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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-23
(45)【発行日】2023-03-31
(54)【発明の名称】発電素子の製造方法、及び、発電素子
(51)【国際特許分類】
   H02N 1/08 20060101AFI20230324BHJP
   B81C 1/00 20060101ALI20230324BHJP
   B81B 3/00 20060101ALI20230324BHJP
【FI】
H02N1/08
B81C1/00
B81B3/00
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020057713
(22)【出願日】2020-03-27
(65)【公開番号】P2021158821
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2021-12-02
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)(1)平成31年度、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「IoT推進のための横断技術開発プロジェクト/超高効率データ抽出機能を有する学習型スマートセンシングシステムの研究開発」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願、(2)平成30年度、国立研究開発法人科学技術振興機構「戦略的創造研究推進事業/微小エネルギーを利用した革新的な環境発電技術の創出/MEMS振動発電素子の製作と評価に関する研究」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】504137912
【氏名又は名称】国立大学法人 東京大学
(73)【特許権者】
【識別番号】000143949
【氏名又は名称】株式会社鷺宮製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】年吉 洋
(72)【発明者】
【氏名】下村 典子
(72)【発明者】
【氏名】芦澤 久幸
【審査官】中島 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-088777(JP,A)
【文献】特開2008-112755(JP,A)
【文献】特開2006-033535(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 24/00-27/30
H02K 31/00-31/04
H02K 35/00-35/06
H02K 39/00
H02K 47/00-47/30
H02K 53/00
H02K 99/00
H02N 1/00- 1/12
H02N 3/00-99/00
B81C 1/00
B81B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動により発電する発電素子の製造方法であって、
基板を準備することと、
第1電極と、前記第1電極に対向する第2電極を有する可動部とを有する発電素子を前記基板に複数形成することと、
複数の前記発電素子の各々の前記第1電極を電気的に接続する第1接続部と、複数の前記発電素子の各々の前記第2電極を電気的に接続する第2接続部とを前記基板に形成することと、
前記第1接続部及び前記第2接続部の各々の前記発電素子の端部まで設けられる部分を除去することと、を含む、
発電素子の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の発電素子の製造方法において、
前記基板を加熱すると共に、前記第1接続部及び前記第2接続部に電圧を供給すること
を含む、発電素子の製造方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の発電素子の製造方法において、
前記発電素子は、第3電極を有し、
前記第2電極は、前記第1電極及び前記第3電極の間に設けられ、
前記第1接続部は、複数の前記発電素子の前記第1電極及び前記第3電極を電気的に接続する、発電素子の製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載の発電素子の製造方法において、
前記発電素子は、前記第2電極を挟んで設けられる第4電極及び第5電極を有し、
前記第1接続部は、複数の前記発電素子の前記第1電極及び前記第3電極及び前記第4電極及び前記第5電極を電気的に接続する、発電素子の製造方法。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の発電素子の製造方法において、
前記基板から前記発電素子を切り出すことを含む、発電素子の製造方法。
【請求項6】
振動により発電する発電素子であって、
第1電極と、前記第1電極に対向する第2電極を有する可動部とが設けられる素子基板と、
前記第1電極に接続され、前記素子基板の端部まで設けられる第1接続部と、
前記可動部に接続され、前記素子基板の端部まで設けられる第2接続部と、
前記第2電極を挟んで設けられる第4電極及び第5電極と、
前記第4電極に接続され、前記素子基板の端部まで設けられる第4接続部と、
前記第5電極に接続され、前記素子基板の端部まで設けられる第5接続部と、
前記素子基板が有する第3電極と、
前記第3電極に接続され、前記素子基板の端部まで設けられる第3接続部と、を備え、
前記第2電極は、前記第1電極及び前記第3電極の間に設けられ、
前記第3接続部及び前記第4接続部は、それぞれ、前記素子基板の端部まで互いに異なる方向に延び、
前記第3電極と前記第5電極とは、前記第3接続部及び前記第5接続部を介して接続される、
発電素子。
【請求項7】
請求項に記載の発電素子において、
前記第1電極と前記第4電極とは、前記第1接続部及び前記第4接続部を介して接続される発電素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電素子の製造方法、及び、発電素子に関する。
【背景技術】
【0002】
エレクトレット化された可動櫛歯電極と固定櫛歯電極を備える振動発電素子が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-209935号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の振動発電素子では、可動櫛歯電極と固定櫛歯電極を含む基板を加熱しながら、可動櫛歯電極と固定櫛歯電極にプローバ針をそれぞれ接触させて電圧を印加することで、エレクトレットの形成が行われる。特許文献1の振動発電素子では、基板を加熱した状態でプローバ針を接触させるための大きな領域を振動発電素子内に確保する必要が生じ、振動発電素子の面積が増大するおそれがある。このため、1ウェハ当たりの振動発電素子の取れ数が減少するおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様によると、発電素子の製造方法は、振動により発電する発電素子の製造方法であって、基板を準備することと、第1電極と、前記第1電極に対向する第2電極を有する可動部とを有する発電素子を前記基板に複数形成することと、複数の前記発電素子の各々の前記第1電極を電気的に接続する第1接続部と、複数の前記発電素子の各々の前記第2電極を電気的に接続する第2接続部とを前記基板に形成することと、前記第1接続部及び前記第2接続部の各々の前記発電素子の端部まで設けられる部分を除去することと、を含む。
本発明の第2の態様によると、発電素子は、第1電極と、前記第1電極に対向する第2電極を有する可動部とが設けられる素子基板と、前記第1電極に接続され、前記素子基板の端部まで設けられる第1接続部と、前記可動部に接続され、前記素子基板の端部まで設けられる第2接続部と、前記第2電極を挟んで設けられる第4電極及び第5電極と、前記第4電極に接続され、前記素子基板の端部まで設けられる第4接続部と、前記第5電極に接続され、前記素子基板の端部まで設けられる第5接続部と、前記素子基板が有する第3電極と、前記第3電極に接続され、前記素子基板の端部まで設けられる第3接続部と、を備え、前記第2電極は、前記第1電極及び前記第3電極の間に設けられ、前記第3接続部及び前記第4接続部は、それぞれ、前記素子基板の端部まで互いに異なる方向に延び、前記第3電極と前記第5電極とは、前記第3接続部及び前記第5接続部を介して接続される。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、1ウェハ当たりの発電素子の取れ数を増やすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施の形態に係る発電素子の構成例を示す図である。
図2】第1の実施の形態に係る発電素子が形成されたウェハの一例を示す平面図である。
図3】第1の実施の形態に係る発電素子が形成されるウェハの一部の構成例を示す図である。
図4】第1の実施の形態に係る発電素子の別の構成例を示す図である。
図5】変形例1に係る発電素子が形成されるウェハの一部の構成例を示す図である。
図6】変形例2に係る発電素子が形成されるウェハの一部の構成例を示す図である。
図7】変形例3に係る発電素子が形成されるウェハの一部の構成例を示す図である。
図8】変形例4に係る発電素子の構成例を示す図である。
図9】変形例5に係る発電素子の構成例を示す図である。
図10】変形例5に係る発電素子が形成されるウェハの一部の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る発電素子の構成例を示す図である。発電素子(振動発電素子)10は、支持枠(支持部材)11と可動部12とを備え、後述するが、振動を利用して発電を行う。振動発電素子10は、例えば、シリコン基板やSOI(Silicon On Insulator)基板を基材として用い、MEMS技術を利用して製造される。振動発電素子10は、静電方式の発電素子であり、環境の振動のエネルギーを採取して電力を得る技術(エナジーハーベスティング)として利用可能である。
【0009】
支持枠(ベース)11は、電極16a、電極16b、電極16c、及び電極16dを有する。電極16a~16dは、支持枠11に対して固定して保持された電極であるともいえる。電極16aと電極16cは、可動部12の一部を挟んで、紙面上下方向(Y軸方向)に並んで配置される。また、電極16bと電極16dは、可動部12の他の一部を挟んで、Y軸方向に並んで配置される。以下の説明では、固定された電極16a、電極16b、電極16c、電極16dを、それぞれ第1固定電極16a、第2固定電極16b、第3固定電極16c、第4固定電極16dと称する。なお、図1の座標軸に示すように、Y軸に直交する紙面右方向をX軸プラス方向とする。他の図において、図1の座標軸を基準として、それぞれの図の向きが分かるように座標軸を表示する。
【0010】
可動部12は、電極13及び保持部18を有し、支持枠11内において電極13(以下、可動電極と称する)が紙面左右方向(X軸方向)に移動可能に構成される。可動電極13の一部は、第1固定電極16a及び第2固定電極16bの間において、第1固定電極16a及び第2固定電極16bの各々と対向して設けられる。また、可動電極13の他の一部は、第3固定電極16c及び第4固定電極16dの間において、第3固定電極16c及び第4固定電極16dの各々と対向して設けられる。
【0011】
第1固定電極16a、第2固定電極16b、第3固定電極16c、第4固定電極16d、及び、可動電極13は、それぞれ、櫛歯形状となる部分(櫛歯部分)を有し、櫛歯状の電極となる。第1固定電極16aの櫛歯部分17a、第2固定電極16bの櫛歯部分17b、第3固定電極16cの櫛歯部分17c、第4固定電極16dの櫛歯部分17dは、それぞれ、可動電極13の櫛歯部分14a、櫛歯部分14b、櫛歯部分14c、櫛歯部分14dと噛み合うように形成される。なお、第1固定電極16a、第2固定電極16b、第3固定電極16c、第4固定電極16d、及び可動電極13に設けられる櫛歯の数及び配置は、図示した例に限られない。
【0012】
可動電極13のうち、第1固定電極16aと対向する面、第2固定電極16bと対向する面、第3固定電極16cと対向する面、第4固定電極16dと対向する面の各々の表面近傍には、後述する帯電処理によってエレクトレットが形成される。可動電極13と第1固定電極16aとの間、可動電極13と第2固定電極16bとの間、可動電極13と第3固定電極16cとの間、及び可動電極13と第4固定電極16dとの間には、容量(静電容量)が形成される。なお、第1固定電極16a~第4固定電極16dに、エレクトレットを設けるようにしてもよい。
【0013】
保持部18は、弾性を有するように構成され、可動部12の可動電極13を保持(支持)する。保持部18は、例えば、第1固定電極16a~第4固定電極16d及び可動電極13と同じ材料(例えばシリコン)を用いて、可撓性を有するように形成される。保持部18の一端は、支持枠(支持部)11に接続されている。可動部12は、保持部18によって弾性的に支持された状態となり、X軸方向に移動(振動)可能となる。
【0014】
なお、実際に使用される際、振動発電素子10には、外部の回路として、例えば、振動発電素子10から電力が供給されて動作する電気回路(電気部品)が接続される。この電気回路は、振動発電素子10により発電された交流を直流に変換する変換部、コンデンサやバッテリ等の蓄電部などの回路(電源回路)である。電気回路は、実使用時に振動発電素子10と組み合わせて用いられ、実使用時に負荷として動作する。
【0015】
振動発電素子10に外部から振動が与えられると、保持部18に撓み(弾性変形)が生じ、可動部12はX軸方向に振動すると共に、可動電極13の変位が生じる。可動電極13の位置が変化することで、可動電極13と第1固定電極16a~第4固定電極16dとの各々の間隔(距離)が変化し、これら電極の櫛歯部分の互いに対向する領域の面積が増減する。例えば、可動電極13の櫛歯部分14aにおける第1固定電極16aの櫛歯部分17aに対向する領域の面積が変化する。これら面積の変化に応じて、電極間の静電容量(の大きさ)が変化し、可動電極13のエレクトレットの電界によって第1固定電極16a~第4固定電極16dにおいて誘起される電荷量が変化する。
【0016】
振動発電素子10に振動が加わると、可動電極13と第1固定電極16aとの間の静電容量が変化すると共に、可動電極13と第2固定電極16bとの間の静電容量も変化する。可動電極13及び第1固定電極16a間の静電容量が変動することで、上述した外部回路を介して可動電極13及び第1固定電極16a間において交流電流が流れ、発電が行われる。また、可動電極13及び第2固定電極16b間の静電容量が変動することで、外部回路を介して可動電極13及び第2固定電極16b間に交流電流が流れ、発電が行われる。
【0017】
また、本実施の形態では、振動発電素子10に振動が加わった場合、可動電極13と第3固定電極16cとの間の静電容量が変化すると共に、可動電極13と第4固定電極16dとの間の静電容量も変化する。可動電極13及び第3固定電極16c間の静電容量が変動することで、外部回路を介して可動電極13及び第3固定電極16c間において交流電流が流れ、発電が行われる。また、可動電極13及び第4固定電極16d間の静電容量が変動することで、外部回路を介して可動電極13及び第4固定電極16d間に交流電流が流れ、発電が行われる。振動発電素子10から外部回路に、交流電圧が供給されることになる。
【0018】
このように、本実施の形態に係る振動発電素子10では、振動に起因して生じる静電容量の変化を利用して、交流電力を生成することができる。振動発電素子10は、可動電極13及び第1固定電極16a間と、可動電極13及び第2固定電極16b間の各々で発電を行うため、発電量を増加させることができる。また、振動発電素子10は、可動電極13及び第3固定電極16c間と、可動電極13及び第4固定電極16d間の各々においても発電を行うため、発電量をさらに増加させることができる。振動エネルギーを効率よく電気エネルギーに変換することが可能となり、発電効率を向上させることができる。
【0019】
次に、振動発電素子10の帯電処理の一例について説明する。可動電極13の櫛歯部分14a~14dの表面にイオンを含む酸化膜を形成した後、振動発電素子10を加熱しながら可動電極13に電圧(バイアス電圧)を印加する処理が行われる。このような処理は、BT処理(Bias-Temperature Treatment)と呼ばれている。振動発電素子10の基板の温度を高温にしつつ、可動電極13と固定電極との間に電圧を加えることで、櫛歯部分14a~14dの酸化膜中のイオンの移動が生じる。その後、加熱及び電圧の供給が停止される。可動電極13の櫛歯部分14a~14dの酸化膜は、固定電荷を有する状態となり、エレクトレット膜(層)となる。可動電極13は、エレクトレット化された電極となり、半永久的に帯電する。本実施の形態では、このような電極を帯電させる処理は、個々の基板(素子基板)に切り分ける前のウェハ状態において行われる。素子基板は、振動発電素子10毎の基板(チップ)であり、図1を用いて上述したように固定電極及び可動電極等が設けられる。図1に示す端部10aは、素子基板の端部を表している。また、素子基板は、ウェハから切り出される個別の基板部分ともいえる。
【0020】
図2は、第1の実施の形態に係る発電素子が形成されたウェハの一例を示す平面図である。ウェハ(基板)100は、例えば、シリコン基板やSOI基板等の半導体基板、複数の基板を積層したもの(例えば、シリコン基板とガラス基板とを貼り合わせたもの)を用いて構成される。ウェハ100は、振動発電素子10がX軸方向及びY軸方向に複数配置される領域110を有する。図2に示す点線70は、ウェハ100に設けられるスクライブラインを模式的に表している。なお、他の図においても、スクライブライン70は、点線で示されている。
【0021】
本実施の形態では、ウェハ100において複数の振動発電素子10が形成される領域110の周囲に、電極91、92が設けられる。電極91及び電極92は、例えば、金属材料を用いて構成されるパッド(端子)である。図2に示す配線85及び配線86は、ウェハ100において引き回される配線パターンである。電極91は、後述するが、配線85を介して、ウェハ100内の各振動発電素子10の可動電極13に接続される。
【0022】
また、ウェハ100は、領域110のうちの振動発電素子10が形成される領域以外において、配線が設けられる領域80を有する。領域80は、振動発電素子10の周囲に設けられ、BT処理を行う際に用いられる。領域80は、実使用においては不要な領域であり、BT処理を行った後にスクライブライン70に沿ってウェハ100から振動発電素子10を切り出す際に、振動発電素子10とは切り離される。以下では、領域80を仮配線部80と称する。図2に示す例では、仮配線部80と振動発電素子10とはスクライブライン70を挟んでY軸方向に隣接し、振動発電素子10毎に仮配線部80が設けられるともいえる。
【0023】
仮配線部80には、図2に示すように、配線86が設けられる。配線86は、後述するが、ウェハ100内の各振動発電素子10の固定電極に接続される。配線86は、領域110の周辺に設けられる電極92まで引き出される。図2に示す例では、配線86は、領域110内においてX軸方向に延び、領域110外においてY軸方向に配線されて、電極92に接続される。
【0024】
図1に示すように、振動発電素子10は、接続部21~26を有する。接続部21は、可動電極13に電気的に接続され、振動発電素子10の素子基板の端部10aに向かって設けられる。接続部21は、可動電極13に接続される第1部分21aと、第1部分21aから素子基板の端部10aに向かって延びる第2部分21bを含む。図1に示す例では、接続部21は、可動電極13の左側に位置する。第2部分21bは、第1部分21aから振動発電素子10の素子基板の外周部(縁部)まで左方向に延びている。第2部分21bは、第1部分21aから支持枠11の端部(外周部)まで左方向に延びているともいえる。
【0025】
接続部22は、可動電極13に電気的に接続され、振動発電素子10の素子基板の端部10aに向かって設けられる。接続部22は、可動電極13に接続される第1部分22aと、第1部分22aから素子基板の端部10aに向かって延びる第2部分22bを含む。図1に示す例では、接続部22は、可動電極13の右側に位置する。第2部分22bは、第1部分22aから素子基板の外周部まで右方向に延びている。第2部分22bは、第1部分22aから支持枠11の端部まで右方向に延びているともいえる。
【0026】
接続部23は、第1固定電極16aに電気的に接続され、振動発電素子10の素子基板の端部10aに向かって設けられる。接続部23は、第1固定電極16aに接続される第1部分23aと、第1部分23aから素子基板の端部10aに向かって延びる第2部分23bを含む。図1に示す例では、第2部分23bは、第1部分23aから素子基板の外周部まで上方向に延びている。第2部分23bは、第1部分23aから支持枠11の端部まで上方向に延びているともいえる。
【0027】
接続部24は、第2固定電極16bに電気的に接続され、振動発電素子10の素子基板の端部10aに向かって設けられる。接続部24は、第2固定電極16bに接続される第1部分24aと、第1部分24aから素子基板の端部10aに向かって延びる第2部分24bを含む。図1に示す例では、第2部分24bは、第1部分24aから素子基板の外周部まで上方向に延びている。第2部分24bは、第1部分24aから支持枠11の端部まで上方向に延びているともいえる。
【0028】
接続部25は、第3固定電極16cに電気的に接続され、振動発電素子10の素子基板の端部10aに向かって設けられる。接続部25は、第3固定電極16cに接続される第1部分25aと、第1部分25aから素子基板の端部10aに向かって延びる第2部分25bを含む。図1に示す例では、第2部分25bは、第1部分25aから素子基板の外周部まで下方向に延びている。第2部分25bは、第1部分25aから支持枠11の端部まで下方向に延びているともいえる。
【0029】
接続部26は、第4固定電極16dに電気的に接続され、振動発電素子10の素子基板の端部10aに向かって設けられる。接続部26は、第4固定電極16dに接続される第1部分26aと、第1部分26aから素子基板の端部10aに向かって延びる第2部分26bを含む。図1に示す例では、第2部分26bは、第1部分26aから素子基板の外周部まで下方向に延びている。第2部分26bは、第1部分26aから支持枠11の端部まで下方向に延びているともいえる。
【0030】
第1部分21a~26aは、それぞれ、例えば金属材料を用いて構成されるパッド(電極)である。第1部分21a~26aは、振動発電素子10をパッケージに搭載する場合に、ボンディング工程においてワイヤが接続される部分である。なお、第1部分21a及び第1部分22aは、共に可動電極13に接続される部分であり、振動発電素子10内において互いに電気的に接続されている。このため、ボンディング工程では、第1部分21a及び第1部分22aのいずれか一方にワイヤを接続するようにしてもよい。この場合、第1部分21a及び第1部分22aのいずれか一方と、第1部分23a~第1部分26aとの計5か所のパッドにワイヤが接続されることになる。
【0031】
第2部分21b~26bは、それぞれ、可動電極13及び第1固定電極16a~第4固定電極16dと同じ材料(例えばシリコン)を用いて構成される配線である。第2部分23b~26bは、振動発電素子10の外側へ延びて、図2に示す仮配線部80の配線86に接続される。配線86も、可動電極13及び第1固定電極16a~第4固定電極16dと同じ材料を用いて構成される。第2部分23b~26bは、配線86の一部であるともいえる。なお、第2部分21b~26b、配線86を、他の材料(例えば金属材料)を用いて構成してもよい。また、図2に示す配線85も、可動電極13及び第1固定電極16a~第4固定電極16dと同じ材料を用いて構成されてもよいし、他の材料(例えば金属材料)を用いて構成されてもよい。
【0032】
図3は、第1の実施の形態に係る発電素子が形成されるウェハの一部の構成例を示す図である。図3は、ウェハ100に設けられる複数の振動発電素子10と、仮配線部80と、電極91及び電極92との接続関係を模式的に示している。なお、図3では、ウェハ100に設けられる複数の振動発電素子10のうちの一部の振動発電素子10のみを図示している。
【0033】
振動発電素子10の第2部分22bは、この振動発電素子10の右に位置する振動発電素子10の第2部分21bに接続される。複数の振動発電素子10のうちの右端の振動発電素子10の第2部分22bは、配線85を介して電極91に接続される。振動発電素子10の第2部分21b及び第2部分22bは、上述したように、振動発電素子10内で互いに電気的に接続されている。このため、電極91は、ウェハ100に設けられた各振動発電素子10の各々の可動電極13と電気的に接続される。
【0034】
振動発電素子10の第2部分23b及び第2部分24bは、仮配線部80の配線86を介して、他の振動発電素子10の第2部分23b、第2部分24b、第2部分25b、及び第2部分26bに接続される。また、振動発電素子10の第2部分23b及び第2部分24bは、仮配線部80の配線86を介して、この振動発電素子10の第2部分25b及び第2部分26bにも接続される。また、仮配線部80の配線86は、図2に示したように、振動発電素子10が形成される領域110外において、電極92に接続される。このため、電極92は、仮配線部80の電極86を介して、ウェハ100に設けられた各振動発電素子10の各々の第1固定電極16a~第4固定電極16dと電気的に接続される。
【0035】
本実施の形態では、電極91が各振動発電素子10の可動電極13と電気的に接続され、電極92が各振動発電素子10の第1固定電極16a~第4固定電極16dと電気的に接続される。電極91及び電極92にプローブ(針)を接触させて、電極91及び電極92間に電圧を印加することにより、各振動発電素子10の可動電極及び固定電極の間に電圧を与えることができる。このため、ウェハ状態でBT処理を行って、振動発電素子10にエレクトレットを形成させることが可能となる。
【0036】
ウェハ状態でBT処理を行う場合、ウェハの温度変化によって、プローブとウェハ上のプローブを当てるパッド(プローブ用パッド)との相対位置にずれが生じることが考えられる。BT処理においてウェハを高温にすることで、ウェハの熱膨張に起因する変形が生じ得る。このため、プローブとウェハのプローブ用パッドとの位置合わせ(アライメント調整)のためには、プローブ用パッドの大面積化が必要となる。プローブとプローブ用パッドとを精度良く接触させるためには、プローブ用パッドのサイズを十分に大きくする必要がある。このプローブ用パッドを振動発電素子内に配置する場合は、振動発電素子のチップ面積が増大してしまい、製造コストが増大するおそれがある。
【0037】
そこで、本実施の形態では、図2及び図3に示すように、振動発電素子10が形成される領域110の外側となる外周部に、電極91及び電極92が設けられる。BT処理を行う場合に電極91及び電極92をプローブ用パッドとして用いることで、振動発電素子10毎にプローブ用パッドとして大きなサイズのパッドを設ける必要がなくなる。このため、振動発電素子10の面積が増大することを防ぐことができ、1ウェハ当たりのチップの取れ数を増やすことが可能となる。また、振動発電素子10内のパッド(第1部分21a~26a)の面積を小さくすることができ、振動発電素子10のチップ面積を低減することができる。製造コストが増大することを抑制することができる。
【0038】
本実施の形態では、電極91及び電極92は、複数の振動発電素子10に共通の電極となる。このため、電極91、電極92、及び仮配線部80を用いることで、ウェハ100に設けられた複数の振動発電素子10のBT処理を同時に行うことができる。チップ状態の振動発電素子10を1つずつBT処理する場合と比較して、BT処理を短時間で効率良く行うことができる。また、BT処理が行われた後、上述したように、仮配線部80は、振動発電素子10(の接続部23~26)から切り離される。このため、接続部23~26に付加される容量(浮遊容量)を低減することができる。これにより、振動発電素子10及び外部回路における無効電力を低減することができ、発電効率を向上させることができる。
【0039】
なお、上述した第2部分21b~第2部分26bは、電極91及び電極92から振動発電素子10へ電圧を供給するための配線経路の一部として機能する。BT処理が行われた後、図4に示すように、振動発電素子10から第2部分21b~第2部分26bを除去するようにしてもよい。この場合、ウェットエッチングにより第2部分21b~第2部分26bを除去してもよいし、レーザ光により第2部分21b~第2部分26bを除去してもよい。また、ダイシングを行う際に、振動発電素子10から第2部分21b~第2部分26bを切り離すようにしてもよい。
【0040】
次に、第1の実施の形態に係る振動発電素子10の製造方法の一例について説明する。まず、基板(ウェハ)100として、上層のデバイス層と中間のBOX層と下層のハンドル層とを有するSOI基板を準備する。例えば、デバイス層及びハンドル層はシリコンを用いて構成され、BOX層はシリコン酸化膜を用いて構成される。
【0041】
基板100のデバイス層に、第1固定電極16a~第4固定電極16dと、可動電極13及び保持部18を有する可動部12と、接続部21~26の第2部分21b~26bと、配線85、86とを形成する。また、基板100に、接続部21~26の第1部分21a~26aと、電極91及び電極92とを形成する。なお、支持枠11は、基板100のハンドル層に形成される。
【0042】
次に、可動電極13の櫛歯部分14a~14dの表面にイオン(例えばカリウム(K)等のアルカリイオン)を含む酸化膜を、ウェット酸化処理によって形成する。そして、基板100を加熱すると共に、電極91及び電極92にプローブを接触させて通電するBT処理を行う。
【0043】
BT処理において、基板100全体が高温となって、可動電極13の櫛歯部分14a~14dに形成された酸化膜中のイオンが移動しやすい状態となる。この状態において、第1固定電極16a~第4固定電極16dと可動電極13との間に電圧が与えられることで、酸化膜中のイオンの移動が生じる。その後、基板100の加熱を停止し、電極91及び電極92への電圧の供給を停止する。このようにBT処理を行うことによって、酸化膜内のイオンが移動し、可動電極13の櫛歯部分14a~14dにおいてエレクトレット膜が形成される。
【0044】
次に、基板100をスクライブライン70(図2等を参照)で切断し、チップ(素子基板)毎に分離するダイシング工程を行う。この場合、チップ内に仮配線部80を残さないように、個々のチップに分割される。なお、エッチング又はレーザ光により、チップ内の第2部分21b~第2部分26bを除去してもよい。また、上述したダイシング工程の前に、第2部分21b~第2部分26bを除去するようにしてもよい。以上のような製造方法によって、図1又は図4に示す振動発電素子10を製造することができる。
【0045】
上述した実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)発電素子の製造方法は、振動により発電する発電素子の製造方法であって、基板100を準備することと、第1電極(例えば第1固定電極16a)と、第1電極に対向する第2電極(可動電極13)を有する可動部12とを有する発電素子10を基板に複数形成することと、複数の発電素子の各々の第1電極を電気的に接続する第1接続部と、複数の発電素子の各々の第2電極を電気的に接続する第2接続部とを基板に形成することと、を含む。本実施の形態では、基板100に設けられた各発電素子10の可動電極13が接続部21、22及び配線85により接続され、各発電素子10の第1固定電極16aが接続部23及び配線86により接続される。このため、発電素子10外に設けたプローブ用パッドから各発電素子10の可動電極と固定電極の間に電圧を供給することが可能となる。発電素子10内にプローブ用パッドとして大きなパッドを配置する領域を確保する必要が無く、発電素子10の面積が増大することを抑制することができる。これにより、1つのウェハ当たりの発電素子10の取れ数を増やすことが可能となる。
【0046】
(2)発電素子10は、振動により発電する発電素子であって、第1電極(例えば第1固定電極16a)と、第1電極に対向する第2電極(可動電極13)を有する可動部12とが設けられる素子基板と、第1電極に接続され、素子基板の端部まで設けられる第1接続部(接続部23)と、可動部に接続され、素子基板の端部まで設けられる第2接続部(接続部21、22)と、を備える。このようにしたので、本実施の形態では、発電素子10外に設けたプローブ用パッドから接続部21~接続部23を介して、可動電極と固定電極の間に電圧を供給することが可能となる。発電素子10内にプローブ用パッドとして大きなパッドを配置して発電素子10の面積が増大してしまうことを回避することができ、1ウェハ当たりの発電素子10の取れ数を増やすことが可能となる。
【0047】
(3)本実施の形態では、接続部21~接続部23を用いて、ウェハ状態においてBT処理が行われ、ウェハ100の各発電素子10にエレクトレット膜が形成される。このため、製造コストが増大することを抑制することができる。
【0048】
以下では、図面を参照して、変形例に係る発電素子について説明する。なお、図中、第1の実施の形態と同一もしくは相当部分には、同一の参照番号を付し、第1の実施の形態に係る発電素子との相違点を主に説明する。
【0049】
(変形例1)
図5は、変形例1に係る発電素子が形成されるウェハの一部の構成例を示す図である。接続部23は、第1部分23aから素子基板の端部に向かって左方向に延びる第3部分23cを有する。接続部24は、第1部分24aから左方向に延び、素子基板の端部に向かって上方向に延びる第3部分24cと、第1部分24aから素子基板の端部に向かって右方向に延びる第4部分24dとを有する。接続部25は、第1部分25aから右方向に延び、素子基板の端部に向かって下方向に延びる第3部分25cを有する。
【0050】
振動発電素子10の第3部分23cは、この振動発電素子10の左に位置する振動発電素子10の第4部分24dに接続される。振動発電素子10の第3部分24cは、この振動発電素子10の上に位置する振動発電素子10の第3部分25cに接続される。複数の振動発電素子10のうちの左端の振動発電素子10の第3部分23cは、配線86を介して電極92に電気的に接続される。
【0051】
また、振動発電素子10の第2部分23bは、この振動発電素子10の上に位置する振動発電素子10の第2部分25bに接続される。振動発電素子10の第2部分24bは、この振動発電素子10の上に位置する振動発電素子10の第2部分26bに接続される。電極92は、ウェハ100に設けられた各振動発電素子10の各々の第1固定電極16a~第4固定電極16dと電気的に接続されることになる。
【0052】
本変形例では、電極91及び電極92を用いることで、ウェハ100に設けられた複数の振動発電素子10のBT処理を並行して行うことができる。本変形例では、ウェハ100に仮配線部80が配置されないため、ウェハ100における振動発電素子10の取れ数を多くすることが可能となる。
【0053】
(変形例2)
図6は、変形例2に係る発電素子が形成されるウェハの一部の構成例を示す図である。接続部21は、第1部分21aから素子基板の端部に向かって上下方向に延びる第2部分21bを有する。接続部24は、第1部分24aから右方向に延び、接続部26の方に延びる第4部分24dを有する。接続部26は、第1部分26aから右方向に延び、接続部24の方に延びる第3部分26cを有する。
【0054】
第4部分24d及び第3部分26cは、振動発電素子10内において互いに接続される。複数の振動発電素子10のうちの下端の振動発電素子10の第3部分25c及び第2部分26bは、それぞれ、配線86を介して電極92に接続される。電極92は、ウェハ100に設けられた各振動発電素子10の各々の第1固定電極16a~第4固定電極16dと電気的に接続されることになる。
【0055】
振動発電素子10の第2部分21bは、この振動発電素子10の上に位置する振動発電素子10の第2部分21bに接続される。複数の振動発電素子10のうちの上端の振動発電素子10の第2部分21bは、配線85を介して電極91に接続される。電極91は、ウェハ100に設けられた各振動発電素子10の各々の可動電極13と電気的に接続されることになる。
【0056】
本変形例においても、変形例1と同様の作用効果を得ることができる。また、上述したように、第4部分24d及び第3部分26cが振動発電素子10内において互いに電気的に接続されるため、ボンディング工程において第1部分24a及び第1部分26aのいずれか一方にワイヤを接続するようにしてもよい。ボンディングに要する時間及びコストを低減することができる。
【0057】
(変形例3)
図7は、変形例3に係る発電素子が形成されるウェハの一部の構成例を示す図である。本変形例では、第2部分23bと第3部分24cと第2部分25bと第3部分26cは、振動発電素子10内において互いに電気的に接続される。複数の振動発電素子10のうちの下端の振動発電素子10の第2部分23bと第3部分24cと第2部分25bは、配線86を介して電極92に接続される。電極92は、ウェハ100に設けられた各振動発電素子10の各々の第1固定電極16a~第4固定電極16dと電気的に接続されることになる。
【0058】
本変形例においても、電極91及び電極92を用いることで、ウェハ100に設けられた各振動発電素子10のBT処理を行うことができる。なお、BT処理を行った後、接続部23の第2部分23bと接続部24の第3部分24cとを電気的に切断するために、例えば図7に点線で示す領域30の配線部分が除去される。BT処理後の振動発電素子10は、第4部分24d及び第3部分26cが振動発電素子10内において互いに電気的に接続され、第2部分23b及び第2部分25bが振動発電素子10内において互いに電気的に接続された状態となる。このため、ボンディング工程において、第1部分24a及び第1部分26aのいずれか一方と、第1部分23a及び第1部分25aのいずれか一方にワイヤを接続するようにしてもよい。ボンディングに要する時間及びコストを低減することができる。
【0059】
(変形例4)
上述した実施の形態および変形例では、振動発電素子10が第1固定電極16a~第4固定電極16dを有する例について説明したが、振動発電素子10を、第3固定電極16c及び第4固定電極16dを有しない構成、或いは、第1固定電極16a及び第2固定電極16bを有しない構成としてもよい。
【0060】
図8は、変形例4に係る発電素子の構成例を示す図である。図8に示す例では、振動発電素子10は、可動電極13及び保持部18を有する可動部12と、第1固定電極16a及び第2固定電極16bを有する支持部11とを備える。接続部27は、可動電極13に電気的に接続される第1部分27aと、第1部分27aから素子基板の端部10aに向かって下方向に延びる第2部分27bを含む。接続部28は、第1固定電極16aに接続される第1部分28aと、第1部分28aから素子基板の端部10aに向かって左方向に延びる第2部分28bを含む。接続部29は、第2固定電極16bに接続される第1部分29aと、第1部分29aから素子基板の端部10aに向かって右方向に延びる第2部分29bを含む。
【0061】
(変形例5)
振動発電素子10を、1つの可動電極と1つの固定電極を有する構成としてもよい。図9は、変形例5に係る発電素子の構成例を示す図である。図9に示す例では、振動発電素子10は、可動電極13及び保持部18を有する可動部12と、固定電極16を有する支持部11とを備える。接続部27は、可動電極13に電気的に接続される第1部分27aと、第1部分27aから素子基板の端部10aに向かって右方向に延びる第2部分27bを含む。接続部28は、固定電極16に接続される第1部分28aと、第1部分28aから素子基板の端部10aに向かって左方向に延びる第2部分28bを含む。
【0062】
図10は、変形例5に係る発電素子が形成されるウェハの一部の構成例を示す図である。図10に示す例では、仮配線部90の配線85を介して電極91と各振動発電素子10の接続部27とが電気的に接続され、仮配線部90の配線86を介して電極92と各振動発電素子10の接続部28とが電気的に接続される。この場合も、電極91及び電極92を用いることで、ウェハ100に設けられた複数の振動発電素子10のBT処理を並行して行うことができる。なお、上述した変形例1~3の場合と同様にして、仮配線部を設けずに、電極91と各振動発電素子10の接続部27とを電気的に接続し、電極92と各振動発電素子10の接続部28とを電気的に接続するようにしてもよい。
【0063】
(変形例6)
上述した実施の形態および変形例では、本発明を発電素子に適用する例について説明したが、本発明は、他の素子や装置に適用することができる。本発明を、例えばアクチュエータ、センサに利用してもよい。
【0064】
上記では、種々の実施形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0065】
10…発電素子、12…可動部、13…可動電極、16a…第1固定電極、16b…第2固定電極、16c…第3固定電極、16d…第4固定電極、21,22,23,24,25,26…接続部、100…基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10