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特許7222942PECVD微結晶シリコンゲルマニウム(SiGe)
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  • 特許-PECVD微結晶シリコンゲルマニウム(SiGe) 図1
  • 特許-PECVD微結晶シリコンゲルマニウム(SiGe) 図2
  • 特許-PECVD微結晶シリコンゲルマニウム(SiGe) 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-07
(45)【発行日】2023-02-15
(54)【発明の名称】PECVD微結晶シリコンゲルマニウム(SiGe)
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/205 20060101AFI20230208BHJP
   C23C 16/42 20060101ALI20230208BHJP
   C23C 16/50 20060101ALI20230208BHJP
   B81C 1/00 20060101ALI20230208BHJP
【FI】
H01L21/205
C23C16/42
C23C16/50
B81C1/00
【請求項の数】 18
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020029301
(22)【出願日】2020-02-25
(62)【分割の表示】P 2016540895の分割
【原出願日】2014-08-15
(65)【公開番号】P2020107894
(43)【公開日】2020-07-09
【審査請求日】2020-03-26
(31)【優先権主張番号】61/874,831
(32)【優先日】2013-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】14/459,357
(32)【優先日】2014-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】チ ヒョ-イン
(72)【発明者】
【氏名】タジク ファルザド ディーン
(72)【発明者】
【氏名】ローザ ミシェル アンソニー
【審査官】鈴木 智之
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-114423(JP,A)
【文献】特開2012-169602(JP,A)
【文献】特開2011-016219(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/205
C23C 16/42
C23C 16/50
B81C 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコンゲルマニウム層を形成する方法であって、
プラズマ化学気相堆積(PECVD)を使用して基板の上に0.1マイクロメートルから0.25マイクロメートルの間の厚さを有するシードシリコンゲルマニウム層を堆積させるステップであって、前記シードシリコンゲルマニウム層を堆積させる前記PECVDが、300W~600Wの間のRF電力を有する、堆積させるステップと、
PECVDを使用して前記シードシリコンゲルマニウム層上に直接バルクシリコンゲルマニウム層を堆積させるステップであって、前記バルクシリコンゲルマニウム層を堆積させる前記PECVDが、600W~800Wの間のRF電力を有する、堆積させるステップとを含む方法。
【請求項2】
前記基板が、相補型金属-酸化物半導体(CMOS)構造を含み、前記シードシリコンゲルマニウム層が、前記CMOS構造の上に堆積される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記シードシリコンゲルマニウム層を堆積させる前記PECVDが、3トル~4.2トルの間のプロセス圧力を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記バルクシリコンゲルマニウム層を堆積させる前記PECVDが、3トル~4.2トルの間のプロセス圧力を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記シードシリコンゲルマニウム層の前記堆積中に混合ガスを流すステップをさらに含み、前記混合ガスが、シリコン含有ガス、ゲルマニウム含有ガス、ホウ素含有ガス、および水素ガスを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記シリコン含有ガスがシランである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ゲルマニウム含有ガスがゲルマンである、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記ホウ素含有ガスがジボランである、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記シリコン含有ガスが、0.064sccm/cm2~0.085sccm/cm2の間の流量を有する、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記ゲルマニウム含有ガスが、0.354sccm/cm2~0.476sccm/cm2の間の流量を有する、請求項5に記載の方法。
【請求項11】
前記ホウ素含有ガスが、0.064sccm/cm2~0.085sccm/cm2の間の流量を有する、請求項5に記載の方法。
【請求項12】
前記水素ガスが、5.941sccm/cm2~7.779sccm/cm2の間の流量を有する、請求項5に記載の方法。
【請求項13】
シリコンゲルマニウム層を形成する方法であって、
プラズマ化学気相堆積(PECVD)を使用して基板の上に0.1マイクロメートルから0.25マイクロメートルの間の厚さを有するシードシリコンゲルマニウム層を堆積させるステップであって、前記シードシリコンゲルマニウム層を堆積させる前記PECVDが、300W~600Wの間のRF電力を有する、堆積させるステップと、
PECVDを使用して前記シードシリコンゲルマニウム層上に直接バルクシリコンゲルマニウム層を堆積させるステップであって、前記バルクシリコンゲルマニウム層の堆積中に混合ガスが導入され、前記混合ガスがシリコン含有ガス、ゲルマニウム含有ガス、ホウ素含有ガス、および水素ガスを含み、前記バルクシリコンゲルマニウム層を堆積させる前記PECVDが、600W~800Wの間のRF電力を有する、堆積させるステップとを含む方法。
【請求項14】
前記シリコン含有ガスが、0.141sccm/cm2~0.282sccm/cm2の間の流量を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ゲルマニウム含有ガスが、1.160sccm/cm2~1.414sccm/cm2の間の流量を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記ホウ素含有ガスが、0.113sccm/cm2~0.212sccm/cm2の間の流量を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記水素ガスが、6.365sccm/cm2~7.779sccm/cm2の間の流量を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記シリコン含有ガスがシランである、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般に、シリコンゲルマニウム(SiGe)層を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
微小電気機械システム(MEMS)は、加速度計、ジャイロスコープ、赤外検出器、マイクロタービン、シリコンクロックなどの多種多様なシステムで使用される。MEMSおよび相補型金属-酸化物半導体(CMOS)処理のモノリシック集積は、集積により相互接続の問題が簡略化されるため、検出器およびディスプレイなどの特定の適用分野において望ましい解決策である。1つの容易なモノリシック集積手法は、駆動電子機器上でMEMSを後処理することである。なぜなら、駆動電子機器を準備するために使用される標準的な製造プロセスが変更されないためである。しかし、後処理では、駆動電子機器の性能におけるあらゆる損傷または劣化を回避するため、MEMSの製造温度に上限が設けられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
SiGeは、標準的なCMOS駆動および制御電子機器上で後処理することができるMEMSに対する構築材料として提案されてきた。微細構造デバイスで使用するための機能的なSiGe層は、厚さ2マイクロメートルを超えることがあり、摂氏450度で複数のSiGe層を堆積させることによって形成することができる。したがって、SiGe層を形成するための改善された方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施形態は、一般に、SiGe層を形成する方法に関する。一実施形態では、まず、プラズマ化学気相堆積(PECVD)を使用してシードSiGe層が形成され、同じくPECVDを使用してPECVDシード層上に直接バルクSiGe層が形成される。シードSiGe層とバルクSiGe層の両方に対する処理温度は、摂氏450度未満である。
一実施形態では、シリコンゲルマニウム層を形成する方法が開示される。この方法は、プラズマ化学気相堆積(PECVD)を使用して基板の上にシードシリコンゲルマニウム層を堆積させるステップを含み、基板は、処理中に摂氏450度未満の第1の温度を有する。この方法は、PECVDを使用してシードシリコンゲルマニウム層上に直接バルクシリコンゲルマニウム層を堆積させるステップをさらに含み、基板は、処理中に摂氏450度未満の第2の温度を有する。
本発明の上記の特徴をより詳細に理解することができるように、上記で簡単に要約した本発明のより具体的な説明は、実施形態を参照することによって得ることができる。実施形態のいくつかを添付の図面に示す。しかし、本発明は他の等しく有効な実施形態も許容しうるため、添付の図面は本発明の典型的な実施形態のみを示しており、したがって本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】本発明の一実施形態によるシードSiGe層およびバルクSiGe層を有するSiGe層を示す図である。
図2】本発明の一実施形態によるシードSiGe層およびバルクSiGe層を形成するプロセスステップを示す図である。
図3】本発明の一実施形態による図2のプロセスステップを実行するために使用することができるPECVDチャンバを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
理解を容易にするために、可能な場合、図に共通の同一の要素を指すために、同一の参照番号を使用した。特別な記述がない限り、一実施形態に開示する要素は、他の実施形態でも有益に利用することができることが企図される。
本発明の実施形態は、一般に、SiGe層を形成する方法に関する。一実施形態では、まず、プラズマ化学気相堆積(PECVD)を使用して基板表面上にシードSiGe層が形成され、同じくPECVDを使用してPECVDシード層上に直接バルクSiGe層が形成される。シードSiGe層とバルクSiGe層の両方に対する処理温度は、摂氏450度未満である。
図1は、本発明の一実施形態によるシードSiGe層102およびバルクSiGe層104を有するSiGe層100を示す。SiGe層100は、CMOS構造上に形成することができる。シードSiGe層102およびバルクSiGe層104を形成するプロセスステップを、図2に示す。
図2は、SiGe層100を形成するプロセスステップ200を示す。ブロック202で、シードSiGe層102は、PECVDを使用して堆積される。シードSiGe層102は、CMOS構造上に堆積させることができる。CMOS構造は高温に耐えることができないため、シードSiGe層102とバルクSiGe層104の両方の堆積はどちらも、摂氏420度など、摂氏450度を下回る温度で実行される。
【0007】
一実施形態では、シードSiGe層102は、図3に示すPECVDチャンバ300などのPECVDチャンバ内で堆積される。ブロック202で実行されるプロセスの一例では、13.56MHzのRF周波数で約300W~約600Wの範囲のRF電力を使用してプラズマが形成され、CMOS構造を有する基板は、摂氏420度など、摂氏450度を下回る温度で維持される。RF電力を調整して、膜応力を微調整することができる。処理領域内の処理圧力は、約3トル~約4.2トルの間で維持される。プラズマは、シリコン含有ガス、ゲルマニウム含有ガス、ホウ素含有ガス、および水素ガスを含む混合処理ガスを含有する。一実施形態では、ゲルマニウム含有ガスおよびホウ素含有ガスは、ガスシリンダ内で水素ガスと事前に混合される。一実施形態では、シリコン含有ガスはシラン(SiH4)であり、ゲルマニウム含有ガスはゲルマン(GeH4)であり、ホウ素含有ガスはジボラン(B26)である。一実施形態では、SiH4ガスは、約0.064sccm/cm2~約0.085sccm/cm2の間の流量を有し、GeH4ガスは、約0.354sccm/cm2~約0.476sccm/cm2の間の流量を有し、水素ガスは、約5.941sccm/cm2~約7.779sccm/cm2の流量を有し、B26ガスは、約0.064sccm/cm2~約0.085sccm/cm2の間の流量を有する。これらの流量は、1つまたは複数の基板の表面積の1立法センチメートル当たりの値であり、したがって任意の寸法の基板に対する総流量が容易に判定される。堆積プロセスは、約50秒~約140秒の間継続して、約0.1マイクロメートル~約0.25マイクロメートルの間の厚さを有するシードSiGe層102を形成することができる。
【0008】
次に、ブロック204で、バルクSiGe層104は、PECVDを使用してシードSiGe層102上に直接堆積される。バルクSiGe層104は、シードSiGe層102の洗浄もしくはエッチングが必要とされないとき、またはシードSiGe層102の洗浄もしくはエッチングを同じPECVDチャンバ内で実行することができるとき、シードSiGe層102を堆積させるのと同じPECVDチャンバ内で堆積させることができる。ブロック204で実行されるプロセスの一例では、13.56MHzのRF周波数で約600W~約800Wの間のRF電力を使用してプラズマが形成され、CMOS構造およびシードSiGe層を有する基板は、摂氏420度など、摂氏450度を下回る温度で維持される。処理領域内の処理圧力は、約3トル~約4.2トルの間で維持される。プラズマは、シリコン含有ガス、ゲルマニウム含有ガス、ホウ素含有ガス、および水素ガスを含む混合処理ガスを含有する。一実施形態では、ゲルマニウム含有ガスおよびホウ素含有ガスは、ガスシリンダ内で水素ガスと事前に混合される。一実施形態では、シリコン含有ガスはシラン(SiH4)であり、ゲルマニウム含有ガスはゲルマン(GeH4)であり、ホウ素含有ガスはジボラン(B26)である。一実施形態では、SiH4ガスは、約0.141sccm/cm2~約0.282sccm/cm2の間の流量を有し、GeH4ガスは、約1.160sccm/cm2~1.414sccm/cm2の間の流量を有し、水素ガスは、約6.365sccm/cm2~約7.779sccm/cm2の間の流量を有し、B26ガスは、約0.113sccm/cm2~約0.212sccm/cm2の間の流量を有する。堆積プロセスは、約400秒~約1000秒の間継続して、約2.5マイクロメートル~10マイクロメートルを超える範囲の厚さを有するバルクSiGe層104を形成することができる。一実施形態では、バルクSiGe層104は、約10マイクロメートル以上の厚さを有する。そのような厚いバルクSiGe層104は、PECVDを使用して単一の堆積プロセスで堆積される。
【0009】
図3は、本発明の一実施形態による図2のプロセスステップを実行するために使用することができるPECVDプロセスチャンバ300である。プロセスチャンバ300は、プロセス量312を画定する壁306、底部308、および蓋310を含む。壁306および底部308は、典型的には、単体のアルミニウムブロックから製造される。壁306は、導管(図示せず)を有することができ、それらの導管に流体を通して、壁306の温度を制御することができる。プロセスチャンバ300はまた、プロセス量312を排気口316に結合するポンピングリング314ならびに他のポンピング構成要素(図示せず)を含むことができる。
【0010】
基板支持アセンブリ338は、加熱することができ、プロセスチャンバ300内に中心に配置することができる。基板支持アセンブリ338は、堆積プロセス中に基板303を支持する。基板支持アセンブリ338は、概して、アルミニウム、セラミック、またはアルミニウムとセラミックの組合せから製造され、典型的には、真空ポート(図示せず)と、少なくとも1つまたは複数の加熱要素332とを含む。
真空ポートは、堆積プロセス中に基板303と基板支持アセンブリ338との間に真空を印加して基板303を基板支持アセンブリ338に固定するために使用することができる。1つまたは複数の加熱要素332は、たとえば、基板支持アセンブリ338内に配置された電極とすることができ、電源330に結合されて、基板支持アセンブリ338およびその上に位置決めされた基板303を所定の温度まで加熱することができる。
【0011】
概して、基板支持アセンブリ338は、心棒342に結合される。心棒342は、基板支持アセンブリ338とプロセスチャンバ300の他の構成要素との間に電気リード、真空、およびガス供給ラインのための導管を提供する。加えて、心棒342は、基板支持アセンブリ338をリフトシステム344に結合し、リフトシステム344は、基板支持アセンブリ338を上昇位置(図2に示す)と降下位置(図示せず)との間で動かす。ベローズ346が、基板支持アセンブリ338の動きを容易にしながら、プロセス量312とチャンバ300の外側の雰囲気との間に真空シールを提供する。
【0012】
基板支持アセンブリ338は、加えて、外接するシャドウリング348を支持する。シャドウリング348は、環状の形状であり、典型的には、たとえば窒化アルミニウムなどのセラミック材料を含む。概して、シャドウリング348は、基板303および基板支持アセンブリ338のエッジにおける堆積を防止する。
蓋310は、壁306によって支持されており、プロセスチャンバ300の保守を可能にするように取り外し可能とすることができる。蓋310は、概して、アルミニウムから構成することができ、加えて、蓋310内に熱伝達流体チャネル324を形成することができる。熱伝達流体チャネル324は、蓋310を通って熱伝達流体を流す流体源(図示せず)に結合される。熱伝達流体チャネル324を通って流れる流体は、蓋310の温度を調節する。
【0013】
概して、蓋310の内側320には、シャワーヘッド318を結合することができる。任意選択で、シャワーヘッド318と蓋310との間の空間322内には、穿孔された遮蔽板336を配置することができる。混合ブロックを通ってプロセスチャンバ300に入るガス(すなわち、プロセスガスおよび他のガス)はまず、ガスがシャワーヘッド318の後ろの空間322を充填するとき、遮蔽板336によって拡散させられる。ガスは次いで、シャワーヘッド318を通ってプロセスチャンバ300に入る。遮蔽板336およびシャワーヘッド318は、プロセスチャンバ300へのガスの均一の流れを提供するように構成される。均一のガス流は、基板303上で均一の層形成を促進するために望ましい。シードSiGe層102の堆積プロセス中、基板303とシャワーヘッド318との間の距離は、約320mm~約370mmの間である。バルクSiGe層104の堆積プロセス中、基板303とシャワーヘッド318との間の距離は、約530mm~約580mmの間である。
【0014】
蓋310にガス源360が結合され、シャワーヘッド318内のガス通路を通ってシャワーヘッド318と基板303との間の処理面積へガスを提供する。プロセス量を所望の圧力で制御するために、プロセスチャンバ300に真空ポンプ(図示せず)を結合することができる。整合ネットワーク390を通って蓋310および/またはシャワーヘッド318にRF源370が結合され、シャワーヘッド318へRF電流を提供する。RF電流は、シャワーヘッド318と基板支持アセンブリ338との間に電界を生じさせ、その結果、シャワーヘッド318と基板支持アセンブリ338との間のガスからプラズマを生成することができる。RF電力を調整して、SiGe層100の応力を微調整することができる。
【0015】
要約すると、SiGe層を形成する方法が開示される。この方法は、シードSiGe層を形成し、シードSiGe層上に直接バルクSiGe層を形成するステップを含み、どちらの層も、PECVDを使用して形成される。シードSiGe層は、CMOS構造の上に形成することができ、CMOS構造の損傷を防止するため、シード層およびバルク層が堆積される基板は、シード層とバルク層の両方の堆積中、摂氏420度など、摂氏450度を下回る温度を有する。バルクSiGe層は、10マイクロメートルを超えることができ、PECVDを使用して単一の堆積で形成することができる。
上記は、本発明の実施形態を対象にするが、本発明の基本的な範囲から逸脱することなく、本発明の他のさらなる実施形態を考案することができ、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。
図1
図2
図3