(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-20
(45)【発行日】2023-03-01
(54)【発明の名称】包装アセンブリ
(51)【国際特許分類】
A61M 5/00 20060101AFI20230221BHJP
【FI】
A61M5/00 518
(21)【出願番号】P 2019546134
(86)(22)【出願日】2018-02-22
(86)【国際出願番号】 EP2018054323
(87)【国際公開番号】W WO2018153945
(87)【国際公開日】2018-08-30
【審査請求日】2021-02-10
(32)【優先日】2017-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】504456798
【氏名又は名称】サノフイ
【氏名又は名称原語表記】SANOFI
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】ハーディ・キーツマン
【審査官】上石 大
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-510469(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0251839(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0252927(US,A1)
【文献】特開2014-079483(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101912641(CN,A)
【文献】特表2016-518879(JP,A)
【文献】国際公開第2016/033507(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2016/0232877(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装アセンブリ(100)であって:
薬剤を送達するための複数の注射デバイス(10)を少なくとも部分的に収容するように構成されたケース(110)と;
少なくとも1つのデバイスセンサ(241)を含むセンサ配置(240)であって、
少なくとも1つのデバイスセンサ(241)は、ケース(110)内に収容されている1つまたはそれ以上の注射デバイス(10)を検出し、検出の結果に応じて信号を出力するように構成されている、センサ配置と;
少なくとも1つのデバイスセンサ(241)の出力に応じて信号を出力するように構成された出力トランスデューサと;
ケース(110)に連結され、開位置と閉位置との間を可動の蓋(120)と;
閉位置から開位置への蓋(120)の位置の変化を表す信号を出力するように構成された蓋センサ(252)とを含み;
ここで、センサ配置(240)は、蓋センサ(252)から受けた信号に基づいて起動するように構成され;そして、
少なくとも1つのデバイスセンサ(241)は、検出された注射デバイス(10)の識別情報、および注射デバイスのデバイスタイプ、有効期限日、投薬期間、およびウォームアップ期間のうちの1つまたはそれ以上を検出し、検出された識別情報、および注射デバイスのデバイスタイプ、有効期限日、投薬期間、およびウォームアップ期間のうちの1つまたはそれ以上を表す信号を出力するように構成され
;そして、
少なくとも1つのデバイスセンサ(241)は、注射デバイス(10)がケース(110)から取り出されたことを示す信号を出力するようにさらに構成され、そして、注射デバイス(10)が取り出されたことを示す信号に応答して、出力トランスデューサは、注射デバイス(10)に対する室温期間を示す視覚出力を表示するように構成される、前記包装アセンブリ。
【請求項2】
出力トランスデューサは、最も早く検出された注射デバイス(10)を示す視覚出力を表示するように構成される、請求項
1に記載の包装アセンブリ(100)。
【請求項3】
検出された識別情報に基づいて検証動作を実行し、検証結果を表す信号を出力するよう
に構成された検証モジュール
をさらに含む:請求項1に記載の包装アセンブリ(100)。
【請求項4】
少なくとも1つのデバイスセンサ(241)は、1つまたはそれ以上の検出された注射デバイス(10)に関係する注射情報を検出するように構成される、請求項1~
3のいずれか1項に記載の包装アセンブリ(100)。
【請求項5】
検出された識別情報に基づいて、1つまたはそれ以上の検出された注射デバイス(10)に関係する注射情報を取り出すように構成された注射情報記憶装置
をさらに含む:請求項1~
3のいずれか1項に記載の包装アセンブリ(100)。
【請求項6】
注射情報は、投薬期間、室温期間、または有効期限日のうちの少なくとも1つを含む、請求項
4または
5に記載の包装アセンブリ(100)。
【請求項7】
出力トランスデューサは、投薬期間の有効期限までの残りの時間の量を示す視覚出力を表示するように構成される、請求項
6に記載の包装アセンブリ(100)。
【請求項8】
出力トランスデューサは、ケース(110)内に収容されている注射デバイス(10)の有効期限日が過ぎたことを示す視覚出力を表示するように構成される、請求項
6または
7に記載の包装アセンブリ(100)。
【請求項9】
センサ配置(240)は、ケース(110)の外部に配置され、ケース(110)内に配置される前に各注射デバイス(10)を検出するように構成されたデバイスセンサ(241)を含む、請求項1~
8のいずれか1項に記載の包装アセンブリ(100)。
【請求項10】
センサ配置(240)は、ケース(110)によって収容することができるデバイス(10)の数に対応する複数のセンサ(241)を含む、請求項1~
8のいずれか1項に記載の包装アセンブリ(100)。
【請求項11】
ケース(110)は、対応する複数のデバイス(10)を受け入れるように構成された複数の開口部(151)を含み、複数のデバイスセンサ(241)は、開口部(151)に受け入れられた注射デバイス(10)を検出するように、それぞれの開口部(151)内に配置される、請求項
10に記載の包装アセンブリ(100)。
【請求項12】
包装アセンブリ(100)に入射する光を検出するように構成された光センサ(251)をさらに含む、請求項1~
11のいずれか1項に記載の包装アセンブリ(100)。
【請求項13】
包装アセンブリ(100)は、光センサ(251)によって検出される光の強度が閾値光強度を超過したことを条件として、包装アセンブリ(100)の状態を示す出力を生成するように構成された状態インジケータをさらに含む、請求項
12に記載の包装アセンブリ(100)。
【請求項14】
状態インジケータは、音声出力トランスデューサを含み;
該音声出力トランスデューサは、光センサ(251)によって検出される光の強度が閾値光強度を超過したことを条件として、予定時間に到達したことを示す音声リマインダ出力を生成するように構成される、請求項
12または
13に記載の包装アセンブリ(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、薬剤向けの包装アセンブリに関し、排他的ではないが詳細には、予定投薬時間にリマインダアラートを提供するように構成された包装アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
慢性疾患の患者は、たとえば所定の予定に基づいて、薬剤による定期的な治療を必要とする。特定の薬剤は、冷蔵収納を必要とし、多くの場合、家庭用冷蔵装置または冷蔵庫内に冷蔵収納される。在宅治療の環境では、患者は、薬剤を自身の冷蔵庫内に収納し、必要に応じて所定の用量を投与する。したがって、薬剤は、典型的には、家庭用冷蔵庫内に好都合に配置および収納できるように、2次包装で提供される。しかし、薬剤は、食品および飲料などの一定の冷蔵を必要とする他の物品ともに収納しなければならない。
【0003】
薬剤の剤形に応じて、薬剤を収容する2次包装は、1次包装された薬剤自体を収納することができ、または1つもしくはそれ以上の異なる種類の薬物送達デバイスを収納することができる。たとえば、薬剤は、充填済みシリンジまたはペン型注射器に入れて提供することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
薬剤の所定の投薬予定では、比較的長い間隔、たとえば2週間もしくは4週間、または1か月に1回の用量の投与を必要とすることがある。薬剤は、いくつかの用量を収容する2次包装で提供することができ、これらはたとえば1~6か月間冷蔵庫内に収納されることがある。患者が各予定投薬時間を追跡することは困難になる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態によれば、特許請求の範囲によって包装アセンブリが提供される。
【0006】
本発明の上記その他の態様は、以下に記載する実施形態から明らかになり、それによって解明される。
【0007】
本発明の実施形態について、例示のみを目的として、添付の図面を参照して次に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の例示的な実施形態による包装アセンブリの等角図である。
【
図2A】
図1の包装アセンブリの正面投影図である。
【
図2B】
図1の包装アセンブリの正面投影図である。
【
図4】
図4Aおよび
図4Bは、例示的な実施形態による包装アセンブリとともに使用するための自動注射デバイスの側面図である。
【
図5】例示的な実施形態による包装アセンブリの第1の例示的な動作を示す流れ図である。
【
図6】例示的な実施形態による包装アセンブリの電子機器システムのブロック図である。
【
図7-1】例示的な実施形態による包装アセンブリの第2の例示的な動作を示す流れ図である。
【
図8】任意の実施形態による包装アセンブリの例示的な使用者動作を示す流れ図である。
【
図9】任意の実施形態による包装アセンブリの例示的な使用者動作を示す流れ図である。
【
図10A】例示的な実施形態による包装アセンブリを示す正面図である。
【
図10B】例示的な実施形態による包装アセンブリを示す正面投影図である。
【
図10C】例示的な実施形態による包装アセンブリを示す正面投影図である。
【
図11A】例示的な実施形態による包装アセンブリを示す正面投影図である。
【
図11B】例示的な実施形態による包装アセンブリを示す正面投影図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態は、薬剤を送達するために複数の注射デバイスを収容および収納するように構成された包装アセンブリを提供する。注射デバイスは薬物送達デバイスの一例であり、ペン注射器または自動注射器とすることができる。包装アセンブリは、包装アセンブリ内に収納された注射デバイスを検出するように構成されており、複数のタイプの注射デバイスを収容するように構成することができる。包装アセンブリは、各注射デバイスに対する予定投薬時間に音声および/または視覚リマインダを患者へ提供するように構成される。包装アセンブリは、包装アセンブリの状態に関する状態および情報を患者に提供するために、1つまたはそれ以上のユーザインターフェース要素をさらに含むことができる。包装アセンブリは、容易に使用できる予測可能な動作を患者に提供する。
【0010】
包装アセンブリは、家庭用冷蔵装置または冷蔵庫内に収納することができる。包装アセンブリは、冷蔵庫が開いているか否かを判定するために、ドア開放センサ(door open sensor)を含むことができる。包装アセンブリは、冷蔵庫ドアが開いていることを条件として、リマインダまたはユーザインターフェース出力を提供するように構成することができる。包装アセンブリは、情報を容易かつ直感的に提供し、患者による好都合かつ慎重な使用のために冷蔵庫内の安全な収納を可能にする。
【0011】
包装アセンブリは、包装アセンブリが開かれているか否かを判定することができる。包装アセンブリは、包装アセンブリが開かれたことを検出したとき、リマインダを停止状態にすることができる。包装アセンブリの動作は、患者にとって予測可能かつ直感的である。
【0012】
薬物送達デバイスは、本明細書に記載するように、患者に薬剤を注射するように構成することができる。たとえば、送達は、皮下、筋肉内、または静脈内で行うことができる。そのような注射デバイスは、患者または看護師もしくは医師などの医療従事者が動作させることができ、様々なタイプの安全シリンジ、ペン注射器、または自動注射器を含むことができる。注射デバイスは、封止されたアンプルに使用前に穿孔することを必要とするカートリッジベースのシステムを含むことができる。これらの様々な注射デバイスによって送達される薬剤の体積は、約0.2ml~約3mlの範囲とすることができる。さらに別の注射デバイスは、「大」量の薬剤(典型的には、約2ml~約10ml)を送達するために一定期間(たとえば、約5、15、30、60、または120分)にわたって患者の皮膚に粘着するように構成された大容量デバイス(「LVD」)またはパッチポンプによって表すことができる。
【0013】
特有の薬剤と組み合わせて、本明細書に記載する注射デバイスはまた、必要とされる仕様の範囲内で動作するようにカスタマイズすることができる。たとえば、デバイスは、特定の期間(たとえば、自動注射器の場合は約3~約20秒、およびLVDの場合は約10分~約60分)の範囲内で薬剤を注射するようにカスタマイズすることができる。他の仕様には、不快レベルを低くもしくは最小にすること、または人的要因、貯蔵寿命、有効期限、生体適合性、環境への配慮などに関係する特定の条件を含むことができる。そのような変動は、たとえば約3cP~約50cPに及ぶ薬物の粘性などの様々な要因に起因することがある。したがって、注射デバイスは、サイズが約25~約31ゲージの範囲に及ぶ中空の針を含むことが多い。一般的なサイズは、27および29ゲージである。
【0014】
本明細書に記載する注射デバイスはまた、1つまたはそれ以上の自動機能を含むことができる。たとえば、針の挿入、薬剤の注射、および針の後退のうちの1つまたはそれ以上を自動化することができる。1つまたはそれ以上の自動化工程のためのエネルギーは、1つまたはそれ以上のエネルギー源によって提供することができる。エネルギー源には、たとえば機械、空気圧、化学、または電気エネルギーを含むことができる。たとえば、機械エネルギー源には、エネルギーを貯蔵または解放するためのばね、てこ、エラストマー、または他の機械的機構を含むことができる。1つまたはそれ以上のエネルギー源を組み合わせて、単一のデバイスにすることもできる。デバイスは、エネルギーをデバイスの1つまたはそれ以上の構成要素の動きに変換するために、ギア、バルブ、または他の機構をさらに含むことができる。
【0015】
自動注射器の1つまたはそれ以上の自動機能は、起動機構を介して起動することができる。そのような起動機構には、ボタン、レバー、ニードルスリーブ、または他の起動構成要素のうちの1つまたはそれ以上を含むことができる。起動は、1つの工程からなるプロセスとすることができ、または複数の工程からなるプロセスとすることができる。すなわち、使用者は、自動機能を引き起こすために、1つまたはそれ以上の起動機構を起動することが必要になる可能性がある。たとえば、使用者は、薬剤の注射を引き起こすために、ニードルスリーブを自身の体に押し当てることができる。他のデバイスでは、使用者は、注射を引き起こすために、ボタンを押し下げてニードルシールドを後退させることが必要とされる可能性もある。
【0016】
加えて、そのような起動により、1つまたはそれ以上の機構を起動することができる。たとえば、起動シーケンスにより、針の挿入、薬剤の注射、および針の後退のうちの少なくとも2つを起動することができる。いくつかのデバイスはまた、1つまたはそれ以上の自動機能を生じさせるために、特有のシーケンスの工程を必要とする可能性がある。他のデバイスは、シーケンスに依存しない工程で動作することができる。
【0017】
いくつかの送達デバイスは、安全シリンジ、ペン注射器、または自動注射器の1つまたはそれ以上の機能を含むことができる。たとえば、送達デバイスは、薬剤を自動的に注射するように構成された機械エネルギー源(典型的には、自動注射器に見られる)、および用量設定機構(典型的には、ペン注射器に見られる)を含むことができる。
【0018】
図1を参照すると、例示的な実施形態による包装アセンブリ100が示されている。包装アセンブリ100は、蓋120を有するケース110を含む。ケース110は、下面131、上面141、および2つの側壁142を含む。下面131は、デバイスの後部で上面141と交わるように湾曲している。ケース110の前端には、下面131と、上面141と、2つの側壁142との間に開口部が形成される。
【0019】
ケース110の蓋120は、ケース110の開口部を覆うように配置される。蓋120は、ケース110の2つの側壁142間にヒンジ連結により取り付けられる。蓋120は、閉位置と開位置との間でヒンジ連結により自由に動かすことができる。閉位置では、蓋120はケース110の開口部を覆うように配置される。開位置では、ケース110の開口部が露出され、ケース110の内部にアクセスすることができる。
【0020】
蓋120は、蓋120を閉位置で保持するために、掛止機構を含むことができる。掛止機構は、蓋120の縁部に配置された突出部材を含むことができる。突出部材は、蓋が閉位置にあるとき、ケース110内の対応する機能に係合するように構成することができる。突出部材は、ケース110から係合解除されて蓋120を開位置へ動かすことが可能になるように、可撓性または引き込み可能とすることができる。
【0021】
ケース110は、複数の注射デバイス10を保持および収納するように構成される。ケースの後部と蓋120との間で測定されるケース110の長さは、各注射デバイス10の長さに対応するのに十分である。ケースの長さは、160mm~180mmとすることができる。頂面141と下面131との間で測定されるケース110の深さは、各注射デバイス10の幅に対応するのに十分である。ケースの深さは、30mm~40mmとすることができる。2つの側壁142間で測定されるケース110の幅は、6つの注射デバイス10に対応するのに十分である。ケースの幅は、180mm~200mmとすることができる。いくつかの例では、ケースは、幅188.7mm、高さ174.7mm、および深さ34mmとすることができる。
【0022】
図1に示すように、ケース110の下面131は上面141より短い。蓋120は、下面131の前縁部から上面141の前縁部まで延びる。蓋120は湾曲している。この湾曲により、蓋120が閉位置でケース110の前面と底部の一部分とを形成することが可能になる。他の蓋構成も企図される。
【0023】
下面131、上面141、および2つの側壁142は、不透明な材料、たとえば不透明なプラスチック材料から形成される。蓋120は、半透明または艶消しの材料、たとえば透明なプラスチック材料に艶消しの被覆または表面処理を施したものから形成される。蓋120の一部分は透明で透過性であり、蓋120を通して観察窓121を形成する。
【0024】
ケース110は、開口部内に配置されたパネル150をさらに含む。パネル150は、ケース110の蓋120が開位置にあるときのみ見え、蓋120が閉位置にあるときは、蓋がパネル150を視界から覆い隠す。パネル150は、複数の開口部151を含む。開口部151は、対応する複数の注射デバイス10を保持するように構成される。パネル150内の開口部151は、円形の形状である。開口部151は、他のサイズの注射デバイス10に対応するように、方形の形状または矩形の形状とすることができる。各開口部の幅は、各注射デバイス10の幅に対応するのに十分である。パネル150は、ケース110の幅に沿って1列に配置された6つの注射デバイス10を保持するために、1列の6つの開口部を含む。
【0025】
包装アセンブリ100は、7つ以上または5つ以下の注射デバイス10をケース110内に保持するように構成することもできる。
【0026】
蓋120は、閉位置にあるとき、複数の注射デバイス10をケース110内の定位置で保持するように構成することができる。蓋120は、注射デバイス10がケース110から落ちたり滑り出たりすることを防止するために、閉位置に配置することができる。各注射デバイス10は、開口部151との摩擦嵌めによって、対応する開口部151内の定位置で保持することができる。
【0027】
保持機構は、複数の注射デバイス10を開口部151内の定位置で保持することができる。保持機構は、各注射デバイス10、たとえばばね式のプッシュキャッチプッシュリリース機構(sprung push-catch push-release mechanism)と係合するように構成された機械的キャッチを含むことができる。注射デバイス10は、開口部151内へ押し込まれて、保持機構のばねに押し付けられ、キャッチに係合し、注射デバイス10は2回目に押されたときにキャッチを解放する。各開口部151に対して、押下されると保持機構のキャッチを解放するように構成された解放ボタンまたはスイッチを設けることができる。
【0028】
使用者は、包装アセンブリ100を空の状態で受けることができる。使用者に複数の注射デバイス10が供給されたとき、これらの注射デバイス10を包装アセンブリ100内へ装入することができる。蓋120は開位置へ動かされ、各注射デバイス10は、開口部151のうちの対応する1つへ挿入される。蓋120は、閉位置へ動かされる。包装アセンブリ100は、第1の予定投薬時間になるまで冷蔵庫内に配置される。包装アセンブリ100は、注射デバイス10を最初に挿入する前または後に冷蔵庫内に配置することができる。
【0029】
たとえば、1つのタイプの注射デバイス10に対する投薬時間は、注射デバイス10によって提供される薬剤の処方箋および/または製品の患者リーフレットに応じて、14日おきまたは28日おきに予定することができる。いくつかの注射デバイス10の場合、薬剤の要件に応じて、予定投薬時間間の期間を2日~60日とすることができる。包装アセンブリ100は、複数のタイプの注射デバイス10を同時にまたは異なる時点で収容および収納するように構成することができる。包装アセンブリ100は、1つまたはそれ以上の異なる投薬間隔で1つまたはそれ以上の異なる薬剤を提供する複数の注射デバイス10を収容することができる。
【0030】
包装アセンブリ100は、予定投薬時間になったとき、視覚および/または音声リマインダを使用者に提供するように構成される。包装アセンブリ100は、冷蔵庫ドアが開いているか否かを判定し、冷蔵庫ドアが開いていることを条件としてリマインダを提供するようにさらに構成される。包装アセンブリ100は、蓋120が開位置にあるか、それとも閉位置にあるかを判定し、蓋120が開位置へ動かされたことを検出したとき、音声リマインダを停止状態にするようにさらに構成される。
【0031】
図2Aは、蓋120が開位置にある状態で包装アセンブリ100を前から示す。パネル150および開口部151が見える。図示の包装アセンブリ100は、複数の注射デバイス10を収容しており、各注射デバイス10は、異なるデバイスタイプとすることができる。異なるタイプの注射デバイス10は、異なる薬剤を提供することができる。別法として、異なるタイプの注射デバイス10が、異なる投薬量もしくは濃度の同じ薬剤、または薬剤を送達する異なる方法を有することができる。異なるタイプの注射デバイス10は、異なる投薬間隔を有することができる。
【0032】
包装アセンブリ100は、電子機器システム200を含む。電子機器システム200は、後述するように、1組の特有の機能を提供するようにともに接続された複数の構成要素を含む。電子機器システム200の構成要素は、プリント回路基板(PCB201)上に取り付けられているが、代わりに何らかの他の媒体を介して相互接続することができる。
【0033】
電子機器システム200は、パネル150に取り付けられる。電子機器システム200の電子構成要素のいくつかは、ユーザインターフェースのハードウェア構成要素であり、包装アセンブリ100に対するユーザインターフェース210をともに提供する。
【0034】
電子機器システム200は、ディスプレイ211を含む。ディスプレイ211は、光トランスデューサの一例である。ディスプレイ211は、2つの7セグメント発光ダイオード(LED)アレイを含む。ディスプレイ211は、蓋120内の透明の観察窓121を介して使用者に見える。電子機器システム200は、発光ダイオード(LED)アレイ220を含む。LEDアレイ220は、光トランスデューサの一例である。電子機器システム200は、リセットボタン164を含む。リセットボタン164は、入力デバイスの一例である。リセットボタン164は、使用者が押し下げることのできるばね式のプランジャボタンである。電子機器システム200は、スピーカ213(この図には示されていない)を含む。スピーカ213は、音声トランスデューサの一例である。
【0035】
LEDアレイ220は、18個の発光ダイオード(LED)からなるアレイを含む。LEDアレイ220のLEDは、パネル150上に、開口部151に近接して配置される。LEDアレイ220は、6つの開口部151の各々に対して、3つのLED221、222、223を含む。3つのLED221、222、223の各々は、異なる色で照明することができる。たとえば、LEDアレイ220は、各開口部151に対して、青色LED221、白色LED222、および赤色LED223を含むことができる。
【0036】
図2Bは、包装アセンブリ100の内部図を前から示す。PCB201の後面が示されている。
【0037】
電子機器システム200は、センサアレイ240を含む。センサアレイ240は、PCB201の後面に取り付けられる。センサアレイ240は、複数のデバイスセンサ241を含む。デバイスセンサ241の数は、包装アセンブリ100によって収納することができる注射デバイス10の数に対応する。各デバイスセンサ241は、複数の開口部151のうちの1つに近接して取り付けられる。
【0038】
デバイスセンサ241は、注射デバイス10が開口部151内に位置するとき、または開口部151への挿入中、信号を出力するように構成される。デバイスセンサ241は、無線周波アンテナを含む無線周波識別(RFID)リーダである。各デバイスセンサ241は、各開口部151に対応するループの形態である。デバイスセンサ241は、注射デバイス10上に配置されたデバイスタグ30を検出するように配置される。デバイスタグ30は、無線周波アンテナを含む受動RFIDタグである。デバイスセンサ241は電磁場を生成し、それによりデバイスタグ30を起動し、デバイスタグ30によって送信される応答信号を検出する。デバイスセンサ241は、デバイスタグ30上に記憶されているデバイス情報を読み取るように構成することができる。プロセッサ配置230は、注射デバイス10から受けたデバイス情報を記憶することができる。
【0039】
センサアレイ240は、デバイスセンサ241とは別個であるがセンサアレイ240自体の一部を形成する電子構成要素を含むことができる。デバイスセンサ241は、デバイスタグ30によって送信される信号を提供することができ、電子構成要素は、信号の解析およびプロセッサ配置230との通信を実行する。別法として、各デバイスセンサ241は、検出された信号の解析を実行するために、電子構成要素を含むことができる。さらに別法として、入来信号の解析は、プロセッサ配置230によって実行することができる。
【0040】
電子機器システム200は、
図6に概略的に示されている。電子機器システム200は、プロセッサ配置230を含む。プロセッサ配置230は、電子機器システム200の他のハードウェア構成要素の動作を制御する。プロセッサ配置230は、ユーザインターフェース210を形成するハードウェア構成要素を制御するように構成される。プロセッサ配置230は、少なくとも1つの入力センサからの1つまたはそれ以上の入力信号を処理するように構成される。
【0041】
図3を参照すると、第1の実施形態による包装アセンブリ100の分解図が示されている。包装アセンブリ100のケース110は、第1の部材130および第2の部材140を含む。ケース110の第1の部材130は、単一の部片から形成される。ケース110の第1の部材130は、包装アセンブリ100の下面131および後部を含む。下面131の各側縁部に沿って、ケース110の第2の部材140に係合するように、複数の開口部133が形成される。第1の部材130の各縁部に沿って、3つの開口部133が形成されている。第1の部材130は、複数の注射デバイス10(
図3には示されていない)をケース110内の定位置で保持するために、複数の分割部134をさらに含む。
【0042】
第2の部材140は、ケース110の上面141、第1の側壁142a、および第2の側壁142bを含む。第2の部材140は、単一の部片から形成される。第2の部材140は、複数の注射デバイス10をケース110内の定位置で保持および収納するために、複数の分割部144をさらに含む。第2の部材140の分割部144は、第1の部材130の分割部134と位置合わせされる。
【0043】
包装アセンブリ100のケース110は、複数の磁石148を含む。磁石148は、上面141の内側の定位置で固定される。ケースは、方形の配置で固定された4つの磁石148を含んでいる。複数の磁石148により、ケース110の上面141を磁気面、たとえば鋼表面に解放可能に取り付けることが可能になる。磁石148は、ネオジム磁石とすることができる。
【0044】
包装アセンブリ100は、取付板190をさらに含む。取付板190は、複数の接着ストリップ191を含む。取付板190は、接着ストリップ191を使用して、たとえば冷蔵庫内の壁または棚の下などの表面に固定することができる。取付板190は、磁気材料、たとえば鋼から形成される。ケース110は、事前に固定された取付板190に磁気的に取り付けることによって、表面に解放可能に取り付けることができる。
【0045】
取付板190は、3つの接着ストリップ191を含む。接着ストリップ191は、取付板190の幅を横切って平行に配置されており、各接着ストリップ191は、取付板の実質上全長に沿って延びる。別法として、取付板190は、取付板190上で隔置された2つの接着ストリップ191のみを含むことができ、または平行に延びる4つ以上の接着ストリップ191を含むことができる。さらに別法として、取付板190は、矩形の配置で、たとえば取付板190の各角に位置する4つの接着ストリップ191を含むことができる。取付板は、規則的なアレイで配置された任意の数の接着ストリップ191を含むことができる。
【0046】
取付板190は、別法として、接着剤なしで、棚の上面に配置することができる。ケース110は、取付板190への磁気吸引によって、棚の下に磁気的に保持することもできる。
【0047】
包装アセンブリ100は、複数の電池170をさらに含む。電池170は、ユーザインターフェース210を含む電子機器システム200の構成要素に電力を提供するように配置される。ケース110の第2の部材140は、上面141に形成された電池開口部145を含む。電池開口部145は、複数の電池170を受け入れるように構成される。電池カバー180が、包装アセンブリ100が使用されているとき、第2の部材140の電池開口部145に摺動可能に係合し、電池開口部145を覆うように構成される。電池カバー180は、ケース110の第2の部材140に係合するように配置された複数の掛止部181を含む。
【0048】
ケース110の第1の側壁142aおよび第2の側壁142bは各々、複数の係合フック143を含む。係合フック143は、それぞれの側壁の内面に配置される。各側壁142は、3つの係合フック143を含んでいる。係合フック143は各々、ケース110の第1の部材130内の対応する開口部133に係合するように構成される。各側壁142は、第1のヒンジ連結部材146を含む。各側壁142は、第1の掛止部材147を含む。
【0049】
ケース110の蓋120は、ケース110の第2の部材140の第1のヒンジ連結部材146に係合するように構成された第2のヒンジ連結部材126を含む。第1のヒンジ連結部材146および第2のヒンジ連結部材126は、蓋120をケース110の第2の部材140に取り付けるためのヒンジ106をともに形成する。たとえば、第1のヒンジ連結部材146は開口部を含み、第2のヒンジ連結部材126は、第1のヒンジ連結部材146の開口部内に嵌るように配置された突起を含む。第2のヒンジ連結部材126は、第1のヒンジ連結部材146の開口部内で回転するように構成される。
【0050】
ケース110の蓋120は、ケース110の第2の部材140の第1の掛止部材147に係合するように構成された第2の掛止部材127を含む。第2の掛止部材127は、蓋120を閉位置で維持するために、第1の掛止部材147に解放可能に係合するように構成される。たとえば、第1の掛止部材147は開口部を含み、第2の掛止部材127は、第1の掛止部材147の開口部に解放可能に係合するように構成された突起を含む。
【0051】
蓋120は、半透明のプラスチック材料から形成される。蓋120の一部分は透明で透過性であり、蓋120を通して観察窓121を形成する。
【0052】
パネル150は、ケース110の第1の部材130と第2の部材140との間の定位置で保持される。パネル150は、複数の開口部151を含む。開口部151は、対応する複数の注射デバイス10を保持するように構成される。パネル150は、ユーザインターフェース210のハードウェア構成要素に対する1つまたはそれ以上の開口部152をさらに含む。包装アセンブリ100は、電子機器システム200を含む。電子機器システム200は、ユーザインターフェース210のハードウェア構成要素、すなわちディスプレイ211、LEDアレイ220、スピーカ213、およびリセットボタン164を含む。ユーザインターフェース210のディスプレイ211は、蓋120の透明の観察窓121を通して見える。
【0053】
電子機器システム200、たとえばPCB201の支持体をパネル150の後面に取り付けるために、複数のねじ168が配置される。センサアレイ240は、PCB201の後面に取り付けられる。別法として、センサアレイ240は、PCB201の前面に配置することができる。さらに別法として、センサアレイ240は、パネル150の後面に配置することができる。電子機器システム200は、電池接点169に連結される。電池接点169は、電子機器システム200へ電力を供給するために、複数の電池170に取り付けられる。
【0054】
電子機器システム200は、リセットスイッチ215を含む。リセットボタン164は、使用者が押すように配置されたばね式のプランジャボタンである。リセットスイッチ215は、電子機器システム200上に取り付けられた機械スイッチである。リセットスイッチ215は、リセットボタン164の下に位置する。リセットスイッチ215は、リセットボタン164によって作動させられるように配置される。リセットボタン164は、リセットスイッチ215に連結することができる。
【0055】
電子機器システム200は、光センサ251を含む。光センサ251は、電子機器システム200のPCB201上に取り付けられる。光センサ251は、光センサ251に入射する光の量または強度に応じて電流を通すように構成されたフォトトランジスタを含む。光センサ251は、冷蔵庫開放センサの一例である。
【0056】
光センサ251は、固有のデバイス特性により、光の強度が閾値を超過すると、1つのタイプの(たとえば高い)信号が生じ、光の強度が閾値を下回ると、逆のタイプの(たとえば低い)信号が生じるようになっているタイプとすることができる。別法として、光センサ251のデバイスとは別個であるが光センサ自体の一部を形成する電子構成要素によって、閾値との強度の比較を実行することができる。ここで、この感光デバイスは、検出された光の強度に応じてレベルが変動する信号を提供し、電子構成要素は、閾値と比較して信号の解析を実行する。
【0057】
さらに別法として、比較は、プロセッサ配置230によってデジタル領域で実行することができる。ここで、光センサは、検出された光の強度に応じてレベルが変動する信号を提供し、この信号は、アナログデジタルトランスデューサによって変換され(すでにデジタル信号でない場合)、プロセッサ配置は、この信号を閾値と比較する。閾値がデバイス内で固有でない限り、閾値は、事前設定する(すなわち、設計もしくは製造の段階で事前決定および設定する)ことができ、または動作条件に関連して動的に調整可能とすることができる。
【0058】
この配置は、誤ったトリガの発生を低減させるために、閾値を超過する光のうち持続時間の短いバーストをフィルタリングするように構成することができ、このフィルタリングは、応答の遅い構成要素を使用することによって行うことができる。理解されるように、閾値を超過する短い持続期間の光強度から誤ったトリガが存在した場合、その結果、ユーザインターフェース構成要素の起動の持続時間が短くなる。
【0059】
電子機器システム200は、ヒンジスイッチ252を含む。ヒンジスイッチ252は、マイクロスイッチまたは他の小型のスナップ作用スイッチなどの電子機械スイッチとすることができる。ヒンジスイッチ252は、蓋開放センサの一例である。
【0060】
ヒンジスイッチ252は、蓋120が閉位置にあるとき、ケース110の蓋120に係合するように配置される。蓋120の作動部材128は、蓋120が閉位置にあるときにヒンジスイッチ252を押下するような形状である。ヒンジスイッチ252は、電子機器システム200のPCB201の縁部に取り付けられる。蓋120の作動部材128は、蓋120が閉位置にあるとき、電子機器システム200のPCB201の縁部を通すように配置される。
【0061】
電子機器システム200は、プロセッサ配置230(この図には示されていない)をさらに含む。プロセッサ配置230は、電子機器システム200上の1つまたはそれ以上のセンサおよびスイッチからの入力信号を処理するように構成される。プロセッサ配置230は、電子機器システム200上のユーザインターフェース要素の出力を制御するように構成される。
【0062】
図4Aおよび
図4Bに関して、例示的な注射デバイス10が示されている。注射デバイス10は、上述したように、薬剤を使用者の体内へ注射するように構成される。注射デバイス10はハウジング11を含み、ハウジング11は、典型的には注射予定の薬剤を収容するリザーバ(たとえば、シリンジ)と、送達プロセスの1つまたはそれ以上の工程を容易にするために必要とされる構成要素とを収容する。注射デバイス10はまた、ハウジング11に取外し可能に取り付けることができるキャップアセンブリ12を含むことができる。典型的には、使用者は、注射デバイス10を動作させることができるように、ハウジング11からキャップ12を取り外さなければならない。
【0063】
図示のように、ハウジング11は実質上円筒形であり、長手方向軸Xに沿って実質上一定の直径を有する。ハウジング11は、近位領域20および遠位領域21を有する。「近位」という用語は、注射部位に比較的近い場所を指し、「遠位」という用語は、注射部位から比較的遠い場所を指す。
【0064】
注射デバイス10はまた、ニードルスリーブ13を含むことができ、ニードルスリーブ13は、スリーブ13がハウジング11に対して動くことを可能にするようにハウジング11に連結される。たとえば、スリーブ13は、長手方向軸Xに対して平行である長手方向に動くことができる。具体的には、スリーブ13が遠位方向に動くことで、針17がハウジング11の近位領域20から延びることを可能にすることができる。
【0065】
針17の挿入は、いくつかの機構を介して行うことができる。たとえば、針17は、ハウジング11に対して固定されて位置することができ、最初は延ばされたニードルスリーブ13内に位置することができる。スリーブ13の近位端を使用者の体に押し付け、ハウジング11を近位方向に動かすことによって、スリーブ13が遠位に動くことで、針17の近位端が露出される。そのような相対的な動きにより、針17の近位端が使用者の体内へ延びることが可能になる。そのような挿入は、使用者がハウジング11をスリーブ13に対して手で動かすことを介して針17が手動で挿入されるため、「手動」挿入と呼ばれる。
【0066】
別の形態の挿入は「自動化」されており、それによって針17はハウジング11に対して動く。そのような挿入は、スリーブ13の動きによって、またはたとえばボタン22などの別の形態の起動によって、トリガすることができる。
図4Aおよび
図4Bに示すように、ボタン22は、ハウジング11の遠位端に位置する。しかし、他の実施形態では、ボタン22は、ハウジング11の側面に位置することもできる。
【0067】
他の手動または自動の機能には、薬物の注射もしくは針の後退、またはその両方を含むことができる。注射は、栓またはピストン23がシリンジ(図示せず)内の遠位の場所からシリンジ内のより近位の場所へ動かされて針17を通って薬剤をシリンジから押し出すプロセスである。いくつかの実施形態では、デバイス10が起動される前、駆動ばね(図示せず)が圧縮されている。駆動ばねの遠位端は、ハウジング11の遠位領域21内に固定することができ、駆動ばねの近位端は、ピストン23の遠位面に圧縮力を印加するように構成することができる。起動後、駆動ばね内に貯蔵されているエネルギーの少なくとも一部を、ピストン23の遠位面に印加することができる。この圧縮力は、ピストン23に作用してピストン23を近位方向に動かすことができる。そのような近位方向への動きは、シリンジ内の液体薬剤を圧縮して針17から押し出すように作用する。
【0068】
注射後、スリーブ13またはハウジング11内で針17を後退させることができる。後退は、使用者が使用者の体からデバイス10を取り外すにつれてスリーブ13が近位に動くときに行うことができる。これは、針17がハウジング11に対して固定されて位置するために行うことができる。スリーブ13の近位端が針17の近位端を越えて動き、針17が覆われた後、スリーブ13をロックすることができる。そのようなロックは、スリーブ13がハウジング11に対して遠位方向に動くことをロックすることを含むことができる。
【0069】
別の形態の針の後退は、針17がハウジング11に対して動かされた場合に行うことができる。そのような動きは、ハウジング11内のシリンジがハウジング11に対して遠位方向に動かされる場合に行うことができる。こうした遠位方向の動きは、近位領域20内に位置する後退ばね(図示せず)を使用することによって実現することができる。圧縮された後退ばねは、起動されると、シリンジを遠位方向に動かすのに十分な力をシリンジに供給することができる。十分に後退した後、針17とハウジング11との間のあらゆる相対的な動きをロッキング機構によってロックすることができる。加えて、ボタン22またはデバイス10の他の構成要素も必要に応じてロックすることができる。
【0070】
注射デバイス10は、デバイスタグ30、たとえば受動RFIDタグを含む。デバイスタグ30は、内部または外部からハウジング11上に取り付けることができる。デバイスタグ30は、電磁場内に配置されると起動され、起動されると応答信号を出力するように構成される。
【0071】
デバイスタグ30は、近位領域20と遠位領域21との間のハウジング11の中間点に配置される。デバイスタグ30は、注射デバイス10が包装アセンブリ100の開口部151に通されるとき、デバイスセンサ241と位置合わせされるように配置される。このようにして、包装アセンブリ100内に収納される注射デバイス10のデバイスタグ30は、センサアレイ240から分離され、検出の明瞭性が改善される。さらに、注射デバイス10の速度は、注射デバイス10の中間点が開口部151を通るときに概ね最大になる。したがってデバイスタグ30は、より短い期間だけ起動され、デバイスセンサ241の電力消費を最小にすることができる。
【0072】
デバイスタグ30の応答信号は、注射デバイス10に関係する情報を含むことができる。情報は、デバイスタグ30上に記憶することができ、デバイスタグ30が起動されたとき、応答信号の一部として送信することができる。デバイスタグ30は、注射デバイス10のデバイスID、デバイスタイプ、有効期限日、投薬期間、およびウォームアップ期間のうちの1つまたはそれ以上を記憶することができる。
【0073】
包装アセンブリ100は、複数の異なるタイプの注射デバイス10を収容または収納することができ、各デバイスタグ30上に異なる情報が記憶される。各注射デバイス10は、デバイスタグ30内に記憶されている異なる有効期限日、投薬期間、および/またはウォームアップ期間を有することができる。
【0074】
包装アセンブリ100の第1の例示的な動作について、
図5の流れ図を参照して次に説明する。以下、包装アセンブリ100によって行われると述べる動作は、典型的には、電子機器システム200によって、特に電子機器システム200の構成要素を制御するための命令に応じて動作するプロセッサ配置230によって行われる。
図5の流れ図は概略である。
【0075】
動作は工程5.1で開始する。
【0076】
工程5.2で、プロセッサ配置230は、包装アセンブリ100が収納されている冷蔵庫の冷蔵庫ドアが開いているか、それとも閉じているかを判定する。冷蔵庫ドアが部分的に開いている場合、プロセッサ配置230は、冷蔵庫ドアが開いていると判定する。すなわち、冷蔵庫ドアは、閉じていない場合は開いていると判定される。冷蔵庫ドアが開いていると判定された場合、動作は工程5.3へ進む。冷蔵庫ドアが開いていないと判定された場合、冷蔵庫ドアが開いていると判定されるまで、動作は工程5.2に留まる。ユーザインターフェース210は、冷蔵庫ドアが開いていることが検出されるか、それとも閉じていることが検出されるかに応じて、プロセッサ配置230によって制御することができる。
【0077】
工程5.3で、プロセッサ配置230は、包装アセンブリ100の蓋120が開位置にあるか、それとも閉位置にあるかを判定する。ユーザインターフェース210は、蓋120が開いているか否かに応じて、プロセッサ配置230によって制御することができる。蓋120が開いている場合、プロセッサ配置230は工程5.4へ進む。蓋120が開いていない場合、プロセッサ配置230は工程5.10へ進む。
【0078】
工程5.4で、プロセッサ配置230は、注射デバイス10がセンサアレイ240によって検出されたかどうかを判定する。センサアレイ240は、注射デバイス10が開口部151に出入りするとき、注射デバイス10を検出することができる。注射デバイス10がセンサアレイ240によって検出された場合、プロセッサ配置230は工程5.5へ進む。注射デバイス10がセンサアレイ240によって検出されなかった場合、プロセッサ配置230は工程5.7へ進む。
【0079】
工程5.5で、プロセッサ配置230は、検出された注射デバイス10からデバイス情報を受け、プロセッサ配置230によって記憶されているデバイス情報を更新する。プロセッサ配置230は、注射デバイス10の挿入または除去に応じて、包装アセンブリ100内に収納されている注射デバイス10の数のカウントを増大または減少させることができる。新しい注射デバイス10が開口部151内へ挿入されるときに検出された場合、プロセッサ配置230は、注射デバイス10の数のカウントを増大させることができる。収納されている注射デバイス10が開口部151から取り出されたときに検出された場合、プロセッサ配置230は、注射デバイス10の数のカウントを減少させることができる。プロセッサ配置は、同じタイプの注射デバイス10に対するデバイスインデックスを更新する。デバイスインデックスは、同じタイプの注射デバイス10の数を示す。
【0080】
ユーザインターフェース210は、注射デバイス10が包装アセンブリ100内に収納されているか、および注射デバイス10から受けたデバイス情報に応じて、プロセッサ配置230によって制御することができる。工程5.6で、プロセッサ配置230は、1つまたはそれ以上の注射デバイス10から受けたデバイス情報、および包装アセンブリ100内に収納されている注射デバイス10について記憶されている情報に基づいて、1つまたはそれ以上の活動中のカウントダウンタイマを更新する。プロセッサ配置230は次いで工程5.7へ進む。
【0081】
工程5.7で、プロセッサ配置230は、リセットボタン164が押下されたか否か、すなわちリセットボタン164を現在使用者が操作しているかどうかを確認する。リセットボタン164が押下された場合、プロセッサ配置230は工程5.8へ進む。工程5.8で、プロセッサ配置230は、完了したカウントダウンタイマをリセットする。プロセッサ配置230は、ゼロに到達した活動中のカウントダウンタイマをリセットする。
【0082】
工程5.7でリセットボタン164が押下されたと判定されなかった場合、プロセッサ配置230は工程5.9へ進む。工程5.9で、プロセッサ配置230は、包装アセンブリ100内に収納されている1つまたはそれ以上の注射デバイス10の有効期限日を確認する。ユーザインターフェース210は、1つまたはそれ以上の注射デバイス10の有効期限日に応じて制御することができる。
【0083】
工程5.10で、プロセッサ配置230は、包装アセンブリ100内に含まれている1つまたはそれ以上の電池170の充電状態を確認する。ユーザインターフェース210は、電池170の変化状態に応じて、プロセッサ配置230によって制御することができる。
【0084】
工程5.11で、プロセッサ配置は、最も低い活動中のカウントダウンタイマを確認する。プロセッサ配置230は、次の予定投薬時間までの残りの時間(たとえば、残っている日数)を判定することができる。ユーザインターフェース210は、リセットボタン164が押下されたか否か、および/またはプロセッサ配置230の最も低い活動中のカウントダウンタイマの状態に応じて、プロセッサ配置230によって制御することができる。
【0085】
工程5.12で、プロセッサ配置230は、包装アセンブリ100内に収納されている1つまたはそれ以上の注射デバイス10のデバイスインデックスを確認する。ユーザインターフェース210は、1つまたはそれ以上の注射デバイス10のデバイスインデックスに応じて制御することができる。プロセッサ配置230は、それぞれのデバイスタイプのデバイスインデックスに基づいて、注射デバイス10のデバイスタイプに対する活動中のカウントダウンタイマを解除することができる。
【0086】
工程5.13で、プロセッサ配置230は、ドア開放タイマを確認する。プロセッサ配置230は、ドア開放タイマを使用して、冷蔵庫のドアが開いている時間の量を監視する。ユーザインターフェース210は、プロセッサ配置230のドア開放タイマに応じて、プロセッサ配置230によって制御することができる。
【0087】
工程5.14で、プロセッサ配置230は、ユーザインターフェース210を形成する電子機器システム200のハードウェア構成要素を制御する。ユーザインターフェース210は、工程5.2、5.3、5.4、5.7、5.9、5.10、5.11、5.12、および5.13のいずれかで行われた判定に基づいて制御される。
【0088】
包装アセンブリ100は、次の予定投薬時間になった場合、リマインダアラートを出力するように構成される。包装アセンブリ100は、冷蔵庫のドアが開いていることを条件として、リマインダアラートを出力するように構成される。包装アセンブリ100は、蓋120が閉位置から開位置へ動かされたことを検出したとき、音声リマインダアラートを停止状態にするように構成される。包装アセンブリ100は、ドアタイマによって測定される時間の量が画成された閾値時間を上回ったとき、一部スリープ状態に入るように構成される。
【0089】
包装アセンブリ100は、包装アセンブリ100内に収納されている1つまたはそれ以上の注射デバイス10の有効期限日を過ぎた場合、インジケーションを出力するように構成される。包装アセンブリ100は、包装アセンブリ100内に含まれている1つまたはそれ以上の電池170の充電状態が低い場合、インジケーションを出力するように構成される。
【0090】
動作は工程5.15で終了する。
【0091】
図6に関して、第1の実施形態による包装アセンブリ100の電子機器システム200の概略図が示されている。電子機器システム200は、プロセッサ配置230を含む。プロセッサ配置230および他のハードウェア構成要素は、システムバス(図示せず)を介して接続することができる。各ハードウェア構成要素は、直接またはインターフェースを介して、システムバスに接続することができる。1つまたはそれ以上の電池170が、電子機器システム200に電力を提供するように配置される。
【0092】
プロセッサ配置230は、電子機器システム200の他のハードウェア構成要素の動作を制御する。プロセッサ配置230は、任意の種類の集積回路とすることができる。プロセッサ配置230はたとえば、汎用プロセッサとすることができる。プロセッサ配置230は、単コアデバイスとすることができ、または複数コアデバイスとすることができる。プロセッサ配置230は、中央処理ユニット(CPU)または汎用処理ユニット(GPU)とすることができる。別法として、プロセッサ配置230は、より専門家向けのユニット、たとえばRISCプロセッサまたはプログラマブルハードウェアとすることができ、ファームウェアが埋め込まれている。複数のプロセッサを含むことができる。プロセッサ配置230は、処理手段と呼ぶことができる。
【0093】
プロセッサ配置230は、約4MHzの内部処理クロック速度を有する。プロセッサ配置230はまた、エネルギー消費を低減させるために、2Hzの待機中クロック速度を有する。内部処理クロック速度および待機中クロック速度は、電力使用と有用性との間の均衡を提供するように選択される。クロック速度をより大きくすることで、プロセッサ配置230が入力に応答するために必要とされる時間を低減させることによって、改善された有用性が提供される。しかし、クロック速度をより大きくすると、プロセッサ配置230の電力使用が増大する。待機中クロック速度は、0.5~100Hzで選択することができる。
【0094】
電子機器システム200は、作業または揮発性メモリ232を含む。プロセッサ配置230は、揮発性メモリ232にアクセスしてデータを処理することができ、メモリ内のデータの記憶を制御することができる。揮発性メモリ232は、任意のタイプのRAM、たとえばスタティックRAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)とすることができ、またはフラッシュメモリとすることができる。複数の揮発性メモリを含むこともできるが、図からは省略されている。
【0095】
電子機器システム200は、不揮発性メモリ233を含む。不揮発性メモリ233は、プロセッサ配置230の通常動作を制御するための1組の動作命令を記憶する。不揮発性メモリ233は、読取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、または磁気駆動メモリなどの任意の種類のメモリとすることができる。他の不揮発性メモリを含むこともできるが、図からは省略されている。
【0096】
プロセッサ配置230は、動作命令の制御下で動作する。動作命令は、電子機器システム200のハードウェア構成要素に関係するコード(すなわち、ドライバ)、ならびに包装アセンブリ100の基本的な動作に関係するコードを含むことができる。動作命令はまた、不揮発性メモリ233内に記憶されている1つまたはそれ以上のソフトウェアモジュールの起動を引き起こすことができる。概して、プロセッサ配置230は、動作命令の実行中に生成されたデータを記憶するための揮発性メモリ232を一時的に使用して、不揮発性メモリ233内に恒久的または半恒久的に記憶されている動作命令のうちの1つまたはそれ以上の命令を実行する。
【0097】
プロセッサ配置230、揮発性メモリ232、および不揮発性メモリ233は、オフチップバスによって接続された別個の集積回路チップとして提供することができ、または単一の集積回路チップ上に提供することができる。プロセッサ配置230、揮発性メモリ232、および不揮発性メモリ233は、マイクロコントローラとして提供することもできる。
【0098】
電子機器システム200は、クロック234を含む。クロック234は、クロック水晶(clock crystal)、たとえば水晶発振器とすることができる。クロック234は、プロセッサ配置230にクロック信号を提供するように構成されたプロセッサ配置230とは別個の構成要素とすることができる。プロセッサ配置230は、クロック234からの信号に基づいて、実時間クロックを提供するように構成することができる。別法として、クロック234は、プロセッサ配置230とともに単一の集積回路チップ上に設けられたクロック水晶とすることができる。
【0099】
プロセッサ配置230は、少なくとも1つのカウントダウン動作を実行するように構成される。プロセッサ配置230は、包装アセンブリ100内に収納されている異なる各タイプの注射デバイス10に対して異なるカウントダウン動作を実行することができる。プロセッサ配置230は、1つまたはそれ以上のカウントダウン動作を監視して、次の予定投薬時間までの残りの日数を判定する。カウントダウン動作は、開口部151のうちの1つへの注射デバイス10の挿入がセンサアレイ240によって検出されたことに応答して設定および起動される。プロセッサ配置230は、各カウントダウンタイマに対する日数を揮発性メモリ232に記録し、記録されている日数を24時間おきに1ずつ低減させる。
【0100】
次の予定投薬時間までの各カウントダウンに対する所定の期間は、異なる各タイプのデバイスに対して異なることができる。たとえば、特定のタイプのデバイスに対して、次の予定投薬時間になるまでの期間が14日である場合、そのタイプのデバイスに対するカウントダウンタイマは14日から開始する。別のタイプのデバイスに対して、次の予定投薬時間になるまでの期間が28日である場合、そのタイプのデバイスに対するカウントダウンタイマは28日から開始する。
【0101】
24時間おきに、揮発性メモリ232に記録される日数は1ずつ低減される。プロセッサ配置230は、最も低い活動中のカウントダウンを監視して、次の予定投薬時間までの残りの日数を判定する。次の予定投薬時間まで1日残っているとき、プロセッサ配置230は、次の予定投薬時間が近いことを示す出力を生成するように、電子機器システム200を制御することができる。予定投薬時間の日、プロセッサ配置230は、次の予定投薬時間になったことを示す出力を生成するように、電子機器システム200を制御することができる。ユーザインターフェース210を形成する電子機器システム200のハードウェア構成要素を、次の予定投薬時間になったことを示すように制御することができる。ユーザインターフェース210は、特定のデバイスタイプに対して、または特定の開口部151内に収納されている注射デバイス10に対して、次の予定投薬時間になったことを示すように制御することができる。
【0102】
ある日、たとえば最初の日または最後の日に、日数の低減を24時間未満で提供することができる。たとえばこれは、20時間または22時間以内で実現することができる。これにより、カウントダウンタイマの複数回のリセット後にアラート時間がその日の遅い時間にずれることを防止するのを助けることができる。別法として、揮発性メモリ内に記録されている残り日数が1に等しいとき、プロセッサ配置230は、次の予定投薬時間になるまでの残りの時間を低減させるように構成することができる。たとえば、プロセッサ配置230は、日数をゼロに低減させるまで23時間だけ待機するように構成することができる。このようにして、予定投薬時間になる時刻は、リセットボタン164が押下された時間より1時間早くなる。
【0103】
プロセッサ配置230は、1つまたはそれ以上のタイミング動作を実行するように構成することができる。たとえば、プロセッサ配置230は、冷蔵庫のドアが開いている時間の量を監視するように、ドアタイマを動作させることができる。プロセッサ配置230は、リセットボタン164が押下されている時間の量を監視するように、リセットタイマを動作させることができる。プロセッサ配置230は、タイミング動作をゼロから開始し、増大していく時間の量を監視することができる。別法として、プロセッサ配置230は、タイミング動作を所定の時間から開始し、タイマの期限が切れるまでカウントダウンすることができる。
【0104】
プロセッサ配置230は、クロック234からの信号に基づいて、現在の日時を提供するように構成することができる。プロセッサ配置230は、包装アセンブリ100内に収納されている各注射デバイス10に対する有効期限日を監視することができる。プロセッサ配置230は、有効期限日が過去であるとき、注射デバイス10の期限が切れたと判定することができる。プロセッサ配置230は、注射デバイス10の期限が切れたことを示す出力を生成するように、電子機器システム200を制御することができる。
【0105】
プロセッサ配置230は、包装アセンブリ100内に含まれている1つまたはそれ以上の電池170の充電状態を確認するように構成することができる。充電状態は、閾値(包装配置の設計に組み入れることができる)を下回る場合、低いと判定される。充電状態は、電池170によって提供される電圧を測定すること、フル充電状態からのエネルギー使用を監視すること、またはこれら2つの技法の組合せによって判定することができる。
【0106】
電子機器システム200は、冷蔵庫開放センサ251を含む。冷蔵庫開放センサ251は、電子機器システム200上に取り付けられた光センサ、たとえばフォトトランジスタとすることができる。冷蔵庫開放センサ251は、フォトトランジスタに光が入射したとき、プロセッサ配置230に信号を提供するように構成される。たとえば、包装アセンブリ100が冷蔵庫内に収納されているとき、冷蔵庫開放センサ251は、冷蔵庫の外側からの周囲光または冷蔵庫の内部光からの光がフォトトランジスタに入射したとき、信号を提供することによって、冷蔵庫のドアが開いているというインジケーションを提供することができる。冷蔵庫ドアが閉じているとき、光はフォトトランジスタに入射せず、冷蔵庫開放センサ251は信号を提供しないか、または小さい信号を提供する。
【0107】
冷蔵庫開放センサ251は、フォトトランジスタに入射する光の量または強度に応じて、電流を通すように構成されたフォトトランジスタを含むことができる。冷蔵庫開放センサ251は、入射光の強度が閾値を超過すると、1つのタイプの(たとえば高い)信号を提供し、入射光の強度が閾値を下回ると、逆のタイプの(たとえば低い)信号を提供するように構成することができる。
【0108】
別法として、冷蔵庫開放センサ251は、フォトトランジスタに入射する光の強度に応じて、プロセッサ配置230に電流信号を提供する。受けた信号は、プロセッサ配置230によって閾値と比較することができる。閾値は、不揮発性メモリ233内に記憶されている事前設定された閾値とすることができ、または動作条件に関連して動的に調整可能とすることができる。
【0109】
プロセッサ配置230は、冷蔵庫開放センサ251から受けた信号に基づいて、包装アセンブリ100が収納されている冷蔵庫のドアが開いているか、それとも閉じているかを判定するように構成される。
【0110】
プロセッサ配置230は、冷蔵庫ドアが開かれたときにドアタイマを開始するように構成される。プロセッサ配置230は、冷蔵庫ドアが開いていることを示す光センサ251からの信号に応答して、ドア開放タイマを開始する。光センサ251からの信号を使用して、プロセッサ配置230への割込みポート入力をトリガすることができる。タイマが開始された後、デバイスは、ドア開状態にあると考えることができる。冷蔵庫ドアが閉じているとき、デバイスは、ドア閉状態にあると考えることができる。
【0111】
プロセッサ配置230は、ドアタイマによって測定される期間が閾値時間を上回ったとき、一部スリープ状態に入るように構成することができる。たとえば、プロセッサ配置230は、冷蔵庫ドアが5分間開いているとき、一部スリープ状態に入ることができる。ドア開放タイマは、所定の時間後、たとえば1分~10分の範囲内に期限が切れるように構成することができる。プロセッサ配置230は、一部スリープ状態で出力を生成しないように、電子機器システム200を制御することができる。ドア閉状態および一部スリープ状態において、プロセッサ配置230は、待機中クロック速度を変化させて電力使用を低減させる。
【0112】
デバイスは、ドアタイマが5分マークを通過したとき、ドア開状態から一部スリープ状態に遷移する。ドアタイマは、ドアが開かれたことが検出されてから5分で開始してカウントダウンすることができ、ドアが5分以内で閉じられない場合はタイマの期限が切れる。
【0113】
電子機器システム200は、蓋開放センサを含む。蓋開放センサ252は、ケース110の蓋120が閉位置にあるとき、プロセッサ配置230に信号を提供するように構成される。
【0114】
蓋開放センサ252は、ヒンジスイッチ、たとえばマイクロスイッチまたは他の小型のスナップ作用スイッチなどの電子機械スイッチとすることができる。蓋開放センサ252は、蓋120が閉位置にあるとき、蓋120を機械的に係合するように配置することができる。蓋120の作動部材128は、蓋120が閉位置にあるとき、蓋開放センサ252に係合する形状とすることができる。蓋開放センサ252は、開状態および閉状態を有する常時開スイッチとすることができる。スイッチは、押下されると開状態から閉状態へ動くように動作させることができる。スイッチは、閉状態にあるときのみ電流を通すように構成することができる。
【0115】
蓋開放センサ252は、スイッチが蓋120によって押下されて閉状態になったとき、プロセッサ配置230に信号を提供するように構成することができる。プロセッサ配置230は、蓋120が開かれているか否かを示す変数を設定するように構成することができる。プロセッサ配置230は、蓋フラグを記憶することができる。プロセッサ配置230は、蓋120が開かれていることを蓋開放センサ252が示すとき、1の値を有するように蓋フラグを設定することができる。
【0116】
電子機器システム200は、センサアレイ240を含む。センサアレイ240は、1つまたはそれ以上の注射デバイス10が包装アセンブリ100内へ挿入されたこと、または包装アセンブリ100から取り出されたことを検出するように配置される。センサアレイ240は、注射デバイス10が各開口部151に通されたか否かを検出するように構成される。センサアレイ240は、各開口部151内に注射デバイス10が存在することを示す信号をプロセッサ配置230に提供する。プロセッサ配置230は、注射デバイス10が各開口部151内に収納されているか否かを記録するデバイステーブルを揮発性メモリ232内に記憶する。
【0117】
センサアレイ240は、複数のデバイスセンサ241を含む。センサアレイ240内のデバイスセンサ241の数は、包装アセンブリ100内に収納することができる注射デバイス10の数に対応する。センサアレイ240は、各開口部151に対して1つのデバイスセンサ241を含む。
【0118】
デバイスセンサ241は、対応する開口部151に近接して取り付けられた無線周波(RF)アンテナを含む。プロセッサ配置230は、アンテナを介してRF電磁信号を送信するように、デバイスセンサ241を動作させる。注射デバイス10が開口部151に位置するとき、電磁信号は、注射デバイス10上のデバイスタグ30を起動する。デバイスタグ30は、RFアンテナおよび低電力回路を含む。デバイスタグ30は、デバイスセンサ241によって同報通信されるRF信号によって、誘導を介して電力供給される。
【0119】
デバイスタグ30は、注射デバイス10の長さの中間点に配置される。デバイスタグ30は、注射デバイス10の中間点が開口部151を通過したときに起動される。起動されると、デバイスタグ30は、RFアンテナを介して応答信号を送信する。デバイスセンサ241は、デバイスタグ30によって送信される応答信号を検出し、プロセッサ配置230に信号を提供する。プロセッサ配置230は、デバイステーブル内の情報に応じて、注射デバイス10が開口部151内へ挿入されたか、それとも開口部151から取り出されたかを判定する。プロセッサ配置230は、注射デバイス10が開口部151内へ挿入されたか、それとも開口部151から取り出されたかに応じて、デバイステーブルを更新する。
【0120】
デバイスセンサ241は、デバイスタグ30からデバイス情報を受けることができる。デバイスタグ30は、デバイス情報が記憶されている不揮発性記憶装置を含むことができる。デバイスタグ30は、デバイスセンサ241によって起動されたとき、応答信号とともにデバイス情報を送信するように構成することができる。デバイスタグ30は、注射デバイス10に対するデバイスID、デバイスタイプ、有効期限日、投薬期間、およびウォームアップ期間のうちの1つまたはそれ以上を記憶することができる。デバイスセンサ241は、デバイスタグ30から応答信号とともに送信されたデバイス情報を受けることができる。デバイスセンサ241は、受けたデバイス情報をプロセッサ配置230へ送る。
【0121】
センサアレイ240は、蓋120が開いておりかつ包装アセンブリ100が通常作業モードにあるとき、1つまたはそれ以上の注射デバイス10を走査するように、プロセッサ配置230によって動作させられる。プロセッサ配置230は、センサアレイ240から受けたデバイス情報に基づいて、デバイステーブルを更新する。
【0122】
プロセッサ配置230は、包装アセンブリ100内へ挿入されたまたは包装アセンブリ100から取り出された各注射デバイス10に対して、デバイス情報を受ける。プロセッサ配置230は、受けたデバイス情報を揮発性メモリ232内に記憶するように構成される。受けたデバイス情報は、揮発性メモリ232内でデバイステーブル内に記憶される。例示的なデバイステーブルを以下の表1に示す。
【0123】
【0124】
プロセッサ配置230は、各デバイスタグ30から受けたデバイスID、デバイスタイプ、投薬期間、および有効期限日をデバイステーブル内に記憶する。デバイステーブルは、包装アセンブリ100内に収納されている各注射デバイス10に対するエントリを含む。プロセッサ配置230は、包装アセンブリ100内の空の各位置に対してNULLエントリを記録する。
【0125】
デバイスIDは、注射デバイス10に対する固有の識別子を表す。各注射デバイス10は、デバイスタグ30上に記録された固有のデバイスIDを有する。デバイスタイプは、注射デバイス10によって提供される特有の治療に関係する。デバイスタイプは、異なる治療に対する注射デバイス10を区別する任意の機能によって画成することができる。たとえば、デバイスタイプは、各注射デバイス10内に収容されている薬剤、薬剤の体積または濃度、および投与方法のうちの1つまたはそれ以上によって画成することができる。デバイスタイプは、デバイステーブル内の1つのフィールドによって表すことができ、または別法として、2つ以上の別個のフィールドによって表すことができる。
【0126】
プロセッサ配置230は、各注射デバイス10に対するデバイスインデックスを記録する。デバイスインデックスは、包装アセンブリ100内に収納されている各タイプの注射デバイス10の数に関する。同じタイプの注射デバイス10には、プロセッサ配置230によって別個の数値デバイスインデックスが順に割り当てられる。デバイステーブル内の特定のデバイスタイプに対する最も高いデバイスインデックスは、包装アセンブリ100内に収納されている特定のタイプの注射デバイス10の数を示す。プロセッサ配置230は、各デバイスタイプに対するデバイスインデックスを別個に記録することができる。そのタイプの注射デバイス10が包装アセンブリ100内に収納されていないとき、デバイスタイプに対するデバイスインデックスは「0」になる。
【0127】
デバイスIDは、プロセッサ配置230によって検証することができる。プロセッサ配置230は、デバイスIDがプロセッサ配置230によって認識されなかった場合、視覚インジケーションを出力するように、ユーザインターフェース210を動作させることができる。
【0128】
注射デバイス10の新しいデバイスタイプがセンサアレイ240によって検出された場合、プロセッサ配置230は、そのデバイスタイプに対する投薬期間に基づいて、新しいカウントダウンタイマを開始する。カウントダウンタイマが注射デバイス10のデバイスタイプに対して活動中でない場合、たとえばデバイスタイプが包装アセンブリ100に新しく導入された場合、またはそのデバイスタイプに対する以前のカウントダウンタイマが解除された場合、そのデバイスタイプに対する投薬期間に基づいて、新しいカウントダウンタイマが開始される。
【0129】
活動中のカウントダウンタイマが冗長であると判定された場合、プロセッサ配置230は、冗長なカウントダウンタイマを解除する。たとえば、注射デバイス10が取り出され、治療が継続されなくなった場合、プロセッサ配置230は、冗長なカウントダウンタイマを解除するように構成される。活動中のカウントダウン時間がゼロに到達したとき、プロセッサ配置230は、デバイスインデックスを確認し、正しいタイプの注射デバイス10が包装アセンブリ100内に収納されているかどうかを判定するように構成される。正しい時間の注射デバイス10が包装アセンブリ100内に収納されていない場合、カウントダウンタイマは解除される。このようにして、最後の注射デバイス10が使用された後、1つのフルカウントダウン周期の有効期限まで、活動中のカウントダウンタイマは解除されず、カウントダウンタイマがゼロに到達する前に正しいタイプの注射デバイス10が補充された場合は継続することができる。
【0130】
あるタイプの注射デバイス10に対する投薬期間は、そのデバイスタイプに対する各予定投薬時間間で必要とされる期間を表す。各注射デバイス10に対する投薬期間は、デバイスタグ30上に記録することができ、デバイスセンサ241へ送信することができる。別法として、1つまたはそれ以上のタイプの注射デバイス10に対する投薬期間を、電子機器システム200の不揮発性メモリ233内に記憶することもできる。プロセッサ配置230は、デバイスセンサ241から受けたデバイス情報に基づいて、注射デバイス10に対する投薬期間をデバイステーブル内に記録することができる。
【0131】
プロセッサ配置230は、包装アセンブリ100内に収納されている各タイプの注射デバイス10に対する活動中のカウントダウンタイマを生成する。活動中の各カウントダウンタイマは、上述したように、プロセッサ配置230によって実行されるカウントダウン動作である。各デバイスタイプに対するカウントダウン時間は、投薬期間によって指定された日数で開始される。
【0132】
注射デバイス10の有効期限日は、注射デバイス10が使用に適していると考えられる最終日を表す。有効期限日が過去になった場合、注射デバイス10の期限が切れていると考えられ、使用するべきではない。プロセッサ配置230は、注射デバイス10の有効期限日が過去になったとき、期限切れフラグを記録する。
【0133】
別法として、プロセッサ配置230は、注射デバイス10の有効期限日を注射デバイス10に対する次の予定投薬時間と比較することができる。プロセッサ配置230は、次の予定投薬時間になる前に注射デバイス10の有効期限日が過ぎたとき、期限切れフラグをもう記録することができる。プロセッサ配置230は、注射デバイス10が何らかの他の理由のために使用に適していない場合、期限切れフラグを記録するようにさらに構成することができる。たとえば、包装アセンブリ100の内部温度が所定の期間にわたって高すぎると記録された場合、プロセッサ配置230は、包装アセンブリ100内に収納されている1つまたはそれ以上の注射デバイス10に対して期限切れフラグを記録することができる。
【0134】
電子機器システム200は、リセットスイッチ215を含む。リセットスイッチ215は、リセットボタン164によって作動させられたとき、プロセッサ配置230に信号を提供するように構成される。使用者は、注射デバイス10が包装アセンブリ100から取り出され、薬剤が投与されたことを示すために、リセットボタン164を押下する。
【0135】
リセットスイッチ215は、電子機器システム200上に取り付けられた機械スイッチとすることができる。リセットスイッチ215は、リセットボタン164によって作動させられるように配置される。リセットスイッチ215は、開状態および閉状態を有する常時開スイッチとすることができる。リセットスイッチ215は、押下されると開状態から閉状態へ動くように動作させることができる。リセットスイッチ215は、閉状態にあるときのみ電流を通すように構成することができる。リセットスイッチ215は、閉状態へ動かされるとプロセッサ配置230に信号を提供するように構成することができる。
【0136】
リセットボタン164は、リセットスイッチ215に連結することができる。リセットスイッチ215は、リセットボタン164の下に位置することができる。リセットボタン164が押下されると、リセットボタン164によってリセットスイッチ215を閉状態へ動かすことができる。リセットスイッチ215は、リセットボタン164によって作動させられたとき、プロセッサ配置230に信号を提供するように構成される。プロセッサ配置230は、リセットボタン164が押下されたとき、0の値を有するように蓋フラグを設定することができる。
【0137】
プロセッサ配置230は、リセットタイマを動作させるように構成される。プロセッサ配置230は、リセットタイマによって測定される期間が2秒を上回ったとき、次の予定投薬時間に対する期間をリセットするように構成される。リセットスイッチ215が閉状態へ動かされたとき、リセットタイマはゼロから開始される。別法として、リセットタイマは、リセットスイッチ215が閉じられてから2秒で開始してカウントダウンすることができ、リセットスイッチが2秒以内に開かれなかった場合はタイマの期限が切れる。
【0138】
使用者は、リセットボタン164を押下して2秒間保持し、リセットスイッチ215を閉状態で2秒間維持しなければならない。プロセッサ配置230は、リセット動作の誤ったトリガの発生を低減させるために、リセットボタン164の短い押下を取り除く。
【0139】
電子機器システム200は、ユーザインターフェース210のディスプレイ211を含む。ディスプレイ211は、通知を提供するように動作させることができる。ディスプレイ211は、包装アセンブリ100の状態のインジケーションを提供するように動作させることができる。ディスプレイ211は、状態インジケータの一例である。ディスプレイ211は、包装アセンブリ100の状態に関係する情報を示すように動作させることができる。ディスプレイ211は、LEDセグメントのうちのいくつかまたはすべてを照明することによって、00~99の任意の数を示すように動作させることができる。ディスプレイ211によって、特定の文字を示すこともできる。
【0140】
電子機器システム200は、ディスプレイドライバ235を含むことができる。ディスプレイドライバ235は、オフチップバスによって接続された別個の集積回路チップとしてプロセッサ配置230に提供することができる。別法として、ディスプレイドライバ235は、プロセッサ配置230を有する単一の集積回路チップ上に提供することができる。ディスプレイドライバ235は、7セグメントLEDディスプレイのセグメントを個々に制御するポートエキスパンダとすることができる。
【0141】
プロセッサ配置230は、次の予定投薬時間になるまでの残りの日数を示すように、ディスプレイ211を動作させることができる。プロセッサ配置230は、最も低い活動中のカウントダウンタイマ、すなわち残っている日が最も少ないカウントダウンタイマを判定するように構成される。ディスプレイ211は、最も低い活動中のカウントダウンタイマに残っている日数を示すように動作させることができる。ディスプレイ211は、次の予定投薬時間になったという視覚リマインダ出力を提供するように動作させることができる。ディスプレイ211は、次の予定投薬時間が近いという視覚リマインダ出力を提供するようにさらに動作させることができる。
【0142】
たとえば、プロセッサ配置230は、新しい起動カウントダウンタイマを14日から開始することができる。カウントダウンタイマが最も低い場合、または活動中のカウントダウンタイマだけである場合、ディスプレイ211は、14日残っていることを示すために、「14」の数字を示すように動作させられる。ディスプレイ211によって示される日数は、毎日1ずつ低減される。13日後、予定投薬時間までに1日残っているとき、ディスプレイ211は、「01」を示すように動作させられる。ディスプレイ211は、予定投薬時間が近いことを示すために、点滅または明滅するように動作させられる。ディスプレイ211は、「01」を断続的に示すことによって、点滅するように動作させられる。
【0143】
予定投薬時間の日、ディスプレイ211は、「00」を示すように動作させられる。ディスプレイ211は、予定投薬時間になったことを示すために、点滅するように動作させられる。ディスプレイ211は、「00」を断続的に示すことによって、点滅するように動作させられる。ディスプレイ211の点滅周期は、0.25秒~2秒程度とすることができる。
【0144】
プロセッサ配置230は、包装アセンブリ100内に含まれている1つまたはそれ以上の電池170の充電状態を確認することができる。充電状態が低いと判定された場合、ディスプレイ211は、電池残量低下警告(battery low warning)を示すように動作させることができる。
【0145】
ディスプレイ211によって示される電池残量低下警告は、第1の7セグメントアレイ上に大文字のLを含み、第2の7セグメントアレイ上に小文字のoを含むメッセージとすることができる。すなわち、ディスプレイ211は、「Lo」というメッセージを示すことができる。電池残量低下警告は、プロセッサ配置230の制御下で、ディスプレイ211によって断続的に示すことができる。ディスプレイ211は、電池残量低下警告を、予定投薬時間までの残りの日数と交互に示すように動作させることができる。ディスプレイ211の断続的なまたは交互の動作の周期は、0.25秒~2秒程度とすることができる。
【0146】
電子機器システム200は、ユーザインターフェース210のLEDアレイ220を含む。LEDアレイ220は、通知を提供するように動作させることができる。LEDアレイ220は、包装アセンブリ100の状態のインジケーションを提供するように動作させることができる。LEDアレイ220は、状態インジケータの一例である。
【0147】
プロセッサ配置230は、予定投薬時間になったという視覚リマインダを提供するように、LEDアレイ220を動作させることができる。予定投薬時間の日、LEDアレイ220は、視覚リマインダ出力を生成するように動作させられる。プロセッサ配置230は、注射デバイス10の期限が切れたという視覚インジケーションを提供するように、LEDアレイ220を動作させることができる。プロセッサ配置230は、開口部151のうちの1つに注射デバイス10が位置しないという視覚インジケーションを提供するように、LEDアレイ220を動作させることができる。プロセッサ配置230は、注射デバイス10の状態が正常であるという視覚インジケーションを提供するように、LEDアレイ220を動作させることができる。
【0148】
LEDアレイ220は、18個の発光ダイオード(LED)からなるアレイを含む。LEDアレイ220のLEDは、パネル150上に、開口部151に近接して配置される。LEDアレイ220は、6つの開口部151の各々に対して、3つのLED221、222、223を含む。3つのLED221、222、223の各々は、異なる色で照明することができる。たとえば、LEDアレイ220は、各開口部151に対して、青色LED221、白色LED222、および赤色LED223を含むことができる。
【0149】
開口部151に対応する白色LED222は、開口部151が空であるという視覚インジケーションを提供するように動作させられる。デバイスセンサ241が開口部151に位置する注射デバイス10を検出しなかったとき、プロセッサ配置230は、デバイステーブル内のデバイスIDに対してNULLの値を記録する。白色LED222は、デバイステーブル内の対応するエントリがデバイスIDに対してNULLの値を有するとき、プロセッサ配置230によって起動される。
【0150】
開口部151に対応する赤色LED223は、開口部151内に位置する注射デバイス10の期限が切れたという視覚インジケーションを提供するように動作させられる。赤色LED223は、デバイステーブル内の対応するエントリが期限切れフラグを有するとき、プロセッサ配置230によって起動される。
【0151】
開口部151に対応する青色LED221は、開口部151内に収納されている注射デバイス10に対する予定投薬時間になったという視覚リマインダを提供するために、点滅または明滅するように動作させられる。活動中のカウントダウンタイマが、予定投薬時間になったことを示すとき、プロセッサ配置は、カウントダウンタイマに関連付けられたデバイスタイプを判定する。プロセッサ配置230は、最も早い有効期限日を有する正しいデバイスタイプの注射デバイス10を特定する。特定された注射デバイス10の期限が切れている場合、プロセッサ配置230は、期限が切れていない注射デバイス10が特定されるまで、次に早い有効期限日を有する注射デバイス10を判定する。プロセッサ配置230が、同じデバイスタイプおよび同じ有効期限日を有する複数の注射デバイス10を特定した場合、最も低いデバイスインデックスを有する注射デバイス10が特定される。プロセッサ配置230は、特定された注射デバイス10に対応する青色LED221を点滅または明滅するように動作させる。青色LED221の点滅周期は、0.25秒~2秒程度とすることができる。
【0152】
開口部151に対応する青色LED221は、開口部151内に位置する注射デバイス10が正常状態を有するという視覚インジケーションを提供するように動作させられる。注射デバイス10の期限が切れておらず、かつ予定投薬時間になっていない場合、青色LED221が連続的に照明される。
【0153】
電子機器システム200は、ユーザインターフェース210のスピーカ213を含む。スピーカ213は、通知信号を出力するように動作させることができる。スピーカ213は、包装アセンブリ100の状態のインジケーションを提供するように動作させることができる。スピーカ213は、状態インジケータの一例である。
【0154】
プロセッサ配置230は、次の予定投薬時間になったという音声リマインダを提供するように、スピーカ213を動作させる。予定投薬時間の日、スピーカ213は、予定投薬時間になったという音声リマインダを出力するように動作させられる。スピーカ213は、断続的なトーンまたはトーンシーケンスを出力するように動作させることができる。出力される断続的なスピーカ213の周期は、0.25秒~2秒程度とすることができる。
【0155】
プロセッサ配置230は、蓋開放センサ252によって入力される信号に応じて、スピーカ213の動作を制御する。プロセッサ配置230は、記憶されている蓋フラグの値に応じて、スピーカ213の動作を制御することができる。予定投薬時間になったとき、プロセッサ配置230は、上述したように、予定投薬時間になったという音声インジケーションを出力するように、スピーカ213を動作させる。蓋開放センサ252が、ケース110の蓋120が開いていることを示す信号をプロセッサ配置230に提供したとき、プロセッサ配置230は、リマインダを停止状態にするように、スピーカ213を制御する。
【0156】
蓋開放センサ252が、蓋120が開いていることを示す信号をプロセッサ配置230に提供したとき、プロセッサ配置230は、1の値を有するように蓋フラグを設定する。プロセッサ配置230は、記憶されている蓋フラグの値が1に等しいとき、リマインダを停止状態にするように、スピーカ213を制御する。プロセッサ配置230は、リセットボタン164が押下されたとき、0の値を有するように蓋フラグをリセットし、したがって次の予定投薬時間になったとき、スピーカ213が起動される。
【0157】
このようにして、スピーカ213によって出力される音声リマインダは、蓋を使用者が開いたときのみ停止状態にされる。スピーカ213は、予定されている投薬のために注射デバイス10を取り出すために、使用者がケース110の蓋120を開いたときのみ停止状態にされる。それによって包装アセンブリ100は、予定された投薬方式に対する準拠を改善する。
【0158】
プロセッサ配置230は、冷蔵庫開放センサ251からの入力に応じて、ディスプレイ211、LEDアレイ220、およびスピーカ213を制御する。冷蔵庫開放センサ251が、プロセッサ配置230へ信号を送ることによって、冷蔵庫ドアが開いていることを示す場合、プロセッサ配置230は、上述したように、ディスプレイ211、LEDアレイ220、およびスピーカ213を制御する。冷蔵庫開放センサ251が、プロセッサ配置230へ信号を送ることによって示さない場合、プロセッサ配置230は、ディスプレイ211、LEDアレイ220、またはスピーカ213を起動しない。
【0159】
このようにして、ディスプレイ211、LEDアレイ220、およびスピーカ213は、冷蔵庫が閉じられると非活動状態になる。包装アセンブリ100のユーザインターフェース210は、冷蔵庫が開いているときのみ起動され、したがって電池170のエネルギーを節約する。
【0160】
プロセッサ配置230は、冷蔵庫ドアが開かれたとき、ドアタイマをゼロから開始するように構成される。タイマが開始された後、デバイスは、ドア開状態にあると考えることができる。プロセッサ配置230は、ドアタイマによって測定される期間が5分を上回ったとき、一部スリープ状態に入るように構成される。ディスプレイ211、LEDアレイ220、およびスピーカ213は、一部スリープ状態でプロセッサ配置230によってオフにされ、プロセッサ配置は、待機中クロック速度で動作する。
【0161】
図7に関して、包装アセンブリ100の第2の例示的な動作を示す流れ図が示されている。
図7の第2の例示的な動作は、
図5の第1の例示的な動作を補足する。
図7の第2の例示的な動作は、
図5の第1の例示的な動作を異なる形で示し、さらなる詳細を含む。
【0162】
プロセスは工程7.1で開始する。
【0163】
工程7.2で、プロセッサ配置230は、冷蔵庫ドアが開いているか否かを確認する。プロセッサ配置230は、冷蔵庫ドアが開いていることを示す信号を冷蔵庫開放センサ251から受けたかどうかを確認する。信号を受けていない場合、プロセッサ配置230は工程7.3へ進む。工程7.3で、プロセッサ配置230は、0.5秒待機してから工程7.2に戻り、冷蔵庫が開いているか否かを再び確認する。冷蔵庫ドアが開いていることを示す信号が、プロセッサ配置230によって受けられた場合、プロセッサ配置230は工程7.4へ進む。工程7.4で、プロセッサ配置230は、タイマを開始して、冷蔵庫ドアがどれだけ長く開いているかを監視する。
【0164】
工程7.5で、プロセッサ配置230は、蓋120の作動部材128によってヒンジスイッチ252が押下されたことを示す信号を蓋開放センサ252から受けたか否かを確認することによって、蓋120が開いているか否かを判定する。蓋120が開いていないとプロセッサ配置230が判定した場合、プロセッサ配置230は工程7.26へ進む。そうではなく、蓋120が開いているとプロセッサ配置230が判定した場合、プロセッサ配置230は工程7.6へ進む。
【0165】
工程7.6で、プロセッサ配置230は、注射デバイス10が存在するかどうか、各デバイスセンサ241を確認する。プロセッサ配置230は、デバイスタグ30がデバイスセンサ241のいずれかに近接しているか否かを判定するように、センサアレイ240を動作させる。複数のデバイスセンサ241の各々によって、RF信号が送信される。プロセッサ配置230は、デバイスセンサ241によって応答信号が検出された場合、センサアレイ240からの信号を受ける。この場合、プロセッサ配置230は工程7.7へ進む。プロセッサ配置230は、デバイス情報がデバイスセンサ241によって受けられた場合、センサアレイ240からデバイス情報を受ける。センサアレイ240から信号を受けなかった場合、プロセッサ配置は工程7.12へ進む。
【0166】
工程7.7で、プロセッサ配置230は、センサアレイ240から受けたデバイス情報を確認する。プロセッサ配置230は、検出された注射デバイス10に対するデバイスIDを確認する。受けたデバイスIDがデバイステーブル内にすでに記憶されている場合、プロセッサ配置230は、注射デバイス10が包装アセンブリ100から取り出されていると判定し、工程7.8へ進む。
【0167】
工程7.8で、プロセッサ配置230は、注射デバイス10が取り出されたことに基づいて、デバイステーブルを更新する。必要な場合、プロセッサ配置230は、同じデバイスタイプのあらゆる注射デバイス10に対するデバイスインデックスを更新する。注射デバイス10に対するデバイスインデックスは、包装アセンブリ100から取り出された注射デバイスを差し替えるために、1ずつ低減させることができる。プロセッサ配置230は、取り出された注射デバイス10に対応するデバイステーブルのエントリに対するデバイスIDフィールド内にNULLの値をさらに記録する。
【0168】
検出された注射デバイス10が新しいデバイスIDを有すると、プロセッサ配置230が工程7.7で判定した場合、プロセッサ配置230は工程7.9へ進む。
【0169】
工程7.9で、プロセッサ配置230は、センサアレイ240によって検出された注射デバイス10に対するデバイスIDおよびデバイスタイプを記憶する。プロセッサ配置230は、注射デバイス10のデバイスIDおよびデバイスタイプをセンサアレイ240から受け、受けたデバイスIDおよびデバイスタイプを揮発性メモリ232内に記録する。各開口部151に対する受けたデバイスIDおよびデバイスタイプは、揮発性メモリ232内に記憶されているデバイステーブルの対応するエントリ内に記録される。
【0170】
工程7.10で、プロセッサ配置230は、デバイスインデックスを有していないデバイステーブル内のエントリに対するデバイスインデックスを記録する。包装アセンブリ100に新しく追加された各注射デバイス10に対して、デバイスインデックスが生成および記憶される。デバイスインデックスは、注射デバイス10のデバイスタイプ、包装アセンブリ100内にすでに収納されている同じデバイスタイプの注射デバイス10の数に応じて生成される。
【0171】
工程7.11で、プロセッサ配置230は、注射デバイス10の新しく追加された各デバイスタイプに対して新しいタイマを作成する。プロセッサ配置230は、デバイステーブル内の各エントリに対するデバイスタイプを確認し、各デバイスタイプに対して、対応するカウントダウンタイマが活動中であることを確認する。活動中のカウントダウンタイマを有していないあらゆるデバイスタイプに対して、プロセッサ配置は、新しいカウントダウンタイマを開始する。新しいカウントダウンタイマは、デバイステーブル内に記憶されているデバイスタイプに対する期間に基づいて開始される。
【0172】
工程7.12で、プロセッサ配置230は、リセットボタン164が押下されたか否かを確認する。プロセッサ配置230は、リセットボタン164が2秒以上押し下げられた場合のみ、カウントダウンタイマを予定投薬時間にリセットするように構成される。リセットボタン164が押下されたことをプロセッサ配置230が検出した場合、プロセッサ配置230は工程7.13へ進む。工程7.13で、プロセッサ配置230は、リセットタイマを開始して、リセットボタン164がどれだけ長く押下されているかを監視する。
【0173】
タイマを開始した後、プロセッサ配置230は工程7.14へ進み、0.5秒待機する。工程7.15で、プロセッサ配置230は、現在の日数とともにオンおよびオフに点滅するように、ディスプレイ211を動作させる。別法として、ディスプレイ211は、現在の日数と、リセット動作が開始予定であることを示すメッセージとを交互に示すことができる。たとえば、ディスプレイ211は、「--」というメッセージを示すことができる。予定投薬時間にリセットボタン164が押下された場合、ディスプレイ211は、「00」および「--」を交互に示す。さらに別法として、ディスプレイ211は、現在の日数およびリセット予定のカウントダウンタイマに対する投薬期間内の日数を交互に示すことができ、たとえばディスプレイは、「00」および「14」を交互に示すことができる。
【0174】
工程7.16で、プロセッサ配置230は、リセットタイマが2秒を上回っているか否かを確認する。リセットタイマが2秒を下回っている場合、プロセッサ配置230は工程7.17へ進む。工程7.17で、プロセッサ配置230は、リセットボタンが解放されているか否かを確認する。
【0175】
リセットタイマが2秒に到達する前に、リセットボタン164が解放されていることが分かった場合、工程7.23で、プロセッサ配置230は通常動作を継続する。リセットボタン164が解放されていなかった場合、プロセッサ配置230は工程7.14に戻って0.5秒待機してから、工程7.16で、リセットタイマを再び確認する。
【0176】
リセットタイマが2秒を上回っていることをプロセッサ配置230が見出した場合、プロセッサ配置230は、工程7.18から始まるリセット動作を実施する。工程7.18で、プロセッサ配置230は、リセット動作が開始されたことを使用者に示すために、短いアラート音を出力するように、スピーカ213を動作させる。
【0177】
工程7.19で、プロセッサ配置230は、カウントダウンタイマが完了した場合、カウントダウンタイマをリセットする。複数のカウントダウンタイマが活動中でありかつ同時に完了した場合、プロセッサ配置230は、最近取り出された注射デバイス10のデバイスタイプに対応するカウントダウンタイマをリセットすることができる。カウントダウンタイマは、デバイステーブル内に記憶されているデバイスタイプに対するタイマ期間に基づいてリセットされる。
【0178】
工程7.20で、プロセッサ配置230は、最も低い活動中のカウントダウンタイマに対する残っている日数を示すように、ディスプレイ211を動作させる。プロセッサ配置230は、活動中の各カウントダウンタイマを確認し、有効期限までの残りの日が最も少ないカウントダウンタイマを判定する。
【0179】
工程7.21で、プロセッサ配置230は、リセットボタン164が解放されているか否かを確認する。リセットボタン164が解放されていない場合、プロセッサ配置230は工程7.22へ進み、0.5秒待機する。次いで、プロセッサ配置230は工程7.21へ戻り、リセットボタン164が解放されているか否かを再び確認する。リセットボタン164が解放されていると判定されたとき、工程7.23で、プロセッサ配置230は通常動作を継続する。
【0180】
工程7.23で、プロセッサ配置230は、包装アセンブリ100内に収納されている各注射デバイス10に対する有効期限の状態を確認する。デバイステーブル内の各エントリに対して、プロセッサ配置230は、記憶されている有効期限日を確認する。記憶されている有効期限日が過去である場合、プロセッサ配置230は、対応する注射デバイス10の期限が切れていると判定する。
【0181】
工程7.24で、プロセッサ配置230は、期限が切れた各注射デバイス10に対して期限切れフラグを設定する。期限切れフラグは、工程7.23で期限が切れたと判定された各注射デバイス10に対してデバイステーブル内に記録される。
【0182】
別法として、プロセッサ配置230は、注射デバイス10の有効期限日を注射デバイス10に対する次の予定投薬時間と比較することができる。プロセッサ配置230は、次の予定投薬時間になる前に注射デバイス10の期限が切れると判定することができる。プロセッサ配置230は、次の予定投薬時間前に注射デバイス10の有効期限日が過ぎるとき、期限切れフラグを記録することができる。
【0183】
工程7.25で、プロセッサ配置230は、デバイステーブル内の対応するエントリに応じて、各開口部151に対するLEDアレイ220を制御する。デバイステーブル内のエントリが期限切れフラグを示す場合、プロセッサ配置230は、赤色LED223を起動するように、LEDアレイ220を動作させる。デバイステーブル内のエントリのデバイスIDが、開口部151が空であることを示す場合、プロセッサ配置230は、白色LED222を起動するように、LEDアレイ220を動作させる。プロセッサ配置230は、期限が切れていない注射デバイス10を収容している各開口部151に対して青色LED221を起動するように、LEDアレイ220を動作させる。注射デバイス10の状態が正常である場合、青色LED221は、一定の照明で起動される。
【0184】
工程7.26で、プロセッサ配置230は、電池170の残量が少ないか否かを確認する。電池170が低充電状態を有する場合、プロセッサ配置230は、それを使用者に示すように、ユーザインターフェース210を動作させる。
【0185】
充電状態は、画成された閾値を下回る場合、低いと判定される。この閾値は、包装配置の設計に組み入れることができる。充電状態は、電池170によって提供される電圧を測定すること、フル充電状態からのエネルギー使用を監視すること、またはこれら2つの技法の組合せによって判定することができる。
【0186】
工程7.27で、プロセッサ配置230は、電池残量低下警告メッセージをカウントダウンの日数と交互に示すように、ディスプレイ211を動作させる。
【0187】
ディスプレイ211によって示される電池残量低下警告は、第1の7セグメントアレイ上に大文字のLを含み、第2の7セグメントアレイ上に小文字のoを含む。すなわち、ディスプレイ211は、「Lo」というメッセージを示す。たとえば、予定投薬時間までのカウントダウンの日数が0日である場合、ディスプレイ211は、「Lo」というメッセージおよび数字の0(「00」)を交互に示す。
【0188】
電池170が低充電状態を有していない場合、プロセッサ配置230は、最も低い活動中のカウントダウンタイマの状態を確認する。まず工程7.28で、プロセッサ配置230は、カウントダウンが0日に到達したかどうかを確認する。カウントダウンが0日に到達していない場合、プロセッサ配置230は工程7.29へ進む。工程7.29で、プロセッサ配置230は、カウントダウンが1日であるかどうかを確認する。カウントダウンが0日または1日ではない場合、プロセッサ配置230は、予定投薬時間までのカウントダウンが1日より大きいと判定する。
【0189】
予定投薬時間までのカウントダウンが0日である場合、プロセッサ配置230は、予定投薬時間になったと判定する。
【0190】
7.30で、プロセッサ配置230は、ゼロに到達した活動中のカウントダウンタイマがまだ必要とされていることを確認する。特定のデバイスタイプに対する予定投薬時間になった場合、プロセッサ配置230は、そのタイプの少なくとも1つの注射デバイス10が包装アセンブリ100内に収納されていることを確認する。プロセッサ配置230は、デバイステーブル内のデバイスタイプに対して記憶されているデバイスインデックスを確認する。正しいタイプの注射デバイス10が包装アセンブリ100内に記憶されていない場合、デバイスインデックスは「0」である。そのデバイスタイプに対するフルカウントダウンタイマ期間を超えてデバイスインデックスが「0」である場合、プロセッサ配置230は工程7.31へ進み、カウントダウンタイマを解除する。工程7.30で、デバイスインデックスが「0」でなかった場合、プロセッサ配置230は工程7.32へ進む。
【0191】
工程7.32で、プロセッサ配置230は、蓋120の作動部材128によってヒンジスイッチ252が押下されたことを示す信号を蓋開放センサ252から受けたか否かを確認することによって、蓋120が開いているか否かを判定する。蓋120が開いていないとプロセッサ配置230が判定した場合、プロセッサ配置230は工程7.33へ進む。
【0192】
工程7.33で、プロセッサ配置230は、記憶されている蓋フラグの値が1に等しいか否かを確認する。蓋フラグは、蓋120が開かれているか否かを示す。蓋が開かれていない場合、蓋フラグの値は0である。蓋フラグが1に等しくないとき、プロセッサ配置230は、蓋120が開かれていないと判定する。蓋フラグが1に等しくないとき、プロセッサ配置は工程7.34へ進む。工程7.34で、プロセッサ配置230は、通知アラート音を出力するように、スピーカ213を動作させる。プロセッサ配置230は、日数、すなわち0日を点滅させるように、ディスプレイ211を動作させる。蓋120が開かれている場合、工程7.32で、プロセッサ配置230は蓋120が開いていると判定する。工程7.35で、プロセッサ配置230は、1の値を有するように蓋フラグを設定する。蓋フラグは、蓋120が開かれているか否かを示す。
【0193】
工程7.36で、プロセッサ配置230は、注射期限のデバイスタイプの注射デバイス10を収容している開口部151に対する青色LED221を起動するように、LEDアレイ220を動作させる。プロセッサ配置230は、0日に到達したカウントダウンタイマに対応する注射デバイス10のデバイスタイプを判定する。プロセッサ配置230は、有効期限に最も近い正しいデバイスタイプの注射デバイス10を示唆する。プロセッサ配置230は、そのデバイスタイプに対する最も早い有効期限日を示すデバイステーブル内のエントリを判定する。プロセッサ配置230は、判定されたエントリに対応する開口部151に対する青色LED221を起動する。プロセッサ配置230は、明滅するように青色LED221を動作させる。
【0194】
デバイスタイプに対する最も早い有効期限日を示すエントリが、期限切れフラグを示している場合、プロセッサ配置230は、期限が切れていない注射デバイス10が特定されるまで、次に早い有効期限日を有するエントリへ進む。プロセッサ配置230が、同じデバイスタイプおよび同じ有効期限日を有する複数の注射デバイス10を特定した場合、最も低いデバイスインデックスを有する注射デバイス10が特定される。期限切れフラグをもたないデバイスタイプに対するエントリが利用可能でない場合、プロセッサ配置230は、対応する開口部151の赤色LED223を明滅させるように動作させることができる。このようにして、このタイプの収納されている注射デバイス10のすべての期限が切れたとき、注射期限の注射デバイス10のタイプを使用者に知らせることができる。
【0195】
工程7.37で、プロセッサ配置230は、スピーカ213を停止状態にする。プロセッサ配置230は、日数、すなわち0日を点滅させるように、ディスプレイ211を動作させる。
【0196】
このようにして、必要とされる注射デバイス10を取り出すために使用者が蓋120を開くことのみによって、スピーカ213によって出力される通知アラート音を停止状態にすることができる。それによって包装アセンブリ100は、投薬方式に対する準拠を改善する。
【0197】
蓋120が閉じられ、工程7.33でプロセッサ配置230が蓋フラグの値が1に等しいと判定した場合、プロセッサ配置は工程7.37へ進む。工程7.37で、プロセッサ配置230は、スピーカ213を停止状態にする。蓋120が開かれた後に再び閉じられた場合、スピーカ213は停止状態のままである。
【0198】
予定投薬時間までの日数が1日である場合、プロセッサ配置230は工程7.38へ進む。工程7.38で、プロセッサ配置230は、カウントダウンの日数を点滅させるように、ディスプレイ211を動作させる。この場合、ディスプレイ211は「01」を点滅させる。
【0199】
予定投薬時間までの日数が1日より大きい場合、プロセッサ配置230は工程7.39へ進む。工程7.39で、プロセッサ配置230は、残っている日数を示すように、ディスプレイ211を動作させる。
【0200】
それによってプロセッサ配置230は、予定投薬時間までの残りの日数および電池170の充電状態に応じて、ディスプレイの出力を制御し、ケース110の蓋120が開いているか否かに応じて、スピーカ213を動作させる。
【0201】
ユーザインターフェース210の出力を設定した後、プロセッサ配置230は工程7.40へ進み、0.5秒待機する。冷蔵庫ドアが開いている間の待機期間は、デバイスがドア開状態にあるときの正常な処理クロック速度に対応するように、より短くすることができる。待機期間および/またはクロック速度は、応答性および電力消費に対する要件に基づいて設定することができる。
【0202】
工程7.41で、プロセッサ配置230は、冷蔵庫ドアが閉じているか否かを確認する。プロセッサ配置230は、冷蔵庫ドアが開いていることを示す信号を冷蔵庫開放センサ251からまだ受けているかどうかを確認する。冷蔵庫ドアが開いているとプロセッサ配置230が判定した場合、プロセッサ配置230は工程7.42へ進む。
【0203】
工程7.42で、プロセッサ配置230は、ドアタイマの現在の時間を確認する。プロセッサ配置230は、ドアタイマが5分を上回っているか否かを確認する。すなわち、プロセッサ配置230は、冷蔵庫のドアが5分を超えて開いているかどうかを確認する。冷蔵庫のドアが5分未満の期間にわたって開いている場合、プロセッサ配置230は、ドアタイマを開始する始点の直後にある工程7.5の以前の動作点へ戻る。プロセッサ配置230は、リセットボタン164を再び確認し、予定投薬時間までのカウントダウンを確認し、電池170の充電状態を確認し、蓋120の状態を確認してから、ユーザインターフェース210の出力を設定する。
【0204】
5分より長い期間にわたって冷蔵庫のドアが開いているとプロセッサ配置230が判定した場合、プロセッサ配置230は、一部スリープ状態に入るように、ユーザインターフェース210を制御する。工程7.43で、プロセッサ配置230は、電力を節約するために、LEDアレイ220、スピーカ213、およびディスプレイ211をオフにする。工程7.44で、プロセッサ配置230は、冷蔵庫ドアが閉じているか否かを再び確認する。冷蔵庫ドアが開いているとプロセッサ配置230が判定した場合、プロセッサ配置230は工程7.45へ進んで0.5秒待機してから、工程7.43に戻る。
【0205】
工程7.44で、冷蔵庫ドアが閉じているとプロセッサ配置230が判定した場合、プロセッサ配置230は工程7.46へ進む。工程7.46で、プロセッサ配置230は、LEDアレイ220、ディスプレイ211、およびスピーカ213をオフにする。工程7.47で、プロセッサ配置230は、0の値を有するように蓋フラグを設定してから、工程7.3に戻る。工程7.3で、プロセッサ配置230は、0.5秒待機してから、上述したように、冷蔵庫ドアが開かれているか否かを確認する。
【0206】
これにより、光センサによって感知される光の強度が画成された光の閾値量を上回ると判定したことに応答して起動されるドア開放タイマが提供される。ドア開放タイマは、光センサによって感知される光の強度が光の閾値量を下回ると判定したことに応答して取り消される。これは、ドアが閉じられたことに対応する。ドア開放タイマが取り消される前に時間の期限が切れた場合、冷蔵庫ドアが意図せずに開いたままであると判定され、0日までの残りの時間の光および音声アラートならびに視覚インジケーションが阻止される。これにより、有用なアラートをほとんど低減させることなく、デバイスの電力消費が低減される。冷蔵庫ドアが再び閉じられた後、通常動作が再開する。次に冷蔵庫ドアが再び開かれると、ドア開放モードで通常のとおり、アラートおよびインジケーションが生じる。
【0207】
包装アセンブリ100の第1の例示的な使用者動作について、
図8に関して次に説明する。
【0208】
動作は工程8.1で開始する。
【0209】
工程8.2で、使用者は、包装アセンブリ100を受ける。包装アセンブリ100は、空にすることができる。包装アセンブリ100は、1つまたはそれ以上の電池170を含むことができる。別法として、使用者は、電池開口部145内へ電池170を挿入することができる。
【0210】
工程8.3で、取付板190は、接着ストリップ191を使用して冷蔵庫の内面に固定される。
【0211】
工程8.4で、包装アセンブリ100のケース110は、磁石148によって取付板190に取り付けられる。空の包装アセンブリ100は、ケース110の内部温度が冷却されて冷蔵庫の温度に到達するまで、冷蔵庫内に配置することができる。
【0212】
工程8.5で、使用者は、複数の注射デバイス10を受ける。使用者は、包装アセンブリ100内に収納するために、任意のタイプの注射デバイス10を6つまで受けることができる。
【0213】
工程8.6で、使用者は、注射デバイス10を包装アセンブリ100の開口部151に入れる。各注射デバイス10が開口部151内へ挿入されると、その開口部151に対応するデバイスセンサ241は、注射デバイス10のデバイスタグ30を検出する。センサアレイ240は、新しく挿入された注射デバイス10からデバイス情報を受け、それに応じてデバイステーブルを更新する。
【0214】
プロセッサ配置230によって、包装アセンブリ100内へ挿入された注射デバイス10の新しい各デバイスタイプに対して、活動中のカウントダウンタイマが設定される。活動中の各カウントダウンタイマに対する期間は、デバイスタイプに応じて設定される。ここで使用者は、次の予定投薬時間になるまで、冷蔵庫を正常どおり使用することができる。
【0215】
次の予定投薬時間になると、冷蔵庫を開いたときに使用者にリマインダアラートが提供される。視覚リマインダアラートを使用者に提供することができる。音声リマインダアラートを使用者に提供することができる。
【0216】
工程8.7で、リマインダアラートに応答して、使用者は、注射デバイス10を包装アセンブリ100から取り出す。包装アセンブリ100の蓋120が開かれたとき、音声リマインダアラートは停止状態にされる。
【0217】
工程8.8で、使用者は、注射デバイス10を使用して薬剤を投与する。
【0218】
工程8.9で、使用者は、リセットボタンを少なくとも2秒間保持する。プロセッサ配置230は、ゼロに到達した活動中のカウントダウンタイマをリセットし、リマインダアラートは停止状態にされる。
【0219】
工程8.10で、使用者は、包装アセンブリ100内に残っている注射デバイス10の数を確認する。少なくとも1つの注射デバイス10が包装アセンブリ100内に存在する場合、使用者は工程8.7に戻る。使用者は、次の予定投薬時間になるまで、冷蔵庫を正常どおり引き続き使用する。
【0220】
包装アセンブリ100内に注射デバイス10が残っていない場合、工程8.11で、使用者は、療法を継続するべきかどうかを判定する。継続する場合、使用者は、注射デバイス10のさらなるバッチを獲得しまたは受け、動作は工程8.5から継続される。継続しない場合、動作は工程8.12で終了する。次の予定投薬時間になったとき、包装アセンブリ100が補充されていない場合、プロセッサ配置230は活動中のカウントダウンタイマを解除し、動作は終了する。
【0221】
図9に関して、包装アセンブリ100の第2の例示的な使用者動作を示す流れ図が示されている。
図9の第2の例示的な使用者動作は、
図8の第1の例示的な使用者動作を補足する。
図9の第2の例示的な使用者動作は、
図8の第1の例示的な使用者動作の一部を異なる形で示し、さらなる詳細を含む。
【0222】
動作は工程9.1で開始する。
【0223】
工程9.2で、使用者は冷蔵庫ドアを開く。使用者は、具体的には包装アセンブリ100を確認するために、または自身の日課の一部として、冷蔵庫ドアを開くことがある。使用者は、冷蔵庫から食品を取り出したり、または冷蔵庫に食品を入れたりすることができる。
【0224】
最も低い活動中のカウントダウンタイマに残っている日数が1日より大きい場合、工程9.3で、カウントダウンタイマが0日に等しくなければ、動作は工程9.4へ進む。最も低い活動中のカウントダウンタイマが1日に等しくなければ、動作は工程9.5へさらに進む。
【0225】
工程9.5で、ディスプレイ211は、次の予定投薬時間までの残りの日数を示す。使用者は、半透明の蓋120を通して、ディスプレイ211の静止した青色光を見ることができる。使用者は、観察窓121を通してディスプレイを読み取ることができる。ディスプレイ211は、最も低い活動中のカウントダウンタイマに残っている日数を示す。この日数は、工程9.17で使用者が冷蔵庫ドアを閉じるまで示される。この例示の目的のため、ドアが開かれてから5分以内に使用者は冷蔵庫ドアを閉じると想定され、したがってディスプレイおよび音声アラートの阻止は提供されない。
【0226】
次の予定投薬時間までの残りの日数が1日である場合、工程9.4で、最も低い活動中のカウントダウンタイマは1日に等しいと判定され、動作は工程9.6へ進む。
【0227】
工程9.6で、ディスプレイ211は、次の予定投薬時間まで残っている日数を点滅させる。すなわち、ディスプレイ211は「01」を点滅させる。使用者は、半透明の蓋120を通して、ディスプレイ211の点滅している青色光を見ることができる。使用者は、観察窓121を通してディスプレイ211を読み取ることができる。工程9.17で使用者が冷蔵庫を閉じるまで、「01」の数字が点滅する。
【0228】
次の予定投薬時間まで残っている日数が0日になった場合、工程9.3で、最も低い活動中のカウントダウンタイマは0日に等しいと判定され、動作は工程9.7へ進む。
【0229】
工程9.7で、ディスプレイ211は、「00」の数字を点滅させ、スピーカ213は、断続的なトーンまたはトーンシーケンスを出力する。使用者は、半透明の蓋120を通して、ディスプレイ211の点滅している青色光を見ることができる。使用者は、観察窓121を通してディスプレイ211を読み取ることができる。使用者は、スピーカ213によって出力される断続的なトーンまたはトーンシーケンスを聞くことができる。
【0230】
工程9.8で、使用者は、包装アセンブリ100の蓋120を開く。
【0231】
工程9.9で、スピーカ213がオフにされる。スピーカ213は、蓋120が閉位置から開位置へ動かされたことに応答してオフにされる。使用予定の注射デバイス10を収容している開口部151に対する青色LED221が点滅する。使用者は、点滅している青色LED221を見て、どの注射デバイス10が次に使用予定であるかを判定することができる。
【0232】
工程9.10で、使用者は、包装アセンブリ100の示唆されている開口部151から注射デバイス10を取り出す。取り出された注射デバイス10のデバイスタグ30から得られたデバイス情報に応じて、デバイステーブルが更新される。
【0233】
工程9.11で、使用者はリセットボタン164を押す。使用者は、リセットボタン164を押し下げたまま保持する。
【0234】
工程9.12で、ディスプレイ211は、リセットボタン164が押されたことに応答して点滅する。上述したように、ディスプレイは、予定投薬時間までの現在の日数と交互に「--」を点滅させることができ、または別法として、ディスプレイは、たとえば「14」と「00」とを点滅させることができる。
【0235】
工程9.13で、リセットボタン164が2秒間保持された後、スピーカ213は、簡単なアラート音を出力し、カウントダウンタイマがリセットされる。
【0236】
工程9.14で、使用者はリセットボタン164を解放する。
【0237】
工程9.15で、ディスプレイ211は、次の予定投薬時間までの残りの日数を示す。ディスプレイ211は、最も低い活動中のカウントダウンタイマに残っている日数を示す。
【0238】
工程9.16で、使用者は蓋120を閉じる。
【0239】
工程9.17で、使用者は冷蔵庫ドアを閉じる。
【0240】
動作は工程9.18で終了する。
【0241】
図10Aに関して、例示的な実施形態による包装アセンブリ100が示されている。電子機器システム200およびユーザインターフェース210の要素は、見やすくするために省略されている。以下に記載しない要素は、第1の実施形態の要素と実質上同じである。
【0242】
センサアレイ240は、単一のデバイスセンサを含む。センサアレイ240は、無線周波アンテナを含む無線周波識別(RFID)リーダである。センサアレイ240は、複数の開口部151によって画成される全幅にわたって延びる。センサアレイ240は、PCB201(図示せず)から後方へ延びて水平ループを形成するワイヤとして形成される。センサアレイ240は、ケース内に収納されている複数の注射デバイス10の下で、ケース110のベースに隣接して配置される。別法として、センサアレイ240は、複数の注射デバイス10の上に位置することができる。センサアレイ240は、PCB201のすぐ後ろでケース110の前端に配置される。
【0243】
センサアレイ240は、注射デバイス10が開口部151のうちの1つを通過するとき、注射デバイス10のデバイスタグ30を検出するように配置される。センサアレイ240は、開口部151のすぐ後ろで、ケース110の前端に電磁場を生成する。複数の開口部151のいずれかを通過した注射デバイス10は、センサアレイ240によって生成される電磁場を通過する。複数の開口部151のうち注射デバイス10が挿入される特有の開口部151は、信号ランタイムから特定することができ、PCBからより遠い特有の開口部からの信号の信号ランタイムは、PCBにより近い特有の開口部の信号ランタイムより長くなる。注射デバイス10がケース110内で完全に定位置にあるとき、デバイスタグ30は、センサアレイ240の電磁場から変位する。
【0244】
図10Bに関して、例示的な実施形態による包装アセンブリ100が示されている。電子機器システム200およびユーザインターフェース210の要素は、見やすくするために省略されている。以下に記載しない要素は、第1の実施形態の要素と実質上同じである。
【0245】
センサアレイ240は、複数のデバイスセンサ241を含む。各デバイスセンサ241は、光源242および光検出器243を含む光ゲートとして形成される。光源および光検出器は、開口部151のうちの1つをまたいで両側に配置される。複数の開口部151の各々をまたいで、光ゲートが形成される。デバイスセンサ241は、光源からの光が光検出器によって受けられるか否かに応じて、注射デバイス10が各開口部内に位置するか否かを判定する。光源は、たとえばLEDまたはレーザとすることができる。
【0246】
図10Cに関して、例示的な実施形態による包装アセンブリ100が示されている。電子機器システム200およびユーザインターフェース210の要素は、見やすくするために省略されている。以下に記載しない要素は、第1の実施形態の要素と実質上同じである。
【0247】
センサアレイ240は、複数のデバイスセンサ241を含む。各デバイスセンサ241は、複数の開口部151の各々にまたがる光ゲートとして形成される。センサアレイ240は、単一の光源245および単一の光検出器246を含む。光源は、たとえばLEDまたはレーザとすることができる。出力光導波路が、光源によって放出された光を複数の開口部151の各々へ誘導するように配置される。入力光導波路が、複数の開口部151の各々からの光を光検出器へ誘導するように配置される。入力光導波路および出力光導波路は各々、たとえば光ファイバ構造によって形成される。
【0248】
複数の開口部151の各々をまたいで、光ゲートが形成される。デバイスセンサ241は、光源からの光が光検出器によって受けられるか否かに応じて、注射デバイス10が各開口部内に位置するか否かを判定する。入力光導波路は、各デバイスセンサ241からの光を光検出器の異なる部分へ誘導することができ、したがってセンサアレイ240は、受けた光の位置に応じて、開口部151のうちのどれが充填されているかを判定することができる。別法として、センサアレイ240は、受けた光の周波数および/または強度、ならびに出力光導波路および入力光導波路の光学特性に基づいて、どの開口部が占有されているかを判定することができる。別法として、センサアレイ240は、信号チョッピングに基づいて、どの開口部が占有されているかを判定することができる。信号チョッピングは、占有されている特有の開口部を特定することができるクロックと組み合わせて、信号を周期的に分割し、したがって所与の例では、光は複数の開口部151のうちの1つの特有の開口部に到達する。
【0249】
図11Aに関して、例示的な実施形態による包装アセンブリ100が示されている。以下に記載しない要素は、第1の実施形態の要素と実質上同じである。
【0250】
センサアレイ240は、単一のデバイスセンサを含む。センサアレイ240は、無線周波アンテナを含む無線周波識別(RFID)リーダである。センサアレイ240は、パネル150上またはパネル150のすぐ後ろに取り付けられる。センサアレイ240は、パネル150の前に電磁場を生成し、電磁場を通過したデバイスタグ30からの応答信号を検出する。
【0251】
使用者は、注射デバイス10が包装アセンブリ100に追加されるとき、または包装アセンブリ100から取り出されるとき、各注射デバイス10のデバイスタグ30をセンサアレイ240に提示する。図示のように、青色LED221が点滅して、予定投薬時間になったことを示す。使用者は、注射デバイス10を開口部151から取り出し、デバイスタグ30をセンサアレイ240に提示してから、薬剤を投与する。薬剤の投与後、正常どおりリセットボタンが押される。包装アセンブリ100に注射デバイス10を追加する場合、点滅している白色LEDが、どの空の開口部151に注射デバイス10を挿入するべきかを示すことができる。
【0252】
図10Bまたは
図10Cに示すように、センサアレイ240のRFIDリーダを複数の光ゲートと組み合わせて、各開口部151の占有を示すこともできる。
【0253】
図11Bに関して、例示的な実施形態による包装アセンブリ100が示されている。以下に記載しない要素は、第1の実施形態の要素と実質上同じである。
【0254】
センサアレイ240は、単一のデバイスセンサを含む。センサアレイ240は、光源および光検出器を含む光センサ、たとえばバーコードリーダである。センサアレイ240は、パネル150上に取り付けられる。センサアレイ240は、バーコードまたはクイックレスポンス(QR)コードなどの光学式ラベルを検出して読み取るように構成される。
【0255】
各注射デバイス10のデバイスタグ30は、QRコードを含む。使用者は、注射デバイス10が包装アセンブリ100に追加されるとき、または包装アセンブリ100から取り出されるとき、各注射デバイス10のデバイスタグ30をセンサアレイ240に提示する。図示のように、青色LED221が点滅して、予定投薬時間になったことを示す。使用者は、注射デバイス10を開口部151から取り出し、センサアレイ240を使用してデバイスタグ30を走査してから、薬剤を投与する。薬剤の投与後、正常どおりリセットボタンが押される。包装アセンブリ100に注射デバイス10を追加する場合、点滅している白色LEDが、どの空の開口部151に注射デバイス10を挿入するべきかを示すことができる。
【0256】
図10Bまたは
図10Cに示すように、センサアレイ240のRFIDリーダを複数の光ゲートと組み合わせて、各開口部151の占有を示すこともできる。
【0257】
上述した実施形態は純粋な例示であり、特許請求の範囲の範囲を限定するものではないことが理解されよう。本出願を読めば、他の変形形態および修正形態が当業者には明らかであり、いくつかを次に説明する。
【0258】
包装配置のケースは、略矩形の形状とすることができ、または複数の注射デバイスを収容するのに適した任意の他の形状とすることができる。ケースは、家庭用の冷蔵装置内に配置するのに適した形状およびサイズとすることができる。
【0259】
ケースは、注射デバイスを囲むように形成して封止することができる。別法として、ケースは、複数の注射デバイスを外部から支持する構造として形成することができる。注射デバイスは、1つまたはそれ以上の列、たとえば6つからなる1つの列もしくは3つからなる2つの列、または円形の配置で配置することができる。注射デバイスは、支持構造の下に垂れ下がるように、または支持構造の上に置かれるように配置することができる。
【0260】
ケースは、薬剤の投薬量の要件に応じて、任意の数の注射デバイスを収納するように構成することができる。たとえば、ケースは、5~15個の注射デバイスを収納することができる。ケースは、3か月または6か月分の十分な注射デバイスを収納するようなサイズとすることができる。薬剤がより頻繁に投与される場合、ケースは、1週間分の十分な注射デバイスを収納することができる。
【0261】
ケースは、不透明な材料から形成することができる。ケースの構成要素のうちの1つまたはそれ以上は、少なくとも透明の部分によって形成することができる。ケースの透明部分により、使用者は、注射デバイスの数またはユーザインターフェースを見ることが可能になる。視覚リマインダ出力の視認性を改善するために、ケースの1つまたはそれ以上の構成要素を半透明にすることもできる。
【0262】
ケースは、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネートなどのプラスチック材料から形成することができ、または任意の他の適した材料から作ることができる。ケースの材料に対する所望の特性には、温度安定性、適度な衝撃強度、洗浄流体に対する耐性、ワイプクリーン仕上げ(wipe-clean finish)、および剛性が含まれる。
【0263】
ケースの各部材は、単一の部片、たとえば成形プラスチック部材で形成することができる。別法として、部材を機械加工することもできる。ケースの本体は、ともにつなぎ合せたもしくは取り付けられた2つの部材から形成することができ、または単一の部材で形成することができる。ケースの内部は、単一の大きい空洞、各注射デバイスを保持するために複数の区域に分割された空洞、または各注射デバイスを個々に保持する複数の空洞として形成することができる。
【0264】
ケースは、包装配置および注射デバイスの重量を支持するのに十分な任意の数の磁石を含むことができる。たとえば、ケースは、2つのより大きい磁石を含むことができ、または6つのより小さい磁石からなる配置を含むことができる。これらの磁石は、任意の永久磁石とすることができ、希土類磁石とすることができる。これらの磁石は、ネオジムから形成することができ、またはサマリウムコバルトから形成することができる。
【0265】
ケースは、ケースに入る空気の流れを可能にするために、1つまたはそれ以上の通気アパーチャをさらに含むことができる。別法として、ケースは、蓋が閉位置にあるときは封止することができる。蓋は、空気が蓋とケースとの間を通ってケースに入るのを防止するために、ゴム封止をさらに含むことができる。ケースは、冷蔵庫から短期間だけ取り出された場合に注射デバイスの低い温度を維持するために絶縁することができる。
【0266】
蓋は、ヒンジによってケースに連結することができる。蓋をケースに連結して蓋の開閉を可能にする機構は、任意の適した形態をとることができる。上述したヒンジ機構の代わりに、ヒンジは、背出し蝶番、一体蝶番、または何らかの他のタイプとすることができる。蓋は、可撓性および/または弾性の材料によってケースに連結することができる。ヒンジは、ある程度の並進運動ならびに純粋な回転運動を可能にし、蓋が開いているときにケースの内部部材へのより良好な視界またはアクセスを可能にすることができる。
【0267】
ヒンジは、使用者が蓋を取り外すことを可能にすることができる。たとえば、第2のヒンジ連結部材の各々の突起を内方へ押して、それぞれの第1のヒンジ連結部材から係合解除し、蓋をケースから切り離すことができる。使用者には、1つまたはそれ以上の代替の蓋を提供することができ、代替の蓋は、異なる設計、たとえば異なる色とすることができる。代替の蓋は、より大きい透明部分を有することができ、または完全に不透明とすることができる。
【0268】
別法として、蓋は、ケースに摺動可能に係合することができる。蓋は、縁部にランナを含むことができ、各ランナは、ケース上の対応する溝に係合するように構成される。蓋は、溝から滑り出て、ケースから分離することができる。蓋は、溝の限界まで滑って開位置で自由に旋回するように配置することもできる。さらに別法として、蓋は、ケースとは別個とすることができ、摩擦嵌めによってケースに固定して取り付けることができる。蓋は、ケースの上端で開口部内にきつく嵌ることができ、またはケースの上部に嵌ることができる。
【0269】
蓋は、蓋を閉位置で維持するために、掛止部を含むことができる。掛止部は、第1の位置と第2の位置との間を摺動可能に動くように配置された摺動キャッチを含むことができる。キャッチは、第1の位置で蓋の縁部から突出するように配置することができる。キャッチは、第2の位置で突出しないように摺動可能に後退するように構成することができる。掛止部は、キャッチを第1の位置へ付勢するために、ばねを含むことができる。キャッチは、蓋が閉位置にあるとき、第1の位置でケース内の開口部に係合するように構成することができる。キャッチは、閉位置で蓋を維持するように開口部に係合することができる。
【0270】
掛止部は、ばね式のプッシュキャッチプッシュリリース機構とすることができる。掛止部は、最初に押すと閉位置に係合し、蓋を閉位置で維持するように構成することができる。掛止部は、2回目に押すと係合解除されて蓋を開けるように構成することができる。掛止部は、蓋が閉じているときは蓋を閉位置で保持するために係合するように構成することができる。掛止部は、掛止部を係合解除して蓋を開けるために、解放スイッチをさらに含むことができる。解放スイッチは、機械スイッチまたは電気スイッチとすることができる。解放スイッチは、コード入力に連結された電気スイッチとすることができ、正しいコードが入力されると蓋のキャッチを係合解除するように構成される。
【0271】
蓋開放センサについて、電気機械的スイッチであると説明したが、その代わりに、蓋が開いているか、それとも閉じているか、または蓋が閉位置から開位置へ遷移しているかどうかを検出するように構成された光センサ配置、磁気センサ配置、または任意の他の適した配置とすることもできる。
【0272】
包装アセンブリは、蓋のないケースを含むことができる。包装アセンブリは、蓋開放センサを含まないこともある。スピーカはその代わりに、アラートタイマに応じてプロセッサ配置によって停止状態にすることができる。プロセッサ配置は、アラートタイマを動作させるように構成することができる。プロセッサ配置は、スピーカが予定投薬時間になったという音声リマインダアラートを出力するように制御されたとき、アラートタイマを起動することができる。プロセッサ配置は、予定投薬時間になったとき、冷蔵庫ドアが開いていることを条件として、アラートタイマを起動することができる。プロセッサ配置は、アラートタイマが30秒に到達したとき、スピーカを停止状態にすることができる。別法として、プロセッサ配置は、アラートタイマを20秒で起動し、タイマの期限が切れるまでカウントダウンすることができる。プロセッサ配置は、アラートタイマの期限が切れたときにスピーカを停止状態にするように構成することができる。アラートタイマに対する有効期限は、5秒~60秒とすることができる。
【0273】
電子機器システムは、注射デバイスが複数の開口部のうちの1つに位置するかどうかを判定するために、デバイスセンサを含むことができる。デバイスセンサは、注射デバイスが各開口部内に位置するかどうかを判定することができる。プロセッサ配置は、注射デバイスが開口部から取り出されたことをデバイスセンサが示すとき、スピーカを停止状態にするように構成することができる。
【0274】
デバイスセンサは、1つまたはそれ以上のデバイススイッチを含むことができる。デバイススイッチは、開口部内にそれぞれ配置することができる。各デバイススイッチは、機械スイッチとすることができる。デバイススイッチは、開口部に位置するときに注射デバイスによって閉位置へ押下される常時開スイッチとすることができる。デバイススイッチは、メンブレンスイッチとすることができる。デバイススイッチは、開口部内に位置するレバーによって作動させることができる。
【0275】
各デバイススイッチは、注射デバイスが対応する開口部内に位置するとき、プロセッサ配置へ信号を送るように構成することができる。プロセッサ配置は、デバイススイッチから信号を受けなくなると、スピーカを起動しまたは停止状態にするように構成することができる。プロセッサ配置は、注射デバイスが開口部から取り出されたとき、カウントダウンを予定投薬時間にリセットするようにさらに構成することができる。別法として、用量が投与された後、注射デバイスがケース内で交換された場合、プロセッサ配置は、注射デバイスが交換されるとカウントダウンをリセットするように構成することができる。プロセッサ配置は、包装アセンブリ内で定位置にある注射デバイスの数を監視するように構成することができる。プロセッサ配置は、包装アセンブリ内の注射デバイスの数を示すように、ディスプレイを制御することができる。プロセッサ配置は、包装アセンブリが空であるときに通知出力を提供するように、電子機器システムを制御することができる。
【0276】
保持機構は、ケースの下端に配置することができる。保持機構は、開口部を通過した各注射デバイスの端部に係合するように配置することができる。保持機構は、さらに複数の開口部をケースの下端に含むことができる。さらなる開口部は、注射デバイスを摩擦嵌めによって定位置で保持するようなサイズとすることができる。別法として、保持機構は、レバー式挟み器配置(levered pincer arrangement)を含むことができ、レバー式挟み器配置は、注射デバイスが配置内へ長手方向に押し込まれると注射デバイスの側面を把持し、注射デバイスが配置から長手方向に引き出されると注射デバイスを解放するように配置される。
【0277】
保持機構は、保持機構を係合解除するように構成された解放スイッチを含むことができる。解放スイッチは、注射デバイスの1つまたはすべてを解放するように構成することができる。対応する複数の注射デバイスに対して、複数の解放スイッチを提供することができる。解放スイッチは、保持機構に連結された機械スイッチまたはレバーとすることができる。解放スイッチは、排出機構にさらに連結することができる。解放スイッチは、電気機械的スイッチとすることができる。解放スイッチは、プロセッサ配置によって制御することができる。プロセッサ配置は、予定投薬時間になったことを条件として保持機構を係合解除するように、解放スイッチを制御することができる。プロセッサ配置は、予定投薬時間になったとき、1つの注射デバイスに対する保持機構を係合解除するように、解放スイッチを制御することができる。
【0278】
排出機構は、それぞれの注射デバイスの一部分を対応する開口部から押し出すように配置された1つまたはそれ以上のばねを含むことができる。排出機構は、保持機構によって解放されると各注射デバイスを押すように、保持機構に対して付勢することができる。保持機構は、排出機構によって開口部から部分的に押し出された1つの注射デバイスを解放するように制御することができる。この配置は、注射デバイスの一部分が開口部から押し出されるという形態で視覚リマインダアラートを提供することができる。
【0279】
別法として、排出機構は、電動式のアクチュエータを含むことができる。たとえば、複数の注射デバイスに直交して配置されたローラが、注射デバイスを開口部から押し出すように駆動することができる。ローラは、すべての注射デバイスを等しく押すことができ、保持機構は、1つを除いてすべての注射デバイスを定位置で保持するように構成される。さらに別法として、アクチュエータは、ケースの後部からの突出部材を含むことができ、突出部材は、ケースの幅にわたって横方向に駆動される。突出部材は、レールに沿って駆動することができ、またはケースの幅に沿って延びるベルトから突出することができる。突出部材は、各注射デバイスに順に係合し、その注射デバイスを開口部から押し出すように構成される。
【0280】
リマインダに対する期間は、包装アセンブリ内に収納されている薬剤に応じて、任意の適した投薬期間とすることができる。次の予定投薬時間までに設定される期間は、任意の日数とすることができ、たとえば2~60日とすることができる。この期間は、数週間、たとえば7日、14日、21日、または28日の期間とすることができる。この期間は、28日間、すなわち4週間とすることができ、または1か月とすることができる。カウントダウンタイマの持続時間を選択するとき、現在の曜日または1か月もしくは1年以内の正確な日付に基づいて、異なる期間を適用することもできる。異なる期間を各注射デバイスに設定することができる。注射デバイスに対する期間は、注射デバイス上に記録することができ、デバイスセンサによって読み取ることができる。あるタイプの注射デバイスに対する期間は、不揮発性メモリ内に記憶することができる。
【0281】
期間は、1日または2日になることもあり、ディスプレイは、予定投薬時間になるまでの時間数を示すように構成することができる。同様に、数時間程度の期間の場合、ディスプレイは、分単位で示すことができる。
【0282】
期間は、すべての注射デバイスに対して固定することができる。所定の期間を不揮発性メモリ内に記憶することができる。別法として、タイマ持続時間スイッチを、任意の2つの期間から選択するように構成することができる。たとえば、第1のスイッチ位置は、7日の期間に対応することができ、第2のスイッチ位置は、14日の期間に対応することができる。別法として、タイマ持続時間スイッチは、多位置スイッチ、たとえば回転スイッチまたはダイヤルとすることができる。期間は、ディスプレイに関連して設定することができ、第1の使用者入力により、ディスプレイは現在の期間を示し、第2の入力を使用して、この期間を調整する。第3の入力を使用して、新しい設定を確認することもできる。
【0283】
別法として、期間は、リセットボタンを使用して特有の入力シーケンスによって調整することもできる。たとえば、リセットボタンをより長い期間、たとえば5秒より長い期間にわたって保持することで、「期間調整モード」を開始することができる。ディスプレイは、現在のタイマ持続時間を示すことができ、たとえばディスプレイは、「14」を示して14日を示すことができる。このモードでは、リセットボタンを再び5秒未満だけ押すことで、期間を増分的に増大させることができる。たとえば、1回ボタンを押すことで1日加えることができ、それに応じて表示される値は変化する。このようにして、使用者は、所定の最大値、たとえば「28」までの期間を調整することができる。使用者がもう一度押した場合、期間を所定の最小値、たとえば「14」まで減らすことができる。使用者がリセットボタンをより長い期間、たとえば5秒より長い期間にわたって再び保持した場合、現在表示されている値を新しい期間として記憶することができ、通常動作が再開される。別法として、入力のない所定の期間後、たとえば10秒後に、この値を記憶することができ、通常動作が再開される。
【0284】
場合によって、プロセッサ配置は、冗長カウントダウンタイマを解除することができない。あるタイプの注射デバイスに対するカウントダウンタイマは、包装アセンブリがこの対応するタイプの注射デバイスを収容しなくなった場合、プロセッサ配置によって維持することができる。特定のデバイスタイプを包装アセンブリから取り出すことができ、後に同じカウントダウンタイマと交換することができる。プロセッサ配置は、カウントダウンタイマの期限が切れたとき、包装アセンブリが対応するデバイスタイプの注射デバイスを収容しなくなった場合、アラートを阻止することができる。別法として、プロセッサ配置は、アラートを出力することができる。プロセッサ配置は、包装アセンブリ内に収容されていない特定のデバイスタイプを示すメッセージを出力することができる。
【0285】
ドアタイマおよびリセットタイマは、任意の適した時間枠で動作することができる。たとえば、冷蔵庫ドアが10分または15分間開いている場合、ユーザインターフェースは一部スリープモードに入ることができる。リセットボタンは、1秒または最高5秒間押下された場合、カウントダウンタイマをリセットするように構成することができる。
【0286】
ディスプレイは、より多くの数字およびメッセージに対応するために、3つ以上のLEDアレイを含むことができ、または単一のLEDアレイのみとすることもできる。別法として、ディスプレイは、数字および/またはメッセージを表示するのに適した任意の形態の電子ディスプレイを含むことができ、たとえばディスプレイは、LED画素のアレイ、LCDもしくは電子ペーパースクリーン、またはスプリットフラップディスプレイとすることができる。ディスプレイは、擬似3D画像またはビデオを表示することが可能なディスプレイ、たとえばレンチキュラディスプレイとすることができる。ディスプレイは、ケースとは別個の周辺モジュール内に配置することができる。ディスプレイモジュールは、有線または無線接続で電気システムに接続することができる。電子機器システムは、選択された表示に適した任意のディスプレイドライバを含むことができる。
【0287】
ディスプレイは、さらなる状態情報を、またはより詳細にはディスプレイ上のテキストメッセージの形態で提供するように構成することができる。たとえば、ディスプレイは、点滅する数字00に加えて、またはその代わりに、リマインダメッセージを示すことによって、予定投薬時間になったという視覚リマインダを提供することができる。数字00の出力は、リマインダメッセージの一例である。ディスプレイは、包装アセンブリ内に残っている注射デバイスの数を示すように制御することができる。プロセッサ配置は、センサアレイからの入力に応じて、注射デバイスの数を判定するように構成することができる。別法として、プロセッサ配置は、予定投薬時間が通過した時間数を監視するように構成することができる。ディスプレイは、包装アセンブリが空であるときに通知メッセージを示すように制御することができる。
【0288】
ディスプレイは、短いシーケンスの写真またはビデオを2Dまたは3Dで表示して、注射デバイスの正しい使用または適用を示すために使用することもできる。ディスプレイは、患者の療法または日常生活に関連する任意の他の有用な情報または助言を示すことができる。
【0289】
ディスプレイは、注射デバイスが包装アセンブリから取り出されたとき、ウォームアップ期間を表示するように制御することができる。ディスプレイは、センサアレイとともに制御することができる。注射デバイスに対する予定投薬時間になったとき、センサアレイは、注射デバイスの取り出しを検出するように動作させることができる。ディスプレイは、センサアレイが注射デバイスの取り出しを検出したとき、ウォームアップ期間を表示することができる。ウォームアップ期間は、注射デバイスが室温に到達するのに必要とされる推奨時間を表す。プロセッサ配置は、ウォームアップ期間に基づいてタイミング動作を実行することができる。
【0290】
プロセッサ配置は、ケースの蓋が閉じている場合、ユーザインターフェースのディスプレイを停止状態にするように構成することができる。プロセッサ配置は、冷蔵庫開放センサに基づいて、残っている日数が1より大きいとき、蓋が閉じているか否かにかかわらず、包装アセンブリの状態が正常であることを使用者に示すように、LEDアレイを起動することができる。使用者は、蓋を開いてディスプレイを起動し、必要とされる場合は日数を示すことができる。予定投薬時間になったとき、プロセッサ配置は、蓋が開いているか否かにかかわらず、LEDアレイおよびディスプレイの両方を起動して点滅させ、視覚リマインダを提供することができる。
【0291】
LEDアレイは、複数の開口部の各々に対して複数のLEDを含むことができ、または開口部ごとに1つのLEDを含むことができる。たとえば、LEDアレイは、さらに多種多様な状態情報を提供するために、開口部ごとに4つ、5つ、または6つのLEDを含むことができる。別法として、各開口部に対するLEDのうちの2つまたは3つを、単一の2色LEDまたは3色LEDに交換することができる。別法として、任意の他の形態の通知光または視覚出力トランスデューサをLEDの代わりに使用することもできる。別法として、プロセッサ配置は、複数のLEDのうちの1つを点滅または明滅させることができ、残っているLEDはオフにし、または連続して照明させる。使用者を使用のために次の注射デバイスへ案内するために、異なるLEDをいつも明滅させるように制御することができる。1つのLEDが異なる色で点滅することができる。プロセッサ配置は、包装アセンブリ内に残っている注射デバイスの数に応じて、複数のLEDを制御することができる。
【0292】
スピーカは、音声出力トランスデューサ、たとえば電気音響トランスデューサ、圧電ブザー、可動のダイアフラムスピーカ、または機械ベルの任意の適した形態とすることができる。音声出力トランスデューサの代わりに、またはそれに加えて、振動アラートを使用することができる。スピーカは、デバイスのタイプに応じて、異なるアラート出力を出力することができる。たとえば、スピーカは、断続的なトーンの周期もしくはトーンの周波数を変動させることができ、または事前に画成されたトーンシーケンス、たとえば3トーンシーケンスを出力することができる。別法として、スピーカは、不揮発性メモリ内に記憶されているデジタル音声ファイルを再生するように構成することができる。再生されるデジタル音声ファイルは、最高6秒の長さとすることができ、または別法として、6秒より長くすることができる。
【0293】
各デバイスタイプに対して、またはたとえば、包装アセンブリの異なる使用者に対するアラートを区別するために、固有または個々のアラートを使用することができる。音声アラートは、使用者がカスタマイズ可能とすることができる。音声アラートに加えて、スピーカの音声出力を使用して、有用性を他の方法で改善することもできる。たとえば、音声出力は、注射デバイスがセンサアレイによって検出されたことを示すことができる。注射デバイスが挿入されているか、それとも取り出されているかに応じて、異なる音声出力を使用することができる。
【0294】
冷蔵庫開放センサは、フォトトランジスタを含むことができ、または別法としてフォトレジスタもしくはフォトダイオードを含むことができる。別法として、冷蔵庫開放センサは、機械スイッチを含むことができる。冷蔵庫開放センサは、ケースの外部に位置することができ、冷蔵庫ドアのヒンジまたは枠に位置することができる。冷蔵庫開放センサは、閉位置で冷蔵庫ドアによって押下されるように配置された機械スイッチとすることができる。
【0295】
センサアレイは、電子機器システムの構成要素を有する単一のPCBにおいて、パネル上に取り付けることができる。別法として、センサアレイは、別個のPCB上に取り付けることができる。センサアレイは、ケースの後部に位置することができ、または内部で上壁もしくは下壁に位置することができる。各注射デバイスに対して、複数のデバイスセンサを提供することができる。別法として、センサアレイは、単一のデバイスセンサのみを含むことができる。単一のデバイスセンサが、複数のデバイスタグを起動および検出することができる。デバイスセンサは、各デバイスタグの場所を判定することができる。別法として、単一のデバイスセンサがケースの外部に位置することができ、使用者は、注射デバイスをケースに入れる前に、各注射デバイスをデバイスセンサに提示することができる。デバイスタグは、注射デバイスの長さに沿って任意の点に、またはその端部に位置することができる。デバイスタグは、注射デバイスが開口部内に位置するとき、センサアレイからの離隔距離を増大させるために、注射デバイスの近位端に位置することができる。別法として、デバイスタグは、注射デバイスの遠位端に位置することができ、したがってセンサアレイは、注射デバイスが開口部内に位置するときにデバイスタグを走査することができる。
【0296】
代替デバイスセンサが、光センサを含むことができる。たとえばバーコードまたはQRコードなどの光学式デバイスタグを、複数の注射デバイス上に提供することができる。別法として、光センサは、注射デバイス上の色または視覚マーキングを判定して、注射デバイスのタイプを判定することができる。いくつかの実施形態では、光センサは、さらなるデバイス情報を受けなくても注射デバイスの存在を検出する。デバイスセンサは、開口部に配置されたときに注射デバイスによって押下されるように配置された機械スイッチによって実施することができる。プロセッサ配置は、注射デバイスの数、注射デバイスの場所を判定し、注射デバイスの検出された存在に基づいて、各注射デバイスに対するデバイスインデックスを生成することができる。代替のプロセッサ配置は、注射デバイスのデバイスタイプおよび有効期限日の両方が別の注射デバイスに整合した場合のみ、デバイスインデックスを繰り返すことができる。
【0297】
代替のカウントダウンタイマ実装は、クロックデバイスを有するオフチップおよびオンチップの状態ベースの論理回路を含み、他の形態は当業者には明らかである。
【0298】
電子機器システムのPCBおよび構成要素を保護のために封止することができる。たとえば、PCBは、各々の側を耐水性のラッカーまたは別の適した被覆で被覆することができる。電子機器システムは、家庭用冷蔵庫の内部における湿気または湿度からの保護のために被覆することができる。
【0299】
包装アセンブリは、電子機器システムの電力要件に応じて、より多いまたはより少ない数の電池を含むことができる。たとえば、包装アセンブリは、単一の電池電力パックを含むことができる。1つまたはそれ以上の電池を取外し可能および交換可能とすることができ、または包装アセンブリのケース内に固定することができる。別法として、包装アセンブリは、電源または任意の代替電源に適合させることができる。
【0300】
「デバイスタイプ」という用語は、所与の薬物および所与の薬物濃縮物を有する薬物容器、ならびに患者への薬物注射の関連工程を実行する機械的/電子的な物体の物理的な総和について説明するために使用される。デバイスタイプは、デバイステーブル内の1つのフィールドによって表すことができ、または別法として、たとえば注射デバイスの薬剤、濃縮物、および送達方法のいずれかを指定することによってデバイスタイプを画成するために、2つもしくはそれ以上の従属フィールドによって表すことができる。
【0301】
用語「薬物」または「薬剤」は、本明細書において同意語として使用され、1つまたはそれ以上の医薬品有効成分または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物と、場合により、薬学的に許容される担体とを含む医薬製剤を示す。医薬品有効成分(「API」)とは、最も広範な言い方で、ヒトまたは動物に生物学的影響を及ぼす化学構造のことである。薬理学では、薬物または薬剤が、疾患の処置、治療、予防、または診断に使用され、またはそれとは別に、身体的または精神的健康を向上させるために使用される。薬物または薬剤は、限られた継続期間、または慢性疾患では定期的に、使用される。
【0302】
以下に説明されるように、薬物または薬剤は、1つまたはそれ以上の疾患を処置するための、様々なタイプの製剤の少なくとも1つのAPI、またはその組合せを含むことができる。APIの例としては、分子量が500Da以下である低分子;ポリペプチド、ペプチド、およびタンパク質(たとえばホルモン、成長因子、抗体、抗体フラグメント、および酵素);炭水化物および多糖類;ならびに核酸、二本鎖または一本鎖DNA(裸およびcDNAを含む)、RNA、アンチセンスDNAおよびRNAなどのアンチセンス核酸、低分子干渉RNA(siRNA)、リボザイム、遺伝子、およびオリゴヌクレオチドが含まれ得る。核酸は、ベクター、プラスミド、またはリポソームなどの分子送達システムに組み込まれる。1つまたはそれ以上の薬物の混合物もまた企図される。
【0303】
用語「薬物送達デバイス」は、薬物または薬剤をヒトまたは動物の体内に投薬するように構成されたあらゆるタイプのデバイスまたはシステムを包含するものである。それだけには限らないが、薬物送達デバイスは、注射デバイス(たとえばシリンジ、ペン型注射器、自動注射器、大容量デバイス、ポンプ、潅流システム、または眼内、皮下、筋肉内、もしくは血管内送達にあわせて構成された他のデバイス)、皮膚パッチ(たとえば、浸透圧性、化学的、マイクロニードル)、吸入器(たとえば鼻用または肺用)とすることができる。ここで説明される薬物は、たとえば24以上のゲージ数を有する、たとえば皮下針である針を含む注射デバイスでは特に有用であり得る。
【0304】
薬物または薬剤は、薬物送達デバイスで使用するように適用された主要パッケージまたは「薬物容器」内に含まれる。薬物容器は、たとえば、カートリッジ、シリンジ、リザーバ、または1つもしくはそれ以上の薬物の保存(たとえば短期または長期保存)に適したチャンバを提供するように構成された他の固体もしくは可撓性の容器とすることができる。たとえば、場合によって、チャンバは、少なくとも1日(たとえば1日から少なくとも30日まで)の間薬物を収納するように設計される。場合によって、チャンバは、約1か月から約2年の間薬物を保存するように設計される。保存は、室温(たとえば約20℃)または冷蔵温度(たとえば約-4℃から約4℃まで)で行うことができる。場合によって、薬物容器は、投与予定の医薬製剤の2つまたはそれ以上の成分(たとえばAPIおよび希釈剤、または2つの異なるタイプの薬物)を別々に、各チャンバに1つずつ保存するように構成された二重チャンバカートリッジとすることができ、またはこれを含むことができる。そのような場合、二重チャンバカートリッジの2つのチャンバは、ヒトまたは動物の体内に投薬する前、および/または投薬中に2つまたはそれ以上の成分間で混合することを可能にするように構成される。たとえば、2つのチャンバは、これらが(たとえば2つのチャンバ間の導管によって)互いに流体連通し、所望の場合、投薬の前にユーザによって2つの成分を混合することを可能にするように構成される。代替的に、またはこれに加えて、2つのチャンバは、成分がヒトまたは動物の体内に投薬されているときに混合することを可能にするように構成される。
【0305】
本明細書において説明される薬物送達デバイス内に含まれる薬物または薬剤は、数多くの異なるタイプの医学的障害の処置および/または予防に使用される。障害の例としては、たとえば、糖尿病、または糖尿病性網膜症などの糖尿病に伴う合併症、深部静脈血栓塞栓症または肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症が含まれる。障害の別の例としては、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、がん、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症および/または関節リウマチがある。APIおよび薬物の例としては、たとえば、それだけには限らないが、ハンドブックのRote Liste 2014、主グループ12(抗糖尿病薬物)または主グループ86(腫瘍薬物)、およびMerck Index、第15版などに記載されているものがある。
【0306】
1型もしくは2型の糖尿病、または1型もしくは2型の糖尿病に伴う合併症の処置および/または予防のためのAPIの例としては、インスリン、たとえばヒトインスリン、またはヒトインスリン類似体もしくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP-1)、GLP-1類似体もしくはGLP-1受容体アゴニスト、またはその類似体もしくは誘導体、ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP4)阻害剤、または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物、またはそれらの任意の混合物が含まれる。本明細書において使用される用語「類似体」および「誘導体」は、元の物質と構造的に十分に類似しており、それによって同様の機能または活性(たとえば治療効果性)を有することができる任意の物質を指す。特に、用語「類似体」は、天然のペプチドの構造、たとえばヒトのインスリンの構造から、天然のペプチド中に見出される少なくとも1つのアミノ酸残基を欠失させるおよび/もしくは交換することによって、ならびに/または少なくとも1つのアミノ酸残基を付加することによって式上で得られる分子構造を有するポリペプチドを指す。付加および/または交換されるアミノ酸残基は、コード可能なアミノ酸残基、または他の天然の残基もしくは完全に合成によるアミノ酸残基とすることができる。インスリン類似体は「インスリン受容体リガンド」とも呼ばれる。特に、用語「誘導体」は、1つまたはそれ以上の有機置換基(たとえば、脂肪酸)が1つまたはそれ以上のアミノ酸に結合している、天然のペプチドの構造、たとえばヒトのインスリンの構造から式上で得られる分子構造を有するポリペプチドを指す。場合により、天然のペプチド中に見出される1つまたはそれ以上のアミノ酸が、欠失され、かつ/もしくはコード不可能なアミノ酸を含む他のアミノ酸によって置換されていてもよく、または、コード不可能なアミノ酸を含むアミノ酸が、天然のペプチドに付加されていてもよい。
【0307】
インスリン類似体の例としては、Gly(A21),Arg(B31),Arg(B32)ヒトインスリン(インスリングラルギン);Lys(B3),Glu(B29)ヒトインスリン(インスリングルリジン);Lys(B28),Pro(B29)ヒトインスリン(インスリンリスプロ);Asp(B28)ヒトインスリン(インスリンアスパルト);B28位におけるプロリンがAsp、Lys、Leu、Val、またはAlaで置き換えられており、B29位において、LysがProで置換されているヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28-B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリンおよびDes(B30)ヒトインスリンがある。
【0308】
インスリン誘導体の例としては、たとえば、B29-N-ミリストイル-des(B30)ヒトインスリン;Lys(B29)(N-テトラデカノイル)-des(B30)ヒトインスリン(インスリンデテミル、Levemir(登録商標))、B29-N-パルミトイル-des(B30)ヒトインスリン;B29-N-ミリストイルヒトインスリン;B29-N-パルミトイルヒトインスリン;B28-N-ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28-N-パルミトイル-LysB28ProB29ヒトインスリン;B30-N-ミリストイル-ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30-N-パルミトイル-ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29-N-(N-パルミトイル-γ-グルタミル)-des(B30)ヒトインスリン;B29-N-ω-カルボキシヘプタデカノイル-γ-L-グルタミル-des(B30)ヒトインスリン(インスリンデグルデク、Tresiba(登録商標))、B29-N-(N-リトコリル-γ-グルタミル)-des(B30)ヒトインスリン;B29-N-(ω-カルボキシヘプタデカノイル)-des(B30)ヒトインスリン、およびB29-N-(ω-カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンがある。
【0309】
GLP-1、GLP-1類似体およびGLP-1受容体アゴニストの例としては、たとえば、リキシセナチド(Lyxumia(登録商標)、エキセナチド(エキセンディン-4、Dyetta(登録商標)、Bydureon(登録商標)、アメリカドクトカゲの唾液腺によって産生される39アミノ酸ペプチド)、リラグルチド(Victoza(登録商標))、セマグルチド、タスポグルチド、アルビグルチド(Syncria(登録商標))、デュラグルチド(Trulicity(登録商標))、rエキセンディン-4、CJC-1134-PC、PB-1023、TTP-054、ラングレナチド/HM-11260C、CM-3、GLP-1エリゲン(Eligen)、ORMD-0901、NN-9924、NN-9926、NN-9927、ノデキセン(Nodexen)、ビアドール(Viador)-GLP-1、CVX-096、ZYOG-1、ZYD-1、GSK-2374697、DA-3091、MAR-701、MAR709、ZP-2929、ZP-3022、TT-401、BHM-034、MOD-6030、CAM-2036、DA-15864、ARI-2651、ARI-2255、エキセナチド-XTENおよびグルカゴン-Xtenがある。
【0310】
オリゴヌクレオチドの例としては、たとえば:家族性高コレステロール血症の処置のためのコレステロール低下アンチセンス治療薬である、ミポメルセンナトリウム(Kynamro(登録商標))がある。
【0311】
DPP4阻害剤の例としては、ビルダグリプチン、シタグリプチン、デナグリプチン、サキサグリプチン、ベルベリンがある。
【0312】
ホルモンの例としては、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(ソマトロピン)、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、およびゴセレリンなどの、脳下垂体ホルモンまたは視床下部ホルモンまたは調節性活性ペプチドおよびそれらのアンタゴニストが含まれる。
【0313】
多糖類の例としては、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、もしくは超低分子量ヘパリン、またはそれらの誘導体、または上述の多糖類の硫酸化形態、たとえば、ポリ硫酸化形態、および/または、薬学的に許容されるそれらの塩が含まれる。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容される塩の例としては、エノキサパリンナトリウムがある。ヒアルロン酸誘導体の例としては、ハイランG-F20(Synvisc(登録商標))、ヒアルロン酸ナトリウムがある。
【0314】
本明細書において使用する用語「抗体」は、免疫グロブリン分子またはその抗原結合部分を指す。免疫グロブリン分子の抗原結合部分の例には、抗原を結合する能力を保持するF(ab)およびF(ab’)2フラグメントが含まれる。抗体は、ポリクローナル、モノクローナル、組換え型、キメラ型、非免疫型またはヒト化、完全ヒト型、非ヒト型(たとえばネズミ)、または一本鎖抗体とすることができる。いくつかの実施形態では、抗体はエフェクター機能を有し、補体を固定することができる。いくつかの実施形態では、抗体は、Fc受容体と結合する能力が低く、または結合することはできない。たとえば、抗体は、アイソタイプもしくはサブタイプ、抗体フラグメントまたは変異体とすることができ、これはFc受容体との結合を支持せず、たとえば、突然変異した、または欠失したFc受容体結合領域を有する。用語の抗体はまた、四価二重特異性タンデム免疫グロブリン(TBTI)および/または交差結合領域の配向性を有する二重可変領域抗体様結合タンパク質(CODV)に基づく抗体結合分子を含む。
【0315】
用語「フラグメント」または「抗体フラグメント」は、全長抗体ポリペプチドを含まないが、抗原と結合することができる全長抗体ポリペプチドの少なくとも一部分を依然として含む、抗体ポリペプチド分子(たとえば、抗体重鎖および/または軽鎖ポリペプチド)由来のポリペプチドを指す。抗体フラグメントは、全長抗体ポリペプチドの切断された部分を含むことができるが、この用語はそのような切断されたフラグメントに限定されない。本発明に有用である抗体フラグメントは、たとえば、Fabフラグメント、F(ab’)2フラグメント、scFv(一本鎖Fv)フラグメント、直鎖抗体、単一特異性抗体フラグメント、または二重特異性、三重特異性、四重特異性および多重特異性抗体(たとえば、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ)などの多重特異性抗体フラグメント、一価抗体フラグメント、または二価、三価、四価および多価抗体などの多価抗体フラグメント、ミニボディ、キレート組換え抗体、トリボディまたはバイボディ、イントラボディ、ナノボディ、小モジュラー免疫薬(SMIP)、結合ドメイン免疫グロブリン融合タンパク質、ラクダ化抗体、およびVHH含有抗体を含む。抗原結合抗体フラグメントのさらなる例が当技術分野で知られている。
【0316】
用語「相補性決定領域」または「CDR」は、特異的抗原認識を仲介する役割を主に担う重鎖および軽鎖両方のポリペプチドの可変領域内の短いポリペプチド配列を指す。用語「フレームワーク領域」は、CDR配列ではなく、CDR配列の正しい位置決めを維持して抗原結合を可能にする役割を主に担う重鎖および軽鎖両方のポリペプチドの可変領域内のアミノ酸配列を指す。フレームワーク領域自体は、通常、当技術分野で知られているように、抗原結合に直接的に関与しないが、特定の抗体のフレームワーク領域内の特定の残基が、抗原結合に直接的に関与することができ、またはCDR内の1つまたはそれ以上のアミノ酸が抗原と相互作用する能力に影響を与えることができる。
【0317】
抗体の例としては、アンチPCSK-9mAb(たとえばアリロクマブ)、アンチIL-6mAb(たとえばサリルマブ)、およびアンチIL-4mAb(たとえばデュピルマブ)がある。
【0318】
本明細書において説明される任意のAPIの薬学的に許容される塩もまた、薬物送達デバイスにおける薬物または薬剤の使用に企図される。薬学的に許容される塩は、たとえば酸付加塩および塩基性塩である。
【0319】
本発明の完全な範囲および精神から逸脱することなく、本明細書に記載するAPI、構成、装置、方法、システム、および実施形態の様々な構成要素に修正(追加および/または削除)を加えることができ、本発明は、そのような修正およびそのあらゆる均等物を包含することが、当業者には理解されよう。