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特許7245839遮蔽されたワークピース形体のための自動透過動作を用いた検査プログラム編集環境
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-15
(45)【発行日】2023-03-24
(54)【発明の名称】遮蔽されたワークピース形体のための自動透過動作を用いた検査プログラム編集環境
(51)【国際特許分類】
   G01B 21/00 20060101AFI20230316BHJP
   G05B 19/401 20060101ALI20230316BHJP
【FI】
G01B21/00 E
G05B19/401
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020536534
(86)(22)【出願日】2018-12-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-04-01
(86)【国際出願番号】 US2018064713
(87)【国際公開番号】W WO2019133234
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2021-11-11
(31)【優先権主張番号】62/611,833
(32)【優先日】2017-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000137694
【氏名又は名称】株式会社ミツトヨ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ダハイ ユ
(72)【発明者】
【氏名】バリー セイラー
(72)【発明者】
【氏名】カイ カーチャー
【審査官】飯村 悠斗
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0090742(US,A1)
【文献】特開2005-276214(JP,A)
【文献】特開平11-184898(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 21/00- 21/32
G01B 5/00- 5/30
G06F 30/00- 30/398
G06F 111/00-111/20
G05B 19/401
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
座標測定機(CMM)のワークピース形体検査動作をプログラミングするためのシステムであって、前記CMMは、ワークピース形体測定データを決定するために用いられる少なくとも1つのセンサと、ワークピースを保持するためのステージと、CMM制御部と、を含み、前記センサ又は前記ステージのうち少なくとも1つが互いに相対的に移動可能であり、前記システムは、
ワークピースに対応するワークピースコンピュータ支援設計(CAD)ファイルを入力し、前記ファイルを解析して、複数の幾何学的形体タイプに対応する前記ワークピース上の検査可能ワークピース形体を自動的に決定するCADファイル処理部と、
ユーザインタフェースであって、
前記ワークピース上のワークピース形体、又は現在のワークピース形体検査プランに従ってワークピース形体に対して実行される検査動作に対応する検査動作表現のうち少なくとも一方を含む3次元(3D)ビューを表示するように構成可能であるワークピース検査プログラムシミュレーション部と、
前記CADファイルに対応する前記ワークピースのための前記現在のワークピース形体検査プランの編集可能プラン表現を含む編集ユーザインタフェース部であって、前記編集可能プラン表現はワークピース形体又は検査動作表現のうち少なくとも一方を含む、編集ユーザインタフェース部と、
を含むユーザインタフェースと、を備え、
前記システムは、第1の形体指定操作セットに含まれる形体指定操作に応答して自動的に透過動作セットを実行するように構成され、
前記第1の形体指定操作セットは、
前記編集可能プラン表現内のワークピース形体又は検査動作表現のための選択操作と、
前記編集可能プラン表現内のワークピース形体又は検査動作表現のための停止操作又は通過操作と、のうち少なくとも一方を含み、
前記透過動作セットは、
前記第1の形体指定操作セットに含まれ、前記編集可能プラン表現内のワークピース形体又は検査動作表現に対する現在の形体指定操作によって指示されるワークピース形体又は検査動作表現に対応する前記3Dビュー内のワークピース形体を現在のターゲット形体として自動的に識別することと、
前記3Dビュー内で前記現在のターゲット形体の少なくとも一部を遮蔽している遮蔽ワークピース形体を、前記3Dビュー内で少なくとも半透明に自動的にレンダリングすることと、
前記現在の形体指定操作が終了したとき、前記3Dビュー内の前記現在のターゲット形体に関連した前記透過動作を自動的に終了することと、
を含む、システム。
【請求項2】
前記3Dビュー内の少なくともいくつかの非遮蔽ワークピース形体は、前記自動的に実行される透過動作によって自動的に透明にレンダリングされない、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記透過動作は更に、前記3Dビュー内の前記現在のターゲット形体の少なくとも背景部を遮蔽している前記3Dビュー内の前記現在のターゲット形体の前景部を前記3Dビュー内で自動的に少なくとも半透明にレンダリングすることを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1の形体指定操作セットは更に、前記現在のワークピース形体検査プランの一部として前記ワークピース形体に対して実行される検査動作を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
検査動作が実行又は選択される場合、前記検査動作の対象となるワークピース形体は、前記透過動作によって現在のターゲット形体として自動的に識別される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
実行又は選択される前記検査動作は、検査シーケンスに含まれ、CMM測定プローブを用いて前記検査動作の対象となる前記ワークピース形体上のサンプリングポイントを測定すること又はサンプリングポイントに接触することのうち少なくとも一方を含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
アクティブなプログラムシミュレーションの一部として検査動作が自動的に実行される場合、前記検査動作が実行されるワークピース形体は、前記透過動作によって現在のターゲット形体として自動的に識別される、請求項4に記載のシステム。
【請求項8】
プログラムシミュレーションの手動又は半手動のステップの一部として検査動作が実行される場合、前記検査動作が実行されるワークピース形体は、前記透過動作によって現在のターゲット形体として自動的に識別される、請求項4に記載のシステム。
【請求項9】
前記遮蔽ワークピース形体が前記透過動作によって自動的に少なくとも半透明にレンダリングされる前には、前記3Dビュー内の前記現在のターゲット形体のどの部分も見ることができずに選択可能でないように、前記遮蔽ワークピース形体が前記3Dビュー内の前記現在のターゲット形体全体を遮蔽している、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記透過動作は更に、前記3Dビュー内で前記現在のターゲット形体の少なくとも一部を遮蔽している第2の遮蔽ワークピース形体を、前記3Dビュー内で少なくとも半透明に自動的にレンダリングすることを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記現在の形体指定操作によって指示される前記ワークピース形体又は検査動作表現は、サンプリングポイント、移動、又は角度のうち少なくとも1つを含む検査動作表現である、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記現在の形体指定操作は、前記編集可能プラン表現内の前記少なくとも1つのワークピース形体又は検査動作表現に対して選択インジケータを位置決めすることと、前記編集可能プラン表現内の前記少なくとも1つのワークピース形体又は検査動作表現を選択するための選択アクションを実行することと、を含む選択操作である、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記現在の形体指定操作は、前記編集可能プラン表現内の前記少なくとも1つのワークピース形体又は検査動作表現に対して選択インジケータを位置決めすることと、前記少なくとも1つのワークピース形体又は検査動作表現の上に少なくとも指定された時間にわたって前記選択インジケータを置いておくことと、を含む停止操作である、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記現在の形体指定操作は、前記編集可能プラン表現内の前記少なくとも1つのワークピース形体又は検査動作表現の上を通り過ぎるように選択インジケータを移動させることを含む通過操作である、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記ユーザインタフェースは更に、現在時刻インジケータを含むシミュレーションステータス部を含み、前記現在時刻インジケータは、グラフィック総時間範囲要素に沿って移動して、現在表示されている前記3Dビューと前記編集可能プラン表現の対応する進行状態とに対応した前記現在のワークピース形体検査プランの進行状態を特徴付ける、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記グラフィック総時間範囲要素に沿った前記現在時刻インジケータの位置はユーザによって調整可能であり、前記現在の形体指定操作は、前記ユーザによって前記現在時刻インジケータの位置を選択又は調整することを含む選択操作を含み、前記現在の形体指定操作によって指示されている前記ワークピース形体又は検査動作表現は、前記編集可能プラン表現の進行状態に対応した前記ワークピース形体又は検査動作表現である、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記透過動作は、前記現在のターゲット形体が識別された後に前記3Dビューの向きを回転させること又は他の方法で調整することを含まない、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
座標測定機(CMM)のワークピース形体検査動作をプログラミングするためのシステムであって、
ユーザインタフェースであって、
前記ワークピース上のワークピース形体を含む3Dビューを表示するように構成可能であるワークピース検査プログラムシミュレーション部と、
ワークピースに対して検査動作を実行するための現在のワークピース形体検査プランの編集可能プラン表現を含む編集ユーザインタフェース部であって、前記編集可能プラン表現はワークピース形体又は検査動作表現のうち少なくとも一方を含む、編集ユーザインタフェース部と、
を含むユーザインタフェースを備え、
前記システムは、前記編集可能プラン表現内の少なくとも1つのワークピース形体又は検査動作表現を選択することを含む選択操作に自動的に応答するように構成され、
前記選択操作に応答することは、
前記選択操作によって前記編集可能プラン表現内で選択された少なくとも1つのワークピース形体又は検査動作表現に対応する前記3Dビュー内のワークピース形体をターゲット形体として自動的に指定することと、
前記3Dビュー内で前記ターゲット形体の少なくとも一部を遮蔽している遮蔽ワークピース形体を、前記3Dビュー内で少なくとも半透明に自動的にレンダリングすることと、
を含む、システム。
【請求項19】
前記選択操作は、
前記編集可能プラン表現内の前記少なくとも1つのワークピース形体又は検査動作表現に対して選択インジケータを位置決めし、前記少なくとも1つのワークピース形体又は検査動作表現を選択するための選択アクションを実行することと、
前記編集可能プラン表現内の前記少なくとも1つのワークピース形体又は検査動作表現に対して選択インジケータを位置決めし、前記少なくとも1つのワークピース形体又は検査動作表現の上に少なくとも指定された時間にわたって前記選択インジケータを置いておくことと、
前記編集可能プラン表現内の前記少なくとも1つのワークピース形体又は検査動作表現の上を通り過ぎるように選択インジケータを移動させることと、
のうち少なくとも1つを含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
座標測定機(CMM)のワークピース形体検査動作をプログラミングするためのプログラミングシステムを動作させるためのコンピュータ実施方法であって、
前記プログラミングシステムは、
ユーザインタフェースであって、
前記ワークピース上のワークピース形体を含む3Dビューを表示するように構成可能であるワークピース検査プログラムシミュレーション部と、
ワークピースに対して検査動作を実行するための現在のワークピース形体検査プランの編集可能プラン表現を含む編集ユーザインタフェース部であって、前記編集可能プラン表現はワークピース形体又は検査動作表現のうち少なくとも一方を含む、編集ユーザインタフェース部と、
を含むユーザインタフェースを備え、
前記方法は、
実行可能命令を用いて構成された前記プログラミングシステムの1つ以上のコンピューティングシステムの制御のもとで、
前記編集可能プラン表現内の少なくとも1つのワークピース形体又は検査動作表現を選択するための選択が行われたと判定することと、
前記選択が行われたという判定に応答して、前記編集可能プラン表現内の前記選択された少なくとも1つのワークピース形体又は検査動作表現に対応する前記3Dビュー内の第1のワークピース形体をターゲット形体として自動的に指定することと、
前記3Dビュー内で前記ターゲット形体の少なくとも一部を遮蔽している第1のワークピース形体を判定することと、
前記第1のワークピース形体が前記3Dビュー内で前記ターゲット形体の少なくとも一部を遮蔽しているという判定に応答して、前記3Dビュー内の前記第1のワークピース形体を少なくとも半透明に自動的にレンダリングすることと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は精密計測に関し、更に具体的には、座標測定機のための検査プログラムの編集に関する。
【背景技術】
【0002】
座標測定機(CMM:coordinate measurement machine)を含む計測システムは、検査対象ワークピースの測定値を得るため利用することができ、コンピュータ上でプログラミングされたワークピース形体検査動作によって少なくとも部分的に制御される。1つの例示的な従来技術のCMMが、援用により全体が本願に含まれる米国特許第8,438,746号に記載されている。この746号特許に記載されているように、CMMは、ワークピースを測定するためのプローブと、プローブを移動させるための移動機構と、移動機構を制御するための制御部と、を含む。
【0003】
援用により全体が本願に含まれる米国特許第7,652,275(275号特許)には、表面走査型プローブを含むCMMが記載されている。走査の後、ワークピースの3次元プロファイルが得られる。ワークピースの測定は、ワークピース表面に沿って走査する機械的接触式プローブによって、又は物理的接触なしにワークピースを走査する光学式プローブによって実行することができる。光学式プローブは、表面のサンプリングポイントを検出するために光のポイントを使用できるタイプ(三角測量プローブ等)であるか、又は、ビデオカメラを使用するタイプであって、ワークピースの幾何学形体の座標が画像処理ソフトウェアによって求められるものであり得る。援用により全体が本願に含まれる米国特許第4,908,951号には、光学的測定と機械的測定の双方を用いる「組み合わせ型」CMMが記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のCMMの全てにおいて、ワークピース形体を検査するための動作をプログラミングすることができる。そのようなプログラミングされた動作は一般に、検査されるワークピース形体とその順番を確認することができ、また、特定のワークピース形体に関連付けられた特定のプログラム要素動作を追加、削除、又は他の方法で変更することにより編集することができる。しかしながら、既存のCMMプログラミングシステムにおけるそのような確認及び編集作業は、ユーザにとって常に容易に実行、視認、及び/又は理解できるとは限らない。例えば、そのようなプログラミングされた動作に関する異なるタイプの情報は異なるウィンドウに提示されるので、それらの異なるウィンドウ中で、特定のタイプの選択された要素及び/又は編集が対応する及び/又は生成する様々な効果を視認する及び/又は理解することは難しい場合がある。CMMのための検査プログラムの生成、確認、及び/又は編集中に、即座にかつ直感的にそのような視認及び理解を可能とするシステム及び/又はユーザインタフェース機能が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この概要は、以下で「発明を実施するための形態」において更に記載するいくつかの概念を簡略化した形態で紹介するために提示する。この概要は、特許請求される主題の重要な特徴(features)を識別することを意図しておらず、特許請求される主題の範囲の決定に役立てるため用いることも意図していない。
【0006】
座標測定機(CMM)のワークピース形体検査動作をプログラミングするためのシステムが提供される。CMMは、ワークピース形体測定データを決定するために用いられる少なくとも1つのセンサと、ワークピースを保持するためのステージと、CMM制御部とを含み、センサ又はステージのうち少なくとも一方は相対移動可能である。システムは、コンピュータ支援設計(CAD)ファイル処理部及びユーザインタフェースを含む。CADファイル処理部は、ワークピースに対応するワークピースCADファイルを入力し、このファイルを解析して、複数の幾何学的形体タイプに対応するワークピース上の検査可能ワークピース形体を自動的に決定する。ユーザインタフェースは、ワークピース検査プログラムシミュレーション部及び編集ユーザインタフェース部を含む。ワークピース検査プログラムシミュレーション部は、ワークピース上のワークピース形体、又は現在のワークピース形体検査プランに従ってワークピース形体に対して実行される検査動作に対応する検査動作表現のうち少なくとも一方を含む3次元(3D)ビューを表示するように構成可能である。編集ユーザインタフェース部は、CADファイルに対応するワークピースのための現在のワークピース形体検査プランの編集可能プラン表現を含み、編集可能プラン表現はワークピース形体又は検査動作表現のうち少なくとも一方を含む。
【0007】
システムは、第1の形体指定操作セットに含まれる1以上の形体指定操作に応答して自動的に透過動作セットを実行するように構成されている。様々な実施例において、第1の形体指定操作セットは、編集可能プラン表現内のワークピース形体又は検査動作表現のための選択操作を含む。様々な実施例において、第1の形体指定操作セットは、追加的に又は代替的に、編集可能プラン表現内のワークピース形体又は検査動作表現のための停止操作(hover operation)又は通過操作(pass-over operation)のうち少なくとも一方を含み得る。
【0008】
様々な実施例において、透過動作セットは、第1の形体指定操作セットに含まれる現在の形体指定操作によって指示されるワークピース形体又は検査動作表現に対応する3Dビュー内のワークピース形体を現在のターゲット形体として自動的に識別することを含む。現在のターゲット形体が自動的に識別されると、3Dビュー内で現在のターゲット形体の少なくとも一部を遮蔽している遮蔽ワークピース形体を、3Dビュー内で少なくとも半透明に自動的にレンダリングする。現在の形体指定操作が終了されると、3Dビュー内の現在のターゲット形体に関連した透過動作は自動的に終了される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】CMMを備えた計測システムの種々の典型的なコンポーネントを示す図である。
図2A図1のCMMのためにワークピース形体検査動作をプログラミングすることができるコンピューティングシステムの1つの実施例の様々な要素を示す図である。
図2B図1のCMMのためにワークピース形体検査動作をプログラミングすることができるコンピューティングシステムの1つの実施例の様々な要素を示す図である。
図3】プランビューウィンドウ、3Dビューウィンドウ、及びプログラムビューウィンドウを含むユーザインタフェースの図である。
図4】ターゲット形体と、透過動作の実行によって3Dウィンドウにおいて少なくとも半透明にレンダリングされた遮蔽ワークピース形体と、を示すユーザインタフェースの図である。
図5】透過動作が実行された後の、ターゲット形体に対する検査動作の実行を示すユーザインタフェースの図である。
図6】ターゲット形体と、透過動作の実行によって3Dウィンドウにおいて少なくとも半透明にレンダリングされた遮蔽ワークピース形体と、を示すユーザインタフェースの図である。
図7】座標測定機のワークピース形体検査動作をプログラミングするシステムを動作させるためのルーチンの1つの例示的な実施例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本明細書に開示される原理の1つの適用環境を提供する、一般的なCMMを含む計測システム1の種々の典型的なコンポーネントを示す図である。計測システム1のいくつかの態様については、前述の本願に含まれる746号特許にも記載されている。計測システム1は、CMM本体2と、座標測定機本体2の駆動を制御する移動制御部3と、座標測定機本体2を手動で動作させるための動作ユニット4と、移動制御部3にコマンドを発行すると共にCMM本体2に配置されたワークピース10(すなわち測定対象の物体)上の形体の検査等の処理を実行するホストコンピュータ5と、を含み得る。ホストコンピュータ5には、代表的な入力ユニット61及び出力ユニット62、並びにディスプレイユニット5Dが接続されている。ディスプレイユニット5Dは、例えば以下で更に詳しく説明するようなユーザインタフェースを表示することができる。
【0011】
CMM本体2は、ワークピース10の表面に接触し得るスタイラス先端21Tを有するプローブ21と、プローブ21の基端を保持する3軸スライド機構24を含む移動機構22と、ワークピース10を保持する測定ステージ23と、を含み得る。測定ステージ23上で駆動機構25がスライド機構24を移動させる。様々な実施において、駆動機構25は、CMM制御部(例えば移動制御部3を含む)によって制御することができる。以下で詳述するように、様々な実施例において、CMMの1つ以上のセンサ(例えばプローブ21及び/又はスタイラス先端21Tを含む)を、(例えば移動制御部3によって制御して)測定ステージ23に対して移動させることができ、(例えばワークピース10の形体の物理的寸法に関する)ワークピース形体測定データを求めるために利用することができる。
【0012】
図2A及び図2Bは、CMM(例えば図1のCMM本体2)のためにワークピース形体検査動作をプログラミングすることができる、プログラミング部202を含むプログラミングシステムの一実施例の様々な要素を含むコンピューティングシステム105の図である。図2Aに示されているように、様々な実施例において、コンピューティングシステム105(例えば図1のコンピュータ5又は別個のコンピュータ)は、メモリ部170、ディスプレイ部175、処理部180、入出力デバイス部185、及びプログラミング部202を含むことができる。メモリ部170は、常駐プログラム及びコンピューティングシステム105によって利用される他のデータを含む。ディスプレイ部175は、プログラミング部202によって提供される機能を含めて、コンピューティングシステム105のためのディスプレイ(例えば図1のディスプレイ5Dと同様)を提供する。処理部180は、コンピューティングシステム105の信号処理及び制御を提供し、入出力デバイス部185は、様々なデバイス(例えば図1のCMM制御部3)との間で制御信号及び出力の受信及び提供を行う。
【0013】
図2A及び図2Bに示されているように、一実施例においてプログラミング部202は、CADファイル処理部205、検査経路及び/又はシーケンスマネージャ206、プランビュー編集ユーザインタフェース部210、3Dビュー部220、プログラムビュー編集ユーザインタフェース部230、第1の形体指定操作セット部235、透過動作部237、検査プラン修正通知部249を含み得る編集動作部240、他の動作部250、プログラミング環境同期及び/又は通知マネージャ260、実行時間部270、シミュレーションステータス及び制御部280を含む。様々な実施例において、コンピュータ支援設計(CAD)ファイル処理部205は、ワークピース(例えば図1のワークピース10)に対応するワークピースCADファイルを入力し、このファイルを解析して、複数の幾何学的形体タイプ(例えば円筒、平面、球、円錐等)に対応するワークピース上の検査可能ワークピース形体を自動的に決定する。検査経路/シーケンスマネージャ206は、ワークピース形体を特徴付ける測定値をCMMが取得することを可能とする移動制御経路を自動的に決定できる。
【0014】
CADファイル処理部205及び/又は検査経路/シーケンスマネージャ206を実装するために使用可能な方法は当技術分野では既知であり、例としては、様々な市販のCAD製品、及び/又は検査プログラムを生成するためのCAD「拡張プログラム」、及び/又は他の既知のCMM検査プログラミングシステム、及び/又はCADデータからマシンツールプログラムを自動的に生成するシステムが挙げられる。例えば、各々が援用により全体が本願に含まれる米国特許第5,465,221号、第4,901,253号、第7,146,291号、第7,783,445号、第8,302,031号、第5,471,406号、第7,058,472号が開示する様々な方法を用いて、CADデータを解析し、ワークピースの幾何学的形体を決定し、次いでこの幾何学的形体を測定又は特徴付けるサンプリングポイントにプローブ又はセンサを配置するための移動制御経路を自動的に生成することができる。また、欧州特許第1330686号も関連する教示を与えている。いくつかの実施例において、幾何学的形体の決定は、いくつかの最新のCADシステムで元来規定されているカテゴリ化された幾何学的形体を抽出又は認識するだけでよい。いくつかの実施例では、製品及び製造情報(略してPMI)がCADデータ内に存在し、これらを前述のプロセスで使用することができる。様々な実施例において、PMIは、CADデータにおいて非幾何学的属性を伝達すると共に、幾何学的寸法及び許容度、表面加工等も含み得る。いくつかの実施例において、PMIが存在しない場合は、CADファイル処理部205及び検査経路/シーケンスマネージャ206の自動動作においてデフォルトの公差及び他のデフォルトの検査ルールを用いてもよい。
【0015】
移動制御経路は、形体検査シーケンス及び個々の検査サンプリングポイント(例えばタッチプローブ測定点、又は非接触測定点、又はポイントクラウド決定領域等)、並びにそのようなポイント間の移動/測定経路を概ね画定することができる。サンプリングポイント及び測定経路についての関連した教示による様々なシステムが、援用により本願に含まれる米国特許第9,013,574号、9,639,083号、及び9,646,425号、並びに米国特許公報第2016/0298958号及び2016/0299493号に記載されている。様々な実施例において、シーケンス及び移動経路プランニングは、衝突を回避するという単純なルールに従うか、又は、衝突の回避及び移動経路長もしくは検査時間等の最適化の双方を行ういっそう複雑なルールもしくはプロセスに従うことができる。いくつかの実施例では、CADファイル処理部205は、検査経路/シーケンスマネージャ206を含むことができ、又はそれらはマージされる及び/又は区別できない場合もある。自動経路プランニング方法の例は、前述の引例で見ることができる。様々な実施例では、プログラミング部202においてターゲットCADファイルが識別された場合、前述の自動プロセスの一方又は双方を自動的にトリガすることができる。他の実施例では、プロセスを開始するオペレータの入力に基づいて、ターゲットCADファイルに関連した前述の自動プロセスの一方又は双方をトリガすることができる。他の実施例では、同様のプロセスは半自動であり、特定の動作又は決定のためにプログラミング部202においてユーザ入力を必要とする場合がある。
【0016】
いずれにせよ、様々な実施例において、前述のプロセスは実質的にワークピースのための包括的な検査プラン及び/又は検査プログラムを提供するため使用可能である。いくつかの文脈において、「検査プラン」という用語の言外の意味は、主にどの形体を検査対象とするか、及び各々に対してどの測定をどの順序で行うかということを含み、「検査プログラム」という用語の言外の意味は、特定のCMM構成において検査プランをどのように達成するかということを含み得る(例えば、検査プランに固有の「命令」に従うと共に、規定されたCMM構成における移動速度及び経路、使用するプローブ又はセンサ等も含む)。プログラミング部202の他の部分は、CADファイル処理部205及び検査経路/シーケンスマネージャ206の結果を用いて各々の動作を実行すると共に、関連付けられたユーザインタフェース部等をポピュレート及び/又は制御することができる。図2Bに示されているように、プランビュー編集ユーザインタフェース部210は、CADファイルに対応したワークピースのためのワークピース形体検査プランの編集可能プラン表現214を含む。様々な実施例では、プログラムビュー編集ユーザインタフェース部230も、更に(又は代替的に)編集可能プラン表現234を含むことができる。
【0017】
以下で詳述するように、編集可能プラン表現214又は234におけるワークピース形体検査プランの要素は一般に、検査されるワークピース形体とその順番を確認することができ、また、特定のワークピース形体に関連付けられた特定のプログラム要素動作を追加、削除、又は他の方法で変更することにより編集することも可能である。既存のCMMプログラミングシステムにおけるそのような確認及び編集作業は、ユーザにとって、特に比較的スキルの低いユーザにとっては、常に容易に実行、視認、及び/又は理解できるとは限らない。例えば、本願に含まれる引例のいくつかに開示されているように、いくつかの従来のシステムは、プログラミングされた動作に関する異なるタイプの情報を異なるウィンドウに提示するので、それらの異なるウィンドウ中で、特定のタイプの選択された要素及び/又は編集が対応する及び/又は生成する様々な効果及び機能をユーザが視認する及び/又は理解することは難しい。
【0018】
特に、発生する恐れのある1つの問題は、3Dビュー(すなわち3Dビュー部220によって表示される)内で別のワークピース形体によって遮蔽されるワークピース形体(例えば「ターゲット」形体)に関するものである。例えば、編集可能プラン表現214及び/又は234において形体指定操作が実行される(例えば編集可能プラン表現214及び/又は234においてユーザがワークピース形体を選択するための選択を行う)場合、対応するワークピース形体が別のワークピース形体によって遮蔽されていると、ユーザが3Dビュー内で対応するワークピース形体を視認したり又は他の方法で視覚化することが難しい場合がある。以下で詳述するように、本明細書に開示される特徴に従って、透過動作部237は、第1の形体指定操作セット部235の現在の形体指定操作(例えば選択操作)によって指示されているワークピース形体又は検査動作表現に対応した3Dビュー内のワークピース形体を現在のターゲット形体として自動的に識別するように構成できる。ターゲット形体を識別した後、透過動作部237は、3Dビュー内で現在のターゲット形体の少なくとも一部を遮蔽している遮蔽ワークピース形体を、3Dビュー内で少なくとも半透明に自動的にレンダリングすることができる。透過動作部237は更に、現在の形体指定操作が終了したら、3Dビュー内の現在のターゲット形体に関連した透過動作を自動的に終了することができる。
【0019】
様々な実施例において、第1の形体指定操作セット部235は、選択操作236A及び停止又は通過操作236Bを含むことができる。例えば選択操作236Aは、編集可能プラン表現214又は234内のワークピース形体又は検査動作表現に対して選択インジケータを位置決めすることと、編集可能プラン表現214又は234内のワークピース形体又は検査動作表現を選択するための選択アクションを実行すること(例えばマウスボタンのクリック等)と、を含み得る。様々な実施例において、停止又は通過操作236Bは、単一種類の停止又は通過操作に対応するか、あるいは別個の停止操作と別個の通過操作等として実施され得る。一実施例において、停止操作は、編集可能プラン表現214又は234内のワークピース形体又は検査動作表現に対して選択インジケータを位置決めすることと、そのワークピース形体又は検査動作表現の上に少なくとも指定された時間にわたって選択インジケータを置いておくこと(hovering)と、を含み得る。一実施例において、通過操作は、編集可能プラン表現214又は234内のワークピース形体又は検査動作表現の上を通り過ぎる(pass over)ように選択インジケータを移動させることを含み得る。様々な実施例において、停止操作及び/又は通過操作を一種の選択操作として含めることも可能である(例えば、第1のタイプの選択操作は選択アクションを実行することを必要とし、第2のタイプの選択操作は選択インジケータの位置決めと共に選択アクションを実行することを必要としない場合がある)。このような構成において、停止又は通過操作236Bを選択操作236Aのサブ操作とすること、又はブロック236A及び236Bをマージすることも可能である。
【0020】
透過動作部237の特定の透過動作をアクティブ化する可能性があることに加えて、第1の形体指定操作セット部235の少なくともいくつかの形体指定操作は、編集動作部240の特定の編集動作の一部であるか、又はそれらの特定の編集動作を開始するため用いることができる。例えば、ユーザが編集可能プラン表現214又は234内のワークピース形体又は検査動作表現を編集しようとしている場合、ユーザは最初に、編集対象のワークピース形体又は検査動作表現を選択するための形体指定操作(例えば選択操作236A)を実行することができる。様々な実施例において、第1の形体指定操作セット部235及び編集動作部240の部分又は全体はマージされる及び/又は区別できない場合がある。
【0021】
様々な実施例では、第1の形体指定操作セット部235、透過動作部237、及び/又は編集動作部240等の動作の結果及び/又は関連する効果を、プログラミング部202及びその1又は複数のユーザインタフェースの様々な部分に即座に反映させることが望ましい。例えば、ユーザが選択操作236Aを用いて編集可能プラン表現214又は234のワークピース形体を選択した場合、透過動作部237は、3Dビュー内の対応するターゲット形体の少なくとも一部を遮蔽している遮蔽ワークピース形体を、3Dビュー内で少なくとも半透明に自動的にレンダリングするよう即座に動作することが望ましい場合がある。別の例として、前述の本願に含まれる958号公報に詳述されているように、ユーザが編集動作部240の様々な編集作業を実行した場合、対応する結果及び/又は関連する効果を検査プラン及び/又は検査プログラムの現在のバージョンに即座に組み込み(例えば自動的に又はユーザによる最小限の労力で)、次いでこれを、プログラミング部202及びその1又は複数のユーザインタフェースの様々な部分に反映させることが望ましい場合がある。
【0022】
このような特徴は、本願に含めた引例のいくつかに記載されている従来のシステムとは対照的であることに留意するべきである。そのような従来のシステムでは、プラン及び/又はプラグラムに対する選択によって生じる効果や編集上の変更等の視覚化を、ユーザインタフェースにおいて(例えば表示される「3D」シミュレーション又はアニメーションによって)即座に又は連続的に利用することができない。そのような従来のシステムでは通例、編集された検査プログラムを実行しているCMMの「記録」又は特別に発生させたシミュレーションを見るためには、編集作業中は通常リアルタイムでアクティブでない特別モード又は表示ウィンドウをユーザが活性化する必要があった。様々な実施例において、3Dシミュレーション又はアニメーションビューにおいて選択されたワークピース形体及び/又は編集結果を「即座に」見る機能は、編集作業の評価、決定、及び/又は受容のために極めて重要である可能性がある。
【0023】
様々な実施例において、3Dシミュレーション又はアニメーションビューにおいて選択されたワークピース形体及び/又は編集結果を即座に見る機能は、少なくとも部分的にプログラミング環境同期/通知マネージャ260の動作によって達成できる。例えば、プログラミング環境同期/通知マネージャ260を透過動作部237及び第1の形体指定操作セット部235と組み合わせて使用することで、いくつかの機能を実行できる。上述のように、様々な実施例において、そのような機能は、3Dビュー内で現在のターゲット形体の少なくとも一部を遮蔽している遮蔽ワークピース形体を、3Dビュー内で少なくとも半透明に自動的にレンダリングすることを含み得る。更に具体的には、3Dビュー内のターゲット形体は、現在の形体指定操作(例えばユーザ選択)によって指示された編集可能プラン表現214又は234内のワークピース形体又は検査動作表現に対応しており、編集可能プラン表現214又は234内のワークピース形体及び検査動作表現と3Dビュー内のワークピース形体との対応は、少なくとも部分的にプログラミング環境同期/通知マネージャ260によって決定できる。
【0024】
様々な実施例において、プログラミング環境同期/通知マネージャ260は、少なくとも部分的に、XMLのような言語(例えばウェブページ間の通知のため使用される)を用いて実施されることがある既知の「出版者-購読者(publisher-subscriber)」法を用いて実施され得る。様々な実施形態において、出版者-購読者法は、例えばリストベースの方法、又は同報通信ベースの方法、又はコンテンツベースの方法のような方法を、本明細書に開示される機能をサポートするように適合させることで実施すればよい。CMMプログラミング環境では、出版者及び購読者は一般に同じ処理空間内に配置され、「購読者」ウィンドウのアイデンティティを「出版者」が知ることができる(例えば、プログラミング環境同期/通知マネージャ260を用いて記録又は実施され得る)。そのような場合に適用できる、援用により全体が本願に含まれる米国特許第8,028,085号は、本明細書に開示される機能をサポートするように適合され得る低レイテンシの方法を記載している。
【0025】
一実施例において、CADファイル処理部205及び検査経路/シーケンスマネージャ206における様々なワークピース形体及び測定動作の決定及び/又は生成は、各ワークピース形体及び検査動作のための一意の識別子を生成及び/又は共有することを含み得る。それらの部分からの結果が(例えば先に概説したように)プログラミング部202の他の部分で用いられる場合、そういった他の部分でも様々な識別子を用いるか又は相互参照することで、様々な処理及び/又はユーザインタフェース部にまたがって、対応するワークピース形体及び/又は検査動作間の関連付けを確立できる。様々な実施例において、このような技法は、本明細書に開示されている様々な透過動作及び/又は様々な編集動作等の実行の一部として、例えば編集可能プラン表現214又は234内のワークピース形体及び検査動作表現と3Dビュー内のワークピース形体との対応を明らかにするため使用できる。
【0026】
プログラミング部202のユーザインタフェースは、ワークピース形体検査プラン及び/又は検査プログラムを編集するために使用できる編集動作(これは基礎にあるプログラミング命令及び/又はルーチンも含む)を含む。例えば、編集可能プラン表現214又は234内のワークピース形体又は検査動作を表すテキスト又はグラフィックの要素を選択するための形体指定操作(例えば選択操作)を活性化した後、編集動作は、選択した要素に影響を及ぼす関連コマンド又は他のユーザインタフェース動作を活性化することを含み得る。様々な実施例において、編集動作部240はそのような動作を提供するか又は識別することができる。一実施例において、検査プラン修正通知部249は、編集動作部240に含まれる動作に応答して、検査プラン修正が行われているという通知をプログラミング環境同期/通知マネージャ260に与えることができる。
【0027】
これに応答して、プログラミング環境同期/通知マネージャ260は次いで、様々なイベント又はプログラミング動作通知及び関連する一意の識別子の交換を(例えば自動的に)管理して、編集動作のうち1つが実行された場合にCADファイル処理部205及び/又は検査経路/シーケンスマネージャ206が現在の検査プラン及び検査プログラムを同期させて適切に編集又は修正できるようにする。様々な実施例において、そのようなプラン及びプログラムの修正は極めて迅速に実行可能である。その理由は、上述した一意の識別子を用いることで、編集動作のうち現在アクティブであるものによって影響を受ける形体及び/又は測定動作に対する修正にのみ効率的に焦点を当てることができるからである。その後、プログラミング環境同期/通知マネージャ260は、(例えば先に概説したように)プログラミング部202の他の部分に通知を行うので、編集されたプラン及び/又はプログラムからの情報を用いて即座にそれらの部分を更新できる。この場合も、一番最近に編集された要素の1又は複数の一意の識別子を用いて、そのような動作を高速化することができる。それらの識別子に関連付けられた要素にのみ焦点を当てて更新を行えばよいからである。
【0028】
様々な実施例において、プログラミング環境同期/通知マネージャ260は、編集動作に関連付けられたもの以外の部分間の通信及び交換も管理することができる(例えば、先に概説したものと同様の様々な技法及び識別子を用いる)。様々な実施例において、これは、プログラミング部202の様々なユーザインタフェースウィンドウ又は部分の間の同期を容易にすることができる。例えば、1つのウィンドウで特定の形体又は命令を選択すると、他のウィンドウで対応する形体又は命令を表示するための通知又は命令をそのウィンドウで自動的にトリガすることができ、又は、選択された形体又は命令に関連付けられたプログラム動作状態等を表示することができる。様々な実施例において、このような機能は、本明細書で記載される透過動作に関連付けて、更には他の機能(例えば編集機能)等に関連付けて使用することができる。
【0029】
プログラミング部202の様々な部分間のリアルタイム同期を達成するための先に概説した1又は複数の実施例は、単なる例示であり、限定でないことは認められよう。例えば上記で概説した識別子の機能は、明示的な「識別子」が存在しなくても、適切なデータベース又は参照テーブルの関連付け等によって提供することも可能である。本明細書に開示される教示に基づき、これら及び他の代替案は当業者には明らかであろう。
【0030】
実行時間部270は、実行時間インジケータ部272及び実行時間計算部274を含むことができる。編集作業を実行しているユーザにフィードバックを与えるため、実行時間インジケータ部272は、現在のCMM構成によって実行される現在のワークピース形体検査プランに対応したワークピース検査プログラムを実行するようCMMを動作させるための推定検査プログラム実行時間を「リアルタイムで」示すことができる。様々な実施例において、プログラミング部202は、現在のワークピース形体検査プランを修正するため編集動作部240に含まれる動作の1つが使用されることに応答して、その修正が検査プログラム実行時間に与える推定効果を自動的に示すように、実行時間インジケータ部272を自動的に更新するよう構成できる。様々な実施例において、編集動作部240は、ワークピース形体の包含241A、ワークピース形体の除外241B、削除コマンド242、戻る(undo)コマンド243、シーケンス編集244、及びCMM構成245の変更に対応した動作を含むか又は識別することができる。これらについては前述の本願に含まれる958号特許に更に詳しく記載されている。様々な実施例において、編集動作部240は更に、ワークピース形体上の個々のサンプリングポイント(例えばスタイラスの接触点)の追加もしくは除外、又は個々のサンプリングポイント間を横切るための移動プランの変更に対応した動作を含むか又は識別できる。
【0031】
他の動作部250は、プログラミング部202及び/又は全体的なコンピューティングシステム105の使用及び機能に関する他の動作を含むことができる。3Dビュー部220は、ワークピース上のワークピース形体、及び現在のワークピース形体検査プランに従ってワークピース形体に対して実行される検査動作の指示を含む3Dビューを表示できる。シミュレーションステータス及び制御部280は、現在表示されている3Dビューに対応する現在のワークピース形体検査プランの進行状態を特徴付けるように構成されたシミュレーションステータス部281を含むことができる。実行時間インジケータ部272は、シミュレーションステータス部281と連携して表示することができる。
【0032】
様々な実施において、シミュレーションステータス部281は、グラフィック総時間範囲要素283に沿って移動して、現在表示されている3Dビューに対応した現在のワークピース形体検査プランの進行状態を特徴付ける現在時刻インジケータ282を含むことができる。実行時間インジケータ部272は、グラフィック総時間範囲要素283に関連付けて表示され得る。1つの実施例において、シミュレーションステータス部281は更に現在時刻ディスプレイ284を含み、これは、現在時刻インジケータ282又は現在表示されている3Dビューに対応して自動的に更新されると共に、現在表示されている3Dビューに対応する現在のワークピース形体検査プランの進行状態を特徴付ける数値時間表現を含む。1つの実施例において、シミュレーションステータス及び制御部280は更にシミュレーションアニメーション制御部290を含み、これは、3Dビューに表示された現在のワークピース形体検査プランの進行をシミュレーションしたアニメーションディスプレイの、開始291、一時停止292、停止293、リセット294、リバース295、ループ296、高速297、又は低速298のうち少なくとも1つを制御するために使用可能な要素を含む。
【0033】
様々な実施例においては、透過動作部237を用いて、3Dビュー内の表示に対して(例えば、3Dビュー内に表示された現在のワークピース形体検査プランの進行をシミュレーションしたアニメーションディスプレイに対して)いくつかの追加の透過動作を実施することができる。例えば、様々な実施例において第1の形体指定操作セット部は、現在のワークピース形体検査プランの一部としてワークピース形体に実行される検査動作を更に含み得る。そのような構成では、検査動作が実行又は選択される場合、検査動作の対象となるワークピース形体を透過動作によって現在のターゲット形体として自動的に識別することができる。様々な実施例において、実行又は選択される検査動作は、検査シーケンスに含めることができ、CMM測定プローブを用いて検査動作の対象となるワークピース形体上のサンプリングポイントを測定すること及び/又はサンプリングポイントに接触することを含み得る。様々な実施例において、アクティブなプログラムシミュレーションの一部として検査動作が自動的に実行される場合、検査動作が実行されるワークピース形体を透過動作によって現在のターゲット形体として自動的に識別することができる。様々な実施例において、プログラムシミュレーションの手動又は半手動のステップの一部として検査動作が実行される場合、検査動作が実行されるワークピース形体を透過動作によって現在のターゲット形体として自動的に識別することができる。これらの例のいずれにおいても、一度現在のターゲット形体が識別されると、上述のように、透過動作は、3Dビュー内で現在のターゲット形体の少なくとも一部を遮蔽している遮蔽ワークピース形体を、3Dビュー内で少なくとも半透明に自動的にレンダリングすることを含み得る。
【0034】
様々な実施例において、コンピューティングシステム105及び/又は他の関連付けられた1又は複数のコンピュータシステムは、本明細書に記載される機能を実現するためにソフトウェアを実行する1つ以上のプロセッサを含み得る適切な単体又は分散型のコンピューティングシステム又はデバイスを含むことができる。プロセッサには、プログラマブル汎用又は特殊用途マイクロプロセッサ、プログラマブルコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス(PLD)等、又はそのようなデバイスの組み合わせが含まれる。ソフトウェアは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、フラッシュメモリ等のメモリ、又はそのようなコンポーネントの組み合わせに記憶することができる。また、ソフトウェアは、ディスクドライブ、固体メモリ、又はデータを記憶するための他の任意の媒体のような1つ以上の記憶デバイスに記憶することも可能である。ソフトウェアは、特定のタスクを実行するか又は特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造等を含む1つ以上のプログラムモジュールを含み得る。分散型コンピューティング環境では、プログラムモジュールの機能性は、複数のコンピューティングシステム又はデバイスにまたがるように組み合わせるか又は分散させ、様々な実施例ではサービスコールを介してアクセスすることができる。
【0035】
図3は、ユーザインタフェース305(例えば、図1のディスプレイユニット5D、図2Aのディスプレイ部175等に示され得る)の図である。以下に他の記載がない限り、ユーザインタフェース305の3XXと番号を付けたいくつかの要素は、図2A及び図2Bの同様に番号を付けた要素2XXに対応し得る及び/又はそれらの要素2XXによって提供され得ることは認められよう。図3に示す実施例においてユーザインタフェース305は、プランビューウィンドウ310、3Dビューウィンドウ320、及びプログラムビューウィンドウ330を含む。プランビューウィンドウ310は編集ユーザインタフェース部312を含み、3Dビューウィンドウ320はワークピース検査プログラムシミュレーション部322を含み、プログラムビューウィンドウ330は編集ユーザインタフェース部332とシミュレーションステータス及び制御部380とを含む。様々な実施例において、シミュレーションステータス及び制御部380は、シミュレーションステータス部381及びシミュレーションアニメーション制御部390を含むことができる。これらについては以下で図5を参照して更に詳しく説明する。
【0036】
図3に示されているように、編集ユーザインタフェース部312及び332は、CADファイルに対応したワークピース10のためのワークピース形体検査プランの編集可能プラン表現314及び334をそれぞれ含む。編集可能プラン表現314は、ワークピース上で検査される幾何学的形体が配列されている。編集可能プラン表現334は、様々な実施例において、検査プログラム疑似コードもしくは実コード又はグラフィックプログラム動作表現等として配列されている。編集可能プラン表現314及び334の一方に編集動作が実行されると、他方の編集可能プラン表現は、図2A及び図2Bに関連付けて図示及び記載した様々なシステム要素の動作によって、それらの編集動作と一致するように自動的に更新することができる。しかしながら、代替的な実施例では、編集可能プラン表現314及び334の一方のみが編集可能であればよい。そのような場合、他方のプラン表現は存在しないか、もしくは隠される場合があり、又は上述したものと同様に表示されて自動的に更新される場合もある。
【0037】
図2A及び図2Bを参照して上述したように、様々な実施例において、コンピュータ支援設計(CAD)ファイル処理部は、ワークピース10に対応するワークピースCADファイルを入力し、このファイルを解析して、複数の幾何学的形体タイプ(例えば円筒、平面、球、円錐等)に対応するワークピース10上の検査可能ワークピース形体を自動的に決定することができる。図3において、編集可能プラン表現314及び334は、検査対象となる編集可能ワークピース形体セット316及び336を含む。以下で詳述するように、現在のCMM構成によって実行される現在のワークピース形体検査プランに対応したワークピース検査プログラムを実行するように、CMMを動作させるための推定検査プログラム実行時間を示す実行時間インジケータ372が設けられている。ワークピース形体検査プランを編集するために編集動作を使用できる。システムは、現在のワークピース形体検査プランを修正するため編集動作の1つが使用されることに応答して、その修正が検査プログラム実行時間に与える推定効果を自動的に示すように、実行時間インジケータ372を自動的に更新するよう構成されている。
【0038】
図3図6に示されている編集可能プラン表現314は、検査対象となり得るワークピース10’上の多数のワークピース形体316F1~316Fnを含む(例えば、nは検査対象となり得るワークピース形体の総数を表す)。ワークピース形体316F1~316Fnはそれぞれ、ワークピース検査プログラムシミュレーション部322内のワークピース形体326F1~326Fnに対応し、編集可能プラン表現334内のワークピース形体336F1~336Fnに対応する。これらの図を簡略化するため、ワークピース形体の一部のみに標示を付けている。図3の例において、プランビューウィンドウ310では現在ワークピース形体316F1~316F21が見えている。ユーザは、インクリメント又は下にスクロールするための制御を利用して(例えば縦スクロールバー317等を用いて)、更に別のワークピース形体を見ることができる。同様に、縦スクロールバー337を用いてプログラムビューウィンドウ330を上下にスクロールすることができる。
【0039】
3Dビューウィンドウ320は、ワークピース10’上のワークピース形体326を含むワークピース検査プログラムシミュレーション部322の3Dビューを表示している。様々な実施例において、3Dビューは、現在のワークピース形体検査プランに従ってワークピース形体326に対して実行される検査動作の指示も含み得る(例えば図5に関連付けて以下で詳述するように)。図3に示されているように、平面326F1及び326F2、球326F3、円筒326F7及び326F8、並びに円錐316F11等、ワークピース形体のいくつかの説明のための例に標示が付けられている。様々な実施例において、これらはそれぞれ、編集可能プラン表現314内のワークピース形体326F1、316F2、316F3、316F7、316F8、及び316F11に対応し、編集可能プラン表現334内のワークピース形体336F1、336F2、336F3、336F7、336F8、及び336F11に対応する。3Dビュー内のワークピース形体326F8に関して、編集可能プラン表現334では、対応するワークピース形体336F8は円筒アイコンの表示と共に「円筒-1214」の記述を含み、編集可能プラン表現314では、対応するワークピース形体316F8は円筒アイコン表示と共に「1214」の記述を含む。様々な実施例において、このような記述及びアイコンは、各ワークピース形体について、番号が付けられた表示及び幾何学形状のタイプ(例えば円筒、平面、球、円錐等)に対応して自動的に生成し表示することができる。
【0040】
ワークピース形体検査プランを編集するため使用できる編集動作に関して、一実施例では、編集ユーザインタフェース部312は、ワークピース形体の除外/包含要素318(例えば各ワークピース形体316の隣のチェックボックス)を含み得る。これは、関連付けられた各ワークピース形体316について、除外状態(例えば関連したボックスにチェックなし)と包含状態(例えば関連したボックスにチェックあり)との間で切り換わるように動作することができる。除外状態は、関連付けられたワークピース形体316を検査対象のワークピース形体セットから除外することに相当し、包含状態は、関連付けられたワークピース形体316を検査対象のワークピース形体セット内に包含することに相当し得る。図3の例では、全てのワークピース形体316で包含が選択されている。様々な実施例において、編集動作は、ワークピース形体の除外/包含要素318を利用して、検査対象のワークピース形体セットに対してワークピース形体316を除外又は包含することを含み得る。実行時間インジケータ372は、ワークピース形体の除外/包含要素318が使用されることに応答して自動的に更新され得る。これについては前述の本願に含めた958号特許に詳述されている。
【0041】
様々な実施例では、編集又は他のプロセスの一部として、3Dシミュレーションもしくはアニメーションビューにおいて、選択されたワークピース形体及び/又は関連する編集プロセス及び/又は結果をユーザが明確に視認できるようにすることにより、様々な利点が得られる。1つの例として、編集動作の決定及び/又は承諾に関して、検査プランの総実行時間は、部分的に、検査対象のワークピースの数とそれに実行される検査動作に依存し得る。結果として総実行時間は、所有コスト及び/又は所望の生産率をサポートする能力を決定するCMMの検査スループットに直接関連する。総実行時間を短縮するため(例えば効率等を増大するため)、ユーザは、ワークピース形体及び検査動作を確認して、現在の検査プランに含める必要がないものを決定することができる。このような確認の一部として(更には他の理由から)、ユーザが3Dビュー内で各ワークピース形体及び/又は対応する検査動作を視認できることが望ましい場合がある。しかしながら、現在検討中のターゲットワークピース形体が3Dビュー内で別のワークピース形体によって遮蔽されている場合、そのような視認は妨げられる(例えば、図3の3Dビューにおいてワークピース形体326F3はワークピース形体326F8を遮蔽している)。本明細書に開示される様々な原理に従い、そのような状況で透過動作を実行して、1又は複数の遮蔽ワークピース形体を少なくとも半透明にレンダリングすることができる。これについて図4を参照して以下で更に詳しく説明する。
【0042】
図4はユーザインタフェース305の図であり、ターゲット形体326F8と、透過動作の実行によって3Dビューウィンドウ320内で少なくとも半透明にレンダリングされた遮蔽ワークピース形体326F3と、を示している。様々な実施例において、このような透過動作は、第1の形体指定操作セットに含まれる形体指定操作に応答してシステムによって自動的に実行できる。様々な実施例において、第1の形体指定操作セットは、編集可能プラン表現内のワークピース形体又は検査動作表現に対する選択操作を含み得る。様々な実施例において、第1の形体指定操作セットはこれに加えて又はこの代わりに、編集可能プラン表現内のワークピース形体又は検査動作表現に対する停止操作又は通過操作のうち少なくとも1つを含み得る。様々な実施例において、これに応答して透過動作が実行される第1の形体指定操作セットは、単一の形体指定操作(例えば選択操作)のみを含むか、又は複数の形体指定操作(例えば選択操作と停止操作又は通過操作等)を含み得る。
【0043】
様々な実施例において、選択操作は、編集可能プラン表現内のワークピース形体又は検査動作表現の近くに選択要素(例えばマウスカーソル)を位置決めすることと、ワークピース形体又は検査動作表現を選択するための選択アクションを実行することと、を含み得る。例えば図3の編集可能プラン表現314又は334に対して、ユーザは、マウス又は他の入力デバイスを用いて、選択要素(例えば移動可能ポインタ、カーソル、強調表示エリア、タッチスクリーン上の指等)をワークピース形体又は検査動作表現の上に位置決めし、選択アクションの実行(例えばキー、ボタン、マウスを押すこと、タッチスクリーンを指で押すこと等)によってそのワークピース形体又は検査動作表現を選択できる。別の例として、ホログラフィ3次元ビューでは、選択要素はポインタ又はユーザの指のような要素を含み、この選択要素を用いて編集可能プラン表現314又は334において選択アクションを実行することができる(例えば、ユーザが選択を行うため選択要素を用いて特定のタイプの動きを実行する)。1つの具体的な例では、図3に示されている状態において、ユーザは編集可能プラン表現334のワークピース形体336F8の上に選択要素を位置決めした後であり得る(例えばワークピース形体336F8の強調表示によって示され、又は様々な実施例では他のインジケータによって示される)。図4に示されている状態では、ユーザはワークピース形体336F8を選択するための選択アクションを実行した後であり(例えばワークピース形体336F8の周りの点線の四角形によって示され、又は様々な実施例では他のインジケータによって示される)、これに基づいて3Dビューで特定の透過動作が実行された後であり得る(例えばワークピース形体326F3を少なくとも半透明にレンダリングする)。これについては以下で更に詳しく説明する。
【0044】
別の例として、停止操作は同様に、編集可能プラン表現314又は334内のワークピース形体又は検査動作表現に対して選択インジケータを位置決めすることと、このワークピース形体又は検査動作表現の上に少なくとも指定された時間にわたって選択インジケータを置いておくことと、を含み得る。停止操作の一部として、様々な実施例では、ワークピース形体又は検査動作表現に対して選択インジケータを位置決めした状態で(例えばその上に位置決めする等で)指定された時間に達したら、このようなシーケンスは一種の選択アクションとして動作するので、ワークピース形体又は検査動作表現を選択することができる。1つの具体的な例では、図3に示されている状態において、ユーザは編集可能プラン表現334のワークピース形体336F8の上に選択要素を位置決めした後であり得る(例えばワークピース形体336F8の強調表示によって示され、又は様々な実施例では他のインジケータによって示される)。図4に示されている状態では、ユーザはワークピース形体336F8を選択するための停止操作に従って指定された時間にわたって選択要素の位置を維持した後であり(例えばワークピース形体336F8の周りの点線の四角形によって示され、又は様々な実施例では他のインジケータによって示される)、これに基づいて3Dビューで特定の透過動作が実行された後であり得る(すなわち、ワークピース形体326F3を少なくとも半透明にレンダリングする)。これについては以下で更に詳しく説明する。
【0045】
更に別の例として、通過操作は、編集可能プラン表現214又は234内のワークピース形体又は検査動作表現の上を通り過ぎるように選択インジケータを移動させることを含み得る。1つの具体的な例では、図3に示されている状態において、ユーザは編集可能プラン表現334のワークピース形体336F8の上に選択要素をまだ位置決めしてない可能性がある(すなわちこの場合、ワークピース形体336F8はまだ強調表示又は他の指示が行われていない可能性がある)。図4に示されている状態では、ユーザは選択インジケータにワークピース336F8の上を通過させるプロセスの最中であり(例えば強調表示及び/又はワークピース形体336F8の周りの点線の四角形によって示され、又は様々な実施例では他のインジケータによって示される)、これに基づいて3Dビューで特定の透過動作が実行された後であり得る(例えばワークピース形体326F3を少なくとも半透明にレンダリングする)。これについては以下で更に詳しく説明する。様々な実施例において、停止操作及び/又は通過操作を一種の選択操作として含めることも可能である(例えば、第1のタイプの選択操作は選択アクションを実行することを必要とし、第2のタイプの選択操作は、停止操作のように、選択インジケータの位置決めと共に選択アクションを実行することを必要としない場合がある)。
【0046】
上述のように、第1の形体指定操作セットに含まれる現在の形体指定操作(例えば選択操作、停止操作、通過操作等)の実行に応答して、透過動作セットを実行することができる。透過動作は、最初のステップとして、第1の形体指定操作セットに含まれる現在の形体指定操作によって指示されるワークピース形体又は検査動作表現に対応した3Dビュー内のワークピース形体を現在のターゲット形体として自動的に識別することを含み得る。図4の例では、現在の形体指定操作によって指示されるワークピース形体は編集可能プラン表現334内のワークピース形体336F8であり、これに応じて自動的に識別される現在のターゲット形体は3Dビューウィンドウ320内のワークピース形体326F8である。ワークピース形体336F8をワークピース形体326F8に対応させることができる様々なプロセスについては、図2A及び図2Bに関連付けて本明細書ですでに説明した。
【0047】
様々な実施例において、透過動作は更に、3Dビュー内でターゲット形体を遮蔽している1つ以上のワークピース形体が存在するか否かを判定することを含み得る。様々な実施例において、このような判定は様々なファクタの検討を必要とする場合がある。考えられる1つのファクタとして、このような判定は、少なくとも部分的に3Dビューの現在の向きに依存し得る。例えばワークピース10’上のワークピース形体の相対位置に応じて、所与のワークピース形体は3Dビューの向きによって別のワークピース形体を遮蔽していたり遮蔽していなかったりする。様々な実施例において、システムは、どのワークピース形体が他のワークピース形体及び/又は検査動作等を遮蔽しているかを判定するため、ワークピース10’上のワークピース形体の既知の位置や大きさ等を、3Dビューの現在の向きにおける既知の視野角と組み合わせて使用するように構成できる。図4の例では、3Dビューの現在の向きにおいて、ワークピース形体326F3が、ワークピース形体326F8を遮蔽していると判定されている。
【0048】
図4の例では、更に、いくつかの他のワークピース形体は、ワークピース形体326F8を遮蔽していないと判定されている。例えばワークピース形体326F2、326F7、及び326F11の各々は、3Dビューの現在の向きではワークピース形体326F8を遮蔽していないと判定されている。この判定に従い、ワークピース形体326F2、326F7、及び326F11は、自動的に実行される透過動作によって自動的に透明にレンダリングされていない。
【0049】
3Dビューの現在の向きでワークピース形体326F3がワークピース形体326F8の少なくとも一部を遮蔽しているという判定に従って、透過動作の一部としてワークピース形体326F3は自動的に少なくとも半透明にレンダリングされている。様々な実施例において、ワークピース形体326F3の透明の量は、ユーザが引き続きワークピース形体326F3の一部の文脈及び位置を視認できる一方で遮蔽されていたワークピース形体326F8を明確に視認できるように設定され得る。例えば、ワークピース形体検査プランの再検討中、ワークピース形体326F3が少なくとも半透明にレンダリングされた後でも、ワークピース形体326F3と326F8及び/又はこれらに関連する検査動作間の相対的な位置決め及び文脈をユーザが視認及び理解できることが望ましい場合がある。様々な実施例において、透明のレベル及び種類(例えば、少なくとも半透明にレンダリングされているワークピース形体の外形線及び中身について、異なる透明レベル及び/又は異なる種類のパターン又は表現を含む)を、システムによって設定する及び/又は他の方法で調整可能とすることができる(例えば、透明レベル及び機能等をユーザが選択及び/又は調整できるようにするユーザインタフェース機能を含む)。
【0050】
様々な実施例では、透過動作又は他の動作の一部として、3Dビュー内のターゲット形体326F8を強調表示するか又は他の方法でマーキングすることができる。例えば、上述のように、現在の形体指定操作によって指示されているワークピース形体は編集可能プラン表現334内のワークピース形体336F8であり、これに応じて自動的に識別される現在のターゲット形体は3Dビューウィンドウ320内のワークピース形体326F8である。様々な実施例において、ワークピース形体326F8がターゲット形体として自動的に識別された後、ワークピース形体326F8がターゲット形体であることを示すように3Dビューウィンドウ320を更新できる(例えば、ワークピース形体326F8を強調表示するか又は他の方法でマーキングもしくは指示する、及び/又は、検査動作及び/又は遮蔽ワークピース形体を少なくとも半透明にする自動レンダリングを含む、以降のコマンドもしくは動作のアクティブなターゲットとすることができる)。
【0051】
ワークピース形体326F8が3Dビューウィンドウ320内で選択されるのとは対照的に、様々な実施例において、ワークピース形体336F8が編集可能プラン表現334内で選択されるか、又は他の方法で指定される態様が様々な利点を与えることは認められよう。例えば、本願に含めた引例のいくつかに示されているように、いくつかの従来のシステムでは、ユーザは、どのような透過動作を3Dビューで実行するかの決定に関して、3Dビュー内で選択を行うか又はアクションを実行する必要があり得る(例えば、3Dビュー内でユーザインタフェース要素を移動させるか又はワークピース形体上でクリックする)。ユーザが視認したいターゲット形体を決定する本明細書に開示されるような実施例では、3Dビュー内でターゲット形体が少なくとも部分的に遮蔽されている事実によって、3Dビュー内でそのようなターゲット形体の選択を実行することは難しい場合がある。より具体的に述べると、ターゲット形体は3Dビュー内で少なくとも部分的に遮蔽されているので、3Dビュー内で見えているターゲット形体の部分(例えば、図3の3Dビューウィンドウ320内で見えているターゲット形体326F8の部分)をユーザが視認すること、識別すること、及び/又は他の方法で見出すことは難しい可能性がある。場合によっては、遮蔽ワークピース形体が3Dビューにおいて現在のターゲット形体全体を遮蔽しているので、3Dビュー内で現在のターゲット形体のどの部分も全く見えないか又は選択できないことがある。本明細書に開示される様々な原理に従って、編集可能プラン表現314又は334においてワークピース形体又は検査動作表現を選択するか又は他の方法で指定するための形体指定操作(例えば選択操作)の実行を可能とすることにより、透過動作が自動的に実行される前に3Dビューウィンドウ320内でターゲット形体が部分的に又は全体的に遮蔽されている場合であっても、3Dビューウィンドウ320内でターゲット形体を視認するように識別できる。
【0052】
様々な実施例において、透過動作は、現在のターゲット形体が識別された後に3Dビューの向きを回転させること又は他の方法で調整することを含まない場合がある。より具体的に述べると、代替的な実施例では、3Dビューを回転させるか又は他の方法で調整して、3Dビューの現在の向きでは別のワークピース形体によって遮蔽されているターゲット形体の視認を改善することができる。例えば、図3に示されている3Dビューの向きではワークピース形体326F3がワークピース形体326F8を遮蔽しており、代替的な実施例は、ワークピース形体326F3がワークピース形体326F8を遮蔽しなくなる所まで3Dビューを回転させるか又は他の方法で調整することを含み得る(例えば、ワークピース形体326F3がワークピース形体326F8の前方でなく後方にくるまで3Dビューを180度回転させる)。このような向きの調整が実行される実施例とは異なり、本明細書に開示されている原理によれば、3Dビューの向きは調整されず、3Dビューの現在の向きの遮蔽ワークピース形体は自動的に少なくとも一部を透明にレンダリングすることができる。いくつかの代替的な実施例では、3Dビューの向きを調整すると共に透過動作も実行するハイブリッド技法を使用することができる(例えば、透過動作の一部として及び/又は他の動作の一部として)。更に具体的には、様々な実施例において、3Dビューの向きを調整するか又は調整について検討する場合、上記の透過動作の少なくとも一部を実行して、3Dビューの調整後の向きでターゲット形体を遮蔽しているワークピース形体を決定する及び/又は少なくとも半透明にレンダリングすることができる。
【0053】
様々な実施例では、現在の形体指定操作が終了した場合、3Dビュー内の現在のターゲット形体に関連した透過動作を自動的に終了させることができる。例えば図4の実施例において、現在の形体指定操作が選択操作である場合、ユーザは、編集可能プラン表現334内のワークピース形体336F8を選択解除するためのアクションを実行することによって選択操作を終了することができる。様々な実施例において、このようなワークピース形体を選択解除するためのアクションは、ワークピース形体をクリックするかもしくは他の方法でもう一度選択すること、又は編集可能プラン表現334内の異なるワークピース形体をクリックするか又は他の方法で選択すること等を含み得る。形体指定操作が停止操作又は通過操作である場合、ワークピース形体336F8を選択解除するためのアクションは、編集可能プラン表現334内の選択インジケータをワークピース形体336F8の上から離れるように位置決めすることを含み得る。現在の形体指定操作を終了させるように編集可能プラン表現334内のワークピース形体336F8が選択解除されたら、3Dビュー内の現在のターゲット形体326F8に関連した透過動作も自動的に終了させることができる。図4の例において、これは、3Dビュー内のワークピース形体326F8が現在のターゲット形体として指定されなくなることと、3Dビュー内のワークピース形体326F3が少なくとも半透明にレンダリングされなくなること(例えば図3の3Dビューに示されている状態に戻ること)に対応し得る。
【0054】
図5は、ターゲット形体326F8に対する特定の検査動作の実行を示すユーザインタフェース305の図である。図5の例において、3Dビューウィンドウ320は、ワークピース10’に対して位置決めされたスタイラス先端21T’を有するタッチプローブ21’を示す。図示されている状態において、タッチプローブのスタイラス先端21T’はワークピース形体326F8に接触している。測定経路MPは、スタイラス先端21T’の移動経路表現及び対応するサンプリングポイントSPを示し、様々なウィンドウ内に表現された現在の検査プランの一部に対応している。サンプリングポイントSPの各々は、当業者によって理解されるように、現在の検査プランの対応部分に従って測定座標を取得するため、スタイラス先端21T’がワークピース形体326F8に接触するポイントを示す。
【0055】
様々な実施例において、図5に示されている測定経路MP及び/又はサンプリングポイントSPは1以上の検査動作に対応し得る。例えば、編集可能プラン表現334内の検査動作表現336IN8Bは、少なくとも部分的に、3Dビューウィンドウ320内に示されている測定経路MP及びサンプリングポイントSPに対応し得る。一実施例では、そのような検査動作を用いてワークピース形体326F8の円筒度を決定できる(例えば、部分的に、ワークピース形体326F8の上部の外周がどのくらい円を近似するかを求めること等によって)。様々な実施例において、いくつの検査動作表現は、これに加えて又はこの代わりに、指定されたワークピース形体の検査を実行するための具体的なサンプリングポイント、移動、角度等についての情報を含み得る。図5の例では、様々な実施例において、1以上の検査動作がワークピース形体326F8及び他のワークピース形体を測定するための追加の測定経路及びサンプリングポイントを含み得ることは認められよう(例えば、前述のように本願に含めた083号特許に詳述されているように、ワークピース形体の中央部、下部、上部、側面部、外部、内部等における測定経路の追加の軌道を含む)。
【0056】
上述のように、第1の形体指定操作セットに含まれる現在の形体指定操作が実行されることに応答して、現在の形体指定操作によって指示されているワークピース形体又は検査動作表現に対応した3Dビュー内のワークピース形体を、現在のターゲット形体として最初に識別することを含む透過動作セットを実行できる。図5において、1つの例示的な実施例では、現在の形体指定操作によって指示されている検査動作表現は、検査動作表現336IN8Bである。例えばユーザは、検査動作表現336IN8Bを選択するための選択操作を実行し終わっている可能性がある。様々な実施例において、検査動作表現336IN8Bはワークピース形体336F8に対して実行される検査動作に対応するので、3Dビュー内の対応するワークピース形体326F8が現在のターゲット形体として識別され、遮蔽ワークピース形体326F3は自動的に少なくとも半透明にレンダリングすることができる。このような透過動作が3Dビュー内のワークピース形体326F8の視認性を改善するだけでなく、ワークピース形体326F8に対して実行されるものとして説明される検査動作(例えば測定経路MP及び対応するサンプリングポイントSP等)の視認性も改善することは認められよう。
【0057】
様々な実施例では、検査動作表現を選択することに加えて、第1の形体指定操作セットはワークピース形体に検査動作を実行することを更に含み得る。そのような構成では、検査動作が実行される場合、検査動作の対象となるワークピース形体を透過動作によって現在のターゲット形体として自動的に識別することができる。様々な実施例において、実行される検査動作は、検査シーケンスに含めることができ、(例えばCMM測定プローブを用いて)検査動作の対象となるワークピース形体上のサンプリングポイントを測定すること及び/又はサンプリングポイントに接触することを含み得る。様々な実施例において、アクティブなプログラムシミュレーションの一部として検査動作が自動的に実行される場合、検査動作が実行されるワークピース形体を透過動作によって現在のターゲット形体として自動的に識別することができる。様々な実施例において、プログラムシミュレーションの手動又は半手動のステップの一部として検査動作が実行される場合、検査動作が実行されるワークピース形体を透過動作によって現在のターゲット形体として自動的に識別することができる。これらの例のいずれにおいても、一度現在のターゲット形体(例えばワークピース形体326F8)が識別されると、上述のように、透過動作は、3Dビュー内で現在のターゲット形体の少なくとも一部を遮蔽している遮蔽ワークピース形体(例えばワークピース形体326F3)を、3Dビュー内で少なくとも半透明に自動的にレンダリングすることを含み得る。
【0058】
ワークピース形体及び/又は検査動作(例えばユーザによって選択されるか又は他の方法で活性化される)が現在のワークピース形体検査プラン全体の中のどこに該当するかを表示することに関して、更に、他の方法でユーザによる理解を容易にすることに関して、上記のように、シミュレーションステータス及び制御部380は、シミュレーションステータス部381及びシミュレーションアニメーション制御部390を含むことができる。同期技法を用いて、シミュレーションステータス部381は、ワークピース検査プログラムシミュレーション部322の現在表示されている3Dビューと、編集可能プラン表現314及び334の対応する進行状態とに対応した現在のワークピース形体検査プランの進行状態を特徴付けるように構成できる。様々な実施例において、シミュレーションステータス部381は現在時刻インジケータ382を含むことができ、これは、グラフィック総時間範囲要素383に沿って移動して、現在表示されている3Dビューと編集可能プラン表現314及び334の対応する進行状態とに対応した現在のワークピース形体検査プランの進行状態を特徴付ける。実行時間インジケータ372は、グラフィック総時間範囲要素383に関連付けて表示され得る。1つの実施例では、図5の例に示すように、実行時間インジケータ372はグラフィック総時間範囲要素383の右端部の近くに表示することができる。
【0059】
様々な実施例において、シミュレーションステータス部381は更に、現在時刻インジケータ382又はグラフィック総時間範囲要素383の少なくとも一方の近くに表示された現在時刻ディスプレイ384を含むことができる。現在時刻ディスプレイ384は、現在時刻インジケータ382又は現在表示されている3Dビューに対応して自動的に更新される数値時間表現を含むことができ、これは、現在表示されている3Dビューと編集可能プラン表現314及び334の対応する進行状態とに対応した現在のワークピース形体検査プランの進行状態を特徴付ける。図5の例において、現在時刻ディスプレイ384は、実行時間インジケータ372によって示される総時間「0:18:06」のうちの時刻「0:02:02」を示し、現在時刻インジケータ382は、グラフィック総時間範囲要素383に沿った比例位置に示されている。現在時刻インジケータ382のこの位置と現在時刻ディスプレイ384の時刻とは、現在のワークピース形体検査プランの現在の進行状態に対応しており、編集可能プラン表現314の進行状態において、(例えば検査プラン内で計画されたワークピース形体316F1~316F7の検査の後に)ワークピース形体316F8が検査されていることを示す。これに対応して、編集可能プラン表現334の進行状態において、これは、(例えば、計画されたワークピース形体336F1~336F7の検査の後に)ワークピース形体336F8が検査されていることを示す。1つの実施例において、シミュレーションアニメーション制御部390は、3Dビューに表示された現在のワークピース形体検査プランの進行をシミュレーションしたアニメーションディスプレイを制御するために使用できる要素を含み得る。例えばシミュレーションアニメーション制御部390には、開始要素391、停止要素393、後退要素395、及びループ要素396が示されているが、他の実施例では他の要素も含まれ得る(例えば一時停止、リセット、速度上昇、速度低下等に対応する)ことは認められよう。
【0060】
様々な実施例において、シミュレーションステータス部381はユーザによって調整可能とすることができる。例えば、グラフィック総時間範囲要素383に沿った現在時刻インジケータ382の位置を、ユーザによって直接調整する及び/又は間接的に(例えば要素391、393、395、396等の制御要素の動作によって)調整することができる。現在時刻インジケータ382の位置が調整された場合、現在表示されている3Dビューを、現在時刻インジケータ382の位置が示す現在のワークピース形体検査プランの進行状態に対応するように変更できる。現在時刻インジケータ382がユーザによってグラフィック総時間範囲要素383に沿ってアクティブにスライドされる例では、現在時刻インジケータ382がスライドされる速度に対応した速度で、3Dビューウィンドウ320内に現在のワークピース形体検査プランの進行を表示することができる。
【0061】
一実施例において、第1の形体指定操作セットは、(例えばユーザによって)現在時刻インジケータの位置を選択又は調整することを含む選択操作を含む形体指定操作を含み得る。そのような実施例では、現在の形体指定操作によって指示されているワークピース形体又は検査動作表現は、編集可能プラン表現314又は334の進行状態に対応したワークピース形体又は検査動作表現である。図5の例では、編集可能プラン表現314に関して、これは、検査プランの一部として指示された時刻に実行又は検査されるワークピース形体316F8又はこれに対応した検査動作表現に相当する。編集可能プラン表現334に関して、これは、検査プランの一部として指示された時刻に実行又は検査されるワークピース形体336F8又は対応した検査動作表現に相当する。
【0062】
上述のように、図5における測定経路MPは、スタイラス先端21T’の移動経路表現及び対応するサンプリングポイントSPを示し、様々なウィンドウ内に表現された現在の検査プランの一部に対応している。前述のように本願に含まれる083号に詳述されている通り、様々な実施例において、複数のサンプリングポイントを含む(例えばタッチプローブ又は他の表面位置センサのような)座標測定機のための測定経路MPの少なくとも一部は、測定される表面形体の種類に対応した汎用サンプリングパターンを用いて生成することができる。例えば図5に示されている測定経路MPは、円筒ワークピース形体326F8と同様の、円又は円筒のための汎用サンプリングパターンを用いて最初に生成することができる。
【0063】
図6は、ターゲット形体326F2又は326F8と、透過動作の実行によって3Dビューウィンドウ320内で少なくとも半透明にレンダリングされた遮蔽ワークピース形体と、を示すユーザインタフェースの図である。1つの例示的な実施例では、ワークピース形体326F2を現在のターゲット形体として識別できる(例えば、編集可能プラン表現334内の対応するワークピース形体336F2をユーザが選択すること又は他の指示に従って)。ワークピース形体326F2がターゲット形体として指示されたことに従い、ワークピース形体326F3、326F7、326F8、及び326F11の各々を透過動作によって少なくとも半透明にレンダリングすることができる。更に具体的には、ワークピース形体326F3、326F7、326F8、及び326F11の各々は、現在のターゲット形体326F2の少なくとも一部を遮蔽しているので、それらのワークピース形体の各々を少なくとも半透明にレンダリングすることができる。ワークピース形体336F2の選択又は他の指示に対応して、現在時刻ディスプレイ384は、実行時間インジケータ372によって示される総時間「0:18:06」のうち時刻「0:01:01」を示すように図示され、現在時刻インジケータ382は、グラフィック総時間範囲要素383中の比例位置にあるように図示されている。これは、ワークピース形体326F2の検査が、概ね時刻「0:01:01」に(例えば、検査プラン内で計画されたワークピース形体336F1の検査の後に)発生することを示している。
【0064】
図6の例示において、タッチプローブスタイラス先端21T’は、ワークピース形体326F2上のサンプリングポイントSPに接触するように位置決めできる(すなわち、ワークピース形体326F8は下部で開口し、ワークピース形体326F2上に載っている)。測定経路(図示せず)の一部として、ワークピース形体326F2上の他のサンプリングポイントを決定することも可能である(例えば、いくつかのサンプリングポイントは、ワークピース形体326F7及び326F11の後方にあるか、又はそれらによって遮蔽されている可能性がある)。一般に、透過動作によってワークピース形体326F3、326F7、326F8、及び326F11を少なくとも半透明にレンダリングすることは、ワークピース形体326F2の視認性と、ワークピース形体326F3、326F7、326F8、及び326F11で遮蔽されていたワークピース形体326F2に関連した検査動作の視認性を改善することは認められよう。
【0065】
代替的な例示の実施例では、ワークピース形体326F8を現在のターゲット形体として識別することができ(例えば、編集可能プラン表現334内でワークピース形体336F8をユーザが選択すること又は他の指示に従って)、ワークピース形体326F3及び326F8のみを透過動作によって少なくとも半透明にレンダリングすることができる。この特定の例示の実施例では、ワークピース形体326F7及び326F11は3Dビュー内でワークピース形体326F8を遮蔽していないと判定できるので、これらは透過動作によって少なくとも半透明にレンダリングしなくてもよいことは認められよう。そのような例示の実施例では、タッチプローブスタイラス先端21T’は、ワークピース形体326F8上のサンプリングポイントSPに接触していると判定できる(例えば、ワークピース形体326F8はサンプリングポイントSPが接触しているキャップ付き下端部又は他の固体下端部を有する)。
【0066】
このような例示の実施例において、透過動作は更に、現在のターゲット形体326F8の少なくとも側面部が、現在のターゲット形体326F8の少なくとも背景部(例えば下部)を遮蔽している現在のターゲット形体326F8の前景部であると判定することを含み得る。このような判定に関して、透過動作は更に、3Dビュー内でターゲット形体326F8の少なくとも下部(例えば背景部)を遮蔽しているターゲット形体326F8の側面部を(すなわち前景部分として)、3Dビュー内で自動的に少なくとも半透明にレンダリングすることを含み得る。他の実施例において、透過動作は、ターゲット形体326F8全体を自動的に少なくとも半透明にレンダリングすることを含み得る(例えばターゲット形体326F8の様々な部分に対する検査動作の視認性を改善するため)。図6では、測定経路(図示せず)の一部として、ワークピース形体326F8上の他のサンプリングポイントを決定することも可能である(例えば図5に示すもの等)。このような例示の実施例では、ワークピース形体326F3を少なくとも半透明にレンダリングすることに加えて、ワークピース形体326F8(又はその部分)を少なくとも半透明にレンダリングすることにより、遮蔽されていたワークピース形体326F8のいくつかの部分と、ワークピース形体326F8に関連した(例えばワークピース形体326F8上の様々なサンプリングポイント等に関する)遮蔽されていたいくつかの検査動作の視認性を改善することができる。
【0067】
図7は、座標測定機のワークピース形体検査動作をプログラミングするシステムを動作させるためのルーチン700の1つの例示的な実施例を示すフロー図である。ブロック710では、編集可能プラン表現内のワークピース形体又は検査動作表現のうち少なくとも1つを選択するための選択を行うことを決定する。ブロック720では、選択されたワークピース形体又は検査動作表現に対応する3Dビュー内のワークピース形体を自動的にターゲット形体として指定する。決定ブロック730では、3Dビュー内のターゲット形体の少なくとも一部を遮蔽している1つ以上のワークピース形体が存在するか否かを判定する。遮蔽ワークピース形体が存在しない場合、ルーチンは終了する。1つ以上の遮蔽ワークピース形体が存在すると判定された場合、ルーチンはブロック740に進み、3Dビュー内のターゲット形体の少なくとも一部を遮蔽している1つ以上の遮蔽ワークピース形体を自動的に3Dビュー内で少なくとも半透明にレンダリングする。
【0068】
本開示の好適な実施について図示及び記載したが、本開示に基づいて、図示及び記載した特徴の構成及び動作のシーケンスにおける多数の変形が当業者には明らかであろう。種々の代替的な形態を用いて本明細書に開示した原理を実施してもよい。更に、上述の様々な実施例を組み合わせて別の実施例を提供することも可能である。本明細書において言及した米国特許及び米国特許出願は全て、援用によりその全体が本願にも含まれるものとする。これらの様々な特許及び出願の概念を用いて更に別の実施例を提供するために必要な場合は、上述の実施例の態様は変更可能である。
【0069】
2017年12月29日に出願された米国仮特許出願第62/611,833号の開示は、援用により全体が本願に含まれる。
【0070】
前述の記載に照らして、実施例にこれら及び他の変更を行うことができる。一般に、以下の特許請求の範囲において、使用される用語は本明細書及び特許請求の範囲に開示される特定の実施例に特許請求の範囲を限定するものとして解釈されず、そのような特許請求の範囲の権利が与えられる(entitled)均等物の全範囲に加えて全ての可能な実施例を包含するものとして解釈されるべきである。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7