(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-16
(45)【発行日】2023-03-27
(54)【発明の名称】栄養強化ノンフライ即席麺及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
A23L 7/113 20160101AFI20230317BHJP
【FI】
A23L7/113
(21)【出願番号】P 2019054446
(22)【出願日】2019-03-22
【審査請求日】2021-10-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000226976
【氏名又は名称】日清食品ホールディングス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】狹間 英信
(72)【発明者】
【氏名】三宅 愛
(72)【発明者】
【氏名】萩原 健太
(72)【発明者】
【氏名】神足 英春
【審査官】中島 芳人
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-149915(JP,A)
【文献】特許第5421784(JP,B2)
【文献】特許第4653669(JP,B2)
【文献】特開2001-309757(JP,A)
【文献】厚生労働省,日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要,2015年,https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 7/
インターネット(Google)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内層麺帯を作製する内層麺帯作製工程と、
外層麺帯を作製する外層麺帯作製工程と、
二枚の前記外層麺帯に前記内層麺帯を挟む形で積層して三層麺帯を作製する三層麺帯作製工程と、
前記三層麺帯作製工程で作製した前記三層麺帯を圧延し、切り出して麺線を作製する麺線作製工程と、
前記麺線作製工程で作製した前記麺線を蒸煮する蒸煮工程と、
前記蒸煮工程で蒸煮した前記麺線を熱風乾燥する熱風乾燥工程と、を含む栄養強化ノンフライ即席麺の製造方法であって、
前記内層麺帯は、添加した水溶性ビタミン類と、ミネラル類と、タンパク質素材と、及び不溶性食物繊維素材と、を含み
前記内層麺帯のエキソテンソグラフの抗張力が1000~1500BU、伸展性が22~33mmであり、
前記外層麺帯は、添加した前記水溶性ビタミン類、前記ミネラル類(ナトリウム、カリウム及びリンを除く)、及び前記不溶性食物繊維素材を含まず、
前記外層麺帯のエキソテンソグラフの抗張力が1000~1300BU、伸展性が28~50mmであり、
前記外層麺帯と前記内層麺帯の厚みの比が1:2.5:1~1:3.5:1であり、
前記栄養強化ノンフライ即席麺の喫食時に含まれる1食当たりの栄養素の含量が、1日に必要とされる日本人の食事摂取基準(2015年版)に記載された18歳以上の推定平均必要量または目安量の最大値の3分の1以上であることを特徴とする栄養強化ノンフライ即席麺の製造方法。
【請求項2】
前記水溶性ビタミン類がビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、パントテン酸及びビオチンを含み、
前記ミネラル類がナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、クロム及びモリブデンを含み、
前記タンパク質素材が小麦グルテンを含み、
前記不溶性食物繊維素材が難消化性澱粉を含むことを特徴とする
請求項1記載の栄養強化ノンフライ即席麺の製造方法。
【請求項3】
前記栄養強化ノンフライ即席麺の喫食時に含まれる1食当たりの栄養素の含量が、タンパク質が16.7g以上32.4g以下、食物繊維が6.3g以上8.0g以下、ビタミンB1が0.4mg以上、ビタミンB2が0.4mg以上、ナイアシンが4.3mgNE以上83.3mgNE以下、ビタミンB6が0.4mg以上13.3mg以下、ビタミンB12が0.7μg以上、葉酸が67μg以上300μg以下、パントテン酸が1.7mg以上、ビオチンが16.7μg以上、ナトリウムが1052mg以下、カリウムが833mg以上、カルシウムが217mg以上833mg以下、マグネシウムが103mg以上、リンが300mg以上1000mg以下、鉄が2.2mg以上13.3mg以下、亜鉛が2.7mg以上11.7mg以下、マンガンが1.3mg以上3.7mg以下、銅が0.2mg以上3.3mg以下、ヨウ素が32μg以上1000μg以下、セレンが8μg以上110μg以下、クロムが3μg以上及びモリブデンが7μg以上150μg以下であることを特徴とする請求項1
または2
記載の栄養強化ノンフライ即席麺の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、栄養強化ノンフライ即席麺及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ライフスタイルの多様化により、完全食と呼ばれる一日に必要な栄養素を簡便に摂取できると謳われるドリンクやグミ、パスタなど商品が上市されている。これらの商品は、厚生労働省より設定された栄養素等表示基準値や同じく厚生労働省により策定された日本人の食事摂取基準に記載されている必須栄養素の1日に必要とされる量の3分の1量以上含まれるものである。これとは別に数種類の栄養素のみ足らないもののほぼ完全食である準完全食や特定の栄養素のみを補うようなサプリメントなどの商品もあり、日々の食生活で不足している必要な栄養素を簡単に補えるような食品が多数上市されている。
【0003】
従来、即席麺においては、カルシウムやビタミンB1、ビタミンB2の栄養強化を行っており、また、大豆ペプチドや、食物繊維、鉄分などの一部の栄養素や機能性食材が強化された即席麺なども上市されている(例えば特許文献1及び2)。しかしながら、完全食やこれに近い準完全食といった即席麺は上市されていない。
【0004】
その理由としては、麺に栄養素を練り込む場合、調理による溶出や、栄養素の持つ風味の悪さや食感への影響があるため、特許文献1や特許文献2に記載されているように三層麺とし、その内層に栄養素等を添加することが行われている。しかしながら、この技術を完全食やこれに近い準完全食といった即席麺に適用しようとすると、添加しなければならない栄養素が多く、また、保存中のビタミンの減衰や調理時の茹で湯への溶出を考慮し、賞味期限中や喫食時に栄養素等の含有量を担保するためには、目的とする栄養素の量よりも多量の栄養素を麺に添加する必要があり、製麺性が著しく欠けるなどの課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第5421784号公報
【文献】特許第4653669号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、麺のみで完全栄養食並みに栄養素が強化された準完全食であるノンフライ即席麺を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の発明者らは、摂取が必要な他の栄養素を多く含む準完全食の即席麺製造を試みた結果、大量の栄養素を含む三層麺であっても特定の麺帯の性状とすることで製麺可能となり、麺のみで完全栄養食並みに栄養素が強化された準完全食であるノンフライ即席麺を製造できることを見出し本発明に至った。
【0008】
すなわち、内層麺帯を作製する内層麺帯作製工程と、外層麺帯を作製する外層麺帯作製工程と、二枚の前記外層麺帯に前記内層麺帯を挟む形で積層して三層麺帯を作製する三層麺帯作製工程と、前記三層麺帯作製工程で作製した前記三層麺帯を圧延し、切り出して麺線を作製する麺線作製工程と、前記麺線作製工程で作製した前記麺線を蒸煮する蒸煮工程と、前記蒸煮工程で蒸煮した前記麺線を熱風乾燥する熱風乾燥工程と、を含む栄養強化ノンフライ即席麺の製造方法であって、前記内層麺帯は、添加した水溶性ビタミン類と、ミネラル類と、タンパク質素材と、及び不溶性食物繊維素材と、を含み前記内層麺帯のエキソテンソグラフの抗張力が1000~1500BU、伸展性が22~33mmであり、前記外層麺帯は、添加した前記水溶性ビタミン類、前記ミネラル類(ナトリウム、カリウム及びリンを除く)、及び前記不溶性食物繊維素材を含まず、前記外層麺帯のエキソテンソグラフの抗張力が1000~1300BU、伸展性が28~50mmであり、前記外層麺帯と前記内層麺帯の厚みの比が1:2.5:1~1:3.5:1であり、前記栄養強化ノンフライ即席麺の喫食時に含まれる1食当たりの栄養素の含量が、1日に必要とされる日本人の食事摂取基準(2015年版)に記載された18歳以上の推定平均必要量または目安量の最大値の3分の1以上であることを特徴とする栄養強化ノンフライ即席麺の製造方法である。
【0009】
また、本発明に係る栄養素として、水溶性ビタミン類としては、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、パントテン酸及びビオチンを含み、ミネラル類としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、クロム及びモリブデンを含み、タンパク質素材としては、小麦グルテンを含み、不溶性食物繊維素材としては難消化性澱粉を含むことが好ましい。
【0010】
また、本発明に係る栄養強化ノンフライ即席麺の喫食時に含まれる1食当たりの栄養素の含量は、タンパク質が16.7g以上32.4g以下、食物繊維が6.3g以上8.0g以下、ビタミンB1が0.4mg以上、ビタミンB2が0.4mg以上、ナイアシンが4.3mgNE以上83.3mgNE以下、ビタミンB6が0.4mg以上13.3mg以下、ビタミンB12が0.7μg以上、葉酸が67μg以上300μg以下、パントテン酸が1.7mg以上、ビオチンが16.7μg以上、ナトリウムが1052mg以下、カリウムが833mg以上、カルシウムが217mg以上833mg以下、マグネシウムが103mg以上、リンが300mg以上1000mg以下、鉄が2.2mg以上13.3mg以下、亜鉛が2.7mg以上11.7mg以下、マンガンが1.3mg以上3.7mg以下、銅が0.2mg以上3.3mg以下、ヨウ素が32μg以上1000μg以下、セレンが8μg以上110μg以下、クロムが3μg以上及びモリブデンが7μg以上150μg以下であることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、麺のみで完全栄養食並みに栄養素が強化された準完全食であるノンフライ即席麺を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】エキソテンソグラフに麺帯サンプルを設置した写真
【
図2】エキソテンソグラフで麺帯サンプルを測定している写真
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の記載に限定されるものではない。
【0014】
1.麺原料配合
(1)内層麺帯の配合
本発明に係る内層麺帯の配合としては、水溶性ビタミン類と、ミネラル類と、タンパク質素材と、及び不溶性食物繊維素材を含む。
【0015】
(水溶性ビタミン類)
厚生労働省より発表された日本人の食事摂取基準2015年度版には、必須栄養素の水溶性ビタミン類として、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、パントテン酸、ビオチン、及びビタミンCが記載されている。本発明においては、ビタミンCは保存性がなく酸化して減衰してしまうため、麺に添加してもよいが、別途麺以外から補うことが好ましい。よって、本発明においては、少なくとも水溶性ビタミン類として、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、パントテン酸及びビオチンを添加することが好ましい。添加量としては、喫食時に含まれる1食当たりの各栄養素の含有量が厚生労働省より発表された日本人の食事摂取基準2015年度版の18歳以上の推定平均必要量もしくは目安量の最大値または栄養素等表示基準値の3分の1以上となるように添加する。しかしながら、水溶性ビタミン類は、調理により茹で湯に5~40%溶出し、保存中に0~50%程度減衰することから、栄養素ごとに考慮して目的とする喫食時の栄養素の含有量の1~2倍程度の含有量となるようにノンフライ即席麺に添加することが好ましい。なお、ビオチンに関しては、機能性食品及び特定保健用食品など使用できる食品が限られているが、それらの商品以外であってもビオチン高含有の酵母などを利用して添加することができる。
【0016】
具体的な添加量としては、栄養強化ノンフライ即席麺の喫食時に含まれる1食当たりの水溶性ビタミン類の含有量は、ビタミンB1が0.4mg以上、ビタミンB2が0.4mg以上、ナイアシンが4.3mgNE以上、ビタミンB6が0.4mg以上、ビタミンB12が0.7μg以上、葉酸が67μg以上、パントテン酸が1.7mg以上、ビオチンが16.7μg以上となるように含有するように添加することが好ましい。この含量が含まれれば、その栄養素に関しては完全食であると言える。また、栄養素によっては耐容上限値が設定されているため、栄養強化ノンフライ即席麺の喫食時に含まれる1食当たり、ナイアシンは、83.3mgNE以下、ビタミンB6は13.3mg以下、葉酸は300μg以下が好ましい。
【0017】
(ミネラル類)
厚生労働省より発表された日本人の食事摂取基準2015年度版には、必須栄養素のミネラル類として、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、クロム及びモリブデンが記載されており、本発明においてもこれらミネラルを全て含むことが好ましい。但し、ナトリウムやカリウム、リンに関しては、製麺に用いる食塩やかん水に含まれている元素のため、内層のみだけでなく外層にも添加される。その他のミネラルとしては内層に添加する。添加量としては、喫食時に含まれる1食当たりの各栄養素の含有量が厚生労働省より発表された日本人の食事摂取基準2015年度版の18歳以上の推定平均必要量もしくは目安量の最大値または栄養素等表示基準値の3分の1以上となるように添加する。ミネラルについては、調理により茹で湯に1~60%程度溶出するが保存中に減衰することはないため、目的とする栄養素ごとに考慮して添加量の1~3倍添加することが好ましい。ナトリウムの溶出量は多いが、ナトリウムはパスタソースからも摂取でき、摂取過剰となりがちなので特に気にせず、摂取量は上限以下となるように添加すればよい。
【0018】
具体的な添加量としては、栄養強化ノンフライ即席麺の喫食時に含まれる1食当たり、ナトリウムが1052mg以下、カリウムが833mg以上、カルシウムが217mg以上、マグネシウムが103mg以上、リンが300mg以上、鉄が2.2mg以上、亜鉛が2.7mg以上、マンガンが1.3mg以上、銅が0.2mg以上、ヨウ素が32μg以上、セレンが8μg以上、クロムが3μg以上及びモリブデンが7μg以上含有するように添加することが好ましい。この含量が含まれれば、その栄養素に関しては完全食であると言える。ただし、上述したようにナトリウムに関しては通常の食生活で過剰に摂取されているものであるため、上限値は、日本人の食事摂取基準2015年度版の18歳以上男性の目標量である食塩相当量として2.7g以下(ナトリウムとして1052mg以下)が好ましい。また、栄養素によっては耐容上限値が設定されているため、栄養強化ノンフライ即席麺の喫食時に含まれる1食当たり、カルシウムは、833mg以下、リンは、1000mg以下、鉄は13.3mg以下、亜鉛は11.7mg以下、銅は、3.3mg以下、マンガンは3.7mg以下、ヨウ素は1000μg以下、セレンは110μg以下、モリブデンは150μg以下が好ましい。
【0019】
(タンパク質素材)
厚生労働省より発表された日本人の食事摂取基準2015年度版には、必須栄養素としてタンパク質が記載されている。本発明に用いるタンパク質素材としては、小麦蛋白(グルテン)、ゼラチン、乳蛋白、卵白、大豆蛋白などが挙げられる。このうち内層は多くのミネラル類や不溶性食物繊維が添加され、製麺性が著しく悪化するため、小麦蛋白(グルテン)を使用することが好ましい。その他のタンパク質素材は、製麺性が悪化しない程度の範囲で使用すればよい。添加量としては、喫食時に含まれれる1食当たりのタンパク質含有量が厚生労働省より発表された日本人の食事摂取基準2015年度版の18歳以上の推定平均必要量もしくは目安量の最大値または栄養素等表示基準値の3分の1以上となるように添加する。タンパク質については、調理により茹で湯に数%程度溶出するが保存中に減衰することはないため目的とする添加量の1~1.2倍添加することが好ましい。また、タンパク質自体は小麦粉等の穀粉中にも含まれるため、具体的なタンパク質素材の添加量としては、麺全体の栄養強化ノンフライ即席麺の喫食時に含まれる1食当たりのタンパク質量として16.7g以上含まれるように添加すればよい。また、タンパク質量が多すぎると麺の風味や食感、製麺性が悪くなるため、麺全体の栄養強化ノンフライ即席麺の喫食時に含まれる1食当たりのタンパク質量としては32.4g以下が好ましい。この量が含まれれば、その栄養素に関しては完全食であると言える。また、タンパク質は、風味や食感に強く影響するため、内層に多く配合することが好ましく、麺に含まれるタンパク質の内75~90重量%程度を内層に含むことが好ましい。グルテンの添加量が多い場合には、リジンやトリプトファンなどのアミノ酸を添加することが好ましい。
【0020】
(不溶性食物繊維素材)
厚生労働省より発表された日本人の食事摂取基準2015年度版には、必須栄養素として食物繊維が記載されている。本発明に用いることができる食物繊維素材としては、難消化性澱粉、セルロース粉末、寒天、サイリウム種皮、ポテトデキストロース、難消化性デキストリンの他に、グアガム、アラビアガム、プルラン、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、ジェランガムなどの増粘多糖類などが挙げられるが、本発明に係る内層に使用する不溶性食物繊維素材としては、難消化性澱粉、セルロース粉末、サイリウム種皮が挙げられる。食物繊維の含有量としては、喫食時に含まれる1食当たりの食物繊維含有量が厚生労働省より発表された日本人の食事摂取基準2015年度版の18歳以上の推定平均必要量もしくは目安量の最大値または栄養素等表示基準値の3分の1以上となるようすればよい。ただし、この量の食物繊維を含有させるのは、水溶性食物繊維だけでは難しく、不溶性食物繊維素材を多く添加する必要がある。不溶性食物繊維素材は、麺の風味や食感に強く影響するため、内層に多くの不溶性食物繊維素材を添加する必要がある。食物繊維については、調理により茹で湯に10%程度溶出するが保存中に減衰することはないため目的とする含有量の1~1.2倍となるように不溶性食物繊維素材を内層に添加することが好ましい。食物繊維自体は、小麦粉にも少量含まれており、具体的な不溶性食物繊維素材の内層への添加量としては、水溶性、不溶性食物繊維合わせて麺全体の栄養強化ノンフライ即席麺の喫食時に含まれる1食当たりの食物繊維含量として6.3以上含まれるように添加すればよい。この含量が含まれれば、食物繊維に関しては完全食であると言える。また、不溶性食物繊維は多すぎると麺の風味や食感、製麺性が悪くなるため、麺全体の栄養強化ノンフライ即席麺の喫食時に含まれる1食当たりの食物繊維含量として8.0g以下となるように添加することが好ましい。
【0021】
(その他の原料)
上記原料以外のその他麺原料として、本発明では、麺の製造において一般に使用されている食塩、かん水などのアルカリ剤、リン酸塩類、麺質改良剤、食用油脂、pH調整剤、乳化剤、酵素、増粘剤、カロチン色素等の各種色素及び保存料等を添加することができる。また、添加することが可能であれば、小麦粉(デュラム粉、全粒粉を含む)、そば粉及び米粉等の穀粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉及びコーンスターチ等の各種澱粉並びにこれらの加工澱粉を使用することができる。
【0022】
(2)外層麺帯の配合
本発明に係る外層麺帯の配合として、主原料粉として、小麦粉(デュラム粉、全粒粉を含む)、そば粉及び米粉等の穀粉、並びに馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉及びコーンスターチ等の各種澱粉を単独で使用しても、または混合して使用してもよい。前記澱粉として、生澱粉、α化澱粉並びにアセチル化澱粉、エーテル化澱粉及び架橋澱粉等の加工澱粉等を使用することもできる。
【0023】
本発明では、これら主原料粉に対して副原料として、即席麺の製造において一般に使用されている食塩やかん水などのアルカリ剤、リン酸塩類、各種増粘剤、麺質改良剤、食用油脂、pH調整剤、各種色素等を添加することができる。これらは、主原料粉と一緒に添加しても、練り水に溶かすか懸濁させて添加してもよい。
【0024】
また、本発明においては、外層には水溶性ビタミン類、ミネラル類(ナトリウム、カリウム及びリンを除く)、不溶性食物繊維素材を添加しない。これらの素材は、外層に配合されると調理時に溶出するだけでなく、製麺性や麺の食感、風味を悪化させる。ナトリウム、カリウムについては、かん水と呼ばれるアルカリ剤の中や製麺のための食塩に含まれる。リンについても麺の製造に使用するリン酸塩の中に含まれる。カリウムについては、内層に添加できる量を超えているため、外層にも添加する必要がある。
【0025】
また、本発明においては外層自体の製麺性を改善するためにタンパク質素材として小麦グルテンやパーム油などの食用油脂を添加することが好ましい。
【0026】
2.内層麺帯作製工程
内層麺帯の原料は、粉体混合できるものは基本的に粉体混合し、練り水に溶解できるものは練り水に溶かすか懸濁させて添加すればよい。例えば、水溶性ビタミン類やミネラル(食塩、リン酸塩類、マグネシウム塩を除く)、タンパク質素材、不溶性食物繊維素材は粉体混合し、食塩、かんすい、カリウム塩類、リン酸塩類、マグネシウム塩などは、練り水に溶解して添加する。その後、粉体と練り水を混捏して麺生地を作製する。麺生地の作製方法としては、常法により作製すればよく、例えば、バッチミキサー、フロージェットミキサー等で、原料が均一に混ざるように混捏する方法が挙げられる。作製した麺生地から整形ロールを用いて複合して内層麺帯を作製する。内層麺帯の厚みは、外層の厚みの2.5~3.5倍にすることが好ましい。2.5倍よりも薄いと1食で摂取しなければならない麺の量が多くなり、3.5倍よりも厚くなると、外層が薄くなるため、内層の硬さに外層が耐え切れずに内層がところどころ露出し、見た目や食感が悪くなるだけでなく、栄養素が溶出しやすくなる。
【0027】
また、内層麺帯のエキソテンソグラフの抗張力が1000~1500BU、伸展性が22~33mmとなるようにする。エキソテンソグラフの抗張力が1000BU未満であると内層麺帯自体がつながらず、麺帯が千切れやすくなり、1500BUよりも大きくなると麺帯が硬くなりすぎて後述する圧延工程において外層麺帯が内層麺帯に負けて内層麺帯が露出してしまう。また、エキソテンソグラフの伸展性が22mm未満であると圧延時に麺帯が千切れやすく、33mmよりも大きくなると千切れにくくなるが内層麺帯が圧延時に伸びにくくなる。内層麺帯の抗張力及び伸展性の調整は、製麺に必要なグルテンや加水、食用油脂等により調整すればよい。
【0028】
(抗張力及び伸展性の測定)
なお、麺帯のエキソテンソグラフによる抗張力および伸展性の測定については下記の通りに行う。
【0029】
まず、粉体原料1kgに練り水を加えて15分バッチミキサーで撹拌して生地を作製し、作製した生地をφ180mmの整形ロールで回転速度が0.28mm/min、ロール間のクリアランス8mmに設定した間に生地を通して粗麺帯を作製した後、同条件で粗麺帯を複合して複合麺帯を作製し、複合麺帯を同ロールにてクリアランス幅を調整して11mmの厚さとなるように圧延し、測定用の麺帯を作製する。
【0030】
作製した測定用の麺帯を15分間静置して、麺帯の中央付近で麺帯の伸展方向に150mm、麺帯の幅方向に10mm(厚さ11mm)のスティック状に切断し、分析サンプルとする。作製した分析サンプルをエキソテンソグラフに切断面でなく圧延面が上下となるように
図1のようにセットし、エキソテンソグラフで測定し、MAXIMUM(抗張力)及びEXTENSIBILITY(伸展性)を測定する。測定は3回行い、その平均値をサンプルの抗張力及び伸展性の値とする。
【0031】
3.外層麺帯作製工程
内層麺帯と同様に外層原料も、粉体混合できるものは、主原料粉とともに粉体混合し、練り水に溶解できるものは練り水に溶かすか懸濁させて添加すればよい。例えば、小麦粉、澱粉などの主原料粉とタンパク質素材である小麦グルテン、アルギン酸などは粉体混合し、食塩、かんすい、カリウム塩類、リン酸塩類、マグネシウム塩などは、練り水に溶解して添加する。その後、内層同様に粉体と練り水を混捏して、必要により油脂を添加して麺生地を作製する。麺生地の作製方法としては、常法により作製すればよく、例えば、バッチミキサー、フロージェットミキサー等で、原料が均一に混ざるように混捏する方法が挙げられる。作製した麺生地から整形ロールを用いて複合して外層麺帯を作製する。
【0032】
また、外層麺帯のエキソテンソグラフの抗張力が1000~1300BU、伸展性が28~50mmmmとなるようにする。エキソテンソグラフの抗張力が1000BU未満であると外層麺帯が内層の硬さに負けて内層がむき出しやすくなり、1300BUよりも大きくなると内層がむき出しになることはないが、後述する圧延工程において三層麺帯が伸びにくくなる。また、エキソテンソグラフの伸展性が28mm未満であると圧延時に三層麺帯が伸びにくく、50mmよりも大きくても圧延時に三層麺帯が伸びにくくなる。なお、エキソテンソグラフによる抗張力や伸展性は、内層麺帯と同様に上述した方法によって行えばよい。
【0033】
4.三層麺帯作製工程
作製した内層麺帯及び外層麺帯から三層麺帯を作製する。作製方法は、外層2枚の間に内層麺帯を挟む形で積層した状態で整形ロールにより圧着させて作製してもよく、外層と内層を先に圧着させた後、さらにもう一枚の外層を内層と圧着させる形で作製してもよい。このとき、上述したように内層の厚みが外層の厚みの2.5~3.5倍となるように圧着させることが好ましい。つまり外層:内層:外層が1:2.5:1~1:3.5:1となるように三層麺帯を作製する。
【0034】
5.麺線作製工程
次いで作製した三層麺帯から麺線を作製する。麺線の作製方法としては、三層麺帯をロールにより数回に分けて徐々に求める麺帯厚に圧延した後、切刃ロールと呼ばれるロールにより麺帯を切断するか、包丁刃等により麺帯を切り出すことにより麺線を作製する。
【0035】
6.蒸煮工程
製麺工程で得られた生麺線を、常法により蒸煮し麺線をα化する。蒸煮条件は、麺の種類、麺の太さにより好ましい条件が異なるため、目的とする食感に合わせて、好ましい条件を適宜設定すればよい。蒸煮の方法としては、飽和水蒸気による加熱だけでなく、過熱水蒸気により加熱することもでき、シャワーや浸漬などの水分補給工程を組み合わせることもできる。蒸煮された麺は必要により、調味液浸漬やほぐれ剤の添加を行うこともできる。
【0036】
7.乾燥工程
1食分に麺線をカット、計量し、乾燥用のリテーナと呼ばれる容器に充填し、乾燥する。熱風乾燥条件は特に限定しないが、60~150℃程度の熱風で乾燥すればよい。風速についても特に限定はなく、1~70m/sの範囲で乾燥すればよい。また、熱風乾燥工程においては、複数の乾燥条件を組み合わせて熱風乾燥を行うこともよく、乾燥後の水分が14.5重量%以下、好ましくは3~12重量%となるように乾燥すればよい。
【0037】
8.その他
必須栄養素の油溶性ビタミン類であるビタミンA、ビタミンD、ビタミンE及びビタミンKやn-6系脂肪酸やn-3系脂肪酸については、麺中に添加することも可能であるが、保存中の酸化による減衰が大きいため、麺には添加せず、別袋で添加オイルとして調理後の麺に添加することが好ましい。また、ビタミンCについても、添加オイルに添加することが好ましい。そうすることで、本件発明の栄養強化ノンフライ即席麺をより完全食に近くすることができる。また、カロリーについては通常取りすぎが懸念されるためカロリーについては本発明については規定しない。
【0038】
なお、栄養成分分析については、公定法で分析すればよく、例えば、一般財団法人日本食品分析センターで行われている分析方法によって分析すればよい。
【実施例】
【0039】
以下に実施例を挙げて本実施形態をさらに詳細に説明する。
【0040】
<実験1>内層配合の検討
試験例1~8について下記表1のように配合した粉体、練り水資材を溶解した練り水を常圧ミキサーで15分混捏し、そぼろ状のドウを作製した。尚、難消化性澱粉(不溶性食物繊維)は、松谷化学工業(株)製のパインスターチRTを、小麦グルテン1はグリコ栄養食品(株)製のA-グルSSを、小麦グルテン2は奥野製薬(株)製のプロフェクトPを使用した。ビタミンミックスにはビタミンミックス1gあたり、ビタミンB1が8.2mg、ビタミンB2が8.43mg、ニコチン酸アミド(ナイアシン)が95.27mgNE、ビタミンB6が4.75mg、ビタミンB12が10.45μg、葉酸が367.04μg、パントテン酸が35.71mg配合され、ドロマイトにはマグネシウムが14重量%及びカルシウムが25重量%が配合され、酵母ミックスは、ビオチン、銅、亜鉛、モリブデン、マンガン、ヨウ素、セレン、クロムを含有した酵母が配合されており、酵母ミックス1gあたり、ビオチン35.71μg、銅1.06mg、亜鉛10.64mg、モリブデン128.57μg、マンガン2.77mg、ヨウ素825.94μg、セレン61.31μg、クロム76.63μg配合されている。
【0041】
【0042】
作製したドウを複合して12mmの麺帯を作製し、ロールにより4回に分けて1.8mmまで麺帯を圧延し(おおよそ12mm-5.6mm-2.9mm-1.85mm-1.8mm)、製麺性について調べた。製麺性は、麺が千切れるものまたは伸びないものを×、麺が千切れやすくまた伸びにくく機械製麺できるレベルではないものを△、麺が千切れずに伸び機械製麺可能なレベルものを○、麺が千切れず伸びも良好で良好に機械製麺できるものを◎とした。
【0043】
また、作製したドウからエキソテンソグラフによって各試験区の麺帯の抗張力及び伸展性を測定した。測定方法は上述した通り行った。
【0044】
各試験区の製麺性の評価結果及びエキソテンソグラフによる抗張力及び伸展性の評価結果を下記に表2に示す。
【0045】
【0046】
小麦グルテン2(プロフェクトP)の配合量が多くなるについて抗張力や伸展性の値が高くなるが、抗張力が高すぎると伸展性が高い値でも麺が伸びず、抗張力が弱すぎると千切れるため、内層の適正な範囲としては、抗張力としては、1200~1500BUで且つ、伸展性が25~33mmの範囲であると考える。
【0047】
<実験2>外層の検討
外層の配合について下記表3のように配合した粉体、練り水資材を溶解した練り水を常圧ミキサーで15分混捏し、そぼろ状のドウを作製した。なお、小麦グルテン3はグリコ栄養食品(株)社製のGMG K-75を使用した。
【0048】
【0049】
各試験区ともに作製したドウを複合して12mmの外麺帯を作製し、ロールにより2回に分けて4mmまで圧延した(おおよそ12mm-6mm-4mm)ものを2枚用意した。
【0050】
各試験区ともに圧延した外層2枚の間に試験例6で用意した内層(12mm)を挟み、整形ロールに通して三層麺帯(12mm)を作製した(内層:外層:内層=1:3:1)。
【0051】
作製した三層麺帯を、ロールにより4回に分けて1.8mmまで麺帯を圧延し(おおよそ12mm-5.6mm-2.9mm-1.85mm-1.8mm)、製麺性について調べた。製麺性は、全体的に内層の露出部分があるもの、または圧延で伸びないものを×、内層の露出部分が認められるものまたは伸びが悪いものを△、内層の露出部分がないが外層の薄い部分がみられるもので機械製麺可能なものを○、内層の露出部分もなく、内層の薄い部分も認められず、良好に機械製麺できるものを◎とした。
【0052】
また、作製したドウからエキソテンソグラフによって各試験区の外層麺帯の抗張力及び伸展性を測定した。測定方法は上述した通り行った。
【0053】
各試験区の三層麺帯の製麺性の評価結果及び外層麺帯のエキソテンソグラフによる抗張力及び伸展性の評価結果を下記に表4に示す。
【0054】
【0055】
外層の抗張力が低くなると内層が露出しやすく、抗張力が高くなると内層は露出しないが伸展性が高くても伸びが悪くなるため、外層の適正な範囲としては、抗張力としては、1000~1300BUで且つ、伸展性が28~50mmの範囲であると考える。
【0056】
<実験3>三層比率の検討
試験例6の内層麺帯、試験例13の外層麺帯を用いて三層比率の検討を行った。試験例15については、外層麺帯を3mm(12mm-5mm-3mm)、試験例16については、外層麺帯を3.4mm(12mm-5.5mm-3.4mm)、試験例17については、外層麺帯を4.8mm(12mm-7mm-4.8mm)まで圧延したものを2枚用意し、各試験区ともに圧延した外層2枚の間に試験例6で用意した内層(12mm)を挟み、整形ロールに通して三層麺帯(12mm)を作製した(試験例15=1:4:1、試験例16=1:3.5:1、試験例17=1:2.5:1)。
【0057】
作製した三層麺帯を、ロールにより4回に分けて1.8mmまで麺帯を圧延し(おおよそ12mm-5.6mm-2.9mm-1.85mm-1.8mm)、製麺性について調べた。製麺性は、全体的に内層の露出部分があるもの、または圧延で伸びないものを×、内層の露出部分が認められるものまたは伸びが悪いものを△、内層の露出部分がないが外層の薄い部分がみられるもので機械製麺可能なものを○、内層の露出部分もなく、内層の薄い部分も認められず、良好に機械製麺できるものを◎とした。
【0058】
各試験区の三層麺帯の製麺性の評価結果を下記に表5に示す。
【0059】
【0060】
三層比率は外層が薄いほど内層が露出しやすく、外層が厚くなるほど製麺性は良好となるが、内層に栄養素が多く含む分、必要な栄養素を取るために摂取する量が多くため、好ましい三層比率として1:2.5:1~1:3.5:1である。
【0061】
(実施例1)
試験例13の外層配合と試験例6の内層配合で三層比が1:3:1とした三層麺帯をロールにより4回に分けて1.8mmまで麺帯を圧延し(おおよそ12mm-5.6mm-2.9mm-1.85mm-1.8mm)、切刃18番の丸刃で切断して麺線とし、飽和水蒸気で40秒蒸煮した後、60℃のお湯に5秒浸漬し、再び飽和水蒸気で40行蒸煮した。
【0062】
蒸し煮した麺線を約35cmとなるように切断し、175gを熱風乾燥用のリテーナに入れて75℃で80分間、65℃で80分間乾燥し、約87g(水分8重量%)のノンフライ即席麺を作製した。乾燥麺について栄養成分分析を行った。
【0063】
作製したノンフライ即席麺は、沸騰水中で5分間茹で調理し、茹でこぼしをした後、茹でこぼしをしたノンフライ即席麺について栄養成分分析を行った。また、作製したノンフライ即席麺を容器に入れ熱湯5分間で調理し、湯切りした。湯切りしたノンフライ即席麺について栄養成分分析を行った。ホグシオイルとしてビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンD及びビタミンKを入れた別添オイル8.3gを添加し、混ぜて麺に添加していない油溶性ビタミン及びビタミンCを補った。
【0064】
また、作製したノンフライ即席麺サンプルはアルミ蒸着したポリプロピレンの袋に入れ、密封し、40℃湿度75%の環境下で6週間加速試験を行い、加速試験サンプルについて同様に栄養成分分析を行い、保存中のビタミンの減衰について測定した。
【0065】
栄養成分の分析結果を下記表6に示す。
【0066】
【0067】
実施例1で作製したノンフライ即席麺は、脂溶性ビタミン、ビタミンC、n-6脂肪酸、n-3脂肪酸、カロリー以外は、喫食時に含まれる1食当たりの栄養素が完全栄養とされる目標値以上であることがわかる。このうち、脂溶性ビタミン類、ビタミンCは、添加オイルに含めて摂取することができる。また、加速試験(4倍相当)の結果から水溶性ビタミンが保存時に減衰したとしても喫食時に含まれる1食当たりの栄養素が完全栄養とされるに以上で維持できることが推測される。