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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-30
(45)【発行日】2023-04-07
(54)【発明の名称】コバルトCMP用の代替的な酸化剤
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20230331BHJP
   B24B 37/00 20120101ALI20230331BHJP
   C09K 3/14 20060101ALI20230331BHJP
【FI】
H01L21/304 622D
B24B37/00 H
C09K3/14 550D
C09K3/14 550Z
【請求項の数】 34
(21)【出願番号】P 2018567886
(86)(22)【出願日】2017-07-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-09-26
(86)【国際出願番号】 US2017041988
(87)【国際公開番号】W WO2018013847
(87)【国際公開日】2018-01-18
【審査請求日】2020-06-23
【審判番号】
【審判請求日】2022-04-08
(31)【優先権主張番号】62/362,222
(32)【優先日】2016-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500397411
【氏名又は名称】シーエムシー マテリアルズ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100195213
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 健治
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン クラフト
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ ダブリュ. カーター
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー アール. ウォルフ
【合議体】
【審判長】瀧内 健夫
【審判官】棚田 一也
【審判官】柴垣 俊男
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/65060(WO,A1)
【文献】特開2005-56879(JP,A)
【文献】特表2015-512971(JP,A)
【文献】特表2010-541204(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
B24B 37/00
C09K 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学機械研磨組成物であって、
(a)砥粒、
(b)コバルト促進剤、前記コバルト促進剤は、前記研磨組成物中に5mM~100mMの濃度で存在する、および
(c)金属を酸化する酸化剤を含み、前記酸化剤が、ヘテロアリールニトロ化合物、ニトロソ化合物、N-オキシド化合物、亜硝酸塩化合物、ヒドロキシルアミン化合物、オキシム化合物、およびこれらの組合せから選択され、
前記研磨組成物が4から10のpHを有する、
研磨組成物。
【請求項2】
前記コバルト促進剤が、N-ジ(カルボキシルアルキル)アミン、N-ジ(ヒドロキシアルキル)アミン、N,N-ジ(ヒドロキシアルキル)-N-カルボキシルアルキルアミン、ジカルボキシヘテロ環状体、ヘテロシクリルアルキル-α-アミノ酸、N-アミノアルキルアミノ酸、非置換の複素環、アルキル置換された複素環、カルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸、アルキルアミン、N-アミノアルキル-α-アミノ酸、およびこれらの組合せから選択される、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項3】
コバルト腐食阻害剤をさらに含む、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項4】
前記砥粒がシリカである、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項5】
0.1質量%から5質量%の前記砥粒を含む、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項6】
0.1質量%から3質量%の前記砥粒を含む、請求項5に記載の研磨組成物。
【請求項7】
前記コバルト促進剤が、イミノ二酢酸、N-(2-アセトアミド)イミノ二酢酸、N-メチルイミダゾール、ピコリン酸、ジピコリン酸、4-(2-ヒドロキシエチル)-l-ピペラジンエタンスルホン酸、グリシン、ビシン、トリエチルアミン、エチドロン酸、N-メチルモルホリン、マロン酸、2-ピリジンスルホネート、クエン酸、およびこれらの組合せから選択される、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項8】
前記コバルト促進剤が10mMから50mMの濃度で前記研磨組成物中に存在する、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項9】
前記酸化剤が、アリールニトロソ化合物、アリールN-オキシド化合物、アリールヒドロキシルアミン化合物、アリールオキシム化合物、およびこれらの組合せから選択される、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項10】
前記酸化剤が、ヘテロアリールニトロソ化合物、ヘテロアリールN-オキシド化合物、ヘテロアリールヒドロキシルアミン化合物、ヘテロアリールオキシム化合物、およびこれらの組合せから選択される、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項11】
前記酸化剤が、亜硝酸塩である、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項12】
前記酸化剤が1mMから100mMの濃度で前記研磨組成物中に存在する、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項13】
前記酸化剤が10mMから50mMの濃度で前記研磨組成物中に存在する、請求項12に記載の研磨組成物。
【請求項14】
前記コバルト腐食阻害剤が10ppmから1000ppmの濃度で前記研磨組成物中に存在する、請求項3に記載の研磨組成物。
【請求項15】
5から9のpHを有する、請求項1に記載の研磨組成物。
【請求項16】
6.5から7.5のpHを有する、請求項15に記載の研磨組成物。
【請求項17】
基板を化学機械的に研磨する方法であって、
(i)基板を提供すること、
(ii)研磨パッドを提供すること、
(iii)化学機械研磨組成物であって、
(a)砥粒、
(b)コバルト促進剤、および
(c)金属を酸化する酸化剤を含み、前記酸化剤が、ヘテロアリールニトロ化合物、ニトロソ化合物、N-オキシド化合物、亜硝酸塩化合物、ヒドロキシルアミン化合物、オキシム化合物、およびこれらの組合せから選択され、
前記研磨組成物が4から10のpHを有する、
前記研磨組成物を提供すること、
(iv)前記基板を前記研磨パッドおよびそれらの間にある前記化学機械研磨組成物と接触させること、および
(v)前記研磨パッドおよび前記化学機械研磨組成物を前記基板に対して移動させて前記基板の少なくとも一部分を摩損させることにより、前記基板を研磨すること
を含む、方法。
【請求項18】
前記コバルト促進剤が、N-ジ(カルボキシルアルキル)アミン、N-ジ(ヒドロキシアルキル)アミン、N,N-ジ(ヒドロキシアルキル)-N-カルボキシルアルキルアミン、ジカルボキシヘテロ環状体、ヘテロシクリルアルキル-α-アミノ酸、N-アミノアルキルアミノ酸、非置換の複素環、アルキル置換された複素環、カルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸、アルキルアミン、N-アミノアルキル-α-アミノ酸、およびこれらの組合せから選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記研磨組成物がコバルト腐食阻害剤をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記砥粒がシリカである、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記研磨組成物が0.1質量%から5質量%の前記砥粒を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記研磨組成物が0.1質量%から3質量%の前記砥粒を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記コバルト促進剤が、イミノ二酢酸、N-(2-アセトアミド)イミノ二酢酸、N-メチルイミダゾール、ピコリン酸、ジピコリン酸、4-(2-ヒドロキシエチル)-l-ピペラジンエタンスルホン酸、グリシン、ビシン、トリエチルアミン、エチドロン酸、N-メチルモルホリン、マロン酸、2-ピリジンスルホネート、クエン酸、およびこれらの組合せから選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
前記コバルト促進剤が5mMから100mMの濃度で前記研磨組成物中に存在する、請求項17に記載の方法。
【請求項25】
前記コバルト促進剤が10mMから50mMの濃度で前記研磨組成物中に存在する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記酸化剤が、アリールニトロソ化合物、アリールN-オキシド化合物、アリールヒドロキシルアミン化合物、アリールオキシム化合物、およびこれらの組合せから選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項27】
前記酸化剤が、ヘテロアリールニトロソ化合物、ヘテロアリールN-オキシド化合物、ヘテロアリールヒドロキシルアミン化合物、ヘテロアリールオキシム化合物、およびこれらの組合せから選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項28】
前記酸化剤が、亜硝酸塩である、請求項17に記載の方法。
【請求項29】
前記酸化剤が1mMから100mMの濃度で前記研磨組成物中に存在する、請求項17に記載の方法。
【請求項30】
前記酸化剤が10mMから50mMの濃度で前記研磨組成物中に存在する、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記コバルト腐食阻害剤が10ppmから1000ppmの濃度で前記研磨組成物中に存在する、請求項19に記載の方法。
【請求項32】
前記研磨組成物が5から9のpHを有する、請求項17に記載の方法。
【請求項33】
前記研磨組成物が6.5から7.5のpHを有する、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記基板がコバルトを含み、かつ前記コバルトの少なくとも一部分が摩損されて前記基板を研磨する、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
集積回路およびその他の電子デバイスの製作では、複数層の導電性、半導電性、および誘電性材料が基板表面に堆積され、または基板表面から除去される。材料の層が順次的に基板に堆積されおよび基板から除去される際に、基板の一番上の表面が平坦でなくなり、平坦化を必要とすることがある。表面の平坦化、または表面の「研磨」は、材料を基板の表面から除去して、概ね一様な平坦な表面を形成する処理である。平坦化は、粗い表面、材料の塊状化、結晶格子の損傷、かき傷、および層または材料の汚染などの、望ましくない表面トポグラフィーおよび表面欠陥の除去に有用である。平坦化は、使用される過剰の堆積材料を除去して特徴部を詰めることによって基板上に特徴部を形成し、メタライゼーションおよび加工のその後の水平面のために一様な表面を提供するのにも有用である。
【背景技術】
【0002】
基板の表面を平坦化または研磨するための組成物および方法は当該技術分野において周知である。化学機械平坦化、または化学機械研磨(CMP)は、基板を平坦化するために使用される一般的な技術である。CMPは、CMP組成物または研磨組成物(研磨スラリーとも称される)として公知の化学組成物を基板からの材料の選択的な除去のために利用する。研磨組成物は、典型的に、基板の表面を研磨組成物で飽和させた研磨パッド(例えば、研磨布または研磨ディスク)と接触させることによって基板に適用される。基板の研磨は、典型的に、研磨組成物の化学的活性、および/または研磨組成物中に懸濁されたもしくは研磨パッド(例えば、固定砥粒研磨パッド)中に組み込まれた砥粒の機械的活性によってさらに補助される。
【0003】
最新式集積回路デバイス中に組み込むための金属としてコバルトが出現している。コバルトの効果的な組込みには、高い除去速度、良好な平坦化効率、低いディッシングおよびエロージョン、および低い欠陥性を有するCMP法が必要とされる。除去速度および平坦化効率を向上させるための一つの方法は、コバルト促進剤と組み合わせて酸化剤を組み込むことである。残念なことに、現在最も広く使用されている酸化剤である過酸化水素は、その他のスラリー組成物との混和性が限られており、ポットライフの安定性の問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、許容されるディッシング、エロージョン、および低い欠陥性を呈しながら高いコバルト除去速度および平坦化効率を提供する、過酸化水素の代替となる酸化剤を含む研磨組成物の必要性が当該技術分野において依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、化学機械研磨組成物であって、(a)砥粒、(b)コバルト促進剤、および(c)金属を酸化する酸化剤を含み、酸化剤が、ニトロ化合物、ニトロソ化合物、N-オキシド化合物、亜硝酸塩化合物、硝酸塩化合物、ヒドロキシルアミン化合物、オキシム化合物、およびこれらの組合せから選択され、研磨組成物が約4から約10のpHを有する、研磨組成物を提供する。
【0006】
本発明はまた、基板を化学機械的に研磨する方法であって、(i)基板を提供することを含み、(ii)研磨パッドを提供することを含み、(iii)(a)砥粒、(b)コバルト促進剤、および(c)金属を酸化する酸化剤を含む化学機械研磨組成物を提供することを含み、酸化剤が、ニトロ化合物、ニトロソ化合物、N-オキシド化合物、亜硝酸塩化合物、硝酸塩化合物、ヒドロキシルアミン化合物、オキシム化合物、およびこれらの組合せから選択され、研磨組成物が約4から約10のpHを有し、(iv)基板を研磨パッドおよびそれらの間にある化学機械研磨組成物と接触させることを含み、かつ(v)研磨パッドおよび化学機械研磨組成物を基板に対して移動させて基板の少なくとも一部分を摩損させることにより、基板を研磨することを含む、方法も提供する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、化学機械研磨組成物であって、(a)砥粒、(b)コバルト促進剤、および(c)金属を酸化する酸化剤を含み、酸化剤が、ニトロ化合物、ニトロソ化合物、N-オキシド化合物、亜硝酸塩化合物、硝酸塩化合物、ヒドロキシルアミン化合物、オキシム化合物、およびこれらの組合せから選択され、研磨組成物が約4から約10のpHを有する、機械研磨組成物を提供する。
【0008】
研磨組成物は砥粒(すなわち、1つまたは複数の砥粒)を含む。砥粒は、任意の好適な砥粒または粒子の形態の砥粒の組合せであり得る。例えば、砥粒は、天然または合成のものであってよく、また金属酸化物、炭化物、窒化物、カーボランダム、ダイアモンドなどを含み得る。砥粒はまた、ポリマー粒子または被覆粒子であり得る。砥粒は、望ましくは、金属酸化物を含む、それから本質的になる、またはそれからなる。典型的に、金属酸化物は、シリカ、アルミナ、(例えば、アルファアルミナ粒子(すなわち、α-アルミナ)、ガンマアルミナ粒子(すなわち、γ-アルミナ)、デルタアルミナ粒子(すなわち、δ-アルミナ)、またはヒュームドアルミナ粒子)、酸化セリウム、ジルコニア、これらの共形成物、およびこれらの組合せからなる群から選択される。好ましい実施形態では、砥粒粒子は陰イオンであることが望ましい。
【0009】
一実施形態では、化学機械研磨組成物はシリカ砥粒を含む。シリカは、任意の好適なシリカであってよく、例えば、シリカは湿式法シリカまたはヒュームドシリカであり得る。一般に、シリカは湿式法シリカである。
【0010】
砥粒粒子は任意の好適な表面電荷を有し得る。好ましくは、砥粒粒子は陰イオン性砥粒粒子である。「陰イオン性」とは、砥粒粒子が研磨組成物のpHで負の表面電荷を有することを意味する。砥粒粒子は、研磨組成物のpHにおいて天然状態で陰イオン性であってもよいし、あるいは砥粒粒子は、例えば、表面金属ドーピング(例えば、アルミニウムイオンを用いるドーピング)、または連結した有機酸、連結した硫黄系の酸、または連結したリン系の酸を用いる表面処理などの当業者に公知の任意の方法を使用して研磨組成物のpHで陰イオン性としてもよい。
【0011】
砥粒は任意の好適な平均粒径(すなわち、平均の粒子直径)を有し得る。砥粒は、約5nmまたはそれより大きい平均粒径、例えば、約10nmまたはそれより大きい、約15nmまたはそれより大きい、約20nmまたはそれより大きい、約25nmまたはそれより大きい、約30nmまたはそれより大きい、約35nmまたはそれより大きい、あるいは約40nmまたはそれより大きい平均粒径を有し得る。代替的または追加的に、砥粒は、約150nmまたはそれより小さい平均粒径、例えば、約140nmまたはそれより小さい、約130nmまたはそれより小さい、約120nmまたはそれより小さい、約110nmまたはそれより小さい、あるいは約100nmまたはそれより小さい平均粒径を有し得る。したがって、砥粒は、上記端点のいずれか2つによって囲まれる平均粒径を有し得る。例えば、砥粒は、約5nmから約150nm、約10nmから約140nm、約15nmから約130nm、約20nmから約120nm、約20nmから約110nm、約20nmから約100nm、約30nmから約150nm、約30nmから約140nm、約30nmから約130nm、約30nmから約120nm、約30nmから約110nm、約30nmから約100nm、約35nmから約150nm、約35nmから約140nm、約35nmから約130nm、約35nmから約120nm、約35nmから約110nm、または約35nmから約100nmの平均粒径を有し得る。球状の砥粒粒子の場合、粒子の大きさは粒子の直径である。球状でない砥粒粒子の場合、粒子の大きさは粒子を包囲する最小の球の直径である。砥粒の粒径は、任意の好適な技術を使用して(例えば、レーザー回折技術を使用して)測定することができる。好適な粒径測定装置は、例えばMalvern Instruments(Malvern、UK)から利用可能である。
【0012】
砥粒粒子は、好ましくは、本発明の研磨組成物中でコロイドとして安定である。コロイドという用語は、液体担体(例えば、水)中の粒子の懸濁液を指す。コロイド安定性は、経時的なその懸濁液の維持を指す。本発明の文脈では、砥粒を100mLのメスシリンダーに入れ、2時間攪拌しないままとした時に、メスシリンダーの底部の50mL中の粒子の濃度(g/mLで[B])とメスシリンダーの上部の50mL中の粒子の濃度(g/mLで[T])との差を砥粒組成物中の粒子の初期濃度(g/mLで[C])で割ったものが0.5未満または0.5に等しければ(すなわち、{[B]-[T]}/[C]≦0.5)、砥粒はコロイドとして安定であると考えられる。より好ましくは、[B]-[T]/[C]の値は0.3未満または0.3に等しく、最も好ましくは0.1未満または0.1に等しい。
【0013】
研磨組成物は任意の好適な量の砥粒粒子を含み得る。研磨組成物は、約10質量%またはそれより少ない砥粒粒子、例えば、約9質量%またはそれより少ない、約8質量%またはそれより少ない、約7質量%またはそれより少ない、約6質量%またはそれより少ない、約5質量%またはそれより少ない、約4質量%またはそれより少ない、約3質量%またはそれより少ない、約2質量%またはそれより少ない、約1.5質量%またはそれより少ない、約1質量%またはそれより少ない、約0.9質量%またはそれより少ない、約0.8質量%またはそれより少ない、約0.7質量%またはそれより少ない、約0.6質量%またはそれより少ない、あるいは約0.5質量%またはそれより少ない砥粒粒子を含み得る。代替的または追加的に、研磨組成物は、約0.05質量%またはそれより多い砥粒粒子、例えば、約0.1質量%またはそれより多い、約0.2質量%またはそれより多い、約0.3質量%またはそれより多い、約0.4質量%またはそれより多い、あるいは約0.5質量%またはそれより多い砥粒粒子を含み得る。したがって、研磨組成物は、上記端点のいずれか2つによって囲まれる量の砥粒粒子を含み得る。例えば、研磨組成物は、約0.05質量%から約10質量%の砥粒粒子、例えば、0.1質量%から約10質量%、約0.1質量%から約9質量%、約0.1質量%から約8質量%、約0.1質量%から約7質量%、約0.1質量%から約6質量%、約0.1質量%から約5質量%、約0.1質量%から約4質量%、約0.1質量%から約3質量%、約0.1質量%から約2質量%、約0.2質量%から約2質量%、約0.3質量%から約2質量%、約0.4質量%から約2質量%、約0.5質量%から約2質量%、約0.1質量%から約1.5質量%、約0.2質量%から約1.5質量%、約0.3質量%から約1.5質量%、約0.4質量%から約1.5質量%、約0.5質量%から約1.5質量%、約0.1質量%から約1質量%、約0.2質量%から約1質量%、約0.3質量%から約1質量%、約0.4質量%から約1質量%、または約0.5質量%から約1質量%の砥粒粒子を含み得る。
【0014】
研磨組成物はコバルト促進剤を含む。コバルト促進剤は、N-ジ(カルボキシルアルキル)アミン、N-ジ(ヒドロキシアルキル)アミン、N,N-ジ(ヒドロキシアルキル)-N-カルボキシルアルキルアミン、ジカルボキシヘテロ環状体、ヘテロシクリルアルキル-α-アミノ酸、N-アミノアルキルアミノ酸、非置換の複素環、アルキル置換された複素環、カルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸、アルキルアミン、N-アミノアルキル-α-アミノ酸、およびこれらの組合せから選択される任意の好適なコバルト促進剤であり得る。
【0015】
コバルト促進剤は、本明細書中に記載する化合物のクラスから選択される任意の好適なコバルト促進剤であり得る。好ましい実施形態では、コバルト促進剤は、イミノ二酢酸(「IDA」)、N-(2-アセトアミド)イミノ二酢酸(「ADA」)、N-メチルイミダゾール、ピコリン酸、ジピコリン酸、4-(2-ヒドロキシエチル)-l-ピペラジンエタンスルホン酸、グリシン、ビシン、トリエチルアミン(「TEA」)、エチドロン酸、N-メチルモルホリン、マロン酸、2-ピリジンスルホネート、クエン酸、およびこれらの組合せから選択される。
【0016】
コバルト促進剤は、任意の好適な濃度で研磨組成物中に存在し得る。典型的に、コバルト促進剤は、約5mMまたはそれより高い濃度、例えば、約10mMまたはそれより高い、約15mMまたはそれより高い、約20mMまたはそれより高い、約25mMまたはそれより高い、約30mMまたはそれより高い、約35mMまたはそれより高い、約40mMまたはそれより高い、約45mMまたはそれより高い、あるいは約50mMまたはそれより高い濃度で研磨組成物中に存在し得る。代替的または追加的に、コバルト促進剤は、約100mMまたはそれより低い濃度、例えば、約95mMまたはそれより低い、約90mMまたはそれより低い、約85mMまたはそれより低い、約80mMまたはそれより低い、約75mMまたはそれより低い、約70mMまたはそれより低い、約65mMまたはそれより低い、あるいは約60mMまたはそれより低い濃度で研磨組成物中に存在し得る。したがって、コバルト促進剤は、上記端点のいずれか2つによって囲まれる濃度で研磨組成物中に存在し得る。例えば、コバルト促進剤は、約5mMから約100mMの濃度、例えば、約5mMから約90mM、約5mMから約80mM、約5mMから約70mM、約5mMから約60mM、約10mMから約100mM、約10mMから約90mM、約10mMから約80mM、約10mMから約70mM、約10mMから約60mM、約20mMから約100mM、約20mMから約90mM、約20mMから約80mM、約20mMから約70mM、または約20mMから約60mMの濃度で研磨組成物中に存在し得る。
【0017】
研磨組成物は、金属を酸化する酸化剤を含む。一実施形態では、酸化剤はコバルトを酸化する。酸化剤は、ニトロ化合物、ニトロソ化合物、N-オキシド化合物、亜硝酸塩化合物、硝酸塩化合物、ヒドロキシルアミン化合物、オキシム化合物、およびこれらの組合せから選択される任意の好適な酸化剤であり得る。
【0018】
酸化剤は、本明細書中に記載する化合物のクラスから選択される任意の好適な酸化剤であり得る。好ましい実施形態では、酸化剤は、アリールニトロ化合物、アリールニトロソ化合物、アリールN-オキシド化合物、アリールヒドロキシルアミン化合物、アリールオキシム化合物、ヘテロアリールニトロ化合物、ヘテロアリールニトロソ化合物、ヘテロアリールN-オキシド化合物、ヘテロアリールヒドロキシルアミン化合物、ヘテロアリールオキシム化合物、亜硝酸塩、硝酸塩、およびこれらの組合せから選択される。
【0019】
研磨組成物は任意の好適な量の酸化剤を含み得る。典型的に、酸化剤は、約1mMまたはそれより高い濃度、例えば、約5mMまたはそれより高い、約10mMまたはそれより高い、約15mMまたはそれより高い、約20mMまたはそれより高い、約25mMまたはそれより高い、約30mMまたはそれより高い、約35mMまたはそれより高い、約40mMまたはそれより高い、約45mMまたはそれより高い、あるいは約50mMまたはそれより高い濃度で研磨組成物中に存在し得る。代替的または追加的に、酸化剤は、約100mMまたはそれより低い濃度、例えば、約95mMまたはそれより低い、約90mMまたはそれより低い、約85mMまたはそれより低い、約80mMまたはそれより低い、約75mMまたはそれより低い、約70mMまたはそれより低い、約65mMまたはそれより低い、あるいは約60mMまたはそれより低い濃度で研磨組成物中に存在し得る。したがって、酸化剤は、上記端点のいずれか2つによって囲まれる濃度で研磨組成物中に存在し得る。例えば、酸化剤は、約1mMから約100mMの濃度、例えば、約1mMから約90mM、約1mMから約80mM、約1mMから約70mM、約1mMから約60mM、約10mMから約100mM、約10mMから約90mM、約10mMから約80mM、約10mMから約70mM、約10mMから約60mM、約10mMから約50mM、約20mMから約100mM、約20mMから約90mM、約20mMから約80mM、約20mMから約70mM、または約20mMから約60mMの濃度で研磨組成物中に存在し得る。
【0020】
一実施形態では、研磨組成物はコバルト腐食阻害剤を含む。コバルト腐食阻害剤は任意の好適なコバルト腐食阻害剤であり得る。一実施形態では、コバルト腐食阻害剤は陰イオン性頭部基およびC~C14の脂肪族末端基(例えば、C~C14のアルキルまたはC~C14のアルケニルの末端基)を含む。陰イオン性頭部基は任意の好適な陰イオン性頭部基であり得る。好ましい実施形態では、コバルト腐食阻害剤は、R-CON(CH)CHCOOH(式中、CON(CH)CHCOOHは頭部基を形成し、Rは末端基を形成する)の構造を有するサルコシン誘導体を含む。R基は典型的にはC~C13の脂肪族基であり、C~C13のアルキル基またはC~C13のアルケニル基、例えば、Cのアルキル基、Cのアルキル基、C10のアルキル基、C11のアルキル基、C12のアルキル基、C13のアルキル基、Cのアルケニル基、Cのアルケニル基、C10のアルケニル基、C11のアルケニル基、C12のアルケニル基、またはC13のアルケニル基であり得る。コバルト腐食阻害剤がサルコシン誘導体である好ましい実施形態では、末端基の従来の命名法では、炭素を数える目的で、R基が結合したカルボニルを含める。したがって、C12サルコシネートはラウロイルサルコシネートを指す。末端基がアルケニル基の場合、二重結合は末端基の末端になく、アルケニル基はE体またはZ体を有することができ、あるいはE異性体とZ異性体との混合物であってもよい。コバルト腐食阻害剤は単一化合物であってもよいし、あるいは陰イオン性頭部基およびC~C20の脂肪族末端基を有する2つまたはそれより多くの化合物の混合物であってもよい。コバルト腐食阻害剤はまた、約75質量%またはそれより多く(例えば、約80質量%またはそれより多く、約85質量%またはそれより多く、約90質量%またはそれより多く、あるいは約95質量%またはそれより多く)の化合物が陰イオン性頭部基およびC~C14の脂肪族末端基を含むか、あるいはC~C13の脂肪族R基を有するサルコシン誘導体である限り、C~C19の脂肪族R基を有する本明細書中に記載する2つまたはそれより多くのサルコシン誘導体の混合物であってもよい。
【0021】
研磨組成物は、任意の好適な量のコバルト腐食阻害剤を含み得る。研磨組成物は、約1ppmまたはそれより多くのコバルト腐食阻害剤、例えば、約5ppmまたはそれより多く、約10ppmまたはそれより多く、約20ppmまたはそれより多く、約30ppmまたはそれより多く、約40ppmまたはそれより多く、あるいは約50ppmまたはそれより多くのコバルト腐食阻害剤を含み得る。代替的または追加的に、研磨組成物は、約1000ppmまたはそれより少ないコバルト腐食阻害剤、例えば、約900ppmまたはそれより少ない、約800ppmまたはそれより少ない、約700ppmまたはそれより少ない、約600ppmまたはそれより少ない、約500ppmまたはそれより少ない、約400ppmまたはそれより少ない、約300ppmまたはそれより少ない、あるいは約200ppmまたはそれより少ないコバルト腐食阻害剤を含み得る。したがって、研磨組成物は、上記端点のいずれか2つによって囲まれる量でコバルト腐食阻害剤を含み得る。例えば、研磨組成物は、約1ppmから約1000ppmのコバルト腐食阻害剤、約10ppmから約1000ppm、約10ppmから約900ppm、約10ppmから約800ppm、約10ppmから約700ppm、約10ppmから約600ppm、約10ppmから約500ppm、約10ppmから約400ppm、約20ppmから約300ppm、約30ppmから約200ppm、約30ppmから約150ppm、約30ppmから約100ppm、または約50ppmから約100ppmを含み得る。
【0022】
研磨組成物のpHに応じて、上述のサルコシン誘導体は、塩(例えば、金属塩またはアンモニウム塩など)、酸、または酸とその塩との混合物の形態で存在し得ることが理解されるであろう。サルコシン誘導体の酸または塩の形態、あるいはその混合物は、研磨組成物の調製に使用するために好適である。
【0023】
研磨組成物は任意の好適なpHを有し得る。典型的に、研磨組成物は、約4またはそれより高いpH、例えば、約4.5またはそれより高い、約5またはそれより高い、約5.5またはそれより高い、約6またはそれより高い、約6.5またはそれより高い、あるいは約7またはそれより高いpHを有し得る。代替的または追加的に、研磨組成物は、約10またはそれより低いpH、例えば、約9.5またはそれより低い、約9またはそれより低い、約8.5またはそれより低い、約8またはそれより低い、あるいは約7.5またはそれより低いpHを有し得る。したがって、研磨組成物は、研磨組成物について記載した上記端点のいずれか2つによって囲まれるpHを有し得る。例えば、研磨組成物は、約4から約10のpH、例えば、約4.5から約10、約5から約10、約5.5から約10、約6から約10、約6.5から約10、約7から約10、約7から約9.5、約7から約9、約7から約8.5、約7から約8、約5から約9、または約6.5から約7.5のpHを有し得る。
【0024】
研磨組成物のpHは、任意の好適な酸または塩基を使用して調整することができる。好適な酸の非限定的な例としては、硝酸、硫酸、リン酸、および酢酸などの有機酸が挙げられる。好適な塩基の非限定的な例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、および水酸化アンモニウム、ならびにエタノールアミン、ジエタノールアミン、およびトリエタノールアミンなどの有機塩基が挙げられる。
【0025】
化学機械研磨組成物は、1つまたは複数の添加物をさらに含んでもよい。例示的な添加物としては、コンディショニング剤、酸(例えば、スルホン酸)、錯化剤(例えば、陰イオン性ポリマー錯化剤)、キレート剤、殺生物剤、スケール阻害剤、分散剤などが挙げられる。
【0026】
殺生物剤が存在する場合、それは任意の好適な殺生物剤であってよく、任意の好適な量で研磨組成物中に存在し得る。好適な殺生物剤は、イソチアゾリノン殺生物剤である。研磨組成物中の殺生物剤の量は、典型的に、約1から約50ppm、好ましくは約10から約40ppm、より好ましくは約20から約30ppmである。
【0027】
研磨組成物は任意の好適な技術によって調製することができ、その多くは当業者に公知である。研磨組成物は、バッチプロセスまたは連続プロセスで調製することができる。一般に、研磨組成物は、任意の順序でその成分を合わせることによって調製することができる。本明細書中で使用する場合、「成分」という用語は、個々の原料(例えば、砥粒、コバルト促進剤、任意選択でコバルト腐食阻害剤、酸化剤、任意選択でpH調整剤など)、ならびに原料(例えば、砥粒、コバルト促進剤、任意選択でコバルト腐食阻害剤、酸化剤、任意選択でpH調整剤など)の任意の組合せを包含する。
【0028】
例えば、砥粒を水に分散させることができる。次いで、コバルト促進剤および任意選択でコバルト腐食阻害剤を加え、成分を研磨組成物中に組み込むことができる任意の方法によって混合することができる。研磨組成物の調製の間の任意の時間に酸化剤を加えることができる。酸化剤などの1つまたは複数の成分を使用の直前(例えば、使用の約1分前、または使用の約1時間、使用の約7日前、または使用の約14日前)に研磨組成物に加えて使用前に研磨組成物を調製することができる。研磨組成物はまた、研磨処理の間に基板の表面で成分を混合することによっても調製することができる。
【0029】
研磨組成物は、砥粒、コバルト促進剤、任意選択でコバルト腐食阻害剤、酸化剤、任意選択でpH調整剤、および水を含む1パッケージのシステムとして供給することができる。あるいは、砥粒を第1の容器中で水分散液として供給し、かつコバルト促進剤、任意選択でコバルト腐食阻害剤、酸化剤、および任意選択でpH調整剤を第2の容器中で乾燥形態または水中の溶液もしくは分散液のいずれかで供給することができる。第1または第2の容器中の成分が乾燥形態であると同時にその他の容器中の成分は水分散液の形態であってもよい。さらに、第1および第2の容器中の成分が異なるpH値を有すること、あるいは実質的に類似のまたは等しいpH値を有することが好適である。その他の2容器、または3容器またはそれより多くの容器の研磨組成物の成分の組合せは当業者の知識の範囲内である。
【0030】
本発明の研磨組成物はまた、使用前に適切な量の水で希釈することを意図した濃縮物として提供することもできる。そのような実施形態では、研磨組成物濃縮物は、適切な量の水で濃縮物を希釈すると研磨組成物の各成分が各成分について上記した適切な範囲内の量で研磨組成物中に存在するような量で、砥粒、コバルト促進剤、任意選択でコバルト腐食阻害剤、および任意選択でpH調整剤を酸化剤と共にまたはそれを伴わずに含み得る。例えば、砥粒、コバルト促進剤、任意選択でコバルト腐食阻害剤、および任意選択でpH調整剤は、各成分について上記した濃度よりも約2倍(例えば、約3倍、約4倍、または約5倍)大きい量の濃度で濃縮物中に存在することができ、それによって、濃縮物を等体積の水(例えば、それぞれ等体積の2倍の水、等体積の3倍の水、または等体積の4倍の水)で希釈した時に、各成分が各成分について上に記載した範囲内の量で研磨組成物中に存在するようになる。さらには、当業者によって理解されるように、濃縮物は、その他の成分が濃縮物中に少なくとも部分的にまたは完全に溶解されることを確実にするために、最終の研磨組成物中に存在する適切な割合の水を含有し得る。
【0031】
本発明はまた、基板を化学機械的に研磨する方法であって、(i)基板を提供すること、(ii)研磨パッドを提供すること、(iii)化学機械研磨組成物であって、(a)砥粒、(b)コバルト促進剤、および(c)金属を酸化する酸化剤を含み、約4から約10のpHを有する、研磨組成物を提供すること、(iv)基板を研磨パッドおよびそれらの間にある化学機械研磨組成物と接触させることを含み、かつ(v)研磨パッドおよび化学機械研磨組成物を基板に対して移動させて基板の少なくとも一部分を摩損させることにより、基板を研磨することを含む、方法を提供する。
【0032】
本発明の方法を使用して研磨される基板は、任意の好適な基板であり得る。好ましい実施形態では、研磨される基板はコバルトを含有する。好ましい基板は、コバルトを含み、コバルトから本質的になり、またはコバルトからなる少なくとも1つの層、特に研磨用の露出層を含むことにより、コバルトの少なくとも一部分が摩損(すなわち、除去)されて基板が研磨される。コバルトは、化学蒸着(CVD)、物理蒸着(PVD)、または電気化学めっき(ECP)などの様々な方法で基板上に堆積され得る。Coの結晶構造の構成は、六方最密充填(HCP)、面心立方(FCC)、または非晶質といった様々なものであってよい。微小構造の周期性および結晶粒界サイズは、ナノメートルからミリメートルより大きい寸法までに及んでよい。特に好適な基板としては、半導体産業において使用されるウェーハが挙げられるが、これに限定されない。ウェーハは、典型的に、例えば、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属複合材、金属合金、低誘電性材料、またはこれらの組合せを含むまたはからなる。本発明の方法はまた、ガスタービンおよびジェット機エンジン用のタービンブレード、整形外科インプラント、股および膝関節置換術、歯科用補綴物などの人口装具用パーツ、高速度鋼ドリルビット、および永久磁石において有用なコバルトおよびコバルト合金を含む基板の研磨にも有用である。
【0033】
本発明の研磨方法は、化学機械研磨(CMP)装置と組み合わせた使用のために特に適する。典型的に、装置は、使用時に動いて、軌道、直線、または円運動に由来する速度を有する圧盤、圧盤と接触し、動いている時の圧盤と共に移動する研磨パッド、および研磨パッドの表面と接触し、それに対して移動することによって研磨される基板を保持する支持体を含む。基板の研磨は、基板が研磨パッドおよび本発明の研磨組成物と接触状態に置かれ、次いで基板の少なくとも一部分を摩損させて基板を研磨するように研磨パッドが基板に対して移動することによって起こる。
【0034】
基板は、任意の好適な研磨パッド(例えば、研磨表面)と共に化学機械研磨組成物を用いて平坦化または研磨され得る。好適な研磨パッドとしては、例えば、織布および不織布の研磨パッドが挙げられる。さらに、好適な研磨パッドは、様々な密度、硬度、厚さ、圧縮率、圧縮時の復元能力、および圧縮弾性率の任意の好適なポリマーを含み得る。好適なポリマーとしては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ナイロン、フルオロカーボン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリエーテル、ポリエチレン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリイソシアヌレート、これらの共形成物、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0035】
望ましくは、CMP装置は、現場での研磨終点検出システムをさらに含み、その多くは当該技術分野で公知である。ワークピースの表面から反射された光またはその他の放射線を分析することによる研磨処理を検査およびモニターする技術が当該技術分野で公知である。そのような方法は、例えば、米国特許第5,196,353号、米国特許第5,433,651号、米国特許第5,609,511号、米国特許第5,643,046号、米国特許第5,658,183号、米国特許第5,730,642号、米国特許第5,838,447号、米国特許第5,872,633号、米国特許第5,893,796号、米国特許第5,949,927号、および米国特許第5,964,643号に記載されている。望ましくは、研磨されているワークピースに対する研磨処理の進行の検査またはモニタリングは、研磨の終点の決定、すなわち特定のワークピースに対する研磨処理をいつ終了させるかの決定を可能とする。
【0036】
化学機械研磨処理は、基板の除去速度、ディッシング、およびエロージョンなどの点で多数の方法で特徴付けることができる。
【0037】
基板の除去速度は、任意の好適な技術を使用して決定することができる。基板の除去速度を決定するための好適な技術の例として、本発明の研磨方法の使用の前および後に基板の重さを量って、研磨の単位時間あたりの除去された基板の量を決定し、それを研磨の単位時間あたりの除去された基板の厚さの点で除去速度と相関させることができ、また、本発明の研磨方法の使用の前および後に基板の厚さを決定して、研磨の単位時間あたりの基板の除去速度を直接的に測定することが挙げられる。
【0038】
本発明を以下の実施形態によって例示する。
(1)実施形態(1)では、化学機械研磨組成物であって、
(a)砥粒、
(b)コバルト促進剤、および
(c)金属を酸化する酸化剤を含み、酸化剤が、ニトロ化合物、ニトロソ化合物、N-オキシド化合物、亜硝酸塩化合物、硝酸塩化合物、ヒドロキシルアミン化合物、オキシム化合物、およびこれらの組合せから選択され、
研磨組成物が約4から約10のpHを有する、
研磨組成物が提示される。
(2)実施形態(2)では、コバルト促進剤が、N-ジ(カルボキシルアルキル)アミン、N-ジ(ヒドロキシアルキル)アミン、N,N-ジ(ヒドロキシアルキル)-N-カルボキシルアルキルアミン、ジカルボキシヘテロ環状体、ヘテロシクリルアルキル-α-アミノ酸、N-アミノアルキルアミノ酸、非置換の複素環、アルキル置換された複素環、カルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸、アルキルアミン、N-アミノアルキル-α-アミノ酸、およびこれらの組合せから選択される、実施形態(1)の研磨組成物が提示される。
(3)実施形態(3)では、コバルト腐食阻害剤をさらに含む、実施形態(1)または(2)の研磨組成物が提示される。
(4)実施形態(4)では、砥粒がシリカである、実施形態(l)~(3)のいずれか1つの研磨組成物が提示される。
(5)実施形態(5)では、約0.1質量%から約5質量%の砥粒を含む、実施形態(l)~(4)のいずれか1つの研磨組成物が提示される。
(6)実施形態(6)では、約0.1質量%から約3質量%の砥粒を含む、実施形態(5)の研磨組成物が提示される。
(7)実施形態(7)では、コバルト促進剤が、イミノ二酢酸、N-(2-アセトアミド)イミノ二酢酸、N-メチルイミダゾール、ピコリン酸、ジピコリン酸、4-(2-ヒドロキシエチル)-l-ピペラジンエタンスルホン酸、グリシン、ビシン、トリエチルアミン、エチドロン酸、N-メチルモルホリン、マロン酸、2-ピリジンスルホネート、クエン酸、およびこれらの組合せから選択される、実施形態(l)~(6)のいずれか1つの研磨組成物が提示される。
(8)実施形態(8)では、コバルト促進剤が約5mMから約100mMの濃度で研磨組成物中に存在する、実施形態(l)~(7)のいずれか1つの研磨組成物が提示される。
(9)実施形態(9)では、コバルト促進剤が約10mMから約50mMの濃度で研磨組成物中に存在する、実施形態(8)の研磨組成物が提示される。
(10)実施形態(10)では、酸化剤が、アリールニトロ化合物、アリールニトロソ化合物、アリールN-オキシド化合物、アリールヒドロキシルアミン化合物、アリールオキシム化合物、およびこれらの組合せから選択される、実施形態(l)~(9)のいずれか1つの研磨組成物が提示される。
(11)実施形態(11)では、酸化剤が、ヘテロアリールニトロ化合物、ヘテロアリールニトロソ化合物、ヘテロアリールN-オキシド化合物、ヘテロアリールヒドロキシルアミン化合物、ヘテロアリールオキシム化合物、およびこれらの組合せから選択される、実施形態(l)~(9)のいずれか1つの研磨組成物が提示される。
(12)実施形態(12)では、酸化剤が、亜硝酸塩、硝酸塩、およびこれらの組合せから選択される、実施形態(l)~(9)のいずれか1つの研磨組成物が提示される。
(13)実施形態(13)では、酸化剤が約1mMから約100mMの濃度で研磨組成物中に存在する、実施形態(l)~(12)のいずれか1つの研磨組成物が提示される。
(14)実施形態(14)では、酸化剤が約10mMから約50mMの濃度で研磨組成物中に存在する、実施形態(13)の研磨組成物が提示される。
(15)実施形態(15)では、コバルト腐食阻害剤が約10ppmから約1000ppmの濃度で研磨組成物中に存在する、実施形態(3)~(14)のいずれか1つの研磨組成物が提示される。
(16)実施形態(16)では、約5から約9のpHを有する、実施形態(1)~(15)のいずれか1つの研磨組成物が提示される。
(17)実施形態(17)では、約6.5から約7.5のpHを有する、実施形態(16)の研磨組成物が提示される。
(18)実施形態(18)では、基板を化学機械的に研磨する方法であって、
(i)基板を提供すること、
(ii)研磨パッドを提供すること、
(iii)化学機械研磨組成物であって、
(a)砥粒、
(b)コバルト促進剤、
(c)金属を酸化する酸化剤を含み、酸化剤が、ニトロ化合物、ニトロソ化合物、N-オキシド化合物、亜硝酸塩化合物、硝酸塩化合物、ヒドロキシルアミン化合物、オキシム化合物、およびこれらの組合せから選択され、
研磨組成物が約4から約10のpHを有する、
研磨組成物を提供すること、
(iv)基板を研磨パッドおよびそれらの間にある化学機械研磨組成物と接触させること、および
(v)研磨パッドおよび化学機械研磨組成物を基板に対して移動させて基板の少なくとも一部分を摩損させることにより、基板を研磨すること
を含む、方法が提示される。
(19)実施形態(19)では、基板がコバルトを含み、かつコバルトの少なくとも一部分が摩損されて基板を研磨する、実施形態(18)の方法が提示される。
(20)実施形態(20)では、基板が半導体デバイスを含む、実施形態(18)または(19)の方法が提示される。
【実施例
【0039】
以下の実施例は本発明を実例によりさらに説明するが、当然ながら、いかなる点でもその範囲を限定するものと解してはならない。
【0040】
実施例1
本実施例は、コバルト静的エッチング速度(「SER」)に対するコバルト促進剤と酸化剤との組合せの影響力を実証する。
【0041】
コバルトクーポン(1cm×1cm)を異なる組成物(組成物1A~1W)と35℃で5分間接触させることによってコバルトSERを決定した。下記表1に別段の記載がなければ、組成物1B~1WはpH7で30mMのイミノ二酢酸(「IDA」)および30mMの酸化剤を含有した。比較のために、組成物1Aは酸化剤無しで30mMのIDAのみを含有した。コバルトSERに対するコバルト促進剤の影響力を実証するために、コバルトクーポン(1cm×1cm)をIDAを有しない組成物1B~1Wと接触させることによってもコバルトSERを決定した。結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
表1に示す結果から明らかなように、ほとんどの組成物は、試験した酸化剤をイミノ二酢酸と組み合わせた時に向上したSERを呈した。組成物1B~1Nおよび1P~1Rは相乗的なコバルトSERを呈し、すなわち、組成物1B~1NおよびIP~1RについてのSERはIDAを有しない組成物についてのSERとIDAのみを含む組成物1AについてのSERとの和を上回った。例えば、IDAを有する組成物IBのSERは311Å/分であり、これはIDAを有しない組成物IBのSER(すなわち、1Å/分)と組成物1AのSER(すなわち、30Å/分)との和より顕著に大きい(すなわち、311Å/分>31Å/分)。
【0044】
実施例2
本実施例は、広範なpH範囲にわたってコバルト促進剤および酸化剤を含む組成物が呈するコバルトSERを実証する。
【0045】
コバルトクーポン(1cm×1cm)を異なる組成物(組成物2A~2K)と35℃で5分間接触させることによってコバルトSERを決定した。組成物2A~2Kは、30mMのコバルト促進剤および30mMの4-ニトロピリジンN-オキシド(「4-ΝΡΝΟ」)または30mMの3-ニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム(「NBS」)を含有した。5、7、および9のpH値の様々な組成物でSERを決定した。結果を表2に示す。
【0046】
コバルトクーポン(1cm×1cm)を30mMの促進剤のみまたは30mMの酸化剤のみを含有する対照組成物とも接触させた。30mMの促進剤のみを含有する組成物について、コバルトSERは30Å/分未満であった。30mMの酸化剤のみを含有する組成物について、コバルトSERは10Å/分未満であった。
【0047】
【表2】
【0048】
表2に示す結果から明らかなように、ほとんどの組成物は、コバルト促進剤のみまたは酸化剤のみを含む対照組成物と比べて顕著に向上したSERを呈した。実際、組成物2A~2Kのそれぞれは1つまたは複数の酸化剤および試験したpH値について相乗的なコバルトSERを呈した。相乗的なコバルトSERは、酸化剤のみを含む対照組成物についてのSER(すなわち、10Å/分未満)と促進剤のみを含む対照組成物についてのSER(すなわち、30Å/分未満)との和よりも大きい50Å/分より高いSERとして定義される。組成物2Aおよび2Dは、両方の酸化剤および試験した各pH値について相乗的なコバルトSERを呈した。
【0049】
実施例3
本実施例は、コバルト研磨速度と実施例1に示すSER値との関係を実証する。
【0050】
コバルト物理蒸着(「PVD」)ウェーハを使用し、Logitechの卓上型研磨機上で、50ml/分のスラリー流速を用いてNexplanar E6088パッドに6.9kPaのダウンフォースで研磨を実行した。静的エッチング速度の実験手順は実施例1に記載の通りであった。研磨組成物3A~3Jは、pH7で、表3に挙げる30mmolの酸化剤または塩、30mmolのIDA、殺生物剤、および0.5%のコロイダルシリカ砥粒を含有した。酸化剤を欠いた研磨組成物3Gは30mmoleの酢酸カリウムを含有し、これを対照として含めた。比較のために、研磨組成物3Kは、酸化剤無しで、30mmolのIDA、殺生物剤、および0.5%のコロイダルシリカ砥粒を含有した。
【0051】
【表3】
【0052】
表3に示す結果から明らかなように、コバルト材料除去速度は、全般的に、コバルト静的エッチング速度(「SER」)の増加と共に増加する。したがって、より高いSERを提供する組成物は、望ましいことに、より高いコバルト除去速度を提供する。例えば、研磨組成物3Aは比較的高い静的エッチング速度および比較的高いコバルト除去速度を呈する一方、研磨組成物3Jは比較的低い静的エッチング速度および比較的低いコバルト除去速度を呈する。
【0053】
表3に示す結果からこれも明らかなように、研磨組成物3A~3Eについてのコバルト除去速度は、酸化剤を含有しない比較用研磨組成物3Kについてのコバルト除去速度(すなわち、1200Å/分)を上回った。
【0054】
実施例4
本実施例は、N-オキシドまたは4-ニトロピリジン酸化剤を含有する組成物が呈するコバルトSERを実証する。
【0055】
コバルトクーポン(1cm×1cm)を異なる組成物(組成物4A~4O)と35℃、組成物のpH値7で接触させることによってコバルトSERを決定した。別段の記載がなければ、組成物4A~4Oは表4に挙げた30mMの酸化剤を含有し、また組成物に含まれる30mMのIDA有りまたは無しで試験を行った。酸化剤を含有しない組成物4AについてのコバルトSERのデータを対照として与える。酸化剤としてHを含有した組成物4BについてのコバルトSERのデータを比較例として与える。結果を表4に示す。
【0056】
【表4】
【0057】
表4に示す結果から明らかなように、IDAと本発明の酸化剤との組合せは、コバルトSERの有意な増進を提供する。例えば、組成物4D、4E、4M、および4Oによって提供されるコバルトSERを、酸化剤を含有しない組成物4Aによって提供されるコバルトSERと比較されたい。具体的には、組成物4D、4E、4M、および4Oは、組成物4Aによって提供されるコバルトSERと比べてコバルトSERを少なくとも77Å/分増進する。
【0058】
表4はまた、酸化剤としてHを含有する組成物4Bによって提供されるエッチング速度と類似のまたはそれより良好な速度でコバルトをエッチングする本発明の酸化剤を含む組成物4C~4Oの能力も実証する。Hは化学機械研磨組成物において使用される典型的な酸化剤である。具体的には、研磨組成物4D、4E、4M、および4Oは、コバルトSERにおいて0.6%のHを劇的に凌駕し、組成物4Bによって提供されるコバルトSERと比べてコバルトSERを少なくとも55Å/分増進した。
【0059】
加えて、組成物4Eによって提供されるコバルトSERに実証されるように、最も活性の酸化剤である4-ニトロピリジンN-オキシドは3mMという低い濃度で高い程度の活性を維持する。
【0060】
実施例5
本実施例は、コバルト阻害剤および殺生物剤を含むコバルト研磨組成物についてのコバルト除去速度を実証する。
【0061】
4cm×4cmのコバルトフィルムクーポンを使用し、Logitechの卓上型研磨機上で研磨を行った。研磨組成物5A~5Lは、表6に示すように、0.5%のシリカ砥粒、30mMの促進剤、酸化剤(非過酸化物ベースの分子について30mM)、31ppmの殺生物剤、および任意選択でコバルト阻害剤を含有した。各研磨組成物はpH値7を有した。比較用研磨組成物3K(上記実施例3および表3に記載)によって提供されるコバルト除去速度に対するパーセンテージとしてコバルト除去速度を表に報告する。すなわち、結果を1200Å/分のコバルト除去速度に対するパーセンテージ(例えば、観察された除去速度(Å/分)/1200)×100)として報告する。
【0062】
【表5】
【0063】
本実施例によって実証されるように、本発明による酸化剤およびコバルト阻害剤を含む研磨組成物は、望ましいことに、有益なコバルト研磨速度を提供する。より具体的には、本実施例は、Hの代替として4-ニトロピリジン、4-ニトロピリジンN-オキシド、または4-メトキシピリジンN-オキシドを含む研磨組成物の研磨効果を実証する。例えば、研磨組成物5B~5D、5F、5J、および5Lによって提供される除去速度を酸化剤を含有しない比較用研磨組成物3Kによって提供される除去速度と比較されたい。
【0064】
さらには、研磨組成物5Jおよび5Lは、本発明の酸化剤を用いる研磨組成物用の有益な促進剤としてN-メチルイミダゾールおよびピコリン酸を例示する。
【0065】
本明細書中で参照した刊行物、特許出願、および特許などの全ての参照文献は、参照することにより各参照文献が組み込まれることが個々的かつ具体的に示され、かつ本明細書中にその全体が記載されているのと同程度に、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0066】
本発明の記載の文脈(特に以下の請求項の文脈)における「a」および「an」および「the」および「少なくとも1つの」といった用語および類似の指示語の使用は、本明細書中に別段の記載がなくかつ文脈に明らかに矛盾しなければ、単数および複数の両方を包含すると解するべきである。「少なくとも1つの」という用語の後に1つまたは複数の項目の列挙を使用する場合(例えば、「AおよびBの少なくとも1つ」)、本明細書中に別段の記載がなくかつ文脈に明らかに矛盾しなければ、列挙した項目から選択される1つの項目(AまたはB)、または列挙した項目の2つまたはそれより多くの任意の組合せ(AおよびB)を意味すると解するべきである。「~を含む」、「~を有する」、「~を包含する」、および「~を含有する」という用語は、別段の記載がなければ、オープンエンドの用語(すなわち、「~を含むが、これらに限定されない」を意味する)と解するべきである。本明細書中の値の範囲の列記は、本明細書中に別段の記載がなければ、範囲内に含まれる各個別の値を個々に指す簡略化した方法として機能することを意図したに過ぎず、各個別の値は、本明細書中に個々に記載されたかのように本明細書中に組み込まれる。本明細書中に記載する全ての方法は、本明細書中に別段の記載がなくかつ文脈に明らかに矛盾しなければ、任意の好適な順序で行うことができる。任意のおよび全ての実施例、または本明細書中で提供する例示的な表現(例えば、「など」)の使用は、本発明をよりよく明らかにすることを意図したに過ぎず、別段の請求が無ければ発明の範囲を限定しない。本明細書中のいかなる表現も、任意の請求されていない要素が本発明の実施に必須であることを示していると解するべきではない。
【0067】
本発明者らに既知の本発明を実行するための最良の形態を含む本発明の好ましい実施形態を本明細書中に記載している。これらの好ましい実施形態の変形が、以上の説明を読んだ当業者に明らかとなり得る。本発明者らは、当業者がそのような変形を適宜用いることを予期しており、また本発明者らは、具体的に本明細書中に記載した以外の方法で本発明が実施されることを意図する。したがって、本発明は、適用法によって許容される本明細書に添付した特許請求の範囲に記載の主題の全ての改良および均等物を包含する。さらに、その全ての可能な変形における上記の要素の任意の組合せは、本明細書中に別段の記載がなくかつ文脈に明らかに矛盾しなければ、本発明に包含される。