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特許7222374配管接続方法及び半導体ウェーハ熱処理装置
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  • 特許-配管接続方法及び半導体ウェーハ熱処理装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-07
(45)【発行日】2023-02-15
(54)【発明の名称】配管接続方法及び半導体ウェーハ熱処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/205 20060101AFI20230208BHJP
   F16L 13/02 20060101ALI20230208BHJP
   F27D 7/02 20060101ALI20230208BHJP
【FI】
H01L21/205
F16L13/02
F27D7/02 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020052968
(22)【出願日】2020-03-24
(65)【公開番号】P2021153119
(43)【公開日】2021-09-30
【審査請求日】2022-03-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000190149
【氏名又は名称】信越半導体株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102532
【弁理士】
【氏名又は名称】好宮 幹夫
(74)【代理人】
【識別番号】100194881
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 俊弘
(72)【発明者】
【氏名】稲田 聡史
【審査官】鈴木 智之
(56)【参考文献】
【文献】実開昭59-183581(JP,U)
【文献】特開平05-267232(JP,A)
【文献】特開2000-291850(JP,A)
【文献】特開2012-084648(JP,A)
【文献】特開2002-093719(JP,A)
【文献】特開2011-134871(JP,A)
【文献】特開平05-068865(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/205
F16L 13/02
F27D 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
腐食性ガスを流通させる半導体ウェーハ熱処理装置本体とガス配管を溶接によって接続させる接続方法であって、
前記半導体ウェーハ熱処理装置本体及び前記ガス配管をオーステナイト系のステンレスの基材とし、
前記半導体ウェーハ熱処理装置本体に前記ガス配管を溶接する溶接部に前記ガス配管と同じ断面形状の短管の突き出し部を形成し、該突き出し部と前記ガス配管の端部とを突き合わせて溶接して接続することを特徴とする半導体ウェーハ熱処理装置本体とガス配管の接続方法。
【請求項2】
前記腐食性ガスを、塩素を含有するガスとすることを特徴とする請求項1に記載の半導体ウェーハ熱処理装置本体とガス配管の接続方法。
【請求項3】
前記装置本体をエピタキシャル成長装置とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体ウェーハ熱処理装置本体とガス配管の接続方法。
【請求項4】
腐食性ガスを流通させる半導体ウェーハ熱処理装置本体とガス配管が溶接によって接続された半導体ウェーハ熱処理装置であって、
前記半導体ウェーハ熱処理装置本体及び前記ガス配管はオーステナイト系のステンレスの基材であり、
前記半導体ウェーハ熱処理装置本体に前記ガス配管を溶接した溶接部は、前記半導体ウェーハ熱処理装置本体に前記ガス配管と同じ断面形状の短管の突き出し部を有し、該突き出し部と前記ガス配管の端部とが突き合わされて溶接で接続されたものであることを特徴とする半導体ウェーハ熱処理装置。
【請求項5】
前記腐食性ガスが、塩素を含有するガスであることを特徴とする請求項4に記載の半導体ウェーハ熱処理装置。
【請求項6】
前記装置本体はエピタキシャル成長装置であることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の半導体ウェーハ熱処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配管接続方法及び半導体ウェーハ熱処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体単結晶基板上に単結晶薄膜を成長させる半導体ウェーハ熱処理装置に用いる腐食性ガスに対する耐食性が高いSUS316Lなどのオーステナイト系のステンレスパーツを作製する時、配管同士ではなく、装置本体にガス配管を溶接して接続することがある。
【0003】
通常の溶接方法としては、例えば、特許文献1に開示されているように装置本体に穴をあけ、配管を差し込んで溶接を行う差し込み溶接を行う。図3に穴をあけた装置本体側の一例の概略断面図を、図4に従来の配管溶接方法で穴をあけた装置本体にガス配管を溶接した一例の概略断面図を示す。
【0004】
従来の配管溶接方法では、図3に示すように半導体ウェーハ熱処理装置本体11に穴部15を設けた後、図4に示すように、半導体ウェーハ熱処理装置本体11の穴部15にガス配管12を差し込み溶接することで、半導体ウェーハ熱処理装置20とする。ここで溶接した箇所を溶接点13として図4に示す。図4のように、穴部15の一部が溶接後に隙間14として残ってしまい、そこから金属汚染やパーティクルが発生してしまう。このような金属汚染やパーティクルは、例えば、特許文献2に開示されている測定方法で測定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2002-89744号公報
【文献】特開2014-082324公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
SUS316Lなどのオーステナイト系ステンレスは耐食性が高いため、塩化水素ガスなどの腐食性の高いガスを使用することが多いが、上記のように、従来の配管溶接方法では、差し込み溶接をした場合にできる隙間に腐食性のガスが溜まり、耐食性が高いステンレスといえど、そこを起点にステンレスの腐食が進行してしまい、発生する錆等が金属汚染源やパーティクル源となってしまう問題がある。
【0007】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、半導体ウェーハ熱処理装置
のオーステナイト系ステンレスパーツについて、配管の溶接を行う場合、半導体ウェーハ熱処理装置本体とガス配管の先端部分との間に隙間が出来ない溶接により接続する接続方法で行う事によりそこから発生する金属汚染やパーティクルを抑える配管接続方法と半導体ウェーハ熱処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、腐食性ガスを流通させる半導体ウェーハ熱処理装置本体とガス配管を溶接によって接続させる接続方法であって、前記半導体ウェーハ熱処理装置本体及び前記ガス配管をオーステナイト系のステンレスの基材とし、前記半導体ウェーハ熱処理装置本体に前記ガス配管を溶接する溶接部に前記ガス配管と同じ断面形状の短管の突き出し部を形成し、該突き出し部と前記ガス配管の端部とを突き合わせて溶接して接続する半導体ウェーハ熱処理装置本体とガス配管の接続方法を提供する。
【0009】
このような半導体ウェーハ熱処理装置本体とガス配管の接続方法であれば、耐腐食性が高いとともに装置本体に穴部を設けて溶接しないため、溶接後に隙間が残らず、金属汚染やパーティクルの発生を抑えることができる。
【0010】
このとき、前記腐食性ガスを、塩素を含有するガスとすることができる。
【0011】
このようなガスであれば、耐腐食性の高いオーステナイト系のステンレス基材からなる半導体ウェーハ熱処理装置本体及びガス配管に好適に用いることができる。
【0012】
このとき、前記装置本体をエピタキシャル成長装置とすることができる。
【0013】
これにより、金属汚染やパーティクルの発生を抑えたエピタキシャル成長を行うことができる。
【0014】
また、本発明は、腐食性ガスを流通させる半導体ウェーハ熱処理装置本体とガス配管が溶接によって接続された半導体ウェーハ熱処理装置であって、前記半導体ウェーハ熱処理装置本体及び前記ガス配管はオーステナイト系のステンレスの基材であり、前記半導体ウェーハ熱処理装置本体に前記ガス配管を溶接した溶接部は、前記半導体ウェーハ熱処理装置本体に前記ガス配管と同じ断面形状の短管の突き出し部を有し、該突き出し部と前記ガス配管の端部とが突き合わされて溶接で接続されたものである半導体ウェーハ熱処理装置を提供する。
【0015】
このような半導体ウェーハ熱処理装置であれば、耐腐食性が高いとともに装置本体に穴部を設けて溶接しないため、溶接後に隙間が残らず、金属汚染やパーティクルの発生を抑えることができる装置となる。
【0016】
このとき、前記腐食性ガスが、塩素を含有するガスとすることができる。
【0017】
このようなガスであれば、耐腐食性の高いオーステナイト系のステンレス基材からなる半導体ウェーハ熱処理装置本体及びガス配管に好適に用いることができる。
【0018】
このとき、前記装置本体はエピタキシャル成長装置とすることができる。
【0019】
これにより、金属汚染やパーティクルの発生を抑えたエピタキシャル成長を行うことができる装置となる。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明の半導体ウェーハ熱処理装置本体とガス配管の接続方法、及び半導体ウェーハ熱処理装置によれば、従来の接続方法のように装置本体に穴部を設けて溶接しないため、溶接後に隙間が残らず、金属汚染やパーティクルの発生を抑えることができる。また、耐腐食性が高いので、腐食性の高いガスを流通することができる。従って、これらを用いて、金属汚染やパーティクルを抑制したエピタキシャル成長を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の半導体ウェーハ熱処理装置の一例を示す概略断面図である。
図2】本発明の半導体ウェーハ熱処理装置本体の一例を示す概略断面図である。
図3】従来の半導体ウェーハ熱処理装置本体側の一例を示す概略断面図である。
図4】従来の半導体ウェーハ熱処理装置本体にガス配管を溶接した一例を示す概略断面図である。
図5】実施例及び比較例におけるメンテナンス後ウェーハ処理枚数とモリブデン(Mo)濃度の関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0023】
上述のように、半導体ウェーハ熱処理装置本体とガス配管の先端部分との間に隙間が出来ない配管接続方法および半導体ウェーハ熱処理装置が求められていた。
【0024】
本発明者は、上記課題について鋭意検討を重ねた結果、腐食性ガスを流通させる半導体ウェーハ熱処理装置本体とガス配管を溶接によって接続させる接続方法であって、前記半導体ウェーハ熱処理装置本体及び前記ガス配管をオーステナイト系のステンレスの基材とし、前記半導体ウェーハ熱処理装置本体に前記ガス配管を溶接する溶接部に前記ガス配管と同じ断面形状の短管の突き出し部を形成し、該突き出し部と前記ガス配管の端部とを突き合わせて溶接して接続する半導体ウェーハ熱処理装置本体とガス配管の接続方法により、耐腐食性が高いとともに、装置本体に穴部を設けて溶接しないため溶接後に隙間として残らず、金属汚染やパーティクルの発生を抑えることができることを見出し、本発明を完成した。
【0025】
また、腐食性ガスを流通させる半導体ウェーハ熱処理装置本体とガス配管が溶接によって接続された半導体ウェーハ熱処理装置であって、前記半導体ウェーハ熱処理装置本体及び前記ガス配管はオーステナイト系のステンレスの基材であり、前記半導体ウェーハ熱処理装置本体に前記ガス配管を溶接した溶接部は、前記半導体ウェーハ熱処理装置本体に前記ガス配管と同じ断面形状の短管の突き出し部を有し、該突き出し部と前記ガス配管の端部とが突き合わされて溶接で接続されたものである半導体ウェーハ熱処理装置により、耐腐食性が高いとともに、装置本体に穴部を設けて溶接しないため溶接後に隙間として残らず、金属汚染やパーティクルの発生を抑えることができる装置となることを見出し、本発明を完成した。
【0026】
以下、図面を参照して説明する。
【0027】
図1に本発明の半導体ウェーハ熱処理装置の一例を示す概略断面図を示す。半導体ウェーハ熱処理装置10は、半導体ウェーハ熱処理装置本体1、ガス配管2、突き出し部3を具備する。
【0028】
本発明における半導体ウェーハ熱処理装置本体とガス配管は、どちらもオーステナイト系ステンレス基材である。オーステナイト系ステンレスは耐腐食性が高いため、腐食性ガスを流通することが可能である。オーステナイト系ステンレスとしては、例えば、SUS316Lを用いることができる。
【0029】
まず、図2に示すように、半導体ウェーハ熱処理装置本体1に突き出し部3を加工時に設ける。突き出し部3は溶接するガス配管2の断面形状と同じ形状の短管とする。ガス配管の断面形状は特に限定されないが、例えば、円形、楕円形、正方形などとすることができる。また、突き出し部の短管の長さも溶接できれば特に限定されず、半導体ウェーハ熱処理装置本体に取り付ける他の器具との配置等を考慮し、適宜長さを調整してよい。突き出し部とガス配管の肉厚も同じとする。
【0030】
次に、突き出し部3とガス配管2の端部とを突き合わせて溶接して接続する。突き出し部とガス配管の端部とを突き合わせて溶接して接続できれば溶接方法は特に限定されず、例えば、アーク溶接で突き出し部とガス配管を接続することができる。
【0031】
以上のように、半導体ウェーハ熱処理装置本体とガス配管を接続することで、本発明の半導体ウェーハ熱処理装置とする。このような半導体ウェーハ熱処理装置であれば、従来の配管溶接方法の差し込み溶接のように穴部を設けて溶接しないため、溶接後に隙間が残らない。そのため、腐食性ガスを流通しても腐食性のガスが溜まることがなく、ステンレスの腐食が進行せず、腐食により発生する錆等が金属汚染源やパーティクル源となる問題を解決することができる。
【0032】
なお、金属汚染源は、腐食性ガスを流通させることで発生する錆等で、例えば、Fe、Cr、Ni、Mo等が挙げられる。また、パーティクルは、飛散することで、熱処理される半導体ウェーハに付着し、欠陥や金属汚染源を引き起こす。
【0033】
このとき、流通させる腐食性ガスを、塩素を含有するガスとすることが好ましい。オーステナイト系ステンレスは耐腐食性が高いため、塩素を含むようなガスに対して好適に用いることができる。塩素を含むガスとしては、例えば、塩化水素が挙げられる。
【0034】
このとき、半導体ウェーハ熱処理装置本体をエピタキシャル成長装置とすることが好ましい。このようにすれば、金属汚染やパーティクルの発生を抑制したエピタキシャル成長を行うことができる。
【0035】
上記のような半導体ウェーハ熱処理装置において、本発明の半導体ウェーハ熱処理装置本体とガス配管の接続方法が実施される。すなわち、本発明の半導体ウェーハ熱処理装置本体とガス配管の接続方法は、半導体ウェーハ熱処理装置本体1に、溶接するガス配管2の断面形状と同じ形状の短管の突き出し部3を設け、突き出し部とガス配管の端部とを突き合わせて溶接して接続する半導体ウェーハ熱処理装置本体とガス配管の接続方法である。本発明における半導体ウェーハ熱処理装置本体とガス配管は、どちらもオーステナイト系ステンレス基材である。このような、半導体ウェーハ熱処理装置本体とガス配管の接続方法であれば、従来の配管溶接方法の差し込み溶接のように穴部を設けて溶接しないため、溶接後に隙間が残らない。そのため、腐食性ガスを流通しても腐食性のガスが溜まることがなく、ステンレスの腐食が進行せず、腐食により発生する錆等が金属汚染源やパーティクル源となる問題を解決することができる。
【0036】
このとき、流通させる腐食性ガスを、塩素を含有するガスとすることが好ましい。オーステナイト系ステンレスは耐腐食性が高いため、塩素を含むようなガスに対して好適に用いることができる。塩素を含むガスとしては、例えば、塩化水素が挙げられる。
【0037】
このとき、半導体ウェーハ熱処理装置本体をエピタキシャル成長装置とすることが好ましい。このようにすれば、金属汚染やパーティクルの発生を抑制したエピタキシャル成長を行うことができる。
【0038】
以上のような、本発明の半導体ウェーハ熱処理装置本体とガス配管の接続方法、及び半導体ウェーハ熱処理装置であれば、従来の接続方法のように穴部を設けて溶接しないため、溶接後に隙間が残らない。そのため、腐食性ガスを流通しても腐食性のガスが溜まることがなく、ステンレスの腐食が進行せず、腐食により発生する錆等が金属汚染源やパーティクル源となる問題を解決することができる。
【実施例
【0039】
以下、実施例を挙げて本発明について詳細に説明するが、これは本発明を限定するものではない。
【0040】
(実施例)
エピタキシャル成長装置本体に突き出し部を形成し、この突き出し部分とガス配管の端部とを溶接してエピタキシャル成長装置本体とガス配管を接続し、半導体ウェーハ熱処理装置を得た。エピタキシャル成長装置、ガス配管及び溶接方法は以下に示す通りある。
【0041】
装置本体の基材:SUS316L、
装置本体の寸法:約400×60×50mm、
突き出し部の長さ:5mm、
突き出し部の直径:3/8インチ(=約9.5mm)、
突き出し部の肉厚:1mm、
配管の基材:SUS316L、
配管の直径:3/8インチ(=約9.5mm)、
配管の肉厚:1mm、
溶接方法:アーク溶接。
【0042】
次に、上記の半導体ウェーハ熱処理装置でエピタキシャル成長を行った。エピタキシャル成長条件は以下に示す通りである。
【0043】
温度:1130℃、
キャリアガス:水素、
使用シリコンソース:トリクロロシラン、
膜厚:4μm。
【0044】
次に、腐食性ガスを使用した後、大気開放のメンテナンスを行った後の半導体ウェーハ熱処理装置を使用して、処理枚数に対するMoの不純物濃度測定を行った。Moの不純物測定条件として特許文献2に示されるように、ベーパーエッチングとウェーハの熱処理を繰り返し、ウェーハ表面の不純物を測定する方法で行った。Moは半導体ウェーハに対する拡散速度が遅いため、ベーパーエッチングと熱処理を繰り返すことにより、半導体ウェーハの表層にMoを濃縮させることができ、Mo濃度を高感度に測定できる。不純物濃度測定は以下に示す条件で行った。
【0045】
熱処理雰囲気:水素、
熱処理温度:1130℃、
熱処理回数:4回、
測定元素:Mo、
測定方法:ICP-MS(誘導結合プラズマ質量分析)、
測定装置:アジレントテクノロジー社 Agilent8800シリーズ トリプル四重極ICP-MS。
【0046】
以上の処理枚数に対する不純物濃度測定の結果を図5に示す。
【0047】
(比較例)
エピタキシャル成長装置本体に差し込み穴を形成し、この差し込み穴にガス配管を差し込み溶接してエピタキシャル成長装置本体とガス配管を接続し、半導体ウェーハ熱処理装置を得た。エピタキシャル成長装置、ガス配管及び溶接方法は以下に示す通りある。
【0048】
装置本体の基材:SUS316L、
装置本体の寸法:約400×60×50mm、
差し込み部の寸法:直径10mm、
配管の基材:SUS316L、
配管の直径:3/8インチ(=約9.5mm)、
配管の肉厚:1mm、
溶接方法:アーク溶接、
装置本体と配管先端部との間の隙間:約0.5mm。
【0049】
次に、エピタキシャル成長を行った。エピタキシャル成長条件は実施例と同様である。
【0050】
次に、実施例と同様の不純物測定を行った。測定結果を図5に併せて示す。
【0051】
図5から分かるように比較例では、Mo濃度が非常に高く、メンテナンス後の処理枚数の増加と共に徐々にMo(モリブデン)濃度が減少している。
【0052】
一方、本発明の半導体ウェーハ熱処理装置本体とガス配管の接続方法、及び半導体ウェーハ熱処理装置である実施例では、メンテナンス後すぐに、清浄状態である0.001×1010 atoms/cmまで汚染レベルは回復した。更に処理枚数を増加させると、現状の評価方法ではほぼ見えないほどの汚染レベルとなり、大きな改善効果が得られた。これは、リアクター解放時に腐食性ガスと大気中の水分が反応して発生する錆が少なくなっていると考えられる。また、金属汚染であるMo濃度が減少していることから、発生するパーティクルも同様に減少していると言える。
【0053】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【符号の説明】
【0054】
1…半導体ウェーハ熱処理装置本体(本発明)、 2…ガス配管、
3…突き出し部、 10…半導体ウェーハ熱処理装置(本発明)、
11…半導体ウェーハ熱処理装置本体(従来例)、 12…ガス配管、
13…溶接点、 14…隙間、 15穴部、
20…半導体ウェーハ熱処理装置(従来例)。
図1
図2
図3
図4
図5