(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-16
(45)【発行日】2023-03-27
(54)【発明の名称】整形DCパルスプラズマ処理装置におけるエッジリング制御のための回路
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20230317BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20230317BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20230317BHJP
H02N 13/00 20060101ALI20230317BHJP
【FI】
H01L21/68 R
H01L21/302 101G
H01L21/302 101C
H01L21/31 C
H02N13/00 D
(21)【出願番号】P 2021527839
(86)(22)【出願日】2019-09-18
(86)【国際出願番号】 US2019051771
(87)【国際公開番号】W WO2020106354
(87)【国際公開日】2020-05-28
【審査請求日】2021-07-16
(32)【優先日】2018-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】サイ, リンイン
(72)【発明者】
【氏名】ロジャーズ, ジェームズ
【審査官】渡井 高広
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-225376(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0056017(US,A1)
【文献】特開2011-009351(JP,A)
【文献】国際公開第2017/218394(WO,A1)
【文献】特開2018-117024(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H01L 21/3065
H01L 21/31
H02N 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板支持装置であって、
第1のカソード層を有するとともに、基板に基板電圧を印加するための基板電極が埋め込まれた
、セラミック製の基板支持部、及び、
前記基板支持部の近傍に配置された
セラミック製のエッジリング部であって、
前記第1のカソード層と単一のピースである第2のカソード層を有するとともに、エッジリングにエッジリング電圧を印加するためのエッジリング電極が埋め込まれたエッジリング部
を含む本体と、
前記エッジリング電極に接続されたエッジリング電圧制御回路と、
前記基板電極に接続された基板電圧制御回路と
を備え、
前記エッジリング電圧制御回路と前記基板電圧制御回路とが、前記エッジリング電圧と前記基板電圧との間の電圧差を生成するよう別々に同調されうる、基板支持装置。
【請求項2】
前記エッジリング電圧制御回路と前記基板電圧制御回路とが同一の回路である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記エッジリング電圧制御回路と前記基板電圧制御回路とが互いに異なっている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記エッジリング部と前記基板支持部との間に配置された絶縁体をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
処理チャンバ装置であって、
チャンバ本体と、
前記チャンバ本体に載置されたリッドと、
前記リッドの上方に配置された誘導結合プラズマ装置と、
前記チャンバ本体内に配置された基板支持アセンブリであって、
第1のカソード層を有するとともに、基板電圧を印加するための基板電極が埋め込まれた
、セラミック製の基板支持部、及び、
前記基板支持部の近傍に配置された
セラミック製のエッジリング部であって、
前記第1のカソード層と単一のピースである第2のカソード層を有するとともに、エッジリングにエッジリング電圧を印加するためのエッジリング電極が埋め込まれたエッジリング部を含む本体を有する基板支持アセンブリと、
前記エッジリング電極に接続されたエッジリング電圧制御回路と、
前記基板電極に接続された基板電圧制御回路と
を備え、
前記エッジリング電圧制御回路と前記基板電圧制御回路とが、前記エッジリング電圧と前記基板電圧との間の電圧差を生成するよう別々に同調されうる、処理チャンバ装置。
【請求項6】
前記エッジリング電圧制御回路と前記基板電圧制御回路の両方に並列に接続された第1の整形DCパルス電圧源をさらに含む、請求項1又は5に記載の装置。
【請求項7】
前記エッジリング電圧制御回路に接続された第1の整形DCパルス電圧源、及び前記基板電圧制御回路に接続された第2の整形DCパルス電圧源をさらに含む、請求項1又は5に記載の装置。
【請求項8】
前記エッジリング電圧制御回路及び前記基板電圧制御回路のうちの少なくとも1つが、少なくとも1つの可変的な受動素子を含む、請求項1又は5に記載の装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つの可変的な受動素子が、少なくとも1つの整形DCパルス電圧源と、前記エッジリング電極及び前記基板電極のうちの少なくとも1つと、の間に接続された可変キャパシタを含む、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つの可変的な受動素子が、少なくとも1つの整形DCパルス電圧源と、前記エッジリング電極及び前記基板電極のうちの少なくとも1つと、の間に接続された可変インダクタを含む、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つの可変的な受動素子が、少なくとも1つの整形DCパルス電圧源と、前記エッジリング電極及び前記基板電極のうちの少なくとも1つと、の間に接続された、キャパシタと直列に存在する可変インダクタを含む、請求項8に記載の装置。
【請求項12】
前記キャパシタが、可変キャパシタである、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つの可変的な受動素子が、固定キャパシタと並列に接続され及び第1の抵抗器と直列に接続された可変キャパシタを含み、前記可変キャパシタと前記第1の抵抗器との間の第1の共通端子が、少なくとも1つの整形DCパルス電圧源に接続され、前記可変キャパシタと前記固定キャパシタとの間の第2の共通端子が、前記エッジリング電極と前記基板電極のうちの少なくとも1つに接続される、請求項8に記載の装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つの可変的な受動素子が、前記第1の抵抗器と前記固定キャパシタとの間に直列に接続された第2の抵抗器をさらに含む、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
処理チャンバを稼働させる方法であって、
前記処理チャンバは、
チャンバ本体と、
前記チャンバ本体内に配置された基板支持体と
を含み、
前記基板支持体が、
第1のカソード層を有するとともに、基板電極が埋め込まれた基板支持部と、
前記基板支持部の近傍に配置されたエッジリング部であって、
前記第1のカソード層と単一のピースである第2のカソード層を有するとともに、エッジリング電極が埋め込まれたエッジリング部と
を有する
セラミック製の本体を有し、
前記方法が、
基板電圧制御回路によって、前記基板電極に基板電圧を印加することと、
エッジリング電圧制御回路によって、前記エッジリング電極にエッジリング電圧を印加することと、
エッジリング電圧制御回路と基板電圧制御回路とを別々に同調させて、前記エッジリング電圧と前記基板電圧との間に電圧差を生成すること
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施例は、概して、プラズマ処理チャンバのための基板支持体に関し、より詳細には、基板支持体の基板支持部に対して、基板支持体のエッジリング部に印加される電圧を変化させて、プラズマ処理チャンバ内のプラズマシースを制御するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体テクノロジーノードが、デバイスの外形の小型化により進化するにつれて、基板のエッジの臨界寸法の均一性要件がより厳しくなり、ダイの歩留まりに影響を与える。工業用のラズマ反応器は、例えば、温度、ガス流、RF電力等といった基板全体のプラズマプロセスの均一性を制御するための複数の調節可能なノブ(tunable knob)を含む。
【0003】
処理中に、基板支持体に載置された基板には、当該基板上に材料を堆積させるプロセスと、当該基板から材料の一部を除去又はエッチングするプロセスとが、しばしば連続的に又は交互に施されうる。典型的には、基板の表面全体で均一な堆積速度及びエッチング速度を有することが有益である。しかしながら、プロセスの不均一性が、基板の表面全体で見られることが多く、基板の外周又はエッジにおいて顕著でありうる。基板の最端部におけるエッチングプロファイルが、異なるイオン密度、RF不均一性、又は先行する処理に起因して、基板の中心におけるエッチングプロファイルから外れうる。外周における上記の不均一性は、電界終端の影響に起因する可能性があり、エッジ効果と呼ばれることもある。上記のエッジ効果によって、基板のエッジ付近の有効なダイの歩留まりが下がる。
【0004】
より良好な均一性を得るための当該分野における1つの技術は、基板支持体に載置されたエッジリングに印加される電圧を調整して、基板のエッジにおけるイオン密度を変化させることである。これにより、最端部のプロセスプロファイル及びフィーチャ傾斜を制御するための調整ノブが提供される。このことは、エッジリングに埋め込まれたエッジリング電極に第1のRF電圧を印加し、基板支持体に埋め込まれた基板支持電極に第2のRF電圧を印加することによって達成されうる。しかしながら、複数のRF源電圧の利用は、高コストが掛かる。基板支持体に対して可動なエッジリングといった、プラズマシースを制御するための他の方法及び装置が存在する。しかしながら、特定の電子デバイス製造プロセスには、厳しい粒子要件が課せられ、当該要件により、可動部品は望ましくないとされる。可動なエッジリングはまた、アーク放電に晒されうる。
【0005】
したがって、基板上でのプロセスの均一性を改善する装置及び方法に対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、基板支持体上に位置する基板に対して、エッジリングにおける電圧を操作するための装置及び方法を提供し、当該電圧操作は、基板エッジ付近のプロセスプロファイルを制御するための効果的なチューニングノブ(tuning knob)として機能する。エッジリングの電圧を操作することによって、基板上のプロセス均一性を改善することが可能である。さらに、エッジリングの電圧を制御することで、基板エッジの付近に形成されたフィーチャの垂直性(すなわち、傾斜)の制御を支援することが可能である。
【0007】
一実施例において、本装置が、基板支持アセンブリを含み、基板支持アセンブリは、基板支持部を有する本体を有し、基板支持部には、基板に基板電圧を印加するための基板電極が埋め込まれている。基板支持アセンブリの本体が、基板支持部の近傍に配置されたエッジリング部をさらに有する。エッジリング部には、エッジリングにエッジリング電圧を印加するためのエッジリング電極が埋め込まれている。本装置は、エッジリング電極に接続されたエッジリング電圧制御回路をさらに含む。基板電圧制御回路が、基板電極に接続されている。エッジリング電圧制御回路と基板電圧制御回路とが、エッジリング電圧と基板電圧との間の電圧差を生成するよう別々に同調されうる。
【0008】
他の実施例において、本装置は処理チャンバを含み、処理チャンバは、チャンバ本体と、チャンバ本体に載置されたリッドと、リッドの上方に配置された誘導結合プラズマ装置と、チャンバ本体内に配置された基板支持アセンブリと、を含む。基板支持アセンブリは、基板支持部を有する本体を有し、基板支持部には、基板に基板電圧を印加するための基板電極が埋め込まれている。基板支持アセンブリの本体が、基板支持部の近傍に配置されたエッジリング部をさらに有する。エッジリング部には、エッジリングにエッジリング電圧を印加するためのエッジリング電極が埋め込まれている。本装置は、エッジリング電極に接続されたエッジリング電圧制御回路をさらに含む。基板電圧制御回路が、基板電極に接続されている。エッジリング電圧制御回路と基板電圧制御回路とが、エッジリング電圧と基板電圧との間の電圧差を生成するよう別々に同調されうる。
【0009】
他の実施例において、処理チャンバを稼働させる方法が開示される。処理チャンバが、
チャンバ本体と、
チャンバ本体内に配置された基板支持アセンブリと、を含み、
基板支持アセンブリが、
基板電極が埋め込まれた基板支持部と、
基板支持部の近傍に配置されたエッジリング部であって、エッジリング電極が埋め込まれたエッジリング部と
を有する本体を有する。
本方法は、基板電圧制御回路によって、基板電極に基板電圧を印加することを含む。本方法は、エッジリング電圧制御回路によって、エッジリング電極にエッジリング電圧を印加することをさらに含む。本方法は、エッジリング電圧制御回路と基板電圧制御回路とを別々に同調させて、エッジリング電圧と基板電圧との間の比を変更することをさらに含む。
【0010】
本開示の上述の特徴を詳細に理解できるように、上記で簡単に要約されている本開示のより詳細な説明が、実施形態を参照することによって得られ、それらの実施形態の一部が添付図面に示される。しかしながら、添付の図面は例示的な実施形態を示しているのにすぎず、従って、その範囲を限定するものと見做すべきではなく、他の同等に有効な実施形態を許容しうることに注意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の一実施形態に係る処理チャンバの概略的な断面図である。
【
図2A-C】本開示の実施例に係る、基板のエッジに対するプラズマシースの概略図である。
【
図3A-B】
図1に示す基材支持体の拡大概略図を示す。
【
図4】基板支持アセンブリの電極を駆動するためのエッジリング電圧制御回路/基板電圧制御回路の一実施形態を示す概略的な回路図である。
【
図5】基板支持アセンブリの電極を駆動するためのエッジリング電圧制御回路/基板電圧制御回路の他の実施形態を示す概略的な回路図である。
【
図6】基板支持アセンブリの電極を駆動するためのエッジリング電圧制御回路/基板電圧制御回路の他の実施形態を示す概略的な回路図である。
【
図7】基板支持アセンブリの電極を駆動するためのエッジリング電圧制御回路/基板電圧制御回路の他の実施形態を示す概略的な回路図である。
【
図8】基板支持アセンブリの電極を駆動するためのエッジリング電圧制御回路/基板電圧制御回路の他の実施形態を示す概略的な回路図である。
【
図9】基板支持アセンブリの電極を駆動するためのエッジリング電圧制御回路/基板電圧制御回路の他の実施形態を示す概略的な回路図である。
【
図10】基板支持アセンブリの電極を駆動するためのエッジリング電圧制御回路/基板電圧制御回路の他の実施形態を示す概略的な回路図である。
【
図11】本開示の一態様に係る上述の支援回路の作業工程を示すフロー図である。
【
図12A-B】整形DCパルス電圧源が与えられる場合に、
図4~
図10の可変キャパシタ及び/又は可変インダクタを変化させることで生成された、エッジリング又はウェハの変調された電圧波形の例示的なシミュレーション結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
理解を容易にするために、可能な場合には、複数の図に共通する同一の要素を指し示すために同一の参照番号を使用している。1の実施形態の構成要素及び特徴が、更なる記載がなくとも、他の実施形態に有益に組み込まれうることが想定されている。
【0013】
本開示は、概して、基板支持アセンブリの基板支持部とエッジリング支持部との間に電圧差を印加する装置及び方法に関する。基板支持アセンブリは、基板支持部を有する本体を有し、基板支持部には、基板の中心部分に基板電圧を印加するための基板電極が埋め込まれている。基板支持アセンブリの本体は、基板支持部の近傍に配置されたエッジリング部をさらに有する。エッジリング部には、基板のエッジ部分にエッジリング電圧を印加するためのエッジリング電極が埋め込まれている。
【0014】
本装置及び本方法は、エッジリング電極に接続されたエッジリング電圧制御回路をさらに含む。基板電圧制御回路が、基板電極に接続されている。少なくとも1つの整形DCパルス電圧源が、エッジリング電圧制御回路と基板電圧制御回路の一方又は両方に接続されている。エッジリング電圧制御回路と基板電圧制御回路とが、エッジリング電圧と基板電圧との間の電圧差を生成するよう別々に同調されうる。
【0015】
プラズマシースが、様々なイオン密度、RF不均一性、又は先行する処理に起因して、エッジリングの近傍で不均一になると、エッジリング電圧制御回路及び基板電圧制御回路の一方又は両方が、基板とエッジリングとの間の電圧振幅差に影響を与えるために調整される。エッジリング電圧制御回路及び基板電圧制御回路の一方又は両方を同調させることを介した電圧振幅差の調整により、結果として、基板の外周付近のプラズマシースの調整がもたらされる。基板の外周においてシースを曲げることは、基板のエッジから(プロセス条件に従って)約0mm~10mmの領域における、イオンの集束(エッチ速度の増加)、又はイオンの非集束(エッチ速度の低減)のいずれかとなる。
【0016】
本開示は、先行する処理ステップにより残された最端部の不均一性を補正する必要性にも対処する。これらの用途の全てにおいて、プロセスが粒子から非常に影響を受けるときには、例えば論理回路の用途においては、基板の近傍に可動部品を有することは高リスクと見做される。本開示は、可動部品を設けずに、最端部での電圧同調性に対する必要性に対処する。
【0017】
図1は、本開示の一実施例に係る処理チャンバ100の概略的な断面図である。処理チャンバ100は、チャンバ本体101及びリッド102を含み、チャンバ本体101とリッド102とは、内部空間124を一緒に画定する。チャンバ本体101は、典型的に、電気接地103に接続されうる。基板支持アセンブリ104が、内部空間内に配置されており、自身に載置された基板105を処理中に支持する。エッジリング106が、基板支持アセンブリ104に載置されており、基板105の外周を取り囲んでいる。処理チャンバ100はまた、処理チャンバ100内で反応種のプラズマを生成するための誘導結合プラズマ装置107と、処理チャンバ100のシステム及びサブシステムを制御するよう適合されたコントローラ108と、を含む。
【0018】
基板支持アセンブリ104が、内部空間124内に配置されている。基板支持アセンブリ104は、一般に、少なくとも1つの基板支持体152を含む。基板支持体152は、静電チャック150を含み、静電チャック150は、処理される基板105の下にあって当該基板105を支持するよう構成された基板支持部154と、エッジリング106を支持するよう構成されたエッジリング部156と、を含む。基板支持アセンブリ104は、追加的に、ヒータアセンブリ169を含んでよい。基板支持アセンブリ104は、冷却基部131も含んでよい。冷却基部131は、代替的に、基板支持アセンブリ104と別体であってよい。基板支持アセンブリ104は、支持ペデステル125に着脱可能に結合されうる。支持ペデステル125は、チャンバ本体101に取り付けられている。支持ペデスタル125は、任意選択的に、設備プレート180を含んでよい。基板支持アセンブリ104は、支持ペデスタル125から周期的に取り外すことが可能であり、基板支持アセンブリ104の1つ以上の部品を新しくすることが可能となる。リフトピン146が、従来知られるように基板支持アセンブリ104を貫通して配置され、基板の移動を容易にする。
【0019】
設備プレート180は、静電チャック150及び冷却基部131からの複数の流体接続部を収容するよう構成される。設備プレート180はまた、静電チャック150及びヒータアセンブリ169からの複数の流体接続部を収容するよう構成される。無数の接続部が、基板支持アセンブリ104の外部又は内部を通りうるが、設備プレート180は、各端子への接続のためのインタフェースを提供する。
【0020】
基板電極109が、基板支持アセンブリ104の上面160に載置された基板105に基板電圧を印加するために、静電チャック150の基板支持部154に埋め込まれている。エッジリング部156には、エッジリング106にエッジリング電圧を印加するために、エッジリング電極111が埋め込まれている。エッジリング電圧制御回路155が、エッジリング電極111に接続されている。基板電圧制御回路158が、基板電極109に接続されている。一実施形態において、第1の整形DCパルス電圧源159が、エッジリング電圧制御回路155と基板電圧制御回路158の一方又は両方に接続されている。他の実施形態において、第1の整形DCパルス電圧源159が、エッジリング電圧制御回路155に接続され、第2の整形DCパルス電圧源161が、基板電圧制御回路158に接続されている。エッジリング電圧制御回路155と基板電圧制御回路158とが、エッジリング電圧と基板電圧との間の電圧差を生成するよう別々に同調されうる。基板電圧制御回路158及びエッジリング電圧制御回路155はそれぞれ、可変的な及び/又は固定のキャパシタ及び/又はインダクタを含み、エッジリング電圧及び基板電圧の独立した同調性を提供する。基板電極109が、チャック電源115にさらに接続されており、処理中に静電チャック150による上面160への基板105のチャッキングを促進する。
【0021】
誘導結合プラズマ装置107が、リッド102の上方に配置されており、処理チャンバ100内のガスにRF電力を誘導結合してプラズマ116を生成するよう構成されている。誘導結合プラズマ装置107は、リッド102の上方に配置された第1のコイル118及び第2のコイル120を含む。各コイル118、120の相対的な位置、直径の比、及び/又は、各コイル118、120の巻き数はそれぞれ、形成されているプラズマ116のプロファイル又は密度を制御するために所望のように調整することが可能である。第1のコイル118、及び第2のコイル120のそれぞれが、RF給電構造123を介して、整合回路122を通じてRF電源121に接続されている。RF電源121は、例として、50kHz~13.56MHzの範囲内の同調可能な周波数で、最大約4000Wまで(しかし、最大約4000Wには限定されない)生成することが可能でありうるが、他の周波数及び電力が、特定の用途のために所望のように利用されうる。
【0022】
幾つかの実施例において、分割キャパシタといった電力分割器126が、RF給電構造123とRF電源121との間に設けられ、各第1のコイル118及び各第2のコイル120に供給されるRF電力の相対量が制御されうる。
【0023】
他の実施形態において、容量結合プラズマ装置(図示せず)が、リッド102の上方で利用されうる。
【0024】
ヒータ要素128が、処理チャンバ100の内部の加熱を促進するために誘電体リッド102に載置されうる。ヒータ要素128は、リッド102と、第1のコイル118及び第2のコイル120と、の間に配置されうる。幾つかの実施形態において、ヒータ要素128が、抵抗性加熱要素を含んでよく、ヒータ要素128の温度を所望の範囲内で制御するのに十分なエネルギーを提供するよう構成された電源130、例えばAC電源に接続されてよい。
【0025】
稼働中に、半導体基板、又はプラズマ処理に適した他の基板といった基板105が、基板支持アセンブリ104に載置される。基板リフトピン146は、基板支持アセンブリ104内を可動に配置されており、基板支持アセンブリ104の上に基板105を移動するのを支援する。基板105が配置された後で、処理ガスが、ガスパネル132から入口ポート134を通って、チャンバ本体101の内部空間124へと供給される。RF電源121からの電力を第1のコイル118及び第2のコイル120に印加することによって、処理ガスが、処理チャンバ100内で点火されてプラズマ116となる。チャンバ本体100の内部空間124内の圧力が、バルブ136及び真空ポンプ138を用いて制御されうる。
【0026】
処理チャンバ100は、処理中に処理チャンバ100の動作を制御するためにコントローラ108を含む。コントローラ108は、中央処理装置(CPU:central processing unit)140と、メモリ142と、CPU140のためのサポート回路144と、を含み、プロセスチャンバ100の構成要素の制御を促進する。コントローラ108は、様々なチャンバ及びサブプロセッサを制御するための工業環境で利用可能な任意の形態の汎用コンピュータプロセッサのうちの1つでありうる。メモリ142は、本明細書に記載するやり方で処理チャンバ100の動作を制御するために実行又は呼び出されうるソフトウェア(ソースコード又はオブジェクトコード)を格納する。コントローラ108は、第1の整形DCパルス電圧源159、第2の整形DCパルス電圧源161、エッジリング電圧制御回路155、及び基板電圧制御回路158を制御するよう構成される。
【0027】
図2A~
図2Cは、本開示の実施例に係る、基板105のエッジに対する、処理チャンバ100内で生成されたプラズマ116の下にあるプラズマシース176の概略図である。
図2Aは、エッジリング106と、静電チャック150の上にある基板105と、に対するベースライン・プラズマシース176を示す。基板電極109とエッジリング電極111とに同じ電圧が印加されると、エッジリング106の上面と基板105の上面とが実質的に同一平面上にあり、プラズマシース176の境界が、当該シース176が基板105のエッジ部分166の上を横切るときに、基板105に対して実質的に直線的で、かつ平行である。プラズマシース176は、エッジリング106の上面及び基板105の上面と実質的に平行であり、これら上面から等しく離間している。基板105及びエッジリング106の上方で均一なプラズマが生成されると仮定すると、
図2Aに示すプラズマシース176のプロファイルによって、基板105に向かって、中心からエッジまで均一なイオン密度及びイオンエネルギーをもたらされる。一実施例において、基板105とエッジリング106との間に電圧差がない。これは、ベースライン電圧と称されうる。
【0028】
所定数の基板が処理された後で、エッジリング106の高さが、基板上部とはもはや同一平面上になく、基板上部よりも低い可能性があり、結果として、基板105のエッジ部分166で望まれないエッジ効果が形成される。他の用途において、プラズマ密度、ガス濃度等の不均一性によって、基板105のエッジ部分166付近で処理プロファイルの不均一性が生じうる。さらに別の用途において、先行するプロセスによって、中心からエッジへの不均一なフィーチャ・プロファイルがもたらされ、このような均一性を、エッジチューニングノブを用いて補正することが望まれる。エッジ効果に対処するために、エッジリング106と基板105との間で、正の電圧差又は負の電圧差が形成される。
【0029】
基板電極109と比べて、より高い電圧がエッジリング電極111に印加される
図2Bで示されるように、境界のプラズマシース176は、基板105とエッジリング106との界面においてもはや平らではなく、基板105の表面に対して、エッジリング106の表面とは異なった間隔を有している。プラズマシース176のプロファイルは、基板105の中心168に対して、基板105のエッジ部166においてより広い。これは、基板105の中心に対する、基板105のエッジ部分166でのイオン濃度の低下を示している。したがって、このことにより、基板105の中心168に対して、基板105のエッジ部分166においてエッチング速度が下がり、さらに、基板105のエッジ部分166に衝突するイオンの入射角が変わる。
【0030】
図2Cは、基板電極109と比べて、より低い電圧がエッジリング電極111に印加されたときに、基板105のエッジにおいてシースの境界/高さをどのように制御可能に変更しうるかを示している。プラズマシース176のプロファイルは、基板105のエッジ部分166において、基板105の中心168に対してより狭い。従って、イオンが、基板105のエッジ部分166へと集束されている。従って、このことにより、基板105のエッジ部分166におけるエッチング速度が上がり、さらに、基板105のエッジ部分166に衝突するイオンの入射角を変える。
【0031】
図3A及び3Bは、
図1に示された基板支持体152の拡大概略図を示している。基板支持体152は、本体174を有する。本体174は、基板支持部154、及びエッジリング部156を含む。基板支持部154は、第1の絶縁層182と、任意選択的な第2の絶縁層184と、第1のカソード188と、を含む。基板支持部154の第1絶縁層182は、セラミックで作製されうる。基板支持部154の第1の絶縁層182には、基板105に基板電圧を印加するための基板電極109が埋め込まれうる。任意選択的な第2の絶縁層184は、第1の絶縁層182の下に存在し、セラミックで作製され、基板支持体152内の他の導電性の構成要素からの、基板電極109の熱的及び電気的絶縁を改善する。第1のカソード188は、基板支持部154の第1の絶縁層182及び第2の絶縁層184の一方又は両方の下に存在しうる。
【0032】
エッジリング部156が、基板支持部154の近傍に配置されている。エッジリング部156は、エッジリング106を支持しうる。エッジリング部156は、第1の絶縁層183、任意選択的な第2の絶縁層185、及び第2のカソード191を含みうる。第1の絶縁層には、エッジリング106にエッジリング電圧を印加するためのエッジリング電極111が埋め込まれている。第1絶縁層183は、セラミックで作製されうる。任意選択的な第2の絶縁層185は、セラミック製の第1の絶縁層183の下に存在し、基板支持体152内の他の導電性の構成要素からの、エッジリング電極111の熱的及び電気的絶縁を改善する。第2のカソード191は、エッジリング部156の第1の絶縁層183及び第2の絶縁層185の一方又は両方の下に存在しうる。円筒状の低誘電率誘電体層195が、エッジリング部156を、基板支持部154から横方向に完全に又は部分的に分離しうる。エッジリング部156が基板支持部154から部分的に分離される実施形態において、第1のカソード188と第2のカソード191とが単一のピースであってよく、及び/又は、基板105の下の第2の絶縁層184とエッジリング106の下の第2の絶縁層とが単一ピースであってよい。
【0033】
エッジリング電圧制御回路155の第1の接点が、エッジリング電極111に電気的に接続されている。基板電圧制御回路158の第1の接点が、基板電極109に電気的に接続されている。エッジリング電圧制御回路155は、基板支持アセンブリ104内に組み込まれてよく、基板支持アセンブリ104の外部ではあるが処理チャンバ100の内部にあってよく、又は、処理チャンバ100から完全な外部にあってよい。
【0034】
一実施形態において、エッジリング電圧制御回路155と基板電圧制御回路158の両方の第2の接点が、第1の整形DCパルス電圧源159に一緒に接続されうる。他の実施形態において、エッジリング電圧制御回路155の第2の接点が、基板電圧制御回路158の第2の接点には繋がれていない。しかしながら、エッジリング電圧制御回路155の第2の接点が、第1の整形DCパルス電圧源159に個別に接続され、基板電圧制御回路158の第2の接点が、第2の整形DCパルス電圧源161に接続される。1個又は2個のいずれかの整形DCパルス電圧源の構成において、エッジリング電圧制御回路155と基板電圧制御回路158とが、エッジリング電圧と基板電圧との間の電圧差を生成するよう別々に同調されうる。
【0035】
一実施形態において、エッジリング電圧制御回路155と基板電圧制御回路158とは、同一の回路である。他の実施形態において、エッジリング電圧制御回路155と基板電圧制御回路158とは互いに異なっている。一実施形態において、エッジリング電圧制御回路155及び基板電圧制御回路158の少なくとも1つが、少なくとも1つの可変的な受動素子を含み、エッジリング電極111及び基板電極109、又は、エッジリング電極111若しくは基板電極109のいずれかに印加される電圧の同調性を提供する。
【0036】
図4は、基板支持アセンブリ104の電極109、111を駆動するためのエッジリング電圧制御回路/基板電圧制御回路400の一実施形態を示す概略的な回路図である。第1の整形DCパルス電圧源159、又は第2の整形DCパルス電圧源161が、接地と、順方向バイアスダイオード194と、の間に結合されている。順方向バイアスされたダイオード194が、電流帰還路163に接続されており、この電流帰還路163は、インダクタ197と直列に接地に結合された抵抗器196を含んでいる。浮遊キャパシタンス198とプラズマシース176との間には、キャパシタンス199が存在しうる。可変キャパシタ202が、順方向バイアスダイオード194と、エッジリング電極111又は基板電極109のいずれかと、に結合されている。可変キャパシタ202は、浮遊キャパシタンス198にも結合されている。プラズマシース176は、ダイオード206と並列に結合されたキャパシタ204と、接地及び可変キャパシタ202に結合された電流源208と、を含む回路としてモデル化されうる(プラズマモデル176)。
【0037】
電圧は、エッジリング電極111及び基板電極109において測定することが可能である。測定された電圧を用いて、コントローラ108が、基板電極109に対するエッジリング電極111の電圧比を決定する。測定結果に基づいて、エッジリング電圧制御回路155又は基板電圧制御回路158の一方又は両方における可変キャパシタ202を調整して、エッジリング106で発生する電圧に影響を与えるエッジリング電極111、及び/又は、基板105の基板電極109に印加される電圧を操作することが可能である。その結果、エッジリング106及び基板105の上方のプラズマシース176の高さを整形することが可能である。可変キャパシタ202を変化させることによって、エッジリング106又は基板の電圧波形の振幅を、ほぼゼロから、完全に整形されたDCパルス入力電圧までの間で変化させることが可能である。
【0038】
図5は、基板支持アセンブリ104の電極109、111を駆動するために利用することが可能なエッジリング電圧制御回路/基板電圧制御回路500の他の実施形態を示す概略的な回路図である。第1の整形DCパルス電圧源159、又は第2の整形DCパルス電圧源161が、接地と順方向バイアスダイオード194との間に結合されており、順方向バイアスダイオード194は、インダクタ197と直列に接地に結合された抵抗器196で構成された電流帰還路163に結合されている。一実施形態において、可変インダクタ210が、順方向バイアスダイオード194と、エッジリング電極111又は基板電極109のいずれかと、に結合されている。可変インダクタ210は、浮遊キャパシタンス198にも結合されている。
【0039】
上述のように、電圧が、エッジリング電極111及び基板電極109において測定することが可能である。測定された電圧を用いて、コントローラ108が、基板電極109に対するエッジリング電極111の電圧比を決定する。測定結果に基づいて、エッジリング電圧制御回路155又は基板電圧制御回路158の一方又は両方における可変インダクタ210を調整して、エッジリング106で発生する電圧に影響を与えるエッジリング電極111、及び/又は、基板105の基板電極109に印加される電圧を操作することが可能である。その結果、エッジリング106及び基板105の上方のプラズマシース176の高さを変更することが可能である。可変インダクタ210を変化させることによって、エッジリング又は基板の電圧波形の振幅を、ほぼゼロから、完全に整形されたDCパルス入力電圧までの間で変化させることが可能である。
【0040】
図6は、基板支持アセンブリ104の電極109、111を駆動するためのエッジリング電圧制御回路/基板電圧制御回路600の他の実施形態を示す概略的な回路図である。第1の整形DCパルス電圧源159、又は第2の整形DCパルス電圧源161が、接地と順方向バイアスダイオード194との間に結合されており、順方向バイアスダイオード194は、インダクタ197と直列に接地に結合された抵抗器196を含む電流帰還路163に結合されている。可変インダクタ212の一方の端子が、固定キャパシタ214と直列に結合されており、この固定キャパシタ214は、順方向バイアスダイオード194に結合されている。可変インダクタ212の他方の端子は、エッジリング電極111又は基板電極109のいずれかに結合されている。可変インダクタ212は、浮遊キャパシタンス198にも結合されている。
【0041】
上述のように、電圧が、エッジリング電極111及び基板電極109において測定することが可能である。測定された電圧を用いて、コントローラ108が、基板電極109に対するエッジリング電極111の電圧比を決定する。測定結果に基づいて、エッジリング電圧制御回路155又は基板電圧制御回路158の一方又は両方における可変インダクタ212を調整して、エッジリング106で発生する電圧に影響を与えるエッジリング電極111、及び/又は、基板105の基板電極109に印加される電圧を操作することが可能である。その結果、エッジリング106及び基板105の上方のプラズマシース176の高さを整形することが可能である。可変インダクタ212を変化させることによって、エッジリング又は基板の電圧波形の振幅を、ほぼゼロから、完全に整形されたDCパルス入力電圧までの間で変化させることが可能である。
【0042】
図7は、基板支持アセンブリ104の電極109、111を駆動するためのエッジリング電圧制御回路/基板電圧制御回路700の他の実施形態を示す概略的な回路図である。第1の整形DCパルス電圧源159、又は第2の整形DCパルス電圧源161が、接地と順方向バイアスダイオード194との間に結合されており、順方向バイアスダイオード194は、インダクタ197と直列に接地に結合された抵抗器196を含む電流帰還路163に結合されている。可変キャパシタ216が、可変インダクタ218と直列に結合されている。可変キャパシタ216はまた、順方向バイアスダイオード194に結合されている。可変インダクタ218はまた、エッジリング電極111又は基板電極109のいずれかと直列に結合されている。可変インダクタ218は、浮遊キャパシタンス198にも結合されている。
【0043】
上述のように、電圧が、エッジリング電極111及び基板電極109において測定することが可能である。測定された電圧を用いて、コントローラ108が、基板電極109に対するエッジリング電極111の電圧比を決定する。測定結果に基づいて、エッジリング電圧制御回路155又は基板電圧制御回路158の一方又は両方における可変キャパシタ216及び/又は可変インダクタ218を調整して、エッジリング106で発生する電圧に影響を与えるエッジリング電極111、及び/又は、基板105の基板電極109に印加される電圧を操作することが可能である。その結果、エッジリング106及び基板105の上方のプラズマシース176の高さを整形することが可能である。可変キャパシタ216及び/又は可変インダクタ218を変化させることによって、エッジリング又は基板の電圧波形の振幅を、ほぼゼロから、完全に整形されたDCパルス入力電圧までの間で変化させることが可能である。
【0044】
図8は、基板支持アセンブリ104の電極109、111を駆動するためのエッジリング電圧制御回路/基板電圧制御回路800の他の実施形態を示す概略的な回路図である。第1の整形DCパルス電圧源159、又は第2の整形DCパルス電圧源161が、接地と順方向バイアスダイオード194との間に結合されており、順方向バイアスダイオード194は、インダクタ197と直列に接地に結合された抵抗器196で構成された電流帰還路163に結合されている。可変キャパシタ220の第1の端子が、順方向バイアスダイオード194に結合されている。可変キャパシタ220の第1の端子はさらに、固定抵抗器224に結合されており、固定抵抗器224は、電流帰還路163と、固定キャパシタ222の一方の端子と、に結合されており、固定キャパシタ222の第2の端子は、可変キャパシタ220の第2の端子と結合され、さらに、エッジリング電極111又は基板電極109のいずれかに結合されている。可変キャパシタ220は、浮遊キャパシタンス198にも結合されている。
【0045】
上述のように、電圧が、エッジリング電極111及び基板電極109において測定することが可能である。測定された電圧を用いて、コントローラ108が、基板電極109に対するエッジリング電極111の電圧比を決定する。測定結果に基づいて、エッジリング電圧制御回路155又は基板電圧制御回路158の一方又は両方における可変キャパシタ220を調整して、エッジリング106で発生する電圧に影響を与えるエッジリング電極111、及び/又は、基板105の基板電極109に印加される電圧を操作することが可能である。その結果、エッジリング106及び基板105の上方のプラズマシース176の高さを整形することが可能である。可変キャパシタ220を変化させることによって、エッジリング又は基板の電圧波形の振幅を、ほぼゼロから、完全に整形されたDCパルス入力電圧までの間で変化させることが可能である。
【0046】
図9は、基板支持アセンブリ104の電極109、111を駆動するためのエッジリング電圧制御回路/基板電圧制御回路900の他の実施形態を示す概略的な回路図である。第1の整形DCパルス電圧源159、又は第2の整形DCパルス電圧源161が、接地と順方向バイアスダイオード194との間に結合されている。可変キャパシタ225の第1の端子が、順方向バイアスダイオード194に結合されている。可変キャパシタ225の第1の端子は、さらに、第1の固定抵抗器226に接続され、第1の固定抵抗器226は、電流帰還路163に結合され、さらに、第2の固定抵抗器228の一方の端子に結合されている。第2の固定抵抗器228は、固定キャパシタ230の第1の端子と直列に結合されている。固定キャパシタ230の第2の端子は、可変キャパシタ225の第2の端子と結合され、さらに、エッジリング電極111又は基板電極109のいずれかと結合されている。可変キャパシタ225は、浮遊キャパシタンス198にも結合されている。
【0047】
上述のように、電圧が、エッジリング電極111及び基板電極109において測定することが可能である。測定された電圧を用いて、コントローラ108が、基板電極109に対するエッジリング電極111の電圧比を決定する。測定結果に基づいて、エッジリング電圧制御回路155又は基板電圧制御回路158の一方又は両方における可変キャパシタ225を調整して、エッジリング106で発生する電圧に影響を与えるエッジリング電極111、及び/又は、基板105の基板電極109に印加される電圧を操作することが可能である。その結果、エッジリング106及び基板105の上方のプラズマシース176の高さを整形することが可能である。可変キャパシタ225を変化させることによって、エッジリング又は基板の電圧波形の振幅を、ほぼゼロから、完全に整形されたDCパルス入力電圧までの間で変化させることが可能である。
【0048】
図10は、基板支持組立体104の電極109、111を駆動するためのエッジリング制御回路/基板電圧制御回路1000の他の実施形態を示す概略的な回路図である。第1の整形DCパルス電圧源159、又は第2の整形DCパルス電圧源161が、接地と順方向バイアスダイオード194との間に結合されている。可変キャパシタ231の第1の端子が、順方向バイアスダイオード194に結合されている。可変キャパシタ231の第1の端子は、さらに、第1の固定抵抗器232にさらに結合されており、第1の固定抵抗器232は、固定インダクタ234の一方の端子と直列である。固定インダクタ234は、電流帰還路163に結合されている。固定インダクタ234の第2の端子は、さらに、第2の固定抵抗器236の第1の端子に結合されている。第2の固定抵抗器236の第2の端子は、固定キャパシタ238の第1の端子に結合されている。固定キャパシタ238の第2の端子は、可変キャパシタ231の第2の端子と結合され、さらに、エッジリング電極111又は基板電極109のいずれかと結合されている。可変キャパシタ231は、浮遊キャパシタンス198にも結合されている。
【0049】
上述のように、電圧が、エッジリング電極111及び基板電極109において測定することが可能である。測定された電圧を用いて、コントローラ108が、基板電極109に対するエッジリング電極111の電圧比を決定する。測定結果に基づいて、エッジリング電圧制御回路155又は基板電圧制御回路158の一方又は両方における可変キャパシタ231を調整して、エッジリング106で発生する電圧に影響を与えるエッジリング電極111、及び/又は、基板105の基板電極109に印加される電圧を操作することが可能である。その結果、エッジリング106及び基板105の上方のプラズマシース176の高さを整形することが可能である。可変キャパシタ231を変化させることによって、エッジリング又は基板の電圧波形の振幅を、ほぼゼロから、完全に整形されたDCパルス入力電圧までの間で変化させることが可能である。
【0050】
図11は、上述した支援回路155、158のための作業工程1100を示すフロー図である。処理プロセス1100は、本開示で提供される
図4~
図10の回路構成を用いて実現することが可能である。処理プロセス1100はまた、処理チャンバ100を稼働させる方法を提供する。
【0051】
工程1105において、コントローラ108が、基板電圧制御回路158によって、基板電極109に基板電圧を印加する。工程1110において、コントローラ108が、エッジリング電圧制御回路155によって、エッジリング電極111にエッジリング電圧を印加する。工程1115において、コントローラ108が、エッジリング電極111及び基板電極109において電圧を測定する。測定結果に基づいて、コントローラ108は、エッジリング106の電圧と基板105の電圧との間の振幅比を決定する。工程1120において、コントローラ108は、エッジリング電圧制御回路155及び/又は基板電圧制御回路158における可変キャパシタ又は可変インダクタの値についての予測、及び、整形DCパルス電圧源159、161の出力電圧の値を更新する。工程1125において、コントローラ108が、指定された振幅差(比)を有する目標のエッジリング電圧及び基板電圧を実現するために、フィードバック制御ループ1115、1120、及び1125を介して、エッジリング電圧制御回路155、基板電圧制御回路158、及び、整形DCパルス電圧源159、161の出力電圧を調整する。
【0052】
図12A及び
図12Bは、整形されたDCパルス電圧入力が与えられる場合に、
図4~
図10の可変キャパシタ及び/又は可変インダクタを変化させることで生成された、エッジリング又はウェハの変調された電圧波形の例示的なシミュレーション結果を示している。固定の入力電圧振幅について、可変キャパシタ及び可変インダクタによって、同調回路の出力電圧の振幅を、ほぼゼロから完全な入力電圧までの間で調整する一方で、出力電圧の形状を維持して、パルスオン時間を通じて基板電圧とエッジリング電圧との間の一定の電圧差を保つことが可能である。
【0053】
本開示の利点は、チャンバの部品を置換する代わりに、基板のエッジでプラズマシースを調整する能力を含み、これにより、ダウンタイムを低減し消耗品の費用を削減しながら、デバイスの歩留まりを改善する。追加的に、本明細書に記載される態様によって、基板の中心でのプラズマパラメータに影響を与えることなく、基板のエッジにおいてプラズマシースを調節することが可能となり、これにより、最端部でのプロセスプロファイル制御と、フィーチャの傾斜補正と、のためのチューニングノブが提供される。