(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-26
(45)【発行日】2023-02-03
(54)【発明の名称】接合装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/02 20060101AFI20230127BHJP
【FI】
H01L21/02 B
(21)【出願番号】P 2022182964
(22)【出願日】2022-11-15
(62)【分割の表示】P 2022146264の分割
【原出願日】2022-06-17
【審査請求日】2022-11-15
(31)【優先権主張番号】202210274777.1
(32)【優先日】2022-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522245189
【氏名又は名称】蘇州芯慧聯半導体科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SUZHOU XINHUILIAN SEMICONDUCTOR TECHNOLOGY CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100120226
【氏名又は名称】西村 知浩
(72)【発明者】
【氏名】劉紅軍
(72)【発明者】
【氏名】大木敬介
(72)【発明者】
【氏名】任潮群
【審査官】河合 俊英
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-272707(JP,A)
【文献】特表2016-503589(JP,A)
【文献】特開2015-46637(JP,A)
【文献】特開2020-194865(JP,A)
【文献】特開2014-165331(JP,A)
【文献】特開平7-335512(JP,A)
【文献】国際公開第2017/115684(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板を保持する第1保持部と、第2基板を保持する第2保持部と、前記第1保持部で前記第1基板を保持する保持面と反対側に位置する撮像部と、前記第2保持部に配置され前記第2基板を前記第1基板側に押圧する押圧部と、を有する接合装置であって、
前記撮像部は、第1光源を有し、
前記押圧部は、第2光源を有し、
前記第1保持部は、当該第1保持部を鉛直方向に貫通した光路部を備え、前記第2光源から出射された赤外光が前記光路部を通って前記撮像部に入射可能となる、接合装置。
【請求項2】
前記第2保持部は、相互に分離可能な第1プレートと、第2プレートと、を有し、
前記第1プレートは、鉛直方向に貫通した開孔部を有し、
前記第2プレートは、鉛直方向に貫通した空間部を有し、
前記第1プレートと前記第2プレートが接合したときに、前記開孔部と前記空間部が鉛直方向に連通してひとつの部屋が形成される、請求項1に記載の接合装置。
【請求項3】
前記押圧部が前記第1プレートの前記開孔部に配置され、前記第2光源が前記第2プレートの前記空間部に配置されている、請求項2に記載の接合装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば半導体ウェハやガラス基板等の基板同士を接合する接合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から半導体ウェハやガラス基板等の基板同士を接合する技術が知られている。例えば、接合装置は、第1保持部と、第2保持部と、チャンバと、撮像部と、光源と、水平位置調整部と、制御部と、を備えている。第1保持部は、第1基板を吸着保持する。第2保持部は、第1基板に接合される第2基板を吸着保持する。撮像部は、チャンバの外部に配置され、チャンバの外部からチャンバ及び第1保持部に形成された貫通孔を介して第1基板及び第2基板に設けられたアライメントマークを撮像する。光源は、チャンバの外部に配置され、チャンバの外部からチャンバ及び第2保持部に形成された貫通孔を介して光を照射する。制御部は、チャンバの内部を減圧した状態で第1基板及び第2基板のアライメントマークを撮像する撮像処理を撮像部に対して実行させ、その後、撮像部の撮像結果に基づいて第1保持部の水平位置を調整する調整処理を水平位置調整部に対して実行させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、撮像部は、少なくともZ軸方向に移動する構成であり、当該移動に伴い撮像精度が悪くなる傾向がある。この結果、基板同士の接合精度が低下する技術的課題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑み、撮像部の撮像精度を高めて、基板同士の接合精度を向上できる接合装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1基板を保持する第1保持部と、第2基板を保持する第2保持部と、前記第1保持部で前記第1基板を保持する保持面と反対側に位置する撮像部と、前記第2保持部に配置され前記第2基板を前記第1基板側に押圧する押圧部と、を有する接合装置であって、前記撮像部は、第1光源を有し、前記押圧部は、第2光源を有し、前記第1保持部は、当該第1保持部を鉛直方向に貫通した光路部を備え、前記第2光源から出射された赤外光が前記光路部を通って前記撮像部に入射可能となる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、撮像部の撮像精度を高めて、基板同士の接合精度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の接合装置のプッシュピン構造が用いられる接合装置の構成図である。
【
図2】本発明の接合装置のプッシュピン構造が設けられる第2保持部の構成図である。
【
図3】本発明の接合装置のプッシュピン構造が設けられる第2保持部の各プレートの分解図である。
【
図4】本発明の接合装置で実行される基板の接合処理のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施形態に係る接合装置のプッシュピン構造について説明する。
【0010】
図1に示すように、接合装置10は、半導体ウェハやガラス基板等の基板同士を接合させるための装置である。接合装置10は、主として、筐体となるフレーム12と、フレーム12に設けられ第1基板14を保持する第1保持部18と、フレーム12に設けられた撮像部22と、第2基板16を保持する第2保持部20と、第2保持部20に設けられ第2基板16を第1基板14側に押圧する押圧部24(
図2、
図3参照)と、これらを制御する制御部(図示省略)と、を有している。なお、
図1では第1基板14と第2基板16とが接合した状態を示す。
【0011】
第1基板14及び第2基板16は、例えば、半導体ウェハやガラス基板等の基板であるが、特に限定されるものではない。
【0012】
フレーム12は、接合装置10の筐体となる構造体である。
【0013】
第1保持部18は、フレーム12に固定されて設けられている。第1保持部18は、第1基板14を保持する第1保持面18Aを有している。第1保持部18による第1基板14を保持する原理は、従来の接合装置における基板の吸着原理と同様である。
【0014】
なお、第1保持面18Aは、本発明の「保持面」の一実施態様である。
【0015】
具体的には、第1保持部18は、例えば、静電チャック、加熱部、冷却部(いずれも図示省略)等を備えている。静電チャックは、内部電極と誘電体とを有し、内部電極に電圧を印加することによって発生する静電気力を用いて第1基板14を第1保持面18Aに吸着させる。このため、当該第1保持面18Aは、第1基板14の吸着面として機能する。
【0016】
加熱部は、例えばセラミックヒータなどのヒータであり、静電チャックに内蔵されている。加熱部が静電チャックを加熱することにより、静電チャックに保持された第1基板14を加熱する。
【0017】
冷却部は、既存のものであり、第1基板14と第2基板16の接合後、第1基板14と第2基板16が接合して生成された重合基板を冷却する。
【0018】
第1保持部18には、孔又は隙間で形成された光路部28が設けられている。このため、光路部28は第1保持部18を鉛直方向に貫通しており、後述する第2光源34から出射された赤外光が光路部28を通って撮像部22に入射可能となる。
【0019】
撮像部22は、第1駆動機構26を介してフレーム12に設けられている。撮像部22は、第1基板14及び第2基板16に設けられたアライメントマークを撮像する。撮像部22は、第1保持部18の吸着面側と鉛直方向(Z方向)の反対側に位置している。このため、撮像部22は、第1保持部18に設けられた光路部28を介して、第1基板14及び第2基板16に設けられたアライメントマークを撮像可能となる。
【0020】
撮像部22は、例えば、赤外線カメラ(IRカメラ)が用いられる。撮像部22の焦点深度は、例えば6μmである。また、撮像部22は、撮像データなどに基づいてアライメント処理又は接合処理が可能な制御部を内蔵している構成でもよい。また、撮像部22は、外部の制御システムに撮像データを送信し、外部の制御システムにより基板のアライメント処理又は接合処理が実行されるように構成してもよい。
【0021】
撮像部22は、例えば赤外光を出射する第1光源23を備えている。第1光源23は、例えば撮像部22に内蔵されており、少なくとも第1基板14のプリ・アライメント時において点灯し、撮像可能としている。このように、撮像部22は、同軸照明が可能となる。
【0022】
なお、第1光源23は、従来から知られている赤外線LED素子又はハロゲンランプなどが用いられる。また、第1光源23は、例えば1000~1200ナノメートル(nm)の波長の光を出射する。第1光源23は、シリコンウェハを含む半導体ウェハ等の基板を透過できる波長の光を出射できるものが用いられる。
【0023】
第1駆動機構26は、X方向、Y方向及びZ方向に沿って撮像部22を移動可能にするものである。例えば、X方向とは
図1に示す水平方向、Y方向とは
図1に示す垂直方向、Z方向とは
図1に示す鉛直方向を指す。
【0024】
なお、第1駆動機構26は、駆動機構として従来から知られている技術が用いられる。
【0025】
第2保持部20は、ステージ30に設けられている。第2保持部20は、第2基板16を保持する第2保持面20Aを有している。第2保持部20による第2基板16を保持する原理は、従来の接合装置における基板の吸着原理と同様である。
【0026】
具体的には、第2保持部20は、例えば、静電チャック、加熱部、冷却部(いずれも図示省略)等を備えている。静電チャックは、内部電極と誘電体とを有し、内部電極に電圧を印加することによって発生する静電気力を用いて第2基板16を第2保持面20Aに吸着させる。このため、当該第2保持面20Aは、第2基板16の吸着面として機能する。
【0027】
加熱部は、例えばセラミックヒータなどのヒータであり、静電チャックに内蔵されている。加熱部が静電チャックを加熱することにより、静電チャックに保持された第2基板16を加熱する。
【0028】
冷却部は、既存のものであり、第1基板14と第2基板16の接合後、第1基板14と第2基板16が接合して生成された重合基板を冷却する。
【0029】
ステージ30は、フレーム12側に機械的に連結されている。ステージ30は、第2駆動機構32によりX方向、Y方向及びZ方向に沿って移動可能となるように構成されている。例えば、X方向とは
図1に示す水平方向、Y方向とは
図1に示す垂直方向、Z方向とは
図1に示す鉛直方向を指す。加えて、第2駆動機構32は、モータ及び回転軸を有し、モータの回転駆動力を受けて回転軸が回転する。これにより、ステージ30がZ軸回りに回転駆動し、第2保持部20のZ軸回りの回転が可能になる。
【0030】
なお、第2駆動機構32は、駆動機構として、従来から知られている技術が用いられる。
【0031】
第2保持部20は、鉛直下方に配置されたステージ30により支持されている。このため、第2保持部20は、ステージ30と共にX方向、Y方向及びZ方向に沿って移動可能になる。加えて、第2保持部20は、ステージ30と共に、Z軸回りに回転する。
【0032】
図2及び
図3に示すように、第2保持部20は、相互に分離可能な第1プレート36と第2プレート38とを有している。第1プレート36は第1保持部18側に位置しており、第2プレート38はステージ30(第2駆動機構32)側に位置している。このため、第1プレート36と第2プレート38とは水平方向に沿って形成された接合面40を境界として鉛直方向(Z方向)に分離可能となる。
【0033】
第1プレート36と第2プレート38は、ボルト及びナット等の固着具により相互に固定され、又は分離可能となっている。
【0034】
第1プレート36の内部には、押圧部24が配置されている。具体的には、第1プレート36には鉛直方向(Z方向)に貫通した開孔部42が形成されている。この開孔部42には、押圧部24が配置されている。
【0035】
押圧部24は、いわゆるプッシュロッド(プッシュピンともいう)であり、鉛直方向(Z方向)に沿って昇降するように構成されている。押圧部24の先端部は、赤外光等を透過可能な透明の石英で形成されている。透明の石英で構成される部位は、押圧部24の先端部に限られるものではなく、押圧部24の筐体のすべての部位が透明の石英で形成されていてもよい。また、赤外光を透過する透明部材であれば、石英の材質に限定されるものではない。
【0036】
押圧部24には、図示しない駆動部が機械的に接続されている。駆動部は、押圧部24を鉛直方向(Z方向)に沿って駆動させるものである。これにより、押圧部24は、鉛直方向(Z方向)に沿って昇降することが可能になる。駆動部は、例えば第1プレート36に設けられている。
【0037】
なお、駆動部は、例えば、空気圧シリンダ又は油圧シリンダ若しくはモータ及びピエゾアクチュエータ等が用いられる。
【0038】
第2プレート38の内部には、第2光源34が配置されている。具体的には、第2プレート38には鉛直方向(Z方向)に貫通した空間部44が形成されている。この空間部44に第2光源34が配置されている。第1プレート36と第2プレート38が接合したときに、第1プレート36側の開孔部42と第2プレート38側の空間部44が鉛直方向に連通してひとつの部屋が形成される。
【0039】
第2光源34は、第2プレート38の内部であって撮像部22の鉛直下方側に位置している。このため、撮像部22と、第1プレート36側の開孔部42と第2プレート38側の空間部44が鉛直方向に沿って連通し、さらには第1保持部18の光路部28と連通した状態になるため、第2光源34から照射された赤外光が撮像部22に入射可能になる。
【0040】
第2プレート38の内部には、第2光源34を固定するための光源固定部46が設けられている。第2光源34は、光源固定部46に着脱可能となるように配置されている。また、光源固定部46には電力が供給されており、光源固定部46に電気的に接続された第2光源34から赤外光が出射される。
【0041】
このように、押圧部24の先端部の透明部位から、第2光源34から出射された赤外光が撮像部22に向かって照射されるため、押圧部24に照明機能を兼備させた構成となる。換言すれば、押圧部24の収納スペースの一部を利用して第2光源34が配置しているため、第2光源34を配置するための専用スペースを装置の内部に別途設ける必要がなくなり、接合装置10を小型化することができる。
【0042】
加えて、押圧部24に照明機能を兼備させた構成となることから、撮像部22と第2光源34との離間距離が小さくなるため、第2光源34から出射された赤外光が途中の障害物等で干渉されずに、撮像部22に入射する。これにより、撮像部22に入射する赤外光の光量を十分に確保することができるため、撮像部22での撮像精度が高くなる。この結果、基板同士の接合精度を高めることができる。
【0043】
第1プレート36と第2プレート38が接合面40を境にして分離可能になるが、第1プレート36が第2プレート38に対して接合面40で分離されたときに、第2光源34が第2プレート38の接合面40上に露出するように構成されている。これにより、第2光源34の交換作業が容易になる。
【0044】
なお、第2光源34は、従来から知られている赤外線LED素子又はハロゲンランプなどが用いられる。また、第2光源34は、例えば1000~1200ナノメートル(nm)の波長の光を出射する。第2光源34は、シリコンウェハを含む半導体ウェハ等の基板を透過できる波長の光を出射できるものが用いられる。
【0045】
次に、接合装置10を用いた基板の接合処理について説明する。
【0046】
図4に示すように、基板の接合処理は、主として、第1基板14のプリ・アライメント工程S100と、第2基板16のプリ・アライメント工程S200と、位置ずれ確認工程S300と、各基板14、16の同時撮像工程S600と、各基板14、16の接合工程S700と、を有している。
【0047】
なお、第1基板14が第1保持部18で保持され、第2基板16が第2保持部20で保持された状態を前提に説明する。
【0048】
第1基板14のプリ・アライメント工程S100では、撮像部22の基本設定位置で、撮像部22の軸線が第1基板14に設けられたアライメントマーク上に位置し、かつ第1基板14を撮像部22の焦点深度の範囲内であって第2基板16を撮像部22の焦点深度の範囲外とした状態で、第1光源23が点灯して赤外光を出射して、第1基板14上のアライメントマークを撮像し、第1基板14のプリ・アライメントを実行する。
【0049】
なお、第1基板14のプリ・アライメント工程S100では、撮像部22が第1駆動機構26によりX方向、Y方向及びZ方向に移動し、基本設定位置に到達する。
【0050】
第2基板16のプリ・アライメント工程S200では、撮像部22が第1駆動機構26によりZ方向に移動して、第1基板14が撮像部22の焦点深度の範囲外とし、かつ第2基板16が撮像部22の焦点深度の範囲内に位置した状態となる。そして、第2光源34が点灯して赤外光を出射した状態で、第2保持部20で保持された第2基板16がX方向、Y方向及びZ方向に移動し、さらにはZ軸回りに適宜回転しながら、第1基板14のプリ・アライメント工程S100で認識された第1基板14のアライメントマークの中心位置に、第2基板16上のアライメントマークを位置させる。そして、撮像部22で第2基板16上のアライメントマークを撮像し、第2基板16のプリ・アライメントを実行する。
【0051】
第2基板16のプリ・アライメント工程S200では、第2光源34から出射された赤外光は、押圧部24の先端部の透明部位を透過して、第1プレート36側の開孔部42と第2プレート38側の空間部44で形成された部屋を通過する。当該部屋を通過した赤外光は、第1基板14及び第2基板16を透過して第1保持部18に形成された光路部28を通り、撮像部22に入射する。これにより、第2基板16の位置を鮮明かつ明確に撮像することができる。
【0052】
なお、第2基板16のプリ・アライメント工程S200では、ステージ30の駆動は、第2駆動機構32により行う。
【0053】
位置ずれ確認工程S300では、撮像部22が鉛直方向(Z方向)に移動して基本設定位置に戻り、第1基板14上のアライメントマークを撮像し、第1基板14のプリ・アライメント工程S100における撮像結果と比較して位置ずれを確認する。位置ずれ確認工程S300では、第1光源23のみが点灯して赤外光を出射した状態で行われる。位置ずれが認められれば、以下の位置ずれ補正工程S400において、当該位置ずれを補正する。
【0054】
位置ずれ補正工程S400では、撮像部22の基本設定位置における第1基板14のアライメントマーク位置のズレ量を認識してデータとして保管し、第2駆動機構により第2保持部20のステージ30を当該ズレ量だけX方向又はY方向に移動し、第1基板14のアライメントマークと第2基板16のアライメントマークを合わせる。これにより、第1基板14のアライメントマークの中心と第2基板16のアライメントマークの中心が合致したことにより、位置ずれが解消する。位置ずれ補正工程S400では、第1光源23と第2光源34がそれぞれ点灯して赤外光を出射した状態、又は第2光源34のみが点灯して赤外光を出射した状態で行われる。いずれの状態で位置ずれ補正工程S400を行うかについては、第1基板14又は第2基板16の状態を考慮して所定の基準に基づいて接合装置10の制御部又は撮像部22の制御部が判断する。
【0055】
なお、位置ずれ補正工程400は、同時撮像工程S500の終了後であって接合工程S600の直前に実行してもよい。
【0056】
同時撮像工程S500では、第1基板14と第2基板16が共に撮像部22の焦点深度の範囲内となるように近接させ、撮像部22により第1基板14上のアライメントマークと第2基板16上のアライメントマークを同時に撮像する。同時撮像工程S500では、第1光源23と第2光源34がそれぞれ点灯して赤外光を出射した状態、又は第2光源34のみが点灯して赤外光を出射した状態で行われる。いずれの状態で同時撮像工程S500を行うかについては、第1基板14又は第2基板16の状態を考慮して所定の基準に基づいて接合装置10の制御部又は撮像部22の制御部が判断する。
【0057】
ここで、第1基板14と第2基板16との離間距離は、例えば2~5マイクロメートル(μm)である。
【0058】
第1基板14と第2基板16との近接は、第2基板16側を第1基板14に近づけることにより行われる。第2基板16を第1基板14に近づける方法としては、第2駆動機構32によりステージを鉛直方向(Z方向)に移動し、又は/及び押圧部24を鉛直方向に駆動することにより実行される。
【0059】
接合工程S600では、押圧部24で第2基板16を鉛直方向(Z方向)に沿って押し上げ、第1基板14と第2基板16を接合する。これにより、重合基板が生成される。接合工程S600では、第1光源23と第2光源34がそれぞれ点灯して赤外光を出射した状態、又は第2光源34のみが点灯して赤外光を出射した状態で行われる。いずれの状態で接合工程S600を行うかについては、第1基板14又は第2基板16の状態を考慮して所定の基準に基づいて接合装置10の制御部又は撮像部22の制御部が判断する。
【0060】
以上のように、本実施形態の各基板の接合方法によれば、撮像部22の移動の影響をほとんど受けないため、基板同士の接合精度を格段に向上することができる。
【0061】
次に、接合装置10に設けられた第2光源34を交換するときのメンテナンス方法について説明する。
【0062】
第2光源34を交換する場合には、固着具を解除して、第1プレート36を第2プレート38から分離する。第1プレート36を第2プレート38から分離すると、第2プレート38側の接合面40上に第2光源34が露出する。第2光源34を光源固定部46から取り外し、新しい光源を光源固定部46に取り付けることにより、第2光源34の交換作業が可能となる。これにより、接合装置10のメンテナンスが格段に容易になる。
【0063】
なお、本実施形態及び実施例は、本発明の一態様を示したものであり、本発明がこれに限られるものではない。本実施形態及び実施例に対する設計変更程度の差異は、当然に、本発明の技術的思想の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0064】
10 接合装置
12 フレーム
14 第1基板
16 第2基板
18 第1保持部
18A 第1保持面
20 第2保持部
20A 第2保持面
22 撮像部
23 第1光源(光源)
24 押圧部
26 第1駆動機構
28 光路部
30 ステージ
32 第2駆動機構
34 第2光源(光源)
36 第1プレート
38 第2プレート
40 接合面
42 開孔部
44 空間部
46 光源固定部
【要約】
【課題】撮像部の撮像精度を高めて、基板同士の接合精度を向上できる接合装置を提供する。
【解決手段】
第1基板14を保持する第1保持部18と、第2基板16を保持する第2保持部20と、第1保持部18で第1基板14を保持する保持面と反対側に位置する撮像部22と、第2保持部20に配置され第2基板16を第1基板14側に押圧する押圧部24と、を有する接合装置10であって、撮像部22は、第1光源23を有し、押圧部24は、第2光源34を有し、第1保持部18は、当該第1保持部18を鉛直方向に貫通した光路部28を備え、第2光源34から出射された赤外光が前記光路部28を通って撮像部22に入射可能となる。
【選択図】
図2