(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-30
(45)【発行日】2023-04-07
(54)【発明の名称】基板処理システムのためのDCバイアス回路及びガス供給システム
(51)【国際特許分類】
C23C 16/509 20060101AFI20230331BHJP
C23C 16/455 20060101ALI20230331BHJP
H01L 21/205 20060101ALI20230331BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20230331BHJP
H01L 21/316 20060101ALI20230331BHJP
H01L 21/318 20060101ALI20230331BHJP
H05H 1/46 20060101ALI20230331BHJP
C23C 16/44 20060101ALN20230331BHJP
【FI】
C23C16/509
C23C16/455
H01L21/205
H01L21/31 C
H01L21/316 X
H01L21/318 B
H05H1/46 M
C23C16/44 J
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020047077
(22)【出願日】2020-03-18
(62)【分割の表示】P 2015116422の分割
【原出願日】2015-06-09
【審査請求日】2020-04-09
【審判番号】
【審判請求日】2021-11-24
(32)【優先日】2014-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2014-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エドワード・アウグスティニャック
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・ジェームス・ラムセイヤー
(72)【発明者】
【氏名】アクヒル・エヌ.・シンガル
(72)【発明者】
【氏名】カリーム・ボウマター
(72)【発明者】
【氏名】アルール・ダス
【合議体】
【審判長】河本 充雄
【審判官】正 知晃
【審判官】後藤 政博
(56)【参考文献】
【文献】特表平11-509979(JP,A)
【文献】特開2008-184688(JP,A)
【文献】国際公開第2014/080785(WO,A1)
【文献】特開2012-188701(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 16/00-16/56
H01L 21/205
H01L 21/31
H01L 21/365
H01L 21/469
H01L 21/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理システムであって、
処理チャンバ内に配置された上部電極と、
前記処理チャンバ内に配置された台座であって、処理中に基板を支えるように構成され、下部電極を含む台座と、
前駆体ガス、1種以上の堆積キャリアガス、及びポスト堆積パージガスの少なくともいずれか1つを選択的に供給するように構成されたガス供給システムと、
前記ガス供給システムによって前記前駆体ガス及び前記1種以上の堆積キャリアガスが供給されている間に前記処理チャンバ内の前記上部電極と前記下部電極との間にRFプラズマを発生させて
前記基板上に膜を堆積させるように構成されたRF発生システムと、
前記ガス供給システムによって前記ポスト堆積パージガスが供給されている間に前記上部電極及び前記下部電極のいずれか1つにDCバイアス電圧を選択的に供給するように構成されたバイアス発生回路と、
を備え、
前記ガス供給システムによって供給される前記ポスト堆積パージガスは、反応性の分子ガスを含む、基板処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理システムであって、
前記ポスト堆積パージガスは、不活性ガスを含まない、基板処理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の基板処理システムであって、
前記ポスト堆積パージガスは、前記堆積キャリアガスの1つから選択される、基板処理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の基板処理システムであって、
前記ポスト堆積パージガスは、0.2トールから6トールのプロセス圧力にわたってヘリウム及びアルゴンよりも高い破壊電圧を有する、基板処理システム。
【請求項5】
請求項1に記載の基板処理システムであって、
前記DCバイアス電圧の印加は、前記RFプラズマが消滅する前の第1の所定の期間及び前記RFプラズマが消滅した後の第2の所定の期間のいずれかで開始される、基板処理システム。
【請求項6】
請求項1に記載の基板処理システムであって、更に、
前記DCバイアス電圧が発生している間に前記基板を移動させるように構成された基板移動システムを備える基板処理システム。
【請求項7】
請求項6に記載の基板処理システムであって、
前記基板移動システムは、前記基板を移動させるように構成されたロボットを含む、基板処理システム。
【請求項8】
基板処理ツールであって、
Nを1以上の整数として、それぞれ請求項6に記載の基板処理システムを複数ずつ含むN個のリアクタを備え、
前記基板移動システムは、前記DCバイアス電圧が発生している間に前記N個のリアクタの少なくとも1つの前記複数の基板処理システムの間で基板をインデックス送りするように構成されたインデックス送りメカニズムを含む、基板処理ツール。
【請求項9】
請求項1に記載の基板処理システムであって、
前記バイアス発生回路は、前記RFプラズマが消滅する前に前記DCバイアス電圧を発生させ、次のRFプラズマが打ち出される前に前記DCバイアス電圧を終了させる、基板処理システム。
【請求項10】
請求項1に記載の基板処理システムであって、
前記バイアス発生回路は、前記RFプラズマが打ち出される期間を除いて前記DCバイアス電圧を発生させ続ける、基板処理システム。
【請求項11】
請求項1に記載の基板処理システムであって、
前記RF発生システムは、
RF電圧発生器、並びに前記上部電極及び前記下部電極のいずれか1つと通信する整合・分配ネットワークを含む、基板処理システム。
【請求項12】
請求項1に記載の基板処理システムであって、
前記膜は、窒素フリーの反射防止膜、非晶質シリコン、アッシング可能なハードマスク、シリコン窒化物、二酸化シリコン、及びシリコンオキシカーバイドからなる群より選択される、基板処理システム。
【請求項13】
請求項1に記載の基板処理システムであって、
前記1種以上の堆積キャリアガスは、二酸化炭素、ヘリウム、分子状の水素、分子状の窒素、アンモニア、及び亜酸化窒素からなる群より選択される、基板処理システム。
【請求項14】
請求項1に記載の基板処理システムであって、
前記ポスト堆積パージガスは、二酸化炭素、分子状の水素及び分子状の窒素からなる群より選択される、基板処理システム。
【請求項15】
処理チャンバ内に配置された上部電極と、前記処理チャンバ内に配置された台座であって、処理中に基板を支えるように構成され、下部電極を含む台座とを備えた基板処理システムにおいて前記基板を処理するための方法であって、
前駆体ガス、1種以上の堆積キャリアガス、及びポスト堆積パージガスの少なくともいずれか1つを選択的に処理チャンバに供給することと、
前記前駆体ガス及び前記1種以上の堆積キャリアガスが供給されている間に、前記処理チャンバ内の
前記上部電極と
前記下部電極との間にRFプラズマを発生させることによって、前記基板上に膜を堆積させることと、
バイアス電圧回路により前記上部電極及び前記下部電極のいずれか1つにDCバイアス電圧を選択的に供給することと、
を備え
、
前記ポスト堆積パージガスは、前記DCバイアス電圧
を供給する間の少なくとも一区間で供給され、
前記ポスト堆積パージガスは、反応性の分子ガスを含む、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、
前記ポスト堆積パージガスは、不活性ガスを含まない、方法。
【請求項17】
請求項15に記載の方法であって、
前記ポスト堆積パージガスは、前記1種以上の堆積キャリアガスの1つから選択される、方法。
【請求項18】
請求項15に記載の方法であって、
前記ポスト堆積パージガスは、0.2トールから6トールのプロセス圧力にわたってヘリウム及びアルゴンよりも高い破壊電圧を有する、方法。
【請求項19】
請求項15に記載の方法であって、
前記DCバイアス電圧の印加は、前記RFプラズマが消滅する前の第1の所定の期間及び前記RFプラズマが消滅した後の第2の所定の期間のいずれか1つで開始される、方法。
【請求項20】
請求項15に記載の方法であって、更に、
前記DCバイアス電圧が発生している間に前記基板を移動させることを備える方法。
【請求項21】
請求項15に記載の方法であって、更に、
前記DCバイアス電圧が発生している間に基板をインデックス送りすることを備える方法。
【請求項22】
請求項15に記載の方法であって、更に、
前記RFプラズマが消滅する前に前記DCバイアス電圧を発生させ、次のRFプラズマが打ち出される前に前記DCバイアス電圧を終了させることを備える方法。
【請求項23】
請求項15に記載の方法であって、更に、
前記RFプラズマが打ち出される期間を除いて前記DCバイアス電圧を発生させ続けることを備える方法。
【請求項24】
請求項15に記載の方法であって、
前記膜は、窒素フリーの反射防止膜、非晶質シリコン、アッシング可能なハードマスク、シリコン窒化物、二酸化シリコン、及びシリコンオキシカーバイドからなる群より選択される、方法。
【請求項25】
請求項15に記載の方法であって、
前記1種以上の堆積キャリアガスは、二酸化炭素、ヘリウム、分子状の水素、分子状の窒素、アンモニア、及び亜酸化窒素からなる群より選択される、方法。
【請求項26】
請求項15に記載の方法であって、
前記ポスト堆積パージガスは、二酸化炭素、分子状の水素及び分子状の窒素からなる群より選択される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2014年6月10日に出願された米国特許出願第14/300,854号の一部継続出願である。上記出願は、その開示全体を参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、基板処理システムに関し、より具体的には、RFプラズマ及び反応性のポスト堆積ガスを使用した基板処理システムにおける欠陥制御に関する。
【背景技術】
【0003】
本明細書で挙げられる背景の説明は、開示内容を概ね示すことを目的とする。この背景技術の章で説明される限りにおける、ここで挙げられる発明者らによる研究、及びそうでなければ出願時における先行技術として適格とされえない説明中の態様は、本開示に対抗する先行技術として明示的にも暗示的にも認められない。
【0004】
堆積及び/又はエッチングを実施するための基板処理システムは、通常、台座を伴う処理チャンバを含む。台座の上には、半導体ウエハなどの基板を配置することができる。例えば、化学気相成長(CVD)プロセス又は原子層堆積(ALD)プロセスでは、基板上に膜を堆積させるために又は基板をエッチングするために、1種以上の前駆体を含むガス混合物を処理チャンバに導入することができる。
【0005】
幾つかの基板処理システムでは、化学反応を活性化するために、高周波数(RF)プラズマを使用することができる。プラズマを使用するCVDシステム及びALDシステムは、プラズマCVD(PECVD)及びプラズマALD(PEALD)と呼ばれる。気相内で発生する化学反応の一部は、RFプラズマの反応体積内における粒子の核化、群化、及び/又は凝集を引き起こす。粒子は、RFプラズマがオンである間、RFプラズマ中に浮遊したままである。これらの粒子は、作用する力の均衡ゆえに、基板上に落下することはない。RFプラズマ中の粒子は、例えば、静電反発力によってプラズマ境界又はプラズマシースに浮遊する。
【0006】
粒子は、RF励起がオフにされた後に、基板上に落下するだろう。したがって、大半の基板処理システムは、所定の期間にわたって残留ガスをポンプで排出することによって、処理チャンバを排気する。この所定の期間中に、粒子は、処理チャンバ内で沈降する又はポンプによって排出される。
【発明の概要】
【0007】
基板処理システムは、処理チャンバ内に配置された上部電極及び下部電極を含む。ガス供給システムが、前駆体、1種以上の堆積キャリアガス、及びポスト堆積パージガスの少なくともいずれか1つを選択的に供給するように構成される。RF発生システムが、ガス供給システムによって前駆体及び1種以上の堆積キャリアガスが供給されている間に上部電極及び下部電極のいずれか1つにRF電圧を供給することによって処理チャンバ内の上部電極と下部電極との間にRFプラズマを発生させて基板上に膜を堆積させるように構成される。バイアス発生回路が、ガス供給システムによってポスト堆積パージガスが供給されている間に上部電極及び下部電極のいずれか1つにDCバイアス電圧を選択的に供給するように構成される。ガス供給システムによって供給されるポスト堆積パージガスは、反応性の分子ガスを含む。
【0008】
その他の特徴では、ポスト堆積パージガスは、不活性ガスを含まない。ポスト堆積パージガスは、堆積キャリアガスの1つから選択される。ポスト堆積パージガスは、0.2トールから6トールのプロセス圧力にわたってヘリウム及びアルゴンよりも高い破壊電圧を有する。DCバイアス電圧の印加は、RFプラズマが消滅する前の第1の所定の期間及びRFプラズマが消滅した後の第2の所定の期間のいずれかで開始される。
【0009】
その他の特徴では、基板移動システムが、DCバイアス電圧が発生している間に基板を台座に相対的に移動させるように構成される。基板移動システムは、基板を台座に相対的に移動させるように構成されたロボットを含む。
【0010】
基板処理ツールは、Nを1以上の整数として、N個のリアクタを含み、各リアクタは、複数の基板処理システムを含む。基板移動システムは、DCバイアス電圧が発生している間にN個のリアクタの少なくとも1つにおける複数の基板処理システム間で基板をインデックス送りするように構成される。バイアス発生回路は、RFプラズマが消滅する前にDCバイアス電圧を発生させ、次のRFプラズマが打ち出される前にDCバイアス電圧を終了させる。バイアス発生回路は、RFプラズマが打ち出される期間を除いてDCバイアス電圧を発生させ続ける。
【0011】
その他の特徴では、RF発生システムは、RF電圧を発生させるためのRF発生器と、RF発生器、並びに上部電極及び下部電極のいずれか1つと通信する整合・分配ネットワークとを含む。膜は、窒素フリーの反射防止膜を含み、堆積キャリアガスは、二酸化炭素及びヘリウムを含み、ポスト堆積ガスは、二酸化炭素を含む。膜は、非晶質シリコンを含み、1種以上の堆積キャリアガスは、分子状の水素及びヘリウムを含み、ポスト堆積パージガスは、分子状の水素を含む。膜は、アッシング可能なハードマスクを含み、1種以上の堆積キャリアガスは、分子状の水素及びヘリウムを含み、ポスト堆積パージガスは、分子状の水素を含む。膜は、シリコン窒化物を含み、1種以上の堆積キャリアガスは、分子状の窒素及びアンモニアを含み、ポスト堆積パージガスは、分子状の窒素を含む。膜は、二酸化シリコンを含み、1種以上の堆積キャリアガスは、分子状の窒素及び亜酸化窒素を含み、ポスト堆積パージガスは、分子状の窒素を含む。膜は、シリコンオキシカーバイドを含み、1種以上の堆積キャリアガスは、二酸化炭素及びヘリウムを含み、ポスト堆積パージガスは、二酸化炭素を含む。
【0012】
処理システムにおいて基板を処理するための方法は、前駆体、1種以上の堆積キャリアガス、及びポスト堆積パージガスの少なくともいずれか1つを選択的に処理チャンバに供給することと、RF電圧を上部電極及び下部電極のいずれか1つに供給している間に且つ前駆体及び1種以上の堆積キャリアガスが供給されている間に処理チャンバ内の上部電極と下部電極との間にRFプラズマを発生させることによって基板上に膜を堆積させることと、上部電極及び下部電極のいずれか1つにDCバイアス電圧を選択的に供給するように構成されたバイアス発生回路と、を含む。ポスト堆積パージガスは、DCバイアス電圧の少なくとも一区間で供給される。ポスト堆積パージガスは、反応性の分子ガスを含む。
【0013】
その他の特徴では、ポスト堆積パージガスは、不活性ガスを含まない。ポスト堆積パージガスは、1種以上の堆積キャリアガスの1つから選択される。ポスト堆積パージガスは、0.2トールから6トールのプロセス圧力にわたってヘリウム及びアルゴンよりも高い破壊電圧を有する。DCバイアス電圧の印加は、RFプラズマが消滅する前の第1の所定の期間及びRFプラズマが消滅した後の第2の所定の期間のいずれかで開始される。基板移動システムは、DCバイアス電圧が発生している間に基板を台座に相対的に移動させるように構成される。
【0014】
その他の特徴では、方法は、DCプラズマが発生している間に基板をインデックス送りすることを含む。方法は、RFプラズマが消滅する前にDCバイアス電圧を発生させ、次のRFプラズマが打ち出される前にDCバイアス電圧を終了させることを含む。方法は、RFプラズマが打ち出される期間を除いてDCバイアス電圧を発生させ続けることを含む。
【0015】
その他の特徴では、膜は、窒素フリーの反射防止膜を含み、1種以上の堆積キャリアガスは、二酸化炭素及びヘリウムを含み、ポスト堆積ガスは、二酸化炭素を含む。膜は、非晶質シリコンを含み、1種以上の堆積キャリアガスは、分子状の水素及びヘリウムを含み、ポスト堆積パージガスは、分子状の水素を含む。膜は、アッシング可能なハードマスクを含み、1種以上の堆積キャリアガスは、分子状の水素及びヘリウムを含み、ポスト堆積パージガスは、分子状の水素を含む。膜は、シリコン窒化物を含み、1種以上の堆積キャリアガスは、分子状の窒素及びアンモニアを含み、ポスト堆積パージガスは、分子状の窒素を含む。膜は、二酸化シリコンを含み、1種以上の堆積キャリアガスは、分子状の窒素及び亜酸化窒素を含み、ポスト堆積パージガスは、分子状の窒素を含む。膜は、シリコンオキシカーバイドを含み、1種以上の堆積キャリアガスは、二酸化炭素及びヘリウムを含み、ポスト堆積パージガスは、二酸化炭素を含む。
【0016】
詳細な説明、特許請求の範囲、及び図面から、本開示の適用の更なる分野が明らかになる。詳細な説明及び具体的な例は、例示を目的とすることのみを意図しており、本開示の範囲を制限することは意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本開示は、詳細な説明及び添付の図面から、更に完全に理解される。
【0018】
【
図1A】本開示にしたがった、基板処理システムの一例を示した機能ブロック図である。
【0019】
【
図1B】本開示にしたがった、DCバイアス発生システムの一例を示した機能ブロック図である。
【0020】
【
図2】RFプラズマ信号、基板インデックス送り信号又は基板移動信号、及びガス供給信号に相対的なDCバイアス電圧のタイミングの例を示したタイミング図である。
【
図3】RFプラズマ信号、基板インデックス送り信号又は基板移動信号、及びガス供給信号に相対的なDCバイアス電圧のタイミングの例を示したタイミング図である。
【0021】
【0022】
【
図6A】本開示にしたがった、基板処理システムを操作するための方法の一例を示した図である。
【
図6B】本開示にしたがった、基板処理システムを操作するための方法の一例を示した図である。
【0023】
【
図7】DCバイアス電圧を伴って及びDCバイアス電圧を伴わずに処理された基板における欠陥数を示した図である。
【0024】
【
図8】ポスト堆積パージガスとしてヘリウムを使用してNFARLを堆積させる基板処理システムの場合のDCバイアス電圧を時間の関数として示したグラフである。
【0025】
【
図9】ポスト堆積パージガスとして二酸化炭素を使用してNFARLを堆積させる基板処理システムの場合のDCバイアス電圧を時間の関数として示したグラフである。
【0026】
【
図10A】
図8にしたがったプロセス後における基板の欠陥を示した図である。
【
図10B】
図9にしたがったプロセス後における基板の欠陥を示した図である。
【0027】
【
図11】DCバイアス信号を生成するための代替の回路構成を示した機能ブロック図である。
【0028】
【
図12】代替の同期化回路を示した機能ブロック図である。
【0029】
図中、参照符号は、類似の及び/又は同一の要素を識別するために再利用可能である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
RFプラズマ基板処理システムは、RFプラズマのタイミングに合わせて上部電極又は下部電極のいずれか1つにDCバイアス電圧を印加することができる。幾つかの例では、DCバイアス電圧は、RFプラズマが消滅する前に印加され、RFプラズマが消滅した後まで維持される。幾つかの例では、DCバイアス電圧は、RFプラズマが消滅した後に印加される。DCバイアス電圧は、処理チャンバの排気中に荷電粒子の軌道を変化させ、プラズマの消滅時にRFプラズマ中に浮遊している粒子によって引き起こされる基板上の欠陥の数を減少させる。DCバイアス電圧が上部電極又は下部電極に印加されている間は、処理システムにおける必要に応じて基板を移動させる又はインデックス送りすることができる。
【0031】
DCバイアス電圧は、基板がツール内で移動されている間粒子を基板から遠ざけておく静電場を形成する。PEALDプロセス及びPECVDプロセスでは、ヘリウム及びアルゴンなどの不活性な希ガスがポスト堆積パージガス(堆積後パージガス)として使用される。しかしながら、ポスト堆積パージガスとしてヘリウム及びアルゴンを使用するプロセスは、処理チャンバ内における代表的な処理条件(圧力、ガス流量、電圧など)下で発生する発光放電ゆえに、DCバイアス電圧に対して敏感である。したがって、粒子汚染を抑制するために使用されるDCバイアス電圧は、これらのポスト堆積パージガスによって不安定にされ、欠陥性能が増す。本開示にしたがった基板処理システムは、代替のポスト堆積パージガスを用いる。このようなポスト堆積パージガスは、DCによってプラズマ放電が助長されることなく安定したDCバイアス電圧を提供するとともに、PECVD/PEALD堆積を実施する基板処理システムにおける欠陥を減少させる。
【0032】
次に、
図1Aを参照すると、RFプラズマを使用して堆積又はエッチングを実施するための基板処理システム100の一例が示されている。例えば、基板処理システムは、PEALD及びPECVDを実施するために使用可能である。基板処理システム100は、基板処理システム100のその他の構成要素を取り囲みRFプラズマを収容する処理チャンバ102を含む。基板処理システム100は、上部電極104と、下部電極107を含む台座106とを含む。基板108は、上部電極104と下部電極107との間で台座106上に配置される。
【0033】
ほんの一例として、上部電極104は、処理ガスを導入及び分配するシャワーヘッド109を含むことができる。シャワーヘッド109は、その一端を処理チャンバの上面につながれた柄部分を含むことができる。基部は、全体として円柱状であり、柄部分の、処理チャンバの上面から距離をあけた方の反対側の端から半径方向外向きに広がっている。シャワーヘッドの基部の、基板に面している方の表面は、複数の穴を含む。或いは、上部電極104は、導電性の板を含んでいてよく、この場合、処理ガスは、別のやり方で導入可能である。下部電極107は、非導電性の台座内に配置することができる。或いは、台座106は、下部電極107として機能する導電性の板を含む静電チャックを含むことができる。
【0034】
RF発生システム110は、RF電圧を発生させて、上部電極104及び下部電極107のいずれか1つに出力する。上部電極104及び下部電極107のもう一方は、DC接地する、AC接地する、又は浮遊させることができる。ほんの一例として、RF発生システム110は、整合・分配回路網112によって上部電極104又は下部電極107に供給されるRF電圧を発生させるRF電圧発生器111を含むことができる。
【0035】
以下で更に説明されるように、バイアス発生回路113は、RF電圧及び後述されるその他のタイミングパラメータのオン/オフタイミングを受けて、DCバイアス電圧を発生させる。幾つかの例では、バイアス発生回路113は、更に、DC電圧信号を提供するDC電圧供給部114を含むことができる。バイアス発生回路113は、更に、RFオン/オフ信号を受けてDC電圧信号をオン/オフ切り替えする同期化回路115を含むことができる。同期化回路115は、RFオン/オフ信号のタイミングに基づいて、DCバイアス電圧のタイミングを決定する。幾つかの例では、同期化回路115は、RFオン/オフ信号の遷移に遅延を加えてDCバイアス電圧の開始点を決定する。DCバイアス電圧の持続期間も、同様に設定可能である。幾つかの例では、DCバイアス電圧は、RF電圧を受信してRFプラズマを発生させる電極に印加される。
【0036】
ガス供給システム130の一例が、
図1Aに示されている。ガス供給システム130は、Nを1以上の整数として、1つ以上のガス源132-1、132-2、......、及び132-N(ガス源132として総称される)を含む。ガス源は、1種以上の前駆体、及びそれらの混合を提供する。ガス源は、パージガスも供給することができる。気化された前駆体が使用されてもよい。ガス源132は、弁134-1、134-2、......、及び134-N(弁132として総称される)並びに質量流量コントローラ136-1、136-2、......、及び136-N(質量流量コントローラ136として総称される)を通じてマニホールド140につながれる。マニホールド140の出力は、処理チャンバ102に供給される。ほんの一例として、マニホールド140の出力は、シャワーヘッド109に供給される。
【0037】
台座106内に配置されたヒータコイル(不図示)には、ヒータ142をつなぐことができる。ヒータ142は、台座106及び基板108の温度を制御するために使用可能である。処理チャンバ102から反応物を排出するためには、弁150及びポンプ152が使用可能である。
【0038】
基板処理システム100の構成要素を制御するためには、コントローラ160が使用可能である。コントローラ160は、RFプラズマオン/オフ信号をRF発生システム110及び同期化回路116に送信する。コントローラ160は、RF信号オン/オフ信号の開始又は終了に相対的なオン時間や遅延など、DCバイアス電圧についてのタイミングパラメータを設定することもできる。
【0039】
ほんの一例として、DCバイアス電圧は、100~600ボルトの振幅及び正又は負の極性を有するDC電圧であってよい。DCバイアス電圧は、RFプラズマがオフにされたときにプラズマ中に浮遊している荷電粒子の軌道を変化させる静電場を確立する。粒子は、RFプラズマがオフにされた後も、依然、RFプラズマ中に浸漬しているゆえに帯電している。同時に、処理チャンバは、排気されてもよい。DCバイアスの作用を受けた荷電粒子の軌道は、ポンプの口へ向かう途中で基板を迂回して、基板を汚染から効果的に保護することができる。
【0040】
次に、
図1Bを参照すると、バイアス発生回路113の一例が示されている。バイアス発生回路113は、RFプラズマオン/オフ信号の遷移に基づいて1つ以上の遅延時間を記憶するための遅延回路164を含む。バイアス発生回路113は、1つ以上のDCバイアス電圧の1つ以上の持続期間を記憶するためのオン時間回路166を含む。遅延回路164の出力、オン時間回路166の出力、及びRFオン/オフ信号は、スイッチドライバ168に入力され、スイッチドライバ168は、DCバイアス電圧を提供するための必要に応じてスイッチ170をオン及びオフにするためのスイッチ駆動信号を生成する。幾つかの例では、同期化回路115の出力は、随意のローパスフィルタ(LPF)180によってRF電圧から分離される。
【0041】
ほんの一例として、スイッチドライバ168は、RFオン又はRFオフへの遷移によって動作許可されるトリガ回路を含む。ひとたびトリガされると、スイッチドライバ168は、遅延回路164によって設定された遅延期間にわたって待機する。遅延期間後、スイッチドライバ168は、オン時間回路166によって設定されたオン期間にわたってスイッチ170を閉じることによって、DCバイアス電圧をオンにする。オン期間後、スイッチドライバ168は、DCバイアス電圧をオフにするためにスイッチ170を開く。DCバイアス電圧は、その他の任意の適切なやり方でトリガ可能であることがわかる。
【0042】
次に、
図2~3を参照すると、様々なDCバイアス電圧のタイミングの例が示されている。
図2では、DCバイアス電圧のタイミングの一例が、RFプラズマ信号、基板インデックス送り信号又は基板移動信号、及びガス供給信号に相対的に示されている。通常は、RFプラズマがオンである間に、1種以上のガス又は気化前駆体が供給される。以下で更に説明されるように、(アルゴン又はヘリウムなどの不活性な原子ガスの代わりに)反応性の分子ガスを含むパージガスは、RFプラズマがオフであるときに及び/又はDCバイアスがオンであるときに供給することができる。
【0043】
幾つかの例では、RFプラズマ信号が終了される前にDCバイアス電圧200が開始され、RFプラズマ信号が終了されるまで続く。DCバイアス電圧200のタイミングは、RF電圧の開始からの遅延t0に基づくことができる。DCバイアス電圧200のタイミングは、期間t1にわたってRF電圧と重複し、持続期間t2を有し、RF電圧の終了後、期間(t2-t1)にわたって続く。
【0044】
幾つかの例では、DCバイアス電圧は、基板がインデックス送りされている間又はそれ以外の形で移動されている間に供給される。より具体的には、基板インデックス送り信号又は基板移動信号210は、RF電圧の終了後に(例えば、RF電圧の終了から期間t5後に、)DCバイアス電圧と重複する形で生成することができる。インデックス送り又は移動は、(DCバイアス電圧200などの)DCバイアス電圧の立ち下がりエッジの前及び後に完了させることができる。
【0045】
また、別のDCバイアス電圧215が、次のRFプラズマが打ち出される前(着火される前)に供給されて、RFプラズマが打ち出された後(着火後)ほどなく終了することができる。
図2におけるDCバイアス電圧215は、RF電圧にt
3だけ先行し、持続期間t
4を有する。
【0046】
図3では、DCバイアス電圧は、基板処理中のその他の時点で供給されてもよい。例えば、
図3におけるDCバイアス電圧216は、RFプラズマが打ち出される期間t6を除いて供給し続けることができる。例示を目的として、インデックス送り信号又は移動信号は、期間t
7だけ遅延され、
図2におけるインデックス送り信号又は移動信号と比べて長い継続期間t
8を有する。
【0047】
図1A~
図3の例では、DCバイアス電圧は、上部電極104に供給される。この例では、DCバイアス電圧は、正のDC電圧又は負のDC電圧であってよい。電圧の極性は、実験によって選択され、処理システムのアーキテクチャ(設計及び寸法)、並びに処理条件に依存することができる。DCバイアス電圧は、上部電極の代わりに下部電極107にも供給可能であることがわかる。DCバイアス電圧は、RF電圧と同じ電極に供給することができる、又は接地されていない異なる電極に供給することができる。
【0048】
次に、
図4Aを参照すると、基板処理システム100は、複数のリアクタを含むツール220に実装されてよく、各リアクタは、それぞれ複数の基板処理システムを伴う。基板が、正面開口式カセット一体型搬送保管箱(FOUP)などのポッド221を通じて装填されるカセットからツール220に入る。ロボット224は、基板を取り扱うための1本以上のエンドエフェクタを含む。ロボット224の圧力は、通常は、大気圧である。ロボット224は、基板をカセットからロードロック230に移動させる。例えば、基板は、ポート232を通ってロードロック230に入り、ロードロック台座233に載置される。大気環境へのポート232は、閉じられ、ロードロック230は、移送に適した圧力までポンプによって排気される。次いで、ポート234が開かれ、別のロボット236(やはり1本以上のエンドエフェクタを伴う)が、選択されたリアクタ240-1、240-2、......、及び240-3(リアクタ240として総称される)に対応する1つ以上のポート237-1、237-2、......、及び237-3(ポート237として総称される)を通して基板を載置する。
【0049】
基板を基板処理チャンバに相対的に更に位置決めするために、基板インデックス送りメカニズム242を使用することができる。幾つかの例では、インデックス送りメカニズム242は、心棒244と、移送板246とを含む。
【0050】
リアクタ240のステーションの少なくとも幾つかは、基板処理システム100に相当している。リアクタ240の基板処理システム100は、材料堆積又はエッチングなどの半導体処理操作を、その他のステーションと順に又は同時に実施することができる。少なくとも一部の(大抵は全部の)ステーションが、RFベースの半導体処理操作を実施する。基板は、基板インデックス送りメカニズム242を使用して、リアクタ240内の1つのステーションから次のステーションへ移動される。リアクタ240のステーションの1つ以上が、RFプラズマ処理又はエッチングを実施可能であってよい。使用にあたり、基板は、リアクタ240に移動され、処理され、次いで、ポッド221に戻される。各基板の取り扱い時間の短縮によって、生産性及びスループットが向上されることがわかる。
【0051】
次に、
図4Bを参照すると、ツールコントローラ250は、リアクタ240の各ステーションに関係付けられた1つ以上のコントローラ254と通信することができる。或いは、ツールコントローラ250及びコントローラ254は、合体されてもよい。ツールコントローラ250は、基板の移動と、各リアクタ240内における基板のインデックス送りとを協調させるために、ロボット224、236、及びインデックス送りメカニズムコントローラ262とも通信する。
【0052】
次に、
図5を参照すると、基板の移動は、複数のロボットと、インデックス送りメカニズムとによってではなく、専ら1つのロボットによっても実施されてもよい。基板は、
図4Aの場合と同様に、移送チャンバ274のポートの1つに移送される。移送チャンバ274は、その内部の圧力をポンプによって適切なレベルにする。次いで、移送チャンバ274の別のポートが開き、1本以上のエンドエフェクタ278を伴うロボット276が、複数の処理チャンバ280-1、280-2、......、及び280-P(処理チャンバ280と総称される)のうちの選択された1つに基板を移送する。ここで、Pは、2以上の整数である。ロボット276は、行路279に沿って移動することができる。ロボット276は、処理チャンバ280のうちの選択された1つに対応する、複数の台座282-1、282-2、......及び282-Pのうちの1つに基板を移送して載置する。
【0053】
次に、
図6Aを参照すると、方法の一例320が示されている。330において、制御は、プロセスが開始したかどうかを決定する。もし、開始したと決定されたならば、制御は、332に進み、1つ以上の処理チャンバに関係付けられた1つ以上の台座の上に、1枚以上の基板を配置する。336において、制御は、所定の期間にわたり、処理チャンバの1つ以上の中でRFプラズマを打ち出し、前駆体を流す。338において、制御は、RFプラズマを消滅させ、前駆体の流れを停止させる。342において、制御は、不活性な原子ガスではなく反応性の分子ガスを含むパージガスを流す。346において、制御は、RFプラズマが消滅した後の所定のバイアス期間にわたり、DCバイアス電圧を供給する。幾つかの例では、所定のバイアス期間は、次のRFプラズマが打ち出される前に終了する。
【0054】
350において、制御は、インデックス送り又はその他の基板移動が発生する前に更なるRFプラズマサイクルがあるかどうかを決定する。もし、あると決定されたならば、制御は、336に戻る。そうでなければ、制御は、インデックス送り又はその他の移動が必要であるかどうかを決定する。もし、354において、必要であると決定されたならば、制御は、358に進み、バイアス期間中に基板をインデックス送りし又はそれ以外のやり方で移動させ、359においてDCバイアスをオフにし、336に戻る。もし、必要でないと決定されたならば、制御は、360に進み、基板を取り出す。
【0055】
次に、
図6Bを参照すると、方法の一例420が示されている。430において、制御は、プロセスが開始したかどうかを決定する。もし、開始したと決定されたならば、制御は、432に進み、1つ以上の処理チャンバに関係付けられた1つ以上の台座の上に、1枚以上の基板を配置する。436において、制御は、第1の所定の期間にわたり、処理チャンバの1つ以上の中でRFプラズマを打ち出し、前駆体を流す。437において、制御は、第1の所定の期間が終わ(ってRFプラズマが消滅す)る前に始まる所定のバイアス期間にわたり、DCバイアス電圧を供給する。幾つかの例では、所定のバイアス期間は、次のRFプラズマが打ち出される前に終了する。438において、制御は、RFプラズマを消滅させ、前駆体の流れを停止させる。442において、制御は、不活性な原子ガスではなく反応性の分子ガスを含むパージガスを流す。450において、制御は、インデックス送り又はその他の基板の移動が発生する前に更なるRFプラズマサイクルがあるかどうかを決定する。もし、あると決定されたならば、制御は、436に戻る。そうでないならば、制御は、インデックス送り又はその他の移動が必要であるかどうかを決定する。もし、454において、必要であると決定されたならば、制御は、458に進み、基板をインデックス送りし又はそれ以外のやり方で移動させ、459においてDCバイアスをオフにし、436に戻る。もし、必要でないならば、制御は、460に進み、基板を取り出す。
【0056】
次に、
図7を参照すると、基板上の欠陥の数は、DCバイアスを供給することによって及び不活性な原子ガスの代わりに反応性の分子ガスを含むパージガスを使用することによって低減される。或るプロセスにおける欠陥の数が、基板移動中にDCバイアス電圧が供給されない場合は500に、基板移動中にDCバイアス電圧が供給される場合は520に示されている。基板移動中に供給されるDCバイアス電圧は、移動が起きる前に残留ガスをポンプで排出させるために及び気相粒子を沈降させるために一般的に必要とされる非生産的な待機時間を排除する。
【0057】
本開示は、更に、膜/膜堆積プロセスに適合するパージガスとともにDCバイアス電圧の注入を使用することによって、基板の欠陥を更に低減させる。PECVD/PEALDシステムにおけるチャンバパージガスとして、通常は、ヘリウム(He)及びアルゴン(Ar)などの不活性な希ガスが使用される。窒素フリーの反射防止層(NFARL)、非晶質シリコン(a-Si)、及びアッシング可能なハードマスク(AHM)膜などの、N2フリーの膜の場合、DCバイアス電圧は、パージガスとしてHe及びArなどの不活性ガスが使用されると不安定になる傾向がある。パージガスとしてHe及びArが使用されるときは、DCによってプラズマ放電が助長され、これは、欠陥の増加を招く。
【0058】
次に、
図8を参照すると、HFARL膜堆積プロセスのためのポスト堆積パージガスとしてHeが使用される場合のDCバイアス電圧挙動の一例が示されている。DC注入(この例では-350V)が供給されるとすぐに、DCバイアス電圧は、最大負電圧値に達し、徐々に振幅を減少させる。特定の理論に制限されることなく、振幅の減少は、電極システムの抵抗性要素とプラズマの抵抗との間に形成される電圧分割の結果だと考えられる。DCの損失は、電極間にDC励起プラズマグローが出現することによっても助長される。アルゴンがヘリウムで置き換えられた場合も、同様な結果が生じる。
【0059】
特定の理論に制限されることなく、DCバイアス電圧及び希ガス(He、Arなど)によるプラズマ放電のメカニズムとして考えられるのは、これらの不活性な原子ガスの破壊電圧が低いことであり、これは、代表的なプロセス条件下におけるプラズマグローにとって好都合である。プラズマグローは、通常は、DC励起によって生成される長寿命で高エネルギの不活性希ガス種によって増進される。上部電極と下部電極との間にある制御されないDCプラズマの存在は、欠陥の増加を招く。更には、シャワーヘッドの穴パターンが、基板上に欠陥として現れるだろう。
【0060】
DCバイアス中に存在する制御されないDCプラズマを低減するために、不活性な原子パージ希ガスが、反応性の分子ガスによって置き換えられる。ほんの一例として、NFARLプロセスには、堆積ガスとしてヘリウム及びCO2の両方を使用するものがある。幾つかの例では、DCバイアス電圧の安定性を高めるとともに欠陥を減少させるために、ポスト堆積パージガスとしてHeの代わりに二酸化炭素(CO2)を使用することができる。
【0061】
次に、
図9、
図10A、及び
図10Bを参照すると、粒子数を減少させるためにDCバイアス電圧が印加される間に使用されるポスト堆積パージガスとして反応性の分子ガスなどを選択することを通じて、欠陥数の改善が得られる。例えば、
図8で使用されるNFARLプロセスにおいて、Heの代わりにCO
2を使用するときは、
図9に示されるように、DCバイアス電圧は安定する。
図10Aには、ポスト堆積パージガスとしてHeを使用する場合のNFARL膜が示されている。
図10Bでは、CO
2が使用される
図10Aの場合と比べて欠陥数が大幅に減少したNFARL膜が示されている。
【0062】
パージ後圧力(0.2~6トール)、並びにHe及びArによるガス流量(1~10slm)について、テスト/シミュレーションが繰り返された。これらの条件下では、DCバイアス電圧不安定性及び発光プラズマ放電も観察された。しかしながら、ポスト堆積パージガスとしてCO2を使用するときは、PECVDリアクタにおいて、DCバイアス電圧は安定し、DCバイアス電圧によるプラズマ励起は観察されなかった。
【0063】
次に、
図11~12を参照すると、DCバイアス発生システムの一例が示されている。
図11では、DCバイアス信号を生成するための代替の回路構成600が示されている。ツールコントローラ610は、DCバイアス電圧を供給するために、DC供給部618に制御信号を送信する。ツールコントローラ610は、また、入力/出力コントローラ614にも制御信号を送信し、この入力/出力コントローラ614は、同期化回路622、RF発生器632、及びRF整合回路636を制御する。同期化回路622の出力(DCバイアス信号)は、RFフィルタ628によるフィルタリングを経て、RF整合回路636の出力及びRF分配回路640への入力と結合される。RF分配回路640は、(例えば、台座に埋め込まれたシャワーヘッド又は電極などの)電極642、644に出力を提供する。
図12では、同期化回路622は、DCバイアス信号の極性を制御する極性コントローラ650と、入力/出力コントローラ614からの制御信号に基づいて必要に応じてDCバイアスをオン及びオフにするオン/オフコントローラ655とを含むことができる。
【0064】
以上の説明は、NFARL膜及び様々なポスト堆積パージガスに関するものであるが、その他の膜タイプもまた、ポスト堆積パージガスとして反応性の分子ガスを選択することによる恩恵を受ける。非晶質シリコン(a-Si)の場合は、堆積キャリアガスとして、通常はHe及びH2が使用され、ポスト堆積パージガスとしては、分子状の水素(H2)を使用することができる。アッシング可能なハードマスク(AHM)の場合は、堆積キャリアガスとしてHe及びH2が使用され、ポスト堆積ガスとしてH2が使用される。シリコン窒化物(SiN)の場合は、堆積キャリアガスとして分子状の窒素(N2)が使用され、ポスト堆積ガスとしてN2が使用される。SiO2の場合は、堆積キャリアガスとしてN2O及びN2が使用され、ポスト堆積ガスとしてN2が使用される。シリコンオキシカーバイド(SiOC)の場合は、堆積キャリアガスとしてCO2及びHeが使用され、ポスト堆積ガスとしてCO2が使用される。
【0065】
以上の説明は、例示的な性質のものに過ぎず、開示、その適用、又は使用を制限することを決して意図しない。開示された広範囲の教示内容は、多様な形態で具現化することができる。したがって、本開示は、特定の例を含むものの、その真の範囲は、図面、明細書、及び添付の特許請求の範囲を吟味することによってその他の変更が明らかになるゆえに、そのような例に限定されるべきではない。本明細書で使用される、A、B、及びCの少なくとも1つという文句は、非排他的な論理ORを使用する論理(A又はB又はC)を意味すると見なされるべきであり、「Aの少なくとも1つ、Bの少なくとも1つ、及びCの少なくとも1つ」を意味するものと見なされるべきでない。方法における1つ以上の工程は、本開示の原理を変更することなく異なる順序で(又は同時に)実行されてよいことが理解されるべきである。
【0066】
幾つかの実装形態では、コントローラは、システムの一部であり、該システムは、上述された例の一部であってよい。このようなシステムは、処理のための、1つ若しくは複数の処理ツール、1つ若しくは複数のチャンバ、1つ若しくは複数のプラットフォーム、及び/又は特定の処理コンポーネント(ウエハ台座やガスフローシステムなど)などの、半導体処理機器を含むことができる。これらのシステムは、半導体ウエハ又は基板の処理の前、最中、及び後の操作を制御するための電子機器と一体化させることができる。電子機器は、「コントローラ」と呼ばれてよく、該コントローラは、1つ又は複数のシステムの様々なコンポーネント又は副部品を制御することができる。コントローラは、処理要件及び/又はシステムのタイプに応じ、処理ガスの供給、温度の設定(加熱及び/若しくは冷却)、圧力の設定、真空の設定、電力の設定、高周波数(RF)発生器の設定、RF整合回路の設定、周波数の設定、流量の設定、流体供給の設定、位置及び操作の設定、特定のシステムにつながれた若しくはインターフェース接続されたツール及びその他の移送ツール及び/若しくはロードロックにウエハを出入りさせる移送などの、本明細書で開示されるプロセスの任意を制御するようにプログラムすることができる。
【0067】
概して、コントローラは、命令を受信する、命令を発行する、操作を制御する、洗浄操作を可能にする、終点測定を可能にするなどの、様々な集積回路、ロジック、メモリ、及び/又はソフトウェアを有する電子機器として定義することができる。集積回路は、プログラム命令を記憶させるファームウェア、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特殊用途向け集積回路(ASIC)として定義されたチップ、及び/又はプログラム命令(例えばソフトウェア)を実行する1つ以上のマイクロプロセッサ若しくはマイクロコントローラを含むことができる。プログラム命令は、様々な個別設定(又はプログラムファイル)の形態でコントローラに伝達される、半導体ウエハに対する又はシステムのための特定のプロセスを実行に移すための操作パラメータを定義する命令であってよい。操作パラメータは、幾つかの実施形態では、1枚以上の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、及び/又はウエハのダイの製造における1つ以上の処理工程を実現するためにプロセスエンジニアによって定められるレシピの一部であってよい。
【0068】
コントローラは、幾つかの実装形態では、システムと一体化された、システムに結合された、それ以外の形でシステムにネットワーク接続された、又はそれらの組み合わせである、コンピュータの一部であってよい、又はそのようなコンピュータに結合されてよい。例えば、コントローラは、ウエハ処理のリモートアクセスを可能にすることができる、「クラウド」、すなわちファブホストコンピュータシステムの全部又は一部の中にあってよい。コンピュータは、システムへのリモートアクセスを可能にすることによって、製造操作の現進行状況を監視する、過去の製造操作の履歴を調査する、複数の製造操作から傾向若しくは性能の基準を調査する、現処理のパラメータを変更する、現処理を追跡するために処理工程を設定する、又は新しいプロセスを開始させることができる。幾つかの例では、リモートコンピュータ(例えばサーバ)は、ローカルネットワーク又はインターネットなどのネットワークを通じてシステムにプロセスレシピを提供することができる。リモートコンピュータは、パラメータ及び/又は設定の入力又はプログラミングを可能にするユーザインターフェースを含んでいてよく、これらのパラメータ及び/又は設定は、次いで、リモートコンピュータからシステムに伝達される。幾つかの例では、コントローラは、1つ以上の操作中に実施される各処理工程のためのパラメータを指定するデータの形式で命令を受信する。なお、パラメータは、実施されるプロセスのタイプに、及びコントローラがインターフェース接続されるように又は制御するように構成されたツールのタイプに特有であってよいことが理解される。したがって、上述のように、コントローラは、ネットワークによって結ばれて本明細書で説明されるプロセス及び制御などの共通の目的に向かって作業する1つ以上の個別のコントローラを含むなどによって、分散させることができる。このような目的のための分散コントローラの一例として、(プラットフォームレベルに又はリモートコンピュータの一部として)遠隔設置されてチャンバにおけるプロセスを制御するために組み合わさる1つ以上の集積回路と通信するチャンバ上の1つ以上の集積回路が考えられる。
【0069】
代表的なシステムとして、プラズマエッチングチャンバ若しくはプラズマエッチングモジュール、堆積チャンバ若しくは堆積モジュール、スピン・リンスチャンバ若しくはスピン・リンスモジュール、金属めっきチャンバ若しくは金属めっきモジュール、洗浄チャンバ若しくは洗浄モジュール、ベベルエッジエッチングチャンバ若しくはベベルエッジエッチングモジュール、物理気相蒸着(PVD)チャンバ若しくはPVDモジュール、化学気相成長(CVD)チャンバ若しくはCVDモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバ若しくはALDモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバ若しくはALEモジュール、イオン注入チャンバ若しくはイオン注入モジュール、追跡チャンバ若しくは追跡モジュール、又は半導体ウエハの製造及び/若しくは生産に関係付けられる若しくは使用されるその他の任意の半導体処理システムが挙げられるが、これらに限定はされない。
【0070】
上記のように、ツールによって実施される1つ又は複数の処理工程に応じ、コントローラは、その他のツール回路若しくはツールモジュール、その他のツールコンポーネント、クラスタツール、その他のツールインターフェース、隣接するツール、近隣のツール、工場の至る所にあるツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、又は半導体生産工場のなかのツールの場所及び/若しくは装填ポートにウエハ入りの容器を出し入れする材料輸送に使用されるツールのうちの、1つ以上と通信することができる。
本発明は、以下の適用例としても実現可能である。
[適用例1]
基板処理システムであって、
処理チャンバと、
前記処理チャンバ内に配置された上部電極と、
前記処理チャンバ内に配置された台座であって、処理中に基板を支えるように構成され、下部電極を含む台座と、
前記上部電極及び前記下部電極のいずれか1つにRF電圧を供給することによって前記処理チャンバ内の前記上部電極と前記下部電極との間にRFプラズマを発生させるように構成されたRF発生システムと、
前記上部電極及び前記下部電極のいずれか1つにDCバイアス電圧を選択的に供給するように構成されたバイアス発生回路であって、前記DCバイアス電圧の印加は、前記RFプラズマが消滅する前の第1の所定の期間及び前記RFプラズマが消滅した後の第2の所定の期間のいずれかで開始される、バイアス発生回路と、
前記DCバイアス電圧が発生している間に前記基板を前記台座に相対的に移動させるように構成された基板移動システムと、
を備える基板処理システム。
[適用例2]
適用例1に記載の基板処理システムであって、
前記バイアス発生回路は、
DC電圧供給部と、
前記DC電圧供給部と通信しており前記DCバイアス電圧を発生させるように構成された同期化回路と、
を含む、基板処理システム。
[適用例3]
適用例2に記載の基板処理システムであって、
前記バイアス発生回路は、更に、前記同期化回路の出力にフィルタリングをかけるように構成され前記上部電極及び前記下部電極のいずれか1つと通信する出力を有するローパスフィルタを含む、基板処理システム。
[適用例4]
適用例1に記載の基板処理システムであって、
前記基板移動システムは、前記基板を前記台座に相対的に移動させるように構成されたロボットを含む、基板処理システム。
[適用例5]
基板処理ツールであって、
Nを1以上の整数として、それぞれ適用例1に記載の基板処理システムを複数ずつ含むN個のリアクタを備え、
前記基板移動システムは、前記DCバイアス電圧が発生している間に前記N個のリアクタの少なくとも1つの前記複数の基板処理システムの間で基板をインデックス送りするように構成されたインデックス送りメカニズムを含む、基板処理ツール。
[適用例6]
適用例1に記載の基板処理システムであって、
前記DCバイアス電圧及び前記RF電圧は、ともに、前記上部電極及び前記下部電極のいずれか1つに接続される、基板処理システム。
[適用例7]
適用例1に記載の基板処理システムであって、
前記バイアス発生回路は、前記RFプラズマが消滅する前に前記DCバイアス電圧を発生させ、次のRFプラズマが打ち出される前に前記DCバイアス電圧を終了させる、基板処理システム。
[適用例8]
適用例1に記載の基板処理システムであって、
前記バイアス発生回路は、前記RFプラズマが消滅した後に前記DCバイアス電圧を発生させ、次のRFプラズマが打ち出される前に前記DCバイアス電圧を終了させる、基板処理システム。
[適用例9]
適用例1に記載の基板処理システムであって、
前記バイアス発生回路は、前記RFプラズマが打ち出される期間を除いて前記DCバイアス電圧を発生させ続ける、基板処理システム。
[適用例10]
適用例1に記載の基板処理システムであって、
前記RF発生システムは、
前記RF電圧を発生させるためのRF発生器と、
前記RF発生器、並びに前記上部電極及び前記下部電極のいずれか1つと通信する整合・分配ネットワークと、
を含む、基板処理システム。
[適用例11]
基板処理システムであって、
処理チャンバと、
前記処理チャンバ内に配置された上部電極と、
前記処理チャンバ内に配置された台座であって、基板を支えるように構成され、下部電極を含む台座と、
前記上部電極にRF電圧を供給することによって前記処理チャンバ内の前記上部電極と前記下部電極との間にRFプラズマを発生させるように構成されたRF発生システムと、
前記RF電圧の終了前の第1の所定の期間及び前記RF電圧後の第2の所定の期間のいずれかで前記上部電極へのDCバイアス電圧の供給を選択的に開始させるように構成されたバイアス発生回路と、
を備える基板処理システム。
[適用例12]
適用例11に記載の基板処理システムであって、
前記バイアス発生回路は、
DC電圧供給部と、
前記DC電圧供給部と通信しており前記DCバイアス電圧を発生させるように構成された同期化回路と、
を含む、基板処理システム。
[適用例13]
適用例12に記載の基板処理システムであって、
前記バイアス発生回路は、更に、前記同期化回路の出力にフィルタリングをかけるように構成され前記上部電極と通信する出力を有するローパスフィルタを含む、基板処理システム。
[適用例14]
適用例11に記載の基板処理システムであって、更に、
前記DCバイアス電圧が発生している間に前記基板を前記台座に相対的に移動させるように構成された基板移動システムを備える基板処理システム。
[適用例15]
適用例11に記載の基板処理システムであって、更に、
前記基板を前記台座に相対的に移動させるように構成されたロボットであって、前記DCバイアス電圧が発生している間に前記基板を移動させるロボットを備える基板処理システム。
[適用例16]
基板処理ツールであって、
Nを1以上の整数として、それぞれ適用例11に記載の基板処理システムを複数ずつ含むN個のリアクタと、
前記DCバイアス電圧が発生している間に前記N個のリアクタの少なくとも1つの前記複数の基板処理システムの間で基板をインデックス送りするように構成されたインデックス送りメカニズムと、
備える基板処理ツール。
[適用例17]
適用例11に記載の基板処理システムであって、
前記バイアス発生回路は、前記RFプラズマが消滅する前に前記DCバイアス電圧を発生させ、前記RFプラズマが消滅した後に前記DCバイアス電圧を終了させる、基板処理システム。
[適用例18]
適用例11に記載の基板処理システムであって、
前記バイアス発生回路は、前記RFプラズマが消滅した後に前記DCバイアス電圧を発生させ、次のRFプラズマが打ち出される前に前記DCバイアス電圧を終了させる、基板処理システム。
[適用例19]
適用例11に記載の基板処理システムであって、
前記バイアス発生回路は、前記RFプラズマが打ち出される期間を除いて前記DCバイアス電圧を発生させ続ける、基板処理システム。
[適用例20]
適用例11に記載の基板処理システムであって、
前記RF発生システムは、
前記RF電圧を発生させるためのRF発生器と、
前記RF発生器及び前記上部電極と通信する整合・分配ネットワークと、
を含む、基板処理システム。
[適用例21]
基板処理システムであって、
処理チャンバ内に配置された上部電極及び下部電極と、
前記処理チャンバ内に配置され、処理中に基板を支えるように構成された台座であって、以下を含む台座と、
前駆体、1種以上の堆積キャリアガス、及びポスト堆積パージガスの少なくともいずれか1つを選択的に供給するように構成されたガス供給システムと、
前記ガス供給システムによって前記前駆体及び前記1種以上の堆積キャリアガスが供給されている間に前記上部電極及び前記下部電極のいずれか1つにRF電圧を供給することによって前記処理チャンバ内の前記上部電極と前記下部電極との間にRFプラズマを発生させて前記基板上に膜を堆積させるように構成されたRF発生システムと、
前記ガス供給システムによって前記ポスト堆積パージガスが供給されている間に前記上部電極及び前記下部電極のいずれか1つにDCバイアス電圧を選択的に供給するように構成されたバイアス発生回路と、
を備え、
前記ガス供給システムによって供給される前記ポスト堆積パージガスは、反応性の分子ガスを含む、基板処理システム。
[適用例22]
適用例21に記載の基板処理システムであって、
前記ポスト堆積パージガスは、不活性ガスを含まない、基板処理システム。
[適用例23]
適用例21に記載の基板処理システムであって、
前記ポスト堆積パージガスは、前記堆積キャリアガスの1つから選択される、基板処理システム。
[適用例24]
適用例21に記載の基板処理システムであって、
前記ポスト堆積パージガスは、0.2トールから6トールのプロセス圧力にわたってヘリウム及びアルゴンよりも高い破壊電圧を有する、基板処理システム。
[適用例25]
適用例21に記載の基板処理システムであって、
前記DCバイアス電圧の印加は、前記RFプラズマが消滅する前の第1の所定の期間及び前記RFプラズマが消滅した後の第2の所定の期間のいずれかで開始される、基板処理システム。
[適用例26]
適用例21に記載の基板処理システムであって、更に、
前記DCバイアス電圧が発生している間に前記基板を前記台座に相対的に移動させるように構成された基板移動システムを備える基板処理システム。
[適用例27]
適用例6に記載の基板処理システムであって、
前記基板移動システムは、前記基板を前記台座に相対的に移動させるように構成されたロボットを含む、基板処理システム。
[適用例28]
基板処理ツールであって、
Nを1以上の整数として、それぞれ適用例6に記載の基板処理システムを複数ずつ含むN個のリアクタを備え、
前記基板移動システムは、前記DCバイアス電圧が発生している間に前記N個のリアクタの少なくとも1つの前記複数の基板処理システムの間で基板をインデックス送りするように構成されたインデックス送りメカニズムを含む、基板処理ツール。
[適用例29]
適用例21に記載の基板処理システムであって、
前記バイアス発生回路は、前記RFプラズマが消滅する前に前記DCバイアス電圧を発生させ、次のRFプラズマが打ち出される前に前記DCバイアス電圧を終了させる、基板処理システム。
[適用例30]
適用例21に記載の基板処理システムであって、
前記バイアス発生回路は、前記RFプラズマが打ち出される期間を除いて前記DCバイアス電圧を発生させ続ける、基板処理システム。
[適用例31]
適用例21に記載の基板処理システムであって、
前記RF発生システムは、
前記RF電圧を発生させるためのRF発生器と、
前記RF発生器、並びに前記上部電極及び前記下部電極のいずれか1つと通信する整合・分配ネットワークと、
を含む、基板処理システム。
[適用例32]
適用例21に記載の基板処理システムであって、
前記膜は、窒素フリーの反射防止膜を含み、前記堆積キャリアガスは、二酸化炭素及びヘリウムを含み、前記ポスト堆積ガスは、二酸化炭素を含む、基板処理システム。
[適用例33]
適用例21に記載の基板処理システムであって、
前記膜は、非晶質シリコンを含み、前記1種以上の堆積キャリアガスは、分子状の水素及びヘリウムを含み、前記ポスト堆積パージガスは、分子状の水素を含む、基板処理システム。
[適用例34]
適用例21に記載の基板処理システムであって、
前記膜は、アッシング可能なハードマスクを含み、前記1種以上の堆積キャリアガスは、分子状の水素及びヘリウムを含み、前記ポスト堆積パージガスは、分子状の水素を含む、基板処理システム。
[適用例35]
適用例21に記載の基板処理システムであって、
前記膜は、シリコン窒化物を含み、前記1種以上の堆積キャリアガスは、分子状の窒素及びアンモニアを含み、前記ポスト堆積パージガスは、分子状の窒素を含む、基板処理システム。
[適用例36]
適用例21に記載の基板処理システムであって、
前記膜は、二酸化シリコンを含み、前記1種以上の堆積キャリアガスは、分子状の窒素及び亜酸化窒素を含み、前記ポスト堆積パージガスは、分子状の窒素を含む、基板処理システム。
[適用例37]
適用例21に記載の基板処理システムであって、
前記膜は、シリコンオキシカーバイドを含み、前記1種以上の堆積キャリアガスは、二酸化炭素及びヘリウムを含み、前記ポスト堆積パージガスは、二酸化炭素を含む、基板処理システム。
[適用例38]
基板処理システムにおいて基板を処理するための方法であって、
前駆体、1種以上の堆積キャリアガス、及びポスト堆積パージガスの少なくともいずれか1つを選択的に処理チャンバに供給することと、
RF電圧を上部電極及び下部電極のいずれか1つに供給している間に且つ前記前駆体及び前記1種以上の堆積キャリアガスが供給されている間に、前記処理チャンバ内の前記上部電極と前記下部電極との間にRFプラズマを発生させることによって、前記基板上に膜を堆積させることと、
前記上部電極及び前記下部電極のいずれか1つにDCバイアス電圧を選択的に供給するように構成されたバイアス発生回路と、
備え、
前記ポスト堆積パージガスは、前記DCバイアス電圧の少なくとも一区間で供給され、
前記ポスト堆積パージガスは、反応性の分子ガスを含む、方法。
[適用例39]
適用例38に記載の方法であって、
前記ポスト堆積パージガスは、不活性ガスを含まない、方法。
[適用例40]
適用例38に記載の方法であって、
前記ポスト堆積パージガスは、前記1種以上の堆積キャリアガスの1つから選択される、方法。
[適用例41]
適用例38に記載の方法であって、
前記ポスト堆積パージガスは、0.2トールから6トールのプロセス圧力にわたってヘリウム及びアルゴンよりも高い破壊電圧を有する、方法。
[適用例42]
適用例38に記載の方法であって、
前記DCバイアス電圧の印加は、前記RFプラズマが消滅する前の第1の所定の期間及び前記RFプラズマが消滅した後の第2の所定の期間のいずれか1つで開始される、方法。
[適用例43]
適用例38に記載の方法であって、更に、
前記DCバイアス電圧が発生している間に前記基板を前記台座に相対的に移動させることを備える方法。
[適用例44]
適用例38に記載の方法であって、更に、
前記DCプラズマが発生している間に基板をインデックス送りすることを備える方法。
[適用例45]
適用例38に記載の方法であって、更に、
前記RFプラズマが消滅する前に前記DCバイアス電圧を発生させ、次のRFプラズマが打ち出される前に前記DCバイアス電圧を終了させることを備える方法。
[適用例46]
適用例38に記載の方法であって、更に、
前記RFプラズマが打ち出される期間を除いて前記DCバイアス電圧を発生させ続けることを備える方法。
[適用例47]
適用例38に記載の方法であって、
前記膜は、窒素フリーの反射防止膜を含み、前記1種以上の堆積キャリアガスは、二酸化炭素及びヘリウムを含み、前記ポスト堆積ガスは、二酸化炭素を含む、方法。
[適用例48]
適用例38に記載の方法であって、
前記膜は、非晶質シリコンを含み、前記1種以上の堆積キャリアガスは、分子状の水素及びヘリウムを含み、前記ポスト堆積パージガスは、分子状の水素を含む、方法。
[適用例49]
適用例38に記載の方法であって、
前記膜は、アッシング可能なハードマスクを含み、前記1種以上の堆積キャリアガスは、分子状の水素及びヘリウムを含み、前記ポスト堆積パージガスは、分子状の水素を含む、方法。
[適用例50]
適用例38に記載の方法であって、
前記膜は、シリコン窒化物を含み、前記1種以上の堆積キャリアガスは、分子状の窒素及びアンモニアを含み、前記ポスト堆積パージガスは、分子状の窒素を含む、方法。
[適用例51]
適用例38に記載の方法であって、
前記膜は、二酸化シリコンを含み、前記1種以上の堆積キャリアガスは、分子状の窒素及び亜酸化窒素を含み、前記ポスト堆積パージガスは、分子状の窒素を含む、方法。
[適用例52]
適用例38に記載の方法であって、
前記膜は、シリコンオキシカーバイドを含み、前記1種以上の堆積キャリアガスは、二酸化炭素及びヘリウムを含み、前記ポスト堆積パージガスは、二酸化炭素を含む、方法。