(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-13
(45)【発行日】2023-02-21
(54)【発明の名称】柔軟なウエハ温度制御を伴う静電チャック
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20230214BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20230214BHJP
H01L 21/205 20060101ALI20230214BHJP
H02N 13/00 20060101ALI20230214BHJP
【FI】
H01L21/68 R
H01L21/302 101G
H01L21/302 101R
H01L21/205
H02N13/00 D
(21)【出願番号】P 2019552260
(86)(22)【出願日】2018-03-28
(86)【国際出願番号】 US2018024922
(87)【国際公開番号】W WO2018183557
(87)【国際公開日】2018-10-04
【審査請求日】2021-03-22
(32)【優先日】2017-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マチュシキン・アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ホランド・ジョン・ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ウィルコクソン・マーク・エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】コメンダント・キース
(72)【発明者】
【氏名】オゼル・テイナー
(72)【発明者】
【氏名】ハオ・ファングリ
【審査官】湯川 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-136025(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0141191(US,A1)
【文献】特開2009-188162(JP,A)
【文献】特開2012-222233(JP,A)
【文献】特開2002-327275(JP,A)
【文献】特表2003-524885(JP,A)
【文献】特開2005-142591(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H01L 21/3065
H01L 21/205
H02N 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ処理チャンバにおいて基板を処理するための装置であって、
第1の冷媒ガスを第1の圧力で提供するように構成された第1の冷媒ガス圧システムと、
前記第1の冷媒ガス圧システムから独立して、第2の冷媒ガスを第2の圧力で提供するように構成された第2の冷媒ガス圧システムと、
前記第1の冷媒ガス圧システムおよび前記第2の冷媒ガス圧システムから独立して、第3の冷媒ガスを第3の圧力で提供するように構成された第3の冷媒ガス圧システムと、
前記第1の冷媒ガス圧システム、前記第2の冷媒ガス圧システム、および前記第3の冷媒ガス圧システムから独立して、第4の冷媒ガスを第4の圧力で提供するように構成された第4の冷媒ガス圧システムと、
中心点および外周を有するチャック表面を含む静電チャックであって、さらに、
前記第1の冷媒ガス圧システムに接続された第1の複数の冷媒ガスポートであって、前記第1の複数の冷媒ガスポートの各冷媒ガスポートは、前記中心点から第1の半径より遠くに位置する、第1の複数の冷媒ガスポートと、
前記第2の冷媒ガス圧システムに接続された第2の複数の冷媒ガスポートであって、前記第2の複数の冷媒ガスポートの各冷媒ガスポートは、前記中心点から前記第1の半径と前記中心点から第2の半径との間に離間して配置され、前記第2の半径は、前記第1の半径より短い、第2の複数の冷媒ガスポートと、
前記第3の冷媒ガス圧システムに接続された第3の複数の冷媒ガスポートであって、前記第3の複数の冷媒ガスポートの各冷媒ガスポートは、前記中心点から前記第2の半径と前記中心点から第3の半径との間に離間して配置され、前記第3の半径は、前記第2の半径より短い、第3の複数の冷媒ガスポートと、
前記第4の冷媒ガス圧システムに接続された第4の複数の冷媒ガスポートであって、前記第4の複数の冷媒ガスポートの各冷媒ガスポートは、前記中心点から前記第3の半径以内の距離に離間して配置されている、第4の複数の冷媒ガスポートと、
前記第1の複数の冷媒ガスポートと前記第2の複数の冷媒ガスポートとの間に位置する第1の内側バンドと、
前記第2の複数の冷媒ガスポートと前記第3の複数の冷媒ガスポートとの間に位置する第2の内側バンドと、
前記第3の複数の冷媒ガスポートと前記第4の複数の冷媒ガスポートとの間に位置する第3の内側バンドと、
前記チャック表面の前記外周の周りに延びる外側密閉バンドであって、前記第1の複数の冷媒ガスポート、前記第2の複数の冷媒ガスポート、前記第3の複数の冷媒ガスポート、および前記第4の複数の冷媒ガスポートは、前記外側密閉バンドの内側に位置
し、前記外側密閉バンドの高さは、前記第1の内側バンド、前記第2の内側バンド、および前記第3の内側バンドのそれぞれの高さより高い、外側密閉バンドと、を備える、静電チャックと、
を備える、装置。
【請求項2】
請求項
1に記載の装置であって、
前記静電チャックは、さらに、複数の抜き治具を備える、装置。
【請求項3】
請求項
2に記載の装置であって、
前記複数の抜き治具の各治具は、
少なくとも1つの抜き孔と、
前記少なくとも1つの抜き孔を囲む密閉部と
を備える、装置。
【請求項4】
請求項
3に記載の装置であって、
前記少なくとも1つの抜き孔は、排気口に接続されている、装置。
【請求項5】
請求項
1に記載の装置であって、
前記第1の内側バンド、前記第2の内側バンド、および前記第3の内側バンドの高さは、前記外側密閉バンドの高さの4分の1から4分の3の間である、装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置であって、
前記第1の冷媒ガス圧システムによって提供された前記第1の圧力は、前記第2の冷媒ガス圧システムによって提供された前記第2の圧力より大きく、前記第2の圧力は、前記第3の冷媒ガス圧システムによって提供された前記第3の圧力より小さく、前記第3の圧力は、前記第4の冷媒ガス圧システムによって提供された前記第4の圧力より大きい、装置。
【請求項7】
請求項1に記載の装置であって、
前記外側密閉バンドは、5ミクロンから30ミクロンの間の高さを有する、装置。
【請求項8】
請求項1に記載の装置であって、
前記静電チャックは、さらに、前記チャック表面上に複数のリフトピン孔を備える、装置。
【請求項9】
請求項1に記載の装置であって、
前記外側密閉バンドは、前記外側密閉バンドの上部外側部分にノッチを有する、装置。
【請求項10】
請求項1に記載の装置であって、
前記第1の冷媒ガス圧システムは、
前記第1の複数の冷媒ガスポートに接続されたマスフローコントローラユニットと、
前記マスフローコントローラユニットと前記第1の複数の冷媒ガスポートとの間に接続された第1の端を有する流動制御弁と、
を備える、装置。
【請求項11】
中心点および外周を有するチャック表面を含む静電チャックであって、
第1の冷媒ガス圧システムに接続可能な第1の複数の冷媒ガスポートであって、前記第1の複数の冷媒ガスポートの各冷媒ガスポートは、前記中心点から第1の半径より遠くに位置する、第1の複数の冷媒ガスポートと、
第2の冷媒ガス圧システムに接続可能な第2の複数の冷媒ガスポートであって、前記第2の複数の冷媒ガスポートの各冷媒ガスポートは、前記中心点から前記第1の半径と前記中心点から第2の半径との間に離間して配置され、前記第2の半径は、前記第1の半径より短い、第2の複数の冷媒ガスポートと、
第3の冷媒ガス圧システムに接続可能な第3の複数の冷媒ガスポートであって、前記第3の複数の冷媒ガスポートの各冷媒ガスポートは、前記中心点から前記第2の半径と前記中心点から第3の半径との間に離間して配置され、前記第3の半径は、前記第2の半径より短い、第3の複数の冷媒ガスポートと、
第4の冷媒ガス圧システムに接続可能な第4の複数の冷媒ガスポートであって、前記第4の複数の冷媒ガスポートの各冷媒ガスポートは、前記中心点から前記第3の半径以内の距離に離間して配置されている、第4の複数の冷媒ガスポートと、
前記第1の複数の冷媒ガスポートと前記第2の複数の冷媒ガスポートとの間に位置する第1の内側バンドと、
前記第2の複数の冷媒ガスポートと前記第3の複数の冷媒ガスポートとの間に位置する第2の内側バンドと、
前記第3の複数の冷媒ガスポートと前記第4の複数の冷媒ガスポートとの間に位置する第3の内側バンドと、
前記チャック表面の前記外周の周りに延びる外側密閉バンドであって、前記第1の複数の冷媒ガスポート、前記第2の複数の冷媒ガスポート、前記第3の複数の冷媒ガスポート、および前記第4の複数の冷媒ガスポートは、前記外側密閉バンドの内側に位置
し、前記外側密閉バンドの高さは、前記第1の内側バンド、前記第2の内側バンド、および前記第3の内側バンドのそれぞれの高さより高い、外側密閉バンドと、
を備える、静電チャック。
【請求項12】
請求項
11に記載の静電チャックであって、さらに、
複数の抜き治具を備える、静電チャック。
【請求項13】
請求項
12に記載の静電チャックであって、
前記複数の抜き治具の各々は、
少なくとも1つの抜き孔と、
前記少なくとも1つの抜き孔を囲む密閉部と
を備える、静電チャック。
【請求項14】
請求項
13に記載の静電チャックであって、
前記少なくとも1つの抜き孔は、排気口に接続可能である、静電チャック。
【請求項15】
請求項1
1に記載の静電チャックであって、
前記第1の内側バンド、前記第2の内側バンド、および前記第3の内側バンドの高さは、前記外側密閉バンドの高さの4分の1から4分の3の間である、静電チャック。
【請求項16】
請求項1
1に記載の静電チャックであって、
前記第1の複数の冷媒ガスポートは、前記第1の冷媒ガス圧システムからガスを第1の圧力で受け取るように構成され、
前記第2の複数の冷媒ガスポートは、前記第2の冷媒ガス圧システムからガスを第2の圧力で受け取るように構成され、前記第1の圧力は、前記第2の圧力より大きく、
前記第3の複数の冷媒ガスポートは、前記第3の冷媒ガス圧システムからガスを第3の圧力で受け取るように構成され、前記第2の圧力は、前記第3の圧力より小さく、
前記第4の複数の冷媒ガスポートは、前記第4の冷媒ガス圧システムからガスを第4の圧力で受け取るように構成され、前記第3の圧力は、前記第4の圧力より大きい、静電チャック。
【請求項17】
請求項1
1に記載の静電チャックであって、
前記外側密閉バンドは、5ミクロンから30ミクロンの間の高さを有する、静電チャック。
【請求項18】
請求項1
1に記載の静電チャックであって、さらに、
前記チャック表面上に複数のリフトピン孔を備える、静電チャック。
【請求項19】
請求項1
1に記載の静電チャックであって、
前記外側密閉バンドは、前記外側密閉バンドの上部外側部分にノッチを有する、静電チャック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、全ての目的のために参照として本明細書に援用される、2017年3月31日付けの米国仮出願第62/480,232号の優先権の利益を主張する。
【0002】
本開示は、半導体ウエハ上に半導体デバイスを形成するための方法および装置に関する。特に、本開示は、半導体処理中にウエハ温度制御を提供するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
半導体処理システムは、半導体ウエハなどの基板を処理するのに用いられる。そのようなシステムで実施されうるプロセスの例は、導体エッチング、誘電エッチング、原子層堆積、化学気相堆積、および/または、他のエッチング、堆積、もしくは洗浄プロセスを含むが、それらに限定されない。基板は、半導体処理システムの処理チャンバにおいて、例えば、台座、静電チャック(ESC)を備える基板支持体上に配置されてよい。
【発明の概要】
【0004】
上記を本開示の目的に従って実現するために、プラズマ処理チャンバにおいて基板を処理するための装置が提供される。第1の冷媒ガス圧システムは、第1の冷媒ガスを第1の圧力で提供するように構成されている。第2の冷媒ガス圧システムは、第1の冷媒ガス圧システムから独立して第2の冷媒ガスを第2の圧力で提供するように構成されている。第3の冷媒ガス圧システムは、第1の冷媒ガス圧システムおよび第2の冷媒ガス圧システムから独立して、第3の冷媒ガスを第3の圧力で提供するように構成されている。第4の冷媒ガス圧システムは、第1の冷媒ガス圧システム、第2の冷媒ガス圧システム、および第3の冷媒ガス圧システムから独立して、第4の冷媒ガスを第4の圧力で提供するように構成されている。チャック表面を備える静電チャックは、中心点および外周を有する。静電チャックの第1の複数の冷媒ガスポートは、第1の冷媒ガス圧システムに接続され、第1の複数の冷媒ガスポートの各冷媒ガスポートは、中心点から第1の半径より遠くにある。静電チャックの第2の複数の冷媒ガスポートは、第2の冷媒ガス圧システムに接続され、第2の複数の冷媒ガスポートの各冷媒ガスポートは、中心点から第1の半径と中心点から第2の半径との間に離間して配置され、第2の半径は、第1の半径より短い。静電チャックの第3の複数の冷媒ガスポートは、第3の冷媒ガス圧システムに接続され、第3の複数の冷媒ガスポートの各冷媒ガスポートは、中心点から第2の半径と中心点から第3の半径との間に離間して配置され、第3の半径は、第2の半径より短い。静電チャックの第4の複数の冷媒ガスポートは、第4の冷媒ガス圧システムに接続され、第4の複数の冷媒ガスポートの各冷媒ガスポートは、中心点から第3の半径以内の距離に離間して配置されている。外側密閉バンドは、第1の複数の冷媒ガスポート、第2の複数の冷媒ガスポート、第3の複数の冷媒ガスポート、および第4の複数の冷媒ガスポートが位置するチャック表面の周囲に延びる。
【0005】
別の表明では、プラズマ処理チャンバにおいて基板を処理するための装置が提供される。外周を有するチャック表面を備える静電チャックは、チャック表面上に位置する複数の密閉バンドを備え、複数の密閉バンドは、外側密閉バンドと、第1の内側バンドと、第2の内側バンドおよび第3の内側バナーと、複数の密閉バンドによって規定された複数の冷却帯であって、外側密閉バンドおよび第1の内側バンドによって規定された第1の径方向冷却帯、第1の内側バンドおよび第2の内側バンドによって規定された第2の径方向冷却帯、第2の内側バンドおよび第3の内側バンドによって規定された第3の径方向冷却帯、第3の内側バンドによって規定された中央冷却帯を含む複数の冷却帯と、第1の径方向冷却帯、第2の径方向冷却帯、第3の径方向冷却帯、および中央冷却帯にそれぞれ位置する、第1の複数の冷媒ガスポート、第2の複数の冷媒ガスポート、第3の複数の冷媒ガスポート、および第4の複数の冷媒ガスポートを含む複数の冷媒ガスポートと、を備える。冷媒ガス供給システムは、第1の制御弁、第2の制御弁、第3の制御弁、および第4の制御弁を備え、各々、独立した圧力で第1の複数の冷媒ガスポート、第2の複数の冷媒ガスポート、第3の複数の冷媒ガスポート、および第4の複数の冷媒ガスポートに冷媒ガスをそれぞれ提供するように構成されている。
【0006】
上記実施形態では、外側密閉バンド、第1の内側バンド、第2の内側バンド、および第3の内側バンドのそれぞれの高さは、ほぼ等しくてよい。
【0007】
静電チャックは、さらに、複数の抜き治具を備えてよい。複数の抜き治具の各々は、少なくとも1つの抜き孔と、その少なくとも1つの抜き孔を囲むシーリング部とを備えてよい。少なくとも1つの抜き孔は、排気口に接続されてよい。
【0008】
外側密閉バンドの高さは、第1の内側バンド、第2の内側バンド、および第3の内側バンドのそれぞれの高さより高くてもよい。第1の内側バンド、第2の内側バンド、および第3の内側バンドの高さは、外側密閉バンドの高さの4分の1から4分の3の間であってよい。外側密閉バンドは、5ミクロンから30ミクロンの間の高さを有してよい。外側密閉バンドは、その上部外側部分にノッチを有してよい。
【0009】
第1の制御弁によって提供される第1の圧力は、第2の制御弁によって提供される第2の圧力より大きく、第2の圧力は、第3の制御弁によって提供される第3の圧力より小さく、第3の圧力は、第4の制御弁によって提供される第4の圧力より大きくてよい。
【0010】
静電チャックは、さらに、チャック表面上に複数のリフトピン孔を備えてよい。
【0011】
別の表明では、中心点および外周を有するチャック表面を備える静電チャックが提供される。第1の複数の冷媒ガスポートは、第1の冷媒ガス圧システムに接続可能であり、第1の複数の冷媒ガスポートの各冷媒ガスポートは、中心点から第1の半径より遠くにある。第2の複数の冷媒ガスポートは、第2の冷媒ガス圧システムに接続可能であり、第2の複数の冷媒ガスポートの各冷媒ガスポートは、中心点から第1の半径と中心点から第2の半径との間に離間して配置され、第2の半径は、第1の半径より短い。第3の複数の冷媒ガスポートは、第3の冷媒ガス圧システムに接続可能であり、第3の複数の冷媒ガスポートの各冷媒ガスポートは、中心点から第2の半径と中心点から第3の半径との間に離間して配置され、第3の半径は、第2の半径より短い。第4の複数の冷媒ガスポートは、第4の冷媒ガス圧システムに接続可能であり、第4の複数の冷媒ガスポートの各冷媒ガスポートは、中心点から第3の半径以内の距離に離間して配置されている。外側密閉バンドは、チャック表面の周囲に延び、第1の複数の冷媒ガスポート、第2の複数の冷媒ガスポート、第3の複数の冷媒ガスポート、および第4の複数の冷媒ガスポートは、外側密閉バンドの内側に位置する。
【0012】
別の表明では、チャック表面を備える静電チャックが提供される。複数の密閉バンドは、チャック表面上に位置し、複数の密閉バンドは、外側密閉バンド、第1の内側バンド、第2の内側バンド、および第3の内側バンドを備える。複数の冷却帯は、複数の密閉バンドによって規定され、外側密閉バンドおよび第1の内側バンドによって規定された第1の径方向冷却帯と、第1の内側バンドおよび第2の内側バンドによって規定された第2の径方向冷却帯と、第2の内側バンドおよび第3の内側バンドによって規定された第3の径方向冷却帯と、第3の内側バンドによって規定された中央冷却帯とを含む。複数の冷媒ガスポートは、第1の径方向冷却帯、第2の径方向冷却帯、第3の径方向冷却帯、および中央冷却帯にそれぞれ位置する、第1の複数の冷媒ガスポート、第2の複数の冷媒ガスポート、第3の複数の冷媒ガスポート、および第4の複数の冷媒ガスポートを含む。
【0013】
上記の静電チャックについて、外側密閉バンド、第1の内側バンド、第2の内側バンド、および第3の内側バンドのそれぞれの高さは、ほぼ等しくてよい。
【0014】
静電チャックは、複数の抜き治具を備えてよい。複数の抜き治具の各々は、少なくとも1つの抜き孔と、その少なくとも1つの抜き孔を囲むシーリング部とを備えてよい。少なくとも1つの抜き孔は、排気口に接続可能であってよい。
【0015】
上記の静電チャックについて、外側密閉バンドの高さは、第1の内側バンド、第2の内側バンド、および第3の内側バンドのそれぞれの高さより高くてよい。第1の内側バンド、第2の内側バンド、および第3の内側バンドの高さは、外側密閉バンドの高さの4分の1から4分の3の間であってよい。外側密閉バンドは、5ミクロンから30ミクロンの間の高さを有してよい。外側密閉バンドは、その上部外側部分にノッチを有してよい。
【0016】
第1の複数の冷媒ガスポートは、ガスを第1の制御弁から第1の圧力で受け取るように構成されてよい。第2の複数の冷媒ガスポートは、ガスを第2の制御弁から第2の圧力で受け取るように構成されてよく、第1の圧力は、第2の圧力より大きい。第3の複数の冷媒ガスポートは、ガスを第3の制御弁から第3の圧力で受け取るように構成されてよく、第2の圧力は、第3の圧力より小さい。第4の複数の冷媒ガスポートは、ガスを第4の制御弁から第4の圧力で受け取るように構成されてよく、第3の圧力は、第4の圧力より大きい。
【0017】
静電チャックは、さらに、チャック表面上に複数のリフトピン孔を備えてよい。
【0018】
本開示のこれらの特徴およびその他の特徴は、以下の発明を実施するための形態において、次の図と併せてより詳細に説明されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本開示は、付随の図面の図において、限定のためではなく例示のために説明される。類似の参照番号は、類似の要素を指す。
【0020】
【
図1】一実施形態で用いられうるプラズマ処理チャンバの概略図。
【0021】
【
図2】一実施形態を実行するのに用いられうるコンピュータシステムの概略図。
【0022】
【
図3】一実施形態における基板を有するESC上部の断面概略側面図。
【0023】
【0024】
【0025】
【
図6】別の実施形態における基板を有するESC上部の断面概略側面図。
【0026】
【
図7】別の実施形態における基板を有するESC上部の断面概略側面図。
【0027】
【
図8】別の実施形態における基板を有するESC上部の断面概略側面図。
【0028】
【0029】
【0030】
【
図11】
図9に示す実施形態のチャック表面上の外側密閉バンドの拡大側面断面図。
【0031】
【
図12】別の実施形態のチャック表面上の外側密閉バンドの拡大側面断面図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
ここで本開示は、付随の図面に示すそのいくつかの例示的な実施形態に関して詳細に説明される。以下の記載では、本開示の十分な理解を提供するために多数の特定の詳細が説明される。しかし、本開示がそれらの特定の詳細の一部または全てなしに実行されてよいことは、当業者には明らかだろう。他の例では、周知のプロセス工程および/またはプロセス構造は、本開示を不必要に曖昧にしないように詳細には説明されていない。
【0033】
従来の誘電ESCの設計は、ウエハの半径に沿ってウエハの温度プロファイルを正確に制御する能力を大きく制限する1つまたは2つのHe領域を有する。
【0034】
2領域HeのESCは、内側領域と外側領域との間の著しいHe圧力クロストークにも悩まされている。例えば、内側領域のHe圧力が30Torrに設定され、外側領域のHe圧力が80Torrに設定される場合、実際の内側領域圧力が対応する所望の設定点より高く、実際の外側領域圧力が対応する所望の設定点より低くなり、内側領域と外側領域との間には顕著なクロストークがある。この影響は、外側領域からのHeリークの増加、および、内側領域からのゼロまたは負のHeリークによって顕著である。この影響は、ウエハ温度が高差He圧力設定点で悪影響を受けることによって歩留まりロスを引き起こすことを意味する。
【0035】
新しい半導体製造プロセスは、10nm未満に縮小する限界寸法(CD)、および、より大きくなるRF束の径方向分布の影響のため、エッチング速度(ER)およびCD均一性の非常に厳しい制御を必要とする。他のパラメータの中でも、温度は、ERおよびCD均一性を規定するのに大きな役割を果たす。誘電エッチングにおいて、温度制御のための主同調つまみは、ウエハ下のHe圧力である。従来のESCは、ウエハの温度制御に1つまたは2つのHe領域を用いる。これらの設計のいずれも、最新のプロセス条件についていくのに十分なウエハ温度の径方向制御を提供しない。
【0036】
本開示の実施形態は、a)複数領域のHe制御を導入することと、b)外側領域以外の全てのHe領域にHe抜き孔などのフィーチャを導入することによって、正確で迅速な圧力制御および温度の均一性を確保することとによって、前述の問題を解決する。
【0037】
様々な実施形態は、複数領域のHe制御を提供する。4つ以上のHe領域の制御の導入によって、作業者は、各工程のための所望のHe圧力およびウエハ温度プロファイルを設定することができる。ウエハの温度プロファイルは、径方向のRF電力分布におけるバラツキを補い、高い工程歩留まりを可能にする。
【0038】
抜き孔は、a)高差圧設定点を有する領域間の領域境界にわたるHe圧力クロストークの影響を低減することによって、各領域内の正確なHe圧力制御を提供し、b)領域間のHe圧力およびウエハ温度の急激な推移を可能にし、c)各領域においてウエハの下にHe圧力を均一に分配することによって、領域内における所望の温度の均一性を確保し、d)所望通りにプロセス工程間の急速なHe圧力の推移を可能にする。
【0039】
抜き孔は、過剰なHeをESCおよび/またはESC支持構造内部の1つ以上の排気経路を通じて処理チャンバまたはフォアラインに放出する(「抜く」)ことによって、過剰なHe圧力が緩和される、または減衰されることを確実にする。He排気経路の過剰流量および圧力は、経路内のオリフィスまたはHe圧力制御装置によって制御されうる。
【0040】
図1は、一実施形態で用いられうるプラズマ処理システム100の概略図である。プラズマ処理システム100は、チャンバ壁150に囲まれた処理チャンバ109内においてガス流入口および静電チャック(ESC)108を提供するガス分配板106を備える。処理チャンバ109内では、基板112は、ESC108の上に位置する。ESC108は、ESC源148からチャッキング電圧を提供してよい。プロセスガス源110は、ガス分配板106を介して処理チャンバ109に接続されている。ESC冷媒ガス源151は、第1の制御弁113、第2の制御弁114、第3の制御弁115、および第4の制御弁116を含む多数の制御弁にESC冷媒ガスを提供する。第1の制御弁113は、ESC冷媒ガスをESC108の第1の冷却帯に提供する。第2の制御弁114は、ESC冷媒ガスをESC108の第2の冷却帯に提供する。第3の制御弁115は、ESC冷媒ガスをESC108の第3の冷却帯に提供する。第4の制御弁116は、ESC冷媒ガスをESC108の第4の冷却帯に提供する。高周波(RF)源130は、下部電極として機能するESC108、および/または、上部電極として機能するガス分配板106にRF電力を提供する。例示的な実施形態では、RF源130は、400kHz、2MHz、60MHz、および27MHzの電源からなる。この実施形態では、1つの発電機が各周波数に提供される。他の実施形態では、複数の発電機が別々のRF源にあってよい、または、別々のRF電源が異なる電極に接続されてよい。例えば、上部電極は、異なるRF源に接続された内部電極および外部電極を有してよい。他の実施形態(例えば、上部電極が接地されうる一実施形態)では、他の配置のRF源および電極が用いられてよい。制御装置135は、RF源130、ESC源148、排気ポンプ120、ESC冷媒ガス源151、およびプロセスガス源110に制御可能に接続されている。処理チャンバ109は、一般に誘電材料をエッチングするのに用いられるCCP(容量結合プラズマ)リアクタ、または、一般に導電材料またはシリコンをエッチングするのに用いられるICP(誘導結合プラズマ)リアクタでありうる。
【0041】
図2は、実施形態で用いられる制御装置135を実装するのに適したコンピュータシステム200を示す高レベルブロック図である。コンピュータシステム200は、集積回路、プリント回路基板、および小型ハンドヘルドデバイスから大型スーパーコンピュータに至るまで、多くの物理的形態を有してよい。コンピュータシステム200は、1つ以上のプロセッサ202を備え、さらに、電子表示デバイス204(グラフ、文章、および他のデータを表示)、メインメモリ206(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM))、記憶装置208(例えば、ハードディスクドライブ)、リムーバブル記憶装置210(例えば、光ディスクドライブ)、ユーザインタフェースデバイス212(例えば、キーボード、タッチ画面、キーパッド、マウス、または他のポインティングデバイス)、および通信インタフェース214(例えば、ワイヤレスネットワークインタフェース)を備えうる。通信インタフェース214は、コンピュータシステム200と外部デバイスとの間でリンクを介してソフトウェアおよびデータが転送されるようにする。このシステムは、前述のデバイス/モジュールが接続される通信インフラストラクチャ216(例えば、通信バス、クロスオーバーバー、またはネットワーク)を備えてもよい。
【0042】
通信インタフェース214を介して転送される情報は、電子、電磁気、光などの信号の形態、または、信号を伝達する通信リンクであって、ワイヤもしくはケーブル、光ファイバ、電話線、携帯電話リンク、周波数リンク、および/もしくは他の通信チャネルを用いて実装されうる通信リンクを介して、通信インタフェース214によって受信されうる他の信号の形態であってよい。1つ以上のプロセッサ202は、そのような通信インタフェース214によって、上述の方法の工程を実行する過程において情報をネットワークから受信しうる、または、情報をネットワークに出力しうると考えられる。さらに、方法の実施形態は、プロセッサにおいてのみ実行されてよい、または、処理の一部を共有するリモートプロセッサと協働してインターネットなどのネットワークにおいて実行されてよい。
【0043】
「非一時的コンピュータ可読媒体」との用語は、一般に、メインメモリ、二次メモリ、リムーバブル記憶装置、ならびに、ハードディスク、フラッシュメモリ、ディスクドライブメモリ、CD-ROM、および他の形態の永続メモリなどの記憶装置を指すのに用いられ、搬送波または信号などの一時的対象を網羅すると解釈されるべきでない。コンピュータコードの例は、例えばコンパイラによって生成されるマシンコードと、インタプリタを用いてコンピュータによって実行されるより高レベルのコードを含むファイルとを含む。コンピュータ可読媒体は、搬送波に具現化され、プロセッサによって実行可能な一連の命令を表すコンピュータデータ信号によって転送されるコンピュータコードであってもよい。
【0044】
図3は、一実施形態においてその上に設置された基板112を有するESC108の上部の断面概略側面図である。
図3は、本実施形態の特定の態様をより明確に表すために縮小して描かれていない。ESC108の上部は、チャック表面304を形成する。
図4は、ESC108のチャック表面304の上面図である。この実施形態では、外側密閉バンド308は、図のように、チャック表面304の周囲に延びる。
【0045】
第1の複数の冷媒ガスポート312は、中心点316から第1の半径R1より遠くに位置する。第1の複数の冷媒ガスポート312は、第1の圧力を第1の複数の冷媒ガスポート312に提供する第1の制御弁113と流体接触している。
【0046】
第2の複数の冷媒ガスポート320は、中心点316から第2の半径R2と第1の半径R1との間に位置する。第2の複数の冷媒ガスポート320は、第2の圧力を第2の複数の冷媒ガスポート320に提供する第2の制御弁114と流体接触している。第2の圧力は、第1の複数の冷媒ガスポート312に提供される第1の圧力と異なってよい。
【0047】
第3の複数の冷媒ガスポート324は、中心点316から第3の半径R3と第2の半径R2との間に位置する。第3の複数の冷媒ガスポート324は、第3の圧力を第3の複数の冷媒ガスポート324に提供する第3の制御弁115と流体接触している。第3の圧力は、第2の複数の冷媒ガスポート320に提供される第2の圧力と異なってよい。
【0048】
第4の複数の冷媒ガスポート328は、中心点316から第3の半径R3以内に位置する。第4の複数の冷媒ガスポート328は、第4の圧力を第4の複数の冷媒ガスポート328に提供する第4の制御弁116と流体接触している。第4の圧力は、第3の複数の冷媒ガスポート324に提供される第3の圧力と異なってよい。
【0049】
第1の内側バンド332は、第1の複数の冷媒ガスポート312と第2の複数の冷媒ガスポート320との間に位置する。第2の内側バンド336は、第2の複数の冷媒ガスポート320と第3の冷媒ガスポート324との間に位置する。第3の内側バンド340は、第3の複数の冷媒ガスポート324と第4の冷媒ガスポート328との間に位置する。
【0050】
第1の複数の冷媒ガスポート312は、外側密閉バンド308と第1の内側バンド332との間に位置する。第2の複数の冷媒ガスポート320は、第1の内側バンド332と第2の内側バンド336との間に位置する。第3の複数の冷媒ガスポート324は、第2の内側バンド336と第3の内側バンド340との間に位置する。第4の複数の冷媒ガスポート328は、第3の内側バンド340の内側に位置する。
【0051】
この実施形態では、外側密閉バンド308と第1の内側バンド332との間の領域は、第1の径方向冷却帯とも呼ばれる第1の冷却帯を規定する。第1の内側バンド332と第2の内側バンド336との間の領域は、第2の径方向冷却帯とも呼ばれる第2の冷却帯を規定する。第2の内側バンド336と第3の内側バンド340との間の領域は、第3の径方向冷却帯とも呼ばれる第3の冷却帯を規定する。第3の内側バンド340内の領域は、中央冷却帯とも呼ばれる第4の冷却帯を規定する。
【0052】
第1の内側バンド332、第2の内側バンド336、第3の内側バンド340、および外側密閉バンド308は、約10ミクロンの高さを有する。第1の内側バンド332、第2の内側バンド336、第3の内側バンド340、および外側密閉バンド308は、ほぼ等しい高さである。第1の内側バンド332、第2の内側バンド336、第3の内側バンド340、および外側密閉バンド308は、基板112と接触して隣接する冷却帯間で密閉を形成することで、隣接する冷却帯間のガス漏れを最小限にする。
【0053】
一実施形態では、第1の制御弁113は、He冷媒ガスを80Torrの圧力で第1の複数の冷媒ガスポート312を通じて第1の冷却帯に提供する。第2の制御弁114は、He冷媒ガスを30Torrの圧力で第2の複数の冷媒ガスポート320を通じて第2の冷却帯に提供する。第3の制御弁115は、He冷媒ガスを80Torrの圧力で第3の複数の冷媒ガスポート324を通じて第3の冷却帯に提供する。第4の制御弁116は、He冷媒ガスを30Torrの圧力で第4の複数の冷媒ガスポート328を通じて第4の冷却帯に提供する。He冷媒ガスは、各冷却帯に約20℃の温度で提供される。
【0054】
この実施形態では、外側密閉バンド308は、チャック表面304の全面積の少なくとも90%であるチャック表面304の領域を取り囲む閉ループを形成する。第1の内側バンド332、第2の内側バンド336、および第3の内側バンド340も、チャック表面304の領域を取り囲む閉ループを形成する。この実施形態では、外側密閉バンド308、第1の内側バンド332、第2の内側バンド336、および第3の内側バンド340は各々、中心点316を中心とする同心の実質的な円形ループを形成する。中心点316は、チャック表面304の中心である。
【0055】
図5は、第2の制御弁114および第2の複数の冷媒ガスポート320の1つを示す概略図である。第2の制御弁114は、He冷媒ガスを第2の複数の冷媒ガスポート320と、排気のために接続された流動制御弁508とに提供するマスフローコントローラ(MFC)ユニット504を備える。この実施形態では、MFC504は、制御弁512、圧力設定制御装置516を備える。圧力設定制御装置516は、特定の圧力に設定し、その圧力を特定の圧力で維持するのに用いられる。MFC504の出力は、第2の複数の冷媒ガスポート320に接続される。流動制御弁508の第1の端は、MFC504と第2の複数の冷媒ガスポート320との間に接続される。流動制御弁508の第2の端は、排気または廃棄のために接続される。
【0056】
一実施形態では、第2の冷却帯が30Torrの圧力に維持され、隣接する第1の冷却帯および第3の冷却帯が80Torrの圧力に維持されるため、第1の冷却帯および第3の冷却帯からのガスが第2の冷却帯に漏出する可能性があり、それが第2の冷却帯の圧力を増加させる傾向があるだろう。流動制御弁508は、30Torrに設定される。第1の冷却帯および第3の冷却帯からのガスが第2の冷却帯に漏出し、第2の冷却帯の圧力を30Torrより超えて増加させるときは、余剰ガスは、流動制御弁508を通って排気されるため、第2の冷却帯の圧力は30Torr付近に維持される。この実施形態では、第1の制御弁113、第3の制御弁115、および第4の制御弁116は、第2の制御弁114に類似した構成を有する。第1の制御弁113は、第1の冷媒ガス圧システムを提供する。第2の制御弁114は、第2の冷媒ガス圧システムを提供する。第3の制御弁115は、第3の冷媒ガス圧システムを提供する。第4の制御弁116は、第4の冷媒ガス圧システムを提供する。
【0057】
動作では、4つの別々の冷却帯、および、第1の複数の冷媒ガスポート312、第2の複数の冷媒ガスポート320、第3の複数の冷媒ガスポート324、第4の複数の冷媒ガスポート326で提供された様々な圧力は、エッチングプロセスの各工程で各帯への所定/所望のHe圧力を設定することによって、所望のウエハ温度プロファイルの作成を可能にする。改善されたウエハ温度プロファイルは、基板112全体のより均一なエッチングを提供する。
【0058】
図6は、別の実施形態における、上に設置された基板112を有するESC108の上部の断面概略側面図である。
図6は、本実施形態の特定の態様をより明確に表すために縮小して描かれていない。ESC108の上部は、チャック表面604を形成する。この実施形態では、外側密閉バンド608は、チャック表面604の周囲に延びる。
【0059】
第1の複数の冷媒ガスポート612は、中心点616から第1の半径R1より遠くに位置する。第1の複数の冷媒ガスポート612は、第1の圧力を第1の複数の冷媒ガスポート612に提供する第1の制御弁113と流体接触している。
【0060】
第2の複数の冷媒ガスポート620は、中心点616から第2の半径R2と第1の半径R1との間に位置する。第2の複数の冷媒ガスポート620は、第2の圧力を第2の複数の冷媒ガスポート620に提供する第2の制御弁114と流体接触している。第2の圧力は、第1の複数の冷媒ガスポート612に提供される第1の圧力と異なってよい。
【0061】
第3の複数の冷媒ガスポート624は、中心点616から第3の半径R3と第2の半径R2との間に位置する。第3の複数の冷媒ガスポート624は、第3の圧力を第3の複数の冷媒ガスポート624に提供する第3の制御弁115と流体接触している。第3の圧力は、第2の複数の冷媒ガスポート620に提供される第2の圧力と異なってよい。
【0062】
第4の複数の冷媒ガスポート628は、中心点616から第3の半径R3以内に位置する。第4の複数の冷媒ガスポート628は、第4の圧力を第4の複数の冷媒ガスポート628に提供する第4の制御弁116と流体接触している。第4の圧力は、第3の複数の冷媒ガスポート624に提供される第3の圧力と異なってよい。
【0063】
第1の内側バンド632は、第1の複数の冷媒ガスポート612と第2の複数の冷媒ガスポート620との間に位置する。第2の内側バンド636は、第2の複数の冷媒ガスポート620と第3の冷媒ガスポート624との間に位置する。第3の内側バンド640は、第3の複数の冷媒ガスポート624と第4の冷媒ガスポート628との間に位置する。
【0064】
第1の複数の冷媒ガスポート612は、外側密閉バンド608と第1の内側バンド632との間に位置する。第2の複数の冷媒ガスポート620は、第1の内側バンド632と第2の内側バンド636との間に位置する。第3の複数の冷媒ガスポート624は、第2の内側バンド636と第3の内側バンド640との間に位置する。第4の複数の冷媒ガスポート628は、第3の内側バンド640内に位置する。
【0065】
この実施形態では、外側密閉バンド608と第1の内側バンド632との間の領域は、第1の冷却帯を規定する。第1の内側バンド632と第2の内側バンド636との間の領域は、第2の冷却帯を規定する。第2の内側バンド636と第3の内側バンド640との間の領域は、第3の冷却帯を規定する。第3の内側バンド640内の領域は、第4の冷却帯を規定する。
【0066】
第1の内側バンド632、第2の内側バンド636、および第3の内側バンド640は、一般に同じ高さを有し、一実施形態では、それは約5ミクロンである。少なくとも1つの他の実施形態では、第1の内側バンド632、第2の内側バンド636、および第3の内側バンド640のうちの1つ以上は、他に対して異なる高さを有する。外側密閉バンド608は、一般に、第1の内側バンド632、第2の内側バンド636、および第3の内側バンド640より高い高さを有する。一実施形態では、外側密閉バンドは、約10ミクロンの高さを有する。第1の内側バンド632、第2の内側バンド636、および第3の内側バンド640は、外側密閉バンド608の高さの約半分である。他の実施形態では、第1の内側バンド632、第2の内側バンド636、および第3の内側バンド640は、外側密閉バンド608の高さの4分の1から4分の3の間であってよい。第1の内側バンド632、第2の内側バンド636、および第3の内側バンド640は、隣接する冷却帯間に部分的な密閉を提供する。しかし、第1の内側バンド632、第2の内側バンド636、および第3の内側バンド640が外側密閉バンド608より低い高さを有するため、第1の内側バンド632、第2の内側バンド636、および第3の内側バンド640は、基板112に接触せず、それによっていくらかのガスが、基板112と対応する内側バンドとの間の隙間を介して隣接する冷却帯間を通ることができる。第1の内側バンド632、第2の内側バンド636、および第3の内側バンド640が基板112に接触しないため、第1の内側バンド632、第2の内側バンド636、および第3の内側バンド640は、第1の内側バンド632、第2の内側バンド636、および第3の内側バンド640が基板112に接触する場合ほど基板112の温度に影響を与えない。結果として、基板112の温度は、より均一になる。増加した温度の均一性は、ウエハ間の再現性およびエッチングの均一性を向上させてよい。第1の内側バンド632、第2の内側バンド636、および第3の内側バンド640の高さの方が低いため、RF結合の不均一性もより小さい。
【0067】
図7は、別の実施形態における、上に設置された基板112を有するESC108の上部の断面概略側面図である。ESC108の上部は、チャック表面704を形成する。この実施形態では、外側密閉バンド708は、チャック表面704の周囲に延びる。
【0068】
第1の複数の冷媒ガスポート712は、中心点716から第1の半径R1より遠くに位置する。第1の複数の冷媒ガスポート712は、第1の圧力を第1の複数の冷媒ガスポート712に提供する第1の制御弁113と流体接触している。
【0069】
第2の複数の冷媒ガスポート720は、中心点716から第2の半径R2と第1の半径R1との間に位置する。第2の複数の冷媒ガスポート720は、第2の圧力を第2の複数の冷媒ガスポート720に提供する第2の制御弁114と流体接触している。第2の圧力は、第1の複数の冷媒ガスポート712に提供される第1の圧力と異なってよい。
【0070】
第3の複数の冷媒ガスポート724は、中心点716から第3の半径R3と第2の半径R2との間に位置する。第3の複数の冷媒ガスポート724は、第3の圧力を第3の複数の冷媒ガスポート724に提供する第3の制御弁115と流体接触している。第3の圧力は、第2の複数の冷媒ガスポート720に提供される第2の圧力と異なってよい。
【0071】
第4の複数の冷媒ガスポート728は、中心点716から第3の半径R3より短く位置する。第4の複数の冷媒ガスポート728は、第4の圧力を第4の複数の冷媒ガスポート728に提供する第4の制御弁116と流体接触している。第4の圧力は、第3の複数の冷媒ガスポート724に提供される第3の圧力と異なってよい。
【0072】
外側密閉バンド708は、約10ミクロンの高さを有する。この実施形態では、ESC108は、内側バンドを有さない。その結果、隣接する冷媒ガスポートから発するガスの間に分離がない。この実施形態が内側バンドを有さず、従って基板温度が内側バンドの存在に影響されないだろうため、基板112の温度は、より均一であってよい。増加した温度の均一性は、ウエハ間の再現性およびエッチングの均一性を向上させてよい。また、優れたRF結合の均一性は、優れたエッチング速度の均一性をもたらす。
【0073】
図8は、別の実施形態における、基板112を有するESC108の上部の断面概略側面図である。
図8は、本実施形態の特定の態様をより明確に表すために縮小して描かれていない。ESC108の上部は、チャック表面804を形成する。この実施形態では、外側密閉バンド808は、チャック表面804の周囲に延びる。
【0074】
第1の複数の冷媒ガスポート812は、中心点816から第1の半径R1より遠くに位置する。第1の複数の冷媒ガスポート812は、第1の圧力を第1の複数の冷媒ガスポート812に提供する第1の制御弁113と流体接触している。
【0075】
第2の複数の冷媒ガスポート820は、中心点816から第2の半径R2と第1の半径R1との間に位置する。第2の複数の冷媒ガスポート820は、第2の圧力を第2の複数の冷媒ガスポート820に提供する第2の制御弁114と流体接触している。第2の圧力は、第1の複数の冷媒ガスポート812に提供される第1の圧力と異なってよい。
【0076】
第3の複数の冷媒ガスポート824は、中心点816から第3の半径R3と第2の半径R2との間に位置する。第3の複数の冷媒ガスポート824は、第3の圧力を第3の複数の冷媒ガスポート824に提供する第3の制御弁115と流体接触している。第3の圧力は、第2の複数の冷媒ガスポート820に提供される第2の圧力と異なってよい。
【0077】
第4の複数の冷媒ガスポート828は、中心点816から第3の半径R3以内に位置する。第4の複数の冷媒ガスポート828は、第4の圧力を第4の複数の冷媒ガスポート828に提供する第4の制御弁116と流体接触している。第4の圧力は、第3の複数の冷媒ガスポート824に提供される第3の圧力と異なってよい。
【0078】
第1の内側バンド832は、第1の複数の冷媒ガスポート812と第2の複数の冷媒ガスポート820との間に位置する。第2の内側バンド836は、第2の複数の冷媒ガスポート820と第3の複数の冷媒ガスポート824との間に位置する。第3の内側バンド840は、第3の複数の冷媒ガスポート824と第4の複数の冷媒ガスポート828との間に位置する。
【0079】
第1の複数の冷媒ガスポート812は、外側密閉バンド808と第1の内側バンド832との間に位置する。第2の複数の冷媒ガスポート820は、第1の内側バンド832と第2の内側バンド836との間に位置する。第3の複数の冷媒ガスポート824は、第2の内側バンド836と第3の内側バンド840との間に位置する。第4の複数の冷媒ガスポート828は、第3の内側バンド840内に位置する。
【0080】
この実施形態では、外側密閉バンド808と第1の内側バンド832との間の領域は、第1の冷却帯を規定する。第1の内側バンド832と第2の内側バンド836との間の領域は、第2の冷却帯を規定する。第2の内側バンド836と第3の内側バンド840との間の領域は、第3の冷却帯を規定する。第3の内側バンド840内の領域は、第4の冷却帯を規定する。第1の内側バンド832、第2の内側バンド836、第3の内側バンド840、および外側密閉バンド808は、約10ミクロンの高さを有する。
【0081】
第2の冷却帯では、第1の抜き治具842は、第1の内側バンド832と第2の内側バンド836との間に位置する。第3の冷却帯では、第2の抜き治具844は、第2の内側バンド836と第3の内側バンド840との間に位置する。第4の冷却帯では、第3の抜き治具848は、第3の内側バンド840内に位置する。第1の抜き治具842、第2の抜き治具844、および第3の抜き治具848は各々、1つ以上の抜き孔を備えてよい。
図8は断面側面図であるため、第2の冷却帯、第3の冷却帯、および第4の冷却帯には1つの抜き治具のみが示されている。しかし、様々な実施形態は、第2の冷却帯、第3の冷却帯、および第4の冷却帯の各々に1つ以上の抜き治具を有してよい。この例では、外側密閉バンド808を介するHeリークはバキュームされるため、第1の冷却帯には抜き治具がない。第1の抜き治具842、第2の抜き治具844、第3の抜き治具848は、バキュームに接続される。
【0082】
第1の内側バンド832、第2の内側バンド836、第3の内側バンド840、および外側密閉バンド808は、高さがほぼ等しい。第1の内側バンド832、第2の内側バンド836、第3の内側バンド840は、隣接する冷却帯間に密閉を提供する。
【0083】
この例では、第1の複数の冷媒ガスポート812は、第1の冷却帯が約80Torrの圧力を有するようにHeを80Torrの圧力で提供する。第2の複数の冷媒ガスポート820は、第2の冷却帯が約30Torrの圧力を有するようにHeを30Torrの圧力で提供する。第3の複数の冷媒ガスポート824は、第3の冷却帯が約80Torrの圧力を有するようにHeを80Torrの圧力で提供する。第4の複数の冷媒ガスポート828は、第4の冷却帯が約30Torrの圧力を有するようにHeを30Torrの圧力で提供する。隣接する冷却帯が異なる圧力であるため、高圧の冷却帯からのガスは、低圧の冷却帯に漏出し、それによって低圧の冷却帯の圧力が上昇する傾向がある。第1の抜き治具842、第2の抜き治具844、第3の抜き治具848は、それぞれの冷却帯がその所望の圧力を維持できるようにする。第2の冷却帯、第3の冷却帯、第4の冷却帯に漏出したガスによって引き起こされた圧力は、第1の抜き治具842、第2の抜き治具844、第3の抜き治具848を通じて余剰ガスを流出させるまたは廃棄することによって、逃がされるまたは減衰される。第1の冷却帯からの冷却ガスは、第1の冷却帯において所望の圧力を維持するために、外側密閉バンド808を通して抜き出されてよい。第1の抜き治具842、第2の抜き治具844、第3の抜き治具848によって提供された改善された圧力制御は、改善されたエッチングの均一性を提供する。
【0084】
この実施形態では、第1の制御弁113によって提供された第1の圧力は、第2の制御弁114によって提供された第2の圧力より大きい。第2の圧力は、第3の制御弁115によって提供された第3の圧力より小さい。第3の圧力は、第4の制御弁116によって提供された第4の圧力より大きい。他の実施形態では、他の圧力関係が提供されてよい。例えば、第1の圧力は第2の圧力より大きく、第2の圧力は第3の圧力より大きく、第3の圧力は第4の圧力より大きくてよい。
【0085】
図9は、別の実施形態におけるESC108の上部の斜視図である。ESC108の上部は、チャック表面904を形成する。この実施形態では、外側密閉バンド908は、チャック表面904の周囲に延びる。
【0086】
第1の複数の冷媒ガスポート912は、外側密閉バンド908の内側に位置する。第1の複数の冷媒ガスポート912は、第1の圧力を第1の複数の冷媒ガスポート912に提供する第1の制御弁113と流体接触している。第1の内側バンド932は、第1の複数の冷媒ガスポート912と中心点916との間にある。
【0087】
第2の複数の冷媒ガスポート920は、第1の内側バンド932の内側に位置する。第2の複数の冷媒ガスポート920は、第2の制御弁114と流体接触し、第2の圧力を第2の複数の冷媒ガスポート920に提供する。第2の圧力は、第1の圧力とは異なる。第2の内側バンド936は、第2の複数の冷媒ガスポート920と中心点916との間に位置する。
【0088】
第3の複数の冷媒ガスポート924は、第2の内側バンド936の内側に位置する。第3の複数の冷媒ガスポート924は、第3の制御弁115と流体接触し、第3の圧力を第3の複数の冷媒ガスポート924に提供する。第3の圧力は、第2の圧力とは異なる。第3の内側バンド940は、第3の複数の冷媒ガスポート924と中心点916との間にある。
【0089】
第4の複数の冷媒ガスポート928は、第3の内側バンド940の内側に位置する。第4の複数の冷媒ガスポート928は、第4の制御弁116と流体接触し、第4の圧力を第4の複数の冷媒ガスポート928に提供する。第4の圧力は、第3の圧力とは異なる。チャック表面904は、リフトピン(図示せず)を収容するための3つのリフトピン孔948を有する。リフトピンは、基板112をチャック表面904から持ち上げるために用いられる。
【0090】
この実施形態では、外側密閉バンド908と第1の内側バンド932との間の領域は、第1の冷却帯を規定する。第1の内側バンド932と第2の内側バンド936との間の領域は、第2の冷却帯を規定する。第2の内側バンド936と第3の内側バンド940との間の領域は、第3の冷却帯を規定する。第3の内側バンド940内の領域は、第4の冷却帯を規定する。第1の内側バンド932、第2の内側バンド936、第3の内側バンド940、および外側密閉バンド908は、約10ミクロンの高さを有する。
【0091】
第2の冷却帯では、第1の複数の抜き治具952は、第1の内側バンド932と第2の内側バンド936との間に位置する。第3の冷却帯では、第2の複数の抜き治具956は、第2の内側バンド936と第3の内側バンド940との間に位置する。第4の冷却帯では、第3の複数の抜き治具960は、第3の内側バンド940内にある。
【0092】
図10は、第1の複数の抜き治具952、第2の複数の抜き治具956、第3の複数の抜き治具960の抜き治具1004の上面図である。抜き治具1004は、隆起した密閉部1052および4つの抜き孔1056を備える。隆起した密閉部1052は、抜き孔1056への冷却ガスの流量が所望の圧力プロファイルを維持する量であるように、隆起した密閉部1052の上部と基板(図示せず)との間に狭い隙間を提供する。
【0093】
溝946は、第2の冷却帯内に冷媒ガスを均等に分配するために、第2の複数の冷媒ガスポート920と第1の複数の抜き治具952との間に延びる。この実施形態では、第2の冷却ガス帯内で第2の複数の冷媒ガスポート920の均等な分配を提供するために、第2の冷却帯にはいくつかの同心円の第2の複数の冷媒ガスポート920がある。他のフィーチャをより明確に表すために、全ての第2の複数の冷媒ガスポート920および全ての溝946が示されているわけではない。また、第3の複数の冷媒ガスポート924は、第3の冷却帯内で均等に分配されている。第3の複数の冷媒ガスポート924の間には溝がある。他のフィーチャをより明確に表すために、全ての第3の複数の冷媒ガスポート924および全ての溝が示されているわけではない。さらに、第4の複数の冷媒ガスポート928は、第4の冷却帯内で均等に分配されている。第4の複数の冷媒ガスポート928の間には溝がある。他のフィーチャをより明確に表すために、全ての第4の複数の冷媒ガスポート928および全ての溝が示されているわけではない。加えて、第1の複数の冷媒ガスポート912は、第1の冷却帯内で均等に分配されている。第1の複数の冷媒ガスポート912の間には溝がある。他のフィーチャをより明確に表すために、全ての第1の複数の冷媒ガスポート912および全ての溝が示されているわけではない。
【0094】
様々な実施形態では、外側密閉バンド908は、5ミクロンから30ミクロンの間の高さを有する。外側密閉バンド908は、7ミクロンから15ミクロンの間の高さを有することがより好ましい。様々な実施形態では、第1の内側バンド932、第2の内側バンド936、および第3の内側バンド940は、0ミクロンの高さまで外側密閉バンド908に等しい高さを有してよい。第1の内側バンド932、第2の内側バンド936、および第3の内側バンド940の高さは、外側密閉バンド908の高さの4分の1から外側密閉バンド908の高さにほぼ等しいまでの範囲にあることがより好ましい。
【0095】
図11は、
図9に示す実施形態のチャック表面904上の外側密閉バンド908の拡大断面側面図である。基板と外側密閉バンド908との間の接触は、基板の温度に影響する。使用中に、外側密閉バンド908の上部外側部分は、徐々にエッチングされる。結果的に、外側密閉バンド908による基板温度の影響は、時間と共に変化する。この基板温度変化は、ウエハ間における変化をもたらす可能性がある。
【0096】
図12は、別の実施形態のチャック表面1204の外側密閉バンド1208の拡大断面側面図である。この実施形態では、外側密閉バンド1208の上部外側角は、図のように、外側密閉バンド1208の上部外側部分にノッチを形成して除去されている。結果的に、外側密閉バンド1208の上部内側部分のみ(および、
図11に示す外側密閉バンド908より小さい領域)が、基板(図示せず)と接触する。外側密閉バンド1208の上部内側部分のみ(および、小さい領域)が基板と接触するため、ウエハ間の温度変化は小さい。
【0097】
本開示は、いくつかの好ましい実施形態に照らして説明されたが、本開示の範囲に該当する変更、修正、並べ替え、および様々な代替同等物がある。また、本開示の方法および装置を実施する多くの別の方法があることにも注意されたい。そのため、本開示は、本開示の真の精神および範囲に該当する全てのそのような変更、修正、並べ替え、および様々な代替同等物を含むと解釈されるように意図されている。本開示は以下の適用例としても実現できる。
[適用例1]
プラズマ処理チャンバにおいて基板を処理するための装置であって、
第1の冷媒ガスを第1の圧力で提供するように構成された第1の冷媒ガス圧システムと、
前記第1の冷媒ガス圧システムから独立して、第2の冷媒ガスを第2の圧力で提供するように構成された第2の冷媒ガス圧システムと、
前記第1の冷媒ガス圧システムおよび前記第2の冷媒ガス圧システムから独立して、第3の冷媒ガスを第3の圧力で提供するように構成された第3の冷媒ガス圧システムと、
前記第1の冷媒ガス圧システム、前記第2の冷媒ガス圧システム、および前記第3の冷媒ガス圧システムから独立して、第4の冷媒ガスを第4の圧力で提供するように構成された第4の冷媒ガス圧システムと、
中心点および外周を有するチャック表面を含む静電チャックであって、さらに、
前記第1の冷媒ガス圧システムに接続された第1の複数の冷媒ガスポートであって、前記第1の複数の冷媒ガスポートの各冷媒ガスポートは、前記中心点から第1の半径より遠くに位置する、第1の複数の冷媒ガスポートと、
前記第2の冷媒ガス圧システムに接続された第2の複数の冷媒ガスポートであって、前記第2の複数の冷媒ガスポートの各冷媒ガスポートは、前記中心点から前記第1の半径と前記中心点から第2の半径との間に離間して配置され、前記第2の半径は、前記第1の半径より短い、第2の複数の冷媒ガスポートと、
前記第3の冷媒ガス圧システムに接続された第3の複数の冷媒ガスポートであって、前記第3の複数の冷媒ガスポートの各冷媒ガスポートは、前記中心点から前記第2の半径と前記中心点から第3の半径との間に離間して配置され、前記第3の半径は、前記第2の半径より短い、第3の複数の冷媒ガスポートと、
前記第4の冷媒ガス圧システムに接続された第4の複数の冷媒ガスポートであって、前記第4の複数の冷媒ガスポートの各冷媒ガスポートは、前記中心点から前記第3の半径以内の距離に離間して配置されている、第4の複数の冷媒ガスポートと、
前記チャック表面の前記外周の周りに延びる外側密閉バンドであって、前記第1の複数の冷媒ガスポート、前記第2の複数の冷媒ガスポート、前記第3の複数の冷媒ガスポート、および前記第4の複数の冷媒ガスポートは、前記外側密閉バンドの内側に位置する、外側密閉バンドと、を備える、静電チャックと、
を備える、装置。
[適用例2]
適用例1に記載の装置であって、
前記静電チャックは、さらに、前記第1の複数の冷媒ガスポートと前記第2の複数の冷媒ガスポートとの間に位置する第1の内側バンドを備える、装置。
[適用例3]
適用例2に記載の装置であって、
前記静電チャックは、さらに、前記第2の複数の冷媒ガスポートと前記第3の複数の冷媒ガスポートとの間に位置する第2の内側バンドを備える、装置。
[適用例4]
適用例3に記載の装置であって、
前記静電チャックは、さらに、前記第3の複数の冷媒ガスポートと前記第4の複数の冷媒ガスポートとの間に位置する第3の内側バンドを備える、装置。
[適用例5]
適用例4に記載の装置であって、
前記外側密閉バンド、前記第1の内側バンド、前記第2の内側バンド、および前記第3の内側バンドのそれぞれの高さは、ほぼ等しい、装置。
[適用例6]
適用例5に記載の装置であって、
前記静電チャックは、さらに、複数の抜き治具を備える、装置。
[適用例7]
適用例6に記載の装置であって、
前記複数の抜き治具の各治具は、
少なくとも1つの抜き孔と、
前記少なくとも1つの抜き孔を囲む密閉部と
を備える、装置。
[適用例8]
適用例7に記載の装置であって、
前記少なくとも1つの抜き孔は、排気口に接続されている、装置。
[適用例9]
適用例4に記載の装置であって、
前記外側密閉バンドの高さは、前記第1の内側バンド、前記第2の内側バンド、および前記第3の内側バンドのそれぞれの高さより高い、装置。
[適用例10]
適用例4に記載の装置であって、
前記第1の内側バンド、前記第2の内側バンド、および前記第3の内側バンドの高さは、前記外側密閉バンドの高さの4分の1から4分の3の間である、装置。
[適用例11]
適用例1に記載の装置であって、
前記第1の冷媒ガス圧システムによって提供された前記第1の圧力は、前記第2の冷媒ガス圧システムによって提供された前記第2の圧力より大きく、前記第2の圧力は、前記第3の冷媒ガス圧システムによって提供された前記第3の圧力より小さく、前記第3の圧力は、前記第4の冷媒ガス圧システムによって提供された前記第4の圧力より大きい、装置。
[適用例12]
適用例1に記載の装置であって、
前記外側密閉バンドは、5ミクロンから30ミクロンの間の高さを有する、装置。
[適用例13]
適用例1に記載の装置であって、
前記静電チャックは、さらに、前記チャック表面上に複数のリフトピン孔を備える、装置。
[適用例14]
適用例1に記載の装置であって、
前記外側密閉バンドは、前記外側密閉バンドの上部外側部分にノッチを有する、装置。
[適用例15]
適用例1に記載の装置であって、
前記第1の冷媒ガス圧システムは、
前記第1の複数の冷媒ガスポートに接続されたマスフローコントローラユニットと、
前記マスフローコントローラユニットと前記第1の複数の冷媒ガスポートとの間に接続された第1の端を有する流動制御弁と、
を備える、装置。
[適用例16]
中心点および外周を有するチャック表面を含む静電チャックであって、
第1の冷媒ガス圧システムに接続可能な第1の複数の冷媒ガスポートであって、前記第1の複数の冷媒ガスポートの各冷媒ガスポートは、前記中心点から第1の半径より遠くに位置する、第1の複数の冷媒ガスポートと、
第2の冷媒ガス圧システムに接続可能な第2の複数の冷媒ガスポートであって、前記第2の複数の冷媒ガスポートの各冷媒ガスポートは、前記中心点から前記第1の半径と前記中心点から第2の半径との間に離間して配置され、前記第2の半径は、前記第1の半径より短い、第2の複数の冷媒ガスポートと、
第3の冷媒ガス圧システムに接続可能な第3の複数の冷媒ガスポートであって、前記第3の複数の冷媒ガスポートの各冷媒ガスポートは、前記中心点から前記第2の半径と前記中心点から第3の半径との間に離間して配置され、前記第3の半径は、前記第2の半径より短い、第3の複数の冷媒ガスポートと、
第4の冷媒ガス圧システムに接続可能な第4の複数の冷媒ガスポートであって、前記第4の複数の冷媒ガスポートの各冷媒ガスポートは、前記中心点から前記第3の半径以内の距離に離間して配置されている、第4の複数の冷媒ガスポートと、
前記チャック表面の前記外周の周りに延びる外側密閉バンドであって、前記第1の複数の冷媒ガスポート、前記第2の複数の冷媒ガスポート、前記第3の複数の冷媒ガスポート、および前記第4の複数の冷媒ガスポートは、前記外側密閉バンドの内側に位置する、外側密閉バンドと、
を備える、静電チャック。
[適用例17]
適用例16に記載の静電チャックであって、さらに、
前記第1の複数の冷媒ガスポートと前記第2の複数の冷媒ガスポートとの間に位置する第1の内側バンドを備える、静電チャック。
[適用例18]
適用例17に記載の静電チャックであって、さらに、
前記第2の複数の冷媒ガスポートと前記第3の複数の冷媒ガスポートとの間に位置する第2の内側バンドを備える、静電チャック。
[適用例19]
適用例18に記載の静電チャックであって、さらに、
前記第3の複数の冷媒ガスポートと前記第4の複数の冷媒ガスポートとの間に位置する第3の内側バンドを備える、静電チャック。
[適用例20]
適用例19に記載の静電チャックであって、
前記外側密閉バンド、前記第1の内側バンド、前記第2の内側バンド、および前記第3の内側バンドのそれぞれの高さは、ほぼ等しい、静電チャック。
[適用例21]
適用例20に記載の静電チャックであって、さらに、
複数の抜き治具を備える、静電チャック。
[適用例22]
適用例21に記載の静電チャックであって、
前記複数の抜き治具の各々は、
少なくとも1つの抜き孔と、
前記少なくとも1つの抜き孔を囲む密閉部と
を備える、静電チャック。
[適用例23]
適用例22に記載の静電チャックであって、
前記少なくとも1つの抜き孔は、排気口に接続可能である、静電チャック。
[適用例24]
適用例19に記載の静電チャックであって、
前記外側密閉バンドの高さは、前記第1の内側バンド、前記第2の内側バンド、および前記第3の内側バンドのそれぞれの高さより高い、静電チャック。
[適用例25]
適用例19に記載の静電チャックであって、
前記第1の内側バンド、前記第2の内側バンド、および前記第3の内側バンドの高さは、前記外側密閉バンドの高さの4分の1から4分の3の間である、静電チャック。
[適用例26]
適用例16に記載の静電チャックであって、
前記第1の複数の冷媒ガスポートは、前記第1の冷媒ガス圧システムからガスを第1の圧力で受け取るように構成され、
前記第2の複数の冷媒ガスポートは、前記第2の冷媒ガス圧システムからガスを第2の圧力で受け取るように構成され、前記第1の圧力は、前記第2の圧力より大きく、
前記第3の複数の冷媒ガスポートは、前記第3の冷媒ガス圧システムからガスを第3の圧力で受け取るように構成され、前記第2の圧力は、前記第3の圧力より小さく、
前記第4の複数の冷媒ガスポートは、前記第4の冷媒ガス圧システムからガスを第4の圧力で受け取るように構成され、前記第3の圧力は、前記第4の圧力より大きい、静電チャック。
[適用例27]
適用例16に記載の静電チャックであって、
前記外側密閉バンドは、5ミクロンから30ミクロンの間の高さを有する、静電チャック。
[適用例28]
適用例16に記載の静電チャックであって、さらに、
前記チャック表面上に複数のリフトピン孔を備える、静電チャック。
[適用例29]
適用例16に記載の静電チャックであって、
前記外側密閉バンドは、前記外側密閉バンドの上部外側部分にノッチを有する、静電チャック。