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特許7235878端子構造、パッケージ、および、端子構造の製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-28
(45)【発行日】2023-03-08
(54)【発明の名称】端子構造、パッケージ、および、端子構造の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/12 20060101AFI20230301BHJP
   H01L 23/13 20060101ALI20230301BHJP
   H05K 1/11 20060101ALI20230301BHJP
   H05K 3/46 20060101ALI20230301BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20230301BHJP
【FI】
H01L23/12 K
H01L23/12 C
H01L23/12 Q
H01L23/12 D
H05K1/11 C
H05K3/46 H
H05K3/46 Z
H05K3/46 Q
H05K1/02 C
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021545121
(86)(22)【出願日】2020-06-08
(86)【国際出願番号】 JP2020022506
(87)【国際公開番号】W WO2021049111
(87)【国際公開日】2021-03-18
【審査請求日】2021-11-12
(31)【優先権主張番号】P 2019165285
(32)【優先日】2019-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】391039896
【氏名又は名称】NGKエレクトロデバイス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000004064
【氏名又は名称】日本碍子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(74)【代理人】
【識別番号】100134991
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 和樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148507
【弁理士】
【氏名又は名称】喜多 弘行
(72)【発明者】
【氏名】石▲崎▼ 正人
(72)【発明者】
【氏名】久保 昇
(72)【発明者】
【氏名】大西 篤
【審査官】高橋 優斗
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-114689(JP,A)
【文献】国際公開第2015/016173(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/003332(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/192687(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/00-23/66
H01L 25/00-25/18
H05K 1/11
H05K 3/46
H05K 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁体セラミックスからなり、トレンチが設けられた主面を有する基体を備え、前記トレンチは、前記主面につながる平坦面を含み、さらに、
前記基体の前記主面上に設けられ金属からなる第1パッドと、
前記第1パッドに電気的に接続されるように前記第1パッド上に設けられたリードと、
を備え、前記第1パッドは前記トレンチの前記平坦面の外挿面上に側面を有しており、前記基体の前記主面に垂直な少なくとも一の断面視において、前記第1パッドは、前記主面に平行な方向における中点で第1厚みを有しており、かつ前記側面で第2厚みを有しており、前記第2厚みが前記第1厚みの半分よりも大きいという厚み条件が満たされている端子構造。
【請求項2】
前記主面から離れて前記基体中に設けられ前記主面と平行に広がる少なくとも1つの配線層をさらに備え、厚み方向における位置に関して前記トレンチの底は前記少なくとも1つの配線層のいずれからも外れている、請求項1に記載の端子構造。
【請求項3】
前記基体の前記主面は直線状の縁を含み、前記第1パッドの前記側面は前記縁まで延びており、
前記基体の前記主面に垂直であって前記縁を含む断面視において、前記厚み条件が満たされている、
請求項1または2に記載の端子構造。
【請求項4】
前記第1パッドは前記縁上で幅寸法を有しており、前記厚み条件は少なくとも、前記基体の前記主面に垂直であって前記縁から前記幅寸法の30%以内の任意の断面視において満たされている、請求項に記載の端子構造。
【請求項5】
前記第1パッドは前記主面上において前記縁および前記トレンチによって完全に囲まれている、請求項またはに記載の端子構造。
【請求項6】
前記基体の前記主面上に設けられ金属からなる、第2パッドおよび第3パッドをさらに備え、前記第1パッドは前記第2パッドおよび前記第3パッドの間に配置されており、
前記第1パッドは信号線用であり、前記第2パッドおよび前記第3パッドは接地用である、請求項1から5のいずれか1項に記載の端子構造。
【請求項7】
前記基体の前記主面上に設けられ金属からなる、第2パッドおよび第3パッドをさらに備え、前記第1パッドは前記第2パッドおよび前記第3パッドの間に配置されており、
前記第1パッドは信号線用であり、前記第2パッドおよび前記第3パッドは接地用であり、
前記基体の前記主面上の前記第1パッドと前記第3パッドとの間に、金属からなる、信号線用の第4パッドをさらに備え、
前記トレンチは前記第1パッドと前記第4パッドとの間の部分を含み、前記基体の前記主面は、前記第1パッドと前記第2パッドとの間および前記第3パッドと前記第4パッドとの間において平坦である、請求項1から4のいずれか1項に記載の端子構造。
【請求項8】
前記主面に平行な平面レイアウトにおいて、前記第1パッドは、前記リードと前記トレンチとの間の第1領域と、前記第1領域から前記リードによって隔てられた第2領域とを含み、前記第1領域は一の仮想直線に沿って前記リードと前記トレンチとの間の最小距離を有しており、前記一の仮想直線上に沿っての前記第2領域の寸法は前記最小距離よりも大きい、請求項7に記載の端子構造。
【請求項9】
前記基体の前記主面上に設けられ金属からなる、第2パッドおよび第3パッドをさらに備え、前記第1パッドは前記第2パッドおよび前記第3パッドの間に配置されており、
前記第1パッドは信号線用であり、前記第2パッドおよび前記第3パッドは接地用であり、
前記基体の前記主面上の前記第1パッドと前記第3パッドとの間に、金属からなる、信号線用の第4パッドをさらに備え、
前記トレンチは前記第1パッドと前記第2パッドとの間の部分および前記第4パッドと前記第3パッドとの間の部分を含み、前記基体の前記主面は前記第1パッドと前記第4パッドとの間において平坦である、請求項1から4のいずれか1項に記載の端子構造。
【請求項10】
前記主面に平行な平面レイアウトにおいて、前記第1パッドは、前記リードと前記トレンチとの間の第1領域と、前記第1領域から前記リードによって隔てられた第2領域とを含み、前記第1領域は一の仮想直線に沿って前記リードと前記トレンチとの間の最小距離を有しており、前記一の仮想直線上に沿っての前記第2領域の寸法は前記最小距離よりも大きい、請求項9に記載の端子構造。
【請求項11】
前記基体の前記主面上に設けられ金属からなる、第2パッドおよび第3パッドをさらに備え、前記第1パッドは前記第2パッドおよび前記第3パッドの間に配置されており、
前記第1パッドは信号線用であり、前記第2パッドおよび前記第3パッドは接地用であり、
前記基体の前記主面上の前記第1パッドと前記第3パッドとの間に、金属からなる、信号線用の第4パッドをさらに備え、
前記トレンチは、前記第1パッドと前記第4パッドとの間の部分、前記第1パッドと前記第2パッドとの間の部分および前記第4パッドと前記第3パッドとの間の部分を含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の端子構造。
【請求項12】
前記主面上に設けられ前記第2パッドと前記第3パッドとを互いにつなぐ接続層をさらに備え、前記トレンチは前記接続層と前記第1パッドとの間の部分および前記接続層と前記第4パッドとの間の部分を含む、請求項11に記載の端子構造。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか1項に記載の端子構造と、
前記端子構造が取り付けられた枠体と、
前記枠体を支持する板体と、
を備える、パッケージ。
【請求項14】
請求項1から12のいずれか1項に記載の端子構造の製造方法であって、
前記基体となる部分を含む、第1グリーンシートおよび第2グリーンシートを形成する工程を備え、前記第1グリーンシートは第1面と前記第1面と反対の第2面とを有しており、前記端子構造の製造方法はさらに、
前記第1グリーンシートの前記第1面上に、前記第1パッドとなる部分を含むペースト層を印刷する工程と、
前記第1グリーンシートの前記第2面と前記第2グリーンシートとが互いに向かい合うように前記第1グリーンシートと前記第2グリーンシートとを積層することによって積層体を形成する工程と、
レーザ加工によって前記積層体の一部を除去する工程と、
を備え、前記積層体の一部を除去する工程は、
前記第1グリーンシートの一部を除去することによって、前記トレンチの前記平坦面の少なくとも一部となる面を前記第1グリーンシートに形成する工程と、
前記ペースト層の一部を除去することによって、前記第1パッドの前記側面となる面を前記ペースト層に形成する工程と、
を含み、前記端子構造の製造方法はさらに、
前記積層体の一部を除去する工程の後に、前記積層体を焼成する工程と、
前記積層体を焼成する工程の後に、前記第1パッドに電気的に接続されるように前記第1パッド上に前記リードを取り付ける工程と、
を備える、
端子構造の製造方法。
【請求項15】
請求項1から12のいずれか1項に記載の端子構造の製造方法であって、
前記基体となる部分を含む、第1グリーンシートおよび第2グリーンシートを形成する工程を備え、前記第1グリーンシートは第1面と前記第1面と反対の第2面とを有しており、さらに、
前記第1グリーンシートの前記第1面上に、前記第1パッドとなる部分を含むペースト層を印刷することによって、前記第1グリーンシートおよび前記ペースト層を有する複合層を形成する工程と、
パンチ加工によって前記複合層の一部を除去する工程と、
を備え、前記複合層の一部を除去する工程は、
前記第1グリーンシートの一部を除去することによって、前記トレンチの前記平坦面の少なくとも一部となる面を前記第1グリーンシートに形成する工程と、
前記ペースト層の一部を除去することによって、前記第1パッドの前記側面となる面を前記ペースト層に形成する工程と、
を含み、前記端子構造の製造方法はさらに、
前記複合層の一部を除去する工程の後に、前記第1グリーンシートの前記第2面と前記第2グリーンシートとが互いに向かい合うように前記第1グリーンシートと前記第2グリーンシートとを積層することによって積層体を形成する工程と、
前記積層体を焼成する工程と、
前記積層体を焼成する工程の後に、前記第1パッドに電気的に接続されるように前記第1パッド上に前記リードを取り付ける工程と、
を備える、
端子構造の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子構造、パッケージ、および、端子構造の製造方法に関し、特に、パッド上に設けられたリードを有する端子構造と、端子構造を有するパッケージと、端子構造の製造方法とに関するものである。
【背景技術】
【0002】
国際公開第2014/192687号(特許文献1)は、高周波帯での周波数特性を良好にすることを意図した素子収納用パッケージを開示している。このパッケージは、配線導体に接合されたリード端子と、グランド層に接合されたグランド端子との間に凹部を有している。凹部により、配線導体とグランド層との間の容量結合を任意に設定しやすくなる。
【0003】
特開2003-283033号公報(特許文献2)は光半導体素子収納用パッケージを開示している。このパッケージは、互いにろう材によって接合されたリード端子およびメタライズ層を有している。パッケージが小型化されることにともなって、メタライズ層を設けるための場所が減り、メタライズ層とリード端子との接合面積が小さくなる。その結果、メタライズ層とリード端子との接合強度の劣化が懸念される。そこでリード端子は、溝の内面に被着されたメタライズ層に接合されている。メタライズ層を形成する方法としては、W,Mo,Mn等の粉末に有機溶剤,溶媒を添加混合して得た金属ペーストを、溝の内面に筆で塗布する方法が例示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2014/192687号
【文献】特開2003-283033号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
国際公開第2014/192687号の技術は、高周波帯での周波数特性の向上、言い換えれば広帯域化、に有用である。一方でこの技術においては、特開2003-283033号公報において指摘されているように、リード端子の接合強度の不足が懸念される。
【0006】
特開2003-283033号公報の技術によると、リード端子がろう付けされるメタライズ層を、溝の内面に形成する必要がある。この方法として例示されている筆での塗布では、塗布むらが生じやすく、その結果、品質ばらつきが大きくなる。塗布むらを抑制するためには、より高度な塗布工程を必要とし、その結果、製造のための労力が大きく増大してしまう。
【0007】
本発明は以上のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、広帯域化に対応しつつ、製造のための労力を大きく増大させることなくリードの接合強度を高めることができる、端子構造、パッケージ、および、端子構造の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施の形態の端子構造は、基体と、第1パッドと、リードとを有している。基体は、絶縁体セラミックスからなり、トレンチが設けられた主面を有しており、トレンチは、主面につながる平坦面を含む。第1パッドは、基体の主面上に設けられており、金属からなる。リードは、第1パッドに電気的に接続されるように第1パッド上に設けられている。第1パッドはトレンチの平坦面の外挿面上に側面を有している。基体の主面に垂直な少なくとも一の断面視において、第1パッドは、主面に平行な方向における中点で第1厚みを有しており、かつ側面で第2厚みを有しており、第2厚みが第1厚みの半分よりも大きいという厚み条件が満たされている。
【発明の効果】
【0009】
一実施の形態によれば、第1に、基体の主面にトレンチが設けられることによって、配線経路間の容量結合を調整することができる。これにより広帯域化に対応することができる。第2に、前述した厚み条件が満たされることによって、第1パッドが側面で過度に小さな厚みを有することが避けられる。これにより、リードに力が加わった際に第1パッドが側面近傍で破壊しにくくなる。よって、第1パッドへのリードの接合強度を高めることができる。第3に、第1パッドの側面は、トレンチの平坦面の外挿面上にある。これにより、端子構造の製造において、トレンチを形成する工程に付随して、第1パッドの側面を形成することができる。よって、上述したように十分な厚みを有する側面を、製造時に大きな労力を伴うことなく、形成することができる。以上から、広帯域化に対応しつつ、製造のための労力を大きく増大させることなくリードの接合強度を高めることができる。
【0010】
この発明の目的、特徴、局面、および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態1における高周波モジュールの構成を概略的に示す平面図である。
図2】本発明の実施の形態1におけるパッケージの構成を概略的に示す平面図である。
図3】本発明の実施の形態1における端子構造の構成を概略的に示す回路図である。
図4図2の線IV-IVに沿う概略的な部分断面図である。
図5図3の端子構造の回路の一部を、図4の視野に平行な視野で示す模式図である。
図6】本発明の実施の形態1における端子構造の構成を概略的に示す部分平面図である。
図7図6の線VII-VIIに沿う概略的な部分断面図である。
図8図6の線VIII-VIIIに沿う概略的な部分断面図である。
図9】比較例1の構成を図7と同様の視野で示す部分断面図である。
図10】比較例2の構成を図7と同様の視野で示す部分断面図である。
図11図7の第1変形例を概略的に示す部分断面図である。
図12図7の第2変形例を概略的に示す部分断面図である。
図13】本発明の実施の形態2における端子構造の構成を概略的に示す部分平面図である。
図14図13の変形例を概略的に示す部分平面図である。
図15】本発明の実施の形態3における端子構造の構成を概略的に示す部分平面図である。
図16図15の線XVI-XVIに沿う概略的な部分断面図である。
図17】本発明の実施の形態4における端子構造の構成を概略的に示す部分平面図である。
図18図17の線XVIII-XVIIIに沿う概略的な部分断面図である。
図19】本発明の実施の形態5における端子構造の製造方法の第1工程を概略的に示す部分平面図である。
図20図19の線XX-XXに沿う概略的な部分断面図である。
図21】本発明の実施の形態5における端子構造の製造方法の第2工程を概略的に示す部分断面図である。
図22】本発明の実施の形態5における端子構造の製造方法の第3工程を概略的に示す部分断面図である。
図23図19の変形例を示す概略的な部分平面図である。
図24図20の変形例を示すものであって、図23の線XXIV-XXIVに沿う概略的な部分断面図である。
図25】本発明の実施の形態6における端子構造の構成を概略的に示す部分断面図である。
図26】本発明の実施の形態7における端子構造の製造方法の第1工程を概略的に示す部分平面図である。
図27図26の線XXVII-XXVIIに沿う概略的な部分断面図である。
図28】本発明の実施の形態7における端子構造の製造方法の第2工程を概略的に示す部分平面図である。
図29図28の線XXIX-XXIXに沿う概略的な部分断面図である。
図30】本発明の実施の形態7における端子構造の製造方法の第3工程を概略的に示す部分断面図である。
図31図26の変形例を示す概略的な部分平面図である。
図32図27の変形例を示すものであって、図31の線XXXII-XXXIIに沿う概略的な部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。
【0013】
<実施の形態1>
図1は、本実施の形態1における高周波モジュール701の構成を概略的に示す平面図である。なお蓋体730については、図を見やすくするために、外縁のみが二点鎖線で示されている。図2は、高周波モジュール701を得るために用いられるパッケージ501の構成を概略的に示す平面図である。
【0014】
高周波モジュール701(図1)は、パッケージ501(図2)と、蓋体730と、内部回路750とを有している。内部回路750はIC(集積回路)751を有している。IC751は高い動作周波数を有していてよく、具体的には55GHz以上の動作周波数を有していてよい。内部回路750はさらに光学部品752を有していてよく、その場合、高周波モジュール701およびパッケージ501はそれぞれ、光モジュールおよび光パッケージである。光学部品752は、例えば、レーザーダイオードである。
【0015】
パッケージ501は、端子構造301と、ケーシング530とを有している。ケーシング530は、枠体532と、枠体532を支持する板体531とを有している。板体531上の空間を枠体532が囲むことによって、キャビティCVが構成されている。蓋体730はキャビティCVを封止している。内部回路750はキャビティCV内に実装されている。パッケージ501が光パッケージである場合、パッケージ501の外部に配置された光ファイバ(図示せず)からの光を受けるためまたは光ファイバへ光を送るための経路を確保するために、ケ―シング530の枠体532に開口部535が設けられている。開口部535には、光ファイバを固定するための筒状部材が取り付けられていてもよい。筒状部材の内部に透光性材料が取り付けられていてもよい。
【0016】
端子構造301は枠体532に取り付けられている。端子構造301は、キャビティCVの内部に位置する部分と、キャビティCVの外部に位置する部分とを有している。これにより、端子構造301は、キャビティCVの内部と外部とをつなぐ電気的経路を構成している。この構成を得るために、端子構造301は、ケーシング530の枠体532に設けられた貫通孔THを貫通している。
【0017】
端子構造301は、信号端子311、信号端子312、接地端子316および接地端子317をキャビティCVの内部に有しており、また、信号リード321、信号リード322、接地リード326および接地リード327をキャビティCVの外部に有している。また端子構造301は、信号端子311a、信号端子312a、接地端子316aおよび接地端子317aをキャビティCVの内部に有しており、また、信号リード321a、信号リード322a、接地リード326aおよび接地リード327aをキャビティCVの外部に有している。
【0018】
図3は、端子構造301を概略的に示す回路図である。端子構造301は、本実施の形態においては、差動線路CAおよび差動線路CBを構成している。差動線路CAは、信号端子311、信号端子312、接地端子316、接地端子317、信号リード321、信号リード322、接地リード326、接地リード327、信号線331、信号線332、接地線336、および接地線337を有している。信号線331は信号端子311と信号リード321との間の配線である。信号線332は信号端子312と信号リード322との間の配線である。接地線336は接地端子316と接地リード326との間の配線である。接地線337は接地端子317と接地リード327との間の配線である。同様に、差動線路CBは、信号端子311a、信号端子312a、接地端子316a、接地端子317a、信号リード321a、信号リード322a、接地リード326a、接地リード327a、信号線331a、信号線332a、接地線336a、および接地線337aを有している。信号線331aは信号端子311aと信号リード321aとの間の配線である。信号線332aは信号端子312aと信号リード322aとの間の配線である。接地線336aは接地端子316aと接地リード326aとの間の配線である。接地線337aは接地端子317aと接地リード327aとの間の配線である。
【0019】
差動線路CBの構成は差動線路CAの構成と同様であってよいので、以下においては差動線路CAについてのみ詳述する。なお変形例として、差動線路の数は2つ以外であってよい。また変形例として、差動線路とは異なる線路が構成されていてもよい。
【0020】
なお本明細書においては、高周波モジュール701が使用される際に接地電位(より一般的に言えば基準電位)とされることが想定される部材の名称に「接地」の文言を付している。これら部材は、異なる電位を有する必要がないので、互いにつながっていてよい。具体的には、接地線336と接地線337との組は一体化されていてよい。
【0021】
図4は、図2の線IV-IVに沿う概略的な部分断面図である。図5は、信号端子311と信号線331と信号リード321とによって構成される回路を、図4の視野に平行な視野に対応づけて模式的に示す図である。信号線331は、端子構造301の内部において、厚み方向(図中、縦方向)および面内方向(図中、横方向)に延びる配線である。なお、信号端子312と信号線332と信号リード322とによって構成される回路、接地端子316と接地リード326と接地線336とによって構成される回路、および接地端子317と接地リード327と接地線337とによって構成される回路も、ほぼ同様である。
【0022】
図6は、本実施の形態1における端子構造301の構成を概略的に示す部分平面図である。図7および図8のそれぞれは、図6の線VII-VIIおよび線VIII-VIIIに沿う概略的な部分断面図である。なお図6においては、図を見やすくするために、ろう材90(図7および図8)が図示されていない。また線VII-VII(図6)は縁EDに平行であり、線VIII-VIII(図6)は縁EDに垂直である。
【0023】
端子構造301は前述したように、信号リード321と、信号リード322と、接地リード326と、接地リード327とを有しており、さらに、基体10と、信号パッド21(第1パッド)と、信号パッド22(第4パッド)と、接地パッド26(第2パッド)と、接地パッド27(第3パッド)と、ろう材90とを有している。なお信号パッドと接地パッドとの表面に、ろう材の濡れ性を高めるためのめっき被膜が設けられていてもよい。また、信号リードと、接地リードと、ろう材との表面に、酸化を防止するためのめっき被膜が設けられていてもよい。
【0024】
基体10は絶縁体セラミックスからなる。基体10は、主面MS(図7における上面)を有している。主面MSは直線状の縁ED(図6)を含む。
【0025】
信号パッド21および信号パッド22は信号線用のものであり、接地パッド26および接地パッド27は接地用のものである。また端子構造301は、接地パッド26と接地パッド27とを互いにつなぐ接続層25を有していてよい。信号パッド21、信号パッド22、接地パッド26、接地パッド27、および接続層25は、金属からなり、基体10の主面MS上に設けられている。信号パッド21は接地パッド26および接地パッド27の間に配置されている。信号パッド22は、基体10の主面MS上の信号パッド21と接地パッド27との間に配置されている。
【0026】
基体10の主面MSにはトレンチTRが設けられている。トレンチTRは、その側壁として、主面MSにつながる平坦面FPを含む。平坦面FPは、図7に示された例においては、主面MSに実質的に垂直である。トレンチTRは、信号パッド21と信号パッド22との間の部分、信号パッド21と接地パッド26との間の部分および信号パッド22と接地パッド27との間の部分を含む。主面MSは縁ED上において、トレンチ間隔ST(図7)でトレンチTRによって両端が区画された部分を有している。トレンチTRの内部の少なくとも一部は、セラミック基体の誘電率よりも低い誘電率を有する領域である。当該領域は、物質によって充填されていてよく、当該物質は気体であってよい。あるいは当該領域は真空であってもよい。トレンチは、好ましくは50μm以上の深さを有しており、より好ましくは50μm以上の深さにわたって上述した領域を有している。
【0027】
信号パッド21は、トレンチTRの平坦面FPの仮想的な外挿面上に、側面FSを有している。例えば図7に示されているように、基体10の主面MSに垂直な少なくとも一の断面視において、信号パッド21は、横方向(主面MSに平行な方向)における中点で厚みT1(第1厚み)を有しており、かつ側面FSで厚みT2(第2厚み)を有している。厚みT1は、好ましくは10μm以上であり、より好ましくは25μm以上である。また厚みT1は、好ましくは100μm以下である。本実施の形態において、厚みT2が厚みT1の半分よりも大きいという厚み条件が満たされている。なお、厚みT2は厚みT1の70%以上であることがさらに好ましい。本実施の形態においては、上記横方向は、縁EDに沿った方向である。また信号パッド21は、この厚み条件を満たす側面FSを、横方向における両端の各々において有している。なお、厚みT1は、信号パッド21の寸法であり、信号パッド21につながるビアホール中の電極(本実施の形態において図示せず)は無視され、また、信号パッド21に付加されたろう材90およびめっき被膜も無視される。また好ましくは、図7における横方向において、信号パッド21の端から10μm内側の位置における信号パッド21の厚みは、厚みT1の半分よりも大きい。
【0028】
寸法に関しての上述した無視を考慮するものとして、典型的には、信号パッド21の下面(基体10に面する面)は、角部を有しない平坦な面である。ここで、「平坦な面」は、主に製造上の理由に起因して、わずかな湾曲を有する部分を含んでもよい。ここで、「わずかな湾曲」は、例えば、後述するパッド幅WP程度以上の曲率半径での湾曲である。また典型的には、図7のような断面視において、信号パッド21の厚みは、信号パッド21のおおよそ中央部分(より一般的に言えば、信号パッド21の両端から離れた部分)において最大値を有しており、かつ、この部分から両端の各々に向かって、おおよそ一定であるかまたは徐々に減少している。また典型的には、図7のような断面視において、信号パッド21の厚みの最小値は厚みT2であり、その場合、信号パッド21の厚みは、T2以上T1以下である。また図7のような断面視において、信号パッド21の厚みは、その平均値から±30%の範囲にあることが好ましい。
【0029】
信号パッド21の側面FSは、本実施の形態においては、縁ED(図6)まで延びている。基体10の主面MSに垂直であって縁EDを含む断面視は、図7の断面視とほぼ同様であり、よって両断面において、前述した厚み条件が満たされている。
【0030】
信号パッド21は、横方向において(本実施の形態においては具体的には縁ED上で)、幅寸法としてパッド幅WPを有している。パッド幅WPは、250μm以上、500μm以下であることが好ましい。またパッド幅WPは信号リード321の幅よりも大きく、好ましくは信号パッド21は信号リード321の両側において100μm以上のマージンを有している。本実施の形態においては、両側におけるマージンが実質的に同じであることが好ましい。言い換えれば、横方向において、信号リード321の中心は信号パッド21の中心に実質的に一致していることが好ましい。またパッド幅WPは、横方向における信号パッド21の中心と信号パッド22の中心との間の距離の40%以上95%以下であることが好ましい。
【0031】
本実施の形態においてはパッド幅WPはトレンチ間隔ST(図7)と等しい。前述した厚み条件は少なくとも、基体10の主面MSに垂直かつ縁EDに平行であって縁EDからパッド幅WPの30%以内の任意の断面視において満たされていることが好ましい。より好ましくは、前述した厚み条件は少なくとも、基体10の主面MSに垂直かつ縁EDに平行であって縁EDからパッド幅WPの50%以内の任意の断面視において満たされている。
【0032】
なお、信号パッド22の構成は、上述した信号パッド21の構成と同様であってよい。接地パッド26および接地パッド27は、信号パッド21および信号パッド22とは異なり、トレンチTRから離れていてよい。
【0033】
信号リード321は、信号パッド21に電気的に接続されるように、信号パッド21上にろう材90によって接合されている。信号リード321の、信号パッド21に接合された部分は、縁EDに垂直な方向、言い換えれば線VII-VII(図6)に垂直な方向、に沿って延びていることが好ましい。ろう材90は、信号パッド21の材料とは異なる材料からなり、信号パッド21の融点よりも低い融点を有することが好ましく、例えば、銀ろう材である。信号リード322は、信号パッド22に電気的に接続されるように、信号パッド22上にろう材90によって接合されている。接地リード326は、接地パッド26に電気的に接続されるように、接地パッド26上にろう材90によって接合されている。接地リード327は、接地パッド27に電気的に接続されるように、接地パッド27上にろう材90によって接合されている。信号リード321の幅(図6および図7における横方向の寸法)は、例えば、150μm以上200μm以下であり、信号リード322の幅も同様であってよい。接地リード326および接地リード327の各々の幅は、信号リード321の幅よりも大きくてよい。
【0034】
図9は、比較例1としての端子構造300Aの構成を、図7と同様の視野で示す部分断面図である。端子構造300Aにおいては、信号パッド21のパッド幅WPがトレンチ間隔STよりも小さく、信号パッド21がトレンチTRから離れている。図9の断面視において、信号パッド21の両端の厚みは、横方向(主面MSに平行な方向)における中点での厚みT1に比して半分未満であり、典型的には、図9の縦方向において1μm未満である。このような構成は、上記のようにトレンチTRから離れた信号パッド21がスクリーン印刷によって形成されている場合に典型的である。なぜならばスクリーン印刷においては、パターンの端で厚みがかなり小さくなりやすいからである。
【0035】
信号リード321を信号パッド21から引き剥がす外力F(図8)が信号リード321に何らかの原因によって印加されると、信号リード321が接合されている信号パッド21に応力が加わる。端子構造300Aにおいては、この応力に起因して信号パッド21が破壊しやすい。なぜならば、第1の理由として、パッド幅WPが小さいので、信号パッド21の単位面積当たりに加わる応力が大きくなりやすいためである。第2の理由として、信号パッド21の両端が薄いので、これら両端での応力緩和が働きにくく、結果として、信号パッド21の端が破壊の起点となりやすいためである。
【0036】
図10は、比較例2としての端子構造300Bの構成を図7と同様の視野で示す部分断面図である。端子構造300Bにおいては、信号パッド21のパッド幅WPがトレンチ間隔STとおおよそ同じである。よって比較例1としての端子構造300Aに関連して述べた上記第1の理由は、端子構造300Bには該当しない。一方で、本比較例2では、トレンチTRの平坦面FPの外挿面上において、信号パッド21は実質的にゼロ(例えば厚み1μm未満)の厚みT2を有しており、よって上記第2の理由は端子構造300Bにも該当する。従って、端子構造300Bにおいても信号パッド21は破壊しやすい。また、端子構造300Bのように信号パッド21の厚みが実質的にゼロに至る箇所と、トレンチTRの側壁とを横方向において精度よく一致させることは、製造上、難易度が高い。
【0037】
本実施の形態によれば、第1に、基体10の主面MSにトレンチTRが設けられることによって、配線経路間の容量結合を調整することができる。これにより広帯域化に対応することができる。第2に、前述した厚み条件(厚みT2>厚みT1/2)が満たされることによって、信号パッド21が側面FSで過度に小さな厚みを有することが避けられる。これにより、信号リード321に力が加わった際に信号パッド21が側面FS近傍で破壊されにくくなる。よって、信号リード321の接合強度を高めることができる。第3に、信号パッド21の側面FSは、トレンチTRの平坦面FPの外挿面上にある。これにより、端子構造301の製造において、トレンチTRを形成する工程に付随して、信号パッド21の側面FSを形成することができる。よって、上述したように十分な厚みを有する側面FSを、製造時に大きな労力を伴うことなく形成することができる。以上から、広帯域化に対応しつつ、製造のための労力を大きく増大させることなく、信号リード321の接合強度を高めることができる。
【0038】
また本実施の形態においては、基体10の主面MSに垂直であって縁EDを含む断面視において、前述した厚み条件が満たされている。これにより、信号リード321に力が加わった際に、信号パッド21が基体10の縁ED近傍で破壊しにくくなる。前述した厚み条件は少なくとも、基体10の主面MSに垂直であって、縁EDからパッド幅WPの30%以内の任意の断面視において満たされていることが好ましい。これにより、信号リード321に力が加わった際に信号パッド21が基体10の縁ED近傍で、より破壊しにくくなる。
【0039】
信号線用の信号パッド21は、接地用の接地パッド26および接地パッド27の間に配置されている。これにより、信号パッド21を含む信号配線からの電磁界の漏れが防止される。よって、広帯域化に、より対応することができる。
【0040】
トレンチTRは、信号パッド21と信号パッド22との間の部分、信号パッド21と接地パッド26との間の部分および信号パッド22と接地パッド27との間の部分を含む。これにより、信号パッド21を通る信号線と、信号パッド22を通る信号線との間での過大な容量結合を避けることができる。さらに、信号パッド21を通る信号線と接地パッド26を通る接地線との間、および、信号パッド22を通る信号線と接地パッド27を通る接地線との間での過大な容量結合を避けることができる。よって、広帯域化に、より対応することができる。
【0041】
図11は、図7の第1変形例としての端子構造302を概略的に示す部分断面図である。端子構造302においては、ろう材90が信号パッド21の側面FS上にまで延びている。本変形例においても、上記本実施の形態1とほぼ同様の効果が得られる。
【0042】
図12は、図7の第2変形例としての端子構造303を概略的に示す部分断面図である。端子構造303においては、平坦面FPおよび側面FSは、主面MSに垂直な面から、角度AG傾いている。本変形例においては、厚みT2は、側面FSの、厚み方向(図12における縦方向)に沿った寸法と定義される。すなわち平坦面FPに沿った側面FSの長さとcosAGとの積が厚みT2である。角度AGが十分に小さければ、本変形例においても上記実施の形態1とほぼ同様の効果が得られる。角度AGは30°未満であることが好ましい。また好ましくは、図12における横方向において、信号パッド21の端(図中、側面FSの上端)から10μm内側(10μm中点寄り)の位置における信号パッド21の厚みは、厚みT1の半分よりも大きい。
【0043】
なお上記本実施の形態においては、接地パッド26と接地パッド27との間に、差動線路CA(図3)用の1対のパッドとしての信号パッド21および信号パッド22が設けられている。変形例として、差動線路に代わって単一の線路が設けられてもよく、その場合、信号パッド22および信号リード322は省略され得る。また上記においては信号パッド21の側面FSが縁ED(図6)まで延びているが、変形例として、側面FSが縁EDに達していなくてもよい。
【0044】
また上述した各断面図においては、信号パッド21、信号パッド22、接地パッド26および接地パッド27の各々の表面と、基体10の主面MSの、これらパッドが形成されていない部分とが、同一平面上にある。このような形態は典型的には、製造において、基体10となるグリーンシート上にこれらパッドとなるペースト層がスクリーン印刷によって形成された後、焼成工程前にこれらペースト層がグリーンシート中へプレスされることによって得られる。変形例として、主面MSの、これらパッドが形成されていない部分から、各パッドの表面が盛り上がっていてもよく、そのような形態は、上記プレスが弱かったり省略されたりすることによって得られる。あるいは、そのような形態は、各パッドとなるペースト層の印刷工程が基体10の焼成工程後に行われることによって得られる。
【0045】
<実施の形態2>
図13は、本実施の形態2における端子構造304の構成を概略的に示す部分平面図である。本実施の形態においては、トレンチTRは、接続層25と信号パッド21との間の部分、および接続層25と信号パッド22との間の部分を含む。さらに、信号パッド21は、基体10の主面上において、縁EDおよびトレンチTRによって完全に囲まれている。具体的には、信号パッド21は、縁EDで構成された1辺と、トレンチTRで構成された3辺とを有する四角形の形状を有している。なお、図13に示された例においては、信号パッド21から対角方向の領域において、基体10の主面上にトレンチTRが形成されていない。変形例として、端子構造305(図14)のように、信号パッド21から対角方向の領域においても基体10の主面上にトレンチTRが形成されていてよい。
【0046】
なお、上記以外の構成については、上述した実施の形態1の構成とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0047】
本実施の形態によれば、トレンチTRは、接続層25と信号パッド21との間の部分、および接続層25と信号パッド22との間の部分を含む。これにより、接地電位を有する接続層25と、信号パッド21を通る信号線および信号パッド22を通る信号線の各々との間での、過大な容量結合を避けることができる。よって、広帯域化に、より対応することができる。
【0048】
信号パッド21は主面MS上において縁EDおよびトレンチTRによって完全に囲まれている。これにより、信号パッド21の周囲全体にわたって、容量結合が抑えられる。よって、信号パッド21を通る配線の特性インピーダンスの低下を、より抑制することができる。
【0049】
<実施の形態3>
図15は、本実施の形態3における端子構造306の構成を概略的に示す部分平面図である。図16は、図15の線XVI-XVIに沿う概略的な部分断面図である。
【0050】
端子構造306は、端子構造301(図6および図7:実施の形態1)の信号パッド21および信号パッド22に代わって、信号パッド21A(第1パッド)および信号パッド22A(第4パッド)を有している。本実施の形態においては、トレンチTRは、信号パッド21Aと信号パッド22Aとの間の部分を含むが、信号パッド21Aと接地パッド26との間の部分および信号パッド22Aと接地パッド27との間の部分は含まない。従って、基体10の主面MSは、信号パッド21Aと接地パッド26との間および接地パッド27と信号パッド22Aとの間において平坦である。その結果、信号パッド21Aは、信号パッド21とは異なり、横方向(具体的には、縁EDに沿った方向)における一端(図中、トレンチTRに接する右端)でのみ、実施の形態1で述べた厚み条件(厚みT2>厚みT1/2)を満たす側面FSを有している。他端(図中、左端)の厚みは、厚みT1に比して半分未満であり、典型的には1μm未満である。
【0051】
主面MSに平行な平面レイアウト(図15参照)において、信号パッド21Aは、信号リード321とトレンチTRとの間の第1領域R1と、第1領域R1から信号リード321によって隔てられた第2領域R2とを含む。第1領域R1は一の仮想直線(図15における寸法線)に沿って、信号リード321とトレンチTRとの間の最小距離DTを有している。この一の仮想直線上に沿っての第2領域R2の寸法DMは、最小距離DTよりも大きいことが好ましい。この場合、横方向において、信号リード321の中心が信号パッド21Aの中心からずらされ、このずれは、例えば、10μm以上、25μm以下である。言い換えれば、寸法DMと最小距離DTとの差異は、例えば、20μm以上、50μm以下である。
【0052】
信号パッド22Aの構成は、上述した信号パッド21Aの構成と同様であってよい。具体的には、信号パッド22Aの構成は、上述した信号パッド21Aの構成と、横方向において対称であってよい。
【0053】
なお、上記以外の構成については、上述した実施の形態1の構成とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0054】
本実施の形態によっても、実施の形態1で述べた厚み条件を満たす側面FSが設けられる。これにより、実施の形態1の効果に類した効果が得られる。
【0055】
特に、寸法DMが最小距離DTよりも大きい場合は、信号パッド21Aの第2領域R2が広くなるので、信号リード321に力が加わった際に信号パッド21Aの第2領域R2が破壊しにくくなる。一方で、信号パッド21Aの第1領域R1は、前述した厚み条件が満たされていることによって、破壊しにくくされている。以上から、信号パッド21Aの第1領域R1および第2領域R2の両方が破壊しにくい。よって、信号パッド21Aへの信号リード321の接合強度を高めることができる。
【0056】
<実施の形態4>
図17は、本実施の形態4における端子構造307の構成を概略的に示す部分平面図である。図18は、図17の線XVIII-XVIIIに沿う概略的な部分断面図である。
【0057】
端子構造307は、端子構造301(図6および図7:実施の形態1)の信号パッド21および信号パッド22に代わって、信号パッド21B(第1パッド)および信号パッド22B(第4パッド)を有している。本実施の形態においては、トレンチTRは、信号パッド21Bと接地パッド26との間の部分および信号パッド22Bと接地パッド27との間の部分を含むが、信号パッド21Bと信号パッド22Bとの間の部分は含まない。従って、基体10の主面MSは、信号パッド21Bと信号パッド22Bとの間において平坦である。その結果、信号パッド21Bは、信号パッド21とは異なり、横方向(具体的には、縁EDに沿った方向)における一端(図中、トレンチTRに接する左端)でのみ、実施の形態1で述べた厚み条件(厚みT2>厚みT1/2)を満たす側面FSを有している。他端(図中、右端)の厚みは、厚みT1に比して半分未満であり、典型的には1μm未満である。
【0058】
主面MSに平行な平面レイアウト(図17参照)において、信号パッド21Bは、信号リード321とトレンチTRとの間の第1領域R1と、第1領域R1から信号リード321によって隔てられた第2領域R2とを含む。第1領域R1は一の仮想直線(図17における寸法線)に沿って、信号リード321とトレンチTRとの間の最小距離DTを有している。この一の仮想直線上に沿っての第2領域R2の寸法DMは、最小距離DTよりも大きいことが好ましい。
【0059】
信号パッド22Bの構成は、上述した信号パッド21Bの構成と同様であってよい。具体的には、信号パッド22Bの構成は、上述した信号パッド21Bの構成と、横方向において対称であってよい。
【0060】
なお、上記以外の構成については、上述した実施の形態1の構成とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0061】
本実施の形態によっても、実施の形態1で述べた厚み条件を満たす側面FSが設けられる。これにより、実施の形態1の効果に類した効果が得られる。
【0062】
特に、寸法DMが最小距離DTよりも大きい場合は、信号パッド21Bの第2領域R2が広くなるので、信号リード321に力が加わった際に信号パッド21Bの第2領域R2が破壊しにくくなる。一方で、信号パッド21Bの第1領域R1は、前述した厚み条件が満たされていることによって、破壊しにくくされている。以上から、信号パッド21Bの第1領域R1および第2領域R2の両方が破壊しにくい。よって、信号パッド21Bへの信号リード321の接合強度を高めることができる。
【0063】
<実施の形態5>
本実施の形態においては、端子構造301(図6および図7:実施の形態1)の製造方法の例について説明する。
【0064】
図19は、第1工程を概略的に示す部分平面図である。図20は、図19の線XX-XXに沿う概略的な部分断面図である。なお、図中の二点鎖線は、後述するレーザ加工によって除去されることになる領域を示している。
【0065】
基体10となる部分を含む第1グリーンシート11Gが形成される。第1グリーンシート11Gは、第1面F1と、第1面F1と反対の第2面F2とを有している。第1グリーンシート11Gの第1面F1上に、信号パッド21および信号パッド22(図6および図7)となる部分を含むペースト層20Pが印刷される。また第1グリーンシート11Gの第1面F1上に、接地パッド26、接地パッド27および接続層25(図6および図7)のそれぞれとなるペースト層26P、ペースト層27Pおよびペースト層25Pが印刷される。印刷は、スクリーン印刷技術を用いて行われてよい。また基体10となる部分を含む第2グリーンシート12Gが形成される。第1グリーンシート11Gの第2面F2と第2グリーンシート12Gとが互いに向かい合うように第1グリーンシート11Gと第2グリーンシート12Gとを積層することによって、積層体81が形成される。なお、積層体81が有する複数のグリーンシートの数は任意であり、図20においては第3グリーンシート13Gも積層される。
【0066】
図21は、本実施の形態5における、端子構造301の製造方法の第2工程を概略的に示す部分断面図である。レーザ加工によって積層体81の一部を除去する工程が行われる。この工程により第1グリーンシート11Gの一部を除去することによって、トレンチTRの平坦面FPの少なくとも一部となる面が第1グリーンシート11Gに形成される。また上記工程によりペースト層20Pの一部を除去することによって、ペースト層20Pが、信号パッド21および信号パッド22のそれぞれとなるペースト層21Pおよびペースト層22Pへパターニングされる。またこれにともなって、信号パッド21の側面FSとなる面がペースト層21Pに形成される。上記レーザ加工の後に、積層体81が焼成される。
【0067】
図22は、第3工程を概略的に示す部分断面図である。上記焼成によって、積層体81(図21)から焼成体89が形成される。具体的には、第1グリーンシート11G、第2グリーンシート12Gおよび第3グリーンシート13Gから基体10が形成される。また、ペースト層21P、ペースト層22P、ペースト層26P、ペースト層27Pおよびペースト層25Pのそれぞれから、信号パッド21、信号パッド22、接地パッド26、接地パッド27および接続層25が形成される。
【0068】
図7を参照して、その後、信号パッド21に電気的に接続されるように信号パッド21上に信号リード321が、ろう材90を用いて取り付けられる。また、他のリードも同様に取り付けられる。以上により、端子構造301が得られる。
【0069】
なお図21の工程においてはトレンチTRの底が第2面F2よりも浅いが、トレンチTRは第2面F2より深くてもよく、例えば第2グリーンシート12Gまたは第3グリーンシート13G中に位置してもよい。なお、上述した製造方法は、レーザ加工の範囲を調整することによって、実施の形態1だけでなく実施の形態2~4にも適用することが可能である。
【0070】
本実施の形態によれば、トレンチTRは、積層体81が形成された後のレーザ加工によって形成される。これにより、トレンチTRのパターンを任意に選択することができる。特に、図13または図14に示されるように、基体10の主面の一部が縁EDとトレンチTRとによって全体的に囲まれるようなレイアウトであっても、採用することができる。
【0071】
図23は、図19の変形例を示す概略的な部分平面図である。図24は、図20の変形例を示すものであって、図23の線XXIV-XXIVに沿う概略的な部分断面図である。本変形例においては、ペースト層20P(図19および図20)に代わって、ペースト層21Pおよびペースト層22Pが印刷される。第1面F1(図24)は、ペースト層21Pおよびペースト層22Pの間において、ペースト層が印刷されない領域を有しており、この領域はレーザ加工によって除去される。このような領域が設けられることによって、図20の工程が用いられる場合に比して、ペーストの消費量を節約することができる。特に、ペーストが貴金属を含有している場合、この節約によって製造コストを、大きく低減することができる。
【0072】
<実施の形態6>
図25は、本実施の形態6における端子構造308の構成を概略的に示す部分断面図である。端子構造308は、少なくとも1つの配線層30を有しており、図25に示された例においては配線層31および配線層32を有している。配線層30は、主面MSから離れて基体10中に設けられており、主面MSと平行に、言い換えれば図25において横方向に、広がっている。また端子構造308は、信号パッド21および信号パッド22の各々と配線層30との間の厚み方向における接続のために、ビアホール中に形成された電極41を有している。また端子構造308は、配線層31と配線層32との間の厚み方向における接続のために、ビアホール中に形成された電極42を有している。なお、実施の形態1において説明したように、電極41は、厚みT1(図7)の定義に関しては無視される。
【0073】
端子構造308の製造が、前述した実施の形態5において説明したように複数のグリーンシートの積層工程を有する場合、厚み方向(図25における縦方向)において、配線層30となるペースト層はグリーンシート間に配置される。仮に、トレンチTRの底も必ずグリーンシート間に配置されなければならないとすると、厚み方向において、トレンチTRの底の位置は、配線層30の存在範囲に含まれる。その場合、トレンチTRによる容量結合の調整の自由度が制限される。本実施の形態においては、厚み方向において、トレンチTRの底は配線層30のいずれからも外れていてよい。これにより、容量結合の調整の自由度が高められる。このような配置は、例えば、実施の形態5で説明した製造方法により、容易に得ることができる。なお、トレンチTRの底の深さは均一である必要はなく、図25に示されているように、互いに異なる深さを有する底TB1および底TB2が設けられてよい。
【0074】
なお本実施の形態で説明した特徴は、前述した実施の形態1から5のいずれにも適用され得る。
【0075】
<実施の形態7>
本実施の形態においては、端子構造301(図6および図7:実施の形態1)の製造方法の、前述した実施の形態5とは異なる例について説明する。
【0076】
図26は、第1工程を概略的に示す部分平面図である。図27は、図26の線XXVII-XXVIIに沿う概略的な部分断面図である。なお、図中の二点鎖線は、後述するパンチ加工によって除去されることになる領域を示している。
【0077】
基体10となる部分を含む第1グリーンシート11Gが形成される。第1グリーンシート11Gは、第1面F1と、第1面F1と反対の第2面F2とを有している。第1グリーンシート11Gの第1面F1上に、信号パッド21および信号パッド22(図6および図7)となる部分を含むペースト層20Pが印刷される。また第1グリーンシート11Gの第1面F1上に、接地パッド26、接地パッド27および接続層25(図6および図7)のそれぞれとなるペースト層26P、ペースト層27Pおよびペースト層25Pが印刷される。印刷は、スクリーン印刷技術を用いて行われてよい。これら印刷によって、第1グリーンシート11G、ペースト層20P、ペースト層26P、ペースト層27Pおよびペースト層25Pを有する複合層11Cが形成される。
【0078】
図28は、第2工程を概略的に示す部分平面図である。図29は、図28の線XXIX-XXIXに沿う概略的な部分断面図である。パンチ加工によって複合層11Cの一部を除去する工程が行われる。この工程により第1グリーンシート11Gの一部を除去することによって、トレンチTRの平坦面FPの少なくとも一部となる面が、第1グリーンシート11Gに形成される。また上記工程によりペースト層20Pの一部を除去することによって、ペースト層20Pが、信号パッド21および信号パッド22のそれぞれとなるペースト層21Pおよびペースト層22Pへパターニングされる。これにともなって、信号パッド21の側面FSとなる面がペースト層21Pに形成される。
【0079】
図30は、第3工程を概略的に示す部分断面図である。基体10となる部分を含む第2グリーンシート12Gが形成される。前述したパンチ加工の後、第1グリーンシート11Gの第2面F2と第2グリーンシート12Gとが互いに向かい合うように第1グリーンシート11Gと第2グリーンシート12Gとを積層することによって、積層体84が形成される。なお、積層体84が有する複数のグリーンシートの数は任意であり、図30においては第3グリーンシート13Gおよび第4グリーンシート14Gも積層される。図30に示された例においては、第1グリーンシート11Gにおいてパンチ加工が施された領域がトレンチTRとなり、厚み方向において、トレンチTRの底の位置は、第1グリーンシート11Gの第2面F2の位置に対応する。なお変形例として、第2グリーンシート12Gへもパンチ加工を施すことによって、トレンチTRの底の位置を第2グリーンシート12Gと第3グリーンシート13Gとの間の位置とすることも可能である。
【0080】
上記積層工程の後に、積層体84(図30)が焼成される。これにより積層体84から焼成体89(図22)が得られる。具体的には、第1グリーンシート11G、第2グリーンシート12G、第3グリーンシート13Gおよび第4グリーンシート14Gから基体10が形成される。また、ペースト層21P、ペースト層22P、ペースト層26P、ペースト層27Pおよびペースト層25Pのそれぞれから、信号パッド21、信号パッド22、接地パッド26、接地パッド27および接続層25が形成される。
【0081】
図7を参照して、その後、信号パッド21に電気的に接続されるように信号パッド21上に信号リード321が、ろう材90を用いて取り付けられる。また、他のリードも同様に取り付けられる。以上により、端子構造301が得られる。
【0082】
本実施の形態によれば、基体10のトレンチTRを、簡易な工程であるパンチ加工によって形成することができる。なお、パンチ加工は、第1グリーンシート11Gに対して積層工程の前に行われる。よって、実施の形態2(図13または図14)のような、基体10の主面の一部が縁EDとトレンチTRとによって全体的に囲まれるようなレイアウトの場合、第1グリーンシート11Gの、このように囲まれた部分が、他の部分から分離されてしまう。よって本実施の形態の製造方法は、前述した実施の形態1、3および4で説明した端子構造を得るために特に適している。
【0083】
図31は、図26の変形例を示す概略的な部分平面図である。図32は、図27の変形例を示すものであって、図31の線XXXII-XXXIIに沿う概略的な部分断面図である。本変形例においては、ペースト層20P(図26および図27)に代わって、ペースト層21Pおよびペースト層22Pが印刷される。第1面F1(図32)は、ペースト層21Pおよびペースト層22Pの間において、ペースト層が印刷されない領域を有しており、この領域はパンチ加工によって除去される。このような領域が設けられることによって、図27の工程が用いられる場合に比して、ペーストの消費量を節約することができる。特に、ペーストが貴金属を含有している場合、この節約によって製造コストを、大きく低減することができる。
【0084】
なお上記各実施の形態においては、信号パッドの形状が四角形である場合について説明したが、他の形状が用いられてもよい。また実施の形態5および7においては、グリーンシートへの加工によってトレンチを形成する工程について説明したが、変形例として、トレンチを形成する前に、グリーンシートを焼成することによって焼成体が形成されてもよい。その場合、焼成体上に信号パッドが形成され、その後にトレンチが形成される。
【0085】
<実験>
以下の表1に示すように、端子構造301(図6および図7)に対応する実施例と、端子構造300A(図9)に対応する比較例1と、端子構造300B(図10)に対応する比較例2とが作製され、そして信号パッド21への信号リード321の接合強度が評価された。
【0086】
【表1】
【0087】
比較例1、比較例2および実施例において、トレンチ間隔STは、共通して0.45mmとされた。一方、パッド幅WPは、比較例1においては0.38mmとされ、比較例2および実施例においては0.45mmとされた。トレンチTRおよび信号パッド21は、比較例1においては数十μm程度互いに離され、比較例2においては互いにわずかに(数μm程度)離され、実施例においては互いに連続とされた。
【0088】
信号パッド21およびトレンチTRの長さ(図6における縦方向の寸法)は、共通して0.64mmとされた。信号リード321の幅(図7図9および図10における横方向の寸法)は、共通して0.2mmとされ、信号リード321の厚み(図7図9および図10における縦方向の寸法)は、共通して0.15mmとされた。信号リード321の、信号パッド21に接合されている部分の長さ(図6における縦方向の長さ)は、共通して0.58mmとされた。実施例では、パッドの中央での厚みT1は36μm、パッド側面での厚みT2は28μmであった。したがってパッド側面での厚みT2は、パッドの中央での厚みT1の約78%であり、厚みT1の半分より大きくなっていた。
【0089】
各端子構造に対して、図8に示されているように、信号リード321の先端に対して、端子構造の厚み方向に沿って外力Fが加えられた。なお、実験の便宜上、外力Fを加える前に、図8の二点鎖線に示されているように、信号リード321を塑性変形させた。各サンプルの信号リード321を引き剥がすのに要した外力Fによって、信号リード321の接合強度を測定した。そして、比較例1、比較例2および実施例の各々について、サンプル間での平均値および最小値が算出された。
【0090】
比較例1は接合強度が最も低かった。第1の理由として、パッド幅WPが小さいので、信号パッド21の単位面積当たりに加わる応力が大きくなりやすかったと推測される。第2の理由として、信号パッド21の両端が薄いので、これら両端での応力緩和が働きにくく、結果として、信号パッド21の端が破壊の起点となりやすかったと推測される。比較例2においては、信号パッド21のパッド幅WPがトレンチ間隔STとほぼ同じであるので上記第1の理由は該当しないことから、接合強度が若干改善されたものと推測される。実施例においては、上記第1の理由だけでなく第2の理由も該当しないことから、接合強度が、比較例1および2より大きかったと推測される。
【0091】
なお、比較例2(図10:端子構造300B)のように信号パッド21の厚みが実質的にゼロに達する箇所と、トレンチTRの側壁とをほぼ一致させることは、製造上、難易度が高い。本実験においては、多数のサンプルを製造後、これらから比較例2に対応するものを抽出することによって、比較例2に対応するサンプルを得た。仮に比較例2の端子構造の量産が行われたとすると、低い歩留まりが予想される。これに対して比較例1および実施例については、このような歩留まりの問題は想定されない。
【0092】
この発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【符号の説明】
【0093】
10 :基体
11C :複合層
11G :第1グリーンシート
12G :第2グリーンシート
13G :第3グリーンシート
14G :第4グリーンシート
20P :ペースト層
21,21A,21B :信号パッド(第1パッド)
21P :ペースト層
22,22A,22B :信号パッド(第4パッド)
22P :ペースト層
25 :接続層
25P :ペースト層
26 :接地パッド(第2パッド)
26P :ペースト層
27 :接地パッド(第3パッド)
27P :ペースト層
30~32 :配線層
41,42 :電極
81,84 :積層体
89 :焼成体
90 :ろう材
301~308 :端子構造
311,311a :信号端子
312,312a :信号端子
316,316a :接地端子
317,317a :接地端子
321,321a,322,322a :信号リード
326,326a,327,327a :接地リード
331,331a,332,332a :信号線
336,336a,337,337a :接地線
501 :パッケージ
530 :ケーシング
531 :板体
532 :枠体
535 :開口部
701 :高周波モジュール
730 :蓋体
750 :内部回路
752 :光学部品
CA :差動線路
CB :差動線路
CV :キャビティ
TR :トレンチ
図1
図2
図3
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図5
図6
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図32