(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-20
(45)【発行日】2023-03-01
(54)【発明の名称】再生可能原料から得られるフランカルボン酸に基づくポリエステルポリオール系接着剤
(51)【国際特許分類】
C09J 175/06 20060101AFI20230221BHJP
B32B 27/40 20060101ALI20230221BHJP
C08G 63/16 20060101ALI20230221BHJP
【FI】
C09J175/06
B32B27/40
C08G63/16
(21)【出願番号】P 2020522812
(86)(22)【出願日】2018-07-02
(86)【国際出願番号】 EP2018067759
(87)【国際公開番号】W WO2019081075
(87)【国際公開日】2019-05-02
【審査請求日】2021-07-01
(32)【優先日】2017-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】391008825
【氏名又は名称】ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D-40589 Duesseldorf,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100104592
【氏名又は名称】森住 憲一
(72)【発明者】
【氏名】アドリアン・ブラント
(72)【発明者】
【氏名】ホルスト・ベック
(72)【発明者】
【氏名】カースティン・シュレーダー
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー・クックス
(72)【発明者】
【氏名】デニス・バンクマン
(72)【発明者】
【氏名】ヘルガ・ガルマン
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン・トムケ
(72)【発明者】
【氏名】ティモ・パーゼマン
(72)【発明者】
【氏名】カースティン・ルスビュルト
【審査官】仁科 努
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/034305(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/108026(WO,A1)
【文献】特開2017-082234(JP,A)
【文献】特開2015-120839(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 175/06
B32B 27/40
C08G 63/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチック基材および/または金属基材接着用の接着剤であり、
前記接着剤は、少なくとも1つのフランジカルボン酸(FDCA)系ポリエステルポリオール、および少なくとも1つのNCO基含有化合物を含み、
接着剤中のNCO:OHの物質量比は1.2:1~2.9:1であり、使用される前記フランジカルボン酸が再生可能原料から得られ
、前記接着剤は水分の存在下で硬化可能であることを特徴とする、接着剤。
【請求項2】
前記接着剤中のNCO:OHの物質量比は、1.5:1~2:1であることを特徴とする、請求項1に記載の接着剤。
【請求項3】
前記ポリエステルポリオールは、フランジカルボン酸とポリオールとの反応生成物であることを特徴とする、請求項1
または2に記載の接着剤。
【請求項4】
前記ポリオールはジオー
ルであることを特徴とする、請求項
3に記載の接着剤。
【請求項5】
前記ポリエステルポリオールは、完全に再生可能原料から得られることを特徴とする、請求項
4に記載の接着剤。
【請求項6】
再生可能原料からのポリエステルポリオールの割合は
、前記接着剤中のポリエステルポリオールの総重量に基づいて、少なくとも80重量
%であることを特徴とする、請求項
5に記載の接着剤。
【請求項7】
前記NCO基含有化合物は、2つ以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネートであ
ることを特徴とする、請求項1~
6のいずれかに記載の接着剤。
【請求項8】
前記NCO基含有化合物は、1,5-ナフチレンジイソシアネート(NDI)、2,4’-または4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)の異性体、メチレントリフェニルトリイソシアネート(MIT)、水素化MDI(H12MDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、1-イソシアナトメチル-3-イソシアナト-1,5,5-トリメチルシクロヘキサン(IPDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサン-1,6-ジイソシアネート(HDI)、ペンタメチレンジイソシアネートおよびジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ならびにそれらのオリゴマーおよびそれらのポリマーからなる群から選択される化合物であることを特徴とする、請求項1~7のいずれかに記載の接着剤。
【請求項9】
前記NCO基含有化合物は、NCO末端プレポリマーであることを特徴とする、請求項1~
8のいずれかに記載の接着剤。
【請求項10】
前記接着剤は、溶媒を含有する、または溶媒不含である、または水性分散液として存在することを特徴とする、請求項1~
9のいずれかに記載の接着剤。
【請求項11】
請求項1~
10のいずれかに記載の接着剤を少なくとも1つの基材に塗布し、次いで前記基材を少なくとも1つのさらなる基材と互いに接合する、少なくとも2つの基材を接着する方法。
【請求項12】
前記基材の少なくとも1つは、金属面または印刷面を有することを特徴とする、請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
前記接着剤を第1フィルム状基材に塗布し、次いで前記基材を第2フィルム状基材に接着することを特徴とする、請求項
11または
12に記載の方法。
【請求項14】
前記接着剤を1~100g/m
2の量で塗布することを特徴とする、請求項
11~
13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
フランジカルボン酸が再生可能原料から得られることを特徴とする、
請求項1に記載の接着剤を調製するためのフランジカルボン酸の使用。
【請求項16】
請求項
11~
14のいずれかに記載の方法を使用して得られる物品。
【請求項17】
前記物品が食品包装であることを特徴とする、請求項
16に記載の物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再生可能原料から得られるフランジカルボン酸系ポリエステルポリオールを含有する接着剤、および前記接着剤を使用して基材、特にフィルム状基材を接着する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
環境意識の向上および化石原料の限られた資源により、製品の持続可能性に対する新たな意識がもたらされている。日常品や使い捨て製品の分野では、主に石油をベースとする一般的な製品を、再生可能原料で作られた代替品に置き換える努力が注目を集めている。ほとんどの日常品の生産の基礎を形成する最も一般的な化学物質の再生可能原料で作られた代替品の調査により、所望の物質を、必要な量および必要な品質で提供できる適切な供給源を特定するという問題が提起される。また、再生可能原料から得られる製品の物理的特性は、従来の石油ベースの製品の物理的特性と異なる場合があり、常に同じ基準に達しないことが認められる。さらに、例えば法規制により、最初から限られた量の原材料しか利用できない分野がいくつかある。そのような分野の1つがとりわけ食品産業であり、特に食品包装に関しては厳しい条件にさらされている。一般に、食品の安全性および健康の観点から安全であると考えられる利用可能な化合物は少数である。
【0003】
したがって、再生可能原料に基づいて調製され得る、および従来の化合物の特性に匹敵する特性を有し得る化合物が必要とされている。
【0004】
WO2014/054940には、ジオール由来の1つ以上の基および酸由来の1つ以上の基を有するポリマーが記載され、前記酸は、ジカルボン酸および炭酸から選択されること、前記ジオール化合物はジメチレンイソソルビド、ジメチレンイソマンニドまたはジメチレンイソイジドであること、すなわち、前記ポリマーは、糖などの再生可能な資源由来のビルディングブロックから形成されることが記載されている。
【0005】
US2013/0171397には、全体的または部分的にバイオマスから調製されるポリエステルが開示されている。記載されているポリエステルは、化石源からのポリエステルを完全にまたは部分的に置き換えるために、望ましい物理的および熱的特性を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】国際公開第2014/054940号
【文献】米国特許出願公開第2013/0171397号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、先行技術に記載されているアプローチは、持続可能性が必要とされるのは完成品に限定されず、むしろ生産および製造プロセスにおいても主要な役割を果たすという事実を考慮していない。例えば、持続可能性の原則が、接着剤などの製品の製造に使用される補助剤にも適用されるべきであるという事実は考慮されていない。したがって、例えば接着剤として加工に使用でき、対応する石油系化合物と少なくとも同じ物理的特性を有する再生可能原料から作られた化合物が必要とされている。
【0008】
したがって、本発明の目的は、接着剤の成分が再生可能原料に基づいて少なくとも部分的に調製される、および食品産業、特に食品包装における使用にも適する接着剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の文脈において、驚くべきことに、この目的は、再生可能原料から得られたフランジカルボン酸系ポリエステルポリオールを成分として含有する接着剤を提供することにより達成されることが見出された。
【発明を実施するための形態】
【0010】
したがって、本発明は、第1に、少なくとも1つのフランジカルボン酸(FDCA)系ポリエステルポリオール、および少なくとも1つのNCO基含有化合物を含み、使用される前記フランジカルボン酸が再生可能原料から得られる、プラスチックおよび/または金属基材を接着するための接着剤に関する。
【0011】
本発明の意味の範囲内において、再生可能原料は、農林業生産に由来する有機原材料、特に植物由来の原材料および生体廃棄物を意味すると理解される。例えば、木材、綿などの天然繊維、植物油、糖、デンプンなどは、再生可能原料として使用され得る。
【0012】
フランジカルボン酸の調製に適した再生可能原料は、例えば、糖または多糖類である。必要とされるC5糖および多糖類は、とりわけ、バイオマスの分解中に生成される。フランジカルボン酸は、例えば、バイオマスから単離された糖から順番に得られるヒドロキシメチルフルフラールを酸化することにより調製できる。
【0013】
したがって、本発明の実施形態において、フランジカルボン酸は、好ましくはバイオマスの分解から生じる、糖および/または多糖類から得られることが好ましい。
【0014】
セルロースは、フランジカルボン酸を調製し得る原料の別の供給源である。したがって、セルロースおよび/またはセルロース誘導体から出発してフランジカルボン酸を調製する実施形態が代替的に好ましい。
【0015】
<A.ポリエステルポリオール>
本発明による接着剤に使用されるポリエステルポリオールは、好ましくはフランジカルボン酸とポリオールとの反応からの反応生成物である。
【0016】
本発明の意味の範囲内において、ポリオールは、少なくとも2つの活性OH基を含有する化合物である。特に好ましいポリオールは、ジオールまたはトリオールである。
【0017】
使用されるポリオールについて特別な要件はない。むしろ、使用されるポリエステルポリオールの特性をそれぞれの要件に個別に適合させることができるさまざまなポリオールを使用することができる。
【0018】
ポリオールは、好ましくは脂肪族ポリオール、ポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオール、特にポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリスルフィドポリオールおよびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0019】
適切なポリエーテルポリオールとしては、多数のエーテル結合および少なくとも2つのヒドロキシル基を有し、好ましくはヒドロキシル基以外のさらなる官能基を含有しない、直鎖状および/または分枝状ポリエーテルが挙げられる。そのような適切なポリエーテルポリオールの例は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチルグリコールおよびポリブチルグリコールなどのポリオキシアルキレンポリオールである。さらに、上述のポリオキシアルキレンポリオールのホモポリマーおよびコポリマー、ならびにそれらの混合物が使用され得る。ポリオキシアルキレンポリオールの特に適切なコポリマーは、エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよびブチレンオキシドからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を有する、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、2-エチルヘキサンジオール1,3-グリセロール、1,2,6-ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、トリス(ヒドロキシフェニル)プロパン、トリエタノールアミン、およびトリイソプロピルアミンからなる群からの少なくとも1つの化合物の付加物を含むものである。
【0020】
特に好ましい実施形態では、ポリオールは、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチルグリコール、およびエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのランダムコポリマーおよび/またはブロックコポリマーからなる群から選択される。
【0021】
別の好ましい実施形態では、ポリオールはポリエステルである。適切なポリエステルポリオールは、例えば、2~15個の炭素原子を有する1つ以上の多価アルコールと2~14個の炭素原子を有する1つ以上のポリカルボン酸とを縮合させることにより形成され得る。適切な多価アルコールの例としては、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセロール;1,2-プロピレングリコールおよび1,3-プロピレングリコールなどのプロピレングリコール;ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、1,4,6-オクタントリオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、特に1,4-ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ドデカンジオール、オクタンジオール、クロロペンタンジオール、グリセロールモノアリルエーテル、グリセロールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール、2-エチルヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,2,6-ヘキサントリオール、1,3,5-ヘキサントリオールおよび1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)プロパンが挙げられる。
【0022】
本発明による組成物に使用されるさらなるポリエステルポリオールは、グリセロールと脂肪酸とのエステルに基づいて形成され得る。これらのエステルは、一般に「植物油」という総称でグループ化される。適切な化合物は、例えば、亜麻仁油、大豆油、菜種油、ヒマワリ油、パーム油、ベニバナ油、魚油およびヒマシ油である。
【0023】
特に、本発明による接着剤組成物に使用されるポリエステルポリオールの加工特性に関して、フランジカルボン酸系ポリエステルポリオールがさらなる官能基単位を有することが有利であることが見出された。したがって、好ましい一実施形態において、ポリエステルポリオールは、フランジカルボン酸と1つ以上のさらなるカルボン酸との混合物に基づくポリエステルポリオールである。前記さらなるカルボン酸は、好ましくは脂肪族二酸である。特に、前記さらなるカルボン酸は、コハク酸、アジピン酸、ドデカン二酸、アゼライン酸およびセバシン酸およびそれらの混合物からなる群から選択され、前記酸は好ましくは再生可能原料から得られる。
【0024】
本発明の好ましい実施形態では、ポリオールは、再生可能原料から得られるポリオールである。このようにして、本発明による接着剤の持続可能性をさらに高めることができる。したがって、特に好ましい実施形態では、ポリオールは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、1,4-ブタンジオールおよび1,4-ペンタンジオールからなる群から選択される。これらは、それぞれ再生可能原料から得られる化合物である。
【0025】
本発明のさらに好ましい実施形態では、使用されるポリエステルポリオールは、完全に再生可能原料から得られる。本発明による接着剤の環境適合性をさらに改善するために、好ましい一実施形態において、再生可能原料からのポリエステルポリオールの割合は、それぞれ接着剤中のポリエステルポリオールの総重量に基づいて、少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%であり、特に好ましくは、95重量%~100重量%である。驚くべきことに、再生可能原料に基づくポリエステルポリオールの割合が高いにもかかわらず、本発明による接着剤の機械的および物理的特性は、化石源から従来の方法で調製された成分の従来の接着剤の機械的および物理的特性に匹敵することがわかった。
【0026】
<B.NCO基含有化合物>
ポリエステルポリオールに加えて、本発明による接着剤は、NCO基含有化合物も含む。NCO基含有化合物は、好ましくは、ポリイソシアネートおよびNCO含有プレポリマーからなる群から選択される。
【0027】
本発明の意味の範囲内で、ポリイソシアネートは、少なくとも2つの活性NCO基含有化合物であり、好ましくはジイソシアネートまたはトリイソシアネートである。
【0028】
好ましい実施形態において、NCO基含有化合物は、1,5-ナフチレンジイソシアネート(NDI)、2,4’-または4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)の異性体、メチレントリフェニルトリイソシアネート(MIT)、水素化MDI(H12MDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、1-イソシアナトメチル-3-イソシアナト-1,5,5-トリメチルシクロヘキサン(IPDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサン-1,6-ジイソシアネート(HDI)、ペンタメチレンジイソシアネートおよびジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ならびにそれらのオリゴマーおよびポリマーからなる群から選択される。適切なNCO含有プレポリマーは、OH基および/またはNH基を有する化合物と過剰のポリイソシアネートとの反応生成物であり、使用されるポリマーおよびポリイソシアネートに特定の要件は課されない。ポリイソシアネートは、例えば上記のものであり得る。ポリエーテルアミンは、例えば、NH基を有する化合物として使用され得る。上記のポリオールは、OH基を有する化合物として使用され得、得られたプレポリマーは、異なるまたは同じポリオールとさらに反応し得る。
【0029】
本発明の一実施形態において、NCO基含有化合物は、ペンタメチレンジイソシアネートなどの再生可能原料から出発して調製されるものが特に好ましい。ペンタメチレンジイソシアネートは、好ましくは三量体として使用される。
【0030】
NCO基含有化合物の量は、ポリエステルポリオールとの変換反応の反応制御に影響を与えるために使用され得る。NCO基含有化合物を過剰に使用すると、未反応のNCO基を含有するポリマー混合物が形成される。このようにして、特に、低分子量の化合物を得ることができる。逆に、少量のNCO基含有化合物を使用する場合、または反応を段階的に実行する場合、出発化合物と比較して、得られるポリマーの分子量を増加させることができる。したがって、好ましい実施形態では、本発明による接着剤中のNCO:OHの物質量比は、1.2:1~2.9:1、好ましくは1.5:1~2:1である。
【0031】
触媒を使用して、ポリエステルポリオールとNCO基含有化合物との間の反応を促進し、したがって接着剤の硬化を促進し得る。したがって、本発明による接着剤が、ポリエステルポリオールとNCO基含有化合物との間の反応を触媒することができる触媒をさらに含む実施形態が好ましい。触媒は、好ましくは、Sn、Ti、Fe、Zn、Bi、Hg、Pbの金属化合物または三級アミンである。
【0032】
触媒は、特に好ましくは、テトラブチルチタネートおよびテトラプロピルチタネートなどのチタネート;ジブチルスズジラウレート(DBTL)、ジブチルスズジアセテート、スズオクトエートなどのスズカルボン酸;ジブチルスズ酸化物およびジオクチルスズ酸化物などのスズ酸化物;アルミニウムトリスアセタールアセトネート、アルミニウムトリスエチルアセトネートなどの有機アルミニウム化合物;チタンテトラアセチルアセトネートなどのキレート化合物;トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N-メチルモルホリン、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1,8-ジアザビシクロ-(5,4,0)-ウンデカン-7(DBU)、1,4-ジアザビシクロオクタン(DABCO)、1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、N,N-ジメチルピペラジン、1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ-7-エン、ジモルホリノジメチルエーテル、ジモルホリノジエチルエーテル(DMDEE)およびそれらの混合物などのアミン化合物である。
【0033】
この場合、触媒の量は、接着剤の総重量に基づいて、好ましくは0.01~5重量%、特に好ましくは0.05~2重量%である。
【0034】
本発明による接着剤は、さらなる成分をさらに含有し得る。1つ以上のさらなるポリエステルポリオール、特に脂肪族二酸に基づくポリエステルポリオールが接着剤に添加されることが有利であることがわかった。驚くべきことに、このようにして、特に接着剤の粘度をそれぞれの要件に対応して調整し得ることがわかった。脂肪族二酸に基づくポリエステルポリオールは、好ましくは、再生可能原料に基づいて調製される脂肪族二酸に基づくポリエステルポリオールである。特に好ましい実施形態では、さらなるポリエステルポリオールは、コハク酸、アジピン酸、ドデカン二酸、アゼライン酸およびセバシン酸およびそれらの混合物からなる群から選択される酸に基づくポリエステルポリオールであり、前記酸は好ましくは再生可能原料から得られる。
【0035】
接着剤の物理的および機械的特性をそれぞれの要件に適合させるために、接着剤に添加剤を加えてもよい。これらの添加剤は、例えば、可塑剤、樹脂、安定剤、顔料または充填剤であり得る。使用する化合物に特別な要件はない。しかし、食品の安全性の観点から安全であり、好ましくは再生可能原料から調製されるおよび/または調製された化合物が好ましい。
【0036】
さらに好ましい実施形態では、接着剤は接着促進剤を含んでもよい。これらは、例えば、ポリオレフィン接着促進剤またはシラン接着促進剤であり得る。本発明の文脈で使用される接着促進剤は、好ましくはシラン接着促進剤、特にアミノシラン、メルカプトシラン、エポキシシラン、ビニルシラン、(メタ)アクリルシラン、イソシアナトシラン、カルバマトシラン、アルキルシラン、S-(アルキルカルボニル)メルカプトシランおよびアルジミノシランおよびこれらのシランのオリゴマー形態などのオルガノアルコキシシランである。
【0037】
用途および適用分野に応じて、接着剤が溶媒を含むことが有利である場合がある。したがって、本発明による接着剤が溶媒を含む実施形態が好ましい。適切な溶媒は、特に120℃までの温度で蒸発する溶媒である。溶媒は、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ケトンまたはエステルの群から選択され得る。
【0038】
しかしながら、他の適用分野では、溶媒の存在は望ましくない場合がある。したがって、代替実施形態では、本発明による接着剤は溶媒不含であるのが好ましい。
【0039】
別の好ましい実施形態では、前記接着剤は水性分散液である。
【0040】
本発明による接着剤は、好ましくは低粘度接着剤である。したがって、本発明による接着剤は、好ましくは、EN ISO 2555に従ってブルックフィールド粘度計を使用して10~60℃で測定される、200~10,000mPas、好ましくは500~3,000mPasの範囲の粘度を有する。前記特定の範囲の粘度は、本発明による接着剤をフィルム基材の接着に特に適したものにする。
【0041】
本発明による接着剤は、好ましくは10~75℃、より好ましくは15~60℃の塗布温度を有する。驚くべきことに、この範囲の塗布温度により、本発明による接着剤を大きな表面積に塗布できることがわかった。
【0042】
健康に対する有害性に関して接着剤に課される通常の要件に加えて、食品包装の製造に使用される接着剤は特別な規制の対象となる。接着剤自体が食品の安全性の観点から安全でなければならないだけでなく、副産物または分解生成物の含有量も可能な限り低くする必要がある。ここで役割を果たす化合物のグループは、移行可能な化合物として称されるもの、すなわち、包装材料を通り抜けて包装された食品に移行し得る化合物である。これらの化合物はほとんどが官能基性を持たない化合物であるため、マトリックス複合材料に組み込まれていない。生産に応じてポリエステルポリオール成分に存在し得る環状エステル化合物は、そのようなクラスの化合物の1つである。驚くべきことに、再生可能原料から調製されたフランジカルボン酸を使用することにより、ポリエステルポリオール中の環状エステルの数を減らすことができることがわかった。例えば、本発明で使用されるフランジカルボン酸に基づくポリエステルポリオールは、化石源に基づく同等のポリエステルポリオールよりも最大で10倍低い環状エステルの割合を有する。したがって、好ましい実施形態において、本発明による接着剤中のポリエステルポリオール中の環状エステルの割合は、5,000ppm以下、好ましくは4,000ppm以下、特に好ましくは0~3500ppmであり、前記ppmは質量部に関する。
【0043】
本発明による接着剤は、フィルム状基材の接着に特に適している。したがって、本発明はさらに、基材、特にフィルム状基材を接着する方法に関する。本発明による方法では、本発明による接着剤を少なくとも1つの基材に塗布し、次いで少なくとも1つのさらなる基材と互いに接合する。
【0044】
好ましい実施形態では、基材は前処理を受け得る。さらに好ましい実施形態では、前記基材は圧力下で互いに接合され得る。
【0045】
驚くべきことに、本発明による方法は、金属基材および印刷面との接着にも適していることがわかった。したがって、一実施形態において、基材の少なくとも1つは、金属面または印刷面を有することが好ましい。基材が印刷面を有する場合、本発明による接着剤は、印刷面の反対側の基材の表面に塗布されることが好ましい。
【0046】
食品は通常、食品の貯蔵寿命を延ばし、その味と香りを保存するためにフィルムに包装される。したがって、本方法の一実施形態において、接着剤を第1フィルム状基材に塗布し、次いで前記基材を第2フィルム状基材に接着する方法が好ましい。フィルム状基材は、例えば、金属フィルムまたはフィルム複合体であってよい。
【0047】
再生可能原料から物質を調製することにより物質の持続可能性を改善できるだけでなく、必要な量を減らすことができるため、物質の性能を高めることも持続可能性に貢献し得る。驚くべきことに、少なくとも2つの基材を接着するための本発明による接着剤の必要量は、接着効果に悪影響を及ぼさずに、従来の接着剤と比較して大幅に削減できることがわかった。したがって、本発明による方法の一実施形態において、基材に接着剤を1~100g/m2、好ましくは2~35g/m2の量で塗布することが好ましい。
【0048】
本発明はさらに、本発明による方法を使用して得られ得る物品に関する。前記物品は、好ましくは、本発明による接着剤に接着されるフィルム基材である。前記物品は特に好ましくは食品包装である。
【0049】
本発明はさらに、本発明による接着剤を硬化することにより得られ得る硬化した接着剤に関する。硬化は、例えば光照射によって、または水分の存在下で、当業者に知られている方法で行われ得る。本発明はさらに、硬化した接着剤を含む物品、好ましくは食品包装に関する。
【0050】
フランジカルボン酸は、様々な用途を有する一般的な化合物である。再生可能原料から調製されるフランジカルボン酸も、当業者に知られている。本発明の文脈において、驚くべきことに、再生可能原料からのフランジカルボン酸も接着剤の調製にうまく使用できることがわかった。したがって、本発明はさらに、接着剤を調製するための再生可能原料からのフランジカルボン酸の使用に関する。
【実施例】
【0051】
本発明は、以下の実施例を参照して詳細に説明されるが、前記実施例は、発明の概念を限定することを意図するものではない。
<(a)測定方法>
酸価は、DIN EN ISO 2114に従って決定された。
OH基価は、DIN 53240-2に従って決定された。
粘度は、ブルックフィールド(サーモセル)、スピンドル27を使用し、10回転/分で決定された。
<(b)使用した出発材料>
アジピン酸(ドイツのBASF SEから入手可能)
再生可能原料からの2,5-フランジカルボン酸(例えばオランダのSynvina C.Vから入手可能)
再生可能原料からのジエチレングリコール(例えば、インドのIndia-Glycols Ldt.から入手可能)
Desmodur L75およびDesmodur N3300(ドイツのCovestro AGから入手可能)
LOCTITE LIOFO L LA 7707およびLOCTITE LIOFOL LA 6707(ドイツのヘンケルAG&Co.KGaAから入手可能)
【0052】
<1.FDCA含有量の高いフランジカルボン酸(FDCA)系ポリエステルポリオールの合成>
アジピン酸119g(17.05モル%)、再生可能原料由来の2,5-フランジカルボン酸195.72g(26.35モル%)およびジエチレングリコール286g(56.6モル%)を、窒素注入口、熱電対、撹拌機、蒸留アームを備える1Lの四つ口フラスコ中で混合した。前記混合物を窒素気流下で200℃に加熱し、約8時間撹拌した。次いで、反応混合物を冷却し、原料の総重量に基づいて0.02重量%のチタンイソプロポキシドを添加し、完全に反応させるために、反応混合物の圧力を30ミリバールまで徐々に低下させた。酸価が2以下に達するとすぐに、反応混合物を冷却した。得られたポリエステルポリオールは以下の特性を有していた。
酸価:1.4mgKOH/g
OH価:121mgKOH/g
粘度:12,000mPas(50℃で測定)
115,000mPas(室温で測定)
分子量(Mw):2,946g/モル
分子量(Mn):1,898g/モル
多分散性:1.6(GPCで測定)
【0053】
実施例1によるポリエステルポリオール中および従来のエステル中の環状エステルの含有量を比較した。比較用に、イソフタル酸に基づくポリエステルポリオールを選択した。環状エステルの割合をGC-MS法を使用して決定した。
【0054】
実施例1に従って得られたポリエステルポリオールおよび比較のポリエステルポリオールをそれぞれヘッドスペースバイアルに秤量し、99.8%エタノールと混合した。その後、容器をしっかりと密閉し、サンプルを70℃で2時間抽出した。次いで、各抽出物から1ml採取し、内部標準(ナフタレン-D8)と混合し、GC-MSを使用して測定した。約1gの物質がサンプルごとに抽出された。応答係数1(RF=1)のナフタレン-D8に関して同定を行なった。結果を表1にまとめる。
【表1】
【0055】
表1から分かるように、実施例1によるポリエステルポリオール中の環状エステルの割合は、比較サンプル中の割合よりも著しく低い。比較サンプルでは、15,700ppmの量の環状エステルが見つかったが、実施例1のポリエステルポリオール中の環状エステルの量は、2,460~2,760ppmであった。
【0056】
<2.FDCA含有量の少ないフランジカルボン酸(FDCA)系ポリエステルポリオールの合成>
アジピン酸205g(41モル%)、再生可能原料からの2,5-フランジカルボン酸16g(2.92モル%)、1,2-プロピレングリコール53g(20.35モル%)およびジエチレングリコール130g(35.73モル%)を、窒素注入口、熱電対、撹拌機および蒸留アームを備えた1Lの四つ口フラスコで混合した。前記混合物を窒素気流下で200℃に加熱し、約8時間撹拌した。次いで、反応混合物を冷却し、原料の総重量に基づいて0.02重量%のチタンイソプロポキシドを添加し、完全に反応させるために反応混合物の圧力を30ミリバールまで徐々に低下させた。酸価が2以下に達するとすぐに、反応混合物を冷却した。得られたポリエステルポリオールは以下の特性を有していた。
酸価:0.2mgKOH/g
OH価:124mgKOH/g
粘度:2,400mPas(室温で測定)
分子量(Mw):3,094g/モル
分子量(Mn):1,779g/モル
多分散性:1.7(GPCで測定)
【0057】
<3.ラミネート接着剤I>
(ステージ1)
酢酸エチル79.33gおよび実施例1からのポリエステルポリオール91.06gを反応器に入れて混合した。均質な混合物ができたら、サンプルを採取して含水量を決定した。含水量は<300ppmであった。
【0058】
4,4'-MDI(添加比4,4'-MDI:ポリエステルポリオール=物質量NCO:OH=1.9:1;NCO含有量4,4'-MDI=33.5%)を前記混合物に添加し、78℃で2.75時間反応させた。理論上のNCO含有量(1.85%[+/-0.1%])に達した後、冷却装置のスイッチを入れて75℃未満に冷却することにより、温度を下げた。
【0059】
(ステージ2)
75℃未満の温度に達するとすぐに、シラン接着促進剤2.14g、芳香族三官能性イソシアネート(Desmodur L 75)0.98gおよび脂肪族三官能性イソシアネート(Desmodur N3300)4.02gを加え、前記混合物をさらに冷却した。
【0060】
前記混合物を15分間均質化し、NCO含有量を決定するためにサンプルを採取した(ステージ2の所望NCO値:2.35%)次いで、前記混合物をさらに50℃~40℃の温度に冷却し、準備した容器に注いだ。
【0061】
(フィルムラミネート)
DIN A4サイズのフィルムサンプルを、ワイヤードクターブレードを使用して前記接着剤でコーティングし、乾燥キャビネット内で溶媒を蒸発させ、ロールラミネーターを使用して前記フィルムをラミネートした。接着剤がAI/cPP位置にあるPET/AI/cPP複合体を製造した。前記プラスチックコーティングは3.5g/m2であった。硬化後(室温で14日間)の接着強度は3.6/3.7N/15mmであった。
【0062】
滅菌後(硬化後134℃で45分)の接着強度は4.6/4.7N/15mmであり、これは接着強度が4N/15mmより大きくなければならないという市場要件を満たしている。
【0063】
<4.ラミネート接着剤II>
実施例2によるポリエステルポリオールを、上記で特定された比率でLA7707と混合した。
【0064】
ラミネート用接着剤LOCTITE LIOFOL LA7707/LA6707を参照として選択した。
(LA7707):
基本成分:PPG400、PPG1000、ヒマシ油および4,4’-MDIに基づくNCO末端プレポリマー
NCO含有量:12-12.6%
粘度:3,000-5,000mPas(40℃で測定)
(LA 6707):
硬化剤成分:100%ポリエステルPES218に基づくOH官能基性
OH価:135+/-6mgKOH/g
粘度:2,000-3,000mPas(20℃で測定)
混合比 LA7707/LA6707(重量比):100:75(NCO:OH~1.6)
【0065】
ポリエステルの比較のために、40℃に予熱された成分LA7707を、それぞれLA6707および実施例2によるポリエステルポリオールと連続して1回混合し、約1分間手で均質化した。この目的のために、500gのLA7707を秤量し、約1.6のNCO:OH比が存在するように、375gのLA6707および425gの実施例2によるポリエステルポリオールと混合した。前記混合物をラミネート機(ポリタイプ、試験機)のロールニップに注いだ。1m2当たり2gの接着剤混合物が塗布されたPETフィルムをキャリアフィルムとして使用した。次いで、PEフィルムを供給し、得られたPET/PEラミネートを巻き取った。
【0066】
前記複合体を室温で保存し、一定期間後にロールからのサンプルの接着強度を決定した。
【0067】
密封されたシーム接着は、14日後に決定された。さらに、前記サンプルを折り目試験と称される試験に供した。この試験では、一定時間後にサンプルをしっかりと曲げ、ペーパークリップで固定し、80℃のオーブン内で1時間保管した。
【0068】
前記複合体を試験するために、DIN A4サイズのサンプルを選択した。前記サンプルを、縁が互いに重なり合うように全方向(上向き、右向き、下向き、左向き)に一度折り畳み、約5cm×7.5cmの面積の折り畳まれた端部片を作製した。定規を使用して、前記端を軽い圧力で押した。前記4つ折り複合材をペーパークリップで固定し、80℃のオーブン内で1時間保管した。次いで、前記サンプルをオーブンから取り出し、広げて視覚的に検査した。層間剥離を確認された場合、前記試験は失敗したと評価する必要があった。サンプルが折り目試験に合格した場合、ラミネートは接着強度が非常に高いため、機械的および熱的負荷に耐えることができる。
【0069】
【0070】
表から分かるように、本発明による接着剤は、従来の接着剤のものに匹敵するか、または部分的に超える満足な結果を示す。
本明細書の当初の開示は、少なくとも下記の態様を包含する。
[1]プラスチック基材および/または金属基材接着用の接着剤であり、
前記接着剤は、少なくとも1つのフランジカルボン酸(FDCA)系ポリエステルポリオール、および少なくとも1つのNCO基含有化合物を含み、使用される前記フランジカルボン酸が再生可能原料から得られることを特徴とする、接着剤。
[2]前記ポリエステルポリオールは、フランジカルボン酸とポリオールとの反応生成物であることを特徴とする、[1]に記載の接着剤。
[3]前記ポリオールはジオール、好ましくは再生可能原料から得られるジオールであることを特徴とする、[2]に記載の接着剤。
[4]前記ポリエステルポリオールは、完全に再生可能原料から得られることを特徴とする、[3]に記載の接着剤。
[5]再生可能原料からのポリエステルポリオールの割合は、それぞれ前記接着剤中のポリエステルポリオールの総重量に基づいて、少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%であることを特徴とする、[4]に記載の接着剤。
[6]前記NCO基含有化合物は、2つ以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネートである、好ましくは、1,5-ナフチレンジイソシアネート(NDI)、2,4’-または4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)の異性体、メチレントリフェニルトリイソシアネート(MIT)、水素化MDI(H12MDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、1-イソシアナトメチル-3-イソシアナト-1,5,5-トリメチルシクロヘキサン(IPDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサン-1,6-ジイソシアネート(HDI)、ペンタメチレンジイソシアネートおよびジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ならびにそれらのオリゴマーおよびそれらのポリマーからなる群から選択される化合物であることを特徴とする、[1]~[5]のいずれかに記載の接着剤。
[7]前記NCO基含有化合物は、NCO末端プレポリマーであることを特徴とする、[1]~[6]のいずれかに記載の接着剤。
[8]前記接着剤は、溶媒を含有する、または溶媒不含である、または水性分散液として存在することを特徴とする、[1]~[7]のいずれかに記載の接着剤。
[9][1]~[8]のいずれかに記載の接着剤を少なくとも1つの基材に塗布し、次いで前記基材を少なくとも1つのさらなる基材と互いに接合する、少なくとも2つの基材を接着する方法。
[10]前記基材の少なくとも1つは、金属面または印刷面を有することを特徴とする、[9]に記載の方法。
[11]前記接着剤を第1フィルム状基材に塗布し、次いで前記基材を第2フィルム状基材に接着することを特徴とする、[9]または[10]に記載の方法。
[12]前記接着剤を1~100g/m
2
の量で塗布することを特徴とする、[9]~[11]のいずれかに記載の方法。
[13]フランジカルボン酸が再生可能原料から得られることを特徴とする、接着剤を調製するためのフランジカルボン酸の使用。
[14][9]~[12]のいずれかに記載の方法を使用して得られる物品。
[15]前記物品が食品包装であることを特徴とする、[14]に記載の物品。