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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-13
(45)【発行日】2023-03-22
(54)【発明の名称】液晶組成物及び液晶表示素子
(51)【国際特許分類】
   C09K 19/30 20060101AFI20230314BHJP
   C09K 19/44 20060101ALI20230314BHJP
   C09K 19/38 20060101ALI20230314BHJP
   C09K 19/54 20060101ALI20230314BHJP
   C09K 19/12 20060101ALI20230314BHJP
   C09K 19/14 20060101ALI20230314BHJP
   C09K 19/16 20060101ALI20230314BHJP
   C09K 19/18 20060101ALI20230314BHJP
   C09K 19/20 20060101ALI20230314BHJP
   C09K 19/24 20060101ALI20230314BHJP
   C09K 19/32 20060101ALI20230314BHJP
   C09K 19/34 20060101ALI20230314BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20230314BHJP
   G02F 1/1337 20060101ALI20230314BHJP
【FI】
C09K19/30
C09K19/44
C09K19/38
C09K19/54 Z
C09K19/54 C
C09K19/12
C09K19/14
C09K19/16
C09K19/18
C09K19/20
C09K19/24
C09K19/32
C09K19/34
G02F1/13 500
G02F1/1337 520
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019138213
(22)【出願日】2019-07-26
(65)【公開番号】P2021021010
(43)【公開日】2021-02-18
【審査請求日】2022-01-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000002886
【氏名又は名称】DIC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】神田 僚
(72)【発明者】
【氏名】谷口 士朗
【審査官】福山 駿
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-123296(JP,A)
【文献】特開2018-95835(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 19/00-19/60
G02F 1/13
G02F 1/1337
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(i)で表される化合物を1種又は2種以上含有し、一般式(P)で表される重合性化合物を2種以上含有する重合性化合物含有液晶組成物。
【化1】
(式中、R及びRは、それぞれ独立して炭素原子数1~8のアルキル基又は炭素原子数1~8のアルコキシ基を表す。)
【化2】
(式中、Rp1は、水素原子、フッ素原子、シアノ基、炭素原子数1~15のアルキル基又は-Spp2-Pp2を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の-CH-はそれぞれ独立して-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-COO-又は-OCO-によって置換されていてもよく、該アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよく、
p1及びPp2はそれぞれ独立して、一般式(Pp1-1)~式(Pp1-9)
【化3】
(式中、Rp11及びRp12はそれぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数1~5のハロゲン化アルキル基を表し、Wp11は単結合、-O-、-COO-又はメチレン基を表し、tp11は、0、1又は2を表すが、分子内にRp11、Rp12、Wp11及び/又はtp11が複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。)
のいずれかを表し、
Spp1及びSpp2はそれぞれ独立して、単結合又はスペーサー基を表し、
p1及びZp2はそれぞれ独立して、単結合、-O-、-S-、-CH-、-OCH-、-CHO-、-CO-、-C-、-COO-、-OCO-、-OCOOCH-、-CHOCOO-、-OCHCHO-、-CO-NRZP1-、-NRZP1-CO-、-SCH-、-CHS-、-CH=CRZP1-COO-、-CH=CRZP1-OCO-、-COO-CRZP1=CH-、-OCO-CRZP1=CH-、-COO-CRZP1=CH-COO-、-COO-CRZP1=CH-OCO-、-OCO-CRZP1=CH-COO-、-OCO-CRZP1=CH-OCO-、-(CH-COO-、-(CH-OCO-、-OCO-(CH-、-(C=O)-O-(CH-、-CH=CH-、-CF=CF-、-CF=CH-、-CH=CF-、-CF-、-CFO-、-OCF-、-CFCH-、-CHCF-、-CFCF-又は-C≡C-(式中、RZP1はそれぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1~4のアルキル基を表すが、分子内にRZP1が複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。)
を表し、
p1、Ap2及びAp3はそれぞれ独立して、
(a) 1,4-シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は-O-に置き換えられてもよい。)
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置き換えられてもよい。)及び
(c) ナフタレン-2,6-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、フェナントレン-2,7-ジイル基又はアントラセン-2,6-ジイル基(これらの基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置き換えられてもよい。)
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)及び基(c)中に存在する1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立して、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1~8のアルキル基又は-Spp2-Pp2で置換されていてもよく、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の-CH-はそれぞれ独立して-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-COO-又は-OCO-によって置換されていてもよく、
p1は、0、1、2又は3を表し、分子内にZp1、Ap2、Spp2及び/又はPp2が複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよいが、Ap3は、mp1が0で、Ap1がフェナントレン-2,7-ジイル基又はアントラセン-2,6-ジイル基である場合には単結合を表す。)
【請求項2】
前記一般式(P)で表される重合性化合物の少なくとも1種が、Zp2及び存在する場合にはZp1が単結合である請求項1に記載の重合性化合物含有液晶組成物。
【請求項3】
前記一般式(P)で表される重合性化合物が、(A)Zp2及び存在する場合にはZp1が単結合である重合性化合物と、Zp2及び存在する場合にはZp1の少なくとも1つ以上が単結合以外の基である重合性化合物の組み合わせ、又は(B)Zp2及び存在する場合にはZp1が単結合である2種以上の重合性化合物の組み合わせを含む請求項1又は2に記載の重合性化合物含有液晶組成物。
【請求項4】
さらに酸化防止剤及び光安定剤から選ばれる添加剤を1種又は2種以上含有する請求項1~3のいずれか一項に記載の重合性化合物含有液晶組成物。
【請求項5】
さらに一般式(N-1-11)で表される化合物を1種又は2種以上含有する請求項1~4のいずれか一項に記載の重合性化合物含有液晶組成物。
【化4】
(式中、RN11及びRN12は、それぞれ独立して炭素原子数1~8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の-CH-は、それぞれ独立して-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-COO-又は-OCO-によって置換されていてもよく、nNd11は、1又は2である。)
【請求項6】
さらに一般式(N-1)、(N-2)及び(N-3)で表される化合物から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有する請求項1~5のいずれか一項に記載の重合性化合物含有液晶組成物。
【化5】
(式中、RN11、RN12、RN21、RN22、RN31及びRN32は、それぞれ独立して炭素原子数1~8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の-CH-は、それぞれ独立して-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-COO-又は-OCO-によって置換されていてもよく、
N11、AN12、AN21、AN22、AN31及びAN32は、それぞれ独立して
(a) 1,4-シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は、-O-に置き換えられてもよい。)
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は、-N=に置き換えられてもよい。)
(c) ナフタレン-2,6-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又はデカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基(ナフタレン-2,6-ジイル基又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は、-N=に置き換えられてもよい。)及び
(d) 1,4-シクロヘキセニレン基
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)、基(c)及び基(d)は、それぞれ独立してシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよく、
N11、ZN12、ZN21、ZN22、ZN31及びZN32は、それぞれ独立して単結合、-CHCH-、-(CH-、-OCH-、-CHO-、-COO-、-OCO-、-OCF-、-CFO-、-CH=N-N=CH-、-CH=CH-、-CF=CF-又は-C≡C-を表し、
N21は、水素原子又はフッ素原子を表し、
N31は、-CH-又は酸素原子を表し、
N11、nN12、nN21、nN22、nN31及びnN32は、それぞれ独立して0~3の整数を表すが、nN11+nN12、nN21+nN22及びnN31+nN32は、それぞれ独立して1、2又は3であり、AN11~AN32、ZN11~ZN32が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていてもよいが、一般式(i)で表される化合物を除き、重合性化合物含有液晶組成物が一般式(N-1-11)で表される化合物を含有する場合は当該一般式(N-1-11)で表される化合物を除く。)
【請求項7】
さらに一般式(L)で表される化合物を1種又は2種以上含有する請求項1~6のいずれか一項に記載の重合性化合物含有液晶組成物。
【化6】
(式中、RL1及びRL2は、それぞれ独立して炭素原子数1~8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の-CH-は、それぞれ独立して-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-COO-又は-OCO-によって置換されていてもよく、
L1は、0、1、2又は3を表し、
L1、AL2及びAL3は、それぞれ独立して
(a) 1,4-シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は、-O-に置き換えられてもよい。)
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は、-N=に置き換えられてもよい。)及び
(c) ナフタレン-2,6-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又はデカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基(ナフタレン-2,6-ジイル基又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は、-N=に置き換えられてもよい。)
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)及び基(c)は、それぞれ独立してシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよく、
L1及びZL2は、それぞれ独立して単結合、-CHCH-、-(CH-、-OCH-、-CHO-、-COO-、-OCO-、-OCF-、-CFO-、-CH=N-N=CH-、-CH=CH-、-CF=CF-又は-C≡C-を表し、
L1が2又は3であってAL2が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていてもよく、nL1が2又は3であってZL3が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていてもよいが、一般式(i)で表される化合物を除き、重合性化合物含有液晶組成物が一般式(N-1-11)、一般式(N-1)、一般式(N-2)又は一般式(N-3)で表される化合物を含有する場合は当該一般式(N-1-11)、一般式(N-1)、一般式(N-2)又は一般式(N-3)で表される化合物を除く。)
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の重合性化合物含有液晶組成物を使用した液晶表示素子。
【請求項9】
請求項1~7のいずれか一項に記載の重合性化合物含有液晶組成物を使用したPSA型又はPSVA型の液晶表示素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶表示材料として有用な重合性化合物含有液晶組成物及びこれを用いた液晶表示素子に関する。
【背景技術】
【0002】
誘電率異方性Δεが負の値を示す液晶組成物を用いた液晶表示素子として、PSA(Polymer Sustained Alignment)型やPSVA(Polymer Sustained Vertical Alignment)型の液晶TVや液晶モニター等が普及しており、これらの用途に好適な液晶組成物として、特許文献1~5には、様々な重合性化合物と該重合性化合物を含有する液晶組成物が開示されている。
【0003】
しかしながら、従来の重合性化合物含有液晶組成物の特性では、4Kや8Kといった高精細な液晶TVには不十分である。具体的には、4Kや8Kの液晶表示素子は、高精細の画素が必要になり、配線や遮光部の領域が増えることでかなりのUV光がカットされる。このため、PSA型やPSVA型の液晶表示素子の製造におけるUV照射工程で、重合性化合物が十分に重合せず多くの重合性化合物が残存してしまう。これによりチルト形成が不十分となり応答速度の悪化や配向性悪化による残像、また、残存した重合性化合物が駆動時に徐々に重合してチルトが変化することで焼き付き(IS)という表示不良や、チルトの過形成による光抜け等も確認されている。また、重合性化合物の特徴としてチルトが変化し易いものとそうでないものが存在することも確認されている。
【0004】
以上のことから、高精細の4Kや8Kの液晶TVや液晶モニター等のPSA又はPSVA型の液晶表示素子には、従来の技術とは一線を画す極めて高い特性が要求されており、従来よりも弱い又は少ないUV光で安定的に製造できるような液晶組成物が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-216747号公報
【文献】特開2017-14486号公報
【文献】国際公開第2016/104165号
【文献】国際公開第2017/188002号
【文献】特表2013-538250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、速い応答速度、速い重合速度、適度に大きなチルト形成、及び高いチルト安定性を同時に達成できる重合性化合物含有液晶組成物、及びこれを用いた、焼き付きが十分に抑制された又は発生しない、PSA型又はPSVA型の液晶表示素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、種々の液晶化合物及び重合性化合物を検討し、特定の液晶化合物と2種以上の重合性化合物の組み合わせを用いることにより前記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明の重合性化合物含有液晶組成物は、一般式(i)で表される化合物を1種又は2種以上含有し、一般式(P)で表される重合性化合物を2種以上含有することを特徴とする。
【化1】
(式中、R及びRは、それぞれ独立して炭素原子数1~8のアルキル基又は炭素原子数1~8のアルコキシ基を表す。)
【化2】
(式中、Rp1は、水素原子、フッ素原子、シアノ基、炭素原子数1~15のアルキル基又は-Spp2-Pp2を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の-CH-はそれぞれ独立して-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-COO-又は-OCO-によって置換されていてもよく、該アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよく、
p1及びPp2はそれぞれ独立して、一般式(Pp1-1)~式(Pp1-9)
【化3】
(式中、Rp11及びRp12はそれぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数1~5のハロゲン化アルキル基を表し、Wp11は単結合、-O-、-COO-又はメチレン基を表し、tp11は、0、1又は2を表すが、分子内にRp11、Rp12、Wp11及び/又はtp11が複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。)
のいずれかを表し、
Spp1及びSpp2はそれぞれ独立して、単結合又はスペーサー基を表し、
p1及びZp2はそれぞれ独立して、単結合、-O-、-S-、-CH-、-OCH-、-CHO-、-CO-、-C-、-COO-、-OCO-、-OCOOCH-、-CHOCOO-、-OCHCHO-、-CO-NRZP1-、-NRZP1-CO-、-SCH-、-CHS-、-CH=CRZP1-COO-、-CH=CRZP1-OCO-、-COO-CRZP1=CH-、-OCO-CRZP1=CH-、-COO-CRZP1=CH-COO-、-COO-CRZP1=CH-OCO-、-OCO-CRZP1=CH-COO-、-OCO-CRZP1=CH-OCO-、-(CH-COO-、-(CH-OCO-、-OCO-(CH-、-(C=O)-O-(CH-、-CH=CH-、-CF=CF-、-CF=CH-、-CH=CF-、-CF-、-CFO-、-OCF-、-CFCH-、-CHCF-、-CFCF-又は-C≡C-(式中、RZP1はそれぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1~4のアルキル基を表すが、分子内にRZP1が複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。)
を表し、
p1、Ap2及びAp3はそれぞれ独立して、
(a) 1,4-シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は-O-に置き換えられてもよい。)
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置き換えられてもよい。)及び
(c) ナフタレン-2,6-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、フェナントレン-2,7-ジイル基又はアントラセン-2,6-ジイル基(これらの基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は-N=に置き換えられてもよい。)
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)及び基(c)中に存在する1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立して、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1~8のアルキル基又は-Spp2-Pp2で置換されていてもよく、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の-CH-はそれぞれ独立して-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-COO-又は-OCO-によって置換されていてもよく、
p1は、0、1、2又は3を表し、分子内にZp1、Ap2、Spp2及び/又はPp2が複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよいが、Ap3は、mp1が0で、Ap1がフェナントレン-2,7-ジイル基又はアントラセン-2,6-ジイル基である場合には単結合を表す。)
【発明の効果】
【0009】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物は、速い応答速度、速い重合速度、適度に大きなチルト形成、及び高いチルト安定性を同時に達成でき、これを用いたPSA型又はPSVA型の液晶表示素子は、焼き付きが十分に抑制された又は発生しないため、液晶表示素子用途に非常に有用である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
前述の通り、本発明は、特定の液晶化合物及び2種以上の特定の重合性化合物を含有する重合性化合物含有液晶組成物、該重合性化合物含有液晶組成物を使用した液晶表示素子、該重合性化合物含有液晶組成物を使用したPSA型又はPSVA型の液晶表示素子に関する。以下、まず、本発明に係る重合性化合物含有液晶組成物の実施の態様について説明する。
【0011】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物は、常温で液晶であることが好ましく、ネマチック相を呈することが好ましく、Δεの値が負である、いわゆるn型の組成物であることが好ましい。
【0012】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物は、一般式(i)で表される化合物を1種又は2種以上含有する。一般式(i)で表される化合物において、R及びRは、それぞれ独立して炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数1~5のアルコキシ基であることが好ましく、炭素原子数1~4のアルキル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基であることが好ましく、炭素原子数1~3のアルキル基又は炭素原子数1~3のアルコキシ基であることが好ましく、直鎖であることが好ましい。Rは、炭素原子数1~5のアルキル基であることが好ましく、炭素原子数1~4のアルキル基であることが好ましく、炭素原子数1~3のアルキル基であることが好ましく、直鎖であることが好ましい。Rは、炭素原子数1~5のアルコキシ基であることが好ましく、炭素原子数1~4のアルコキシ基であることが好ましく、炭素原子数1~3のアルコキシ基であることが好ましく、直鎖であることが好ましい。R及びR中の炭素原子数及び酸素原子数の合計は、2、3、4、5、6又は7であることが好ましく、3、4、5、6又は7であることが好ましく、4、5又は6であることが好ましく、5又は6であることが好ましい。
【0013】
一般式(i)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2種以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折等の求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0014】
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を低めに設定し、組み合わせる種類を多くすると効果が高く、高いネマチック相上限温度(Tni)を重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高い。さらに、Δnを重視する場合には、含有量を高めに設定することが好ましい。また、Δεを大きくすることで低電圧駆動が可能となるが、本発明の重合性化合物含有液晶組成物においては、一般式(i)の化合物を単独又は組み合わせて使うことにより、低電圧且つ高速応答の液晶表示素子を得ることができる。
【0015】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての一般式(i)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、3%であり、5%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対して、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、11%であり、9%である。
なお、本願においては、特別な断りがない限り%は質量%を意味する。
【0016】
さらに、式(i)で表される化合物としては、一般式(i-1)~(i-9)で表される化合物が好ましく、式(i-2)~(i-5)、(i-7)及び(i-9)で表される化合物が好ましく、式(i-4)及び(i-5)で表される化合物が好ましく、式(i-4)で表される化合物が好ましい。
【化4】
(式中、アルキル基及びアルコキシ基は直鎖状の基を表す。)
【0017】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての式(i-1)~(i-9)で表される化合物の好ましい合計の含有量の下限値は、3%であり、5%である。好ましい合計の含有量の上限値は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対して、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、11%であり、9%である。
【0018】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての式(i-4)及び(i-5)で表される化合物の好ましい合計の含有量の下限値は、3%であり、5%である。好ましい合計の含有量の上限値は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対して、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、11%であり、9%である。
【0019】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての式(i-4)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、3%であり、5%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対して、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、11%であり、9%である。
【0020】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物は、一般式(P)で表される重合性化合物を2種以上含有する。
【0021】
一般式(P)において、Rp1は-Spp2-Pp2であることが好ましい。
【0022】
p1及びPp2はそれぞれ独立して式(Pp1-1)~式(Pp1-3)のいずれかであることが好ましく、(Pp1-1)であることが好ましい。
【0023】
p11及びRp12はそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基であることが好ましい。
【0024】
p11は、0又は1が好ましい。
【0025】
p11は、単結合、メチレン基又はエチレン基が好ましい。
【0026】
p1は0、1又は2であることが好ましく、0又は1が好ましい。
【0027】
p1及びZp2はそれぞれ独立して、単結合、-OCH-、-CHO-、-CO-、-C-、-COO-、-OCO-、-COOC-、-OCOC-、-COCO-、-CCOO-、-CH=CH-、-CF-、-CFO-、-(CH-COO-、-(CH-OCO-、-OCO-(CH-、-CH=CH-COO-、-COO-CH=CH-、-OCOCH=CH-、-COO-(CH-、-OCF-又は-C≡C-が好ましく、単結合、-OCH-、-CHO-、-C-、-COO-、-OCO-、-COOC-、-OCOC-、-COCO-、-CCOO-、-CH=CH-、-(CH-COO-、-(CH-OCO-、-OCO-(CH-、-CH=CH-COO-、-COO-CH=CH-、-OCOCH=CH-、-COO-(CH-又は-C≡C-が好ましく、単結合又は-CH=CH-COO-が好ましい。
【0028】
p1及びZp2は、分子内に存在する少なくとも1つ以上が-OCH-、-CHO-、-C-、-COO-、-OCO-、-COOC-、-OCOC-、-COCO-、-CCOO-、-CH=CH-、-(CH-COO-、-(CH-OCO-、-OCO-(CH-、-CH=CH-COO-、-COO-CH=CH-、-OCOCH=CH-、-COO-(CH-又は-C≡C-であり、他がすべて単結合であることが好ましく、分子内に存在する少なくとも1つ以上が、-OCH-、-CHO-、-C-、-COO-又は-OCO-であり、他がすべて単結合であることが好ましい。また、分子内に存在するZp1及びZp2の少なくとも1つ以上が、-CH=CH-COO-、-COO-CH=CH-、-(CH-COO-、-(CH-OCO-、-O-CO-(CH-、-COO-(CH-からなる群から選択される連結基であり、他はすべて単結合であることが好ましく、分子内に存在するZp1及びZp2の少なくとも1つ以上が、-CH=CH-COO-であり、他がすべて単結合であることがより好ましい。
【0029】
p1及びZp2は、分子内に存在する1つのみが-OCH-、-CHO-、-C-、-COO-、-OCO-、-COOC-、-OCOC-、-COCO-、-CCOO-、-CH=CH-、-(CH-COO-、-(CH-OCO-、-OCO-(CH-、-CH=CH-COO-、-COO-CH=CH-、-OCOCH=CH-、-COO-(CH-又は-C≡C-であり、他がすべて単結合であることが好ましく、分子内に存在する1つのみが、-OCH-、-CHO-、-C-、-COO-又は-OCO-であり、他がすべて単結合であることが好ましく、すべてが単結合であることが好ましい。また、分子内に存在するZp1及びZp2の1つのみが、-CH=CH-COO-、-COO-CH=CH-、-(CH-COO-、-(CH-OCO-、-O-CO-(CH-、-COO-(CH-からなる群から選択される連結基であり、他は単結合であることが好ましく、分子内に存在するZp1及びZp2の1つのみが、-CH=CH-COO-であり、他がすべて単結合であることが好ましい。
【0030】
Spp1及びSpp2はそれぞれ独立して、単結合又はスペーサー基を表すが、スペーサー基は、炭素原子数1~30のアルキレン基が好ましく、該アルキレン基中の-CH-は酸素原子同士が直接連結しない限りにおいて-O-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CH=CH-又は-C≡C-で置換されていてもよく、該アルキレン基中の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよいが、-O-で置換されていてもよい直鎖の炭素原子数1~10のアルキレン基又は単結合が好ましい。
【0031】
p1、Ap2及びAp3はそれぞれ独立して、1,4-フェニレン基又は1,4-シクロヘキシレン基が好ましく、1,4-フェニレン基が好ましい。1,4-フェニレン基は液晶化合物との相溶性を改善するために、1個のフッ素原子、1個のメチル基又は1個のメトキシ基で置換されていてもよく、1個のフッ素原子又は1個のメトキシ基で置換されていることが好ましい。好ましくは、Ap1、Ap2及びAp3はそれぞれ独立して、1個のフッ素原子又は1個のメトキシ基で置換されていてもよい1,4-フェニレン基である。
【0032】
一般式(P)で表される重合性化合物の好ましい例として、下記式(P-1-1)~式(P-1-14)、式(P-1-21)~式(P-1-27)、式(P-1-32)、式(P-1-41)~式(P-1-46)で表される重合性化合物が挙げられる。
【化5】
(式中、Pp11、Pp12、Spp11及びSpp12は、一般式(P)におけるPp1、Pp2、Spp1及びSpp2と同じ意味を表し、Pp11及びPp12が(Pp1-1)であり、(Pp1-1)中のRp11が水素原子又はメチル基であり、Spp11及びSpp12が単結合であることが好ましい。)
【0033】
一般式(P)で表される重合性化合物の好ましい例として、下記式(P-2-1)~式(P-2-12)で表される重合性化合物が挙げられる。
【化6】
(式中、Pp21、Pp22、Spp21及びSpp22は、一般式(P)におけるPp1、Pp2、Spp1及びSpp2と同じ意味を表し、Pp21及びPp22が(Pp1-1)であり、(Pp1-1)中のRp11が水素原子又はメチル基であり、Spp21及びSpp22がそれぞれ独立して、単結合又は-O-で置換されていてもよい直鎖の炭素原子数1~10のアルキレン基であることが好ましい。)
【0034】
一般式(P)で表される重合性化合物の好ましい例として、下記式(P-3-1)~式(P-3-9)、式(P-3-11)~式(P-3-15)で表される重合性化合物が挙げられる。
【化7】
(式中、Pp31、Pp32、Spp31及びSpp32は、一般式(P)におけるPp1、Pp2、Spp1及びSpp2と同じ意味を表す。)
【0035】
一般式(P)で表される重合性化合物の好ましい例として、下記式(P-4-1)~式(P-4-19)で表される重合性化合物が挙げられる。
【化8】
(式中、Pp41、Pp42、Spp41及びSpp42は、一般式(P)におけるPp1、Pp2、Spp1及びSpp2と同じ意味を表す。)
【0036】
さらに、一般式(P)で表される重合性化合物としては、式(P-1-1)~式(P-1-14)、式(P-1-21)~式(P-1-27)、式(P-1-32)、式(P-1-41)~式(P-1-46)及び式(P-2-1)~式(P-2-12)で表される重合性化合物が好ましく、式(P-1-2)、式(P-1-10)、式(P-1-14)及び式(P-2-5)で表される重合性化合物が好ましい。
【0037】
一般式(P)で表される重合性化合物は、2種以上の重合性化合物の組み合わせである。
【0038】
一般式(P)で表される重合性化合物の少なくとも1種は、Zp2及び存在するには場合Zp1が単結合であることが好ましい。また、一般式(P)で表される重合性化合物の少なくとも1種は、mp1が0であり、Zp2が単結合であり、且つAp1及びAp3が1,4-フェニレン基であるか、又はmp1が1であり、Zp1及びZp2が単結合であり、且つAp1、Ap2及びAp3が1,4-フェニレン基である(1,4-フェニレン基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立して、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1~8のアルキル基又は-Spp2-Pp2で置換されていてもよく、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の-CH-はそれぞれ独立して-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-COO-又は-OCO-によって置換されていてもよい。)ことが好ましい。一般式(P)で表される重合性化合物の少なくとも1種は、好ましくは、式(P-1-1)~式(P-1-13)、式(P-1-21)~式(P-1-27)、式(P-1-32)、式(P-1-41)~式(P-1-46)及び式(P-4-1)~式(P-4-8)で表される重合性化合物である。
【0039】
一般式(P)で表される重合性化合物は、(A)Zp2及び存在する場合にはZp1が単結合である重合性化合物と、Zp2及び存在する場合にはZp1の少なくとも1つ以上が単結合以外の基である重合性化合物の組み合わせ、又は(B)Zp2及び存在する場合にはZp1が単結合である2種以上の重合性化合物の組み合わせを含むことが好ましい。前記の組み合わせ(B)は、Rp1が-Spp2-Pp2であり、Pp1及びPp2が異なる、一般式(P)で表される重合性化合物の組み合わせであることが好ましく、一般式(P)で表される重合性化合物の一方が、Rp1が-Spp2-Pp2であり、Pp1及びPp2が式(Pp1-1)であり、Rp11がメチルであり、他方が、Rp1が-Spp2-Pp2であり、Pp1及びPp2が式(Pp1-1)であり、Rp11が水素であることが好ましい。
【0040】
一般式(P)で表される重合性化合物の組み合わせは、式(P-1-1)~式(P-1-13)、式(P-1-21)~式(P-1-27)、式(P-1-32)、式(P-1-41)~式(P-1-46)及び式(P-4-1)~式(P-4-8)で表される重合性化合物から選ばれる少なくとも1種と、式(P-1-14)、式(P-2-1)~式(P-2-12)及び式(P-4-9)~式(P-4-19)で表される重合性化合物から選ばれる少なくとも1種との組み合わせ、又は式(P-1-1)~式(P-1-13)、式(P-1-21)~式(P-1-27)、式(P-1-32)、式(P-1-41)~式(P-1-46)及び式(P-4-1)~式(P-4-8)で表される重合性化合物から選ばれる少なくとも2種の組み合わせが好ましく、式(P-1-2)及び式(P-1-10)で表される重合性化合物から選ばれる少なくとも1種と、式(P-1-14)及び式(P-2-5)で表される重合性化合物から選ばれる少なくとも1種との組み合わせが好ましく、式(P-1-2)で表される重合性化合物と式(P-1-14)で表される重合性化合物との組み合わせ、及び式(P-1-10)で表される重合性化合物と式(P-2-5)で表される重合性化合物との組み合わせが好ましい。
【0041】
一般式(P)で表される重合性化合物の合計の含有量は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物に対して、0.05~10%含んでいることが好ましく、0.1~8%含んでいることが好ましく、0.1~5%含んでいることが好ましく、0.1~3%含んでいることが好ましく、0.2~2%含んでいることが好ましく、0.2~1.3%含んでいることが好ましく、0.2~1%含んでいることが好ましく、0.2~0.56%含んでいることが好ましい。
【0042】
一般式(P)で表される重合性化合物の合計の含有量の好ましい下限値は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物に対して、0.01%であり、0.03%であり、0.05%であり、0.08%であり、0.1%であり、0.15%であり、0.2%であり、0.25%であり、0.3%である。
【0043】
一般式(P)で表される重合性化合物の合計の含有量の好ましい上限値は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物に対して、10%であり、8%であり、5%であり、3%であり、1.5%であり、1.2%であり、1%であり、0.8%であり、0.5%である。
【0044】
含有量が少ないと一般式(P)で表される重合性化合物を加える効果が現れにくく、液晶組成物の配向規制力が弱い又は経時的に弱くなってしまうなどの問題が発生し、多すぎると硬化後に残存する量が多くなる、硬化に時間がかかる、液晶の信頼性が低下する等の問題が生じる。このため、これらのバランスを考慮し含有量を設定する。
【0045】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物は、一般式(N-1-11)で表される化合物を1種又は2種以上含有することが好ましい。
【化9】
(式中、RN11及びRN12は、それぞれ独立して炭素原子数1~8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の-CH-は、それぞれ独立して-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-COO-又は-OCO-によって置換されていてもよく、nNd11は、1又は2である。)
【0046】
一般式(N-1-11)で表される化合物において、RN11は、炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ビニル基又は1-プロペニル基であることが好ましい。RN12は、炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数4~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基であることが好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基であることが好ましい。
【0047】
一般式(N-1-11)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2種以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折等の求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0048】
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を低めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合は、3環の化合物、すなわち一般式(N-1-11)においてnNd11が2である化合物を用い、その含有量を高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0049】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての式(N-1-11)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対して、35%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%である。
【0050】
さらに、一般式(N-1-11)で表される化合物は、式(N-1-11.1)から式(N-1-11.26)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N-1-11.1)~式(N-1-11.14)及び(N-1-11.19)~(N-1-11.26)で表される化合物であることがより好ましい。最も好ましい化合物は、式(N-1-11.2)、式(N-1-11.4)、式(N-1-11.19)及び式(N-1-11.26)で表される化合物である。
【化10】
【0051】
式(N-1-11.1)~(N-1-11.26)で表される化合物は、単独で使用することも、組み合わせて使用することも可能であるが、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての単独又は組み合わせたこれらの化合物の好ましい含有量の下限値は、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対して、50%、45%、40%、35%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%である。
【0052】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物は、一般式(N-1)、(N-2)及び(N-3)で表される化合物から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有することが好ましい。これらの化合物は誘電的に負の化合物(Δεの符号が負で、その絶対値が2より大きい。)に該当する。
【化11】
(式中、RN11、RN12、RN21、RN22、RN31及びRN32は、それぞれ独立して炭素原子数1~8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の-CH-は、それぞれ独立して-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-COO-又は-OCO-によって置換されていてもよく、
N11、AN12、AN21、AN22、AN31及びAN32は、それぞれ独立して
(a) 1,4-シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は、-O-に置き換えられてもよい。)
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は、-N=に置き換えられてもよい。)
(c) ナフタレン-2,6-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又はデカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基(ナフタレン-2,6-ジイル基又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は、-N=に置き換えられてもよい。)及び
(d) 1,4-シクロヘキセニレン基
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)、基(c)及び基(d)は、それぞれ独立してシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよく、
N11、ZN12、ZN21、ZN22、ZN31及びZN32は、それぞれ独立して単結合、-CHCH-、-(CH-、-OCH-、-CHO-、-COO-、-OCO-、-OCF-、-CFO-、-CH=N-N=CH-、-CH=CH-、-CF=CF-又は-C≡C-を表し、
N21は、水素原子又はフッ素原子を表し、
N31は、-CH-又は酸素原子を表し、
N11、nN12、nN21、nN22、nN31及びnN32は、それぞれ独立して0~3の整数を表すが、nN11+nN12、nN21+nN22及びnN31+nN32は、それぞれ独立して1、2又は3であり、AN11~AN32、ZN11~ZN32が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていてもよいが、一般式(i)で表される化合物を除き、重合性化合物含有液晶組成物が一般式(N-1-11)で表される化合物を含有する場合は当該一般式(N-1-11)で表される化合物を除く。)
【0053】
一般式(N-1)、(N-2)及び(N-3)で表される化合物は、Δεが負でその絶対値が3よりも大きな化合物であることが好ましい。
【0054】
一般式(N-1)、(N-2)及び(N-3)中、RN11、RN12、RN21、RN22、RN31及びRN32は、それぞれ独立して炭素原子数1~8のアルキル基、炭素原子数1~8のアルコキシ基、炭素原子数2~8のアルケニル基又は炭素原子数2~8のアルケニルオキシ基であることが好ましく、炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数1~5のアルコキシ基、炭素原子数2~5のアルケニル基又は炭素原子数2~5のアルケニルオキシ基であることが好ましく、炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基であることがさらに好ましく、炭素原子数2~5のアルキル基又は炭素原子数2~3のアルケニル基であることがさらに好ましく、炭素原子数3のアルケニル基(プロペニル基)であることが特に好ましい。
【0055】
また、それが結合する環構造がフェニル基(芳香族)である場合には、直鎖状の炭素原子数1~5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1~4のアルコキシ基及び炭素原子数4~5のアルケニル基であうことが好ましく、それが結合する環構造がシクロヘキサン、ピラン及びジオキサン等の飽和した環構造である場合には、直鎖状の炭素原子数1~5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1~4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2~5のアルケニル基であることが好ましい。ネマチック相を安定化させるためには、炭素原子及び存在する場合には酸素原子の合計が5以下であることが好ましく、直鎖状であることが好ましい。
【0056】
アルケニル基としては、式(R1)から式(R5)のいずれかで表される基から選ばれることが好ましい。(各式中の黒点は環構造中の炭素原子を表す。)
【化12】
【0057】
N11、AN12、AN21、AN22、AN31及びAN32は、それぞれ独立してΔnを大きくすることが求められる場合には芳香族であることが好ましく、応答速度を改善するためには脂肪族であることが好ましく、トランス-1,4-シクロへキシレン基、1,4-フェニレン基、2-フルオロ-1,4-フェニレン基、3-フルオロ-1,4-フェニレン基、3,5-ジフルオロ-1,4-フェニレン基、2,3-ジフルオロ-1,4-フェニレン基、1,4-シクロヘキセニレン基、1,4-ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン-1,4-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基を表すことが好ましく、下記の構造を表すことがより好ましく、
【化13】
トランス-1,4-シクロへキシレン基、1,4-シクロヘキセニレン基又は1,4-フェニレン基を表すことがより好ましい。
【0058】
N11、ZN12、ZN21、ZN22、ZN31及びZN32は、それぞれ独立して-CHO-、-CFO-、-CHCH-、-CFCF-又は単結合を表すことが好ましく、-CHO-、-CHCH-又は単結合を表すことがさらに好ましく、-CHO-又は単結合を表すことが特に好ましい。
【0059】
N21は、フッ素原子であることが好ましい。
【0060】
N31は、酸素原子であることが好ましい。
【0061】
N11+nN12、nN21+nN22及びnN31+nN32は、1又は2であることが好ましく、nN11が1でありnN12が0である組み合わせ、nN11が2でありnN12が0である組み合わせ、nN11が1でありnN12が1である組み合わせ、nN11が2でありnN12が1である組み合わせ、nN21が1でありnN22が0である組み合わせ、nN21が2でありnN22が0である組み合わせ、nN31が1でありnN32が0である組み合わせ、nN31が2でありnN32が0である組み合わせ、が好ましい。
【0062】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての一般式(N-1)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、10%であり、20%であり、30%であり、40%であり、50%であり、55%であり、60%であり、65%であり、70%であり、75%であり、80%である。好ましい含有量の上限値は、95%であり、85%であり、75%であり、65%であり、55%であり、45%であり、35%であり、25%であり、20%である。
【0063】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての一般式(N-2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、10%であり、20%であり、30%であり、40%であり、50%であり、55%であり、60%であり、65%であり、70%であり、75%であり、80%である。好ましい含有量の上限値は、95%であり、85%であり、75%であり、65%であり、55%であり、45%であり、35%であり、25%であり、20%である。
【0064】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての一般式(N-3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、10%であり、20%であり、30%であり、40%であり、50%であり、55%であり、60%であり、65%であり、70%であり、75%であり、80%である。好ましい含有量の上限値は、95%であり、85%であり、75%であり、65%であり、55%であり、45%であり、35%であり、25%であり、20%である。
【0065】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い液晶組成物が必要な場合は、上記の下限値が低く上限値が低いことが好ましい。さらに、本発明の重合性化合物含有液晶組成物のTniを高く保ち、温度安定性のよい液晶組成物が必要な場合は、上記の下限値が低く上限値が低いことが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高く上限値が高いことが好ましい。
【0066】
一般式(N-1)で表される化合物として、下記の一般式(N-1a)~(N-1f)で表される化合物群を挙げることができる。
【化14】
(式中、RN11及びRN12は、一般式(N-1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表し、nNa11は、0又は1を表し、nNb11は、1又は2を表し、nNc11は、0又は1を表し、nNd11は、1又は2を表し、nNe11は、1又は2を表し、nNf12は、1又は2を表し、nNg11は、1又は2を表し、ANe11は、トランス-1,4-シクロへキシレン基又は1,4-フェニレン基を表し、ANg11は、トランス-1,4-シクロへキシレン基、1,4-シクロヘキセニレン基又は1,4-フェニレン基を表すが少なくとも1つは1,4-シクロヘキセニレン基を表し、ZNe11は、単結合又はエチレンを表すが分子内に存在する少なくとも1つはエチレンを表し、分子内に複数存在するANe11、ZNe11、及び/又はANg11は、同一であっても異なっていてもよいが、一般式(i)で表される化合物を除き、重合性化合物含有液晶組成物が一般式(N-1-11)で表される化合物を含有する場合は当該一般式(N-1-11)で表される化合物を除く。)
【0067】
より具体的には、一般式(N-1)で表される化合物は、一般式(N-1-1)~(N-1-5)、(N-1-12)~(N-1-14)及び(N-1-20)~(N-1-22)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0068】
一般式(N-1-1)で表される化合物は下記の化合物である。
【化15】
(式中、RN111及びRN112は、それぞれ独立して炭素原子数1~8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の-CH-は、それぞれ独立して-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-COO-又は-OCO-によって置換されていてもよい。)
【0069】
一般式(N-1-1)で表される化合物において、RN111は、炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基であることが好ましく、プロピル基、ペンチル基又はビニル基であることが好ましい。RN112は、炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数4~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基であることが好ましく、エトキシ基又はブトキシ基であることが好ましい。
【0070】
一般式(N-1-1)で表される化合物は、単独で使用することもできるが、2種以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折等の求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0071】
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合は含有量を低めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0072】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての式(N-1-1)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%であり、23%であり、25%であり、27%であり、30%であり、33%であり、35%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対して、50%であり、40%であり、38%であり、35%であり、33%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、7%であり、6%であり、5%であり、3%である。
【0073】
さらに、一般式(N-1-1)で表される化合物は、式(N-1-1.1)から式(N-1-1.25)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N-1-1.1)~(N-1-1.4)で表される化合物であることが好ましく、式(N-1-1.1)及び式(N-1-1.3)で表される化合物が好ましい。
【化16】
【0074】
式(N-1-1.1)~(N-1-1.25)で表される化合物は、単独で使用することも、組み合わせて使用することも可能であるが、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての単独又は組み合わせたこれらの化合物の好ましい含有量の下限値は、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%であり、23%であり、25%であり、27%であり、30%であり、33%であり、35%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対して、50%であり、40%であり、38%であり、35%であり、33%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、7%であり、6%であり、5%であり、3%である。
【0075】
式(N-1-1.1)~(N-1-1.4)で表される化合物は、単独で使用することも、組み合わせて使用することも可能であるが、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての単独又は組み合わせたこれらの化合物の好ましい含有量の下限値は、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%であり、23%であり、25%であり、27%であり、30%であり、33%であり、35%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対して、50%であり、40%であり、38%であり、35%であり、33%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、7%であり、6%であり、5%であり、3%である。
【0076】
一般式(N-1-2)で表される化合物は下記の化合物である。
【化17】
(式中、RN121及びRN122は、それぞれ独立して一般式(N-1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
【0077】
N121は、炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基であることが好ましく、エチル基、プロピル基、ブチル基又はペンチル基であることが好ましい。RN122は、炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数4~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基であることが好ましく、メチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基又はプロポキシ基であることが好ましい。
【0078】
一般式(N-1-2)で表される化合物は、単独で使用することもできるが、2種以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折等の求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0079】
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を低めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0080】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての式(N-1-2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5%であり、7%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%であり、23%であり、25%であり、27%であり、30%であり、33%であり、35%であり、37%であり、40%であり、42%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対して、50%であり、48%であり、45%であり、43%であり、40%であり、38%であり、35%であり、33%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、7%であり、6%であり、5%である。
【0081】
さらに、一般式(N-1-2)で表される化合物は、式(N-1-2.1)から式(N-1-2.25)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N-1-2.3)から式(N-1-2.7)、式(N-1-2.10)、式(N-1-2.11)、式(N-1-2.13)及び式(N-1-2.20)で表される化合物であることが好ましく、Δεの改良を重視する場合には式(N-1-2.3)から式(N-1-2.7)で表される化合物が好ましく、Tniの改良を重視する場合には式(N-1-2.10)、式(N-1-2.11)及び式(N-1-2.13)で表される化合物であることが好ましく、応答速度の改良を重視する場合には式(N-1-2.20)で表される化合物であることが好ましい。
【化18】
【0082】
式(N-1-2.1)から式(N-1-2.25)で表される化合物は、単独で使用することも、組み合わせて使用することも可能であるが、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての単独又は組み合わせたこれらの化合物の好ましい含有量の下限値は、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%であり、23%であり、25%であり、27%であり、30%であり、33%であり、35%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対して、50%であり、40%であり、38%であり、35%であり、33%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、7%であり、6%であり、5%であり、3%である。
【0083】
一般式(N-1-3)で表される化合物は下記の化合物である。
【化19】
(式中、RN131及びRN132は、それぞれ独立して一般式(N-1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
【0084】
N131は、炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基であることが好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基であることが好ましい。RN132は、炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数3~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基であることが好ましく、1-プロペニル基、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基であることが好ましい。
【0085】
一般式(N-1-3)で表される化合物は、単独で使用することもできるが、2種以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折等の求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0086】
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0087】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての式(N-1-3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対して、35%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%である。
【0088】
さらに、一般式(N-1-3)で表される化合物は、式(N-1-3.1)から式(N-1-3.21)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N-1-3.1)~(N-1-3.7)及び式(N-1-3.21)で表される化合物であることが好ましく、式(N-1-3.1)、式(N-1-3.2)、式(N-1-3.3)、式(N-1-3.4)及び式(N-1-3.6)で表される化合物であることが好ましい。
【化20】
【0089】
式(N-1-3.1)~式(N-1-3.21)で表される化合物は、単独で使用することも、組み合わせて使用することも可能であるが、式(N-1-3.1)及び式(N-1-3.2)の組み合わせ、式(N-1-3.3)、式(N-1-3.4)及び式(N-1-3.6)から選ばれる2種又は3種の組み合わせであることが好ましい。本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての単独又は組み合わせたこれらの化合物の好ましい含有量の下限値は、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対して、35%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%である。
【0090】
一般式(N-1-4)で表される化合物は下記の化合物である。
【化21】
(式中、RN141及びRN142はそれぞれ独立して、一般式(N-1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
【0091】
N141及びRN142はそれぞれ独立して、炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数4~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基が好ましく、メチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基又はブトキシ基が好ましい。
【0092】
一般式(N-1-4)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0093】
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合は含有量を低めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0094】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての式(N-1-4)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、3%であり、5%であり、7%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対して、35%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、11%であり、10%であり、8%である。
【0095】
さらに、一般式(N-1-4)で表される化合物は、式(N-1-4.1)から式(N-1-4.24)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N-1-4.1)~(N-1-4.4)で表される化合物であることが好ましく、式(N-1-4.1)、式(N-1-4.2)及び式(N-1-4.4)で表される化合物が好ましい。
【化22】
【0096】
式(N-1-4.1)~(N-1-4.24)で表される化合物は単独で使用することも、組み合わせて使用することも可能であるが、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての単独又はこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、3%であり、5%であり、7%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対して、35%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、11%であり、10%であり、8%である。
【0097】
一般式(N-1-5)で表される化合物は下記の化合物である。
【化23】
(式中、RN151及びRN152は、それぞれ独立して一般式(N-1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
【0098】
N151及びRN152は、それぞれ独立して炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数4~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基であることが好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基であることが好ましい。
【0099】
一般式(N-1-5)で表される化合物は、単独で使用することもできるが、2種以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折等の求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0100】
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を低めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0101】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての式(N-1-5)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対して、35%であり、33%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%である。
【0102】
さらに、一般式(N-1-5)で表される化合物は、式(N-1-5.1)から式(N-1-5.12)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N-1-5.1)、式(N-1-5.2)及び式(N-1-5.4)で表される化合物であることが好ましい。
【化24】
【0103】
式(N-1-5.1)~式(N-1-5.12)で表される化合物は、単独で使用することも、組み合わせて使用することも可能であるが、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての単独又は組み合わせたこれらの化合物の好ましい含有量の下限値は、5%であり、8%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対して、35%であり、33%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%である。
【0104】
一般式(N-1-12)で表される化合物は下記の化合物である。
【化25】
(式中、RN1121及びRN1122は、それぞれ独立して一般式(N-1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
【0105】
N1121は、炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基であることが好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基であることが好ましい。RN1122は、炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数4~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基であることが好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基であることが好ましい。
【0106】
一般式(N-1-12)で表される化合物は、単独で使用することもできるが、2種以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折等の求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0107】
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合は含有量を低めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0108】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての式(N-1-12)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対して、35%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%である。
【0109】
一般式(N-1-13)で表される化合物は下記の化合物である。
【化26】
(式中、RN1131及びRN1132は、それぞれ独立して一般式(N-1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
【0110】
N1131は、炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基であることが好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基であることが好ましい。RN1132は、炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数4~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基であることが好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基であることが好ましい。
【0111】
一般式(N-1-13)で表される化合物は、単独で使用することもできるが、2種以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折等の求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0112】
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0113】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての式(N-1-13)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対して、35%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%である。
【0114】
一般式(N-1-14)で表される化合物は下記の化合物である。
【化27】
(式中、RN1141及びRN1142は、それぞれ独立して一般式(N-1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
【0115】
N1141は、炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基であることが好ましい。RN1142は、炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数4~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基であることが好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基であることが好ましい。
【0116】
一般式(N-1-14)で表される化合物は、単独で使用することもできるが、2種以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折等の求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0117】
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0118】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての式(N-1-14)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対して、35%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%である。
【0119】
さらに、一般式(N-1-14)で表される化合物は、式(N-1-14.1)から式(N-1-14.5)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N-1-14.1)~(N-1-14.3)で表される化合物であることが好ましく、式(N-1-14.2)及び式(N-1-14.3)で表される化合物であることが好ましい。
【化28】
【0120】
一般式(N-1-20)で表される化合物は下記の化合物である。
【化29】
(式中、RN1201及びRN1202は、それぞれ独立して一般式(N-1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
【0121】
N1201及びRN1202は、それぞれ独立して炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基であることが好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基であることが好ましい。
【0122】
一般式(N-1-20)で表される化合物は、単独で使用することもできるが、2種以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折等の求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0123】
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0124】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての式(N-1-20)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対して、35%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%である。
【0125】
一般式(N-1-21)で表される化合物は下記の化合物である。
【化30】
(式中、RN1211及びRN1212は、それぞれ独立して一般式(N-1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
【0126】
N1211及びRN1212は、それぞれ独立して炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基であることが好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基であることが好ましい。
【0127】
一般式(N-1-21)で表される化合物は、単独で使用することもできるが、2種以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折等の求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0128】
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0129】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての式(N-1-21)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対して、35%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%である。
【0130】
一般式(N-1-22)で表される化合物は下記の化合物である。
【化31】
(式中、RN1221及びRN1222は、それぞれ独立して一般式(N-1)におけるRN11及びRN12と同じ意味を表す。)
【0131】
N1221及びRN1222は、それぞれ独立して炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基であることが好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基であることが好ましい。
【0132】
一般式(N-1-22)で表される化合物は、単独で使用することもできるが、2種以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折等の求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0133】
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高く、Tniを重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0134】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての式(N-1-22)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり20%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対して、35%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、5%である。
【0135】
さらに、一般式(N-1-22)で表される化合物は、式(N-1-22.1)から式(N-1-22.12)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N-1-22.1)~(N-1-22.5)で表される化合物であることが好ましく、式(N-1-22.1)~(N-1-22.4)で表される化合物であることが好ましい。
【化32】
【0136】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物は、一般式(L)で表される化合物を1種又は2種以上含有することが好ましい。一般式(L)で表される化合物は、誘電的にほぼ中性の化合物(Δεの値が-2~2)に該当する。このため、分子内に有する、ハロゲン等の極性基の個数を2個以下とした方が好ましく、1個以下とした方が好ましく、有さない方が好ましい。
【化33】
(式中、RL1及びRL2は、それぞれ独立して炭素原子数1~8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の-CH-は、それぞれ独立して-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-COO-又は-OCO-によって置換されていてもよく、
L1は、0、1、2又は3を表し、
L1、AL2及びAL3は、それぞれ独立して
(a) 1,4-シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は、-O-に置き換えられてもよい。)
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は、-N=に置き換えられてもよい。)及び
(c) ナフタレン-2,6-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又はデカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基(ナフタレン-2,6-ジイル基又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基中に存在する1個の-CH=又は隣接していない2個以上の-CH=は、-N=に置き換えられてもよい。)
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)及び基(c)は、それぞれ独立してシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよく、
L1及びZL2は、それぞれ独立して単結合、-CHCH-、-(CH-、-OCH-、-CHO-、-COO-、-OCO-、-OCF-、-CFO-、-CH=N-N=CH-、-CH=CH-、-CF=CF-又は-C≡C-を表し、
L1が2又は3であってAL2が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていてもよく、nL1が2又は3であってZL2が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていてもよいが、一般式(i)で表される化合物を除き、重合性化合物含有液晶組成物が一般式(N-1-11)、一般式(N-1)、一般式(N-2)又は一般式(N-3)で表される化合物を含有する場合は当該一般式(N-1-11)、一般式(N-1)、一般式(N-2)又は一般式(N-3)で表される化合物を除く。)
【0137】
一般式(L)で表される化合物は、単独で用いてもよいが、組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折等の所望の性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類であり、6種類であり、7種類であり、8種類であり、9種類であり、10種類以上である。
【0138】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物において、一般式(L)で表される化合物の合計の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性等の求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0139】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての式(L)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、10%であり、20%であり、30%であり、40%であり、50%であり、55%であり、60%であり、65%であり、70%であり、75%であり、80%である。好ましい含有量の上限値は、95%であり、85%であり、75%であり、65%であり、55%であり、45%であり、35%であり、25%である。
【0140】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い液晶組成物が必要な場合は上記の下限値が高く上限値が高いことが好ましい。さらに、本発明の組成物のTniを高く保ち、温度安定性のよい液晶組成物が必要な場合は上記の下限値が高く上限値が高いことが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を低く上限値が低いことが好ましい。
【0141】
信頼性を重視する場合にはRL1及びRL2はともにアルキル基であることが好ましく、化合物の揮発性を低減させることを重視する場合にはアルコキシ基であることが好ましく、粘性の低下を重視する場合には少なくとも一方はアルケニル基であることが好ましい。
【0142】
分子内に存在するハロゲン原子は0、1、2又は3個であることが好ましく、0又は1であることが好ましく、他の液晶分子との相溶性を重視する場合には1であることが好ましい。
【0143】
L1及びRL2は、それが結合する環構造がフェニル基(芳香族)である場合には、直鎖状の炭素原子数1~5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1~4のアルコキシ基及び炭素原子数4~5のアルケニル基であることが好ましく、それが結合する環構造がシクロヘキサン、ピラン及びジオキサン等の飽和した環構造である場合には、直鎖状の炭素原子数1~5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1~4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2~5のアルケニル基であることが好ましい。ネマチック相を安定化させるためには炭素原子及び存在する場合には酸素原子の合計が5以下であることが好ましく、直鎖状であることが好ましい。
【0144】
アルケニル基としては、式(R1)から式(R5)のいずれかで表される基から選ばれることが好ましい。(各式中の黒点は環構造中の炭素原子を表す。)
【化34】
【0145】
L1は、応答速度を重視する場合には0であることが好ましく、ネマチック相の上限温度を改善するためには2又は3であることが好ましく、これらのバランスをとるためには1であることが好ましい。また、液晶組成物として求められる特性を満たすためにはnL1が異なる値の化合物を組み合わせることが好ましい。
【0146】
L1、AL2及びAL3は、Δnを大きくすることが求められる場合には芳香族であることが好ましく、応答速度を改善するためには脂肪族であることが好ましく、それぞれ独立してトランス-1,4-シクロへキシレン基、1,4-フェニレン基、2-フルオロ-1,4-フェニレン基、3-フルオロ-1,4-フェニレン基、3,5-ジフルオロ-1,4-フェニレン基、1,4-シクロヘキセニレン基、1,4-ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン-1,4-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基を表すことが好ましく、下記の構造を表すことがより好ましく、
【化35】
トランス-1,4-シクロへキシレン基又は1,4-フェニレン基を表すことがより好ましい。
【0147】
L1及びZL2は、応答速度を重視する場合には単結合であることが好ましい。
【0148】
一般式(L)で表される化合物は、分子内のハロゲン原子数が0個又は1個であることが好ましい。
【0149】
一般式(L)で表される化合物は、一般式(L-1)~(L-7)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0150】
一般式(L-1)で表される化合物は下記の化合物である。
【化36】
(式中、RL11及びRL12は、それぞれ独立して一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表す。)
【0151】
一般式(L-1)で表される化合物において、RL11及びRL12は、それぞれ独立して直鎖状の炭素原子数1~5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1~4のアルコキシ基又は直鎖状の炭素原子数1~4のアルケニル基であることが好ましく、直鎖状の炭素原子数2~5のアルキル基、ビニル基又は1-プロペニル基であることが好ましく、エチル基とプロピル基の組み合わせ、プロピル基とブチル基の組み合わせ、プロピル基とペンチル基の組み合わせ、プロピル基とビニル基の組み合わせ又はプロピル基と1-プロペニル基の組み合わせであることが好ましい。
【0152】
一般式(L-1)で表される化合物は、単独で使用することもできるが、2種以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折等の求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0153】
一般式(L-1)で表される化合物の好ましい合計の含有量の下限値は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対して、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%であり、15%であり、20%であり、25%であり、30%であり、35%であり、40%であり、45%であり、50%であり、55%である。好ましい合計の含有量の上限値は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対して、95%であり、90%であり、85%であり、80%であり、75%であり、70%であり、65%であり、60%であり、55%であり、50%であり、45%であり、40%であり、35%であり、30%であり、25%である。
【0154】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い液晶組成物が必要な場合は上記の下限値が高く上限値が高いことが好ましい。さらに、本発明の重合性化合物含有液晶組成物のTniを高く保ち、温度安定性のよい液晶組成物が必要な場合は上記の下限値が中庸で上限値が中庸であることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値が低く上限値が低いことが好ましい。
【0155】
一般式(L-1)で表される化合物は、一般式(L-1-1)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【化37】
(式中、RL12は、一般式(L-1)における意味と同じ意味を表す。)
【0156】
一般式(L-1-1)で表される化合物は、式(L-1-1.1)から式(L-1-1.3)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(L-1-1.2)又は式(L-1-1.3)で表される化合物であることが好ましく、特に、式(L-1-1.3)で表される化合物であることが好ましい。
【化38】
【0157】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての式(L-1-1)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対して、20%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、7%であり、6%であり、5%であり、3%である。
【0158】
一般式(L-1)で表される化合物は、一般式(L-1-2)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【化39】
(式中、RL12は、一般式(L-1)における意味と同じ意味を表す。)
【0159】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての式(L-1-2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、5%であり、10%であり、15%であり、17%であり、20%であり、23%であり、25%であり、27%であり、30%であり、35%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対して、60%であり、55%であり、50%であり、45%であり、42%であり、40%であり、38%であり、35%であり、33%であり、30%である。
【0160】
さらに、一般式(L-1-2)で表される化合物は、式(L-1-2.1)から式(L-1-2.4)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(L-1-2.2)から式(L-1-2.4)で表される化合物であることが好ましい。特に、式(L-1-2.2)で表される化合物は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の応答速度を特に改善するため好ましい。また、応答速度よりも高いTniを求めるときは、式(L-1-2.3)又は式(L-1-2.4)で表される化合物を用いることが好ましい。式(L-1-2.3)及び式(L-1-2.4)で表される化合物の含有量は、低温での溶解度をよくするために30%以上にすることは好ましくない。
【化40】
【0161】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての式(L-1-2.2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、10%であり、15%であり、18%であり、20%であり、23%であり、25%であり、27%であり、30%であり、33%であり、35%であり、38%であり、40%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対して、60%であり、55%であり、50%であり、45%であり、43%であり、40%であり、38%であり、35%であり、32%であり、30%であり、27%であり、25%であり、22%である。
【0162】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての式(L-1-1.3)で表される化合物及び式(L-1-2.2)で表される化合物の合計の好ましい含有量の下限値は、10%であり、15%であり、20%であり、25%であり、27%であり、30%であり、35%であり、40%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対して、60%であり、55%であり、50%であり、45%であり、43%であり、40%であり、38%であり、35%であり、32%であり、30%であり、27%であり、25%であり、22%である。
【0163】
一般式(L-1)で表される化合物は、一般式(L-1-3)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【化41】
(式中、RL13及びRL14は、それぞれ独立して炭素原子数1~8のアルキル基又は炭素原子数1~8のアルコキシ基を表す。)
【0164】
一般式(L-1-3)で表される化合物において、RL13及びRL14は、それぞれ独立して直鎖状の炭素原子数1~5のアルキル基又は直鎖状の炭素原子数1~4のアルコキシ基であることが好ましく、直鎖状の炭素原子数1~5のアルキル基であることが好ましく、直鎖状の炭素原子数2~5のアルキル基であることが好ましく、エチル基とプロピル基の組み合わせ、プロピル基とブチル基の組み合わせ及びプロピル基とペンチル基の組み合わせであることが好ましい。
【0165】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての式(L-1-3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%であり、23%であり、25%であり、30%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対して、60%であり、55%であり、50%であり、45%であり、40%であり、37%であり、35%であり、33%であり、30%であり、27%であり、25%であり、23%であり、20%であり、17%であり、15%であり、13%であり、10%である。
【0166】
さらに、一般式(L-1-3)で表される化合物は、式(L-1-3.1)から式(L-1-3.13)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(L-1-3.1)、式(L-1-3.3)又は式(L-1-3.4)で表される化合物であることが好ましい。特に、式(L-1-3.1)で表される化合物は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の応答速度を特に改善するため好ましい。また、応答速度よりも高いTniを求めるときは、式(L-1-3.3)及び式(L-1-3.4)で表される化合物を用いることが好ましい。式(L-1-3.3)及び式(L-1-3.4)で表される化合物の合計の含有量は、低温での溶解度をよくするために40%以上にすることは好ましくない。
【化42】
【0167】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての式(L-1-3.1)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対して、35%であり、30%であり、25%であり、20%であり、17%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、7%であり、6%である。
【0168】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての式(L-1-3.3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対して、20%であり、17%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、7%であり、6%である。
【0169】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての式(L-1-3.4)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対して、20%であり、17%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、7%であり、6%である。
【0170】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての式(L-1-3.1)、式(L-1-3.3)及び式(L-1-3.4)で表される化合物の好ましい合計の含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい合計の含有量の上限値は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対して、35%であり、30%であり、25%であり、20%であり、17%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、7%であり、6%である。
【0171】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての式(L-1-3.1)及び式(L-1-3.4)で表される化合物の好ましい合計の含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい合計の含有量の上限値は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対して、35%であり、30%であり、25%であり、20%であり、17%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、7%であり、6%である。
【0172】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての式(L-1-3.3)及び式(L-1-3.4)で表される化合物の好ましい合計の含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい合計の含有量の上限値は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対して、20%であり、17%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、7%であり、6%である。
【0173】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての式(L-1-3.1)及び式(L-1-3.3)で表される化合物の好ましい合計の含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい合計の含有量の上限値は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対して、35%であり、30%であり、25%であり、20%であり、17%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、7%であり、6%である。
【0174】
一般式(L-1)で表される化合物は、一般式(L-1-4)及び/又は(L-1-5)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【化43】
(式中、RL15及びRL16は、それぞれ独立して炭素原子数1~8のアルキル基、炭素原子数1~8のアルコキシ基又は炭素原子数2~8のアルケニル基を表す。)
【0175】
L15及びRL16は、直鎖状の炭素原子数1~5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1~4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2~5のアルケニル基であることが好ましい。
【0176】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての式(L-1-4)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対して、25%であり、23%であり、20%であり、17%であり、15%であり、13%であり、10%である。
【0177】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての式(L-1-5)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、5%であり、10%であり、13%であり、15%であり、17%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対して、25%であり、23%であり、20%であり、17%であり、15%であり、13%であり、10%である。
【0178】
さらに、一般式(L-1-4)及び(L-1-5)で表される化合物は、式(L-1-4.1)から式(L-1-5.3)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(L-1-4.2)又は式(L-1-5.2)で表される化合物であることが好ましい。
【化44】
【0179】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての式(L-1-4.2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対して、20%であり、17%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、7%であり、6%である。
【0180】
式(L-1-1.3)、式(L-1-2.2)、式(L-1-3.1)、式(L-1-3.3)、式(L-1-3.4)、式(L-1-3.11)及び式(L-1-3.12)で表される化合物から選ばれる2種以上の化合物を組み合わせることが好ましく、式(L-1-1.3)、式(L-1-2.2)、式(L-1-3.1)、式(L-1-3.3)、式(L-1-3.4)及び式(L-1-4.2)で表される化合物から選ばれる2種以上の化合物を組み合わせることが好ましく、これらの化合物の合計の含有量の好ましい下限値は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対して、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%であり、13%であり、15%であり、18%であり、20%であり、23%であり、25%であり、27%であり、30%であり、33%であり、35%であり、上限値は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対して、80%であり、70%であり、60%であり、50%であり、45%であり、40%であり、37%であり、35%であり、33%であり、30%であり、28%であり、25%であり、23%であり、20%である。液晶組成物の信頼性を重視する場合には、式(L-1-3.1)、式(L-1-3.3)及び式(L-1-3.4)で表される化合物から選ばれる2種以上の化合物を組み合わせることが好ましく、組成物の応答速度を重視する場合には、式(L-1-1.3)、式(L-1-2.2)で表される化合物から選ばれる2種以上の化合物を組み合わせることが好ましい。
【0181】
一般式(L-1)で表される化合物は、一般式(L-1-6)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【化45】
(式中、RL17及びRL18は、それぞれ独立してメチル基又は水素原子を表す。)
【0182】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての式(L-1-6)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、5%であり、10%であり、15%であり、17%であり、20%であり、23%であり、25%であり、27%であり、30%であり、35%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対して、60%であり、55%であり、50%であり、45%であり、42%であり、40%であり、38%であり、35%であり、33%であり、30%である。
【0183】
さらに、一般式(L-1-6)で表される化合物は、式(L-1-6.1)から式(L-1-6.3)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【化46】
【0184】
一般式(L-2)で表される化合物は下記の化合物である。
【化47】
(式中、RL21及びRL22は、それぞれ独立して一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表す。)
【0185】
L21は、炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基であることが好ましく、RL22は、炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数4~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基であることが好ましい。
【0186】
一般式(L-2)で表される化合物は、単独で使用することもできるが、2種以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折等の求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0187】
低温での溶解性を重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高く、反対に、応答速度を重視する場合は含有量を低めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0188】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての式(L-2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対して、20%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、7%であり、6%であり、5%であり、3%である。
【0189】
さらに、一般式(L-2)で表される化合物は、式(L-2.1)から式(L-2.6)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(L-2.1)、式(L-2.3)、式(L-2.4)及び式(L-2.6)で表される化合物であることが好ましい。
【化48】
【0190】
一般式(L-3)で表される化合物は下記の化合物である。
【化49】
(式中、RL31及びRL32は、それぞれ独立して一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表す。)
【0191】
L31及びRL32はそれぞれ独立して炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数4~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基が好ましく、メチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基又はブトキシ基であることが好ましい。
【0192】
一般式(L-3)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0193】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての式(L-3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%である。好ましい含有量の上限値は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対して、20%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%であり、7%であり、6%であり、5%であり、3%である。
【0194】
高い複屈折率を得る場合は含有量を高めに設定すると効果が高く、反対に、高いTniを重視する場合は含有量を低めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0195】
さらに、一般式(L-3)で表される化合物は、式(L-3.1)から式(L-3.7)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(L-3.1)から式(L-3.5)で表される化合物であることが好ましく、式(L-3.1)で表される化合物であることが好ましい。
【化50】
【0196】
一般式(L-4)で表される化合物は下記の化合物である。
【化51】
(式中、RL41及びRL42は、それぞれ独立して一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表す。)
【0197】
L41は、炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基であることが好ましく、RL42は、炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数4~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基であることが好ましい。
【0198】
一般式(L-4)で表される化合物は、単独で使用することもできるが、2種以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折等の求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0199】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物において、一般式(L-4)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性等の求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0200】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての式(L-4)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%であり、14%であり、16%であり、20%であり、23%であり、26%であり、30%であり、35%であり、40%である。本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての式(L-4)で表される化合物の好ましい含有量の上限値は、50%であり、40%であり、35%であり、30%であり、20%であり、15%であり、10%であり、5%である。
【0201】
一般式(L-4)で表される化合物は、例えば式(L-4.1)から式(L-4.3)で表される化合物であることが好ましい。
【化52】
【0202】
低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折等の求められる性能に応じて、式(L-4.1)で表される化合物を含有していても、式(L-4.2)で表される化合物を含有していても、式(L-4.1)で表される化合物と式(L-4.2)で表される化合物との両方を含有していてもよいし、式(L-4.1)から式(L-4.3)で表される化合物を全て含んでいてもよい。本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての式(L-4.1)又は式(L-4.2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、3%であり、5%であり、7%であり、9%であり、11%であり、12%であり、13%であり、18%であり、21%であり、好ましい上限値は、45であり、40%であり、35%であり、30%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%である。
【0203】
式(L-4.1)で表される化合物と式(L-4.2)で表される化合物との両方を含有する場合は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての両化合物の好ましい含有量の下限値は、15%であり、19%であり、24%であり、30%であり、好ましい上限値は、45であり、40%であり、35%であり、30%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%である。
【0204】
一般式(L-4)で表される化合物は、例えば式(L-4.4)から式(L-4.6)で表される化合物であることが好ましく、式(L-4.4)で表される化合物であることが好ましい。
【化53】
【0205】
低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折等の求められる性能に応じて、式(L-4.4)で表される化合物を含有していても、式(L-4.5)で表される化合物を含有していても、式(L-4.4)で表される化合物と式(L-4.5)で表される化合物との両方を含有していてもよい。
【0206】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての式(L-4.4)又は式(L-4.5)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、3%であり、5%であり、7%であり、9%であり、11%であり、12%であり、13%であり、18%であり、21%である。好ましい上限値は、45であり、40%であり、35%であり、30%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%であり、10%であり、8%である。
【0207】
式(L-4.4)で表される化合物と式(L-4.5)で表される化合物との両方を含有する場合は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての両化合物の好ましい含有量の下限値は、15%であり、19%であり、24%であり、30%であり、好ましい上限値は、45であり、40%であり、35%であり、30%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、13%である。
【0208】
一般式(L-4)で表される化合物は、式(L-4.7)から式(L-4.10)で表される化合物であることが好ましく、特に、式(L-4.9)で表される化合物が好ましい。
【化54】
【0209】
一般式(L-5)で表される化合物は下記の化合物である。
【化55】
(式中、RL51及びRL52は、それぞれ独立して一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表す。)
【0210】
L51は、炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基であることが好ましく、RL52は、炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数4~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基であることが好ましい。
【0211】
一般式(L-5)で表される化合物は、単独で使用することもできるが、2種以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折等の求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0212】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物において、一般式(L-5)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性等の求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0213】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての式(L-5)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%であり、14%であり、16%であり、20%であり、23%であり、26%であり、30%であり、35%であり、40%である。本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての式(L-5)で表される化合物の好ましい含有量の上限値は、50%であり、40%であり、35%であり、30%であり、20%であり、15%であり、10%であり、5%である。
【0214】
一般式(L-5)で表される化合物は、式(L-5.1)又は式(L-5.2)で表される化合物であることが好ましく、特に、式(L-5.1)で表される化合物であることが好ましい。本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対してのこれらの化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%である。これらの化合物の好ましい含有量の上限値は、20%であり、15%であり、13%であり、10%であり、9%である。
【化56】
【0215】
一般式(L-5)で表される化合物は、式(L-5.3)又は式(L-5.4)で表される化合物であることが好ましい。本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対してのこれらの化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%である。これらの化合物の好ましい含有量の上限値は、20%であり、15%であり、13%であり、10%であり、9%である。
【化57】
【0216】
一般式(L-5)で表される化合物は、式(L-5.5)から式(L-5.7)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、特に式(L-5.7)で表される化合物であることが好ましい。本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対してのこれらの化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%である。これらの化合物の好ましい含有量の上限値は、20%であり、15%であり、13%であり、10%であり、9%である。
【化58】
【0217】
一般式(L-6)で表される化合物は下記の化合物である。
【化59】
(式中、RL61及びRL62は、それぞれ独立して一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表し、XL61及びXL62は、それぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表す。)
【0218】
L61及びRL62は、それぞれ独立して炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基であることが好ましく、XL61及びXL62のうち一方がフッ素原子であり他方が水素原子であることが好ましい。
【0219】
一般式(L-6)で表される化合物は、単独で使用することもできるが、2種以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折等の求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0220】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての式(L-6)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%であり、14%であり、16%であり、20%であり、23%であり、26%であり、30%であり、35%であり、40%である。本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての式(L-6)で表される化合物の好ましい含有量の上限値は、50%であり、40%であり、35%であり、30%であり、20%であり、15%であり、10%であり、5%である。Δnを大きくすることに重点を置く場合には含有量を多くした方が好ましく、低温での析出に重点を置いた場合には含有量は少ない方が好ましい。
【0221】
一般式(L-6)で表される化合物は、式(L-6.1)から式(L-6.9)で表される化合物であることが好ましい。
【化60】
【0222】
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、これらの化合物の中から1種~3種類含有することが好ましく、1種~4種類含有することがさらに好ましい。また、選ぶ化合物の分子量分布が広いことも溶解性に有効であるため、例えば、式(L-6.1)又は(L-6.2)で表される化合物から1種類、式(L-6.4)又は(L-6.5)で表される化合物から1種類、式(L-6.6)又は式(L-6.7)で表される化合物から1種類、式(L-6.8)又は(L-6.9)で表される化合物から1種類の化合物を選び、これらを適宜組み合わせることが好ましい。その中でも、式(L-6.1)、式(L-6.3)、式(L-6.4)、式(L-6.6)及び式(L-6.9)で表される化合物を含むことが好ましい。
【0223】
さらに、一般式(L-6)で表される化合物は、例えば式(L-6.10)から式(L-6.17)で表される化合物であることが好ましく、その中でも、式(L-6.11)で表される化合物であることが好ましい。
【化61】
【0224】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対してのこれらの化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%である。これらの化合物の好ましい含有量の上限値は、20%であり、15%であり、13%であり、10%であり、9%である。
【0225】
一般式(L-7)で表される化合物は下記の化合物である。
【化62】
(式中、RL71及びRL72は、それぞれ独立して一般式(L)におけるRL1及びRL2と同じ意味を表し、AL71及びAL72は、それぞれ独立して一般式(L)におけるAL2及びAL3と同じ意味を表すが、AL71及びAL72上の水素原子は、それぞれ独立してフッ素原子によって置換されていてもよく、ZL71は、一般式(L)におけるZL2と同じ意味を表し、XL71及びXL72は、それぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表す。)
【0226】
式中、RL71及びRL72は、それぞれ独立して炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数2~5のアルケニル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基であることが好ましく、AL71及びAL72は、それぞれ独立して1,4-シクロヘキシレン基又は1,4-フェニレン基であることが好ましく、AL71及びAL72上の水素原子は、それぞれ独立してフッ素原子によって置換されていてもよく、ZL71は、単結合又はCOO-であることが好ましく、単結合であることが好ましく、XL71及びXL72は、水素原子であることが好ましい。
【0227】
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折等の求められる性能に応じて組み合わせる。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類である。
【0228】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物において、一般式(L-7)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性等の求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0229】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての式(L-7)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1%であり、2%であり、3%であり、5%であり、7%であり、10%であり、14%であり、16%であり、20%である。本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての式(L-7)で表される化合物の好ましい含有量の上限値は、30%であり、25%であり、23%であり、20%であり、18%であり、15%であり、10%であり、5%である。
【0230】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物のTniが高い実施形態が望まれる場合は式(L-7)で表される化合物の含有量を多めにすることが好ましく、低粘度の実施形態が望まれる場合は含有量を少なめにすることが好ましい。
【0231】
さらに、一般式(L-7)で表される化合物は、式(L-7.1)から式(L-7.4)で表される化合物であることが好ましく、式(L-7.2)で表される化合物であることが好ましい。
【化63】
【0232】
さらに、一般式(L-7)で表される化合物は、式(L-7.11)から式(L-7.13)で表される化合物であることが好ましく、式(L-7.11)で表される化合物であることが好ましい。
【化64】
【0233】
さらに、一般式(L-7)で表される化合物は、式(L-7.21)から式(L-7.23)で表される化合物である。式(L-7.21)で表される化合物であることが好ましい。
【化65】
【0234】
さらに、一般式(L-7)で表される化合物は、式(L-7.31)から式(L-7.34)で表される化合物であることが好ましく、式(L-7.31)又は/及び式(L-7.32)で表される化合物であることが好ましい。
【化66】
【0235】
さらに、一般式(L-7)で表される化合物は、式(L-7.41)から式(L-7.44)で表される化合物であることが好ましく、式(L-7.41)又は/及び式(L-7.42)で表される化合物であることが好ましい。
【化67】
【0236】
さらに、一般式(L-7)で表される化合物は、式(L-7.51)から式(L-7.53)で表される化合物であることが好ましい。
【化68】
【0237】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物は、好ましくは一般式(N-1-11)で表される化合物と、一般式(L-1)、(L-3)、(L-4)及び/又は(L-5)で表される化合物を含有し、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての一般式(i)、一般式(N-1-11)、一般式(L-1)、(L-3)、(L-4)及び(L-5)で表される化合物の合計の好ましい含有量の下限値は、80%であり、85%であり、88%であり、90%であり、92%であり、93%であり、94%であり、95%であり、96%であり、97%であり、98%であり、99%であり、100%である。好ましい含有量の上限値は、100%であり、99%であり、98%であり、95%である。
【0238】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物は、好ましくは一般式(N-1-11)で表される化合物と、一般式(L-1)、(L-3)、(L-4)及び/又は(L-5)で表される化合物と、一般式(N-1)、一般式(N-2)及び/又は一般式(N-3)で表される化合物を含有し、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての一般式(i)、一般式(N-1-11)、一般式(L-1)、(L-3)、(L-4)及び(L-5)、一般式(N-1)、一般式(N-2)及び一般式(N-3)で表される化合物の合計の好ましい含有量の下限値は、80%であり、85%であり、88%であり、90%であり、92%であり、93%であり、94%であり、95%であり、96%であり、97%であり、98%であり、99%であり、100%である。好ましい含有量の上限値は、100%であり、99%であり、98%であり、95%である。
【0239】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物の総量に対しての一般式(i)、一般式(N-1-11)、一般式(N-1)、一般式(N-2)、一般式(N-3)及び一般式(L)で表される化合物の合計の好ましい含有量の下限値は、80%であり、85%であり、88%であり、90%であり、92%であり、93%であり、94%であり、95%であり、96%であり、97%であり、98%であり、99%であり、100%である。好ましい含有量の上限値は、100%であり、99%であり、98%であり、95%である。
【0240】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物は、分子内に過酸(-CO-OO-)構造等の酸素原子同士が結合した構造を持つ化合物を含有しないことが好ましい。
【0241】
重合性化合物含有液晶組成物の信頼性及び長期安定性を重視する場合には、一般式(P)で表される重合性化合物以外の成分としてカルボニル基を有する化合物の含有量を前記重合性化合物含有液晶組成物の総質量に対して5%以下とすることが好ましく、3%以下とすることがより好ましく、1%以下とすることがさらに好ましく、実質的に含有しないことが最も好ましい。
【0242】
UV照射による安定性を重視する場合、塩素原子が置換している化合物の含有量を前記重合性化合物含有液晶組成物の総質量に対して15%以下とすることが好ましく、10%以下とすることが好ましく、8%以下とすることが好ましく、5%以下とすることがより好ましく、3%以下とすることが好ましく、1%以下とすることが好ましく、実質的に含有しないことがさらに好ましい。
【0243】
分子内の環構造がすべて6員環である化合物の含有量を多くすることが好ましく、分子内の環構造がすべて6員環である化合物の含有量を前記重合性化合物含有液晶組成物の総質量に対して80%以上とすることが好ましく、90%以上とすることがより好ましく、95%以上とすることがさらに好ましく、実質的に分子内の環構造がすべて6員環である化合物のみで重合性化合物含有液晶組成物を構成することが最も好ましい。
【0244】
重合性化合物含有液晶組成物の酸化による劣化を抑えるためには、環構造としてシクロヘキセニレン基を有する化合物の含有量を少なくすることが好ましく、シクロヘキセニレン基を有する化合物の含有量を前記重合性化合物含有液晶組成物の総質量に対して10%以下とすることが好ましく、8%以下とすることが好ましく、5%以下とすることがより好ましく、3%以下とすることが好ましく、実質的に含有しないことがさらに好ましい。
【0245】
粘度の改善及びTniの改善を重視する場合には、水素原子がハロゲンに置換されていてもよい2-メチルベンゼン-1,4-ジイル基を分子内に持つ化合物の含有量を少なくすることが好ましく、前記2-メチルベンゼン-1,4-ジイル基を分子内に持つ化合物の含有量を前記重合性化合物含有液晶組成物の総質量に対して10%以下とすることが好ましく、8%以下とすることが好ましく、5%以下とすることがより好ましく、3%以下とすることが好ましく、実質的に含有しないことがさらに好ましい。
【0246】
本願において実質的に含有しないとは、意図せずに含有する物を除いて含有しないという意味である。
【0247】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物に含有される化合物が、側鎖としてアルケニル基を有する場合、前記アルケニル基がシクロヘキサンに結合している場合には当該アルケニル基の炭素原子数は2~5であることが好ましく、前記アルケニル基がベンゼンに結合している場合には当該アルケニル基の炭素原子数は4~5であることが好ましく、前記アルケニル基の不飽和結合とベンゼンとは直接結合していないことが好ましい。
【0248】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物の平均弾性定数(KAVG)は、10から25が好ましいが、その下限値としては、10が好ましく、10.5が好ましく、11が好ましく、11.5が好ましく、12が好ましく、12.3が好ましく、12.5が好ましく、12.8が好ましく、13が好ましく、13.3が好ましく、13.5が好ましく、13.8が好ましく、14が好ましく、14.3が好ましく、14.5が好ましく、14.8が好ましく、15が好ましく、15.3が好ましく、15.5が好ましく、15.8が好ましく、16が好ましく、16.3が好ましく、16.5が好ましく、16.8が好ましく、17が好ましく、17.3が好ましく、17.5が好ましく、17.8が好ましく、18が好ましく、その上限値としては、25が好ましく、24.5が好ましく、24が好ましく、23.5が好ましく、23が好ましく、22.8が好ましく、22.5が好ましく、22.3が好ましく、22が好ましく、21.8が好ましく、21.5が好ましく、21.3が好ましく、21が好ましく、20.8が好ましく、20.5が好ましく、20.3が好ましく、20が好ましく、19.8が好ましく、19.5が好ましく、19.3が好ましく、19が好ましく、18.8が好ましく、18.5が好ましく、18.3が好ましく、18が好ましく、17.8が好ましく、17.5が好ましく、17.3が好ましく、17が好ましい。消費電力削減を重視する場合にはバックライトの光量を抑えることが有効であり、液晶表示素子は光の透過率を向上させることが好ましく、そのためにはKAVGの値を低めに設定することが好ましい。応答速度の改善を重視する場合にはKAVGの値を高めに設定することが好ましい。
【0249】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物は、酸化防止剤や光安定剤等の添加剤を1種又は2種以上含有することが好ましい。本発明の重合性化合物含有液晶組成物が酸化防止剤や光安定剤を含有することにより、該組成物を使用した液晶表示素子において光抜けをより抑制する又は発生させないことができる。酸化防止剤や光安定剤としては、下記の構造を有する化合物(Q)が好ましい。
【化69】
(式中、Rは水酸基、水素原子、炭素原子数1~22の直鎖アルキル基又は分岐鎖アルキル基を表し、該アルキル基中の1つ又は2つ以上のCH基は、酸素原子が直接隣接しないように、-O-、-CH=CH-、-CO-、-OCO-、-COO-、-C≡C-、-CFO-、-OCF-で置換されてよく、*で他の構造と結合する。)
は炭素原子数1~22の直鎖アルキル基又は分岐鎖アルキル基を表し、該アルキル基中の1つ又は2つ以上のCH基は、酸素原子が直接隣接しないように、-O-、-CH=CH-、-CO-、-OCO-、-COO-、-C≡C-、-CFO-、-OCF-で置換されてよいが、炭素原子数1~10の直鎖アルキル基、直鎖アルコキシ基、1つのCH基が-OCO-又は-COO-に置換された直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基、分岐アルコキシ基、1つのCH基が-OCO-又は-COO-に置換された分岐鎖アルキル基が好ましく、炭素原子数1~20の直鎖アルキル基、1つのCH基が-OCO-又は-COO-に置換された直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基、分岐アルコキシ基、1つのCH基が-OCO-又は-COO-に置換された分岐鎖アルキル基がさらに好ましい。
【0250】
化合物(Q)は、より具体的には、下記の一般式(Q-a)から一般式(Q-d)で表される化合物が好ましい。
【化70】
式中、RQ1は炭素原子数1~10の直鎖アルキル基又は分岐鎖アルキル基が好ましく、RQ2は炭素原子数1~20の直鎖アルキル基又は分岐鎖アルキル基が好ましく、RQ3は炭素原子数1~8の直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基、直鎖アルコキシ基又は分岐鎖アルコキシ基が好ましく、Lは炭素原子数1~8の直鎖アルキレン基又は分岐鎖アルキレン基が好ましい。また、一般式(Q-c)で表される化合物において、1,4-シクロヘキシレン基中の1つ又は2つ以上の-CH-は互いに直接隣接しないように酸素原子で置換されていてもよい。
【0251】
一般式(Q-a)から一般式(Q-d)で表される化合物中、一般式(Q-c)及び一般式(Q-d)で表される化合物がさらに好ましい。
【0252】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物において、一般式(Q)で表される化合物を1種又は2種含有することが好ましく、1種から5種含有することがさらに好ましく、その含有量は0.001~1%であることが好ましく、0.001~0.1%がさらに好ましく、0.001~0.05%が特に好ましい。
【0253】
本発明に使用できる酸化防止剤としてより具体的には以下の(Q-1)~(Q-34)、(Q-37)及び(Q-38)で表される化合物が好ましい。また、本発明に使用できる光安定剤としてより具体的には以下の(Q-34)~(Q-36)、(Q-39)~(Q-44)で表される化合物が好ましい。なお、(Q-34)で表される化合物は、酸化防止剤及び光安定剤のいずれとしても使用できる。
【化71】
(式中、nは0~20の整数を表す。)
【0254】
(Q-1)~(Q-44)で表される化合物のうち(Q-4)~(Q-6)、(Q-21)、(Q-22)、(Q-35)、(Q-39)、(Q-41)で表される化合物が好ましく、(Q-6)で表される化合物がより好ましい。
【0255】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物において、(Q-1)~(Q-44)で表される化合物を1種又は2種含有することが好ましく、1種から5種含有することがさらに好ましく、その含有量は0.001~1%であることが好ましく、0.001~0.1%がさらに好ましく、0.001~0.05%が特に好ましい。
【0256】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物は、上述の化合物以外に、通常のネマチック液晶、スメクチック液晶、コレステリック液晶、紫外線吸収剤、光安定剤又は赤外線吸収剤等を含有してもよい。
【0257】
本発明の重合性化合物含有液晶組成物は、速い応答速度、速い重合速度、適度に大きなチルト形成、及び高いチルト安定性を同時に達成でき、該組成物を使用した液晶表示素子は、焼き付きが十分に抑制されるか又は発生せず、好ましくは光抜けも十分に抑制されるか又は発生しない。本発明の重合性化合物含有液晶組成物を使用した液晶表示素子は、特にPSA型及びPSVA型の液晶表示素子に使用することができる。
【0258】
本発明の液晶表示素子の製造は、上述の重合性化合物含有液晶組成物を基板間に注入し、電圧を印加し液晶分子を配向させた状態で重合性化合物を重合させて液晶分子の配向を固定することにより行うことができる。
【0259】
重合性化合物を重合させる方法としては、液晶の良好な配向性能を得るためには、適度な重合速度が望ましいので、紫外線又は電子線等の活性エネルギー線を単一又は併用又は順番に照射することによって重合させる方法が好ましい。紫外線を使用する場合、偏光光源を用いても良いし、非偏光光源を用いても良い。また、重合性化合物含有液晶組成物を2枚の基板間に挟持させた状態で重合を行う場合には、少なくとも照射面側の基板は活性エネルギー線に対して適当な透明性が与えられていなければならない。また、光照射時にマスクを用いて特定の部分のみを重合させた後、電場や磁場又は温度等の条件を変化させることにより、未重合部分の配向状態を変化させて、さらに活性エネルギー線を照射して重合させるという手段を用いても良い。特に紫外線露光する際には、重合性化合物含有液晶組成物に交流電界を印加しながら紫外線露光することが好ましい。印加する交流電界は、周波数10Hz~10kHzの交流が好ましく、周波数60Hz~10kHzがより好ましく、電圧は液晶表示素子の所望のプレチルト角に依存して選ばれる。
【0260】
照射時の温度は、本発明の重合性化合物含有液晶組成物の液晶状態が保持される温度範囲内であることが好ましい。室温に近い温度、即ち、典型的には15~35℃で重合させることが好ましい。紫外線を発生させるランプとしては、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ等を用いることができる。また、照射する紫外線の波長としては、液晶組成物の吸収波長域でない波長領域の紫外線を照射することが好ましく、必要に応じて、紫外線をカットして使用することが好ましい。照射する紫外線の強度は、0.1mW/cm~100W/cmが好ましく、2mW/cm~50W/cmがさらに好ましい。照射する紫外線のエネルギー量は、適宜調整することができるが、10mJ/cm~500J/cmが好ましく、100mJ/cm~200J/cmがさらに好ましい。紫外線を照射する際に、強度を変化させても良い。紫外線を照射する時間は照射する紫外線強度により適宜選択されるが、10秒~3600秒が好ましく、10秒~600秒がさらに好ましい。
【実施例
【0261】
実施例において化合物の記載について以下の略号を用いる。なお、nは自然数を表す。
(側鎖)
-n -C2n+1 炭素原子数nの直鎖状のアルキル基
n- C2n+1- 炭素原子数nの直鎖状のアルキル基
-On -OC2n+1 炭素原子数nの直鎖状のアルコキシル基
-V -CH=CH
V- CH=CH-
-V1 -CH=CH-CH
1V- CH-CH=CH-
(連結基)
-n- -C2n
-nO- -C2n-O-
(環構造)
【化72】
【0262】
実施例中、評価した特性は以下の通りである。
応答速度
液晶表示素子に電圧を7V印可した状態から電圧を切った時、輝度変化にかかった時間(msec)を測定した。
残存モノマー量
365nmの照度100mW/cmのUV光を100秒照射した後の液晶表示素子の残存モノマー量を確認した。照射前と比較してモノマー量が20%未満のものを◎、20~40%を○、40%~60%を△、60%より多いものを×とした。
チルト付与
365nmの照度100mW/cmのUV光を100秒照射した後の液晶表示素子のプレチルト角の変化量を確認した。照射前と比較して変化量が6°超のものを◎、6°~4°を○、4°~2°を△、2°より小さいものを×とした。
焼き付き(IS)
365nmの照度100mW/cmのUV光を100秒照射した後、313nmの照度3mW/cmのUV光を120分照射した後の液晶表示素子を用意し、駆動状態を一定時間維持した後のプレチルト角の変化量を確認した。変化量が0.5°未満を○、0.5°~1.0°を△、1.0°より大きいものを×とした。
光抜け
365nmの照度100mW/cmのUV光を100秒照射した後、313nmの照度3mW/cmのUV光を120分照射した後の液晶表示素子を用意し、クロスニコルの偏光板の間に液晶表示素子を置き、光抜けの有無を確認した。液晶表示素子全面に渡って光抜けが確認できないものを◎、ごくわずかに光抜けが確認されるが液晶表示素子として許容できるものを○、小量の光抜けが確認され、液晶表示素子として許容し難いものを△、光抜けがはっきりと確認され、液晶表示素子として許容できないものを×とした。
【0263】
液晶組成物として表1に組成を示すLC-1、LC-2、LC-3、LC-A、LC-B及びLC-Cを用いた。各液晶組成物は表1に記載した各化合物を表1に記載した数量(g)含有する。
【0264】
【表1】
【0265】
重合性化合物として下記重合性化合物1~4を用いた。
【化73】
【0266】
酸化防止剤として下記化合物を用いた。
【化74】
【0267】
(実施例1~6及び比較例1~9)
実施例及び比較例として以下の重合性化合物を含有する液晶組成物(以下、重合性液晶組成物とも記載する)を調製した。各重合性液晶組成物は、表2に記載した各液晶組成物、各重合性化合物及び場合によって酸化防止剤を含有する。重合性化合物は上記式で表される重合性化合物を、液晶組成物(重合性化合物及び酸化防止剤を除いた部分)に対して表中に示す割合(質量%)で添加した。酸化防止剤の添加量は、液晶組成物に対して0.005質量%とした。
【0268】
【表2】
【0269】
実施例1~6の重合性液晶組成物は、一般式(i)で表される化合物及び一般式(P)で表される2種の重合性化合物を含有する。これに対し、比較例1、2、4、5、7及び8の重合性液晶組成物は、重合性化合物を1種のみ含有し、比較例3、6及び9の重合性液晶組成物は、液晶組成物が一般式(i)で表される化合物を含有していない。
【0270】
これらの重合性液晶組成物を、垂直配向セルに封入し、電圧を印加しながら紫外線を照射して、PSA素子を作製した。
【0271】
実施例1及び2のPSA素子は、応答速度、残存モノマー量、チルト付与及びISの全ての評価において良好な結果を示した。一方、重合性化合物を1種のみ含有する比較例1のPSA素子は、残存モノマー量及びチルト付与の点で不十分であった。また、別の重合性化合物を1種のみ含有する比較例2のPSA素子は、残存モノマー量及びチルト付与性は良好であるものの、ISが顕著に低下しており実用に適さないものとなってしまった。また、一般式(i)で表される化合物を含有していない液晶組成物を用いた比較例3のPSA素子は、応答速度が不十分であった。
【0272】
また、実施例1のPSA素子は、実施例2のPSA素子と比べて、重合性液晶組成物が酸化防止剤を含有することにより、光抜けがより抑制されていた。なお、実施例2のPSA素子では、ごくわずかに光抜けが確認されたが、光抜けは十分に抑制されており、液晶表示素子として許容できるものであった。実施例1~2並びに比較例1~3と同様の結果が、実施例3~4及び比較例4~6、並びに実施例5~6及び比較例7~9においてもそれぞれ得られた。