(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-23
(45)【発行日】2023-03-31
(54)【発明の名称】ハードマスク組成物およびパターン形成方法
(51)【国際特許分類】
G03F 7/11 20060101AFI20230324BHJP
G03F 7/26 20060101ALI20230324BHJP
C08G 61/02 20060101ALI20230324BHJP
C08G 8/00 20060101ALI20230324BHJP
C08G 12/34 20060101ALI20230324BHJP
【FI】
G03F7/11 503
G03F7/26 511
C08G61/02
C08G8/00 B
C08G12/34
(21)【出願番号】P 2021207165
(22)【出願日】2021-12-21
【審査請求日】2021-12-21
(31)【優先権主張番号】10-2020-0181154
(32)【優先日】2020-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20 Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si, Gyeonggi-do, 446-902 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】元 東 勳
(72)【発明者】
【氏名】兪 龍 植
(72)【発明者】
【氏名】李 賢 洙
(72)【発明者】
【氏名】崔 世 一
(72)【発明者】
【氏名】崔 熙 ▲せん▼
【審査官】中澤 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/164267(WO,A1)
【文献】国際公開第2010/147155(WO,A1)
【文献】特開2019-194693(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/11
G03F 7/26
C08G 12/34
C08G 61/02
C08G 8/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式2で表される化合物に由来するモイエティを含む重合体、および、溶媒を含む、ハードマスク組成物:
【化1】
上記化学式2中、
X
1
~X
3
はそれぞれ独立してNまたはCR
a
であり、ここで、R
a
は水素、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数2~40のヘテロ環であり、
B
1
~B
6
は、それぞれ独立して、炭素数6~30の芳香族環であり、
L
1
~L
3
は、それぞれ独立して、単一結合、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリーレン基またはこれらの組み合わせであり、
R
1
~R
3
は、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロ環基またはこれらの組み合わせであり、
m
1
~m
6
は、それぞれ独立して、0または1であり、
n
1
~n
3
は、それぞれ独立して、0~4の整数である。
【請求項2】
X
1~X
3は、互いに同一である、請求項1に記載のハードマスク組成物。
【請求項3】
B
1~B
6は、それぞれ独立して、下記グループ1から選択されるいずれか一つである、請求項
1または2に記載のハードマスク組成物:
【化2】
【請求項4】
L
1~L
3は、それぞれ独立して、単一結合、置換もしくは非置換のフェニレン基、または置換もしくは非置換のベンゼンモイエティが単一結合で連結された2価の基である、請求項1~
3のいずれか1項に記載のハードマスク組成物。
【請求項5】
L
1~L
3は、それぞれ独立して、単一結合、置換もしくは非置換のフェニレン基、置換もしくは非置換のビフェニレン基、置換もしくは非置換のテルフェニレン基、置換もしくは非置換のクアテルフェニレン基、または置換もしくは非置換のキンクフェニレン基である、請求項1~
3のいずれか1項に記載のハードマスク組成物。
【請求項6】
L
1~L
3は、それぞれ独立して、下記化学式3で表される、請求項1~
3のいずれか1項に記載のハードマスク組成物:
【化3】
上記化学式3中、
lは、0~4の整数であり、
*は、前
記化学式2で表される化合物内の他のモイエティとの連結地点である。
【請求項7】
m
1およびm
2のうちの少なくとも一つは1であり、
m
3およびm
4のうちの少なくとも一つは1であり、
m
5およびm
6のうちの少なくとも一つは1である、請求項1~
6のいずれか1項に記載のハードマスク組成物。
【請求項8】
前記化学式
2で表される化合物は、下記化学式4~6のうちのいずれか一つで表される、請求項1に記載のハードマスク組成物:
【化4】
【化5】
【化6】
上記化学式4~6中、
X
1~X
3はそれぞれ独立してNまたはCR
aであり、ここで、R
aは水素、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロ環基またはこれらの組み合わせであり、
R
1~R
3は、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロ環基またはこれらの組み合わせであり、
l
1~l
3、およびn
1~n
3は、それぞれ独立して、0~4の整数である。
【請求項9】
前記化学式
2で表される化合物は、第1化合物であり、
前記重合体は、前記第1化合物;および前記第1化合物と異なり、少なくとも一つのカルボニルモイエティ、エーテルモイエティまたはこれらの組み合わせを含む第2化合物を含む反応混合物の反応によって得られる構造単位(モイエティ)を含む、請求項1~
8のいずれか1項に記載のハードマスク組成物。
【請求項10】
前記第2化合物は、アルデヒド基を少なくとも一つ含むか;
置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアルケニルオキシ基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアルキニルオキシ基またはこれらの組み合わせで置換されたアルキル基を少なくとも二つ含む、請求項
9に記載のハードマスク組成物。
【請求項11】
前記第2化合物は、下記化学式7または8で表される、請求項
9に記載のハードマスク組成物:
【化7】
上記化学式7中、
Aは水素、置換もしくは非置換の炭素数6~40の芳香族環、置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロ環またはこれらの組み合わせである:
【化8】
上記化学式8中、
Dは、置換もしくは非置換の炭素数6~40の芳香族環であり、
R
4およびR
5は、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアルキニル基またはこれらの組み合わせである。
【請求項12】
Aは、水素、あるいは、下記グループ2から選択される置換もしくは非置換のいずれか一つである、請求項
11に記載のハードマスク組成物:
【化9】
上記グループ2中、
Y
1およびY
2は、それぞれ独立して、水素、炭素数6~30のアリール基、炭素数2~30のヘテロ環基またはこれらの組み合わせであり、
Z
1~Z
5は、それぞれ独立して、炭素数6~30の芳香族環であり、
W
1およびW
2は、それぞれ独立して、BR
b、NR
c、O、S、PR
dまたはP(=O)R
eであり、ここで、R
b~R
eはそれぞれ独立して水素、炭素数1~30のアルキル基、炭素数2~30のアルケニル基、炭素数2~30のアルキニル基、炭素数1~30のヘテロアルキル基、炭素数3~30のシクロアルキル基、炭素数3~30のシクロアルケニル基、炭素数6~30のアリール基、炭素数2~30のヘテロ環基またはこれらの組み合わせである。
【請求項13】
Dは、下記グループ3から選択される置換もしくは非置換のいずれか一つである、請求項
11に記載のハードマスク組成物:
【化10】
上記グループ3中、
Wは、単一結合、酸素(-O-)、硫黄(-S-)、-SO
2-、置換もしくは非置換のエテニレン、カルボニル(-C(=O)-)、CR
gR
h、NR
iまたはこれらの組み合わせであり、ここで、R
g~R
iはそれぞれ独立して水素、ハロゲン、カルボキシル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のオキソアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルコキシカルボニル基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のヘテロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~30のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~30のシクロアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数3~30のヘテロ環基またはこれらの組み合わせであり、
pは、1~30の整数であり、
*は、化学式8で表される化合物内の他のモイエティとの連結地点である。
【請求項14】
R
4およびR
5は、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のメチル基、置換もしくは非置換のエチル基、置換もしくは非置換のプロピル基、置換もしくは非置換のブチル基、置換もしくは非置換のペンチル基、置換もしくは非置換のヘキシル基、置換もしくは非置換のエテニル基、置換もしくは非置換のプロペニル基、置換もしくは非置換のブテニル基、置換もしくは非置換のペンテニル基、置換もしくは非置換のヘキセニル基、置換もしくは非置換のエチニル基、置換もしくは非置換のプロピニル基、置換もしくは非置換のブチニル基、置換もしくは非置換のペンチニル基、置換もしくは非置換のヘキシニル基またはこれらの組み合わせである、請求項
11~
13のいずれか1項に記載のハードマスク組成物。
【請求項15】
前記反応混合物は、前記第1化合物および第2化合物と異なり、置換もしくは非置換の炭素数6~40の芳香族環、置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロ環またはこれらの組み合わせを含む第3化合物をさらに含む、請求項
9~
14のいずれか1項に記載のハードマスク組成物。
【請求項16】
前記第3化合物は、少なくとも一つのヒドロキシ基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルコキシ基またはこれらの組み合わせで置換されるか非置換の炭素数6~40の芳香族環を含む、請求項
15に記載のハードマスク組成物。
【請求項17】
材料層の上に請求項1~
16のいずれか1項に記載のハードマスク組成物を塗布し熱処理してハードマスク層を形成する段階、
前記ハードマスク層の上にフォトレジスト層を形成する段階、
前記フォトレジスト層を露光および現像してフォトレジストパターンを形成する段階、
前記フォトレジストパターンを用いて前記ハードマスク層を選択的に除去し前記材料層の一部を露出する段階、および
前記材料層の露出された部分をエッチングする段階
を含む、パターン形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ハードマスク組成物、そして前記ハードマスク組成物を使用するパターン形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、半導体産業は数百ナノメートル大きさのパターンから数乃至数十ナノメートル大きさのパターンを有する超微細技術に発展している。このような超微細技術を実現するためには効果的なリソグラフィック技法が必須である。
【0003】
典型的なリソグラフィック技法は、半導体基板の上に材料層を形成し、その上にフォトレジスト層をコーティングし、露光および現像を行ってフォトレジストパターンを形成した後、前記フォトレジストパターンをマスクにして材料層をエッチングする過程を含む。
【0004】
近来、形成しようとするパターンの大きさが減少するにつれて上述の典型的なリソグラフィック技法のみでは良好なプロファイルを有する微細パターンを形成しにくい。そこで、エッチングしようとする材料層とフォトレジスト層の間に別名ハードマスク層(hardmask layer)と呼ばれる補助層を形成して微細パターンを形成することが検討されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一実施形態は、ハードマスク層に効果的に適用することができる重合体を含むハードマスク組成物を提供する。
【0006】
他の実施形態は、前記ハードマスク組成物を使用したパターン形成方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態によれば、下記化学式1で表される化合物に由来するモイエティを含む重合体、および溶媒を含むハードマスク組成物を提供する。
【0008】
【0009】
上記化学式1中、X1~X3はそれぞれ独立してNまたはCRaであり、ここで、Raは水素、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロ環基またはこれらの組み合わせであり、A1~A3は、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数2~40のヘテロ環であり、1~L3は、それぞれ独立して、単一結合、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリーレン基またはこれらの組み合わせである。
【0010】
X1~X3は、互いに同一であってもよい。
【0011】
A1~A3は、それぞれ独立して、窒素原子を含む五員ヘテロ環を含むことができる。
【0012】
A1~A3は、それぞれ独立して、縮合環であってもよい。
【0013】
前記化学式1で表される化合物は、下記化学式2で表すことができる。
【0014】
【0015】
上記化学式2中、X1~X3はそれぞれ独立してNまたはCRaであり、ここで、Raは水素、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数2~40のヘテロ環であり、
B1~B6は、それぞれ独立して、炭素数6~30の芳香族環であり、L1~L3は、それぞれ独立して、単一結合、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリーレン基またはこれらの組み合わせであり、R1~R3は、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロ環基またはこれらの組み合わせであり、m1~m6は、それぞれ独立して、0または1であり、n1~n3は、それぞれ独立して、0~4の整数である。
【0016】
B1~B6は、それぞれ独立して、下記グループ1から選択されるいずれか一つであってもよい。
【0017】
【0018】
L1~L3は、それぞれ独立して、単一結合、置換もしくは非置換のフェニレン基、または置換もしくは非置換のベンゼンモイエティが単一結合で連結された2価の基であってもよい。
L1~L3は、それぞれ独立して、単一結合、置換もしくは非置換のフェニレン基、置換もしくは非置換のビフェニレン基、置換もしくは非置換のテルフェニレン基、置換もしくは非置換のクアテルフェニレン基、または置換もしくは非置換のキンクフェニレン基であってもよい。
【0019】
L1~L3は、それぞれ独立して、下記化学式3で表すことができる。
【0020】
【0021】
上記化学式3中、lは、0~4の整数であり、*は、化学式1で表される化合物内の他のモイエティとの連結地点である。
【0022】
m1およびm2のうちの少なくとも一つは1であり、m3およびm4のうちの少なくとも一つは1であり、m5およびm6のうちの少なくとも一つは1であってもよい。
【0023】
前記化学式1で表される化合物は、下記化学式4~6のうちのいずれか一つで表すことができる。
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
上記化学式4~6中、X1~X3はそれぞれ独立してNまたはCRaであり、ここで、Raは水素、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロ環基またはこれらの組み合わせであり、R1~R3は、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロ環基またはこれらの組み合わせであり、l1~l3、およびn1~n3は、それぞれ独立して、0~4の整数である。
【0028】
前記化学式1で表される化合物は第1化合物であり得る。
【0029】
前記重合体は、前記第1化合物;および前記第1化合物と異なり、少なくとも一つのカルボニルモイエティ、エーテルモイエティまたはこれらの組み合わせを含む第2化合物を含む反応混合物の反応によって得られる構造単位を含むことができる。
【0030】
前記第2化合物は、アルデヒド基を少なくとも一つ含むか;置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアルケニルオキシ基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアルキニルオキシ基またはこれらの組み合わせで置換されたアルキル基を少なくとも二つ含むことができる。
【0031】
前記第2化合物は、下記化学式7または8で表すことができる。
【0032】
【0033】
上記化学式7中、Aは水素、置換もしくは非置換の炭素数6~40の芳香族環、置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロ環またはこれらの組み合わせである:
【0034】
【0035】
上記化学式8中、Dは、置換もしくは非置換の炭素数6~40の芳香族環であり、R4およびR5は、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアルキニル基またはこれらの組み合わせである。
【0036】
Aは、水素または下記グループ2から選択される置換もしくは非置換のいずれか一つであってもよい。
【0037】
【0038】
上記グループ2中、Y1およびY2は、それぞれ独立して、水素、炭素数6~30のアリール基、炭素数2~30のヘテロ環基またはこれらの組み合わせであり、Z1~Z5は、それぞれ独立して、炭素数6~30の芳香族環であり、W1およびW2はそれぞれ独立してBRb、NRc、O、S、PRdまたはP(=O)Reであり、ここで、Rb~Reはそれぞれ独立して水素、炭素数1~30のアルキル基、炭素数2~30のアルケニル基、炭素数2~30のアルキニル基、炭素数1~30のヘテロアルキル基、炭素数3~30のシクロアルキル基、炭素数3~30のシクロアルケニル基、炭素数6~30のアリール基、炭素数2~30のヘテロ環基またはこれらの組み合わせである。
【0039】
Dは、下記グループ3から選択される置換もしくは非置換のいずれか一つであってもよい。
【0040】
【0041】
上記グループ3中、Wは単一結合、酸素(-O-)、硫黄(-S-)、-SO2-、置換もしくは非置換のエテニレン、カルボニル(-C(=O)-)、CRgRh、NRiまたはこれらの組み合わせであり、ここで、Rg~Riはそれぞれ独立して水素、ハロゲン、カルボキシル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のオキソアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルコキシカルボニル基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のヘテロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~30のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~30のシクロアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数3~30のヘテロ環基またはこれらの組み合わせであり、pは、1~30の整数であり、*は、化学式8で表される化合物内の他のモイエティとの連結地点である。
【0042】
R4およびR5は、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のメチル基、置換もしくは非置換のエチル基、置換もしくは非置換のプロピル基、置換もしくは非置換のブチル基、置換もしくは非置換のペンチル基、置換もしくは非置換のヘキシル基、置換もしくは非置換のエテニル基、置換もしくは非置換のプロペニル基、置換もしくは非置換のブテニル基、置換もしくは非置換のペンテニル基、置換もしくは非置換のヘキセニル基、置換もしくは非置換のエチニル基、置換もしくは非置換のプロピニル基、置換もしくは非置換のブチニル基、置換もしくは非置換のペンチニル基、置換もしくは非置換のヘキシニル基またはこれらの組み合わせであってもよい。
【0043】
前記反応混合物は前記第1化合物および第2化合物と異なり、置換もしくは非置換の炭素数6~40の芳香族環、置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロ環またはこれらの組み合わせを含む第3化合物をさらに含むことができる。
【0044】
前記第3化合物は、少なくとも一つのヒドロキシ基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルコキシ基またはこれらの組み合わせで置換されるか非置換の炭素数6~40の芳香族環を含むことができる。
【0045】
他の実施形態によれば、材料層の上に前記ハードマスク組成物を塗布し熱処理してハードマスク層を形成する段階、前記ハードマスク層の上にフォトレジスト層を形成する段階、前記フォトレジスト層を露光および現像してフォトレジストパターンを形成する段階、前記フォトレジストパターンを用いて前記ハードマスク層を選択的に除去し前記材料層の一部を露出する段階、そして前記材料層の露出された部分をエッチングする段階を含むパターン形成方法を提供する。
【発明の効果】
【0046】
重合体の溶解度およびハードマスク層の耐エッチング性を同時に良好なものとすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、本発明の実施形態について本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳しく説明する。しかし、本発明は様々な異なる形態に実現でき、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0048】
まず、本明細書において、範囲を示す「X~Y」は「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20~25℃)/相対湿度40~50%RHの条件で測定する。
【0049】
以下、本明細書で特別な定義がない限り、「置換された」とは、化合物中の水素原子が、重水素、ハロゲン原子(F、Br、Cl、またはI)、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アジド基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、カルボニル基、カルバモイル基、チオール基、エステル基、カルボキシル基やその塩、スルホン酸基やその塩、リン酸やその塩、炭素数1~30(炭素数1~20、炭素数1~15、炭素数1~10、炭素数1~6、炭素数1~5、炭素数1~4、あるいは、炭素数1~3)のアルキル基、炭素数2~30(炭素数2~20、炭素数2~15、炭素数2~10、炭素数2~8、炭素数3~6、あるいは、炭素数3~5)のアルケニル基、炭素数2~30(炭素数2~20、炭素数2~15、炭素数2~10、炭素数2~8、炭素数3~6、あるいは、炭素数3~5)のアルキニル基、炭素数6~30(炭素数6~25、炭素数6~20、あるいは、炭素数6~17)のアリール基、炭素数7~30(炭素数7~25、炭素数7~20、あるいは、炭素数7~15)のアリールアルキル基、炭素数1~30(炭素数1~20、炭素数1~15、炭素数1~10、炭素数1~8、炭素数1~6、炭素数1~4、あるいは、炭素数1~3)のアルコキシ基、炭素数1~20(炭素数1~15、炭素数1~10、炭素数1~8、炭素数1~6、炭素数1~4、あるいは、炭素数1~3)のヘテロアルキル基、炭素数3~20(炭素数3~15、あるいは、炭素数3~10)のヘテロアリールアルキル基、炭素数3~30(炭素数3~20、炭素数3~15、あるいは、炭素数3~10)のシクロアルキル基、炭素数3~15(炭素数3~10、炭素数3~8、あるいは、炭素数3~7)のシクロアルケニル基、炭素数6~15(炭素数6~10、炭素数6~8、あるいは、炭素数6または7)のシクロアルキニル基、炭素数2~30(炭素数2~20、炭素数2~15、炭素数2~10、炭素数2~8、炭素数3~6、あるいは、炭素数3~5)のヘテロ環基およびこれらの組み合わせから選択された置換基で換されたことを意味する。
【0050】
また、前記置換されたハロゲン原子(F、Br、Cl、またはI)、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アジド基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、カルボニル基、カルバモイル基、チオール基、エステル基、カルボキシル基やその塩、スルホン酸基やその塩、リン酸やその塩、炭素数1~30のアルキル基、炭素数2~30のアルケニル基、炭素数2~30のアルキニル基、炭素数6~30のアリール基、炭素数7~30のアリールアルキル基、炭素数1~30のアルコキシ基、炭素数1~20のヘテロアルキル基、炭素数3~20のヘテロアリールアルキル基、炭素数3~30のシクロアルキル基、炭素数3~15のシクロアルケニル基、炭素数6~15のシクロアルキニル基、炭素数2~30のヘテロ環基のうちの隣接した二つの置換基が融合されて環を形成することもできる。例えば、前記置換された炭素数6~30のアリール基は隣接したまた他の置換された炭素数6~30のアリール基と融合されて置換もしくは非置換のフルオレン環を形成することができる。
【0051】
また、本明細書で別途の定義がない限り、「ヘテロ」とは、N、O、S、SeおよびPから選択されたヘテロ原子を1個~3個含有していることを意味する。
【0052】
本明細書で別途の定義がない限り、「ヘテロアルキル基」はエーテルモイエティを含むアルキル基を含む概念であり、例えば、アルコキシ基(例えば、炭素数1~30、炭素数1~20、炭素数1~15、炭素数1~10、炭素数1~8、炭素数1~6、炭素数1~4、あるいは、炭素数1~3のアルコキシ基)で置換されたアルキル基(例えば、炭素数1~30(炭素数1~20、炭素数1~15、炭素数1~10、炭素数1~6、炭素数1~5、炭素数1~4、あるいは、炭素数1~3のアルキル基)を含むことができ、具体的に、メトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシプロピル基、メトキシブチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基、エトキシプロピル基、エトキシブチル基、プロポキシメチル基、プロポキシエチル基、プロポキシプロピル基、プロポキシブチル基、ブトキシメチル基、ブトキシエチル基、ブトキシプロピル基またはブトキシブチル基を含むことができる。
【0053】
本明細書で「アリール基(aryl group)」は炭化水素芳香族モイエティを一つ以上有するグループを意味し、広くは、炭化水素芳香族モイエティが単一結合で連結された形態および炭化水素芳香族モイエティが直接または間接的に融合された非芳香族融合環も含む。アリール基は、モノサイクリック、ポリサイクリックまたは融合されたポリサイクリック(即ち、炭素原子の隣接した対を分け持つ環(縮合環))官能基を含む。
【0054】
本明細書で「ヘテロ環基(heterocyclic group)」はヘテロアリール基を含む概念であり、これに追加してアリール基、シクロアルキル基、これらの融合環またはこれらの組み合わせのような環化合物内で炭素(C)の代わりにN、O、S、P、およびSiから選択されるヘテロ原子を少なくとも一つ含有するものを意味する。前記ヘテロ環基が融合環である場合、前記ヘテロ環基全体またはそれぞれの環ごとにヘテロ原子を一つ以上含むことができる。
【0055】
より具体的に、置換もしくは非置換のアリール基は、置換もしくは非置換のフェニル基、置換もしくは非置換のナフチル基、置換もしくは非置換のアントラセニル基、置換もしくは非置換のフェナントリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、置換もしくは非置換のナフタセニル基、置換もしくは非置換のピレニル基、置換もしくは非置換のビフェニル基、置換もしくは非置換のテルフェニル基、置換もしくは非置換のクアテルフェニル基、置換もしくは非置換のクリセニル基、置換もしくは非置換のトリフェニレニル基、置換もしくは非置換のペリレニル基、置換もしくは非置換のインデニル基、これらの組み合わせまたは組み合わせが融合された形態であり得るが、これに制限されない。この「置換もしくは非置換のアリール基」の説明は、本明細書全体に亘って適用されうる。
【0056】
より具体的に、置換もしくは非置換のヘテロ環基は、置換もしくは非置換のフラニル基、置換もしくは非置換のチオフェニル基、置換もしくは非置換のピロリル基、置換もしくは非置換のピラゾリル基、置換もしくは非置換のイミダゾリル基、置換もしくは非置換のトリアゾリル基、置換もしくは非置換のオキサゾリル基、置換もしくは非置換のチアゾリル基、置換もしくは非置換のオキサジアゾリル基、置換もしくは非置換のチアジアゾリル基、置換もしくは非置換のピリジニル基、置換もしくは非置換のピリミジニル基、置換もしくは非置換のピラジニル基、置換もしくは非置換のトリアジニル基、置換もしくは非置換のベンゾフラニル基、置換もしくは非置換のベンゾチオフェニル基、置換もしくは非置換のベンゾイミダゾリル基、置換もしくは非置換のインドリル基、置換もしくは非置換のキノリニル基、置換もしくは非置換のイソキノリニル基、置換もしくは非置換のキナゾリニル基、置換もしくは非置換のキノキサリニル基、置換もしくは非置換のナフチリジニル基、置換もしくは非置換のベンゾオキサジニル基、置換もしくは非置換のベンゾチアジニル基、置換もしくは非置換のアクリジニル基、置換もしくは非置換のフェナジニル基、置換もしくは非置換のフェノチアジニル基、置換もしくは非置換のフェノキサジニル基、置換もしくは非置換のジベンゾフラニル基、置換もしくは非置換のジベンゾチオフェニル基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のピリドインドリル基、置換もしくは非置換のベンゾピリドオキサジニル基、置換もしくは非置換のベンゾピリドチアジニル基、置換もしくは非置換の9,9-ジメチル9,10ジヒドロアクリジニル基、これらの組み合わせまたはこれらの組み合わせが融合された形態であり得るが、これに制限されない。この「置換もしくは非置換のヘテロ環基」の説明は、本明細書全体に亘って適用されうる。
【0057】
本明細書で特別な言及がない限り、「組み合わせ」とは、混合または共重合を意味する場合がある。また、本明細書で、重合体は、オリゴマー(oligomer)と重合体(polymer)を含むものを意味する。
【0058】
以下、一実施形態によるハードマスク組成物を説明する。
【0059】
一実施形態によるハードマスク組成物は、重合体および溶媒を含む。
【0060】
前記重合体は、芳香族環またはヘテロ環であるコア、および前記コアに置換されヘテロ環を含む複数個の置換基を含む化合物に由来するモイエティを含むことができる。前記コアは6員環であってもよく、例えば、ベンゼン環または少なくとも一つの窒素原子を含む6員ヘテロ環であり得る。
【0061】
前記モイエティを含む化合物がコアと、前記コアに置換される置換基として全て高炭素含量の芳香族環および/またはヘテロ環を複数含むことによって、前記化合物に由来するモイエティを含む重合体が固い層を形成することができて高い耐エッチング性を付与することができる。一例では、各置換基中のヘテロ原子の数が2個以下あるいは1個である。そうすることで高炭素含量になりうる。
【0062】
一例として、前記コアに置換されている、複数個のヘテロ環を含む置換基はヘテロ環を末端に含むことができ、前記置換基は3個であり得る。これにより、重合体間のスタッキング相互作用(stacking interaction)が防止され重合体間の引力が減少して、重合体の溶解度が向上できる。
【0063】
一例として、重合体は、下記化学式1で表される化合物に由来するモイエティを含むことができる。
【0064】
【0065】
上記化学式1中、
X1~X3はそれぞれ独立してNまたはCRaであり、ここで、Raは水素、置換もしくは非置換の炭素数1~30(炭素数1~20、炭素数1~15、炭素数1~10、炭素数1~6、炭素数1~5、炭素数1~4、あるいは、炭素数1~3)のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30(炭素数2~20、炭素数2~15、炭素数2~10、炭素数2~8、炭素数3~6、あるいは、炭素数3~5)のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30(炭素数2~20、炭素数2~15、炭素数2~10、炭素数2~8、炭素数3~6、あるいは、炭素数3~5)のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30(炭素数6~25、炭素数6~20、あるいは、炭素数6~17)のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数2~30(炭素数2~20、炭素数2~15、炭素数2~10、炭素数2~8、炭素数3~6、あるいは、炭素数3~5)のヘテロ環基またはこれらの組み合わせであり、A1~A3は、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数2~40のヘテロ環であり、L1~L3は、それぞれ独立して、単一結合、置換もしくは非置換の炭素数6~30(炭素数6~25、炭素数6~20、あるいは、炭素数6~17)のアリーレン基またはこれらの組み合わせである。
【0066】
一例として、X1~X3は互いに同一であり得る。例えば、X1~X3は全てNであるか、X1~X3は全てCRaであり得る。一例として、Raは水素であり得る。一例として、A1~A3は五員ヘテロ環を含むことができ、例えば、A1~A3はそれぞれ独立して窒素原子を含む五員ヘテロ環を含むことができる。
【0067】
一例として、A1~A3はそれぞれ独立して単一環または多環であってもよく、前記多環は例えば縮合環であり得る。具体的に、A1~A3はそれぞれ独立して置換もしくは非置換のピロール、置換もしくは非置換のインドール、置換もしくは非置換のカルバゾールであり得るが、これに限定されるものではない。一例として、A1~A3は互いに同一であるか異なってもよいが、好ましくは互いに同一であり得る。
【0068】
一例として、L1~L3の定義中、前記置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリーレン基は、2価の非縮合芳香族環基、2価の縮合芳香族環基、芳香族モイエティが単一結合で連結された2価の基、ベンゼン環上の互いに平行でない二つの辺に縮合されたそれぞれの環が融合された2価の基、ベンゼン環上の互いに平行でない二つの辺に縮合されたそれぞれの環が単一結合または二重結合で連結された2価の基、またはこれらの組み合わせであり得る。
【0069】
一例として、L1~L3は、それぞれ独立して、単一結合、置換もしくは非置換のフェニレン基、または置換もしくは非置換のベンゼンモイエティが単一結合で連結された2価の基であり得る。これにより、化合物の高い回転自由度を確保することができ、高い回転自由度を確保することによってスピンコーティングのような溶液工程にさらに効果的に適用することができる。それだけでなく、高炭素含量の芳香族環およびヘテロ環が単一結合で連結されることによって、重合体の炭素含量を高めることができて固い層を形成することができるので、さらに高い耐エッチング性を付与することができる。
【0070】
一例として、L1~L3は、それぞれ独立して、単一結合、置換もしくは非置換のフェニレン基、置換もしくは非置換のビフェニレン基、置換もしくは非置換のテルフェニレン基、置換もしくは非置換のクアテルフェニレン基、または置換もしくは非置換のキンクフェニレン基であり得る。
【0071】
一例として、L1~L3は、それぞれ独立して、単一結合、置換もしくは非置換のフェニレン基、置換もしくは非置換のビフェニレン基、置換もしくは非置換のパラ-テルフェニレン基、置換もしくは非置換のパラ-クアテルフェニレン基、または置換もしくは非置換のパラ-キンクフェニレン基であり得る。
【0072】
具体的に、L1~L3は、それぞれ独立して、下記化学式3で表すことができる。
【0073】
【0074】
上記化学式3中、lは、0~4の整数であり、*は、化学式1で表される化合物内の他のモイエティとの連結地点である。
【0075】
一例として、lは、0~2の整数であってもよく、例えば、0または1であり得る。
【0076】
一例として、L1~L3は互いに同一であるか異なってもよいが、好ましくは互いに同一であり得る。
【0077】
一例として、前記化学式1で表される化合物は、下記化学式2で表すことができる。
【0078】
【0079】
上記化学式2中、
X1~X3、およびL1~L3はそれぞれ前述の通りであり、B1~B6は、それぞれ独立して、炭素数6~30の芳香族環であり、R1~R3は、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1~30(炭素数1~20、炭素数1~15、炭素数1~10、炭素数1~6、炭素数1~5、炭素数1~4、あるいは、炭素数1~3)のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30(炭素数2~20、炭素数2~15、炭素数2~10、炭素数2~8、炭素数3~6、あるいは、炭素数3~5)のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30(炭素数2~20、炭素数2~15、炭素数2~10、炭素数2~8、炭素数3~6、あるいは、炭素数3~5)のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30(炭素数6~25、炭素数6~20、あるいは、炭素数6~17)のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数2~30(炭素数2~20、炭素数2~15、炭素数2~10、炭素数2~8、炭素数3~6、あるいは、炭素数3~5)のヘテロ環基またはこれらの組み合わせであり、m1~m6は、それぞれ独立して、0または1であり、n1~n3は、それぞれ独立して、0~4の整数(つまり、0、1、2、3または4)である。
【0080】
一例として、B1~B6は、それぞれ独立して、ベンゼン環であるか;2個以上の芳香族環が融合された融合環であるか;2個以上の芳香族環が単一結合で連結された非融合環であり得る。
【0081】
一例として、2個以上の芳香族環が融合された融合環は、2~8個の芳香族環が融合された融合環(縮合環)、2~7個の芳香族環が融合された融合環(縮合環)、3~6個の芳香族環が融合された融合環(縮合環)、または、3~5個の芳香族環が融合された融合環(縮合環)である。なお、2個以上の芳香族環が融合された融合環の中に、共鳴構造を有しない部位があってもよい。
【0082】
一例として、B1~B6は、それぞれ独立して、下記グループ1から選択されるいずれか一つであり得る。
【0083】
【0084】
一例として、B1~B6は互いに同一であるか異なってもよいが、例えば、互いに同一であり得る。
【0085】
一例として、B1~B6は、それぞれ独立して、ベンゼンであり得る。
【0086】
一例として、m1およびm2のうちの少なくとも一つは1であってもよく、m3およびm4のうちの少なくとも一つは1であってもよく、m5およびm6のうちの少なくとも一つは1であり得る。一例として、m1およびm2は1であってもよく、m3およびm4は1であってもよく、m5およびm6は1であり得る。一例として、m1~m6は、全て1であり得る。一例として、m1~m6は、全て0であり得る。
【0087】
一例として、n1~n3はそれぞれ独立して0~2の整数であってもよく、例えば、0または1であり得る。一例として、n1~n3は互いに同一であるか異なってもよいが、好ましくは互いに同じであってもよく、例えば、n1~n3は全て0であり得る。
【0088】
一例として、前記化学式1で表される化合物は、下記化学式4~6のうちのいずれか一つで表すことができる。
【0089】
【0090】
【0091】
【0092】
上記化学式4~6中、X1~X3、R1~R3、およびn1~n3はそれぞれ前述の通りであり、l1~l3は、それぞれ独立して、0~4の整数である。
【0093】
一例として、l1~l3はそれぞれ独立して0~2の整数であってもよく、例えば、0または1であり得る。一例として、l1~l3は互いに同一であるか異なってもよいが、好ましくは互いに同一であり得る。
【0094】
本明細書中、前記化学式1(化学式2~6を含む)で表される化合物を第1化合物とも言う。
【0095】
前記重合体は、前記第1化合物と異なり、少なくとも一つのカルボニルモイエティ、エーテルモイエティまたはこれらの組み合わせを含む第2化合物に由来するモイエティをさらに含むことができる。
【0096】
一例として、前記重合体は、前記第1化合物;および前記第1化合物と異なり、少なくとも一つの酸素原子を含む第2化合物;を含む反応混合物の反応によって得られる構造単位を含むことができる。
【0097】
一例として、前記重合体は、前記第1化合物を少なくとも2種;および前記第1化合物と異なり、少なくとも一つの酸素原子を含む第2化合物;を含む反応混合物の反応によって得られる構造単位を含むことができる。
【0098】
前記少なくとも一つの酸素原子を含む有機基は、少なくとも一つのカルボニルモイエティ、エーテルモイエティまたはこれらの組み合わせを含む有機基であり得る。ここで、前記カルボニルモイエティを含む有機基は例えば、ケトン基、アルデヒド基、エステル基、アミド基、アシル基、カルボキシル基、ウレタン基、カーボネート基またはこれらの組み合わせを含むことができ;前記エーテルモイエティを含む有機基は例えば、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基またはこれらの組み合わせで置換されたアルキル基を含むことができる。
【0099】
一例として、前記第2化合物は、少なくとも一つのアルデヒド基;アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基またはこれらの組み合わせで置換されたアルキル基;またはこれらの組み合わせを含むことができる。これにより、前記第2化合物が前記第1化合物(および/または後述の第3化合物)と反応して2次炭素、3次炭素、4次炭素、またはこれらの組み合わせで結合でき、具体的に、2次炭素、3次炭素、またはこれらの組み合わせで結合できる。ここで、2次炭素とは中心炭素が成し得る4個の結合のうちの2個がそれぞれ互いに異なる炭素と結合された中心炭素であると定義し、3次炭素とは中心炭素が成し得る4個の結合のうちの3個がそれぞれ互いに異なる炭素と結合された中心炭素であると定義し、4次炭素とは中心炭素が成し得る4個の結合が全て互いに異なる炭素と結合された中心炭素であると定義する。これにより、重合体の優れた耐エッチング性を劣化させないながらも、溶媒に対する溶解性をさらに高めることによって、重合体は溶液として準備されてスピン-オンコーティングのような溶液工程で重合体層として効果的に形成できる。また、形成された重合体層は高い耐エッチング性によって後続エッチング工程で露出されるエッチングガスによる損傷を減らすか防止することができる。
【0100】
一例として、前記第2化合物は、アルデヒド基を少なくとも一つ含むか;置換もしくは非置換の炭素数1~30(炭素数1~20、炭素数1~15、炭素数1~10、炭素数1~8、炭素数1~6、炭素数1~4、あるいは、炭素数1~3)のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数2~30(炭素数2~20、炭素数2~15、炭素数2~10、炭素数2~8、炭素数3~6、あるいは、炭素数3~5)のアルケニルオキシ基、置換もしくは非置換の炭素数2~30(炭素数2~20、炭素数2~15、炭素数2~10、炭素数2~8、炭素数3~6、あるいは、炭素数3~5)のアルキニルオキシ基またはこれらの組み合わせで置換されたアルキル基を少なくとも二つ含むことができる。一例として、アルデヒド基を少なくとも一つ含む第2化合物のアルデヒド基の数は、例えば、4個以下、3個以下、あるいは、2個以下である。
【0101】
一例として、前記第2化合物は、ただ一つのアルデヒド基を含むか;置換もしくは非置換の炭素数1~30(炭素数1~20、炭素数1~15、炭素数1~10、炭素数1~8、炭素数1~6、炭素数1~4、あるいは、炭素数1~3)のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数2~30(炭素数2~20、炭素数2~15、炭素数2~10、炭素数2~8、炭素数3~6、あるいは、炭素数3~5)のアルケニルオキシ基、置換もしくは非置換の炭素数2~30(炭素数2~20、炭素数2~15、炭素数2~10、炭素数2~8、炭素数3~6、あるいは、炭素数3~5)のアルキニルオキシ基またはこれらの組み合わせで置換されたアルキル基を2つ含むことができる。
【0102】
一例として、前記第2化合物は、下記化学式7または8で表すことができる。
【0103】
【0104】
上記化学式7中、Aは、水素、置換もしくは非置換の炭素数6~40の芳香族環、置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロ環またはこれらの組み合わせである。
【0105】
【0106】
上記化学式8中、Dは、置換もしくは非置換の炭素数6~40の芳香族環であり、R4およびR5は、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアルキニル基またはこれらの組み合わせである。
【0107】
前記芳香族環は、ベンゼン環であるか;2個以上の芳香族環が融合された融合環であるか;2個以上の芳香族環が単一結合、炭素数1~5のアルキレン基、O、C(=O)またはOC(=O)によって連結された非融合環であり得る。前記ヘテロ環は、少なくとも一つのヘテロ原子を含む単一環であるか;2以上の少なくとも一つのヘテロ原子を含む環が融合された融合環であるか;2個以上の少なくとも一つのヘテロ原子を含む環が単一結合、炭素数1~5のアルキレン基、O、C(=O)またはOC(=O)によって連結された非融合環であり得る。
【0108】
前記置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基は、例えば、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、例えば、置換もしくは非置換の炭素数1~15のアルキル基、例えば、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、例えば、置換もしくは非置換の炭素数1~6のアルキル基、例えば、置換もしくは非置換の炭素数1~4のアルキル基、例えば、置換もしくは非置換の炭素数1~3のアルキル基、またはこれらの組み合わせであり得る。具体的に、前記置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基は置換もしくは非置換のメチル基、置換もしくは非置換のエチル基、置換もしくは非置換のプロピル基、置換もしくは非置換のブチル基、置換もしくは非置換のペンチル基、置換もしくは非置換のヘキシル基、置換もしくは非置換のへプチル基、置換もしくは非置換のオクチル基、置換もしくは非置換のノニル基、置換もしくは非置換のデシル基またはこれらの組み合わせであり得るが、これに限定されない。この「置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基」のこれらの具体的な説明は、明細書中の他の箇所についても適用されてもよい。
【0109】
前記置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基は、例えば、置換もしくは非置換の炭素数2~15のアルケニル基、例えば、置換もしくは非置換の炭素数2~10のアルケニル基、例えば、置換もしくは非置換の炭素数2~8のアルケニル基、またはこれらの組み合わせであり得る。具体的に、前記置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基は置換もしくは非置換のエテニル基、置換もしくは非置換のプロペニル基、置換もしくは非置換のブテニル基、置換もしくは非置換のペンテニル基、置換もしくは非置換のヘキセニル基、置換もしくは非置換のヘプテニル基、置換もしくは非置換のオクテニル基、置換もしくは非置換のノネニル基、置換もしくは非置換のデセニル基、またはこれらの組み合わせであり得るが、これに限定されない。この「置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基」のこれらの具体的な説明は、明細書中の他の箇所についても適用されてもよい。
【0110】
前記置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基は、例えば、置換もしくは非置換の炭素数2~15のアルキニル基、例えば、置換もしくは非置換の炭素数2~10のアルキニル基、例えば、置換もしくは非置換の炭素数2~8のアルキニル基、またはこれらの組み合わせであり得る。具体的に、前記置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基は置換もしくは非置換のエチニル基、置換もしくは非置換のプロピニル基、置換もしくは非置換のブチニル基、置換もしくは非置換のペンチニル基、置換もしくは非置換のヘキシニル基、置換もしくは非置換のへプチニル基、置換もしくは非置換のオクチニル基、置換もしくは非置換のノニニル基、置換もしくは非置換のデシニル基、またはこれらの組み合わせであり得るが、これに限定されない。この「置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基」のこれらの具体的な説明は、明細書中の他の箇所についても適用されてもよい。
【0111】
一例として、Aは多環であってもよく、ここで、前記多環は非縮合環、縮合環またはこれらの組み合わせであり得るが、好ましくは縮合環であり得る。これにより、重合体から製造した層のエッチングガスに対するさらに高い耐エッチング性を付与することができる。
【0112】
一例として、当該縮合環は、2~8個の芳香族環の縮合環、2~7個の芳香族環の縮合環、3~6個の芳香族の縮合環、または、3~5個の芳香族環縮合環である。なお、2個以上の芳香族環が融合された融合環の中に、共鳴構造を有しない部位があってもよい。
【0113】
一例として、Aは、水素または下記グループ2から選択される置換もしくは非置換のいずれか一つであり得る。
【0114】
【0115】
上記グループ2中、Y1およびY2は、それぞれ独立して、水素、炭素数6~30(炭素数6~25、炭素数6~20、あるいは、炭素数6~17)のアリール基、炭素数2~30(炭素数2~20、炭素数2~15、炭素数2~10、炭素数2~8、炭素数3~6、あるいは、炭素数3~5)のヘテロ環基またはこれらの組み合わせであり、Z1~Z5は、それぞれ独立して、炭素数6~30(炭素数6~25、炭素数6~20、あるいは、炭素数6~17)の芳香族環であり、W1およびW2はそれぞれ独立してBRb、NRc、O、S、PRdまたはP(=O)Reであり、ここで、Rb~Reはそれぞれ独立して水素、炭素数1~30(炭素数1~20、炭素数1~15、炭素数1~10、炭素数1~6、炭素数1~5、炭素数1~4、あるいは、炭素数1~3)のアルキル基、炭素数2~30(炭素数2~20、炭素数2~15、炭素数2~10、炭素数2~8、炭素数3~6、あるいは、炭素数3~5)のアルケニル基、炭素数2~30(炭素数2~20、炭素数2~15、炭素数2~10、炭素数2~8、炭素数3~6、あるいは、炭素数3~5)のアルキニル基、炭素数1~30(炭素数1~15、炭素数1~10、炭素数1~8、炭素数1~6、炭素数1~4、あるいは、炭素数1~3)のヘテロアルキル基、炭素数3~30(炭素数3~20、炭素数3~15、あるいは、炭素数3~10)のシクロアルキル基、炭素数3~30(炭素数3~10、炭素数3~8、あるいは、炭素数3~7)のシクロアルケニル基、炭素数6~30(炭素数6~25、炭素数6~20、あるいは、炭素数6~17)のアリール基、炭素数2~30(炭素数2~20、炭素数2~15、炭素数2~10、炭素数2~8、炭素数3~6、あるいは、炭素数3~5)のヘテロ環基またはこれらの組み合わせである。
【0116】
前記グループ2中、各モイエティは非置換でもよく、一つ以上の置換基で置換されていてもよい。ここで、置換基は、例えば、重水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシ基、置換もしくは非置換の炭素数1~30(炭素数1~20、炭素数1~15、炭素数1~10、炭素数1~8、炭素数1~6、炭素数1~4、あるいは、炭素数1~3)のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数1~30(炭素数2~20、炭素数2~15、炭素数2~10、炭素数2~8、炭素数3~6、あるいは、炭素数3~5)のアルキルアミノ基、置換もしくは非置換の炭素数1~30(炭素数2~20、炭素数2~15、炭素数2~10、炭素数2~8、炭素数3~6、あるいは、炭素数3~5)のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30(炭素数2~20、炭素数2~15、炭素数2~10、炭素数2~8、炭素数3~6、あるいは、炭素数3~5)のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30(炭素数2~20、炭素数2~15、炭素数2~10、炭素数2~8、炭素数3~6、あるいは、炭素数3~5)のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数1~30(炭素数1~15、炭素数1~10、炭素数1~8、炭素数1~6、炭素数1~4、あるいは、炭素数1~3)のヘテロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~30(炭素数3~20、炭素数3~15、あるいは、炭素数3~10)のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30(炭素数2~20、炭素数2~15、あるいは、炭素数2~10)のヘテロシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30(炭素数6~25、炭素数6~20、あるいは、炭素数6~17)のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数2~30(炭素数2~20、炭素数2~15、炭素数2~10、炭素数2~8、炭素数3~6、あるいは、炭素数3~5)のヘテロ環基またはこれらの組み合わせであり得るが、これに限定されるのではない。
【0117】
一例として、Y1およびY2はそれぞれ独立して水素、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントリル基、ナフタセニル基、ピレニル基、ビフェニル基、テルフェニル基、クアテルフェニル基、クリセニル基、トリフェニレニル基、ペリレニル基、これらの組み合わせまたはこれらの組み合わせが融合された形態であり得るが、これに制限されない。一例として、Y1およびY2は、同一であるか異なってもよい。
【0118】
一例として、Z1~Z5は、それぞれ独立して、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、フルオレン、フルオランテン、アセナフチレン、アセナフテン、ベンゾフェナントレン、ピレン、トリフェニレン、クリセン、テトラセン、ベンゾフルオランテン、ペリレン、ベンゾピレン、ナフトアントラセン、ペンタセン、ベンゾペリレン、ジベンゾピレン、コロネンまたはこれらの組み合わせであり得る。一例として、Z1~Z5は、同一であるか異なってもよい。一例として、Z1およびZ2は同一であるか異なってもよく、Z4およびZ5は同一であるか異なってもよい。
【0119】
一例として、Rb~Reはそれぞれ独立して水素または炭素数1~30のアルキル基であってもよく、ここで、前記炭素数1~30のアルキル基は前述の通りである。
【0120】
一例として、Dは、置換もしくは非置換の炭素数6~30(炭素数6~25、炭素数6~20、炭素数6~17、炭素数6~12、炭素数6~10、あるいは、炭素数6~8)の芳香族環である。
【0121】
一例として、Dは、置換もしくは非置換の炭素数6~40の芳香族環(縮合環)であり、当該縮合環は、2~8個の芳香族環の縮合環、2~7個の芳香族環の縮合環、3~6個の芳香族の縮合環、または、3~5個の芳香族環縮合環である。なお、2個以上の芳香族環が融合された融合環の中に、共鳴構造を有しない部位があってもよい。
【0122】
一例として、Dは、下記グループ3から選択される置換もしくは非置換のいずれか一つであり得る。前記グループ3の定義中、「置換された」は他の置換基でさらに置換されたことを意味し、「非置換の」は他の置換基でさらに置換されていないことを意味する。
【0123】
【0124】
上記グループ3中、Wは、単一結合、酸素(-O-)、硫黄(-S-)、-SO2-、置換もしくは非置換のエテニレン、カルボニル(-C(=O)-)、CRgRh、NRiまたはこれらの組み合わせであり、ここで、Rg~Riはそれぞれ独立して水素、ハロゲン、カルボキシル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30(炭素数2~20、炭素数2~15、炭素数2~10、炭素数2~8、炭素数3~6、あるいは、炭素数3~5)のオキソアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~30(炭素数1~20、炭素数1~15、炭素数1~10、炭素数1~8、炭素数1~6、炭素数1~4、あるいは、炭素数1~3)のアルコキシカルボニル基、置換もしくは非置換の炭素数1~30(炭素数1~20、炭素数1~15、炭素数1~10、炭素数1~8、炭素数1~6、炭素数1~4、あるいは、炭素数1~3)のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数1~10(炭素数1~6、炭素数1~5、炭素数1~4、あるいは、炭素数1~3)のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~30(炭素数2~20、炭素数2~15、炭素数2~10、炭素数2~8、炭素数3~6、あるいは、炭素数3~5)のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数1~30(炭素数2~20、炭素数2~15、炭素数2~10、炭素数2~8、炭素数3~6、あるいは、炭素数3~5)のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数1~30(炭素数1~15、炭素数1~10、炭素数1~8、炭素数1~6、炭素数1~4、あるいは、炭素数1~3)のヘテロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~30(炭素数3~20、炭素数3~15、あるいは、炭素数3~10)のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~30(炭素数3~10、炭素数3~8、あるいは、炭素数3~7)のシクロアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30(炭素数6~25、炭素数6~20、あるいは、炭素数6~17)のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数3~30(炭素数3~20、炭素数3~15、炭素数3~10、炭素数3~8、炭素数3~6、あるいは、炭素数3~5)のヘテロ環基またはこれらの組み合わせであり、pは、1~30の整数であり、*は、化学式8で表される化合物内の他のモイエティとの連結地点(*は、化学式8で表される化合物内のOR4、OR5との連結地点)である。
【0125】
一例として、pは1~20の整数、例えば、1~10の整数、例えば、1~5の整数、例えば、1~3の整数、例えば、1または2であり得る。
【0126】
一例として、R4およびR5は、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のメチル基、置換もしくは非置換のエチル基、置換もしくは非置換のプロピル基、置換もしくは非置換のブチル基、置換もしくは非置換のペンチル基、置換もしくは非置換のヘキシル基、置換もしくは非置換のエテニル基、置換もしくは非置換のプロペニル基、置換もしくは非置換のブテニル基、置換もしくは非置換のペンテニル基、置換もしくは非置換のヘキセニル基、置換もしくは非置換のエチニル基、置換もしくは非置換のプロピニル基、置換もしくは非置換のブチニル基、置換もしくは非置換のペンチニル基、置換もしくは非置換のヘキセニル基またはこれらの組み合わせであり得る。
【0127】
特定理論に拘束されようとするのではないが、前述の第2化合物に由来するモイエティは下記化学式9で表すことができる。
【0128】
【0129】
上記化学式9中、Ar1は、置換もしくは非置換の炭素数6~30(炭素数6~25、炭素数6~20、炭素数6~17、炭素数6~12、炭素数6~10、あるいは、炭素数6~8)の芳香族環を含む2価の有機基であり、R11~R14は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン基、ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシ基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30(炭素数6~25、炭素数6~20、炭素数6~17、炭素数6~12、炭素数6~10、あるいは、炭素数6~8)のアリール基またはこれらの組み合わせであり、ここで、R11およびR12は、それぞれ独立して存在するか互いに連結されて環を形成し、R13およびR14は、それぞれ独立して存在するか互いに連結されて環を形成し、p1は0または1であり、q1は0~3の整数であり、*は、重合体内の他のモイエティとの連結地点である。
【0130】
前記Ar1の定義中、前記芳香族環は、ベンゼン環であるか;2個以上の芳香族環が融合された融合環であるか;2個以上の芳香族環が単一結合、炭素数1~5のアルキレン基、O、C(=O)またはOC(=O)によって連結された非融合環であり得る。
【0131】
一例として、Ar1は、前述のグループ3から選択される置換もしくは非置換のいずれか一つであり得る。
【0132】
一例として、R11~R14のうちの少なくとも二つは水素、置換もしくは非置換の炭素数6~30(炭素数6~25、炭素数6~20、炭素数6~17、炭素数6~12、炭素数6~10、あるいは、炭素数6~8)のアリール基またはこれらの組み合わせであってもよく;例えば、R11およびR12のうちの少なくとも一つは水素、置換もしくは非置換の炭素数6~30(炭素数6~25、炭素数6~20、炭素数6~17、炭素数6~12、炭素数6~10、あるいは、炭素数6~8)のアリール基またはこれらの組み合わせであり、R13およびR14のうちの少なくとも一つは水素、置換もしくは非置換の炭素数6~30(炭素数6~25、炭素数6~20、炭素数6~17、炭素数6~12、炭素数6~10、あるいは、炭素数6~8)のアリール基またはこれらの組み合わせであってもよく;例えば、R11~R14はそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換の炭素数6~30(炭素数6~25、炭素数6~20、炭素数6~17、炭素数6~12、炭素数6~10、あるいは、炭素数6~8)のアリール基またはこれらの組み合わせであり得る。ここで、前記置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基は前述の通りであってもよい。
【0133】
一例として、R11~R14のうちの少なくとも二つは水素であってもよく;例えば、R11およびR12のうちの少なくとも一つは水素であり、R13およびR14のうちの少なくとも一つは水素であり得る。例えば、R11~R14は全て水素であり得る。
【0134】
一例として、R11~R14のうちの二つは水素であり、R11~R14のうちの残り二つは置換もしくは非置換の炭素数6~30(炭素数6~25、炭素数6~20、炭素数6~17、炭素数6~12、炭素数6~10、あるいは、炭素数6~8)のアリール基であってもよく;例えば、R11およびR12のうちの一つは水素であり、R11およびR12のうちの残り一つは置換もしくは非置換の炭素数6~30(炭素数6~25、炭素数6~20、炭素数6~17、炭素数6~12、炭素数6~10、あるいは、炭素数6~8)のアリール基であり、R13およびR14のうちの一つは水素であり、R13およびR14のうちの残り一つは置換もしくは非置換の炭素数6~30(炭素数6~25、炭素数6~20、炭素数6~17、炭素数6~12、炭素数6~10、あるいは、炭素数6~8)のアリール基であり得る。ここで、前記置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基は前述の通りであってもよい。
【0135】
一例として、R11~R14のうちの少なくとも二つは置換もしくは非置換の炭素数6~30(炭素数6~25、炭素数6~20、炭素数6~17、炭素数6~12、炭素数6~10、あるいは、炭素数6~8)のアリール基であってもよく;例えば、R11およびR12のうちの少なくとも一つは置換もしくは非置換の炭素数6~30(炭素数6~25、炭素数6~20、炭素数6~17、炭素数6~12、炭素数6~10、あるいは、炭素数6~8)のアリール基であり、R13およびR14のうちの少なくとも一つは置換もしくは非置換の炭素数6~30(炭素数6~25、炭素数6~20、炭素数6~17、炭素数6~12、炭素数6~10、あるいは、炭素数6~8)のアリール基であり得る。例えば、R11~R14は全て置換もしくは非置換の炭素数6~30(炭素数6~25、炭素数6~20、炭素数6~17、炭素数6~12、炭素数6~10、あるいは、炭素数6~8)のアリール基であり得る。ここで、前記置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基は前述の通りであってもよい。
【0136】
一例として、R11~R14は互いに同一であるか異なってもよく、例えば、R11およびR12は互いに同一であるか異なってもよく、R13およびR14は互いに同一であるか異なってもよい。
【0137】
一例として、R11およびR12がそれぞれ独立して存在するか互いに結合して環を形成し、R13およびR14がそれぞれ独立して存在するか互いに結合して環を形成することができる。
【0138】
一例として、q1は0~2の整数であってもよく、q1は0または1であり得る。q1が2以上の整数である場合、複数個のR13は互いに同一であるか異なってもよく、複数個のR14は互いに同一であるか異なってもよい。
【0139】
一例として、q1とp1は全て0であってもよく、q1とp1は全て1であり得る。
【0140】
一例として、前記化学式9は、下記化学式9-1または9-2で表すことができる。
【0141】
【0142】
【0143】
上記化学式9-1および9-2中、Ar1、R11~R14および*は前述の通りである。
【0144】
一例として、前記化学式9は下記グループAより選択される置換もしくは非置換のいずれか一つであり得るが、これに限定されない。
【0145】
【0146】
前記グループAの定義中、「置換された」は他の置換基でさらに置換されたことを意味し、「非置換の」は他の置換基でさらに置換されていないことを意味する。
【0147】
前述の重合体は、前記第1化合物および第2化合物と異なり、置換もしくは非置換の炭素数6~40の芳香族環、置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロ環またはこれらの組み合わせを含む第3化合物に由来するモイエティをさらに含むことができる。これにより、重合体の炭素含量をさらに高めることができて固い重合体層を形成することができるので、さらに高い耐エッチング性を付与することができる。
【0148】
一例として、前述の反応混合物は前述の第1化合物および第2化合物と異なり、置換もしくは非置換の炭素数6~40の芳香族環、置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロ環またはこれらの組み合わせを含む第3化合物をさらに含むことができる。前記炭素数6~40の芳香族環および置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロ環はそれぞれ前述の通りである。なお、一例として、第3化合物は、カルボニルモイエティ、エーテルモイエティまたはこれらの組み合わせを含まない。
【0149】
一例として、置換もしくは非置換の炭素数6~40の芳香族環は、置換もしくは非置換の炭素数6~40の芳香族環(縮合環)であり、当該縮合環は、2~8個の芳香族環の縮合環、2~7個の芳香族環の縮合環、3~6個の芳香族の縮合環、または、3~5個の芳香族環縮合環である。なお、2個以上の芳香族環が融合された融合環の中に、共鳴構造を有しない部位があってもよい。
【0150】
一例として、置換もしくは非置換の炭素数6~40の芳香族環は、[グループ3]で説明したものが適用できる。
【0151】
一例として、前記第3化合物は多環を含むことができ、ここで、前記多環は非縮合環、縮合環またはこれらの組み合わせであり得るが、好ましくは縮合環であり得る。これにより、重合体で製造した層のエッチングガスに対するさらに高い耐エッチング性を付与することができる。
【0152】
一例として、前記第3化合物は、置換もしくは非置換のナフタレン、置換もしくは非置換のビフェニル、置換もしくは非置換のアントラセン、置換もしくは非置換のフェナントレン、置換もしくは非置換のベンゾアントラセン、置換もしくは非置換のフルオランテン、置換もしくは非置換のアセナフチレン、置換もしくは非置換のアセナフテン、置換もしくは非置換のベンゾフェナントレン、置換もしくは非置換のピレン、置換もしくは非置換のトリフェニレン、置換もしくは非置換のクリセン、置換もしくは非置換のテトラセン、置換もしくは非置換のベンゾフルオランテン、置換もしくは非置換のペリレン、置換もしくは非置換のベンゾピレン、置換もしくは非置換のナフトアントラセン、置換もしくは非置換のペンタセン、置換もしくは非置換のベンゾペリレン、置換もしくは非置換のジベンゾピレン、置換もしくは非置換のジベンゾペリレン、置換もしくは非置換のコロネン、置換もしくは非置換のジフェニルフルオレン、置換もしくは非置換のジナフチルフルオレン、置換もしくは非置換のピロール、置換または置換されたイミダゾール、置換もしくは非置換のインドール、置換もしくは非置換のカルバゾール、置換もしくは非置換のベンゾイミダゾールまたはこれらの組み合わせを含むことができる。
【0153】
一例として、前記第3化合物は、少なくとも一つのヒドロキシ基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~30(炭素数1~20、炭素数1~15、炭素数1~10、炭素数1~8、炭素数1~6、炭素数1~4、あるいは、炭素数1~3)のアルコキシ基またはこれらの組み合わせで置換されるか非置換の炭素数6~40の芳香族環;または少なくとも一つのヒドロキシ基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~30(炭素数1~20、炭素数1~15、炭素数1~10、炭素数1~8、炭素数1~6、炭素数1~4、あるいは、炭素数1~3)のアルコキシ基またはこれらの組み合わせで置換されるか非置換の炭素数2~30(炭素数2~20、炭素数2~15、炭素数2~10、炭素数2~8、炭素数3~6、あるいは、炭素数3~5)のヘテロ環を含むことができる。これらの例において「少なくとも一つ」の上限にも制限はないが、例えば4個以下、3個以下、または2個以下である。「炭素数6~30の芳香族環」の説明は上記のとおりである。
【0154】
一例として、前記第3化合物は、ただ一つのヒドロキシ基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~30(炭素数1~20、炭素数1~15、炭素数1~10、炭素数1~8、炭素数1~6、炭素数1~4、あるいは、炭素数1~3)のアルコキシ基またはこれらの組み合わせで置換されるか非置換の炭素数6~30の芳香族環;またはただ一つのヒドロキシ基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~30(炭素数1~20、炭素数1~15、炭素数1~10、炭素数1~8、炭素数1~6、炭素数1~4、あるいは、炭素数1~3)のアルコキシ基またはこれらの組み合わせで置換されるか非置換の炭素数2~30(炭素数2~20、炭素数2~15、炭素数2~10、炭素数2~8、炭素数3~6、あるいは、炭素数3~5)のヘテロ環を含むことができる。「炭素数6~30の芳香族環」の説明は上記のとおりである。
【0155】
これにより、溶媒に対する溶解性を高めてスピンコーティングのような溶液工程に効果的に適用することができるだけでなく、炭素含量を高めることができて固い重合体層を形成することができるので、高い耐エッチング性を付与することができる。
【0156】
一例として、前記第1化合物、第2化合物および第3化合物のうちの少なくとも一つは縮合環を含むことができ、例えば、前記第2化合物および第3化合物のうちの少なくとも一つは縮合環を含むことができ、例えば、前記第2化合物と第3化合物は全て縮合環を含むことができ、例えば、前記第1化合物、第2化合物および第3化合物は全て縮合環を含むことができる。
【0157】
一例として、前記第1化合物は、前記第1化合物、前記第2化合物および前記第3化合物の総モル数を基準にして、約5モル%~50モル%、好ましくは約10モル%~45モル%、約20モル%~40モル%で存在し得る。一例として、前記第1化合物は、前記第1化合物、前記第2化合物および前記第3化合物の総モル数を基準にして、約25モル%~38モル%で存在し得る。
【0158】
一例として、前記第2化合物は、前記第1化合物、前記第2化合物および前記第3化合物の総モル数を基準にして、約20モル%~90モル%、好ましくは約30モル%~85モル%、または約40モル%~75モル%で存在し得る。一例として、前記第2化合物は、前記第1化合物、前記第2化合物および前記第3化合物の総モル数を基準にして、約45モル%~70モル%、約48モル%~68モル%で存在し得る。
【0159】
一例として、前記第3化合物は、前記第1化合物、前記第2化合物および前記第3化合物の総モル数を基準にして、約5モル%~50モル%、約10モル%~40モル%、または約15モル%~30モル%で存在し得る。一例として、前記第3化合物は、前記第1化合物、前記第2化合物および前記第3化合物の総モル数を基準にして、約15モル%~25モル%、約18モル%~23モル%で存在し得る。
【0160】
一例として、前記第3化合物は、前記第1化合物、前記第2化合物および前記第3化合物の総モル数を基準にして、5モル%未満、4モル%未満、3モル%未満、2モル%未満、2モル%未満、1モル%未満、あるいは、5モル%未満である。一例として、前記第3化合物は、重合体中に構成単位として含まれない。
【0161】
前記第1化合物、第2化合物および第3化合物の合計は、前記重合体中、100モル%でありうる。
【0162】
一例として、前記重合体は前記第1化合物、第2化合物および第3化合物の少なくとも2種を反応物にして縮合反応を通じて合成できる。なお、第1化合物が2種以上でもよいし、第2化合物が2種以上でもよいし、第3化合物が2種以上でもよい。
【0163】
一例として、前記重合体は前記第1化合物、第2化合物および第3化合物を反応物にして縮合反応を通じて合成でき、例えば、前記重合体は前記第1化合物と前記第2化合物を先に縮合反応した後、前記第3化合物が縮合反応して合成でき、例えば、前記第1化合物と前記第2化合物を先に縮合反応した後、ここに第3化合物と第2化合物が交互に縮合反応して合成できるが、これに限定されるのではない。
【0164】
前記重合体は前述の構造単位を1個または複数個含むことができ、複数個の前述の構造単位同士は互いに同じ構造を有してもよく互いに異なる構造を有してもよく、前記重合体内に含まれている前述の構造単位の個数および配列は限定されない。
【0165】
一実施形態による重合体に、前述の第1化合物に由来するモイエティは複数個含まれてもよく、前述の第2化合物に由来するモイエティは複数個含まれてもよく、前述の第3化合物に由来するモイエティは複数個含まれてもよい。前述の重合体に含まれている複数個の前述の第1化合物に由来するモイエティは互いに同一であるか異なってもよく、複数個の前述の第2化合物に由来するモイエティは互いに同一であるか異なってもよく、複数個の前述の第3化合物に由来するモイエティは互いに同一であるか異なってもよい。
【0166】
前記重合体は、前述の構造単位以外に前記構造単位と異なる一つまたは二つ以上の構造単位をさらに含むことができる。その際、前記第1化合物、第2化合物および第3化合物由来の合計は、前記重合体中、例えば、90モル%以上、あるいは、95モル%以上でありうり、異なる構造単位由来の合計は、例えば、10モル%以下、あるいは、5モル%以下でありうる。
【0167】
前記重合体は、約500~200,000g/molの重量平均分子量を有することができる。より具体的に、前記重合体は、約700~100,000g/mol、約800~50,000g/mol、約900~10,000g/mol、約1000~8,000g/mol、約2000~6,000g/mol、あるいは、約3000~5,000g/molの重量平均分子量を有することができる。前記範囲の重量平均分子量を有することによって前記重合体の炭素含量および溶媒に対する溶解度を調節して最適化することができる。本明細書中、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)によって分子量が既知のポリスチレンを基準物質として測定しうる。
【0168】
一方、前記ハードマスク組成物に含まれる溶媒は前記重合体に対する十分な溶解性または分散性を有するものであれば特に限定されないが、例えば、プロピレングリコール、プロピレングリコールジアセテート、メトキシプロパンジオール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールブチルエーテル、トリ(エチレングリコール)モノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、エチルラクテート、γ-ブチロラクトン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、メチルピロリドン、メチルピロリジノン、アセチルアセトン、およびエチル3-エトキシプロピオネートから選択される少なくとも一つを含むことができるが、これに限定されるのではない。
【0169】
前記重合体は、前記ハードマスク組成物の総含量に対して、例えば約0.1~60重量%、例えば約0.5~50重量%、約1~35重量%、約2~34重量%、約5~33重量%、約8~32重量%、約5~33重量%、約7~31重量%、または約23~30重量%で含まれてもよい。前記範囲で重合体が含まれることによってハードマスクの厚さ、表面粗さ、および平坦化程度を調節することができる。一例では、前記重合体は、前記ハードマスク組成物の総含量に対して、例えば約20重量%以下、約18重量%以下、約16重量%以下、あるいは、約14重量%以下で含まれてもよい。
【0170】
前記ハードマスク組成物は、追加的に、界面活性剤、架橋剤、熱酸発生剤、可塑剤など少なくとも1種の添加剤をさらに含むことができる。
【0171】
前記界面活性剤は、例えば、フルオロアルキル系化合物、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルピリジニウム塩、ポリエチレングリコール、第4アンモニウム塩などを使用することができるが、これに限定されるのではない。
【0172】
前記架橋剤は、例えば、メラミン系、置換尿素系、またはこれらポリマー系などが挙げられる。好ましくは、少なくとも2個の架橋形成置換基を有する架橋剤であって、例えば、メトキシメチル化グリコルリル、ブトキシメチル化グリコルリル、メトキシメチル化メラミン、ブトキシメチル化メラミン、メトキシメチル化ベンゾグアナミン、ブトキシメチル化ベンゾグアナミン、メトキシメチル化尿素、ブトキシメチル化尿素、メトキシメチル化チオ尿素、またはブトキシメチル化チオ尿素などの化合物を使用することができる。また、前記架橋剤としては、耐熱性の高い架橋剤を使用することができる。耐熱性の高い架橋剤としては、分子内に芳香族環(例えば、ベンゼン環、ナフタレン環)を有する架橋形成置換基を含有する化合物を使用することができる。
【0173】
前記熱酸発生剤は、例えば、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ピリジニウムp-トルエンスルホン酸、サリチル酸、スルホサリチル酸、クエン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、ナフタレンカルボン酸などの酸性化合物または/および2,4,4,6-テトラブロモシクロヘキサジエノン、ベンゾイントシレート、2-ニトロベンジルトシレート、その他に有機スルホン酸アルキルエステルなどを使用することができるが、これに限定されるのではない。
【0174】
前記添加剤は、前記ハードマスク組成物100重量部に対して、約0.001~40重量部、約0.01~30重量部または約0.1~20重量部で含むことができる。前記範囲で含むことによってハードマスク組成物の光学的特性を変更させないながら溶解度を向上させることができる。
【0175】
また他の実施形態によれば、前述のハードマスク組成物を使用して製造された有機膜を提供する。前記有機膜は前述のハードマスク組成物を例えば基板上にコーティングした後、熱処理過程を通じて硬化された形態であってもよく、例えば、ハードマスク層、平坦化膜、犠牲膜、充填剤など電子デバイスに使用される有機薄膜を含むことができる。
【0176】
以下、前述のハードマスク組成物を使用してパターンを形成する方法について説明する。
【0177】
一実施形態によるパターン形成方法は、基板上に材料層を形成する段階、前記材料層の上に前述の重合体および溶媒を含むハードマスク組成物を適用する段階、前記ハードマスク組成物を熱処理してハードマスク層を形成する段階、前記ハードマスク層の上にフォトレジスト層を形成する段階、前記フォトレジスト層を露光および現像してフォトレジストパターンを形成する段階、前記フォトレジストパターンを用いて前記ハードマスク層を選択的に除去し前記材料層の一部を露出する段階、そして前記材料層の露出された部分をエッチングする段階を含む。
【0178】
前記基板は、例えば、シリコンウエハー、ガラス基板または高分子基板であり得る。
【0179】
前記材料層は最終的にパターンしようとする材料であり、例えば、アルミニウム、銅などのような金属層、シリコンのような半導体層または酸化ケイ素、窒化ケイ素などのような絶縁層であり得る。前記材料層は、例えば、化学気相蒸着方法で形成できる。
【0180】
前記ハードマスク組成物は前述の通りであり、溶液形態に製造されてスピン-オンコーティング方法で塗布できる。この時、前記ハードマスク組成物の塗布厚さは特に限定されないが、例えば、約50~200,000Å厚さで塗布できる。
【0181】
前記ハードマスク組成物を熱処理する段階は、例えば、約100~1000℃で約10秒~1時間行うことができる。
【0182】
一例として、前記ハードマスク組成物を熱処理する段階は、一つの熱処理段階または複数個の熱処理段階を含むことができる。
【0183】
一例として、前記ハードマスク組成物を熱処理する段階は例えば約100~1000℃で約10秒~1時間行われる一つの熱処理段階を含むことができ、例えば、前記熱処理段階は空気、窒素または酸素濃度1wt%以下雰囲気下で行うことができる。
【0184】
一例として、前記ハードマスク組成物を熱処理する段階は例えば約100~1000℃で約10秒~1時間行われる1次熱処理段階を含み、例えば、約100~1000℃で約10秒~1時間行われる2次熱処理段階を連続的に含むことができる。例えば、前記1次および2次熱処理段階は、空気、窒素または酸素濃度1wt%以下雰囲気下で行うことができる。
一例として、前記ハードマスク層を形成する段階は、UV/Vis硬化段階および/またはnear IR硬化段階を含むことができる。
【0185】
一例として、前記ハードマスク層を形成する段階は、前記1次熱処理段階、2次熱処理段階、UV/Vis硬化段階およびnear IR硬化段階のうちの少なくとも一つの段階を含むか、二つ以上の段階を連続的に含むことができる。
【0186】
一例として、前記ハードマスク組成物を熱処理して有機膜とした際、当該有機膜の厚さは、50~200,000Å、100~100,000Å、500~50,000Å、800~10,000Å、1,000~8,000Å、2,000~6,000Å、あるいは、3,000~5,000Åである。
【0187】
一例として、前記ハードマスク層の上にシリコン含有薄膜層を形成する段階をさらに含むことができる。前記シリコン含有薄膜層は、例えば、SiCN、SiOC、SiON、SiOCN、SiC、SiOおよび/またはSiNなどの物質から形成することができる。
【0188】
一例として、前記フォトレジスト層を形成する段階前に、前記シリコン含有薄膜層上部またはハードマスク層上部に底反射防止層(bottom anti-reflective coating、BARC)をさらに形成することもできる。
【0189】
前記フォトレジスト層を露光する段階は、例えば、ArF、KrFまたはEUVなどを使用して行うことができる。また、露光後、約100~700℃で熱処理工程を行うことができる。
【0190】
前記材料層の露出された部分をエッチングする段階はエッチングガスを使用して乾式エッチングで行うことができ、エッチングガスは例えばCHF3、CF4、Cl2、BCl3およびこれらの混合ガスを使用することができる。
【0191】
一例として、本発明のエッチング率は、12Å/s未満、11Å/s未満、あるいは10Å/s未満である。
【0192】
前記エッチングされた材料層は複数のパターンとして形成でき、前記複数のパターンは金属パターン、半導体パターン、絶縁パターンなど多様であり、例えば、半導体集積回路デバイス内の多様なパターンとして適用できる。
【0193】
以下、実施例を通じて前述の実施形態をより詳細に説明する。但し、下記の実施例は単に説明の目的のためのものであり、権利範囲を制限するのではない。
【実施例】
【0194】
重合体の合成
合成例1:重合体1の合成
500mlフラスコに
下記化学式1aで表されるトリカルバゾリルベンゼン(Tricarbazolyl benzene、17.21g、0.03mol)、
下記化学式7aで表されるピレンカルボキシアルデヒド(Pyrene carboxaldehyde、11.51g、0.05mol)、
パラトルエンスルホン酸モノハイドレート(p-toluenesulfonic acid monohydrate、7.61g、0.04mol)および
1,4-ジオキサン(36.33g)
を入れて、110℃で攪拌して反応を行った。1時間間隔で前記重合反応物から試料を採取し、その試料の重量平均分子量を測定して、重量平均分子量が4,200~4,500になった時、反応を完了した。重合反応が完了した後、テトラヒドロフラン(10g)とエチルアセテート(70g)を入れ、蒸留水(110g)を入れて酸触媒を除去する過程を3回繰り返した。その後、エチルアセテート(50g)を入れて有機層を抽出して減圧した。その後、テトラヒドロフラン(50g)を入れ、混合物をヘキサン(300g)に入れて沈殿させた後、1,4-ジオキサンと残っている単量体を除去するためにろ過および乾燥して、重合体1(Mw:4,800)を得た。
【0195】
【0196】
【0197】
合成例2:重合体2の合成
500mlフラスコに
前記化学式1aで表されるトリカルバゾリルベンゼン(11.47g、0.02mol)、
前記化学式7aで表されるピレンカルボキシアルデヒド(11.51g、0.05mol)、
1-ヒドロキシピレン(4.37g、0.02mol)、
パラトルエンスルホン酸モノハイドレート(7.61g、0.04mol)および
1,4-ジオキサン(34.96g)
を入れ、110℃で攪拌して反応を行った。1時間間隔で前記重合反応物から試料を採取し、その試料の重量平均分子量を測定して、重量平均分子量が3,100~3,300であったとき、反応を完了させた。重合反応が完了した後、テトラヒドロフラン(10g)とエチルアセテート(70g)を入れ、蒸留水(110g)を入れて酸触媒を除去する過程を3回繰り返した。その後、エチルアセテート(50g)を入れて有機層を抽出し減圧した。その後、テトラヒドロフラン(50g)を入れ、混合物をヘキサン(300g)に入れて沈殿させた後、1,4-ジオキサンと残っている単量体を除去するためにろ過および乾燥して、重合体2(Mw:3,700)を得た。
【0198】
合成例3:重合体3の合成
500mlフラスコに
下記化学式1bで表されるトリインドリルベンゼン(Triindolyl benzene、12.71g、0.03mol)、
前記化学式7aで表されるピレンカルボキシアルデヒド(11.51g、0.05mol)、
パラトルエンスルホン酸モノハイドレート(7.61g、0.04mol)および
1,4-ジオキサン(31.83g)
を入れ、110℃で攪拌して反応を行った。1時間間隔で前記重合反応物から試料を採取し、その試料の重量平均分子量を測定して、重量平均分子量が3,800~4,100であったとき、反応を完了した。重合反応が完了した後、テトラヒドロフラン(10g)とエチルアセテート(70g)を入れ、蒸留水(110g)を入れて酸触媒を除去する過程を3回繰り返した。その後、エチルアセテート(50g)を入れて有機層を抽出し減圧した。その後、テトラヒドロフラン(50g)を入れ、混合物をヘキサン(300g)に入れて沈殿させた後、1,4-ジオキサンと残っている単量体を除去するためにろ過および乾燥して、重合体3(Mw:4,400)を得た。
【0199】
【0200】
合成例4:重合体4の合成
500mlフラスコに
前記化学式1aで表されるトリカルバゾリルベンゼン(6.88g、0.012mol)、
前記化学式1bで表されるトリインドリルベンゼン(5.08g、0.012mol)、
前記化学式7aで表されるピレンカルボキシアルデヒド(9.21g、0.040mol)、
パラトルエンスルホン酸モノハイドレート(6.09g、0.032mol)および
1,4-ジオキサン(27.26g)
を入れ、110℃で攪拌して反応を行った。1時間間隔で前記重合反応物から試料を採取し、その試料の重量平均分子量を測定して、重量平均分子量が4,000~4,300であったとき、反応を完了させた。重合反応が完了した後、テトラヒドロフラン(10g)とエチルアセテート(70g)を入れ、蒸留水(110g)を入れて酸触媒を除去する過程を3回繰り返した。その後、エチルアセテート(50g)を入れて有機層を抽出し減圧した。その後、テトラヒドロフラン(50g)を入れ、混合物をヘキサン(300g)に入れて沈殿させた後、1,4-ジオキサンと残っている単量体を除去するためにろ過および乾燥して、重合体4(Mw:4,600)を得た。
【0201】
合成例5:重合体5の合成
500mlフラスコに
前記化学式1aで表されるトリカルバゾリルベンゼン(17.21g、0.03mol)、
下記化学式8aで表される2,5-ジメトキシ-p-キシレン(9.97g、0.06mol)、
パラトルエンスルホン酸モノハイドレート(0.57g、3.0mmol)および
プロピレングリコールモノメチルエーテル酢酸(27.75g)
を入れ、110℃で攪拌して反応を行った。1時間間隔で前記重合反応物から試料を採取し、その試料の重量平均分子量を測定して、重量平均分子量が2,800~3,000であったとき、反応を完了させた。重合反応が完了した後、テトラヒドロフラン(10g)とエチルアセテート(70g)を入れ、蒸留水(110g)を入れて酸触媒を除去する過程を3回繰り返した。その後、エチルアセテート(50g)を入れて有機層を抽出し減圧した。その後、テトラヒドロフラン(50g)を入れ、混合物をヘキサン(300g)に入れて沈殿させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテル酢酸と残っている単量体を除去するためにろ過および乾燥して、重合体5(Mw:3,400)を得た。
【0202】
【0203】
合成例6:重合体6の合成
500mlフラスコに
前記化学式1aで表されるトリカルバゾリルベンゼン(17.21g、0.03mol)、
パラホルムアルデヒド(1.80g、0.06mol)、
パラトルエンスルホン酸モノハイドレート(0.06g、0.3mmol)および
プロピレングリコールモノメチルエーテル酢酸(44.50g)
を入れ、65℃で攪拌して反応を行った。1時間間隔で前記重合反応物から試料を採取し、その試料の重量平均分子量を測定して、重量平均分子量が2,700~2,900であったとき、反応を完了させた。重合反応が完了した後、テトラヒドロフラン(10g)とエチルアセテート(70g)を入れ、蒸留水(110g)を入れて酸触媒を除去する過程を3回繰り返した。その後、エチルアセテート(50g)を入れて有機層を抽出し減圧した。その後、テトラヒドロフラン(50g)を入れ、混合物をヘキサン(300g)に入れて沈殿させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテル酢酸と残っている単量体を除去するためにろ過および乾燥して、重合体6(Mw:3,300)を得た。
【0204】
比較合成例1:重合体Aの合成
500mLフラスコに
1-ヒドロキシピレン(10.91g、0.05mol)、
アントラセン-9-カルボキシアルデヒド(anthracene-9-carboxaldehyde、10.31g、0.05mol)、
パラトルエンスルホン酸モノハイドレート(7.61g、0.04mol)および
1,4-ジオキサン(28.80g)
を入れ、110℃で攪拌して反応を行った。1時間間隔で前記重合反応物から試料を採取し、その試料の重量平均分子量を測定して、重量平均分子量が2,700~2,900であったとき、反応を完了させた。重合反応が完了した後、テトラヒドロフラン(10g)とエチルアセテート(70g)を入れ、蒸留水(110g)を入れて酸触媒を除去する過程を3回繰り返した。その後、エチルアセテート(50g)を入れて有機層を抽出し減圧した。その後、テトラヒドロフラン(50g)を入れ、混合物をヘキサン(300g)に入れて沈殿させた後、1,4-ジオキサンと残っている単量体を除去するためにろ過および乾燥して、下記化学式Aで表される構造単位を含む重合体A(Mw:3,200)を得た。
【0205】
【0206】
比較合成例2:重合体Bの合成
500mLフラスコに
1-ヒドロキシピレン(10.91g、0.05mol)、
2,5-ジメトキシ-p-キシレン(8.31g、0.05mol)、
パラトルエンスルホン酸モノハイドレート(0.95g、0.005mol)およびプロピレングリコールモノメチルエーテル酢酸(20.18g)
を入れ、110℃で攪拌して反応を行った。1時間間隔で前記重合反応物から試料を採取し、その試料の重量平均分子量を測定して、重量平均分子量が2,600~2,800であったとき、反応を完了させた。重合反応が完了した後、テトラヒドロフラン(10g)とエチルアセテート(70g)を入れ、蒸留水(110g)を入れて酸触媒を除去する過程を3回繰り返した。その後、エチルアセテート(50g)を入れて有機層を抽出し減圧した。その後、テトラヒドロフラン(50g)を入れ、混合物をヘキサン(300g)に入れて沈殿させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテル酢酸と残っている単量体を除去するためにろ過および乾燥して、下記化学式Bで表される構造単位を含む重合体B(Mw:3,100)を得た。
【0207】
【0208】
比較合成例3:重合体Cの合成
500mLフラスコに
9-フェニルカルバゾール(9-Phenylcarbazole、12.17g、0.05mol)、
前記化学式7aで表されるピレンカルボキシアルデヒド(11.51g、0.05mol)、
パラトルエンスルホン酸モノハイドレート(7.61g、0.04mol)および
1,4-ジオキサン(31.29g)
を入れ、110℃で攪拌して反応を行った。1時間間隔で前記重合反応物から試料を採取し、その試料の重量平均分子量を測定して、重量平均分子量が2,800~3,000であったとき、反応を完了させた。重合反応が完了した後、テトラヒドロフラン(10g)とエチルアセテート(70g)を入れ、蒸留水(110g)を入れて酸触媒を除去する過程を3回繰り返した。その後、エチルアセテート(50g)を入れて有機層を抽出し減圧させた。その後、テトラヒドロフラン(50g)を入れ、混合物をヘキサン(300g)に入れて沈殿させた後、プロピレングリコールモノメチルエーテル酢酸と残っている単量体を除去するためにろ過および乾燥して、下記化学式Cで表される構造単位を含む重合体C(Mw:3,300)を得た。
【0209】
【0210】
ハードマスク組成物製造
合成例1~6、および比較合成例1~3から得られた重合体1~6、およびA~Cを1.4gずつそれぞれ7:3体積比のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとシクロヘキサノンとの混合溶媒10gに溶かした後、0.1μmのテフロン(登録商標)フィルターでろ過して、実施例1~6および比較例1~3のハードマスク組成物を製造した。
【0211】
評価1.溶解度評価
前記実施例1~6および比較例1~3のハードマスク組成物を50℃で1時間攪拌し、50℃の加温状態で重合体の溶解有無を確認した。その後、25℃の常温に冷却させ、25℃の常温で重合体の溶解有無を確認した。その後、25℃の常温で6時間攪拌して25℃の常温放置状態で重合体の溶解有無を確認した。
【0212】
その結果は、表1の通りであった。
【0213】
【0214】
表1を参照すれば、合成例1~6による重合体1~6は、比較合成例1~3による比較重合体A~Cと比較して向上した溶解度を有するのを確認することができる。
【0215】
評価2.耐エッチング性評価
前記実施例1~6および比較例1~3のハードマスク組成物をそれぞれシリコンウエハーにスピン-コーティングした後、加熱板(hot plate)の上で、約400℃で2分間熱処理して約4,000Å厚さの有機膜を形成した。次いで、前記有機膜にCFxガスを使用してそれぞれ100秒間乾式エッチングした後、FE-SEM(K-MAC社)で有機膜の厚さを再び測定した。
【0216】
乾式エッチング前後の有機膜の厚さ差とエッチング時間から下記計算式1によってエッチング率(bulk etch rate、BER)を計算する。
【0217】
[計算式1]
エッチング率(Å/s)=(初期有機膜の厚さ-エッチング後有機膜の厚さ)/エッチング時間。
【0218】
その結果は、表2の通りである。
【0219】
【0220】
表2を参照すれば、実施例1~6によるハードマスク組成物から形成された有機膜は、比較例1~3によるハードマスク組成物から形成された有機膜と比較してエッチングガスに対する十分な耐エッチング性を有し耐エッチング性が向上するのを確認することができる。
【0221】
以上で本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるのではなく、次の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を用いた当業者の様々な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属するのである。