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特許7239596eスポーツイベントでのスケーリングされたVRエンゲージメント及びビュー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-06
(45)【発行日】2023-03-14
(54)【発明の名称】eスポーツイベントでのスケーリングされたVRエンゲージメント及びビュー
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/86 20140101AFI20230307BHJP
   A63F 13/52 20140101ALI20230307BHJP
   A63F 13/30 20140101ALI20230307BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20230307BHJP
   H04N 21/234 20110101ALI20230307BHJP
   H04N 21/235 20110101ALI20230307BHJP
   H04N 21/258 20110101ALI20230307BHJP
【FI】
A63F13/86
A63F13/52
A63F13/30
G06Q50/10
H04N21/234
H04N21/235
H04N21/258
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020545245
(86)(22)【出願日】2019-02-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-07-01
(86)【国際出願番号】 US2019016694
(87)【国際公開番号】W WO2019168637
(87)【国際公開日】2019-09-06
【審査請求日】2021-09-03
(31)【優先権主張番号】15/908,704
(32)【優先日】2018-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518187455
【氏名又は名称】ソニー・インタラクティブエンタテインメント エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】トロベッタ、スティーヴン
(72)【発明者】
【氏名】シールバー、クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】フェアバーン、ジェームズ
【審査官】池田 剛志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0001111(US,A1)
【文献】特表2016-526957(JP,A)
【文献】特開2015-016104(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0117635(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
G06Q 50/10
H04N 21/00-21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライブの電子スポーツ(eスポーツ)イベントのスケーリングされたエンゲージメント及びビューを提供する方法であって、
1つまたは複数のゲーム内要素を含む情報をライブeスポーツイベントから収集することと、
前記収集した情報に基づいて前記ライブeスポーツイベント内のプレイヤに関する統計を生成することと、
前記ライブeスポーツイベントからの前記収集された情報を使用して、ゲーム内カメラの視野からの前記ライブeスポーツイベントを提示する表示を生成することであって、前記生成された表示は、前記生成された統計に関連付けられる、前記生成することと、
前記生成された表示を、前記生成された統計を使用して、リモート視聴者に合わせて修正することであって、前記生成された表示を修正することは、拡張現実環境内に前記ライブeスポーツイベントの表示を実施することと、前記リモート視聴者のプリファレンスに従って、前記ゲーム内要素の少なくとも1つを追うように前記ゲーム内カメラの視野を調節することを含む、前記修正することと、
前記修正された表示を前記リモート視聴者のユーザデバイスに配信することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記ライブeスポーツイベントから前記収集された情報は、前記ライブeスポーツイベント内の前記プレイヤによって使用されるイベント固有のコンピューティングデバイスからのゲーム関連情報を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ライブeスポーツイベントから前記収集された情報は、聴衆及び前記ライブeスポーツイベントに対する前記聴衆の反応に関する情報を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記生成された表示を修正することは、広告を組み込むことをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記生成された表示を修正することは、前記リモート視聴者に関連付けられたユーザプロファイルにさらに基づき、前記ユーザプロファイルは、前記リモート視聴者にとって関心のある前記生成された統計に関連するものとして前記プリファレンスを識別する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ユーザプロファイルは、前記リモート視聴者にとって関心のある広告の種類に関連する追加プリファレンスをさらに識別する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記生成された表示を修正することは、前記ライブeスポーツイベントの複数の異なる視野を提供することをさらに含み、前記異なる視野は、前記収集された情報に関連付けられた前記ライブeスポーツイベントの異なるカメラアングルに基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記リモート視聴者は、他の視聴者とのインタラクションを選択し得る機能を提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記リモート視聴者は、他の視聴者からの音声を提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ライブ電子スポーツ(eスポーツ)イベントのスケーリングされたエンゲージメント及びビューを提供するシステムであって、
1つまたは複数のゲーム内要素を含む情報をライブeスポーツイベントから収集するイベントサーバであって、前記情報は、プレイヤの入力と、ビデオゲーム情報とを含む、前記イベントサーバと、
ゲームサーバであって、
前記収集された情報に基づいて前記ライブeスポーツイベント内のプレイヤに関する統計を生成すること、
前記ライブeスポーツイベントから前記収集された情報を使用して、ゲーム内カメラの視野から前記ライブeスポーツイベントを提示する表示を生成することであって、前記生成された表示は、前記生成された統計と関連付けられる、前記生成すること、
前記生成された表示を前記生成された統計を使用してリモート視聴者に合わせて修正することであって、
前記生成された表示を修正することは、拡張現実環境内に前記ライブeスポーツイベントの表示を実施することと、前記リモート視聴者のプリファレンスに従って、前記ゲーム内要素の少なくとも1つを追うように前記ゲーム内カメラの視野を調整することとを含む、前記修正すること、及び、
前記修正された表示を前記リモート視聴者のユーザデバイスに配信すること、
を行う前記ゲームサーバと、
を含む、システム。
【請求項11】
前記ライブeスポーツイベントから前記収集された情報は、前記ライブeスポーツイベント内の前記プレイヤによって使用されるイベント固有のコンピューティングデバイスからのゲーム関連情報を含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記ライブeスポーツイベントから前記収集された情報は、聴衆と前記ライブeスポーツイベントに対する前記聴衆の反応とに関する情報を含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記生成された表示を修正することは、広告を組み込むことをさらに含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
前記生成された表示を修正することは、前記リモート視聴者に関連付けられたユーザプロファイルにさらに基づき、前記ユーザプロファイルは、前記リモート視聴者にとって関心のある前記生成された統計に関連するものとして前記プリファレンスを識別する、請求項10に記載のシステム。
【請求項15】
前記ユーザプロファイルは、前記リモート視聴者にとって関心のある広告の種類に関連する追加プリファレンスをさらに識別する、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記生成された表示を修正することは、前記ライブeスポーツイベントの複数の異なる視野を提供することをさらに含み、前記異なる視野は、前記収集された情報に関連付けられた前記ライブeスポーツイベントの異なるカメラアングルに基づく、請求項10に記載のシステム。
【請求項17】
前記リモート視聴者は、他の視聴者とのインタラクションを選択し得る機能を提供される、請求項10に記載のシステム。
【請求項18】
前記リモート視聴者は、他の視聴者からの音声を提供される、請求項10に記載のシステム。
【請求項19】
プログラムを具現化した非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記プログラムは、プロセッサによって実行可能で、ライブ電子スポーツ(eスポーツ)イベントのスケーリングされたエンゲージメント及びビューを提供する方法を実行し、前記方法は、
1つまたは複数のゲーム内要素を含む情報をライブeスポーツイベントから収集することと、
前記収集した情報に基づいて前記ライブeスポーツイベント内のプレイヤに関する統計を生成することと、
前記ライブeスポーツイベントから前記収集された情報を使用して、ゲーム内カメラの視野から前記ライブeスポーツイベントを提示する表示を生成することであって、前記生成された表示は、前記生成された統計に関連付けられる、前記生成することと、
前記生成された表示を、前記生成された統計を使用して、リモート視聴者に合わせて修正することであって、
前記生成された表示を修正することは、拡張現実環境内に前記ライブeスポーツイベントの表示を実施することと、前記リモート視聴者のプリファレンスに従って、前記ゲーム内要素の少なくとも1つを追うように前記ゲーム内カメラの視野を調整することとを含む、前記修正することと、
前記修正された表示を前記リモート視聴者のユーザデバイスに配信することと、
を含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、電子スポーツ(eスポーツ)に関する。より具体的には、本発明は、eスポーツイベントにおけるスケーリングされた仮想現実(VR)エンゲージメント及びビューに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に電子スポーツまたは「eスポーツ」と呼ばれる競技ゲームには、競技環境でのビデオゲームのプレイが含まれる。ビデオゲーム競技は、ビデオゲーム自体と同じくらい長く存在している。初期の競技は、特定のゲームに集中したプレイヤ間のトーナメントスタイルの試合として設定され、多くの場合、新製品のリリースに結び付けられていた。最終的には、競技リーグと絶え間ないトーナメントにより、eスポーツコミュニティに構造を提供するように発展した。今では、プレイヤは、物理的な場所で開催される無数のプロ及びアマチュア競技、またはオンラインで行われる仮想競技で戦う選択肢を有する。メジャーリーグゲーム(MLG)やグローバルスタークラフト(登録商標)リーグなどのリーグやコンテンツプロバイダは、競技の機会を提供し、競技ゲームに関する情報を見つける機会を提供する。最近まで、競技ゲームへの参加は、徐々に着実なペースで成長してきた。しかし、現在、競技ゲームに対する参加と関心が急速に拡大している。
【0003】
ビデオゲーム競技は、一般に、様々な異なる編成のマルチプレイヤビデオゲーム競技にプロのプレイヤが参加する。一般的なeスポーツビデオゲームのジャンルには、リアルタイム戦略(例えば、スタークラフト2、ウォークラフト3)、格闘(例えば、スマッシュブラザーズ、ストリートファイター)、一人称シューティングゲーム(例えば、カウンターストライク、オーバーウォッチ)、及び、マルチプレイヤオンラインバトルアリーナ(例えば、リーグオブレジェンド、嵐の英雄)が含まれる。
【0004】
競技者に賞金を出し、世界中の視聴者向けに(例えば、ライブブロードキャストやストリームを介して)ビデオゲーム競技を配信するeスポーツの既存のトーナメントが数多くある。2013年には、世界中で7150万人が何らかの形のeスポーツ競技を見たと推定されている。個々のイベントには、100万人を超える固有の視聴者がいる可能性がある。
【0005】
現在、eスポーツ競技の宣伝とeスポーツ競技に関連付けられたストリームの収益化とを可能にする既存のオンラインストリーミングメディアプラットフォームの数は限られている。ますます人気が高まっているeスポーツにゲーム会社がより集中しようとする方に動いているが、eスポーツ競技を視聴する視聴者に(例えば、ブロードキャストを介して)配信する現在の方法では、視聴者のエンゲージメントを高めるカスタマイズ可能な機能は多くない。一般に、eスポーツ競技ストリームで様々な視聴者に提供される配信情報は、ライブeスポーツ競技に参加する視聴者が入手できる体験や情報と比較すると、はるかに少ない。eスポーツ競技をリモートで視聴するユーザに、より良いエンゲージメントと収益化機能を提供するために、(例えば、ブロードキャストまたはストリームを介した)eスポーツ競技情報の配信により多くのカスタマイズを提供する必要がある。
【0006】
さらに、仮想現実(及び拡張現実)の改善と可用性と共に、eスポーツイベントのより没入型のユーザ視聴体験を提供する手段として、これらの媒体を実装する必要もある。
【発明の概要】
【0007】
本発明の実施形態は、ライブ電子スポーツ(eスポーツ)イベントのスケーリングされたエンゲージメント及びビューを提供する方法を含む。この方法では、最初にライブeスポーツイベントから情報を収集する。収集された情報は、次に、ライブeスポーツイベント内のプレイヤに関する詳細な統計を生成するために処理される。収集された情報を使用して、ライブeスポーツイベントに関するeスポーツイベント表示が生成される。eスポーツイベント表示は、次に、生成された詳細な統計を使用して修正される。次に、修正されたeスポーツイベント表示は、リモート視聴者による(例えば、ライブブロードキャストまたはストリームを介した)視聴のために配信される。修正されたeスポーツイベント表示は、そのリモート視聴者に固有である。
【0008】
本発明の実施形態はまた、ライブ電子スポーツ(eスポーツ)イベントのスケーリングされたエンゲージメント及びビューを提供するためのシステムを含む。システムには、ライブeスポーツイベントから情報を収集するイベントサーバが含まれる。収集されたeスポーツイベント情報を処理するために使用されるゲームサーバも含まれる。収集された情報を使用して、ゲームサーバはまた、eスポーツイベント表示を生成し、処理された情報を使用して表示を修正する。修正されたeスポーツイベント表示は、リモート視聴者のそれぞれのユーザデバイスに配信される。システムはまた、eスポーツイベント表示を生成及び修正するために有用な情報を記憶するために使用される複数のデータベースを含む。
【0009】
本発明の実施形態は、プログラムを具現化した非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を含み、プログラムは、プロセッサによって実行可能で、ライブ電子スポーツ(eスポーツ)イベントのスケーリングされたエンゲージメント及びビューを提供する方法を実行する。この方法では、最初にライブeスポーツイベントから情報を収集する。収集された情報は、次に、ライブeスポーツイベント内のプレイヤに関する詳細な統計を生成するために処理される。収集された情報を使用して、ライブeスポーツイベントに関するeスポーツイベント表示が生成される。eスポーツイベント表示は、次に、生成された詳細な統計を使用して修正される。次に、修正されたeスポーツイベント表示は、リモート視聴者による視聴のために配信される。修正されたeスポーツイベント表示は、そのリモート視聴者に固有のものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】eスポーツイベントでのスケーリングされたエンゲージメント及びビューのためのシステムである。
【0011】
図2図1のシステムの文脈で使用されるユーザデバイスである。
【0012】
図3図1のゲームネットワークである。
【0013】
図4】スケーリングされたエンゲージメント及びビューをリモート視聴者に提供する方法である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示は、eスポーツイベントのスケーリングされたエンゲージメント及びビューを提供するために行われる方法及びシステムを記載する。全てのリモート視聴者にライブeスポーツイベントの情報を同じように配信する(例えば、ライブブロードキャストやストリーム)の代わりに、eスポーツゲームネットワークに関連付けられた機能を使用して、没入型の視聴者体験を促進するようにeスポーツイベントのビデオ配信をカスタマイズできる。さらに、一般的なビデオ配信をカスタマイズすることもできる。これらの機能は、eスポーツイベントの追加情報、異なるビュー、及び、様々な異なる解説者を提供できるため、特定のeスポーツイベントを視聴するときに視聴者をより没頭させることができる。リモート視聴者からのエンゲージメントの増加に伴い、eスポーツ配信は、広告を実装して収益化のためにさらに修正することもできる。
【0015】
没入感の強化は、仮想現実または拡張現実の設定でeスポーツイベントを視聴する際に、より多くのカスタマイズを実施することによっても実行できる。仮想現実または拡張現実の実施形態は、eスポーツイベントのシミュレーションを可能にし、より没入感のあるビューを視聴者に提供する機能を含み得る。例えば、視聴者はeスポーツイベントが開催されている場所から実際にイベントを見ているかのように、視聴体験(例えば、特定の座席からeスポーツイベントを見る視点、群衆の騒音、及びインタラクションを伴う)を提供されてよい。仮想現実または拡張現実を使用して、視聴者がビデオゲーム内にいるかのように、視聴者の視野をレンダリングすることもできる。
【0016】
本明細書で言及される場合、eスポーツイベントは、多数の異なるビデオゲーム競技者が関与する競技である。競技に使用されるビデオゲームは、広範なジャンル及びタイトルにわたってよい。人々は、指定されたアリーナまたはスタジアムで他の一般的なスポーツ(例えば、フットボール、バスケットボール)と同じように、ライブeスポーツイベントに出席して、観戦することができる。人々はまた、これらのライブeスポーツイベントを、eスポーツイベントストリームを介した各コンピューティングデバイス120への配信によってリモートで視聴できる。スポーツイベント(例えば、フットボール)が、リモート視聴者に配信され、追加の解説、統計、及び説明を用いて、ユーザに没入体験を提供することができるのと同じように、本出願は、ライブeスポーツイベントの配信の分野にこれらの同じ機能を組み込み、自動化することを目的とする。
【0017】
図1は、eスポーツイベントにおけるスケーリングされたエンゲージメント及びビューのためのシステム100である。スケーリングされたエンゲージメント及びビューは、VR及び非VR機能を介して実施できる。システム100はまた、様々なリモート視聴者の各ユーザコンピューティングデバイス120上で、eスポーツイベントの収益化も促進し得る。
【0018】
概要として、システム100は、ライブeスポーツイベント110からeスポーツイベントデータを各リモートユーザのコンピューティングデバイス120上で様々なリモートユーザに配信する。配信は、リモート視聴者がそれぞれのコンピューティングデバイス120上で視聴し得る、例えば、ライブブロードキャストストリームを含んでよい。ライブeスポーツイベント110からのeスポーツイベントデータは、イベントサーバ130で収集され、処理される。次に、ライブeスポーツイベント110からのeスポーツイベントデータは、eスポーツイベントデータに対する修正を行うゲームサーバ140に送信される。以下でさらに詳細に説明するが、ゲームサーバ140でのeスポーツイベントデータの修正は、eスポーツイベントデータ内の主要イベントを強調する統計及び説明の組み込みを含んでよい。さらに、ゲームサーバ140はまた、異なる視点(例えば、異なるプレイヤの視野、ビデオゲーム内の異なる視野)の選択を介してeスポーツイベントデータの視聴者の視野を変更し、ライブイベントデータに解説者を追加し、ライブeスポーツイベントに出席する群集に関連する音声(例えば、歓声、やじ、インタラクション)を追加し、且つ、収益化機能(例えば、広告データベース180からの広告)を実装することができる。
【0019】
ゲームサーバ140によって任意の数の修正が行われた後、eスポーツイベントデータは、次に、パブリックネットワーク150に提供されてよく、ユーザは、自分のコンピューティングデバイス120でeスポーツイベントデータを受信及び視聴できる。例示的なコンピューティングデバイス120は、ラップトップ、デスクトップ、モバイルデバイス及びタブレットを含んでよい。eスポーツデータの視聴は、VRまたは非VR環境で行うことができる。ユーザは、コンピューティングデバイス120にインストールされた様々なソフトウェアアプリケーションを使用することにより、eスポーツイベントデータを自身のコンピューティングデバイス120に直接ダウンロード可能であってよい。他の状況では、Webベースのアプリケーションまたはストリーミングサービスが、eスポーツイベントデータへのユーザアクセスと視聴とを提供する場合がある。ユーザは、次にeスポーツイベントデータを、ゲームサーバ140によって追加された統計、解説者、群衆のインタラクション、及び、広告などの全ての修正を含むビデオストリームとして視聴し得る。
【0020】
上記のように、eスポーツイベントデータは、さらにユーザを没入させるためのeスポーツイベントデータを表示する別の方法として、仮想現実(VR)または拡張現実(AR)を使用して実装されてコンピューティングデバイス120に提供されてよい。例えば、VRまたはARの実装によって、ユーザの視点がビデオ競技に参加している人と同じであるか、ビデオ競技のビデオゲーム内のキャラクタと同じであるかのように、ユーザの視野を提供できる。VRまたはARはまた、ビデオゲームのユーザの視点を修正したり、追加データ(例えば、統計、ハイライト)を追加してeスポーツイベントデータの諸側面を強調する様々な方法を提供するなど、eスポーツイベントデータの表示の修正を可能にし得る。VRまたはARを使用して、視聴者がライブeスポーツイベントに出席しているかのような視聴体験をシミュレーションすることもできる。例えば、視聴者は、チケット購入に基づいてビューを割り当てられ、他の参加者の音声(例えば、歓声、やじ)を提供され、他の参加者とのインタラクションを可能にする機能(例えば、チャット)を提供されてよい。システム100の機能に関するさらなる詳細及び各機能を使用して、eスポーツイベントのスケーリングされたエンゲージメント及びビューを実行する方法を以下に記載する。
【0021】
イベントサーバ130は、ライブeスポーツイベント110からeスポーツデータを取得する。ライブeスポーツイベント110は、eスポーツ専用のアリーナまたはスタジアムなどの所定の場所で開催されるビデオゲーム競技であってよい。ライブeスポーツイベント110から取得されたライブeスポーツイベントデータは、ライブeスポーツイベント110に参加している各ビデオゲーム競技者に関連付けられたゲームプレイ情報を含み得る。
【0022】
例として、ライブeスポーツイベント110が、10人の異なるプレイヤ間の一人称シューティングゲーム(例えば、5人対5人の試合)である場合、ライブeスポーツイベントデータは、これらの10人のプレイヤのそれぞれに関連付けられた試合中のゲームプレイデータである。ライブeスポーツイベント110から取得されるゲームプレイデータは、所与の時点でのビデオゲーム内の各プレイヤの視点やゲーム状態など、ビデオゲームに関する各プレイヤの個々のインタラクションに関連付けられたビデオゲームプレイ情報を含み得る。ゲームプレイデータは、異なるプレイヤの入力(例えば、キーボードやマウスの入力)と各競技者が試合中に行うチームメイト間の通信(例えば、音声とテキストチャット)も含み得る。
【0023】
イベントサーバ130は、各プレイヤのゲームプレイデータを取得するプロセスにおいて、試合中に各プレイヤのビデオ記録を取得することもできる。ビデオ記録は、ビデオゲームの試合が行われているときの各プレイヤの画面の記録であってよい。ビデオ記録はまた、ビデオゲームに関連付けられた機能(例えば、観客のカメラの視野)を使用するビデオゲームの試合のゲーム内の視野であってもよい。このビデオデータは、ゲームサーバ140に提供され、ユーザのコンピューティングデバイス120上でユーザに送信されるライブeスポーツイベントの配信に使用されてよい(または、ゲームサーバ140からのレンダリングされたゲームプレイビデオを補足するために使用されてよい)。
【0024】
イベントサーバ130はまた、eスポーツイベント110中にプレイされているビデオゲームに関連する情報を取得可能であってよい。例えば、マイクロホン、カメラ及び/またはセンサは、ライブeスポーツイベント110に出席している聴衆に関する情報をキャプチャするために使用されてよい。さらに、オンサイト解説者に関連する音声及びビデオはいずれも、イベントサーバ130によってキャプチャすることができる。
【0025】
イベントサーバ130は、ライブeスポーツイベントデータから取得された情報をイベントデータベース170に記憶することができる。イベントデータベース170は、ビデオデータと、イベントサーバ130から検索された任意のゲームプレイ情報とを記憶するために使用されてよい。イベントデータベース170内に記憶された情報は、必要に応じて、例えば、任意のeスポーツイベントストリームで使用する特定のプレイヤの過去のパフォーマンスに関する統計を生成するために、ゲームサーバ140によってアクセスできる。
【0026】
ゲームサーバ140は、ユーザのコンピューティングデバイス120上でユーザに配信されるeスポーツイベントデータを生成する。eスポーツイベントデータの配信は、一般に、ライブeスポーツイベント110のビデオ記録を、ライブeスポーツイベントを視聴しているときにユーザを没入させることを目的とした追加情報及び解説とともに、含んでよい。ビデオ記録は、イベントサーバ130を介してeスポーツイベント110から直接取得されてよい。ゲームサーバ140が、イベントサーバ130からの抽出ゲームプレイデータのみを使用してビデオゲームのゲーム状態を再レンダリングすることも可能であってよい。この状況では、ゲームサーバ140は、eスポーツイベント110に関連付けられたビデオゲームに関連するビデオゲームアセットを記憶している場合がある。抽出されたゲームプレイデータ及び記憶されたビデオゲームアセットを使用することにより、ゲームサーバ140は、ゲームサーバ140を介して直接記録されたかのように、ビデオゲームのビデオの再現が可能であってよい。
【0027】
ゲームサーバ140は、次に、イベントサーバ130から来るライブeスポーツイベントデータを使用して、視聴者がコンピューティングデバイス120上で視聴するeスポーツデータストリームの関連情報を抽出することができる。ゲームサーバ140によって取得される抽出された情報の種類は、視聴者が興味を持ちそうな情報であってよい。
【0028】
ビデオゲームは、ゲームサーバ140が視聴者の消費のために抽出及び処理することができる情報の一部を提供することが可能であり得るが、ゲームサーバ140は、ビデオゲームが通常は追跡/監視しない追加情報を提供することもできてよい。例えば、ゲームサーバ140は、試合の進行中のゲーム状態及び各プレイヤの入力を分析することにより、特定の試合に関連するそれぞれの個々の統計を抽出することができてよい。(殺害、死亡及び精度など、一人称シューティングゲームに適用される)情報は一般的にビデオゲームから入手できる情報であってよい。しかしながら、ゲームサーバ140は、発砲に対する各プレイヤの反応時間及びニアミスの数などのゲームプレイデータからのさらに細かい情報を提供することができる。
【0029】
細かい情報は、ゲームサーバ140が関連するゲームプレイ情報を集約し、その情報を処理して所望の統計を取得することを可能にするカスタマイズ可能な命令を使用することにより、ゲームサーバ140によって取得可能である。発砲に対する例示的な反応時間について、ゲームサーバ140は、ゲームプレイデータを集約し、照準レチクル内のプレイヤによってターゲットが発見されたときの状況と、ターゲットが発見されたときに発砲されるタイミングとを追跡するようにプログラムされてよい。ニアミスに関しては、ゲーム状態情報を集約及び処理して、発砲がターゲットに関連していた、ターゲットをミスしたすべてのショットを識別できる。
【0030】
ゲームサーバ140がeスポーツイベントデータから取得できる情報を用いて、そのような情報をユーザのコンピューティングデバイス120上でユーザに配信されるライブeスポーツイベントデータ(例えば、ライブeスポーツイベントのビデオ記録)に関連付けることができるように、メタデータが生成される。eスポーツイベントのビデオ記録(以下で説明)は、メタデータを使用して、ビデオの特定のタイムフレームに関連付けるべき情報を関連付ける。例えば、ストリームの特定の部分で、プレイヤの現在のパフォーマンスに関する情報を、ゲーム内のそのプレイヤのアバタの近くに吹き出しとして追加できる。メタデータは、どの情報がそこに行くかに関するインジケータとして使用される。
【0031】
さらに、ゲームサーバ140は、任意の時点でのビデオゲームの合成された要約であるマップをコンパイルするために、プレイヤの各ゲームプレイデータからの情報を集約することができる。例えば、一人称シューティングゲームは通常、両方のチームの各プレイヤの全ての位置を含む包括的なマップを生成しない場合がある。通常、ゲーム内マップには、1つのチームの視野からの情報が含まれる。他のチームは(例えば、「戦争の霧」タイプの効果によって)覆い隠される場合がある。しかしながら、ゲームサーバ140は、両方のチームからのゲーム状態情報を使用して、マップの完全な遮るもののないビューを提供することができ、その結果、視聴者はビデオゲーム内で生じていることをいつでも完全に理解し得る。この機能は、システム100が必要に応じて(例えば、特定のプレイヤのまたはチームの視野を提供するために)イベントのユーザビジョンを制限する能力を妨げない。
【0032】
ゲームサーバ140は、イベントの異なる視点を提供することもできる。イベントサーバ130は、異なるプレイヤからの視点を含むライブeスポーツイベントからあらゆる種類の情報を収集する。さらに、ビデオゲームは、ゲーム内の環境の異なる視点を提供する能力を有してよく、この機能を用いて、ゲームサーバ140は、ユーザが自分のコンピューティングデバイス120で視聴できる視点を同様に変更することができる。
【0033】
さらなる実施形態では、ゲームサーバ140は、異なる視点がビデオゲーム内で利用できない場合に異なる視点を再構築するために、異なるプレイヤからのライブeスポーツイベントから収集された情報を使用することができる。これは、イベントサーバ130から収集された情報と、ゲームサーバ140が利用できる記憶されたゲームアセットとを使用することによって行われてよい。ゲームサーバ140は、所与の時点のビデオゲームの状態を再レンダリングし、次に、所望の焦点に基づいて特定の部分の再レンダリングに焦点を合わせることが可能であってよい。これにより、ゲームサーバ140は、個々の参加者が部分的な情報しか知らない状況で利用できる全ての情報を使用して、ビデオゲームの異なる(そして、おそらくは包括的な)ビューを提供できる(例えば、「戦争の霧」効果を排除する)。
【0034】
ゲームサーバ140はまた、ライブeスポーツイベントデータの配信内に広告を組み込んで、収益化を促進することができる。広告は、専用の広告データベース180に記憶されてよい。必要に応じて、ゲームサーバ140は、ライブeスポーツイベントデータの配信に実装する適切な広告(複数可)について広告データベース180にクエリできる。どの広告が選択されるかは、いくつかの異なる要因に基づいてよい。例えば、ユーザプロファイルを使用して、特定のユーザが視聴に興味を示す可能性がある広告の種類を選択してよい。特定の開発者またはトーナメント主催者は、ライブeスポーツイベントデータの配信に組み込むべき広告のセットを示す場合もある。広告自体は、ユーザの種類を示唆する情報及び/または広告が組み込まれてよいストリームを含んでよい。例えば、特定のジャンルまたは特定のビデオゲームが配信される場合、特定の広告が組み込まれてよい。広告を組み込むことにより、リモート視聴者のコンピューティングデバイス120上の多くの潜在的なリモート視聴者に対して、ライブeスポーツイベントの収益化が可能になる。
【0035】
イベントサーバ130から(例えば、ライブeスポーツイベント110の解説者から)取得された情報を使用して、ライブeスポーツイベントデータの配信に解説を追加することもできる。他の状況では、1人または複数のユーザは、自身のコンピューティングデバイス120上で、解説する役割を引き受けることができてよい。解説の役割を引き受けるユーザは、(誰が解説でき、誰がその解説をライブeスポーツイベントデータと共にリモート視聴者に提供できるかを制御するように)事前に検証及び認証が必要であってよいが、様々な異なる解説者が、同じライブeスポーツイベント110を解説することを可能にする。
【0036】
認証及び検証されると、これらのユーザは、自分の解説に対応するようにライブeスポーツイベントデータの配信を修正するために、ゲームサーバ140とインタラクトする固有のユーザインタフェースを提供されてよい。例えば、解説者は、配信されているeスポーツイベントのゲームデータの視点や、表示される追加情報を制御することができてよい。このような機能は、解説の有効性を促進し、解説者がライブeスポーツイベントデータの配信内のイベントに集中し、解説している内容に関連する対応する詳細を提供できるようにする。各ユーザには好ましい解説者がいる場合があるので、サードパーティとユーザが自分のコメントをシステム100に導入することを可能にする能力は、eスポーツイベントのビューにも有益であり得る。
【0037】
パブリックネットワーク150は、ゲームサーバ140からのeスポーツイベントデータと複数のユーザコンピューティングデバイス120との通信を容易にする。パブリックネットワーク150はまた、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)等、1つまたは複数のプライベートネットワーク、または、インターネット等、パブリック/プライベートネットワークのネットワークを含むことができる。インターネットは、相互接続されたコンピュータとサーバの広範なネットワークであり、ネットワークサービスプロバイダを介して接続されたユーザデバイス間のインターネットプロトコル(IP)データの送信と交換を可能にする。ネットワークサービスプロバイダの例には、公衆交換電話網、ケーブルサービスプロバイダ、デジタル加入者線(DSL)サービスのプロバイダ、または、衛星サービスプロバイダが含まれる。
【0038】
開発者160はまた、ライブeスポーツイベントデータの配信がどのように実行されるかに影響を与えることができる。開発者160は、開発者のそれぞれのコンピューティングデバイスを使用して、イベントサーバ130及びゲームサーバ140とインタラクトできる。例えば、開発者160は、ライブeスポーツイベントを作成、実行、及び管理してよい。さらに、ライブeスポーツイベントデータの配信がリモート視聴者のコンピューティングデバイス120上でリモート視聴者にどのように送信されるかに対する修正は、ライブeスポーツイベントデータの配信中、どの広告を組み込むべきか、どの追加情報(例えば、統計)を示すべきかを識別するなど、開発者160によって実施することもできる。
【0039】
イベントデータデータベース170は、イベントサーバ130に関連付けられてよく、ライブeスポーツイベント110から取得されたライブeスポーツイベントデータを記憶するために使用されてよい。イベントサーバ130は、ライブeスポーツイベント110から、ビデオ記録、音声、及び、テキストベースの情報を含む様々な異なるタイプのeスポーツイベントデータを取得することが可能であってよい。
【0040】
ライブeスポーツイベント110から取得されたeスポーツイベントデータは、その後、イベントデータデータベース170に記憶することができる。いくつかの状況では、イベントデータデータベース170に記憶された情報は、ライブイベントが終了した後に、例えば、ライブeスポーツイベントに関する統計を分析及び取得するために、将来の日時にアクセスすることができる。イベントサーバ130は、ライブeスポーツイベント110から取得したeスポーツイベントデータを直接送信することができるが、ゲームサーバ140が、ユーザに配信する情報の一部または全てを求めてイベントデータデータベース170にアクセスすることも可能であってよい。
【0041】
広告データベース180は、ゲームサーバ140によってユーザに提供されるeスポーツイベントデータのストリームに組み込むことができる複数の異なる広告を記憶するために使用される。ゲームサーバ140は、例えば、ストリーミングされているeスポーツイベント、及び、ストリームを視聴しているユーザに基づいて、ストリームに組み込むことができる広告の種類に関する情報を含む広告プロファイルを含んでよい。広告会社、ストリーミングサービス及び/または開発者は、eスポーツイベントストリームに組み込まれる広告の種類を指定できてよい。例えば、広告会社は、ユーザのコンピューティングデバイス120上で特定の広告を特定のユーザに一致させるために使用可能なユーザ情報を有してよい。ストリーミングサービスは、イベントのストリーミング中に特定の広告を表示するために特定の広告会社と契約を結ぶ場合がある。
【0042】
イベントメタデータデータベース190は、ユーザコンピューティングデバイス120に提供されるeスポーツイベントストリームに関連付けられたメタデータを記憶するために使用される。ゲームサーバ140は、メタデータを生成して、イベントデータストリームにどの追加情報(例えば、統計、広告)を組み込むことができ、ストリームのどこに追加情報が組み込まれるかを示すことができる。メタデータはストリームに関連付けられているため、追加情報(eスポーツイベント内の各参加プレイヤの各統計など)を適切な時間に組み込むことができる。例えば、プレイヤが別のプレイヤを殺すたびに、または、別のプレイヤによって殺されるたびに、メタデータを使用してプレイヤの殺害/死亡の比率をリンクさせてよい。同様に、プレイヤがストリームに現れるたびに、メタデータを使用して、プレイヤの現在の装備、健康、レベル、ランクなど、eスポーツイベントデータストリームに表示される関連するゲーム状態情報をリンクできる。
【0043】
ゲームサーバ140によって生成された各メタデータには、ストリームで使用されるeスポーツイベントデータとリンクされた一意の識別が割り当てられてよい。メタデータはイベントデータに関連付けられるように一意に識別され、追加情報がイベントデータストリームに組み込まれる場所と時を示すために使用されるので、ストリームで使用されるイベントデータ全体と、ライブeスポーツイベント110から取得された追加情報とをゲームサーバ140が記憶する必要はない。代わりに、eスポーツイベントデータがストリームで使用されるときはいつでも、eスポーツイベントデータに関連付けられた対応するメタデータは、関連するメタデータについてイベントメタデータデータベース190にクエリするゲームサーバ140を介してイベントメタデータデータベース190から検索できる。
【0044】
図2は、図1のシステムの文脈で使用されるユーザコンピューティングデバイス200である。ユーザコンピューティングデバイス200(例えば、デスクトップ、ラップトップ、タブレット、モバイルデバイス、コンソールゲームシステム)は、eスポーツイベントのスケーリングされたエンゲージメント及びビューに関連する本発明の機能の実行を容易にするためにユーザが利用できるデバイスである。特に、ユーザコンピューティングデバイス200は、ユーザがライブeスポーツイベントデータの配信をリモートで視聴することを可能にする。ユーザコンピューティングデバイス200は、ユーザコンピューティングデバイス200に関連付けられたディスプレイを介して、ライブeスポーツイベントデータをユーザが視聴するのを容易にし得る。
【0045】
ユーザコンピューティングデバイス200は、図2に示されるような様々な要素を含んでよい。要素は例示であること、また、他の実施形態は示された要素よりも多いまたは少ない要素を組み込んでよいことに留意すべきである。図2を参照すると、ユーザコンピューティングデバイス200は、メインメモリ202、中央処理ユニット(CPU)204、少なくとも1つのベクトルユニット206、グラフィックス処理ユニット208、入力/出力(I/O)プロセッサ210、I/Oプロセッサメモリ212、コントローラインタフェース214、メモリカード216、ユニバーサルシリアルバス(USB)インタフェース218、IEEE1394インタフェース220、トラッキングデバイス224を接続するための補助(AUX)インタフェース222を含むが、他のバス規格及びインタフェースを利用してもよい。ユーザコンピューティングデバイス200は、オペレーティングシステムの読み取り専用メモリ(OS ROM)226、サウンド処理ユニット228、光ディスク制御ユニット230及びハードディスクドライブ232をさらに含み、これらは、バス234を介してI/Oプロセッサ210に接続される。ユーザコンピューティングデバイス200は、少なくとも1つのトラッキングデバイス224をさらに含む。
【0046】
トラッキングデバイス224は、アイトラッキング機能を含むカメラであってよい。カメラは、ユーザコンピューティングデバイス200に組み込まれてよい、または、周辺デバイスとしてユーザコンピューティングデバイス200に取り付けられてよい。典型的なアイトラッキングデバイスでは、赤外線の非平行光が目から反射され、カメラまたは光学センサによって検知される。次に、情報が分析されて、反射の変化から目の回転を抽出する。カメラベースのトラッカは、片目または両目に焦点を合わせ、視聴者が何らかの種類の刺激を見るときの目の動きを記録する。カメラベースのアイトラッカは、瞳孔の中心及び光を使用して角膜反射(CR)を生じさせる。瞳孔中心とCRとの間のベクトルを使用して、表面上の注視点または視線方向を計算できる。アイトラッカを使用する前に、視聴者の簡単なキャリブレーション手順が通常、必要となる。
【0047】
あるいは、より高感度なトラッカは、時間の経過とともに追跡する特徴として、角膜の前部及び目の水晶体の後ろからの反射を使用する。さらに高感度なトラッカは、網膜血管を含む目の内側から特徴を画像化し、目が回転するときにこれらの特徴を追う。
【0048】
大抵のアイトラッキングデバイスは、少なくとも30Hzのサンプリング速度を使用するが、50/60Hzが最も一般的である。一部のトラッキングデバイスは1250Hzの高さまで動作する。この周波数は、非常に速い目の動きの詳細をキャプチャするために必要である。
【0049】
代わりに、距離カメラが、本発明と共に使用されてユーザが行ったジェスチャをキャプチャしてよく、顔を認識することができる。距離カメラは通常、特定のジェスチャをキャプチャし、解釈するために使用される。これにより、エンターテインメントシステムのハンズフリー制御が可能となる。この技術は、赤外線プロジェクタ、カメラ、深度センサ、及びマイクロチップを使用して、物体及び人の動きを3次元で追跡し得る。このユーザデバイスはまた、画像ベースの3次元再構成の変形を採用してもよい。
【0050】
トラッキングデバイス224は、音声データをキャプチャするユーザコンピューティングデバイス200内に統合された、または、周辺デバイスとしてユーザコンピューティングデバイス200に取り付けられたマイクロホンを含んでよい。マイクロホンは、音源定位及び/または周囲雑音抑制を行ってよい。マイクロホンは、コンテンツをスケジューリングし、検索し、ユーザコンピューティングデバイス200に表示するようにユーザから口頭で指示を受けるために使用可能であってよい。
【0051】
あるいは、トラッキングデバイス224は、ユーザデバイス200のコントローラであってよい。コントローラは、エンターテインメントシステムのコンソールの近くにあるか、このコンソールに取り付けられているか、またはこのコンソール内に組み込まれているセンサのLEDに向けられたとき、内蔵の加速度計と赤外線検出との組み合わせを使用して3D空間内の位置を検知する。この設計により、ユーザは、物理的ジェスチャ及びボタン押下によってユーザコンピューティングデバイス200の機能を制御することができる。コントローラは、短距離(例えば、30フィート)にわたるデータのやり取りを可能にする無線技術を使用してユーザコンピューティングデバイス200に接続される。コントローラは、「ランブル」機能(すなわち、ゲーム内の特定の箇所の間のコントローラの振動)及び/または内部スピーカを追加的に含んでよい。
【0052】
コントローラは、追加的または代替的に、リモートでセンサを使用して生体の読み取り値をキャプチャして、例えば、皮膚の水分、心臓の律動及び筋肉の動きを含むデータを記録するように設計されてよい。
【0053】
上記のように、ユーザコンピューティングデバイス200は、電子ゲームコンソールであってよい。あるいは、ユーザコンピューティングデバイス200は、汎用コンピュータ、セットトップボックスまたはハンドヘルドゲームデバイスとして実装されてよい。さらに、同様のユーザデバイスは、より多いまたはより少ない動作構成要素を含み得る。
【0054】
CPU204、ベクトルユニット206、グラフィックス処理ユニット208及びI/Oプロセッサ210は、システムバス236を介して通信する。さらに、CPU204は専用バス238を介してメインメモリ202と通信する一方、ベクトルユニット206及びグラフィックス処理ユニット208は専用バス240を介して通信してよい。CPU204は、OS ROM226及びメインメモリ202内に記憶されたプログラムを実行する。メインメモリ202は、予め記憶されたプログラム、及び、光ディスク制御ユニット232を使用してCD-ROM、DVD-ROMまたは他の光ディスク(図示せず)からI/Oプロセッサ210を通して転送されるプログラムを含んでよい。I/Oプロセッサ210は主として、CPU204、ベクトルユニット206、グラフィックス処理ユニット208及びコントローラインタフェース214を含む、ユーザデバイス200の様々なデバイスの間のデータのやり取りを制御する。
【0055】
グラフィックス処理ユニット208は、CPU204及びベクトルユニット206から受信したグラフィックス命令を実行して、表示デバイス(図示せず)上に表示するための画像を生成する。例えば、ベクトルユニット206は、オブジェクトを三次元座標から二次元座標に変換し、その二次元座標をグラフィックス処理ユニット208に送信してよい。さらに、サウンド処理ユニット230は、スピーカなどのオーディオデバイス(図示せず)に出力されるサウンド信号を生成するための命令を実行する。
【0056】
VR及びARの実施形態の場合、グラフィックス処理ユニット208は依然として、ユーザのコンピューティングデバイス200に関連付けられた表示デバイス(図示せず)にライブeスポーツデータを提供する。表示装置(図示せず)は、ライブeスポーツデータを使用してグラフィック処理ユニット208によって提供されるレンダリングされた仮想環境を受信できるヘッドマウントディスプレイであってよい。例えば、ライブeスポーツデータは、視聴者がライブeスポーツイベントが行われているアリーナ/スタジアムの特定の座席に座っているかのように、グラフィック処理ユニット208にライブeスポーツイベントのビューをレンダリングさせることができる。あるいは、ライブeスポーツデータは、グラフィック処理ユニット208に、ライブeスポーツイベントに関連付けられたビデオゲーム内に対応するものとしてビューをレンダリングさせることができる。
【0057】
ユーザコンピューティングデバイス200のユーザは、コントローラインタフェース214を介してCPU204に命令を提供する。例えば、ユーザは、特定の情報をメモリカード216に記憶するようにCPU204に命令してもよく、または何らかの指定されたアクションを実行するようにユーザデバイス200に命令してもよい。VR及び非VRの両方の実施形態で使用可能なコントローラインタフェース214に関連付けられた例示的なコントローラは、タッチスクリーン、キーボード及びゲームコントローラを含んでよい。
【0058】
他のデバイスは、USBインタフェース218、IEEE1394インタフェース220及びAUXインタフェース222を介してユーザコンピューティングデバイス200に接続されてよい。具体的には、カメラまたはセンサを含むトラッキングデバイス224は、AUXインタフェース222を介してユーザコンピューティングデバイス200に接続されてよく、コントローラは、USBインタフェース218を介して接続されてよい。いくつかの実施形態では、VRヘッドセットまたは関連するハードウェア機器は、1つまたは複数のコンピューティングインタフェースを介してコンピューティングデバイス200に通信可能に結合されてよい。拡張現実(AR)体験を実施するためのハードウェア及び関連するソフトウェアは、1つまたは複数のコンピューティングインタフェースを介してコンピューティングデバイス200に同様に結合されてよい。
【0059】
図3は、図1のゲームサーバ300である。ゲームサーバ300は、eスポーツイベントにおけるスケーリングされたエンゲージメント及びビューを促進する複数の異なる機能を含む。図に示すように、ゲームサーバ300は、アプリケーションプログラムインタフェース(API)310、ユーザプロファイルのストレージ320、広告プロファイルのストレージ330、eスポーツイベントデータストレージ及びバッファ340、メタデータモジュール350、ビデオゲームアセットのストレージ360、AR/VRモジュール370、並びに、通信インタフェース380を含んでよい。これらの各機能に関する詳細は、以下にさらに詳しく記載する。
【0060】
アプリケーションプログラムインタフェース(API)310により、エンティティは、ライブeスポーツイベントデータがリモート視聴者にどのように配信されるかを管理することができる。API310を用いて、管理者(例えば、開発者、大会主催者)は、どのデータがイベントサーバから検索され、どのデータがイベントサーバから処理、生成され、どのようにeスポーツイベントデータがリモート視聴者に配信されるかに関して、ゲームサーバがどのように動作するかをカスタマイズ及び修正できる。例えば、管理者は、リモート視聴者へのライブeスポーツイベントデータの配信に実装される追加のコンテンツの種類を示す様々なユーザプロファイル320及び広告プロファイル330に関連付けられた情報を、API310を使用して作成及び/または修正できる。
【0061】
さらに、ゲームサーバに関連付けられた機能に関して必要な更新もすべて、API310を使用して実施できる。例えば、様々なビデオゲームは、ライブeスポーツイベント中、または、ライブeスポーツイベントとライブeスポーツイベントとの間に、パッチ及び/または他の修正を取得する場合がある。API310を使用して、ビデオゲームアセット360を修正し、それらのパッチ及び他の修正を組み込むこともできる。
【0062】
ユーザプロファイル320は、各リモート視聴者に関する情報を記憶するために使用される。リモート視聴者は、ライブeスポーツイベントデータへのアクセス/視聴を許可される前に、自身のプロファイルを作成し、それぞれのプロファイルにサインインすることが必要な場合がある。ゲームサーバ300は、ユーザプロファイル320を使用して、ユーザを視聴体験にさらに没入させるために実行できるライブeスポーツイベントストリームへの修正の種類を識別し得る。
【0063】
ライブeスポーツイベントに直接参加するために人々がチケットを購入する必要がある実施形態では、リモート視聴者は、ライブeスポーツイベントをリモートで視聴するために、多くの可能な異なるチケットの1つから購入するか、サブスクリプションを購入することが必要な場合がある。サブスクリプションタイプに基づいて異なるチケットまたは異なるステータスがある場合、ユーザプロファイル320はリモートユーザに関する情報を記憶できる。例えば、特定のチケット及び/またはサブスクリプション購入に関連付けられたステータスに基づいて、ユーザが使用できる機能または視点は異なり得る。チケットAは、ライブeスポーツイベントの「外野」の観戦場所を許可し、チケットBは、ライブeスポーツイベントの「コートサイド」の観戦場所を許可する場合、購入された特定のチケットはユーザプロファイル320に記憶される。
【0064】
ユーザプロファイル320はまた、各自のユーザコンピューティングデバイス上でリモートで視聴されているライブeスポーツイベントデータの配信についてのユーザプリファレンスも記憶してよい。例えば、ユーザプロファイル320は、好ましい視点、表示されるべき好ましい追加情報、好ましい解説者、及び、ユーザが興味を持ちそうな広告をカスタマイズすることができる。ユーザプロファイル320は、各ユーザが自分のユーザコンピューティングデバイスを介していつでも更新することができる。
【0065】
ユーザプロファイル320は、ユーザコンピューティングデバイスに関する情報も記憶することができる。この情報は、ゲームサーバ300によって使用されて、ライブeスポーツイベントデータがどのように処理及び送信できるかを識別することができる。これは、例えば、ユーザコンピューティングデバイスと互換性を持たせるために、ライブeスポーツイベントデータを送信する必要があるフォーマットを識別し得る。ユーザに関する全ての情報がユーザプロファイル320に記憶されると、ゲームサーバ300は、配信されるライブeスポーツイベントデータの適切なバージョンを識別することができる。
【0066】
広告プロファイル330は、どの広告をユーザに示すことができ、いつ表示すべきかを指示する情報を記憶するために使用される。例えば、ユーザの好み、ビデオゲームのジャンル、及び、ビデオゲームのタイトルに基づいて、ライブeスポーツイベントデータの配信に異なる広告を組み込んでよい。一部のプロファイル330は、各ユーザに関連する広告が提供されるように、ユーザプリファレンスを含み得る。
【0067】
組み込むべき広告に関連付けられたライブeスポーツイベントデータの配信に対応するメタデータをゲームサーバが識別すると、ゲームサーバは広告プロファイル330にクエリして、組み込むべき1つまたは複数の広告を識別することができる。広告プロファイル330は、広告が別個のデータベースに記憶される状況において特定の広告が記憶される場所を識別する情報を含み得る。広告は、読み出されると、ライブeスポーツイベントデータの配信に実装することができ、各リモート視聴者のコンピューティングデバイス上で各リモート視聴者に送信することができる。各ユーザが自身のユーザプリファレンスに基づいて異なる広告を有することが可能である。ライブeスポーツイベントデータの配信に基づいて、全てのリモート視聴者に単一の広告を提供することも可能である。
【0068】
eスポーツイベントデータストレージ及びバッファ340は、イベントサーバから来るeスポーツイベントデータを記憶するために使用される。eスポーツイベントデータストレージ及びバッファ340は、eスポーツデータが処理されてライブeスポーツイベントデータの配信に使用できるまで、eスポーツデータを一時的に記憶するために使用されてよい。
【0069】
メタデータモジュール350は、コンピューティングデバイス上のリモート視聴者に配信されているeスポーツイベントデータのメタデータを生成する。生成されたメタデータは、ライブeスポーツイベントデータの配信に組み込まれる情報の種類と、その情報をいつ提示すべきかを識別する。例えば、メタデータは、特定のプレイヤのアバタがライブeスポーツイベントデータの配信に現れるたびに生成され、そのプレイヤのアバタの健康、進行状況、及び、その他のゲーム関連の統計に関する追加情報がプレイヤのアバタの近くの吹き出しに表示されるように指示する。メタデータはまた、ライブeスポーツイベントデータの配信に組み込むべき広告を識別するために使用できる。
【0070】
メタデータモジュール350によって生成されたメタデータは、ライブeスポーツイベントデータの配信に一意に関連付けられる。これは、例えば、互いに接続する一意のラベルを提供することによって実行できる。このようにして、削除された視聴者への配信に使用されたeスポーツイベントデータは、生成されるメタデータとは別に記憶できる。ただし、eスポーツイベントデータがユーザによって検索及び視聴される場合、それに応じて、対応するメタデータをクエリし、適用できる。
【0071】
ビデオゲームアセット360のストレージには、ライブeスポーツイベントに関連付けられたアセットが含まれる。記憶されたアセットは、イベントサーバからのeスポーツイベントデータを使用してビデオゲームのゲームプレイを再構築するためにゲームサーバによって使用される。プレイヤからのビデオベースの情報またはイベントサーバからのゲーム内情報をおそらく使用することに加えて、ゲームサーバはeスポーツイベントデータを使用してゲームプレイを再現することもできる。これには、全ての参加者の包括的なマップを生成することが含まれてよい。
【0072】
ビデオゲームアセット360の使用はまた、ビデオゲーム自体内では入手できない異なる視点を生成するために使用することができる。これは、AR/VRモジュール370とつなぐことができ、AR/VRモジュール370で、ゲームプレイアセットは、ユーザが自身のコンピューティングデバイスで一人称視野を可能にするARまたはVR設定でゲーム内環境の三次元シミュレーションを生成するのに役立つ。ARまたはVR視野は、プレイヤのアバタとしてユーザの視点を配置してもよい。
【0073】
AR/VRモジュール370はまた、ライブeスポーツイベントでの他のユーザまたは参加者に関連する音声及び他のインタラクションも導入してよい。例えば、AR/VRモジュール370は、視聴者が雰囲気がどのようであるかを体験できるように、出席者の歓声とやじを含んでよい。視聴者がライブeスポーツイベントの様々な出席者とインタラクトできる機能(例えば、チャット)もAR/VRモジュールによって導入することができる。
【0074】
通信インタフェース380は、図1のシステムの様々な機能間の通信を促進する。例えば、これは、イベントサーバからゲームサーバへの、また、ゲームサーバからリモート視聴者への情報の送信を促進し得る。通信インタフェース380はまた、ゲームサーバとのユーザ(例えば、開発者、解説者)とのインタラクションを促進する。
【0075】
解説者モジュール390は、ライブeスポーツイベントデータの配信への解説者の実装を促進する。解説者モジュール390は、解説者が、ライブeスポーツイベントデータの配信に関連する表示がどのように生成及び提示されるか、例えば、どの追加情報が示されるべきか、そしてどの視点を使用するべきかを制御できるようにする独自のユーザインタフェース及びツールを提供できる。
【0076】
図4は、スケーリングされたエンゲージメント及びビューをリモート視聴者に提供するための方法400である。リモート視聴者は、より没入型の視聴者体験のためにカスタマイズされたライブeスポーツイベントデータの配信を、例えば、ブロードキャストストリームを介して提供される。スケーリングされたエンゲージメント及びビューは、VR及び非VRの実施形態を介して実施できる。カスタマイズには、収益化の可能性を提供する目的で広告を組み込むこともできる。
【0077】
ステップ410において、eスポーツデータが、ライブeスポーツイベントから取得される。ライブeスポーツイベント中に収集される情報の種類は、特定の統計及び/または特定の参加者の計算に使用される情報の種類に焦点を合わせるようにカスタマイズできる。ライブeスポーツイベント中に他の聴衆メンバを使用してより没入感のある体験を提供したい場合(例えば、聴衆インタラクションを含むVRまたはARの実施形態の場合)、ライブの聴衆に関連する情報も収集してよい。例示的な聴衆情報には、ライブeスポーツイベントに関連付けられたマイクロホンを介してキャプチャされた、様々な出席者の歓声、解説、やじの音声が含まれてよい。
【0078】
ライブeスポーツイベントを主催する各会場には、ライブeスポーツイベントに関連する情報の収集を促進する様々な機能があってよい。カメラ、マイクロホン、及び、様々な他のタイプのセンサを使用して、ビデオゲームに関して現在生じている可能性のあることに関する情報(例えば、各ビデオゲームの競技者のゲーム状態、進行状況、統計)、及び、ライブeスポーツイベントに参加している聴衆に関する情報(例えば、歓声/やじ等の反応、ライブeスポーツイベントの参加者に関するプリファレンス、及び、アンケートへの参加等のインタラクション)を取得できる。
【0079】
いくつかの実施形態では、ライブeスポーツイベントを実行及び管理している会場、トーナメント主催者または開発者は、ライブeスポーツイベント内の各参加者が競技に使用するための特定のコンピューティングデバイス(例えば、コンソール、デスクトップ)も提供してよい。これらの提供されたコンピューティングデバイスは、ライブeスポーツイベント中に各参加者に関するあらゆる種類の情報を直接収集する内蔵機能を有してよい。
【0080】
ライブeスポーツイベントデータは、収集後、ゲームサーバに送信されるので、ライブeスポーツイベントを視聴したいリモート視聴者に配信される前に、処理することができる。いくつかの実施形態では、eスポーツイベントデータは、後に参照するためにデータベースに記憶することもできる。例えば、特定のプレイヤに関する履歴情報(例えば、過去のパフォーマンス)を取得して処理するために、記憶されているeスポーツデータにゲームサーバまたは他のサードパーティがアクセスしてよい。
【0081】
ステップ420において、ライブeスポーツイベントから取得したeスポーツデータが処理される。処理はゲームサーバで行われる。ライブeスポーツイベントは、トーナメント主催者によって作成、実行及び管理される場合があり、トーナメント主催者は、場合によっては、ライブeスポーツイベントに関連付けられたビデオゲームの開発者でもあってよい。トーナメント主催者は、ライブeスポーツイベントから来る情報を処理する際に使用するゲームサーバを有し、情報は、その後、リモート視聴者の各ユーザコンピューティングデバイス上でリモート視聴者に送信される。
【0082】
一例として、特定のビデオゲームは、ビデオゲームに関連付けられたプレイヤの特定の統計をすでに追跡している場合がある。一人称シューティングゲームは、殺害、死亡及び精度をすでに追跡している場合がある。ゲームがこれらの情報を追跡していないか、視聴者が視聴に興味を持っている可能性がある他の詳細な情報(例えば、反応時間)がある状況では、この情報を取得するために、ライブeスポーツイベントから来る情報をゲームサーバに処理させることも可能である。
【0083】
さらに、ゲームサーバは、リモート視聴者が視聴に興味を持っている可能性のある詳細情報の種類を識別する特定のユーザ(またはユーザのグループ)のプロファイルを有してよい。ゲームをプレイしたことがあり、特定のライブeスポーツイベントの競技シーンに投資している視聴者は、ゲームをプレイしたことがないカジュアルな視聴者と比較して、詳細情報をより視聴する傾向がある。さらに、ユーザが具体的にどの情報を視聴したいか(及び/または、視聴したくないか)を示すことができることも可能であってよい。このようにして、ゲームサーバは、ライブeスポーツイベントデータの特定の配信にどの情報を関連付けるべきかに関して通知を受けることができる。
【0084】
ステップ430において、ゲームサーバは、処理されたライブeスポーツイベントデータに基づいてeスポーツイベント表示を生成し得る。最初に生成されたeスポーツイベント表示には、ライブeスポーツゲームプレイから取得したビデオ記録が含まれてよい。表示は、ライブ解説者からの音声及び/または再生中の音楽など、ライブeスポーツイベントから取得した情報を組み込んでもよい。AR/VR実施形態では、生成された表示は、ライブeスポーツ会場内またはビデオゲーム自体内の視点に関連付けられた(ビジュアル及びサウンドを含む)仮想シミュレーションであってよい。
【0085】
状況によっては、eスポーツイベント表示に、複数のプレイヤからの情報を同時に使用して、ゲーム内で生じている事の包括的なビューを生成することも含んでよい。環境のプレイヤ及び/またはチームの視野に基づいて環境の一部を覆い隠す「戦争の霧」のメカニズムを利用するゲームにおいて、ゲームサーバは、複数のユーザからのゲームプレイ情報を使用して、リモート視聴者に(例えば、完全な、チーム固有)のゲーム環境の異なるビューを提供できる。
【0086】
ステップ440において、eスポーツイベント表示は、より没入型の視聴者体験を提供するように修正される。メタデータは、eスポーツイベント表示に関連付けられる必要がある追加の情報のタイプと時期を識別するために使用されるeスポーツイベント表示に関連付けられる。例えば、メタデータは、特定のプレイヤが表示内に見られるときはいつでも生成されてよい。このメタデータは、プレイヤが表示に存在する場合にプレイヤの特定の統計(例えば、レベル、役割、健康)が常に表示されなければならないことを示してよい。メタデータにより、ユーザはゲームの状態を理解し、ライブeスポーツイベントの興味深い要素を追跡できる。
【0087】
表示に含まれる追加情報の種類は、ユーザベース(例えば、ユーザプリファレンス)に基づいて、または、グループベース(例えば、ゲームの経験、性別、視聴者の位置)に基づいてカスタマイズできる。例えば、ユーザは、特定のプレイヤまたはチームのみが追加情報を有するように指示できる場合がある。場合によっては、ユーザは含まれるべき追加情報の種類も識別できる。
【0088】
さらなる修正には、視点の変更が含まれる場合がある。視点を選択して、ライブeスポーツイベント内で生じている最も興味深いイベント(複数可)の最適なビューを提供できる。例えば、関心のある特定のプレイヤ(または、プレイヤのグループ)がeスポーツイベントに参加しているときはいつでも特定の視点を使用できるように、事前に(例えば、特定のプレイヤをフォローしたいユーザによって)プリファレンスを設定できる。ゲームサーバは、ライブeスポーツイベントのステータスを監視し、そのプレイヤが現れるか、対戦チームのプレイヤと関わり合っているときはいつでも、ゲーム内の視野を切り替えることができる。視野の変更は、ゲーム内のカメラアングルの変更、プレイヤのゲームデータを使用したプレイヤの視点の提供、または、関心のあるプレイヤを含む別のプレイヤの視点の提供などを含んでよい。
【0089】
仮想現実及び拡張現実の実施形態の場合、ゲームサーバは、管理者(例えば、解説者)が視点を調整して、ライブeスポーツイベント内で発生時に解説されている特定のイベントをフォローできるようにすることが可能であってよい。管理者インタフェースは、(そのコンピューティングデバイスを介して)ゲーム内カメラの制御、または、ユーザインタフェースを介したライブeスポーツイベントのビデオゲーム内の異なるプレイヤの視野間の切り替えを可能にし得る。ユーザインタフェースは、各プレイヤに関連付けられた要素を有してよく、1つまたは複数の要素の選択は、その視点に対応するeスポーツイベント表示を生成するようにゲームサーバに指示してよい。
【0090】
仮想現実または拡張現実を使用する管理者がライブeスポーツイベントを視聴して解説できるようにする他の実施形態はまた、モーションコントロール(例えば、ジェスチャ)を使用してカメラの制御を促進することができる。例えば、ある手のジェスチャにより、管理者はカメラをズームイン/ズームアウトでき、別のジェスチャにより、管理者はカメラを別の位置に移動できる。
【0091】
VR及びARの実施形態は、没入感を高めるために音声を導入することもできる。例えば、VR/ARシミュレーションが視聴者をライブeスポーツ会場内に配置する場合、聴衆からの音声をユーザに提供できる。別の実施形態では、VR/ARシミュレーションが視聴者をライブeスポーツに関連付けられたビデオゲーム内に配置する場合、環境音またはゲーム内音楽などのビデオゲーム内からの音声が使用できる。
【0092】
ゲームサーバは、異なる特性に基づいてライブeスポーツイベントに異なる視点を提供することもできる。例えば、リモート視聴者は、チームの特定のプレイヤと同じ視点を要求する場合がある。別の視点は、複数のプレイヤを同時に監督する責任があり得るコーチの視点であってよい。代替の視点は、ライブeスポーツイベントの会場内からのビューであってよい。例えば、リモート視聴者が実際にライブイベントに参加しているかのように、ライブeスポーツイベントの観客の視点をユーザに提供できる。これらの異なる視点のそれぞれは、例えば、料金(例えば、チケット購入)または有料サブスクリプションに基づいて、リモート視聴者に提供できる。これにより、リモート視聴者は、より没入感のある体験のために、視聴している表示をさらにカスタマイズできる。
【0093】
さらに、eスポーツイベント表示に広告を組み込んで、ライブeスポーツイベントデータの配信の収益化を促進することもできる。配信、含まれるゲーム、及び/または、配信を視聴しているユーザに基づいて、異なる広告を提供してよい。例えば、広告会社は多数の異なるリモート視聴者に関する情報を既に持っている場合があり、これらの視聴者に関連付けられたユーザプロファイルを持っている場合がある。ライブeスポーツイベントデータの配信内の所定の期間に、ゲームサーバは、ユーザ情報に基づいてリモート視聴者に表示する関連広告を検索するように指示される。
【0094】
ゲームサーバが、現在のライブeスポーツイベントに基づいて関連する広告を検索することも可能である。広告は、例えば、配信されているジャンルまたは特定のゲームに基づいて選択してよい。eスポーツイベント主催者及び/または開発者は、どの種類の広告をeスポーツイベントの配信に組み込むかに影響を与えてよい。
【0095】
ステップ450において、ライブeスポーツイベントデータは、リモートユーザの各ユーザコンピューティングデバイス上でリモートユーザに配信される。一般に、これらのコンピューティングデバイスは、リモート視聴者が視聴するeスポーツイベントデータ(例えば、ビデオ)を表示するために使用される1つまたは複数のディスプレイを含んでよい。いくつかの実施形態では、ユーザコンピューティングデバイスは、仮想現実環境または拡張現実環境の表示を可能にする付属のウェアラブルヘッドセットを備えたコンピューティングデバイスであってよい。少なくとも、eスポーツイベントデータストリームは、ユーザコンピューティングデバイス及び/またはパブリックネットワークに関連付けられた任意の数の異なる既存のビデオプレーヤを使用して視聴可能である。
【0096】
本明細書の技術についての上述の詳細な記載は、例示及び説明の目的で提示されている。包括的であることも、開示されたそのままの形態に本技術を限定することも意図するものではない。上記の教示に照らして、多くの修正及び変更が可能である。記載した実施形態は、本技術の原理及びその実際の用途を最も良く説明するように選択されており、それによって、当業者は、様々な実施形態において、また、企図される特定の用途に適するように様々に修正して、本技術を最も良く利用することができる。本技術の範囲は特許請求の範囲によって定められることが意図される。
図1
図2
図3
図4