(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-23
(45)【発行日】2023-03-31
(54)【発明の名称】物理的気相堆積チャンバの粒子低減装置及び方法
(51)【国際特許分類】
C23C 14/00 20060101AFI20230324BHJP
C23C 14/54 20060101ALI20230324BHJP
G03F 1/22 20120101ALI20230324BHJP
【FI】
C23C14/00 B
C23C14/54 A
G03F1/22
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018153342
(22)【出願日】2018-08-17
【審査請求日】2021-08-11
(32)【優先日】2017-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ジンダル, ビブー
(72)【発明者】
【氏名】バート, サンジェイ
(72)【発明者】
【氏名】フォード, マジード エー.
【審査官】神▲崎▼ 賢一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0251789(US,A1)
【文献】特開平07-086259(JP,A)
【文献】特表2016-519778(JP,A)
【文献】特表2013-528706(JP,A)
【文献】特開2000-313956(JP,A)
【文献】特開2005-139487(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 14/00
C23C 14/54
G03F 1/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理的気相堆積チャンバであって、
前記物理的気相堆積チャンバ内部の内部容積を画定するチャンバ壁と、
スパッタリングターゲットを支持するように構成され、前記内部容積の上方区分に配置されたバッキング板と、
前記バッキング板の下で基板を支持する支持面を有する基板支持体と、
前記バッキング板と前記基板支持体との間の中心領域と、
前記中心領域を囲むシールドを含む処理キットであって、前記シールドが、内面、上部及び下部を有する円筒形本体を備える、処理キットと、
前記シールドの内面に位置づけされ
、前記中心領域内にある第1の電極アセンブリと、
前記シールドの前記内面に位置づけされ
、前記中心領域内にある磁石と
を備え、第1の電極アセンブリは、物理的気相堆積処理中に生成された
不良を生じさせる粒子を横方向に変位させる電磁場を発生させるように位置づけ及び構成され、前記第1の電極アセンブリと前記磁石とは協働して、前記物理的気相堆積処理中に前記基板支持体上の基板に
、不良を生じさせる前記粒子が接触するのを防止する、物理的気相堆積チャンバ。
【請求項2】
前記磁石は、前記シールドの前記下部に位置づけされ、前記第1の電極アセンブリは、前記シールドの前記上部に位置づけされている、請求項1に記載の物理的気相堆積チャンバ。
【請求項3】
前記シールドの内面且つ前記上部に位置づけされた第2の電極アセンブリと、前記第1の電極アセンブリと前記第2の電極アセンブリとに電圧を供給する電源とを更に備える、請求項2に記載の物理的気相堆積チャンバ。
【請求項4】
前記第1の電極アセンブリと前記第2の電極アセンブリとは弓形である、請求項3に記載の物理的気相堆積チャンバ。
【請求項5】
前記物理的気相堆積処理中に生成された粒子を横方向に変位させる電場を発生させるために、前記第1の電極アセンブリと前記第2の電極アセンブリとの間に所定の電圧差を選択的に生じさせるように構成されたコントローラを更に備える、請求項4に記載の物理的気相堆積チャンバ。
【請求項6】
前記磁石は電磁石を含み、前記物理的気相堆積チャンバは、第2の電源と、前記物理的気相堆積処理中に生成された粒子を前記基板支持体から離れるように変位させる磁場を電磁石が発生させるように、電流を選択的に印加する第2のコントローラとを備える、請求項5に記載の物理的気相堆積チャンバ。
【請求項7】
前記電磁石をカバーする磁石カバーを更に備える、請求項6に記載の物理的気相堆積チャンバ。
【請求項8】
物理的気相堆積チャンバ内で基板を処理する方法であって、
チャンバ壁によって画定され、上方区分と下方区分とを含み、前記下方区分に基板支持体を含む前記物理的気相堆積チャンバの内部容積内部の前記基板支持体上に基板を配置することと、
上方区分内の前記基板支持体の上に位置する原料のターゲットから材料をスパッタリングすることであって、前記原料のターゲットと前記基板支持体との間に中心領域があり、処理キットが前記中心領域を囲むシールドを含み、前記シールドが内面、上部及び下部を有する円筒形本体を備え、磁石が前記シールドの前記下部の内面上に位置づけされ
且つ前記中心領域内にある、スパッタリングすることと、
物理的気相堆積処理中に生成された
不良を生じさせる粒子を横方向に変位させ
るために、前記シールドの前記上部の内面上に位置づけされた第1の電極アセンブリに電圧を印加
し、前記第1の電極アセンブリと前記磁石とが協働して、前記物理的気相堆積処理中に前記基板支持体上の基板に、不良を生じさせる前記粒子が接触するのを防止することと
を含む方法。
【請求項9】
前記シールドの内面且つ前記上部に位置づけされた第2の電極アセンブリがあり、前記第1の電極アセンブリと前記第2の電極アセンブリとに電圧を印加することを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記物理的気相堆積処理中に生成された粒子を横方向に変位させる電場を発生させるために、前記第1の電極アセンブリと前記第2の電極アセンブリとの間に所定の電圧差を選択的に生じさせることを更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記磁石は電磁石を含み、前記物理的気相堆積処理中に生成された粒子を前記基板支持体から離れるように変位させる磁場を電磁石が発生させるように、電磁石に電流を選択的に印加することを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
静的電磁場を発生させることを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
動的電磁場を発生させることを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記磁場及び前記電場を別々に調整することを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
EUVマスクブランクを形成することを含み、
前記
原料のターゲットから材料をスパッタリング
することが、マルチカソード物理的気相堆積チャンバ内で前記基板上に複数層リフレクタ材料の交互層を堆積させるこ
とを含む、請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は概して、基板処理システムに関し、より具体的には、物理的気相堆積(PVD)処理システムに関する。
【0002】
[0002]半導体集積回路の製造において金属及び関連材料の堆積に物理的気相堆積(PVD)とも称されるスパッタリングが長く使用されてきた。スパッタリングの使用は、ビア又は他の垂直配線構造等の高アスペクト比の孔の側壁上に金属層を堆積させるだけでなく、極紫外線(EUV)マスクブランクの製造にまで拡大している。EUVマスクブランクの製造では、粒子生成を最小限に抑えることが好ましく、これは、粒子が最終製品の特性に悪影響を及ぼすためである。
【0003】
[0003]プラズマスパッタリングは、直流スパッタリング又は高周波スパッタリングのいずれかを使用して達成されうる。プラズマスパッタリングは通常、プラズマ密度が高まりスパッタ速度が改善するように処理空間の中に磁場を放出するために、スパッタリングターゲットの裏側に位置づけされたマグネトロンを含む。マグネトロン内で使用される磁石は通常、直流スパッタリングにおいては閉ループであり、高周波スパッタリングにおいては開ループである。
【0004】
[0004]プラズマ促進基板処理システム、例えば物理的気相堆積(PVD)チャンバでは、高磁場及び高直流電源の高出力密度PVDスパッタリングにより、スパッタリングターゲットにおいて高エネルギーが発生し、スパッタリングターゲットの表面温度が大幅に上昇しうる。スパッタリングターゲットは、ターゲットのバッキング板を冷却流体に接触させることによって冷却される。しかしながら、上記冷却は、ターゲットからの熱を捕らえて除去するのには十分ではない可能性があることが分かっている。ターゲットに熱が残った結果、スパッタ材料とバッキング板全体の熱勾配に起因する大きな機械的反りが生じうる。機械的反りは、処理されるウエハのサイズが大きければ大きいほど増加する。この更に大きいサイズにより、ターゲットが熱、圧力、及び重力荷重下で反る/変形する傾向が悪化する。反りの影響には、ターゲット材料において誘発される破砕につながりうる機械応力、ターゲットの損傷、及びプラズマ特性に変化を生じさせうる(例えば、プラズマを維持する能力、スパッタ/堆積速度、及びターゲットの腐食に影響を与える最適なあるいは好ましい処理条件から処理レジームが逸脱する)磁石アセンブリからターゲット材料の面までの距離の変化が含まれうる。
【0005】
[0005]加えて、ターゲットの温度が高いとターゲット材料の再スパッタリングが起こり、これは、粒子が生成され、PVDチャンバの他の部分及びチャンバ内で処理されるウエハに欠陥が生じる原因となる。更に、シールドへの堆積により、膜応力、熱応力、及び凝集力の問題に起因して特定の厚さ以降に薄片が割れ始め、粒子生成の別の原因となる。基板上に粒子が堆積されるのを効率的に低減させる及び/又は防止する装置及び方法を提供する必要がある。
【発明の概要】
【0006】
[0006]本開示の一又は複数の実施形態は、物理的気相堆積チャンバを対象としたものである。チャンバは、物理的気相堆積チャンバ内部の内部容積を画定するチャンバ壁と、スパッタリングターゲットを支持するように構成され、内部容積の上方区分に配置されたバッキング板と、バッキング板の下で基板を支持する支持面を有する基板支持体と、バッキング板と基板支持体との間の中心領域と、中心領域を囲むシールドを含む処理キットであって、シールドが、内面、上部及び下部を有する円筒形本体を備える、処理キットと、シールドの内面に位置づけされた第1の電極アセンブリと、シールドの内面に位置づけされた磁石とを備える。第1の電極アセンブリが物理的気相堆積処理中に生成された粒子を横方向に変位させる電磁場を発生させるように位置づけ及び構成され、第1の電極アセンブリと磁石が協働して、物理的気相堆積処理中に基板支持体上の基板に粒子が接触するのを防止する。
【0007】
[0007]本開示の他の実施形態は、物理的気相堆積チャンバ内で基板を処理する方法に関連する。本方法は、チャンバ壁によって画定された物理的気相堆積チャンバの内部容積内の基板支持体上に基板を配置することを含む。内部容積は、上方区分と下方区分とを含む。基板支持体は、下方区分内にある。上方区分内の基板支持体の上に位置する原料のターゲットから材料がスパッタリングされる。原料のターゲットと基板支持体との間に中心領域があり、処理キットは中心領域を囲むシールドを含む。シールドは、内面、上部及び下部を有する円筒形本体を備える。磁石は、シールドの下部の内面上に位置づけされている。物理的気相堆積処理中に生成された粒子を横方向に変位させて、物理的気相堆積処理中に基板支持体上の基板に前記粒子が接触するのを防止するために、シールドの上部の内面上に位置づけされた第1の電極アセンブリに電圧が印加される。
【0008】
[0008]本開示の別の実施形態は、物理的気相堆積チャンバ内でEUVマスクブランクを製造する方法が対象である。本方法は、ターゲットから材料をスパッタリングすることによって、マルチカソード物理的気相堆積チャンバ内で基板上に多層リフレクタ材料の交互層を堆積させることを含む。基板は、チャンバ壁によって画定された物理的気相堆積チャンバの内部容積内に置かれる。内部容積は、上方区分、下方区分、及び中心領域を含む。基板は、中心領域を囲むシールドによって囲まれている。シールドは、内面、上部及び下部を有する。粒子は、スパッタリング中に生成され、粒子が基板上に堆積されるのを防止するために、シールドの上部において生成された電場で横方向に変位される。基板上に粒子が堆積されるのを防止するために、シールドの下部において磁場が生成される。
【0009】
[0009]上述の本開示の特徴を詳細に理解することができるように、上記で簡単に要約された本開示のより具体的な説明が、実施形態を参照することによって得られ、一部の実施形態は、付随する図面に例示されている。しかしながら、本開示は他の等しく有効な実施形態も許容しうることから、付随する図面はこの開示の典型的な実施形態のみを例示しており、したがって、本開示の範囲を限定すると見なすべきではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の幾つかの実施形態に係る処理チャンバを示す概略断面図である。
【
図2】本開示の幾つかの実施形態に係る電極の対を含む処理チャンバを示す部分断面図である。
【
図3】本開示の幾つかの実施形態に係る電極アセンブリを示す斜視図である。
【
図4】本開示の幾つかの実施形態に係る電極アセンブリを示す斜視図である。
【
図5A】本開示の幾つかの実施形態に係る電極アセンブリを示す斜視図である。
【
図5B】本開示の幾つかの実施形態に係る電極アセンブリの一部を示す斜視図である。
【
図5C】本開示の幾つかの実施形態に係る電極アセンブリの一部を示す斜視図である。
【
図5D】本開示の幾つかの実施形態に係る電極アセンブリの一部を示す斜視図である。
【
図5E】本開示の幾つかの実施形態に係る変更されたシールドを示す斜視図である。
【
図5F】本開示の幾つかの実施形態に係る電極アセンブリの一部を示す斜視図である。
【
図6】本開示の幾つかの実施形態に係るシールド及び磁石の部分斜視図である。
【
図8】本開示の幾つかの実施形態に係るシールド、電極アセンブリ及び磁石の部分斜視図である。
【
図9】一実施形態に係るマルチカソードPVD堆積チャンバを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0024]本開示の幾つかの例示的な実施形態が説明される前に理解するべきことは、本開示が以下の説明で提示される構成又は処理ステップの詳細に限定されないということである。本開示は、他の実施形態も可能であり、様々な方法で実施又は実行することができる。
【0012】
[0025]解説のために、本明細書で使用する「水平」という語は、その配向性と関係なく、マスクブランクの面又は表面に平行の面として定義される。「垂直」という語は、ここで定義されたように水平に対して垂直の方向を指すものである。例えば「上(above)」、「下(below)」、「底部(bottom)」、「上部(top)」、(「側壁」等における)「側方(side)」、「高い(higher)」、「低い(lower)」、「上方(upper)」、「上側(over)」、「下側(under)」等の語は、図に示すように、水平面に対して定義される。
【0013】
[0026]「の上(on)」という語は、要素間で直接の接触があることを示す。「すぐ上、真上(directly on)」という語は、介在する要素がない要素間での直接の接触を示す。
【0014】
[0027]本書及び添付の特許請求の範囲で使用する「前駆体」、「反応物質」、「反応性ガス」などの用語は、基板表面と反応することができる任意のガス種を指すのにほとんど同じ意味で使用される。
【0015】
[0028]当業者は、処理領域について説明するための「第1(first)」や「第2(second)」などの序数の使用が、処理チャンバ内の具体的な場所、又は、処理チャンバ内での曝露の順序を示唆するものでないことを理解するだろう。
【0016】
[0029]
図1は、本開示の幾つかの実施形態に係る、物理的気相堆積(PVD)処理システム100の簡略断面図である。本書で提供される教示内容に係る変更に適切な他のPVDチャンバの例には、いずれもカリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズ社から市販されているALPS(登録商標)Plus及びSIP ENCORE(登録商標)PVD処理チャンバが含まれる。PVD以外の他の種類の処理のために構成されたものを含む、アプライドマテリアルズ社あるいは他のメーカーからの他の処理チャンバも、本書に開示される教示内容に係る変更から利益を受けることができる。
【0017】
[0030]本開示の幾つかの実施形態では、PVD処理システム100は、PVD処理チャンバ104の上に取り外し可能に配置されたチャンバ本体101を含む。チャンバ本体101は、ターゲットアセンブリ114及び接地アセンブリ103とを含みうる。処理チャンバ104は、上に基板108を受容するための基板支持体106を含む。基板支持体106は、処理チャンバ104のチャンバ壁であってよい下方接地エンクロージャ壁110内部に位置していてよい。チャンバ本体101の上に配置された高周波又は直流電源182に高周波リターン経路が設けられるように、下方接地エンクロージャ壁110がチャンバ本体101の接地アセンブリ103に電気的に結合されうる。高周波又は直流電源182は、後述するように、ターゲットアセンブリ114に高周波又は直流電力を供給しうる。
【0018】
[0031]基板支持体106は、ターゲットアセンブリ114の主面に面し、ターゲットアセンブリ114の主面の反対側の平面位置にスパッタコーティングされる基板108を支持する材料受け入れ面を有する。基板支持体106は、処理チャンバ104の中心領域120内で基板108を支持しうる。中心領域120は、処理中は(例えば、処理位置にあるときは、ターゲットアセンブリ114と基板支持体106との間の)基板支持体106の上の領域として画定される。
【0019】
[0032]幾つかの実施形態では、基板支持体106は、処理チャンバ104の下部のロードロックバルブ(図示せず)を通して基板支持体106上に基板108を移送し、その後堆積、又は処理位置へ持ち上げることができるように、垂直に可動であってよい。処理チャンバ104の外の大気から処理チャンバ104の内部容積を分離させ続けながら、基板支持体106の垂直移動を促進するために、底のチャンバ壁124に接続されたベローズ122が設けられうる。ガス供給源126から質量流コントローラ128を通して処理チャンバ104の下部の中へ、一または複数のガスが供給されうる。処理チャンバ104内部を排気して、処理チャンバ104内の所望の圧力を維持しやすくするために排気口130が設けられ、バルブ132を介してポンプ(図示せず)に連結されうる。
【0020】
[0033]基板108上にマイナスの直流バイアスを誘発するために、基板支持体106に高周波バイアス電源134が連結されうる。加えて、幾つかの実施形態では、処理中に基板108上にマイナスの直流セルフバイアスが形成されうる。例えば、高周波バイアス電源134によって供給される高周波エネルギーは、約2MHzから約60MHzまでの周波数範囲であってよく、例えば約2MHz、13.56MHz、又は60MHz等の非限定的な周波数が使用されうる。他の用途では、基板支持体106は接地されてもよく、或いは電気的に浮遊したままであってもよい。代替的に、又は組み合わせて、高周波バイアス電力が好ましくない場合がある用途において基板108上の電圧を調節するために、キャパシタンス調節器136が基板支持体106に連結されていてよい。
【0021】
[0034]処理チャンバ104は更に、処理チャンバ104の処理容積又は中心領域120を囲むため及び処理による損傷及び/又は汚染から他のチャンバ構成要素を保護するために、処理キットシールド、又はシールド138を含む。幾つかの実施形態では、シールド138は、処理チャンバ104の上方接地エンクロージャ壁116のレッジ140に接続されうる。
図1に示すように、チャンバ本体101は、上方接地エンクロージャ壁116のレッジ140に置かれうる。下方接地エンクロージャ壁110と同様に、上方接地エンクロージャ壁116は、下方接地エンクロージャ壁116と、チャンバ本体101の接地アセンブリ103との間に高周波リターン経路の一部を提供しうる。しかしながら、接地されたシールド138を介して等、他の高周波リターン経路が可能である。
【0022】
[0035]シールド138は、下向きに延在し、中心領域120をおおよそ囲むおおよそ一定の直径を有するおおよそ管状の部分を含みうる。シールド138は、上方接地エンクロージャ壁116及び下方接地エンクロージャ壁110の壁に沿って基板支持体106の上面の下まで下向きに延在し、基板支持体106(シールド138の底部においてu字部分を形成する)の上面に到達するまで上向きに戻る。カバーリング148は、スパッタ堆積から基板支持体106を保護するために、基板支持体106がそれ自体の下方のロード位置にあるときは、上向きに延在しているシールド138の内部の上に置かれ、基板支持体106がそれ自体の上方の堆積位置にあるときは、基板支持体106の外周に置かれる。付加的な堆積リング(図示せず)を使用して、基板108のエッジ周囲への堆積から基板支持体106のエッジを保護することができる。
【0023】
[0036]幾つかの実施形態では、磁石152は、基板支持体106とターゲットアセンブリ114との間に磁場を選択的に発生させるために、処理チャンバ104の近くに配置されうる。例えば、
図1に示すように、磁石152は、処理位置にあるときに、基板支持体106の真上の領域内のエンクロージャ壁110の外側の近くに配置されうる。幾つかの実施形態では、磁石152は、例えば上方接地エンクロージャ壁116の隣等の他の場所に付加的に又は代替的に配置されうる。磁石152は電磁石であってよく、電磁石によって生成される磁場の規模を制御するための電源(図示せず)に連結されうる。
【0024】
[0037]チャンバ本体101は一般に、ターゲットアセンブリ114の近くに配置された接地アセンブリ103を含む。接地アセンブリ103は、ターゲットアセンブリ114の裏側とおおよそ平行であり、ターゲットアセンブリ114の裏側の反対側であってよい第1の面157を有する接地板156を含みうる。接地シールド112は、接地板156の第1の面157から延在し、ターゲットアセンブリ114を囲んでいてよい。接地アセンブリ103は、接地アセンブリ103内でターゲットアセンブリ114を支持する支持部材175を含みうる。
【0025】
[0038]幾つかの実施形態では、支持部材175は、支持部材175の外側周辺エッジに近接した接地シールド112の下方端部に連結され、シールリング181、ターゲットアセンブリ114、及びオプションとして暗空間シールド179を支持するために半径方向内向きに延在しうる。シールリング181は、所望の断面を有するリング又は他の環状形であってよい。シールリング181は、シールリング181の第1の側面上のターゲットアセンブリ114、例えばバッキング板アセンブリ160とのインタフェーシング、及びシールリング181の第2の側面上の支持部材175とのインタフェーシングを促進するために、2つの対向する平面の、おおよそ平行する面を含みうる。シールリング181は、セラミックなどの誘電体材料から作られうる。シールリング181は、接地アセンブリ103からターゲットアセンブリ114を絶縁しうる。
【0026】
[0039]暗空間シールド179はおおむね、ターゲットアセンブリ114の外側エッジの近く、つまりターゲットアセンブリ114の原料113の外側エッジの近くに配置される。幾つかの実施形態では、シールリング181は、暗空間シールド179の外側エッジ(すなわち、暗空間シールド179の半径方向外向き)に隣接して配置される。幾つかの実施形態では、暗空間シールド179は、例えばセラミック等の誘電体材料でできている。暗空間シールド179を設けることによって、高周波で高温となった、暗空間シールドと、隣接する構成要素との間のアーキング(アーク放電)が回避されうる、あるいは最小限に抑えられうる。あるいは、幾つかの実施形態では、暗空間シールド179は、例えばステンレス鋼、アルミニウム等の導電性材料でできている。導電性暗空間シールド179を設けることによって、PVD処理システム100内でより均一な電場を維持することができ、これにより、その中の基板をより均一に処理することが促進される。幾つかの実施形態では、暗空間シールド179の下部は導電性材料でできていてよく、暗空間シールド179の上部は誘電体材料でできていてよい。
【0027】
[0040]支持部材175は、暗空間シールド179及びターゲットアセンブリ114を収容する中心開口部を有するおおよそ平面の部材であってよい。幾つかの実施形態では、支持部材175は、円形、又は円盤状の形状であってよいが、形状は、チャンバリッドの対応する形状、及び/又はPVD処理システム100内で処理される基板の形状によって変化しうる。使用中、チャンバ本体101が解放されている又は閉鎖されているときに、ターゲットアセンブリ114に対して適切にアライメントされるように支持部材175が暗空間シールド179を維持することにより、チャンバアセンブリ、あるいはチャンバ本体101の開放及び閉鎖に起因するミスアライメントの危険性が最小限に抑えられる。
【0028】
[0041]PVD処理システム100は、ターゲットアセンブリ114の裏側に対向し、ターゲットアセンブリ114の周辺エッジに沿ってターゲットアセンブリ114に電気的に結合されているソース分配板158を含みうる。ターゲットアセンブリ114は、基板、例えばスパッタリング中の基板108に堆積される、金属、金属酸化物、金属合金等の原料113を含みうる。一または複数の実施形態では、ターゲットアセンブリ114は、原料113を支持するために、バッキング板アセンブリ160を含む。原料113は、
図1に示すように、バッキング板アセンブリ160の側面に向いた基板支持体に配置されうる。バッキング板アセンブリ160は、導電性材料、例えば銅-亜鉛、銅-クロム、又はターゲットと同じ材料を含んでいてよく、これにより、バッキング板アセンブリ160を介して原料113に高周波及び直流電力が結合されうる。あるいは、バッキング板アセンブリ160は非導電性であってよく、例えば電気フィードスルー等の導電素子(図示せず)を含んでいてよい。
【0029】
[0042]一または複数の実施形態では、バッキング板アセンブリ160は、バッキング板161とカバー板162とを含む。バッキング板161とカバー板162とは、PVD処理システム100によって収容可能な円盤状、長方形、正方形、又は、他のいずれかの形状であってよい。バッキング板の前面は、基板108がある場合に、原料の前面が基板108に対向するように、原料113を支持するように構成される。原料113は、いずれかの好適な方法でバッキング板161に結合されうる。例えば、幾つかの実施形態では、原料113はバッキング板161に拡散接合されうる。
【0030】
[0043]複数のチャネル169は、バッキング板161とカバー板162との間に配置されうる。一または複数の実施形態では、バッキング板161は、バッキング板161の裏側に形成された複数のチャネル169を有していてよく、カバー板162は各チャネルの上のキャップ/カバーを提供する。他の実施形態では、複数のチャネル169は、部分的にバッキング板161に、部分的にカバー板162に形成されうる。また、他の実施形態では、複数のチャネル169は完全にカバー板162内に形成され、バッキング板は、複数のチャネル169の各々を蓋しうる/カバーしうる。バッキング板161及びカバー板162は互いに連結されうる。
【0031】
[0044]幾つかの実施形態では、カバー板162は取り除かれ、バッキング板161はモノリシック材料である。上記モノリシック材料のバッキング板161は、3D印刷によって形成され、複数のチャネル169は3D印刷処理中に形成されうる。幾つかの実施形態では、複数のチャネル169は、冷却流体を流すように構成され、バッキング板161とカバー板162とは、複数のチャネル169に送られる冷却液の漏れを防止するために互いに連結され、実質的な防水シール(例:バッキング板161とカバー板162との間の流体シール)を形成する。つまり、冷却流体は、チャネル169と直接接触する。例えば、幾つかの実施形態では、バッキング板161とカバー板162とは互いにろう付けされて実質的な防水シールを形成する、あるいは、バッキング板161とカバー板162とは拡散接合、ろう付け、糊付け、ピン止め、リベット打ち、又は他のいずれかの固定手段によって結合されて、液体シールを形成し、バッキング板161とカバー板162との間に形成されたチャネル169は、冷却流体と直接接触する。しかしながら、他の実施形態では、バッキング板161は、その中に機械加工で形成された複数のチャネル169を有する。カバー板162は次に、オプションとして機械加工される(又は機械加工されない)。ろうペーストは、バッキング板161とカバー板162との間に置かれる。次に、バッキング板161とカバー板162とを互いに固定するために、電子ビーム溶接が用いられる。その後、固定された構成要素は加熱されて固定処理が完了し得、次に固定された構成要素は最終的な公差及び仕様に機械加工されうる。次に、ターゲットの形態の原料が、インジウムはんだでバッキング板161又はカバー板162に接合されうる。以下に更に説明するように、本開示の幾つかの実施形態によれば、冷却流体がチャネル169内に配置された管組織内に含まれるため、バッキング板161とカバー板162との間に流体密封シールは必要ない。
【0032】
[0045]バッキング板161及びカバー板162は、例えば真ちゅう、アルミニウム、銅、アルミニウム合金、銅合金等を含む導電性金属又は金属合金等の導電性材料を含みうる。幾つかの実施形態では、チャネルが機械加工されうる、あるいはそうでなければバッキング板161の表面上に形成されうるように、バッキング板161は、機械加工可能な金属又は金属合金(例:C18200クロム銅合金)であってよい。幾つかの実施形態では、カバー板162は、バッキング板アセンブリ160の剛性を改善し、変形を抑えるために、バッキング板の金属又は金属合金よりも高い剛性/弾性率を有する機械加工可能な金属又は金属合金(例:C18200クロム銅合金)であってよい。バッキング板161とカバー板162の材料及びサイズは、バッキング板アセンブリ160全体の剛性により、原料113を含むターゲットアセンブリ114の変形あるいは反りが起きることなく(又は非常にわずかしか起きずに)、堆積処理中にターゲットアセンブリ114に作用する真空力、重力、熱的力、及び他の力に耐えるようなものである(すなわち、原料113の前面は基板108の上面にほぼ平行のままである)べきである。
【0033】
[0046]幾つかの実施形態では、ターゲットアセンブリ114の全厚は約20mmと約100mmとの間であってよい。例えば、原料113は約10~約15mmの厚さであってよく、バッキング板アセンブリは約10~約30mmの厚さであってよい。他の厚さも使用することができる。
【0034】
[0047]幾つかの実施形態では、ターゲットアセンブリは、チャネル169又は管組織と流体連結されている一または複数の注入口(
図1に示せず)を含む。一または複数の注入口は、熱交換流体を受け入れ、熱交換流体を複数のチャネル169又は管組織に送るように構成される。例えば、一または複数の注入口のうちの少なくとも1つは、複数のチャネル169又は管組織に熱交換流体を分配するプレナムであってよい。アセンブリは更に、カバー板162を通して配置され、複数のチャネル169又は管組織によって、対応する注入口に流体連結された一または複数の排出口(
図1に示せず、以下に詳細に示す)を含む。例えば、一または複数の排出口のうちの少なくとも1つは、複数の一または複数のチャネル又は管組織から熱交換流体を収集するプレナムであってよい。幾つかの実施形態では、1つの注入口及び1つの排出口が設けられ、複数のチャネル169のセット内の各チャネルのセットは、1つの注入口及び1つの排出口に流体連結される。
【0035】
[0048]注入口及び排出口は、カバー板162又はバッキング板161の周辺エッジに、あるいは周辺エッジ近くに配置されうる。加えて、注入口及び排出口は、一または複数の注入口に連結された供給導管167及び、一または複数の排出口に連結された戻し導管が空洞170内のマグネトロンアセンブリ196の回転に干渉しないように、カバー板162に配置されうる。他の実施形態では、注入口及び排出口は、一または複数の注入口に連結された供給導管167及び、一または複数の排出口に連結された戻し導管(断面のため図示せず)が空洞170内のマグネトロンアセンブリ196の回転に干渉しないように、バッキング板161に配置されうる。更に別の実施形態では、注入口及び排出口は、一または複数の注入口に連結された供給導管167及び、一または複数の排出口に連結された戻し導管(断面のため図示せず)が空洞170内のマグネトロンアセンブリ196の回転に干渉しないように、管組織に連結されうる。
【0036】
[0049]幾つかの実施形態では、PVD処理システム100は、熱交換流体をバッキング板アセンブリ160に供給するための、一または複数の供給導管167を含みうる。幾つかの実施形態では、各注入口は、対応する供給導管167に連結されうる。同様に、各排出口は、対応する戻し導管に連結されうる。供給導管167及び戻し導管は、絶縁材料でできていてよい。流体供給導管167は、流体供給導管167と注入口との間の熱交換流体の漏れを防止するために、シールリング(例:圧縮型Oリング又は同様のガスケット材)を含みうる。幾つかの実施形態では、供給導管167の上端部は、チャンバ本体101の上面に配置された流体分配マニホールド163に連結されうる。流体分配マニホールド163は、供給ライン165を介して複数の流体供給導管の各々に熱交換流体を供給するために、複数の流体供給導管167に流体連結されうる。同様に、戻し導管の上端部は、チャンバ本体101の上面に配置された戻し導管マニホールド(図示していないが、163と同様である)に連結されうる。戻し導管マニホールドは、戻しラインを介して複数の流体戻し導管の各々から熱交換流体を戻すために、複数の流体戻し導管に流体連結されうる。
【0037】
[0050]流体分配マニホールド163は、液体の形態の熱交換流体をバッキング板アセンブリ160に送るために、熱交換流体源(図示せず)に連結されうる。熱交換流体は、例えばエチレングリコール、脱イオン水、ペルフッ素化ポリエーテル(例えばSolvay社(Solvay S. A.)から入手可能なGalden(登録商標))等の、処理に対応できるいずれかの冷却液等、又は溶液又はこれらの組合せであってよい。幾つかの実施形態では、チャネル169又は管組織を通る冷却液の流れは合計で毎分約8~約20ガロンであってよいが、正確な流れは、冷却液チャネルの構成、利用可能な冷却液圧力等によって変化する。
【0038】
[0051]中心開口部を有する導電性支持リング164は、カバー板162の周辺エッジに沿ってカバー板162の裏側に連結される。幾つかの実施形態では、導電性支持リング164は、別々の供給導管及び戻し導管の代わりに、流体供給ライン(図示せず)から熱交換流体を受け入れるリング注入口を含みうる。導電性支持リング164は、管組織又はチャネル169に接続された注入口に熱交換流体を分配するために、導電性支持リング164の本体内に配置された注入マニホールドを含みうる。導電性支持リング164は、一または複数の排出口から熱交換流体を受け入れるために、導電性支持リング164の本体内に配置された排出マニホールドと、導電性支持リング164から熱交換流体を排出するためのリング排出口とを含みうる。導電性支持リング164とバッキング板アセンブリ160とは、導電性支持リング164とカバー板162との間に液体シールを設けるために、処理に対応する形で互いにねじ止めされうる、ピンで留められうる、ボルト締めされうる、又は固定されうる。導電性支持リング164とカバー板162との間にシールを設けやすくするために、Oリング又は他の適切なガスケット材料を提供することも可能である。
【0039】
[0052]幾つかの実施形態では、ターゲットアセンブリ114は更に、ターゲットアセンブリ114をチャンバ本体101内で支持する中心支持部材192を備えうる。中心支持部材192は、バッキング板161とカバー板162の中心部に連結され、カバー板162の裏側から離れるように垂直に延びていてよい。幾つかの実施形態では、バッキング板161とカバー板162の中心開口部の中に中心支持部材192の底部が螺入されうる。他の実施形態では、バッキング板161とカバー板162の中心部に中心支持部材192の底部がボルト締めされうる、あるいは締め付けられうる。中心支持部材192の上部は、ソース分配板158を通して配置され、中心支持部材192とターゲットアセンブリ114とを支持するソース分配板158の上面に置かれる特徴を含みうる。
【0040】
[0053]幾つかの実施形態では、ソース分配板からターゲットアセンブリ114の周辺エッジまで高周波エネルギーを伝播させるために、導電性支持リング164がソース分配板158とターゲットアセンブリ114の裏側との間に配置されうる。導電性支持リング164は円筒形であってよく、第1の端部166は、ソース分配板158の周辺エッジに近接するソース分配板158のターゲットに向いている面に連結され、第2の端部168は、ターゲットアセンブリ114の周辺エッジに近接するターゲットアセンブリ114のソース分配板に向いている面に連結される。幾つかの実施形態では、第2の端部168は、バッキング板アセンブリ160の周辺エッジに近接するバッキング板アセンブリ160のソース分配板に向いている面に連結される。
【0041】
[0054]PVD処理システム100は、ターゲットアセンブリ114の裏側とソース分配板158との間に配置された空洞170を含みうる。空洞170は、以下に説明するようにマグネトロンアセンブリ196を少なくとも部分的に収納しうる。空洞170は、導電性支持リング164の内面、ソース分配板158のターゲットに向いている面、及びターゲットアセンブリ114(又はバッキング板アセンブリ160)のソース分配板に向いている面(例:裏側)によって少なくとも部分的に画定される。
【0042】
[0055]接地板156と、ソース分配板158、導電性支持リング164、及びターゲットアセンブリ114(及び/又はバッキング板アセンブリ160)の外面との間に絶縁用間隙180が設けられる。絶縁用間隙180は、空気、又はセラミック、プラスチック等の他の何らかの好適な誘電体材料で充填されていてよい。接地板156とソース分配板158との間の距離は、接地板156とソース分配板158との間の誘電体材料によって変わる。誘電体材料の大部分が空気である場合、接地板156とソース分配板158との間の距離は、約15mmと約40mmとの間であってよい。
【0043】
[0056]接地アセンブリ103及びターゲットアセンブリ114は、シールリング181によって、及び接地板156の第1の面157とターゲットアセンブリ114の裏側、例えばソース分配板158のターゲットに面していない側との間に配置された一または複数の絶縁体(図示せず)によって、電気的に分離されうる。
【0044】
[0057]PVD処理システム100は、電極154(例:高周波供給構造)に接続された高周波又は直流電源182を有する。電極154は接地板156を通過し、ソース分配板158に連結されうる。高周波又は直流電源182は、例えば、作動中に高周波生成器に反射して戻る反射高周波エネルギーを最小限に抑えるために、高周波生成器と整合回路とを含みうる。例えば、高周波電源又は直流電源182によって供給される高周波エネルギーは、約13.56MHzから約162MHz以上の周波数の範囲であってよい。例えば、13.56MHz、27.12MHz、40.68MHz、60MHz、又は162MHz等の非限定的な周波数が使用可能である。
【0045】
[0058]幾つかの実施形態では、PVD処理システム100は、処理中にターゲットアセンブリ114に追加のエネルギーを送る第2のエネルギー源183を含みうる。幾つかの実施形態では、第2のエネルギー源183は、例えばターゲット材料のスパッタリング率(したがって、基板上の堆積率)を改善するために、直流エネルギーを送る直流電源であってよい。幾つかの実施形態では、第2のエネルギー源183は、例えば、高周波電源又は直流電源182によって送る高周波エネルギーの第1の周波数とは異なる第2の周波数で、高周波エネルギーを送る高周波又は直流電源182と同様の第2の高周波電源であってよい。第2のエネルギー源183が直流電源である実施形態では、第2のエネルギー源は、直流エネルギーをターゲットアセンブリ114、例えば電極154、又は他の何らかの導電性部材(以下に説明するソース分配板158等)に電気的に結合させるのに好適な任意の場所においてターゲットアセンブリ114に結合されうる。第2のエネルギー源183が第2の高周波電源である実施形態では、第2のエネルギー源は電極154を介してターゲットアセンブリ114に連結されうる。
【0046】
[0059]電極154は、円筒形又はそうでなければ棒状であってよく、PVD処理システム100の中心軸186に対してアライメントされていてよい(例:電極154は、中心軸186と一致するターゲットの中心軸と一致する点においてターゲットアセンブリに連結されうる)。PVD処理システム100の中心軸186に対してアライメントされた電極154により、高周波電源又は直流電源182からターゲットアセンブリ114へ高周波エネルギーを軸対称に印加することが促進される(例えば、電極154は、PVDチャンバの中心軸に対してアライメントされた単一点において高周波エネルギーをターゲットに結合させうる)。電極154の中心位置により、基板堆積処理における堆積の非対称性をなくす、あるいは減らす助けとなる。電極154は、任意の適切な直径を有しうる。例えば、他の直径も使用可能であるが、幾つかの実施形態では、電極154の直径は約0.5~約2インチであってよい。電極154は概して、PVDチャンバの構成に応じて、いずれかの好適な長さを有しうる。いくつかの実施形態では、電極は約0.5と約12インチの間の長さを有しうる。電極154は、任意の適した導電性材料、たとえばアルミニウム、銅、銀などから製造されうる。あるいは、いくつかの実施形態では、電極154は管状であってもよい。幾つかの実施形態では、管状電極154の直径は、例えばマグネトロンに中心軸をもたらしやすくなる適切なものであってよい。
【0047】
[0060]電極154は接地板156を通って通過し、ソース分配板158に連結されうる。接地板156は、例えばアルミニウム、銅等のいずれかの好適な導電性材料を含みうる。一または複数の絶縁体(図示せず)の間に開放空間があることによって、ソース分配板158の表面に沿った高周波伝播が可能になる。幾つかの実施形態では、一または複数の絶縁体は、PVD処理システムの中心軸186に対して対称に位置づけされうる。上記の位置づけは、ソース分配板158の表面に沿った、最終的にソース分配板158に連結されたターゲットアセンブリ114までの対称な高周波伝播を促進しうる。高周波エネルギーは、少なくとも一部において電極154の中心位置に起因して、従来のPVDチャンバと比べてより対称に、また均一に送られうる。
【0048】
[0061]マグネトロンアセンブリ196の一または複数の部分は、少なくとも部分的に空洞170内に配置されうる。マグネトロンアセンブリは、チャンバ本体101内のプラズマ処理を支援するために、ターゲットに近接して回転磁場を発生させる。幾つかの実施形態では、マグネトロンアセンブリ196は、モータ176と、モータ軸174と、ギアボックス178と、ギアボックス軸アセンブリ184と、回転可能な磁石(例:磁石支持部材172に連結された複数の磁石188)と、仕切り194とを含みうる。幾つかの実施形態では、マグネトロンアセンブリ196は固定されたままである。
【0049】
[0062]幾つかの実施形態では、マグネトロンアセンブリ196は、空洞170内で回転する。例えば、幾つかの実施形態では、磁石支持部材172を回転させるために、モータ176、モータ軸174、ギアボックス178、及びギアボックス軸アセンブリ184が設けられうる。マグネトロンを有する従来のPVDチャンバでは、マグネトロンドライバ軸は通常、チャンバの中心軸に沿って配置され、チャンバの中心軸に対してアライメントされた位置における高周波エネルギーとの結合が防止される。一または複数の実施形態では、電極154は、PVDチャンバの中心軸186に対してアライメントされる。このため、幾つかの実施形態では、マグネトロンのモータ軸174は、接地板156の中心から外れた開口部を通して配置されうる。接地板156から突出しているモータ軸174の端部は、モータ176に連結される。モータ軸174は更に、ソース分配板158(例:第1の開口部146)を通して対応する中心から外れた開口部を通して配置され、ギアボックス178に連結される。幾つかの実施形態では、ソース分配板158に沿って軸対称の高周波分配を有利に維持するために、ソース分配板158を通して、一または複数の第2の開口部(図示せず)が、第1の開口部146に対して対称な関係に配置されうる。一または複数の第2の開口部はまた、例えば光センサ等のアイテムの空洞170へのアクセスを可能にするためにも使用されうる。一または複数の実施形態では、本書に記載のバッキング板アセンブリは特に、回転磁石を有するマルチカソードPVDシステムにおいて有用である。大きい冷却空洞を有する従来の設計では、回転磁石を活用する能力が制限される。
【0050】
[0063]ギアボックス178は、例えばソース分配板158の底面に連結されていることによって等、いずれかの好適な手段によって支持されうる。ギアボックス178は、少なくともギアボックス178の上面を誘電体材料から製造することによって、あるいは、ギアボックス178とソース分配板158との間に絶縁体層(図示せず)を介在させること等によって、又は好適な誘電体材料からモータ軸174を構成することによって、ソース分配板158から絶縁されうる。ギアボックス178は更に、モータ176によってもたらされる回転運動を磁石支持部材172(したがって、複数の磁石188)に伝達するために、ギアボックス軸アセンブリ184を介して磁石支持部材172に連結される。
【0051】
[0064]磁石支持部材172は、複数の磁石188をしっかり支持するのに十分な機械強度を付与するのに好適ないずれかの材料から構成されうる。例えば、幾つかの実施形態では、磁石支持部材172は、例えば非磁性ステンレス鋼等の非磁性金属から構成されうる。磁石支持部材172は、複数の磁石188を所望の位置で磁石支持部材172に連結させることを可能にするのに好適ないずれかの形状を有しうる。例えば、幾つかの実施形態では、磁石支持部材172は、板、円盤、横材等を含みうる。複数の磁石188は、所望の形状及び強度を有する磁場を発生させるようないずれかの方法で構成されうる。
【0052】
[0065]あるいは、磁石支持部材172は、空洞170において、磁石支持部材172に、及び取り付けられている複数の磁石188(ある場合)に生じる引張力を圧倒するのに十分なトルクで、他のいずれかの手段によって回転しうる。例えば、幾つかの実施形態(図示せず)では、マグネトロンアセンブリ196は、空洞170内に配置され、磁石支持部材172(例えば、パンケーキモータ)に直接接続されたモータ176及びモータ軸174を使用して空洞170内で回転しうる。モータ176は、仕切り194がある場合に、空洞170内に、又は空洞170の上部内に適合するのに十分なサイズに設定されうる。モータ176は、必要なトルクを付与できる電気モータ、空気圧又は油圧ドライバ、又は他のいずれかの処理対応型機構であってよい。
【0053】
[0066]
図1を更に参照し、
図2~8も参照すると、物理的気相堆積(PVD)チャンバ104は、物理的気相堆積チャンバ104内の内部容積を画定するチャンバ壁と、スパッタリングターゲット114を支持するように構成され、ターゲット114に近い内部容積の上方区分120aに配置されたバッキング板161とを備える。PVDチャンバ104は更に、バッキング板161の下で基板(図示せず)を支持する支持面107を有する内部容積の下方区分120bに基板支持体106を備える。バッキング板161と基板支持体106との間には、中心領域120がある。PVDチャンバは更に、中心領域120を囲むシールド138を含む処理キットであって、シールドが、内面、バッキング板161に近い上部及び基板支持体106に近い下部を有する円筒形本体を備える、処理キットを備える。PVDチャンバ104は更に、シールド138の内面138aに位置づけされた第1の電極アセンブリ200と、シールド138の内面138aに位置づけされた磁石204とを備え、第1の電極アセンブリ200は、物理的気相堆積処理中に生成された粒子を横方向に変位させる電磁場を発生させるように位置づけ及び構成され、第1の電極アセンブリ200と磁石204とが協働して、物理的気相堆積処理中に基板支持体106上の基板に粒子が接触するのを防止する。
【0054】
[0067]幾つかの実施形態では、
図1及び
図8に示すように、磁石204はシールド138の下部に位置づけされ、第1の電極アセンブリ200はシールド138の上部に位置づけされている。PVDチャンバは更に、シールドの内面且つ上部に位置づけされた第2の電極アセンブリ202と、第1の電極アセンブリと第2の電極アセンブリとに電圧を供給する電源240とを備えうる。幾つかの実施形態では、第1の電極アセンブリ200と第2の電極アセンブリ202とは弓形である。しかしながら、電極アセンブリの電極の形状は、
図4に示す円形の電極アセンブリ300等の他の形状であってよい。
【0055】
[0068]
図5A~5Fに示すように、電極アセンブリ200(及び電極アセンブリ202)は、取付けスタッド212を含む、
図5Bに示す弓形の電極210を含みうる。電極アセンブリ200(及び電極アセンブリ202)は更に、取付けスタッド212によって電極210の取付けが可能になるように、取付け孔216を含む電極本体214を含みうる。電極アセンブリ200(及び電極アセンブリ202)は更に、電極本体214内に適合する端子218と、電極本体214内に適合する絶縁体220とを備えうる。電極アセンブリは、
図5Eに示すシールド218に取り付けられうる。
【0056】
[0069]一または複数の実施形態では、PVDチャンバは更に、物理的気相堆積処理中に生成された粒子を横方向に変位させる電場を発生させるために、第1の電極アセンブリ200と第2の電極アセンブリ202との間に所定の電圧差を選択的に生じさせるように構成されたコントローラ250を備える。幾つかの実施形態では、磁石204は静的磁石を含む。幾つかの実施形態では、磁石204は電磁石を含み、物理的気相堆積チャンバは、第2の電源260と、物理的気相堆積処理中に生成された粒子を基板支持体から離れるように変位させる磁場を電磁石が発生させるように電流を選択的に印加する第2のコントローラ270とを備える。
図6~8から良くわかるように、PVDチャンバは更に、電磁石であってよい磁石204をカバーする磁石カバー230を備える。一または複数の実施形態では、カバー230は、アルミニウム等の非磁性材料からできている。一または複数の実施形態では、チャンバの上部に向かって増加する電場の強度を増加させるために、第1の電極200と第2の電極202の高さを増加させることができる。幾つかの実施形態では、粒子が2つの電極(第1の電極200、第2の電極202)との間に侵入すると、粒子が2つの電極間の間隙を通過するまで、重力、及び電場によって生じた静電力が同時に作用する。重力により粒子が垂直に変位し、静電力により横方向に変位する。粒子を横方向に変位させるのに要する静電力は、経験的に又はモデル化することによって決定することができ、第1のコントローラ250及び/又は第2のコントローラ270を使用して、第1及び第2の電極に必要な電圧と電流とを磁石204へ送ることができる。
【0057】
[0070]本開示の別の態様は、物理的気相堆積チャンバ内で基板を処理する方法に関連し、本方法は、チャンバ壁によって画定され且つ上方区分と、下方区分と、下方区分の基板支持体とを含む物理的気相堆積チャンバの内部容積内の基板支持体上に基板を配置することを含む。本方法は更に、上方区分の基板支持体の上に位置する原料のターゲットから材料をスパッタリングすることを含み、原料のターゲットと基板支持体との間に中心領域があり、処理キットは中心領域を囲むシールドを含み、シールドは内面、上部及び下部を有する円筒形本体からなり、磁石がシールドの下部の内面に位置づけされている。本方法は更に、物理的気相堆積処理中に生成された粒子を横方向に変位させて、物理的気相堆積処理中に基板支持体上の基板に粒子が接触するのを防止するために、シールドの上部の内面に位置づけされた第1の電極アセンブリに電圧を印加することを含む。
【0058】
[0071]本方法の幾つかの実施形態では、シールドの内面且つ上部に位置づけされた第2の電極アセンブリがあり、本方法は更に、第1の電極アセンブリと第2の電極アセンブリとに電圧を印加することを含む。幾つかの実施形態では、本方法は更に、物理的気相堆積処理中に生成された粒子を横方向に変位させる電場を発生させるために、第1の電極アセンブリと第2の電極アセンブリとの間に所定の電圧差を選択的に生じさせることを含む。本方法の幾つかの実施形態では、磁石は電磁石を含み、本方法は更に、物理的気相堆積処理中に生成された粒子を基板支持体から離れるように変位させる磁場を電磁石が発生させるように、電磁石に電流を選択的に印加することを含む。
【0059】
[0072]本方法の幾つかの実施形態は更に、静的電磁場を発生させること、又は動的電磁場を発生させることを含む。本方法の幾つかの実施形態は、磁場及び電場を別々に調整することを含む。
【0060】
[0073]本書に記載のPVD処理チャンバ及び方法は、極紫外線(EUV)マスクブランクの製造に特に有用でありうる。EUVマスクブランクは、マスクパターンを有する反射マスクを形成するために使用される光学的に平坦な構造である。一または複数の実施形態では、EUVマスクブランクの反射面により、極紫外線等の入射光を反射させるための平坦な焦点面が形成されうる。EUVマスクブランクは、EUVレチクル等の極紫外線反射素子に構造支持体を提供する基板を含む。一または複数の実施形態では、基板は、温度が変化する間の安定性を付与するために、低い熱膨張係数(CTE)を有する材料からできていてよい。一または複数の実施形態に係る基板は、ケイ素、ガラス、酸化物、セラミック、ガラスセラミック、又はこれらの組み合わせ等の材料から形成されうる。
【0061】
[0074]EUVマスクブランクは、極紫外線に対して反射性を有する構造である多層スタックを含む。多層スタックは、第1の反射層と第2の反射層の交代反射層を含む。第1の反射層と第2の反射層により、反射ペアが形成されうる。非限定的な実施形態では、多層スタックは、20~60個の範囲の反射ペア、合計で最大120個の反射層を含みうる。
【0062】
[0075]第1の反射層と第2の反射層は、様々な材料から形成されうる。一実施形態では、第1の反射層と第2の反射層はそれぞれ、ケイ素とモリブデンから形成される。多層スタックにより、ブラッグリフレクタ又はミラーを作るために異なる光学特性を有する材料の薄層を交互に有することによって、反射性構造が形成される。例えばモリブデン及びケイ素の交互層は、例えばマルチカソードソースチャンバ内で物理的気相堆積によって形成されうる。例えばタンタル含有材料(例:TaN又はTaON)等のEUV放射線を吸収する材料からできている吸収層も、本書に記載のチャンバ及び方法を用いる物理的気相堆積によって形成することができる。
【0063】
[0076]幾つかの実施形態では、物理的気相堆積チャンバ内でEUVマスクブランクを製造する方法が提供される。本方法は、マルチカソード物理的気相堆積チャンバ内でターゲットから材料を基板上にスパッタリングすることによって、多層リフレクタ材料の交互層を堆積させることを含み、基板はチャンバ壁によって画定された物理的気相堆積チャンバの内部容積内に配置され、内部容積は上方区分、下方区分、及び中心領域を含み、基板は中心領域を囲むシールドによって囲まれ、シールドは内面、上部及び下部を有する。本方法は更に、基板に粒子が堆積されるのを防止するために、シールドの上部に発生した電場でスパッタリング中に生成された粒子を横方向に変位させることと、基板に粒子が堆積されるのを防止するために、シールドの下部において磁場を発生させることとを含む。
【0064】
[0077]幾つかの実施形態では、本方法は更に、電場を発生させるために、シールドの上部に位置する第1の電極アセンブリと第2の電極アセンブリとの間に所定の電圧差を選択的に生じさせることを含む。本方法は更に、磁場を発生させるように、シールドの下部に位置する電磁石に電流を選択的に印加することを含みうる。本方法は更に、静的電磁場又は動的電磁場を発生させることを含みうる。本方法は更に、磁場及び電場を別々に調整することを含みうる。
【0065】
[0078]ここで、一実施形態に係るマルチカソードソースチャンバ500の上部を示す
図9を参照する。マルチカソードチャンバ500は、上部アダプタ504によって覆われている円筒形本体部502を有する基礎構造501を含む。上部アダプタ504は、上部アダプタ504の周りに位置づけされたカソードソース506、508、510、512、及び514等の幾つかのカソードソースに関する規定を有する。多層スタックだけでなく、キャッピング層及び吸収体層を形成するために、マルチカソードソースチャンバ500内で
図1に関連して説明したPVD処理システム100を用いることができる。例えば、物理的気相堆積システムは、ケイ素、モリブデン、酸化チタン、二酸化チタン、酸化ルテニウム、酸化ニオブ、ルテニウムタングステン、ルテニウムモリブデン、ルテニウムニオブ、クロム、タンタル、窒化物、化合物、又はこれらの組み合わせの層を形成しうる。幾つかの化合物を酸化物として記載したが、当然ながら、化合物には酸化物、二酸化物、酸素原子を有する原子混合物、又はこれらの組み合わせが含まれうる。
【0066】
[0079]したがって、磁石とプラズマの相互作用でターゲットから生成される粒子に対処できるPVDチャンバ及び方法が提供される。堆積処理中のターゲットからの上記荷電粒子はブランク基板に達して不良を増大させる可能性があるが、本書に記載の方法及びPVDチャンバは、これらの荷電粒子が処理中に基板に達するのを防止する。本方法及び装置はまた、チャンバ壁又はシールドの表面に蓄積した粒子が基板に達することを防ぎ、不良を防止する。本方法及び装置により、マルチカソードPVDシステムのPVDチャンバ内でのEUVマスクブランクの堆積中の不良が削減されうる。
【0067】
[0080]この明細書全体を通じて、「一実施形態」、「特定の実施形態」、「一又は複数の実施形態」、又は、「実施形態」に対する言及は、実施形態に関連して説明されている特定の特徴、構造、材料、又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。ゆえに、この明細書全体の様々な箇所で「一又は複数の実施形態で」、「特定の実施形態で」、「一実施形態で」、又は「実施形態で」などの表現は、必ずしも、本開示の同一の実施形態に言及するものではない。さらに、特定の特徴、構造、材料、又は特性は、一又は複数の実施形態において任意の適切な様態で組み合わせることができる。
【0068】
[0081]本明細書の開示は特定の実施形態を参照して説明されているが、これらの実施形態は本開示の原理及び用途の例示にすぎないことを理解されたい。本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、本開示の方法及び装置に対して様々な改変及び変形を行い得ることが、当業者には明らかになろう。ゆえに、本開示は、添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内である改変例及び変形例を含むことが意図されている。