(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-30
(45)【発行日】2023-04-07
(54)【発明の名称】ガス放電光源におけるフッ素検出
(51)【国際特許分類】
G01N 31/00 20060101AFI20230331BHJP
H01S 3/225 20060101ALI20230331BHJP
H01S 3/041 20060101ALN20230331BHJP
【FI】
G01N31/00 Q
G01N31/00 K
H01S3/225
H01S3/041
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021195561
(22)【出願日】2021-12-01
(62)【分割の表示】P 2020512802の分割
【原出願日】2018-09-10
【審査請求日】2021-12-22
(32)【優先日】2017-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513192029
【氏名又は名称】サイマー リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ソーンズ,ジョシュア,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】アラワット,ラーフル
(72)【発明者】
【氏名】ルオ,エドワード,スーチー
(72)【発明者】
【氏名】パドマバンドゥ,ガマラララゲ,ジー.
【審査官】大瀧 真理
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-165924(JP,A)
【文献】米国特許第05017499(US,A)
【文献】特開平02-228086(JP,A)
【文献】特表2002-502131(JP,A)
【文献】米国特許第05149659(US,A)
【文献】特開平01-308961(JP,A)
【文献】特開平11-274610(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 31/00
H01S 3/225
H01S 3/041
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エキシマレーザ光源のガス放電チャンバに流体接続された検出装置と、
前記検出装置に接続された制御システムと、
を備える装置であって、前記検出装置は、
酸化アルミニウムを収容すると共に前記ガス放電チャンバに流体接続された反応キャビティを画定し、前記ガス放電チャンバからフッ素を含む混合ガスを前記反応キャビティ内に受容するための容器であって、前記受容した混合ガスの前記フッ素と前記酸化アルミニウムとの反応によって酸素を含む新たなガス混合物を形成することを可能とする容器と、
前記新たなガス混合物に流体接続されるように、及び、前記新たなガス混合物に流体接続された場合に前記新たなガス混合物中の酸素の量を検知するように構成された酸素センサと、
を含み、前記制御システムは、前記酸素センサの出力に基づいて、前記ガス放電チャンバから受容された前記混合ガス中のフッ素の濃度を推定するように構成されている、装置。
【請求項2】
前記ガス放電チャンバに流体接続されたガス供給システムを更に含み、
前記制御システムは、前記混合ガス中のフッ素の前記推定された濃度に基づいて、前記ガス供給システムから前記ガス放電チャンバにおいて受容されたガス混合物中のフッ素の濃度を調整するべきか否かを判定するように更に構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記制御システムは、前記ガス放電チャンバに送達される前記ガス混合物中のフッ素の相対濃度を調整するため信号を前記ガス供給システムに送信するように更に構成されている、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記酸素センサは、前記反応後に所定の時間が経過した後にのみ、前記新たなガス混合物中の前記酸素の量を検知するよう構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記ガス放電チャンバに流体接続されたガス供給システムを更に含み、
前記制御システムは、前記混合ガス中のフッ素の前記推定された濃度に基づいて、前記ガス供給システムから前記ガス放電チャンバにおいて受容されたガス混合物中のフッ素の濃度を調整するべきか否かを判定するように更に構成されている、請求項
4に記載の装置。
【請求項6】
前記検出装置は、前記容器の前記反応キャビティに流体接続された測定容器を更に含み、前記測定容器は、前記新たなガス混合物を受容するよう構成されている測定キャビティを画定し、前記酸素センサは、前記測定キャビティ内に配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
エキシマレーザ光源のガス放電チャンバに流体接続された検出装置と、
前記検出装置と連通しているガス維持システムと、
を備える装置であって、前記検出装置は、
第1のガス更新後、前記ガス放電チャンバから混合ガスの少なくとも一部を取り出すことであって、前記混合ガスはフッ素を含む、ことと、
前記取り出した混合ガスの一部の前記フッ素を
酸化アルミニウムと反応させて、酸素を含む新たなガス混合物を形成することと、
前記新たなガス混合物中の酸素の濃度を検知することと、
前記検知した酸素の濃度に基づいて前記取り出した混合ガスの一部中のフッ素の濃度を推定することと、
を行うように構成され、前記ガス維持システムは、
前記検出装置が前記ガス放電チャンバから前記混合ガスの前記一部を取り出す前に、前記第1のガス更新を実行することであって、前記第1のガス更新は、ガス供給部セットから前記ガス放電チャンバに第1のガス混合物を加えることを含む、ことと、
前記取り出した混合ガスの一部中のフッ素の前記推定した濃度を前記検出装置から受信することと、
前記取り出した混合ガスの一部中のフッ素の前記推定した濃度に基づいて前記ガス供給部セットからの第2のガス混合物中のフッ素の相対濃度を調整することと、
前記調整した第2のガス混合物を前記ガス供給部から前記ガス放電チャンバに加えることによって第2のガス更新を実行することと、
を行うように構成されている、装置。
【請求項8】
前記反応物は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、水素、及び炭素を含まない、請求項
7に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
[0001] 本出願は、2017年9月25日に出願された米国仮特許出願番号第62/562,693号の優先権を主張する。これは援用により全体が本願に含まれる。
【0002】
[0002] 開示される主題は、混合ガス中のフッ素の検出に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] フォトリソグラフィにおいて用いられるガス放電光源の1つのタイプは、エキシマ光源又はレーザとして知られている。エキシマ光源は典型的に、アルゴン、クリプトン、又はキセノンのような1つ以上の希ガスと、フッ素又は塩素のような反応物質(reactive)と、の組み合わせを使用する。エキシマ光源という名前は、電気的刺激(供給されるエネルギ)及び(ガス混合物の)高い圧力の適切な条件下で、励起状態においてのみ存在し紫外線範囲の増幅光を発生させるエキシマと呼ばれる擬似分子が生成されるという事実に由来する。
【0004】
[0004] エキシマ光源は深紫外線(DUV)範囲の波長を有する光ビームを生成し、この光ビームは、フォトリソグラフィ装置において半導体基板(又はウェーハ)にパターン形成するため用いられる。エキシマ光源は、単一ガス放電チャンバを用いて又は複数のガス放電チャンバを用いて構築することができる。
【発明の概要】
【0005】
[0005] いくつかの全体的な態様において、方法は、ガス放電チャンバから混合ガスの少なくとも一部を受容することであって、混合ガスはフッ素を含む、ことと、混合ガスの一部中のフッ素を金属酸化物と反応させて、酸素を含む新たなガス混合物を形成することと、新たなガス混合物中の酸素の濃度を検知することと、検知した酸素濃度に基づいて混合ガスの一部中のフッ素の濃度を推定することと、を含む。
【0006】
[0006] 実施は、以下の特徴のうち1つ以上を含むことができる。例えば、金属酸化物は酸化アルミニウムを含み得る。金属酸化物は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、水素、及び炭素を含まない可能性がある。
【0007】
[0007] 混合ガスは、少なくとも利得媒質及び緩衝ガスの混合物を含むエキシマレーザガスを含み得る。
【0008】
[0008] 方法は、混合ガスの一部中のフッ素の推定した濃度に基づいてガス供給部セットからのガス混合物中のフッ素の相対濃度を調整することと、調整したガス混合物をガス供給部からガス放電チャンバに加えることによってガス更新を実行することと、を更に含み得る。ガス更新は、利得媒質と緩衝ガスとフッ素の混合物によってガス放電チャンバを充填することにより実行できる。利得媒質と緩衝ガスの混合物でガス放電チャンバを充填するため、希ガス及びハロゲンを含む利得媒質と不活性ガスを含む緩衝ガスとによってガス放電チャンバを充填することができる。希ガスは、アルゴン、クリプトン、又はキセノンを含み、ハロゲンはフッ素を含み、不活性ガスはヘリウム又はネオンを含み得る。利得媒質と緩衝ガスとフッ素の混合物でガス放電チャンバを充填するため、利得媒質と緩衝ガスとフッ素の混合物をガス放電チャンバ内の既存の混合ガスに加えるか、又は、ガス放電チャンバ内の既存の混合ガスを、少なくとも利得媒質と緩衝ガスとフッ素の混合物に交換することができる。ガス更新は、ガス再充填(refill)スキーム又はガス注入スキームのうち1つ以上を実行することにより実行できる。
【0009】
[0009] また、方法は、新たなガス混合物中のフッ素の濃度が低値(lower value)未満に低下したか否かを判定することも含み得る。新たなガス混合物中の酸素の濃度を検知するため、新たなガス混合物中のフッ素の濃度が低値未満に低下したことが判定された場合にのみ新たなガス混合物中の酸素の濃度を検知することができる。低値は、新たなガス混合物中の酸素の濃度を検知するセンサの損傷閾値及びエラー閾値のうち1つ以上に基づいて決定された値とすることができる。低値は0.1ppmとすればよい。方法は、新たなガス混合物中のフッ素の濃度が低値未満に低下したことが判定された場合にのみ、新たなガス混合物を酸素センサと相互作用させて酸素の濃度を検知することを更に含み得る。
【0010】
[0010] ガス放電チャンバに対するガス更新を実行する前に、ガス放電チャンバから混合ガスの一部を受容することができる。ガス更新は、ガス供給部セットからガス放電チャンバにガス混合物を加えることを含み得る。ガス混合物は少なくとも多少のフッ素を含む。ガス更新は、ガス再充填スキーム又はガス注入スキームのうち1つ以上を実行することにより実行できる。
【0011】
[0011] ガス放電チャンバから混合ガスの一部を受容するため、ガス放電チャンバから混合ガスを流出させて、流出させた混合ガスを、金属酸化物を収容している反応容器へ誘導することができる。方法は、新たなガス混合物を反応容器から測定容器へ移送することを含み得る。新たなガス混合物中の酸素の濃度を検知するため、測定容器内の新たなガス混合物中の酸素の濃度を検知することができる。新たなガス混合物中の酸素の濃度を検知するため、測定容器内のセンサを新たなガス混合物に暴露することができる。
【0012】
[0012] 方法は、混合ガスの一部中のフッ素の濃度を推定した後、測定容器から新たなガス混合物を排出することも含み得る。
【0013】
[0013] 混合ガスの一部を別の材料で希釈することなく新たなガス混合物中の酸素の濃度を検知することによって、新たなガス混合物中の酸素の濃度を検知できる。
【0014】
[0014] 混合ガスの一部を金属酸化物と反応させて酸素を含む新たなガス混合物を形成するため、無機フッ素化合物と酸素を形成することができる。金属酸化物は酸化アルミニウムを含み、無機フッ素化合物はフッ化アルミニウムを含み得る。酸化アルミニウムの総細孔容積は少なくとも0.35立方センチメートル/グラムとすることができる。
【0015】
[0015] 新たなガス混合物中の酸素の濃度を検知するため、反応の開始後に所定の時間期間が経過した後にのみ新たなガス混合物中の酸素の濃度を検知することができる。
【0016】
[0016] 混合ガスの一部は排気ガスであり、混合ガスの一部を金属酸化物と反応させて酸素を含む新たなガス混合物を形成することは排気ガスからフッ素を除去することを含み得る。
【0017】
[0017] 検知した酸素濃度に基づいて混合ガスの一部中のフッ素の濃度を推定するため、検知した酸素濃度及び混合ガスの一部中のフッ素と金属酸化物との化学反応のみに基づいて推定を行うことができる。
【0018】
[0018] 混合ガスの一部中のフッ素の濃度は約500~2000ppmであり得る。
【0019】
[0019] 酸素を含む新たなガス混合物を形成するための混合ガスの一部中のフッ素と金属酸化物との反応は、安定した反応とすることができる。混合ガスの一部中のフッ素を金属酸化物と反応させて酸素を含む新たなガス混合物を形成するため、線形であると共に混合ガスの一部中のフッ素の濃度と新たなガス混合物中の酸素の濃度との間に直接的な相関関係がある反応を実行することができる。
【0020】
[0020] 他の全体的な態様において、方法は、ガス供給部セットからガス放電チャンバに第1のガス混合物を加えることによって第1のガス更新を実行することと、第1のガス更新後、ガス放電チャンバから混合ガスの少なくとも一部を取り出すことであって、混合ガスはフッ素を含む、ことと、取り出した混合ガスの一部のフッ素を反応物と反応させて、酸素を含む新たなガス混合物を形成することと、新たなガス混合物中の酸素の濃度を検知することと、検知した酸素濃度に基づいて取り出した混合ガスの一部中のフッ素の濃度を推定することと、取り出した混合ガスの一部中のフッ素の推定した濃度に基づいてガス供給部セットからの第2のガス混合物中のフッ素の相対濃度を調整することと、調整した第2のガス混合物をガス供給部からガス放電チャンバに加えることによって第2のガス更新を実行することと、を含む。
【0021】
[0021] 実施は、以下の特徴のうち1つ以上を含むことができる。例えば、方法は、新たなガス混合物中のフッ素の濃度が、新たなガス混合物中の酸素の濃度を検知するセンサの損傷閾値及びエラー閾値のうち1つ以上に基づく低値未満に低下したか否かを判定することを含み得る。新たなガス混合物中の酸素の濃度を検知するため、新たなガス混合物中のフッ素の濃度が低値未満に低下したことが判定された場合にのみ新たなガス混合物中の酸素の濃度を検知することができる。
【0022】
[0022] 反応物は金属酸化物を含み得る。ガス放電チャンバ内の混合ガスは、少なくとも利得媒質及び緩衝ガスの混合物を含むエキシマレーザガスを含み得る。
【0023】
[0023] 検知した酸素濃度に基づいて取り出した混合ガスの一部中のフッ素の濃度を推定するため、取り出した混合ガスの一部中のフッ素の濃度を測定することなく取り出した混合ガスの一部中のフッ素の濃度を推定することができる。
【0024】
[0024] 他の全体的な態様において、装置は、エキシマガス放電システムの1つ以上のガス放電チャンバに流体接続されたガス供給システムを含むガス保守システムと、エキシマガス放電システムの各ガス放電チャンバに流体接続された検出装置と、ガス保守システム及び検出装置に接続された制御システムと、を含む。検出装置は、金属酸化物を収容すると共にガス放電チャンバに流体接続された反応キャビティを画定し、ガス放電チャンバからフッ素を含む混合ガスを反応キャビティ内に受容するための容器であって、受容した混合ガスのフッ素と金属酸化物との反応によって酸素を含む新たなガス混合物を形成することを可能とする容器と、新たなガス混合物に流体接続されるように、及び、新たなガス混合物に流体接続された場合に新たなガス混合物中の酸素の量を検知するように構成された酸素センサと、を含む。制御システムは、酸素センサの出力を受信し、ガス放電チャンバから受容された混合ガス中のフッ素の濃度を推定し、混合ガス中のフッ素の推定された濃度に基づいて、ガス保守システムのガス供給システムからのガス混合物中のフッ素の濃度を調整するべきか否かを判定し、ガス放電チャンバに対するガス更新中に、ガス保守システムのガス供給システムからガス放電チャンバに供給されるガス混合物中のフッ素の相対濃度を調整するため信号をガス保守システムに送信する、ように構成されている。
【0025】
[0025] 実施は、以下の特徴のうち1つ以上を含むことができる。例えば、エキシマガス放電システムの各ガス放電チャンバは、エネルギ源を収容することができ、利得媒質及びフッ素を含むエキシマレーザガスを含むガス混合物を含むことができる。
【0026】
[0026] 検出装置は、反応キャビティに流体接続されると共に新たなガス混合物中のフッ素の濃度が低値未満に低下したか否かを判定するよう構成されたフッ素センサも含み得る。低値は、酸素センサの損傷閾値及びエラー閾値のうち1つ以上に基づいて決定された値である。制御システムはフッ素センサに接続することができる。制御システムは、フッ素センサから、新たなガス混合物中のフッ素の濃度が低値未満に低下したという判定を受信し、新たなガス混合物中のフッ素の濃度が低値未満に低下したことが判定された場合に、酸素センサが新たなガス混合物と相互作用することのみを可能とする、ように構成できる。
【0027】
[0027] 検出装置は、反応容器の反応キャビティに流体接続された測定容器を含むことができ、測定容器は、新たなガス混合物を受容するよう構成されている。酸素センサは、測定キャビティ内の新たなガス混合物中の酸素の量を検知するよう構成できる。
【0028】
[0028] 酸素センサは、新たなガス混合物中のフッ素の濃度が低値未満に低下した場合にのみ許容可能範囲内で動作するよう構成できる。
【0029】
[0029] 取り出した混合ガスの一部中のフッ素の濃度は約500~2000ppmであり得る。
【0030】
[0030] エキシマガス放電システムは複数のガス放電チャンバを含み、検出装置は複数の各ガス放電チャンバに流体接続することができる。検出装置は複数の容器を含み、各容器は金属酸化物を収容している反応容器を画定し、各容器はガス放電チャンバのうち1つに流体接続され、検出装置は複数の酸素センサを含み、各酸素センサは1つの容器に関連付けることができる。
【0031】
[0031] エキシマガス放電システムは複数のガス放電チャンバを含み、検出装置は複数の各ガス放電チャンバに流体接続することができる。検出装置は複数の容器を含み、各容器は金属酸化物を収容している反応容器を画定し、各容器はガス放電チャンバのうち1つに流体接続され、検出装置は、容器の全てに流体接続されている単一の酸素センサを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】[0032] チャンバ内のガス混合物中のフッ素の濃度を測定するよう構成された検出装置を含む装置のブロック図である。
【
図2】[0032] フォトリソグラフィ装置に誘導される光ビームを生成する深紫外線(DUV)光源の一部として実施された
図1の装置のブロック図である。
【
図3】[0033] 検出装置がフッ素センサを含む、
図1の装置の検出装置の実施のブロック図である。
【
図4】[0034] 検出装置が緩衝容器を含む、
図1の装置の実施のブロック図である。
【
図5】[0035] 検出装置が複数の反応容器を含み、各反応容器が複数のチャンバのうち1つに関連付けられている、
図1の装置の実施のブロック図である。
【
図6】[0036] 例示的なDUV光源の詳細が示されている、
図2の装置の実施のブロック図である。
【
図7】[0037]
図2又は
図6に示されているDUV光源の一部である制御システムの実施のブロック図である。
【
図8】[0038] 装置がフッ素スクラバ(fluorine scrubber)と関連付けて実施されている、
図1の装置の別の実施のブロック図である。
【
図9】[0039] チャンバのガス混合物中のフッ素の濃度を検出するため検出装置によって実行される手順のフローチャートである。
【
図10】[0040] 一度フッ素濃度を推定し、
図9の手順を完了した後、装置によって実行される手順のフローチャートである。
【
図11】[0041] チャンバのガス混合物中のフッ素の濃度を推定するため
図9の手順の代わりに検出装置によって実行される手順のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
[0042]
図1を参照すると、装置100は、市販のフッ素センサを用いてチャンバ110内のガス混合物107中のフッ素(F)の濃度を直接測定することなく、ガス混合物107中のフッ素の濃度を測定又は推定するよう構成されている検出装置105を含む。室温においてフッ素は二原子分子のガスであり、分子構造F
2によって表される。従って本明細書で用いる場合、「フッ素」という用語は分子フッ素F
2を指す。チャンバ110内のフッ素分子F
2の濃度は、フッ素の直接的な検出を可能とするには高すぎる範囲内である。例えば、チャンバ110内のフッ素の濃度は約500ppm(parts per million)より高く、約1000ppmであるか、又は最大で約2000ppmである可能性もある。しかしながら、市販のフッ素センサは典型的に10ppmで飽和するので、市販のフッ素センサを用いてチャンバ110内のフッ素の濃度を直接測定することは非現実的である。この代わりに、検出装置105によって、チャンバ110からのフッ素を市販のセンサ115が検出及び測定できるガス(酸素等)に変換する化学反応を可能とする。検出装置105は、化学反応の後に存在する酸素の量(センサ115から供給される)に基づいて、更に、化学反応に関する情報に基づいて、化学反応の開始前にどのくらいのフッ素が存在していたかを計算することができる。
【0034】
[0043] この推定を正確にするため、検出装置105は、チャンバ110からのフッ素を酸素ガスに変換する化学反応が線形反応であり、化学反応開始前のフッ素の濃度と化学反応終了時の酸素の濃度との間に直接的な相関関係があると仮定することができる。あるいは検出装置105は、フッ素の変換が完全である(従って、化学反応後のガス中に残留分子フッ素F2は存在しない)と仮定することができる。
【0035】
[0044] 装置100は、導管システム127を介してチャンバ110に流体接続されたガス供給システムを少なくとも含むガス維持システム120を含む。以下で詳しく検討するように、ガス維持システム120は、1つ以上のガス供給部と、これらの供給部からのガスのうちどれを導管システム127を介してチャンバ110との間で出入りさせるかを制御するための制御ユニット(バルブシステムを含む)と、を含む。
【0036】
[0045] 検出装置105は、酸素センサ115からの出力を受信すると共に、化学反応開始前にどのくらいのフッ素が存在していたかを計算してガス混合物107中のフッ素の量を推定するコントローラ130を含む。コントローラ130は、この情報を用いて、ガス混合物107中のフッ素の濃度を調整する必要があるか否かを判定する。従ってコントローラ130は、この判定に基づいて、チャンバ110との間で出入りするガス維持システム120の供給部における相対的なガス量をどのように調整するかを決定する。コントローラ130は、チャンバ110に対するガス更新中にガス混合物107中のフッ素の相対濃度を調整するためガス維持システム120に信号を送信する。
【0037】
[0046] 検出装置105は、金属酸化物145を収容している反応キャビティ140を画定する反応容器135を含む。反応キャビティ140は、導管137を介してチャンバ110に流体接続されて、チャンバ110からのフッ素を含む混合ガス150を受容する。図示されていないが、導管137に1つ以上の流体制御デバイス(バルブ等)を配置して、混合ガス150を反応キャビティ140へ誘導するタイミングを制御すると共に、反応容器135内への混合ガス150の流量を制御することができる。このように、反応キャビティ140は、受容した混合ガス150のフッ素と金属酸化物145との化学反応によって新たなガス混合物155を形成することを可能とする。反応キャビティ140を画定する反応容器135の内部は、受容した混合ガス150のフッ素と金属酸化物145との化学反応を阻害又は変化させることのないよう、非反応性材料で作製しなければならない。例えば反応容器135の内部は、ステンレス鋼又はモネルメタル(Monel metal)のような非反応性金属で作製することができる。
【0038】
[0047] 酸素センサ115は、新たなガス混合物155を受容すると共に新たなガス混合物155中の酸素の量を検知するよう流体接続されている。酸素センサ115は、化学反応によって予想される濃度範囲内の酸素濃度を検出できる市販の酸素センサとすることができる。例えば酸素センサ115は、200~1000ppmの範囲内の新たなガス混合物155中の酸素を検知する。
【0039】
[0048] この濃度範囲に適した酸素センサの一例は、酸素の検出に精密ジルコニア酸化物センサを利用する酸素分析装置である。ジルコニア酸化物センサは、高純度、高密度、安定化ジルコニアセラミックで作製されたセルを含む。ジルコニア酸化物センサは、新たなガス混合物155の酸素濃度を示す電圧信号を生成する。更に、ジルコニア酸化物センサの出力は酸素センサ115内の高速マイクロプロセッサによって解析されて(例えば変換及び線形化されて)、コントローラ130が使用するための直接デジタル読み出し情報を提供する。従来の酸化ジルコニウムセルは、内面及び外面が多孔性白金電極でめっきされた酸化ジルコニウムセラミックチューブを含む。センサが特定の温度(例えば摂氏600度又は華氏1112度)よりも高温に加熱されると、これは酸素イオン伝導性電解質になる。電極は、酸素分子O2の酸素イオンへの変化、及び酸素イオンの酸素分子への変化のための触媒表面を与える。セルの高濃度基準ガス側の酸素分子は電子を得てイオンになり、電解質に入る。同時に、内側電極では、酸素イオンは電子を失って酸素分子として表面から解放される。センサの両側で酸素濃度が異なる場合、酸素イオンは高濃度側から低濃度側へ移動する。このイオン流は電子不均衡を生じ、結果として電極の両端にDC電圧が発生する。この電圧は、センサ温度と、センサの両側の酸素分圧(濃度)比との関数である。次いでこの電圧は、コントローラ130による直接読み出しのため、酸素センサ115内の高速マイクロプロセッサによって解析される。
【0040】
[0049] 酸素センサ115は測定容器170の測定キャビティ175の内部に配置することができる。測定キャビティ175は導管177を介して反応キャビティ140に流体接続されている。
図1には示されていないが、導管177に1つ以上の流体制御デバイス(バルブ等)を配置して、新たなガス混合物155を測定キャビティ175へ誘導するタイミングを制御すると共に、測定容器170内への新たなガス混合物155の流量を制御することができる。
【0041】
[0050] 混合ガス150中のフッ素を金属酸化物145と反応させる理由は、フッ素と金属酸化物との反応が容易に実施及び制御される化学量論的に単純な化学反応であるからである。更に、この化学反応の制御された化学量論比は固定されている。また、フッ素と金属酸化物との化学反応は安定した化学反応である。化学反応は、可逆的(reversing)でなく、新たなガス混合物の成分が新たなガス混合物中の他の成分と反応してフッ素を形成することがない場合に、安定であり得る。安定であり、制御された化学量論比を有する混合ガス150のフッ素と金属酸化物145との1つの適切な化学反応について、次に検討する。
【0042】
[0051] いくつかの実施において、金属酸化物145は粉末形態である。更に、粉末形態の金属酸化物145は、金属酸化物145の粉末中の粒子が移動しないように、反応容器135(チューブとすることができる)内にぎっしり詰めることができる。金属酸化物145の粉末外部の反応容器135内の空間の面積又は体積は細孔(pore)と見なされ、粉末形態の金属酸化物145を用いることにより、金属酸化物145とフッ素との完全な化学反応を可能とする大きい表面積が存在することを保証できる。いくつかの実施では、特定の金属酸化物によるが、金属酸化物145及び反応容器135は室温に維持され、金属酸化物145とフッ素との反応は触媒の必要なく進行する。
【0043】
[0052] 金属酸化物145はアルミニウム等の金属を含む。更に、金属酸化物145は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、水素、及び炭素を含まない。従って金属酸化物145は、アルミナ(酸化アルミニウム又はAl2O3である)とすることができる。アルミナは粉末及び固体の形態であり、典型的にはオレンジ色の粉末で、フッ素ガスとの化学反応を可能とする充分な表面積を与えるのに充分な細孔を有する。粉末の粒子間の空間は、アルミナ内へフッ素ガスを流入させて化学反応を可能とするのに充分な大きさである。例えばアルミナは、カラムに充填されている粉末又は粒状物(grain)の形態であり、少なくとも0.35立方センチメートル/グラムの総細孔容積を有することができる。金属酸化物145に混合ガス150を通過させて(例えば金属酸化物145を通るように流して)、フッ素とアルミナとの化学反応を可能とする。
【0044】
[0053] 混合ガス150中のフッ素ガス(F2)の存在下で、以下の化学反応が発生する。
6F2+2Al2O3=4AlF3+3O2
2つの金属酸化物(Al2O3)145の分子と相互作用する6つのフッ素分子(F2)ごとに、4つの無機フッ素化合物(フッ化アルミニウム又はAlF3)分子と3つの酸素分子(O2)が出力される。この化学反応は線形であり、化学量論的に単純な反応である。このため、フッ素及び酸素だけに注目すると、化学反応に入力される2つのフッ素分子F2ごとに、化学反応から1つの酸素分子O2が出力される。従って、化学反応に入力されるフッ素F2の濃度が1000ppmである場合、化学反応後に500ppmの濃度の酸素O2が放出され、センサ115によって検出される。従って、例えば、検出装置105ではこの化学反応においてフッ素体酸素の比が2:1であるとわかっているので、センサ115によって600ppmの酸素が検出された場合、これはガス混合物107中に1200ppmのフッ素が存在していたことを意味する。他の実施では、検出装置105は、フッ素の変換が完全である(従って、化学反応後にガス中に残留分子フッ素F2は存在しない)と仮定することができる。例えば、化学反応の開始後に充分な時間が経過した場合、この仮定は有効な仮定となり得る。
【0045】
[0054] いくつかの実施において、金属酸化物145と混合ガス150中のフッ素との化学反応は、1つ以上の特別に設計された条件のもとで発生する。例えば、金属酸化物145と混合ガス150中のフッ素との反応は、化学反応の速度を変化させるが化学反応終了時に化学的に不変の物質である1つ以上の触媒の存在下で発生し得る。別の例として、金属酸化物145と混合ガス150中のフッ素との反応は、温度を制御した環境又は湿度を制御した環境のような制御された環境で発生し得る。
【0046】
[0055]
図2を参照すると、装置100は例えば、ウェーハ上にマイクロエレクトロニクスフィーチャをパターン形成するためのフォトリソグラフィ装置222へ誘導される光ビーム211を生成する深紫外線(DUV)光源200内に置くことができる。DUV光源200は、光ビーム211の生成を可能とするためDUV光源200の様々な要素に接続された制御システム290を含む。制御システム290は単一のブロックとして示されているが、これを複数のサブコンポーネントで構成することも可能であり、これらのサブコンポーネントのいずれか1つ以上を他のサブコンポーネントから取り外すか、又はDUV光源200内の要素にローカルとしてもよい。更に、コントローラ130は制御システム290の一部と見なすことができる。
【0047】
[0056] この実施において、検出装置105は、DUV光源200の光ビーム211を生成するエキシマガス放電システム225のガス放電チャンバ210のうち1つ以上の内部のフッ素の濃度を計算するよう構成されている。ガス放電チャンバ210が1つだけ図示されているが、エキシマガス放電システム225は複数のガス放電チャンバ210を含むことができ、それらのうち1つ以上は検出装置105と流体連通されている。エキシマガス放電システム225は、光ビーム211の特徴(aspect)を制御するための他の要素(光学要素、メトロロジデバイス、及び電気機械要素等)も含み得るが、それらは
図2に示されていない。更に、
図2では検出装置105に関連するDUV光源200のコンポーネントのみが示されている。例えばDUV光源200は、フォトリソグラフィ装置222へ誘導される光ビーム211の1つ以上の特性を調整するため、最後のガス放電チャンバ210の出力に配置されたビーム調製システムを含み得る。
【0048】
[0057] ガス放電チャンバ210はエネルギ源230を収容し、ガス混合物207を含んでいる。エネルギ源230はガス混合物207にエネルギ源を提供する。具体的には、エネルギ源230は、チャンバ210内で誘導放出によって利得を得るため反転分布を引き起こすのに充分なエネルギをガス混合物207に与える。いくつかの例では、エネルギ源230は、ガス放電チャンバ210内に配置された1対の電極によって与えられる放電である。他の例では、エネルギ源230は光ポンピング源である。
【0049】
[0058] ガス混合物207は、希ガスとフッ素のようなハロゲンとを含む利得媒質を含む。DUV光源200の動作中、ガス放電チャンバ210内のガス混合物207のフッ素(光増幅のための利得媒質を与える)は消費され、このため経時的に光増幅の量が低減するので、光源200により生成される光ビーム211の特徴が変化する。フォトリソグラフィ装置222は、ガス放電チャンバ210内のガス混合物207中のフッ素の濃度を、初期ガス補充手順に設定されているフッ素の濃度に対して特定の公差内に維持しようとする。このため、一定の頻度で、ガス維持システム120の制御のもとに、追加のフッ素がガス放電チャンバ210に与えられる。フッ素消費量はガス放電チャンバごとに変動するので、閉ループ制御を用いて、ガス放電チャンバ210内へ導入又は注入するフッ素の量をその都度決定する。検出装置105は、ガス放電チャンバ210内に残っているフッ素の濃度を決定するため用いられ、従って、ガス放電チャンバ210内へ導入又は注入するフッ素の量を決定するためのスキーム全体で用いられる。
【0050】
[0059] 前述のように、ガス混合物207は、希ガス及びフッ素を含む利得媒質を含む。ガス混合物207は、緩衝ガスのような他のガスも含み得る。利得媒質はガス混合物207内のレーザアクティブ物質(laser-active entity)であり、単一原子、分子、又は擬似分子で構成することができる。従って、エネルギ源230からの放電でガス混合物207を(従って利得媒質を)ポンピングすることにより、利得媒質では誘導放出によって反転分布が発生する。上述のように、利得媒質は典型的に希ガス及びハロゲンを含み、緩衝ガスは典型的に不活性ガスを含む。希ガスは例えば、アルゴン、クリプトン、又はキセノンを含む。ハロゲンは例えばフッ素を含む。不活性ガスは例えばヘリウム又はネオンを含む。ガス混合物207中のフッ素以外のガスは不活性であり(希ガス(rare gas)又は希ガス(noble gas))、このため、混合ガス150と金属酸化物145との間で起こる化学反応は、混合ガス150のフッ素と金属酸化物145との間の反応だけであると仮定される。
【0051】
[0060] 再び
図1を参照すると、ガス維持システム120は、特徴(ガス混合物107又は207中の成分の相対濃度又は圧力等)を調整するための維持保守システムである。
【0052】
[0061]
図3を参照すると、いくつかの実施において、検出装置105はフッ素センサ360を含む検出装置305である。フッ素センサ360は、反応キャビティ140に流体接続され、新たなガス混合物155中のフッ素の濃度が低値未満に低下した時を判定するよう構成されている。フッ素センサ360は、混合ガス150中のフッ素の直接測定に使用するには低すぎるあるフッ素濃度より高いと飽和する市販のフッ素センサとすることができる。しかしながら、フッ素センサ360は最小検出閾値を有するので、新たなガス混合物155中のフッ素の濃度が低値未満に低下した時を検出するために使用できる。例えば、フッ素センサ360は10ppmの濃度で飽和し得るが、約0.05ppmの最小検出閾値を有し、新たなガス混合物155中のフッ素の濃度が0.1ppm未満に低下した後に新たなガス混合物155中のフッ素の検出を開始することができる。
【0053】
[0062] コントローラ130は、フッ素センサ360から出力を受信するコントローラ330として構成されている。コントローラ330は、新たなガス混合物155を酸素センサ115へ運ぶライン内の流量制御デバイス365と相互作用するモジュールを含む。流量制御デバイス365は、ゲートバルブ又は他の流体制御弁のようなデバイスとすることができる。
【0054】
[0063] コントローラ330は、フッ素センサ360の出力から、新たなガス混合物155中のフッ素の濃度が低値(例えば0.1ppm)未満に低下したと判定された場合にのみ新たなガス混合物155の酸素センサ115への流れを可能とするよう、流量制御デバイス365に信号を送信する。このように、フッ素の濃度が低値未満に低下した場合にのみ酸素センサ115が新たなガス混合物155に暴露されることで、許容できないレベルのフッ素から酸素センサ115を保護する。低値は、酸素センサ115の損傷閾値に基づいて決定された値とすることができる。従って、低値よりも高いフッ素濃度では酸素センサ115に損傷が生じる恐れがある。低値は、酸素センサ115のエラー閾値に基づいて決定された値とすることができる。従って、低値よりも高いフッ素濃度では、測定エラーが酸素センサ115の精度に影響を与える恐れがある。
【0055】
[0064] また、検出装置305は、反応容器135の反応キャビティ140に流体接続された測定容器370も含む。測定容器370は、新たなガス混合物155を受容するよう構成されている測定キャビティ375を画定する。更に、酸素センサ115は測定キャビティ375内に収容されている。測定容器370は、酸素センサ115が新たなガス混合物155中の酸素の濃度を検知できるように新たなガス混合物155を収容する任意の容器である。測定キャビティ375を画定する測定容器370の内部は、新たなガス混合物155の組成を変化させないように非反応性材料で作製しなければならない。例えば、反応容器370の内部は非反応性金属で作製することができる。
【0056】
[0065]
図4を参照すると、いくつかの実施において検出装置105は、チャンバ110からの放出の流量を反応容器135に必要な流量から分離する緩衝容器470を含む検出装置405として設計されている。このようにして、緩衝容器470は、ガス維持システム120によって実行されるガス交換の定常状態動作に影響を及ぼすことなく検出装置105によるフッ素測定を可能とする。
【0057】
[0066] 一例において、チャンバ110内のフッ素の濃度は約1000ppmであり、チャンバ110の体積は36リットル(L)であり、チャンバ110内の圧力は200~400キロパスカル(kPa)である。緩衝容器470の内部キャビティは約0.1Lの体積及び200~400kPaの圧力を有する。測定キャビティ175は、0.1Lの体積、約200~400kPaの圧力、及び約500ppmの酸素濃度を有する。センサ115が酸素濃度の測定を実行し、データをコントローラ130に出力した後、測定キャビティ175は制御された方法で空にすることができる。
【0058】
[0067]
図1を参照して上述したように、検出装置105は、チャンバ110内のガス混合物107中のフッ素の濃度を測定又は推定するよう構成されている。いくつかの実施では、
図5に示されているように、検出装置105は検出装置505として、装置500の一部として設計されている。検出装置505は、各チャンバ510_1、510_2、...510_i内のガス混合物507_1、507_2、...507_i中のフッ素の濃度を測定又は推定するよう構成されている。ここで、iは1よりも大きい整数である。検出装置505では、各チャンバ510_1、510_2、...510_iに、別個の又は専用の酸素センサ515_1、515_2、...515_iが関連付けられている。このように、各センサセンサ515_1、515_2、...515_iを用いて、各チャンバ510_1、510_2、...510_i内のフッ素濃度を測定することができる。
【0059】
[0068] 検出装置505はガス維持システム520に接続されており、ガス維持システム520は、マスタ導管システム527の一部である各導管システム527_1、527_3、...527_iを介して各チャンバ510_1、510_2、...510_iに流体接続されているガス供給システムを含む。ガス維持システム520は、1つ以上のガス供給部と、これらの供給部からのガスのうちどれをマスタ導管システム527を介して各チャンバ510_1、510_2、...510_iとの間で出入りさせるかを制御するための制御ユニットと、を含む。検出装置505は、各チャンバ510_1、510_2、...510_iから各導管537_1、537_2、...537_iを介して混合ガス550_1、550_2、...550_iを受容する各反応容器535_1、535_2、...535_iを含む。次いで、各反応容器535_1、535_2、...535_iにおける各混合ガス550_1、550_2、...550_iのフッ素と金属酸化物545_1、545_2、...545_iとの化学反応によって形成された新たなガス混合物555_1、555_2、...555_iを、各酸素センサ515_1、515_2、...515_iへ誘導する。
【0060】
[0069] 検出装置505は、ガス維持システム520及び酸素センサ515_1、515_2、...515_iの各々に接続されているコントローラ530も含む。コントローラ530と同様、コントローラ530は、酸素センサ515_1、515_2、...515_iからの出力を受信し、反応容器535_1、535_2、...535_iにおける化学反応の開始前にどのくらいのフッ素が存在していたかを計算して、各ガス混合物507_1、507_2、...507_i中のフッ素の量を推定する。
【0061】
[0070] 他の実施では、全てのチャンバ510_1、510_2、...510_i内のフッ素を測定する単一のセンサ515を用いることができる。ただしこれは、検出装置505がチャンバ510_1、510_2、...510_iと検出装置505との間に適切な配管を含み、チャンバ510_1、510_2、...510_iの各々に対してセンサ515が実行する測定間のクロストークが防止される場合である。更に、単一センサ515の設計が機能することができるのは、一度に1つのチャンバ510だけでガス交換が実行され、従ってコントローラ530がいずれの時点においても単一のチャンバ510内のフッ素を測定できる場合である。
【0062】
[0071]
図6を参照すると、
図1、
図3、
図4、又は
図5の検出装置105のような検出装置605を組み込んでいる例示的なDUV光源600が示されている。DUV光源600は、2段パルス出力設計であるエキシマガス放電システム625を含む。ガス放電システム625は2つの段を有する。すなわち、パルス増幅光ビーム606を出力する主発振器(MO)である第1の段601と、第1の段601から光ビーム606を受信する電力増幅器(PA)である第2の段602である。第1の段601はMOガス放電チャンバ610_1を含み、第2の段602はPAガス放電チャンバ610_2を含む。MOガス放電チャンバ610_1は、そのエネルギ源として2つの細長い電極630_1を含む。電極630_1は、チャンバ610_1内のガス混合物607_1にエネルギ源を与える。PAガス放電チャンバ610_2は、そのエネルギ源として2つの細長い電極630_2を含み、これらは、チャンバ610_2内のガス混合物607_2にエネルギ源を与える。
【0063】
[0072] MO601は、光ビーム606(シード光ビームと呼ぶことができる)をPA602に与える。MOガス放電チャンバ610_1は、増幅が発生する利得媒質を含むガス混合物607_1を収容しており、MO601は、MOガス放電チャンバ610_1の一方側のスペクトル特性選択システム680とMOガス放電チャンバ610_1の第2の側の出力カプラ681との間に形成されている光共振器等の光学フィードバック機構も含む。
【0064】
[0073] PAガス放電チャンバ610_2は、MO601からのシード光ビーム606が与えられた場合に増幅が発生する利得媒質607_2を含むガス混合物607_2を収容している。PA602が再生リング共振器として設計されている場合、これはパワーリング共振器(PRA:power ring amplifier)として記述され、この場合、リング設計から充分な光学フィードバックを与えることができる。PA602はビームリターン682を含み、これは、光ビームを(例えば反射によって)PAガス放電チャンバ610_2に戻して、循環閉鎖ループ経路を形成する。この経路において、リング増幅器への入力は、ビーム結合装置683でリング増幅器からの出力と交差する。
【0065】
[0074] MO601は、(PA602の出力と比べて)比較的低い出力パルスエネルギで中心波長及び帯域幅のようなスペクトルパラメータの微調整を可能とする。PAはMO601からシード光ビーム606を受信し、この出力を増幅して、フォトリソグラフィ装置222のような出力装置で使用するため出力光ビーム211に必要なパワーを達成する。シード光ビーム606はPA602を繰り返し通過することによって増幅され、シード光ビーム606のスペクトル特性はMO601の構成によって決定される。
【0066】
[0075] 各ガス放電チャンバ610_1、602_2で使用されるガス混合物607_1、607_2は、必要な波長及び帯域幅付近の増幅光ビーム(シード光ビーム606及び出力光ビーム211等)を生成するのに適したガスの組み合わせとすることができる。例えばガス混合物607_1、607_2は、約193ナノメートル(nm)の波長の光を放出するフッ化アルゴン(ArF)、又は約248nmの波長の光を放出するフッ化クリプトン(KrF)を含み得る。
【0067】
[0076] 検出装置605は、エキシマガス放電システム625のための、具体的にはガス放電チャンバ610_1及び610_2のためのガス管理システムであるガス維持システム620を含む。ガス維持システム620は、1つ以上のガス源651A、651B、651C等(密閉されたガス容器又はガスボンベ)、及びバルブシステム652を含む。1つ以上のガス源651A、651B、651C等は、バルブシステム652内のバルブセットを介してMOガス放電チャンバ610_1及びPAガス放電チャンバ610_2に接続されている。このようにして、ガス混合物中に特定の相対成分量が含まれた状態で、各ガス放電チャンバ610_1又は610_2にガスを注入することができる。図示されていないが、ガス維持システム620は、流量制限器、排気弁、圧力センサ、ゲージ、及び試験ポートのような1つ以上の他のコンポーネントも含み得る。
【0068】
[0077] ガス放電チャンバ610_1及び610_2の各々は、ガスの混合物(ガス混合物607_1、607_2)を収容している。一例として、ガス混合物607_1、607_2は、フッ素のようなハロゲンと、アルゴン、ネオン、及び、場合によっては他のもののような他のガスとを収容し、これらの異なる分圧を合計すると全圧になる。例えば、ガス放電チャンバ610_1、610_2で用いられる利得媒質がフッ化アルゴン(ArF)である場合、ガス源651Aは、ハロゲンフッ素、希ガスアルゴン、及び緩衝ガスのような1つ以上の他の希ガス(ネオン等の不活性ガスとすることができる)を含むガスの混合物を含む。ガス源651A内のこの種の混合物は3種類のガスを含むので、トリミックス(tri-mix)と呼ぶことができる。この例において、別のガス源651Bは、アルゴン及び1つ以上の他のガスを含むがフッ素を含まないガスの混合物を含み得る。ガス源651B内のこの種の混合物は2種類のガスを含むので、バイミックス(bi-mix)と呼ぶことができる。
【0069】
[0078] ガス維持システム620はバルブコントローラ653を含み、これは、ガス更新においてバルブシステム652に特定のガス源651A、651B、651C等からのガスをガス放電チャンバ610_1、610_2へ移送させるため、1つ以上の信号をバルブシステム652に送信するよう構成されている。ガス更新は、ガス放電チャンバ内のガス混合物607の再充填であり、ガス放電チャンバ内の既存の混合ガスを少なくとも利得媒質と緩衝ガスとフッ素の混合物に交換することができる。ガス更新は、ガス放電チャンバ内の既存の混合ガスに利得媒質と緩衝ガスとフッ素の混合物を追加する注入スキームとすることも可能である。
【0070】
[0079] この代わりに又はこれに加えて、バルブコントローラ653は、必要な場合にバルブシステム652に放電チャンバ610_1、610_2からガスを流出させるため、1つ以上の信号をバルブシステム652に送信することができる。このような流出ガスは、689で表されているガスダンプに放出できる。いくつかの実施では、
図7に示されているように、流出ガスを検出装置605に送出できる。
【0071】
[0080] DUV光源600の動作中、ガス放電チャンバ610_1、610_2内のフッ化アルゴン(又はクリプトン)分子(光増幅のための利得媒質を与える)のフッ素は消費され、このため経時的に光増幅の量が低減するので、ウェーハ処理のためフォトリソグラフィ装置222によって用いられる光ビーム211のエネルギが低減する。更に、DUV光源600の動作中、汚染物質がガス放電チャンバ610_1、610_2内に入る可能性がある。従って、汚染物質を流し出すため、又は失われたフッ素を補充するために、ガス源651A、651B、651C等のうち1つ以上からガス放電チャンバ610_1、610_2内へガスを注入する必要がある。
【0072】
[0081] 複数のガス源651A、651B、651C等が必要とされる理由は、ガス源651A内のフッ素が、一般にレーザ動作に望ましいよりも高い特定の分圧であるからである。より低い望ましい分圧でガスチャンバ610_1又は610_2にフッ素を追加するため、ガス源651A内のガスを希釈することができ、このためにガス源651B内のハロゲンを含まないガスを使用できる。
【0073】
[0082] 図示されていないが、バルブシステム652のバルブは、ガス放電チャンバ610_1及び610_2の各々に割り当てられた複数のバルブを含むことができる。例えば、各ガス放電チャンバ610_1、610_2に対して第1の流速でガスを流入及び流出させる注入バルブを用いることができる。別の例として、各ガス放電チャンバ610_1、610_2に対して、第1の流速とは異なる(例えばより高速の)第2の流速でガスを流入及び流出させるチャンバ充填バルブを用いることができる。
【0074】
[0083] ガス放電チャンバ610_1又は610_2において再充填スキームが実行される場合、例えば、(ガス混合物をガスダンプ689へ流出させることにより)ガス放電チャンバ610_1又は610_2を空にし、次いでそのガス放電チャンバ610_1又は610_2に新しいガス混合物を再充填することによって、ガス放電チャンバ610_1又は610_2内のガスの全てを交換する。再充填は、ガス放電チャンバ610_1又は610_2内のフッ素の特定の圧力と濃度を得る目的で実行される。ガス放電チャンバ610_1又は610_2において注入スキームが実行される場合、ガス放電チャンバは空にしないか、又は少量だけ流出させた後にガス放電チャンバ内へガス混合物を注入する。双方の種類のガス更新において、検出装置605(検出装置105と同様に設計されている)は流出ガス混合物の一部を混合ガス150として受容し、これを検出装置605内で分析することで、ガス放電チャンバ610_1又は610_2内のフッ素の濃度を決定し、どのようにガス更新を実行するかを決定できる。
【0075】
[0084] バルブコントローラ653は、検出装置605と(具体的には、検出装置605内のコントローラ130と)連携動作する(interface)。更に、バルブコントローラ653は、制御システム690の一部である他の制御モジュール及びサブコンポーネントと連携動作することができる。これについて次に検討する。
【0076】
[0085]
図7を参照すると、DUV光源(光源200又は600等)の一部である制御システム790(制御システム290又は690とすることができる)がブロック図で示されている。検出装置105/605の態様、並びに、本明細書に記載されているガス制御及びフッ素濃度推定に関する方法に関連付けて、制御システム790についての詳細が与えられている。更に、制御システム790は
図7に示されていない他の特徴も含み得る。一般に制御システム790は、デジタル電子回路、コンピュータハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアのうち1つ以上を含む。
【0077】
[0086] 制御システム790は、読み出し専用メモリ及び/又はランダムアクセスメモリとすることができるメモリ700を含む。コンピュータプログラム命令及びデータを有形に(tangibly)具現化するのに適したストレージデバイスは、一例として、EPROM、EEPROM、及びフラッシュメモリデバイス等の半導体メモリデバイス、内部ハードディスク及び着脱可能ディスク等の磁気ディスク、光磁気ディスク、並びにCD-ROMディスクを含む、あらゆる形態の不揮発性メモリを含む。また、制御システム790は、1つ以上の入力デバイス705(キーボード、タッチスクリーン、マイクロフォン、マウス、ハンドヘルド入力デバイス等)及び1つ以上の出力デバイス710(スピーカ又はモニタ等)も含むことができる。
【0078】
[0087] 制御システム790は、1つ以上のプログラマブルプロセッサ715と、プログラマブルプロセッサ(プロセッサ715等)によって実行するため機械可読ストレージデバイスにおいて有形に具現化された1つ以上のコンピュータプログラム製品720と、を含む。1つ以上のプログラマブルプロセッサ715の各々は、入力データに作用すると共に適切な出力を発生させることにより、所望の機能を達成するため命令のプログラムを実行できる。一般に、プロセッサ715はメモリ700から命令及びデータを受信する。前述のもののいずれも、特別に設計されたASIC(特定用途向け集積回路)によって補足するか又はそれに組み込むことができる。
【0079】
[0088] また、制御システム790は、コンポーネント又はモジュールの中でも特に、検出装置105のコントローラ130、330、530(
図7に四角形130で表されている)と、ガス維持システム620のバルブコントローラ653と連携動作するガス維持モジュール731と、を含むことができる。これらのモジュールの各々は、プロセッサ715のような1つ以上のプロセッサによって実行されるコンピュータプログラム製品セットとすることができる。更に、コントローラ/モジュール130、731のいずれも、メモリ700内に記憶されたデータにアクセスすることができる。
【0080】
[0089] 制御システム790内のコントローラ/特徴部(feature)/モジュール間の接続、及び、制御システム790内のコントローラ/特徴部/モジュールと装置100の他のコンポーネント(DUV光源600である場合がある)との間の接続は、有線又は無線とすることができる。
【0081】
[0090]
図7には少数のモジュールのみが示されているが、制御システム790は他のモジュールも含むことができる。更に、制御システム790は、全てのコンポーネントが同じ場所に配置されているように見える四角形として表されているが、制御システム790は、空間又は時間において相互に物理的に遠く離れたコンポーネントで構成することも可能である。例えば、コントローラ130をセンサ115又はガス維持システム120と物理的に同じ場所に配置することができる。別の例として、ガス維持モジュール731をガス維持システム620のバルブコントローラ653と物理的に同じ場所に配置し、制御システム790の他のコンポーネントから離すことができる。
【0082】
[0091] 更に、制御システム790は、例えばチャンバ110内のガス混合物107中のフッ素の濃度を測定又は推定するための命令のような、フォトリソグラフィ装置222のリソグラフィコントローラからの命令を受信するリソグラフィモジュール730を含むことができる。
【0083】
[0092]
図8を参照すると、いくつかの実施において検出装置105は、ガス維持システム820と流体連通しているフッ素スクラバ804と並行して動作する検出装置805として設計されている。フッ素スクラバ804は、ガス維持システム820と関連付けて用いられ、ガス混合物807中のフッ素との化学的な反応によって、例えば排気を介して安全に処分できる化学物質を形成することにより、チャンバ110からガス混合物807を適切に排出する。
【0084】
[0093] ガス維持システム820から流出させた混合ガス150の一部は緩衝容器870へ誘導され、次いで金属酸化物845を含む別のフッ素スクライバ835へ誘導される。混合ガス150中のフッ素は、フッ素スクラバ835内の金属酸化物845と化学的に反応し(上述のように)、酸素を含む新たなガス混合物155に変換される。新たなガス混合物155は酸素センサ115へ誘導され、ここで検知される。コントローラ130は、混合ガス150中の酸素の濃度及びガス混合物107中のフッ素の濃度を推定し、ガス更新を実行するためガス維持システム820をどのように調整するかを決定する。この例では、ガス維持システム820は、トリミックス源851Aとバイミックス源851Bに流体接続されたバルブシステム852を含む。ラインに沿って様々な制御弁891を配置して、ラインを通って誘導されるガスの流速と流量を制御する。
【0085】
[0094]
図9を参照すると、チャンバ110のガス混合物107中のフッ素の濃度を検出するため、検出装置105によって手順900が実行される。
図1の装置を参照するが、手順900は
図2から
図8を参照して記載されている検出装置にも適用される。検出装置105は、ガス放電チャンバ110からフッ素を含む混合ガス150の一部を受容する(905)。混合ガス150中のフッ素は金属酸化物145と化学的に反応して、酸素を含む新たなガス混合物155を形成する(910)。新たなガス混合物155中の酸素の濃度を、例えばセンサ115によって検知する(915)。また、検知した酸素の濃度に基づいて、混合ガス150中のフッ素の濃度を推定する(920)。
【0086】
[0095] チャンバ110からガス混合物107を流出させる(圧力下で放出させる)ことによって、検出装置105は混合ガス150を受容できる。例えば、ガス維持システム120はバルブ群を含むことができ、これによってガス混合物107をチャンバ110から流出させ、次いで混合ガス150として検出装置105へ誘導することができる。例えば一連のバルブ及び真空ポンプを用いて負圧を生成することにより、チャンバ110内の圧力を用いて反応容器135又は緩衝容器470を加圧することができ、ガス混合物107をチャンバ110から検出装置105へ押し出す。反応容器135内に必要である混合ガス150の量は、酸素センサ115が精密かつ安定した示度を得る必要性に基づいて決定できる。混合ガス150の量を制限する要因は、反応キャビティ140内の金属酸化物145のフッ素変換容量である。例えば、酸素センサ115から精密な志度を得ることが望ましいが、金属酸化物145が最大の耐用寿命を持てるように全ガス流量を最小限に抑えることも望ましい。
【0087】
[0096] 検出装置105によって受容された(905)混合ガス150は、チャンバ110からフッ素スクラバへ排出される混合ガス150とすることができ、従って混合ガス150を排気ガスと見なすことができる。このような実施は
図8に示されている。混合ガス150中のフッ素はフッ素スクラバ835内の金属酸化物845と化学的に反応し、酸素を含む新たなガス混合物155に変換される。
【0088】
[0097] 手順900は、ガス再充填又はガス注入のようなガス更新を予想して実行することができる。例えば、ガス維持システム120からチャンバ110に第1のガス混合物を加えることによって第1のガス更新を実行し、ある時間期間チャンバ110を使用した後、手順900を実行することができる。手順900を実行した後、ガス維持システム120からチャンバ110に調整済みの第2のガス混合物を加えることによって第2のガス更新を実行できる。調整済みの第2のガス混合物中のフッ素の濃度(又はフッ素の量)は、手順900によって行われた測定に基づくことができる。
【0089】
[0098] 無機フッ素化合物と酸素を形成することにより、フッ素を金属酸化物145と化学的に反応させることができる(910)。この無機フッ素化合物(新たなガス混合物155中に存在する)はセンサ115と相互作用しない。
【0090】
[0099] フッ素を金属酸化物145と化学的に反応させて新たなガス混合物155を形成した(910)後、新たなガス混合物155を反応容器155から測定容器170へ移送して、新たなガス混合物155中の酸素の濃度を検知することができる(915)。従って、測定容器170内のセンサ115を新たなガス混合物155に暴露することにより、新たなガス混合物155中の酸素の濃度を検知できる(915)。新たなガス混合物155中の酸素の濃度は、混合ガス150を別の材料で希釈する必要なく検知される(915)。
【0091】
[0100] 更に、新たなガス混合物155中の酸素の濃度の検知(915)を、化学反応(910)開始後に所定の時間期間が経過するまで待つか、又は所定の時間期間の経過後にのみ行うことが適切である場合がある。これによって、センサ115を新たなガス混合物155に暴露する前に、混合ガス150中の充分なフッ素が酸素及び無機フッ素化合物に変換されたことを保証する。従ってセンサ115は、センサ115に損傷を与える恐れのあるフッ素への暴露から隔離される。混合ガス150中のフッ素の相対量と金属酸化物145の全体積によるが、フッ素を完全に酸素に変換するには数秒又は数分を要する可能性がある。
【0092】
[0101] いくつかの実施では、金属酸化物145の上に又はこれを貫通するように混合ガス150を低い流量(例えば約0.1slpm以下)で流して、特定の流量で新たなガス混合物155を形成することにより、化学反応(910)を実施できる。この場合、酸素は連続的に検知することができる(915)。検知された酸素の測定(915)をある時間期間にわたって積分することで、又は検知された酸素の測定(915)が定常状態に到達した場合に、フッ素の濃度を推定することができる(920)。
【0093】
[0102] 検知された酸素濃度(915)に基づいて、更に、混合ガス150中のフッ素を酸素に変換する化学反応の知識に基づいて、新たなガス混合物155中のフッ素を推定する(920)。
【0094】
[0103] 手順900が完了すると(すなわち、混合ガス150中のフッ素濃度を推定した(920)後)、新たなガス混合物155を測定容器170から排出(除去)して、新しい混合ガスに対して再び手順900を実行することを可能とする。
【0095】
[0104]
図10を参照すると、一度フッ素濃度が推定されて(920)手順900が完了した後、装置100によって手順1000が実行される。ガス維持システム120は、検出装置105のコントローラ130から出力を受信し、推定されたフッ素濃度に基づいて、ガス供給部セット(ガス源651A、651B、651C等)からのガス混合物中のフッ素の相対濃度を調整する(1005)。ガス維持システム120は、チャンバ110内の圧力が必要なレベルに到達するまで導管システム127を介してチャンバ110へ調整したガス混合物を加えることによって、ガス更新を実行する(1010)。ガス維持システム120内のバルブのタイミングを監視することにより、ガス更新を完了及び追跡することができる。
【0096】
[0105] 例えば
図2を参照すると、ガス更新(1010)は、利得媒質と緩衝ガスとフッ素の混合物によってガス放電チャンバ210を充填することを含み得る。利得媒質は希ガス及びフッ素を含み、緩衝ガスは不活性ガスを含む。フッ素濃度推定(900)が実行される時に対してガス更新(1010)の実行を遅延させることができる。いくつかの実施では、コントローラ130によってガス混合物107中のフッ素の濃度が許容可能レベル未満に低下したことが判定された場合、推定(900)の直後に調整(1005)及びガス更新(1010)を実行できる。いくつかの実施では、ガス混合物107中のフッ素の濃度が許容可能レベル未満に低下したことが判定されるまでフッ素の調整(1005)を遅延させることができる。例えば、コントローラ130によってガス混合物107中のフッ素の濃度が依然として高いことが判定されたが、装置100が他の理由でガス更新を実行しなければならない場合は、ガス混合物107中のフッ素のレベルを上昇させるという目的なしにガス更新を実行することができる。
【0097】
[0106]
図11を参照すると、いくつかの実施において検出装置305は、手順900の代わりに手順1100を実行して混合ガス150中のフッ素の濃度を推定する。手順1100は手順900と同様であり、ガス放電チャンバ110からフッ素を含む混合ガス150の一部を受容するステップ(905)と、混合ガス150中のフッ素と金属酸化物145を化学的に反応させて酸素を含む新たなガス混合物155を形成するステップ(910)と、を含む。手順1100は、新たなガス混合物155中のフッ素の濃度が低値未満に低下したか否かを判定する(1112)。例えば、反応キャビティ140に流体接続されているフッ素センサ360がこの判定を実行することができ(1112)、コントローラ330は、新たなガス混合物155中のフッ素の濃度が低値未満に低下した場合にのみ(1112)新たなガス混合物155中の酸素の濃度を検知するステップ(915)に進むことができる。前述のように、混合ガス150中のフッ素の濃度は、検知された酸素濃度に基づいて推定される(920)。
【0098】
[0107] いくつかの実施において、低値は、センサ115の損傷閾値に基づいて決定された値である。他の実施において、低値は、センサ115のエラー閾値に基づいて決定された値である。例えば低値は0.1ppmとすることができる。
【0099】
[0108] これらの実施形態は、以下の条項を用いて更に記載することができる。
1. ガス放電チャンバから混合ガスの少なくとも一部を受容することであって、混合ガスはフッ素を含む、ことと、
混合ガスの一部中のフッ素を金属酸化物と反応させて、酸素を含む新たなガス混合物を形成することと、
新たなガス混合物中の酸素の濃度を検知することと、
検知した酸素濃度に基づいて混合ガスの一部中のフッ素の濃度を推定することと、
を含む方法。
【0100】
2. 金属酸化物は酸化アルミニウムを含む、条項1に記載の方法。
【0101】
3. 金属酸化物は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、水素、及び炭素を含まない、条項1に記載の方法。
【0102】
4. 混合ガスは、少なくとも利得媒質及び緩衝ガスの混合物を含むエキシマレーザガスである、条項1に記載の方法。
【0103】
5. 混合ガスの一部中のフッ素の推定した濃度に基づいて、ガス供給部セットからのガス混合物中のフッ素の相対濃度を調整することと、
調整したガス混合物をガス供給部からガス放電チャンバに加えることによってガス更新を実行することと、
を更に含む、条項1に記載の方法。
【0104】
6. ガス更新を実行することは、利得媒質と緩衝ガスとフッ素の混合物によってガス放電チャンバを充填することを含む、条項5に記載の方法。
【0105】
7. 利得媒質と緩衝ガスの混合物によってガス放電チャンバを充填することは、希ガス及びハロゲンを含む利得媒質と不活性ガスを含む緩衝ガスとによってガス放電チャンバを充填することを含む、条項6に記載の方法。
【0106】
8. 希ガスは、アルゴン、クリプトン、又はキセノンを含み、ハロゲンはフッ素を含み、不活性ガスはヘリウム又はネオンを含む、条項7に記載の方法。
【0107】
9. 利得媒質と緩衝ガスとフッ素の混合物によってガス放電チャンバを充填することは、
利得媒質と緩衝ガスとフッ素の混合物を、ガス放電チャンバ内の既存の混合ガスに加えること、又は
ガス放電チャンバ内の既存の混合ガスを、少なくとも利得媒質と緩衝ガスとフッ素の混合物に交換すること、
を含む、条項6に記載の方法。
【0108】
10.ガス更新を実行することはガス再充填スキーム又はガス注入スキームのうち1つ以上を実行することを含む、条項5に記載の方法。
【0109】
11.新たなガス混合物中のフッ素の濃度が低値未満に低下したか否かを判定することを更に含み、
新たなガス混合物中の酸素の濃度を検知することは、新たなガス混合物中のフッ素の濃度が低値未満に低下したことが判定された場合にのみ新たなガス混合物中の酸素の濃度を検知することを含む、条項1に記載の方法。
【0110】
12.低値は、新たなガス混合物中の酸素の濃度を検知するセンサの損傷閾値及びエラー閾値のうち1つ以上に基づいて決定された値である、条項11に記載の方法。
【0111】
13.低値は0.1ppmである、条項11に記載の方法。
【0112】
14.新たなガス混合物中のフッ素の濃度が低値未満に低下したことが判定された場合にのみ、新たなガス混合物を酸素センサと相互作用させて酸素の濃度を検知することを更に含む、条項11に記載の方法。
【0113】
15.ガス放電チャンバから混合ガスの少なくとも一部を受容することは、ガス放電チャンバに対するガス更新を実行する前に混合ガスの一部を受容することを含み、ガス更新はガス供給部セットからガス放電チャンバにガス混合物を加えることを含み、ガス混合物は少なくとも多少のフッ素を含む、条項1に記載の方法。
【0114】
16.ガス更新を実行することはガス再充填スキーム又はガス注入スキームのうち1つ以上を実行することを含む、条項15に記載の方法。
【0115】
17.ガス放電チャンバから混合ガスの少なくとも一部を受容することは、ガス放電チャンバから混合ガスを流出させることと、流出させた混合ガスを、金属酸化物を収容している反応容器へ誘導することと、を含む、条項1に記載の方法。
【0116】
18.新たなガス混合物を反応容器から測定容器へ移送することを更に含み、新たなガス混合物中の酸素の濃度を検知することは、測定容器内の新たなガス混合物中の酸素の濃度を検知することを含む、条項17に記載の方法。
【0117】
19.新たなガス混合物中の酸素の濃度を検知することは測定容器内のセンサを新たなガス混合物に暴露することを含む、条項17に記載の方法。
【0118】
20.混合ガスの一部中のフッ素の濃度を推定した後、測定容器から新たなガス混合物を排出することを更に含む、条項1に記載の方法。
【0119】
21.新たなガス混合物中の酸素の濃度を検知することは、混合ガスの一部を別の材料で希釈することなく新たなガス混合物中の酸素の濃度を検知することを含む、条項1に記載の方法。
【0120】
22.混合ガスの一部を金属酸化物と反応させて酸素を含む新たなガス混合物を形成することは無機フッ素化合物と酸素を形成することを含む、条項1に記載の方法。
【0121】
23.金属酸化物は酸化アルミニウムを含み、無機フッ素化合物はフッ化アルミニウムを含む、条項22に記載の方法。
【0122】
24.酸化アルミニウムの総細孔容積は少なくとも0.35立方センチメートル/グラムである、条項23に記載の方法。
【0123】
25.新たなガス混合物中の酸素の濃度を検知することは、反応の開始後に所定の時間期間が経過した後にのみ新たなガス混合物中の酸素の濃度を検知することを含む、条項1に記載の方法。
【0124】
26.混合ガスの一部は排気ガスであり、混合ガスの一部を金属酸化物と反応させて酸素を含む新たなガス混合物を形成することは排気ガスからフッ素を除去することを含む、条項1に記載の方法。
【0125】
27.検知した酸素濃度に基づいて混合ガスの一部中のフッ素の濃度を推定することは、検知した酸素濃度及び混合ガスの一部中のフッ素と金属酸化物との化学反応のみに基づいて推定を行うことを含む、条項1に記載の方法。
【0126】
28.混合ガスの一部中のフッ素の濃度は約500~2000ppmである、条項1に記載の方法。
【0127】
29. 酸素を含む新たなガス混合物を形成するための混合ガスの一部中のフッ素と金属酸化物との反応は安定している、条項1に記載の方法。
【0128】
30.混合ガスの一部中のフッ素を金属酸化物と反応させて酸素を含む新たなガス混合物を形成することは、線形であると共に混合ガスの一部中のフッ素の濃度と新たなガス混合物中の酸素の濃度との間に直接的な相関関係がある反応を実行することを含む、条項1に記載の方法。
【0129】
31.ガス供給部セットからガス放電チャンバに第1のガス混合物を加えることによって第1のガス更新を実行することと、
第1のガス更新後、ガス放電チャンバから混合ガスの少なくとも一部を取り出すことであって、混合ガスはフッ素を含む、ことと、
取り出した混合ガスの一部のフッ素を反応物と反応させて、酸素を含む新たなガス混合物を形成することと、
新たなガス混合物中の酸素の濃度を検知することと、
検知した酸素濃度に基づいて取り出した混合ガスの一部中のフッ素の濃度を推定することと、
取り出した混合ガスの一部中のフッ素の推定した濃度に基づいてガス供給部セットからの第2のガス混合物中のフッ素の相対濃度を調整することと、
調整した第2のガス混合物をガス供給部からガス放電チャンバに加えることによって第2のガス更新を実行することと、
を含む方法。
【0130】
32.新たなガス混合物中のフッ素の濃度が、新たなガス混合物中の酸素の濃度を検知するセンサの損傷閾値及びエラー閾値のうち1つ以上に基づく低値未満に低下したか否かを判定することを更に含み、
新たなガス混合物中の酸素の濃度を検知することは、新たなガス混合物中のフッ素の濃度が低値未満に低下したことが判定された場合にのみ新たなガス混合物中の酸素の濃度を検知することを含む、条項31に記載の方法。
【0131】
33.反応物は金属酸化物を含む、条項31に記載の方法。
【0132】
34.ガス放電チャンバ内の混合ガスは、少なくとも利得媒質及び緩衝ガスの混合物を含むエキシマレーザガスを含む、条項31に記載の方法。
【0133】
35.検知した酸素濃度に基づいて取り出した混合ガスの一部中のフッ素の濃度を推定することは、取り出した混合ガスの一部中のフッ素の濃度を測定することなく取り出した混合ガスの一部中のフッ素の濃度を推定することを含む、条項31に記載の方法。
【0134】
36.エキシマガス放電システムの1つ以上のガス放電チャンバに流体接続されたガス供給システムを含むガス維持システムと、
エキシマガス放電システムの各ガス放電チャンバに流体接続された検出装置であって、
金属酸化物を収容すると共にガス放電チャンバに流体接続された反応キャビティを画定し、ガス放電チャンバからフッ素を含む混合ガスを反応キャビティ内に受容するための容器であって、受容した混合ガスのフッ素と金属酸化物との反応によって酸素を含む新たなガス混合物を形成することを可能とする容器と、
新たなガス混合物に流体接続されるように、及び、新たなガス混合物に流体接続された場合に新たなガス混合物中の酸素の量を検知するように構成された酸素センサと、
を含む検出装置と、
ガス維持システム及び検出装置に接続された制御システムであって、
酸素センサの出力を受信し、ガス放電チャンバから受容された混合ガス中のフッ素の濃度を推定し、
混合ガス中のフッ素の推定された濃度に基づいて、ガス維持システムのガス供給システムからのガス混合物中のフッ素の濃度を調整するべきか否かを判定し、
ガス放電チャンバに対するガス更新中に、ガス維持システムのガス供給システムからガス放電チャンバに供給されるガス混合物中のフッ素の相対濃度を調整するため信号をガス維持システムに送信する、
ように構成されている制御システムと、
を備える装置。
【0135】
37.エキシマガス放電システムの各ガス放電チャンバは、エネルギ源を収容し、利得媒質及びフッ素を含むエキシマレーザガスを含むガス混合物を含む、条項36に記載の装置。
【0136】
38.検出装置は、反応キャビティに流体接続されると共に新たなガス混合物中のフッ素の濃度が低値未満に低下したか否かを判定するよう構成されたフッ素センサも含み、低値は、酸素センサの損傷閾値及びエラー閾値のうち1つ以上に基づいて決定された値であり、
制御システムはフッ素センサに接続され、制御システムは、
フッ素センサから、新たなガス混合物中のフッ素の濃度が低値未満に低下したという判定を受信し、
新たなガス混合物中のフッ素の濃度が低値未満に低下したことが判定された場合に、酸素センサが新たなガス混合物と相互作用することのみを可能とする、
ように構成されている、条項36に記載の装置。
【0137】
39.検出装置は、反応容器の反応キャビティに流体接続された測定容器を更に含み、測定容器は、新たなガス混合物を受容するよう構成されている測定キャビティを画定し、
酸素センサは、測定キャビティ内の新たなガス混合物中の酸素の量を検知するよう構成されている、条項36に記載の装置。
【0138】
40.酸素センサは、新たなガス混合物中のフッ素の濃度が低値未満に低下した場合にのみ許容可能範囲内で動作するよう構成されている、条項36に記載の装置。
【0139】
41.取り出した混合ガスの一部中のフッ素の濃度は約500~2000ppmである、条項36に記載の装置。
【0140】
42.エキシマガス放電システムは複数のガス放電チャンバを含み、検出装置は複数の各ガス放電チャンバに流体接続されており、検出装置は複数の容器を含み、各容器は金属酸化物を収容している反応容器を画定し、各容器はガス放電チャンバのうち1つに流体接続され、検出装置は複数の酸素センサを含み、各酸素センサは1つの容器に関連付けられている、条項36に記載の装置。
【0141】
43.エキシマガス放電システムは複数のガス放電チャンバを含み、検出装置は複数の各ガス放電チャンバに流体接続されており、検出装置は複数の容器を含み、各容器は金属酸化物を収容している反応容器を画定し、各容器はガス放電チャンバのうち1つに流体接続され、検出装置は、容器の全てに流体接続されている単一の酸素センサを含む、条項36に記載の装置。
【0142】
[0109] 他の実施も以下の特許請求の範囲の範囲内である。