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特許7245483自動配管方法、自動配管装置及び自動配管プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-15
(45)【発行日】2023-03-24
(54)【発明の名称】自動配管方法、自動配管装置及び自動配管プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/18 20200101AFI20230316BHJP
   G06F 30/20 20200101ALI20230316BHJP
   G06F 113/14 20200101ALN20230316BHJP
【FI】
G06F30/18
G06F30/20
G06F113:14
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022552293
(86)(22)【出願日】2021-11-30
(86)【国際出願番号】 JP2021043726
(87)【国際公開番号】W WO2022118806
(87)【国際公開日】2022-06-09
【審査請求日】2022-08-29
(31)【優先権主張番号】P 2020200575
(32)【優先日】2020-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511161362
【氏名又は名称】常石造船株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】504136568
【氏名又は名称】国立大学法人広島大学
(74)【代理人】
【識別番号】100132964
【弁理士】
【氏名又は名称】信末 孝之
(72)【発明者】
【氏名】小林 裕
(72)【発明者】
【氏名】清水 隆伸
(72)【発明者】
【氏名】吉本 忠司
(72)【発明者】
【氏名】濱田 邦裕
【審査官】合田 幸裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-211987(JP,A)
【文献】特開2002-351935(JP,A)
【文献】特開2018-112862(JP,A)
【文献】特開2020-149235(JP,A)
【文献】特開2007-219988(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 30/18
G06F 30/20
G06F 113/14
IEEE Xplore
JSTPlus(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の配管の配管経路を設計する自動配管装置が実行する自動配管方法であって、
配管可能なエリアの情報を入力するエリア情報入力ステップと、配置される複数の配管の口径及び位置情報を入力する配管情報入力ステップと、口径及び配管経路の違いによるコストへの影響に関するコスト情報を入力するコスト情報入力ステップと、を含む情報入力ステップと、
前記配管可能なエリアを格子状に分割するエリア分割ステップと、分割したエリアのネットワークを摘出するネットワーク摘出ステップと、配管経路の違いによるコストへの影響を反映するように、ネットワークのノード部分を細分化してコストを設定するエッジを設けてネットワークを更新するネットワーク更新ステップと、を含むネットワーク作成ステップと、
更新したネットワーク上に複数の配管をコストが最小になるように順次配置していく配管経路探索ステップと、配置した複数の配管の総コストを計算するコスト計算ステップと、前記配管経路探索ステップ及び前記コスト計算ステップを、複数の配管の配置順を変えながら繰り返して総コストが最小となるような配管経路を選択する配管経路最適化ステップと、を含む配管経路設計ステップと、
を含むことを特徴とする自動配管方法。
【請求項2】
前記コスト情報が、配管の曲げによるコストへの影響に関する曲げコスト情報を含み、
前記ネットワーク更新ステップが、前記曲げコスト情報を反映するようにネットワークを更新することを特徴とする請求項1に記載の自動配管方法。
【請求項3】
前記コスト情報が、配管の交差によるコストへの影響に関する交差コスト情報を含み、
前記ネットワーク更新ステップが、前記交差コスト情報を反映するようにネットワークを更新することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動配管方法。
【請求項4】
前記コスト情報が、複数の配管の集束化によるコストへの影響に関する集束化コスト情報を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか1つに記載の自動配管方法。
【請求項5】
複数の配管の配管経路を設計する自動配管装置であって、
配管可能なエリアの情報を入力するエリア情報入力手段と、配置される複数の配管の口径及び位置情報を入力する配管情報入力手段と、口径及び配管経路の違いによるコストへの影響に関するコスト情報を入力するコスト情報入力手段と、を有する情報入力手段と、
前記配管可能なエリアを格子状に分割するエリア分割手段と、分割したエリアのネットワークを摘出するネットワーク摘出手段と、配管経路の違いによるコストへの影響を反映するように、ネットワークのノード部分を細分化してコストを設定するエッジを設けてネットワークを更新するネットワーク更新手段と、を有するネットワーク作成手段と、
更新したネットワーク上に複数の配管をコストが最小になるように順次配置していく配管経路探索手段と、配置した複数の配管の総コストを計算するコスト計算手段と、前記配管経路探索手段及び前記コスト計算手段による処理を、複数の配管の配置順を変えながら繰り返して総コストが最小となるような配管経路を選択する配管経路最適化手段と、を有する配管経路設計手段と、
を有することを特徴とする自動配管装置。
【請求項6】
複数の配管の配管経路を設計する自動配管装置に、
配管可能なエリアの情報を入力するエリア情報入力ステップと、配置される複数の配管の口径及び位置情報を入力する配管情報入力ステップと、口径及び配管経路の違いによるコストへの影響に関するコスト情報を入力するコスト情報入力ステップと、を含む情報入力ステップと、
前記配管可能なエリアを格子状に分割するエリア分割ステップと、分割したエリアのネットワークを摘出するネットワーク摘出ステップと、配管経路の違いによるコストへの影響を反映するように、ネットワークのノード部分を細分化してコストを設定するエッジを設けてネットワークを更新するネットワーク更新ステップと、を含むネットワーク作成ステップと、
更新したネットワーク上に複数の配管をコストが最小になるように順次配置していく配管経路探索ステップと、配置した複数の配管の総コストを計算するコスト計算ステップと、前記配管経路探索ステップ及び前記コスト計算ステップを、複数の配管の配置順を変えながら繰り返して総コストが最小となるような配管経路を選択する配管経路最適化ステップと、を含む配管経路設計ステップと、
を実行させるための自動配管プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶やプラント等における配管の設計を効率的に行うための自動配管方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、船舶やプラント等には多数の配管が設置されている。例えば、図22は船舶の機関室内の天井を見上げた状態を示す斜視図であり、大小様々な配管が複雑に配置されている。このような配管の設計にあたっては、配管コスト、施工性、メンテナンス性に優れた配管となるように、かつ短時間での設計が求められている。しかしながら、現状は設計者の経験と勘に強く依存しており、設計の途中での不具合や後戻りが発生している。
【0003】
これに対して、例えば特許文献1には、配管施工性の高いルートを定量的に考慮して選択することができ、また配管施工時の実用性のあるルートパターンを複数生成することができる配管自動ルーティング方法に関する発明が記載されている。
【0004】
また特許文献2には、プラント全体を効率よく設計することができる配管ルートと機器レイアウトの同時最適化方法に関する発明が記載されている。
【0005】
また特許文献3には、配置対象物が複数ある場合に全配置設計対象物の全接続経路における全体的なバランスの取れた接続経路を自動的に生成する接続経路配置設計支援装置に関する発明が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2002-288250号公報
【文献】特開平11-282893号公報
【文献】特開平2-71373号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の配管設計は、設計者の経験と勘に強く依存しており、設計の途中での不具合や後戻りが発生するという問題があった。
【0008】
また、配管コストに影響を与える要因としては、まず配管長が挙げられるが、配管長が同じであっても、途中で曲がる経路であれば曲げに必要なコスト(パイプを曲げて方向を変えるコスト)が生じ、途中で他のパイプと交差する経路であれば交差に必要なコスト(パイプを曲げて迂回するコスト)が生じる。また、平行な複数の配管を隣接するように設計すること(集束化)でパイプサポートのコストが低減できる場合もある。従って、こうした配管経路の違いによるコストへの影響を考慮して最適な設計をすることが求められる。
【0009】
一方、上記先行技術文献においては、配管施工性や配管の曲がり回数、接触回数等に着目し、また遺伝的アルゴリズムによる最適化を行うという記載があるが、配管経路の違いによるコストへの影響を反映しつつ、効率的な設計を行うためには改善の余地がある。
【0010】
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、曲げ、交差、集束化等の配管経路の違いによるコストへの影響を考慮しつつ効率的な設計が可能な自動配管方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明の自動配管方法は、複数の配管の配管経路を設計する自動配管方法であって、配管可能なエリアの情報を入力するエリア情報入力ステップと、配置される複数の配管の口径及び位置情報を入力する配管情報入力ステップと、口径及び配管経路の違いによるコストへの影響に関する情報を入力するコスト情報入力ステップと、を含む情報入力ステップと、前記配管可能なエリアを格子状に分割するエリア分割ステップと、分割したエリアのネットワークを摘出するネットワーク摘出ステップと、配管経路の違いによるコストへの影響を反映するようにネットワークを更新するネットワーク更新ステップと、を含むネットワーク作成ステップと、更新したネットワーク上に複数の配管をコストが最小になるように順次配置していく配管経路探索ステップと、配置した複数の配管の総コストを計算するコスト計算ステップと、前記配管経路探索ステップ及び前記コスト計算ステップを、複数の配管の配置順を変えながら繰り返して総コストが最小となるような配管経路を選択する配管経路最適化ステップと、を含む配管経路設計ステップと、を含むことを特徴とする。
【0012】
また好ましくは、前記コスト情報が、配管の曲げによるコストへの影響に関する曲げコスト情報を含み、前記ネットワーク更新ステップが、前記曲げコスト情報を反映するようにネットワークを更新することを特徴とする。
【0013】
また好ましくは、前記コスト情報が、配管の交差によるコストへの影響に関する交差コスト情報を含み、前記ネットワーク更新ステップが、前記交差コスト情報を反映するようにネットワークを更新することを特徴とする。
【0014】
また好ましくは、前記コスト情報が、複数の配管の集束化によるコストへの影響に関する集束化コスト情報を含むことを特徴とする。
【0015】
また、本発明の自動配管装置は、複数の配管の配管経路を設計する自動配管装置であって、配管可能なエリアの情報を入力するエリア情報入力手段と、配置される複数の配管の口径及び位置情報を入力する配管情報入力手段と、口径及び配管経路の違いによるコストへの影響に関する情報を入力するコスト情報入力手段と、を有する情報入力手段と、前記配管可能なエリアを格子状に分割するエリア分割手段と、分割したエリアのネットワークを摘出するネットワーク摘出手段と、配管経路の違いによるコストへの影響を反映するようにネットワークを更新するネットワーク更新手段と、を有するネットワーク作成手段と、更新したネットワーク上に複数の配管をコストが最小になるように順次配置していく配管経路探索手段と、配置した複数の配管の総コストを計算するコスト計算手段と、前記配管経路探索手段及び前記コスト計算手段による処理を、複数の配管の配置順を変えながら繰り返して総コストが最小となるような配管経路を選択する配管経路最適化手段と、を有する配管経路設計手段と、を有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の自動配管プログラムは、複数の配管の配管経路を設計する自動配管装置に、配管可能なエリアの情報を入力するエリア情報入力ステップと、配置される複数の配管の口径及び位置情報を入力する配管情報入力ステップと、口径及び配管経路の違いによるコストへの影響に関する情報を入力するコスト情報入力ステップと、を含む情報入力ステップと、前記配管可能なエリアを格子状に分割するエリア分割ステップと、分割したエリアのネットワークを摘出するネットワーク摘出ステップと、配管経路の違いによるコストへの影響を反映するようにネットワークを更新するネットワーク更新ステップと、を含むネットワーク作成ステップと、更新したネットワーク上に複数の配管をコストが最小になるように順次配置していく配管経路探索ステップと、配置した複数の配管の総コストを計算するコスト計算ステップと、前記配管経路探索ステップ及び前記コスト計算ステップを、複数の配管の配置順を変えながら繰り返して総コストが最小となるような配管経路を選択する配管経路最適化ステップと、を含む配管経路設計ステップと、を実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の自動配管方法は、複数の配管の配管経路を設計する自動配管方法である。そして、情報入力ステップにおける、エリア情報入力ステップで配管可能なエリアの情報を入力し、配管情報入力ステップで配置される複数の配管の口径及び位置情報を入力し、コスト情報入力ステップで口径及び配管経路の違いによるコストへの影響に関する情報を入力して、配管設計に必要な情報を入力するようになっている。
【0018】
次に、ネットワーク作成ステップにおける、エリア分割ステップで配管可能なエリアを格子状に分割し、ネットワーク摘出ステップで分割したエリアのネットワークを摘出し、ネットワーク更新ステップで配管経路の違いによるコストへの影響を反映するようにネットワークを更新して、配管可能なエリアを配管経路の違いによるコストへの影響を反映できるようなネットワークを作成するようになっている。
【0019】
次に、配管経路設計ステップにおける、配管経路探索ステップで更新したネットワーク上に複数の配管をコストが最小になるように順次配置し、コスト計算ステップで配置した複数の配管の総コストを計算して、ある1つの配管設計案の総コストを算出するようになっている。そして、配管経路最適化ステップで、配管経路探索ステップ及びコスト計算ステップを複数の配管の配置順を変えながら繰り返して総コストが最小となるような配管経路を選択するようになっている。
【0020】
以上の構成により、本発明の自動配管方法は、配管経路の違いによるコストへの影響を考慮しつつ効率的な設計が可能となっている。
【0021】
また、コスト情報が、配管の曲げによるコストへの影響に関する曲げコスト情報を含み、ネットワーク更新ステップが、曲げコスト情報を反映するようにネットワークを更新する場合には、配管の曲げによるコストへの影響を考慮することができる。
【0022】
また、コスト情報が、配管の交差によるコストへの影響に関する交差コスト情報を含み、ネットワーク更新ステップが、交差コスト情報を反映するようにネットワークを更新する場合には、配管の交差によるコストへの影響を考慮することができる。
【0023】
また、コスト情報が、複数の配管の集束化によるコストへの影響に関する集束化コスト情報を含む場合には、配管の集束化によるコストへの影響を考慮することができる。
【0024】
また、本発明の自動配管装置は、上記本発明の自動配管方法を実行することができる装置である。
【0025】
また、本発明の自動配管プログラムは、上記本発明の自動配管装置に上記本発明の自動配管方法を実行させることができるプログラムである。
【0026】
このように、本発明の自動配管方法によれば、曲げ、交差、集束化等の配管経路の違いによるコストへの影響を考慮しつつ効率的な設計が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の実施形態に係る自動配管方法の全体フローチャートである。
図2】情報入力ステップの詳細フローチャートである。
図3】エリア情報入力ステップの説明図である。
図4】配管情報入力ステップの説明図である。
図5】コスト情報入力ステップの説明図である。
図6】ネットワーク作成ステップの詳細フローチャートである。
図7】エリア分割ステップ及びネットワーク摘出ステップの説明図である。
図8】ネットワーク更新ステップの説明図である。
図9】ネットワーク更新ステップの説明図である。
図10】ネットワーク更新ステップの説明図である。
図11】ネットワーク更新ステップの説明図である。
図12】ネットワーク更新ステップの説明図である。
図13】配管経路設計ステップの詳細フローチャートである。
図14】初期母集団生成ステップの説明図である。
図15】1本の配管経路探索ステップの説明図である。
図16】配管情報取得ステップ、始点終点設定ステップ及びコスト情報設定ステップの説明図である。
図17】最短経路探索ステップの説明図である。
図18】ネットワーク反映ステップの説明図である。
図19】コスト計算ステップの説明図である。
図20】次世代集団生成ステップの説明図である。
図21】本実施形態に係る自動配管装置の主要構成を示すブロック図である。
図22】船舶の機関室内の天井を見上げた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
次に、図1乃至図21を参照して、本発明の実施形態に係る自動配管方法について説明する。本実施形態に係る自動配管方法は、船舶の機関室内に配置される複数の配管の経路を設計するものである。また、配管経路の設計条件として、配管対象となるデッキと配管経路は二次元に簡略化し、配管経路は二次元平面内を縦横のみに移動し、経路の曲がりは90度のみとする。また、デッキの障害物の位置、配管の始点と終点、配管の口径の情報は既知とする。そして、配管コストが最小となるような配管経路を探索していく。
【0029】
なお、本実施形態に係る自動配管方法は、以下に示す各ステップを実行させるプログラムによって、パソコン等の情報処理装置を自動配管装置として機能させることにより実現することができる。以下、フローチャートに沿って説明する。
【0030】
図1は、本発明の実施形態に係る自動配管方法の全体フローチャートである。図1に示すように、本実施形態に係る自動配管方法は、情報入力ステップS100、ネットワーク作成ステップS200及び配管経路設計ステップS300を含んでいる。
【0031】
(情報入力)
まず、図2乃至図5を参照して、情報入力ステップS100について説明する。情報入力ステップS100は、自動配管処理を行うにあたって、配管エリアや配管(パイプ)に関する情報を取得するためのものである。図2は、情報入力ステップS100の詳細フローチャートである。情報入力ステップS100は、エリア情報入力ステップS101、配管情報入力ステップS102及びコスト情報入力ステップS103を含んでいる。
【0032】
(エリア情報入力)
図3は、エリア情報入力ステップS101の説明図であり、船舶の機関室平面を示している。外殻40を除く機関室内には、主機関等の障害物10や燃料系統のパイプを配置出来ないエリア20が存在している。従って、これらを除いたエリアが全系統のパイプ配置可能エリア30となる。エリア情報入力ステップS101では、配管可能なエリア30の情報が機関室内に設定されたX-Y座標として入力される。
【0033】
(配管情報入力)
図4は、配管情報入力ステップS102の説明図である。配管情報入力ステップS102では、機関室に配置される対象配管すべての、ID、口径、位置情報(始点のX-Y座標、終点のX-Y座標)及び系統名が入力される。
【0034】
(コスト情報入力)
図5は、コスト情報入力ステップS103の説明図である。コスト情報入力ステップS103では、口径及び配管経路の違いによるコストへの影響に関する情報が入力される。図5(1)口径別コストとは、各口径についての単位長さ(1m)当たりのコスト(CA)、曲げコスト(CB)及び交差コスト(CC)である。単位長さ当たりのコストCAは、基本的に原材料費に起因するものである。曲げコストCBは、途中で曲がる経路である場合にパイプを曲げて方向を変えるために生じるコストであり、これを曲げコスト情報という。交差コストCC(交差コスト情報)は、途中で他のパイプと交差する経路である場合にパイプを曲げて迂回するために生じるコストであり、これを交差コスト情報という。いずれも口径が太くなるほど高くなっている。
【0035】
図5(2)集束化を考慮する為の係数の値の決定とは、平行な複数の配管を隣接するように設計すること(集束化)でパイプサポートのコストが低減できる場合の影響を定めるものである。配管にあたっては、パイプを支えるパイプサポートを適宜設置する必要があるが、パイプサポートを複数の配管が共有することでコスト削減につながる。そこで、既設の配管が通っている経路に新たに別の配管を通す場合には、0~1の間の係数=重みを掛けてコスト削減分を考慮するものであり、これを集束化コスト情報という。
【0036】
(ネットワーク作成)
次に、図6乃至図12を参照して、ネットワーク作成ステップS200について説明する。ネットワーク作成ステップS200は、次の配管経路設計ステップS300において配管を配置していくための場所となるネットワークを作成するものである。図6は、ネットワーク作成ステップS200の詳細フローチャートである。ネットワーク作成ステップS200は、エリア分割ステップS201、ネットワーク摘出ステップS202及びネットワーク更新ステップS203を含んでいる。
【0037】
(エリア分割・ネットワーク摘出)
図7は、エリア分割ステップS201及びネットワーク摘出ステップS202の説明図である。エリア分割ステップS201では、配管可能なエリア(図3のエリア30)が格子状に分割される。そして、ネットワーク摘出ステップS202では、分割したエリアの格子状のネットワークが摘出される。摘出されたネットワークは、主機関等の障害物を除いた配管可能なエリアを正方形のマス目で表したものである。格子の間隔については、配管設計に必要な精度や計算時間等から適宜定めることができる。なお、ネットワークを構成するマス目の交点を「ノード」、交点と交点を結ぶ線を「エッジ」と呼ぶ。
【0038】
(ネットワーク更新)
図8乃至図12は、ネットワーク更新ステップS203の説明図である。ネットワーク更新ステップS203では、ネットワーク摘出ステップS202で摘出されたネットワークが、配管経路の違いによるコストへの影響を反映するように更新される。ここで、配管経路の違いによるコストへの影響として、配管の曲げによる影響及び配管の交差による影響を挙げることができる。
【0039】
図8を参照して、配管の曲げによる影響(曲げコスト)及び配管の交差による影響(交差コスト)を反映するためのネットワークの更新について説明する。図8(A)は更新前のネットワークの一部を示したものであり、各エッジaには、単位長さ当たりのコスト(ここでは1と仮定)が設定される。
【0040】
図8(B)は図8(A)のノード部分を細分化して、斜め方向のエッジb及び縦横方向のエッジcを設けたものである。各エッジbには、曲げコスト(ここでは1と仮定)が設定される。また、各エッジcには、既設の配管と交差する場合には交差コスト(ここでは1と仮定)が設定され、交差しない場合には0が設定される。
【0041】
図8(C)は図8(B)のノード部分をさらに細分化したものである。1本のエッジaを平行な2本のエッジa,aとし、それに応じてノード部分が細分化されている。図8(B)と同様に、各エッジbには、曲げコスト(ここでは1と仮定)が設定される。また、各エッジcには、既設の配管と交差する場合には交差コスト(ここでは1と仮定)が設定され、交差しない場合には0が設定される。
【0042】
図9を参照して、図8に示す各ネットワークにおける曲げコストの反映について説明する。図9における太線は中央のノードで曲がる配管を示したものであり、この場合の配管コストについて検討する。また、符号における括弧内の数字は各エッジに設定されたコストを示している。また、図中の〇×は曲げコスト反映の有無を示している。
【0043】
図9(A)における算出コストは、1(エッジa)+1(エッジa)=2となり、単位長さ当たりのコストを合計したものに過ぎず、曲げコストは反映されていない。
【0044】
これに対して、図9(B)及び図9(C)における算出コストは、いずれも1(エッジa)+1(エッジb)+1(エッジa)=3となり、単位長さ当たりのコストとノードにおける曲げコストが反映されている。このように、曲げコストを設定したエッジbを設けることにより、曲げコストを反映したネットワークになっている。
【0045】
次に、図10を参照して、図8に示す各ネットワークにおける交差コストの反映について説明する。図10における太線は中央のノードで既設配管dと交差する配管を示したものであり、この場合の配管コストについて検討する。また、符号における括弧内の数字は各エッジに設定されたコストを示している。また、図中の〇×は交差コスト反映の有無を示している。
【0046】
図10(A)における算出コストは、1(エッジa)+1(エッジa)=2となり、単位長さ当たりのコストを合計したものに過ぎず、交差コストは反映されていない。
【0047】
これに対して、図10(B)及び図10(C)における算出コストは、いずれも1(エッジa)+1(エッジc)+1(エッジa)=3となり、単位長さ当たりのコストとノードにおける交差コストが反映されている。このように、交差コストを設定したエッジcを設けることにより、交差コストを反映したネットワークになっている。
【0048】
次に、図11を参照して、図8に示す各ネットワークにおける複雑な曲げ・交差の場合のコストの反映について説明する。図11における太線は、図面における既設配管dの左側に沿って下から上に進んできた配管が、中央のノードで既設配管dと交差しながら右側に曲がっているものであり、この場合の配管コストについて検討する。また、符号における括弧内の数字は各エッジに設定されたコストを示している。また、図中の〇×は曲げ・交差コスト反映の有無を示している。
【0049】
図11(A)における算出コストは、1(エッジa)+1(エッジa)=2となり、単位長さ当たりのコストを合計したものに過ぎず、曲げコスト及び交差コストのいずれも反映されていない。
【0050】
次に、図11(B)における算出コストは、1(エッジa)+1(エッジb)+1(エッジa)=3となり、単位長さ当たりのコストとノードにおける曲げコストが反映されているが、交差コストは反映されていない。
【0051】
これに対して、図11(C)における算出コストは、1(エッジa)+1(エッジc)+1(エッジb)+1(エッジa)=4となり、単位長さ当たりのコストとノードにおける交差コスト及び曲げコストが反映されている。このように、図8(C)に示すネットワークは、複雑な曲げ・交差にも対応可能であるため、更新ネットワークとして使用することが好ましい。ただし、図8(b)に示すネットワークも、単純な曲げ・交差には対応可能であるため、更新ネットワークとして使用することができる。
【0052】
図12は、図8(C)に示す更新ネットワークの全体イメージ図であり、摘出したネットワークを図12に示すように更新した上で、次の配管経路設計ステップS300において使用される。
【0053】
(配管経路設計)
次に、図13乃至図20を参照して、配管経路設計ステップS300について説明する。配管経路設計ステップS300は、情報入力ステップS100で入力された情報と、ネットワーク作成ステップS200で作成されたネットワークを用いて、具体的に配管経路を探索しながら最適な配管経路を設計していくものである。図13は、配管経路設計ステップS300の詳細フローチャートである。配管経路設計ステップS300は、初期母集団生成ステップS301、配管経路探索ステップS302(1本の配管経路探索ステップS303、探索終了判定ステップS304)、コスト計算ステップS305、最適化終了判定ステップS306及び次世代集団生成ステップS307を含んでいる。そして、全体が配管経路最適化ステップS308となっている。
【0054】
(初期母集団生成)
図14は、初期母集団生成ステップS301の説明図である。本実施形態では、配管経路最適化の手法として遺伝的アルゴリズムを用いる。遺伝的アルゴリズムは、初期母集団に対して、選択・交叉・突然変異という操作を繰り返し、より優秀な遺伝子列の集団を生成するものである。複数の配管の配管経路を最適化するためには、対象の配管をどのような順番で配置していくかが大きく影響する。そのため、本実施形態では、複数の配管の設計順を遺伝子列として定める。図14に示す遺伝子列は、左から順番に記載されたIDの配管を配置することを表している。なお、初期母集団はランダムに生成することができるが、初期母集団が違えば得られる結果も異なることから、初期母集団を多数生成して、異なる初期母集団ごとに配管経路設計ステップS300を行うようにしてもよい。
【0055】
(配管経路探索)
次に、初期母集団生成ステップS301で生成した初期母集団における配置順に従い、更新したネットワーク上に複数の配管をコストが最小になるように順次配置していく。
【0056】
(1本の配管経路探索)
まず、図15乃至図18を参照して、配管経路探索ステップS302における1本の配管経路探索ステップS303について説明する。1本の配管経路探索ステップS303は、ネットワークにおいて、ある1本の配管経路を探索するものである。図15は、1本の配管経路探索ステップS303の詳細フローチャートである。1本の配管経路探索ステップS303は、配管情報取得ステップS3031、始点終点設定ステップS3032、コスト情報設定ステップS3033、最短経路探索ステップS3034及びネットワーク反映ステップS3035を含んでいる。
【0057】
(配管情報取得)
図16は、配管情報取得ステップS3031、始点終点設定ステップS3032及びコスト情報設定ステップS3033の説明図である。配管情報取得ステップS3031では、入力済の配管情報の中から対象の配管の情報(ID=3)が取得される。そして、始点終点設定ステップS3032では、配管情報に基づいてネットワーク上に、対象の配管の始点終点のノードが設定される。また、同様にコスト情報設定ステップS3033では、配管情報に基づいてネットワーク上の各エッジに、対象の配管のコスト情報(口径=50)が設定される。なお、ネットワーク作成ステップS200で作成されたネットワークは、配管経路の違いによるコストへの影響を反映するようになっているので、ネットワークのエッジには、単位長さ当たりのコストだけではなく、曲げコスト及び交差コストも設定される。
【0058】
(最短経路探索)
図17は、最短経路探索ステップS3034の説明図である。最短経路探索ステップS3034では、設定された始点ノードから終点ノードまでの最短経路が探索される。ここでいう最短経路とは、距離的に最短であり、かつ曲げコストや交差コストを考慮した上でコスト的にも最小となるものである。そのために、ネットワークのエッジには、単位長さ当たりのコストだけではなく、曲げコスト及び交差コストも設定されているのである。本実施形態では、最短経路探索の手法としてDijkstra法(ダイクストラ法)を用いる。Dijkstra法は、最短経路を幅優先探索によって求めるアルゴリズムである。
【0059】
(ネットワーク反映)
図18は、ネットワーク反映ステップS3035の説明図である。ネットワーク反映ステップS3035では、最短経路探索ステップS3034で決定した1本の配管の最短経路をネットワークに反映させる。具体的には、最短経路が通過する各エッジに、配管のID、口径等の情報を記録する。以上により、1本の配管経路探索ステップS303が完了する。
【0060】
なお、次の配管の最短経路を探索する際には、それまでに配置された配管が存在することを前提として探索が行われる。そのため、後の経路探索になるほど既設配管との交差コストの問題が生じ、それまで0であったエッジに交差コストが加えられることになる。一方で、集束化コストの観点から、既設の配管が通っている経路に新たに別の配管を通す場合には、予め定められた0~1の間の係数=重みを掛けることになり、該当するエッジのコストが減少することになる。このように、1本の配管が完了するたびに、次に配管を行う場合のネットワーク上のエッジに設定されるコストが変化していく。
【0061】
(探索終了判定)
探索終了判定ステップS304では、対象の全ての配管について配管経路を探索したかどうか判定し、全ての配管経路を探索するまで、1本の配管経路探索ステップS303を行う。以上により、初期母集団生成ステップS301で生成した初期母集団における設計順に従い、更新したネットワーク上に複数の配管をコストが最小になるように順次配置される。
【0062】
(コスト計算)
図19は、コスト計算ステップS305の説明図である。コスト計算ステップS305では、配置された全ての配管経路のコストを合計して総コストを算出する。ここで算出された総コストが、配管経路最適化の評価値となる。
【0063】
(最適化終了判定)
最適化終了判定ステップS306では、配管経路探索ステップS302及びコスト計算ステップ305を繰り返すかどうかを判定する。判定基準としては、評価値がある閾値より小さくなった場合や、遺伝的アルゴリズムによる世代交代回数が規定の回数を超えた場合など、遺伝的アルゴリズムによる最適化の収束についての基準値を予め設定しておく。
【0064】
(次世代集団生成)
図20は、次世代集団生成ステップS307の説明図である。次世代集団生成ステップS307では、現世代集団の遺伝子列に対して、選択・交叉・突然変異の操作を繰り返し、次世代集団を生成する。そして、新たな複数の配管の新たな配置順に従い、配管経路探索ステップS302及びコスト計算ステップS305を繰り返す。
【0065】
(配管経路最適化)
以上のように、配管経路最適化ステップS308は、遺伝的アルゴリズムによる最適化手法を用いながら、配管経路探索ステップS302及びコスト計算ステップS305を繰り返して、総コストが最小となるような配管経路を選択するものである。
【0066】
本実施形態に係る自動配管方法は、複数の配管の配管経路を設計する自動配管方法である。そして、情報入力ステップS100における、エリア情報入力ステップS101で配管可能なエリアの情報を入力し、配管情報入力ステップS102で配置される複数の配管の口径及び位置情報を入力し、コスト情報入力ステップS103で口径及び配管経路の違いによるコストへの影響に関する情報を入力して、配管設計に必要な情報を入力するようになっている。
【0067】
次に、ネットワーク作成ステップS200における、エリア分割ステップS201で配管可能なエリアを格子状に分割し、ネットワーク摘出ステップS202で分割したエリアのネットワークを摘出し、ネットワーク更新ステップS203で配管経路の違いによるコストへの影響を反映するようにネットワークを更新して、配管可能なエリアを配管経路の違いによるコストへの影響を反映できるようなネットワークを作成するようになっている。
【0068】
次に、配管経路設計ステップS300における、配管経路探索ステップS302で更新したネットワーク上に複数の配管をコストが最小になるように順次配置し、コスト計算ステップS305で配置した複数の配管の総コストを計算して、ある1つの配管設計案の総コストを算出するようになっている。そして、配管経路最適化ステップS308で、配管経路探索ステップS302及びコスト計算ステップS305を複数の配管の配置順を変えながら繰り返して総コストが最小となるような配管経路を選択するようになっている。
【0069】
以上の構成により、本実施形態にかかる自動配管方法は、配管経路の違いによるコストへの影響を考慮しつつ効率的な設計が可能となっている。
【0070】
また、コスト情報が、配管の曲げによるコストへの影響に関する曲げコスト情報を含み、ネットワーク更新ステップが、曲げコスト情報を反映するようにネットワークを更新するようになっているので、配管の曲げによるコストへの影響を考慮することができる。
【0071】
また、コスト情報が、配管の交差によるコストへの影響に関する交差コスト情報を含み、ネットワーク更新ステップが、交差コスト情報を反映するようにネットワークを更新するようになっているので、配管の交差によるコストへの影響を考慮することができる。
【0072】
また、コスト情報が、複数の配管の集束化によるコストへの影響に関する集束化コスト情報を含むようになっているので、配管の集束化によるコストへの影響を考慮することができる。
【0073】
このように、本実施形態に係る自動配管方法によれば、曲げ、交差、集束化等の配管経路の違いによるコストへの影響を考慮しつつ効率的な設計が可能である。
【0074】
なお、本実施形態に係る自動配管方法は、上記各ステップを実行させるプログラムによって、パソコン等の情報処理装置を機関室機器配置装置として機能させることにより実現することができる。図21は、本実施形態に係る自動配管装置の主要構成を示すブロック図である。なお、図21に示す自動配管装置の構成は一例であって、これに限定されるものではない。本実施形態に係る自動配管装置は、情報入力手段100、ネットワーク作成手段200、配管経路設計手段300、エリア情報・配管情報・コスト情報DB400及びネットワーク情報DB500を備えている。
【0075】
情報入力手段100は、配管可能なエリアの情報を入力するエリア情報入力手段と、配置される複数の配管の口径及び位置情報を入力する配管情報入力手段と、口径及び配管経路の違いによるコストへの影響に関する情報を入力するコスト情報入力手段とを有しており、各情報をエリア情報・配管情報・コスト情報DB400に保存する処理を行う。
【0076】
ネットワーク作成手段200は、配管可能なエリアを格子状に分割するエリア分割手段と、分割したエリアのネットワークを摘出するネットワーク摘出手段と、配管経路の違いによるコストへの影響を反映するようにネットワークを更新するネットワーク更新手段とを有しており、エリア情報・配管情報・コスト情報DB400に保存された各情報に基づいて、ネットワークの摘出・更新を行い、ネットワークの情報をネットワーク情報DB500に保存する処理を行う。
【0077】
配管経路設計手段300は、更新したネットワーク上に複数の配管をコストが最小になるように順次配置していく配管経路探索手段と、配置した複数の配管の総コストを計算するコスト計算手段と、配管経路探索手段及びコスト計算手段による処理を、複数の配管の配置順を変えながら繰り返して総コストが最小となるような配管経路を選択する配管経路最適化手段とを有しており、エリア情報・配管情報・コスト情報DB400に保存された各情報及びネットワーク情報DB500に保存されたネットワークの情報に基づいて、配管経路を設計する処理を行う。
【0078】
以上、本発明の実施形態に係る自動配管方法について説明したが、本発明は上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。
【0079】
本実施形態では、船舶の機関室内に配置される複数の配管の経路を設計したが、これに限定されるものではなく、船舶の機関室以外のエリア、プラント、ビル、海洋構築物等、様々な配管の設計に適用することができる。
【0080】
最短経路探索手法は、Dijkstra法(ダイクストラ法)に限定されるものではなく、他の手法であってもよい。
【0081】
配管経路最適化手法は、遺伝的アルゴリズムに限定されるものではなく、他の手法であってもよい。
【符号の説明】
【0082】
10 障害物
20 燃料系統のパイプを配置出来ないエリア20
30 全系統のパイプ配置可能エリア30
40 外殻
100 情報入力手段
200 ネットワーク作成手段
300 配管経路設計手段
400 エリア情報・配管情報・コスト情報DB
500 ネットワーク情報DB
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22