IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ DIC株式会社の特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-15
(45)【発行日】2023-02-24
(54)【発明の名称】コンクリート保護材料
(51)【国際特許分類】
   C04B 41/63 20060101AFI20230216BHJP
   C08G 18/67 20060101ALI20230216BHJP
   C09D 127/12 20060101ALI20230216BHJP
   C09D 133/14 20060101ALI20230216BHJP
   C09D 175/14 20060101ALI20230216BHJP
   E01C 7/35 20060101ALI20230216BHJP
   E01D 19/08 20060101ALI20230216BHJP
【FI】
C04B41/63
C08G18/67 010
C09D127/12
C09D133/14
C09D175/14
E01C7/35
E01D19/08
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018239600
(22)【出願日】2018-12-21
(65)【公開番号】P2020100532
(43)【公開日】2020-07-02
【審査請求日】2021-10-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000002886
【氏名又は名称】DIC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177471
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 眞治
(74)【代理人】
【識別番号】100163290
【弁理士】
【氏名又は名称】岩本 明洋
(74)【代理人】
【識別番号】100149445
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 孝幸
(72)【発明者】
【氏名】入江 博美
【審査官】永田 史泰
(56)【参考文献】
【文献】特開平8-198928(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B41/63-41/64
C08G18/00-18/87
C09D175/00-175/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水酸基を有する共重合体(A)、及びポリイソシアネート(B)を含有するコンクリート保護材料であって、前記ポリイソシアネート(B)のイソシアネート基含有率(NCO%)が、1~15質量%の範囲であり、前記ポリイソシアネート(B)中のイソシアネート基の当量数NCO(B)と、前記共重合体(A)中の水酸基の当量数OH(A)との当量比[(NCO(B)/OH(A)]が1.3~3.0の範囲であることを特徴とするコンクリート保護材料。
【請求項2】
前記共重合体(A)の数平均分子量が、10,000~50,000の範囲である請求項1記載のコンクリート保護材料。
【請求項3】
前記水酸基を有する共重合体(A)の水酸基価が、20~50mgKOH/gの範囲である請求項1又は2記載のコンクリート保護材料。
【請求項4】
前記共重合体(A)が、アクリル重合体又は含フッ素重合体である請求項1~3いずれか1項記載のコンクリート保護材料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート保護材料に関する。
【背景技術】
【0002】
屋外コンクリート構造物の防水材料には、短時間で施工を完了できる速硬化性に加え、基材や下塗り塗膜に追従する塗膜柔軟性が求められる。このような材料としては、重量平均分子量が5,000~200,000の範囲であるウレタン(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル単量体、及び光重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化型コンクリート保護材料が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
しかしながら、この材料は塗膜柔軟性に優れるものの、トップコート等に使用された際に要求される耐候性が不十分である問題があった。
【0004】
そこで、速硬化性に優れ、塗膜柔軟性及び耐候性等に優れる塗膜を得られるコンクリート保護材料が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-3357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、速硬化性に優れ、耐アルカリ性、耐候性、ひび割れ追従性、及び疲労耐久性に優れる塗膜が得られるコンクリート保護材料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、水酸基を有する共重合体、及び特定のポリイソシアネートを含有するコンクリート保護材料を用いることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、水酸基を有する共重合体(A)、及びポリイソシアネート(B)を含有するコンクリート保護材料であって、前記ポリイソシアネート(B)のイソシアネート基含有率(NCO%)が、1~15質量%の範囲であることを特徴とするコンクリート保護材料を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明のコンクリート保護材料は、速硬化性に優れ、耐アルカリ性、耐候性、ひび割れ追従性、及び疲労耐久性に優れる塗膜が得られることから、コンクリート補修材、コンクリート用防水材等の各種土木建築材料などに用いることができ、特にそれらのトップコートとして好適に用いられる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のコンクリート保護材料は、水酸基を有する共重合体(A)、及びポリイソシアネート(B)を含有するコンクリート保護材料であって、前記ポリイソシアネート(B)のイソシアネート基含有率(NCO%)が、1~15質量%の範囲であるものである。
【0011】
前記共重合体(A)としては、公知の共重合体が使用可能であるが、耐候性及び柔軟性に優れる塗膜が得られることから、アクリル重合体、含フッ素重合体が好ましい。これらの共重合体は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0012】
前記アクリル重合体は、例えば、水酸基を有する単量体(a1)及びその他の単量体(a2)を共重合することにより得られる。
【0013】
前記水酸基を有する単量体(a1)としては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシ-n-ブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-n-ブチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシ-n-ブチル(メタ)アクリレート、1,4-シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチル-2-ヒドロキシエチルフタレート、末端に水酸基を有するラクトン変性(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物;2-ヒドロキシエチルビニルエーテル、3-ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2-ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4-ヒドロキシブチルビニルエーテル、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピルビニルエーテル、6-ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル等の水酸基を有するビニルエーテル化合物;エチレングリコールアリルエーテル、ジエチレングリコールアリルエーテル等の水酸基を有するアリルエーテル化合物などが挙げられる。また、これらの水酸基を有する単量体(a1)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
【0014】
前記その他の単量体(a2)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、n-ペンチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、n-ヘプチル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4-tert-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、3-(メタ)アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート等の(メタ)アクリレート化合物;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、t-ブチルビニルエーテル、n-ペンチルビニルエーテル、n-ヘキシルビニルエーテル、n-オクチルビニルエーテル、2-エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、フェネチルビニルエーテル等のビニルエーテル化合物;スチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-メトキシスチレンなどが挙げられる。また、これらの単量体は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
【0015】
なお、本発明において、「(メタ)アクリル酸」とは、メタクリル酸とアクリル酸の一方又は両方をいい、「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレートとアクリレートの一方又は両方をいい、「(メタ)アクリロイル」とは、メタクリロイルとアクリロイルの一方又は両方をいう。
【0016】
前記含フッ素重合体は、例えば、前記水酸基を有する単量体(a1)、フッ素原子を有する単量体(a3)、及び必要に応じてその他の単量体(a2)を共重合することにより得られる。
【0017】
フッ素原子を有する単量体(a3)としては、例えば、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ブロモトリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ペンタフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレン、フルオロアルキルトリフルオロビニルエーテル等が挙げられる。これらの中でも、耐候性等に優れる塗膜が得られることから、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンが好ましい。
【0018】
前記アクリル重合体の製造方法としては、前記水酸基を有する単量体(a1)、前記その他の単量体(a2)を原料として、公知の重合方法で行うことができるが、溶液ラジカル重合法が最も簡便であることから好ましい。
【0019】
前記含フッ素重合体の製造方法としては、前記水酸基を有する単量体(a1)、フルオロオレフィン(a3)、及び必要に応じてその他の単量体(a2)を原料として、公知の重合方法で行うことができるが、溶液ラジカル重合法が最も簡便であることから好ましい。
【0020】
上記の溶液ラジカル重合法は、原料である各単量体を溶剤に溶解し、重合開始剤存在下で重合反応を行う方法である。この際に用いることができる溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n-ヘキサン、オクタン等の炭化水素系溶剤;メタノール、エタノール、iso-プロパノール、n-ブタノール、iso-ブタノール、sec-ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル等のエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤などが挙げられる。これらの溶剤は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
【0021】
また、前記炭化水素系溶剤として使用可能な市販品としては、例えば、JXTGエネルギー社製「Aソルベント」、「SS-100」、シェルケミカルズジャパン株式会社製「LAWS」などが挙げられる。
【0022】
前記重合開始剤としては、例えば、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、アゾビスシアノ吉草酸等のアゾ化合物;tert-ブチルパーオキシピバレート、tert-ブチルパーオキシベンゾエート、tert-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、ジ-tert-ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、tert-ブチルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物;過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の無機過酸化物などが挙げられる。これらの重合開始剤は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。また、前記重合開始剤は、前記共重合体(A)の原料となる単量体の合計に対して、0.1~10質量%の範囲内で使用することが好ましい。
【0023】
また、前記重合開始剤とともに、必要に応じて、ラウリルメルカプタン、オクチルメルカプタン、2-メルカプトエタノール、チオグリコール酸オクチル、3-メルカプトプロピオン酸、α-メチルスチレン・ダイマー等の連鎖移動剤も用いることができる。
【0024】
前記水酸基を有する単量体(a1)の使用量は、優れた下地密着性が得られることから、前記共重合体(A)の原料である単量体成分中の質量比率で、1~40質量%の範囲が好ましく、2~30質量%の範囲がより好ましい。
【0025】
前記共重合体(A)の数平均分子量は、優れた作業性と柔軟性が得られることから、10,000~50,000の範囲が好ましく、20,000~30,000の範囲がより好ましい。
【0026】
本発明における平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により測定した値を示す。
【0027】
前記ラジカル重合体(A)の水酸基価は、ひび割れ追従性と下地密着性を両立できることから、22~50mgKOH/gの範囲が好ましく、30~42mgKOH/gの範囲がより好ましい。
【0028】
前記ポリイソシアネート(B)は、ポリイソシアネート含有率(以下、「NCO%」と略記する。)が、1~15質量%の範囲であることが重要であるが、優れたひび割れ追従性と硬化性が得られることから、3~12質量%の範囲であることがより好ましい。
【0029】
前記ポリイソシアネート(B)は、特に限定されないが、例えば、ポリオール(b1)とポリイソシアネート(b2)とを公知の方法で反応させることより得られたものを使用できる。
【0030】
前記ポリオール(b1)としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、カプロラクトンポリオール、ブタジエンポリオール等を用いることができるが、これらの中でも、作業性とひび割れ追従性がより向上することから、ポリエーテルポリオールが好ましく、ポリプロピレングリコールがより好ましい。これらのポリオール(b1)は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0031】
前記ポリオールの数平均分子量は、ひび割れ追従性がより向上することから、400~5,000の範囲であることが好ましく、700~3,000の範囲がより好ましい。
【0032】
前記ポリイソシアネート(b2)としては、例えば、フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式ジイソシアネート;キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート、メチレンジフェニルジシソシアネートのホルマリン縮合体、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートのカルボジイミド変性体等の芳香族系ポリイソシアネートなどを用いることができる。これらの中でも、より耐候性に優れる塗膜が得られることから、脂肪族又は脂環式ジイソシアネートが好ましい。これらのポリイソシアネートは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0033】
前記ポリオール(b1)と前記ポリイソシアネート(b2)との反応は、前記ポリイソシアネート(b1)中のイソシアネート基の当量数NCO(b2)と、前記ポリオール(b1)中の水酸基の当量数OH(b1)との当量比[(NCO(b2)/OH(b1)]、1~3の範囲で行うことが、得られるポリイソシアネートのNCO%を制御する上で好ましく、1.5~2.5の範囲で行うことがより好ましい。
【0034】
また、ポリイソシアネート(B)を製造する際には、必要に応じて重合禁止剤やウレタン化触媒等を用いてもよい。
【0035】
前記重合禁止剤としては、例えば、3,5-ビスターシャリーブチル-4-ヒドロキシトルエン、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル(メトキノン)、4-ターシャリーブチルカテコールメトキシフェノール、2,6-ジターシャリーブチルクレゾール、フェノチアジン、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジフェニルアミン、ジニトロベンゼン等を用いることができる。
【0036】
前記ウレタン化触媒としては、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N-メチルモルホリン等の含窒素化合物;酢酸カリウム、ステアリン酸亜鉛、オクチル酸錫等の金属塩;ジブチルチンラウレート、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート等の有機金属化合物などを用いることができる。
【0037】
前記ポリイソシアネート(B)の重量平均分子量は、優れた柔軟性が得られることから、50~500の範囲が好ましく、100~300の範囲がより好ましい。
【0038】
本発明のコンクリート保護材料における前記ポリイソシアネート(B)中のイソシアネート基の当量数NCO(B)と、前記共重合体(A)中の水酸基の当量数OH(A)との当量比[(NCO(B)/OH(A)]は、下層との密着性を向上できることから、1.3~3.0の範囲が好ましく、1.8~2.5の範囲がより好ましい。
【0039】
本発明のコンクリート保護材料は、前記共重合体(A)、及び前記ポリイソシアネート(B)を含有するものであるが、必要に応じてその他の添加剤等を含有していてもよい。
【0040】
前記その他の添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、石油ワックス、顔料、チキソ性付与剤、酸化防止剤、溶剤、充填剤、補強材、難燃剤、光安定剤等を用いることができる。これらの添加剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0041】
より耐候性に優れる塗膜が得られることから、紫外線吸収剤を使用することが好ましい。前記紫外線吸収剤としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化セリウム等の金属酸化物、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、インドール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、及びアゾメチン系紫外線吸収剤等が挙げられる。
【0042】
前記紫外線吸収剤の使用量としては、その他の物性を維持しながら、より耐候性を向上できることから、前記共重合体(A)100質量部に対して、0.01~10質量部の範囲が好ましく、0.1~5質量部の範囲がより好ましい。

【0043】
本発明のコンクリート用保護材料は、例えば、セメントコンクリート、アスファルトコンクリート、モルタルコンクリート、レジンコンクリート、透水コンクリート、ALC(Autoclaved Lightweight Aerated Concrete)板等のコンクリートの保護材料として好適に用いることができる。
【0044】
本発明のコンクリート保護材料は、速硬化性に優れ、耐アルカリ性、耐候性、ひび割れ追従性、及び疲労耐久性に優れる塗膜が得られることから、コンクリート補修材、防水材等の各種土木建築材料などに用いることができ、特にそれらのトップコートとして好適に用いられる。
【実施例
【0045】
以下に本発明を具体的な実施例を挙げてより詳細に説明する。なお、平均分子量は、下記のGPC測定条件で測定したものである。
【0046】
[GPC測定条件]
測定装置:高速GPC装置(東ソー株式会社製「HLC-8220GPC」)
カラム:東ソー株式会社製の下記のカラムを直列に接続して使用した。
「TSKgel G5000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G4000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G3000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G2000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
検出器:RI(示差屈折計)
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
注入量:100μL(試料濃度4mg/mLのテトラヒドロフラン溶液)
標準試料:下記の単分散ポリスチレンを用いて検量線を作成した。
【0047】
(単分散ポリスチレン)
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-1000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-2500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-5000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-1」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-2」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-4」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-10」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-20」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-40」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-80」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-128」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-288」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-550」
【0048】
(合成例1:水酸基を有する共重合(A-1)の合成)
温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下漏斗及び窒素導入管を備えた反応容器に、キシレン350質量部、n-ブタノール150質量部、及びオルソ蟻酸メチル45質量部を仕込んで、窒素ガスの通気下に、80℃にまで昇温した。次いで、同温度で、メチルメタクリレート400質量部、n-ブチルメタクリレート362質量部、n-ブチルアクリレート178質量部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート30質量部、アクリル酸30質量部、キシレン298質量部、n-ブタノールの107質量部、及びtert-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート50質量部からなる混合物を4時間に亘って滴下した。滴下終了後も、同温度で、16時間のあいだ攪拌することにより、水酸基を有する共重合(A-1)の50質量%溶液を得た。この水酸基を有する共重合体(A-1)の水酸基価は36mgKOH/g、数平均分子量は、11,000であった。
【0049】
(合成例2:水酸基を有する共重合(A-2)の合成)
温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下漏斗及び窒素導入管を備えた反応容器に、キシレン350質量部、n-ブタノール170質量部、及びオルソ蟻酸メチル30質量部を仕込んで、窒素ガスの通気下に、80℃にまで昇温した。次いで、同温度で、メチルメタクリレート350質量部、n-ブチルメタクリレート365質量部、n-ブチルアクリレート195質量部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート60質量部、アクリル酸30質量部、キシレン298質量部、n-ブタノールの107質量部、及びtert-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート50質量部からなる混合物を4時間に亘って滴下した。滴下終了後も、同温度で、16時間のあいだ攪拌することにより、水酸基を有する共重合(A-2)の50質量%溶液を得た。この水酸基を有する共重合体(A-2)の水酸基価は35mgKOH/g、数平均分子量は、15,000であった。
【0050】
(合成例3:水酸基を有する共重合(A-3)の合成)
温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下漏斗及び窒素導入管を備えた反応容器に、キシレン350質量部、n-ブタノール170質量部、及びオルソ蟻酸メチル25質量部を仕込んで、窒素ガスの通気下に、80℃にまで昇温した。次いで、同温度で、メチルメタクリレート580質量部、n-ブチルメタクリレート160質量部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート260質量部、キシレン249質量部、n-ブタノールの110質量部、及びtert-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート50質量部からなる混合物を4時間に亘って滴下した。滴下終了後も、同温度で、16時間のあいだ攪拌することにより、水酸基を有する共重合(A-3)の50質量%溶液を得た。この水酸基を有する共重合体(A-3)の水酸基価は38mgKOH/g、数平均分子量は、17,000であった。
【0051】
(合成例4:水酸基を有する共重合(A-4)の合成)
温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下漏斗及び窒素導入管を備えた反応容器に、キシレン350質量部、n-ブタノール150質量部、及びオルソ蟻酸メチル45質量部を仕込んで、窒素ガスの通気下に、80℃にまで昇温した。
次いで、同温度で、メチルメタクリレート400質量部、n-ブチルメタクリレート348質量部、n-ブチルアクリレート122質量部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート50質量部、アクリル酸80質量部、キシレン249質量部、n-ブタノールの107質量部、及びtert-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート50質量部からなる混合物を4時間に亘って滴下した。滴下終了後も、同温度で、16時間のあいだ攪拌することにより、水酸基を有する共重合(A-4)の50質量%溶液を得た。この水酸基を有する共重合体(A-4)の水酸基価は37mgKOH/g、数平均分子量は、11,000であった
【0052】
(合成例5:水酸基を有する共重合(A-5)の合成)
内部を窒素で置換したステンレス製のオートクレーブに、炭化水素系溶剤(JXTGエネルギー株式会社製「Aソルベント」)347.1質量部、ベオバ9(ジャパンケムテック株式会社製)88質量部、エチルビニルエーテル34.7質量部、ヒドロキシブチルビニルエーテル24.8質量部、ヘキサデシルビニルエーテル46.2質量部、ピバリン酸ビニル36.3質量部、及びt-ブチルパーオキシピバレート1.4質量部を炭化水素系溶剤(シェルケミカルズジャパン株式会社製「LAWS」、以下「LAWS」と略記する。)104質量部で希釈したものを仕込んだ。
次いで、オートクレーブ内に、液化したクロロトリフルオロエチレン161.7質量部を圧入した後、30分間かけてオートクレーブ内温を60℃に昇温した。続いて、温度を60℃に保持したまま、液化したクロロトリフルオロエチレン399.3質量部を6時間かけて圧入する。クロロトリフルオロエチレンの圧入開始と同時に、エチルビニルエーテル80.8質量部、ヒドロキシブチルビニルエーテル57.7質量部、ヘキサデシルビニルエーテル107.8質量部、ピバリン酸ビニルエステル84.7質量部、t-ブチルパーオキシピバレート1.0質量部、及びLAWS44.6質量部の混合物を6時間かけて圧入した。
圧入終了後、圧入ライン洗浄のために炭化水素系溶剤(JXTGエネルギー株式会社製「SS-100」、以下「SS-100」と略記する。)39.6質量部を圧入した。オートクレーブを60℃に保温し、クロロトリフルオロエチレン圧入開始から9時間反応させた後、30分間かけて釜内温度を70℃に昇温した後、t-ブチルパーオキシピバレート2.0質量部をSS-100 22質量部で希釈したものを仕込んだ。オートクレーブを70℃に保温し、さらに4時間反応させた後に釜内温度を40℃以下に冷却した。内圧を常圧に戻し、反応物を1550質量部回収した。
得られた溶液を3リットルの4つ口フラスコに入れ、SS-100 350質量部を加えた後、副生である塩酸、フッ酸を除去するため無機合成吸着剤(協和化学工業株式会社製「キョーワード500(G7)」)78質量部を添加して60℃で4時間撹拌した。続いてろ過により無機合成吸着剤を除去した後、ろ液の不揮発分の濃度が50質量%になるようにSS-100を添加し、含フッ素共重合体として、水酸基を有する共重合体(A-5)の50質量%溶液を得た。この水酸基を有する共重合体(A-5)の水酸基価は36mgKOH/g、数平均分子量は15,000であった。
【0053】
(合成例6:ポリソシアネート(B-1)の合成)
温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下漏斗および窒素導入管を備えた反応容器に、数平均分子量3,000のポリプロピレングリコール(AGC株式会社製「エクセノール3030」)600質量部、ヘキサメチレンジイソシアネート105質量部を加え、窒素気流下で90℃にて8時間フラスコ中で反応させ、NCO%が3.70質量%のポリイソシアネート(B-1)を得た。
【0054】
(合成例7:ポリソシアネート(B-2)の合成)
温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下漏斗および窒素導入管を備えた反応容器に、数平均分子量1,000のポリプロピレングリコール(AGC株式会社製「エクセノール1020」)900質量部、ヘキサメチレンジイソシアネート295質量部を加え、窒素気流下で90℃にて8時間フラスコ中で反応させ、NCO%が6.20質量%のポリイソシアネート(B-2)を得た。
【0055】
(合成例8:ポリソシアネート(B-3)の合成)
温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下漏斗および窒素導入管を備えた反応容器に、数平均分子量3,000のポリプロピレングリコール(AGC株式会社製「エクセノール3030」)900質量部、ヘキサメチレンジイソシアネート295質量部を加え、窒素気流下で90℃にて8時間フラスコ中で反応させ、NCO%が2.40質量%のポリイソシアネート(B-3)を得た。
【0056】
(合成例9:ポリソシアネート(RB-3)の合成)
温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下漏斗および窒素導入管を備えた反応容器に、数平均分子量3,000のポリプロピレングリコール(AGC株式会社製「エクセノール3020」)800質量部、数平均分子量5,000のポリプロピレングリコール(三井化学株式会社製「アクトコールT-5000」)290質量部、ヘキサメチレンジイソシアネート80質量部を加え、窒素気流下で90℃にて8時間フラスコ中で反応させ、NCO%が0.86質量%のポリイソシアネート(RB-3)を得た。
【0057】
(実施例1:コンクリート保護材料(1)の調製及び評価)
上記で得た共重合体(A-1)の溶液100質量部、上記で得たポリイソシアネート(B-1)9.8質量部、及び紫外線吸収剤(BASF株式会社製「TINUVIN 400」、トリアジン系紫外線吸収剤)0.2質量部を混合し、均一になるまで撹拌することにより、コンクリート保護材料(1)を得た。
【0058】
[評価用基材の作製]
メタクリル樹脂(DIC株式会社製「ディオバーP-100」)100質量部に対し、硬化剤(日油株式会社製「ナイパーNS」)2.0質量部を混合、撹拌し、評価基材作製用プライマーを調整した。
上記で得たプライマーを、120×40×10mm(ノッチ入り)のコンクリートモルタル板(株式会社エンジニアリングテストサービス製)に刷毛で200g/m塗布した後、23℃の恒温室で1時間乾燥させて、厚さ200μmの塗膜を作製し、評価用基材を得た。
【0059】
[塗膜硬化性の評価]
23℃の環境下、コンクリート保護材料(1)を、上記で得た評価用基材に刷毛で0.2mm/m塗布した後、塗膜が乾燥するまでに要した時間を測定し、下記の基準により、塗膜硬化性を評価した。なお、乾燥するまでに要した時間は、指触にて指痕が付着しなくなるまでに要した時間とした。
○:120分未満
×:120分以上
【0060】
[評価用サンプルの作製]
23℃の環境下、コンクリート保護材料(1)を、上記で得た評価用基材に刷毛で0.2mm/m塗布した後、2時間乾燥し、評価用サンプルを作製した。
【0061】
[耐アルカリ性の評価]
上記で得た評価用サンプルを飽和水酸化カルシウム水溶液に60℃条件下で全浸漬し、7日間経過後、水溶液から評価用サンプルを取り出し、23℃で乾燥後、塗膜の状態を目視で確認し、下記の基準により、耐アルカリ性を評価した。
○:外観変化なし
×:割れ、剥がれ、又は膨れあり
【0062】
[耐候性の評価]
上記で得た評価用サンプルについて、サンシャインウェザオメーター(スガ試験機株式会社製、以下「SWOM」と略記する。)による促進耐候性試験を実施し、塗膜の状態を目視で確認し、下記の基準により、耐候性を評価した。
(試験条件)
ガラス製フィルタ種類:A
放射照度:255±10W/m(波長範囲300~700nm)
ンブラックパネル温度:63±3℃
照射及び噴霧の方法:120分サイクル(102分間の照射後、続いて18分間の照射及び噴霧)
○:外観変化なし
×:割れ、剥がれ、又は膨れあり
【0063】
[ひび割れ追従性の評価]
上記で得た評価用サンプルについて、JSCE-K-532に準拠してひび割れ追従性を評価した。試験開始から塗膜が破断し始めるまでの変位量を測定し、以下の基準により、ひび割れ追従性を評価した。
○:5mm以上
×:5mm未満
【0064】
[疲労耐久性の評価]
上記で得た評価用サンプルについて、JIS-A-6909に準拠し、ひび割れ疲労耐久性を下記の基準により、疲労耐久性を評価した。
(試験方法)
1.5mmの引張状態から、±1.0mm(0.5~2.5mm)の伸縮疲労(5回/分)を2000回実施し、評価は伸縮疲労後のその後の試験体を2.5mmの引張状態とし、塗膜の状態を観察し、以下の基準により、疲労耐久性を評価した。
○:破断なし
×:破断あり
【0065】
(実施例2~5:コンクリート保護材料(2)~(5)の調製及び評価)
実施例1で用いた共重合体(A-1)の溶液を、共重合体(A-2)~(A-5)の溶液に変更した以外は、実施例1と同様に、コンクリート保護材料(2)~(5)を調製後、各物性を評価した。
【0066】
(実施例6:コンクリート保護材料(6)の調製及び評価)
実施例1で用いたポリイソシアネート(B-1)9.8質量部を、ポリイソシアネート(B-2)18.1質量部に変更した以外は、実施例1と同様に、コンクリート保護材料(5)を調製後、各物性を評価した。
【0067】
(実施例7:コンクリート保護材料(7)の調製及び評価)
実施例1で用いたポリイソシアネート(B-1)9.8質量部を、ポリイソシアネート(B-3)46.8質量部に変更した以外は、実施例1と同様に、コンクリート保護材料(7)を調製後、各物性を評価した。
【0068】
(実施例8:コンクリート保護材料(8)の調製及び評価)
実施例1で用いたポリイソシアネート(B-1)9.8質量部を、ポリイソシアネート(B-1)4.9質量部に変更した以外は、実施例1と同様に、コンクリート保護材料(8)を調製後、各物性を評価した。
【0069】
(比較例1:コンクリート保護材料(R1)の調製及び評価)
実施例1で用いたポリイソシアネート(B-1)9.8質量部を配合しなかった以外は、実施例1と同様に、コンクリート保護材料(R1)を調製後、各物性を評価した。
【0070】
(比較例2:コンクリート保護材料(R2)の調製及び評価)
実施例1で用いたポリイソシアネート(B-1)9.8質量部を、ポリイソシアネート(RB-1)6.1質量部に変更した以外は、実施例1と同様に、コンクリート保護材料(R2)を調製後、各物性を評価した。ここで、ポリイソシアネート(RB-1)は、DIC株式会社製「バーノックDN990S」(NCO%:18質量%)である。
【0071】
(比較例3:コンクリート保護材料(R3)の調製及び評価)
実施例1で用いたポリイソシアネート(B-1)9.8質量部を、ポリイソシアネート(RB-2)5.3質量部に変更した以外は、実施例1と同様に、コンクリート保護材料(R3)を調製後、各物性を評価した。ここで、ポリイソシアネート(RB-2)は、DIC株式会社製「バーノックDN980S」(NCO%:21.3質量%)である。
【0072】
(比較例4:コンクリート保護材料(R4)の調製及び評価)
実施例1で用いたポリイソシアネート(B-1)9.8質量部を、ポリイソシアネート(RB-3)13.3質量部に変更した以外は、実施例1と同様に、コンクリート保護材料(R4)を調製後、各物性を評価した。
【0073】
(比較例5:コンクリート保護材料(R5)の調製及び評価)
実施例1で用いたポリイソシアネート(B-1)9.8質量部を、ポリイソシアネート(RB-1)3質量部に変更した以外は、実施例1と同様に、コンクリート保護材料(R5)を調製後、各物性を評価した。
【0074】
(比較例6:コンクリート保護材料(R6)の調製及び評価)
実施例1で用いたポリイソシアネート(B-1)9.8質量部を、ポリイソシアネート(RB-1)1.5質量部に変更した以外は、実施例1と同様に、コンクリート保護材料(R6)を調製後、各物性を評価した。
【0075】
上記で得られたコンクリート保護材料(1)~(8)、コンクリート保護材料(R1)~(R6)の組成及び評価結果を表1~3に示す。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】
【表3】
【0079】
実施例1~8の本発明のコンクリート保護材料は、速硬化性に優れ、耐アルカリ性、耐候性、ひび割れ追従性、及び疲労耐久性に優れる塗膜が得られることが確認された。
【0080】
比較例1は、本発明の必須成分であるポリイソシアネートを含有しない例であるが、得られる塗膜の耐アルカリ性及び耐候性が不十分であることが確認された。
【0081】
比較例2及び3は、ポリイソシアネートのNCO%が本発明の上限より大きい例であるが、得られる塗膜の耐候性、ひび割れ追従性、及び疲労耐久性が不十分であることが確認された。
【0082】
比較例4は、ポリイソシアネートのNCO%が本発明の下限より小さい例であるが、速硬化性、及び得られる塗膜の耐候性が不十分であることが確認された。
【0083】
比較例5及び6は、NCO%が本発明の上限より大きいポリイソシアネートを使用し、配合量を少なくした例であるが、得られる塗膜のひび割れ追従性、及び疲労耐久性が不十分であることが確認された。