(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-08
(45)【発行日】2023-02-16
(54)【発明の名称】リニア駆動機構
(51)【国際特許分類】
G01B 5/00 20060101AFI20230209BHJP
G01B 21/00 20060101ALI20230209BHJP
【FI】
G01B5/00 L
G01B21/00 L
(21)【出願番号】P 2018238072
(22)【出願日】2018-12-20
(62)【分割の表示】P 2018017273の分割
【原出願日】2018-02-02
【審査請求日】2021-01-08
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000151494
【氏名又は名称】株式会社東京精密
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【氏名又は名称】松浦 憲三
(72)【発明者】
【氏名】岡野 貴央
【審査官】信田 昌男
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-236178(JP,A)
【文献】特開平11-210749(JP,A)
【文献】特開2010-115093(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 5/00
G01B 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動軸と、
前記駆動軸により非接触に支持された可動子であって、且つ前記駆動軸に沿って移動する可動子と、
前記駆動軸に平行なガイドと、
前記可動子及び前記ガイドの一方に設けられ、且つ前記可動子及び前記ガイドの他方と
常時接触しており、前記可動子の移動に対する抵抗力を発生する抵抗力発生部と、
前記抵抗力発生部が発生させる前記抵抗力の大きさを調整する調整制御部と、
を備え、
前記調整制御部が、
前記抵抗力発生部が前記他方に接触した状態で前記可動子を前記駆動軸に沿って移動させる場合の前記抵抗力を、前記可動子を前記駆動軸上で停止させる場合の前記抵抗力よりも小さくするリニア駆動機構。
【請求項2】
前記ガイドが、前記駆動軸に対して垂直な方向の一方向側と他方向側とにそれぞれ設けられ、
前記抵抗力発生部が、前記ガイドごとに設けられている請求項1に記載のリニア駆動機構。
【請求項3】
前記抵抗力発生部が、前記可動子に設けられており、且つ前記ガイドを前記駆動軸に対して垂直な方向において挟持している請求項1又は2に記載のリニア駆動機構。
【請求項4】
前記抵抗力発生部が摩擦部材である請求項1から3のいずれか1項に記載のリニア駆動機構。
【請求項5】
前記摩擦部材を前記他方に向けて付勢する付勢部材を備える請求項4に記載のリニア駆動機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出器のリニア(直線)駆動機構、及びこのリニア駆動機構を備える形状測定機に関する。
【背景技術】
【0002】
ワークの被測定面に対して触針等の接触式の検出器を接触させた状態で、ワークに対して検出器を相対移動させることにより、ワークの各種形状(真円度、真直度、表面粗さ、うねり、及び寸法等を含む)を測定する形状測定機が知られている。また、接触式の検出器の代わりに、光学プローブ等の非接触式の検出器を用いてワークの各種形状を測定する形状測定機も良く知られている。
【0003】
このような形状測定機には、検出器を直線方向に移動させる各種のリニア駆動機構が設けられている。このリニア駆動機構としては、ボールねじを用いたボールねじ機構(特許文献1参照)、及びリニアモータを用いたリニアモータ機構(特許文献2参照)などが良く知られている。また、特許文献2には、リニアモータ機構にエアベアリングを組み合わせた例が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平10-154012号公報
【文献】特開平11-098886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載のボールねじ機構は、ボールねじの剛性が高いので外力に強く、さらに位置決め精度が高いというメリットがある。しかしながら、ボールねじ機構はそのボールねじの回転に伴ってボールねじに軸振れ(ボールねじの半径方向の振れ)が発生する。このため、検出器のリニア駆動機構としてボールねじ機構を採用した場合、検出器の直動精度が悪化するため、検出器の測定精度が低下するという問題がある。
【0006】
また、特許文献2に記載のリニアモータ駆動機構は、リニアモータの可動子の移動時に振動及び抵抗が発生しないため可動子の直動精度が高くなり、さらにこの可動子の位置決め精度も高いというメリットがある。しかしながら、リニアモータ駆動機構は、可動子の位置を保持する保持力が小さいため、僅かな外力で可動子が動いてしまう。なお、可動子の位置を検出して、意図せずに可動子が移動した場合には可動子を元の位置を戻す制御を行う方法もあるが、僅かな外力で可動子が動くことを防止することはできない。このため、リニアモータ駆動機構で検出器を移動させる場合には、ケーブル及び配管等の重量及び張力等の影響を受けて検出器が動いてしまうので、検出器の位置決め精度が悪化して検出器の測定精度が低下するおそれがある。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、検出器の測定精度の低下を防止可能なリニア駆動機構、及びこのリニア駆動機構を備える形状測定機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的を達成するためのリニア駆動機構は、第1軸方向に感度を有する接触式又は非接触式の検出器を、ワークに対して第1軸方向に直交する第2軸方向に相対移動をさせるリニア駆動機構において、第2軸方向に延びた駆動軸と、駆動軸により非接触に支持された可動子であって且つ検出器又はワークと一体に駆動軸に沿って移動する可動子と、駆動軸に対して第1軸方向及び第2軸方向の双方に直交する第3軸方向にずれた位置に設けられ、且つ駆動軸に平行なガイドと、可動子及びガイドの一方に設けられ、且つ可動子及びガイドの他方と接触しており、可動子の移動に対する抵抗力を発生する抵抗力発生部と、を備える。
【0009】
このリニア駆動機構によれば、可動子の位置決め精度を確保しつつ、駆動軸に沿った可動子の移動により発生する振動の方向を検出器の感度方向(第1軸方向)と直交する方向(第3軸方向)に規制することができるので、検出器の測定精度の低下が抑えられる。
【0010】
本発明の他の態様に係るリニア駆動機構によれば、ガイドが、駆動軸に対して第3軸方向の一方向側と他方向側とにそれぞれ設けられ、抵抗力発生部が、ガイドごとに設けられている。これにより、検出器の測定精度の低下が抑えられる。
【0011】
本発明の他の態様に係るリニア駆動機構によれば、抵抗力発生部が発生させる抵抗力の大きさを調整する調整制御部を備える。これにより、可動子が停止している場合には抵抗力を大きくして可動子が外力で動くことを確実に防止し、且つ可動子が移動している場合には抵抗力を小さくして可動子の振動を抑えることができる。また、可動子の移動速度を調整することができる。
【0012】
本発明の他の態様に係るリニア駆動機構によれば、抵抗力発生部が、可動子に設けられており、且つガイドを第3軸方向において挟持している。これにより、ガイドの撓み、変形、及び移動等の発生が防止される。
【0013】
本発明の他の態様に係るリニア駆動機構によれば、抵抗力発生部が摩擦部材である。これにより、可動子の位置決め精度を確保しつつ、駆動軸上での可動子の移動により発生する振動の方向を第3軸方向に規制することができる。
【0014】
本発明の他の態様に係るリニア駆動機構によれば、摩擦部材が、一方に交換可能に設けられている。これにより、リニア駆動機構のメンテナンス性を向上させることができる。
【0015】
本発明の他の態様に係るリニア駆動機構によれば、摩擦部材を他方に向けて付勢する付勢部材を備える。これにより、摩擦部材が擦り減った場合であっても、この摩擦部材を他方に一定の付勢力で押し付けられている状態が維持されるので、摩擦部材による抵抗力を略一定に維持することができる。
【0016】
本発明の他の態様に係るリニア駆動機構によれば、摩擦部材が、可動子に設けられており、ガイドが、第2軸方向に延びた円柱形状を有する。これにより、第1軸方向においてガイドに対する摩擦部材の接触位置を変えるだけで、摩擦部材による抵抗力を調整することができる。
【0017】
本発明の他の態様に係るリニア駆動機構によれば、摩擦部材が、可動子に設けられており、ガイドが、第3軸方向に垂直な面を有するベルト体と、ベルト体に対して第1軸方向又は第2軸方向にテンションを付与するテンション付与部と、を備える。これにより、摩擦部材による抵抗力を均一にすることができる。
【0018】
本発明の目的を達成するための形状測定機は、ワークの形状を測定する形状測定機において、第1軸方向に感度を有する接触式又は非接触式の検出器と、既述のリニア駆動機構と、を備える。この形状測定機によれば、検出器の測定精度の低下が抑えられる。
【0019】
本発明の他の態様に係る形状測定機によれば、ワークが円柱状又は円筒状であり、且つ測定するワークの形状がワークの真円度である場合、第2軸方向に平行な回転軸を中心としてワークを回転させるワーク回転部を備え、駆動軸が、回転軸から第1軸方向に離れた位置に設けられ、可動子が、検出器を第1軸方向においてワークの外周面に対向する位置で保持する。これにより、検出器によるワークの真円度測定の測定精度の低下が抑えられる。
【発明の効果】
【0020】
本発明のリニア駆動機構及び形状測定機は、検出器の測定精度の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図2】真円度測定機を
図1中のA方向から見た場合の側面図である。
【
図4】真円度測定時におけるワークの上面及び触針の先端部の拡大図である。
【
図5】リニア駆動機構の変形例1を説明するための説明図である。
【
図6】リニア駆動機構の変形例2を説明するための説明図である。
【
図7】リニア駆動機構の変形例3を説明するための説明図である。
【
図8】リニア駆動機構の変形例4を説明するための説明図である。
【
図9】変形例4の効果を説明するための説明図である。
【
図10】リニア駆動機構の変形例5を説明するための説明図である。
【
図11】変形例5においてキャリッジの移動に抗する抵抗力の変化を示したグラフである。
【
図12】リニア駆動機構の変形例6を説明するための説明図である。
【
図13】リニア駆動機構の変形例7を説明するための説明図である。
【
図15】表面形状測定機のリニア駆動機構の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[真円度測定機の構成]
図1は、本発明の形状測定機に相当する真円度測定機10の側面図である。
図2は、真円度測定機10を
図1中のA方向から見た場合の側面図である。
図3は、真円度測定機10の上面図である。なお、図中のX軸方向(本発明の第3軸方向)と、Y軸方向(本発明の第1軸方向)と、Z軸方向(本発明の第2軸方向)とは互いに直交している。
【0023】
真円度測定機10は、円柱状(円筒状)のワークWの真直度及び真円度(円筒度)の測定を行う。この真円度測定機10は、ベース12と、テーブル回転機構14と、テーブル16と、リニア駆動機構18と、アーム19と、検出器20と、を備える。
【0024】
ベース12は、真円度測定機10の各部を支持する支持台(基台)である。テーブル回転機構14(本発明のワーク回転部に相当)は、図示は省略するが、Z軸方向に平行な回転軸Cを中心としてテーブル16を回転自在に保持するエアベアリングと、回転軸Cを中心としてテーブル16を回転させるモータ等の回転駆動機構と、を備える。これにより、テーブル回転機構14によりテーブル16が回転軸Cを中心として回転される。
【0025】
テーブル16は、円盤形状であり、その中心が回転軸Cに一致するようにテーブル回転機構14のエアベアリング上に保持されている。このテーブル16の上面にはワークWが載置される。なお、ワークWは、その形状中心の位置が回転軸Cに略一致するように、テーブル16の上面に載置されている。
【0026】
リニア駆動機構18は、リニアモータ22と、一対のガイド26と、摩擦パッド28と、を備える。
【0027】
リニアモータ22は、公知のリニアモータ(シャフトモータ)構造を有している。このリニアモータ22は、固定子である駆動軸32(シャフト軸ともいう)及び可動子であるキャリッジ34を備える。
【0028】
駆動軸32は、ベース12上においてテーブル16からY軸方向にシフトした位置に設けられており、且つZ軸方向に延びた形状を有している。この駆動軸32は、図示しない複数の永久磁石を公知の配列[隣接する永久磁石の同極同士(N極同士又はS極同士)を対向させた配列]で接合した構造を有している。
【0029】
キャリッジ34は、Z軸方向に延びた略筒形状を有しており、駆動軸32により非接触でZ軸方向に移動自在に支持されている。このキャリッジ34には、駆動軸32を中心としてZ軸方向に沿って螺旋状に巻き回されたコイルが複数(例えばu層、v層、w層)設けられている。そして、キャリッジ34の各コイルに電流を印加すると、駆動軸32の各磁石から発生する磁束と、各コイルを流れる電流との相互作用(フレミングの左手の法則)により、キャリッジ34をZ軸方向に沿って移動させる推力(駆動力)が発生する。なお、リニアモータ22の構造及び機能については公知技術であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0030】
キャリッジ34の後述の一対のガイド26に対向するガイド対向面34aには、後述の摩擦パッド28を支持するパッド支持部材36が複数設けられている(
図2及び
図3参照)。
【0031】
また、キャリッジ34のワークWに対向する面側には、アーム19が設けられている。このアーム19の先端部には、検出器20が取り付けられている。アーム19は、検出器20のY軸方向の位置と、検出器20の姿勢とを任意に調整可能な構造を有している。なお、アーム19は、少なくとも検出器20のY軸方向の位置を調整可能であれば、その形状及び構造は特に限定はされない。
【0032】
検出器20は、触針20a(測定子又はスタイラスともいう)と、不図示の差動トランス等の変位検出部とを有しており、Y軸方向に沿って前後移動する触針20aの変位を検出する。すなわち、検出器20はY軸方向に感度を有している。そして、検出器20は、触針20aの変位を示す変位検出信号(電気信号)を不図示のデータ処理装置へ出力する。
【0033】
ワークWの真直度測定を行う場合、リニアモータ22及びアーム19を駆動して、触針20aをワークWの外周面に接触させる。次いで、リニアモータ22を駆動してキャリッジ34をZ軸方向に移動させることにより、検出器20の触針20aによりワークWの外周面をZ軸方向に沿ってトレースさせる。これにより、検出器20から1トレース分の変位検出信号が不図示のデータ処理装置へ出力される。このデータ処理装置は、検出器20から入力される検出信号を公知の手法により解析して、ワークWの真直度を演算する。
【0034】
ワークWの真円度測定を行う場合、真直度測定と同様に、触針20aをワークWの外周面に接触させる。次いで、テーブル回転機構14により、回転軸Cを中心としてテーブル16及びワークWを回転させることで、検出器20の触針20aによりワークWの外周面をその周方向に沿ってトレースさせる。これにより、検出器20からワークWの1回転分の変位検出信号が不図示のデータ処理装置へ出力される。このデータ処理装置は、検出器20から入力される検出信号を公知の手法により解析して、ワークWの真円度(円筒度)を演算する。
【0035】
一対のガイド26は、例えば金属材料で形成されており、YZ面に平行で且つZ軸方向に延びた板形状を有している。そして、一対のガイド26は、リニアモータ22の駆動軸32に対してX軸方向の一方向側と他方向側とにそれぞれ位置するように、ベース12上に設けられている。換言すると、駆動軸32は、X軸方向において一対のガイド26の間に位置するようにベース12上に設けられている。
【0036】
摩擦パッド28は、本発明の摩擦部材(抵抗力発生部)に相当し、例えばプラスチック等の樹脂材料で形成されている。なお、摩擦パッド28の材料及び形状等は特に限定されない。そして、摩擦パッド28は、キャリッジ34の各ガイド対向面34aに設けられたパッド支持部材36ごとに個別に支持されている。すなわち、各ガイド対向面34aにそれぞれ複数の摩擦パッド28が支持されている。
【0037】
各パッド支持部材36は、各摩擦パッド28を各々に対向するガイド26に対して所定圧力で接触させている。このため、キャリッジ34は、X軸方向において、各摩擦パッド28を介して一対のガイド26により挟持される。その結果、リニアモータ22のキャリッジ34を駆動軸32に沿ってZ軸方向に移動させる場合、各摩擦パッド28が、各々に対向するガイド26と摺接することにより、キャリッジ34の移動方向とは反対方向側に抵抗力(動摩擦力)を発生させる。また、キャリッジ34が駆動軸32上で停止している場合、各摩擦パッド28が、各々に対向するガイド26と接触することにより、キャリッジ34の移動を規制する抵抗力(静止摩擦力)を発生させる。
【0038】
ここで本実施形態では、キャリッジ34の移動時の抵抗力(動摩擦力)がキャリッジ34の移動の妨げとならず、且つキャリッジ34の停止時には抵抗力(静止摩擦力)によりキャリッジ34がその停止位置で係止されるように、各抵抗力(動摩擦力及び静止摩擦力)の大きさを調整している。例えば、各摩擦パッド28を各々に対向するガイド26に接触させる際の圧力、摩擦パッド28の材質、及びガイド26の材質などを調整することにより、各抵抗力の調整を行うことができる。
【0039】
[本実施形態の効果:真直度測定時]
このようにリニア駆動機構18は、X軸方向において駆動軸32を挟み込むように配置された一対のガイド26と、キャリッジ34に設けられ且つ各ガイド26にそれぞれ接触する各摩擦パッド28と、を備えるので、キャリッジ34の停止時に各摩擦パッド28によりキャリッジ34をその停止位置で係止させることができる。その結果、キャリッジ34の停止時にキャリッジ34が僅かな外力で動くことが防止される。その結果、リニアモータ22の位置決め精度を確保することができる。
【0040】
また、リニア駆動機構18では、キャリッジ34の移動時には各摩擦パッド28と各ガイド26との摺接により、キャリッジ34にX軸方向に振動が発生する。従って、キャリッジ34により保持されているアーム19及び検出器20もX軸方向に振動するが、この検出器20の感度方向は既述の通りY軸方向である。このため、キャリッジ34の移動時に、検出器20がその感度方向であるY軸方向に対して垂直なX軸方向に振動した場合であっても、この検出器20による真直度測定の測定精度に与える影響は極めて少ない。
【0041】
以上のように、本実施形態のリニア駆動機構18では、各ガイド26及び各摩擦パッド28の配置を調整することにより、リニアモータ22の位置決め精度を確保しつつ、各ガイド26と各摩擦パッド28との摺接により発生する振動の方向を検出器20の感度方向
(Y軸方向)と直交する方向(X軸方向)に規制することができる。その結果、検出器20によるワークWの真直度測定の際の測定精度の低下が抑えられる。
【0042】
[本実施形態の効果:真円度測定時]
本実施形態のリニア駆動機構18では、キャリッジ34を介して検出器20をZ軸方向に移動させた場合に、既述の通り検出器20がX軸方向に振動する。このため、真円度測定開始前に検出器20のZ軸方向の位置調整を行った場合、検出器20のX軸方向の振動により、ワークWの外周面に対する触針20aの接触位置が所定の基準位置からX軸方向に位置ずれするおそれがある。しかし、この位置ずれは、以下に詳述するように、真円度測定の測定結果に与える影響は小さい。
【0043】
図4は、真円度測定時におけるワークWの上面及び触針20aの先端部の拡大図であり、ワークWに対する触針20aのX軸方向の位置ずれが真円度測定に与える影響を説明するためのものである。
【0044】
図4に示すように、検出器20のX軸方向の振動により、ワークWに対する触針20aの先端部の接触位置が基準位置(図中点線円で表示)からX軸方向にΔxだけ位置ずれした場合(図中実線円で表示)、ワークWに対する触針20aの接触位置がY軸方向においてΔeだけ位置ずれする。このΔeが検出器20により真円度測定を行う際の測定誤差となる。なお、この場合、X軸方向は母線ずれ方向であり、Δxは母線ずれ量ともいう(特開2016-017780号公報参照)。
【0045】
ここで、ワークWの半径をRとした場合、図中のθは以下の[数1]式で表され、測定誤差Δeは以下の[数2]式で表される。
【0046】
【0047】
【0048】
そして、位置ずれ量Δxは微小であるのでθも微小となる。この場合、Sinθ≒θの関係が成り立つので、上記[数1]式は下記の[数3]式に変形することができる。
【0049】
【0050】
次いで、上記[数3]式の関係を上記[数2]式に代入することにより、測定誤差Δeは以下の[数4]式又は[数5]式で表される。
【0051】
【0052】
【0053】
既述の通り位置ずれ量Δxは微小(Δx<<1)であるため、上記[数5]式等に示すように測定誤差Δeは非常に小さくなる。なお、ワークWの半径Rが大きくなるほど測定誤差Δeは小さくなる。
【0054】
このように本実施形態のリニア駆動機構18では、キャリッジ34及び検出器20をZ軸方向に移動させた場合に発生する検出器20の振動の方向をX軸方向(母線ずれ方向)に規制することにより、検出器20により真円度測定を行う際の測定誤差Δeを小さくすることができる。
【0055】
[変形例1]
図5は、上記実施形態のリニア駆動機構18の変形例1を説明するための説明図である。なお、変形例1は、上記実施形態のリニア駆動機構18と基本的に同じ構成であるので、上記実施形態と機能又は構成上同一のものについては同一符号を付してその説明は省略する。
【0056】
図5に示すように変形例1では、各摩擦パッド28がそれぞれパッド支持部材36に対して着脱自在、すなわち交換可能に設けられている。これにより、
図5中の点線枠で示すように摩擦パッド28がガイド26との摺接により摩耗した場合に、この摩耗した摩擦パッド28を新しい摩擦パッド28に交換することができる。これにより、リニア駆動機構18のメンテナンス性を向上させることができる。
【0057】
[変形例2]
図6は、上記実施形態のリニア駆動機構18の変形例2を説明するための説明図である。なお、変形例2は、上記実施形態のリニア駆動機構18と基本的に同じ構成であるので、上記実施形態と機能又は構成上同一のものについては同一符号を付してその説明は省略する。
【0058】
図6の符号VIAに示すように、変形例2のリニア駆動機構18の各パッド支持部材36は筒状に形成されている。また、各摩擦パッド28のガイド対向面34a側の面には、各摩擦パッド28をそれぞれ支持するパッド支持部材36内に嵌合する嵌合部28aが設けられている。これにより、パッド支持部材36ごとに摩擦パッド28がX軸方向に移動自在に支持される。
【0059】
そして、キャリッジ34内(各パッド支持部材36内でも可)には、摩擦パッド28ごとに付勢部材38が設けられている。各付勢部材38は、各嵌合部28aを介して、各摩擦パッド28を各々に対向するガイド26側に一定の付勢力で付勢する。この付勢部材38としては、バネ等の復元力を利用するもの、ソレノイド等の電磁力を利用するもの、及び圧縮エアーを利用するものなどのように、各摩擦パッド28を一定の付勢力で付勢(押圧)可能であれば特に限定はされない。これにより、各付勢部材38によって各摩擦パッド28が各々に対向するガイド26に対して一定の付勢力で常時押し付けられる。
【0060】
従って、変形例2では、符号VIBに示すように、各摩擦パッド28が各々に対向するガイド26との摺接により擦り減った場合であっても、各摩擦パッド28が対応するガイド26に一定の付勢力で押し付けられている状態が維持される。その結果、各摩擦パッド28と各摩擦パッド28にそれぞれ対応するガイド26との摩擦力(静止摩擦力、動摩擦力)が略一定に維持される。これにより、各摩擦パッド28が摩耗したとしても、キャリッジ34を移動させる際の制御パラメータ(例えば、キャリッジ34内のコイルに印加する電流の大きさ等)を変更する必要がなくなる。このため、キャリッジ34の移動制御を簡略化することができる。
【0061】
[変形例3]
図7は、上記実施形態のリニア駆動機構18の変形例3を説明するための説明図である。なお、変形例3は、付勢部材38とは異なる付勢部材38aと、調整制御部40とを備える点を除けば、既述の変形例2と基本的に同じ構成である。このため、上記変形例2と機能又は構成上同一のものについては同一符号を付してその説明は省略する。
【0062】
図7の符号VIIAに示すように、各付勢部材38aは、各摩擦パッド28を各々に対向するガイド26側に付勢(押圧)する付勢力(押圧力)を任意に可変可能である点において上記変形例2の各付勢部材38と相違している。なお、各付勢部材38aとしては、バネ等の復元力を利用するもの、ソレノイド等の電磁力を利用するもの、及び圧縮エアーを利用するものなどのように、各摩擦パッド28に対する付勢力(押圧力)を可変可能であれば特に限定はされない。
【0063】
調整制御部40は、各付勢部材38aがそれぞれ摩擦パッド28に加える付勢力を調整する。これにより、各付勢部材38aの付勢力を大きくすると、各摩擦パッド28が各々に対向するガイド26に対して接触(摺接)する際に発生する既述の抵抗力(静止摩擦力及び動摩擦力)が大きくなる。また逆に、各付勢部材38aの付勢力を小さくすると既述の抵抗力が小さくなる。すなわち、調整制御部40は、各摩擦パッド28が発生させる抵抗力であって且つキャリッジ34に移動に対する抵抗力の大きさを調整(制御)することができる。
【0064】
例えば調整制御部40は、キャリッジ34が駆動軸32上で停止している場合には、各付勢部材38aによる付勢力F1を大きく調整する。これにより、キャリッジ34の停止時に各摩擦パッド28によってキャリッジ34をその停止位置で係止する係止力(静止摩擦力)を大きくすることができるので、キャリッジ34が外力で動くことが確実に防止される。その結果、リニアモータ22の位置決め精度をより向上させることができる。
【0065】
一方、
図7の符号VIIBに示すように、調整制御部40は、キャリッジ34が駆動軸32に沿って移動する場合、各付勢部材38aの付勢力F2を小さく調整(F1>F2)する。これにより、キャリッジ34の移動時に各摩擦パッド28により発生する抵抗力(動的摩擦力)を小さくすることができるので、キャリッジ34の振動を抑えてその直動精度を向上させることができる。なお、この場合、調整制御部40は、各付勢部材38aの付勢力F2が零になるように調整してもよい。また、各付勢部材38aの付勢力F2を零にする場合には、各摩擦パッド28をそれぞれガイド26から退避(離間)させるようにしてもよい。
【0066】
さらに調整制御部40は、キャリッジ34が駆動軸32に沿って移動する場合、各付勢部材38aによる付勢力F2を増減することで、キャリッジ34の移動速度を調整することができる。
【0067】
[変形例4]
図8は、上記実施形態のリニア駆動機構18の変形例4を説明するための説明図である。なお、変形例4は、各摩擦パッド28と同数の摩擦パッド44及びパッド支持部材46を備える点を除けば、上記実施形態のリニア駆動機構18と基本的に同じ構成である。このため、上記実施形態と機能又は構成上同一のものについては同一符号を付してその説明は省略する。
【0068】
図8に示すように、各摩擦パッド44は、上記実施形態の各摩擦パッド28と基本的に同じものであり、本発明の摩擦部材(抵抗力発生部)に相当する。各摩擦パッド44は、各パッド支持部材46を介してキャリッジ34に支持されている。
【0069】
各パッド支持部材46はそれぞれキャリッジ34に設けられている。各パッド支持部材46は、各摩擦パッド44の各々を、各摩擦パッド28の各々との間で対応するガイド26をX軸方向において挟持する位置に支持する。なお、各パッド支持部材46によって、各摩擦パッド44を各々に対向するガイド26に接触させる際の圧力は、各摩擦パッド28を各々に対向するガイド26に接触させる際の圧力と同じ大きさに調整されている。これにより、X軸方向において、各ガイド26がそれぞれ複数組の摩擦パッド28,44により挟持される。
【0070】
図9は、変形例4の効果を説明するための説明図である。
図9の符号IXAに示すように、各ガイド26が各摩擦パッド28によりX軸方向の一方向側からのみ押圧された場合、各ガイド26の撓み、変形、及び移動等が発生するおそれがある。これに対して、
図9の符号IXBに示すように、変形例4では、X軸方向において、各ガイド26を各摩擦パッド28,44により同じ力で挟持している。これにより、各ガイド26に対して各摩擦パッド28から加えられる力と、各ガイド26に対して各摩擦パッド44から加えられる力と、が打ち消し合う。その結果、各ガイド26の撓み、変形、及び移動等の発生が防止される。
【0071】
[変形例5]
図10は、上記実施形態のリニア駆動機構18の変形例5を説明するための説明図である。なお、変形例5は、一対のガイド26とは異なる一対のガイド50を備える点を除けば、上記実施形態のリニア駆動機構18と基本的に同じ構成であるので、上記実施形態と機能又は構成上同一のものについては同一符号を付してその説明は省略する。
【0072】
図10に示すように、各ガイド50はZ軸方向に延びた円柱形状を有している。このため、
図10の符号XAに示すように、Y軸方向において各摩擦パッド28の位置が各ガイド50の中心軸の位置に一致している場合、各パッド支持部材36(或いは付勢部材38,38a)がそれぞれ摩擦パッド28をガイド26に向けて押圧する力Fx1は、各摩擦パッド28からガイド50の中心軸方向に加えられる力Fx2とほぼ等しくなる。
【0073】
一方、
図10の符号XBに示すように、Y軸方向において各摩擦パッド28の位置が各ガイド50の中心軸の位置からずれている場合、各摩擦パッド28からガイド50の中心軸方向に加えられる力Fx2は、各パッド支持部材36等がそれぞれ摩擦パッド28をガイド26に向けて押圧する力Fx1よりも小さくなる。このため、Y軸方向おいてガイド50に対する各摩擦パッド28の接触位置(押圧位置)を変えることで、摩擦パッド28からガイド50の中心軸方向に加えられる力Fx2の大きさを調整することができる。そして、この力Fx2と、キャリッジ34の移動に抗する抵抗力(静止摩擦力、動摩擦力)と、は比例関係にある。
【0074】
図11は、変形例5においてキャリッジ34の移動に抗する抵抗力の変化を示したグラフである。なお、
図11中の横軸は、各摩擦パッド28のY軸方向位置であり、この横軸の「0」は各摩擦パッド28のY軸方向の位置が各ガイド50の中心軸の位置に一致していることを示す。
【0075】
図11に示すように、変形例5では、円柱形状のガイド50を用いることにより、Y軸方向おいてガイド50に対する各摩擦パッド28の接触位置(押圧位置)を変えるだけでキャリッジ34の移動に抗する抵抗力を調整することができる。
【0076】
[変形例6]
図12は、上記実施形態のリニア駆動機構18の変形例6を説明するための説明図である。なお、変形例6は、一対のガイド26とは異なる一対のガイド54を備える点を除けば、上記実施形態のリニア駆動機構18と基本的に同じ構成であるので、上記実施形態と機能又は構成上同一のものについては同一符号を付してその説明は省略する。
【0077】
図12に示すように、各ガイド54の各々は、X軸方向に垂直な面(各摩擦パッド28が接触する面)を有する軟性のベルト体54aと、このベルト体54aのY軸方向の両端部にそれぞれ設けられたテンション付与部54bと、を備える。テンション付与部54bは、ベルト体54aに対して、そのY軸方向の両端部が互いに遠ざかる方向にテンションを付与する。これにより、YZ面内でのベルト体54aの平面度を高くすることができる。その結果、ベルト体54aに対する摩擦パッド28との接触位置によって既述の抵抗力(静止摩擦力、動摩擦力)の大きさが変わること(ムラが発生すること)が防止される。すなわち、ベルト体54aに対する摩擦パッド28の接触位置によらず、既述の抵抗力を均一にすることができる。
【0078】
なお、変形例6ではベルト体54aに対してY軸方向にテンションを付与しているが、Z軸方向にテンションを付与してもよい。
【0079】
[変形例7]
図13は、上記実施形態のリニア駆動機構18の変形例7であるリニア駆動機構18aを説明するための説明図である。なお、リニア駆動機構18aは、その一部を除いて上記実施形態のリニア駆動機構18と基本的に同じ構成であるので、上記実施形態と機能又は構成上同一のものについては同一符号を付してその説明は省略する。
【0080】
上記実施形態ではキャリッジ34に各摩擦パッド28を設けているが、
図13に示すように変形例7のリニア駆動機構18aでは、各ガイド26のキャリッジ34に対向する面に摩擦板58[本発明の摩擦部材(抵抗力発生部)に相当]を設けると共に、各摩擦板58をキャリッジ34の各ガイド対向面34aにそれぞれ接触させている。これにより、上記実施形態と同様の効果が得られる。
【0081】
なお、各摩擦パッド28及び各摩擦板58を設ける代わりに、キャリッジ34の各ガイド対向面34aと、各ガイド26のキャリッジ34に対向する側の面と、の少なくとも一方を摩擦面(本発明の抵抗力発生部)に形成してもよい。
【0082】
[変形例8]
上記実施形態及び各変形例では、リニア駆動機構18,18aを有する真円度測定機10を例に挙げて説明を行ったが、ワークWの各種形状を測定する各種の形状測定機に本発明を適用可能である。
【0083】
図14は、任意の形状のワークWの被測定面の表面形状(表面粗さ及びうねり等)を測定する表面形状測定機60の検出器62の側面図である。
図14に示すように、表面形状測定機60は、検出器62とリニア駆動機構70とを備える。
【0084】
検出器62は、X軸方向に平行な揺動支点を支点として揺動自在に取り付けられたスタイラス64と、このスタイラス64の先端側に設けられた触針66と、を有している。従って、検出器62はY軸方向に感度を有している。
【0085】
このような表面形状測定機60では、検出器62の触針66をワークWの被測定面に接触させた状態で、後述のリニア駆動機構70により検出器62をワークWに対してZ軸方向に移動させることにより、触針66でワークWの被測定面をトレースしながらスタイラス64(触針66)のY軸方向の変位を検出する。この変位検出結果に基づきワークの被測定面の表面形状が得られる。
【0086】
図15は、表面形状測定機60のリニア駆動機構70の上面図である。
図15に示すように、リニア駆動機構70は、リニアモータ72と、一対のガイド74と、摩擦パッド78と、連結部材80と、を備える。
【0087】
リニアモータ72は、上記実施形態のリニアモータ22と基本的に同じものであり、固定子である駆動軸82及び可動子であるキャリッジ84を備える。
【0088】
駆動軸82は、上記実施形態の駆動軸32と基本的に同じものであり、不図示の軸支持部材によって、検出器62に対してX軸方向にシフトした位置でワークWの被測定面上に支持されている。また、駆動軸82は、Z軸方向に延びた形状を有している。
【0089】
キャリッジ84は、上記実施形態のキャリッジ34と基本的に同じものであり、駆動軸82により非接触でZ軸方向に移動自在に支持されている。また、キャリッジ84の後述の一対のガイド74にそれぞれ対向するガイド対向面84aには、摩擦パッド78を支持するパッド支持部材86が複数設けられている。
【0090】
一対のガイド74は、上記実施形態の一対のガイド26と基本的に同じものであり、YZ面に平行で且つZ軸方向に延びた板形状を有している。そして、各ガイド74は、駆動軸82に対してX軸方向の一方向側と他方向側とにそれぞれ位置するように設けられている。換言すると駆動軸82は、X軸方向において一対のガイド74の間に位置している。
【0091】
各摩擦パッド78は、上記実施形態と同様に各パッド支持部材86を介してキャリッジ84に保持されており、各パッド支持部材86によって各摩擦パッド78にそれぞれ対向するガイド74に所定圧力で接触させられている。このため、リニア駆動機構70では、キャリッジ84をZ軸方向に移動させると、このキャリッジ84が検出器62の感度方向であるY軸方向に対して垂直なX軸方向に振動する。
【0092】
連結部材80は、検出器62とキャリッジ84とを連結する。これにより、リニア駆動機構70を駆動してキャリッジ84をZ軸方向に移動させると、これと一体に検出器62がZ軸方向に移動する。これにより、既述の通り、検出器62の触針66でワークWの被測定面をZ軸方向にトレースすることができる。
【0093】
以上のようにリニア駆動機構70においても、各ガイド74及び各摩擦パッド78の配置を調整することにより、リニアモータ72の位置決め精度を確保しつつ、既述の振動の方向を検出器62の感度方向(Y軸方向)と直交する方向(X軸方向)に調整することができる。その結果、検出器62によるワークWの被測定面の表面形状測定を行う際にその測定精度の低下が抑えられる。
【0094】
なお、本発明のリニア駆動機構は、真円度測定機10及び表面形状測定機60の他、各種の検出器を少なくとも1方向に直線移動させるリニア駆動機構を有する各種の形状測定機(例えば3次元座標測定機等)に適用可能である。
【0095】
[その他]
上記実施形態及び各変形例では、ガイド対向面34aごとに2個の摩擦パッド28がZ軸方向に並べて設けられているが、ガイド対向面34aごとの摩擦パッド28(パッド支持部材36)の数及び配置パターンは特に限定されない。また同様に、摩擦パッド44(パッド支持部材46)及び摩擦パッド78(パッド支持部材86)の数及び配置パターンについても適宜変更してもよい。
【0096】
上記実施形態及び各変形例では、検出器20,62として触針20a,66を有する接触式のタイプを例に挙げて説明を行ったが、例えばレーザプローブのような非接触式のタイプであってもよい。
【0097】
上記実施形態及び各変形例では、X軸方向において駆動軸32,82を挟持するように、一対のガイド26,74を設けているが、1対のガイド26(1対のガイド74も同様)のいずれか一方だけを設けるようにしてもよい。
【0098】
上記各実施形態及び各変形例では、リニアモータ22,72のキャリッジ34,84と一体に検出器20,62をZ軸方向に移動させているが、キャリッジ34,84と一体にワークWをZ軸方向に移動させてもよい。この場合にも、ワークWに対して検出器20,62をZ軸方向に相対移動させることができる。
【0099】
上記実施形態及び各変形例では、本発明のリニア駆動機構の駆動源(駆動ユニット)としてリニアモータ22,72を例に挙げて説明したが、駆動軸32,82(固定子)により非接触でキャリッジ34,84(可動子)を支持し、且つ駆動軸32,82に沿ってキャリッジ34,84を移動可能な駆動源であれば特に限定はされない。
【0100】
上記実施形態及び各変形例では、本発明の抵抗力発生部として摩擦パッド28,44,78及び摩擦板58等を例に挙げて説明したが、例えば磁力等を利用して抵抗力を発生させてもよく、キャリッジ34,84の移動に対する抵抗力を発生させる方法は特に限定はされない。
【0101】
本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでもない。さらに、各変形例の1又は複数を適宜組み合わるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0102】
10…真円度測定機,
14…テーブル回転機構,
18,18a…リニア駆動機構,
20…検出器,
22…リニアモータ,
26…ガイド,
28…摩擦パッド,
32…駆動軸,
34…キャリッジ,
38,38a…付勢部材,
40…調整制御部,
44…摩擦パッド,
50,54…ガイド,
54a…ベルト体,
54b…テンション付与部,
58…摩擦板,
60…表面形状測定機,
62…検出器,
70…リニア駆動機構,
72…リニアモータ,
74…ガイド,
78…摩擦パッド,
82…駆動軸,
84…キャリッジ