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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-21
(45)【発行日】2023-03-02
(54)【発明の名称】試験プローブ及び試験プローブ・チップ
(51)【国際特許分類】
   G01R 1/067 20060101AFI20230222BHJP
【FI】
G01R1/067 C
【請求項の数】 4
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2015257610
(22)【出願日】2015-12-29
(65)【公開番号】P2016126018
(43)【公開日】2016-07-11
【審査請求日】2018-12-14
【審判番号】
【審判請求日】2021-12-03
(31)【優先権主張番号】14/587703
(32)【優先日】2014-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391002340
【氏名又は名称】テクトロニクス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】TEKTRONIX,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(74)【代理人】
【識別番号】110001209
【氏名又は名称】特許業務法人山口国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジュリー・エイ・キャンプベル
(72)【発明者】
【氏名】アイラ・ジー・ポロック
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム・エイ・ハガーアップ
(72)【発明者】
【氏名】クリスティーナ・ディ・エンス
【合議体】
【審判長】中塚 直樹
【審判官】波多江 進
【審判官】濱野 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-121284(JP,A)
【文献】特開平8-86808(JP,A)
【文献】特開平6-267710(JP,A)
【文献】特開平3-268302(JP,A)
【文献】特開2006-337361(JP,A)
【文献】米国特許第5106312(US,A)
【文献】特開平6-13202(JP,A)
【文献】特開2000-260601(JP,A)
【文献】特開平5-175002(JP,A)
【文献】米国特許第2849681(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0222665(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102009008156(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R1/067
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾力性アセンブリと、
弾力性アセンブリと結合される第1端面を有し、外側周囲上抵抗性コーティングだけに電気が流れる構造の円形棒状抵抗器である抵抗性/インピーダンス要素と、
該抵抗性/インピーダンス要素の第2端面と電気的及び機械的に直接結合されるよう構成されるチップ部品と
を具える試験プローブ・チップ。
【請求項2】
上記弾力性アセンブリが、
上記抵抗性/インピーダンス要素の上記第1端面と結合されるよう構成されるプランジャ部品と、
該プランジャ部品を受け、該プランジャ部品が内部で同軸状にスライドするよう構成される円筒型部品と、
円筒型部品内に配置され、該円筒型部品内で内部方向へ上記プランジャ部品がスライドするのに応答して上記プランジャ部品に作用するスプリング機構と
を含む請求項1の試験プローブ・チップ。
【請求項3】
試験プローブ本体と、
該試験プローブ本体と一体化される少なくとも1つの試験プローブ・チップと
を具え、
上記試験プローブ・チップのそれぞれが、
弾力性アセンブリと、
弾力性アセンブリと結合される第1端面を有し、外側周囲上抵抗性コーティングだけに電気が流れる構造の円形棒状抵抗器である抵抗性/インピーダンス要素と、
該抵抗性/インピーダンス要素の第2端面と電気的及び機械的に直接結合されるよう構成されるチップ部品と
を含む試験プローブ。
【請求項4】
上記弾力性アセンブリが、
上記抵抗性/インピーダンス要素の上記第1端面と結合されるよう構成されるプランジャ部品と、
該プランジャ部品を受け、該プランジャ部品が内部で同軸状にスライドするよう構成される円筒型部品と、
円筒型部品内に配置され、該円筒型部品内で内部方向へ上記プランジャ部品がスライドするのに応答して上記プランジャ部品に作用するスプリング機構と
を含む請求項3の試験プローブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、試験プローブに関し、特に、試験プローブ用の試験プローブ・チップに関する。
【背景技術】
【0002】
今日のエンジニアは、高速シリアル・バスが流れるデバイスを試験しようと試みている。こうしたデバイスの多くは、限定されるものではないが、ダブル・データ・レート第2世代(DDR2)シンクロナス・ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(SDRAM)、ダブル・データ・レート第4世代(DDR4)SDRAM、ペリフェラル・コンポーネント・インターコネクト・エクスプレス(PCIe)として特定されるものがあっても良い。小振幅の電圧が振動し、パルス周波数が非常に高く、シグナリングの複雑さのために、正確な電気的プロービングが必要となる。これら及び他のバスは、様々な種類のコンシューマ・ハードウェア・デイバイスにおいて、広く普及しつつある。これら製品のそれぞれにおいて、心のある試験ポイントが多数ある。
【0003】
これら製品中の試験ポイントは、幾何学的配置(geometry)及びアクセスし易さの両方が非常に大きく変化し、通常、コンタクトの1又は2ポイントが必要とされる。典型的には、コンタクトのポイントとしては、マイクロ・トレース、ビア、コンポーネント・パッド及びコネクタ・コンタクトがあり、これらは、高速信号との電気的な接触と、これによって、高速信号へのアクセスとを提供する。しかし、これら試験ポイントは、常に同じ平面にあるわけでなく、もし2つのプローブ・コンタクトが同時に必要とされる(例えば、差動プローブの場合におけるような)と、適切な接触のためのプローブの位置決めを補助するために、チップのコンプライアンス(弾力性、追従性)が強く望まれる。コンタクトのポイントは、主成分分析(principal component analysis: PCA)ハードウェア上では、仮想的に垂直から水平までを含むあらゆる方向の角度で存在できる。こうした種類のシナリオにおいては、試験ポイントは、コンプライアンスがあればプローブ・チップでより良くアクセスされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-3144号公報
【文献】特開2014-109449号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これらポイントへのワイヤの半田付け又は導電性エポキシによる取り付けを含め、これらアクセス・ポイントのためのプローブ・コンタクトの半恒久的な形態がある一方で、こうした解決手法は、接続中の被測定デバイス(DUT)へのダメージの可能性、長いセットアップ時間、そして、これら試験ポイントへのワイヤ半田付けのために非常に器用なスキルが要求されることを含め、多数の欠点も存在する。また、半恒久的なコンタクトでは、素早くデバッグが行えない。半田付けプローブ・チップは、わずか2、3回の接続の後には摩滅する傾向にあり、よって、交換する必要が生じ、これは、極めて不経済なこととなり得る。最後に、特に高い信号周波数において、半田付けやエポキの品質と幾何学的配置が原因で、信号の忠実性が大きく変化する傾向にある。
【0006】
したがって、試験プローブとの接続に使用する改善されたプローブ・チップへのニーズが残っている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態は、概して、試験プローブと共に使用するのに適したプローブ・チップに関する。試験プローブ・チップには、弾力性アセンブリがあり、これは、チップ部品にも結合される抵抗性/インピーダンス要素と結合されるプランジャ基部を受ける円筒型部品を有していても良い。スプリング機構が、円筒型部品内に閉じ込められるか、さもなくば、配置されても良く、そして、プランジャ基部は、円筒型部品内で同軸状にスライドするよう構成されても良く、その中のスプリング機構によって、例えば、DUT上の試験ポイントと効果的に圧縮抵抗を生じるように動作する。本発明は、以下のような種々の概念から表現しても良い。
【0008】
本発明の概念1は、試験プローブ・チップであって、
弾力性アセンブリと、
弾力性アセンブリと結合されるよう構成され、円形棒状抵抗器である抵抗性/インピーダンス要素と、
該抵抗性/インピーダンス要素と結合されるよう構成されるチップ部品と
を具えている。
【0009】
本発明の概念2は、上記概念1の試験プローブ・チップであって、
上記弾力性アセンブリが、
上記抵抗性/インピーダンス要素と結合されるよう構成されるプランジャ部品と、
該プランジャ部品を受け、該プランジャ部品が内部で同軸状にスライドするよう構成される円筒型部品と、
円筒型部品内に配置され、該円筒型部品内で内部方向へ上記プランジャ部品がスライドするのに応答して上記プランジャ部品に作用するスプリング機構と
を含んでいる。
【0010】
本発明の概念3は、上記概念2の試験プローブ・チップであって、このとき、上記抵抗性/インピーダンス要素は、電気機械的接合(electro-mechanical bond)によって上記プランジャ部品と結合される。
【0011】
本発明の概念4は、上記概念1の試験プローブ・チップであって、このとき、上記チップ部品は、電気機械的接合によって上記抵抗性/インピーダンス要素と結合される。
【0012】
本発明の概念5は、上記概念1の試験プローブ・チップであって、このとき、上記チップ部品は、被試験デバイス(DUT)上の試験ポイントと電気的接続を確立するよう構成される少なくとも1つの鋭いポイントを含んでいる。
【0013】
本発明の概念6は、上記概念2の試験プローブ・チップであって、このとき、上記スプリング機構は、上記プローブ・チップと、被試験デバイス(DUT)上の試験ポイントとの間に圧縮抵抗を生じるよう構成される。
【0014】
本発明の概念7は、上記概念1の試験プローブ・チップであって、このとき、上記円形棒状抵抗器は、チューブを覆う抵抗性コーティングを含む。
【0015】
本発明の概念8は、上記概念7の試験プローブ・チップであって、このとき、上記円形棒状抵抗器の金属接続は、各端部に短く重なり合うチューブを含む。
【0016】
本発明の概念9は、試験プローブであって、
試験プローブ本体と、
該試験プローブ本体と一体化される少なくとも1つの試験プローブ・チップと
を具え、上記試験プローブ・チップのそれぞれが、
弾力性アセンブリと、
弾力性アセンブリと結合されるよう構成され、円形棒状抵抗器である抵抗性/インピーダンス要素と、
該抵抗性/インピーダンス要素と結合されるよう構成されるチップ部品と
を含んでいる。
【0017】
本発明の概念10は、上記概念9の試験プローブであって、このとき、上記弾力性アセンブリが、
プランジャ部品と、
該プランジャ部品を受け、該プランジャ部品が内部で同軸状にスライドするよう構成される円筒型部品と、
円筒型部品内に配置され、該円筒型部品内で内部方向へ上記プランジャ部品がスライドするのに応答して上記プランジャ部品に作用するスプリング機構と
を含んでいる。
【0018】
本発明の概念11は、上記概念10の試験プローブであって、このとき、上記抵抗性/インピーダンス要素は、電気機械的接合によって上記プランジャ部品と結合される。
【0019】
本発明の概念12は、上記概念9の試験プローブであって、このとき、上記チップ部品は、電気機械的接合によって上記抵抗性/インピーダンス要素と結合される。
【0020】
本発明の概念13は、上記概念9の試験プローブであって、このとき、上記チップ部品は、被試験デバイス(DUT)上の試験ポイントと電気的接続を確立するよう構成される少なくとも1つの鋭いポイントを含んでいる。
【0021】
本発明の概念14は、上記概念10の試験プローブであって、このとき、上記スプリング機構は、上記プローブ・チップと、被試験デバイス(DUT)上の試験ポイントとの間に圧縮抵抗(compression resistance)を生じるよう構成される。
【0022】
本発明の概念15は、上記概念9の試験プローブであって、2つの試験プローブ・チップを有している。
【0023】
本発明の概念16は、上記概念15の試験プローブであって、このとき、2つの上記試験プローブ・チップのそれぞれの上記弾力性アセンブリが、
プランジャ部品と、
該プランジャ部品を受け、該プランジャ部品が内部で同軸状にスライドするよう構成される円筒型部品と、
円筒型部品内に配置され、該円筒型部品内で内部方向へ上記プランジャ部品がスライドするのに応答して上記プランジャ部品に作用するスプリング機構と
を含んでいる。
【0024】
本発明の概念17は、上記概念9の試験プローブであって、このとき、上記円形棒状抵抗器は、チューブを覆う抵抗性コーティングを含む。
【0025】
本発明の概念18は、上記概念17の試験プローブであって、このとき、上記円形棒状抵抗器の金属接続は、各端部に短く重なり合うチューブを含む。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、本発明の特定の実施形態によるプローブ・チップの例の分解図を示す。
図2図2は、本発明の特定の実施形態による図1に示されたプローブ・チップの組み立て図を示す。
図3図3は、本発明の特定の実施形態による単一チップ試験プローブの例を示す。
図4図4は、本発明の特定の実施形態による差動プローブの例を示す。
図5図5は、本発明の特定の実施形態による試験プローブ・チップに関する周波数応答プロットの例をグラフで表したものである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の実施形態としては、概して、試験プローブと共に使用するのに適し、そして、例えば、被試験デバイス(DUT)上の試験ポイントに、正確で、高さ追従性(height-compliant)があり、クイック(手早く)、そして、軽い圧力での接触を提供するよう構成されるプローブ・チップがある。こうしたプローブ・チップは、DUTとのコンタクトのポイント近くに配置される抵抗性又はインピーダンス要素を含むスプリング・プローブとして構成されても良い。抵抗性又はインピーダンス要素は、スプリング・プローブのスルー応答(through response)を大きく改善でき、また、DUTの負担を著しく低減でき、もって、高速な信号の取込みを可能にする。
【0028】
本発明による試験プローブ及びプローブ・チップは、コンタクト領域の物理的及び電気的なコントロールを効果的に良くでき、また、典型的にはコンタクトの長いセットアップ時間が受け入れられない素早いデバッグ環境に向いている。本発明による試験プローブ及びプローブ・チップは、接続場所に関して優れた視認性を効果的に提供でき、種々のクラスの製品、特にハンドヘルドや素早いプロービングに直感的な操作を提供できる。
【0029】
図1は、本発明の特定の実施形態による試験プローブ・チップ100の例の分解図を示す。この例では、試験プローブ・チップ100には、弾力性アセンブリと、これに結合されたチップ部品108とがある。
【0030】
この例では、弾力性アセンブリには、試験プローブと一体化するよう構成される円筒型部品102がある。プローブ・チップ100には、抵抗性/インピーダンス要素106(例えば、円形棒状抵抗器)と、抵抗性/インピーダンス要素106の一端面(第1端面106a)と、例えば、電気機械的接合(electro-mechanical bond)によって、結合されるプランジャ基部部品104もある。
【0031】
抵抗性/インピーダンス要素106は、その外側の全周囲上に抵抗があるチューブ状の形状を有していても良い。例えば、抵抗性/インピーダンス要素106が、チューブを覆う抵抗性コーティングを含んでも良く、その金属接続は、その両端部における短く重なり合う(重複する)チューブであっても良い。抵抗のチューブ状構造によって、高い帯域幅と、帯域幅の低負荷が可能になる。抵抗性/インピーダンス要素106の丸い表面によって、抵抗性/インピーダンス要素106の断面耐力を効果的に最大化できる。
【0032】
この例では、チップ部品108は、抵抗性/インピーダンス要素106のプランジャ基部部品104と結合される第1端面106aと反対側の第2端面106bと、例えば、電気機械的接合によって、結合されるように構成される。チップ部品108は、DUT上の1つ以上のコンタクト(接触)ポイントと、例えば、きめの細かい電気的な接続性を確立又は容易にするために、1つ以上の鋭いポイントを有していても良い。
【0033】
スプリング機構が、円筒型部品102内に閉じ込められるか、さもなくば、配置されても良く、そして、プランジャ基部104は、円筒型部品102内で同軸状にスライドするよう構成されても良く、その結果として、円筒型部品102内に配置されたスプリング機構により、効果的に圧縮抵抗を生じるように作用を受ける。
【0034】
図2は、弾力性アセンブリと、これに結合されたチップ部品を有する本発明の特定の実施形態による試験プローブ・チップ200の例の組み立て図を示す。この例では、円筒型部品202は、抵抗性/インピーダンス要素206の一端と、例えば、電気機械的結合によって、結合されるプランジャ基部204を受ける。抵抗性/インピーダンス要素206は、その外側の全周囲上に抵抗があるチューブ状の形状を有してもよい。この例では、チップ部品208は、例えば、電気機械的接合によって、抵抗性/インピーダンス要素206のプランジャ基部204と結合された端部と反対側の端部と結合される。
【0035】
図1に示された試験プローブ・チップ100と同様に、スプリング機構が、円筒型部品202内に閉じ込められるか、さもなくば、配置されても良く、そして、プランジャ基部204が、円筒型部品202内で同軸状にスライドするよう構成されても良く、その中のスプリング機構によって、効果的に圧縮抵抗を生じるように作用を受ける。
【0036】
図3は、本発明の特定の実施形態による単一チップ試験プローブ300の例を示す。この例では、試験プローブ300には、試験プローブ本体302と、図1及び2にそれぞれ示された試験プローブ・チップ100及び200のような試験プローブ・チップ304がある。ユーザは、試験プローブ・チップ304と、例えば、DUT上の高速信号アクセス・ポイント又は他の適切なポイントのような試験ポイントとの間に圧縮抵抗を形成するのに、試験プローブ300を使用しても良い。
【0037】
図4は、本発明の特定の実施形態による差動プローブ400の例を示す。この例では、差動プローブ400には、プローブ本体402と、図1及び2にそれぞれ示された試験プローブ・チップ100及び200のような2つの試験プローブ・チップ404及び406がある。ユーザは、試験プローブ・チップ404及び406の一方又は両方と、例えば、DUT上の高速信号アクセス・ポイント又は他の適切なポイントのような1つ又は2つの試験ポイントとの間に圧縮抵抗を形成するのに、試験プローブ400を使用しても良い。
【0038】
図5は、本発明の特定の実施形態による試験プローブ・チップに関する周波数応答プロット500の例をグラフで表したものである。プロット510は、周波数に対する利得特性を示し、プロット520は、周波数に対する位相特性を示す。抵抗の構造(例えば、棒状チューブの特性)及びDUTコンタクトのコンタクト・ポイントの直ぐ近くという構成は、プロット510が示すように、DUT上の信号に対して極めてフラットな応答を生成し、DUTへの負荷を最小に維持しつつ、信号を高い忠実度で再現する。これは、負荷に敏感な信号バスを測定するのに重要である。もしチップ/プローブ入力構造が負荷をかける(例えば、信号のアイを減少又は変更させる)と、送信器-受信器間のシグナリングがじゃまされ、その被試験通信バスが正常に動作しなくなり、試験を台無しにしてしまう。本発明によるプローブ・チップは、効果的にこの問題を大幅に制限する。
【0039】
図示した実施形態を参照しながら、本発明の原理を記述し、説明してきたが、こうした原理から離れることなく、図示した実施形態の構成や細部を変更したり、望ましい形態に組み合わせても良いことが理解できよう。先の説明では、特定の実施形態に絞って説明しているが、別の構成も考えられる。
【0040】
特に、「本発明の実施形態によると」といった表現を本願では用いているが、こうした言い回しは、大まかに言って実施形態として可能であることを意味し、特定の実施形態の構成に限定することを意図するものではない。本願で用いているように、これら用語は、別の実施形態に組み合わせ可能な同じ又は異なる実施形態に言及するものである。
【0041】
従って、本願で説明した実施形態は、幅広い種々の組み替えの観点から、この詳細な説明や添付の資料は、単に説明の都合によるものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものと考えるべきではない。従って、本発明として請求するものは、添付の請求項とそれらに等価なものの範囲と要旨内に入るようなそうした変更したもの全てである。
【符号の説明】
【0042】
100 試験プローブ・チップ
102 円筒型部品
104 プランジャ基部部品
106 抵抗性/インピーダンス要素
106a 抵抗性/インピーダンス要素の第1端面
106b 抵抗性/インピーダンス要素の第2端面
108 チップ部品
200 試験プローブ・チップ
202 円筒型部品
204 プランジャ基部部品
206 抵抗性/インピーダンス要素
208 チップ部品
300 単一チップ試験プローブ
302 試験プローブ本体
304 試験プローブ・チップ
400 差動プローブ
402 プローブ本体
404 試験プローブ・チップ
406 試験プローブ・チップ
図1
図2
図3
図4
図5