(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-17
(45)【発行日】2023-03-28
(54)【発明の名称】プログラム、育児支援方法、及び、育児支援システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230320BHJP
G06F 3/16 20060101ALI20230320BHJP
G06F 3/048 20130101ALI20230320BHJP
G10L 25/63 20130101ALI20230320BHJP
G10L 15/10 20060101ALI20230320BHJP
G06Q 10/04 20230101ALI20230320BHJP
G06Q 50/22 20180101ALI20230320BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06F3/16 650
G06F3/048
G10L25/63
G10L15/10 500N
G06Q10/04
G06Q50/22
(21)【出願番号】P 2017223020
(22)【出願日】2017-11-20
【審査請求日】2020-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 未央
【審査官】小山 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-126367(JP,A)
【文献】特開2006-324742(JP,A)
【文献】特開2002-278582(JP,A)
【文献】国際公開第2007/102505(WO,A1)
【文献】特開2013-238664(JP,A)
【文献】特開2006-084630(JP,A)
【文献】菊池 健一郎,周波数解析による低月齢乳幼児の啼泣原因推定,電子情報通信学会技術研究報告 ,社団法人電子情報通信学会,2005年09月09日,Vol.105 No.296 ,p.7-12
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G16H 10/00-80/00
G06F 3/16
G06F 3/048
G10L 25/63
G10L 15/10
A61B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピューターを、
乳児の個人情報データに基づいて、前記乳児の月齢を判定する月齢判定処理部と
入力された前記乳児の泣き声の音声データに基づいて、前記月齢が所定月以内である場合には、前記乳児が泣いている原因が、少なくとも、生理的な欲求である
おむつが濡れたことと、
前記乳児が眠気を感じていることと、
前記乳児が空腹を感じていることと、
のうち、いずれかに該当するか否かを判定し、前記月齢が前記所定月を超えている場合には、前記乳児が泣いている原因として前記生理的な欲求とは異なる感情に起因した原因を追加して判定する判定処理部と、
判定された原因に対応した判定画面を表示部に表示する表示処理部と、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のプログラムであって、
前記判定処理部において、前記乳児の泣き声に基づいて、前記乳児が泣いている原因が、
前記おむつが濡れたことと、
前記乳児が眠気を感じていることと、
前記乳児が空腹を感じていることと、
前記乳児が不安を感じていることと、
のうち、いずれかに該当するか否かを判定し、
前記原因のうちいずれにも該当しないと判定された場合には、前記表示処理部において、判定できなかったことを表す判定不能画面を前記表示部に表示させる、ことを特徴とするプログラム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のプログラムであって、
前記判定処理部において、前記乳児の泣き声に基づいて、前記乳児が泣いている原因が、
前記おむつが濡れたことと、
前記乳児が眠気を感じていることと、
前記乳児が空腹を感じていることと、
のうち、いずれかに該当すると判定された場合には、
前記表示処理部において、判定された原因毎に前記原因に対応した判定画面を前記表示部に表示する、ことを特徴とするプログラム。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のプログラムであって、
前記表示処理部において、睡眠若しくは入浴についてのアドバイス、又は、就寝前のタッチケア時の注意点に関する情報を表示する、ことを特徴とするプログラム。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のプログラムであって、
前記判定処理部において、前記乳児の泣き声を所定時間分録音し、録音された泣き声の前記音声データに基づいて、前記乳児が泣いている原因を判定する、ことを特徴とするプログラム。
【請求項6】
請求項5に記載のプログラムであって、
前記判定処理部において、
前記泣き声の前記音声データに対して、所定の正規化処理及びノイズ除去処理を施した後、周波数領域の特徴を抽出し、周波数領域の特徴と感情との相関関係を評価することにより、乳児が泣いている原因を判定する、ことを特徴とするプログラム。
【請求項7】
請求項2に記載のプログラムであって、
前記表示処理部において、前記判定不能画面に、
判定できなかったことをユーザーに伝えるメッセージ、及び、ユーザーに泣き声判定の再試行を促すメッセージを表示する、ことを特徴とするプログラム。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のプログラムであって、
前記乳児の月齢が前記所定月以内である第1月齢である場合に前記判定処理部において判定される原因の数よりも、前記乳児が前記第1月齢よりも高い第2月齢である場合に前記判定処理部において判定される原因の数の方が多い、ことを特徴とするプログラム。
【請求項9】
請求項1乃至
請求項8のいずれか1項に記載のプログラムであって、
前記表示処理部において、前記判定処理部による判定を開始させるための第1ボタンを表示する処理と、
育児に関する情報の表示を開始させるための、前記第1ボタンとは異なる第2ボタンを表示する処理と、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項10】
コンピューターに、
乳児の個人情報データに基づいて、前記乳児の月齢を判定する月齢判定工程と、
入力された前記乳児の泣き声の音声データに基づいて、前記月齢が所定月以内である場合には、前記乳児が泣いている原因が、少なくとも、生理的な欲求である
おむつが濡れたことと、
前記乳児が眠気を感じていることと、
前記乳児が空腹を感じていることと、
のうち、いずれかに該当するか否かを判定する判定し、前記月齢が前記所定月を超えている場合には、前記乳児が泣いている原因として前記生理的な欲求とは異なる感情に起因した原因を追加して判定する判定工程と、
判定された原因に対応した判定画面を表示部に表示する表示工程と、
を実行させる、育児支援方法。
【請求項11】
1以上のコンピューターを有する育児支援コンピューターシステムであって、
乳児の個人情報データに基づいて、前記乳児の月齢を判定する月齢判定処理部と、
入力された前記乳児の泣き声の音声データに基づいて、前記月齢が所定月以内である場合には、前記乳児が泣いている原因が、少なくとも、生理的な欲求である
おむつが濡れたことと、
前記乳児が眠気を感じていることと、
前記乳児が空腹を感じていることと、
のうち、いずれかに該当するか否かを判定し、前記月齢が前記所定月を超えている場合には、前記乳児が泣いている原因として前記生理的な欲求とは異なる感情に起因した原因を追加して判定する判定処理部と、
判定された原因に対応した判定画面を表示部に表示する表示処理部と、
を有することを特徴とする、育児支援コンピューターシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、及び、育児支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
乳児の泣き声から、当該乳児が泣いている原因を推定する技術が知られている。例えば特許文献1には、乳児の泣き声を音声信号としてとらえ、音声信号の周波数スペクトルを解析することによって、乳児が「眠い」と感じているのか、「空腹」と感じているのかを推定する音声解析システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の音声解析システムによれば、育児者は、乳児が泣いている原因が「空腹」であるのか「眠気」であるのかを簡単に知ることができる。しかしながら、特許文献1の方法では、「眠い」や「空腹」以外の原因によって乳児が泣いている場合には、当該原因を正確に判定することができない。また、育児者の育児経験が浅い場合(例えば、育児者が新米ママ等の場合)には、乳児(特に月齢6か月以内の乳児)が泣いている原因が推定できたとしても、それに対してどのように対処すれば良いのかが分からず焦ってしまったり、誤った対処方法を実行してしまったりして、育児がうまくいかないおそれがある。
【0005】
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、乳児が泣いている原因を正確に判定し、当該原因に応じた適切な対処方法を育児者に提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための主たる発明は、コンピューターを、乳児の個人情報データに基づいて、前記乳児の月齢を判定する月齢判定処理部と入力された前記乳児の泣き声の音声データに基づいて、前記月齢が所定月以内である場合には、前記乳児が泣いている原因が、少なくとも、生理的な欲求であるおむつが濡れたことと、前記乳児が眠気を感じていることと、前記乳児が空腹を感じていることと、のうち、いずれかに該当するか否かを判定し、前記月齢が前記所定月を超えている場合には、前記乳児が泣いている原因として前記生理的な欲求とは異なる感情に起因した原因を追加して判定する判定処理部と、判定された原因に対応した判定画面を表示部に表示する表示処理部と、として機能させることを特徴とするプログラムである。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、乳児が泣いている原因を正確に判定し、当該原因に応じた適切な対処方法を育児者に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】端末10の機能上の構成を示すブロック図である。
【
図2】本実施形態にかかる育児支援動作の処理手順を示すフロー図である。
【
図4】育児情報ボタン214がタップされた場合に表示される育児情報表示画面250の一例である。
【
図5】泣き声判定開始画面300の一例を示す図である。
【
図6】おむつ濡れ判定画面310の一例を表す図である。
【
図10】判定不能画面400の一例を表す図である。
【
図11】変形例における泣き声判定の処理手順の示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
乳児の泣き声に基づいて、おむつが濡れたことを原因として前記乳児が泣いているのか否かを判定する判定処理と、前記おむつが濡れたことを原因として前記乳児が泣いていると判定された場合は、前記おむつが濡れたことを原因として前記乳児が泣いていることを表すおむつ濡れ判定画面を表示部に表示させる表示処理と、前記おむつ濡れ判定画面中の所定のボタンがタップされると、特定のおむつブランドのサイトへ接続するリンク処理と、をコンピューターに実行させることを特徴とするプログラム。
【0010】
このようなプログラムによれば、ユーザーは、おむつ濡れ判定画面を見ることで、乳児が泣いている原因を明確に認識することができる。また、当該画面からおむつブランドのサイトへリンクすることにより、ユーザーは、おむつに関する情報を簡単に入手することができる。したがって、ユーザーは、乳児が泣いている原因を正確に知ることができると共に、当該原因に応じた適切な対処方法を得ることができる。
【0011】
かかるプログラムであって、前記リンク処理において、前記おむつ濡れ判定画面中の前記所定のボタンがタップされると、複数種類のおむつブランドのサイトのうち、月齢6月以内の乳児向けおむつブランドのサイトへ接続する、ことが望ましい。
【0012】
このようなプログラムによれば、ユーザーは月齢6月以内の乳児に最適なおむつに関する情報を簡単に入手することができる。したがって、プログラムを利用しているユーザーのうち、大きな割合を占める月齢6月以内の乳児の育児をしている育児者(ユーザー)の利便性を高めることができる。
【0013】
かかるプログラムであって、月齢6月以内の前記乳児の泣き声に基づいて、前記判定処理を前記コンピューターに実行させる、ことが望ましい。
【0014】
このようなプログラムによれば、月齢6月以内の乳児は、まだ感情が芽生えていないため、純粋な生理的欲求で泣き声を発する傾向があり、言語的情報を含まない音(泣き声)を解析することにより、乳児の感情を識別しやすい。したがって、月齢6月以内の乳児の泣き声に基づいて判定を行うことで、より判定精度をより高めることができる。
【0015】
かかるプログラムであって、前記判定処理において、前記乳児の泣き声に基づいて、前記乳児が泣いている原因が、前記おむつが濡れたことと、前記乳児が眠気を感じていることと、前記乳児が空腹を感じていることと、前記乳児が空腹を感じていることと、のうちいずれかに該当するか否かを判定し、前記原因のうちいずれにも該当しないと判定された場合には、判定できなかったことを表す判定不能画面を前記表示部に表示させる判定不能表示処理を前記コンピューターに実行させる、ことが望ましい。
【0016】
このようなプログラムによれば、ユーザーは、判定不能画面が表示されたことを確認することにより、おむつが濡れたこと、眠気を感じていること、空腹を感じていること、空腹を感じていること以外の原因によって乳児が泣いていることを認識することができる。
【0017】
かかるプログラムであって、前記判定処理において、前記乳児の泣き声に基づいて、前記乳児が泣いている原因が、前記おむつが濡れたことと、前記乳児が眠気を感じていることと、前記乳児が空腹を感じていることと、前記乳児が不安を感じていることと、のうちいずれかに該当すると判定された場合には、判定された原因毎に前記原因に対応した判定画面を前記表示部に表示させ、前記リンク処理において、各々の前記判定画面について所定の操作が行われると、判定された前記原因に応じて異なるサイトへ接続する、ことが望ましい。
【0018】
このようなプログラムによれば、ユーザーは、乳児が泣いている原因が、おむつが濡れたこと、眠気を感じていること、空腹を感じていること、空腹を感じていること、のうちいずれに該当するのかを認識することができる。また、リンク処理で接続されるサイトを見ることで、乳児が泣いている原因に応じた適切な対処方法を簡単に確認することができる。
【0019】
かかるプログラムであって、前記原因毎に表示される前記判定画面の各々には、特定のキャラクターが表示され、前記判定画面毎に前記キャラクターの態様が異なる、ことが望ましい。
【0020】
このようなプログラムによれば、ユーザーは、判定画面中に見慣れたキャラクターが表示されているのを見て安心し、落ち着いて画面操作等を行うことができる。また、判定画面毎に異なる態様のキャラクターが表示されているため、乳児が泣いている原因が異なることをユーザーが理解しやすい。
【0021】
かかるプログラムであって、前記キャラクターの態様は、前記判定画面に対応する前記原因に関連した態様である、ことが望ましい。
【0022】
このようなプログラムによれば、ユーザーは、判定画面に表示されたキャラクターの態様を視認することにより、乳児が泣いている原因を一見して認識することができる。
【0023】
かかるプログラムであって、前記不安には、前記乳児がさびしいと感じる感情と、前記乳児が保護者にかまってほしいと感じる感情と、前記乳児が痛いと感じる感情と、のうちいずれかの感情が含まれる、ことが望ましい。
【0024】
このようなプログラムによれば、ユーザーは、月齢6月以内の乳児が生理的欲求の一部として発する、さびしい、かまってほしい等の「不安」な感情を正確に知ることができる。これにより、乳児の不安を解消するための適切な対処法を取りやすくなる。
【0025】
かかるプログラムであって、前記コンピューターに、前記乳児の月齢を判定する月齢判定処理を実行させ、前記乳児の月齢が所定の月齢以上であると判定した場合には、前記不安とは異なる他の感情に関する原因を、前記乳児が泣いている原因の一項目として追加する、ことが望ましい。
【0026】
このようなプログラムによれば、月齢6月を超えた乳児が泣いている原因を正確に判定しやすくなる。一般に、月齢6月を境に、乳児には生理的な欲求の他とは別のイヤイヤ等の感情が芽生え始める。そのため、月齢6月以上の乳児に対しては、当該「感情」に関する原因を、泣いている原因の一項目として追加することにより、判定不能となってしまう確率を低くすることができる。
【0027】
かかるプログラムであって、前記他の感情には、嫌悪、及び、恐怖のうち少なくとも一方に関する感情が含まれる、ことが望ましい。
【0028】
このようなプログラムによれば、ユーザーは、月齢6月以上の乳児が泣いている原因を具体的に認識しやすくなる。嫌悪や恐怖に関する感情は、乳児の月齢が6月を超えた段階で芽生える感情であるため、泣き声データからこのような感情を読み取ることができるようにすることで、月齢6月以上の乳児が泣いている原因をより高精度に判定しやすくなる。
【0029】
かかるプログラムであって、前記複数種類のおむつブランドのサイトには、テープ型おむつに関するサイトと、パンツ型おむつに関するサイトとがあり、前記複数種類のおむつブランドのサイトのうち、月齢6月以内の乳児向けおむつブランドのサイトは、前記テープ型おむつに関するサイトである、ことが望ましい。
【0030】
このようなプログラムによれば、月齢6月以内の乳児には、寝かせた状態で着脱させやすく、小さな身体に合わせて胴回りの調整等を行いやすいテープ型おむつが適していることから、テープ型おむつのサイトに接続することにより、月齢6月以内の乳児の育児者に対してより有益な情報を提供することができる。
【0031】
かかるプログラムであって、前記プログラムの起動時に、前記特定のおむつブランドのサイトのブランド名が示されたトップ画面を前記表示部に表示させる、ことが望ましい。
【0032】
このようなプログラムによれば、ユーザーは、トップ画面に表示されているブランド名を確認することで、プログラムが当該ブランドにかかるサービスであることを認識しやすく、安心してプログラムを利用することができる。
【0033】
かかるプログラムであって、前記トップ画面について所定の操作が行われると、月齢6月以内の前記乳児に関する育児情報を前記表示部に表示させる、ことが望ましい。
【0034】
このようなプログラムによれば、育児経験の少ない新米ママ等がユーザーである場合であっても、有益な育児情報を簡単に得ることができるため、安心して育児をすることができるようになる。
【0035】
かかるプログラムであって、前記複数種類のおむつブランドのサイトのうち、月齢6月以内の乳児向けおむつブランドのサイトには、月齢6月以内の前記乳児向けおむつの吸収性能に関する情報が含まれる、ことが望ましい。
【0036】
このようなプログラムによれば、おむつの吸収性能に関する情報を含むサイトに接続することで、ユーザーのおむつに関する知識が乏しい場合であっても、おむつにどの程度の吸収性能が要求されるのか等について理解しやすくなる。これにより、ユーザーは、最適なおむつを迷うことなく購入等することができるようになる。
【0037】
また、乳児の泣き声に基づいて、おむつが濡れたことを原因として前記乳児が泣いているのか否かを判定する判定工程と、前記おむつが濡れたことを原因として前記乳児が泣いていると判定された場合は、前記おむつが濡れたことを原因として前記乳児が泣いていることを表すおむつ濡れ判定画面を表示部に表示させる表示工程と、前記おむつ濡れ判定画面中の所定のボタンがタップされると、複数種類のおむつブランドのサイトのうち、特定のおむつブランドのサイトへ接続するリンク工程と、を有する、育児支援方法、が明らかとなる。
【0038】
このような育児支援方法によれば、ユーザーは、おむつ濡れ判定画面を見ることで、乳児が泣いている原因を明確に認識することができる。また、当該画面からおむつブランドのサイトへリンクすることにより、ユーザーは、おむつに関する情報を簡単に入手することができる。したがって、ユーザーは、乳児が泣いている原因を正確に知ることができると共に、当該原因に応じた適切な対処方法を得ることができる。
【0039】
===実施形態===
<育児支援システムの構成>
本実施形態に係る育児支援方法を実現する手段として、インターネット等のネットワークに接続可能な端末10を用いた育児支援システムについて説明する。本実施形態における育児対象者である「乳児」は、生後1年ぐらいまでの赤ちゃんである。特に、月齢6月以内の乳児に対して使用した場合、後述する「泣き声判定」を高精度に行うことができる。
【0040】
端末10は、ユーザー(育児者や端末10の操作者)からの入力操作等に基づく情報の入力を受け付けて各種の処理を行い、その結果を表示部14に表示させる。端末10は、例えばスマートフォンやタブレット端末である。本実施形態では、後述する育児支援プログラム(以下、単に「プログラム」とも言う。)をインストールすることにより、端末10単体で育児支援システムを構成することが可能である。
【0041】
図1は、端末10の機能上の構成を示すブロック図である。本実施形態の端末10は、制御部11、記憶部12、入力部13、表示部14、及び通信部15を有している。
【0042】
制御部11は、各部間のデータの受け渡しを行うとともに、端末全体の制御を行うものであり、CPU(Central Processing Unit)が所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。また、制御部11は、少なくとも、泣き声判定処理部111と、画面表示処理部112と、リンク処理部113と、月齢判定処理部114と、個人情報受け付け処理部115を有している。各部における具体的な処理動作については後で説明する。
【0043】
記憶部12は、プログラム等が記憶される読み取り専用の記憶領域であるROM(Read Only Memory)と、制御部11による演算処理のワーク領域として使用される書き換え可能な記憶領域であるRAM(Random Access Memory)とを有しており、例えば、フラッシュメモリやハードディスク等の不揮発性記憶装置によって実現される。本実施形態における記憶部12は、乳児が泣いている原因を表す原因情報、後述するリンク処理において接続されるインターネットサイトに関するリンク情報、育児対象者である乳児に関する個人情報、各種表示画面に関する画面情報等が記憶される。
【0044】
入力部13は、操作入力部131と、音声情報入力部132とを有する。操作入力部131は、端末10を使用するユーザー(育児者等)がプログラムの操作指示を行ったり、乳児の生年月日等の各種データを入力したりするものであり、例えば、タッチパネルのタップ操作により実現される。音声情報入力部132は、乳児の泣き声等の音声データを入力するためのものであり、例えば、マイクによって実現される。
【0045】
表示部14は、制御部11からの指令に基づいて各種の情報を表示する画面であり、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)等によって実現される。本実施形態の端末10では、表示部14がタッチパネルとなっており、情報を表示する機能に加えて操作入力部131としての機能を有している。
【0046】
通信部15は、インターネット等のネットワークに接続して通信を行い、ネットワークを介して送信される各種データや信号を受信する受信部としての機能と、同ネットワークを介して各種データや信号を送信する送信部として機能とを有している。
【0047】
<育児支援方法>
育児支援システムを用いた育児支援方法として、乳児の泣き声に基づいて当該乳児が泣いている原因を判定し、その原因に対する適切な対処方法を育児者に提供する方法について説明する。本実施形態の育児アドバイスは、端末10の育児支援プログラム(プログラム)を用いて行われる。
【0048】
はじめに、ユーザーは端末10において初期設定を行う。プログラムを端末10で初めて起動させると、個人情報受け付け処理部115は、個人情報入力表示画面(不図示)を表示部14に表示させて、育児対象者である乳児に関する個人情報の入力を受け付ける。ユーザーは、端末10の操作入力部131を介して、個人情報として少なくとも乳児の生年月日を入力する。さらに、乳児の性別や名前、その他の情報を入力するようにしても良い。個人情報受け付け処理部115は個人情報の入力を受け付けると、受け付けた個人情報を記憶部12に記憶させる。なお、入力した個人情報は、後から変更・修正可能にしておくと良い。
【0049】
初期設定を終了すると、育児支援プログラムによる育児支援動作を開始することが可能となる。
図2は、本実施形態にかかる育児支援動作の処理手順を示すフロー図である。同
図2では、本実施形態の育児支援システムによって提供される育児支援動作のうち、「泣き声判定」を実行する際の具体的処理について表している。
【0050】
初期設定完了終了後にプログラムが起動され、育児支援動作が開始されると、画面表示処理部112は、端末10の表示部14に、トップ画面200を表示させる処理を行う(S101)。
図3は、トップ画面200の一例を示す図である。
【0051】
トップ画面200は、本実施形態の育児支援システムの開始時に表示される初期画面であり、ブランド名表示領域201と、キャラクター表示領域202と、メニュー表示領域203と、情報表示領域204と、選択領域210とを有している。ブランド名表示領域201には、育児対象者である乳児向けのおむつブランド名が表示される。例えば、
図3では、月齢6月以内の乳児向けのおむつブランドのブランド名として「Mamy」のロゴが表示されている。なお、このおむつブランド名は、以降の各画面でも常に表示されており(
図4~
図9等参照)、ユーザーは、当該おむつブランドにかかるサービスであることを認識しやすく、安心して育児支援プログラムを利用することができる。
【0052】
キャラクター表示領域202には、特定のキャラクターが表示される。
図3では、ブランド名表示領域201に表示されているおむつブランド(Mamy)に関連するブランドキャラクターの画像が表示されている。トップ画面200にブランド名やキャラクターが表示されることにより、ユーザーは、育児支援システムを利用する度に当該キャラクター等を目にすることとなるため、ユーザーは当該ブランドに親しみやすくなる。
【0053】
メニュー表示領域203には、現在選択されているメニューが表示される。初期状態では
図3のように「News」が表示されるが、ユーザーが後述する各種メニューのうちいずれかを選択した場合には、当該選択したメニューが表示される。情報表示領域204には、そのメニューにおいてユーザーに提供される各種情報が表示される。例えば、「News」が選択されている場合、情報表示領域には、上述したおむつブランドの新製品発売に関する情報や、同おむつブランドに関連するイベント(例えば、販売促進イベント)に関する情報等が表示される。これらの情報は、インターネット等のネットワークを介して、その時点で最新の情報が表示されるようにしておくと良い。
【0054】
選択領域210は、本実施形態の育児支援システムにおいてユーザーに提供される複数のサービス(メニュー)を選択するための領域であり、メニュー毎にボタン(アイコン)が表示されている。
図3では、ではNewsボタン211と、泣き声判定ボタン212と、製品ボタン213と、育児情報ボタン214と、乳児情報ボタン215とが表示されている。ユーザーが、ボタン211~215のいずれかを選択してタップすると、当該ボタンに対応付けられているサービスが開始される。
【0055】
Newsボタン211は、上述のように、おむつブランドに関する製品情報やイベント情報等の最新情報をユーザーに提供する「News」を開始させるためのボタンである。泣き声判定ボタン212は、乳児の泣き声に基づいて、当該乳児が泣いている理由を判定する「泣き声判定」を開始させるためのボタンである。「泣き声判定」で行われる具体的な処理については後で説明する。製品ボタン213は、おむつブランドの製品として実際に販売されている乳児用使い捨ておむつについての情報を提供する「製品情報」を開始させるためのボタンである。製品情報としては、例えば、当該製品のCM動画や、当該製品を紹介するホームページへのリンク等が表示される。
【0056】
育児情報ボタン214は、育児に関する有益な情報をユーザー(育児者)に提供する「育児情報」を開始させるためのボタンである。
図4は、育児情報ボタン214がタップされた場合に表示される育児情報表示画面250の一例である。育児情報表示画面250は、育児に関する各種情報を表示する画面であり、ブランド名表示領域251と、キャラクター表示領域252と、メニュー表示領域253と、育児情報表示領域254と、選択領域260とを有している。このうち、ブランド名表示領域251、キャラクター表示領域252、メニュー表示領域253、及び選択領域260は、それぞれトップ画面200のブランド名表示領域201、キャラクター表示領域202、メニュー表示領域203、及び選択領域210とほぼ同様の構成・機能を有しているため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0057】
育児情報表示領域254には、ユーザー向けの育児に関するアドバイスや、育児に有益な情報が表示される。例えば、月齢6月以内の乳児について、睡眠や入浴等の生活リズムについてのアドバイスや、就寝前のタッチケア時の注意点等に関する情報が表示される。これにより、育児経験の少ない新米ママ等がユーザーである場合でも、安心して育児をすることができる。なお、これらの育児情報は、基本的に記憶部14に記憶されているが、インターネットを介して外部情報を参照するようにしても良い、また、外部の育児サイトへ接続するようにしても良い。また、
図4では、月齢6月以内の乳児についてのアドバイスが表示されているが、乳児の月齢や性別に応じて異なる育児情報が表示されるようにしても良い。例えば、育児情報ボタン214がタップされると、月齢判定処理部114が、初期設定時に登録された乳児の個人情報を参照し、その乳児に最適な育児情報を選択して表示させるようにしても良い。
【0058】
乳児情報ボタン215は、初期設定で登録された個人情報を確認したり編集したりする「乳児情報」を開始させるためのボタンである。
【0059】
図2に戻って、ユーザーがトップ画面200の泣き声判定ボタン212(
図3参照)をタップすると、泣き声判定の処理が開始され、画面表示処理部112は、表示部14に泣き声判定開始画面300を表示させる処理を行う(S102)。
図5は、泣き声判定開始画面300の一例を示す図である。
【0060】
泣き声判定開始画面300は、泣き声判定を実施するための基本画面であり、ブランド名表示領域301と、メニュー表示領域302と、キャラクター表示領域303と、説明表示領域304と、録音ボタン305と、選択領域309とを有している。ブランド名表示領域301、メニュー表示領域302、及び選択領域309は、それぞれトップ画面200のブランド名表示領域201、メニュー表示領域203、及び選択領域210とほぼ同様の構成・機能を有している。
【0061】
キャラクター表示領域303には、トップ画面200に表示されていたキャラクターと同じキャラクター(おむつブランドに関連するブランドキャラクター)の画像が表示される。おなじみのキャラクターが表示されていることにより、新生児が泣きやませようとして焦りがちなユーザーに安心感を与え、落ち着いて画面操作を行わせることができる。説明表示領域304には、泣き声判定を行う際の操作説明が表示される。ユーザーは、当該操作説明を見ながら画面を操作することにより、泣き声判定を間違いなく行うことができる。録音ボタン305は、乳児の泣き声の録音を開始させるためのボタンである。
【0062】
次いで、乳児の泣き声データの取得が行われる(S103)。ユーザーは、泣いている乳児の側に端末10の音声情報入力部132(マイク等)をかざし、泣き声判定画面300に表示されている録音ボタン305を所定時間押し続ける。これにより、乳児の泣き声が所定時間分録音され、泣き声データとして記憶部12に記憶される。なお、本実施形態において、所定時間は、例えば約4秒間とすることができる。4秒程度であれば、録音時の負担やストレスを乳児やユーザーに与え難く、かつ、泣き声判定を高精度に行うのに十分な泣き声データを取得することができる。
【0063】
次いで、泣き声判定処理部111は、取得した泣き声のデータに基づいて、乳児が泣いている原因について判定する判定処理を行う(S104)。本実施形態の判定処理は、取得した泣き声データについて周波数領域の特徴を解析することによって行われる。周波数領域の特徴の解析方法としては、一例として、「Multidimensional Systems and Signal Processing Volume 28 Issue 3, July 2017」に開示された周波数領域等の特徴と感情との対応付け手段や、その他の公知の解析方法を利用することができる。例えば、取得した泣き声データに対して、所定の正規化処理やノイズ除去処理を施した後、ピーク、コントラスト、ピッチ等の周波数領域の特徴を抽出し、これらの周波数領域等の特徴と感情との相関関係を評価することにより、乳児が泣いている原因を判定する。
【0064】
乳児の泣き声には、言葉等の言語的情報が含まれにくく、音によって感情を識別することができるため、言語や性別に左右されにくく、正確な判定を行うことができる。特に、月齢6月以内の乳児や新生児は、まだ感情が芽生えていないことから、純粋な生理的欲求で泣き声を発する傾向がある。そのため、本実施形態の育児支援システムは、月齢6月以内の乳児に適用することで、当該乳児が泣いている原因をより正確に判定することが可能である。
【0065】
記憶部12には、乳児が泣いている原因として、予め複数種類の原因が記憶されている。例えば、「おむつが濡れたこと」,「眠気を感じている」,「空腹を感じている」,「不安を感じている」等の原因が記憶されており、取得した泣き声データがいずれかの理由に該当するのか否について判定が行われる。もちろん、これ以外の他の原因が記憶されていても良い。
【0066】
S104では、先ず、乳児が泣いている原因が「おむつが濡れたこと」であるか否かについての判定が行われる。その結果、乳児が泣いている原因が「おむつが濡れたこと」であると判定された場合(S104がYes)、画面表示処理部112は、判定された原因に対応した判定画面を表示部14に表示させる表示処理を行う(S105)。ここでは、記憶部12に記憶されている複数の画面情報のうち、おむつが濡れたことを原因として乳児が泣いていることを表す「おむつ濡れ判定画面310」が選択され、表示部14に表示される。なお、乳児が泣いている原因が「おむつが濡れたこと」ではないと判定された場合(S104がNo)、引き続き他の原因についての判定が行われる(後述するS108等)。
【0067】
図6は、おむつ濡れ判定画面310の一例を表す図である。おむつ濡れ判定画面310は、ブランド名表示領域311と、メニュー表示領域312と、原因表示領域313と、キャラクター表示領域314と、確認ボタン315a,315bと、選択領域319とを有している。ブランド名表示領域311と、メニュー表示領域312、及び選択領域319は、それぞれトップ画面200のブランド名表示領域201、メニュー表示領域203、及び選択領域210とほぼ同様の構成・機能を有している。
【0068】
原因表示領域313には、乳児が泣いている原因が文字情報として表示される。例えば、「おむつが濡れているよ!」等の文字が表示される。キャラクター表示領域314には、おむつブランドに関連するブランドキャラクターが、乳児が泣いている原因に関連した態様で表示される。例えば、両手を挙げておむつの交換をして欲しがっている態様でキャラクターが表示される。ユーザーは、このようにおむつ濡れ判定画面310に表示されたキャラクターの態様や文字情報を見ることで、乳児が泣いている原因を明確に認識することができる。なお、キャラクター表示領域314に表示されるキャラクターは、所定のインターネットサイトへ接続するためのリンクボタンとしての機能を有している。
【0069】
確認ボタン315a,315bは、判定結果が正しかったか否かについて確認するためのボタンである。ユーザーは、乳児が泣いている原因が誤っていた場合には「Modify」と表示された確認ボタン315aをタップし、乳児が泣いている原因が正しかった場合には「OK」と表示された確認ボタン315bをタップする。ユーザーによって確認ボタン315aがタップされた場合(すなわち、判定された原因が誤りであった場合)には、不図示の判定結果訂正画面に移行して、乳児が泣いている原因が分かる場合(例えば「眠い」等)には、正しい原因に訂正させるようにすると良い。確認ボタン315a,315bを利用して判定結果についての評価を蓄積することにより、泣き声判定処理部111による判定精度をより向上させることができる。
【0070】
次いで、おむつ濡れ判定画面310上でユーザーが所定の操作を行ったか否かが判断される(S106)。ここでは、キャラクター表示領域314に表示されるキャラクターのボタン(リンクボタン)がタップされたか否かが判断される。
【0071】
キャラクターのボタンがタップされた場合(S106がYes)、リンク処理部113は、判定された原因に応じて、適当なインターネットサイトへ接続するリンク処理を行う(S107)。ここでは、乳児が泣いている原因が「おむつが濡れたこと」であると判定されているため、複数種類のおむつブランドのサイトのうち、特定のおむつブランドのサイトへ接続する処理が行われる。S107のリンク処理で接続される特定のおむつブランドのサイトは、リンク情報として予め記憶部12に記憶されている複数種類のおむつブランドサイトの中から、月齢6月以内の乳児向けおむつブランドが選択されることが望ましい。上述したように、本実施形態の泣き声判定処理では、乳児の月齢が6月以内である場合に、当該乳児が泣いている原因を高精度に判定することができる。つまり、本実施形態の育児支援システムは月齢6月以内の乳児に適用することによって最大の効果を発揮することが可能であり、月齢6月以内の乳児を育てている育児者がユーザーの中で大きな割合を占める可能性が高い。
【0072】
そこで、S107のリンク処理において、月齢6月以内の乳児向けおむつブランドのサイトに接続するようにすることで、ユーザーは月齢6月以内の乳児に最適なおむつに関する情報を簡単に入手可能となり、多くのユーザーにとって利便性の高いものとなる。このように、乳児が泣いている原因を正確に判定し、当該原因に応じた適切なサイトに接続されることにより、ユーザーは、育児の際に有益な情報を簡単に取得することができる。
【0073】
さらに、乳児の実際の月齢に応じて適当なおむつブランドのサイトに接続されるようにしても良い。例えば、初期設定で登録された乳児の生年月日から月齢判定処理部114によって乳児の実際の月齢を算出し、乳児毎に最適なおむつブランドのサイトへ接続することができるようにする。このようにすれば、ユーザー毎に提供される情報が最適化されるため、より有益なサービスを実現することができる。
【0074】
また、複数種類のおむつブランドのサイトには、パンツ型おむつに関するサイトと、テープ型おむつに関するサイトとがあるが、S107のリンク処理では、テープ型おむつのサイトに接続されることが望ましい。育児対象者が月齢6月以内の乳児である場合、テープ型おむつの方が、寝かせた状態で着脱させやすく、小さな身体に合わせて胴回りの調整等を行いやすい。また、月齢6月以内の乳児はハイハイで動き回る等、大きく身体を動かす心配がないため、パンツ型おむつのようなフィット性は要求されず、テープ型おむつであっても漏れ等は発生しにくい。そのため、月齢6月以内の乳児を育てている育児者(ユーザー)にとって利便性が高いテープ型おむつに関するサイトに接続するようにすると良い。
【0075】
また、S107のリンク処理において、おむつの吸収性能に関する情報が説明されているサイトに接続されることが望ましい。育児経験が少ない新米ママ等がユーザーである場合、おむつに関する知識が乏しいため、当該おむつにどの程度の吸収性能が要求されるのかが分からず、おむつの購入に迷ってしまうおそれがある。そこで、吸収性能に関する情報を含むサイトに接続することで、ユーザーが迷うことなく月齢6月以内の乳児に最適なおむつを購入等することができるようになる。
【0076】
S106で、おむつ濡れ判定画面310でキャラクターのボタンが押されなかった場合には(S106がNo)、そのまま泣き声判定処理を終了する。
【0077】
図2に戻って、S104の判定処理で、乳児が泣いている原因が「おむつが濡れたこと」ではないと判定された場合(S104がNo)、泣き声判定処理部111は、判定処理を継続させ、乳児が泣いている他の原因について判定を行う。例えば、本実施形態では乳児が泣いている原因が「眠気を感じていること」であるか否かについて判定が行われる(S108)。
【0078】
S108の判定処理で、乳児が泣いている原因が「眠気を感じていること」であると判定された場合(S108がYes)、画面表示処理部112は、判定された原因に対応した判定画面として「眠気判定画面320」を表示部14に表示させる(S109)。
図7は、眠気判定画面320一例を表す図である。眠気判定画面320は、ブランド名表示領域321と、メニュー表示領域322と、原因表示領域323と、キャラクター表示領域324と、確認ボタン325a,325bと、選択領域329とを有している。眠気判定画面320の基本的な構成は、おむつ濡れ判定画面310と同様であるため、以下では、異なる部分のみ説明する。
【0079】
眠気判定画面320の原因表示領域323には、乳児が泣いている原因として「おねむだよ!」等の文字が表示される。そして、キャラクター表示領域324には、おむつブランドに関連するキャラクターが、眠っている態様で表示される。ユーザーは、眠気判定画面320に表示されたキャラクターや文字情報を見ることで、乳児が眠気を原因として泣いていることを一見して理解することができる。このように、判定画面毎にキャラクターが異なる態様で表示されることにより、ユーザーは、乳児が泣いている原因を理解しやすくなる。さらに、表示されているキャラクターの態様が、乳児が泣いている原因と関連していることにより、その時点で乳児が何を感じているのか、何を要求しているのか等について、具体的な原因を分かりやすくユーザーに伝えることができる。これにより、ユーザーが、乳児が泣いている原因について勘違いしたり、誤った対処をしたりすることを抑制することができる。
【0080】
次いで、上述したS106と同様に、眠気判定画面320上でユーザーが所定の操作を行ったか否かが判断される(S110)。具体的には、キャラクター表示領域324に表示されるキャラクターのボタン(リンクボタン)がタップされたか否かが判断される。そして、キャラクターのボタンがタップされた場合(S110がYes)、リンク処理部113は、判定された原因に応じた適当なサイトへ接続するリンク処理を行う(S111)。例えば、子守歌を視聴可能な動画サイトへ接続する。これにより、面倒な操作をすることなく簡単に乳児に子守歌を聞かせることができるようになり、ユーザーは速やかに乳児を睡眠させることができる。
【0081】
再び、
図2に戻って、S108の判定処理で、乳児が泣いている原因が「眠気を感じていること」ではないと判定された場合(S108がNo)、泣き声判定処理部111は、判定処理を継続させ、乳児が泣いている他の原因についてさらなる判定を行う。例えば、乳児が泣いている原因が「空腹を感じていること」であるか否かについて判定を行う(S112)。
【0082】
S112の判定処理で、乳児が泣いている原因が「空腹を感じていること」であると判定された場合(S112がYes)、画面表示処理部112は、判定された原因に対応した判定画面として「空腹判定画面330」を表示部14に表示させる(S113)。
図8は、空腹判定画面330一例を表す図である。空腹判定画面330は、ブランド名表示領域331と、メニュー表示領域332と、原因表示領域333と、キャラクター表示領域334と、確認ボタン335a,335bと、選択領域339とを有している。空腹判定画面330の基本的な構成も、おむつ濡れ判定画面310と同様であるため、以下では、異なる部分のみ説明する。
【0083】
空腹判定画面330の原因表示領域333には、乳児が泣いている原因として「おなかがすいたよ~」等の文字が表示される。そして、キャラクター表示領域334には、おむつブランドに関連するキャラクターが、スプーンとフォークを持ってごはんを待っている態様で表示される。ユーザーは、空腹判定画面330に表示されたキャラクターや文字情報を見ることで、乳児が空腹を原因として泣いていることを一見して理解することができる。
【0084】
次いで、空腹判定画面330上でユーザーが所定の操作を行ったか否かが判断される(S114)。具体的には、キャラクター表示領域334に表示されるキャラクターのボタン(リンクボタン)がタップされたか否かが判断される。そして、キャラクターのボタンがタップされた場合(S114がYes)、リンク処理部113は、判定された原因に応じた適当なサイトへ接続するリンク処理を行う(S115)。例えば、母乳パッドの製品を紹介するサイトや粉ミルクを紹介するサイトへ接続する。これにより、ユーザーは、乳児に与える食事(母乳や粉ミルク等)に関する有益な情報を簡単に取得することができる。
【0085】
再び、
図2に戻って、S112の判定処理で、乳児が泣いている原因が「空腹を感じていること」ではないと判定された場合(S112がNo)、泣き声判定処理部111は、判定処理を継続させ、乳児が泣いている他の原因についてさらなる判定を行う。例えば、乳児が泣いている原因が「不安を感じていること」であるか否かについて判定を行う(S116)。
【0086】
S116の判定処理で、乳児が泣いている原因が「不安を感じていること」であると判定された場合(S116がYes)、画面表示処理部112は、判定された原因に対応した判定画面として「不安判定画面340」を表示部14に表示させる(S117)。
図9は、不安判定画面340一例を表す図である。不安判定画面340は、ブランド名表示領域341と、メニュー表示領域342と、原因表示領域343と、キャラクター表示領域344と、確認ボタン345a,345bと、選択領域349とを有している。不安判定画面340の基本的な構成も、おむつ濡れ判定画面310と同様であるため、以下では、異なる部分のみ説明する。
【0087】
不安判定画面340の原因表示領域343には、乳児が泣いている原因として「あそんでほしいよ~」等の文字が表示される。そして、キャラクター表示領域334には、おむつブランドに関連するキャラクターが、ハートマークを持ってユーザーに語りかけている態様で表示される。ユーザーは、不安判定画面340に表示されたキャラクターや文字情報を見ることで、乳児が不安を原因として泣いていることを一見して理解することができる。
【0088】
なお、本実施形態の泣き声判定において判定される「不安」には、乳児がさびしいと感じる感情、乳児が保護者(育児者)にかまってほしいと感じる感情、及び、乳児が痛いと感じる感情のいずれかが含まれている。したがって、乳児が泣いている原因として「不安」が判定された場合、ユーザーは、乳児をかまってあげることによって、これらの感情を取り除くことができる。不安の内容がある程度明確になるため、ユーザーは乳児の不安を解消させやすくなる。
【0089】
次いで、不安判定画面340上でユーザーが所定の操作を行ったか否かが判断される(S118)。具体的には、キャラクター表示領域344に表示されるキャラクターのボタン(リンクボタン)がタップされたか否かが判断される。そして、キャラクターのボタンがタップされた場合(S118がYes)、リンク処理部113は、判定された原因に応じた適当なサイトへ接続する処理を行う(S119)。例えば、キャラクターが歌って踊りながらおまじないを唱える、おまじないソングを視聴可能なサイトへ接続する。これにより、乳児のさびしや痛みを紛らわせ、また、乳児はユーザー(育児者)に加えてキャラクターにもかまってもらっているように感じるため、不安が解消されやすくなる。
【0090】
再び、
図2に戻って、S116の判定処理で、乳児が泣いている原因が「不安を感じていること」ではないと判定された場合(S116がNo)、画面表示処理部112は、原因を判定できなかったことを表す判定不能画面400を表示部14に表示させる判定不能表示処理を行う(S120)。
【0091】
図10は、判定不能画面400の一例を表す図である。判定不能画面400は、乳児が泣いている原因を判定できなかったことをユーザーに知らせると共に、再度泣き声判定処理を実施させるための画面である。判定不能画面400は、ブランド名表示領域401と、メニュー表示領域402と、キャラクター表示領域403と、説明表示領域404と、録音ボタン405と、選択領域410とを有している。このうち、キャラクター表示領域403には、おむつブランドに関連するキャラクターが、泣き声判定ができなかったことを謝っている態様で表示される。また、判定不能であったことをユーザーに伝えるメッセージ、及び、必要に応じてユーザーに泣き声判定の再試行を促すメッセージが表示される。ユーザーは、判定不能画面400が表示されたことを確認することにより、乳児が上述以外の原因により泣いていることを認識することができる。また、泣き声判定を再度実施することもできる。
【0092】
なお、
図2で説明した泣き声判定の動作では、判定処理において、S104,S108,S112,S116の順番で乳児が泣いている原因についての判定が行われていたが、判定の順番はこの限りではない。例えば、「眠気を感じていること」についての判定(S108)と、「空腹を感じていること」についての判定(S112)の順番が逆であっても良いし、他の順番であっても良い。また、上述した各ステップ(S104~S116)以外に、乳児が泣いているその他の原因について判定するステップが設けられていても良い。
【0093】
<変形例>
泣き声判定の動作において、乳児が泣いている原因について、当該乳児の月齢に応じた判定を行うように変形することもできる。上述の判定処理では、月齢6月以内の乳児を主な対象としていることを説明したが、月齢が6月を超えた乳児には感情が芽生えるため、上述した原因以外に、感情に起因した原因によって泣く場合がある。例えば、月齢6月以上の乳児は、「かんしゃく」や「イヤイヤ」等、嫌悪や恐怖に基づいた感情を原因として泣く場合がある。このような感情は、「おむつが濡れた」、「眠気を感じている」、「空腹を感じている」、「不安を感じている」のいずれとも異なることから、
図2のフローでは、判定不能となるおそれがある。そこで、変形例では、乳児の月齢が6月以上である場合に、「不安」とは異なる「他の感情」を、乳児が泣いている原因の一項目として追加して、当該「他の感情」についても判定できるようにし、判定不能となる確率を低くする。
【0094】
図11は、変形例における泣き声判定の処理手順の示すフロー図である。S201~S219の各ステップは、
図2で説明した処理手順と同様であるため説明を省略する。
【0095】
図11のS216で、乳児が泣いている原因が「不安を感じている」ではないと判定された場合(S216がNo)、月齢判定処理部114は、記憶部12に記憶されている乳児の個人情報データ(生年月日)を参照して乳児の月齢を算出し、月齢が6月以上であるか否かを判定する(S220)。乳児の月齢が6月未満であると判定された場合は(S220がNo)、判定不能画面400を表示させる(S223)。一方、乳児の月齢が6月以上であると判定された場合(S220がYes)、泣き声判定処理部111は、乳児が泣いている原因の一項目として「他の感情」を追加して、乳児が「他の感情」を原因として泣いているのか否かについて判定を行う(S221)。この「他の感情」には、少なくとも「嫌悪」及び「恐怖」のうち、いずれか一方が含まれている。なお、S220の月齢判定処理は、泣き声判定の開始時(例えばS201の直後等)に実施されるようにしても良い。
【0096】
そして、乳児が泣いている原因が「他の感情」であると判定された場合(S221がYes)、画面表示処理部112は、他の感情に関連する嫌悪感判定画面(不図示)を表示部14に表示させる(S222)。嫌悪感判定画面は、
図6~
図9で説明した各種判定画面と同様の構成とすることができる。また、嫌悪感判定画面にも他のサイトへ接続するためのリンクボタンが設けられ、ユーザーが当該リンクボタンをタップすることにより、「他の感情」を解消するための有益な情報を取得可能なサイトへ接続できるようにしておくと良い。一方、乳児が泣いている原因が「他の感情」ではないと判定された場合は(S221がNo)、S223に進んで処理を終了する。
【0097】
このように、乳児の月齢が所定以上(上述の例では6月以上)である場合に、乳児が泣いている原因として、乳児に芽生える可能性のある感情に関連した原因を追加して判定することにより、より正確な泣き声判定を実施することができる。なお、乳児の月齢が高くなるのに応じて上記以外の原因をさらに追加可能な構成としても良い。
【0098】
===その他の実施形態===
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱すること無く、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのは言うまでも無い。例えば、以下に示すような変形が可能である。
【0099】
上述の実施形態は、プログラムが、前述した各種の処理をコンピューター又はマイクロプロセッサに実行させることにより実現することも可能である。この場合、全ての処理をプログラムとして準備していても良いし、一部の処理をハードウェアに処理させ残りの処理をプログラムとして準備していても良い。
【0100】
また、実行可能なプログラムが記憶された非一時的なコンピューター可読媒体(non-transitory computer readable medium with an executable program thereon)を用いて、コンピューターにプログラムを供給することも可能である。なお、非一時的なコンピューターの可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、CD-ROM(Read Only Memory)等がある。
【符号の説明】
【0101】
10 端末(コンピューター)、
11 制御部、
111 泣き声判定処理部、112 画面表示処理部、113 リンク処理部、
114 月齢判定処理部、115 個人情報入力受け付け処理部、
12 記憶部、
13 入力部、
131 操作入力部、132 音声情報入力部、
14 表示部、
15 通信部、
200 トップ画面、
201 ブランド名表示領域、202 キャラクター表示領域、
203 メニュー表示領域、204 情報表示領域、
210 選択領域、
211 Newsボタン、212 泣き声判定ボタン、213 製品ボタン、
214 育児情報ボタン、215 乳児情報ボタン、
250 育児情報表示画面、
251 ブランド名表示領域、252 キャラクター表示領域、
253 メニュー表示領域、254 育児情報表示領域、260 選択領域、
300 泣き声判定開始画面、
301 ブランド名表示領域、302 メニュー表示領域、
303 キャラクター表示領域、304 説明表示領域、305 録音ボタン、
309 選択領域、
310 おむつ濡れ判定画面、
311 ブランド名表示領域、312 メニュー表示領域、313 原因表示領域、
314 キャラクター表示領域、315a,315b 確認ボタン、319 選択領域、
320 眠気判定画面、
321 ブランド名表示領域、322 メニュー表示領域、323 原因表示領域、
324 キャラクター表示領域、325a,325b 確認ボタン、329 選択領域、
330 空腹判定画面、
331 ブランド名表示領域、332 メニュー表示領域、333 原因表示領域、
334 キャラクター表示領域、335a,335b 確認ボタン、339 選択領域、
340 不安判定画面、
341 ブランド名表示領域、342 メニュー表示領域、343 原因表示領域、
344 キャラクター表示領域、345a,345b 確認ボタン、349 選択領域、
400 判定不能画面、
401 ブランド名表示領域、402 メニュー表示領域、403 キャラクター表示領、404 説明表示領域、405 録音ボタン、410 選択領域