(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-01
(45)【発行日】2023-03-09
(54)【発明の名称】クリティカルディメンション測定用の検査ガイド付きクリティカルサイト選択
(51)【国際特許分類】
H01L 21/66 20060101AFI20230302BHJP
G06N 3/04 20230101ALI20230302BHJP
【FI】
H01L21/66 J
G06N3/04
(21)【出願番号】P 2020506747
(86)(22)【出願日】2018-08-06
(86)【国際出願番号】 US2018045303
(87)【国際公開番号】W WO2019032413
(87)【国際公開日】2019-02-14
【審査請求日】2021-06-23
(31)【優先権主張番号】201741027957
(32)【優先日】2017-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(32)【優先日】2017-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サラスワトゥラ ジャグディシュ チャンドラ
(72)【発明者】
【氏名】ヤティ アルピット
(72)【発明者】
【氏名】パタンギ ハリ スリラマン
【審査官】堀江 義隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-027789(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0301630(US,A1)
【文献】特開2002-033365(JP,A)
【文献】特開2009-206453(JP,A)
【文献】特開2012-049411(JP,A)
【文献】特表2002-532696(JP,A)
【文献】特開2008-010862(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/66
G06N 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリティカルディメンションの測定のためのクリティカルロケーションを決定する方法であって、
序列ロケーションリストをプロセッサで受信し、前記序列ロケーションリスト内の各序列ロケーションはデータブロックを含み、
(a)前記プロセッサを用いて、前記序列ロケーションリストから1つの序列ロケーションを選択して、選択されたロケーションを得るステップと、
(b)前記選択されたロケーションで第1のクリティカルディメンションを測定して第1のクリティカルディメンション測定を得るステップと、
(c)前記プロセッサを用いて、第1のクリティカルディメンション測定を、前記選択されたロケーションのデータブロックに追加するステップと、
(d)前記序列ロケーションリスト内の残存序列ロケーションそれぞれに関してステップ(a)乃至(c)を繰り返すステップと、
を含めてクリティカルディメンション測定を得ることを含
み、
前記第1のクリティカルディメンションを備えたデータブロックを用いてクリティカルディメンションロケーション予測モデルを訓練することをさらに含む方法。
【請求項2】
前記序列ロケーションリストを決定することは、
前記プロセッサで、リソグラフィーに関連する第1ロケーション集合を受信し、前記第1ロケーション集合内の各ロケーションは第1の序列のクリティカリティを有し、
前記プロセッサで、デバイスのデザインに関連する第2ロケーション集合を受信し、前記第2ロケーション集合内の各ロケーションは第2の序列のクリティカリティを有し、
前記プロセッサを用いて、
ウェハ検査ツールの結果から第3ロケーション集合を決定し、前記第3ロケーション集合内の各ロケーションは第3の
序列のクリティカリテ
ィを有し、
前記プロセッサを用いて、前記第1ロケーション集合、前記第2ロケーション集合および前記第3ロケーション集合を合成して1つの非序列ロケーションリストにし、
前記プロセッサを用いて、前記非序列ロケーションリスト内の前記第1ロケーション集合、前記第2ロケーション集合および前記第3ロケーション集合からのロケーションを、前記第1の序列のクリティカリティ、前記第2の序列のクリティカリティおよび前記第3の序列のクリティカリティに基づいてソートして、序列ロケーションリストを作成する、
ことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第3ロケーション集合を決定することは、
前記ウェハ検査ツールにホットスキャンを実行して1つ以上の欠陥を得、
前記1つ以上の欠陥を、デザイン類似性に基づいて1つ以上の検査グループにグルーピングし、
1つ以上のデザインクリップを得、前記1つ以上のデザインクリップそれぞれは前記1つ以上の検査グループのうち1つに対応しており、
それぞれが前記1つ以上の検査グループのうち1つに対応する前記1つ以上のデザインクリップそれぞれに関してクリティカリティの序列を計算し、
前記1つ以上の検査グループを、それぞれのクリティカリティの序列に基づいて序列付けして、前記第3の序列のクリティカリティを備えた前記第3ロケーション集合を生成する、ことを含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記データブロックは、座標、パターンクリティカリティ、クリティカルディメンションばらつき、デザイン、ランクおよび序列クリティカリティのうち少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記クリティカルディメンションロケーション予測モデルは深層学習ネットワークである請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記深層学習ネットワークはニューラルネットワークである請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記クリティカルディメンションロケーション予測モデルを用いて1つ以上の合成ロケーションを決定し、
前記1つ以上の合成ロケーションを含む合成ロケーションリストを作成し、前記合成ロケーションそれぞれは合成ロケーションデータブロックを有し、前記合成ロケーションデータブロックは合成ロケーションデータを含むように構成されることを含めて、合成ロケーションリストを作成することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
(a)前記合成ロケーションリストから合成ロケーションのうち1つを選択して、選択された合成ロケーションを得るステップと、
(b)前記選択された合成ロケーションで第2のクリティカルディメンションを測定して第2のクリティカルディメンション測定を得るステップと、
(c)前記選択された合成ロケーションの合成ロケーションデータブロックに含まれた合成ロケーションデータに前記第2のクリティカルディメンション測定を追加するステップと、
(d)前記合成ロケーションリスト内の残存合成ロケーションそれぞれに関してステップ(a)乃至(c)を繰り返すステップと、
を含めて前記合成ロケーションデータを収集することをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第2のクリティカルディメンション測定を備えた前記合成ロケーションデータブロックを用いて前記クリティカルディメンションロケーション予測モデルを訓練することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記プロセッサに、請求項1に記載の方法を実行
させるコンピュータプログラ
ム。
【請求項11】
クリティカルディメンションの測定のためのクリティカルサイトを決定するためのシステムであって、
(a)序列ロケーションリストを受信し、前記序列ロケーションリスト内の各序列ロケーションはさらにデータブロックを含み、前記データブロックは、データを含むように構成され、
(b)前記序列ロケーションリストから1つの序列ロケーションを選択して、選択されたロケーションを取得し、
(c)前記選択されたロケーションで第1のクリティカルディメンションを測定して第1のクリティカルディメンション測定を得、
(d)前記第1のクリティカルディメンション測定を、前記選択されたロケーションのデータブロックに含まれたデータに追加し、
(e)前記序列ロケーションリスト内の残存序列ロケーションそれぞれに関してアクション(b)乃至(d)を繰り返す、
ように構成されたデータ収集モジュールを含むプロセッサと、
前記序列ロケーションリストを格納するように構成された前記データ収集モジュールと電子的に通信する電子データストレージユニットと、
を備え
、
データ収集モジュールと電子的に通信する、クリティカルディメンションロケーション予測モデル用の深層学習ネットワークをさらに備え、前記クリティカルディメンションロケーション予測モデルは、前記第1のクリティカルディメンション測定を備えたデータブロックを用いて訓練される、システム。
【請求項12】
前記プロセッサと電子的に通信するクリティカルディメンション測定システムをさらに備えた、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記深層学習ネットワークはニューラルネットワークである、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記プロセッサがさらに合成データモジュールを備え、前記合成データモジュールが、
前記クリティカルディメンションロケーション予測モデルを用いて1つ以上の合成ロケーションを決定し、
前記1つ以上の合成ロケーションを含む合成ロケーションリストを作成し、前記合成ロケーションそれぞれが合成ロケーションデータブロックを有し、前記合成ロケーションデータブロックは、合成ロケーションデータを含むように構成されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記プロセッサがさらに合成ロケーションデータ収集モジュールを備え、前記合成ロケーションデータ収集モジュールが、
(a)前記合成ロケーションリストから合成ロケーションのうち1つを選択して、選択された合成ロケーションを得て、
(b)前記選択された合成ロケーションで第2のクリティカルディメンションを測定して第2のクリティカルディメンション測定を得て、
(c)前記選択された合成ロケーションの合成ロケーションデータブロックに含まれた合成ロケーションデータに前記第2のクリティカルディメンション測定を追加し、
(d)前記合成ロケーションリスト内の残存合成ロケーションそれぞれに関してステップ(a)~(c)を繰り返す、ように構成されている請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記クリティカルディメンションロケーション予測モデルは、前記第2のクリティカルディメンション測定を備えた合成ロケーションデータブロックを用いて訓練される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記プロセッサがさらに序列ロケーションリストモジュールを備え、前記序列ロケーションリストモジュールが、
リソグラフィーに関連する第1ロケーション集合を受信し、前記第1のロケーション集合内の各ロケーションは第1の序列のクリティカリティを有し、
デバイスのデザインに関連する第2ロケーション集合を受信し、前記第2のロケーション集合内の各ロケーションは第2の序列のクリティカリティを有し、
ウェハ検査ツールの結果から第3ロケーション集合を決定し、前記第3のロケーション集合内の各ロケーションは第3の序列のクリティカリティを有し、
前記第1ロケーション集合、前記第2ロケーション集合および前記第3ロケーション集合を合成して1つの非序列ロケーションリストにし、
前記非序列ロケーションリスト内の前記第1ロケーション集合、前記第2ロケーション集合および前記第3ロケーション集合を、前記第1の序列のクリティカリティ、前記第2の序列のクリティカリティおよび前記第3の序列のクリティカリティに基づいてソートして、序列ロケーションリストを作成する、ように構成されている請求項11に記載のシステム。
【請求項18】
前記プロセッサはさらに、
ホットスキャンから生じた1つ以上の欠陥を受信し、
前記1つ以上の欠陥を、デザイン類似性に基づいて1つ以上の検査グループにグルーピングし、
1つ以上のデザインクリップを受信し、前記デザインクリップそれぞれは前記1つ以上の検査グループのうち1つに対応し、
それぞれが前記1つ以上の検査グループのうち1つに対応する前記1つ以上のデザインクリップそれぞれに関してクリティカリティの序列を計算し、
前記1つ以上の検査グループを、それらのそれぞれのクリティカリティの序列に基づいて序列付けして、前記第3の序列のクリティカリティを備えた前記第3ロケーション集合を生成する、ように構成されている請求項17に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は半導体検査に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年8月7日に出願されたインド仮特許出願第201741027957号および2017年9月18日に出願された米国仮特許出願第62/559,820号の優先権を主張し、それらの開示を参照により本明細書に援用する。
【0003】
半導体製造産業の進化は、イールドマネジメントに、また特に計測および検査システムに対し常に増大する要求を課している。ウェハサイズが増大する一方でクリティカルディメンション(CD)は縮小している。経済は、半導体製造産業を、高イールド、高価値製造を達成するための時間を短縮するように駆りたてている。したがって、イールドの問題を検出してそれを解消するための総時間を最小化することが、半導体製造業者にとっての投資利益率を決定する。
【0004】
ロジックおよびメモリデバイスなどの半導体デバイスの作製は典型的に、多数の半導体作製プロセスを用いて半導体ウェハを処理し、半導体デバイスの種々の特徴と複数のレベルを形成することを含む。例えば、リソグラフィーは、レチクルから、半導体ウェハ上に配置されたフォトレジストにパターンを転写することを包含する半導体作製プロセスである。半導体作製プロセスの付加的な例は、化学機械研磨(CMP)、エッチング、堆積およびイオン注入を含むが、これらに限定されない。複数の半導体デバイスが単一の半導体ウェハ上の配置構成に作製され、次に、個々の半導体デバイスに分離されてよい。
【0005】
クリティカルディメンション(CD)測定は、半導体製造フローにおけるプロセス特性評価の一部である。クリティカルディメンションの均一性は、フォトリソグラフィーチームおよびデバイスエンジニアリングチームにとって重要であり得る。仕様に則したチップ性能をもたらし得るのはクリティカルディメンションのシリコン転写へのデザインである。しかしながら、クリティカルディメンションを測定するサイトのリストを決定するのは困難であり得る。
【0006】
クリティカルディメンションの均一性は一般に、デバイスの見地から検査される。最適性能を提供するためにクリティカルディメンションの均一性に大きく依存する特定のデバイスがチップ内に存在する。したがって、クリティカルディメンションの均一性はプロセス中心の懸念であるというよりは、よりデバイス中心の懸念であり得る。
【0007】
デザインエンジニア、デバイスエンジニア、光近接効果補正(OPC)チームおよびマスクハウスが従来、クリティカルディメンション測定を行うためのロケーションのリストを提供してきた。しかしながら、どこでクリティカルディメンション測定を行うかに関して多様な当事者が合意しない場合にこれらのロケーション全てを検査する、または検査を均衡させる系統的な方法はない。クリティカルディメンション検査は非常に時間がかかり、製造スループットを減少させ得るため、半導体製造業者は検査のロケーションを優先する必要があり得る。
【0008】
クリティカルディメンション均一性測定サイトの付加的なインプットは、デバイスの重要性に基づくクリティカルディメンション、非常にプロセスセンシティブであると考えられるかプロセスセンシティブであり得る特徴、また、OPCチームからの光学ルールチェック(ORC)ベースのホットスポットおよびマスクハウスからのマスクルールチェック(MRC)ベースのホットスポットであった。これらの付加的なインプットは依然として系統的な検査方法を可能にしない。ウェハ検査ツールからのアウトプットは、デザインクリティカリティおよび/または複雑性を考慮する方式でサイトを見出すためには活用されない。これらのインプットがあっても、サイトは事実上ランダムに選択される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】米国特許出願公開第2014/0301630号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、改善されたクリティカルディメンション検査技法およびシステムが必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の実施形態では、クリティカルディメンションの測定のためのクリティカルロケーションを決定する方法が提供される。序列ロケーションリスト(ordered location list)がプロセッサで受信される。序列ロケーションリスト内の各序列ロケーションはデータブロックを含む。クリティカルディメンション測定が得られる。クリティカルディメンション測定を得ることは、(a)プロセッサを用いて、序列ロケーションリストから1つの序列ロケーションを選択して、選択されたロケーションを得る、(b)選択されたロケーションで第1のクリティカルディメンションを測定して第1のクリティカルディメンション測定を得る、(c)プロセッサを用いて、第1のクリティカルディメンション測定を、選択されたロケーションのデータブロックに追加する、(d)序列ロケーションリスト内の残存序列ロケーションそれぞれに関してステップ(a)~(c)を繰り返す、ことを含む。
【0012】
序列ロケーションリストを決定することは、プロセッサで、リソグラフィーに関連する第1ロケーション集合とデバイスのデザインに関連する第2ロケーション集合を受信することを含み得る。第1ロケーション集合内の各ロケーションは、第1の序列のクリティカリティを有する。第2ロケーション集合内の各ロケーションは、第2の序列のクリティカリティを有する。第3ロケーション集合は、プロセッサを用いてウェハ検査ツールの結果から決定され得る。第3ロケーション集合内の各ロケーションは、第3の序列のクリティカリティを有する。第1ロケーション集合、第2ロケーション集合および第3ロケーション集合を、プロセッサを用いて合成して非序列(unordered)ロケーションリストにしてもよい。非序列ロケーションリスト内の第1ロケーション集合、第2ロケーション集合および第3ロケーション集合からのロケーションを、プロセッサを用いて、第1の序列のクリティカリティ、第2の序列のクリティカリティおよび第3の序列のクリティカリティに基づいてソートして、序列ロケーションリストを作成することができる。
【0013】
第3ロケーション集合を決定することは、ウェハ検査ツールでホットスキャンを実行して1つ以上の欠陥を得ることを含み得る。1つ以上の欠陥は、デザイン類似性に基づいて1つ以上の検査グループにグルーピングされ得る。1つ以上のデザインクリップが取得され得る。1つ以上のデザインクリップそれぞれが1つ以上の検査グループのうち1つに対応する。クリティカリティの序列が、1つ以上のデザインクリップそれぞれに関して計算され得る。各クリティカリティの序列が1つ以上の検査グループのうち1つに対応する。1つ以上の検査グループは、それらのクリティカリティの対応する序列に基づいて序列付けされて、第3の序列のクリティカリティを備えた第3ロケーション集合を作成できる。
【0014】
データブロックは、座標、パターンクリティカリティ、クリティカルディメンションばらつき、デザイン、ランクおよび序列クリティカリティのうち少なくとも1つを含み得る。
【0015】
クリティカルディメンションロケーション予測モデルは、第1のクリティカルディメンションを備えたデータブロックを用いて訓練され得る。クリティカルディメンションロケーション予測モデルは、ニューラルネットワークなどの深層学習ネットワークであってよい。
【0016】
一例では、合成ロケーションリストが作成され得る。1つ以上の合成ロケーションは、クリティカルディメンションロケーション予測モデルを用いて決定され得る。1つ以上の合成ロケーションを含む合成ロケーションリストが作成され得る。合成ロケーションはそれぞれ合成ロケーションデータブロックを有する。合成ロケーションデータブロックは、合成ロケーションデータを含むように構成される。
【0017】
合成ロケーションデータを収集することは、(a)合成ロケーションリストから合成ロケーションのうち1つを選択して選択された合成ロケーションを得る、(b)選択された合成ロケーションで第2のクリティカルディメンションを測定して第2のクリティカルディメンション測定を得る、(c)選択された合成ロケーションの合成ロケーションデータブロックに含まれた合成ロケーションデータに第2のクリティカルディメンション測定を追加する、および(d)合成ロケーションリスト内の残存合成ロケーションそれぞれに関してステップ(a)~(c)を繰り返す、ことを含み得る。
【0018】
クリティカルディメンションロケーション予測モデルは、第2のクリティカルディメンション測定を備えた合成ロケーションデータブロックを用いて訓練され得る。
【0019】
一例では、コンピュータプログラム製品は、コンピュータ可読プログラムを実装した非一時的コンピュータ可読記憶媒体を備えている。コンピュータ可読プログラムは、第1の実施形態の任意の技法の方法を実行するように構成され得る。
【0020】
第2の実施形態では、クリティカルディメンションの測定のためのクリティカルサイトを決定するためのシステムが開示される。システムは、データ収集モジュールを含むプロセッサを含む。プロセッサは、(a)序列ロケーションリストを受信し、序列ロケーションリスト内の各序列ロケーションはさらにデータブロックを含み、(b)序列ロケーションリストから1つの序列ロケーションを選択して、選択されたロケーションを得る、(c)選択されたロケーションで第1のクリティカルディメンションを測定して第1のクリティカルディメンション測定を得る、(d)選択されたロケーションのデータブロックに含まれたデータに第1のクリティカルディメンション測定を追加する、および(e)序列ロケーションリスト内の残存序列ロケーションそれぞれに関してアクション(b)~(d)を繰り返す、ように構成されている。データブロックはデータを含むように構成されている。データ収集モジュールと電子的に通信する電子的データ記憶ユニットが、序列ロケーションリストを記憶するように構成されている。
【0021】
クリティカルディメンション測定システムはプロセッサと電子的に通信できる。
【0022】
クリティカルディメンションロケーション予測モデルのための深層学習ネットワークが、データ収集モジュールと電子的に通信していてよい。クリティカルディメンションロケーション予測モデルは、第1のクリティカルディメンション測定を備えたデータブロックを用いて訓練される。深層学習ネットワークはニューラルネットワークであってよい。
【0023】
プロセッサは、クリティカルディメンションロケーション予測モデルを用いて1つ以上の合成ロケーションを決定し、その1つ以上の合成ロケーションを含む合成ロケーションリストを作成するように構成された合成データモジュールを含み得る。合成ロケーションそれぞれは合成ロケーションデータブロックを有し得る。合成ロケーションデータブロックは合成ロケーションデータを含むように構成され得る。
【0024】
プロセッサは合成ロケーションデータ収集モジュールを含み得る。合成データ収集モジュールは、(a)合成ロケーションリストから合成ロケーションのうち1つを選択して、選択された合成ロケーションを得る、(b) 選択された合成ロケーションで第2のクリティカルディメンションを測定して第2のクリティカルディメンション測定を得る、(c)選択された合成ロケーションの合成ロケーションデータブロックに含まれた合成ロケーションデータに第2のクリティカルディメンション測定を追加する、および(d)合成ロケーションリスト内の残存合成ロケーションそれぞれに関してステップ(a)~(c)を繰り返す、ように構成され得る。
【0025】
クリティカルディメンションロケーション予測モデルは、第2のクリティカルディメンション測定を備えた合成ロケーションデータブロックを用いて訓練されてよい。
【0026】
プロセッサは、序列ロケーションリストモジュールを含み得る。序列ロケーションリストモジュールは、リソグラフィーに関連する第1ロケーション集合と、デバイスのデザインに関連する第2ロケーション集合を受信するように構成され得る。第1ロケーション集合内の各ロケーションは第1の序列のクリティカリティを有する。第2ロケーション集合内の各ロケーションは第2の序列のクリティカリティを有する。第3ロケーション集合はウェハ検査ツールの結果から決定され得る。第3ロケーション集合内の各ロケーションは第3の序列のクリティカリティを有する。第1ロケーション集合、第2ロケーション集合および第3ロケーション集合を合成して1つの非序列ロケーションリストにしてもよい。非序列ロケーションリスト内の第1ロケーション集合、第2ロケーション集合および第3ロケーション集合からのロケーションは、第1の序列のクリティカリティ、第2の序列のクリティカリティおよび第3の序列のクリティカリティに基づいてソートされて、序列ロケーションリストを作成してもよい。
【0027】
一例では、プロセッサはさらに、ホットスキャンから生じた1つ以上の欠陥を受信するように構成される。1つ以上の欠陥は、デザイン類似性に基づいて1つ以上の検査グループにグルーピングされ得る。1つ以上のデザインクリップが受信され得る。デザインクリップそれぞれが1つ以上の検査グループのうち1つに対応する。クリティカリティの序列が、1つ以上のデザインクリップそれぞれに関して計算され得る。それぞれが1つ以上の検査グループのうち1つに対応する。1つ以上の検査グループは、それぞれそれらのクリティカリティの序列に基づいて序列付けされて、第3の序列のクリティカリティを備えた第3ロケーション集合を生成できる。
【0028】
本開示の性質および目的のより完全な理解のため、添付の図面と併せた以下の詳細な説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本開示の一実施形態に係る序列ロケーションデータブロックを示す図である。
【
図2】本開示の一実施形態に係るクリティカルディメンションの測定のためのクリティカルロケーションを決定するための方法のフローチャートである。
【
図3】本開示の一実施形態に係る序列ロケーションリストを決定するための方法のフローチャートである。
【
図4】本開示の一実施形態に係る検査装置ロケーション集合を決定する方法のフローチャートである。
【
図5】本開示の一実施形態に係る合成ロケーションリストを作成する方法のフローチャートである。
【
図6】本開示の一実施形態に係る合成ロケーションデータを収集する方法のフローチャートである。
【
図7】本開示に係るシステムの一実施形態のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
クレームに記載された対象を特定の実施形態について説明するが、本明細書に記載の利益と特徴を全て提供するわけではない実施形態を含めて他の実施形態も本開示の範囲内にある。本開示の範囲から逸脱せずに、種々の構造的、論理的、プロセスステップおよび電子的な変更がなされ得る。したがって、開示の範囲は、添付のクレームの範囲を参照することによってのみ定義される。
【0031】
本開示の実施形態は、クリティカルディメンション測定または検査のためのロケーションを決定する。クリティカルディメンションロケーション選択プロセスのためのインプットは、従来の知識と、種々の検査または計測ツールによって報告されたロケーションのランダムな選択に由来するものであり得る。本開示の実施形態は、変調、均一またはその他のパターン付き半導体ウェハなどの、クリティカルディメンション測定ロケーションを確認する系統的な方法を定義できる。したがって、これらの技法はプロセスウィンドウ検証(PWQ)またはプロセスモニタリングに適用可能である。
【0032】
デザインフィーチャのクリティカルディメンションに多くの因子が影響し得る。これらの因子は、ソースマスク最適化(SMO)、OPC、アシストフィーチャおよび超解像技術(RET)を含むパターニングステップを含み得る。これらの因子は、レジスト挙動、エッチ機構および化学機械平坦化(CMP)も含み得る。そのような因子は本明細書に開示の実施形態で考慮に入れられ得る。これらの技法はクリティカルディメンションにおけるばらつきを補償できる。クリティカルディメンション均一性測定は、これらの技法を促進できる技法である。
【0033】
これらの機構はデザイン密度(例えば、多角形と多角形の相互作用)の影響を受け得るため、クリティカリティ情報(例えば、デザイン複雑性)を効率よく効果的に用いて、クリティカルディメンション均一性のばらつきを提示し得るサイトを選択できる。これは、完全ダイまたはウェハにおけるばらつきをよく表すパターンのサブセットを生成し得る。これは、クリティカルディメンションの問題をもたらす見込みがなく無視されてよいパターンのサブセットも生成し得る。
【0034】
本開示の実施形態は、従来技術のみに頼るというよりは、そのロケーションでのクリティカルディメンションばらつきの潜在的影響に基づいてクリティカルディメンション測定を得るロケーションのリアルタイム選択を提供できる。本開示の実施形態は、クリティカルディメンションばらつきによって影響され得るロケーションを予測するためのデザインを考慮し、クリティカリティの序列を割り当てることができる。
【0035】
図1を参照すると、序列ロケーションリスト101は1つ以上の序列ロケーション102を含み得る。各序列ロケーション102はデータブロック103を含み得る。
図1の例では、3つの序列ロケーション102と3つのデータブロック103が示されているが、より多数または少数の序列ロケーション102またはデータブロック103が可能である。序列ロケーションリスト101は電子データストレージユニットに記憶されてよい。
【0036】
データブロック103は、座標、パターンクリティカリティ、クリティカルディメンションばらつき、デザイン、ランクおよび序列クリティカリティ(ordered criticality)のうち1つ以上などの、それぞれの序列ロケーション102に対応するデータを保持するように構成される。序列ロケーション102に関連する他のデータがデータブロック103に記憶され得る。
【0037】
図2は、クリティカルディメンションの測定のためのクリティカルサイトが決定される一実施形態を示す。最初に、ステップ201で、序列ロケーションリスト202が受信される。
図1の序列ロケーションリスト101であってよい序列ロケーションリスト202は、1つ以上の序列ロケーションのリストを含む。各序列ロケーションは、その序列ロケーションに対応するデータを保持するように構成されたデータブロックを有する。この序列ロケーションリスト202は、クリティカルディメンション測定中にウェハ上のどのロケーションが検査され得るかに関する命令として働き得る。
【0038】
検査は、序列ロケーションリストから1つの序列ロケーションを選択することによってデータを収集して、選択されたロケーションを203で得ることを含む。これらのロケーションは、半導体製造業者のパターニングまたはデバイス故障の経験に基づいて選択されてよい。例えば、リソグラフィーチーム、デバイスチームまたはウェハ検査ツール(例えば、ブロードバンドプラズマ(BBP)ツール)は、第1の序列ロケーションを203で提供してよい。第1のクリティカルディメンションが、選択されたロケーションで測定されて、例えばSEMまたは光学クリティカルディメンションツールを用いて204で第1のクリティカルディメンションを得ることができる。第1のクリティカルディメンション測定は、選択されたロケーションのデータブロックに含まれるデータに205で追加され得る。これらのステップは、序列ロケーションリスト内の残存序列ロケーションのうち一部または全部に関して206で繰り返され得る。検査サイクルを206で抜けるべきかどうかの検査は、クリティカルディメンション測定を得るために未だ用いられていない序列ロケーションが、序列ロケーションリストにあるか否かである。クリティカルディメンション測定を得るために未だ用いられていない序列ロケーションが、序列ロケーションリストにあった場合、ステップ203~205を繰り返す。別の例では、序列ロケーションのうち一部のみを用いてクリティカルディメンション測定を得る。
【0039】
序列ロケーションリストを用いて、また、拡張して、各序列ロケーションについてデータブロック内に含まれたデータを用いて、クリティカルディメンションロケーション予測モデル208を訓練できる。クリティカルディメンションロケーション予測モデル208は弾性であり得る、すなわち、追加データで再訓練または精錬できる。部分的または全体的に訓練された後で、クリティカルディメンションロケーション予測モデル208は将来の使用に備えて記憶され得る。
【0040】
一例では、クリティカルディメンションロケーション予測モデル208はニューラルネットワークまたは深層学習ネットワークであり得る。
【0041】
クリティカルディメンションロケーション予測モデル208を用いて、どのロケーションでクリティカルディメンション測定を行うかを決定できる。ロケーションは、デザインクリティカリティに基づいて選択され得るものであり、結果として、デザイン変動に基づいて、ウェハ毎に異なり得る。クリティカルディメンションロケーション予測モデル208は、検査効率を向上させるために、どこでクリティカルディメンション測定を行うかを最適化してよい。
【0042】
図3を参照して、別の実施形態では、序列ロケーションリストがクリティカルディメンション測定で使用するために決定される。この決定は、リソグラフィーに関連する第1ロケーション集合301(例えば、リソグラフィーチームからのロケーション)とデバイスのデザインに関連する第2ロケーション集合302(例えば、デバイスチームからのロケーション)を受け取って、ウェハ検査ツールから第3ロケーション集合303を決定することを含む。これら3つのロケーション集合が301、302および303で開示されているが、別の実例では1つのみ、または2つのみのロケーション集合が用いられてもよい。別の実例では、3つを超えるロケーション集合が用いられてもよい。ロケーション集合の個数は、クリティカリティが何個のゾーンに分割されているかに依存し得る。
【0043】
ロケーション集合301、302および303内のロケーションそれぞれはクリティカリティの序列を有する。このクリティカリティの序列は、デザインクリティカリティアルゴリズムを用いて決定または評価されてよい。ロケーション集合301、302および303は次にステップ304で合成されて非序列ロケーションリスト305をもたらす。非序列ロケーションリスト305はソートステップ306でソートされて序列ロケーションリスト307をもたらす。
【0044】
ソートはクリティカリティの序列によって行われ、序列ロケーションリスト307内の序列ロケーションはそれらの対応するクリティカリティの序列によってランク付けされる。こうして、ロケーション集合301、302および303は、第1の序列のクリティカリティ、第2の序列のクリティカリティおよび第3の序列のクリティカリティを用いてソートされて、序列ロケーションリストを形成する。クリティカリティは、形状に基づくグルーピング(SBG)などのアルゴリズムを、デザインに基づくグルーピングを用いるなど、デザイングルーピング(DBG)機能後にウェハ検査ツールから得たデザインファイルまたはデザインクリップに実行することによって測定され得る。
【0045】
序列ロケーションリスト307は、
図2で201で受け取った序列ロケーションリスト202であってよい。
【0046】
図4を参照した別の実施形態では、検査装置ロケーション集合が決定される。1つ以上の検査サイトのホットスキャン401が実行されて1つ以上の欠陥を得る。例えば、BBPツールを用いてホットスキャンを実行してよい。次に、欠陥は、デザイン類似性に基づいて402で1つ以上の検査グループ403にグルーピングされる。1つ以上のデザインクリップ405が得られる。次に、404で、検査グループ403は対応するデザインクリップ405と合成される。406で、検査グループ403に対応する各デザインクリップ405を用いて、検査グループ403についてのクリティカリティの序列を計算する。例えば、形状に基づくグルーピングまたはFLEXルールをデザインファイルに用いてクリティカリティを決定してもよい。次に検査グループ403は、それらのクリティカリティの序列に基づいて407で序列付けされて、検査装置ロケーション集合408を生成する。
【0047】
ホットスキャンは、画素に欠陥があるかどうかを判断するための検出閾値(例えば、ダイ・ツー・ダイグレイレベルにおける最小差)を低い値に設定するものである。したがって、そのような検出レシピは多数の「欠陥」を発見することになる。この閾値を調整して、実欠陥のみを捉えるとともにノイズまたはニューサンス欠陥などの偽検出を除外してもよい。
【0048】
検査装置ロケーション集合408は、
図3の第3ロケーション集合303であってよい。
【0049】
図5を参照した別の実施形態では、合成ロケーションリストが作成される。クリティカルディメンションロケーション予測モデル502がステップ501でインプットとして用いられて、1つ以上の合成ロケーションが決定される。これらの合成ロケーションは503で用いられて合成ロケーションリスト504を形成する。合成ロケーションリスト504は、1つ以上の合成ロケーション505を含み、それぞれがさらに、合成ロケーションデータブロック506を備えている。
【0050】
図5の例では3つの合成ロケーション505と3つの合成ロケーションデータブロック506が示されているが、より多数またはより少数の合成ロケーション505または合成ロケーションデータブロック506が可能である。合成ロケーションリスト504は電子データストレージユニットに記憶されてよい。
【0051】
合成ロケーションデータブロック506は、座標、パターンクリティカリティ、クリティカルディメンションばらつき、デザイン、ランクおよび序列クリティカリティのうち1つ以上などの、それぞれの合成ロケーション505に対応する合成ロケーションデータを保持するように構成される。序列付けした合成ロケーション505に関する他のデータは、ロケーションデータブロック506に記憶され得る。
【0052】
クリティカルディメンション均一性測定の今後のサイトを機械学習モデルが予測できるように、合成データを用いて機械学習モデルを訓練できる。
図6を参照した別の実施形態では、合成ロケーションデータは、合成ロケーションリストに基づいて検査を用いて収集される。この検査は、合成ロケーションリスト601から1つの合成ロケーションを選択することによってデータを収集して、選択された合成ロケーションを602で得ることを含む。合成ロケーションは、半導体製造業者からのインプットに基づいて選択されても、または、形状に基づくグルーピングなどの複雑性予測アルゴリズムに基づいて選択されてもよい。第2のクリティカルディメンションが、選択された合成ロケーションで測定されて、603で第2のクリティカルディメンションを得る。第2のクリティカルディメンション測定は、604で、選択された合成ロケーションの合成ロケーションデータブロックに含まれる合成ロケーションデータに追加される。605で、合成ロケーションリスト内の一部または全部の残存合成ロケーションに関して、これらのステップ602~604が繰り返される。検査サイクルを606で抜けるべきかどうかの検査は、合成寸法測定を得るために未だ用いられていない合成ロケーションが合成ロケーションリスト上にあるか否かである。合成寸法測定を得るために未だ用いられていない合成ロケーションが合成ロケーションリストにあった場合、ステップ602~604を繰り返す。別の実例では、合成ロケーションのうち一部のみを用いてクリティカルディメンション測定を得る。
【0053】
合成データは最初に半導体ウェハから由来し得る。本明細書の技法のうち1つを用いて、SEMおよびクリティカルディメンションアルゴリズムによって、クリティカルディメンションを測定するロケーションが得られ測定され得る。生成されたデータは合成データであってもよい。
【0054】
合成ロケーションリスト601は、
図5の合成ロケーションリスト504であってよい。
【0055】
一実施形態において、合成ロケーションリスト601は、合成ロケーションデータブロックのうち1つ以上に含まれる合成ロケーションデータを用いてクリティカルディメンションロケーション予測モデルを訓練するために用いられ得る。デザインはウェハ毎に異なる可能性があるため、予測は類似したデザインのウェハまたはダイに用いられてよい。しかしながら、予測は異なるウェハまたは異なるダイ上の異なるデザインにも用いられ得る。
【0056】
本開示の実施形態はいくつかの利点を提供する。従来のプロセスとデバイスの知識のみを使用することを越えて、本開示の実施形態は、ウェハ検査ツールからのフィードバックとデザインクリティカリティの序列に基づいてクリティカルディメンション測定ロケーションを提供できる。このインプットは単独で、または組み合わせて考慮され得る。クリティカリティの序列に基づく序列ロケーションリストのランキングは、クリティカリティと複雑性に基づいたロケーションのフィルタリングを可能にできる。
【0057】
図2~6に示された方法の実施形態はリアルタイムで実行され得る。これは、製造スループットへの影響を低減できる。さらに、
図2~6に示された方法は、主観的なユーザインプットへの依存を減らす。
【0058】
図7は、クリティカルディメンションを測定するためのクリティカルサイトを決定するために用いられ得るシステム実施形態のブロック図である。システム700は、プロセッサ701と、プロセッサ701と電子的に通信する電子データストレージユニット702を含む。プロセッサ701と電子データストレージユニット702は両方とも、SEMなどのクリティカルディメンション測定システム703と電子的に通信する。クリティカルディメンション測定システム703は、ウェハを保持するように構成されたステージと、電子または光学ビームを用いてウェハの表面をイメージングするイメージングシステムを含んでよい。プロセッサ701は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラまたは他のデバイスを含んでよい。クリティカルディメンション測定システム703は、プロセッサ701から命令または他の情報を受信できる。プロセッサ701および/または電子データストレージユニット702は任意選択的に、ウェハ検査ツール、ウェハ計測ツールまたはウェハレビューツール(図示せず)と電子的に通信して付加的な情報を受信するか、または命令を送信してよい。
【0059】
プロセッサ701と電子データストレージユニット702は、クリティカルディメンション測定システム703または他のデバイスの一部であってよい。一例では、プロセッサ701と電子データストレージユニット702は、スタンドアローン制御ユニットの一部であっても、または一元化された品質管理ユニット内にあってもよい。複数のプロセッサ701または電子データストレージユニット702が用いられてよい。
【0060】
プロセッサ701は、実際には、ハードウェア、ソフトウェアおよびファームウェアの任意の組み合わせによって実施されてよい。さらに、本明細書に記載のその機能は、1つのユニットによって実行されても、または異なる構成要素に分割して、次に構成要素それぞれがハードウェア、ソフトウェアおよびファームウェアの任意の組み合わせによって実施されてもよい。プロセッサ701が種々の方法および機能を実施するためのプログラムコードまたは命令は、電子データストレージユニット702内のメモリまたは他のメモリなどの可読記憶媒体に記憶されてよい。
【0061】
プロセッサ701は、プロセッサ701がアウトプットを受信し得るように、システム700の構成要素に任意の適切な方式で(例えば、有線および/または無線伝送媒体を含み得る1つ以上の伝送媒体を介して)結合されてよい。プロセッサ701は、アウトプットを用いていくつかの機能を実行するように構成されてよい。
【0062】
本明細書に記載のプロセッサ701、他のシステム(複数可)、または他のサブシステム(複数可)は、パーソナルコンピュータシステム、イメージコンピュータ、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、ネットワーク機器、インターネット機器、または他のデバイスを含む種々のシステムの一部であってよい。サブシステム(複数可)またはシステム(複数可)はさらに、パラレルプロセッサなどの当技術分野で知られる任意の適切なプロセッサを含んでよい。さらに、サブシステム(複数可)またはシステム(複数可)は、スタンドアローンまたはネットワークツールのいずれかとしての高速処理およびソフトウェアを備えたプラットフォームを含んでよい。
【0063】
システムが2つ以上のサブシステムを含む場合、異なるサブシステムは、画像、データ、情報、命令等がサブシステム間で送信され得るように互いに結合されてよい。例えば、1つのサブシステムは、当技術分野で知られる任意の適切な有線および/または無線伝送媒体を含み得る任意の適切な伝送媒体によって付加的なサブシステム(複数可)に結合されてよい。そのようなサブシステムのうち2つ以上が、共有コンピュータ可読記憶媒体(図示せず)によって有効に結合されてもよい。
【0064】
付加的な実施形態は、本明細書に開示のように欠陥検出を実行するためにプロセッサで実行可能なプログラム命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体に関する。特に、プロセッサ701は、電子データストレージユニット702内のメモリ、またはプロセッサ701で実行可能なプログラム命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体を備えたその他の電子データストレージ媒体に結合され得る。コンピュータ実装方法は、本明細書に記載の任意の方法(複数可)の任意のステップ(複数可)を含み得る。例えば、プロセッサ701は、
図2~6のいずれかのステップのうち一部または全部、または本明細書に記載の他の実施形態を実行するようにプログラムされてよい。
【0065】
プログラム命令は、とりわけ、手順ベースの技法、構成要素ベースの技法、および/またはオブジェクト指向技法を含む種々の方式のうちいずれで実装されてもよい。例えば、プログラム命令は、要望に応じて、アクティブXコントロール、C++オブジェクト、ジャバビーンズ、マイクロソフトファウンデーションクラス(MFC)、ストリーミングSIMDエクステンション(SSE)または他の技術もしくは方法を用いて実行されてよい。
【0066】
プロセッサ701はデータ収集モジュール703を含み得る。データ収集モジュールは、(a)序列ロケーションリストを受信し、(b)序列ロケーションリストから1つの序列ロケーションを選択して、選択されたロケーションを得る、(c)選択されたロケーションで第1のクリティカルディメンションを測定して第1のクリティカルディメンション測定を得る、(d)第1のクリティカルディメンション測定を、選択されたロケーションのデータブロックに含まれたデータに追加する、(e)序列ロケーションリスト内の残存序列ロケーションそれぞれに関してアクション(b)~(d)を繰り返す、ように構成され得る。序列ロケーションリスト内の各序列ロケーションは、データを格納するように構成されたデータブロックをさらに含み得る。電子データストレージユニット702はデータ収集モジュール703と電子的に通信してよい。電子データストレージユニット702は、序列ロケーションリストを記憶するように構成され得る。
【0067】
プロセッサ701はさらに、クリティカルディメンションロケーション予測モデルを含む、またはクリティカルディメンションロケーション予測モデルを使用できる深層学習ネットワーク704を含み得る。深層学習ネットワーク704はデータ収集モジュール703と電子的に通信してよい。クリティカルディメンションロケーション予測モデルは、第1のクリティカルディメンション測定を備えたデータブロックを用いて訓練され得る。深層学習ネットワーク704はニューラルネットワークであってよい。
【0068】
プロセッサ701は、深層学習ネットワーク704によって使用されるクリティカルディメンションロケーション予測モデルを用いて1つ以上の合成ロケーションを決定して、その1つ以上の合成ロケーションを含む合成ロケーションリストを作成するように構成された合成データモジュール705も含む。合成ロケーションそれぞれは合成ロケーションデータブロックを含む。合成ロケーションデータブロックは合成ロケーションデータを含むように構成される。
【0069】
プロセッサ701は、(a)合成ロケーションリストから合成ロケーションのうち1つを選択して、選択された合成ロケーションを得て、(b)選択された合成ロケーションで第2のクリティカルディメンションを測定して第2のクリティカルディメンション測定を得て、(c)選択された合成ロケーションの合成ロケーションデータブロックに含まれた合成ロケーションデータに第2のクリティカルディメンション測定を追加する、ように構成された合成ロケーションデータ収集モジュール706も含む。合成ロケーションデータ収集モジュール706は、合成ロケーションリスト内の残存合成ロケーションそれぞれに関してステップ(a)~(c)を繰り返してよい。
【0070】
深層学習ネットワーク704によって用いられるクリティカルディメンションロケーション予測モデルは、第2のクリティカルディメンション測定を備えた合成ロケーションデータブロックを用いて訓練され得る。
【0071】
プロセッサ701はさらに、序列ロケーションリストモジュール707を含み得る。序列ロケーションリストモジュール707は、リソグラフィーに関連する第1ロケーション集合と、デバイスのデザインに関連する第2ロケーション集合を受信し、ウェハ検査ツールの結果から第3ロケーション集合を決定するように構成され得る。第1ロケーション集合内の各ロケーションは第1の序列のクリティカリティを有し得る。第2ロケーション集合内の各ロケーションは第2の序列のクリティカリティを有し得る。第3ロケーション集合内の各ロケーションは第3の序列のクリティカリティを有し得る。序列ロケーションリストモジュール707は、第1ロケーション集合、第2ロケーション集合および第3ロケーション集合を合成して1つの非序列ロケーションリストにしてもよい。序列ロケーションリストモジュール707はまた、非序列ロケーションリスト内の第1ロケーション集合、第2ロケーション集合および第3ロケーション集合からのロケーションを、第1の序列のクリティカリティ、第2の序列のクリティカリティおよび第3の序列のクリティカリティに基づいてソートして、序列ロケーションリストを作成してもよい。
【0072】
プロセッサ701はさらに、ホットスキャンから生じた1つ以上の欠陥を受信し、その1つ以上の欠陥をデザイン類似性に基づいて1つ以上の検査グループにグルーピングし、それぞれが1つ以上の検査グループのうち1つに対応する1つ以上のデザインクリップを受信し、それぞれが1つ以上の検査グループのうち1つに対応する1つ以上のデザインクリップそれぞれに関してクリティカリティの序列を計算し、1つ以上の検査グループを、それらのそれぞれのクリティカリティの序列に基づいて序列付けして、第3の序列のクリティカリティを備えた第3ロケーション集合を生成するように構成され得る。BBPツールを用いて、ホットスキャンを用いた欠陥を生成してもよい。
【0073】
プロセッサ701の一部として説明されているが、データ収集モジュール703、深層学習ネットワーク704、合成データモジュール705、合成ロケーションデータ収集モジュール706および/または序列ロケーションリストモジュール707はプロセッサ701とは別個であり得る。例えば、これらのモジュールのうち1つ以上はスタンドアローンシステムであってよいか、または異なるプロセッサの一部であり得る。
【0074】
本開示はニューラルネットワークを深層学習ネットワーク704として用いるために実現されてよい。一部の実施形態では、ニューラルネットワークは生成モデルである。生成モデルは一般に、本質的に確率的なモデルとして定義され得る。言い換えると、生成モデルは、フォワードシミュレーションまたはルールべースのアプローチを実行するものではない。代わりに、生成モデルは、データの適切な訓練集合に基づいて学習され得る(そのパラメータが学習され得るという意味で)。
【0075】
一実施形態において、ニューラルネットワークは深層生成モデルとして構成される。例えば、モデルは、いくつかのアルゴリズムまたは変換を実行する複数の層をモデルが含み得るという意味において深層学習アーキテクチャを有するように構成されてよい。モデルの片側または両側の層の数は多様であってよい。例えば、生成モデルのエンコーダ側の層の数はユースケースに依存する。さらに、デコーダ側の層の数はユースケースに依存するとともに、エンコーダ側の層の数に依存し得る。一般的に、生成モデルの片側または両側の層の数は重要ではなく、ユースケースに依存する。実用目的から、両側の層の適切な範囲は二層から数十層である。
【0076】
別の実施形態では、ニューラルネットワークは、訓練するために供給されたデータに従って世界をモデル化する一組の重みを備えた深層学習ニューラルネットワークであってよい。ニューラルネットワークは一般に、軸策によって接続された生体ニューロンの比較的大きなクラスターで生体脳が問題を解決する様を大まかにモデル化する神経ユニットの比較的大きな集合に基づく計算的アプローチとして定義され得る。各神経ユニットは他の多くの神経ユニットと接続され、リンクが、接続された神経ユニットの起動状態へのそれらの効果を実施または阻害し得る。これらのシステムは、明示的にプログラムされているというよりは自己学習され訓練されるものであり、伝統的なコンピュータプログラムではソリューションまたはフィーチャ検出が表現し難い領域において卓越し得る。深層学習は、深層アーキテクチャとして一般に知られる、複数の神経層を備えた確率的グラフモデルである。深層学習技術は、画像、文字、音声などの情報またはその他のインプットを階層的な方式で処理する。本開示で深層学習を用いるにあたり、フィーチャ抽出は、データからの学習を用いて自動的に達成される。これは、画像の集合に関する専門家の理解に基づいてフィーチャを抽出する従来のアプローチよりも有利である。本開示において、固定パラメータの予測近最適値は、クリティカルパラメータの基準値を与えられてニューラルネットワークによって予測される。
【0077】
ニューラルネットワークは典型的に複数の層からなり、信号経路は前から後ろに伝播する。ニューラルネットワークの目的は、人の脳が解決するのと同じ方式で問題を解決することであるが、いくつかのニューラルネットワークはより一層抽象的である。ニューラルネットワークのプロジェクトは典型的に、数千から数百万の神経ユニットおよび何百万もの接続を取り扱う。ニューラルネットワークは、当技術分野で知られる任意の適切なアーキテクチャおよび/または構成を有してよい。
【0078】
深層アーキテクチャを備えたニューラルネットワークには、確率仕様に応じて、また、限定はしないが、ディープビリーフネットワーク(DBN)、制限ボルツマンマシン(RBM)、オートエンコーダ、または畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を含むネットワークアーキテクチャに応じて多くのバリエーションがある。実際の実装は、入手可能な情報、提供される情報のサイズおよび問題の性質に応じて変動し得る。
【0079】
本明細書に記載のような方法を実施するプログラム命令は、電子データストレージユニット702または他の記憶媒体などのコンピュータ可読媒体に記憶されてもよい。コンピュータ可読媒体は、磁気もしくは光学ディスク、磁気テ-プまたは当技術分野で知られる任意の他の適切な非一時的コンピュータ可読媒体などの記憶媒体であってよい。例えば、電子データストレージユニット702内のメモリまたはその他の電子データストレージ媒体は、磁気もしくは光学ディスク、磁気テ-プなどの記憶媒体、または当技術分野で知られる任意の他の適切な非一時的コンピュータ可読媒体であってよい。特に、電子データストレージユニット702は、永続性記憶装置、ランダムアクセスメモリ、またはスプリットデータベースを含み得る。
【0080】
一例では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、1つ以上のコンピューティングデバイスでステップを実行するための1つ以上のプログラムを含む。非一時的コンピュータ可読記憶媒体でのステップは、クリティカルディメンションの測定のためのクリティカルロケーションを決定することを含み得る。非一時的コンピュータ可読記憶媒体でのステップは
図2~6の、または本明細書に開示の他の実施形態のいくつかのステップのうち一部または全部も含み得る。
【0081】
用語「クリティカルディメンション」は、構造の任意のクリティカルディメンションを含み得る(例えば、底部クリティカルディメンション、中間クリティカルディメンション、頂部クリティカルディメンション、側壁角、格子高さ等)、任意の2つ以上の構造間のクリティカルディメンション(例えば、2つの構造間の距離)、または2つ以上の構造間の変位(例えば、重ね合わせた格子構造のオーバーレイ変位等)。構造は、三次元構造、パターン付き構造、オーバーレイ構造等を含み得る。
【0082】
方法のステップそれぞれは本明細書に記載のように実行されてよい。方法は、本明細書に記載のプロセッサおよび/またはコンピュータサブシステム(複数可)もしくはシステム(複数可)によって実行され得る任意の他のステップ(複数可)も含んでよい。ステップは、本明細書に記載の実施形態のいずれかに従って構成され得る1つ以上のコンピュータシステムによって実行され得る。さらに、上記の方法は、本明細書に記載のシステム実施形態のいずれによって実行されてもよい。
【0083】
本開示を、1つ以上の特定の実施形態に関して説明してきたが、本開示の範囲から逸脱せずに本開示の他の実施形態もなされ得ることが理解されよう。したがって、本開示は添付の特許請求の範囲の合理的な解釈によってのみ限定されると見なされる。