(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-21
(45)【発行日】2023-03-02
(54)【発明の名称】試験測定プローブ
(51)【国際特許分類】
G01R 15/04 20060101AFI20230222BHJP
G01R 13/20 20060101ALI20230222BHJP
G01R 19/32 20060101ALI20230222BHJP
G01R 1/06 20060101ALI20230222BHJP
【FI】
G01R15/04
G01R13/20 F
G01R19/32
G01R1/06 F
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018130960
(22)【出願日】2018-07-10
【審査請求日】2021-06-24
(32)【優先日】2017-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391002340
【氏名又は名称】テクトロニクス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】TEKTRONIX,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【氏名又は名称】荒船 良男
(74)【代理人】
【識別番号】110001209
【氏名又は名称】特許業務法人山口国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン・エス・ダンディ
【審査官】永井 皓喜
(56)【参考文献】
【文献】特開平8-86808(JP,A)
【文献】特開平6-331657(JP,A)
【文献】特開2010-25954(JP,A)
【文献】特開2010-121956(JP,A)
【文献】特開2009-145172(JP,A)
【文献】実開昭53-67477(JP,U)
【文献】特開2016-102748(JP,A)
【文献】米国特許第8723530(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 15/00
G01R 13/20
G01R 19/00
G01R 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列寄生容量を有する入力直列抵抗器を含む信号チャンネルと、
該信号チャンネルと結合され、シャント寄生容量を有する増幅器と、
上記信号チャンネル及びグラウンドに結合されたシャント静電放電(ESD)保護ダイオードと、
上記信号チャンネル及び
上記グラウンドに結合された可変シャント抵抗器であって、上記信号チャンネルにかかる電圧を低減し、上記直列寄生容量及び上記入力直列抵抗器
に関係する直列抵抗・静電容量(RC)値と、上記シャントESD保護ダイオード、上記シャント寄生容量及び上記可変シャント抵抗器に関係する
シャント抵抗・静電容量(RC)値
とをマッチング
させるように設定される上記可変シャント抵抗器と、
上記増幅器に結合され、上記可変シャント抵抗器に関係する減衰の変動を調整するよう設定される可変直列抵抗器と
を具え
、
上記シャントESD保護ダイオードの静電容量の温度変化による変動は、上記増幅器の上記シャント寄生容量の温度変化による変動と逆方向であって、上記シャントESD保護ダイオードの上記静電容量と上記増幅器の上記シャント寄生容量を合計した容量の温度変化による変動を低減する試験測定プローブ。
【請求項2】
上記信号チャンネル及び
上記グラウンドに結合されたシャント・ダイオードを更に具え、該シャント・ダイオードは、上記直列
抵抗・静電容量
(RC)値と上記シャント
抵抗・静電容量
(RC)値とをマッチングさせ
るようにバイアスされる請求項
1の試験測定プローブ。
【請求項3】
温度を測定する温度センサと、
該温度センサ及び上記シャント・ダイオードに結合された調整回路と
を更に具え、
該調整回路が温度に基づいて上記シャント・ダイオードをバイアスするよう構成される請求項
2の試験測定プローブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試験測定プローブに関し、特に、容量の変動を低減する機構を有する試験測定プローブに関する。
【背景技術】
【0002】
試験測定システムは、例えば、被試験デバイス(DUT)からの試験信号を受けて測定するよう設計される。例えば、オシロスコープのような試験測定システムは、プローブを介してDUTに結合されることがある。
【0003】
図6は、従来のアクティブ・プローブの例のブロック図である。広帯域のアクティブ・オシロスコープ・プローブは、FET入力バッファ増幅器の前に入力アッテネータを有することが多い。広いレンジの入力電圧を可能とするために、分圧(voltage divider)回路12のような抵抗性アッテネータが、増幅器30の前に配置されることある。増幅器30の入力端子のシャント(Shunt:分路、分流)容量20や他の寄生容量(例えば、寄生容量31)のために、直列抵抗器13にまたがってコンデンサ14を配置することで、アッテネータを補償し、広い周波数帯域に渡る均一な減衰を実現できる。FET増幅器の入力静電容量は、典型的には、個体差による変動に加えて、動作温度及び入力電圧による無視できない変動を示す。これら静電容量の変動は、プローブの期待される動作条件に対するアッテネータ補償の障害となる恐れがある。この理由のために、シャント・コンデンサ20を加えることで、増幅器の入力静電容量の非理想的な特性が予測可能な安定した外部のコンデンサ20(例えば、7.2pF)によって支配されるように(つまり、非理想的な特性がコンデンサ20より小さくなるように)できる。また、シャント・コンデンサ20を加えることで、シャント要素及び直列要素の時定数とマッチングする正確な減衰量に入力アッテネータを調整するようにできる。例えば、入力回路の静電容量は、約880フェムト・ファラッド(fF)であり、これの大部分は、シャント・コンデンサ20の寄与によるものである。なお、本願の
図6及び他の図面に描いた構成要素に関する値は、単に説明の都合上で選択されたものであり、本発明を限定するものではないと理解できよう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【非特許文献】
【0005】
【文献】テクトロニクスの「プローブ/アクセサリ」紹介サイト、テクトロニクス、[online]、[2018年7月6日検索]、インターネット<https://jp.tek.com/accessories>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
DUTからの試験信号を測定するために、DUTからの電流は、プローブを通して引き出される。DUTから電流を引き出せば、試験されている回路の電気的特性を変化させることになる。よって、理想的なプローブは、可能な限り小さい電流を引き出す必要がある。試験測定システムによって引き出される電流は、信号負荷と呼ばれる。信号負荷は、DUTの動作を変え、不正確な試験データを生じることとなるので、望ましくない。信号負荷は、インピーダンスの関数であり、結果として、プローブ中の抵抗と静電容量の関数である。プローブの抵抗を増加させると、直流(DC)及び低周波数信号に関するインピーダンスが増加し、よって、直流(DC)及び低周波数信号に関する信号負荷が減少する。プローブの静電容量を低下させると、高周波数信号に関するインピーダンスが増加し、よって、高周波数信号に関する信号負荷が減少する。このように、信号プローブの抵抗と静電容量は、許容できないレベルの信号負荷をもたらすことなしにプローブで測定できる信号のレンジに、直接影響する。特に、信号プローブの静電容量を着実に低減させれば、より高い周波数の信号を着実に正確に測定可能になる。
【0007】
補償されたアッテネータを生成する代替の方法が、米国特許第6,720,828号に示されている。この手法では、抵抗分圧回路にフィードバックされる前に、入力信号がバッファされ、反転され、そして、スケール調整される。これは、アッテネータから見た実効抵抗を変更し、容量性分圧減衰量とマッチングするように抵抗性分圧減衰量を調整する。しかし、この手法は、実現するのに、カスタムICか、複数のディスクリード部品のどちらかが必要であり、また、プローブよりは、オシロスコープの入力増幅器に適している。
【0008】
本開示での実施例は、これらやその他の課題を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下では、本願で開示される技術の説明に有益な実施例が提示される。この技術の実施形態は、以下で記述する実施例の1つ以上及び任意の組み合わせを含んでいても良い。
【0010】
実施例1としては、試験測定プローブがあり、可変シャント抵抗器を含む分圧回路と、出力部及び上記分圧回路に結合される入力部を有する増幅器と、該増幅器の上記出力部に結合される可変直列抵抗器とを具えている。
【0011】
実施例2としては、実施例1の試験測定プローブがあり、このとき、上記分圧回路は、シャント・コンデンサを含まない。
【0012】
実施例3としては、実施例1~2のいずれかの試験測定プローブがあり、このとき、上記分圧回路がシャント静電放電(ESD)保護ダイオードを含んでいる。
【0013】
実施例4としては、実施例1~3のいずれかの試験測定プローブがあり、このとき、上記分圧回路がシャント・ダイオードを含んでいる。
【0014】
実施例5としては、実施例4の試験測定プローブがあり、このとき、上記シャント・ダイオードは、バイアスされた可変容量(バラクタ)ダイオードである。
【0015】
実施例6としては、実施例4~5のいずれかの試験測定プローブがあり、温度センサと、該温度センサ及び上記シャント・ダイオードに結合された調整回路とを更に具え、該調整回路が温度に基づいて上記シャント・ダイオードをバイアスするよう構成される。
【0016】
実施例7としては、試験測定プローブがあり、直列寄生容量を有する入力直列抵抗器を含む信号チャンネルと、該信号チャンネルと結合され、シャント寄生容量を有する増幅器と、上記信号チャンネル及びグラウンドに結合された可変シャント抵抗器であって、上記信号チャンネルにかかる電圧を低減し、上記直列寄生容量及び上記入力直列抵抗器並びに上記シャント寄生容量及び上記可変シャント抵抗器に関係する抵抗・静電容量(RC)値をマッチングするように設定される上記可変シャント抵抗器と、上記増幅器に結合され、上記可変シャント抵抗器に関係する減衰の変動を調整するよう設定される可変直列抵抗器とを具えている。
【0017】
実施例8としては、実施例7の試験測定プローブがあり、このとき、上記可変シャント抵抗器及び上記入力直列抵抗器は、分圧回路として機能し、該分圧回路がシャント・コンデンサを含んでいない。
【0018】
実施例9としては、実施例8の試験測定プローブがあり、このとき、上記試験測定プローブは、上記信号チャンネルを介して被試験デバイス(DUT)に負荷容量を加え、このとき、上記分圧回路から上記シャント・コンデンサを削除することによって、上記負荷容量を低減する。
【0019】
実施例10としては、実施例7~9のいずれかの試験測定プローブがあり、上記信号チャンネルに結合されたシャント静電放電(ESD)保護ダイオードを更に具え、該ESD保護ダイオードは、上記信号チャンネルを横断する静電放電から上記増幅器を保護する。
【0020】
実施例11としては、実施例10の試験測定プローブがあり、このとき、上記ESD保護ダイオードは、上記増幅器の上記シャント寄生容量に関係する温度で変動する静電容量を相殺する、温度で変動する静電容量を含む。
【0021】
実施例12としては、実施例7~11のいずれかの試験測定プローブがあり、このとき、上記信号チャンネル及びグラウンドに結合されたシャント・ダイオードを更に具え、該シャント・ダイオードは、上記直列寄生容量及び上記シャント寄生容量に関係するRC値をマッチングさせるのをサポートするようにバイアスされる。
【0022】
実施例13としては、実施例12の試験測定プローブがあり、このとき、上記シャント・ダイオードは、可変容量(バラクタ)ダイオードである。
【0023】
実施例14としては、実施例12~13のいずれかの試験測定プローブがあり、温度を測定する温度センサと、該温度センサ及び上記シャント・ダイオードに結合された調整回路とを更に具え、該調整回路が温度に基づいて上記シャント・ダイオードをバイアスするよう構成される。
【0024】
実施例15としては、試験測定プローブを校正する方法があり、上記試験測定プローブの周波数応答をフラットにするように上記試験測定プローブの分圧回路中の可変シャント抵抗器を設定する処理と、上記可変シャント抵抗器の設定に関連する減衰の変動を緩和するように上記試験測定プローブの信号チャンネル中の可変直列抵抗器を設定する処理とを具えている。
【0025】
実施例16としては、実施例15の方法があり、このとき、上記試験測定プローブの上記周波数応答をフラットにすることによって、上記試験測定プローブの上記分圧回路及び増幅器に関係する抵抗及び寄生容量に関する抵抗・静電容量(RC)値をマッチングさせる結果をもたらす。
【0026】
実施例17としては、実施例15~16のいずれかの方法があり、上記試験測定プローブの温度で変動する静電容量を緩和するように、上記分圧回路中のシャント・ダイオードのバイアスを設定する処理を更に具えている。
【0027】
実施例18としては、実施例15~17のいずれかの方法があり、このとき、上記試験測定プローブの上記周波数応答をフラットにするように上記可変シャント抵抗器を設定する処理は、可変コンデンサを調整する処理を含まない。
【0028】
実施例19としては、実施例15~18のいずれかの方法があり、このとき、上記分圧回路は、シャント・コンデンサを含まない。
【0029】
実施例20としては、実施例15~19のいずれかの方法があり、このとき、上記分圧回路は、上記試験測定プローブの増幅器に関係する温度で変動する静電容量を相殺する、温度で変動する静電容量を有するシャント静電放電(ESD)保護ダイオードを含む。
【0030】
本発明の実施形態の態様、特徴及び効果は、添付の図面を参照し、以下の実施形態の説明を読むことで明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】
図1は、入力静電容量を低減した例示的な信号プローブのブロック図である。
【
図2】
図2は、固定の温度補正回路を有する入力静電容量を低減した例示的な信号プローブのブロック図である。
【
図3】
図3は、測定温度に基づく温度補正回路を有する入力静電容量を低減した例示的な信号プローブ300のブロック図である。
【
図4】
図4は、例示的な信号プローブについての温度に関係した容量補償のグラフ400である。
【
図5】
図5は、試験測定プローブを校正する例示的な方法のフローチャートである。
【
図6】
図6は、従来のアクティブ・プローブの例のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
信号プローブの中には、低周波数における信号負荷を緩和するために、分圧回路及び増幅器を採用したものがある。しかし、分圧回路及び増幅器には、寄生容量がある。こうした寄生容量は、温度と試験の設定に基づいて、変動することがある。信号プローブは、可変シャント・コンデンサを利用しても良く、ここで、シャントは、信号チャンネルからグラウンドへと結合するコンポーネントを示している。可変シャント・コンデンサは、分圧回路の抵抗・静電容量(RC)値をプローブの入力部及び増幅器のRC値とマッチングさせるために利用される。これは、未知の静電容量が、制御及び校正された静電容量に圧倒されるという結果となり、これは、次いで、特定の周波数レンジに渡る一貫した信号応答を生じる。残念なことに、可変シャント・コンデンサを加えると、信号プローブの静電容量は増加し、このために、高周波数において、望ましくない信号負荷が増加する。
【0033】
本開示では、容量性分圧回路を、任意の予め選択された減衰量とマッチングさせなくて良いようにすることで、プローブの入力静電容量を低下させることを試みている。その代わりに、直列抵抗器及び増幅器のシャント静電容量にまたがる寄生容量によって形成される容量性分圧回路は、シャント抵抗器の値を調整することによってマッチングされる。種々のシャント抵抗は、容量性減衰量を測定し、ポテンショメータ(例えば、恐らく2GHzまで)か、レーザでトリミング調整可能な抵抗器のどちらかで、プローブに所望値の抵抗器を組み込むことによってか、又は他の適切な手法によって実現できる。これら静電容量は、プローブ毎に変化するので、増幅器の前の減衰量は変化するが、抵抗性の減衰量をマッチングするように調整することによって、その応答はフラットに設定できる。プローブ全体の利得を校正するため、小さな可変減衰補正回路が、増幅器の出力直列終端回路に組み込まれても良い。それでも、増幅器の入力静電容量は、入力電圧と温度で依然として変化する。これら変動を1次(first order)で補正するために、シャント静電容量の増加を可能な限り小さくしつつ、補償コンポーネントを加えても良い。例えば、接合ゲート電界効果トランジスタ(JFET)増幅器については、入力静電容量が、期待される動作温度レンジにわたり、セ氏1度当たり1フェムト・ファラッド(fF)変化しても良い。ほぼ等しく且つ反対の温度係数の静電容量を有する静電放電(Electrostatic discharge:ESD)保護ダイオード(又は、単に「ESDダイオード」)を含むようにしても良く、このとき、シャント静電容量は、約200fF増加するだけである。付加的利点としては、アッテネータとして動作するオペアンプが、更に、プローブの入力部で生じることのあるESDスパイクから保護される。同様に、入力電圧静電容量の変動は、プローブの性能に関して期待されるレベル内へとシャント静電容量をフラットにするよう、適切にバイアスされた可変容量ダイオード(バラクタ)により補償できる。温度に依存する電圧で可変容量ダイオードをバイアスするというオプションも、そうしないと温度係数の合計がゼロ近くならない場合にはある。
【0034】
言い換えると、本願で開示されるのは、信号プローブの静電容量を低減し、結果としてインピーダンスの影響を低減し、信号負荷を低減し、そして、高周波数(例えば、約2ギガ・ヘルツ(GHZ)まで)における精度を向上させるプローブの構造である。具体的には、可変シャント・コンデンサが、分圧回路から省略される。この省略は、こうした省略による静電容量の低減によって、高周波数におけるインピーダンスの影響を低減させる。信号プローブには、可変シャント抵抗器があり、これは、分圧回路のRC値を、増幅器及び信号プローブの入力部のRC値とマッチングさせるのに利用される。可変シャント抵抗器を用いたRC値のマッチングは、分圧回路の減衰特性を変化させる。そこで、信号パスの途中に可変直列抵抗器も加えられる。フラットな周波数特性を生じるように可変シャント抵抗器が調整されたら、可変シャント抵抗器が原因の減衰の変動を調整するのに、可変直列抵抗器が利用される。更に、分圧回路中に、シャントESD保護ダイオードを採用しても良い。このESD保護ダイオードは、増幅器を静電放電から保護する。ESD保護ダイオード及び増幅器の両方には、静電容量があり、これは、温度によって変動する。しかし、ESD保護ダイオードの静電容量の温度係数は、増幅器の静電容量の温度係数とほぼ等しく且つ反対である。こうして、シャントされたESD保護ダイオードは、温度に関係した静電容量の変動を低減し、そして、ほぼ除去できる。1つの例では、温度に関係した静電容量の変動は、セ氏80度の温度変化に対して約20フェムト・ファラッド(fF)の変化に限定される。こうした温度に関係した静電容量の変動は、分圧回路中にシャント・ダイオードを採用することによって、更に緩和できる。シャント・ダイオードは、特定の温度において、増幅器のRC値に、分圧回路のRC値をマッチングするのをサポート/緩和するために、バイアスされても良い。更に別の例では、温度センサと対応する調節回路が、シャント・ダイオードのバイアスを制御できる。これによれば、RCのマッチングが、温度に基づいて、アクティブに調整可能となり、よって、増幅器における温度に関係した静電容量の変動がアクティブに補償可能となる。
【0035】
図1は、入力静電容量を低減した例示的な信号プローブ100のブロック図である。この信号プローブ100試験測定プローブと呼んでも良い。信号プローブ100には、DUTからの試験信号を試験システムへと運ぶために、信号チャンネル111によって相互に結合された分圧回路112、増幅器130及び可変直列抵抗器125がある。分圧回路112及び増幅器130は、信号負荷を制限するインピーダンスを与える。上述のように、信号負荷と呼ばれる作用で、信号チャンネル111にわたって過剰な電流が引き抜かれると、DUTの電気特性を変更することがあり、よって、不正確な試験信号を生じる。
【0036】
分圧回路112には、信号チャンネル111に入力直列抵抗器113がある。分圧回路112には、固定シャント抵抗器117と可変シャント抵抗器119もある。なお、固定シャント抵抗器117及び可変シャント抵抗器119は、実施例によっては、1つの信号抵抗性要素に組み合わせても良いことに注意されたい。信号チャンネル111が、固定シャント抵抗器117及び可変シャント抵抗器119を介してグラウンド123に結合される(例えば、分流(シャント)される)ので、固定シャント抵抗器117及び可変シャント抵抗器119は、シャント・コンポーネントと考えられる。分圧回路112は、受動的な線形回路であり、入力電圧の何分の1かの割合の出力電圧を生じる。DCの観点からは、この割合は、シャント抵抗器117及び119の値に対する入力直列抵抗器113の値で定まる。こうして、シャント抵抗器117及び119並びに入力直列抵抗器113は、分圧回路112として機能する。言い換えると、入力直列抵抗器113、固定シャント抵抗器117及び可変シャント抵抗器119は、抵抗性インピーダンスをもたらし、これは、信号負荷を緩和する。可変シャント抵抗器119は、実施例によって、微調整(trimmer:トリマー)ポテンショメータ、レーザ・トリミング(微調整)抵抗器や、マッチングするRC値を生じるよう特定の抵抗値が選択された抵抗器によって実現されても良い。なお、これらは、あり得る可変シャント抵抗器の構成の、説明に有益な実施例を単に意味するのであって、当業者には、可変シャント抵抗器を利用した他の構成も容易にわかるであろうことが理解できよう。
【0037】
増幅器130は、高入力インピーダンス及び低出力インピーダンスをもたらす。このように、増幅器130の入力は、増幅器130の出力よりも高いインピーダンスを有する。増幅器130の入力端子は、信号チャンネル111を介して分圧回路112に結合される。増幅器130の高入力インピーダンスは、DUTからの電荷の流れを可能な限り低く維持する一方で、測定可能な量の電荷の通過を可能とし、これによって、信号負荷を低減する。その低出力インピーダンスは、ケーブル(例えば、50オームのケーブル)と試験装置を駆動するのに利用される。
【0038】
抵抗性インピーダンスに加えて、分圧回路112及び増幅器130は、静電容量も生成し、これは、信号プローブ100のインピーダンスの一部として機能する。信号チャンネル111に加えられた入力直列抵抗器113は、直列寄生容量115を生成する。信号チャンネル111に結合される増幅器130には、シャント寄生容量131がある。直列寄生容量115及びシャント寄生容量131によってもたらされる静電容量は、温度、試験回路のコンポーネントなどによって変動することがあるが、それぞれ約0.22ピコ・ファラッド(pF)及び約1.8pFである。直列の寄生容量115及び131は、異なる周波数において、試験信号を変動させる。こうした変動は、変化した試験信号を生じ、よって、不正確な試験結果を生じる。言い換えると、直列の寄生容量115及び131が原因で、回路のDC/低周波数の利得が、回路の高周波数の利得と異なることがある。次いで、こうした利得の違いは、試験信号の一部として、誤って測定されることがある。
【0039】
従って、直列抵抗器113及び直列寄生容量115によって生じる直列RC時定数が、シャント抵抗器117及び119並びにシャント寄生容量131によって生じるシャントRC時定数とマッチングするように、信号チャンネル111及びグラウンド123に結合される可変シャント抵抗器119を調整しても良い。言い換えると、固定シャント抵抗器117及び可変シャント抵抗器119は、増幅器のシャント寄生容量131と共に、抵抗と寄生容量をもたらし、これは、RC値を生じる。可変シャント抵抗器119を調整することによって、回路のシャント(分流)部分のRC時定数値を、入力直列抵抗器113及び直列寄生容量115のRC時定数値とマッチングさせることができる。回路のシャント部分と回路の信号チャンネル111の部分のこれらRC値をマッチングさせることによって、試験信号のDC/低周波数の利得が、試験信号の高周波数の利得とマッチングする。これが行われると、信号チャンネル111を通じて送られる試験信号は、周波数領域でグラフにしたときに、ほぼフラットに見える。よって、信号プローブ100は、可変シャント抵抗器119によって校正されると、増幅器130の出力端子において、試験信号の形状を再現する。
【0040】
上述のように、こうしたRCマッチングは、分圧回路112中の可変シャント・コンデンサを利用することによって実現しても良い。しかし、可変シャント・コンデンサを採用すると、回路全体の静電容量を増加させ、よって、信号負荷が増加する。こうしたことから、信号プローブ100の分圧回路112は、シャント・コンデンサと関係無しに(つまり、利用せずに)RCマッチングを実現する。言い換えると、信号プローブ100は、回路に内在する(もともと存在する)容量が原因の負荷容量を、信号チャンネル111を介してDUTに加える。しかし、分圧回路112からシャント・コンデンサを削ることによって、この負荷容量を低減する。
【0041】
可変コンデンサの代わりに可変シャント抵抗器119によってRCマッチングを実行することによって、信号チャンネル111を横断する試験信号の振幅が、変動可能となることに注意されたい。この振幅変動を考慮するために、信号プローブ100には、増幅器130の出力端子に結合された可変直列抵抗器125が加えられる。可変直列抵抗器125は、可変シャント抵抗器119に関係する減衰の変動を調整するように設定されても良い。これによれば、可変シャント抵抗器119に基づくRCマッチングに関係する信号減衰の問題を、シャント・コンデンサを利用することなく克服する。
【0042】
実施例によっては、信号プローブ100の分圧回路112に、シャント静電放電(ESD)保護ダイオード121もある。シャントESD保護ダイオード121は、信号チャンネル111及びグラウンド123に結合される。シャントESD保護ダイオード121は、過剰な電荷が信号チャンネル111を横断して送られる場合に、電荷がグラウンド123へと流れることができるように設計される。これは、静電放電の場合に起きることがあり、電子機器を損傷することがある。こうして、シャントESD保護ダイオード121は、信号チャンネル111を横断して送られる静電放電から、信号チャンネル111に沿った増幅器130やその他のコンポーネントを保護する。シャントESD保護ダイオード121は、他の機能もサポートする。例えば、増幅器130のシャント寄生容量131は、周囲の温度によって変動する。シャントESD保護ダイオード121は、寄生容量を加え、これも周囲の温度によって変動するが、反対方向へである。よって、シャントESD保護ダイオード121の温度で変動する容量は、増幅器130のシャント寄生容量131に関係する温度変動容量を相殺/緩和する。
【0043】
信号プローブ100は、いくつかのコンポーネントで実現できることに注意されたい。例えば、信号プローブ100には、ケーブルを介して補償ボックスに結合されたプローブ・チップと、補償ボックスに結合されたコントローラとがある。いくつかの実施例では、分圧回路112がプローブ・チップ中に配置され、増幅器130及び可変直列抵抗器125が補償ボックスやコントローラ中に配置される。しかし、信号プローブ100の複数のコンポーネントは、図示のように、いくつかの実施例では、全てプローブ・チップ内に実装されても良い。
【0044】
図2は、固定の温度補正回路を有する入力静電容量を低減した例示的な信号プローブ200のブロック図である。信号プローブ200は、温度補正回路を追加した信号プローブ100に似ている。信号プローブ200には、信号チャンネル(パス)211、分圧回路212、入力直列抵抗器213、直列寄生容量215、固定シャント抵抗器217、可変シャント抵抗器219、グラウンド223、シャントESD保護ダイオード221、増幅器230、シャント寄生容量231及び可変直列抵抗器225があり、これらは、信号チャンネル111、分圧回路112、入力直列抵抗器113、直列寄生容量115、固定シャント抵抗器117、可変シャント抵抗器119、グラウンド123、シャントESD保護ダイオード121、増幅器130、シャント寄生容量131及び可変直列抵抗器125と夫々ほぼ同様である。
【0045】
信号プローブ200の分圧回路212には、シャント・ダイオード227もある。シャント・ダイオード227は、図示のように、信号チャンネル211へ(例えば、グラウンドへも)結合される。シャント・ダイオード227は、例えば、電圧源からのネガティブ調整バイアス電圧(VBias)によってバイアスされる。バイアスされたシャント・ダイオード227は、シャント(分流)容量を変更することによって、直列寄生容量215及びシャント寄生容量231に関係するRC値のマッチングをサポートする。例えば、シャント・ダイオード227は、フェムト・ファラッド(fF)オーダーの静電容量を加えることができ、システムの温度を原因とする静電容量の変化を補正するように、分圧回路212のRC定数を調整するのに利用できる。いくつかの実施例では、シャント・ダイオード227は、バイアスされた可変容量ダイオードとして実現される。いくつかの実施例では、シャント・ダイオード227は、
図2に示した向きから反転させることもある。こうした場合では、シャント・ダイオード227のアノードは、信号バイアスに接続され、カソードが信号チャンネル211に接続される。こうした場合、シャント・ダイオード227の極性が反転され、よって、信号バイアスの極性も反転させる。
【0046】
図3は、測定温度に基づく温度補正回路を有する入力静電容量を低減した例示的な信号プローブ300のブロック図である。信号プローブ300は、アクティブな温度補正回路を有する信号プローブ200に似ている。信号プローブ300には、信号チャンネル(パス)311、分圧回路312、入力直列抵抗器313、直列寄生容量315、固定シャント抵抗器317、可変シャント抵抗器319、グラウンド323、シャント・ダイオード327、シャントESD保護ダイオード321、増幅器330、シャント寄生容量331及び可変直列抵抗器325があり、これらは、信号チャンネル211、分圧回路212、入力直列抵抗器213、直列寄生容量215、固定シャント抵抗器217、可変シャント抵抗器219、グラウンド223、シャント・ダイオード227、シャントESD保護ダイオード221、増幅器230、シャント寄生容量231及び可変直列抵抗器225と夫々ほぼ同様である。
【0047】
信号プローブ300には、温度センサ328もあり、これは、温度を測定するよう構成された任意のデバイスである。信号プローブ300には、図示のように、温度センサ328及びシャント・ダイオード327に結合された調整回路329もある。調整回路329は、温度センサ328で測定された温度に基づいてシャント・ダイオード327をバイアスするよう構成された任意の1つのコンポーネント又は複数コンポーネントからなるグループである。よって、調整回路329は、温度変化に関係する静電容量の変化を補正するためのネガティブな温度依存電圧をシャント・ダイオード327に加える。
【0048】
図4は、信号プローブ100、200又は300のような例示的な信号プローブについての温度に関係した容量補償のグラフ400である。グラフ400は、例示的な増幅器の静電容量、ESD保護ダイオードの静電容量及び合計の静電容量の変化を温度の関数として示す。温度は、セ氏(C)単位で示し、静電容量は、pF単位で示す。図示のように、ESD保護ダイオードは、セ氏30度からセ氏100度まで、約102fFだけ静電容量を増加させる。同じレンジを通じて、増幅器の静電容量は、約82fF減少する。これら変化は相補的なので、同じレンジを通じた回路全体にわたる温度変化の結果は、約20fFであり、これは、無視できる程度である。従って、増幅器及びESD保護ダイオード間の温度で変化する静電容量における反対の関係は、信号プローブ100、200又は300のような例示的な信号プローブにおけるRCマッチングに対する温度の影響を大幅に緩和する。更に、一層の精度を希望する場合には、周囲の温度変化を更に補正するのにダイオード227又は327のようなバイアスされたシャント・ダイオードを利用しても良い。
【0049】
図5は、信号プローブ100、200又は300のような試験測定プローブを校正する例示的な方法500のフローチャートである。ブロック501では、可変シャント抵抗器119、219又は319のような可変シャント抵抗器が配置される。上述のように、可変シャント抵抗器は、試験測定プローブの分圧回路中で利用される。可変シャント抵抗器は、このシャントのRC値が直列パスのRC値とマッチングするように調整されて設定される。校正のために、一定振幅で周波数が変化する既知の試験信号を、信号チャンネルを横断して送るようにしても良い。この試験信号をオシロスコープ上で周波数領域でグラフ化すると、RC値がマッチングしていない場合、得られる波形は、異なる周波数において異なる振幅値を有するように見える。そこで、周波数領域においてグラフがフラットな応答を示すまで、可変シャント抵抗器を調整しても良い。試験測定プローブのフラット化した周波数応答は、複数のRC値がマッチングし、よって、このプローブが、関心のある周波数全体にわたって、一定レベルの減衰を加えることを示す。このように、試験測定プローブの周波数応答をフラット化すると、直列要素とシャント要素に関係するRC時定数がマッチングするという結果になる。また、上述のように、シャント・コンデンサを分圧回路から削除して、プローブの静電容量を低減する。よって、試験測定プローブの周波数応答をフラットにするように可変シャント抵抗器を設定する処理は、可変コンデンサを調整する処理を含んでいない。
【0050】
ブロック501における可変シャント抵抗器を設定する処理では、回路の減衰(アッテネーション)も調整する。プローブは、特定の減衰を生じることが期待され、このために、可変シャント抵抗器を設定すると、この期待される減衰からのずれが生じる。こうしたずれは、プローブを設定する前は未知なことがあり、また、プローブ毎に異なることがある。ブロック503は、こうした減衰の変動を補償し、試験測定プローブの製品ライン全体にわたって一貫した減衰を生じるようにするために用いられる。ブロック503では、試験測定プローブの信号チャンネル中の可変直列抵抗器が設定される。例えば、校正用の試験信号は、既知の振幅を有する。よって、周波数応答がオシロスコープの表示装置上で、所望の減衰に係る振幅で示されるまで、可変直列抵抗器を調整しても良い。例えば、プローブが10倍(10×)の減衰を有することが期待され、試験信号が10ボルトの信号である場合、周波数応答が1ボルトの振幅を示すまで可変直列抵抗器を調整しても良い。ブロック503を実行することによって、可変シャント抵抗器の設定に関係する減衰の変動は緩和される。
【0051】
オプションで、温度に基づく容量の変動を緩和するために、ブロック505を実行しても良い。上述のように、分圧回路が、試験測定プローブの増幅器に関係する温度で変動する静電容量を相殺する、温度で変動する静電容量を有するシャントESD保護ダイオードを含んでいても良い。ブロック505は、ESD保護ダイオードの使用することに加えて、実行されても良い。ブロック505では、分圧回路中のシャント・ダイオードのバイアスが、試験測定プローブの温度で変動する静電容量を緩和するように設定されても良い。場合によっては、このシャント・ダイオードは、温度センサ及び調整回路によって、操作されても良い。こうした場合、シャント・ダイオードの設定には、温度センサ及び調整回路の初期化を含んでいても良い。
【0052】
本発明の実施例は、特別に作成されたハードウェア、ファームウェア、デジタル・シグナル・プロセッサ又はプログラムされた命令に従って動作するプロセッサを含む特別にプログラムされた汎用コンピュータ上で動作できる。本願における「コントローラ」又は「プロセッサ」という用語は、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、ASIC及び専用ハードウェア・コントローラ等を意図する。本発明の態様は、1つ又は複数のコンピュータ(モニタリング・モジュールを含む)その他のデバイスによって実行される、1つ又は複数のプログラム・モジュールなどのコンピュータ利用可能なデータ及びコンピュータ実行可能な命令で実現できる。一般に、プログラム・モジュールとしては、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含み、これらは、コンピュータその他のデバイス内のプロセッサによって実行されると、特定のタスクを実行するか、又は、特定の抽象データ形式を実現する。コンピュータ実行可能命令は、ハードディスク、光ディスク、リムーバブル記憶媒体、ソリッド・ステート・メモリ、RAMなどのコンピュータ可読記憶媒体に記憶しても良い。当業者には理解されるように、プログラム・モジュールの機能は、様々な実施例において必要に応じて組み合わせられるか又は分散されても良い。更に、こうした機能は、集積回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)などのようなファームウェア又はハードウェア同等物において全体又は一部を具体化できる。特定のデータ構造を使用して、本発明の1つ以上の態様をより効果的に実施することができ、そのようなデータ構造は、本願に記載されたコンピュータ実行可能命令及びコンピュータ使用可能データの範囲内と考えられる。
【0053】
本開示の態様は、様々な変更及び代替形態で動作する。特定の態様は、図面に例として示されており、詳細に説明した。しかしながら、本願に開示された実施例は、説明を明確にする目的で提示されており、明示的に限定されない限り、開示される一般的概念の範囲を本願に記載の具体例に限定することを意図していない。このように、本開示は、添付の図面及び特許請求の範囲に照らして、記載された態様のすべての変更、均等物及び代替物をカバーすることを意図している。
【0054】
明細書における実施形態、態様、実施例などへの言及は、記載された項目が特定の特徴、構造又は特性を含み得ることを示す。しかしながら、開示される各態様は、そうした特定の特徴、構造又は特性を含んでいても良いし、必ずしも含んでいなくても良い。更に、このような言い回しは、特に明記しない限り、必ずしも同じ態様を指しているとは限らない。更に、特定の態様に関連して特定の特徴、構造又は特性が記載されている場合、そのような特徴、構造又は特性は、そのような特徴が他の開示された態様と明示的に関連して記載されているか否かに関わらず、そうした他の開示された態様と関連して使用しても良い。
【0055】
開示された態様は、場合によっては、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はそれらの任意の組み合わせで実現されても良い。開示された態様は、1つ以上のプロセッサによって読み取られ、実行され得る1つ又は複数のコンピュータ可読媒体によって運搬されるか又は記憶される命令として実現されても良い。そのような命令は、コンピュータ・プログラム・プロダクトと呼ぶことができる。本願で説明するコンピュータ可読媒体は、コンピューティング装置によってアクセス可能な任意の媒体を意味する。限定するものではないが、一例としては、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体及び通信媒体を含むことができる。
【0056】
コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な情報を記憶するために使用することができる任意の媒体を意味する。限定するものではないが、例としては、コンピュータ記憶媒体としては、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、電気消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリやその他のメモリ技術、コンパクト・ディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、DVD(Digital Video Disc)やその他の光ディスク記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置やその他の磁気記憶装置、及び任意の技術で実装された任意の他の揮発性又は不揮発性の取り外し可能又は取り外し不能の媒体を含んでいても良い。コンピュータ記憶媒体としては、信号そのもの及び信号伝送の一時的な形態は排除される。
【0057】
通信媒体は、コンピュータ可読情報の通信に利用できる任意の媒体を意味する。限定するものではないが、例としては、通信媒体には、電気、光、無線周波数(RF)、赤外線、音又はその他の形式の信号の通信に適した同軸ケーブル、光ファイバ・ケーブル、空気又は任意の他の媒体を含むことができる。
【0058】
開示された主題の上述のバージョンは、記述したか又は当業者には明らかであろう多くの効果を有する。それでも、開示された装置、システム又は方法のすべてのバージョンにおいて、これらの効果又は特徴のすべてが要求されるわけではない。
【0059】
加えて、本願の記述は、特定の特徴に言及している。本明細書における開示には、これらの特定の特徴の全ての可能な組み合わせが含まれると理解すべきである。ある特定の特徴が特定の態様又は実施例の状況において開示される場合、その特徴は、可能である限り、他の態様及び実施例の状況においても利用できる。
【0060】
また、本願において、2つ以上の定義されたステップ又は工程を有する方法に言及する場合、これら定義されたステップ又は工程は、状況的にそれらの可能性を排除しない限り、任意の順序で又は同時に実行しても良い。
【0061】
説明の都合上、本発明の具体的な実施例を図示し、説明してきたが、本発明の要旨と範囲から離れることなく、種々の変更が可能なことが理解できよう。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲を除いて限定されるべきではない。
【符号の説明】
【0062】
100 信号プローブ(試験測定プローブ)
111 信号チャンネル
112 分圧回路
113 入力直列抵抗器
115 直列寄生容量
117 固定シャント抵抗器
119 可変シャント抵抗器
121 シャント静電放電(ESD)保護ダイオード
123 グラウンド
125 可変直列抵抗器
130 増幅器
131 シャント寄生容量
200 信号プローブ(試験測定プローブ)
211 信号チャンネル
212 分圧回路
213 入力直列抵抗器
215 直列寄生容量
217 固定シャント抵抗器
219 可変シャント抵抗器
221 シャント静電放電(ESD)保護ダイオード
223 グラウンド
225 可変直列抵抗器
227 シャント・ダイオード
230 増幅器
231 シャント寄生容量
300 信号プローブ(試験測定プローブ)
311 信号チャンネル
312 分圧回路
313 入力直列抵抗器
315 直列寄生容量
317 固定シャント抵抗器
319 可変シャント抵抗器
321 シャント静電放電(ESD)保護ダイオード
323 グラウンド
325 可変直列抵抗器
327 シャント・ダイオード
328 温度センサ
329 調整回路
330 増幅器
331 シャント寄生容量