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特許7236269配線基板、半導体装置、及び配線基板の製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-01
(45)【発行日】2023-03-09
(54)【発明の名称】配線基板、半導体装置、及び配線基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/14 20060101AFI20230302BHJP
   H01L 25/04 20230101ALI20230302BHJP
   H01L 25/18 20230101ALI20230302BHJP
   H05K 3/28 20060101ALI20230302BHJP
【FI】
H05K1/14 G
H01L25/04 Z
H05K3/28 B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018243631
(22)【出願日】2018-12-26
(65)【公開番号】P2020107681
(43)【公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-10-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000190688
【氏名又は名称】新光電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三木 翔太
(72)【発明者】
【氏名】小林 直生
【審査官】柴垣 宙央
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-175099(JP,A)
【文献】特開2017-022300(JP,A)
【文献】特開2015-133367(JP,A)
【文献】特開2012-160707(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/14
H01L 25/04
H05K 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基板と、
前記第1の基板よりも外形が小さく、前記第1の基板上に搭載された第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板とを接着するとともに、前記第2の基板の側面と接するフィレットを有する接着層と、
を有し、
前記第1の基板は、前記第2の基板と対向する面に第1の電極を有し、
前記第2の基板は、前記第1の基板と対向する第1の面に第2の電極を有し、前記第1の面とは反対側に位置する第2の面に第3の電極を有し、
前記第1の電極と前記第2の電極とは、半田を介して接合され、
前記フィレットは、前記第2の基板の前記第2の面と同じ高さから前記第2の基板の前記第2の面よりも高い位置まで隆起し且つ前記第3の電極を覆わない隆起部を有し、
前記隆起部は、前記第2の面の外周に隣接する側面であって、前記第2の面と同一平面に対して斜め上向きに傾斜する側面を有することを特徴とする配線基板。
【請求項2】
前記接着層は、前記第1の基板と前記第2の基板との間に充填され、前記第2の基板の前記第1の面及び前記半田を被覆することを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
【請求項3】
前記隆起部の頂部は、前記第2の基板の外周よりも外側に位置することを特徴とする請求項1又は2に記載の配線基板。
【請求項4】
前記隆起部は、前記第2の基板の外周に沿って枠状に形成され、且つ前記第2の基板の上面とともに有底状の空間を形成すること、を特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の配線基板。
【請求項5】
請求項に記載の配線基板と、
前記第2の基板の上面に搭載された電子部品と、
前記有底状の空間内に配置されたアンダーフィル樹脂と、
を有する半導体装置。
【請求項6】
第1の基板と第2の基板とを接着する接着層が形成された前記第2の基板を、前記接着層を介して前記第1の基板上に配置する工程と、
前記接着層が前記第2の基板の側面と接触するフィレットを形成し、且つ前記フィレットに前記第2の基板の上面と同じ高さから前記第2の基板の上面よりも高い位置まで隆起する隆起部が形成されるまで、ボンディングツールで前記第2の基板を前記第1の基板に向かって押し付ける工程と、
前記ボンディングツールを加熱することで、前記接着層を硬化させつつ前記第2の基板の電極と前記第1の基板の電極とを半田付けする工程と、
を含むことを特徴とする配線基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線基板、半導体装置、及び配線基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ビルドアップ基板等の下側基板上にインタポーザとなる上側基板を搭載した配線基板がある。このような配線基板では、下側基板と上側基板とが接着されるのが一般的である。すなわち、例えば熱硬化性樹脂を用いて形成された接着層によって、下側基板と上側基板とが接着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-79658号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、接着層によって下側基板と上側基板とが接着される場合、接着層が形成された上側基板が、接着層を介して下側基板上に配置され、ボンディングツールで上側基板が下側基板に向かって押し付けられる。このとき、上側基板と下側基板との間に配置された接着層の外縁部分が接着層の厚さ方向と直交する方向(つまり、水平方向)に延伸し、延伸した外縁部分が上側基板の側面よりも外側に張り出して、上側基板の側面に接触するフィレットと呼ばれる領域が形成される。
【0005】
接着層に形成されるフィレットは、下側基板の上面に沿って、水平方向に拡大するため、下側基板の上面におけるスペースがフィレットによって削減されてしまう。結果として、フィレットの周囲に部品の実装領域を確保することが困難となる。
【0006】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、フィレットの周囲に部品の実装領域を十分に確保することができる配線基板、半導体装置、及び配線基板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の開示する配線基板は、一つの態様において、第1の基板と、前記第1の基板よりも外形が小さく、前記第1の基板上に搭載された第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板とを接着するとともに、前記第2の基板の側面と接するフィレットを有する接着層と、を有し、前記フィレットは、前記第2の基板の上面と同じ高さから前記第2の基板の上面よりも高い位置まで隆起する隆起部を有する。
【発明の効果】
【0008】
本願の開示する配線基板の一つの態様によれば、フィレットの周囲に部品の実装領域を十分に確保することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施例に係る配線基板の構成の一例を示す概略断面図である。
図2図2は、実施例に係る配線基板を用いて作製された半導体装置の構成の一例を示す概略断面図である。
図3A図3Aは、実施例に係る配線基板の製造方法の流れの一例を示す説明図である。
図3B図3Bは、実施例に係る配線基板の製造方法の流れの一例を示す説明図である。
図3C図3Cは、実施例に係る配線基板の製造方法の流れの一例を示す説明図である。
図3D図3Dは、実施例に係る配線基板の製造方法の流れの一例を示す説明図である。
図3E図3Eは、実施例に係る配線基板の製造方法の流れの一例を示す説明図である。
図3F図3Fは、実施例に係る配線基板の製造方法の流れの一例を示す説明図である。
図3G図3Gは、実施例に係る配線基板の製造方法の流れの一例を示す説明図である。
図3H図3Hは、実施例に係る配線基板の製造方法の流れの一例を示す説明図である。
図3I図3Iは、実施例に係る配線基板の製造方法の流れの一例を示す説明図である。
図4A図4Aは、実施例に係る半導体装置の製造方法の流れの一例を示す説明図である。
図4B図4Bは、実施例に係る半導体装置の製造方法の流れの一例を示す説明図である。
図4C図4Cは、実施例に係る半導体装置の製造方法の流れの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願の開示する配線基板、半導体装置、及び配線基板の製造方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例により開示技術が限定されるものではない。
【0011】
[実施例]
[配線基板の構成]
図1は、実施例に係る配線基板1の構成の一例を示す概略断面図である。以下では、図1の上側の面を「上面」と呼び、図1の下側の面を「下面」と呼ぶ。図1に示すように、配線基板1は、下側基板10と、上側基板20とを有する。下側基板10と上側基板20とは、接着層30によって接着されている。
【0012】
下側基板10は、例えば、多層構造のビルドアップ基板等である。下側基板10の上面には、複数の電極11が形成されており、下側基板10の下面には、複数の電極12が形成されている。以下、複数の電極11を区別しない場合にこれらをまとめて「電極11」と適宜表記する。同様に、複数の電極12を区別しない場合にこれらをまとめて「電極12」と適宜表記する。下側基板10の内部には、電極11と電極12とを電気的に接続する配線層が形成されている。また、下側基板10の上面及び下面には、ソルダーレジストが電極11や電極12を避けるように選択的に形成されている。下側基板10は、第1の基板の一例である。
【0013】
上側基板20は、例えば、下側基板10と半導体チップとの接続を中継するインタポーザ基板であり、下側基板10よりも外径が小さく、下側基板10上に搭載されている。上側基板20の上面には、複数のチップ用電極21が形成されており、上側基板20の下面には、複数の電極22が形成されている。以下、複数のチップ用電極21を区別しない場合にこれらをまとめて「チップ用電極21」と適宜表記する。同様に、複数の電極22を区別しない場合にこれらをまとめて「電極22」と適宜表記する。上側基板20の内部には、チップ用電極21と電極22とを電気的に接続する配線層が形成されている。電極22は、半田ボールや半田バンプ等の半田23によって、下側基板10の上面の電極11に接合されている。これにより、上側基板20は、下側基板10に電気的に接続されている。上側基板20は、第2の基板の一例である。
【0014】
接着層30は、例えば非導電性フィルム等の熱硬化性樹脂を用いて形成されている。接着層30は、下側基板10と上側基板20との間の応力緩和の機能を果たすとともに、下側基板10と上側基板20とを接着する。接着層30の外縁部分は、上側基板20の側面よりも外側に張り出して、上側基板20の側面と接触するフィレットを形成している。以下では、接着層30の外縁部分を適宜「フィレット」と呼ぶ。
【0015】
また、接着層30のフィレットは、上側基板20の上面と同じ高さから上側基板20の上面よりも高い位置まで隆起する隆起部31を有する。隆起部31は、上側基板20の外周に沿って枠状に形成されており、且つ上側基板20の上面とともに有底状の空間を形成している。隆起部31は、上側基板20の上面と上側基板20の上面に搭載される半導体チップとの間隙に充填されるアンダーフィル樹脂の流れを堰き止める高さを有する。すなわち、隆起部31は、上側基板20の上面において、アンダーフィル樹脂を貯留する有底状の空間を形成している。
【0016】
ところで、接着層30によって下側基板10と上側基板20とが接着される場合、接着層30が形成された上側基板20が、接着層30を介して下側基板10上に配置され、ボンディングツールで上側基板20が下側基板10に向かって押し付けられる。このとき、下側基板10と上側基板20との間に配置された接着層30が接着層30の厚さ方向と直交する方向(つまり、水平方向)に延伸し、延伸した外縁部分が上側基板20の側面よりも外側に張り出して、フィレットが形成される。
【0017】
接着層30に形成されるフィレットは、下側基板10の上面に沿って、水平方向に拡大するため、下側基板10の上面におけるスペースがフィレットによって削減されてしまう。結果として、フィレットの周囲に部品の実装領域を確保することが困難となる。
【0018】
そこで、本実施例の配線基板1では、図1に示したように、接着層30の、上側基板20の側面よりも外側に張り出したフィレットに、上側基板20の上面よりも高い位置まで隆起する隆起部31を形成している。これにより、フィレットが接着層30の厚さ方向に拡大するので、フィレットの水平方向のサイズを低減することができる。このため、下側基板10の上面においてフィレットによって占有されるスペースが抑制される。結果として、フィレットの周囲に部品の実装領域を十分に確保することができる。
【0019】
また、本実施例の配線基板1では、隆起部31は、上側基板20の外周に沿って枠状に形成されており、且つ上側基板20の上面とともに有底状の空間を形成している。これにより、有底状の空間に充填されるアンダーフィル樹脂が隆起部31によって堰き止められるので、アンダーフィル樹脂が下側基板10に向かって漏れ出すことが阻止される。したがって、下側基板10の上面のうち、上側基板20及び接着層30を囲む範囲に存在する、部品の実装領域がアンダーフィル樹脂によって無効化される事態が回避される。
【0020】
[半導体装置の構成]
次に、図2を参照して、実施例に係る配線基板1を用いて作製された半導体装置2について説明する。図2は、実施例に係る配線基板1を用いて作製された半導体装置2の構成の一例を示す概略断面図である。図2に示すように、半導体装置2は、下側基板10と、上側基板20と、下側基板10と上側基板20とを接着する接着層30とを有する。また、半導体装置2は、半導体チップ40と、アンダーフィル樹脂50と、チップ部品61と、補強部材62とを有する。下側基板10、上側基板20及び接着層30は、それぞれ、図1に示した下側基板10、上側基板20及び接着層30に相当する。
【0021】
半導体チップ40は、例えば、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路である。半導体チップ40は、上側基板20の上面において、例えばフリップチップ実装によりチップ用電極21に搭載されている。すなわち、半導体チップ40は、半田バンプを介して、上側基板20のチップ用電極21に接続されている。半導体チップ40は、半導体部品の一例である。
【0022】
アンダーフィル樹脂50は、接着層30のフィレットの隆起部31及び上側基板20の上面によって形成される有底状の空間内に配置され、上側基板20と半導体チップ40とを接着する。
【0023】
チップ部品61は、例えば抵抗やキャパシタ等であり、下側基板10の上面のうち、上側基板20及び接着層30を囲む領域に実装されている。補強部材62は、半導体装置2を補強するための部材であり、下側基板10の上面のうち、上側基板20及び接着層30を囲む領域に実装されている。補強部材62により半導体装置2は例えば反りが抑制される。
【0024】
[配線基板の製造方法]
次に、図3A図3Iを参照して、実施例に係る配線基板1の製造方法について説明する。図3A図3Iは、実施例に係る配線基板1の製造方法の流れの一例を示す説明図である。
【0025】
まず、図3Aに示すように、上面にチップ用電極21が形成され、下面に電極22が形成された上側基板20を作製する。上側基板20は、例えば、ビルドアップ法を用いて作製される。次に、図3Bに示すように、上側基板20の下面の電極22に半田23を形成する。
【0026】
次に、図3Cに示すように、上側基板20の下面に接着層30を形成する。例えば、接着層30が非導電性フィルム等の熱硬化性樹脂である場合、上側基板20の下面に接着層30が貼り付けられる。
【0027】
次に、図3Dに示すように、上側基板20をブレード70により切断することで、上側基板20を個片化する。これにより、接着層30が形成された上側基板20が作製される。
【0028】
次に、図3Eに示すように、接着層30が形成された上側基板20を、接着層30を介して下側基板10上に配置する。このとき、上側基板20の下面の電極22に形成された半田23と、下側基板10の上面の電極11とが対向するように位置合わせが行われる。
【0029】
次に、図3Fに示すように、離型シート81を介してボンディングツール80を上側基板20に当接させる。このとき、ボンディングツール80は、半田23の融点よりも低い温度に維持される。また、ボンディングツール80は、上側基板20の上面に対する当接面のサイズと上側基板20の上面のサイズとが略同一となる形状を有している。また、離型シート81の、ボンディングツール80の当接面に接触しない部分が、上側基板20の上面と同一平面に対して斜め上向きに折り曲げられる。これにより、上側基板20の側面よりも外側において、離型シート81と下側基板10の上面との間隙が接着層30の厚さ方向に拡大される。
【0030】
次に、図3Gに示すように、ボンディングツール80で上側基板20を下側基板10に向かって押し付ける。すなわち、接着層30がフィレットを形成し、且つフィレットに上側基板20の上面と同じ高さから上側基板20の上面よりも高い位置まで隆起する隆起部31が形成されるまで、ボンディングツール80で上側基板20を下側基板10に向かって押し付ける。隆起部31は、接着層30の、上側基板20の側面よりも外側に張り出したフィレットが、離型シート81と下側基板10の上面との間隙を通過して接着層30の厚さ方向に拡大することで、形成される。ここで、フィレットが接着層30の厚さ方向に拡大するので、フィレットの水平方向への拡大が抑制される。このため、下側基板10の上面においてフィレットによって占有されるスペースが抑制される。結果として、フィレットの周囲に部品の実装領域が十分に確保される。さらに、隆起部31が上側基板20の上面と上側基板20の上面に搭載される半導体チップ40との間隙に充填されるアンダーフィル樹脂50(図2参照)の流れを堰き止める高さとなるまで、ボンディングツール80で上側基板20を押し付ける。これにより、上側基板20の上面において、アンダーフィル樹脂50を貯留する有底状の空間が隆起部31によって形成される。
【0031】
次に、図3Hに示すように、ボンディングツール80を加熱することで、接着層30を硬化させつつ上側基板20の電極22と下側基板10の電極11とを半田付けする。このとき、ボンディングツール80は、上側基板20の下面の電極22に形成された半田23の融点以上の温度まで加熱される。これにより、下側基板10と上側基板20とが接着層30によって接着されるとともに、半田23が溶融し、上側基板20の電極22と下側基板10の電極11とが半田23によって接合される。
【0032】
次に、図3Iに示すように、ボンディングツール80及び離型シート81を上側基板20から離反させる。これにより、配線基板1が完成する。
【0033】
なお、上述の説明では、図3Gの工程の後に、図3Hの工程が行われたが、これら2つの工程は同時に行われてもよい。すなわち、上側基板20を下側基板10に向かって押し付ける工程と、接着層30を硬化させつつ上側基板20の電極22と下側基板10の電極11とを半田付けする工程とは、同時に行われてもよい。
【0034】
[半導体装置の製造方法]
次に、図4A図4Cを参照して、実施例に係る半導体装置2の製造方法について説明する。図4A図4Cは、実施例に係る半導体装置2の製造方法の流れの一例を示す説明図である。
【0035】
まず、図3A図3Iの工程により配線基板1を作製する。次に、図4Aに示すように、上側基板20のチップ用電極21にフリップチップ実装により半導体チップ40を搭載する。すなわち、半田バンプを介して、上側基板20のチップ用電極21に半導体チップ40を接続する。
【0036】
次に、図4Bに示すように、上側基板20の上面と半導体チップ40との間隙にアンダーフィル樹脂50を充填する。ここで、上側基板20の上面において、アンダーフィル樹脂50を貯留する有底状の空間が接着層30の隆起部31によって形成されているため、アンダーフィル樹脂50が下側基板10に向かって漏れ出すことが阻止される。したがって、下側基板10の上面のうち、上側基板20及び接着層30を囲む範囲に存在する、部品の実装領域がアンダーフィル樹脂50によって無効化される事態が回避される。
【0037】
次に、図4Cに示すように、下側基板10の上面のうち、上側基板20及び接着層30を囲む実装領域に、チップ部品61及び補強部材62等の部品を実装する。これにより、半導体装置2が完成する。
【0038】
以上のように、実施例に係る配線基板1は、下側基板10と、下側基板10上に搭載された上側基板20と、下側基板10と上側基板20とを接着するとともに、上側基板20の側面と接するフィレットを有する接着層30とを有する。接着層30のフィレットは、上側基板20の上面と同じ高さから上側基板20の上面よりも高い位置まで隆起する隆起部31を有する。これにより、フィレットが接着層30の厚さ方向に拡大するので、フィレットの水平方向のサイズを低減することができる。このため、下側基板10の上面においてフィレットによって占有されるスペースが抑制される。結果として、フィレットの周囲に部品(例えば、チップ部品61及び補強部材62)の実装領域を十分に確保することができる。
【0039】
また、実施例に係る配線基板1において、隆起部31は、上側基板20の外周に沿って枠状に形成されており、且つ上側基板20の上面とともに有底状の空間を形成している。これにより、有底状の空間に充填されるアンダーフィル樹脂50が隆起部31によって堰き止められるので、アンダーフィル樹脂50が下側基板10に向かって漏れ出すことが阻止される。したがって、下側基板10の上面のうち、上側基板20及び接着層30を囲む範囲に存在する、部品の実装領域がアンダーフィル樹脂50によって無効化される事態が回避される。
【符号の説明】
【0040】
1 配線基板
2 半導体装置
10 下側基板
11 電極
20 上側基板
22 電極
30 接着層
31 隆起部
40 半導体チップ
80 ボンディングツール
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図3I
図4A
図4B
図4C