生されたRF電力信号に基づいて発生される。RF発生器によって発生されたRF電力信号は、プラズマエッチングを効果的に実行するように、正確に制御されなければならない。
【0004】
RF電力システムは、RF発生器、整合回路、および負荷(たとえばプラズマチャンバ)を含み得る。RF発生器が発生したRF電力信号は、整合回路において受け取られる。整合回路は、整合回路の入力インピーダンスを、RF発生器と整合回路の間の伝送ラインの特性インピーダンスに一致させる。このインピーダンス整合は、整合回路へ進む電力量を最大化し(「順方向電力」)、整合回路からRF発生器へ反射される電力量を最小化する(「逆方向電力」)ことを支援する。整合回路の入力インピーダンスが伝送ラインの特性インピーダンスと一致すると、順方向電力が最大化されて逆方向電力が最小化され得る。
【0005】
RF電源または供給電界において、負荷にRF信号を印加するのに、一般的には2つの手法がある。第1の従来の手法は、負荷に連続波形の信号を印加するものである。連続波形モードでは、連続波形の信号は、一般的には電源によって負荷に対して連続的に出力される正弦波である。連続波形の手法では、RF信号は正弦波の出力が想定され、正弦波の振幅および/または周波数は負荷に印加される出力電力を変化させるように変化し得る。
【0006】
負荷にRF信号を印加するための第2の手法は、負荷に連続波形の信号を印加するのではなく、RF信号をパルス化することを包含している。パルスモードの動作では、変調された正弦波信号のエンベロープを定義するために、RF正弦波信号が変調信号によって変調される。従来のパルス変調方式では、RF正弦波信号は、一般的には一定の周波数および振幅で出力される。負荷に配送される電力は、正弦波のRF信号を変化させるのではなく、変調信号を変化させることによって変化する。
【0007】
一般的なRF電源の構成では、負荷に印加される出力電力は、順方向電力と反射電力または負荷に印加されるRF信号の電圧と電流を測定するセンサを使用することにより、決定される。これらの信号のどちらかのセットが、一般的な制御ループにおいて分析される。分析することにより、一般的には、負荷に印加する電力を変化させるためにRF電源の出力を調節するのに使用する電力値が決定される。RF電力配送システムにおいて負荷がプラズマチャンバである場合には、負荷のインピーダンスが変化すると、印加電力は部分的に負荷のインピーダンスの関数であるため、負荷に印加される対応する電力が変化する。
【0008】
プラズマシステムでは、電力は、一般的には2つの構成のうち1つで配送される。第1の構成では、電力はプラズマチャンバに対して容量結合される。そのようなシステムは容量結合プラズマ(CCP)システムと称される。第2の構成では、電力はプラズマチャンバに対して誘導結合される。そのようなシステムは、一般的には誘導結合プラズマ(ICP)システムと称される。プラズマ配送システムは、一般的には、1つまたは複数の電極に印加されるバイアス電力およびソース電力を含む。ソース電力は、一般的にはプラズマを発生するために使用され、バイアス電力は、一般的にはプラズマをバイアスRF電力レベルに関連したエネルギーレベルに調整するために使用される。バイアス電力とソース電力は、様々な設計検討によって、同一の電極を共用してよく、または個別の電極を使用してもよい。
【0009】
RF電力配送システムがプラズマチャンバの形態の負荷を駆動するとき、プラズマチャンバに配送された電力によって発生される電界により、チャンバの内部にイオンエネルギーが生じる。イオンエネルギーの分布は、粒子ドリフト/拡散効果および外部から印加される電界によって不均一になる。イオンエネルギーに特有の指標の1つにはイオンエネルギー分布関数(IEDF)がある。基板表面におけるイオンエネルギー分布関数(IEDF)は、RF波形を用いて制御され得る。複数のRF電力信号が負荷に印加されるシステムについてIEDFを制御するやり方の1つには、周波数および位相によって関連づけられた複数のRF信号を変化させるものがある。複数のRF電力信号間で周波数がロックされ、複数のRF信号間の相対位相もロックされる。そのようなシステムの例は、本発明の譲受人に譲渡され、参照によってこの出願に組み込まれている米国特許第7,602,127号、米国特許第8,110,991号、および米国特許第8,395,322号を参照すると見いだされ得る。
【0010】
RFプラズマ加工システムは、プラズマの発生および制御のための構成要素を含む。そのような構成要素の1つにはプラズマチャンバまたはリアクタと称されるものがある。たとえば薄膜製造などのためにRFプラズマ加工システムにおいて利用される一般的なプラズマチャンバまたはリアクタは、デュアル周波数方式を利用する。デュアル周波数方式の一方の周波数(ソース)がプラズマの発生を制御し、デュアル周波数方式の他方の周波数(バイアス)がイオンエネルギーを制御する。デュアル周波数方式の例は、上記で参照された米国特許第7,602,127号、米国特許第8,110,991号、および米国特許第8,395,322号に説明されているシステムを含む。上記の特許で説明されているデュアル周波数方式は、イオン密度および対応するIEDFを制御するようにRF電源の動作を適合させるための閉ループ制御システムを含む。
【0011】
プラズマのバイアス電位を制御して、対応するIEDFも制御するための、複数の手法が存在する。手法には、従来の低周波数正弦波バイアス、高調波ロックなしの複数の正弦波バイアス、高調波ロックされた複数の正弦波バイアス、ならびに単調IEDFまたはカスタムIEDFを生成するための整形されたバイアスが含まれる。これらの手法の各々に、関連した不利益および/または制約がある。たとえば、低周波数正弦波バイアスの手法は、二峰性IEDF(すなわちRFバイアス電圧信号の1サイクルに対して、主として2つの非ゼロのイオンエネルギーレベルまたは絶対電圧電位)を示す。エッチングプロファイルおよび/またはエッチング選択性を制御するためには、単調IEDF(すなわち、RFバイアス電圧信号の1サイクルにわたる、主として単一で非ゼロのイオンエネルギーレベルまたは絶対電圧電位)は二峰性IEDFよりも優れている。
【0012】
別の例として、大電力の実装形態では、高調波制御された複数の正弦波バイアス手法が実現されることもあるが、低いバイアスRF周波数で動作するとき互いに絶縁するのが困難な、大型で割高の発生器が使用される。高調波制御された複数の正弦波のバイアス手法に見られる、瞬時のプラズマシース電圧における変動により、瞬時の高い電圧ピークまたはゼロが瞬時のイオンエネルギーレベルに影響を及ぼす。
【0013】
整形されたバイアスの手法は電力が制限される可能性があり、大型で割高な発電機も含む。整形されたバイアスの手法の1つは広帯域増幅器を含む。非線形プラズマのインピーダンスを広帯域増幅器のソースインピーダンスに対して適切に一致させるのは困難である。加えて、広帯域増幅器は、一般的には電力効率が悪く割高である。
【0014】
別の整形されたバイアスの手法は、スイッチングモードの電源とバイアス電位を発生するための電流源とを使用することを含む。この手法はパルス幅変調および正弦波変調を含み、トランジスタがハーフブリッジ構成で使用され、それに付随するトランジスタの降伏電圧のために電力および電圧が制限される。どの時点においても、オンになるトランジスタは1つだけである。この手法はまた、高アスペクト比(HAR)のプラズマエッチング加工などの高出力用途向けのスケーリングが困難である。
【0015】
上記のシステムによってプラズマ加工をある程度制御することはできるが、前述の手法に対して、より小さい構成要素および収率向上のための絶え間ない改善の要求がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0016】
バイアスモジュール、スイッチ、整合回路、および制御モジュールを含む高周波電力システムが提供される。各バイアスモジュールは、それぞれ直流(DC)バイアス電圧を発生するように構成されている。スイッチは、(i)バイアスモジュールから電流を受け取り、(ii)バイアスモジュールからの電流を制御して高周波バイアス電圧信号を発生する、ように構成されている。整合回路は、(i)高周波バイアス電圧信号を受け取り、(ii)高周波バイアス電圧信号に基づき、加工チャンバの基板支持体の電極に高周波出力電圧信号の少なくとも一部分を供給する、ように構成されている。制御モジュールは、高周波出力電圧信号に基づいてスイッチの状態を制御するように構成されてスイッチに接続されており、高周波バイアス電圧信号の波形を整形する。
【0017】
他の特徴では、高周波電力システムを動作させる方法が提供される。この方法は、バイアスモジュールによってDCバイアス電圧を発生するステップと、スイッチにおいてバイアスモジュールから電流を受け取るステップと、バイアスモジュールからの電流をスイッチによって制御して、高周波バイアス電圧信号を発生するステップと、第1の整合回路において高周波バイアス電圧信号を受け取るステップと、高周波バイアス電圧信号に基づき、加工チャンバの基板支持体の電極に、高周波出力電圧信号の少なくとも一部分を供給するステップと、高周波出力電圧信号に基づいてスイッチの状態を制御して、高周波バイアス電圧信号の波形を整形するステップと、を含む。
【0018】
他の特徴では、加工チャンバの基板支持体の電極に高周波電力を供給するための高周波電力システムが提供される。高周波電力システムはプロセッサおよびメモリを含む。メモリは、プロセッサによって実行可能な命令を記憶し、命令は、バイアスモジュールにシグナリングして直流バイアス電圧を発生し、直流バイアス電圧に基づいてスイッチの状態を制御して高周波バイアス電圧信号を発生し、高周波バイアス電圧信号に基づいて整合回路によって発生された高周波出力信号の一部分を含む、電極の高周波電圧を示すフィードバック信号を受け取り、フィードバック信号に基づいてスイッチの状態を制御して、所定のイオンエネルギー分布関数をもたらすように構成されている。
【0019】
本開示を適用可能なさらなる範囲が、発明を実施するための形態、特許請求の範囲および図面から明らかになるであろう。発明を実施するための形態と具体例は、説明のみを目的として意図されており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【0020】
本開示は、発明を実施するための形態および添付図面から十分に理解されるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】RF電力システムの一例の概略の機能ブロック図である。
【
図2】バイアス電圧信号、ソース電圧とバイアス電圧の合成信号、および基板支持体の電極における電位の例を示すグラフである。
【
図3】本開示の一実施形態による、変圧器を含むRF電力システムの一例の概略の機能ブロック図である。
【
図4】本開示の一実施形態による、組み合わされたエンベロープ電圧信号および対応するバイアスRF電圧信号の一例を示すグラフである。
【
図5】本開示の一実施形態による、変圧器を含まないRF電力システムの別の例の概略の機能ブロック図である。
【
図6】本開示の一実施形態による、例示の制御モジュールの機能ブロック図である。
【
図7】本開示の一実施形態による、RF電圧の発生方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図面では、参照番号は、類似の要素および/または同一の要素を識別するために再利用されることがある。
【0023】
たとえば加工チャンバの基板支持体(たとえば静電チャック)の電極の電位を設定するためのRF電圧発生システムは、ソース発生器およびバイアス発生器を含むことができる。
図1には、ソース発生器12およびバイアス発生器14を含むRF電力システム10の一例が示されている。ソース発生器は、所定周波数(たとえば10~100MHz)においてソースRF電圧信号を発生する。バイアス発生器は、所定周波数(たとえば100~2000kHz)においてバイアスRF電圧信号を発生する。ソース発生器およびバイアス発生器は、それぞれの整合回路(たとえば整合回路16および18)を有する。バイアス発生器の場合には、整合回路は、DC阻止キャパシタと直列の簡単な低域通過フィルタでよい。整合回路の出力は、組み合わされて、基板支持体の電極に供給される合成電圧信号をもたらす。
図1の例では、整合回路16、18の出力は、加工チャンバ22の基板支持体20(たとえば静電チャックまたは他の基板支持体)の電極19に供給される。基板支持体は基板(またはウェーハ)24を支持する。基板支持体はキャパシタンス(たとえばキャパシタンスC
ESCまたは他のキャパシタンス)を有し得る。ソースRF信号は主としてプラズマを生成し、バイアスRF信号は、高い負のシース電圧を供給して、加工チャンバの中のプラズマのイオンを加速する。イオンは、基板支持体上に配設された基板において導かれてエッチング加工を遂行し、かつ/または、たとえば基板において高アスペクト比の外観を生成する。
【0024】
本明細書で説明された例が含むRF電圧発生システムは、大電力と、IEDFを制御する整形されたプラズマシース電圧波形とを供給する。RF電圧発生システムは、平坦で周期的な、高い負のプラズマシース電圧を発生する一方で、単調IEDFをもたらす。プラズマシースにおいて、平坦で周期的な、高い負のバイアスRF電圧をもたらすために、ソース発生器およびバイアス発生器の出力電圧は、RF配送システムのプラズマ結合および寄生成分の原因となるように予め歪まされる。
図2には、予め歪まされたバイアス電圧信号V
RFBias 30、ソース電圧とバイアス電圧の合成信号V
composite 32、およびシース電圧信号V
RFSheath 34の例が示されている。ソース発生器からの高周波ソース信号は、バイアス発生器から低周波バイアス信号よりも電圧振幅がはるかに小さい傾向があり、したがって信号32および34は、ソース信号の比較的小さい電圧振幅の表示として太いパターンで表されている。バイアス電圧信号30のピークツーピーク電圧はたとえば10,000Vである。シース電圧信号34に関連した電力は、たとえば25~30kWである。シース電圧信号34は、基板支持体のキャパシタンスとプラズマの間のポイントにおける電位を表現する。
【0025】
図3は、バイアス発生器101、ソース発生器104、および整合回路108、110を含むRF電力システム100を示す。バイアス発生器101は、制御モジュール102、バイアスモジュール106、ダイオードD
1~D
N、変圧器T、およびスイッチSWを含む。ソース発生器104は、電圧V
RFSOURCEおよび所定周波数(たとえば60MHzまたは他の周波数)を有するソースRF電圧信号を発生し、これが整合回路108に供給される。本明細書で使用されるように、「電圧」という用語は1つまたは複数の電圧を指す。V
RFSOURCEなど特定の電圧は経時変化し得、よって電圧V
RFSOURCEと参照される。各バイアスモジュール106はDC電源として動作し、それぞれのDC電圧信号を所定のDC電圧で発生する。したがって、バイアスモジュール106はバイアス発生器と称され得る。一実施形態では、バイアスモジュール106のうち1つがオン状態に保たれ、他のバイアスモジュール106のうち1つまたは複数が、制御モジュール102によってオン状態とオフ状態の間を遷移させられる。1つまたは複数の他のバイアスモジュール106のオン時間およびオフ時間は、制御モジュール102によって決定される。各バイアスモジュール106の出力は、それぞれダイオードD
1~D
Nを通され、Nは2以上の整数である。バイアスモジュール106の出力は、変圧器Tの一次巻線の入力に接続されている。一実施形態では、各バイアスモジュール106は、各バイアスモジュール106からのDC電圧出力のうち最高のものが一次巻線の入力に供給されるように、並列接続されたバッテリーとして動作する。言い換えれば、各バイアスモジュール106のうち最高のDC電圧を有するものの出力が一次巻線の入力に供給される。各バイアスモジュール106がそれぞれのDC電源を含み得る。
【0026】
変圧器Tには一次巻線と二次巻線がある。一次巻線の出力は、スイッチ(たとえば金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET))の端子に接続されている。スイッチSWは制御モジュール102によって制御される。制御モジュール102は、スイッチSWを線形モードまたはスイッチングモードで動作させ得る。線形モード中のスイッチSWは可変抵抗として動作し、線形調整器を実施するように使用される。制御モジュール102およびスイッチSWは高速のRF電圧調整器として動作する。制御モジュール102から線形モード中のスイッチSWのゲートに供給される電圧は、スイッチSWの不飽和領域の範囲内にある。スイッチングモード中、スイッチSWのゲートには、制御モジュール102から、スイッチSWを飽和領域において動作させる電圧が供給される。スイッチングモード中、スイッチSWはオン状態とオフ状態の間で遷移する。
【0027】
スイッチSWが部分的オン状態または完全オン状態のとき、電流は、バイアスモジュール106から順に、ダイオードD1~DN、DC阻止キャパシタCB1、変圧器Tの一次巻線を通り、次いでスイッチSWを通って、基準(またはグラウンド)端子111へと流れる。DC阻止キャパシタCB1は変圧器Tの飽和を防止する。一次巻線を通過する電流により、変圧器Tの二次巻線を通る電流の通路が誘起される。二次巻線は、第1の端において基準端子111に接続されており、第2の端において整合回路110に接続されている。整合回路110の入力と基準端子111の間に、電圧VRFBIASを有するRFバイアス電圧信号が発生される。変圧器Tは昇圧変圧器であり、したがって、組み合わされたエンベロープ電圧VENVELOPEの電圧振幅がRFバイアス電圧VRFBIASの振幅へと増加する。
【0028】
整合回路108、110は例として提供されたものであり、
図3のRF電力システム100には、タイプおよび/または構成が異なる整合回路が組み込まれてよい。整合回路108は可変キャパシタC
S1、C
S2およびインダクタL
Sを含む。整合回路110は低域通過フィルタおよび直列のDC阻止キャパシタC
B2を含む。整合回路108、110の出力において受け取られ得る、加工チャンバ112内のプラズマに関連したDC電圧が、キャパシタC
S2、C
B2によって阻止される。
【0029】
整合回路108、110の出力が、互いに接続されてから基板支持体116の電極114に接続されて、電圧VRFOUTを有するRF出力電圧信号を供給する。基板支持体116は、加工チャンバ112の中で基板118を支持する。整合回路108、110の出力は検知器120にも接続されている。検知器120は、電圧VRFSOURCEを有するRF電圧信号を効果的に遮断して、電圧VRFBIASに関連した電圧VRFBiasSenseを有する検知された電圧信号を供給する。検知器120および対応する接続により、フィードバック制御のためのフィードバックループがもたらされる。RF出力電圧信号および検知された電圧信号は、フィードバックループに与えられるフィードバック信号と称され得る。一実施形態では、検知器120は低域通過フィルタまたは帯域通過フィルタを含み、電圧VRFBIASを有するRFバイアス電圧信号の1つまたは複数の周波数の所定範囲内の周波数成分は、これらのフィルタを通過して検知され得る。一実施形態では、検知器120は低域通過フィルタまたは帯域通過フィルタとして実現される。一実施形態では、電圧VRFBIASを有するRFバイアス電圧信号の周波数は400kHzであり、フィルタは400kHzを中心とする周波数帯域を通す。別の実施形態では、RFバイアス電圧信号の周波数は100kHz~2MHzである。
【0030】
制御モジュール102は、電圧VRFBiasSenseを受け取ることに加えて、パルス同期信号SYNCも受け取り得る。制御モジュール102は、電圧VRFBiasSenseおよびパルス同期信号SYNCに基づいてバイアスモジュール106を制御する。たとえば、バイアスモジュールの1つまたは複数のオン期間のタイミングおよび持続時間は、電圧VRFBiasSenseおよびパルス同期信号SYNCに基づき得る。制御モジュール102は、電圧VRFBiasSenseおよびパルス同期信号SYNCに基づき、スイッチSWの周波数および/またはデューティサイクルを制御し得、したがって電圧VRFBiasを有するRFバイアス電圧信号の周波数および/またはデューティサイクルを制御し得る。DCバイアス電圧を制御することおよびスイッチSWのパラメータにより、RFバイアス電圧信号を正確に整形することができ、したがって電極114において受け取られるRF電圧出力信号および結果の電圧信号の正確な整形が可能になる。
【0031】
RF電力システム100はメモリ130をさらに含み得る。メモリ130は、設定された、所定の、かつ/または検知された、電圧および/または他の動作パラメータを記憶するように使用され得る。電圧は、各サイクルについてVENVELOPE、VRFBIAS、VRFOUT、VRFBiasSenseなどを含み得る。サイクルは、VRFBiasおよび/またはVRFOUTのサイクルを指し得る。パラメータは、電圧VRFSourceおよびスイッチSWに関連したパラメータを含み得る。スイッチパラメータは、周波数、デューティサイクル、オン時間、オフ時間などを含み得る。
【0032】
図4には、電圧V
ENVELOPE、V
RFBIASを有する電圧信号の例が示されている。
図4は、電圧V
ENVELOPEを有する組み合わされたエンベロープ電圧信号150と、電圧V
RFBIASを有する対応するRFバイアス電圧信号152とを示す。電圧信号150と152の間に示された斜線の領域154は、
図3のスイッチSWの線形モード動作によって消費されたエネルギーを表現している。バイアスモジュール106の出力が供給するエンベロープ信号150は、対応するRFバイアス電圧信号152よりも高い電圧の外側エンベロープをもたらす。電圧信号150、152は低周波数(たとえば100kHz~2MHz)であり得る。
【0033】
一実施形態では、バイアスモジュール106の各々の出力は、組み合わされたエンベロープ電圧信号150のステップ電圧をもたらす。
図4の例では、組み合わされたエンベロープ電圧信号150は、各バイアスモジュールについて1つ、2つのステップ(または電圧レベル)156、158を含む。RF電力システム100には2つ以上のバイアスモジュールが含まれ得るので、組み合わされたエンベロープ電圧信号150は任意数のステップを含み得る。より多くのバイアスモジュールおよび対応するステップがあれば、組み合わされたエンベロープ電圧信号150が、対応するRFバイアス電圧信号152によりよく一致し、エネルギー消費がより少なくなる。RF電力システム100は、DC電圧の多数のステップ/レベルをもたらすことにより、カスタム整形されたRFバイアス電圧信号152をもたらす。RF電力システム100は、複数のバイアス電圧ステップをもたらすので、「区分的」、「区分化された」RF電力システムと称され得る。このことは、以下で説明される他のRF電力システムに当てはまる。RF電力システム100は容量結合のRFシステムとして示されているが、本明細書で説明された例は、誘導結合のRFシステムなど他のタイプのRF電力システムに適用可能である。また、整合回路108、110の出力は同一の電極114に接続して示されているが、整合回路108の出力と整合回路110の出力は別々の電極に供給されてよい。電極のうち、整合回路108、110の一方に接続されたものが、基板支持体の外部に配置されてよい。たとえば、電極のうち1つはシャワーヘッドに接続されてよい。このことは、以下で説明される他のRF電力システムにも当てはまる。
【0034】
図5は、バイアス発生器201、ソース発生器204、および整合回路208、210を含む区分的RF電力システム200を示す。バイアス発生器201は、制御モジュール202、バイアスモジュール206、ダイオードD
1~D
N、およびスイッチSWを含む。バイアス発生器201は変圧器を含まない。ダイオードD
1~D
Nと整合回路208の間に電圧の上昇が必要でないとき、RF電力システム200が使用され得る。制御モジュール202、ソース発生器204、バイアスモジュール206、ダイオードD
1~D
N、スイッチSW、および整合回路208、210は、
図3の制御モジュール102、ソース発生器104、バイアスモジュール106、ダイオードD
1~D
N、スイッチSW、整合回路108、110と同様に動作し得る。
【0035】
ソース発生器204は、電圧VRFSOURCEおよび所定周波数を有するソースRF電圧信号を発生する。ソースRF電圧信号は整合回路208に供給される。各バイアスモジュール206はDC電源として動作し、それぞれのバイアスDC電圧信号を所定のDC電圧で発生する。したがって、バイアスモジュール206はバイアス発生器と称され得る。バイアスモジュール206の出力は、それぞれダイオードD1~DNを通される。バイアスモジュール206の出力は、スイッチSWの入力端子に接続されている。一実施形態では、各バイアスモジュール206は、各バイアスモジュール206からのDC電圧出力のうち最高のものがスイッチSWの入力に供給されるように、ダイオードD1~DNを介して並列接続されたバッテリーとして動作する。言い換えれば、各バイアスモジュール206のうち最高のDC電圧を有するものの出力がスイッチSWの入力に供給される。
【0036】
スイッチは、MOSFETまたは他の適切なスイッチでよい。スイッチSWは制御モジュール202によって制御される。制御モジュール202は、スイッチSWを線形モードまたはスイッチングモードで動作させ得る。線形モード中のスイッチSWは可変抵抗として動作し、線形調整器を実施するように使用される。制御モジュール202から線形モード中のスイッチSWのゲートに供給される電圧は、スイッチSWの不飽和領域の範囲内にある。スイッチングモード中、スイッチSWのゲートには、制御モジュール202から、スイッチSWを飽和領域において動作させる電圧が供給される。スイッチングモード中、スイッチSWはオン状態とオフ状態の間で遷移する。
【0037】
スイッチSWが部分的オン状態または完全オン状態のとき、電流はスイッチSWを通って整合回路210へと流れる。RF出力電圧VRFBIASが発生されて、整合回路210の入力に供給される。組み合わされたエンベロープ電圧VENVELOPEの電圧振幅は、電圧VRFBIASの振幅からスイッチSWの電圧降下を引いたものになり得、この電圧降下はスイッチSWが完全オン状態のときには無視できるものである。
【0038】
整合回路208、210は例として提供されたものであり、
図5のRF電力システム200には、タイプおよび/または構成が異なる整合回路が組み込まれてよい。整合回路208は可変キャパシタC
S1、C
S2およびインダクタL
Sを含む。整合回路210は低域通過フィルタおよびDC阻止キャパシタC
B2を含む。整合回路208、210の出力において受け取られ得る、加工チャンバ212内のプラズマに関連したDC電圧が、キャパシタC
S2、C
B2によって阻止される。
【0039】
整合回路208、210の出力が、互いに接続されてから基板支持体216の電極214に接続されて、電圧V
RFOUTを有するRF出力電圧信号を供給する。基板支持体216は、加工チャンバ212の中で基板218を支持する。整合回路208、210の出力は検知器220にも接続されている。検知器220は、電圧V
RFSOURCEを有するRF電圧信号を効果的に遮断して、電圧V
RFBIASに関連した電圧V
RFBiasSenseを有する検知された電圧信号を供給する。検知器220および対応する接続により、フィードバック制御のためのフィードバックループがもたらされる。一実施形態では、検知器220は、
図3の検知器120と同様に動作し、低域通過フィルタまたは帯域通過フィルタを含み、電圧V
RFBIASを有するRFバイアス電圧信号の1つまたは複数の周波数の所定範囲内の周波数成分は、これらのフィルタを通過し得る。一実施形態では、検知器220は低域通過フィルタまたは帯域通過フィルタとして実現される。一実施形態では、RFバイアス電圧信号の周波数は400kHzであり、フィルタは400kHzを中心とする周波数帯域の通過および検知を許容するものである。別の実施形態では、RFバイアス電圧信号の周波数は100kHz~2MHzである。
【0040】
制御モジュール202は、電圧VRFBiasSenseを受け取ることに加えて、パルス同期信号SYNCも受け取ってよい。制御モジュール202は、電圧VRFBiasSenseおよびパルス同期信号SYNCに基づいてバイアスモジュール206を制御する。たとえば、バイアスモジュールの1つまたは複数のオン期間のタイミングおよび持続時間は、電圧VRFBiasSenseおよびパルス同期信号SYNCに基づき得る。制御モジュール202は、電圧VRFBiasSenseおよびパルス同期信号SYNCに基づき、スイッチSWの周波数および/またはデューティサイクルを制御し得、したがって電圧VRFBiasを有するRFバイアス電圧信号の周波数および/またはデューティサイクルを制御し得る。
【0041】
図6は制御モジュール250を示す。
図3の制御モジュール102および
図5の制御モジュール202は、制御モジュール250として実現されてよい。制御モジュール250は、パターンモジュール252、シース電圧モジュール254、バイアス電圧モジュール256、DC電圧モジュール258、スイッチモジュール260、予測モジュール262、現在状態モジュール264、比較モジュール266、および収束モジュール268を含み得る。実施形態の一例では、制御モジュール250は、モジュール252、254、256、258、260、262、264、266、268に関連したコードを実行するプロセッサを含む。モジュール250、252、254、256、258、260、262、264、266、268の動作は、
図7の方法を参照しながら以下で説明する。
【0042】
図1、
図3、
図5、
図6の制御モジュールのさらに定義された構造については、以下で
図7に提供される方法、および「モジュール」という用語について以下で提供される定義を参照されたい。本明細書で開示されたシステムは多くの方法を使用して動作され得、RF電圧発生方法の一例が
図7に示されている。以下の動作は、主として
図3~
図6の実装形態を参照しながら説明されるが、本開示の他の実装形態に適合するように容易に変更され得るものである。動作は繰り返し遂行されてよい。示される以下の動作は、主として順次に遂行されるものとして説明されるが、以下の動作のうち1つまたは複数は、1つまたは複数の他の動作と並行して遂行され得るものである。
【0043】
この方法は300において始まり得る。302において、制御モジュール250および/またはパターンモジュール252は、VRFBias、VRFOUT、および/またはプラズマシース電圧のRF電圧パターンを選択してよい。制御モジュール250は、所定のIEDF(たとえば単調IEDF)を供給するためにRF電圧パターンを選択してよい。したがって、制御モジュール250はIEDFコントローラと称され得る。このRF電圧パターンは、たとえばエッチング、洗浄、および/または他の基板加工動作中にたどる製法および/またはエッチングパターン用に選択されてよい。
【0044】
304において、制御モジュール250および/またはシース電圧モジュール254は、選択されたRF電圧パターンに基づき、現在のサイクルのために、1つまたは複数のプラズマシース電圧および/またはVRFOUTのための1つまたは複数のRF出力電圧などシース電圧を示す電圧を、決定するかまたは選択してよい。306において、制御モジュール250および/またはバイアス電圧モジュール256は、決定された、または選択された、1つまたは複数のプラズマシース電圧および/またはシース電圧を示す電圧に基づいて、VRFBiasのための1つまたは複数の電圧を決定してよい。
【0045】
308において、制御モジュール250は、電圧VRFBiasおよび/または他のパラメータに基づいて決定してよい。バイアスモジュール(たとえばバイアスモジュール106、206)のDCバイアス電圧などのいくつかのパラメータは、DC電圧モジュール258によって決定され得る。スイッチパラメータなどの他のパラメータはスイッチモジュール260によって決定され得る。VRFBiasSenseの予測される電圧などのさらなる他のパラメータは、予測モジュール262によって決定され得る。予測される電圧は、VRFBiasSenseの以前の電圧、ならびに決定された、かつ/または選択された、対応する電圧およびパラメータに基づくものでよい。この情報は、メモリ(たとえばメモリ130、230のうち1つ)に記憶され得る。一実施形態では、この情報は、予測された電圧を他のパラメータに関連づける表の形式で記憶される。
【0046】
310において、バイアスモジュールが、制御モジュール250および/またはDC電圧モジュール258によって制御されて、たどるべき外側のRFバイアス電圧エンベロープを定義するDCバイアス電圧を発生する。一実施形態では、バイアスモジュールのうち1つがオン状態を保つ。この実施形態については、制御モジュール250および/またはDC電圧モジュール258は、現在のサイクルで与えられている対応するステップに依拠して、1つまたは複数の他のバイアスモジュールを活性化してよい。サイクル中に活性化されるバイアスモジュールの数は、発生されているRF電圧波形の複雑さに依拠するものでよい。現在のサイクル中に活性化されるバイアスモジュールは、順次に活性化されてよい。1つまたは複数のバイアスモジュールが活性化されているとき、1つまたは複数の他のバイアスモジュールが非活性化されてよい。動作310は、動作312の遂行中に遂行されてよい。
【0047】
312において、制御モジュール250および/またはスイッチモジュール260は、スイッチSWの状態を制御して、電圧VRFBiasを有するRFバイアス電圧信号を供給する。これは、スイッチのゲートに供給される電圧、スイッチのオン時間、スイッチのオフ時間、ならびに/あるいは1つまたは複数の状態の持続時間を制御することを含み得る。基板支持体の電極には、整合回路によってRFバイアス電圧信号が供給される。
【0048】
314において、フィルタ(たとえばフィルタ120、220のうち1つ)は、電圧VRFOUTを有するRF電圧出力信号および/またはプラズマシース電圧を示す電圧を有する他の検知された電圧信号を受け取る。一実施形態では、電極における電圧が検知されてフィルタに供給される。316において、フィルタは、受け取られた電圧信号をフィルタリングして、電圧VRFBiasSenseを有する検知された電圧信号を供給する。電圧VRFBiasSenseは制御モジュールにおいて受け取られる。
【0049】
318において、制御モジュール250および/または現在状態モジュール264は、電圧VRFBiasSenseと、対応するRF出力電圧VRFOUT、DCバイアス電圧、およびスイッチパラメータとをメモリに記憶してよい。320において、制御モジュール250および/または比較モジュール266は、検知された電圧VRFBiasSenseを予測された電圧VRFBiasSenseと比較して、現在のサイクルに関する差分値を決定する。322において、制御モジュール250および/または比較モジュール266は、差分値をメモリに記憶してよい。
【0050】
324において、制御モジュール250および/または収束モジュール268は、次のサイクルのために、(i)現在のサイクルに関する差分値、(ii)以前の1つまたは複数のサイクルに関する差分値、および(iii)以前の1つまたは複数のサイクルの結果に基づいて行われた調節、に基づいて、DCバイアス電圧および/またはスイッチのパラメータのうち1つまたは複数を調節する。DCバイアス電圧を調節することは、オン時間、オフ時間、および/またはバイアスモジュールのオン状態やオフ状態の持続時間など、他のパラメータを調節することを含み得る。326において、制御モジュール250および/または収束モジュール268は、調節されたDCバイアス電圧および/または動作324中に調節された他のパラメータを記憶してよい。電圧、パラメータ、および/または前サイクルの調節に基づく調節は、選択されたRF電圧パターンの波形を収束させるフィードフォワード方式をもたらす。前サイクルからの誤差は収束速度を増加させるために使用される。制御モジュール250および/または収束モジュール268は、高速調整器として、フィルタの出力を受け取り、指定された調節を遂行する。
【0051】
328において、制御モジュール250は、現在選択されたRF電圧パターンの代わりに別のRF電圧サイクルが発生されるべきかどうかを判定してよい。別のRF電圧サイクルが発生される場合には動作310が遂行され、そうでなければ動作330が遂行されてよい。330において、制御モジュール250は、別のRF電圧パターンが選択されるべきかどうかを判定してよい。別のRF電圧パターンが選択される場合には動作302が遂行されてよく、そうでなければ方法は332において終結し得る。
【0052】
前述の動作は、説明の例となるように意図されたものであり、用途に依拠して、順次に、同期して、同時に、連続的に、重複する期間中に、または異なる順序で遂行されてよい。また、いずれの動作も、実装形態および/またはイベントのシーケンスに依拠して、遂行されなくてよく、スキップされてもよい。
【0053】
本明細書で開示されたRF電力システムは、正弦波バイアス、複数の正弦波バイアス、および広帯域増幅器/整形されたバイアスの手法に関して以前に説明されたRF電力システムなど従来のRF電力システムよりも、含んでいるハードウェア構成要素が少ない。これによって、関連する運転コストが低減され、しかも信頼性が高まる。開示されたRF電力システムにより、複数の正弦波および広帯域増幅器/整形されたバイアスの手法に対して、運転効率も向上する。効率が90%であり得る複数のDCバイアスモジュールを使用することにより、熱に浪費されるエネルギーが低減される。開示されたRF電力システムは、高電圧(たとえば-10,000V以上の)用途に適用可能であり、高アスペクト比(HAR)エッチングのための単調IEDFを提供するものである。HARエッチングは、3D NAND型フラッシュメモリデバイス、高密度ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)デバイス、および相変化ランダムアクセスメモリ(PCRAM)など他のメモリデバイスを製造するために使用される。一実施形態では、RF電力システムは、原子層エッチングおよび原子層堆積加工などの低イオンエネルギー加工を正確に制御するために実現され得る。これらの加工は、半導体論理加工およびマルチパターニングリソグラフィ加工で利用される。
【0054】
前述の説明は本来例示でしかなく、本開示、その用途、または使用法を限定するようには意図されていない。本開示の広範な教示は様々な形態で実現され得る。したがって、本開示は特定の例を含むが、図面、明細書、および以下の特許請求の範囲を検討すれば他の修正形態が明らかになるはずであるので、本開示の真の範囲はそのように限定されるべきではない。方法の範囲内の1つまたは複数のステップが、本開示の原理を変えることなく、異なる順序で(または同時に)実行され得ることを理解されたい。さらに、上記では実施形態の各々が一定の特徴を有するように説明されているが、本開示のいずれかの実施形態を参照しながら説明された特徴のうち任意の1つまたは複数が、他の実施形態のうち任意のものの特徴において、かつ/またはそれと組み合わせて(その組合せが明示的に説明されていなくても)実現され得るものである。言い換えれば、説明された実施形態は相互排除ではなく、1つまたは複数の実施形態の互いとの置換は本開示の範囲内に存続する。
【0055】
本明細書では、様々な素子、構成要素、ループ、回路、および/またはモジュールを説明するために第1、第2、第3などの用語が使用されることがあるが、これらの素子、構成要素、ループ、回路、および/またはモジュールは、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、1つの素子、構成要素、ループ、回路またはモジュールを、別の素子、構成要素、ループ、回路またはモジュールと区別するためにのみ使用され得るものである。「第1」、「第2」などの用語および他の数値的用語は、本明細書で用いられたとき、文脈によって明瞭に示された場合を除けば、順序また序列を意味するものではない。したがって、以下で論じられる第1の素子、第1の構成要素、第1のループ、第1の回路または第1のモジュールは、本明細書で開示された例示的実施形態の教示から逸脱することなく、第2の素子、第2の構成要素、第2のループ、第2の回路または第2のモジュールと称されることがある。
【0056】
要素間の(たとえばモジュール、回路要素、半導体層などの間の)空間的関係および機能的関係は、「接続された」、「係合された」、「結合された」、「隣接する」、「次に」、「上部に」、「上に」、「下に」、および「配設された」を含む様々な用語を使用して説明されている。上記の開示において第1の要素と第2の要素の間の関係が説明されたとき、「直接的なもの」として明示的に説明されていない場合、その関係は、第1の要素と第2の要素間に他の介在要素がない直接的なものであり得るが、第1の要素と第2の要素間に(空間的または機能的に)1つまたは複数の介在要素が存在する間接的な関係でもあり得る。本明細書で使用される慣用句「A、B、およびCのうち少なくとも1つ」は、排他的でない論理和を使用した論理の(AまたはBまたはC)を意味するように解釈されるべきであって、「Aのうち少なくとも1つ、Bのうち少なくとも1つ、およびCのうち少なくとも1つ」を意味するよう解釈されるべきでない。
【0057】
図では、矢印記号によって示されるような矢印の方向は、一般に、図解にとって興味深い情報(データまたは命令など)の流れを明示するものである。たとえば、要素Aと要素Bが各種情報を交換するが、要素Aから要素Bに伝達される情報が図解にとって重要なときには、矢印は要素Aから要素Bを指し示し得る。この一方向の矢印は、要素Bから要素Aへの他の情報の伝達がないことを意味するわけではない。さらに、要素Aから要素Bに送られる情報に関して、要素Bは、要素Aに対して情報の送信要求または受信確認を送ってよい。
【0058】
以下の定義を含む本出願では、「モジュール」または「コントローラ」という用語は、「回路」という用語で置換され得る。「モジュール」という用語は、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル、アナログ、またはアナログ/デジタル混合のディスクリート回路、デジタル、アナログ、またはアナログ/デジタル混合の集積回路、組合せ論理回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コードを実行する(共用の、専用の、またはグループの)プロセッサ回路、プロセッサ回路によって実行されるコードを記憶する(共用の、専用の、またはグループの)メモリ回路、説明された機能をもたらす他の適切なハードウェア構成要素、あるいはシステムオンチップなどにおける上記のいくつかまたはすべての組合せを指してよく、これらの一部分でよく、またはこれらを含んでよい。
【0059】
モジュールは1つまたは複数のインターフェース回路を含み得る。いくつかの例では、インターフェース回路は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット、広域ネットワーク(WAN)、またはそれらの組合せに接続された、有線または無線のインターフェースを含み得る。本開示の何らかの所与のモジュールの機能は、インターフェース回路を介して接続された複数のモジュールの間に分散されてよい。たとえば、複数のモジュールは負荷平衡を可能にし得る。さらなる例では、(遠隔モジュールまたはクラウドモジュールとしても知られている)サーバモジュールが、クライアントモジュールに代わっていくつかの機能を達成してもよい。
【0060】
上記で使用されたようなコードという用語は、ソフトウェア、ファームウェア、および/またはマイクロコードを含んでよく、また、プログラム、ルーチン、関数、クラス、データ構造、および/またはオブジェクトを指してもよい。共用プロセッサ回路という用語は、複数のモジュールからのいくつかまたはすべてのコードを実行する単一のプロセッサ回路を包含する。グループプロセッサ回路という用語は、追加のプロセッサ回路と組み合わせて、1つまたは複数のモジュールからのいくつかまたはすべてのコードを実行するプロセッサ回路を包含する。複数のプロセッサ回路に対する言及は、個別のダイ上の複数のプロセッサ回路、単一ダイ上の複数のプロセッサ回路、単一プロセッサ回路の複数のコア、単一プロセッサ回路の複数のスレッド、または上記のものの組合せを包含する。共用メモリ回路という用語は、複数のモジュールからのいくつかまたはすべてのコードを記憶する単一のメモリ回路を包含する。グループメモリ回路という用語は、追加のメモリと組み合わせて、1つまたは複数のモジュールからのいくつかまたはすべてのコードを記憶するメモリ回路を包含する。
【0061】
メモリ回路という用語は、コンピュータ可読媒体という用語のサブセットである。本明細書で使用されるようなコンピュータ可読媒体という用語は、媒体(搬送波など)によって伝搬する一時的な電気信号または電磁気信号を包含せず、したがって、コンピュータ可読媒体という用語は、有体かつ非一時的なものと見なされ得る。非一時的かつ有体のコンピュータ可読媒体の非限定的な例は、不揮発性メモリ回路(フラッシュメモリ回路、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ回路、またはマスクリードオンリメモリ回路など)、揮発性メモリ回路(スタティックランダムアクセスメモリ回路またはダイナミックランダムアクセスメモリ回路など)、磁気記憶媒体(アナログもしくはデジタルの磁気テープまたはハードディスクドライブなど)、および光学記憶媒体(CD、DVD、またはブルーレイディスクなど)である。
【0062】
本出願において説明された装置および方法は、コンピュータプログラムで具現された1つまたは複数の特定の機能を実行するように汎用コンピュータを構成することによってもたらされた専用コンピュータによって、部分的にまたは完全に実現され得る。上記で説明された機能ブロック、流れ図の構成要素、および他の要素は、ソフトウェア仕様書として役に立ち、熟練した専門技術者またはプログラマのルーチンワークによってコンピュータプログラムに変換され得るものである。
【0063】
コンピュータプログラムは、少なくとも1つの非一時的な有体のコンピュータ可読媒体に記憶されたプロセッサ実行可能命令を含む。コンピュータプログラムは、記憶データを含んでよく、または記憶データに依存してもよい。コンピュータプログラムは、専用コンピュータのハードウェアと相互作用する基本入出力システム(BIOS)、専用コンピュータの特定のデバイスと相互作用するデバイスドライバ、1つまたは複数のオペレーティングシステム、ユーザアプリケーション、バックグラウンドサービスおよびバックグラウンドアプリケーションなどを包含し得る。
【0064】
コンピュータプログラムは、(i)HTML(ハイパーテキストマークアップ言語)、XML(拡張マークアップ言語)、またはJSON(JavaScript(登録商標)オブジェクト表記法)などの構文解析される記述、(ii)アセンブラコード、(iii)コンパイラによってソースコードから生成されたオブジェクトコード、(iv)インタープリタによって実行するためのソースコード、(v)JITコンパイラによるコンパイルおよび実行用のソースコード、などを含み得る。例としてのみ、ソースコードは、C、C++、C#、Objective C、Swift、Haskell、Go、SQL、R、Lisp、Java(登録商標)、Fortran、Perl、Pascal、Curl、OCaml、Javascript(登録商標)、HTML5(ハイパーテキストマークアップ言語、第5リビジョン)、Ada、ASP(アクティブサーバページ)、PHP(PHP: ハイパーテキストプロセッサ)、Scala、Eiffel、Smalltalk、Erlang、Ruby、Flash(登録商標)、Visual Basic(登録商標)、Lua、MATLAB(登録商標)、SIMULINK(登録商標)、およびPython(登録商標)を含む言語の構文を使用して書かれ得る。
【0065】
ある要素が「~するための手段」という慣用句を使用して明確に記述された場合、または方法の請求項が「~するための動作」もしくは「~するためのステップ」という慣用句を使用する場合を除けば、特許請求の範囲において記述された要素のいかなるものも、米国特許法第112条(f)の意味の範囲内のミーンズプラスファンクション要素であるようには意図されていない。
【符号の説明】
【0066】
10 RF電力システム
12 ソース発生器
14 バイアス発生器
16 ソース整合回路
18 バイアス整合回路
19 電極
20 基板支持体
22 加工チャンバ
24 基板
30 バイアス電圧信号
32 ソース電圧とバイアス電圧の合成信号
34 シース電圧信号
100 RF電力システム
101 バイアス発生器
102 制御モジュール
104 ソース発生器
106 バイアスモジュール
108 整合回路
110 整合回路
111 基準端子
112 加工チャンバ
113 低域通過フィルタ
114 電極
116 基板支持体
118 基板
120 検知器
130 メモリ
150 組み合わされたエンベロープ電圧信号
152 RFバイアス電圧信号
154
図3のスイッチSWの線形モード動作によって消費されたエネルギー
156 電圧レベル
158 電圧レベル
200 区分的RF電力システム
201 バイアス発生器
202 制御モジュール
204 ソース発生器
206 バイアスモジュール
208 整合回路
210 整合回路
212 加工チャンバ
213 低域通過フィルタ
214 電極
216 基板支持体
218 基板
220 検知器
230 メモリ
250 制御モジュール
252 パターンモジュール
254 シース電圧モジュール
256 バイアス電圧モジュール
258 DC電圧モジュール
260 スイッチモジュール
262 予測モジュール
264 現在状態モジュール
266 比較モジュール
268 収束モジュール