(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-27
(45)【発行日】2023-03-07
(54)【発明の名称】篩分け低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの製造方法
(51)【国際特許分類】
C08B 11/08 20060101AFI20230228BHJP
B07B 1/00 20060101ALI20230228BHJP
B07B 1/28 20060101ALI20230228BHJP
【FI】
C08B11/08
B07B1/00 B
B07B1/28 Z
(21)【出願番号】P 2019154552
(22)【出願日】2019-08-27
【審査請求日】2021-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000002060
【氏名又は名称】信越化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085545
【氏名又は名称】松井 光夫
(74)【代理人】
【識別番号】100118599
【氏名又は名称】村上 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100160738
【氏名又は名称】加藤 由加里
(74)【代理人】
【識別番号】100114591
【氏名又は名称】河村 英文
(72)【発明者】
【氏名】三木 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】土田 晃子
(72)【発明者】
【氏名】北村 彰
(72)【発明者】
【氏名】平間 康之
【審査官】奥谷 暢子
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-062653(JP,A)
【文献】特開2018-062654(JP,A)
【文献】MERKUS H.G.,Particle Size Measurements : Fundamentals, Practice, Quality,Springer,2009年,225-229,ISBN: 978-1-4020-9015-8
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08B
B07B
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒドロキシプロポキシ基の含有量が5~16質量%である低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを、篩面が水平運動を行う篩振盪機を用いて篩分けることにより、第一の篩上残留低置換度ヒドロキシプロピルセルロースと、第一の篩通過低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを得る第一の篩分け工程と、
第一の篩上残留低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを篩面が垂直運動を行う篩振盪機を用いて篩分けることにより、第二の篩上残留低置換度ヒドロキシプロピルセルロースと、第二の篩通過低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを得る第二の篩分け工程と、
第一の篩通過低置換度ヒドロキシプロピルセルロースと第二の篩上残留低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを合わせて篩分け低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを得る工程と
を少なくとも含む篩分け低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの製造方法。
【請求項2】
前記第一の篩分け工程における篩分けの対象である低置換度ヒドロキシプロピルセルロースが、33.0%以上の圧縮度を有する請求項1に記載の篩分け低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの製造方法。
【請求項3】
第一の篩上残留低置換度ヒドロキシプロピルセルロースが、動的画像解析法により全粒子を微粒子と、球状粒子と、長繊維状粒子と、短繊維状粒子とに分類した場合、前記全粒子に対する前記短繊維状粒子の体積分率が20%未満である低置換度ヒドロキシプロピルセルロースであって、
前記微粒子が、繊維長が40μm未満の粒子であり、
前記球状粒子は繊維長が40μm以上であり、かつ繊維径と繊維長の比率である伸長比が0.5以上の第1球状粒子と、伸長比が0.5未満であり、最小フェレー径と最大フェレー径の比率であるアスペクト比が0.5以上であり、粒子の投影面積と同じ面積を有する円の周囲長(P
EQPC)と実際の粒子の周囲長(P
real)の比率である円形度が0.7以上である第2球状粒子とからなり、
前記長繊維状粒子は繊維長が200μm以上、伸長比が0.5未満であり、かつアスペクト比が0.5未満である第1長繊維状粒子と、アスペクト比が0.5以上であり、円形度が0.7未満である第2長繊維状粒子とからなり、
前記短繊維状粒子は繊維長が40μm以上200μm未満、伸長比が0.5未満であり、かつアスペクト比が0.5未満である第1短繊維状粒子と、アスペクト比が0.5以上であり、円形度が0.7未満である第2短繊維状粒子とからなる低置換度ヒドロキシプロピルセルロースである請求項1又は請求項2に記載の篩分け低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの製造方法。
【請求項4】
前記第一の篩上残留低置換度ヒドロキシプロピルセルロースが、90.0μmを超えて300.0μm以下の平均粒子径を有する請求項1~3のいずれか一項に記載の篩分け低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収率が改善された篩分け低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
固形製剤は、その中に含有される崩壊剤が、吸水、膨潤することによって崩壊する。崩壊剤としては、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(以下、「L-HPC」とも記載する)、カルボキシメチルセルロース及びそのカルシウム塩、デンプン及びその誘導体等を挙げることができるが、中でもL-HPCは、非イオン性の崩壊剤として幅広く使用されている。
【0003】
L-HPCは、目的に応じて様々な粒度分布及び粒子形状のものが用いられる。しかしながら、粉砕不十分な粗大な繊維状粒子は流動性を低下させ、主薬成分との混合均一性や錠剤の重量の均一性を損なうため、L-HPCは粉砕後に篩にかけられて製造することが一般的である(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
L-HPCに対して篩面を水平運動させて篩分けを行うと、例えば取り除く部分においては、目的の粒度分布や粒子形状を有するL-HPCも少なからず含まれており、収率の点においては改善の余地があった。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、従来の篩分け方法により得られたL-HPCと同様な流動性や打錠後の錠剤特性を維持したまま、収率を改善した篩分けL-HPCの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、篩面を水平運動させることによる篩分けにより従来取り除いていた部分に対して篩面を垂直運動させることによる篩分けを行うことにより、良好な流動性や打錠後の錠剤特性を維持したまま、収率よく篩分けL-HPCを製造できることを見出し、本発明を為すに至った。
本発明の1つの態様によれば、ヒドロキシプロポキシ基の含有量が5~16質量%である低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを、篩面が水平運動を行う篩振盪機を用いて篩分けることにより、第一の篩上残留低置換度ヒドロキシプロピルセルロースと、第一の篩通過低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを得る第一の篩分け工程と、第一の篩上残留低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを篩面が垂直運動を行う篩振盪機を用いて篩分けることにより、第二の篩上残留低置換度ヒドロキシプロピルセルロースと、第二の篩通過低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを得る第二の篩分け工程と、第一の篩通過低置換度ヒドロキシプロピルセルロースと第二の篩上残留低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを合わせて篩分け低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを得る工程とを少なくとも含む篩分け低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、従来の篩分け方法に得られたL-HPCと同様な良好な流動性と打錠後の錠剤特性を維持したまま、収率を高めた篩分けL-HPCを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】L-HPCの「全粒子」を、「微粒子」、「長繊維状粒子(LF1及びLF2)」、「短繊維状粒子(SF1及びSF2)」、「球状粒子(S1及びS2)」及びの4種類の粒子に分類するフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(1)L-HPC粒子の分類方法
本明細書において、L-HPCは、「長繊維状粒子」、「短繊維状粒子」、「球状粒子」及び「微粒子」の4種類の粒子に分類される。
図1は、L-HPCの「全粒子」を、「微粒子」、「長繊維状粒子(LF1及びLF2)」、「短繊維状粒子(SF1及びSF2)」及び「球状粒子(S1及びS2)」の4種類の粒子に分類する方法についてまとめたフローチャートを示す。
L-HPC中の前記各粒子の体積分率は、動的画像解析法により、以下の繊維長(LEFI)、繊維径(DIFI)、伸長比、アスペクト比及び円形度等の形状パラメータを測定することにより算出できる。動的画像解析法とは、気体又は溶媒等の流体に分散させた粒子の画像を連続的に撮影し、二値化・解析を行うことにより粒子径や粒子形状を求める方法である。例えば、動的画像解析式粒度分布測定装置QICPIC/R16(シンパテック社製)を用いて測定できる。
【0010】
全粒子Aは、繊維長(Length of Fiber:LEFI)が40μm以上の粒子Cと、40μm未満の微粒子Bに分けられる。LEFIは、粒子の両端間の長さとして定義され、粒子輪郭の中の片側から別の片側までで最も長い経路である。なお、M7レンズを搭載した場合のQICPIC/R16の検出限界は4.7μmであるため、4.7μm未満の粒子は検出されないが、4.7μm未満のLEFIを有する粒子の体積がL-HPC全体に占める割合は極僅かであることから、本発明の目的上無視できる。
【0011】
LEFIが40μm以上の粒子Cは、繊維径(Diameter of Fiber:DIFI)とLEFIの比率(DIFI/LEFI)である伸長比(elongation)が0.5以上の第1球状粒子(S1)と、0.5未満の粒子Dに分けられる。DIFIは、粒子の短径として定義され、粒子の投影面積を繊維の分枝の全ての長さの合計で割ることにより算出される。
【0012】
LEFIが40μm以上で伸長比(elongation)が0.5未満の粒子Dは、最小フェレー径(Fmin)と最大フェレー径(Fmax)の比率(Fmin/Fmax)であるアスペクト比(aspect ratio)が0.5未満の粒子Eと、0.5以上の粒子Fに分けられる。いずれの粒子も、アスペクト比は0を超えて1以下の値となる。フェレー径は、粒子を挟む2本の平行接線間の距離のことであり、最小フェレー径(Fmin)は、粒子を挟む2接線間の距離で、0°から180°まで方向を変化させた時の最小径をいい、最大フェレー径(Fmax)は、粒子を挟む2接線間の距離で、0°から180°まで方向を変化させた時の最大径をいう。
【0013】
LEFIが40μm以上で伸長比(elongation)が0.5未満であり、かつアスペクト比(aspect ratio)が0.5未満の繊維状粒子Eは、LEFIが200μm以上の第1長繊維状粒子(LF1)と、200μm未満の第1短繊維状粒子(SF1)に分けられる。
【0014】
LEFIが40μm以上で伸長比(elongation)が0.5未満であり、かつアスペクト比(aspect ratio)が0.5以上の粒子Fは、円形度(circularity)が0.7以上の第2球状粒子(S2)と、0.7未満の繊維状粒子Gに分けられる。円形度(circularity)は、粒子の投影面積(AP)と同じ面積を有する円における周囲長(PEQPC)と、実際の粒子の周囲長(Preal)の比率で、下記式により定義される。いずれの粒子も、円形度は0を超えて1以下の値となる。円形度が小さいほど、粒子の形はより不規則となる。EQPCは、面積円相当径(Diameter of a Circle of Equal Projection Area)、すなわち、粒子の投影面積と同等の面積を有する円の直径として定義され、Heywod径とも言う。
【0015】
【0016】
LEFIが40μm以上、伸長比(elongation)が0.5未満でアスペクト比(aspect ratio)が0.5以上であり、かつ円形度(circularity)が0.7未満の繊維状粒子Gは、LEFIが200μm以上の第2長繊維状粒子(LF2)と、200μm未満の第2短繊維状粒子(SF2)に分けられる。
【0017】
L-HPC中の微粒子の体積(Vm)は、微粒子を直径がEQPCの球であると仮定することにより、下記式により算出することができる。
Vm=(π/6)×(EQPC)3×Nm
ここで、Nmは試料中の微粒子の数であり、EQPCは微粒子の個数基準の累積粒度分布曲線の50%累積値に相当するメジアンEQPCである。
【0018】
本明細書において、全粒子からLEFIが40μm未満の微粒子を除いた、40μm以上のLEFIを有する粒子は、上記の粒子の形状パラメータである、LEFI、伸長比、アスペクト比及び円形度に基づき「長繊維状粒子」、「短繊維状粒子」及び「球状粒子」に分類され、それぞれ区別される。
【0019】
<長繊維状粒子>
以下の定義LF1又はLF2のいずれかを満たす粒子は、「長繊維状粒子」に分類される。
LF1:0.5未満の伸長比、0.5未満のアスペクト比、及び200μm以上のLEFI(繊維長)を有する粒子。
LF2:0.5未満の伸長比、0.5以上のアスペクト比、0.7未満の円形度及び200μm以上のLEFI(繊維長)を有する粒子。
L-HPC中の長繊維状粒子の体積(VLF)は、長繊維状粒子を、底面の直径をDIFI、高さをLEFIとする円柱と仮定することにより、下記式により算出することができる。
VLF=(π/4)×(DIFI)2×(LEFI)×NLF
ここで、NLFは試料中の長繊維状粒子の数であり、DIFIは長繊維状粒子の個数基準の累積粒度分布曲線の50%累積値に相当するメジアンDIFIであり、LEFIは長繊維状粒子の個数基準の累積粒度分布曲線の50%累積値に相当するメジアンLEFIである。
なお、上記LF1及びLF2の定義を満たす粒子のそれぞれについて上記式により体積を計算し、それらを合計した値がL-HPC中の長繊維状粒子の体積である。
【0020】
<短繊維状粒子>
以下の定義SF1又はSF2のいずれかを満たす粒子は、「短繊維状粒子」に分類される。
SF1:0.5未満の伸長比、0.5未満のアスペクト比、及び40μm以上200μm未満のLEFI(繊維長)を有する粒子。
SF2:0.5未満の伸長比、0.5以上のアスペクト比、0.7未満の円形度及び40μm以上200μm未満のLEFI(繊維長)を有する粒子。
L-HPC中の短繊維状粒子の体積(VSF)は、上記の長繊維状粒子と同様に、短繊維状粒子を、底面の直径をDIFI、高さをLEFIとする円柱と仮定することにより、下記式により算出することができる。
VSF=(π/4)×(DIFI)2×(LEFI)×NSF
ここで、NSFは試料中の短繊維状粒子の数であり、DIFIは短繊維状粒子の個数基準の累積粒度分布曲線の50%累積値に相当するメジアンDIFIであり、LEFIは短繊維状粒子の個数基準の累積粒度分布曲線の50%累積値に相当するメジアンLEFIである。
なお、上記SF1及びSF2の定義を満たす粒子のそれぞれについて上記式により体積を計算し、それらを合計した値がL-HPC中の短繊維状粒子の体積である。
【0021】
<球状粒子>
以下の定義S1又はS2のいずれかを満たす粒子は、「球状粒子」に分類される。
S1:40μm以上のLEFI(繊維長)及び0.5以上の伸長比を有する粒子。
S2:40μm以上のLEFI(繊維長)、0.5未満の伸長比、0.5以上のアスペクト比及び0.7以上の円形度を有する粒子。
L-HPC中の球状粒子の体積(VS)は、球状粒子を直径がEQPCの球であると仮定することにより、下記式により算出することができる。
VS=(π/6)×(EQPC)3×NS
ここで、NSは試料中の球状粒子の数であり、EQPCは球状粒子の個数基準の累積粒度分布曲線の50%累積値に相当するメジアンEQPCである。
なお、上記S1及びS2の定義を満たす粒子のそれぞれについて上記式により体積を計算し、それらを合計した値がL-HPC中の球状粒子の体積である。
【0022】
L-HPC中の各種粒子の体積分率は、上記で定義した体積Vm、VLF、VSF及びVSからそれぞれ下記式により算出できる。
微粒子の体積分率={Vm/(Vm+VLF+VSF+VS)}×100
長繊維状粒子の体積分率={VLF/(Vm+VLF+VSF+VS)}×100
短繊維状粒子の体積分率={VSF/(Vm+VLF+VSF+VS)}×100
球状粒子の体積分率={VS/(Vm+VLF+VSF+VS)}×100
【0023】
各種粒子(長繊維状粒子、短繊維状粒子、球状粒子及び微粒子)の体積分率は、定量フィーダーVIBRI/L、気流式分散器 RODOS/L及びM7レンズを搭載した動的画像解析式粒度分布測定装置QICPIC/R16(シンパテック社製)を用いて、フレームレート500Hz、インジェクタ4mm、分散圧1barの条件で測定を行い、撮像した粒子の画像を解析ソフトWINDOX5 Version:5.9.1.1により解析して各種粒子の個数基準のメジアンEQPC、個数基準のメジアンLEFI、個数基準のメジアンDIFI、伸長比、アスペクト比及び円形度を求め、その値を基に前述した計算式により算出した。なお、解析時の区分はM7を使用した。
【0024】
(2)第一の篩分け工程における篩分けの対象となるL-HPCの製造方法
まず、ヒドロキシプロポキシ基の含有量が5.0~16.0質量%である第一の篩分け工程における篩分けの対象(以下、「篩分けの対象」とも称する。)となるL-HPCの製造方法について説明する。
ヒドロキシプロポキシ基の含有量が5.0~16.0質量%である篩分けの対象となるL-HPCは、例えば、パルプと、アルカリ金属水酸化物溶液を接触させてアルカリセルロースを得る工程と、前記アルカリセルロースと、酸化プロピレンとを反応させてL-HPCの反応生成物を得る工程と、前記反応生成物と、水と、酸を混合することにより析出物を得る工程と、前記析出物を洗浄、乾燥、粉砕する工程を少なくとも含む方法により製造することができる。
【0025】
まず、パルプと、アルカリ金属水酸化物溶液を接触させてアルカリセルロースを得る工程について説明する。
パルプとしては、木材由来のパルプ、コットンリンター由来のパルプ等が挙げられる。パルプの形状としては、シート状、チップ状及び粉末状等が挙げられる。
アルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられるが、経済性の観点から、水酸化ナトリウムが好ましい。アルカリ金属水酸化物溶液としては、アルカリ金属水酸化物水溶液が好ましい。アルカリ金属水酸化物水溶液におけるアルカリ金属水酸化物の濃度は、アルカリセルロースの均一性及び反応効率の観点から、好ましくは20~50質量%である。
アルカリセルロースは、パルプと、アルカリ金属水酸化物溶液を接触させた後、所望の量のアルカリ金属水酸化物を含むアルカリセルロースを得るために圧搾を行ってもよい。アルカリセルロースにおけるアルカリ金属水酸化物の含有量は、酸化プロピレンの反応効率の観点から、好ましくは15~35質量%である。アルカリセルロースにおけるアルカリ金属水酸化物の含有量は、アルカリセルロースを、濃度既知の硫酸等の酸を用いて中和滴定することにより、測定することができる。
【0026】
次に、前記アルカリセルロースと、酸化プロピレンとを反応させてL-HPCの反応生成物を得る工程について説明する。
反応は、反応制御性の観点から、好ましくはジャケットにより内温を調整することが可能である自転型反応器、内部撹拌機付きの圧力容器内等で行うことが好ましい。なお、「自転型反応器」とは、反応器自体が回転することにより、撹拌効果を得る反応器のことをいう。酸化プロピレンの仕込み量は、酸化プロピレンの反応効率の観点から、アルカリセルロース100質量部に対して、好ましくは1.0~20.0質量部である。なお、酸化プロピレンは、アルカリセルロースを30~60℃に温調したのちに加えてもよい。
反応温度は、反応制御性及び生産性の観点から、好ましくは40℃~80℃である。反応時間は、反応制御性及び生産性の観点から、好ましくは0.5~6時間である。
【0027】
次に、前記反応生成物と、水と、酸を混合することにより析出物を得る工程について説明する。
混合は、例えば、ジャケット付き双軸ニーダー等を用いて行うことができる。
水の温度は、反応生成物の溶解性の観点から、好ましくは10~50℃である。水の使用量は、反応生成物の溶解性の観点から、好ましくは、アルカリセルロース100質量部に対して、好ましくは100~1000質量部である。なお、水は使用量全量を一度に用いてもよいし、複数回に分けて使用してもよい。
酸としては、酢酸、塩化水素等が挙げられる。酸の使用量は、L-HPC中に残留するアルカリ金属水酸化物を低減する観点から、アルカリセルロースが含むアルカリ金属水酸化物の当量の好ましくは95~100%(当量)である。酸はそのまま使用してもよいし、水と混合して使用してもよいが、反応生成物と酸との局所的な中和反応を避ける観点から、水と混合して使用することが好ましい。
【0028】
好ましい具体例としては、まず、アルカリセルロースが含むアルカリ金属水酸化物を中和するのに要する当量の好ましくは5~80%、より好ましくは10~60%、更に好ましくは10~40%の酸を含む水と前期反応生成物を混合し、前記反応生成物の一部を溶解させる。更に、アルカリセルロースが含むアルカリ金属水酸化物を中和するのに要する等量まで酸を追加し、析出物として粗原料L-HPCを得る。
混合温度は、反応生成物の溶解性の観点から、好ましくは5~80℃である。混合温度は、ジャケット温度で制御してもよい。混合時間は、生産性の観点から、好ましくは0.1~2時間である。
【0029】
次に、前記析出物を洗浄、乾燥、粉砕する工程により、ヒドロキシプロポキシ基の含有量が5.0~16.0質量%である篩分けの対象となるL-HPCを得る工程について説明する。
洗浄工程は、例えば、析出物と水を接触させた後、脱水機を用いて脱水することにより行うことができる。洗浄に用いる水の温度は、洗浄性の観点から、90℃以上である。水の使用量は、経済性の観点から、アルカリセルロース100質量部に対して、好ましくは1000~5000質量部である。
脱水機としては、バッチ式遠心分離機等が挙げられる。脱水機における遠心効果は、十分に脱水できればよいが、生産性の観点から、好ましくは500G以上である。
【0030】
乾燥工程は、例えば、乾燥機を用いて行うことができる。乾燥機としては、棚段乾燥機等が挙げられる。乾燥温度は、乾燥効率の観点から、60~120℃である。乾燥時間は、生産性の観点から、3~24時間である。
【0031】
粉砕工程は、例えば、粉砕機を用いて行うことができる。粉砕機としては、ハンマーミル、インパクトミル等の衝撃式粉砕機が好ましい。粉砕機におけるスクリーン径は、L-HPCの粒径の観点から、好ましくは0.1~5.0mmである。また、粉砕後に必要に応じて更に乾燥を行うことにより、篩分けの対象となるL-HPCにおける水分量を調整してもよい。
【0032】
篩分けの対象となるL-HPCにおける水分量は、篩分け工程での帯電防止の観点から、好ましくは1.0~8.0質量%、より好ましくは1.5~5.0質量%である。篩分けの対象となるL-HPCにおける水分量は、第十七改正日本薬局方の「低置換度ヒドロキシプロピルセルロース」の項に収載された測定法により測定することができる。
篩分けの対象となるL-HPCにおけるヒドロキシプロポキシ基の含有量は、5.0~16.0質量%、好ましくは6.0~15.0質量%、より好ましくは7.0~14.0質量%である。篩分けの対象となるL-HPCにおけるヒドロキシプロポキシ基の含有量は、第十七改正日本薬局方の「低置換度ヒドロキシプロピルセルロース」の項に収載された定量法によって測定することができる。
【0033】
篩分けの対象となるL-HPCにおける乾式レーザー回折法による体積基準の平均粒子径は、L-HPCの崩壊性、成形性(結合性)及び流動性の観点から、好ましくは10.0~90.0μm、より好ましくは30.0~85.0μm、更に好ましくは40.0~75.0μm、特に好ましくは50.0~70.0μmである。篩分けの対象となるL-HPCにおける乾式レーザー回折法による体積基準の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置マスターサイザー3000(Malvern社製)を用いて、乾式法にてFraunhofer回折理論により、乾式法にて、分散圧2bar、散乱強度2~10%の条件で、体積基準の累積粒度分布曲線の50%累積値に相当する径を測定した。
【0034】
篩分けの対象となるL-HPCにおける長繊維状粒子の体積分率は、L-HPCの良好な流動性と高い成形性(結合性)及びキャッピング防止性能の観点から、好ましくは10.0~50.0%、より好ましくは10.5~45.0%、更に好ましくは11.0~25.0%である。
篩分けの対象となるL-HPCにおける短繊維状粒子の体積分率は、L-HPCの良好な流動性と高い成形性(結合性)及びキャッピング防止性能の観点から、好ましくは20.0~40.0%、より好ましくは22.5~35.0%、更に好ましくは23.0~35.0%である。
篩分けの対象となるL-HPCにおける球状粒子の体積分率は、L-HPCの良好な流動性及びキャッピング防止性能の観点から、好ましくは10.0~60.0%、より好ましくは15.0~59.0%、更に好ましくは45.0~55.0%である。
篩分けの対象となるL-HPCにおける微粒子の体積分率は、L-HPCの良好な流動性を得る観点から、好ましくは0.0~10.0%、より好ましくは0.1~5.0%、更に好ましくは1.0~3.5%である。
【0035】
篩分けの対象となるL-HPCにおける安息角は、粉体特性評価装置パウダテスタPT-S型(ホソカワミクロン社製)を用いて、ロートを通して直径80mmの円形テーブル上に一定の角度になるまで粉体を供給し、粉体堆積層の角度(テーブルと粉体の稜線の作る角度)として測定した(注入法)。
【0036】
篩分けの対象となるL-HPCにおけるゆるめ嵩密度は、好ましくは0.340g/ml未満、より好ましくは0.150~0.335g/mlであるが、L-HPCの流動性の観点においては改善の余地がある。篩分けの対象となるL-HPCにおける固め嵩密度は、好ましくは0.515g/ml未満、より好ましくは0.250~0.510g/mlであるが、L-HPCの流動性の観点においては改善の余地がある。
篩分けの対象となるL-HPCにおける圧縮度は、好ましくは33.0%以上、より好ましくは33.5~45.0%、更に好ましくは33.5~35.0%であるが、L-HPCの流動性の観点においては改善の余地がある。
【0037】
「ゆるめ嵩密度」とは、疎充填の状態の嵩密度をいい、粉体特性評価装置パウダテスタPT-S型(ホソカワミクロン社製)を用いて、直径5.05cm、高さ5.05cm(容積100ml)の円筒容器(材質:ステンレス)へ試料を目開き1mmの篩を通して、上方(23cm)から均一に供給し、上面をすり切って秤量することによって測定した。
「固め嵩密度」とは、前記円筒容器にタッピングを加えて密充填にした場合の嵩密度である。「タッピング」とは、試料を充填した容器を一定の高さから繰り返し落下させて底部に軽い衝撃を与え、試料を密充填にする操作である。実際には、「ゆるめ嵩密度」を測定する際上面をすり切って秤量した後、更に、この容器の上にキャップをはめ、この上縁まで粉体を加えてタップ高さ1.8cmのタッピングを180回行う。終了後、キャップを外して容器の上面で粉体をすり切って秤量し、この状態の嵩密度を固め嵩密度とした。
「圧縮度」とは、嵩減りの度合いを示す値であり、以下の式で求めた。
圧縮度(%)={(固め嵩密度―ゆるめ嵩密度)/固め嵩密度}×100
【0038】
(3)水平運動を用いる第一の篩分け工程
次に、ヒドロキシプロポキシ基の含有量が5~16質量%である篩分けの対象となるL-HPCを篩面が水平運動を行う篩振盪機を用いて篩分けることにより、第一の篩上残留L-HPCと、第一の篩通過L-HPCを得る第一の篩分け工程について説明する。
水平運動により、流動性を悪化させる粗大な繊維状粒子と、流動性を悪化させない球状粒子を篩上残分として回収することができる。
【0039】
第一の篩分け工程に用いる篩における有効篩面積は、工業的な入手可能性の観点から、好ましくは0.0001~1,000m2、より好ましくは0.0010~100m2である。第一の篩分け工程に用いる篩における篩面の目開きは、必要に応じて適宜選択すればよいが、処理速度又はL-HPCの流動性、崩壊性及び結合性の観点から、好ましくは0.045~0.500mm、より好ましくは0.060~0.300mmである。第一の篩分け工程に用いる篩における篩面の線径は、必要に応じて適宜選択すればよいが、強度の観点から、好ましくは0.001~5.0mm、より好ましくは0.01~1.0mmである。第一の篩分け工程における篩の設置段数は、複数段設置してもよいが、生産性の観点から、好ましくは1~10段、より好ましくは1段である。
【0040】
同じ目開きを有する複数段の篩を用いる場合は、第一の篩通過L-HPCとして、全篩を通過したものを用いることができ、第一の篩上残留L-HPCとして、各篩の篩上残留分を合わせて用いることができる。篩ごとに異なる目開きを有する複数段の篩を用いる場合は、第一の篩通過L-HPCとして、全篩を通過したものを用いることができ、第一の篩上残留L-HPCとして、例えば、各篩における篩上残留L-HPCにおけるヒドロキシプロポキシ基含有量、平均粒子径、及び/又は各種粒子(長繊維状粒子、短繊維状粒子、球状粒子及び微粒子)の体積分率を確認して、どの篩の篩上残留L-HPCを第二の篩分け工程に用いるかを判断すればよい。さらに、各篩における篩上残留L-HPCの安息角、ゆるめ嵩密度、固め嵩密度及び/又は圧縮度も確認して、どの篩の篩上残留L-HPCを第二の篩分け工程に用いるかを判断してもよい。具体的には、第一の篩上残留低置換度ヒドロキシプロピルセルロースが、動的画像解析法により全粒子を微粒子と、球状粒子と、長繊維状粒子と、短繊維状粒子とに分類した場合、前記全粒子に対する前記短繊維状粒子の体積分率が20%未満である低置換度ヒドロキシプロピルセルロースであって、前記微粒子が、繊維長が40μm未満の粒子であり、前記球状粒子は繊維長が40μm以上であり、かつ繊維径と繊維長の比率である伸長比が0.5以上の第1球状粒子と、伸長比が0.5未満であり、最小フェレー径と最大フェレー径の比率であるアスペクト比が0.5以上であり、粒子の投影面積と同じ面積を有する円の周囲長(PEQPC)と実際の粒子の周囲長(Preal)の比率である円形度が0.7以上である第2球状粒子とからなり、前記長繊維状粒子は繊維長が200μm以上、伸長比が0.5未満であり、かつアスペクト比が0.5未満である第1長繊維状粒子と、アスペクト比が0.5以上であり、円形度が0.7未満である第2長繊維状粒子とからなり、前記短繊維状粒子は繊維長が40μm以上200μm未満、伸長比が0.5未満であり、かつアスペクト比が0.5未満である第1短繊維状粒子と、アスペクト比が0.5以上であり、円形度が0.7未満である第2短繊維状粒子とからなる低置換度ヒドロキシプロピルセルロースとなるように、各篩の篩上残留L-HPCを取捨選択して組合せればよい。さらに、第一の篩上残留低置換度ヒドロキシプロピルセルロースが、90.0μmを超えて300.0μm以下の平均粒子径を有するように各篩の篩上残留L-HPCを取捨選択して組合せるとより好ましい。
【0041】
篩面の水平運動としては、篩面の旋回運動及び篩面の水平方向の振動運動等が挙げられる。
第一の篩分け工程に用いる篩面が旋回運動を行う篩振盪機としては、面内運動式篩分け機及びロータップ型篩分け機等が挙げられる。面内運動式篩分け機としては、アルミスケヤシフター(明治機械社製)、プランシフター(明治機械社製)、ジャイレトリーシフター(明治機械社製)、ジャイロシフター(徳寿工作社製)、ローテックススクリーナー(ローテックス社製)、アルガイヤシフター(アルガイヤ社製)等が挙げられる。ロータップ型篩分け機としては、ロータップ型篩振とう機(竹田理化工業社製、関西金網社製)、BSシーブシェカー(セイシン企業社製)等が挙げられる。
【0042】
第一の篩分け工程における篩面が旋回運動を行う篩振盪機における篩分け条件は、使用する篩分け機やL-HPCの目的とする粒度分布に応じて、適宜選択すればよい。面内運動式篩分け機及びロータップ型振盪機における回転数は、効率的な篩分けの観点から、好ましくは10~500rpmである。面内運動式篩分け機及びロータップ型振盪機における回転半径は、効率的な篩分けの観点から、好ましくは5~100mmである。
第一篩分け工程における篩分け時間、すなわち、篩分けの対象となるL-HPCの篩分けを開始してから篩分けが完了するまでの時間は、生産性の観点から、好ましくは0.1~12時間である。
【0043】
第一の篩上残留L-HPCにおける水分量は、篩分け工程での帯電防止の観点から、好ましくは1.00~8.00質量%、より好ましくは1.50~5.00質量%である。
第一の篩上残留L-HPCにおけるヒドロキシプロポキシ基の含有量は、5.0~16.0質量%、好ましくは6.0~15.0質量%、より好ましくは7.0~14.0質量%である。
第一の篩上残留L-HPCにおける乾式レーザー回折法による体積基準の平均粒子径は、好ましくは90.0μmを超えて300.0μm以下、より好ましくは95.0~150.0μmであるが、L-HPCの成形性(結合性)及び流動性の観点においては改善の余地がある。
【0044】
第一の篩上残留L-HPCにおける長繊維状粒子の体積分率は、L-HPCの良好な流動性と高い成形性(結合性)及びキャッピング防止性能を得る観点から、好ましくは10.0~50.0%、より好ましくは10.5~45.0%である。
第一の篩上残留L-HPCにおける短繊維状粒子の体積分率は、好ましくは0.0以上20.0%未満、より好ましくは0.0~10.0%、更に好ましくは0.0~5.0%であるが、L-HPCの良好な流動性と高い成形性(結合性)及びキャッピング防止性能の観点においては改善の余地がある。
第一の篩上残留L-HPCにおける球状粒子の体積分率は、L-HPCの良好な流動性及びキャッピング防止性能の観点から、好ましくは10.0~60.0%、より好ましくは15.0~59.0%、更に好ましくは45.0~55.0%である。
第一の篩上残留L-HPCにおける微粒子の体積分率は、L-HPCの良好な流動性の観点から、好ましくは0.0~10.0%、より好ましくは0.1~5.0%、更に好ましくは0.2~3.5%である。
【0045】
第一の篩上残留L-HPCにおけるゆるめ嵩密度は、好ましくは0.340g/ml未満、より好ましくは0.150~0.335g/ml、更に好ましくは0.160~0.200g/mlであるが、L-HPCの流動性の観点においては改善の余地がある。
第一の篩上残留L-HPCにおける固め嵩密度は、好ましくは0.515g/ml未満、より好ましくは0.250~0.510g/ml、更に好ましくは0.250~0.350g/mlであるが、L-HPCの流動性の観点においては改善の余地がある。
第一の篩上残留L-HPCにおける圧縮度は、L-HPCの流動性の観点から、好ましくは33.0%以上、より好ましくは33.5~45.0%であるが、L-HPCの流動性の観点においては改善の余地がある。
【0046】
第一の篩上残留L-HPCにおける水分量、ヒドロキシプロポキシ基の含有量、長繊維状粒子の体積分率、短繊維状粒子の体積分率、球状粒子の体積分率、微粒子の体積分率、ゆるめ嵩密度、固め嵩密度、圧縮度は原料L-HPCと同様にして測定することができる。
【0047】
(4)垂直運動を用いる第二の篩分け工程
次に、第一の篩上残留L-HPCを篩面が垂直運動を行う篩振盪機を用いて篩分けることにより、第二の篩上残留L-HPCと、第二の篩通過L-HPCを得る第二の篩分け工程について説明する。
垂直運動により、流動性を悪化させる粗大な繊維状粒子を篩通過分として分離することができ、篩上に目的の物性を有するL-HPCを残すことができる。
【0048】
第二の篩分け工程に用いる篩における有効篩面積は、工業的な入手可能性の観点から、好ましくは0.0001~1,000m2、より好ましくは0.0010~100m2である。第二の篩分け工程に用いる篩における篩面の目開きは、必要に応じて適宜選択すればよいが、処理速度又はL-HPCの流動性、崩壊性および結合性の観点から、好ましくは0.045~0.500mm、より好ましくは0.060~0.300mmである。なお、第二の篩分け工程に用いる篩における篩面の目開きは、篩面に対して水平運動と垂直運動をかけ分けて不要な粒子を除去しやすくする観点から、第一の篩分け工程に用いる篩における篩面の目開きと同じであることが好ましい。第二の篩分け工程に用いる篩における篩面の線径は、必要に応じて適宜選択すればよいが、強度の観点から、好ましくは0.001~5.0mm、より好ましくは0.01~1.0mmである。第二の篩分け工程における篩の設置段数は、複数段設置してもよいが、生産性の観点から、好ましくは1~10段、より好ましくは1段である。
また、同じ目開きを有する複数段の篩を用いる場合は、第二の篩通過L-HPCは、全篩を通過したL-HPCとなり、第二の篩上残留L-HPCとして、各篩の篩上残留分を合わせて用いることができる。篩ごとに異なる目開きを有する複数段の篩を用いる場合は、第二の篩通過L-HPCは、全篩を通過したL-HPCとなり、第二の篩上残留L-HPCとして、各篩における篩上残留L-HPCにおけるヒドロキシプロポキシ基含有量、平均粒子径、各種粒子(長繊維状粒子、短繊維状粒子、球状粒子及び微粒子)の体積分率、安息角、ゆるめ嵩密度、固め嵩密度及び圧縮度を確認して、どの篩の篩上残留L-HPCを第一の篩通過L-HPCと合わせるかを判断すればよい。
【0049】
篩面の垂直運動としては、連続的な振動運動及びハンマー等による断続的な振動運動(衝撃運動)等が挙げられる。
第二の篩分け工程に用いる篩面が垂直方向に運動する篩振盪機としては、振動式篩分け機及びロータップ型篩分け機等が挙げられる。振動式篩分け機としては、リップルフロースクリーン型K・Rスクリーン(幸袋テクノ社製)、ローヘッド型K・Rスクリーン(幸袋テクノ社製)、電磁スクリーン(シンフォニアテクノロジー社製)、電磁式実験用篩振とう機(フリッチェ社製)、RVスクリーン(シンフォニアテクノロジー社製)、バランス形スクリーン(シンフォニアテクノロジー社製)、BMスクリーン(シンフォニアテクノロジー社製)、ウェーブスクリーン(シンフォニアテクノロジー社製)、リニアドライブスクリーン(シンフォニアテクノロジー社製)、ジャイロスクリーン(シンフォニアテクノロジー社製)、ゴムスプリングスクリーン(シンフォニアテクノロジー社製)、グリズリフィーダ(シンフォニアテクノロジー社製)、円形振動篩分け機(ダルトン社製)等が挙げられる。ロータップ型篩分け機としては、ロータップ型篩振とう機(竹田理化工業社製、関西金網社製)、BSシーブシェカー(セイシン企業社製)等が挙げられる。
なお、ロータップ型篩分け機は、篩を旋回させることが可能であり、ハンマーを用いない場合は旋回による水平運動のみ、ハンマーを用いる場合は旋回による水平運動と衝撃による垂直運動との組合せとなる。
【0050】
第二の篩分け工程の篩分け条件は、使用する篩分け機やL-HPCの目的とする粒度分布に応じて、適宜選択すればよい。振動式篩分け機における振動数は、効率的な篩分けの観点から、好ましくは600~100,000rpmである。振動式篩分け機における振幅は、効率的な篩分けの観点から、好ましくは0.1~100mmである。振動式篩分け機の一つである円形振動篩におけるウェイト位相は、効率的な篩分けの観点から、好ましくは15~90°、より好ましくは35~90°である。
【0051】
ロータップ式篩分け機におけるハンマーの打数(振動数)は、効率的な篩分けの観点から、好ましくは一分間に50~70回である。また、ロータップ型振盪機(竹田理化工業社製、関西金網社製)、BSシーブシェカー(セイシン企業社製)等の篩面の垂直方向の運動に加えて篩面の水平方向の運動(旋回運動等)を行うことができる篩振盪機を用いる場合は、篩面の垂直方向の運動に加えて、篩面に水平方向の運動(旋回運動等)を与えて篩分けを行ってもよい。この場合におけるロータップ型篩分け機における回転数は、効率的な篩分けの観点から、好ましくは10~500rpmである。 また、この場合におけるロータップ型篩分け機における回転半径は、効率的な篩分けの観点から、好ましくは10~100mmである。
【0052】
第二篩分け工程における篩分け時間、すなわち、第一の篩上残留L-HPCの供給を開始してから篩分けが完了するまでの時間は、生産性の観点から、好ましくは0.1~12時間である。
【0053】
次に、第一の篩通過L-HPCと第二の篩上残留L-HPCを合わせて篩分けL-HPCを得る工程について説明する。
【0054】
第一の篩通過L-HPCと第二の篩上残留L-HPCを合わせる工程は、好ましくは両者を混合することにより行われる。第一の篩通過L-HPCと第二の篩上残留L-HPCの混合は、十分に混合できれば特に制限されないが、例えば混合機を用いて行うことができる。混合機としては、容器回転式混合機、機械撹拌式混合機、流動撹拌式混合機、無撹拌式混合機、高速度・高せん断・衝撃式混合機等が挙げられる。
【0055】
篩分けL-HPCにおけるヒドロキシプロポキシ基の含有量は、好ましくは5.0~16.0質量%、より好ましくは6.0~15.0質量%、更に好ましくは7.0~14.0質量%である。ヒドロキシプロポキシ基の含有量が5.0質量%未満の場合はL-HPCの吸水後の膨潤性が低くなり、16.0質量%を超える場合はL-HPCの水溶性が大きくなるため、固形製剤に使用した場合に崩壊性が不十分となる。
篩分けL-HPCにおける乾式レーザー回折法による体積基準の平均粒子径は、L-HPCの崩壊性、成形性(結合性)及び流動性の観点から、好ましくは10.0~90.0μm、より好ましくは30.0~85.0μm、更に好ましくは40.0~75.0μm、特に好ましくは50.0~70.0μmである。
【0056】
篩分けL-HPCにおける長繊維状粒子の体積分率は、L-HPCの良好な流動性と高い成形性(結合性)及びキャッピング防止性能を得る観点から、好ましくは10.0~50.0%、より好ましくは10.5~45.0%、更に好ましくは11.0~20.0%である。
篩分けL-HPCにおける短繊維状粒子の体積分率は、L-HPCの良好な流動性と高い成形性(結合性)及びキャッピング防止性能の観点から、好ましくは20.0~40.0%、より好ましくは22.5~35.0%、更に好ましくは23.0~35.0%である。
篩分けL-HPCにおける球状粒子の体積分率は、L-HPCの良好な流動性及びキャッピング防止性能の観点から、好ましくは10.0~60.0%、より好ましくは15.0~59.0%、更に好ましくは45.0~58.0%である。
篩分けL-HPCにおける微粒子の体積分率は、L-HPCの良好な流動性を得る観点から、好ましくは0.0~10.0%、より好ましくは0.1~5.0%、更に好ましくは1.0~3.5%である。
【0057】
篩分けL-HPCにおけるゆるめ嵩密度は、L-HPCの流動性の観点から、好ましくは0.340g/ml以上、より好ましくは0.345~0.600g/ml、更に好ましくは0.350~0.400g/mlである。
篩分けL-HPCにおける固め嵩密度は、L-HPCの流動性の観点から、好ましくは0.515g/ml以上、より好ましくは0.520~1.000g/ml、更に好ましくは0.525~0.600g/mlである。
【0058】
篩分けL-HPCにおける圧縮度は、L-HPCの流動性の観点から、好ましくは33.0%未満、より好ましくは1.0~32.5%、更に好ましくは25.0~32.0%である。
篩分けL-HPCにおけるヒドロキシプロポキシ基の含有量、長繊維状粒子の体積分率、短繊維状粒子の体積分率、球状粒子の体積分率、微粒子の体積分率、ゆるめ嵩密度、固め嵩密度、圧縮度は、第一の篩分け工程における篩分けの対象となるL-HPCと同様にして測定することができる。
【実施例】
【0059】
以下に、実施例及び比較例により本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1(旋回式ロータップ型篩分け機と振動式篩分け機)
木材由来のシート状パルプを43質量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液に浸漬させ、圧搾することで水酸化ナトリウムを22質量%含むアルカリセルロースを得た。次に、アルカリセルロース100質量部を内容積5Lの自転型反応機内に仕込み、自転型反応機内部を窒素置換した後に50℃の湯浴に浸漬させ、内温が40℃になるまで回転させた。次に、自転型反応機内を減圧し、11.6質量部の酸化プロピレンを仕込み、回転しながら内温50℃で2時間30分間反応させることにより、108質量部のL-HPCの反応生成物を得た。
そして、35℃の温水230質量部(アルカリセルロース100質量部に対して)と酢酸11.9質量部(アルカリセルロースが含む水酸化ナトリウムの中和当量の36%)の混合物を入れたジャケット付き双軸ニーダーに、L-HPCの反応生成物を加えて、ジャケット温度35℃で40分間混練することにより、L-HPCの一部を溶解した後、33重量%酢酸水溶液64.0質量部(アルカリセルロース100質量部に対して)(アルカリセルロースが含む水酸化ナトリウムの中和当量の64%)を入れてジャケット温度35℃で10分間混合することにより、413.9質量部の中和生成物を得た。次に、中和生成物を約90℃の熱水3000質量部(アルカリセルロース100質量部に対して)に分散させ、バッチ式遠心分離機(H-130A、コクサン社製)を用いて遠心効果1258Gの条件で脱水後、棚段乾燥機(DKN-402、ヤマト社製)を用いて80℃にて18時間乾燥した。次に、乾燥品を衝撃式粉砕機(インパクトミル、ビクトリーミルVP-1、ホソカワミクロン社製、スクリーン径0.5mm)で粉砕し、得られた粉砕品を衝撃式粉砕機のスクリーン径を0.3mmに変えて再度粉砕した。再粉砕品を80℃にて3時間乾燥させることにより、第一の篩分け工程における篩分けの対象となるL-HPCを得た。
得られた篩分けの対象となるL-HPCにおける水分量、ヒドロキシプロポキシ基の含有量、平均粒子径、各種粒子(長繊維状粒子、短繊維状粒子、球状粒子及び微粒子)の体積分率、ゆるめ嵩密度、固め嵩密度及び圧縮度を測定した。結果を表1に示す。
【0060】
続いて、得られた篩分けの対象となるL-HPC100gを、200メッシュの篩(有効篩面積0.0314m2、目開き0.075mm、線径0.05mm、関西金網社製)を1段設置したロータップ型篩振とう機(竹田理化工業社製)に供給した後、ハンマーによる打撃を与えることなく、回転数250rpm、回転半径50mm、篩分け時間10分間の条件下で篩面を旋回運動させて篩分けることにより、第一の篩上残留L-HPC25.8gと、第一の篩通過L-HPC74.2gを得た。
続いて、第一の篩上残留L-HPC25.8gを200メッシュの篩(有効篩面積0.0314m2、目開き0.075mm、線径0.05mm、関西金網社製)を1段設置した電磁式実験用篩振とう機A-3PRO型(フリッチェ社製)に供給した後、振動数3000rpm、振幅1mm、篩分け時間10分間の条件下で篩面を垂直方向に振動運動させて篩分けを行うことにより、第二の篩上残留L-HPC17.5gと、第二の篩通過L-HPC8.3gを得た。
そして、第一の篩通過L-HPCと第二の篩上残留L-HPCを混合することにより、篩分けL-HPC91.7gを得た。得られた篩分けL-HPCにおけるヒドロキシプロポキシ基含有量、平均粒子径、各種粒子(長繊維状粒子、短繊維状粒子、球状粒子及び微粒子)の体積分率、安息角、ゆるめ嵩密度、固め嵩密度及び圧縮度を測定した。結果を表1に示す。
【0061】
実施例2(旋回式ロータップ型篩分け機と衝撃付与旋回式ロータップ型篩分け機)
実施例1と同様に製造した原料L-HPC100gを、200メッシュの篩(有効篩面積0.0314m2、目開き0.075mm、線径0.05mm、関西金網社製)を1段設置したロータップ型篩振とう機(竹田理化工業社製)に供給した後、ハンマーによる打撃を与えることなく、回転数250rpm、回転半径50mm、篩分け時間10分間の条件下で篩面を旋回運動させて篩分けることにより、第二の篩分け工程に用いる第一の篩上残留L-HPC25.8gと、第二の篩上残留L-HPCと組合せることになる第一の篩通過L-HPC74.2gを得た。
続いて、第二の篩分け工程に用いる第一の篩上残留L-HPC25.8gを200メッシュの篩(有効篩面積0.0314m2、目開き0.075mm、線径0.05mm、関西金網社製)を1段設置したロータップ型篩振とう機(竹田理化工業社製)に供給した後、回転数250rpm、振とう幅50mm、ハンマーによる打数67回/分、篩分け時間10分間の条件下、篩面を旋回運動をさせながら篩面に垂直運動をさせて篩分けを行うことにより、第二の篩上残留L-HPC17.2gと、第二の篩通過L-HPC8.6gを得た。
そして、第一の篩通過L-HPCと第二の篩上残留L-HPCを混合することにより、L-HPC91.4gを得た。
得られたL-HPCにおけるヒドロキシプロポキシ基の含有量、平均粒子径、各種粒子(長繊維状粒子、短繊維状粒子、球状粒子及び微粒子)の体積分率、固め嵩密度及び圧縮度を測定した。結果を表1に示す。
【0062】
比較例1(旋回式ロータップ型篩分け機)
実施例1と同様にして製造した原料L-HPC100gを実施例1と同じ篩を1段設置したロータップ型篩振とう機(竹田理化工業社製)に供給し、ハンマーによる打撃を与えることなく、回転数250rpm、回転半径50mm、篩分け時間10分間の条件下旋回運動させて篩分けることにより、篩上残分L-HPC25.8gと、篩通過分L-HPC74.2gを得た。
篩通過分L-HPCにおけるヒドロキシプロポキシ基含有量、平均粒子径、各種粒子(長繊維状粒子、短繊維状粒子、球状粒子及び微粒子)の体積分率、ゆるめ嵩密度、固め嵩密度及び圧縮度を実施例1と同様に測定した。結果を表1に示す。
【0063】
比較例2(衝撃付与旋回式ロータップ型篩分け機)
実施例1と同様にして製造した原料L-HPC100gを実施例1と同じ篩を1段設置したロータップ型篩振とう機(竹田理化工業社製)に供給し、回転数250rpm、振とう幅50mm、ハンマーによる打数67回/分、篩分け時間10分間の条件下、篩面を旋回運動をさせながら篩面に垂直運動をさせて篩分けを行うことにより、篩上残分L-HPC20.0gと、篩通過分L-HPC80.0gを得た。 篩通過分L-HPCにおけるヒドロキシプロポキシ基含有量、平均粒子径、各種粒子(長繊維状粒子、短繊維状粒子、球状粒子及び微粒子)の体積分率、ゆるめ嵩密度、固め嵩密度及び圧縮度を実施例1と同様に測定した。結果を表1に示す。
【0064】
<錠剤特性の評価>
(1)打錠用薬物顆粒の調製
アセトアミノフェン微粉(山本化学工業社製)490gを流動層造粒機マルチプレックスMP-01(パウレック社製)に仕込み、吸気温度60℃、流動エアー量0.5~0.7m3/min、排気温度30~35℃、スプレーエアー圧200kPa、スプレー速度10g/minの条件で、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒドロキシプロポキシ基8.8質量%、メチル基29.0質量%、20℃における2質量%水溶液粘度3.0mPa・s)の5質量%水溶液200gを噴霧して造粒を行った。
続いて、排気温度が45℃になるまで乾燥を行った後、目開き500μmの篩でふるい、アセトアミノフェンを98質量%含有するアセトアミノフェン顆粒を得た。
【0065】
(2)錠剤の調整
アセトアミノフェン顆粒90質量部と実施例及び比較例にて製造したL-HPC10質量部を混合することにより、アセトアミノフェン顆粒とL-HPCの混合物を得た。次に、アセトアミノフェン顆粒とL-HPCの混合物100質量部に対して、滑沢剤としてステアリン酸マグネシウム0.5質量部を添加混合し、ロータリー式打錠機VIRGO(菊水製作所製)を用いて、打錠圧12.5kN(約249MPa)、打錠速度20rpmで打錠を行い、直径8mm、曲面半径12mm、錠剤質量200mgの錠剤を得た。
【0066】
(3)キャッピング発生率の評価
錠剤のキャッピング発生率は、摩損度試験器TA(ERWEKA社製)のドラムに調整した錠剤50錠を入れ、25rpmで250回転(10分間)させた後、キャッピングを生じた錠剤数、すなわち錠剤が2層に割れていた錠剤数をカウントし、下記式により算出した。
キャッピング発生率(%)={(キャッピングを生じた錠剤数)/50}×100
結果を表1に示す。
【0067】
(4)錠剤硬度の評価
錠剤硬度は、錠剤硬度計TBH-125(ERWEKA社製)を用いて、錠剤の直径方向に1mm/秒の速度で荷重をかけ、錠剤が破断したときの最大破断強度として測定した。
【0068】
(5)崩壊時間の評価
錠剤の崩壊時間は、第十七改正日本薬局方の崩壊試験法(試験液:水、補助盤なし)に従い、錠剤崩壊試験機(NH-1HM型、富山産業社製)を用いて測定した。
【0069】
【0070】
実施例1~2及び比較例1~2の結果を比較すると、実施例は、いずれも収率がよく、流動性を損なうと考えられる長繊維状粒子の体積分率が増加し、流動性を向上させると考えられる球状粒子及び微粒子の体積分率が減少したにも関わらず、流動性(ゆるめ嵩密度、固め嵩密度及び圧縮度)が維持される結果となった。そして、錠剤特性(キャッピング発生率、錠剤硬度及び崩壊時間)についても損なわれることなく、良好な結果を示した。
篩面が水平運動を行う篩振盪機を用いて篩分けることにより、流動性を悪化させる粗大な繊維状粒子と、流動性を悪化させない球状粒子を篩上残分として回収し、ついで、篩上残分を篩面が垂直運動を行う篩振盪機を用いて篩分けることにより、流動性を悪化させる粗大な繊維状粒子を篩通過分として分離することにより、収率良くL-HPCを製造することができたと考えられる。
また、比較例1のように篩面が水平運動を行う篩振盪機を用いてのみ篩った場合は、篩上に目的の物性を有するL-HPCが残留するため、収率が振るわなかった。そして、比較例2のように篩面に対して、水平運動をかけながら垂直運動させて篩分ける場合は、垂直運動により流動性を悪化させる粗大な繊維状粒子も篩を通過するため、目的のL-HPCを得るにあたっては、収率を向上させることができなかった。
【符号の説明】
【0071】
A:全粒子
B:微粒子
C:LEFI(繊維長)が40μm以上の粒子
D:LEFIが40μm以上で伸長比(elongation)が0.5未満の粒子
E:LEFIが40μm以上で伸長比が0.5未満でアスペクト比(aspect ratio)が0.5未満の粒子
F:LEFIが40μm以上で伸長比が0.5未満でアスペクト比が0.5 以上の粒子
G:LEFIが40μm以上で伸長比が0.5未満でアスペクト比が0.5 以上で円形度(circularity)が0.7未満の粒子
S1:第1球状粒子
S2:第2球状粒子
LF1:第1長繊維状粒子
LF2:第2長繊維状粒子
SF1:第1短繊維状粒子
SF2:第2短繊維状粒子
LEFI:繊維長
elongation:伸長比
aspectratio:アスペクト比
circularity:円形度