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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-20
(45)【発行日】2023-03-29
(54)【発明の名称】藍藻含有錠剤
(51)【国際特許分類】
   A23L 33/10 20160101AFI20230322BHJP
   A23L 33/12 20160101ALI20230322BHJP
   A23L 31/00 20160101ALI20230322BHJP
   A23L 5/00 20160101ALI20230322BHJP
【FI】
A23L33/10
A23L33/12
A23L31/00
A23L5/00 D
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023500782
(86)(22)【出願日】2022-02-10
(86)【国際出願番号】 JP2022005228
(87)【国際公開番号】W WO2022176750
(87)【国際公開日】2022-08-25
【審査請求日】2023-01-10
(31)【優先権主張番号】P 2021022408
(32)【優先日】2021-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002886
【氏名又は名称】DIC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149445
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 孝幸
(74)【代理人】
【識別番号】100163290
【弁理士】
【氏名又は名称】岩本 明洋
(74)【代理人】
【識別番号】100214673
【弁理士】
【氏名又は名称】菅谷 英史
(74)【代理人】
【識別番号】100186646
【弁理士】
【氏名又は名称】丹羽 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】今井 康行
(72)【発明者】
【氏名】小関 友莉乃
【審査官】安孫子 由美
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-034896(JP,A)
【文献】特開2014-156436(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107950928(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106579428(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第103211927(CN,A)
【文献】特開2007-082444(JP,A)
【文献】特開2004-123578(JP,A)
【文献】特開平11-075771(JP,A)
【文献】All-In-One Multivitamin & Mineral tablet,Mintel GNPD [online],ID#5625063,2018年04月
【文献】ZHENG Yi et al.,Optimization of formulation and processing of Moringa oleifera and spirulina complex tablets,Saudi Journal of Biological Sciences,2017年,24,122-126
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23
A61
Mintel GNPD
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/CABA/FSTA(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
藍藻粉末及びαリノレン酸を含有する打錠飲食品であって、
前記藍藻粉末100重量部に対し、前記αリノレン酸を0.0035重量部以上含有し、
前記藍藻粉末及び前記αリノレン酸の合計量が、当該打錠飲食品総量に対して80重量%以上であることを特徴とする、打錠飲食品。
【請求項2】
前記藍藻粉末100重量部に対し、前記αリノレン酸を0.02重量部以下含有する、請求項1に記載の打錠飲食品。
【請求項3】
前記αリノレン酸が植物由来であることを特徴とする請求項1又は2に記載の飲食品。
【請求項4】
前記植物が大豆、ゴマのいずれかから選択される1種以上の植物であることを特徴とする請求項に記載の飲食品。
【請求項5】
藍藻粉末及び大豆粉末のみからなることを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の飲食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、打錠収率が向上した藍藻含有錠剤に関する。
【背景技術】
【0002】
藍藻類、特にスピルリナ属の藍藻類には、各種の生理活性を発揮するフィコシアニンが含まれていることが知られており、従来から各種製剤化が行われている。
これら藍藻含有製剤としては、スピルリナと各種有機酸と組み合わせたことを特徴とする藻類含有食品(特許文献1)や、スピルリナ乾燥粉末と発芽ピーナツ含有の健康食品(特許文献2)などが報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-82444号公報
【文献】特開2009-60865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、藍藻粉末は単独で打錠しようとした場合、打錠が出来ず、また吸湿等により崩壊するという問題がある。このため、錠剤化する際には、ショ糖脂肪酸エステルやデキストリンなどの賦形剤、結着剤を添加する必要があったが、近年これらの添加剤を忌避する消費者の嗜好に対応出来ていないという課題が存在した。
【0005】
本発明は、打錠収率が向上した藍藻錠剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、藍藻粉末及びαリノレン酸を含有する処方により、藍藻含有錠剤の打錠性、打錠収率が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、以下の態様を包含するものである。
【0008】
[1]藍藻粉末100重量部に対しαリノレン酸を0.0035重量部以上含有することを特徴とする、打錠飲食品。
【0009】
[2]前記αリノレン酸が植物由来であることを特徴とする[1]に記載の飲食品。
【0010】
[3]前記植物が大豆、ゴマのいずれかから選択される1種以上の植物であることを特徴とする[1]または[2]に記載の飲食品。
【0011】
[4]藍藻粉末及びαリノレン酸のみからなることを特徴とする[1]~[3]のいずれかに記載の飲食品。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、藍藻錠剤の打収率性を向上させるための処方を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る飲食品について詳細に説明するが、以下に記載の構成要件は、本発明の一実施態様としての一例であり、これらの内容に限定されるものではない。
【0014】
(飲食品)
本発明の飲食品は、藍藻粉末及びαリノレン酸を必須成分とする。
本発明における藍藻とは、スピルリナ(Spirulina)属、アルスロスピラ(Arthrospira)属、アファニゾメノン(Aphanizomenon)属、フィッシェレラ(Fisherella)属、アナベナ(Anabaena)属、ネンジュモ(Nostoc)属、シネコキスチス(Synechocystis)属、シネココッカス(Synechococcus)属、トリポスリクス(Tolypothrix)属、スイゼンジノリ(Aphanothece)属、マスティゴクラディス(Mastigoclaus)属、プルロカプサ(Pleurocapsa)属等の藍藻類である。中でも、工業的規模で生産され、その安全性が確認されているスピルリナ属およびアルスロスピラ属の藍藻類が好ましく、スピルリナ属の藍藻類を用いることがより好ましい。
また藍藻粉末は、生の藍藻類を乾燥した藍藻類であればよく、生の藍藻類を常法に従い乾燥品としたものであればよく、さらに乾燥した藍藻類を所望の粒度に粉砕したものであってもよい。これら藍藻粉末としては、市販品を使用することもできる。
【0015】
本発明に係る藍藻粉末製造時の乾燥方法は、本発明の効果が得られる範囲において特に限定されるものではなく常法を用いることができる。これら乾燥方法としては、例えば生の藍藻類を加熱乾燥、温風乾燥、凍結乾燥等の乾燥する方法等を用いることができ、中でも、藍藻類の水分が十分に除去され、また風味、有効成分が安定に保持されることから加熱乾燥又は凍結乾燥が好ましく、中でも凍結乾燥が最も好ましい。
【0016】
本発明に係る藍藻粉末製造時には、本発明の効果が得られる範囲において粉砕処理を行ってもよく、藍藻類を常法により粉砕することができる。これら粉砕方法としては、例えば、摩砕型衝撃式粉砕機、ピンミル、ジェットミル、剪断式粉砕機、マスコロイダー、グラインダー、石臼、低温凍結粉砕機のような粉砕機等、その他の公知の粉砕機を用いて行ってもよい。
【0017】
本発明に係る藍藻粉末は、本発明の効果が得られる範囲において特に限定されるものではないが、藍藻類を乾燥したものをそのまま用いてもよく、これら藍藻類を乾燥、粉砕を順不同に行ったものを用いてもよい。また更には乾燥と粉砕を同時に行ってもよい。
【0018】
本発明に係る藍藻粉末の平均粒子径は、本発明の効果が得られる範囲において特に限定されるものではないが、10μm以上500μm以下の範囲が好ましく、ハンドリングが容易であるため30μm以上125μm以下の範囲がより好ましく、打錠性がさらに良好なものとなることから40μm以上95μm以下の範囲が特に好ましい。なお、本発明における平均粒子径は粒子径分布測定装置を用いたレーザー解析・散乱法に測定した平均粒子径を採用する。
【0019】
本発明に係るαリノレン酸は、通常得られるαリノレン酸であればその起源は特に限定されるものではないが、大豆、ゴマ、紫蘇、荏胡麻、亜麻仁等の植物由来のαリノレン酸が好ましく、特に大豆、ゴマ由来のαリノレン酸が好ましい。また、本発明のαリノレン酸としては原料から抽出・単離されたαリノレン酸を用いてもよく、各種食品原料に成分として含まれるαリノレン酸を単離せずそのまま用いてもよい。
【0020】
本発明において、αリノレン酸は藍藻粉末100重量部に対し、αリノレン酸として0.0035重量部以上含まれることが好ましく、打錠飲食品の安定性が向上することから0.0039重量部以上0.02重量部以下の範囲で含まれることがより好ましく、更に風味も良好になることから0.007重量部以上0.016重量部以下の範囲で含まれることが特に好ましい。
【0021】
本発明の打錠飲食品において、藍藻粉末及びαリノレン酸の合計配合量は本発明の打錠性向上効果が得られる範囲において特に限定されるものではないが、打錠飲食品総量に対し藍藻粉末及びαリノレン酸が合計で50重量%以上含まれることが好ましく、打錠収率が向上することから80重量%以上含まれることがより好ましく、打錠収率の顕著な向上効果が得られることから90重量%以上含まれることが特に好ましく、他の原料の影響を加味せず好適な打錠性が得られることから100重量%であることが最も好ましい。
【0022】
本発明の打錠飲食品としては、打錠成形された飲食品であれば特に制限されるものではないが、例えば健康食品、機能性表示食品、特定保健用食品、栄養補助食品またはサプリメント等とすることができる。
【0023】
本発明の打錠飲食品は、本発明の効果が得られる範囲において飲食品に通常配合される成分を添加してもよく、例えば賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、保存剤、酸化防止剤、等張化剤、緩衝剤、コーティング剤、矯味剤、溶解補助剤、基剤、分散剤、安定化剤、着色剤等の添加剤を適宜組み合わせて、常法に従って調製することができる。
【0024】
賦形剤としては、でんぷん及びその誘導体(デキストリン、カルボキシメチルスターチ等)、セルロース及びその誘導体(メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等)、糖類(乳糖、白糖、ブドウ糖、トレハロース等)等、クエン酸または同塩類、リンゴ酸または同塩類、エチレンジアミン四酢酸または同塩類が挙げられる。
【0025】
結合剤としては、でんぷん及びその誘導体(アルファー化デンプン、デキストリン等)、セルロース及びその誘導体(エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等)、アラビアゴム、トラガント、ゼラチン、糖類(ブドウ糖、白糖等)、エタノール等を用いることができる。
【0026】
崩壊剤としては、でんぷん及びその誘導体(カルボキシメチルスターチ、ヒドロキシプロピルスターチ等)、セルロース及びその誘導体(カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等)、炭酸塩(炭酸カルシウム、炭酸水素カルシウム等)、トラガント、ゼラチン、寒天等を用いることができる。
【0027】
滑沢剤としては、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、酸化チタン、リン酸水素カルシウム、乾燥水酸化アルミニウムゲル、ショ糖脂肪酸エステル、食用油脂等を用いること挙げられる。
【0028】
保存剤としては、パラオキシ安息香酸エステル類、亜硫酸塩類(亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム等)、リン酸塩類(リン酸ナトリウム、ポリリン酸カルシウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム等)、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸グリセリン、糖類等が挙げられる。
【0029】
酸化防止剤としては、亜硫酸塩類(亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等)、エリソルビン酸、L-アスコルビン酸、システイン、チオグリセロール、ブチルヒドロキシアニゾール、ジブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、アスコルビン酸パルミテート、dl-α-トコフェロール等が挙げられる。
【0030】
等張化剤としては、塩化ナトリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、デキストリン、グリセリン、ブドウ糖等が挙げられる。
【0031】
緩衝剤としては、炭酸ナトリウム、塩酸、ホウ酸、リン酸塩(リン酸水素ナトリウム等)等が挙げられる。
【0032】
コーティング剤としては、セルロース誘導体(ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)、セラック、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン類(ポリ-2-ビニルピリジン、ポリ-2-ビニル-5-エチルピリジン等)、ポリビニルアセチルジエチルアミノアセテート、ポリビニルアルコールフタレート、メタアクリレート・メタアクリル酸共重合体等が挙げられる。
【0033】
矯味剤としては、糖類(ブドウ糖、白糖、乳糖等)、サッカリンナトリウム、糖アルコール類等が挙げられる。
【0034】
溶解補助剤としては、エチレンジアミン、ニコチン酸アミド、サッカリンナトリウム、クエン酸、クエン酸塩類、安息香酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリソルベート類、ソルビタン脂肪酸エステル類、グリセリン、ポリプレングリコール、ベンジルアルコール等が挙げられる。
【0035】
基剤としては、脂肪類(豚脂等)、植物油(オリーブ油、ゴマ油等)、動物油、ラノリン酸、ワセリン、パラフィン、樹脂、ベントナイト、グリセリン、グリコール油、等が挙げられる。
【0036】
分散剤として、アラビアゴム、トラガント、セルロース誘導体(メチルセルロース等)、アルギン酸ナトリウム、ポリソルベート類、ソルビタン脂肪酸エステル類等が挙げられる。
【0037】
安定化剤としては、亜硫酸塩類(亜硫酸水素ナトリウム等)、窒素、二酸化炭素等が挙げられる。
【0038】
さらに、本発明に係る打錠飲食品には、本発明の効果を妨げない範囲で、任意の食品材料、もしくは他の有効成分、又は食品に許容される添加物(例えば溶剤、軟化剤、油、乳化剤、防腐剤、酸味料、甘味料、苦味料、香味剤、pH調整剤、界面活性剤、安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、保湿剤、増粘剤、固着剤、分散剤、流動性改善剤、発泡剤、湿潤剤、香科、調味料、風味調整剤、等)等と適宜組み合わせて、常法に従って調製することができる。
上記他の有効成分(生物活性成分)等としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノ酸、糖、グリセリン、ビタミンA、B、C(アスコルビン酸)、D、E等のビタミン類、コラーゲン、コラーゲンペプチド、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸塩、セラミド等の成分をさせることができる。
【0039】
本発明に係る打錠飲食品は、本発明の効果が得られる範囲においてその製造方法は特に限定されるものではないが、各種原料を混合する混合工程、打錠工程を有する工程から製造されるものである。
【0040】
前記混合工程としては、V型混合機、W型混合機、ボーレコンテナミキサーを用いた混合を採用することができ、特にV型混合機を用いた混合が好ましい。
【0041】
前記打錠工程としては、ロータリー型打錠機、単発打錠機、双発打錠機、を用いた打錠を採用することができ、特にロータリー型打錠機を用いた打錠が好ましい。
【実施例
【0042】
以下に実施例を挙げて本発明を詳述するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0043】
(藍藻粉末)
以下の実施例及び比較例においてはDICライフテック株式会社製スピルリナ粉末(屋外培養槽で生産したスピルリナ乾燥藻体(噴霧乾燥品))を使用した。このスピルリナ粉末の平均粒子径は90μmであった。
【0044】
(錠剤の製造)
(実施例1~5、比較例1~4)
表1に示す配合に従って、原料粉末を混合し、混合粉末約3kgを調整した。具体的な製造方法は以下に示す通りである。各成分の混合は原料粉末を混合し、得られた混合粉末は打錠機(HT-AP24SS-U株式会社畑鐵工所)を用いて、回転数25rpmに設定して打錠成型に供することにより、藍藻錠剤(φ8mm、200mg)を製造した。
【0045】
実施例1~5で得られた打錠品について、打錠性、錠厚、硬度、摩損度を下記の方法で評価、測定を行った。
【0046】
(打錠性の評価)
打錠加工の評価として以下の基準で目視評価を行った(n=10)。
〇:打錠可能、全ての打錠品の外観が良好
△:打錠可能だが、打錠障害、割れ、欠け等外観不良品が混じる
×:打錠不可能。
【0047】
(錠厚の測定)
(錠厚・硬度の測定)
硬度試験器(PTB311E Pharma Test Apparatebau)を用いて錠剤の硬度を測定した。装置内のサンプルホルダーに錠剤を固定し、1粒ずつ測定した。合計で10粒を測定し、平均値を算出した。
【0048】
(摩損度試験)
錠剤摩損度試験器(TFT-120、富山産業株式会社)を使用し、錠剤の衝撃に対する摩損性やもろさを試験した。1ドラムにつき20粒の試料を使用し、試験前後に重量を測定した。回転数250回、回転時間10分に設定し、2つのドラムケースに各20粒ずつ入れ回転させた。回転終了後、エアーブロアーで錠剤に付着している粉を取り除き、割れや欠けがないことを確認した。摩損度(%)は((試験前錠剤重量)-(試験後錠剤重量))/(試験前錠剤重量)×100で算出した。
【0049】
(結果)
得られた結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
藍藻粉末100重量部に対し、αリノレン酸を0.0035重量部以上含む実施例1-5においては、流動性、打錠機の臼への充填ともに良く打錠加工が円滑に行われた。αリノレン酸を含まない比較例1、比較例2においては打錠障害により、打錠加工が不可能であった。また、藍藻粉末100重量部に対しαリノレン酸含有量が少ない混合粉末を使用した比較例3-4においても、打錠障害が発生した。
【0052】
実施例で示すように、本発明の処方により藍藻粉末の打錠収率が向上することが確認された。