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  • 特許-温度センサ一体型バスバー 図1
  • 特許-温度センサ一体型バスバー 図2
  • 特許-温度センサ一体型バスバー 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-15
(45)【発行日】2023-02-24
(54)【発明の名称】温度センサ一体型バスバー
(51)【国際特許分類】
   G01K 1/14 20210101AFI20230216BHJP
   H02K 11/25 20160101ALI20230216BHJP
   G01K 1/08 20210101ALI20230216BHJP
【FI】
G01K1/14 L
H02K11/25
G01K1/08 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019167590
(22)【出願日】2019-09-13
(65)【公開番号】P2021043168
(43)【公開日】2021-03-18
【審査請求日】2022-02-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000005083
【氏名又は名称】株式会社プロテリアル
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】弁理士法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】近藤 史哉
(72)【発明者】
【氏名】池田 幸雄
【審査官】平野 真樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-225959(JP,A)
【文献】特開2018-007514(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01K 1/00-19/00
H02K 11/25
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給対象に電流を供給するバスバーと、温度センサと、前記バスバーの一部を囲うと共に前記バスバー及び前記温度センサを一体的に保持する樹脂部とを備え、前記樹脂部が前記バスバーの熱膨張係数よりも大きい熱膨張係数を有する樹脂材料からなる温度センサ一体型バスバーであって、
熱膨張による前記バスバーと前記樹脂部との間の隙間の発生を抑制する隙間発生抑制構造を備
前記バスバーは、前記バスバーの屈曲により形成された第1線状部と第2線状部と、前記第1線状部と前記第2線状部との間に形成された第3線状部と、を有し、
前記隙間発生抑制構造は、前記温度センサと、前記樹脂部における前記温度センサの周辺部とを、前記第1線状部と前記第2線状部との間に挟む構造であるとともに、前記温度センサと、前記樹脂部における前記温度センサの周辺部とを、前記第1線状部、前記第2線状部、及び前記第3線状部により枠囲する構造であり、
前記第3線状部は、前記温度センサが配置された側の側面とは反対側の側面が前記樹脂部から露出している、
温度センサ一体型バスバー。
【請求項2】
前記樹脂部は、前記第1線状部及び前記第2線状部における前記第3線状部側の一部を囲んでいる、
請求項に記載の温度センサ一体型バスバー。
【請求項3】
前記第3線状部は、直線状に形成され、
前記バスバーは、前記第3線状部と平行な第4線状部及び第5線状部を有し、
前記第1線状部が前記第3線状部と前記第4線状部との間に形成され、前記第2線状部が前記第3線状部と前記第5線状部との間に形成されている、
請求項1又は2に記載の温度センサ一体型バスバー。
【請求項4】
供給対象に電流を供給するバスバーと、温度センサと、前記バスバーの一部を囲うと共に前記バスバー及び前記温度センサを一体的に保持する樹脂部とを備え、前記樹脂部が前記バスバーの熱膨張係数よりも大きい熱膨張係数を有する樹脂材料からなる温度センサ一体型バスバーであって、
熱膨張による前記バスバーと前記樹脂部との間の隙間の発生を抑制する隙間発生抑制構造を備え、
前記隙間発生抑制構造は、前記樹脂部の熱膨張係数よりも小さい熱膨張係数を有する枠体により前記温度センサを前記バスバー及び前記樹脂部の一部と共に囲む構造である、
度センサ一体型バスバー。
【請求項5】
前記枠体は、前記バスバーの熱膨張係数よりも小さい熱膨張係数を有する、
請求項に記載の温度センサ一体型バスバー。
【請求項6】
前記枠体は、前記バスバーの延伸方向から見た外径が矩形状である、
請求項又はに記載の温度センサ一体型バスバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度センサを一体化したバスバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電動モータのステータに電流を流すためのバスバーに温度センサが付設された温度センサ付きバスバーが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、ステータコアから突出したコイルエンドに中性点バスバーが接続され、この中性点バスバーに設けられた樹脂からなる固定部に伸縮構造を介してモールド部が取り付けられ、このモールド部に温度センサがモールドされた回転電機が記載されている。伸縮構造は、例えば固定部に設けられた複数の歯とモールド部に設けられた複数の歯とが噛み合う構造である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-63630号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載のものでは、中性点バスバーと温度センサとの間に伸縮構造により連結された固定部及びモールド部が介在するので、中性点バスバーの熱が温度センサの検出部に熱伝導しにくく、高い検出精度が得られない。また、中性点バスバーの金属と固定部の樹脂とは熱膨張率が異なるので、中性点バスバーの温度が上昇した際に固定部との間に隙間が生じるおそれがある。そして、この隙間によっても熱伝導性が悪化し、温度センサの検出精度がさらに低下する懸念がある。
【0006】
そこで、本発明は、バスバーの温度の検出精度を高めることができる温度センサ一体型バスバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決することを目的として、供給対象に電流を供給するバスバーと、物理量を検出する温度センサと、前記バスバーの一部を囲うと共に前記バスバー及び前記温度センサを一体的に保持する樹脂部とを備え、前記樹脂部が前記バスバーの熱膨張係数よりも大きい熱膨張係数を有する樹脂材料からなる温度センサ一体型バスバーであって、熱膨張による前記バスバーと前記樹脂部との間の隙間の発生を抑制する隙間発生抑制構造を備える、温度センサ一体型バスバーを提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る温度センサ一体型バスバーによれば、バスバーの温度の検出精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】(a)は本発明の第1の実施の形態に係る温度センサ一体型バスバーを電動モータ及びインバータと共に示す斜視図である。(b)は(a)のA-A線における温度センサ一体型バスバーの断面図である。
図2】(a)は比較例に係る温度センサ一体型バスバーの概略の構成を示す斜視図である。(b)は(a)のB-B線における温度センサ一体型バスバーの断面図である。
図3】(a)は本発明の第2の実施の形態に係る温度センサ一体型バスバーの構成を示す斜視図である。(b)は(a)のC-C線における温度センサ一体型バスバーの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1の実施の形態]
図1(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る温度センサ一体型バスバーを電動モータ及びインバータと共に示す斜視図である。図1(b)は、図1(a)のA-A線における温度センサ一体型バスバーの断面図である。
【0011】
図1(a)に示すように、温度センサ一体型バスバー1は、電流の供給対象である電動モータ4とインバータ5との間に配置され、インバータ5から電動モータ4への電流供給経路を構成する。
【0012】
温度センサ一体型バスバー1は、2本のバスバー10と、温度センサ2と、2本のバスバー10の一部を囲うと共に、これら2本のバスバー10と温度センサ2とを一体的に保持する樹脂部3とを備えている。なお、以下の説明では、便宜上、図1(b)に示す図面上方及び図面下方に対応して「上」「下」の語を用いているが、この「上」「下」は必ずしも温度センサ一体型バスバー1の使用状態における鉛直方向の上下を特定するものではない。
【0013】
それぞれのバスバー10は、断面矩形状の導電性金属からなり、複数箇所で屈曲されて複数の線状部が形成されている。この導電性金属としては、例えば銅を好適に用いることができるが、アルミニウムであってもよい。複数の線状部には、樹脂部3における温度センサ2の周辺部を挟む第1線状部11及び第2線状部12と、第1線状部11と第2線状部12との間に直線状に形成された第3線状部13と、第3線状部13と平行な第4線状部14及び第5線状部15とが含まれる。
【0014】
第1線状部11は、第3線状部13と第4線状部14との間に形成され、第2線状部12は、第3線状部13と第5線状部15との間に形成されている。第3線状部13は、一部が樹脂部3の上面3aから露出している。より具体的には、第3線状部13における温度センサ2が配置された側の側面13aとは反対側の側面13bが樹脂部3の上面3aから露出している。
【0015】
第1線状部11及び第2線状部12は、第3線状部13の両端部から下方に延在し、樹脂部3の下面3bから突出している。樹脂部3は、第3線状部13における側面13a側の一部を覆うと共に、第1線状部11及び第2線状部12における第3線状部13側の一部を囲んでいる。
【0016】
本実施の形態では、第1線状部11と第3線状部13とがなす角、及び第2線状部12と第3線状部13とがなす角が鈍角であるが、これらの角が直角又は鋭角であってもよい。なお、本実施の形態では、樹脂部3における上面3aと下面3bとの間の側面3cからはバスバー10が露出していないが、例えば第1線状部11及び第2線状部12の一部が側面3cから露出していてもよい。
【0017】
第4線状部14及び第5線状部15は、第1線状部11及び第2線状部12のそれぞれの下端部から互いに逆方向に延在している。なお、図1(a)では、第4線状部14及び第5線状部15の一部を直線で簡略化して示している。
【0018】
樹脂部3は、例えばバスバー10の熱膨張係数の約10倍の熱膨張係数の樹脂を材料とし、略直方体形状に形成されている。また、通常のナイロンが熱伝導率0.2W/mKであるのに対し、樹脂部3の樹脂材料としては、熱伝導率が5W/mK以上の樹脂材料(例えば高熱伝導性ポリエステル)を用いている。
【0019】
上記のように構成された温度センサ一体型バスバー1は、直線状の導電性金属素材を複数箇所で屈曲し、第1乃至第5線状部11~15を有するバスバー10を形成する曲げ加工工程と、曲げ加工された2本のバスバー10を温度センサ2と共に金型に配置する配置工程と、金型へ溶融した樹脂を注入することで樹脂部3をモールド成形すると共に2本のバスバー10と温度センサ2とを一体化する成形工程とによって製造される。
【0020】
温度センサ一体型バスバー1は、バスバー10を流れる電流によるジュール熱によってバスバー10が発熱すると、発生した熱が樹脂部3における温度センサ2の周辺部に伝導し、温度センサ2によって検出される温度が上昇する。温度センサ2の検出信号は、図略のコントローラに出力される。コントローラは、温度センサ2による検出温度が所定値以上に上昇すると、例えばインバータ3のスイッチング素子のデューティ比を下げることにより、電動モータ4を過熱から保護する。
【0021】
また、温度センサ一体型バスバー1は、温度上昇に伴う熱膨張によるバスバー10と樹脂部3との間の隙間の発生を抑制する隙間発生抑制構造を備えている。本実施の形態では、この隙間発生抑制構造が、温度センサ2と、樹脂部3における温度センサ2の周辺部とを、バスバー10の屈曲により形成された第1線状部11と第2線状部12との間に挟む構造である。より詳細には、温度センサ2と、樹脂部3における温度センサ3の周辺部とを、第1線状部11、第2線状部12、及び第3線状部13によって三方から囲むように枠囲する構造である。
【0022】
本実施の形態では、この隙間発生抑制構造により、昇温時において、バスバー10よりも熱膨張係数が大きい樹脂部3が膨張することを抑える力が発生し、第1線状部11と樹脂部3との間、及び第2線状部12と樹脂部3との間に隙間が発生することが抑制される。また、第3線状部13における温度センサ2側の側面13aと樹脂部3との間に隙間が発生することも抑制される。
【0023】
(比較例)
図2(a)は比較例に係る温度センサ一体型バスバー1Aの構成例を示す斜視図である。図2(b)は図2(a)のB-B線における温度センサ一体型バスバー1Aの断面図である。この温度センサ一体型バスバー1Aは、2本のバスバー10Aと、温度センサ2と、モールド成形された直方体状の樹脂部3Aとを有している。バスバー10Aは、樹脂部3Aの内部及びその周辺部において直線状であり、樹脂部3Aの上面3a及び下面3bに対して平行に樹脂部3Aを貫通し、樹脂部3Aの側面3cから突出している。
【0024】
この温度センサ一体型バスバー1Aでは、樹脂部3Aが熱膨張したとき、この膨張が抑制されないので、樹脂部3Aとバスバー10Aとの間に隙間が発生しやすい。このような隙間が発生すると、バスバー10Aの熱が樹脂部3Aに伝導しにくくなるので、温度センサ2によるバスバー10Aの温度の検出精度が低下してしまう。
【0025】
(実施の形態の作用及び効果)
本実施の形態に係る温度センサ一体型バスバー1によれば、比較例に係る温度センサ一体型バスバー1Aに比較して、上記の隙間発生抑制構造によってバスバー10と樹脂部3との間に隙間が発生することが抑制されるので、温度センサ2によるバスバー10の温度の検出精度を高めることができる。また、温度センサ2が第1乃至第3線状部11~13によって三方から囲まれるように配置されるので、バスバー10の熱が効率よく温度センサ2に伝導する。これにより、さらに温度の検出精度を高めることができる。
【0026】
また、本実施の形態に係る温度センサ一体型バスバー1では、第3線状部13における温度センサ2とは反対側の側面13bが樹脂部3の上面3aから露出しているので、第3線状部13の熱が過度に樹脂部3に籠ることがなく、バスバー10の温度をより正確に検出することができる。
【0027】
なお、上記の実施の形態では、第1線状部11及び第2線状部12が樹脂部3の下面3bから突出した場合について説明したが、これに限らず、第1線状部11及び第2線状部12の全体が樹脂部3内に配置され、第4線状部14及び第5線状部15が樹脂部3の側面3cから突出していてもよい。また、第3線状部13の側面13bを樹脂部3の上面3aから露出させなくともよい。
【0028】
[第2の実施の形態]
次に、図3を参照して本発明の第2の実施の形態について説明する。図3は、本発明の第2の実施の形態に係る温度センサ一体型バスバー1Bを示し、(a)は斜視図、(b)は(a)のC-C線における断面図である。
【0029】
本実施の形態に係る温度センサ一体型バスバー1Bは、2本のバスバー10Bと、温度センサ2と、2本のバスバー10Bの長手方向の一部を囲うと共に、これら2本のバスバー10Bと温度センサ2とを一体的に保持する樹脂部3Bとを備えている。また、温度センサ一体型バスバー1Bは、樹脂部3Bの熱膨張係数よりも小さい熱膨張係数を有する枠体6を備え、この枠体6によって温度センサ2をバスバー10B及び樹脂部3Bの一部と共に囲む構造により、熱膨張によるバスバー10Bと樹脂部3Bとの間の隙間の発生を抑制する隙間発生抑制構造が設けられている。
【0030】
バスバー10Bは、断面矩形状の導電性金属からなり、直線状に形成されている。樹脂部3Bは直方体状であり、モールド成形にされて2本のバスバー10B及び温度センサ2を一体的に保持している。バスバー10Bは、樹脂部3Bの内部及びその周辺部において直線状であり、樹脂部3Bの上面3a及び下面3bに対して平行に樹脂部3Bを貫通し、樹脂部3Bの側面3cから突出している。
【0031】
枠体6は、バスバー10Bの延伸方向に対して垂直な方向に樹脂部3Bを囲む環状である。本実施の形態では、バスバー10Bの延伸方向に沿って見た枠体6の形状が矩形状である。枠体6は、バスバー10Bの熱膨張係数よりも低い熱膨張係数を有する金属からなり、例えば鉄製である。枠体6の内面6aは、樹脂部3Bの上面3a及び下面3bならびに側面3cのそれぞれの一部に密着している。
【0032】
温度センサ一体型バスバー1Bの製造時には、樹脂部3Bを成形した後に枠体6を嵌め合わせてもよく、樹脂部3Bをモールド成形する際の金型に枠体6を2本のバスバー10B及び温度センサ2と共に配置し、樹脂部3Bによってこれらを一体化してもよい。
【0033】
この温度センサ一体型バスバー1Bによれば、枠体6が温度センサ2をバスバー10B及び樹脂部3Bの一部と共に囲んでいるので、昇温時において樹脂部30Bの膨張が枠体6により抑えられ、バスバー10Bと樹脂部3Bと間に隙間が生じることを抑えることができる。また、バスバー10Bの熱膨張係数よりも樹脂部3Bの熱膨張係数の方が大きいので、昇温時には樹脂部3Bの外方への熱膨張が抑制されて樹脂部3Bとバスバー10Bとがより強く密着する。これにより、第1の実施の形態と同様に、温度センサ2によるバスバー10Bの温度の検出精度を高めることができる。
【0034】
(実施の形態のまとめ)
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
【0035】
[1]供給対象に電流を供給するバスバー(10,10B)と、温度センサ(2)と、前記バスバー(10,10B)の一部を囲うと共に前記バスバー(10,10B)及び前記温度センサ(2)を一体的に保持する樹脂部(3,3B)とを備え、前記樹脂部(3)が前記バスバー(10,10B)の熱膨張係数よりも大きい熱膨張係数を有する樹脂材料からなる温度センサ一体型バスバー(1)であって、熱膨張による前記バスバー(10,10B)と前記樹脂部(30)との間の隙間の発生を抑制する隙間発生抑制構造を備える、温度センサ一体型バスバー(1,1B)。
【0036】
[2]前記バスバー(10)は、前記バスバー(10)の屈曲により形成された第1線状部(11)と第2線状部(12)とを有し、前記隙間発生抑制構造は、前記温度センサ(2)と、前記樹脂部(3)における前記温度センサ(2)の周辺部とを、前記第1線状部(11)と前記第2線状部(12)との間に挟む構造である、上記[1]に記載の温度センサ一体型バスバー(1)。
【0037】
[3]前記バスバー(10)は、前記第1線状部(11)と前記第2線状部(12)との間に形成された第3線状部(13)と有し、前記隙間発生抑制構造は、前記温度センサ(2)と、前記樹脂部(3)における前記温度センサ(2)の周辺部とを、前記第1線状部(11)、前記第2線状部(12)、及び前記第3線状部(13)により枠囲する構造である、上記[2]に記載の温度センサ一体型バスバー(1)。
【0038】
[4]前記樹脂部(3)は、前記第1線状部(11)及び前記第2線状部(12)における前記第3線状部(13)側の一部を囲んでいる、上記[3]に記載の温度センサ一体型バスバー(1)。
【0039】
[5]前記第3線状部(13)は、前記温度センサ(2)が配置された側の側面(13a)とは反対側の側面(13b)が前記樹脂部(3)から露出している、上記[3]又は[4]に記載の温度センサ一体型バスバー(1)。
【0040】
[6]前記第3線状部(13)は、直線状に形成され、前記バスバー(10)は、前記第3線状部(13)と平行な第4線状部(14)及び第5線状部(15)を有し、前記第1線状部(11)が前記第3線状部(13)と前記第4線状部(14)との間に形成され、前記第2線状部(12)が前記第3線状部(13)と前記第5線状部(15)との間に形成されている、上記[3]乃至[5]の何れかに記載の温度センサ一体型バスバー(1)。
【0041】
[7]前記隙間発生抑制構造は、前記樹脂部(3B)の熱膨張係数よりも小さい熱膨張係数を有する枠体(6)により前記温度センサ(2)を前記バスバー(10B)及び前記樹脂部(3B)の一部と共に囲む構造である、上記[1]に記載の温度センサ一体型バスバー(1B)。
【0042】
[8]前記枠体(6)は、前記バスバー(10B)の熱膨張係数よりも小さい熱膨張係数を有する、上記[7]に記載の温度センサ一体型バスバー(1B)。
【0043】
[9]前記枠体(6)は、前記バスバー(10B)の延伸方向から見た外形が矩形状である、上記[7]又は[8]に記載の温度センサ一体型バスバー(1B)。
【0044】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
【0045】
また、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で変形して実施することが可能である。例えば、上記の実施の形態では、温度センサ一体型バスバー1,1Bが2本のバスバー10,10Bを有する場合について説明したが、バスバー10,10Bの本数は1本でも3本以上でもよい。
【0046】
また、上記の実施の形態では、樹脂部3,3Bを直方体形状として説明したが、円筒形や他の形状であってもよい。なお、この場合、枠材の形状は樹脂部の形状に対応した形状とすべきである。
【0047】
また、上記の実施の形態では、長手方向に対して垂直な断面が矩形形のバスバー10,10Bを用いる場合について説明したが、バスバーの断面は円形状であってもよい。
【符号の説明】
【0048】
1,1C…温度センサ一体型バスバー
10,10B…バスバー
11…第1線状部
12…第2線状部
13…第3線状部
14…第4線状部
15…第5線状部
2…温度センサ
3,3B…樹脂部
6…枠体

図1
図2
図3