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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-16
(45)【発行日】2023-02-27
(54)【発明の名称】自動分析装置および自動分析方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/04 20060101AFI20230217BHJP
【FI】
G01N35/04 H
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021505588
(86)(22)【出願日】2020-02-04
(86)【国際出願番号】 JP2020004088
(87)【国際公開番号】W WO2020183982
(87)【国際公開日】2020-09-17
【審査請求日】2021-06-09
(31)【優先権主張番号】P 2019043392
(32)【優先日】2019-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテク
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】廣木 康平
(72)【発明者】
【氏名】安居 晃啓
(72)【発明者】
【氏名】瀬戸丸 武
【審査官】松岡 智也
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-185001(JP,A)
【文献】特開2002-323505(JP,A)
【文献】特開2010-139371(JP,A)
【文献】特開2010-181197(JP,A)
【文献】国際公開第2018/221220(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/083236(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/161674(WO,A1)
【文献】日立自動分析装置 LABOSPECT 006,[online],[令和2年3月6日検索],一般社団法人 日本臨床検査機器・試薬・システム振興,2016年,インターネット<URL:https://jaclas.or.jp/Product/index?id=86264>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00-37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体を分析する分析モジュールと、
検体を収容した検体容器を搭載する検体ラックを搬送するラック搬送モジュールと、
前記分析モジュールおよび前記ラック搬送モジュールの動作を制御する制御装置と、を備える自動分析装置であって、
前記ラック搬送モジュールは、検体ラックを供給するラック供給部と、
検体ラックを収納するラック収納部と、
前記ラック供給部から供給された検体ラックを搬送するラック搬送ラインと、
検体ラックを前記分析モジュールへ搬送する分注ラインと、
前記ラック搬送ラインと前記分注ラインとの間で検体ラックの授受を行うラックロータと、を有し、
前記分析モジュールの動作とは独立して、前記ラック供給部の検体ラックの供給動作を停止可能であり、
前記ラック供給部は、
当該ラック供給部に配置された検体ラックを複数搭載可能なラックトレイから供給側ラック押し出し機構により検体ラックを前記ラック搬送ラインへ投入可能に構成されており、
前記ラック収納部は、
前記ラック搬送ラインから搬送された検体ラックを、搬出側ラック押し出し機構により当該ラック収納部に配置されたラックトレイへ収納可能に構成されており、
前記ラック供給部および前記ラック収納部の各ラックトレイは、作業者が検体ラックを前記自動分析装置の正面から追加投入可能な片持ち形状の持ち手を備える片持ちラックトレイであることを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
請求項1に記載の自動分析装置であって、
前記分析モジュールの動作とは独立して、前記ラック収納部の検体ラックの収納動作を停止可能であることを特徴とする自動分析装置。
【請求項3】
請求項1に記載の自動分析装置であって、
前記ラック供給部の供給動作を停止させた後、作業者が前記片持ちラックトレイを用いて検体ラックを前記ラック搬送ラインへ追加投入することを特徴とする自動分析装置。
【請求項4】
請求項1に記載の自動分析装置であって、
前記ラック収納部の収納動作を停止させた後、作業者が前記片持ちラックトレイを用いて検体ラックを前記ラック搬送ラインから収納することを特徴とする自動分析装置。
【請求項5】
請求項3または4に記載の自動分析装置であって
前記片持ちラックトレイと同形状のラックトレイを使用し、前記供給側ラック押し出し機構の上流側、または、前記搬出側ラック押し出し機構の下流側から検体ラックを取り出し可能であることを特徴とする自動分析装置。
【請求項6】
請求項1に記載の自動分析装置であって、
前記ラック供給部の供給動作停止後、作業者のマニュアル操作により、または、センサーで検出した検体ラックの数量が所定の閾値を超えた場合、前記ラック供給部の供給動作を再開することを特徴とする自動分析装置。
【請求項7】
自動分析装置を用いて検体を分析する自動分析方法であって、
検体を収容した検体容器を搭載する検体ラックをラック供給部にセットし、
前記ラック供給部から供給された検体ラックを、ラック搬送ライン、ラックロータ、分注ラインを介して、分析モジュールへ搬送し、
前記分析モジュールでの前記検体の分析を開始し、
前記分析モジュールでの前記検体の分析を継続すると共に、前記ラック供給部からの検体ラックの供給を停止し、
前記ラック供給部は、
当該ラック供給部に配置された検体ラックを複数搭載可能なラックトレイから供給側ラック押し出し機構により検体ラックを前記ラック搬送ラインへ投入可能に構成されており、
ラック収納部は、
前記ラック搬送ラインから搬送された検体ラックを、搬出側ラック押し出し機構により当該ラック収納部に配置されたラックトレイへ収納可能に構成されており、
前記ラック供給部および前記ラック収納部の各ラックトレイは、作業者が検体ラックを前記自動分析装置の正面から追加投入可能な片持ち形状の持ち手を備える片持ちラックトレイであることを特徴とする自動分析方法。
【請求項8】
請求項7に記載の自動分析方法であって、
前記分析モジュールでの前記検体の分析を継続すると共に、ラック収納部への検体ラックの収納を停止し、
追加投入された検体ラックを前記ラック搬送ラインから収納することを特徴とする自動分析方法。
【請求項9】
請求項7に記載の自動分析方法であって、
前記ラック供給部から検体ラックの供給を停止した後、作業者が前記片持ちラックトレイを用いて検体ラックを前記ラック搬送ラインへ追加投入することを特徴とする自動分析方法。
【請求項10】
請求項7に記載の自動分析方法であって、
前記ラック収納部への検体ラックの収納を停止した後、作業者が前記片持ちラックトレイを用いて検体ラックを前記ラック搬送ラインから収納することを特徴とする自動分析方法。
【請求項11】
請求項9または10に記載の自動分析方法であって、
前記片持ちラックトレイと同形状のラックトレイを使用し、供給側ラック押し出し機構の上流側、または、搬出側ラック押し出し機構の下流側から検体ラックを取り出すことを特徴とする自動分析方法。
【請求項12】
請求項7に記載の自動分析方法であって、
異なる検体ラックの追加投入後、作業者のマニュアル操作により、または、センサーで検出した検体ラックの数量が所定の閾値を超えた場合、前記ラック供給部からの検体ラックの供給を再開することを特徴とする自動分析方法。
【請求項13】
請求項7に記載の自動分析方法であって、
前記ラック供給部にセットされた検体ラックとは異なる検体ラックを前記ラック搬送ラインへ追加投入することを特徴とする自動分析方法。
【請求項14】
請求項1に記載の自動分析装置であって、
前記片持ちラックトレイの持ち手は、前記自動分析装置の正面から見た際の検体ラックを追加投入する側が検体ラック一つ分以上短いことを特徴とする自動分析装置。
【請求項15】
請求項7に記載の自動分析方法であって、
前記片持ちラックトレイの持ち手は、前記自動分析装置の正面から見た際の検体ラックを追加投入する側が検体ラック一つ分以上短いことを特徴とする自動分析方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液や尿等の生体試料の定量・定性分析を行う自動分析装置に係り、特に、試料容器を分析装置に搬送する搬送装置を備えた自動分析システムに関する。
【背景技術】
【0002】
血液や尿等の生体試料に含まれる特定成分の定量或いは定性分析を行う自動分析装置は、分析結果の再現性、処理速度の高さ等から現在の診断には欠かせないものとなっている。
【0003】
自動分析装置の測定方法は、試料中の分析対象成分と反応し、反応液の色が変わるような試薬を用いる分析法(比色分析)と、対象成分と直接或いは間接的に特異的に結合する物質に標識体を付加した試薬を用い、標識体をカウントする分析法(免疫分析)に大別される。
【0004】
また、自動分析装置に運ばれる試料は、分析部とは異なる試料の供給、搬送、保持、搬出を担う搬送モジュールからラックと呼ばれる試料容器を複数乗せるものによって、自動分析装置に供給されるか、直接試料容器を分析部にセットするかに大別される。
【0005】
近年の自動分析装置では、前者の搬送モジュールを持つ分析装置が主流であり、このラックは、ラックトレイと呼ばれるトレイに乗せて搬送部に設置される。
【0006】
本技術分野の背景技術として、例えば、特許文献1のような技術がある。特許文献1には、通常のラック供給位置とは別にラックを保持するバッファ装置が設けられており、バッファ装置に直接ラックを設置、回収できるようにする自動分析装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2010-151569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、従来の自動分析装置では、緊急ラックではないラックを追加投入したい場合、すべてのラックが搬送ラインから排出されるまで待つ必要があった。緊急ラックとして追加してしまうと現在分析待ちをしている検体ラックを追い越し、分析順番が入れ替わってしまうためである。また、分析途中でラックを追加投入したい場合、分析を止めた後、ラックトレイを取り外して、ラックを追加投入する必要があった。
【0009】
また、小型の自動分析装置では、一度に追加投入したいラックの数が少なく、1つずつラックを追加投入したい場合が多い。この場合には、ラックの収集が終了するのを待ち、ラックトレイごとラックの追加投入をするのでは、ユーザの待機時間や手間が増えることになる。
【0010】
上記特許文献1によれば、検体ラックを一時的に待機させることができる独立した複数のスロットで構成されるバッファ装置を備えることで、分析中の検体の一時的な取り出しを実現することができ、その結果、該検体に対する追加項目の測定を迅速に行うことができるとしている。
【0011】
しかしながら、特許文献1では、バッファ専用のモジュールを設ける必要があり、装置が大型化してしまうことや検体の分析の順番が繁雑になるなどの課題がある。
【0012】
そこで、本発明の目的は、必要最小限の装置構成で、検体の分析中であっても分析を停止することなく1つずつラックを追加投入が可能であり、なおかつ、分析の順番の把握が容易な自動分析装置および自動分析方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明は、検体を分析する分析モジュールと、検体を収容した検体容器を搭載する検体ラックを搬送するラック搬送モジュールと、前記分析モジュールおよび前記ラック搬送モジュールの動作を制御する制御装置と、を備える自動分析装置であって、前記ラック搬送モジュールは、検体ラックを供給するラック供給部と、検体ラックを収納するラック収納部と、前記ラック供給部から供給された検体ラックを搬送するラック搬送ラインと、検体ラックを前記分析モジュールへ搬送する分注ラインと、前記ラック搬送ラインと前記分注ラインとの間で検体ラックの授受を行うラックロータと、を有し、前記分析モジュールの動作とは独立して、前記ラック供給部の検体ラックの供給動作を停止可能であり、前記ラック供給部は、当該ラック供給部に配置された検体ラックを複数搭載可能なラックトレイから供給側ラック押し出し機構により検体ラックを前記ラック搬送ラインへ投入可能に構成されており、前記ラック収納部は、前記ラック搬送ラインから搬送された検体ラックを、搬出側ラック押し出し機構により当該ラック収納部に配置されたラックトレイへ収納可能に構成されており、前記ラック供給部および前記ラック収納部の各ラックトレイは、作業者が検体ラックを前記自動分析装置の正面から追加投入可能な片持ち形状の持ち手を備える片持ちラックトレイであることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、自動分析装置を用いて検体を分析する自動分析方法であって、検体を収容した検体容器を搭載する検体ラックをラック供給部にセットし、前記ラック供給部から供給された検体ラックを、ラック搬送ライン、ラックロータ、分注ラインを介して、分析モジュールへ搬送し、前記分析モジュールでの前記検体の分析を開始し、前記分析モジュールでの前記検体の分析を継続すると共に、前記ラック供給部からの検体ラックの供給を停止し、前記ラック供給部は、当該ラック供給部に配置された検体ラックを複数搭載可能なラックトレイから供給側ラック押し出し機構により検体ラックを前記ラック搬送ラインへ投入可能に構成されており、ラック収納部は、前記ラック搬送ラインから搬送された検体ラックを、搬出側ラック押し出し機構により当該ラック収納部に配置されたラックトレイへ収納可能に構成されており、前記ラック供給部および前記ラック収納部の各ラックトレイは、作業者が検体ラックを前記自動分析装置の正面から追加投入可能な片持ち形状の持ち手を備える片持ちラックトレイであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、必要最小限の装置構成で、検体の分析中であっても分析を停止することなく1つずつラックを追加投入が可能であり、なおかつ、分析の順番の把握が容易な自動分析装置および自動分析方法を実現することができる。
【0016】
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施例1に係る自動分析装置の概略構成を示す図である。
図2】実施例1に係る自動分析装置の機能ブロック図と制御ごとのグループ分けの一例を示す図である。
図3】実施例1に係る自動分析装置のイベント選択の例を示すフローチャートである。
図4】実施例1に係る自動分析装置の通常動作時の搬送部の動作を示すタイミングチャートである。
図5】実施例1に係る自動分析装置のラック供給ストップ動作時の搬送部の動作を示すタイミングチャートである。
図6】実施例3に係る自動分析装置のラック搬出ストップ動作時の搬送部の動作を示すタイミングチャートである。
図7】実施例2に係るラックトレイの形状を示す平面図である。
図8】実施例2に係るラックトレイの形状を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。なお、各図面において同一の構成については同一の符号を付し、重複する部分についてはその詳細な説明は省略する。
【0019】
また、以下の各実施例において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【実施例1】
【0020】
図1から図5を参照して、本発明の実施例1の自動分析装置および自動分析方法について説明する。図1は本実施例の自動分析装置500の全体構成の一例を示している。自動分析装置500は、患者から提供される血液や尿等の生体試料(検体)に含まれる特定成分を定量或いは定性分析するための装置であり、分析モジュール100と、分析モジュール100での分析対象となる検体を収容した1つ以上の検体容器を搭載する検体ラック4を搬送するラック搬送モジュール200と、自動分析装置500全体の動作を制御する制御装置300とから概略構成される。
【0021】
なお、図1では自動分析装置500が分析モジュール100を一つ備える構成について説明するが、複数の分析モジュール100が備えられても良い。以下、各モジュールの構成について説明する。
【0022】
分析モジュール100は、検体ラック4に搭載された検体容器5に収容された検体を反応ディスク1上の図示しない反応容器に分注し、試薬と混合させた後、図示しない光源及び光度計から構成される検出系によって定量或いは定性分析を行うモジュールである。
【0023】
分析方法には、例えば、検体中の特定成分と反応して変色する試薬を用いる比色分析や、検体中の特定成分と直接或いは間接的に結合する物質に標識体を付加した試薬を用い、標識体をカウントする免疫分析等がある。分析モジュール100は、主として、反応ディスク1、試薬ディスク7、分注ライン6、検体分注機構3、試薬分注機構2、検体識別装置8を備える。
【0024】
分注ライン6は、ラックロータ205から搬送された検体ラック4を一端から搬入し、検体容器5から検体を検体分注機構3によって分注するための分注位置まで往復搬送する。すなわち、ラック搬送モジュール200から分析モジュール100への検体ラック4の引き込み、及び分析モジュール100からラック搬送モジュール200への検体ラック4の引き渡しを行う往復可能な搬送機構を採用する。
【0025】
本実施例では、分注ライン6としてベルトコンベアタイプの搬送機構を採用した場合を例示しているが、分注ライン6に沿って駆動される突起構造物を検体ラック4に予め設けられた凹部に嵌合させて搬送するような構成を採用してもよい。
【0026】
検体識別装置8は、検体容器5及び検体ラック4に付されたRFID(radio frequency identification)やバーコード等の識別媒体(図示せず)を読み取る。検体識別装置8によって識別された検体は検体分注機構3により反応ディスク1に分注される。試薬は、試薬分注機構2によって試薬ディスク7の図示しない試薬容器から反応ディスク1上の検体が分注された反応容器に分注される。なお、検体と試薬との混合液を反応液と呼ぶ。反応容器に分注された反応液は、図示しない光源及び光度計から構成される検出系によって定量或いは定性分析が行われる。
【0027】
ラック搬送モジュール200は、自動分析装置500に投入される検体ラック4を分析モジュール100との間で搬送するものであり、検体ラック4を往復搬送する、例えば、ベルトコンベアタイプのラック搬送ライン203と、ラック搬送ライン203に隣接して設けられ、緊急検体ラック(図示せず)を投入するための緊急ラック投入部209と、緊急ラック投入部209よりもラック搬送ライン203の一端側にラック搬送ライン203に隣接して設けられ、通常検体の検体ラック4を供給するためのラック供給部201と、ラック供給部201よりもラック搬送ライン203の一端側にラック搬送ライン203に隣接して設けられ、検体ラック4を収納するためのラック収納部202と、ラック収納部202よりもラック搬送ライン203の他端側にラック搬送ライン203上に設けられ、緊急検体ラックを一時的に待機させるための緊急検体ラック待機エリア210と、ラック搬送ライン203の一端に配置され、検体ラック4を搭載可能な1つ以上のスロット205aを有し、ラック搬送ライン203の一端及び分注ライン6の一端の間で検体ラック4の授受を行うラックロータ205と、ラック搬送ライン203を搬送される検体ラック4に搭載された検体容器5に収容された検体に関する分析依頼情報を照会するために、検体ラック4及び検体容器5に設けられたRIFDやバーコード等の識別媒体を読み取って識別する検体識別装置204とを備えている。
【0028】
なお、図1では、ラックロータ205が緊急検体ラック待機エリア210の機能を兼ね備えた構成として示している。
【0029】
ラック供給部201、ラック収納部202にはそれぞれ、検体ラック4をラック供給部201からラック搬送ライン203へ供給するように押し出す供給側ラック押し出し機構207と、検体ラック4をラック搬送ライン203からラック収納部202へ搬出するように押し出す搬出側ラック押し出し機構208を備える。
【0030】
ラック供給部201、ラック収納部202に搭載される検体ラック4は、図7および図8にて後述するラックトレイ206と呼ばれる検体ラックを複数乗せることのできるトレイにより、セットされる。
【0031】
ラック供給部201に投入された検体ラック4は供給側ラック押し出し機構207によりラック搬送ライン203にセットされ、ラック搬送ライン203によってラックロータ205へ搬送される。ラック搬送ライン203上を搬送される検体ラック4に搭載された検体容器5は検体識別装置204により識別媒体が読み取られることにより識別される。
【0032】
ラックロータ205は、検体ラック4を搭載する複数のスロットを有し、分析モジュール100の分注ライン6とスロット205aとの間で検体ラック4を授受する。また、同様にラック搬送モジュール200内のラック搬送ライン203とラックロータ205のスロット205a間での検体ラック4の授受も行われる。分析モジュール100から回収された検体ラック4は、ラック搬送ライン203上から搬出側ラック押し出し機構208によってラック収納部202に収納される。
【0033】
また、緊急ラック投入部209からは、緊急検体ラックが投入される。緊急検体ラックは、現在設定されているラックの分析順番を追い越し、最優先で分析モジュール100に搬送され、分析が実行される。
【0034】
制御装置300は、自動分析装置の動作を制御する装置であり、制御部301と記憶部302と表示部303と入力部304を有する。表示部303は液晶ディスプレイ等であり、各種パラメータを設定するための画面や分析結果等を表示する。入力部304はキーボードやマウス、タッチパネル等であり、各種パラメータの設定や、分析に係る情報の入力、分析開始等の指示に用いられる。記憶部302はメモリやハードディスク、SSD(Solid State Drive)等であり、各種パラメータや分析に係る情報、分析結果等を記憶する。制御部301はCPU(Central Processing Unit)等であり、各部の動作の制御や制御に係る演算等を実行する。
【0035】
図2は各機構ごとのラックの受け渡しの流れを示したものである。Gr.1、Gr.2、Gr.3はそれぞれ独立し、個別に制御できるようになっている。
【0036】
ラック供給部201に投入された検体ラック4は供給側ラック押し出し機構207によりラック搬送ライン203を通ってバッファエリアであるラックロータ205へ運ばれる。ラックロータ205に運ばれたラックは必要に応じて分析モジュール100に搬送される。[Gr.2→Gr.1]
分析終了後、検体ラック4はラックロータ205へ戻され、再びラック搬送ライン203を通り、搬出側ラック押し出し機構208の前に運ばれる。その後、搬出側ラック押し出し機構208に押し出されることで、検体ラック4の取り出しが可能となる。[Gr.1→Gr.3]
ラック供給ストップをした場合、Gr.2の機構が動作を停止する。しかし、Gr.1、Gr.3の機構は独立して制御されるため、ラックロータ205に蓄えられた検体ラック4を分析モジュール100へ搬送する動作と、ラック収納部202へ搬出する動作、緊急ラックの搬送の動作は継続して行われる。ラック供給ストップが解除されると、Gr.2の機構が再度動きはじめ、検体ラック4の投入動作が再開される。
【0037】
このようにすることで、本実施例では、通常の分析順番でラックを追加投入したい場合、入力部304から、ラック供給ストップを入力し供給をストップし、供給側ラック押し出し機構207の動作を停止し、検体ラック4の追加投入を可能な状態にする。この時、Gr.2の制御を独立させておくことで、ラック供給機構以外のラック搬送ライン203、ラックロータ205、搬出側ラック押し出し機構208は、動作を停止することなく動き続け、分析を継続することができる。検体ラック4を必要数追加投入し、完了後、ラック供給ストップを解除し、検体ラック4の供給を再開する。
【0038】
これにより、緊急ラック投入部209から検体ラック4を追加した場合と異なり、現在分析待ちをしている検体ラック4を追い越すことなく、新たに検体ラック4の追加投入が可能となる。
【0039】
一方、緊急ラック投入部209から緊急ラックを投入した場合、通常の分析順番を追い越し、最優先で分析が行われる。
【0040】
図3は本実施例の一例を示すイベント選択のフローチャートである。図3の上図に示すように、通常時は、数秒ごとにイベントが設定され、そのイベントに従い、ラックロータ205の回転と、優先順位の高い順にそれぞれの機構との検体ラック4のやり取りが交互に行われている。
【0041】
一方、図3の下図に示すように、ラック供給ストップ時は、ラック供給機構(Gr.2)がイベントから消去(マスク)され、ラックロータ205と、分析モジュール100、ラック搬出機構(Gr.3)のイベントが残り、優先順位の高い順に検体ラック4のやり取りが行われる。ラック供給ストップが解除されれば、イベントが復帰し、再度通常通りの動作に戻る。
【0042】
図4は通常動作時のラック搬送モジュール200の動作を示すタイミングチャートである。検体ラック4をラックトレイ13(206)にセットし、分析をスタートすると、検体ラック4が供給側ラック押し出し機構207によってラック搬送ライン203に送られる。ラック搬送ライン203に送られた検体ラック4は、ラック搬送ライン203により、ラックロータ205に運ばれる。ラック搬送ライン203の搬送方法は、突起構造物を検体ラック4の底面に予め設けられた凹部に嵌合させて搬送するような構成や、ベルトコンベアのような形式で運ぶ方法などがある。
【0043】
ラックロータ205に運ばれた検体ラック4は、分析の順番が来るまで、ラックロータ205のスロット205a内で保持される。分析の順番が来た検体ラック4は、ラックロータ205が回転することにより、分析モジュール100の分注ライン6との受け渡し位置まで移動する。この時、ラックロータ205は正転、反転により回転距離がより短い方向に回転する。回転したスロット205aに収められた検体ラック4は、分析モジュール100の分注ライン6により、分析モジュール100内へ搬入され、検体分注機構3による分注動作終了後、ラックロータ205へと戻される。
【0044】
この時、ラックロータ205へと戻される検体ラック4は、ラックロータ205がすべて埋まってしまい、ラックの搬出が出来なくなってしまう可能性から、分析モジュール100内への搬入の時に使用されていたスロット205aと同じスロットへ戻されるのが望ましい。ラックロータ205に戻された検体ラック4は、ラックロータ205が回転することにより、ラック搬送ライン203との受け渡し位置へと運ばれる。その後、ラック搬送ライン203により、ラック収納部202の前まで搬送され、搬出側ラック押し出し機構208により、ラック収納部202へと押し出される。
【0045】
図5はラック供給ストップ時のラック搬送モジュール200の動作を示すタイミングチャートである。分析中に検体ラック4を追加投入したい場合、入力部304よりラック供給ストップを入力する。入力の方法は、例えば、キーボードから入力する、専用のボタンを用意し押下する、タッチパネルで入力する等の方法がある。ラック供給をストップした場合、供給側ラック押し出し機構207の動作がストップし、検体ラックの追加投入が可能となる。
【0046】
この時、Gr.1、Gr.2、Gr.3が各機構ごとに独立して制御されていることで、ラックロータ205とラック収納部202の搬出側ラック押し出し機構208は動作を続けている。ラックロータ205はスロット205aに保持している分析待ちの検体ラック4を分析モジュール100の分注ライン6との受け渡し場所まで回転することで搬送し、分注ライン6により分析モジュール100内へ運ばれ、検体分注機構3により検体の分注が行われる。
【0047】
分注が終了した検体ラック4は再度ラックロータ205へ運ばれ、ラック搬送ライン203へ受け渡される。検体ラック4はラック搬送ライン203によりラック収納部202へ運ばれ、搬出側ラック押し出し機構208により搬出される。検体ラック4の追加が終了したのち、ラック供給ストップを解除することで、再度ラックの供給が再開される。
【0048】
なお、ラック供給ストップやラック供給ストップの解除の指示については、例えば、表示部303がタッチパネルである場合、操作画面にラック供給ストップやラック供給ストップ解除のアイコンを設けることで、そのアイコンを押下する方法や、装置にLEDスイッチを設け、供給ストップ時に押下し、ストップ中にはLEDが点灯し、ストップ解除時にはLEDが消灯するなど視覚的にもストップのタイミングが分かるようにする方法等が考えられる。
【0049】
或いは、検体ラックの数をセンサーで検知すること等により自動でラック供給ストップの解除を行うことも可能である。
【0050】
つまり、ラック供給部201の供給動作停止後、作業者によるマニュアル操作により、または、自動分析装置500に設置されたセンサー(図示せず)で検出した検体ラック4の数量が所定の閾値を超えた場合、ラック供給部201の供給動作を再開する。
【0051】
このように、検体ラック4の追加投入時に、ラック供給動作のみを分析動作とは独立して停止することにより、検体ラック4の追加動作による待ち時間を低減することができる。
【0052】
以上説明したように、本実施例の自動分析装置500は、検体を分析する分析モジュール100と、検体を収容した検体容器5を搭載する検体ラック4を搬送するラック搬送モジュール200と、分析モジュール100およびラック搬送モジュール200の動作を制御する制御装置300と、を備えており、ラック搬送モジュール200は、検体ラック4を供給するラック供給部201と、検体ラック4を収納するラック収納部202と、ラック供給部201から供給された検体ラック4を搬送するラック搬送ライン203と、検体ラック4を分析モジュール100へ搬送する分注ライン6と、ラック搬送ライン203と分注ライン6との間で検体ラック4の授受を行うラックロータ205と、を有し、分析モジュール100の動作とは独立して、ラック供給部201の検体ラック4の供給動作を停止可能に構成されている。
【0053】
また、分析モジュール100の動作とは独立して、ラック収納部202の検体ラック4の収納動作を停止可能に構成されている。
【0054】
また、本実施例の自動分析方法は、検体を収容した検体容器5を搭載する検体ラック4をラック供給部201にセットし、ラック供給部201から供給された検体ラック4を、ラック搬送ライン203、ラックロータ205、分注ライン6を介して、分析モジュール100へ搬送し、分析モジュール100での検体の分析を開始し、分析モジュール100での検体の分析を継続すると共に、ラック供給部201からの検体ラック4の供給を停止し、ラック供給部201にセットされた検体ラック4とは異なる検体ラックをラック搬送ライン203へ追加投入する。
【0055】
また、分析モジュール100での検体の分析を継続すると共に、ラック収納部202への検体ラック4の収納を停止し、追加投入された検体ラックをラック搬送ライン203から収納(回収)する。
【0056】
本実施例によれば、必要最小限の装置構成で、検体の分析中であっても分析を停止することなく1つずつラックを追加投入が可能であり、なおかつ、分析の順番の把握が容易な自動分析装置および自動分析方法を実現することができる。
【実施例2】
【0057】
図7および図8を参照して、本発明の実施例2の自動分析装置および自動分析方法について説明する。実施例1では、検体ラック4の追加投入時のラック供給動作を停止し、分析動作と独立した制御とすることで、検体ラック4の追加の待ち時間を低減する構成について説明した。本実施例では、さらに、検体ラック4を複数搭載するラックトレイ形状を片持ちの構成とすることで、ユーザによる検体ラック4の追加動作を容易にすることができる態様について説明する。
【0058】
図7および図8は、本実施例におけるラックトレイ形状の一例である。図7はラックトレイ13の平面図であり、図8はラックトレイ13の斜視図である。
【0059】
ラックトレイ13は、図7および図8に示すように、検体を収容する検体容器5を複数搭載した検体ラック4を、複数乗せることが可能な構造となっている。また、ユーザによる検体ラック4の追加投入を容易にする構造として、ラックトレイ持ち手9を片持ち形状にしている。ラックトレイ持ち手9の検体ラック4を追加投入したい側を、最低ラック一つ分以上(例えばラック幅が20mmであれば20mm以上)短くすることで、ラックを正面からでも追加投入しやすい形状となっている。
【0060】
また、片持ち形状にすることで、ラックトレイ全体の剛性が低下してしまうため、ラックトレイ持ち手9に繋がる金属形状に折り返し部11を追加することで剛性を強めている。ラックの搭載台部分と持ち手部分は、軸10で接続されている。また、可動範囲制限部12を設けることで、持ち手部分の可動範囲は制限され、検体ラック4が逆さになるのを防止している。
【0061】
図8の下図は、ラックトレイ13を持ち上げた状態を示している。ユーザがラックトレイ持ち手9を持ち、ラックトレイ13を持ち上げた場合に、軸10を中心にラックトレイ持ち手9につながる金属が上に持ち上がるようになっている。これは、ラックの横方向への落下防止と重心位置をラックの上方に持ってくる役割を果たしている。
【0062】
本実施例では、検体ラック4の追加投入を容易にするため、ラックトレイの持ち手を片持ち構造にし、供給側ラック押し出し機構207の上流側を空けることで、ラックを正面から追加投入できる。
【0063】
自動分析装置が動作している間は、供給側ラック押し出し機構207がラックトレイ13(206)の上に留まることで、動作中にラックの追加投入ができない。そこで、実施例1で説明したように、ラック供給ストップの制御を入れることによって、ラックトレイ13(206)上から供給側ラック押し出し機構207を排除する。
【0064】
そうすることで、ラックの追加投入を可能とする。この時、ラック供給部201は独立に制御され動作を停止するため、ラックロータ205、ラック収納部202、分析モジュール100は動作を続けることが可能である。
【0065】
以上説明したように、本実施例の自動分析装置500は、ラック供給部201の供給動作を停止させた後、検体ラック4を複数搭載可能であり、作業者(ユーザ)が片手で把持可能な片持ちラックトレイ13を用いて検体ラック4をラック搬送ライン203へ追加投入する。
【0066】
また、ラック収納部202の収納動作を停止させた後、検体ラック4を複数搭載可能であり、作業者(ユーザ)が片手で把持可能な片持ちラックトレイ13を用いて検体ラッ4クをラック搬送ライン203から収納(回収)する。
【0067】
また、本実施例の自動分析装置500は、検体ラック4をラック供給部201からラック搬送ライン203へ押し出す供給側ラック押し出し機構207と、検体ラック4をラック搬送ライン203からラック収納部202へ押し出す搬出側ラック押し出し機構208と、を備えており、片持ちラックトレイ13と同形状のラックトレイを使用し、供給側ラック押し出し機構207の上流側、または、搬出側ラック押し出し機構208の下流側から検体ラック4を取り出し可能に構成されている。
【0068】
本実施例により、随時追加したいラックを1つずつでも容易に追加できるようになる。
【実施例3】
【0069】
図6を参照して、本発明の実施例3の自動分析装置および自動分析方法について説明する。実施例1および実施例2では、ラック供給をストップすることとハード構成(ラックトレイ形状)を工夫することで、ラックの追加投入を容易にするとともに、ユーザのラック追加の待ち時間を低減することについて説明した。
【0070】
本実施例では、検体ラック4の搬出も個別に制御することで、分析モジュール100の動作中に検体ラック4の搬出も可能とする。これにより、例えば、ラックロータ205に複数の分析モジュール100(例えば、生化学分析装置と免疫分析装置等)が接続された装置構成において、1つの検体ラック4に搭載された検体に対して複数の分析モジュール100でそれぞれの分析を行いたい場合、検体の分注が終了した後、すぐに検体ラック4を取り出し、別の分析モジュール100にセットすることが可能となる。
【0071】
これにより、ユーザは複数の分析を行いたい緊急の検体であっても、待ち時間をより低減することができる。また、検体ラック4のラック供給部201では供給側ラック押し出し機構207の上流側から、ラック収納部202では搬出側ラック押し出し機構208の下流側から検体ラック4の追加および取り出しをすることで、ラックトレイの形状をラック供給部201とラック収納部202で同様の形状とすることができ、ラック供給部201とラック収納部202でのラックトレイの入れ替えをすることも可能となる。
【0072】
図6はラック搬出ストップ時のラック搬送モジュール200の動作を示すタイミングチャートである。これは、すでにラック搬出ストップの入力が行われ、Gr.3の動作が停止しているチャートを示している。分析中に検体ラック4をラックトレイ13(206)から搬出したい場合、入力部304よりラック搬出ストップを入力する。
【0073】
入力の方法は、例えば、キーボードから入力する、専用のボタンを用意し押下する、タッチパネルで入力する等の方法がある。ラック搬出をストップした場合、搬出側ラック押し出し機構208の動作がストップし、検体ラック4の搬出が可能となる。
【0074】
また、この時、Gr.3のみを独立して停止させることで、ラックロータ205とラック供給部201の供給側ラック押し出し機構207は動作を続けている。ラックロータ205は供給された検体ラック4を分析モジュール100の分注ライン6との受け渡し場所まで回転することで搬送し、分析モジュール100にて検体分注機構3によりで検体の分注を行う。
【0075】
分注が終了した検体ラック4は再度ラックロータ205へ運ばれ、検体ラック4はラックロータ205に保持される。必要な検体ラック4をラック収納部202から搬出した後、ラック搬出ストップを解除することで、Gr.3の動作が再開する。ラックロータ205からラック収納部202への検体ラック4の搬出動作が実行され、検体ラック4はラック搬送ライン203によりラック収納部202へ運ばれ、搬出側ラック押し出し機構208により搬出される。
【0076】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0077】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【0078】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0079】
1:反応ディスク
2:試薬分注機構
3:検体分注機構
4:検体ラック
5:検体容器
6:分注ライン
7:試薬ディスク
8:検体識別装置
9:ラックトレイ持ち手
10:軸
11:折り返し部
12:可動範囲制限部
13:ラックトレイ
100:分析モジュール
200:ラック搬送モジュール
201:ラック供給部
202:ラック収納部
203:ラック搬送ライン
204:検体識別装置
205:ラックロータ
205a:スロット
206:ラックトレイ
207:供給側ラック押し出し機構
208:搬出側ラック押し出し機構
209:緊急ラック投入部
210:緊急検体ラック待機エリア
300:制御装置
301:制御部
302:記憶部
303:表示部
304:入力部
500:自動分析装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8