IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングの特許一覧

特許7233214少なくとも1つの吸湿性で流動可能な固形物質を含む製品のための包装
<>
  • 特許-少なくとも1つの吸湿性で流動可能な固形物質を含む製品のための包装 図1
  • 特許-少なくとも1つの吸湿性で流動可能な固形物質を含む製品のための包装 図2
  • 特許-少なくとも1つの吸湿性で流動可能な固形物質を含む製品のための包装 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-24
(45)【発行日】2023-03-06
(54)【発明の名称】少なくとも1つの吸湿性で流動可能な固形物質を含む製品のための包装
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/26 20060101AFI20230227BHJP
【FI】
B65D81/26 L
【請求項の数】 8
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018238783
(22)【出願日】2018-12-20
(62)【分割の表示】P 2015521989の分割
【原出願日】2013-07-05
(65)【公開番号】P2019073341
(43)【公開日】2019-05-16
【審査請求日】2019-01-18
【審判番号】
【審判請求日】2020-12-14
(31)【優先権主張番号】12005230.3
(32)【優先日】2012-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】61/672,405
(32)【優先日】2012-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】1257772
(32)【優先日】2012-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(31)【優先権主張番号】202012007804.6
(32)【優先日】2012-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】13/586,098
(32)【優先日】2012-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】U201230889
(32)【優先日】2012-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】ES
(31)【優先権主張番号】PL121296
(32)【優先日】2012-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】PL
(31)【優先権主張番号】GM347/2012
(32)【優先日】2012-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(31)【優先権主張番号】U 2012006065
(32)【優先日】2012-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】591032596
【氏名又は名称】メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D-64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】クランツ,ラルフ
【合議体】
【審判長】井上 茂夫
【審判官】久保 克彦
【審判官】稲葉 大紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-127293(JP,A)
【文献】実開平1-73113(JP,U)
【文献】特開2009-249013(JP,A)
【文献】実開平4-74673(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/26 L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの吸湿性流動可能固形物質を含む製品(3)用の包装(1)であって、該包装(1)は、製品(3)を収容するための透湿性材料で出来た封止可能な製品袋(2)と、該製品袋(2)を取り囲む取り換え可能な輸送容器(4)と、該製品袋(2)の外側であって輸送容器(4)の内側に位置する防湿性材料の吸湿剤被覆体(10)と、該吸湿剤被覆体の内側であって製品袋の外側に位置する吸湿剤(14)とを含み、
前記吸湿剤被覆体(10)は、前記製品袋(2)を取り囲んで前記輸送容器(4)内に存在し、輸送容器(4)内に後から敷設することができかつ輸送容器から取り外し可能なものであり、前記吸湿剤(14)は、吸湿剤被覆体(10)の製品袋(2)に面する内側(11)上に固定されて位置し、 前記吸湿剤被覆体(10)は、取り換え可能な内側裏当てとしてその形状を、輸送容器(4)の形状に適合させることによって、吸湿剤(14)の、取り換えられた輸送容器に対しても相対的配置を規定することができるものであり、吸湿剤(14)が、輸送容器(4)の開口に面した1つの領域(12)に配置されるように吸湿剤被覆体(10)に固定されていることを特徴とする、前記包装(1)。
【請求項2】
吸湿剤(14)が、吸湿剤被覆体(10)の内側(11)上に固定された少なくとも1つの吸湿材袋(13)内に位置していることを特徴とする、請求項1に記載の包装(1)。
【請求項3】
少なくとも1つの吸湿材袋(13)が吸湿剤被覆体(10)の内側(11)上に、透湿性カバー(16)により被覆され固定されている、請求項2に記載の包装(1)。
【請求項4】
透湿性カバー(16)が、孔を開けられたものである、請求項3に記載の包装(1)。
【請求項5】
吸湿剤(14)が、吸湿剤被覆体(10)の、輸送容器(4)の開口に面した1つの領域(12)にのみ配置されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の包装(1)。
【請求項6】
吸湿剤(14)が、吸湿剤被覆体(10)の内側(11)の全体に亘って分配されて位置している、請求項1~のいずれか一項に記載の包装(1)。
【請求項7】
製品(3)を保持するための製品袋(2)が、高密度ポリエチレン(HDPE)の熱結合された繊維の不織布である、請求項1~6のいずれか一項に記載の包装(1)。
【請求項8】
吸湿剤被覆体(10)が、薄いポリエチレンの被覆体である、または薄いポリエチレンの被覆体を含むものである、請求項1~7のいずれか一項に記載の包装(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの吸湿性で流動可能な固形物質を有する製品のための包装に関し、該包装は、製品を収容するための透湿性材料で出来た封止可能な製品袋と、該製品袋を取り囲む輸送容器と、該製品袋の外側であって輸送容器の内側に位置する吸湿剤とを有する。
【背景技術】
【0002】
化学分野または薬品分野の産業においては、たとえば粉体物質のような、吸湿性の流動可能な固形物質を、しばしば、意図された使用に至るまで、運搬し貯蔵しなければならない。この目的のための、数多くの、実用されている異なった包装が知られている。多くの異なった包装において、製品または化学物質は、不純物から守るための密封可能な製品袋に分封され、そして輸送容器中に収容される。輸送容器は、たとえば、樽であったり、箱であったりすることができる。
【0003】
吸湿性物質からなる、もしくは、少なくともひとつの吸湿性成分を含み、粉体化した、粒状化したまたは流動可能な製品には、詰め替え操作の間またはその後の輸送または貯蔵の間における湿気があり、製品が残存湿気によって凝集性を持つ危険性が頻繁に発生する。もし、大量の湿気が、製品表面や製品の内部に長く存在する状態に置かれてしまうと、製品の流動性は、減少するか完全になくなってしまうかも知れず、製品がひとつのまたは複数の大きな塊を作ってしまうかもしれない。
【0004】
輸送および貯蔵中の製品の凝集またはゲル化(Verklumpens oder Verbackens)の危険を減らすために、それを取り囲む輸送容器を防湿性とすること、および、製品を充填した後に防湿性シールをおこなうことは知られている。しかしながら、それでも、充填中およびとりわけ逐次的になされる製品の取り出しは、輸送容器の開放、封止の繰り返しをまねくことになり、湿気が輸送容器の内側へ移動し、吸湿性製品の凝集またはゲル化をもたらすことになる。
【0005】
輸送容器中に見出される湿気によるこれらの悪影響を避けるために、輸送容器中に見出される湿気を吸収し保持する吸湿剤を輸送容器中に設置することが、実用上知られている。従来、吸湿剤はひとつの袋の中に位置させるか、複数の袋の中に位置させるかしていた。吸湿剤が充填されたこれらの吸湿剤袋は、輸送容器中の製品が充填された製品袋の表側または裏側に位置される。しかしながら、とりわけ、たとえば輸送により誘発される輸送容器の運動や揺動の間に、吸湿剤袋が当初の位置から離れてしまい、輸送容器中のどこかに集まる結果、さらなる吸湿が、吸湿剤袋の周りの場所に集中して、吸湿剤袋から離れた領域での吸湿剤による吸湿が妨げられるということが避けられない。
【0006】
実用上、公知の吸湿剤袋は、たとえば製品を充填した製品袋の封止可能な開口部領域に、テープ止めまたはループ止めされていた。そのようにするために必要な手間は、相当なものである。吸湿剤袋は、製品を充填した製品袋の開口部領域に配置固定することもできるが、それはまた、大きな苦労をすることなく、製品袋のいずれの位置、または、輸送容器の内側のいずれの位置に、配置固定することが可能である。
【0007】
吸湿剤袋を内部に配置可能な透湿性の吸湿機構を、輸送容器中に設置することも、やはり実用上知られていた。例えば吸湿袋を保持する小さなポケットまたはスケルトン容器の形式のような、これらの吸湿機構を具備した輸送容器は、製造が面倒であり経費がかかるものである。吸湿機構は、輸送容器内部に突出し、ある条件において製品を充填した製品袋に損傷を与える可能性がある。
【0008】
このような吸湿機構が提供された輸送容器は、そのような意図でしかるべく製造されなければならないか、吸湿機構を後付で輸送容器に装備させなければならない。大抵の場合、このための追加コストに加えて、対応する輸送容器だけが、吸湿性製品の輸送に適しており、それら製品は十分な分量が即応可能に用意されていなければならず、また、吸湿機構なしで輸送容器から離隔していなければならないということも、深刻な不利益であると認識されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明のひとつの目的は、可能な限りもっとも単純な手段を用いて、輸送容器中の湿気が低コストで吸収でき、製品の凝集またはゲル化が低減または完全に排除された、少なくともひとつの吸湿性流動可能固体成分を含む製品用の包装を構成することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、本発明の、輸送容器内にある、製品が入った製品袋を取り囲む防湿性材料の吸湿剤被覆体によって達成され、吸湿剤は該吸湿剤被覆体の内側に位置していて、該内側は製品が入った製品袋に面している。吸湿剤被覆体を使用することによって、製品を保持するために用いる製品袋の如何によらず、また、輸送容器の如何によらず、吸湿剤が輸送容器内に配置されることまたは製品が入った製品袋の近傍に配置されることが保証される。
費用が掛かり複雑な輸送容器の改造は不要となる。同様に、製品を製品袋に充填し密封した後で、吸湿剤を製品袋や製品袋の密封箇所近傍に取り付けることもほとんど不要となる。
【0011】
既に存在する輸送容器内に、後から挿入できる吸湿剤被覆体を使用することは、既に存在する輸送容器を改良して、吸湿性製品に使用することを可能とする。吸湿剤被覆体は多様な輸送容器に使用することができるので、対応する輸送容器の既存の市場システムにおいて、変更を必要としない。吸湿剤被覆体を調達し、使用に供するための追加費用は、著しく低いものである。
【0012】
吸湿剤被覆体は、再使用が可能であるように作成することができ、輸送容器の再利用時に吸湿剤被覆体が更に使用できるように、製品が入った製品袋を取り除いた後も輸送容器中に残すことができる。吸湿剤被覆体は、一回限りの使用とし使い捨て製品として設計および製造することも、同様に可能である。
【0013】
透湿性材料からなる製品袋を使用することによって、吸湿剤の作用が強化される。製品袋内または製品袋内の製品に残存している湿気がある場合、または、製品袋を開封し再度封止した後に、湿気を回収しなければならない場合に、この湿気は、透湿性製品袋によって、製品袋とそれを取り囲む吸湿剤被覆体との間の中間空間に運ばれ、吸湿剤により吸収され凝固されることができる。
【0014】
進歩性を有する本発明のひとつの構成によれば、吸湿剤被覆体の内側の1つの上に固定された少なくとも一つの吸湿剤袋内に吸湿剤が提供される。これらの吸湿剤袋は、多種多様な形状の吸湿剤のためのものが商業的に安価に入手可能である。吸湿剤袋は、吸湿剤被覆体上に容易にそして確実に、例えば結合、接着または縫着により、固定することが可能である。好適には、吸湿剤袋の中の吸湿剤による吸湿作用を促進し、吸湿剤が輸送容器中の小さな箇所に集中することを防ぎ、それ以外の領域において湿気が吸湿されなくなったり、吸湿が小さな程度でしか起こらないようになることを防ぐために、複数の吸湿剤袋が、吸湿剤被覆体の上に互いに距離を空けて固定される。
【0015】
吸湿剤袋の格別に簡潔で有効な吸湿剤被覆体上への固定は、少なくとも一つの吸湿剤袋が吸湿剤被覆体の内側上に固定され、透湿性カバーによって覆われるようにすることによって達成することができる。透湿性カバーは、穴あきのものとすることができ、吸湿剤被覆体と同一の防湿性材料から製造することができる。吸湿剤被覆体が、例えばフィルムから成る場合、繰り返しのまくり上げによるポケットの作成とそれに続くそのようにして作成されたポケットの固定、接着または溶着により設けられたポケットの内部に、吸湿剤袋を配置することができる。
【0016】
進歩性を有する本発明の格別有利な構成によれば、吸湿剤被覆体は輸送容器の形状に適合させている。吸湿剤被覆体は輸送容器内部に挿入され、輸送容器の内側裏当てを構成することができる。吸湿剤被覆体を、輸送容器の形状に適合させることにより、吸湿性被覆体の輸送容器中の配置または輸送容器に対する相対的な配置を規定することができ、そのようにすることによって、輸送容器の内部または壁上の吸湿剤被覆体上に固定された吸湿剤袋の位置を、あらかじめ定めたものとすることができる。輸送容器に隣接する吸湿剤被覆体は、製品をそれ自身に格納している製品袋を、輸送容器に詰め込むことを妨げることがない。
【0017】
吸湿剤被覆体を製品袋の形状に適合するようにすることは、同様に想定可能であり、個々の適用において有利である。製品を詰め込んだ製品袋は吸湿剤被覆体内に位置させることができ、これにより、吸湿剤の配置または個々の吸湿剤袋の製品が入った製品袋との相対的な配置が規定される。このようにして、製品袋上の吸湿剤の分配が可能な限り一様であり、かくして、充填された製品袋が輸送容器の一部領域にしか詰め込まれず、しばしば輸送中にその位置および形状を変化させるような場合に、製品が近接して配置されることもまた確実になる。
【0018】
多くの製品または応用のためには、ある数の吸湿剤袋が輸送容器中に配置されれば既に十分である。このような場合には、吸湿剤被覆体の輸送容器の開口部に面する領域にのみ、吸湿剤を配置するのが有利である。従来は、輸送容器の開口部領域に詰め込まれると、輸送容器の密封後に利用されない容積空間が残り、そこには通常湿気を含んだ空気が残される。この領域に吸湿剤を配置することは、輸送容器内にある空気の有効な除湿を可能にする。さらに、例えば製品を連続的に断続的に取り出すたびに、輸送容器が開放されるため、新しい湿った空気が輸送容器に流入し、開口部領域に集まるがそこにおいて有効に吸湿される。
【0019】
とりわけ、空気の湿気が高いことが予想される、または、湿気による悪影響がとりわけ大きい製品である場合、吸湿剤被覆体の内側全体にわたって、吸湿剤が配分される構成をとることが妥当であろう。それゆえ、例えば、多くの数の吸湿剤袋を吸湿剤被覆体の上に、規則的な間隔、または、不規則にした間隔で吸湿剤被覆体の内側にわたって配置することができる。製品が充填された製品袋の形状の如何に拘らず、また、輸送容器内における部分的な取り出しの後に残っている製品の分量の如何に拘らず、製品袋の近傍には互いに間隔を取って配置された複数の吸湿剤袋があることが確実になる。
【0020】
製品袋内に位置する製品の湿気除去を促進するために、製品袋は、高密度ポリエチレン(HDPE)の熱接合繊維の不織布でできている。この、不織布材料は従来実用上盛んに使用されているものである。高い透湿性および空気透過性に加えて追加的に有利な不織布の特性は、高い耐引き裂き性能、および、化学業界または製薬業界で使用する数多くの吸湿性製品に対して、問題なく使用できることである。
【0021】
特別に安上がりで同時に有効な、防湿性の吸湿剤被覆体は、ポリエチレンの薄い被覆材またはフィルムからなるか、またはそのようなポリエチレンをコーティングまたは層のひとつとして有するものである。単純で安上がりな製造の観点から、個々の吸湿剤袋は、同様に、開孔の故に透湿性である薄いポリエチレンフィルムからなる、吸湿剤被覆体の内側上のカバー材で覆われ固定される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明は、図面に示されるいくつかの実施態様を利用して、より詳細に説明される。
ここにおいて、
図1図1は、輸送容器内に配置された吸湿剤被覆体を有する輸送容器と、製品が充填された製品袋とを有する、包装の断面図を示す。
図2図2は、製品が充填された製品袋を、緊密に取り囲む吸湿剤被覆体を有する、もうひとつの包装の断面図を示す。
図3図3は、輸送容器に隣接した吸湿剤被覆体が、吸湿剤被覆体上の横方向に穴あきカバーにより固定された複数の吸湿剤袋を有する、さらにもうひとつの包装の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1を例にして示される包装1は、流動可能吸湿性製品3を充填した密封可能製品袋2を有する。該製品袋2は、高密度ポリエチレン(HDPE)繊維の透湿性不織布材料からなる。吸湿性製品3は、例えば、化学または医薬産業における最終製品の生産に必要な化学物質であることができる。
【0024】
密封可能な製品袋2は、製品袋2を取り囲む輸送容器4内に位置している。輸送容器4は、カバーにより閉鎖可能なドラム型の基本本体5を有する。輸送容器4は、例えばポリエチレンのような、防湿性の材料からなる。カバー6は、輸送容器4を防湿密封されたものにするために、追加的な密封要素7によって、基本本体5上に防湿配置固定される。必要と思われる場合、密封された輸送容器4は、追加的に、例えばシール材の態様で、開封明示デバイスが設けられる。
【0025】
輸送容器4の内部9には、輸送容器4の形状に適合させた、吸湿剤被覆体10がある。吸湿剤被覆体10は、薄いポリエチレンフィルムからなり、同様に防湿性に作られている。輸送容器4のカバー6に面した吸湿被覆体10の領域12において、製品3がその中に入っている製品袋2に面する吸湿剤被覆体10の内側面11上には、いくつかの吸湿剤袋13が、吸湿剤被覆体10の内側11の上に接着される。吸湿剤袋13は、例えばシリカゲルまたはゼオライト、非水塩化ナトリウムまたは硫化マグネシウムなどの適切な吸湿剤14を包含している。
【0026】
輸送容器4の自由空間9中にある湿気は、吸湿剤被覆体10のこの領域12に位置する吸湿剤袋13中の吸湿剤14によって吸湿され凝固される。製品3中に残存湿気が位置している場合は、湿気は製品袋2によってそのときは乾燥している輸送容器4中の内部空間9に運ばれ、同様に吸湿剤14によって吸湿され凝固される。
【0027】
図2に示される実施例では、充填されている製品袋2を密に取り囲むように、吸湿剤被覆体10の形状は、製品袋2の形状に適合される。吸湿剤被覆体10の内側11上には、一定の間隔でいくつかの吸湿剤袋13が装着され、それぞれが吸湿剤14の一部を含んでいる。製品袋2とその中に位置する製品3とは、従って均等にすべての側から吸湿される。この派生的実施例の包装1では、取り囲む輸送容器4の形状は、重要でない。
【0028】
図3に示される実施例では、吸湿剤被覆体10の形状が輸送容器4の形状に適合され、吸湿剤被覆体10は、輸送容器の底面および側壁面の内張りを形成する。吸湿剤被覆体10は、製品袋2を輸送容器4の内部に位置する前に挿入することができ、製品袋2がたとえすでに充填された状態のものであっても、その後の設置を妨げることがない。吸湿剤被覆体10は、その側面15に亘って配分された、それぞれある量の吸湿剤14を持つ複数の吸湿剤袋13を有する。それぞれの個々の吸湿剤袋13は、その場所に適合されたポリエチレンフィルム部分のカバー16で覆われ、吸湿剤被覆体10の側壁面15の上に固定される。それぞれのカバー16には、孔17が設けられており、非透湿性であるポリエチレン材質であるのにもかかわらず、カバーは透湿性である。
【0029】
本明細書によって、当業者は、包括的に本発明を適用することができるであろう。さらなるコメントがなくても、したがって、当業者は最も広い範囲で、上記の記載を利用することができるものと思われる。
【0030】
よりよい理解のため、および、本発明を例示するため、本発明の保護の範囲内である例を図面の図1図2および図3に示す。加えて、示した態様は、改変された変形で存在し得る。記載された本発明の原理の一般的な有効性のために、図面に示された例は、したがって、これらを単独ものに、本発明の保護の範囲を減縮するのは適切でない。
図1
図2
図3