IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 古河電気工業株式会社の特許一覧 ▶ 古河AS株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-電線接続方法 図1
  • 特許-電線接続方法 図2
  • 特許-電線接続方法 図3
  • 特許-電線接続方法 図4
  • 特許-電線接続方法 図5
  • 特許-電線接続方法 図6
  • 特許-電線接続方法 図7
  • 特許-電線接続方法 図8
  • 特許-電線接続方法 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-24
(45)【発行日】2023-03-06
(54)【発明の名称】電線接続方法
(51)【国際特許分類】
   H01R 43/02 20060101AFI20230227BHJP
   H01R 4/02 20060101ALI20230227BHJP
   H01R 4/62 20060101ALI20230227BHJP
【FI】
H01R43/02 B
H01R4/02 C
H01R4/62 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019031439
(22)【出願日】2019-02-25
(65)【公開番号】P2020136204
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2021-11-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】山田 拓郎
(72)【発明者】
【氏名】高橋 和雅
【審査官】高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-185009(JP,A)
【文献】特開2007-149421(JP,A)
【文献】特開2019-018226(JP,A)
【文献】特開2015-133286(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 43/02
H01R 43/048
H01R 4/02
H01R 4/18
H01R 4/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導体が絶縁被覆で被覆された被覆電線を長手方向に沿って複数配置するとともに、前記長手方向に沿って配置された複数の前記被覆電線の前記導体を電線接続装置で接続する電線接続方法であって、
複数の前記導体を所定の第1圧縮力で所定の圧縮率となるように圧縮する圧縮工程と、
圧縮された前記導体に、前記第1圧縮力より小さな第2圧縮力を作用させながら超音波振動を付与して複数の前記導体を超音波接合する接合工程とを行い、
複数の前記導体は、所定の圧縮力による圧縮変形性が異なる複数種の金属製の導体であり、
前記圧縮工程において複数の前記導体を圧縮する前記所定の圧縮率は、
複数の前記導体のうち、圧縮変形性が最も高い金属種の導体が65%以上の圧縮率で圧縮される圧縮率であり、
複数の前記導体の一方が、アルミニウム又はアルミニウム合金で構成されるとともに、
複数の前記導体の他方が、銅又は銅合金で構成され、
前記圧縮変形性が高い金属種がアルミニウム又はアルミニウム合金である
電線接続方法。
【請求項2】
前記所定の圧縮率は、
複数の前記導体のうち、圧縮変形性が最も低い金属種の導体が90%以下の圧縮率で圧縮される圧縮率である
請求項1に記載の電線接続方法。
【請求項3】
前記圧縮工程において、
前記電線接続装置の導体配置部に配置した複数の前記導体に対して、前記電線接続装置の超音波振動を付与する圧縮振動部を、前記第1圧縮力を作用させながら、前記所定の圧縮率に基づく圧縮相対位置まで移動させ、
前記接合工程において、
前記圧縮振動部が、前記導体に対して接合相対位置となるまで、前記第2圧縮力を前記導体に作用させながら超音波振動を付与して前記導体を接合する第1接合工程と、
前記圧縮振動部が前記接合相対位置に達した後、前記接合相対位置を維持し、前記導体に作用する圧縮力を前記第2圧縮力より低下させながら超音波振動を付与して前記導体を接合する第2接合工程とを行う
請求項1又は2に記載の電線接続方法。
【請求項4】
前記圧縮工程において前記圧縮相対位置まで移動させた前記圧縮振動部の圧縮力を、前記接合工程の前に、前記第2圧縮力よりも小さい第3圧縮力まで低下させる
請求項3に記載の電線接続方法。
【請求項5】
複数の前記導体を導電性の管状体の内部に挿入し、
前記管状体とともに複数の前記導体を前記圧縮工程で圧縮するとともに、前記接合工程で超音波接合する
請求項1乃至請求項のうちのいずれかに記載の電線接続方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車用のワイヤハーネスを構成する複数の被覆電線における芯線や撚り線などの導体同士を接合する電線接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等に装備された電装機器は、複数の被覆電線を束ねたワイヤハーネスを介して、別の電装機器や電源装置と接続して電気回路を構成している。この際、ワイヤハーネスと電装機器や電源装置とは、それぞれに装着したコネクタ同士で接続される。
【0003】
上述のワイヤハーネスを構成する複数の被覆電線同士を接続する方法としては、例えば、特許文献1に記載するように、複数の被覆電線の導体同士を束ねるとともに、超音波振動を作用させて超音波接合する方法が用いられる。具体的には、導体を受ける導体受け部であるアンビル(導体配置部)に、複数の被覆電線の導体を束ねて配置し、超音波振動を作用させるホーン(圧縮振動部)をアンビル(導体配置部)に配置した束ねた導体に当接させて超音波接合する。
【0004】
昨今の多様化に伴って、アルミ合金製の導体を有するアルミ被覆電線と銅合金製の導体を有する銅被覆電線とを接合するように、導体の金属種が異なる被覆電線を接合することが行われている。
このように異種金属の導体に超音波振動を作用させて超音波接合したとしても、金属種が異なる導体は、熱伝導性や変形性、さらには溶融温度が異なるため、確実な接合ができないおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2000-188018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、導体が絶縁被覆で被覆され、長手方向に沿って配置された複数の前記被覆電線の前記導体に超音波振動を付与して金属種の異なる前記導体を確実に接合できる電線接続方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、導体が絶縁被覆で被覆された被覆電線を長手方向に沿って複数配置するとともに、前記長手方向に沿って配置された複数の前記被覆電線の前記導体を電線接続装置で接続する電線接続方法であって、複数の前記導体を所定の第1圧縮力で所定の圧縮率となるように圧縮する圧縮工程と、圧縮された前記導体に、前記第1圧縮力より小さな第2圧縮力を作用させながら超音波振動を付与して複数の前記導体を超音波接合する接合工程とを行い、複数の前記導体は、所定の圧縮力による圧縮変形性が異なる複数種の金属製の導体であり、前記圧縮工程において複数の前記導体を圧縮する前記所定の圧縮率を、複数の前記導体のうち、圧縮変形性が最も高い金属種の導体が65%以上の圧縮率で圧縮される圧縮率であり、複数の前記導体の一方が、アルミニウム又はアルミニウム合金で構成されるとともに、複数の前記導体の他方が、銅又は銅合金で構成され、前記圧縮変形性が高い金属種がアルミニウム又はアルミニウム合金であることを特徴とする。
【0008】
上記導体は、例えば、アルミニウム製素線、アルミニウム合金製素線、銅製素線、銅合金製素線等の導電性を有する素線を複数撚り合せた撚り線、あるいは、導電性を有する単線を含む概念である。なお、撚り線の場合、単一の金属種の素線で構成された撚り線、あるいは複数の金属種の素線が混在した撚り線であってもよい。
【0009】
上述の圧縮率は、圧縮される前の導体の断面積に対する圧縮変形後の導体の断面積の比率である。
したがって、上述の65%以上の圧縮率は、圧縮される前の導体の断面積に対して圧縮変形後に65%以上の断面積となることを指す。
上述の圧縮変形性が最も高いとは、圧縮変形性が異なる複数の導体のうち所定の圧縮力によって最も変形しやすい金属種の導体であることを指す。
【0010】
複数種の金属製導体は、所定の圧縮力による圧縮変形性が異なる二種類の金属製導体であってもよく、三種類以上の金属製導体であってもよい。また、金属種が異なっていても圧縮変形性が同じであれば本明細書で同種とみなすものとする。
【0011】
この発明により、金属種の異なる前記導体を確実に接合することができる。
詳述すると、複数の前記導体を所定の第1圧縮力で所定の圧縮率となるように圧縮する圧縮工程と、圧縮された前記導体に、前記第1圧縮力より小さな第2圧縮力を作用させながら超音波振動を付与して複数の前記導体を超音波接合する接合工程とを行って、所定の圧縮力による圧縮変形性が異なる複数種の金属製の導体を接合するのに、前記圧縮工程において複数の前記導体を圧縮する前記所定の圧縮率を、複数の前記導体のうち、圧縮変形性が最も高い金属種の導体が65%以上の圧縮率で圧縮される圧縮率とするため、導体同士の接触面積を確保でき、確実に超音波接合することができる。また、導体同士の接触面積を確保できるため、小さな熱エネルギ、つまり小さな超音波振動エネルギで導体同士を確実に接合することができる。
【0012】
さらにまた、圧縮工程を経ず、圧縮変形性が異なる複数種の導体を超音波接合する接合工程のみを行う場合、接合工程で圧縮変形性が異なる導体間で変形差が大きくなり、圧縮変形性の高い金属種の導体ばかりが過接合状態となるが、圧縮変形性が最も高い金属種の導体が65%以上の圧縮率となるように予め圧縮工程で圧縮しているため、つまり、予め所定の圧縮率で圧縮した導体に対して超音波振動を作用させて超音波接合するため、接合工程で圧縮変形性が異なる導体間で変形差を小さくでき、圧縮変形性が異なる導体間でも超音波接合することができる。
【0013】
また、複数の前記導体の一方が、アルミニウム又はアルミニウム合金で構成されるとともに、複数の前記導体の他方が、銅又は銅合金で構成され、前記圧縮変形性が高い金属種がアルミニウム又はアルミニウム合金であるため、アルミニウム又はアルミニウム合金で構成される導体と、銅又は銅合金で構成される導体とを確実に接合することができる。
【0014】
詳述すると、アルミニウム又はアルミニウム合金で構成される導体と、銅又は銅合金で構成される導体とでは、硬さ及び熱伝導率が異なり、さらには溶融温度も異なるため、接合することが困難であるが、圧縮工程で、アルミニウム又はアルミニウム合金製の導体を、前記圧縮変形性が高い導体として65%以上の圧縮率で圧縮してから接合工程をおこなうため、導体同士の接触面積を確保して、確実に接合することができる。
【0015】
この発明の態様として、前記所定の圧縮率を、複数の前記導体のうち、圧縮変形性が最も低い金属種の導体が90%以下の圧縮率で圧縮される圧縮率であってもよい。
上述の圧縮変形性が最も低いとは、圧縮変形性が異なる複数の導体のうち所定の圧縮力によって最も変形しにくい金属種の導体であることを指す。
上述の90%以下の圧縮率は、圧縮される前の導体の断面積に対して圧縮変形後に90%以下の断面積となることを指す。
【0016】
この発明により、圧縮変形性が異なる導体同士をより確実、かつ効率的に接合することができる。
詳述すると、圧縮工程において、圧縮変形性が最も高い金属種の導体が65%以上の圧縮率で圧縮されるとともに、圧縮変形性が最も低い金属種の導体が90%以下の圧縮率で圧縮されるため、圧縮変形性が異なるすべての導体が圧縮されて、導体同士の接触面積を確保できるため、より効率的に導体同士を確実に接合することができる。
【0017】
またこの発明の態様として、前記圧縮工程において、前記電線接続装置の導体配置部に配置した複数の前記導体に対して、前記電線接続装置の超音波振動を付与する圧縮振動部を、前記所定の圧縮率に基づく圧縮相対位置まで移動させ、前記接合工程において、前記圧縮振動部が、前記導体に対して接合相対位置となるまで、前記第2圧縮力を前記導体に作用させながら超音波振動を付与して前記導体を接合する第1接合工程と、前記圧縮振動部が前記接合相対位置に達した後、前記接合相対位置を維持し、前記導体に作用する圧縮力を前記第2圧縮力より低下させながら超音波振動を付与して前記導体を接合する第2接合工程とを行ってもよい。
【0018】
上述の前記導体に対する圧縮相対位置や接合相対位置は、前記電線接続装置の導体配置部に配置した複数の前記導体に対して圧縮振動部が超音波振動を作用させて超音波接合できる位置であり、圧縮されて超音波接合した導体に対してその位置を維持する位置制御や、超音波接合によって圧縮する導体に伴って位置の変化を制御することで行われる。
【0019】
この発明により、前記所定の圧縮率で圧縮された複数の前記導体に対して、第1接合工程において、前記圧縮振動部が、前記導体に対して接合相対位置となるまで、前記第2圧縮力を前記導体に作用させながら超音波振動を付与して前記導体を接合し、第2接合工程において、前記接合相対位置に維持された前記圧縮振動部によって、前記導体に作用する圧縮力を前記第2圧縮力より低下させながら超音波振動を付与して前記導体を接合するため、超音波接合する導体の変形を制御でき、導体の材料ばらつき等の影響が低減し、接合条件のロバスト性を向上することができる。
【0020】
またこの発明の態様として、前記圧縮工程において前記圧縮相対位置まで移動させた前記圧縮振動部の圧縮力を、前記接合工程の前に、前記第2圧縮力よりも小さい第3圧縮力まで低下させてもよい。
この発明により、圧縮した導体をより確実に接合することができる。
【0021】
詳述すると、第2圧縮力より大きな所定の第1圧縮力で束ねた導体を圧縮する前記圧縮工程終了後の前記接合工程の前に、前記導体に作用させる前記圧縮振動部の圧縮力を、一旦、第2圧縮力より小さい所定の第3圧縮力まで低下させてから、超音波振動を作用させながら第2圧縮力まで増大させることで、圧縮した導体に作用する負荷を低減しながら、より確実に接合することができる。
【0022】
またこの発明の態様として、複数の前記導体を導電性の管状体の内部に挿入し、前記管状体とともに複数の前記導体を前記圧縮工程で圧縮するとともに、前記接合工程で超音波接合してもよい。
【0023】
この発明により、管状体によって導体を規制しながら、金属種の異なる前記導体を確実に接合することができる。また、管状体によって導体を規制されているため、接合対象である導体が圧縮振動部や導体配置部に固着することを防止できる。
【発明の効果】
【0024】
この発明によれば、導体が絶縁被覆で被覆され、長手方向に沿って配置された複数の前記導体に超音波振動を付与して金属種の異なる前記導体を確実に接合できる電線接続方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】接合対象である被覆電線に関する説明図。
図2】電線接続装置の概略ブロック図。
図3】電線接続方法のフローチャート。
図4】電線接続装置の主要部の概略説明図。
図5】電線接続装置の主要部の接合動作の概略説明図。
図6】電線接続装置における導体に対するホーンの圧縮力と相対位置の関係
図7】プレ圧縮工程の有無による接合工程における導体の圧縮変形について説明する図。
図8】実証実験の結果の表。
図9】別の実施形態の電線接続装置における導体に対するホーンの圧縮力と相対位置の関係を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0026】
この発明の一実施形態を以下図面に基づいて詳述する。
図1は接合対象である被覆電線1に関する説明図を示し、詳しくは、図1(a)は接合対象である被覆電線1を複数並列配置した状態の平面図を示し、図1(b)は並列配置した複数の被覆電線1の導体3を束ねた状態の平面図を示し、図1(c)は束ねた導体3に対してジョイント管4を装着した状態の平面図を示し、図1(d)は複数の被覆電線1の導体3を接合して構成した接合電線1aの平面図を示している。
【0027】
また、図2は電線接続装置10の概略ブロック図を示し、図3は電線接続方法のフローチャートを示している。
図4は電線接続装置10の主要部10aの概略説明図を示し、詳しくは、図4(a)は並列配置した複数の被覆電線1の導体3に対してジョイント管4を配置した状態の概略斜視図を示し、図4(b)は並列配置した複数の被覆電線1の導体3を束ねてジョイント管4の内部に装着した状態の概略斜視図を示し、図4(c)は電線接続装置10の主要部10aに対して複数の被覆電線1を配置する前の状態の概略斜視図を示し、図4(d)は電線接続装置10の主要部10aに複数の被覆電線1を配置した状態の概略斜視図を示している。
【0028】
図5は電線接続装置10の主要部10aの接合動作の概略説明図を示し、詳しくは、図5(a)は電線接続装置10の主要部10aに対して被覆電線1を配置した状態の断面図を示し、図5(b)は電線接続装置10の主要部10aを構成するアンビル11に対してホーン12と規制部13が近接する方向に移動した状態の断面図を示し、図5(c)はホーン12が第1圧縮力で複数の導体3をプレ圧縮する状態の断面図を示し、図5(d)はホーン12が導体3に対する所定位置(下死点)まで移動した状態の断面図を示している。
【0029】
図6は電線接続装置10における導体3に対するホーン12の圧縮力と相対位置の関係を示すグラフであり、図7はプレ圧縮工程の有無による接合工程における導体3の圧縮変形について説明する図を示し、図8は実証実験の結果を示す表である。
【0030】
以下で説明する本発明の電線接続方法は、導体3が絶縁被覆2で被覆された被覆電線1を長手方向Lに沿って複数配置するとともに、長手方向Lに沿って配置された複数の被覆電線1の導体3にジョイント管4を装着するとともに、第2圧縮力を作用させながら超音波振動を付与して複数の導体3を接合して導体接合部3aによって接合された接合電線1aを構成するための方法であり、後述する電線接続装置10を用いて行う。
【0031】
接合する被覆電線1は、複数の素線を撚り合せた撚り線を撚り合わせた撚り線である導体3と、導体3の外側を被覆する絶縁被覆2とで構成された被覆電線である。
なお、複数の被覆電線1のうち少なくとも1本の導体3はアルミニウム合金製の素線による撚り線であり、他の被覆電線1の導体3は銅合金製の素線による撚り線で構成している。つまり、接合対象である複数の導体3は異種金属接合となる。
【0032】
このように構成した複数の導体3を接合するためには、図1に示すように、被覆電線1を長手方向Lに沿う3本の被覆電線1を幅方向に並列配置するとともに、3本の被覆電線1同士の間の上方に被覆電線1を配置し、全部で5本の被覆電線1を配置するとともに、導体3同士を束ね、ジョイント管4を装着する。
【0033】
なお、導体3は、被覆電線1の先端部における絶縁被覆2を剥いで被覆電線1の先端部分において露出している。
また、ジョイント管4は、複数の被覆電線1の導体3を束ねて挿入できる空間を内部に有する、導電性金属で構成した金属管である。
【0034】
そして、後述する電線接続装置10で、上述のように配置した5本の被覆電線1の束ねた導体3に超音波振動を作用させ、超音波接合してジョイント管4内部において導体接合部3aを構成し、導体接合部3aを介して複数の被覆電線1を電気的且つ物理的に接合した接合電線1aを構成する。
【0035】
複数の導体3を接合して接合電線1aを構成する電線接続装置10は、図4(c)に示すように、複数の導体3を配置するアンビル11と、アンビル11に載置した導体3に対して上方から近接して、導体3に超音波振動を作用させるホーン12と、ホーン12の底面に沿って幅方向Wに移動して、複数の導体3の幅方向Wを規制する規制部13とで構成する主要部10aを有している。
【0036】
また、電線接続装置10は、図2に示すように、主要部10aを構成するホーン12を超音波振動させる超音波振動発生部21、ホーン12を上下方向に移動させるホーン駆動部22、規制部13を幅方向Wに移動させるジョー駆動部23と、超音波振動発生部21、ホーン駆動部22及びジョー駆動部23が接続され、超音波振動発生部21、ホーン駆動部22及びジョー駆動部23を制御する制御部24と、制御部24に接続された計時部25とが備えられている。
【0037】
このように構成された電線接続装置10は、制御部24に制御によって、ホーン12の超音波振動のON/OFFを制御したり、ホーン12の可変する所定圧力での上下移動や、ホーン12の下方移動における下死点(導体3において圧縮変形性が高いアルミ合金製の導体3が65%以上の圧縮率となり、圧縮変形性が低い銅合金製の導体3が90%以下の圧縮率で圧縮される圧縮率となる圧縮時下死点あるいは接合時下死点)での移動停止、つまり、下死点制御を行うことができる。
【0038】
つまり、制御部24は、アンビル11に束ねて配置した導体3に対してホーン12で第1圧縮力を作用させて圧縮したり、第2圧縮力で圧縮しながら超音波振動を付与し、ホーン12が所定の位置となると、当該位置に維持されたホーン12が束ねた導体3に対して所定の圧縮力を作用させながら超音波振動を付与するようにプログラミングされている。
【0039】
さらに制御部24は、計時部25が接続されており、計時部25によって計時された時間や時刻によって、超音波振動発生部21、ホーン駆動部22及びジョー駆動部23の駆動を時間制御することができる。
【0040】
続いて、図3に示すフローチャートを参照して、電線接続装置10を用いた被覆電線1の電線接続方法を以下で説明する。なお、本実施形態では、アルミ合金製の導体3を有する被覆電線1と銅合金製の導体3を有する被覆電線1とを5本接合する場合について、図4乃至図6とともに説明する。
【0041】
なお、図5において前工程のホーン12及び規制部13の位置を破線で示している。また、図6は、後述する各ステップにおける導体3に対するホーン12の圧縮力と、電線接続装置10において下方移動するホーン12の高さとの関係を示すグラフであり、図6のグラフにおいてホーン12が超音波振動している部分について太線で示している。
【0042】
被覆電線1の先端の絶縁被覆2を剥いで導体3を所定長さ露出させるとともに、複数を並列配置した被覆電線1の導体3を束ね(図1(b),図4(a)参照)、束ねた導体3をジョイント管4に装着する(図1(c),図4(b)参照,ステップs1)。
【0043】
図4(d)及び図5(a)に示すように、束ねた導体3にジョイント管4を装着した複数の被覆電線1をアンビル11の上面に配置する(ステップs2)。
そして、図5(b)に示すように、規制部13をホーン12の底面に沿って幅方向Wの内側に移動させるとともに、規制部13とともにホーン12をアンビル11に近づくように下方移動させる。
【0044】
さらに、図5(c)に示すように、規制部13をホーン12の底面に沿って、規制部13の幅方向Wの内側の側面がアンビル11の側面に当接するまで幅方向Wの内側に移動させるとともに、制御部24によって制御して、ホーン駆動部22を稼働させて、後述する第2圧縮力より高い第1圧縮力でジョイント管4を装着した導体3を圧縮するまで、規制部13とともにホーン12を下方移動させる(ステップs3:プレ圧縮工程)。
【0045】
なお、このホーン12による導体3のプレ圧縮工程(ステップs3)において、ホーン12がアンビル11に配置された導体3に対して圧縮時下死点まで移動するまで継続する(ステップs4:No)。
【0046】
ジョイント管4が装着された導体3のうち圧縮変形性が高いアルミ合金製の導体が65%以上の圧縮率となり、圧縮変形性が低い銅合金製の導体が90%以下の圧縮率で圧縮される圧縮率となる圧縮時下死点までホーン12の下方移動が達すると(ステップs4:Yes)、制御部24はホーン駆動部22を制御して、ホーン12の圧縮力を、後述する第2圧縮力より低い第3圧縮力まで低下させる(図6参照)。なお、図6に示すように、圧縮力(第1圧縮力)をから第3圧縮力まで低下させたホーン12は、圧縮力の低下に伴って圧縮時下死点から一旦上昇する。
【0047】
つまり、アンビル11に配置した導体3への圧縮力を低下させたホーン12は、制御部24が超音波振動発生部21及びホーン駆動部22を制御して、ホーン12を超音波振動させる(ステップs5)とともに、第1圧縮力より低く、且つ第3圧縮力より高い第2圧縮力で導体3を圧縮しながら超音波接合する(ステップs6:第1接合工程)。
【0048】
このように、図5(d)に示すように、第1圧縮力より低く、且つ第3圧縮力より高い第2圧縮力で導体3を圧縮しながら超音波接合する圧縮接合において、ホーン12がアンビル11に配置された導体3に対する所定位置である接合時下死点まで移動するまで継続する(ステップs7:No)。
【0049】
ホーン12の下方移動が接合時下死点に達すると(ステップs7:Yes)、制御部24はホーン駆動部22を制御してホーン12の下方移動を停止するとともに、計時部25の計時を開始し、所定時間が経過するまで(ステップs8:No)、超音波振動発生部21及びホーン駆動部22を制御して、接合時下死点において超音波振動するホーン12で第2圧縮力を低下させながら導体3を超音波接合する(第2接合工程)。
【0050】
接合時下死点において超音波振動するホーン12が第2圧縮力を作用させた状態が所定時間経過すると(ステップs8:Yes)、ジョイント管4の内部において導体3同士が超音波接合されて導体接合部3a(図1(d)参照)を構成することができる。このように、導体3同士が超音波接合された導体接合部3aを介して複数の被覆電線1を接合した接合電線1aを構成することができる。
【0051】
上述のように、導体3が絶縁被覆2で被覆された被覆電線1を長手方向Lに沿って複数配置するとともに、長手方向Lに沿って配置された複数の導体3を接合する電線接続方法として、複数の導体3を所定の第1圧縮力で所定の圧縮率となるように圧縮するプレ圧縮工程(ステップs3)と、圧縮された導体3に、第1圧縮力より小さな第2圧縮力を作用させながら超音波振動を付与して複数の導体3を超音波接合する接合工程(ステップs6乃至s8)とを行い、複数の導体3は、所定の圧縮力による圧縮変形性が異なる複数種の金属製の導体3であり、プレ圧縮工程(ステップs3)において複数の導体3を圧縮する所定の圧縮率を、複数の導体3のうち、圧縮変形性が高いアルミ合金製の導体3が65%以上の圧縮率で圧縮される圧縮率とするため、金属種の異なる導体3を確実に接合することができる。
【0052】
詳述すると、複数の導体3を所定の第1圧縮力で所定の圧縮率となるように圧縮するプレ圧縮工程(ステップs3)と、圧縮された導体3に、第1圧縮力より小さな第2圧縮力を作用させながら超音波振動を付与して複数の導体3を超音波接合する接合工程(ステップs6乃至s8)とを行って、所定の圧縮力による圧縮変形性が異なる複数種の金属製の導体3を接合するのに、プレ圧縮工程(ステップs3)において複数の導体3を圧縮する所定の圧縮率を、複数の導体3のうち、圧縮変形性が高いアルミ合金製の導体3が65%以上の圧縮率で圧縮される圧縮率とするため、導体3同士の接触面積を確保でき、確実に超音波接合することができる。また、導体3同士の接触面積を確保できるため、小さな熱エネルギ、つまり小さな超音波振動エネルギで導体3同士を接合することができる。
【0053】
さらにまた、図7に示すように、プレ圧縮工程(ステップs3)を経ず、圧縮変形性が異なる複数種の導体3を、第1圧縮力を作用させながら超音波接合する接合工程のみ(ステップs6乃至s8)を行う場合、接合工程(ステップs6乃至s8)で圧縮変形性が異なる導体3間で変形差が大きくなり、圧縮変形性の高いアルミ合金製の導体3ばかりが過接合状態となる。
【0054】
これに対し、圧縮変形性が高いアルミ合金製の導体3が65%以上の圧縮率となるように予めプレ圧縮工程(ステップs3)で圧縮しているため、つまり、予め所定の圧縮率(アルミ合金製の導体3が65%以上の圧縮率)で圧縮した導体3に対して超音波振動を作用させて超音波接合するため、接合工程(ステップs6乃至s8)で圧縮変形性が異なる導体3間で変形差を小さくでき、圧縮変形性が異なる導体3間でも超音波接合することができる。
【0055】
また、プレ圧縮工程において、複数の導体3のうち、圧縮変形性が低い銅合金製の導体3が90%以下の圧縮率で圧縮される圧縮率とするため、圧縮変形性が異なる導体3同士をより確実、かつ効率的に接合することができる。
【0056】
詳述すると、プレ圧縮工程(ステップs3)において、圧縮変形性が高いアルミ合金製の導体3が65%以上の圧縮率で圧縮されるとともに、圧縮変形性が低い銅合金製の導体3が90%以下の圧縮率で圧縮されるため、圧縮変形性が異なるすべての導体3が圧縮されて、導体3同士の接触面積を確保できるため、より効率的に導体3同士を確実に接合することができる。
【0057】
なお、ここで、上述のプレ圧縮工程(ステップs3)における圧縮率の実証実験の結果について、図8に基づいて説明する。
実証実験として、3本の2.0sq銅合金製被覆電線の導体同士と、3本の2.0sqアルミニウム合金製被覆電線の導体同士をそれぞれ、所定の圧縮率で圧縮してから所定の加圧力のもとで超音波接合して、超音波接合後の抵抗値を測定した。その評価結果を、電線間の抵抗値が0.5mΩ以下であったものを「〇」とし、電線間の抵抗値が0.5mΩより大きかったものを「×」として表8に表示した。なお、表8において上側の方が、強く圧縮した場合(圧縮率値が低い場合)、右側の方が、超音波接合する際の加圧力が高い場合を示している。
【0058】
表8から分かるように、アルミ合金製の導体3は、加圧力が高い場合や圧縮率が60%である場合、電線間の抵抗値が大きくなるものが確認され、銅合金製の導体3は、加圧力が低い場合や圧縮率が100%、つまり圧縮しない場合、電線間の抵抗値が大きくなるものが確認された。
これに対し、圧縮率が65%以上90%以下の場合、アルミ合金製の導体3及び銅金製の導体3が共に、電線間の抵抗値が小さくなることが多数確認できた。
【0059】
このことから、圧縮率が65%よりくなる(圧縮率値が低くなる)と、銅合金製の導体より圧縮変形性が高いアルミニウム合金製の導体が不良になりやすく、圧縮率が90%よりくなる(圧縮率値が高くなる)と、アルミニウム合金製の導体より圧縮変形性が低い銅合金製の導体が不良になりやすく、圧縮率が65%以上90%以下でプレ圧縮されることで、銅合金製の導体とアルミニウム合金製の導体の両方とも概ね良好であることが確認できた。より好ましくは70%以上85%以下であるとより好ましい。
【0060】
また、プレ圧縮工程(ステップs3)において、アンビル11で受けた複数の導体3に対して、超音波振動を付与しながら圧縮するホーン12を、第1圧縮力を作用させながら、所定の圧縮率に基づく圧縮時下死点(上述の圧縮率となる位置)まで移動させ、接合工程(ステップs6乃至s8)において、電線接続装置10の超音波振動を付与するホーン12が、アンビル11に配置された複数の導体3に対して接合時下死点となるまで、第2圧縮力を複数の導体3に作用させながら超音波振動を付与して複数の導体3を接合する第1接合工程(ステップs6乃至s7)と、ホーン12が接合時下死点に達した後、接合時下死点を維持し、複数の導体3に作用する圧縮力を第2圧縮力より低下させながら超音波振動を付与して複数の導体3を接合する第2接合工程(ステップs8)とを行うことにより、超音波接合する導体3の変形を制御でき、導体3の材料ばらつき等の影響が低減し、接合条件のロバスト性を向上することができる。
【0061】
また、プレ圧縮工程(ステップs3)において圧縮時下死点まで移動させたホーン12の圧縮力を第2圧縮力よりも小さい第3圧縮力まで低下させる圧縮力低下工程を、接合工程(ステップs6乃至s8)の前に行うため、圧縮した導体3をより確実に接合することができる。
【0062】
詳述すると、第2圧縮力より大きな所定の第1圧縮力で束ねた導体3を圧縮するプレ圧縮工程(ステップs3)終了後の接合工程(ステップs6乃至s8)の前に、導体3に作用させるホーン12の圧縮力を、一旦、第2圧縮力より小さい所定の第3圧縮力まで低下させてから、超音波振動を作用させながら第2圧縮力まで増大させることで、圧縮した導体3に作用する負荷を低減しながら、より確実に接合することができる。
【0063】
また、複数の導体3のいずれかをアルミニウム合金で構成されるとともに、複数の導体3の他を銅合金で構成され、圧縮変形性が高い金属種がアルミニウム合金であるため、アルミニウム合金で構成される導体3と、銅合金で構成される導体3とを確実に接合することができる。
【0064】
詳述すると、アルミニウム合金で構成される導体3と、銅合金で構成される導体3とでは、硬さ及び熱伝導率が異なり、さらには溶融温度も異なるため、単に、接合工程のみを行って接合することが困難である。これに対し、プレ圧縮工程(ステップs3)で、アルミニウム合金製の導体3を、圧縮変形性が高い導体3として65%以上の圧縮率で圧縮してから接合工程(ステップs6乃至s8)をおこなうため、導体3同士の接触面積を確保して、確実に接合することができる。
【0065】
また、複数の導体3を導電性のジョイント管4の内部に挿入し、ジョイント管4とともに複数の導体3をプレ圧縮工程(ステップs3)で圧縮するとともに、接合工程(ステップs6乃至s8)で超音波接合するため、ジョイント管4によって導体3を規制しながら、金属種の異なる導体3を確実に接合することができる。また、ジョイント管4によって導体3を規制されているため、接合対象である導体3がホーン12やアンビル11に固着することを防止できる。
【0066】
この発明の構成と、前記実施形態との対応において、
この発明の接続装置は、上述の実施形態の導体は導体3に対応し、以下同様に、
絶縁被覆は絶縁被覆2に対応し、
被覆電線は被覆電線1に対応し、
圧縮工程はプレ圧縮工程(ステップs3)に対応し、
接合工程は接合工程(ステップs6乃至s8)に対応し、
圧縮変形性が最も高い金属種の導体はアルミ合金製の導体3に対応し、
圧縮変形性が最も低い金属種の導体は銅合金製の導体3に対応し、
導体配置部はアンビル11に対応し、
圧縮振動部はホーン12に対応し、
接合相対位置は接合時下死点に対応し、
圧縮相対位置は圧縮時下死点に対応し、
電線接続装置は電線接続装置10に対応し、
管状体はジョイント管4に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。
【0067】
例えば、ホーン駆動部22は、ホーン12を所定位置まで移動させることができる位置制御可能な駆動方式で構成し、プレ圧縮工程でホーン12を下死点制御して導体3を圧縮したが、ストッパ等の別部材で位置規制できるエアシリンダなどで構成し、所定の圧縮率が確保できれば下死点制御せずに圧縮してもよい。また、接合工程においても下死点制御せずに接合してもよい。
さらには、ホーン12を移動させるホーン駆動部22と、ホーン12を超音波振動させる超音波振動発生部21とを一体構成してもよい。
【0068】
上述の説明では、5本の被覆電線1を接合して接合電線1aを構成したが、被覆電線1の本数は限定されず適宜の本数の被覆電線1の導体3を接合して接合電線1aを構成してもよい。
また、1本の被覆電線1における導体3を構成する素線同士を電線接続装置10で接合してもよい。
【0069】
さらには、上述の説明では、アルミ合金製の導体3と銅合金製の導体3とを接合したが、アルミ製の導体3や銅製の導体3など導電性を有する別の金属種の導体3を用いてもよい。さらには、三種類以上の金属製の導体3を接合するように構成してもよい。
【0070】
また、図9に示すように、上述の説明とは異なるパターンの圧縮力を被接合体に対して作用させて被接合体を接合してもよい。
具体的には、上述の説明では、第2圧縮力で圧縮時下死点まで移動してプレ圧縮した後、一旦第3圧縮力まで低下させてから、超音波振動を作用させながら第1圧縮力で接合時下死点まで超音波接合する第1接合工程を行ったが、図9(a)に示すように、第2圧縮力で圧縮時下死点まで移動してプレ圧縮した後、第3圧縮力まで低下させることなく、超音波振動を作用させながら第1圧縮力で接合時下死点まで超音波接合する第1接合工程を行ってもよい。
【0071】
さらには、上述の説明では、圧縮時下死点まで移動してプレ圧縮する第2圧縮力を、超音波振動を作用させながら接合時下死点まで超音波接合する第1圧縮力より大きな圧縮力としたが、図9(b)に示すように、圧縮時下死点まで移動してプレ圧縮する圧縮力と、超音波振動を作用させながら接合時下死点まで超音波接合する圧縮力とを同じ圧縮力としてもよい。
【0072】
なお、圧縮時下死点まで移動してプレ圧縮する圧縮力と、超音波振動を作用させながら接合時下死点まで超音波接合する圧縮力とを同じ圧縮力としたとしても、
プレ圧縮した後、一旦圧縮力を低下させてから、第1接合工程を行ってもよい。
【符号の説明】
【0073】
1…被覆電線
2…絶縁被覆
3…導体
4…ジョイント管
11…アンビル
12…ホーン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9