IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ インテグリス・インコーポレーテッドの特許一覧

<>
  • 特許-化学機械研磨後洗浄組成物 図1
  • 特許-化学機械研磨後洗浄組成物 図2
  • 特許-化学機械研磨後洗浄組成物 図3
  • 特許-化学機械研磨後洗浄組成物 図4
  • 特許-化学機械研磨後洗浄組成物 図5
  • 特許-化学機械研磨後洗浄組成物 図6
  • 特許-化学機械研磨後洗浄組成物 図7
  • 特許-化学機械研磨後洗浄組成物 図8
  • 特許-化学機械研磨後洗浄組成物 図9
  • 特許-化学機械研磨後洗浄組成物 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-22
(45)【発行日】2023-03-30
(54)【発明の名称】化学機械研磨後洗浄組成物
(51)【国際特許分類】
   C11D 3/28 20060101AFI20230323BHJP
   C11D 1/722 20060101ALI20230323BHJP
   C11D 1/70 20060101ALI20230323BHJP
   C11D 3/04 20060101ALI20230323BHJP
   C11D 3/20 20060101ALI20230323BHJP
   C11D 3/30 20060101ALI20230323BHJP
   C11D 3/36 20060101ALI20230323BHJP
   C11D 1/72 20060101ALI20230323BHJP
   C11D 3/43 20060101ALI20230323BHJP
   C11D 1/68 20060101ALI20230323BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20230323BHJP
   C09K 3/14 20060101ALN20230323BHJP
【FI】
C11D3/28
C11D1/722
C11D1/70
C11D3/04
C11D3/20
C11D3/30
C11D3/36
C11D1/72
C11D3/43
C11D1/68
H01L21/304 647B
H01L21/304 622Q
C09K3/14 550D
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021533195
(86)(22)【出願日】2019-11-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-07
(86)【国際出願番号】 US2019062473
(87)【国際公開番号】W WO2020123112
(87)【国際公開日】2020-06-18
【審査請求日】2021-08-17
(31)【優先権主張番号】62/777,478
(32)【優先日】2018-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ダス, アタヌ ケー.
(72)【発明者】
【氏名】ホワイト, マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ホワイト, ダニエラ
【審査官】井上 恵理
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-016232(JP,A)
【文献】国際公開第2018/136511(WO,A1)
【文献】特開2015-073098(JP,A)
【文献】特開2012-072267(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0133716(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 1/00 -19/00
C23G 1/00 - 5/06
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)少なくとも1つの界面活性剤と、
(ii)少なくとも1つのpH調整剤と、
(iii)少なくとも1つの錯化剤と、
(iv)少なくとも1つの有機添加剤と、
(v)選択的に少なくとも1つの求核性化合物又は還元剤と
を含む組成物であって、
前記組成物が11~13.7のpHを有する場合に前記求核性化合物が存在し、前記組成物が6未満のpHを有する場合に前記還元剤が存在する、組成物。
【請求項2】
前記錯化剤が、1~5重量パーセントの量で存在し、(i)、(ii)、(iii)、(iv)、及び(v)の合計が、100重量パーセントに等しい、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
求核性化合物が、モルホリン、モノエタノールアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロパノールアミン、ジグリコールアミン、トリエチルアミン、N-メチルモルホリン、メチルエタノールアミン、N-アミノプロピルモルホリン、及び3-アミノ-プロパノールから選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
還元剤が次亜リン酸である、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
pH調整剤が、水酸化コリン、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化エチルトリメチルアンモニウム、水酸化メチルトリエチルアンモニウム、水酸化ジエチルジメチルアンモニウムから選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
錯化剤が、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸である、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
有機添加剤が、プロピレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、及びスルホランから選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
界面活性剤が、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール、ポリエチレングリコール2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール、ポリ(エチレングリコール)/ポリプロピレングリコールコポリマー、ノニルフェノールエトキシレート、及び脂肪アルコールエトキシレートから選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
(i)少なくとも1つの界面活性剤と、
(ii)少なくとも1つのpH調整剤と、
(iii)少なくとも1つの錯化剤と、
(iv)少なくとも1つの有機添加剤と、
(v)選択的に少なくとも1つの求核性化合物又は還元剤と
を含む組成物であって、
前記組成物が11~13.7のpHを有する場合に前記求核性化合物が存在し、前記組成物が6未満のpHを有する場合に前記還元剤が存在し、
前記組成物が:
(ii)水酸化コリンと、
(iii)1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸と、
(iv)プロピレングリコールn-ブチルエーテルと、
(v)モルホリンと、
を含み、さらに水を含む、組成物。
【請求項10】
(i)少なくとも1つの界面活性剤と、
(ii)少なくとも1つのpH調整剤と、
(iii)少なくとも1つの錯化剤と、
(iv)少なくとも1つの有機添加剤と、
(v)選択的に少なくとも1つの求核性化合物又は還元剤と
を含む組成物であって、
前記組成物が11~13.7のpHを有する場合に前記求核性化合物が存在し、前記組成物が6未満のpHを有する場合に前記還元剤が存在し、
前記組成物が:
(ii)水酸化コリンと、
(iii)1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸と、
(iv)トリエチレングリコールモノブチルエーテル及びプロピレングリコールメチルエーテルのうちの少なくとも一方と、
(v)モルホリンと、
を含み、さらに水を含む、組成物。
【請求項11】
セリア粒子及び化学機械研磨汚染物質を、前記粒子及び汚染物質をその上に有するマイクロ電子デバイスから除去するための方法であって、
(i)マイクロ電子デバイスを、少なくとも1つの界面活性剤と、少なくとも1つのpH調整剤と、少なくとも1つの錯化剤と、少なくとも1つの有機添加剤と、選択的に少なくとも1つの求核性化合物又は還元剤とを含む組成物と接触させることであって、前記組成物が11~13のpHを有する場合に前記求核性化合物が存在し、前記組成物が6未満のpHを有する場合に前記還元剤が存在する、組成物とマイクロ電子デバイスを接触させること
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、セリア粒子及び他の化学機械研磨スラリー汚染物質を、それらを表面に有するマイクロ電子デバイスから除去するための組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ電子デバイスウエハは、集積回路を形成するために使用される。マイクロ電子デバイスウエハは、シリコンなどの基板を含み、この基板には、絶縁性、導電性又は半導電性を有する異なる材料の堆積のための領域がパターニングされる。
【0003】
正確なパターニングを得るために、基板上に層を形成する際に使用された余分な材料を除去しなければならない。さらに、機能的及び信頼性の高い回路を製造するために、後続の処理の前に、平坦な又は平面のマイクロ電子ウエハ表面を調製することが重要である。したがって、マイクロ電子デバイスウエハの特定の表面を除去及び/又は研磨する必要がある。
【0004】
化学機械研磨又は平坦化(「CMP」)は、研磨などの物理的プロセスを酸化又はキレート化などの化学的プロセスと組み合わせることによって、マイクロ電子デバイスウエハの表面から材料を除去し、表面を研磨(例えば、平坦化)するプロセスである。その最も基本的な形態では、CMPは、除去、平坦化、及び研磨プロセス中に、マイクロ電子デバイスウエハの表面をバフ研磨する研磨パッドに、活性化学作用を有する研磨剤スラリーを適用することを含む。純粋に物理的又は純粋に化学的な作用を使用する除去又は研磨プロセスは、迅速で均一な除去を達成するためには、両方の相乗的な組み合わせほど効果的ではない。さらに、集積回路の製造において、CMPスラリーはまた、金属及び他の材料の複合層を含む膜を優先的に除去することができなければならず、これにより、後続のフォトリソグラフィー、又はパターニング、エッチング及び薄膜処理のために高度に平坦な表面を生成することができる。
【0005】
シャロートレンチ分離(STI)プロセスを使用してシリコン基板に分離領域を形成するためのフロントエンドオブライン(FEOL)法では、パッド酸化膜及びパッド窒化膜が半導体基板上に堆積され、分離領域に対応する基板の部分を露出するようにパターニングされる。次いで、基板の露出領域がエッチングされてトレンチを形成する。その後、基板エッチングによって生じた損傷を除去するために犠牲酸化プロセスが基板に施され、続いて、トレンチの表面に壁酸化膜が形成される。次に、トレンチ埋込酸化膜(例えば、HDP酸化膜と呼ばれる、高密度プラズマ化学気相成長法によって形成された酸化膜)が、トレンチに埋め込まれるように基板の表面に堆積される。次いで、パッド窒化膜が露出するまで、HDP酸化膜の表面に化学機械研磨が施される。次いで、得られた基板が洗浄され、トレンチエッチング中にエッチングバリアとして使用されたパッド窒化膜が除去されて、分離領域の形成を完了する。
【0006】
セリア粒子を使用するCMPスラリーは、一般に、シリカ含有スラリーと比較して、絶縁体についてより速い研磨速度を達成する。さらに、最小限の酸化物侵食でSTIパターン平坦化を達成する能力のために、セリア系スラリーが最も頻繁に使用される。不利なことに、セリア系スラリーは、酸化ケイ素及び窒化ケイ素の表面に対して反対に荷電したセリア粒子のゼータ電位のために、STI構造体から除去することが困難である。これらの残留物がウエハ上に残留した状態でデバイスが製造されると、残留物は短絡及び電気抵抗の増加をもたらす。セリア粒子はまた、セリアスラリーを使用するCMPプロセス後のFinFET構造に伴う課題でもある。
【0007】
現在、セリア粒子の除去に最も効果的な湿式洗浄配合物は、希フッ化水素酸(DHF)である。しかしながら、DHFは、不利なことに、酸化シリコン及び他の低誘電率材料をエッチングする。
【0008】
したがって、窒化ケイ素、低誘電率(例えば、酸化ケイ素)、及びタングステン含有層などの下層を損傷することなく、マイクロ電子デバイスの表面からセリア粒子を効果的に除去するセリア粒子除去組成物及びプロセスが依然として必要とされている。セリア粒子除去組成物はまた、マイクロ電子デバイスの表面からCMPスラリー汚染物質を効果的に除去すべきである。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、一般に、セリア粒子及びCMP汚染物質を、前記粒子及びCMP汚染物質を表面に有するマイクロ電子デバイス、特にPETEOS、窒化ケイ素、及びポリ-Si基板を有するマイクロ電子デバイスから洗浄するために特に有用である、除去組成物及びプロセスに関する。一態様では、水性除去組成物が記載され、前記組成物は、セリウムの除去を促進するのに効果的である求核剤又は還元剤、特定の界面活性剤及び錯化剤、並びに任意選択的に他の成分を含む。別の態様では、セリア粒子及びCMP汚染物質を、前記粒子及び汚染物質を表面に有するマイクロ電子デバイスから除去する方法が提供され、前記方法は、マイクロ電子デバイスから前記粒子及び汚染物質を少なくとも部分的に洗浄するのに十分な時間、マイクロ電子デバイスを除去組成物と接触させることを含み、前記除去組成物は、還元剤又は求核性化合物、特定の界面活性剤、錯化剤、及び任意選択的に他の成分を含む。界面活性剤は、デバイス表面上のセリアの再堆積を防止する働きをし、特定の場合には、反応の平衡をセリア種の錯化にシフトさせることによる除去を容易にする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】化学機械研磨後(CMP後)であるが本発明の組成物で処理する前のポリ-Si基板の走査電子顕微鏡写真(SEM)である。
図2】実施例9の組成物で処理した後のCMP後のポリ-Si基板のSEMである。
図3】実施例17の組成物で処理した後のCMP後のポリ-Si基板のSEMである。
図4】実施例19の組成物で処理した後のCMP後のポリ-Si基板のSEMである。
図5】化学機械研磨後であるが本発明の組成物で処理する前のPETEOS基板のSEMである。
図6】実施例14の組成物で処理した後のCMP後のPETEOS基板のSEMである。
図7】実施例25の組成物で処理した後のCMP後のPETEOS基板のSEMである。
図8】化学機械研磨後であるが本発明の組成物で処理する前の窒化ケイ素基板のSEMである。
図9】実施例7の組成物で処理した後のCMP後の窒化ケイ素基板のSEMである。
図10】実施例24の組成物で処理した後のCMP後の窒化ケイ素基板のSEMである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、一般に、セリア粒子及びCMP汚染物質を、そのような材料を表面に有するマイクロ電子デバイスから除去するのに有用な組成物に関する。有利には、セリア粒子及びCMP汚染物質は、組成物を使用して効果的に除去され、さらに、組成物は、窒化ケイ素及び低誘電率(例えば、酸化ケイ素)層と適合性がある。より低いpH範囲では、還元剤がセリウム-酸素結合を切断するために利用され、より高いpHでは、求核剤がセリウム-酸素結合を切断するために利用される。
【0012】
参照を容易にするために、「マイクロ電子デバイス」は、半導体基板、フラットパネルディスプレイ、相変化メモリデバイス、太陽電池パネル及び太陽電池基板、太陽光発電を含む他の製品、並びにマイクロ電子集積回路、又はコンピュータチップ用途で使用するために製造されたマイクロ電子機械システム(MEMS)に対応する。太陽電池基板には、シリコン、アモルファスシリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコン、CdTe、セレン化銅インジウム、硫化銅インジウム、及びガリウム上のヒ化ガリウムが含まれるが、これらに限定されない。太陽電池基板は、ドープされても、ドープされなくてもよい。「マイクロ電子デバイス」という用語は、決して限定することを意味するものではなく、最終的にマイクロ電子デバイス又はマイクロ電子アセンブリとなる任意の基板を含むことを理解されたい。
【0013】
本明細書で使用される場合、「セリア粒子」は、例えば、式Ce及びCeOを有する酸化セリウムを含む、化学機械研磨スラリーに使用され得るセリウム系研磨粒子に対応する。「セリア粒子」は、酸化セリウムを含んでもよく、酸化セリウムからなっていてもよく、又は酸化セリウムから本質的になっていてもよいことを理解されたい。
【0014】
本明細書で使用される場合、「汚染物質」は、CMPスラリー中に存在する化学物質、研磨スラリーの反応副生成物、CMP後残留物、ウェットエッチング組成物中に存在する化学物質、ウェットエッチング組成物の反応副生成物、及びCMPプロセス、ウェットエッチング、プラズマエッチング又はプラズマアッシングプロセスの副生成物である任意の他の材料に対応する。
【0015】
本明細書で使用される場合、「CMP後残留物」は、研磨スラリーからの粒子、例えば、スラリー中に存在する化学物質、研磨スラリーの反応副生成物、炭素に富む粒子、研磨パッド粒子、ブラシ脱落粒子、装置の構成材料粒子、金属、有機残留物、及びCMPプロセスの副生成物である任意の他の材料に対応する。さらに、タングステンがCMPプロセス中に除去された場合、CMP後残留物は、タングステン含有粒子をさらに含み得る。
【0016】
本明細書で定義されるように、「低誘電率材料」は、積層マイクロ電子デバイスにおいて誘電材料として使用される任意の材料に対応し、この材料は、約3.5未満の誘電率を有する。一般に、低誘電率材料には、シリコン含有有機ポリマー、シリコン含有ハイブリッド有機/無機材料、有機ケイ酸塩ガラス(OSG)、TEOS、フッ化ケイ酸塩ガラス(FSG)、二酸化ケイ素、及び炭素ドープ酸化物(CDO)ガラスなどの低極性材料が含まれる。低誘電率材料は、様々な密度及び様々な多孔性を有し得ることを理解されたい。
【0017】
本明細書で定義されるように、「錯化剤」には、当業者によって錯化剤、キレート剤及び/又は金属イオン封鎖剤であると理解される化合物のようなものが含まれる。錯化剤は、本明細書に記載の組成物を使用して、除去される金属原子及び/若しくは金属イオンと化学的に結合するか、又はそれらを物理的に保持する。
【0018】
「実質的にない」とは、本明細書では、2重量%未満、1重量%未満、0.5重量%未満、又は0.1重量%未満として定義される。「ない」は、環境汚染を説明するために、0.001重量%未満に対応することが意図されている。
【0019】
本明細書で使用される場合、「約」は、記載された値の+/-0.5%に対応することが意図されている。
【0020】
本明細書で使用される場合、「酸化剤」は、露出した金属を酸化して、金属の腐食又は金属上の酸化物生成をもたらす化合物に対応する。酸化剤には以下が含まれるが、これらに限定されない。過酸化水素、ペルオキソ一硫酸アニオン、過ホウ酸アニオン、過塩素酸アニオン、過ヨウ素酸アニオン、過硫酸アニオン、過マンガン酸アニオン、及び過酢酸アニオンを含有する塩及び酸などの他の過化合物、並びにアミン-N-オキシド。
【0021】
本明細書で使用される場合、「フッ化物含有化合物」は、別の原子にイオン結合したフッ化物イオン(F)を含む塩又は酸化合物に対応する。
【0022】
本明細書で定義されるように、「バリア材料」という用語は、金属ライン(例えば、銅相互接続)を封止して、前記金属(例えば、銅)の誘電材料内への拡散を最小限に抑えるために当該技術分野で使用される任意の材料に対応する。好ましいバリア層材料には、タンタル、チタン、ルテニウム、ハフニウム、タングステン、及び他の高融点金属並びにそれらの窒化物及びケイ化物が含まれる。
【0023】
本明細書で使用される場合、「界面活性剤」は、当業者によって容易に理解されるように、疎水性基及び親水性基を有する両親媒性種に対応するが、ポリマー界面活性剤は含まない。本明細書で定義されるように、「ポリマー」は、反復モノマー基を有する種に対応し、天然又は合成であり得る。「ポリマー」は、1種類のみの反復モノマーを有するホモポリマー、又は2種類以上の反復モノマーを有するコポリマーであり得ることを理解されたい。本明細書に記載の組成物に使用するための界面活性剤には、限定されるものではないが、両性塩、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及びそれらの組み合わせが含まれ、これらには、限定されるものではないが、デシルホスホン酸、ドデシルホスホン酸(DDPA)、テトラデシルホスホン酸、ヘキサデシルホスホン酸、ビス(2-エチルヘキシル)ホスフェート、オクタデシルホスホン酸、ペルフルオロヘプタン酸、プレフルオロデカン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ホスホノ酢酸、ドデシルベンゼンスルホン酸(DDBSA)、他のR1-ベンゼンスルホン酸又はその塩(R1は直鎖又は分岐C-C18アルキル基である)、ドデセニルコハク酸、ジオクタデシル水素ホスフェート、オクタデシルニ水素ホスフェート、ドデシルアミン、ドデセニルコハク酸モノジエタノールアミド、ラウリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ジュニペリン酸、12ヒドロキシステアリン酸、オクタデシルホスホン酸(ODPA)、ドデシルホスフェートが含まれる。企図される非イオン性界面活性剤には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ドデセニルコハク酸モノジエタノールアミド、エチレンジアミンテトラキス(エトキシレート-ブロック-プロポキシレート)テトラオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン又はポリプロピレングリコールエーテル、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドをベースにしたブロックコポリマー、ポリオキシプロピレンスクロースエーテル、t-オクチルフェノキシポリエトキシエタノール、10-エトキシ-9,9-ジメチルデカン-1-アミン、ポリオキシエチレン(9)ノニルフェニルエーテル、分岐、ポリオキシエチレン(40)ノニルフェニルエーテル、分岐、ジノニルフェニルポリオキシエチレン、ノニルフェノールアルコキシレート、ポリオキシエチレンソルビトールヘキサオレエート、ポリオキシエチレンソルビトールテトラオレエート、ポリエチレングリコールソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノオレエート、アルコールアルコキシレート、アルキル-ポリグルコシド、エチルペルフルオロブチレート、1,1,3,3,5,5-ヘキサメチル-1,5-ビス[2-(5-ノルボルネン-2-イル)エチル]トリシロキサン、モノマーオクタデシルシラン誘導体、シロキサン修飾ポリシラザン、シリコーン-ポリエーテルコポリマー、並びにエトキシ化フッ素系界面活性剤が含まれるが、これらに限定されない。企図されるカチオン性界面活性剤には、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)、ヘプタデカンフルオロオクタンスルホン酸、テトラエチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、4-(4-ジエチルアミノフェニルアゾ)-1-(4-ニトロベンジル)ピリジウムブロミド、セチルピリジニウムクロリド一水和物、ベンザルコニウムクロリド、ベンゼトニウムクロリド、ベンジルジメチルドデシルアンモニウムクロリド、ベンジルジメチルヘキサデシルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ジメチルジオクタデシルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムp-トルエンスルホネート、ジドデシルジメチルアンモニウムブロミド、ジ(水素化タロー)ジメチルアンモニウムクロリド、テトラヘプチルアンモニウムブロミド、テトラキス(デシル)アンモニウムブロミド、及びオキシフェノニウムブロミド、塩酸グアニジン(C(NHCl)又はテトラブチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジメチルジオクタデシルアンモニウムクロリド、ジメチルジヘキサデシルアンモニウムブロミド、ジ(水素化タロー)ジメチルアンモニウムクロリド、及びポリオキシエチレン(16)タローエチルモニウムエトサルフェートなどのトリフレート塩が含まれるが、これらに限定されない。企図されるアニオン性界面活性剤には、ポリ(アクリル酸ナトリウム塩)、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルナトリウム、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸塩、2-スルホコハク酸塩、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール及びそのエトキシ誘導体、2,3-ジメルカプト-1-プロパンスルホン酸塩、ジシクロヘキシルスルホコハク酸ナトリウム塩、7-エチル-2-メチル-4-ウンデシル硫酸ナトリウム、リン酸フッ素系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、並びにポリアクリレートが含まれるが、これらに限定されない。双性イオン性界面活性剤には、アセチレンジオール又は変性アセチレンジオール、エチレンオキシドアルキルアミン、N,N-ジメチルドデシルアミンN-オキシド、コカミンプロピネートナトリウム(sodium cocaminpropinate)、3-(N,N-ジメチルミリスチルアンモニオ)プロパンスルホン酸及び(3-(4-ヘプチル)フェニル-3-ヒドロキシプロピル)ジメチルアンモニオプロパンスルホン酸が含まれるが、これらに限定されない。
【0024】
本明細書で使用される場合、セリア粒子及びCMP汚染物質を、前記粒子及び汚染物質を表面に有するマイクロ電子デバイスから除去するための「適合性」は、マイクロ電子デバイスからの前記粒子/汚染物質の少なくとも部分的な除去に対応する。洗浄有効性は、マイクロ電子デバイス上の物体の減少によって評価される。例えば、洗浄前後の分析は、原子間力顕微鏡を使用して実施することができる。試料上の粒子は、ある範囲のピクセルとして記録することができる。ヒストグラム(例えば、Sigma Scan Pro)を適用して、特定の強度のピクセル(例えば、231-235)及び計数された粒子の数をフィルタリングすることができる。粒子の減少は、以下を使用して計算することができる。
【0025】
特に、洗浄有効性の決定方法は、例示のためだけに提供したものであり、この方法に限定することを意図するものではない。あるいは、洗浄有効性は、粒子状物質によって覆われている全表面の割合として考えてもよい。例えば、z平面走査を実行するようAFMをプログラムして、特定の高さの閾値を上回る対象のトポグラフィー領域を識別し、次いで、前記対象領域によって覆われた総面積を計算してもよい。当業者は、洗浄後に前記対象領域によって覆われた面積が少ないほど、除去組成物がより効果的であることを容易に理解するであろう。特定の実施形態では、本明細書に記載の組成物を使用して、粒子/汚染物質の少なくとも75%がマイクロ電子デバイスから除去され、粒子/汚染物質の少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%が除去される。
【0026】
本明細書に記載の組成物は、以下でより詳細に説明するように、多種多様な特定の配合物で実施することができる。
【0027】
組成物の特定の成分が、ゼロ下限を含む重量パーセントの範囲に関して論じられるすべてのそのような組成物において、そのような成分は、組成物の様々な特定の実施形態において存在しても、存在しなくてもよいこと、及びそのような成分が存在する場合、それらは、そのような成分が用いられる組成物の総重量に基づいて、0.00001重量パーセントという低い濃度で存在してもよいことが理解されるであろう。
【0028】
第1の態様では、本発明は、
(i)少なくとも1つの界面活性剤と、
(ii)少なくとも1つのpH調整剤と、
(iii)少なくとも1つの錯化剤と、
(iv)少なくとも1つの有機添加剤と、
(v)選択的に少なくとも1つの求核性化合物又は還元剤と、
を含む組成物であって、前記組成物が約11~13.7のpHを有する場合に前記求核性化合物が存在し、前記組成物が6未満のpHを有する場合に前記還元剤が存在する、組成物を提供する。
【0029】
さらなる実施形態では、本発明は、
(i)少なくとも1つの界面活性剤と、
(ii)少なくとも1つのpH調整剤と、
(iii)少なくとも1つの錯化剤と、
(iv)少なくとも1つの有機添加剤と、
(v)少なくとも1つの求核性化合物と
を含む組成物であって、前記組成物は、約11~13.7のpHを有する、組成物を提供する。
【0030】
さらなる実施形態では、本発明は、
(i)少なくとも1つの界面活性剤と、
(ii)少なくとも1つのpH調整剤と、
(iii)少なくとも1つの錯化剤と、
(iv)少なくとも1つの有機添加剤と、選択的に
(v)少なくとも1つの還元剤と
を含む組成物であって、前記組成物は、約4~6のpHを有する、組成物を提供する。
【0031】
本明細書で使用される場合、「求核性化合物」という用語は、化学反応において求核剤(nucelophiles)として作用すると理解される化合物を指す。言い換えれば、求核剤は、反応に関連して電子対を求電子剤に供与して化学結合を形成することができる化学種である。約11~13.7のより高いpH範囲での本発明の場合、求核性化合物が利用され、セリウム-酸素結合を切断する働きをし、セリア粒子の付随する錯化は、マイクロ電子デバイスの表面からのセリア粒子の除去を容易にする働きをする。
【0032】
一実施形態では、求核性化合物はアミンである。例としては、モノエタノールアミン(MEA)、モルホリン、イソプロピルアミン、ジイソプロパノールアミン、ジグリコールアミン、トリエチルアミン、N-メチルモルホリン、メチルエタノールアミン、N-アミノプロピルモルホリン、及び3-アミノ-プロパノールが挙げられる。
【0033】
さらなる求核性化合物には、一般式NRを有する種が含まれ、式中、R、R及びRは、互いに同じであっても異なっていてもよく、水素、直鎖又は分岐C-Cアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、及びヘキシル)基、直鎖又は分岐C-Cヒドロキシアルキル(例えば、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシペンチル、及びヒドロキシヘキシル)基、並びに上記で定義されるような直鎖又は分岐C-Cヒドロキシアルキル基のC-Cアルキルエーテルから選択される。特定の実施形態では、R、R及びRのうちの少なくとも1つは、直鎖又は分岐C-Cヒドロキシアルキル基である。例としては、アルカノールアミン、例えばアミノエチルエタノールアミン、N-メチルアミノエタノール、アミノエトキシエタノール、ジメチルアミノエトキシエタノール、ジエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、モノエタノールアミン(MEA)、トリエタノールアミン(TEA)、1-アミノ-2-プロパノール、2-アミノ-1-ブタノール、イソブタノールアミン、トリエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアンネ、メチルモルホリン、エチルモルホリン、モルホリン、3-アミノプロパノール、ジメチルアミノプロパン-3-オル、ジグリコールアミン、トレチルアミン、ベンキシルアミン、アミノメチルプロパノール、ジメチルアミノプロパノールアミン、他のC-Cアルカノールアミン及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。アミンがアルキルエーテル成分を含む場合、アミンは、アルコキサミン、例えば、1-メトキシ-2-アミノエタンと考えられ得る。
【0034】
6未満のより低いpH範囲で、これは1~3、又は1~6の範囲であり得る本発明の場合、還元剤が利用され、セリウム-酸素結合を切断する働きをし、セリア粒子の付随する錯化は、マイクロ電子デバイスの表面からのセリア粒子の除去を容易にする働きをする。本明細書で使用される場合、企図される還元剤には、次亜リン酸(HPO)、アスコルビン酸、L(+)-アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、DEHA(ジエチルヒドロキシルアミン)、亜硫酸、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸アンモニウム、亜ジチオン酸カリウム、及びそれらの組み合わせから選択される化合物が含まれる。
【0035】
一実施形態では、組成物は、フッ素化合物及び酸化剤を実質的に含まないか、又は含まない。
【0036】
一実施形態では、組成物は、水を含む溶媒をさらに含む。有機添加剤も存在し得る。有機添加剤の例としては、グリコール、及びグリコールエーテルが挙げられ、これらには、限定されるものではないが、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、及び高級アルコール(C-Cジオール及びC-Cトリオールなど)、テトラヒドロフルフリルアルコール(THFA)、ハロゲン化アルコール類(3-クロロ-1,2-プロパンジオール、3-クロロ-1-プロパンチオール、1-クロロ-2-プロパノール、2-クロロ-1-プロパノール、3-クロロ-1-プロパノール、3-ブロモ-1,2-プロパンジオール、1-ブロモ-2-プロパノール、3-ブロモ-1-プロパノール、3-ヨード-1-プロパノール、4-クロロ-1-ブタノール、2-クロロエタノールなど)、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、テトラヒドロフランN-メチルピロリジノン(NMP)、シクロヘキシルピロリジノン、N-オクチルピロリジノン、N-フェニルピロリジノン、メチルジエタノールアミン、ギ酸メチル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラメチレンスルホン(スルホラン)、ジエチルエーテル、フェノキシ-2-プロパノール(PPh)、プロプリオフェノン、乳酸エチル、酢酸エチル、エチルベンゾエート、アセトニトリル、アセトン、エチレングリコール、プロピレングリコール(PG)、1,3-プロパンジオール、ジオキサン、ブチリルラクトン、ブチレンカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(すなわち、ブチルカルビトール)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、トリプロピレングリコールメチルエーテル(TPGME)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールn-プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn-プロピルエーテル(DPGPE)、トリプロピレングリコールn-プロピルエーテル、プロピレングリコールn-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn-ブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(TEGDE)、二塩基エステル、グリセリンカーボネート、N-ホルミルモルホリン、リン酸トリエチル、ポリスチレンスルホン酸(PSSA)、並びにそれらの組み合わせが含まれる。
【0037】
各実施形態において、除去組成物は、マイクロ電子デバイスから残留物材料を除去する前に、酸化剤;フッ化物含有源;テトラメチルアンモニウム水酸化物;化学機械研磨研磨材(例えば、シリカ、アルミナなど);並びにシアヌル酸、バルビツル酸及びその誘導体、グルクロン酸、スクアリン酸、アルファ-ケト酸、アデノシン及びその誘導体、リボシルプリン及びその誘導体、プリン化合物及びその誘導体、アデノシンの分解生成物及びアデノシン誘導体、トリアミノピリミジン及び他の置換ピリミジン、プリン-サッカリド複合体、フェナントロリン、グリシン、ニコチンアミド及びその誘導体、フラボノイド、例えばフラボノール類及びアントシアニン類及びそれらの誘導体、クェルセチン及びその誘導体、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される腐食防止剤のうちの少なくとも1つを実質的に含まなくてもよい。さらに、除去組成物は、固化してポリマー固体を形成してはならない。
【0038】
錯化剤は、4-(2-ヒドロキシエチル)モルホリン(HEM)、1,2-シクロヘキサンジアミン-N,N,N’,N’-四酢酸(CDTA)、ヒドロキシエチルジエチレントラミン三酢酸(HEDTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、m-キシレンジアミン(MXDA)、イミノ二酢酸(IDA)、トリメチルアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ピペラジン、ヒドロキシエチルピペラジン、ジヒドロキシエチルピペリジン、グルカミン、N-メチルグルカミン、2-(ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸(HIDA)、ニトリロ三酢酸、チオウレア、1,1,3,3-テトラメチル尿素、尿素、尿素誘導体、尿酸、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、タウリン、ベタイン、及びそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない多官能性アミンでもよい。
【0039】
上述の錯化剤に代えて、又はそれに加えて、さらなる錯化剤には、ホスホネート類(例えば、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸(HEDP)、1,5,9-トリアザシクロドデカン-N,N’,N’’-トリス(メチレンホスホン酸)(DOTRP)、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-N,N’,N’’,N’’’-テトラキス(メチレンホスホン酸)(DOTP)、ニトリロトリス(メチレン)トリホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタキス(メチレンホスホン酸)(DETAP)、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、ビス(ヘキサメチレン)トリアミンペンタメチレンホスホン酸、1,4,7-トリアザシクロノナン-N,N’,N’’-トリス(メチレンホスホン酸(NOTP)、ヒドロキシエチルジホスホネート、ニトリロトリス(メチレン)ホスホン酸、2-ホスホノ-ブタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸、カルボキシエチルホスホン酸、アミノエチルホスホン酸、グリホセート、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)フェニルホスホン酸、それらの塩、及びそれらの誘導体)及び/又はカルボン酸類(例えば、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、アジピン酸、フタル酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸アンモニウム、トリカルバリル酸、トリメチロールプロピオン酸、ピコリン酸、ジピコリン酸、サリチル酸スルホサリチル酸、スルホフタル酸、スルホコハク酸、無水ベタイン、グルコン酸、酒石酸、グルクロン酸、2-カルボキシピリジン)及び/又はスルホン酸類、例えば、タイロン(4,5-ジヒドロキシ-1,3-ベンゼンジスルホン酸二ナトリウム塩。無水ベタイン)が含まれ得る。特定の実施形態では、錯化剤は、ニトリロ(トリス-メチレンホスホン酸)及びイミノ二酢酸を含む。特定の実施形態では、少なくとも1つの錯化剤は、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、硫酸、クエン酸及びそれらの組み合わせから選択される種を含む。一実施形態では、除去組成物中の錯化剤の量は、除去組成物の総重量に基づいて、約0.01重量%~約10重量%の範囲にある。
【0040】
好適なpH調整薬剤には、酸及び/又は塩基が含まれる。塩基には、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム(すなわち、アンモニア)及び式NROH(式中、R、R、R及びRは、互いに同じであっても異なっていてもよく、水素、直鎖又は分岐C-Cアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、及びヘキシル)基、C-Cヒドロキシアルキル(例えば、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシペンチル、及びヒドロキシヘキシル)基、並びに置換又は非置換C-C10アリール基(例えば、ベンジル基)からなる群から選択される)を有する水酸化テトラアルキルアンモニウム化合物が含まれるが、これらに限定されない。市販されている水酸化テトラアルキルアンモニウムには、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、水酸化テトラエチルアンモニウム(TEAH)、水酸化テトラプロピルアンモニウム(TPAH)、水酸化テトラブチルアンモニウム(TBAH)、水酸化トリブチルメチルアンモニウム(TBMAH)、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム(BTMAH)、水酸化コリン、水酸化エチルトリメチルアンモニウム、水酸化トリス(2-ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム、水酸化ジエチルジメチルアンモニウム、及びそれらの組み合わせが含まれ、それらを使用することができる。代わりに又は加えて、pH調整薬剤は、式(PR1011)OH(式中、R、R、R10、及びR11は、互いに同じであっても異なっていてもよく、水素、直鎖C-Cアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、及びヘキシル)基、分岐C-Cアルキル基、C-Cヒドロキシアルキル(例えば、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシペンチル、及びヒドロキシヘキシル)基、置換C-C10アリール基、非置換C-C10アリール基(例えば、ベンジル基)、並びにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される)を有する四級塩基、例えば、水酸化テトラブチルホスホニウム(TBPH)、水酸化テトラメチルホスホニウム、水酸化テトラエチルホスホニウム、水酸化テトラプロピルホスホニウム、水酸化ベンジルトリフェニルホスホニウム、水酸化メチルトリフェニルホスホニウム、水酸化エチルトリフェニルホスホニウム、水酸化N-プロピルトリフェニルホスホニウムであってもよい。酸には、硝酸、硫酸、リン酸、塩酸、臭化水素酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、酢酸、乳酸、グリコール酸、及びそれらの任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。一実施形態では、pH調整薬剤は、KOH及びCsOHのうち少なくとも1つから選択される。別の実施形態では、pH調整薬剤は水酸化コリンを含む。さらに別の実施形態では、pH調整薬剤は水酸化アンモニウムを含む。別の実施形態では、pH調整薬剤は、KOH及び本明細書に列挙される少なくとも1つの追加の水酸化物を含む。さらに別の実施形態では、pH調整薬剤は、KOHと、水酸化コリン及び水酸化アンモニウムのうちの少なくとも1つとを含む。これらの列挙された実施形態のいずれかに対して、pH調整薬剤は、少なくとも1つの酸、例えば、硝酸、硫酸、リン酸、又はそれらの組み合わせをさらに含むことができる。
【0041】
本発明の一実施形態では、pHは、約9を上回るように、別の実施形態では13、又は約13.1を上回るように調整される。本発明の一実施形態では、pHは、6未満、又は約4~約6、別の実施形態では約6になるように調整される。
【0042】
ポリマーは、存在する場合、メタクリル酸のホモポリマー及び例えば、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸及びマレイン酸とのコポリマー;マレイン酸/ビニルエーテルコポリマー;ポリ(ビニルピロリドン)/酢酸ビニル;ホモポリマー、例えば、ホスホン酸化ポリエチレングリコールオリゴマー、ポリ(アクリル酸)(PAA)、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ポリプロピレングリコール)(PPG)、ポリ(スチレンスルホン酸)、ポリ(ビニルスルホン酸)、ポリ(ビニルホスホン酸)、ポリ(ビニルリン酸)、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(プロピレンイミン)、ポリアリルアミン、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリビニルピロリドン(PVP)、PPG-PEG-PPGブロックコポリマー、PEG-PPG-PEGブロックコポリマー、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ヒドロキシエチル)アクリレート、ポリ(ヒドロキシエチル)メタクリレート、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、キサンタンガム、アルギン酸カリウム、ペクチン、カルボキシメチルセルロース、グルコサミン、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウム)クロリド、ポリAMPS、PVA AMPSコポリマー(「AMPS」はポリ(2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸)を意味する、PEG化(すなわち、ポリエチレングリコール化)メタクリレート/アクリレートコポリマー、ポリMADQuat及びそのコポリマー、ジメチルアミノメタクリレートポリマー及びそのコポリマー(compolymer)、トリメチルアンモニウムメチルメタクリレートポリマー及びそのコポリマー、並びにそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。上記コポリマーは、ランダムコポリマーであってもよく、又はブロックコポリマーであってもよい。存在する場合、組成物中のポリマーの量は、組成物の総重量に基づいて、約0.0001重量%~約5重量%の範囲にある。
【0043】
組成物は、それぞれの成分の単純な添加及び均質な状態への混合によって容易に配合される。さらに、組成物は、使用時点又はその前に混合される単一パッケージ配合物又はマルチパート配合物として容易に配合することができ、例えば、マルチパート配合物の個々のパートは、ツールにおいて、又はツールの上流の貯蔵タンク内で混合することができる。それぞれの成分の濃度は、組成物の特定の倍数で幅広く変化させることができ、すなわち、より希釈すること、又はより濃縮することができ、本明細書に記載の組成物は、本明細書の開示と一致する成分の任意の組み合わせを、様々に及び代替的に含むか、それからなるか、又は本質的にそれからなることができることを理解されたい。
【0044】
組成の割合に関して、特定の実施形態では、界面活性剤は、約0.01~0.5重量パーセントの量で存在し、(i)、(ii)、(iii)、(iv)、及び(v)の合計は、100重量パーセントに等しい。特定の実施形態では、錯化剤は、約1~5重量パーセントの量で存在し、(i)、(ii)、(iii)、(iv)、及び(v)の合計は、100重量パーセントに等しい。特定の実施形態では、有機添加剤は、約0.5~2.5重量パーセントの量で存在する。特定の実施形態では、
成分(v)は、約1~5重量パーセントの量で存在し、(i)、(ii)、(iii)、(iv)、及び(v)の合計は、100重量パーセントに等しい。
【0045】
pH調整薬剤の量は、本明細書に開示されるpH値、及び当業者の知識に基づいて、使用のために除去組成物を調製するときに求められる最終pHに依存する。
【0046】
成分の重量パーセント比の範囲は、組成物のすべての可能な濃縮又は希釈された実施形態を包含する。その目的のために、一実施形態では、洗浄溶液として使用するために希釈することができる濃縮除去組成物が提供される。濃縮組成物又は「濃縮物」は、有利には、使用者(例えば、CMPプロセス技術者)が使用時点で濃縮物を所望の強度及びpHに希釈することを可能にする。濃縮水性除去組成物の希釈は、約1:1~約2500:1、約5:1~約200:1、又は約20:1~約120:1の範囲であってもよく、水性除去組成物は、ツールにおいて、又はツールの直前で、溶媒、例えば脱イオン水で希釈される。希釈後、本明細書に開示の成分の重量パーセント比の範囲は不変のままでなければならないことが当業者には理解されよう。
【0047】
本明細書に記載の組成物は、エッチング後残留物除去、アッシング後残留物除去表面調製、めっき後洗浄及びCMP後残留物除去を含むが、これらに限定されない用途において有用性を有し得る。さらに、本明細書に記載の水性洗浄組成物は、装飾用金属、金属ワイヤボンディング、プリント回路基板、及び金属又は金属合金を使用する他の電子パッケージを含むが、これらに限定されない他の金属(例えば、銅含有及びタングステン含有)製品の洗浄及び保護に有用であり得ることが企図される。
【0048】
さらに別の実施形態では、本明細書に記載の除去組成物は、セリア粒子及び/又はCMP汚染物質をさらに含む。セリア粒子及び汚染物質は、洗浄が開始された後に除去組成物の成分となり、組成物中に溶解及び/又は懸濁される。
【0049】
除去組成物は、それぞれの成分の単純な添加及び均質な状態への混合によって容易に配合される。さらに、組成物は、使用時点又はその前に混合される単一パッケージ配合物又はマルチパート配合物として容易に配合することができ、例えば、マルチパート配合物の個々のパートは、ツールにおいて、又はツールの上流の貯蔵タンク内で混合することができる。それぞれの成分の濃度は、組成物の特定の倍数で幅広く変化させることができ、すなわち、より希釈すること、又はより濃縮することができ、本明細書に記載の組成物は、本明細書の開示と一致する成分の任意の組み合わせを、様々に及び代替的に含むか、それからなるか、又は本質的にそれからなることができることを理解されたい。
【0050】
したがって、別の態様は、1つ又は複数の容器内に、本明細書に記載の組成物を生成するように適合された1つ以上の成分を含むキットに関する。キットは、製造工場又は使用時点で追加の溶媒(例えば、水)と組み合わせるために、1つ又は複数の容器内に、(i)少なくとも1つの界面活性剤と、(ii)少なくとも1つのpH調整剤と、(iii)少なくとも1つの錯化剤と、(iv)少なくとも1つの有機添加剤と、選択的に(v)少なくとも1つの求核性化合物又は還元剤とを含んでもよい。キットの容器は、組成物の保管及び輸送に適していなければならず、例えば、NOWPak(登録商標)容器(Entegris,Inc.(米国マサチューセッツ州ビルリカ))であってもよい。
【0051】
一実施形態では、水性除去組成物の成分を含有する1つ又は複数の容器は、前記1つ又は複数の容器内の成分をブレンド及び分配のために流体連通させるための手段を含む。例えば、NOWPak(登録商標)容器を参照すると、前記1つ又は複数の容器内のライナーの外側にガス圧を加えて、ライナーの内容物の少なくとも一部を排出させ、したがって、ブレンド及び分配のための流体連通を可能にすることができる。あるいは、従来の加圧可能な容器のヘッドスペースにガス圧を加えてもよく、又はポンプを使用して流体連通を可能にしてもよい。さらに、特定の実施形態では、システムは、ブレンドされた除去組成物をプロセスツールに分配するための分配ポートを含む。
【0052】
マイクロ電子製造作業に適用される場合、本明細書に記載の除去組成物は、セリア粒子及び/又はCMP汚染物質(例えば、CMP後残留物及び汚染物質)をマイクロ電子デバイスの表面から洗浄するために有用に用いられる。除去組成物は、デバイス表面上の低誘電率材料(例えば、酸化ケイ素)、窒化ケイ素層、又はタングステン含有層を損傷しない。一実施形態では、水性除去組成物は、粒子除去の前にデバイス上に存在するセリア粒子の少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%を除去する。
【0053】
したがって、さらなる態様では、本発明は、セリア粒子及び化学機械研磨汚染物質を、前記粒子及び汚染物質を表面に有するマイクロ電子デバイスから除去するための方法であって、
(i)マイクロ電子デバイスを、本発明の組成物と接触させることと、
(ii)前記粒子及び汚染物質を、前記マイクロ電子デバイスから少なくとも部分的に除去することであって、前記マイクロ電子デバイスが、ポリ-Si、PETEOS、及び窒化ケイ素から選択される基板を含む、ことと
を含む方法を提供する。
【0054】
CMP後粒子及び汚染物質除去用途では、本明細書に記載の水性除去組成物は、Verteqの単一ウエハメガソニックGoldfinger、OnTrak systemsのDDS(両面スクラバ)、SEZ又は他の単一ウエハスプレーリンス、Applied MaterialsのMirra-Mesa(商標)/Reflexion(商標)/Reflexion LK(商標)、及びメガソニックバッチウェットベンチシステムを含むが、これらに限定されない、メガソニック及びブラシスクラビングなどの多種多様な従来の洗浄ツールと共に使用され得る。
【0055】
セリア粒子及びCMP汚染物質を、それらを表面に有するマイクロ電子デバイスから除去するための本明細書に記載の組成物の使用において、水性除去組成物は、典型的には、約20℃~約90℃、又は約20℃~約50℃の範囲の温度で、約5秒~約10分、又は約1秒~約20分、又は約15秒~約5分の時間デバイスと接触される。そのような接触時間及び温度は例示的なものであり、方法の広範な実施の範囲内で、セリア粒子及びCMP汚染物質をデバイスから少なくとも部分的に除去するのに効果的な任意の他の好適な時間及び温度条件を用いてもよい。「少なくとも部分的に洗浄する」及び「実質的な除去」はいずれも、特定の実施形態では、粒子除去の前にデバイス上に存在するセリア粒子の少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%の除去に対応する。
【0056】
所望の粒子除去作用の達成後、水性除去組成物は、本明細書に記載の組成物の所与の最終使用用途において所望され、効果的であり得るように、水性除去組成物が先に適用されたデバイスから容易に除去され得る。一実施形態では、すすぎ溶液には脱イオン水が含まれる。その後、窒素又は遠心脱水サイクルを使用してデバイスを乾燥させることができる。
【0057】
さらに別の態様は、本明細書に記載の方法に従って製造された改善されたマイクロ電子デバイス、及びそのようなマイクロ電子デバイスを含む製品に関する。
【0058】
別の態様は、リサイクルされた水性除去組成物に関し、除去組成物は、当業者によって容易に決定されるように、粒子及び/又は汚染物質の負荷が水性除去組成物が適応できる最大量に達するまでリサイクルされ得る。
【0059】
さらに別の態様は、マイクロ電子デバイスを含む物品を製造する方法に関し、前記方法は、本明細書に記載の除去組成物を使用して、セリア粒子及びCMP汚染物質を、前記粒子及び汚染物質を表面に有するマイクロ電子デバイスから除去するのに十分な時間、マイクロ電子デバイスを水性除去組成物と接触させることと、前記マイクロ電子デバイスを前記物品に組み込むこととを含む。
【0060】
別の態様では、セリア粒子及びCMP汚染物質を、それらを表面に有するマイクロ電子デバイスから除去する方法が記載される。本方法は、セリア粒子を含むCMPスラリーを使用してマイクロ電子デバイスを研磨することと、セリア粒子及びCMP汚染物質をマイクロ電子デバイスから除去してCMP後粒子含有組成物を生成するのに十分な時間、マイクロ電子デバイスを、少なくとも1つのpH調整薬剤、少なくとも1つの還元剤、少なくとも1つの有機添加剤、水、任意選択的に少なくとも1つの錯化剤、任意選択的に少なくとも1つのポリマー、及び任意選択的に少なくとも1つの脱酸素剤を含む水性除去組成物と接触させることと、マイクロ電子デバイスの実質的な洗浄を達成するのに十分な時間、マイクロ電子デバイスをCMP後粒子含有組成物と連続的に接触させることとを含む。上記の成分のいずれかを、セリア粒子及びCMP汚染物質を除去する本発明の方法において使用することができる。
【0061】
本発明は、その好ましい実施形態の以下の実施例によってさらに例示することができるが、これらの実施例は、単に例示の目的のために含まれ、特に明記しない限り本発明の範囲を限定することを意図しないことが理解されるであろう。
【実施例
【0062】
実験の項
以下の実施例1~28では、これらの実施例でセリウム-酸素結合切断剤として利用した求核性化合物(モルホリン)に加えて水酸化コリンを使用して、各組成物を約13.1のpHに調整した。
【0063】
以下の実施例では、基板試験片をセリアスラリー中に5分間、続いて脱イオン水(DIW)中に30秒間置いて、あらゆる吸着種又はあらゆる緩く結合した種を除去する。DIW処理した試験片を洗浄溶液中に1分間置き、続いてDIWで30秒間すすぐ。基板を空気乾燥させ、セリアで覆われた残りの面積をSEM(走査電子顕微鏡)法によって計算する。これらの実施例では、水酸化コリンを使用して水性組成物のpHを約6.1に調整した。
【0064】
以下の実施例では、AMAT Mirraツールで市販のセリアスラリーを用いてブランケットTEOSウエハを研磨し、次いでEntegris Planarcore(登録商標)ブラシを使用してブラシ洗浄することによって欠陥を決定した。次いで、ウエハをKLA-Tencore SP1で110nmの閾値での総欠陥について分析した。
【0065】
このように本開示のいくつかの例示的な実施形態を説明してきたが、当業者は、本明細書に添付の特許請求の範囲内でさらに他の実施形態を作成及び使用することができることを容易に理解するであろう。本明細書が対象とする本開示の多くの利点は、前述の説明に記載されている。しかしながら、本開示は、多くの点で単なる例示であることが理解されるであろう。本開示の範囲を超えることなく、特に部品の形状、サイズ、及び配置に関して、詳細に変更を加えることができる。本開示の範囲は、当然のことながら、添付の特許請求の範囲が表現される言語で定義される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10