(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-03
(45)【発行日】2023-04-11
(54)【発明の名称】選択的な膜成長のための原子層堆積の方法
(51)【国際特許分類】
C23C 16/04 20060101AFI20230404BHJP
C23C 16/14 20060101ALI20230404BHJP
H01L 21/285 20060101ALI20230404BHJP
【FI】
C23C16/04
C23C16/14
H01L21/285 Z
H01L21/285 301
(21)【出願番号】P 2019571287
(86)(22)【出願日】2018-06-22
(86)【国際出願番号】 EP2018066820
(87)【国際公開番号】W WO2018234567
(87)【国際公開日】2018-12-27
【審査請求日】2021-06-15
(32)【優先日】2017-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591032596
【氏名又は名称】メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D-64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】レーン,ジャン-セバスティアン
(72)【発明者】
【氏名】デゼラー,チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】ウッドラフ,ジェイコブ
【審査官】神▲崎▼ 賢一
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-190020(JP,A)
【文献】特表2016-528384(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0050807(US,A1)
【文献】特開2015-232177(JP,A)
【文献】特表2015-512568(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 16/04
C23C 16/14
H01L 21/285
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子層堆積によって金属含有膜を形成する方法であって、当該方法は、金属含有錯体、パージガス、および共反応体を、
第1の基板に送達する工程を含み、
前記送達する工程は、下記(i)、(ii)、または(iii)の条件下で行われ、
(i)~(iii)の条件は、
(i)
前記金属含有錯体が、金属を蒸着し、前記金属含有膜をエッチングする
ために十分な条件、
(ii)
前記金属含有錯体が、金属を蒸着し、前記金属含有膜をエッチングし、
蒸着した該金属の前記金属含有膜からの脱離を可能にする
ために十分な条件、
(iii)
前記金属含有錯体が、金属を蒸着し、
蒸着した該金属の前記金属含有膜からの脱離を可能にする
ために十分な条件、
であり、
前記金属含有膜は、前記第1の基板の少なくとも一部の上で選択的に成長し
、
前記金属含有錯体は、遷移金属、ランタニド金属、アクチニド金属、アルミニウム、ガリウム、インジウム、ケイ素、ゲルマニウム、錫、鉛、ヒ素、アンチモン、ビスマス、セレン、およびテルルからなる群から選択される金属を含み、
前記遷移金属は、Mo、V、Nb、Fe、Ti、Ta、Co、およびNiからなる群から選択され、
前記条件は、前記金属含有膜が前記第1の基板内のフィーチャの下部で選択的に成長するのに十分なスーパーコンフォーマル成長サイクルを含む、方法。
【請求項2】
前記共反応体が、
(i)金属を蒸着し、前記金属含有膜をエッチングする
、
(ii)金属を蒸着し、前記金属含有膜をエッチングし、前記金属含有膜からの脱離を可能にする、または
、
(iii)金属を蒸着し、前記金属含有膜からの脱離を可能にする
、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(i)前記金属含有錯体の蒸着速度が、前記フィーチャの上部よりも前記フィーチャの下部において高く、および/または(ii)前記金属含有錯体のエッチング速度および/または脱離速度が前記フィーチャの下部よりも前記フィーチャの上部において高い、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記フィーチャが、
(i)約5nm以上の深さ、
(ii)不均一な幅、
(iii)約1000nm以下の幅、
(iv)前記フィーチャの約5.0%~約100%が充填されている、
(v)前記フィーチャ内に実質的に空隙がない、
のうち一つ以上を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記フィーチャが、
(i)約5nm~約3000nmの深さ、
(ii)前記フィーチャが当該フィーチャの上部と比較して、下部においてより広い、
(iii)約1nm~約1000nmの幅、
のうち一つ以上を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記条件が、
前記金属含有錯体、前記パージガスおよび前記共反応体をコンフォーマル条件下で基板に送達する工程を含むコンフォーマル成長サイクルであって、第1のシリーズの一つ以上のコンフォーマル成長サイクルを含むコンフォーマル成長サイクル
、
前記金属含有錯体、前記パージガスおよび前記共反応体をサブコンフォーマル条件下で基板に送達する工程を含むサブコンフォーマル成長サイクルであって、第3のシリーズの一つ以上のサブコンフォーマル成長サイクルを含むサブコンフォーマル成長サイクル
、
前記金属含有錯体および前記パージガスをエッチング条件下で基板に送達する工程を含むエッチングサイクルであって、第4のシリーズの一つ以上のエッチングサイクルを含むエッチングサイクル、
のうち一つ以上をさらに含み、
前記スーパーコンフォーマル成長サイクルは、第2のシリーズの一つ以上のスーパーコンフォーマル成長サイクルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のシリーズのコンフォーマル成長サイクルが、1~10サイクルを含み、
前記第3のシリーズのサブコンフォーマル成長サイクルは、1~10サイクルを含み、
前記第4のシリーズのエッチングサイクルは、1~10サイクルを含み、
前記第2のシリーズのスーパーコンフォーマル成長サイクルが、1~10サイクルを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記
金属含有膜は、第2の基板上の前記第1の基板の少なくとも一部の上で選択的に成長する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の基板が、前記第2の基板とは異なるエッチング/脱離に対する蒸着の比を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記パージガスの送達の持続時間は、前記第2の基板上での成長が抑制されている間、前記第1の基板上での成長が促進されるように、前記金属含有錯体と前記共反応体との送達の間で変化する、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の基板および前記第2の基板は、それぞれ独立して、シリカ、窒化チタンおよびモリブデンからなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記金属含有膜が、1.5nm未満、または膜厚の5%未満の二乗平均平方根粗さを有し
、または、
前記金属含有膜が、0.8nm未満、または膜厚の2%未満の二乗平均平方根粗さを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記金属含有錯体が、
ハロゲン、アルコキシ、アミジネート、ジアルキルアミド、アルキルスルフィド、ジアルキルホスフィド、N,N’-ジアルキルアミジネート、少なくとも一つのアルキルおよび/または少なくとも一つのシリルで任意に置換されたシクロペンタジエニル、カルボキシレート、イミド、アセチルアセトネート、水素化物、ジケチミネート、モノイミノケチミネート、トリアルキルシリル、トリヒドロシリル、ジアルキルヒドロシリル、アルキルジヒドロシリル、トリアルキルゲルマニル、トリヒドロゲルマニル、ジアルキルヒドロゲルマニル、アルキルジヒドロゲルマニル、トリアルキルスタニル、トリヒドロスタニル、アルキルジヒドロスタニル、少なくとも一つのシリルで任意に置換されたアミド、シロキシ、一つ以上の水素化物、アルキルおよび/またはシリルで任意に置換されたホルムアミジネート、一つ以上の水素化物、アルキルおよび/またはシリルで任意に置換されたアセトアミジネート、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、一つ以上のリガンド
、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記金属含有錯体が、一つ以上のハロゲンリガンドを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記金属含有錯体がMoCl
5である、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記パージガスが、不活性ガスおよび/または水素を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記共反応体が、
【化1】
1,4-ビス-トリメチルシリル-2-メチル-シクロヘキサ-2,5-ジエン、1-トリメチルシリルシクロヘキサ-2,5-ジエン、および1,4-ビス-トリメチルシリル-1,4-ジヒドロピラジンからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
原子層堆積によって金属含有膜を形成する方法であって、当該方法は、金属含有錯体、パージガス、および共反応体を、
第1の基板に送達する工程を含み、
前記送達する工程は、下記(i)、(ii)、または(iii)の条件下で行われ、
(i)~(iii)の条件は、
(i)
前記金属含有錯体が、金属を蒸着し、前記金属含有膜をエッチングする
ために十分な条件、
(ii)
前記金属含有錯体が、金属を蒸着し、前記金属含有膜をエッチングし、
蒸着した該金属の前記金属含有膜からの脱離を可能にする
ために十分な条件、
(iii)
前記金属含有錯体が、金属を蒸着し、
蒸着した該金属の前記金属含有膜からの脱離を可能にする
ために十分な条件、
であり、
前記金属含有膜が第1の基板の少なくとも一部の上で選択的に成長し、
前記金属含有錯体は、遷移金属、ランタニド金属、アクチニド金属、アルミニウム、ガリウム、インジウム、ケイ素、ゲルマニウム、錫、鉛、ヒ素、アンチモン、ビスマス、セレン、およびテルルからなる群から選択される金属を含み、
前記遷移金属は、Mo、V、Nb、Fe、Ti、Ta、Co、およびNiからなる群から選択され
、
前記条件は、
(i)前記金属含有錯体、前記パージガスおよび前記共反応体をコンフォーマル条件下で前記
第1の基板に送達する工程を含むコンフォーマル成長サイクル
、
(ii)前記金属含有錯体、前記パージガスおよび前記共反応体をスーパーコンフォーマル条件下で前記
第1の基板に送達する工程を含むスーパーコンフォーマル成長サイクル
、および、
(iii)前記金属含有錯体、前記パージガスおよび前記共反応体をサブコンフォーマル条件下で前記
第1の基板に送達する工程を含むサブコンフォーマル成長サイクル、
の一つ以上を含む、方法。
【請求項19】
前記金属含有膜が、1.5nm未満、または膜厚の5%未満の二乗平均平方根粗さを有し
、または、
前記金属含有膜が、0.8nm未満、または膜厚の2%未満の二乗平均平方根粗さを有する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記条件が、
(iv)前記金属含有錯体および前記パージガスをエッチング条件下で前記
第1の基板に送達する工程を含むエッチングサイクル、
をさらに含む請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本技術は一般に、少なくとも一つの基板上における、選択的な金属含有膜成長のための蒸着方法、特に原子層堆積(ALD)に関する。
【0002】
〔背景技術〕
薄膜、特に金属含有薄膜には、ナノテクノロジーおよび半導体デバイスの製造などの様々な重要な用途がある。そのような用途の例として、高屈折率光学的被膜、腐食保護被膜、光触媒自己洗浄ガラス被膜、生体適合性被膜、電界効果トランジスタ(FET)における誘電体キャパシタ層およびゲート誘電体絶縁膜、キャパシタ電極、ゲート電極、付着性分散バリア、および集積回路が含まれる。金属薄膜および誘電体薄膜は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)用の高κ誘電体酸化物、および赤外線検出器や不揮発性強誘電体ランダムアクセスメモリ(NV-FeRAM)に使用される強誘電体ペロブスカイトなどの超小型電子用途にも使用される。
【0003】
金属含有薄膜を形成するために様々な前駆体が使用され、様々な蒸着技術を使用することができる。このような技術には、反応性スパッタリング、イオンアシスト蒸着、ゾルゲル蒸着、化学気相蒸着(CVD)(有機金属CVDまたはMOCVDとしても知られている)、および原子層堆積(ALD)(原子層エピタキシーとしても知られている)が挙げられる。CVDおよびALDのプロセスは、合成制御の向上、高い膜均一性、およびドーピングの効果的な制御といった利点を有するため、ますます使用されている。
【0004】
CVDは、基板表面上に薄膜を形成するために前駆体を使用する化学プロセスである。典型的なCVDプロセスにおいて、前駆体は、低圧または大気圧の反応チャンバ内で基板(例えば、ウェーハ)の表面上を通過する。前駆体は、基板表面上で反応および/または分解し、蒸着材料の薄膜を形成する。揮発性の副生成物は、反応チャンバを通るガスフローによって除去される。蒸着膜厚は、温度、圧力、ガスフロー体積および均一性、化学的減耗効果、ならびに時間などの多くの指標の組み合わせに依存するため、制御が困難であり得る。
【0005】
ALDもまた、薄膜を蒸着する方法である。ALDは、正確な厚さ制御を可能にし、様々な組成の表面基板上に前駆体由来の材料のコンフォーマルな薄膜を蒸着することができる、表面反応に基づく自己制限的、連続的で独特な膜成長技術である。ALDにおいては、前駆体は反応中に分離される。第1の前駆体は、基板表面上を通過し、基板表面上に単層を生成する。過剰の未反応の前駆体は、反応チャンバからポンプで排出される。次に、第2の前駆体は、基板表面上を通過し、第1の前駆体と反応して、基板表面上の第1の形成された単層膜上に第2の単層膜を形成する。このサイクルを繰り返すことで、所望の厚さの膜を作製する。
【0006】
しかしながら、半導体デバイスなどの超小型電子部品のサイズの継続的な縮小により、いくつかの技術的課題が発生し、薄膜技術の改善の必要性を増大させている。特に、超小型電子部品は基板上または基板内にフィーチャを含むことができ、フィーチャは、例えば、導電性経路を形成するために、または相互接続を形成するために、充填を必要とする。特に、継続的に縮小する超小型電子部品において、このようなフィーチャを充填することは、フィーチャがさらに薄くなるか、または狭くなる可能性があるので、困難になり得る。その結果、例えばALDによりフィーチャを完全に充填するためには、フィーチャの厚さがゼロに近づくにつれて、必要となるサイクル時間が無限に長くなる。さらに、フィーチャの厚さが前駆体の分子のサイズよりも狭くなると、フィーチャを完全に充填することができない。その結果、ALDを実行した場合、フィーチャの中央部分に空洞となる継ぎ目が残る可能性がある。フィーチャ内部にこのような空洞となる継ぎ目が存在すると、デバイスの故障につながる可能性があるため、好ましくない。したがって、薄膜蒸着方法、特に、一つまたは複数の基板上で膜を選択的に成長させることができ、いかなる空隙もなくフィーチャを実質的に充填する方法で金属含有膜を蒸着させることも含めて、基板上または基板内におけるフィーチャの充填の改善を達成できるALD法の開発には、強い関心が寄せられている。
【0007】
〔発明の概要〕
一態様によれば、原子層堆積によって金属含有膜を形成する方法が提供される。この方法は、金属含有錯体、パージガス、および共反応体を第1の基板に送達する工程を含み、これは、金属含有錯体が(i)金属を蒸着させ、金属含有膜をエッチングするために;(ii)金属を蒸着させ、金属含有膜をエッチングし、金属含有膜からの脱離を可能にするために;または(iii)金属を蒸着させ、金属含有膜からの脱離を可能にするために;十分な条件下で行われる。その結果、前記金属含有膜は、第1の基板の少なくとも一部で選択的に成長する。
【0008】
前記で要約した本実施形態の特定の態様を含んでいる他の実施形態は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0009】
〔図面の簡単な説明〕
図1aは、不均一な幅を有するフィーチャ(「凹状フィーチャ」としても知られる)を示す。
【0010】
図1bは、実質的に均一な幅を有するフィーチャを示す。
【0011】
図2aおよび2bは、スーパーコンフォーマル成長の例を示す。
【0012】
【0013】
【0014】
図3は、フィーチャA1の上部およびフィーチャA1の外側の両方に厚いモリブデン膜が蒸着したことを示す、倍率150KのフィーチャA1頂部の斜方向の走査型電子顕微鏡(SEM)画像を提供する。
【0015】
図4は、フィーチャA2の下部に厚いモリブデン膜が蒸着したことを示す、倍率150KでのフィーチャA2底部の垂直方向のSEM画像を提供する。
【0016】
図5は、フィーチャの長さ方向全体にわたって厚いモリブデン膜が蒸着したことを示す、倍率35KのフィーチャA3、A4、およびA5(左から右)の長さ全体の斜方向のSEM画像を提供する。
【0017】
図6は、エネルギー分散型X線分光法(EDS)による、フィーチャA6の内側および外側における、モリブデン量を定量化した6ヶ所の、おおよその位置を示すSEM画像を提供する。
【0018】
図7は、
図6に示す6ヶ所のおおよその位置に対するEDS走査の強度を図示する。
【0019】
図8は、フィーチャA7全体をカバーする長方形内のモリブデン、ケイ素、酸素、およびチタン(EDSによって測定される)の定量化を図示する(最も右側はSEM画像)。
【0020】
図9a(右側)は、蒸着したMo膜における、1μm四方の領域の原子間力顕微鏡(AFM)マップを提供し、蒸着した膜が粗いことを示す。
図9a(左側)は、AFMマップの各ピクセルの高さを示すために使用される色のパレットを示す。
図9bは、高さによるピクセルの分布を示すヒストグラムである。
【0021】
図10は、フィーチャB1の上部およびフィーチャB1の外側に、モリブデンがほとんどまたは全く蒸着されなかったことを示す、倍率150KのフィーチャB1頂部の斜方向のSEM画像を提供する。
【0022】
図11は、モリブデン膜がフィーチャ底部に蒸着したことを示す、倍率150KのフィーチャB2底部の斜方向のSEM画像を提供する。
【0023】
図12は、モリブデン膜がフィーチャB3底部に蒸着したことを示す、倍率150KのフィーチャB3底部の斜方向のSEM画像を提供する。
【0024】
図13は、倍率35KのフィーチャB4、B5、およびB6(左から右)それぞれの長さ全体の斜方向のSEM画像を提供し、モリブデン膜がフィーチャ下部に蒸着したことを示す。
【0025】
図14は、倍率35KのフィーチャB7、B8、およびB9(左から右)それぞれの長さ全体の垂直方向のSEM画像を提供し、モリブデン膜がフィーチャ下部に蒸着したことを示す。
【0026】
図15は、EDSによる、フィーチャB10の内側および外側の、モリブデン量を定量化した6ヶ所の、おおよその位置を示すSEM顕微鏡写真を提供する。
【0027】
図16は、
図14に示す6ヶ所のおおよその位置に対するEDS走査の強度を図示する。
【0028】
図17aは、フィーチャB11(右側のフィーチャ)におけるEDSライン走査の位置を示すSEM画像であり、
図17bは、フィーチャB11の長さ方向に沿ったモリブデン強度のEDSカウントを示す。
図17bのEDS強度カウントの右側はフィーチャB11の頂部に対応し、EDS強度カウントの左側はフィーチャB11の底部に対応する。
【0029】
図18aは、フィーチャB12(中央のフィーチャ)におけるEDSライン走査の位置を示すSEM画像であり、
図18bは、フィーチャB12の長さ方向に沿ったモリブデン強度のEDSカウントを示す。
図18bのEDS強度カウントの右側はフィーチャB12の頂部に対応し、EDS強度カウントの左側はフィーチャB12の底部に対応する。
【0030】
図19は、倍率150KのフィーチャC1頂部の斜方向のSEM画像を提供し、フィーチャC1の上部およびフィーチャC1の外側に、モリブデンがほとんどまたは全く蒸着しなかったことを示す。
【0031】
図20は、厚いモリブデン膜がフィーチャC2の下部に蒸着したことを示す、倍率150KのフィーチャC2底部の垂直方向のSEM画像を提供する。このモリブデン膜は、試料の劈開中に破壊されなかった。
【0032】
図21は、厚いモリブデン膜がフィーチャC3の下部に蒸着したことを示す、倍率150KのフィーチャC3底部の斜方向のSEM画像を提供する。このモリブデン膜は、試料の劈開中に破壊された。
【0033】
図22は、倍率35KのフィーチャC4、C5、およびC6(左から右)それぞれの長さ全体の斜方向のSEM画像を提供し、モリブデン膜がフィーチャ下部に蒸着したことを示す。
【0034】
図23aは、フィーチャC7におけるEDSライン走査の位置を示すSEM画像であり、
図23bは、フィーチャC7の長さ方向に沿ったモリブデン強度のEDSカウントを示す。
図23bのEDS強度カウントの右側はフィーチャC7の頂部に対応し、EDS強度カウントの左側はフィーチャC7の底部に対応する。
【0035】
図24aは、モリブデン強度(インサート、左側)のEDSカウントがフィーチャC8に沿って測定された位置を示すための、倍率35KのフィーチャC8(矢印で示されるフィーチャ)長さ全体の斜方向のSEM画像である。
図24bは、フィーチャC8の底部におけるモリブデンの領域を図示する、
図24aのSEM画像の拡大図(倍率150K)を示す。
図24cは、
図24bに示されるフィーチャC8領域内のモリブデンの定量(EDSによって測定され、15keVで収集したデータ)である。
図24dは、フィーチャC8の長さ方向に沿ったモリブデン強度のEDSカウントを示す。
図24dのEDS強度カウントの右側はフィーチャC8の頂部に対応し、
図24dのEDS強度カウントの左側はフィーチャC8の底部に対応する。
【0036】
図25は、フィーチャD1の上部およびフィーチャD1の外側に、モリブデンがほとんどまたは全く蒸着しなかったことを示す、倍率150KのフィーチャD1頂部の斜方向のSEM画像を提供する。
【0037】
図26は、厚いモリブデン膜がフィーチャD2の下部に蒸着したことを示す、倍率150KのフィーチャD2底部の斜方向のSEM画像を提供する。
【0038】
図27は、フィーチャ内のモリブデン量がフィーチャ上部から下部までどのように変化するかを示す、倍率35KのフィーチャD3、D4、およびD5(左から右)それぞれの長さ全体の斜方向のSEM画像を提供する。
【0039】
図28は、フィーチャ内のモリブデン量がフィーチャ上部から下部までどのように変化するかを示す、倍率35KのフィーチャD6、D7、およびD8(左から右)それぞれの長さ全体の斜方向のSEM画像を提供する。
【0040】
図29aは、フィーチャD9におけるEDSライン走査の位置を示すSEM画像であり、
図29bは、フィーチャD9の長さ方向に沿ったモリブデン強度のEDSカウントを示す。
図29bのEDS強度カウントの右側はフィーチャD9の底部に対応し、EDS強度カウントの左側はフィーチャD9の頂部に対応する。
【0041】
図30aは、フィーチャD10におけるEDSライン走査の位置を示すSEM画像である。
図30bは、フィーチャD10の長さ方向に沿ったモリブデン強度のEDSカウントを示す。
図30bのEDS強度カウントの右側はフィーチャD10の底部に対応し、EDS強度カウントの左側はフィーチャD10の頂部に対応する。
【0042】
図31aは、フィーチャD11におけるEDSライン走査の位置を示すSEM画像である。
図31bは、フィーチャD11の長さ方向に沿ったモリブデン強度のEDSカウントを示す。
図31bのEDS強度カウントの右側はフィーチャD11の頂部に対応し、EDS強度カウントの左側はフィーチャD11の底部に対応する。
【0043】
図32aは、フィーチャD12におけるEDSライン走査の位置を示すSEM画像である。
図32bは、フィーチャD12の長さ方向に沿ったモリブデン強度のEDSカウントを示す。
図32bのEDS強度カウントの右側はフィーチャD12の頂部に対応し、EDS強度カウントの左側はフィーチャD12の底部に対応する。
【0044】
図33aは、倍率35KのフィーチャD13、D14、D15、D16、D17、D18、D19、D20、D21およびD22(左から右)それぞれの長さ全体の斜方向のSEM画像を提供し、モリブデン膜がフィーチャ下部に蒸着したことを示す。
図33b、33c、および33dはそれぞれ、代表的なフィーチャ内の位置関数としてのモリブデンの定量化(EDSによって測定され、15keVで収集したデータ)を示し、これは、モリブデンがどのようにフィーチャ下部にのみ存在したかを図示する。
図33bでは、EDS強度カウントの右側はフィーチャ底部に対応し、EDS強度カウントの左側はフィーチャ頂部に対応する。
図33cにおいて、EDS強度カウントの右側はフィーチャ底部に対応し、EDS強度カウントの左側はフィーチャ頂部に対応する。
図33dにおいて、EDS強度カウントの右側はフィーチャ頂部に対応し、EDS強度カウントの左側はフィーチャ底部に対応する。
【0045】
図34は、
図33aに示されるのと同じ10個のフィーチャをカバーするマップ上の位置関数としてのモリブデンの定量化(EDSによって測定され、15keVで収集したデータ)を図示する。
【0046】
図35は、厚いモリブデン膜がフィーチャE1の上部およびフィーチャE1の外側に蒸着したことを示す、倍率150KのフィーチャE1頂部の斜方向のSEM画像を提供する。
【0047】
図36は、厚いモリブデン膜がフィーチャE2の下部に蒸着したことを示す、倍率150KのフィーチャE2底部の垂直方向のSEM画像を提供する。
【0048】
図37は、フィーチャ内のモリブデン量がフィーチャ上部から下部までどのように変化するかを示し、厚いモリブデン膜がフィーチャの長さ全体にわたって蒸着したことを示す、倍率35KのフィーチャE3、E4、およびE5(左から右)それぞれの長さ全体の垂直方向のSEM画像を提供する。
【0049】
図38aは、フィーチャE6におけるEDSライン走査の位置を示すSEM画像であり、
図38bは、フィーチャE6の長さ方向に沿ったモリブデン強度のEDSカウントを示す。
図29bのEDS強度カウントの右側はフィーチャE6の底部に対応し、EDS強度カウントの左側はフィーチャE6の頂部に対応する。
【0050】
図39aは、フィーチャE7におけるEDSライン走査の位置を示すSEM画像であり、
図39bは、フィーチャE7の長さ方向に沿ったモリブデン強度のEDSカウントを示す。
図39bのEDS強度カウントの右側はフィーチャE7の頂部に対応し、EDS強度カウントの左側はフィーチャE7の底部に対応する。
【0051】
図40は、フィーチャE8全体をカバーする長方形内のモリブデン、ケイ素、酸素、およびチタン(EDSによって測定される)の定量化を図示する(右端に示されるSEM画像)。
【0052】
図41は、フィーチャE9全体をカバーする長方形内のモリブデン、ケイ素、酸素、およびチタン(EDSによって測定される)の定量化を示す(右端に示されるSEM画像)。
【0053】
図42a(右側)は、蒸着したMo膜における1μm四方の領域のAFMマップを提供し、蒸着した膜が粗いことを示す。
図42a(左側)は、AFMマップの各ピクセルの高さを示すために使用される色のパレットを示す。
図42bは、高さによるピクセルの分布を示すヒストグラムである。
【0054】
図43は、厚いモリブデン膜がフィーチャF1の上部およびフィーチャF1の外側に蒸着したことを示す、倍率150KのフィーチャF1頂部の斜方向のSEM画像を提供する。
【0055】
図44は、厚いモリブデン膜がフィーチャF2の上部およびフィーチャF2の外側に蒸着したことを示す、倍率150KのフィーチャF2頂部の垂直方向のSEM画像を提供する。
【0056】
図45は、厚いモリブデン膜がフィーチャF3の下部に蒸着したことを示す、倍率150KのフィーチャF3底部の斜方向のSEM画像を提供する。
【0057】
図46は、倍率35KのフィーチャF4、F5、およびF6(左から右)それぞれの長さ全体の斜方向のSEM画像を提供し、フィーチャ内のモリブデン量がフィーチャ上部から下部までどのように変化するかを示し、厚いモリブデンの膜がフィーチャの長さ全体にわたって蒸着したことを示す。
【0058】
図47aは、フィーチャF7におけるEDSライン走査の位置を示すSEM画像であり、
図47bは、フィーチャF7の長さ方向に沿ったモリブデン強度のEDSカウントを示す。
図47bのEDS強度カウントの右側はフィーチャF7の頂部に対応し、EDS強度カウントの左側はフィーチャF7の底部に対応する。
【0059】
図48aは、フィーチャF8におけるEDSライン走査の位置を示すSEM画像であり、
図48bは、フィーチャF8の長さ方向に沿ったモリブデン強度のEDSカウントを示す。
図48bのEDS強度カウントの右側はフィーチャF8の底部に対応し、EDS強度カウントの左側はフィーチャF8の頂部に対応する。
【0060】
図49は、フィーチャF9全体をカバーする長方形内のモリブデン、ケイ素、酸素、およびチタン(EDSによって測定される)の定量化を示す(
図49の右端に提供されるSEM画像)。
【0061】
図50a(右側)は、蒸着したMo膜における1μm四方の領域のAFMマップを提供し、蒸着した膜が粗いことを示す。
図50a(左側)は、AFMマップの各ピクセルの高さを示すために使用される色のパレットを示す。
図50bは、高さによるピクセルの分布を示すヒストグラムである。
【0062】
図51は、厚いモリブデン膜がフィーチャG1の上部およびフィーチャG1の外側に蒸着したことを示す、倍率150KのフィーチャG1頂部の斜方向のSEM画像を提供する。このモリブデン膜は、試料の劈開中に破壊されなかった。
【0063】
図52は、倍率150KのフィーチャG2頂部の垂直方向のSEM画像を提供し、厚いモリブデン膜がフィーチャG2の上部およびフィーチャG2の外側に蒸着したことを示す。このモリブデン膜は、試料の劈開中に破壊されなかった。
【0064】
図53は、厚いモリブデン膜がフィーチャG3の下部に蒸着したことを示す、倍率150KのフィーチャG3底部の垂直方向のSEM画像を提供する。このモリブデン膜は、試料の劈開中に破壊されなかった。
【0065】
図54は、厚いモリブデン膜がフィーチャの長さ全体にわたって蒸着したことを示す、倍率35KのフィーチャG4、G5、G6、G7、およびG8(左から右)それぞれの長さ全体の斜方向のSEM画像を提供する。フィーチャからのモリブデン膜は、サンプルの劈開中に破壊されなかった。
【0066】
図55は、厚いモリブデン膜がフィーチャの長さ全体にわたって蒸着したことを示す、倍率35KのフィーチャG9、G10、およびG11(左から右)それぞれの長さ全体の垂直方向のSEM画像を提供する。フィーチャからのモリブデン膜は、サンプルの劈開中に破壊されなかった。
【0067】
図56aは、フィーチャG12におけるEDSライン走査の位置を示すSEM画像であり、
図56bは、フィーチャG12の長さ方向に沿ったモリブデン強度のEDSカウントを示す。
図56bのEDS強度カウントの右側はフィーチャG12の頂部に対応し、EDS強度カウントの左側はフィーチャG12の底部に対応する。
【0068】
図57は、フィーチャG13全体をカバーする長方形内の酸素、ケイ素、チタン、およびモリブデン(EDSによって測定され、15keVで収集したデータ)の定量化を示す(
図57の右端に提供されるSEM画像)。
【0069】
図58a(右側)は、蒸着したMo膜における1μm四方の領域のAFMマップを提供し、蒸着した膜が非常に滑らかであったことを示す。
図58a(左側)は、AFMマップの各ピクセルの高さを示すために使用される色のパレットを示す。
図58bは、高さによるピクセルの分布を示すヒストグラムである。
【0070】
図59は、厚いモリブデン膜がフィーチャH1の上部およびフィーチャH1の外側に蒸着したことを示す、倍率150KのフィーチャH1頂部の斜方向のSEM画像を提供する。このモリブデン膜は、試料の劈開中に破壊されなかった。
【0071】
図60は、厚いモリブデン膜がフィーチャH2の上部およびフィーチャH2の外側に蒸着したことを示す、倍率150KのフィーチャH2頂部の垂直方向のSEM画像を提供する。このモリブデン膜は、試料の劈開中に破壊されなかった。
【0072】
図61は、厚いモリブデン膜がフィーチャH3の下部に蒸着したことを示す、倍率150KのフィーチャH3底部の斜方向のSEM画像を提供する。このモリブデン膜は、試料の劈開中に破壊されなかった。
【0073】
図62は、厚いモリブデン膜がフィーチャ下部に蒸着したことを示す、倍率150KのフィーチャH4の底部の垂直方向のSEM画像を提供する。このモリブデン膜は、試料の劈開中に破壊されなかった。
【0074】
図63は、厚いモリブデン膜がフィーチャの長さ全体にわたって蒸着したことを示す、倍率35KのフィーチャH5、H6、H7、H8、およびH9(左から右へ)それぞれの長さ全体の斜方向のSEM画像を提供する。フィーチャからのモリブデン膜は、サンプルの劈開中に破壊されなかった。
【0075】
図64aは、フィーチャH10におけるEDSライン走査の位置を示すSEM画像であり、
図64bは、フィーチャH10の長さ方向に沿ったモリブデン強度のEDSカウントを示す。
図64bのEDS強度カウントの右側はフィーチャH10の頂部に対応し、
図65bのEDS強度カウントの左側はフィーチャH10の底部に対応する。このモリブデン膜は、試料の劈開中に破壊されなかった。
【0076】
図65は、フィーチャH11全体をカバーする長方形内の酸素、ケイ素、チタン、およびモリブデン(EDSによって測定され、15keVで収集したデータ)の定量化を示す(
図65の右端に提供されるSEM画像)。
【0077】
図66a(右側)は、蒸着したMo膜における1μm四方の領域のAFMマップを提供し、蒸着した膜が非常に滑らかであったことを示す。
図66a(左側)は、AFMマップの各ピクセルの高さを示すために使用される色のパレットを示す。
図66bは、高さによるピクセルの分布を示すヒストグラムである。
【0078】
図67は、厚いモリブデン膜がフィーチャの長さ全体にわたって蒸着し、フィーチャの外側のモリブデン蒸着が著しく少ないことを示す、倍率35KのフィーチャI1、I2、およびI3(左から右)それぞれの長さ全体の斜方向SEM画像を提供する。左フィーチャI1のモリブデン膜はサンプル劈開中に破壊されず、右フィーチャI3および中央フィーチャI2のモリブデン膜はサンプル劈開中に破壊された。
【0079】
図68は、厚いモリブデン膜がフィーチャI4の下部に蒸着したことを示す、倍率200KのフィーチャI4底部の斜方向のSEM画像を提供する。このモリブデン膜は、試料の劈開中に破壊されなかった。
【0080】
図69は、厚いモリブデン膜がフィーチャI5の上部に蒸着し、フィーチャI5の外側のモリブデン蒸着が著しく少ないことを示す、倍率200KのフィーチャI5頂部の斜方向のSEM画像を提供する。このモリブデン膜は、試料の劈開中に破壊されなかった。
【0081】
図70は、フィーチャI6全体をカバーする長方形内のモリブデン、ケイ素、および酸素(EDSによって測定され、15keVで収集したデータ)の定量化を示す(
図70の左端に提供されるSEM画像)。
【0082】
図71aは、モリブデン膜がフィーチャの長さ全体にわたって蒸着したことを示す、倍率350K、深さ100nmの三つのフィーチャJ1、J2、およびJ3(白い長方形の内側、左から右)の垂直方向のSEM画像を提供する。このモリブデン膜は、試料の劈開中に破壊されなかった。
図71bは、フィーチャJ1、J2、およびJ3全体をカバーする白い長方形内の、EDS(15keVのエネルギーを有する)によって測定したモリブデン(左)、ケイ素(中央)、および酸素(右)の定量化を図示する。
【0083】
図72は、モリブデン膜がフィーチャ下部に蒸着したことを示す、フィーチャK1、K2、K3、K4、K5、K6、およびK7(左から右)それぞれの、深さ600nmを有する領域の、倍率100K、斜方向のSEM画像を提供する。
【0084】
図73は、SiO
2、TiNおよびMo基板上に蒸着したMoの厚さ(nm)をサイクル数の関数として図示する。
【0085】
図74は、パージガス送達の異なる持続時間に対する厚さ(nm)をサイクル数の関数として図示する。
【0086】
〔詳細な説明〕
本技術のいくつかの例示的な実施形態を説明する前に、本技術は、以下の記述で説明される構成またはプロセス工程の細部に限定されないことを理解されたい。本技術は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施または実行されることが可能である。また、金属錯体および他の化合物は、特定の立体化学的な配置を有する構造式を用いて本明細書に図示することができることもまた理解されたい。これらの図示は、例としてのみ意図され、開示された構造を特定の立体化学に限定するものとして解釈されるべきではない。むしろ、図示された構造は、示された化学式を有する全てのそのような金属錯体および化合物を包含することを意図する。
【0087】
本出願人は、一つまたは複数の基板上に金属含有膜を選択的に成長させることができる、蒸着を実施する方法、特にALDを実施する方法を発見した。特に、基板上に金属含有膜を成長させる蒸着方法中に、金属含有錯体が基板上に化学種(例えば、金属)を蒸着させることで膜を形成でき、金属含有錯体が基板上に既に形成された膜をエッチング除去できる、すなわち、以前に蒸着された膜の一部を除去できることが発見された。さらに、蒸着した化学種は、プロセス中に膜から脱離することもできる。したがって、予想外にも、例えば使用されるプロセスおよび/または金属含有錯体の条件を調整して、以下の一つ以上の条件、金属含有錯体が化学種(例えば、金属)を蒸着させる速度、金属含有錯体が膜をエッチングする速度、および、化学種が膜から脱離する速度を制御または調節することによって、一つ以上の基板上で選択的な膜成長が達成され得ることが見出された。例えば、本明細書に記載される方法は、一つの基板の少なくとも一部上での選択的な膜成長、および/または第2の基板と比較した第1の基板上での選択的な膜成長をもたらすことができる。さらに、本明細書に記載の方法は、フィーチャを空隙または空洞となる継ぎ目なしで実質的に充填する方法によって、金属含有膜を蒸着する工程を含む、基板上または基板内のフィーチャの充填の改善を達成することができる。
【0088】
<1.定義>
本発明および特許請求の範囲の必要上、周期表群のナンバリングスキームは、IUPACの元素周期表に従う。
【0089】
本明細書で「Aおよび/またはB」といった語句で使用される用語「および/または」は、「AおよびB」、「AまたはB」、「A」、および「B」を含むことを意図する。
【0090】
用語「置換基」、「ラジカル」、「基」、および「部分」は、互換的に使用され得る。
【0091】
本明細書で使用される場合、用語「金属含有錯体」(またはより単純に「錯体」)および「前駆体」は、互換的に使用され、例えばALDまたはCVDなどの蒸着プロセスによって金属含有膜を調製するために使用することができる、金属含有分子または化合物を指す。金属含有膜を形成するように、金属含有錯体を基板またはその表面上に蒸着、吸着、分解、送達、および/または通過させてもよい。一つ以上の実施形態において、本明細書に開示される金属含有錯体は、金属ハロゲン化物錯体、特に塩化モリブデン錯体である。
【0092】
本明細書で使用される場合、用語「金属含有膜」は、以下でより十分に定義されるような元素金属膜だけでなく、一つ以上の元素と共に金属を含む膜、例えば、金属酸化物膜、金属窒化物膜、金属シリサイド膜、金属炭化物膜なども含む。本明細書で使用される場合、用語「元素金属膜」および「純粋な金属膜」は、互換的に使用され、純粋な金属からなるか、または本質的に純粋な金属からなる膜を指す。例えば、元素金属膜は100%純粋な金属を含んでもよく、元素金属膜は一つ以上の不純物と共に、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.9%、または少なくとも約99.99%の純金属を含んでもよい。文脈上、別段の指示がない限り、用語「金属膜」は、元素金属膜を意味すると解釈されるものとする。
【0093】
本明細書で使用される場合、用語「蒸着プロセス」は、CVDおよびALDを含むが、これらに限定されない任意の種類の蒸着技術を指すために使用される。様々な実施形態では、CVDは従来の(すなわち、連続フロー)CVD、液体注入CVD、または光アシストCVDの形態を採ることができる。CVDは、パルス技術、すなわちパルスCVDの形態を採ることもできる。ALDは、本明細書に開示される少なくとも一つの金属錯体を基板表面上に気化および/または通過させることによって、金属含有膜を形成するために使用される。従来のALDプロセスについては、例えば、George S. M. et al. J Phys. Chem, 1996, 100, 13121-13131を参照のこと。他の実施形態では、ALDが従来の(すなわち、パルス注入)ALD、液体注入ALD、光アシストALD、プラズマアシストALD、またはプラズマ増強ALDの形態を採ることができる。用語「蒸着プロセス」は、Chemical Vapour Deposition: Precursors, Processes, and Applications; Jones, A. C.; Hitchman, M. L., Eds. The Royal Society of Chemistry: Cambridge, 2009; Chapter 1, pp 1-36に記載される種々の蒸着技術をさらに含む。
【0094】
本明細書で使用される場合、用語「フィーチャ」は、一つ以上の側壁、底面、および上部の角によって定義され得る、基板内の開口部を指す。様々な態様では、フィーチャは、孔、溝、コンタクト、デュアルダマシンなどであり得る。フィーチャ1aは、「凹状フィーチャ」としても知られる、
図1aに図示する不均一な幅を有してもよく、またはフィーチャ1bは、
図1bに図示するように実質的に均一な幅を有してもよい。
【0095】
本明細書で使用される場合、用語「選択的成長」、「選択的に成長する」、および「選択的に成長させる」は同義に使用され、第1の基板の少なくとも一部での膜が成長することおよび第1の基板の残部での実質的に膜が成長しないことだけでなく、第1の基板の残部での膜成長と比較して、第1の基板の少なくとも一部でのより多い膜成長を指すことができる。例えば、選択的成長は、フィーチャ上部またはフィーチャの外側では、膜成長がより少ないか、全くない一方で、フィーチャ下部では膜が成長することを含み得る。複数の基板に関して、「選択的成長」、「選択的に成長する」、および「選択的に成長させる」という用語は、第1基板上で膜が成長し、第2基板(または第3基板、または第4基板、または第5基板など)上で実質的に膜が成長しないこと、並びに第2基板(または第3基板、または第4基板、または第5基板など)上の膜成長に比べて第1基板上で膜がより成長することをも含んでいる。
【0096】
本明細書で使用される場合、用語「スーパーコンフォーマル成長」は、フィーチャの外側および/またはフィーチャの頂部もしくは上部と比較して、フィーチャの底面、側壁、および/または内部を含むフィーチャの底部または下部に、実質的により多くの材料(例えば、金属含有膜)が蒸着(および/または再蒸着)され得る蒸着プロセスを指す。「実質的により多くの」材料は、フィーチャの頂部もしくは上部および/または外側に蒸着した材料の厚さよりも、少なくとも約20%大きい、フィーチャ底部または下部に蒸着した材料の厚さを包含することを意図し、例えば、フィーチャ頂部または上部に蒸着した材料の厚さよりも少なくとも約30%大きい、少なくとも約40%大きい、少なくとも約50%大きい、少なくとも約75%大きい、少なくとも約100%大きい、少なくとも約250%大きい、少なくとも約500%大きい、少なくとも約750%大きい、少なくとも約1000%大きい材料の厚さなどを包含することを意図する。スーパーコンフォーマル成長の非限定的な例としては、フィーチャの外側および/またはフィーチャの頂部もしくは上部に材料が実質的に蒸着されていないことを含む。スーパーコンフォーマル成長の別の非限定的な例は、フィーチャの約100%が材料で充填されてもよく、フィーチャの外側には実質的に材料が蒸着されていなくてもよいことを含む。スーパーコンフォーマル成長の追加の非限定的な例としては、フィーチャ底部から測定して、フィーチャの少なくとも約1.0%、少なくとも約5.0%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または約100%が充填され得ることが挙げられる。フィーチャの「底部」または「下部」は、フィーチャ底部から始まるフィーチャの深さの約75%、例えば、フィーチャの深さの約70%、フィーチャの深さの約60%、フィーチャの深さの約50%、フィーチャの深さの約40%、フィーチャの深さの約30%、フィーチャの深さの約20%などを包含することを意図する。フィーチャの「頂部」または「上部」は、フィーチャ頂部から始まるフィーチャの深さの上側約25%、例えば、フィーチャの深さの約20%、フィーチャの深さの約10%、フィーチャの深さの約5.0%などを包含することを意図する。フィーチャの「外側」は、フィーチャの開口部から任意の方向に約0.10nm~約10mmの領域を包含することを意図する。フィーチャ3aおよび3b上の膜2aおよび2bのスーパーコンフォーマル成長の例を、それぞれ
図2aと2bに図示する。
【0097】
例示的なスーパーコンフォーマル成長には「ボトムアップ充填」が含まれ、これは材料がフィーチャの底部または下部に蒸着され(フィーチャ底部から始まるフィーチャの約1.0%、またはフィーチャ底部から始まるフィーチャの約20%、またはフィーチャ底部から始まるフィーチャの約50%)、材料がフィーチャの外部またはフィーチャの頂部もしくは上部に実質的に蒸着されないことを意味する。フィーチャ3c上の膜2cのボトムアップ充填の例を
図2cに示す。
【0098】
本明細書で使用される場合、用語「コンフォーマル成長」は、底面、側壁、上部角、およびフィーチャの外側のうちの一つまたは複数に沿って、膜が実質的に同じ厚さで蒸着される蒸着プロセスを指す。様々な態様において、コンフォーマル成長は、コンフォーマル成長条件下で達成されてもよい。「コンフォーマル成長」はまた、膜厚のいくらかの変動を包含することが意図され、例えば、膜は、フィーチャの底部または下部と比較して、フィーチャの外側および/またはフィーチャの頂部もしくは上部付近でより厚くてもよい。フィーチャ3d上の膜2dのコンフォーマル成長の例を
図2dに図示する。
【0099】
本明細書で使用される場合、用語「サブコンフォーマル成長」は、フィーチャの底部または下部と比較して、フィーチャの頂部表面、側壁、および/または内部を含むフィーチャの頂部または上部に、実質的により多くの材料(例えば、金属含有膜)が蒸着(および/または再蒸着)され得る蒸着プロセスを指す。「実質的により多くの」材料は、フィーチャの底部もしくは下部および/または外側に蒸着した材料の厚さよりも少なくとも約20%大きいフィーチャの頂部または上部に蒸着した材料の厚さを包含することを意図し、例えば、フィーチャの底部もしくは下部内および/またはフィーチャの外側に蒸着した材料の厚さよりも少なくとも約30%大きい、少なくとも約40%大きい、少なくとも約50%大きい、少なくとも約75%大きい、少なくとも約100%大きい、少なくとも約250%大きい、少なくとも約500%大きい、少なくとも約750%大きい、少なくとも約1000%大きい厚さなどを包含することを意図する。サブコンフォーマル成長の非限定的な例としては、フィーチャの外側および/またはフィーチャの底部もしくは下部に材料が実質的に蒸着されていないことを含む。サブコンフォーマル成長の追加の非限定的な例としては、フィーチャ頂部から測定して、フィーチャの少なくとも約1.0%、少なくとも約5.0%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または約100%が充填され得ることが挙げられる。フィーチャの「底部」または「下部」は、フィーチャ底部から始まるフィーチャの深さの約75%、例えば、フィーチャの深さの約70%、フィーチャの深さの約60%、フィーチャの深さの約50%、フィーチャの深さの約40%、フィーチャの深さの約30%、フィーチャの深さの約20%などを包含することが意図される。フィーチャの「頂部」または「上部」は、フィーチャ頂部から始まるフィーチャの深さの上側約25%、例えば、フィーチャの深さの約20%、フィーチャの深さの約10%、フィーチャの深さの約5.0%などを包含することが意図される。フィーチャの「外側」は、フィーチャの開口部から任意の方向に約0.10nm~約10mmの領域を包含することが意図される。
【0100】
本明細書で使用される場合、用語「エッチングする」または「エッチング」は、膜表面または基板表面での蒸着または相互作用の後に、蒸着した化学種が、膜表面または基板表面から離れ、膜または基板から追加の部分または化学種を除去するプロセスを指す。言い換えれば、膜表面または基板表面がエッチング除去されている。「化学種」は、金属含有錯体、金属含有錯体の解離部分(例えば、金属、リガンド)、共反応体、共反応体の解離部分、および/またはそれらの組み合わせもしくは反応生成物を含み得る。例えば、金属含有錯体がMoCl5である場合、一つ以上のMoCl5分子がMo含有表面に送達され、表面に既に含有されているMoが(送達されたMoCl5分子とともに)除去され、それによってMoの実質的に完全な除去が可能になることで、エッチングを行うことができる。
【0101】
本明細書で使用される場合、「脱離する(desorb)」、「脱離している(desorbing)」および「脱離(desorption)」とは、化学種の蒸着に続いて膜表面または基板表面から化学種が離れるプロセスを指す。言い換えれば、膜表面または基板表面は、前記化学種が離れた後、当該化学種の蒸着前と同じである。「化学種」は、金属含有錯体、金属含有錯体の解離部分(例えば、金属、リガンド)、共反応体、共反応体の解離部分、および/またはそれらの組み合わせもしくは反応生成物を含み得る。例えば、金属含有錯体がMoCl5である場合、MoCl5の分子は膜表面または基板表面に送達され、付着または蒸着されてもよく、次いで、MoCl5と同じ分子は膜表面または基板表面から離れ、または脱離してもよく、膜表面または基板表面はMoCl5分子が付着または蒸着する前と同じである。
【0102】
(単独で、または別の用語(単数または複数)と組み合わせて)用語「アルキル」は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、デシルなどのような、しかしこれらに限定されない、長さが1~約12個の炭素原子の飽和炭化水素鎖を指す。アルキル基は、直鎖でも分岐鎖であってもよい。「アルキル」は、アルキル基のすべての構造異性体形態を包含することを意図する。例えば、本明細書中で使用される場合、プロピルはn-プロピルおよびイソプロピルの両方を包含し;ブチルはn-ブチル、sec-ブチル、イソブチルおよびtert-ブチルを包含し;ペンチルはn-ペンチル、tert-ペンチル、ネオペンチル、イソペンチル、sec-ペンチルおよび3-ペンチルを包含する。さらに、本明細書で使用される場合、「Me」はメチルを指し、「Et」はエチルを指し、「Pr」はプロピルを指し、「i-Pr」はイソプロピルを指し、「Bu」はブチルを指し、「t-Bu」はtert-ブチルを指し、「Np」はネオペンチルを指す。いくつかの実施形態では、アルキル基がC1~C5-またはC1~C4-アルキル基である。
【0103】
用語「アルコキシ」は、1~約8個の炭素原子を含有する-O-アルキルを指す。アルコキシは、直鎖であっても分岐鎖であってもよい。非限定的な例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、tert-ブトキシ、ペントキシおよびヘキソキシが挙げられる。
【0104】
本明細書で使用される場合、特に指定されない限り、用語「芳香族」は、非局在化共役π系を有し、4~20個の炭素原子を有する不飽和環状炭化水素(芳香族C4-C20炭化水素)を指す。例示的な芳香族は、限定されるものではないが、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、クメン、ナフタレン、メチルナフタレン、ジメチルナフタレン、エチルナフタレン、アセナフタレン、アントラセン、フェナントレン、テトラフェン、ナフタセン、ベンズアントラセン、フルオラントレン、ピレン、クリセン、トリフェニレンなど、およびこれらの組み合わせを含む。芳香族は任意に、例えば、1個以上のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲンなどで置換されていてもよい。例えば、芳香族はアニソールを含むことができる。さらに、芳香族は、1個以上のヘテロ原子を含んでもよい。ヘテロ原子の例としては、窒素、酸素、リン、ホウ素、および/または硫黄が挙げられるが、これらに限定されない。一つ以上のヘテロ原子を有する芳香族には、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、オキサゾール、チアゾールなど、およびそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。芳香族は、単環式、二環式、三環式、および/または多環式環(いくつかの実施形態では、少なくとも単環式環、単環式および二環式環のみ、または単環式環のみ)を含んでもよく、縮合環であってもよい。
【0105】
用語「非芳香族」は、環状構造中の4個以上の炭素原子のうち、少なくとも1個が芳香族炭素原子ではない、少なくとも1個の環状構造中で結合した4個以上の炭素原子を意味する。
【0106】
用語「シリル」は、-SiZ1Z2Z3ラジカルを指し、ここで、Z1、Z2およびZ3の各々は、独立して、水素および任意で置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、ハロゲン、ジアルキルアミドおよびそれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0107】
用語「ジアルキルシリル」は、-SiZ4Z5Z6基を指し、ここで、Z4、Z5およびZ6のうちの二つは同一または異なったアルキルであり、Z4、Z5およびZ6の一つは水素であってもよい。ジアルキルシリルの非限定的な例としては、ジメチルシリル、ジエチルシリル、ジイソプロピルシリルおよびメチルエチルシリルが挙げられる。
【0108】
用語「トリアルキルシリル」は、-SiZ7Z8Z9基を指し、ここで、Z7、Z8およびZ9はアルキルであり、Z7、Z8およびZ9は同一または異なったアルキルであってもよい。トリアルキルシリルの非限定的な例としては、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)およびtert-ブチルジメチルシリル(TBDMS)が挙げられる。
【0109】
〔2.ALDを介して金属含有膜を選択的に成長させる方法〕
特に金属含有膜が選択的に成長する場合の、ALDによって金属含有膜を形成する方法が、本明細書中で提供される。様々な態様では、本方法は、少なくとも一つの金属含有錯体、パージガス、および少なくとも一つの共反応体のうちの一つ以上を、金属含有錯体が下記の一つ以上を経るのに十分な条件下で、少なくとも一つの基板(例えば、第1の基板、第2の基板、第3の基板、第4の基板など)に送達する工程を含み得る:金属含有錯体、金属含有錯体の解離部分(例えば、金属、リガンド)、金属窒化物、および/または金属酸化物といった化学種を蒸着する;金属含有膜をエッチングする;および既に蒸着されている化学種(例えば、金属含有錯体および/または金属含有錯体の解離部分)の脱離といった、金属含有膜の脱離を可能にする。この方法は、少なくとも一つの金属含有錯体および/または少なくとも一つの共反応体を蒸発させる工程と、(2)少なくとも一つの金属含有錯体および/または少なくとも一つの共反応体を基板表面に送達する工程、あるいは少なくとも一つの金属含有錯体および/または少なくとも一つの共反応体を基板上に通過させる工程(および/または基板表面上で少なくとも一つの金属含有錯体を分解する工程)と、を含み得る。金属中心によって表面に結合した金属錯体を含む層を基板表面に形成することができる。共反応体を送達すると、結合した金属錯体と共反応体との間で交換反応を発生させることができ、それによって結合した金属錯体を解離して、基板の表面上に元素金属の第1層を生成する。
【0110】
特に、(i)金属を蒸着させ、金属含有膜をエッチングし得るように、(ii)金属を蒸着させ、金属含有膜をエッチングし、金属含有膜からの脱離を可能にし得るように、または(iii)金属を蒸着させ、金属含有膜からの脱離を可能にし得るように、金属含有錯体、パージガスおよび共反応体を、十分な条件下で基板に送達することにより、金属含有膜が第1の基板の少なくとも一部で選択的に成長することができる。
【0111】
様々な態様では、金属含有錯体、パージガス、および共反応体を所望の選択的膜成長を達成するための適切な条件下で、交互パルスによって少なくとも一つの基板に送達してもよい。金属含有錯体、パージガスおよび共反応体は、サイクルとしての所望の一連の条件下で、送達され得る。例えば、サイクルは、金属含有錯体の送達と、それに続くパージガスの送達と、それに続く共反応体の送達と、それに続くパージガスの送達とを含んでもよい。本明細書に記載される方法は、一つ以上のサイクル(例えば、5サイクル、10サイクル、50サイクル、100サイクル、300サイクル、600サイクル、1000サイクルなど)を含むことができ、これは、膜成長、特に選択的膜成長の必要に応じて調整され得ることが意図される。さらに、本明細書では、パージガスを金属含有錯体と共送達してもよく、パージガスを共反応体と共送達してもよく、パージガスを金属含有錯体および共反応体と共送達してもよく、またはパージガスを金属含有錯体および共反応体とは別に送達してもよいことが意図される。パージガスは、任意の適切なガス、特に任意の適切な不活性ガスであってもよい。適切なパージガスの例としては、窒素、水素、および希ガス、例えば、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0112】
理論に拘束されるものではないが、金属含有錯体が化学種(例えば、金属含有錯体、金属含有錯体の解離部分)を蒸着させる速度(「蒸着速度」と呼ばれる)、金属含有錯体が膜をエッチングする速度(「エッチング速度」と呼ばれる)、および化学種が膜から脱離する速度(「脱離速度」と呼ばれる)は、金属含有錯体を第1の基板の少なくとも一部で選択的に成長させる目的で、プロセス中に使用される条件に従って、および/または金属含有錯体の選択によって、制御することができると考えられている。したがって、蒸着速度がエッチング速度および/または脱離速度よりも高いかまたは速い場合、基板上により多くの膜成長が起こり得る。このような例は、蒸着を促進する、エッチング速度および/または脱離速度に対する蒸着速度の比としても理解できる。逆に、エッチング速度および/または脱離速度が蒸着速度よりも高いかまたは速い場合、基板上では、より少ない膜成長が起こるか、または膜成長が起こらない可能性がある。このような例は、エッチングおよび/または脱離を促進する、エッチング速度および/または脱離速度に対する蒸着速度の比としても理解できる。したがって、蒸着速度、エッチング速度、および/または吸着速度を調整または調節することによって、選択的な膜成長を達成することができる。例えば、条件を、第1の基板の第1の部分におけるエッチング速度および/または脱離速度と比較して、より高いまたはより速い蒸着速度を支持するように調整または調節してもよい。さらにその一方で、条件の調整または調節は、第1の基板の第2の部分における蒸着速度と比較して、より高いまたはより速いエッチング速度および/または脱離速度を支持するように生じてもよく、その結果、選択的な膜成長、すなわち第1の基板の第2の部分よりも、第1の部分における、特により多い膜成長が生じてもよい。
【0113】
別の実施形態では、フィーチャの下部または底部でのエッチング速度および/または脱離速度と比較して、より高いまたはより速い蒸着速度を支持するように条件を調整または調節することができる。その一方で、フィーチャの上部または頂部での蒸着速度と比較して、より高いまたはより速いエッチング速度および/または蒸着速度を支持するように条件のさらなる調整または調節を行うことができる。その結果、選択的な膜成長、特にフィーチャの上部よりも下部で、特により多い膜成長を行うことができる。
【0114】
別の実施形態では、基板上で蒸着が起こる領域(「蒸着領域」)と蒸着が起こらない領域(「非蒸着領域」)との間のインターフェースのための、所望の幾何学的形状において選択的な膜成長が可能となるように、条件を調整または調節することができる。例えば、条件は、段差を生成するように調整または調節されてもよく、ここで、蒸着領域と非蒸着領域との間の遷移が急激であってもよく、例えば金属含有膜の厚さの勾配が急であってもよい。これに加えて、またはこれに代えて、条件は、傾斜を生成するように調整または調節されてもよく、ここで、蒸着領域と非蒸着領域との間の遷移が緩やかであってもよく、例えば金属含有膜の厚さの勾配が緩やかであってもよい。
【0115】
様々な態様では、選択的膜成長に影響を及ぼし得る条件には、温度(例えば、基板、金属含有錯体、パージガス、共反応体などの)、圧力(例えば、金属含有錯体、パージガス、共反応体などの送達中の)、送達される金属含有錯体の量、および/または送達されるパージガスの量が含まれるが、これらに限定されない。金属含有錯体の量は、金属含有錯体の濃度を調整すること、および/または金属含有錯体を送達する持続時間を調整することによって制御することができる。パージガスの量は、パージガスのフラックス速度を調整すること、および/またはパージガスを送達する持続時間を調整することによって制御することができる。様々な態様では、これらの条件がエッチングおよび/または脱離よりも蒸着を促進する「蒸着サイクル」を提供するため、および/または蒸着よりも、エッチングおよび/または脱離を促進する「エッチング/脱離サイクル」を提供するために、調整または調節することができる。
【0116】
蒸着は、大気圧下で行うことができるが、より一般的には減圧下で行う。金属錯体の蒸気圧は、このような用途において実用的であるために、適切な範囲であるべきである。基板温度は表面の金属原子間の結合を損なわずに保ち、気体反応物の熱分解を防ぐために、十分な高さでなければならない。しかしながら、基板温度は、原材料(すなわち、反応物)を気相に保ち、表面反応に十分な活性化エネルギーを提供するのに十分に高くなければならなくもある。適切な温度は、使用される特定の金属錯体および圧力を含む様々なパラメータに依存する。本明細書中に開示されるALD蒸着方法に使用する、特定の金属錯体の特性は、当技術分野において公知の方法を使用して評価することができ、反応のための適切な温度および圧力の選択を可能にする。
【0117】
蒸着サイクルおよびエッチング/脱離サイクルは、一つ以上の基板上に選択的な膜成長を提供するために、必要に応じて実行および/または交互に実行してもよい。特定の実施形態では、金属含有錯体の濃度、パージガスのフラックス速度、および/またはパージガス送達の持続時間を、選択的な膜成長、例えば、エッチングおよび/または脱離よりも蒸着を促進すること、または蒸着よりもエッチングおよび/または脱離を促進することを、提供するように調整してもよい。これに加えて、またはこれに代えて、金属含有錯体および/またはパージガスを、化学種(例えば、金属含有錯体および/または金属含有錯体の解離部分)の蒸着速度、金属含有膜のエッチング速度、および/または蒸着されている化学種(例えば、金属含有錯体および/または金属含有錯体の解離部分)の金属含有膜からの脱離速度を変化させるのに適した量で基板に送達してもよい。
【0118】
別の実施形態では、液体注入ALDは、本明細書で開示される少なくとも一つの金属錯体を基板表面上で気化および/または通過させることにより、金属含有膜を形成するために使用され、バブラーによる蒸気吸引とは対照的に、少なくとも一つの金属錯体は、直接の液体注入によって反応チャンバに送達される。液体注入ALDプロセスについては、例えば、Potter R. J., et al., Chem. Vap. Deposition, 2005, 11(3), 159-169を参照されたい。
【0119】
別の実施形態では、光アシストALDを使用して、本明細書で開示する少なくとも一つの金属錯体を基板表面上に気化および/または通過させることによって金属含有膜を形成する。光アシストALDプロセスについては、例えば、米国特許第4581249号を参照されたい。
【0120】
別の実施形態では、プラズマアシストまたはプラズマ増強ALDを使用して、本明細書で開示する少なくとも一つの金属錯体を基板表面上で気化および/または通過させることによって金属含有膜を形成する。
【0121】
〔A.スーパーコンフォーマル成長サイクル〕
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、第1の基板内の少なくとも一つのフィーチャの下部で、金属含有膜が選択的に成長するのに十分なスーパーコンフォーマル成長サイクルを含む条件下、すなわちスーパーコンフォーマル成長が起こるように実施することができる。スーパーコンフォーマル成長サイクルの間、(i)金属含有錯体の蒸着速度は、フィーチャの上部よりもフィーチャの下部で高くてもよく、および/または(ii)金属含有錯体のエッチング速度および/または脱離速度は、フィーチャの下部よりもフィーチャの上部で高くてもよい。
【0122】
本明細書に記載されるフィーチャは、それぞれ独立して、約1.0nm以上、約5.0nm以上、約50nm以上、約100nm以上、約250nm以上、約500nm以上、約750nm以上、約1000nm以上、約1250nm以上、約1500nm以上、約1750nm以上、約2000nm以上、約2250nm以上、約2500nm以上、約2750nm以上、約3000nm以上、約3250nm以上、約3500nm以上、約3750nm以上、約4000nm以上、約4250nm以上、約4500nm以上、約4750nm以上、または約5000nm以上の深さを有していてもよい。特に、フィーチャは、約5.0nm以上の深さを有していてもよい。さらに、各フィーチャは独立して、約1.0nm~約5000nm、約1.0nm~約4000nm、約1.0nm~約3000nm、約1.0nm~約2000nm、約1.0nm~約1000nm、約1.0nm~約500nm、約1.0nm~約100nm、約5.0nm~約5000nm、約5.0nm~約4000nm、約5.0nm~約3000nm、約5.0nm~約2000nm、約5.0nm~約1000nm、約5.0nm~約500nm、約5.0nm~約100nm、約100nm~約5000nm、約100nm~約4000nm、約100nm~約3000nm、約100nm~約2000nm、約100nm~約1000nm、約100nm~約500nm、約500nm~約5000nm、約500nm~約4000nm、約500nm~約3000nm、約100nm~約2000nm、約500nm~約1000nm、約1000nm~約5000nm、約1000nm~約4000nm、約1000nm~約3000nm、約1000nm~約2000nm、約2000nm~約5000nm、約2000nm~約4000nm、約2000nm~約3000nm、約3000nm~約5000nm、約3000nm~約4000nm、または約4000nm~約5000nmの深さを有していてもよい。特に、各フィーチャは、独立して、約5.0nm~約3000nmまたは約100nm~約2500nmの深さを有していてもよい。
【0123】
これに加えて、またはこれに代えて、上述の深さと組み合わせて、各フィーチャは独立して、均一な幅または不均一な幅を有していてもよい。例えば、フィーチャは、フィーチャの上部と比較して、フィーチャの下部がより広い幅を有していてもよく、またはその逆でもよい。様々な態様では、上述の深さと組み合わせて、各フィーチャは独立して、約3000nm以下、約2500nm以下、約2000nm以下、約1500nm以下、約1000nm以下、約750nm以下、約500nm以下、約250nm以下、約100nm以下、約75nm以下、約50nm以下、約25nm以下、約10nm以下または約1.0nm以下の幅を有していてもよい。特に、フィーチャは、約1000nm以下の幅を有していてもよい。さらに、各フィーチャは、独立して、約1.0nm~約3000nm、約1.0nm~約2000nm、約1.0nm~約1000nm、約1.0nm~約500nm、約1.0nm~約100nm、約1.0nm~約50nm、約1.0nm~約10nm、約10nm~約3000nm、約10nm~約2000nm、約10nm~約1000nm、約10nm~約500nm、約10nm~約100nm、約10nm~約50nm、約25nm~約3000nm、約25nm~約2000nm、約25nm~約1000nm、約25nm~約500nm、約25nm~約100nm、約25nm~約50nm、約50nm~約3000nm、約50nm~約2000nm、約50nm~約1000nm、約50nm~約500nm、または約50nm~約100nmの幅を有していてもよい。特に、各フィーチャは、独立して、約1.0nm~約1000nmの幅を有していてもよい。フィーチャの深さおよび/または幅に関する前述の考察は、本明細書で説明されるすべてのフィーチャに適用され、スーパーコンフォーマル成長サイクル中に存在するフィーチャに限定されず、コンフォーマル成長サイクル中に存在するフィーチャ、およびそれらの組み合わせも含むことが本明細書において意図される。
【0124】
理論に拘束されるものではないが、スーパーコンフォーマル成長を可能にする臨界的な因子は、スーパーコンフォーマル成長サイクル中に脱離またはエッチング除去されて、再蒸着され得るいくつかの化学種(例えば、金属含有錯体および/または金属含有錯体の解離部分)の性能であると考えられる。特に、フィーチャの外側およびフィーチャの深さ全体にわたって、基板表面から脱離またはエッチング除去される化学種(例えば、金属含有錯体および/または金属含有錯体の解離部分)を、パージガスによって除去される前に再吸着または再蒸着してもよい。しかしながら、スーパーコンフォーマル成長の間、パージガスによって除去される前に、より少ない比率の前記化学種がフィーチャの外側の基板表面で再吸着または再蒸着され得る一方で、より多い比率の前記化学種がフィーチャの内側で再吸着または再蒸着され得ると考えられる。さらに、フィーチャ内での位置が深ければ深いほど、より多くの前記再吸着または再蒸着が起こり得る。これは、フィーチャ内のより深くからの化学種の脱離および/またはエッチングは、成長表面に接触し、これにより再蒸着する確率がより高いためであると考えられる。
【0125】
様々な態様では、スーパーコンフォーマル成長サイクル中に、フィーチャの少なくとも約1.0%、少なくとも約5.0%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または約100%を充填することができる。これに加えて、またはこれに代えて、フィーチャの約1.0%~約100%が充填され得、フィーチャの約1.0%~約75%が充填され得、フィーチャの約1.0%~約60%が充填され得、フィーチャの約1.0%~約50%が充填され得、フィーチャの約1.0%~約30%が充填され得、フィーチャの約1.0%~約20%が充填され得、フィーチャの約5.0%~約100%が充填され得、フィーチャの約5.0%~約75%が充填され得、フィーチャの約5.0%~約60%が充填され得、フィーチャの約5.0%~約50%が充填され得、フィーチャの約5.0%~約30%が充填され得、フィーチャの約5.0%~約20%が充填され得、フィーチャの約10%~約100%が充填され得、フィーチャの約10%~約75%が充填され得、フィーチャの約10%~約60%が充填され得、フィーチャの約10%~約50%が充填され得、フィーチャの約10%~約30%が充填され得、フィーチャの約10%~約20%が充填され得、フィーチャの約15%~約20%が充填され得、フィーチャの約20%~約100%が充填され得、フィーチャの約20%~約75%が充填され得、フィーチャの約20%~約60%が充填され得、フィーチャの約20%~約50%が充填され得、フィーチャの約20%~約30%が充填され得、フィーチャの約40%~約75%が充填され得、フィーチャの約40%~約60%が充填され得、フィーチャの約40%~約50%が充填され得、フィーチャの約50%~約60%が充填され得る。
【0126】
特定の実施形態では、スーパーコンフォーマル成長サイクルは、以下を含み得る:
1.約0.00001%~約100%または約1ppm~約1000ppmの濃度で、約0.01秒~約1000秒または約0.1秒~約10秒の間、約-20℃~約500℃または約50℃~約200℃の温度下、および約0.010mTorr~約760Torrまたは約0.05Torr~約1000mTorrまたは約0.1mTorr~約30mTorrまたは約0.01Torr~約30mTorrの圧力下での、金属含有錯体(例えばMoCl5)の送達;
2.約0.01秒~約1000秒または約0.1秒~約100秒の間、および約0.01sccm~約1000sccmのフラックス速度での、パージガス(例えば、窒素)の送達;
3.約0.01秒~約1000秒または約0.1秒~約10秒の間、約-20℃~約500℃または約50℃~約200℃の温度での共反応体(例えば、1,4-ジ-トリメチルシリル-2-メチル-シクロヘキサ-2,5-ジエン(CHD))の送達;および、
4.約0.01秒~約1000秒または約0.1秒~約100秒の間、約0.01sccm~約1000sccmのフラックス速度でのパージガス(例えば、窒素)の送達。
【0127】
本明細書に記載される場合、蒸着温度、蒸着圧力、金属含有錯体の量、金属含有錯体曝露の持続時間、パージガスフローの持続時間、パージガスフローのフラックス速度、共反応体の量、および共反応体曝露の持続時間のうちの任意の一つ以上は、スーパーコンフォーマル成長を達成するように調整され得る。
【0128】
〔B.コンフォーマル成長サイクル〕
これに加えて、またはこれに代えて、本明細書に記載の方法は、コンフォーマル成長サイクルを含む条件下で実施することができる。コンフォーマル成長サイクルは、コンフォーマル成長が生じるようなコンフォーマル条件下で、金属含有錯体、パージガス、および共反応体を基板に送達する工程を含んでもよい。コンフォーマル条件には、温度(例えば、基板、金属含有錯体、パージガス、共反応体などの)、圧力(例えば、金属含有錯体、パージガス、共反応体などの送達中の)、送達される金属含有錯体の量、および/または送達されるパージガスの量が含まれるが、これらに限定されない。様々な態様では、基板は、コンフォーマル成長が起こり得る一つまたは複数のフィーチャを含むことができる。
【0129】
特定の実施形態では、コンフォーマル成長サイクルは、以下を含み得る:
1.約0.00001%~約100%または約1ppm~約1000ppmの濃度で、約0.01秒~約1000秒または約0.1秒~約10秒の間、約-20℃~約500℃または約50℃~約200℃の温度下、および約0.010mTorr~約760Torrまたは約0.05~約1000mTorrまたは約0.1mTorr~約30mTorrまたは約0.01Torr~約30mTorrの圧力下での、金属含有錯体(例えばMoCl5)の送達;
2.約0.01秒~約1000秒または約0.1秒~約100秒の間、および約0.01sccm~約1000sccmのフラックス速度でのパージガス(例えば、窒素)の送達;
3.約0.01秒~約1000秒または約0.1秒~約10秒の間、約-20℃~約500℃または約50℃~約200℃の温度での共反応体(例えば、1,4-ジ-トリメチルシリル-2-メチル-シクロヘキサ-2,5-ジエン(CHD))の送達;および、
4.約0.01秒~約1000秒または約0.1秒~約100秒の間、約0.01sccm~約1000sccmのフラックス速度でのパージガス(例えば、窒素)の送達。
【0130】
本明細書に記載されるように、蒸着温度、蒸着圧力、金属含有錯体の量、金属含有錯体曝露の持続時間、パージガスフローの持続時間、パージガスフローのフラックス速度、共反応体の量、および共反応体曝露の持続時間のうちの任意の一つ以上は、コンフォーマル成長を達成するように調整され得る。
【0131】
〔C.サブコンフォーマル成長サイクル〕
これに加えて、またはこれに代えて、本明細書に記載される方法は、サブコンフォーマル成長サイクルを含む条件下で実施してもよい。サブコンフォーマル成長サイクルは、サブコンフォーマル成長が生じるようなサブコンフォーマル条件下で、金属含有錯体、パージガス、および共反応体を基板に送達する工程を含んでもよい。サブコンフォーマル条件には、温度(例えば、基板、金属含有錯体、パージガス、共反応体などの)、圧力(例えば、金属含有錯体、パージガス、共反応体などの送達中の)、送達される金属含有錯体の量、および/または送達されるパージガスの量が含まれるが、これらに限定されない。様々な態様では、基板は、サブコンフォーマル成長が起こり得る一つまたは複数のフィーチャを含むことができる。
【0132】
特定の実施形態では、サブコンフォーマル成長サイクルは、以下を含み得る:
1.約0.00001%~約100%または約1ppm~約1000ppmの濃度で、約0.01秒~約1000秒または約0.1秒~約10秒間、約-20℃~約500℃または約50℃~約200℃の温度下、および約0.010mTorr~約760Torrまたは約0.05Torr~約1000mTorrまたは約0.1mTorr~約30mTorrまたは約0.01Torr~約30mTorrの圧力下での、金属含有錯体(例えばMoCl5)の送達;
2.約0.01秒~約1000秒または約0.1秒~約100秒の間、および約0.01sccm~約1000sccmのフラックス速度でのパージガス(例えば、窒素)の送達;
3.約0.01秒~約1000秒または約0.1秒~約10秒の間、約-20℃~約500℃または約50℃~約200℃の温度での共反応体(例えば、1,4-ジ-トリメチルシリル-2-メチル-シクロヘキサ-2,5-ジエン(CHD))の送達;および、
4.約0.01秒~約1000秒または約0.1秒~約100秒の間、約0.01sccm~約1000sccmのフラックス速度でのパージガス(例えば、窒素)の送達。
【0133】
本明細書に記載される場合、蒸着温度、蒸着圧力、金属含有錯体の量、金属含有錯体曝露の持続時間、パージガスフローの持続時間、パージガスフローのフラックス速度、共反応体の量、および共反応体曝露の持続時間のうちの任意の一つ以上は、サブコンフォーマル成長を達成するように調整され得る。
【0134】
〔D.エッチングサイクル〕
これに加えて、またはこれに代えて、本明細書に記載の方法は、エッチングサイクルを含む条件下で実施することができる。エッチングサイクルは、エッチングが生じるようなエッチング条件下で、金属含有錯体およびパージガスを基板に送達する工程を含んでもよい。エッチング条件には、温度(例えば、基板、金属含有錯体、パージガスなどの)、圧力(例えば、金属含有錯体、パージガスなどの送達中の)、送達される金属含有錯体の量、および/または送達されるパージガスの量が含まれるが、これらに限定されない。一態様では、金属含有錯体は、超コンフォーマルおよび/またはコンフォーマル成長サイクルに使用されるものと同じである。別の態様では、金属含有錯体は、スーパーコンフォーマルおよび/またはコンフォーマル成長サイクルに使用されるものとは異なる。様々な態様では、基板は、エッチングが起こり得る一つまたは複数のフィーチャを含むことができる。
【0135】
特定の実施形態では、エッチングサイクルは、以下を含み得る:
1.約0.00001%~約100%または約1ppm~約1000ppmの濃度で、0.01秒~1000秒または約0.1秒~約10秒の間、約-20℃~約500℃または約50℃~約200℃の温度下、約0.010mTorr~約760Torrまたは約0.05Torr~約1000mTorrまたは約0.1mTorr~約30mTorrまたは約0.01Torr~約30mTorrの圧力下での、金属含有錯体(例えば、MoCl5)の送達;
2.約0.01秒~約1000秒または約0.1秒~約100秒の間、および約0.01sccm~約1000sccmのフラックス速度でのパージガス(例えば、窒素)の送達。
【0136】
本明細書に記載されるように、蒸着温度、蒸着圧力、金属含有錯体の量、金属含有錯体曝露の持続時間、パージガスフローの持続時間、およびパージガスフローのフラックス速度のうちの任意の一つ以上は、エッチングを達成するために調節され得る。
【0137】
〔E.スーパーサイクル〕
様々な態様では、本明細書に記載の方法が所望の膜成長、特に選択的膜成長を達成するために、一つまたは複数のスーパーコンフォーマル成長サイクル、一つまたは複数のコンフォーマル成長サイクル、一つまたは複数のサブコンフォーマル成長サイクル、および/または一つまたは複数のエッチングサイクルを含むことができる。例えば、スーパーコンフォーマル成長サイクル、コンフォーマル成長サイクル、サブコンフォーマル成長サイクル、およびエッチングサイクルのうちの一つまたは複数の組み合わせを実施することで、基板内の少なくとも一つのフィーチャを実質的に充填することができる。本明細書では、スーパーコンフォーマル成長サイクル、コンフォーマル成長サイクル、サブコンフォーマル成長サイクル、および/またはエッチングサイクルは任意の順序で実施することができると意図される。さらに、スーパーコンフォーマル成長サイクル、コンフォーマル成長サイクル、サブコンフォーマル成長サイクル、および/またはエッチングサイクルの数は、それぞれ個別に変更してもよい。さらに、スーパーコンフォーマル成長サイクル、コンフォーマル成長サイクル、サブコンフォーマル成長サイクル、および/またはエッチングサイクルの間に使用される条件は、変更してもよい。特に、順序、数および条件は、スーパーサイクル(以下に記載される)の過程の間に1回以上変化され得る。順序、数、および条件を変えることによって、特定の目的(例えば、表面粗さ、フィーチャ充填など)のために蒸着を制御することが可能になることをさらに理解されたい。
【0138】
例えば、一つ以上の実施形態では、金属含有膜が第1の基板の少なくとも一部(例えば、第1の部分)上で選択的に成長するために十分なスーパーコンフォーマル成長サイクルを前記方法が含むように、条件を選択することができる。これに加えて、またはこれに代えて、金属含有膜が第1の基板の少なくとも一部(例えば、第2の部分)上で選択的に成長するために十分なコンフォーマル成長サイクルを前記方法がさらに含むように、条件をさらに選択することもできる。本明細書では、前述のスーパーコンフォーマル成長サイクル中に成長させた金属含有膜および前述のコンフォーマル成長サイクル中に成長させた金属含有膜がそれぞれ、(i)第1の基板の実質的に同じ部分上(例えば、第1および第2の部分が同じ)、(ii)第1の基板の異なる部分上(例えば、第1および第2の部分が異なる)、および/または(iii)第1の基板の重なり合う部分上(例えば、第1および第2の部分が重なり合う)、に成長し得ることが意図される。特定の実施形態では、(i)第1のシリーズの一つまたは複数のコンフォーマル成長サイクル、(ii)第2のシリーズの一つまたは複数のスーパーコンフォーマル成長サイクル、(iii)第3のシリーズの一つまたは複数のサブコンフォーマル成長サイクル、および(iv)第4のシリーズの一つまたは複数のエッチングサイクルのうちの、一つまたは複数を組み合わせるスーパーサイクルを、前記方法が含むように、条件を選択することができる。第1のシリーズのコンフォーマル成長サイクルは、1~10サイクル、2~5サイクル、または3サイクルを含むことができる。第2のシリーズのスーパーコンフォーマル成長サイクルは、1~10サイクル、1~5サイクル、または1サイクルを含むことができる。第3のシリーズのサブコンフォーマル成長サイクルは、1~10サイクル、1~5サイクル、または1サイクルを含むことができる。第4のシリーズのエッチングサイクルは、1~10サイクル、1~5サイクル、または1サイクルを含むことができる。
【0139】
本明細書では、スーパーコンフォーマル成長サイクル、コンフォーマル成長サイクル、サブコンフォーマル成長サイクル、および/またはエッチングサイクルを、任意の順序で実施することができると意図される。例えば、第1のシリーズのコンフォーマル成長サイクルを、第2のシリーズのスーパーコンフォーマル成長サイクルの前に実施することができる。あるいは、第1のシリーズのコンフォーマル成長サイクルを、第2のシリーズのスーパーコンフォーマル成長サイクルの後に実施することができる。コンフォーマル成長サイクル、スーパーコンフォーマル成長サイクル、サブコンフォーマル成長サイクル、および/またはエッチングサイクルを交互に行うプロセスは、所望の結果が得られるまで繰り返すことができる(例えば、金属含有膜が所望の厚さに達する、金属含有膜が所望の粗さに達する、フィーチャが実質的に充填されるなど)。コンフォーマル成長サイクル、スーパーコンフォーマル成長サイクル、サブコンフォーマル成長サイクル、および/またはエッチングサイクルを交互に行うことによって、金属含有膜の二乗平均平方根(RMS)粗さを調整することができる。RMS粗さは、ASME B46.1に従って測定することができる。例えば、第1のシリーズのコンフォーマル成長サイクルおよび第2のシリーズのスーパーコンフォーマル成長サイクルは、約1.5nm未満、または膜厚の5%未満の二乗平均平方根粗さを有する金属含有膜を提供するように選択することができる。また、第1のシリーズのコンフォーマル成長サイクルおよび第2のシリーズのスーパーコンフォーマル成長サイクルは、約1nm未満、または膜厚の3%未満の二乗平均平方根粗さを有する金属含有膜を提供するように選択することができる。さらに、第1のシリーズのコンフォーマル成長サイクルおよび第2のシリーズのスーパーコンフォーマル成長サイクルは、約0.8nm未満、または膜厚の2%未満の二乗平均平方根粗さを有する金属含有膜を提供するように選択することができる。
【0140】
一つまたは複数の実施形態では、スーパーコンフォーマル成長サイクル、コンフォーマル成長サイクル、および/またはサブコンフォーマル成長サイクル中に成長させた金属含有膜は、実質的に空隙および/または空洞となる継ぎ目を有さなくてもよい。
【0141】
〔F.膜の粗さの制御性〕
一つまたは複数の実施形態では、金属含有膜の粗さは、スーパーコンフォーマル成長サイクルとコンフォーマル成長サイクルとの比率を調整することによって選択することができる。
【0142】
特定の実施形態では、スーパーコンフォーマル成長サイクルおよびコンフォーマル成長サイクルの両方が同じ金属含有錯体および同じ共反応体(例えば、金属含有錯体「A」および共反応体「B」)を利用してもよい。サイクルがコンフォーマルであるかスーパーコンフォーマルであるかを制御するプロセスのパラメータは、AおよびBのパルスを分離するパージガスの量、ならびにAまたはBの量(すなわち、パルスAもしくはBの持続時間および/またはAもしくはBの濃度)を含むことができる。
【0143】
さらに、コンフォーマル成長サイクルおよびスーパーコンフォーマル成長サイクルの数は、粗さ、絶え間ない充填、またはスーパーコンフォーマル性を含むが、これらに限定されない特定の所望の特性を得るように、金属含有膜を蒸着している間に調整することができる。例えば、金属含有膜の蒸着は、最初に、三つのコンフォーマル成長サイクルおよび一つのスーパーコンフォーマル成長サイクルからなるスーパーサイクルによって実行され、一つのコンフォーマル成長サイクルおよび三つのスーパーコンフォーマル成長サイクルからなるスーパーサイクルで終了することができる。金属含有膜の蒸着中に、コンフォーマル成長サイクルおよびスーパーコンフォーマル成長サイクルの回数を、複数回調整することができる。
【0144】
〔G.二つ以上の基板上での選択的膜成長〕
追加の態様では、本明細書に記載の方法が二つ以上の基板上に選択的な膜成長をもたらすことができる。例えば、金属含有膜は、第2の基板(例えば、または第3の基板、第4の基板、第5の基板など)と比較して、第1の基板の少なくとも一部で選択的に成長することができる。これに加えて、またはこれに代えて、金属含有膜は、第3の基板などと比較して、第1の基板の少なくとも一部および第2の基板の少なくとも一部で、選択的に成長することができる。基板の非限定的な例としては、シリコン、結晶シリコン、Si(100)、Si(111)、酸化ケイ素(例えば、SiO2またはシリカ)、ガラス、歪みシリコン、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)、ドープされたシリコンまたは酸化ケイ素(例えば、炭素ドープされた酸化ケイ素)、窒化ケイ素、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、タンタル、窒化タンタル、アルミニウム、銅、ルテニウム、チタン、窒化チタン、タングステン、窒化タングステン、モリブデン、およびナノスケールデバイス製造プロセス(例えば、半導体製造プロセス)で一般に遭遇する任意の数の他の基板が含まれる。特に、基板(例えば、第1の基板、第2の基板、第3の基板など)は、シリカ、窒化チタン、およびモリブデンからなる群から独立して選択されてもよい。当業者に理解されるように、基板は、基板表面を研磨、エッチング、還元、酸化、ヒドロキシル化、アニール、および/または焼成するために前処理プロセスに曝してもよい。一つまたは複数の実施形態では、基板表面が水素終端表面を含むことができる。一つまたは複数の実施形態では、基板表面がヒドロキシル末端表面を含むことができる。
【0145】
理論に拘束されるものではないが、基板に応じて、エッチング速度および/または脱離速度に対する蒸着速度の比は、蒸着に有利であり得るか、またはエッチングおよび/または脱離に有利であり得ると考えられる。したがって、各基板(例えば、第1の基板、第2の基板、第3の基板)は、エッチング速度および/または脱離速度に対する蒸着速度の異なる比を有することができる。例えば、エッチング速度および/または脱離速度の比は、シリカ基板上のエッチングおよび/または脱離に有利であり、一方、エッチング速度および/または脱離速度に対する蒸着速度の比は、窒化チタン基板および/またはモリブデン基板上の蒸着に有利である。したがって、シリカ基板と比較して、窒化チタン基板および/またはモリブデン基板上により多くの膜成長が起こり得る。さらに、本明細書に記載されるような条件(例えば、パージガス送達の持続時間など)は、一つの基板(例えば、第1の基板)上の蒸着が別の基板(例えば、第2の基板)上の蒸着よりも有利になるように、および/または一つの基板(例えば、第2の基板)上のエッチングおよび/または脱離が別の基板(例えば、第1の基板)上のエッチングおよび/または脱離よりも有利になるように、調整または調節してもよい。例えば、パージガスの送達の持続時間は、金属含有錯体と共反応体との送達の間で変化され得、その結果、第1の基板上での膜成長が促進され得、一方、第2の基板上での成長が抑制され得るか、またはより少なくなり得る。
【0146】
〔H.金属含有錯体〕
任意の適切な揮発性金属含有錯体が、本明細書に記載される方法において使用され得る。金属含有錯体は、一つ以上の金属原子およびリガンドを含んでもよい。適切な金属としては、1族金属(例えば、Li、Na、K、Rbなど)、2族金属(例えば、Be、Mg、Ca、Srなど)、13族金属(例えば、B、Al、Ga、In、Tlなど)、14族金属(例えば、Si、Ge、Sn、Pbなど)、15族金属(例えば、As、Sb、Biなど)、16族金属(例えば、Se、Teなど)、遷移金属(例えば、Mo、W、V、Nb、Fe、Ti、Ta、Co、Niなど)、ランタニド金属(例えば、La、Ce、Pr、Nd、Pmなど)、およびアクチニド金属(例えば、Ac、Th、Pa、U、Np、Puなど)が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、金属が遷移金属、ランタニド金属、アクチニド金属、アルミニウム、ガリウム、インジウム、ケイ素、ゲルマニウム、錫、鉛、ヒ素、アンチモン、ビスマス、セレン、およびテルルからなる群から選択されてもよい。別の実施形態では、金属が例えば、Mo、W、V、Nb、Fe、Ti、Ta、Co、およびNi、特にMo、W、またはTaからなる群から選択される遷移金属であってもよい。
【0147】
適切なリガンドとしては、金属中心から分離した場合に負電荷を有するリガンドが挙げられるが、これらに限定されない。これに加えて、またはこれに代えて、適切なリガンドは、解離した共反応体部分と反応して、安定な、電気的に中性(非イオン性)の揮発性化学種を形成してもよく、これはパージガスまたはキャリアガスを介して除去されてもよい。解離した共反応体部分の例としては、シリル、-SiZ1Z2Z3ラジカルが挙げられるが、これらに限定されず、Z1、Z2、およびZ3は水素および任意に置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、ハロゲン、ジアルキルアミドおよびそれらの組み合わせからなる群からそれぞれ独立に選択される。例えば、解離した共反応体部分は、-SiMe3、-SiHMe2、-SiH2Me、および-SiH3を含むが、これらに限定されない。
【0148】
様々な態様において、金属含有錯体は、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br)、水素化物、アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなど)、アミジネート、アルキルアミド、ジアルキルアミド、アルキルスルフィド、ジアルキルホスフィド、N,N’-ジアルキルアミジネート、少なくとも一つのアルキルおよび/または少なくとも一つのシリルで任意に置換されたシクロペンタジエニル、カルボキシレート、イミド、アセチルアセトネート、ジケチミネート、モノイミノケチミネート、トリアルキルシリル、トリヒドロシリル、ジアルキルヒドロシリル、アルキルジヒドロシリル、トリアルキルゲルマニル、トリヒドロゲルマニル、ジアルキルヒドロゲルマニル、アルキルジヒドロゲルマニル、トリアルキルスタニル、トリヒドロスタニル、アルキルジヒドロスタニル、少なくとも一つのシリルで任意に置換されたアミド、シロキシ、一つ以上の水素化物、アルキルおよび/またはシリルで任意に置換されたホルムアミジネート、一つ以上の水素化物、アルキルおよび/またはシリルで任意に置換されたアセトアミジネート、ならびにそれらの組み合わせ、または複数の組み合わせからなる群から選択される一つ以上のリガンドを含み得る。特定の実施形態では、金属含有錯体がハロゲン、アルコキシ、ジアルキルアミド、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される一つ以上のリガンドを含んでもよい。別の実施形態では、金属含有錯体が一つ以上のハロゲンリガンド(例えば、Cl)を含み得、例えば、金属含有錯体は、MoCl5、TiCl4、TaCl5、ZrCl4、HfCl4、WCl6、特にMoCl5であり得る。
【0149】
本明細書に記載される金属含有錯体は、金属を蒸着させること、金属含有膜をエッチングすること、および金属含有膜からの脱離を可能にすることのうちの一つ以上が可能であり得る。金属含有錯体は、十分な蒸気圧、選択された基板温度での十分な熱安定性、および薄膜中に望ましくない不純物の生成なしに、基板表面上で反応を生成するのに十分な反応性という、要件のすべてを有するであろう。完全に自己飽和反応することを可能にするために、十分な濃度で原料化合物の分子が基板表面に存在することが、十分な蒸気圧によって確実となる。原料化合物が薄膜中に不純物を生成する熱分解を受けないことが、十分な熱安定性によって確実となる。
【0150】
したがって、これらの方法で利用される本明細書に開示される金属錯体は、液体、固体、または気体であってもよい。典型的には、処理チャンバへの蒸気の一貫した輸送を可能にするために十分な蒸気圧を有する周囲温度で、金属錯体は液体または固体である。
【0151】
特定の実施形態では、蒸着プロセスを容易にするために、金属含有錯体は、炭化水素またはアミン溶媒などの適切な溶媒に溶解してもよい。適切な炭化水素溶媒としては、脂肪族炭化水素(例えば、ヘキサン、ヘプタンおよびノナン);芳香族炭化水素(例えば、トルエンおよびキシレン);ならびに脂肪族および環状エーテル(例えば、ジグリム、トリグリム、およびテトラグリム)が挙げられるが、これらに限定されない。適切なアミン溶媒の例としては、オクチルアミンおよびN,N-ジメチルドデシルアミンが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、金属含有錯体をトルエンに溶解して、約0.05M~約1Mの濃度を有する溶液を得ることができる。
【0152】
別の実施形態では、少なくとも一つの金属錯体を「ニート」(キャリアガスによって希釈されていない)で基板表面に送達することができる。
【0153】
別の実施形態では、本明細書に開示される少なくとも第1の金属含有錯体を、本明細書に開示される、第1の金属含有錯体以外の金属を含む第2の金属含有錯体(および/または第3の金属含有錯体および/または第4の金属含有錯体など)と組み合わせて蒸発させる(同時である必要はない)、本明細書に記載される方法で、混合金属膜を形成することができる。例えば、混合金属Mo-W膜を形成するために、第1の金属含有錯体は、Moを含むことができ、第2の金属含有錯体は、Wを含むことができる。いくつかの実施形態では、混合金属膜が混合金属酸化物、混合金属窒化物、または混合金属酸窒化物であってもよい。
【0154】
〔I.共反応体〕
様々な態様では、本方法は、共反応体が、共反応体および/または共反応体の解離部分などの化学種を蒸着させること、金属含有膜をエッチングすること、および既に蒸着されている化学種(例えば、共反応体および/または共反応体の解離部分)の脱離などの金属含有膜からの脱離を可能にすること、のうちの一つまたは複数を経るのに十分な条件下で、少なくとも一つの金属含有錯体、パージガス、および少なくとも一つの共反応体を、少なくとも一つの基板(例えば、第1の基板、第2の基板、第3の基板、第4の基板など)に、送達する工程を含むことができる。特に、共反応体が(i)金属を蒸着し、金属含有膜をエッチングし、(ii)金属を蒸着し、金属含有膜をエッチングし、金属含有膜からの脱離を可能にし、または(iii)金属を蒸着し、金属含有膜からの脱離を可能にして、金属含有膜が第1の基板の少なくとも一部上で選択的に成長するのに十分な条件下で、金属含有錯体、パージガス、および共反応体を基板に送達してもよい。
【0155】
本明細書に記載の方法では、任意の適切な揮発性共反応体を使用することができる。容易に理解されるように、使用される特定の共反応体は、得られる金属含有膜のタイプ、例えば、金属酸化物、金属窒化物などを決定することができる。適切な揮発性共反応体は、還元剤、および/またはエッチング停止剤および/または脱離剤として働くことが可能であり得る。特に、共反応体は、揮発性還元剤、例えば、水素であってもよい。これに加えて、またはこれに代えて、例えば膜表面上に存在する、本明細書に記載されるような一つ以上のリガンド(例えば、金属含有錯体由来の)と反応して、パージガスまたはキャリアガスを介して除去できる、安定な中性(非イオン性)の揮発性化学種を形成し得る、前記のような解離した共反応体部分(例えば、シリル)を、適切な共反応体は形成し得る。
【0156】
適切な共反応体の例としては、米国特許第9157149号、米国特許公開第2015/0004314号、および米国特許公開第2015/0004315号に記載される還元剤が挙げられるが、これらに限定されず、これらの各々はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0157】
特定の実施形態では、共反応体が1,4-ビス-トリメチルシリル-2-メチル-シクロヘキサ-2,5-ジエン(CHD)、1-トリメチルシリルシクロヘキサ-2,5-ジエン(TSC)、または1,4-ビス-トリメチルシリル-1,4-ジヒドロピラジン(DHP)であってもよい。
【0158】
適切な共反応体のさらなる例としては、以下の化合物(1)~(13)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0159】
【表1】
様々な態様では、特定の部分(例えば、シリル)が失われると、共反応体はより不飽和な揮発性化学種(例えば、芳香族化合物)になり得る。したがって、共反応体は、本明細書に記載の方法の間に芳香族化合物に変換される非芳香族化合物であってもよい。例えば、共反応体がCHDの場合、二つのトリメチルシリル基(-SiMe
3)が失われるとトルエンが生成されることがある。共反応体がDHPの場合、二つのトリメチルシリル基(-SiMe
3)が失われるとピラジンが生成されることがある。共反応体がTSCの場合、1個のトリメチルシリル基(-SiMe
3)と1個の水素原子とが失われるとベンゼンが生成されることがある。
【0160】
いくつかの実施形態において、この共反応体は、水素、水素プラズマ、酸素、空気、水、アルコール、H2O2、N2O、アンモニア、ヒドラジン、ボラン、シラン、オゾン、またはこれらのいずれか二つ以上の組み合わせを含むが、これらに限定されない。適切なアルコールの例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、tert-ブタノールなどが挙げられるが、これらに限定されない。適切なボランの例としては、ボラン、ジボラン、トリボランなどのヒドリジック(すなわち、還元性)ボランが含まれるが、これらに限定されない。適切なシランの例としては、シラン、ジシラン、トリシランなどのヒドリジックシランが挙げられるが、これらに限定されない。適切なヒドラジンの例としては、ヒドラジン(N2H4)、メチルヒドラジン、tert-ブチルヒドラジン、N,N-またはN,N’-ジメチルヒドラジンなどの一つ以上のアルキル基で任意に置換されたヒドラジン(すなわち、アルキル置換ヒドラジン)、フェニルヒドラジンなどの一つ以上のアリール基で任意に置換されたヒドラジン(すなわち、アリール置換ヒドラジン)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0161】
特定の実施形態では、本技術の方法は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、ならびにシリコンチップなどの基板上のメモリおよび論理の用途のための相補型金属酸化膜半導体(CMOS)などの用途に利用される。
【0162】
本明細書中に開示されるいずれの金属錯体も、元素金属、金属酸化物、金属窒化物、および/または金属シリサイドの薄膜を調製するために使用され得る。このような膜は、酸化触媒、アノード材料(例えば、SOFCまたはLIBアノード)、導電層、センサ、拡散バリア/コーティング、超伝導材料および非超伝導材料/コーティング、摩擦コーティング、および/または保護コーティングとしての用途を見出すことができる。膜特性(例えば、導電率)は、蒸着に使用される金属、共反応体および/または共錯体の存在または非存在、生成される膜厚、成長中およびその後のプロセス中に使用されるパラメータおよび基板などの多くの要因に依存することが当業者には理解される。
【0163】
本明細書を通して、「一実施形態」、「特定の実施形態」、「一つ以上の実施形態」、または「実施形態」に言及することは、本実施形態に関連して記載された特定の特徴、構造、物質、または特性が本技術の少なくとも一つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体の様々な箇所における「一つ以上の実施形態において」、「特定の実施形態において」、「一実施形態において」、または「実施形態において」などの語句の出現は、必ずしも本技術の同じ実施形態を指すとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、材料、または特性は、一つまたは複数の実施形態において任意の適切な方法で組み合わせることができる。
【0164】
本明細書における本技術は、特定の実施形態を参照して記載されたが、これらの実施形態は本技術の原理および応用を単に例示しているに過ぎないことを理解されたい。本技術の精神および範囲から逸脱することなく、本技術分野の方法および装置に様々な修正および変形を行うことができることは、当業者には明らかであろう。したがって、本技術は、添付の特許請求の範囲およびその均等物の範囲内にある修正および変形を含むことが意図される。したがって、本技術は一般的に記載されるが、例示を目的として提供され、限定を意図していない以下の実施例を参照することによってより容易に理解されるであろう。
【0165】
〔実施例〕
特に断らない限り、実施例に記載されるクーポン(coupon)または基板は、TiNの50Åコーティングを有するシリカであり、本明細書に記載されるフィーチャは、約90nmの幅および約1800nmの深さを有する。名称「A1」、「A2」、「B1」、「B2」、「C1」、「D1」、「E1」、「F1」、「G1」、「H1」などは、以下の実施例に記載される個々のフィーチャを識別するために使用される。
【0166】
[実施例1:基板におけるフィーチャの周辺の選択的ALD膜成長]
<実施例1A:コンフォーマル成長条件I下でのALD:モリブデン膜のコンフォーマルALD成長>
本明細書で提供されるコンフォーマル成長条件(本明細書では「コンフォーマル成長条件I」と呼ぶ)下、275℃で300サイクルにわたってALDを実施した。各サイクルは、以下からなる:
1.MoCl5の1秒間の曝露(蒸気吸引により送達し、その間120℃(補正温度)で保持することにより、0.020~0.022Torrの圧力スパイクをもたらした)、
2.続いて20sccm(標準立方センチメートル/分)の窒素による10秒間のパージ、
3.1,4-ジ-トリメチルシリル-2-メチル-シクロヘキサ-2,5-ジエン(CHD)の3秒間の曝露(50℃に加熱したCHDボンベ内に窒素をバブリングして送達した)、
4.続いて20sccmの窒素による10秒間のパージ。
【0167】
二つの領域が蒸着リアクタ内に見られた:一つは基板として働くクーポン上で成長が観察されず(エッチング/脱離は蒸着よりも大きかった)、もう一つはクーポン上で成長が観察された(蒸着はエッチング/脱離よりも大きかった)。膜厚は、成長が観察された領域内で均一であり、膜は24~26nmの厚さ(成長速度0.8~0.857Å/サイクル)で、抵抗率は190~250μΩ・cmであった。成長が観察された領域に配置したフィーチャを有する基板には、コンフォーマル成長が観察された。試料の粗さを、五つの異なる位置で原子間力顕微鏡(AFM)によって分析した。これら5回の測定の平均から、二乗平均平方根(RMS)粗さの平均値が2.818nm(標準偏差=0.076)であることが得られ、これは膜厚の11.3%であった。なお、実施例全体を通して別段の指示がない限り、使用したAFM機器はPark Systems NX20であった。走査は、ライン当たり256ピクセルの解像度を有する1μm四方の走査領域を用いて収集した。非接触モード(NCM)での適応走査(0.8~0.2Hz)を使用した。使用したAFMチップは、PPP-NCHRであった。画像は、Park SystemsからのXEIを用いて分析した。走査型電子顕微鏡(SEM)画像を、
図3~6に示すように、蒸着後の様々なフィーチャについて撮影した。
【0168】
図3は、厚いモリブデン膜がフィーチャA1の上部およびフィーチャA1の外側に蒸着したことを示し、蒸着はエッチング/脱離よりも大きかった。
【0169】
図4は、厚いモリブデン膜がフィーチャA2の下部に蒸着したことを示し、蒸着はエッチング/脱離よりも大きかった。膜の下部100nmは、劈開中に亀裂が入った。
【0170】
図5は、フィーチャ内のモリブデンの量が頂部から底部までどのように変化するかを図示し、フィーチャA3、フィーチャA4、およびフィーチャA5(左から右)の長さ方向全体にわたってモリブデンの厚膜が蒸着したことを示す。さらに、右側のフィーチャA5は劈開中に破壊されず、一方、左側のフィーチャA3および中央のフィーチャA4は劈開中に(底部で)部分的に破壊された。フィーチャ内の膜プロファイルは、膜厚のある程度の変動を伴うコンフォーマル成長と一致した。
【0171】
図6は、エネルギー分散型X線分光法(EDS)による、モリブデン量を定量化した6ヶ所のおおよその位置を図示する。フィーチャA6(中央のフィーチャ)内の3ヶ所の位置を、フィーチャ上部内(IT-1)、フィーチャ中央部内(IM-1)、およびフィーチャ下部内(IB-1)で分析した。参考のために、フィーチャA6の外側、フィーチャ上部の外側(OT-1)、フィーチャの中央部の外側(OM-1)、およびフィーチャ下部(OB-1)の3ヶ所の位置をさらに分析した。
【0172】
図7は、
図6の6ヶ所のおおよその位置(コンフォーマルなモリブデン成長を有するサンプル)についてのEDS走査の強度を示し、モリブデンがフィーチャA6(中央のフィーチャ)の3ヶ所(IT-1、IM-1、およびIB-1)およびフィーチャA6の上部の外側(OT-1)に存在したことを示す。これは、モリブデンがフィーチャA6全体にわたって存在することを示した。フィーチャA6のこれらの位置(IT-1、IM-1、およびIB-1)におけるモリブデン信号の各強度は、膜厚、フィーチャ幅、および基板が劈開されたときのモリブデン膜の劈開のされ方の指標であり、したがって、それぞれの各信号強度は、蒸着されている膜厚のみの指標として解釈されるべきではない。フィーチャA6上部の外側の平坦な表面に存在するモリブデンの一部は、分析した領域にあったため、モリブデンは位置OT-1でも見られた。
【0173】
図8は、フィーチャA7全体をカバーする長方形内のモリブデン、ケイ素、酸素、およびチタン(EDSによって測定される)の定量化(右端に提供されるSEM画像)を図示し、これは、モリブデンの強いシグナルがフィーチャA7全体でやや一定であったことを図示する。この強いモリブデン信号は、シリカ基板に由来するケイ素および酸素の信号を「遮蔽」する。シリカ基板を50ÅのTiNライナーでコーティングし、チタンを分析することで、分析が所望の感度であることを確認した。20:1のアスペクト比を有するフィーチャを横断する厚さのこのパターンは、膜厚のある程度の変動を伴うコンフォーマルALDプロセスと一致した。
【0174】
図9a(右側)は、サンプルの頂部表面に蒸着したMo膜の1μm四方の領域のAFMマップを提供し、蒸着した膜が粗いことを示す。
図9a(左側)は、AFMマップの各ピクセルの高さを図示するために使用される色のパレットを示す。この色のパレットは、
図9、
図42、
図50、
図58、および
図66に示すすべてのAFMデータについて同じである。
図9bは、高さによるピクセルの分布を示すヒストグラムである。この試料のRMS粗さは2.843nmであり、これはRMS粗さが膜厚の11.4%であることを意味する。四つの追加の1μm四方の領域を同様に分析し(データは示さず)、それぞれ2.786nm(11.1%)、2.709nm(10.8%)、2.914nm(11.7%)および2.838nm(11.4%)のRMS粗さを提供した。
【0175】
<実施例1B:スーパーコンフォーマル成長条件II下でのALD:モリブデン膜のスーパーコンフォーマルALD成長>
本明細書で提供されるスーパーコンフォーマル成長条件(本明細書では「スーパーコンフォーマル成長条件II」と呼ぶ)下、275℃で500サイクルにわたってALDを実施した。各サイクルは、以下からなる:
1.MoCl5の1秒間の曝露(蒸気吸引により送達し、その間117℃(補正温度)で保持することにより、0.014~0.016Torrの圧力スパイクをもたらした)、
2.続いて20sccmの窒素による20秒間のパージ、
3.CHDの3秒間の曝露(50℃に加熱したCHDボンベ内に窒素をバブリングして送達した)、
4.続いて20sccmの窒素による20秒間のパージ。
【0176】
基板として働くクーポン上に成長は観察されない、1領域のみが蒸着リアクタ内には見られた(エッチング/脱離は蒸着よりも大きかった)。X線蛍光(XRF)によって、パターン化されたクーポン(すなわち、フィーチャを有するクーポン)が位置する領域で、クーポン上に1.1nmのモリブデンの最大厚さ(成長速度0.022Å/サイクル)を測定した。2.1nmのモリブデンの最大厚さ(0.042Å/サイクル)を、リアクタ内の他の場所で測定した。リアクタ内のどの領域にも、少なくとも0.1Å/サイクルである「真のALD」成長速度は観察されず、このことは、CVDが生じていないことが確認された場合、蒸着チャンバ内の他のどこにも、より高い成長速度が観察されなかったことから確認された。最終的に、クーポンの裏面では、いくつかの領域が25nmまでのモリブデン(0.50Å/サイクル)を有することを示した。
【0177】
クーポンの裏側(基板ホルダー上にある)では、パージガスの量が最小限に抑えられ、おそらく脱離/エッチングが再蒸着を引き起こしたため、脱離/エッチングが減少した。同じことがフィーチャ底部で起こることが予想された。走査型電子顕微鏡(SEM)およびEDS分析により、パターン化されたクーポンの平坦な表面上にモリブデンが検出されず、フィーチャ上部にモリブデンが検出されないことが確認された。モリブデンは、フィーチャ下部にのみ検出され、スーパーコンフォーマル成長が起こったことを示した。SEM画像を、
図10~15に示されるように、蒸着後の様々なフィーチャについて撮影した。
【0178】
図10は、エッチング/脱離が蒸着よりも大きく、フィーチャB1上部およびフィーチャB1外側に、モリブデンがほとんどまたは全く蒸着されなかったことを示す。
【0179】
図11は、モリブデン膜がフィーチャB2下部に蒸着したことを示し、蒸着はエッチング/脱離よりも大きかった。
【0180】
図12は、モリブデン膜がフィーチャB3下部に蒸着したことを示し、蒸着はエッチング/脱離よりも大きかった。
【0181】
図13は、モリブデン膜がそれぞれのフィーチャB4、B5、およびB6下部(左から右)に蒸着したことを示し、
図14は、モリブデン膜がそれぞれのフィーチャB7、B8、およびB9下部(左から右)に蒸着したことを示す。
図13および
図14は、フィーチャ内のモリブデンの量がフィーチャの上部から下部までどのように変化するかを図示し、それぞれのフィーチャ底部(すなわち、フィーチャ下部)から測定を開始した場合に、フィーチャのそれぞれの約15~20%にモリブデン膜が蒸着したことを示す。
【0182】
図15は、モリブデンの量がEDSによって定量化された6ヶ所のおおよその位置を図示する。フィーチャB10(中央のフィーチャ)内の三つの位置を、フィーチャ上部内(IT-1)、フィーチャの中央部内(IM-1)、およびフィーチャ下部内(IB-1)で分析した。参考のために、フィーチャB10の外側、フィーチャ上部の外側(OT-1)、フィーチャの中央部の外側(OM-1)、およびフィーチャ下部(OB-1)の三つの位置をさらに分析した。
【0183】
図16は、
図15に示される6ヶ所のおおよその位置についてのEDS走査の強度を示す。
図16によれば、フィーチャB10下部内(IB-1)に、不明瞭でないモリブデン信号のみが示されており、これはモリブデンが存在する唯一の位置がフィーチャB10下部内(IB-1)であったことを示している。
【0184】
図17aおよび17bは、フィーチャ内の位置関数としてのモリブデン定量化(EDSによって測定される)を示し、これは、フィーチャ内での位置がより深くなるにつれて、モリブデンの量がどのように増加するかを図示する。特に、
図17aは、フィーチャB11(右側のフィーチャ)におけるEDSライン走査の位置を示すSEM画像であり、
図17bは、フィーチャB11の長さ方向に沿ったモリブデン強度のEDSカウントを示す。
図17bのEDS強度カウントの右側はフィーチャB11頂部に対応し、EDS強度カウントの左側はフィーチャB11の底部に対応する。モリブデン濃度は高く、フィーチャの最も低い0.4μm部分で一定であり、これはスーパーコンフォーマル成長と一致した。
【0185】
図18aおよび18bは、フィーチャ内の位置関数としてのモリブデン定量化(EDSによって測定される)を示し、フィーチャ内の深さが増加するにつれてモリブデンの量がどのように増加するかを図示する。特に、
図18aは、フィーチャB12(中央のフィーチャ)におけるEDSライン走査の位置を示すSEM画像であり、
図18bは、フィーチャB12の長さ方向に沿ったモリブデン強度のEDSカウントを示す。
図18bのEDS強度カウントの右側はフィーチャB12の頂部に対応し、EDS強度カウントの左側はフィーチャB12の底部に対応する。モリブデンの濃度は高く、第2のフィーチャの最も低い0.4μm部分で一定であり、これはスーパーコンフォーマル成長と一致した。
【0186】
<実施例1C:スーパーコンフォーマル成長条件III下でのALD:モリブデン膜のスーパーコンフォーマルALD成長>
本明細書で提供されるスーパーコンフォーマル成長条件(本明細書では「スーパーコンフォーマル成長条件III」と呼ぶ)下、280℃で700サイクルにわたってALDを実施した。各サイクルは、以下からなる:
1.MoCl5の1秒間の曝露(蒸気吸引により送達し、その間117℃(補正温度)で保持することにより、0.012~0.015Torrの圧力スパイクをもたらした)、
2.続いて20sccmの窒素による20秒間のパージ、
3.CHDの3秒間の曝露(50℃に加熱したCHDボンベ内に窒素をバブリングして送達した)、
4.続いて20sccmの窒素による20秒間のパージ。
【0187】
基板として働くクーポン上で成長が観察されない(または成長が非常に少なかった)、1領域のみが蒸着リアクタ内には観察された(エッチング/脱離は蒸着よりも大きかった)。パターン化されたクーポンが位置する領域で、4.3nmのモリブデンの最大厚さ(成長速度0.062Å/サイクル)を測定した。リアクタ内の他の場所では、より厚いモリブデン膜は測定されなかった。リアクタ内のどの領域にも、少なくとも0.1Å/サイクルである「真のALD」成長速度は観察されず、このことは、CVDが生じていないことが確認された場合、蒸着チャンバ内の他のどこにも、より高い成長速度が観察されなかったことから確認された。最終的に、クーポンの裏面は、いくつかの領域が28.6nmまでのモリブデン(0.41Å/サイクル)を有することを示した。
【0188】
クーポンの裏側(基板ホルダー上にある)では、パージガスの量が最小限に抑えられ、おそらく脱離/エッチングが再蒸着を引き起こしたため、脱離/エッチングが減少した。同じことがフィーチャ底部で起こることが予想された。SEMおよびEDS分析により、パターン化されたクーポンの平坦な表面上にモリブデンが検出されず、フィーチャ上部にモリブデンが検出されないことが確認された。モリブデンは、フィーチャ下部にのみ検出され、これはフィーチャ底部から測定を開始した場合にフィーチャの約20~30%が充填されたスーパーコンフォーマル成長が起こったことを示している。SEM画像を、
図19~22に示されるように、蒸着後の様々なフィーチャについて撮影した。
【0189】
図19は、エッチング/脱離は蒸着よりも大きく、フィーチャC1上部およびフィーチャC1外側に、ほとんどまたは全くモリブデンが蒸着されなかったことを示す。
【0190】
図20は、厚いモリブデン膜がフィーチャC2下部に蒸着したことを示し、この蒸着はエッチング/脱離よりも大きく、このモリブデン膜はサンプル劈開中に破壊されなかった。
【0191】
図21は、厚いモリブデン膜がフィーチャC3下部に蒸着されたことを示し、この蒸着はエッチング/脱離よりも大きく、このモリブデン膜はサンプル劈開中に破壊された。
【0192】
図22は、モリブデン膜がフィーチャC4、C5、およびC6下部(左から右)に蒸着したことを示す。
図22は、フィーチャ内のモリブデン量がフィーチャの上部から下部までどのように変化するかを図示し、フィーチャ底部(すなわち、フィーチャ下部)から測定を開始した場合に、厚いモリブデン膜がフィーチャのそれぞれの約25%に蒸着したことを図示する。
【0193】
図23aおよび23bは、フィーチャ内の位置関数としてのモリブデンの定量化(EDSによって測定)を示し、フィーチャ内の深さが増加するにつれてモリブデンの量がどのように増加するかを図示する。特に、
図23aは、フィーチャC7におけるEDSライン走査の位置を示すSEM画像であり、
図23bは、フィーチャC7の長さ方向に沿ったモリブデン強度のEDSカウントを示す。
図23bのEDS強度カウントの右側はフィーチャC7の頂部に対応し、EDS強度カウントの左側はフィーチャC7の底部に対応する。モリブデンの濃度は、フィーチャ底部0.35μmに対して低かったが、これはモリブデン膜の最下部がサンプル劈開中に破壊されたためである。
【0194】
図24aは、モリブデン膜がフィーチャC8の下部に蒸着したことを示す。
図24aは、フィーチャ内のモリブデン量がフィーチャの上部から下部までどのように変化するかを図示し、フィーチャ底部(すなわち、フィーチャ下部)から測定を開始した場合に、フィーチャC8の底部約25~40%にモリブデン膜が蒸着したことを示す。さらに、
図24bは、フィーチャC8底部におけるモリブデンの領域を示す、
図24aのSEM画像の拡大図を示す。
図24cは、
図24bに示されるフィーチャC8の領域内のモリブデンの定量(EDSによって測定され、15keVで収集されたデータ)である。
図24dは、フィーチャC8の長さ方向に沿ったモリブデン強度のEDSカウントを示す。追加のフィーチャ三つを同様に分析し、分析により、フィーチャ内にモリブデンが蒸着された高さがフィーチャごとに一定であることが確認された(データは示されていない)。
【0195】
<実施例1D:スーパーコンフォーマル成長条件IV下でのALD:モリブデン膜のスーパーコンフォーマルALD成長>
本明細書で提供されるスーパーコンフォーマル成長条件(本明細書では「スーパーコンフォーマル成長条件IV」と呼ぶ)下、295℃で300サイクルにわたってALDを実施した。各サイクルは、以下からなる:
1.MoCl5の1秒間の曝露(蒸気吸引により送達され、その間117℃(補正温度)で保持することにより、0.011~0.016Torrの圧力スパイクをもたらした)、
2.続いて20sccmの窒素による10秒間のパージ、
3.CHDの3秒間の曝露(50℃に加熱したCHDボンベ内に窒素をバブリングして送達した)、
4.続いて20sccmの窒素による10秒間のパージ。
【0196】
基板として働くクーポン上に成長は観察されない(または成長がほとんど観察されなかった)、一つの領域のみが蒸着リアクタ内において観察された(エッチング/脱離は蒸着よりも大きかった)。パターン化されたクーポンが位置する領域で、クーポン上に0.9nmのモリブデンの最大厚さ(成長速度0.029Å/サイクル)を測定した。リアクタ内の他の場所では、より厚いモリブデン膜は測定されなかった(約10nmが小さい面積で測定された、リアクタ出口付近のわずかなエッジを除く)。リアクタ内のどの領域にも少なくとも0.1Å/サイクルである「真のALD」成長速度は観察されず、このことは、CVDが生じていないことが確認された場合、蒸着チャンバ内の他のどこにも、より高い成長速度が観察されなかったことから確認された。最終的に、クーポンの裏面では、いくつかの領域が15.7nmまでのモリブデン(0.52Å/サイクル)を有することを示した。
【0197】
クーポンの裏側(基板ホルダー上にある)では、パージガスの量が最小限に抑えられ、おそらく脱離/エッチングが再蒸着を引き起こしたため、脱離/エッチングが減少した。同じことがフィーチャ底部で起こることが予想された。SEMおよびEDS分析により、パターン化されたクーポンの平坦な表面上にモリブデンが検出されず、フィーチャ上部にモリブデンが検出されないことが確認された。モリブデンは、フィーチャ下部にのみ検出され、これは、フィーチャ底部から測定を開始した場合に、フィーチャの約50~65%が充填されたスーパーコンフォーマル成長が起こったことを示している。SEM画像を、
図25~28に示されるように、蒸着後の様々なフィーチャについて撮影した。
【0198】
図25は、エッチング/脱離が蒸着よりも大きく、フィーチャD1上部およびフィーチャD1の外側にはモリブデンがほとんどまたは全く蒸着しなかったことを示す。
【0199】
図26は、厚いモリブデン膜がフィーチャD2下部に蒸着したことを示し、この蒸着はエッチング/脱離よりも大きく、このモリブデン膜はサンプル劈開中に破壊されなかった。
【0200】
図27は、フィーチャD3、D4、およびD5下部(左から右)にモリブデン膜が蒸着されたことを示す。
図27は、フィーチャ内のモリブデン量がフィーチャの上部から下部までどのように変化するかを図示し、モリブデン膜がフィーチャ底部(すなわち、フィーチャ下部)から測定を開始した場合に、フィーチャのそれぞれの約50~65%にモリブデン膜が蒸着したことを図示する。さらに、
図27は、モリブデン膜が劈開中に剪断され得ること(フィーチャD3およびD5)、またはモリブデン膜が剪断されず、フィーチャD4の底部までずっとはっきりと見えることを示す。
【0201】
図28は、モリブデン膜がフィーチャD6、D7、およびD8下部(左から右)に蒸着したことを示す。
図28は、フィーチャ内のモリブデンの量がフィーチャの上部から下部までどのように変化するかを図示し、フィーチャ底部から測定を開始した場合に、それぞれのフィーチャ約50~65%にモリブデン膜が蒸着したことを図示する。さらに、
図28では、劈開中にモリブデン膜が剪断されなかった。
【0202】
図29aおよび29bは、フィーチャ内の位置関数としてのモリブデンの定量化(EDSによって測定される)を示し、フィーチャ内の深さが増加するにつれてモリブデンの量がどのように増加するかを図示する。特に、
図29aは、フィーチャD9におけるEDSライン走査の位置を示すSEM画像であり、
図29bは、フィーチャD9の長さ方向に沿ったモリブデン強度のEDSカウントを示す。
図29bのEDS強度カウントの右側はフィーチャD9の底部に対応し、EDS強度カウントの左側はフィーチャD9の頂部に対応する。この特定のフィーチャのために、モリブデン膜はフィーチャD9下部において破壊されず、EDSはフィーチャD9下部30%で高いMo濃度を示した。なお、膜はフィーチャD9の中央および/または上部で部分的に剪断されていてもよい。
【0203】
図30a、30b、31a、31b、32a、および32bは、フィーチャ内の位置関数としてのモリブデン(EDSによって測定される)の定量化を示し、フィーチャ内の深さが増加することにつれてモリブデンの量がどのように増加するかを図示する。特に、
図30a、31a、および32aは、それぞれフィーチャD10、D11、およびD12におけるEDSライン走査の位置を示すSEM画像である。
図30b、31b、および32bは、それぞれフィーチャD10、D11、およびD12の長さ方向に沿ったモリブデン強度のEDSカウントを示す。これらの各フィーチャのそれぞれについて、モリブデン膜はフィーチャの最下部(異なる高さ)で破壊され、EDSはフィーチャ底部50~60%についてより高いMo濃度を示した。
【0204】
図33aは、フィーチャ内のモリブデンの量がフィーチャの上部から下部までどのように変化するかを図示し、フィーチャ底部(すなわち、フィーチャ下部)から測定を開始した場合に、フィーチャの約50~65%にモリブデン膜が蒸着されたことを示す。特に、
図33aは、10個のフィーチャ、フィーチャD13、D14、D15、D16、D17、D18、D19、D20、D21およびD22(左から右)に蒸着したモリブデン膜を示すSEM画像である。さらに、
図33aは、モリブデンがフィーチャ内に蒸着し始める深さがフィーチャ毎に同等であることを示す。
図33b、33c、および33dは、代表的なフィーチャ内の位置関数としてのモリブデンの定量化(EDSによって測定、15keVで収集したデータ)を示す。これは、モリブデンがフィーチャ内に蒸着し始める深さがフィーチャ毎にどのように同じであるかを図示する。
【0205】
図34は、モリブデンの定量化(EDSによって測定、15keVで収集したデータ)を、
図33aと同じ10個のフィーチャをカバーするマップ上の位置関数として示す。これは、モリブデンがフィーチャ内に蒸着し始める深さがフィーチャ毎にどのように同じであるかを図示する。
【0206】
<実施例1E:コンフォーマル成長条件V下でのALD:モリブデン膜のコンフォーマルALD成長>
本明細書で提供されるコンフォーマル成長条件(本明細書では「コンフォーマル成長条件V」と呼ぶ)下、275℃で400サイクルにわたってALDを実施した。各サイクルは、以下からなる:
1.MoCl5の1秒間の曝露(蒸気吸引により送達され、その間117℃(未補正温度)で保持することにより、0.006~0.008Torrの圧力スパイクをもたらした)、
2.続いて20sccmの窒素による10秒間のパージ、
3.CHDの3秒間の曝露(50℃に加熱したCHDボンベ内に窒素をバブリングして送達した)、
4.続いて20sccmの窒素による10秒間のパージ。
【0207】
二つの領域が蒸着リアクタ内に見られた:一つは基板として働くクーポン上で成長が観察されず(エッチング/脱離は蒸着よりも大きかった)、もう一つはクーポン上で成長が観察された(蒸着はエッチング/脱離よりも大きかった)。膜厚は、成長が観察された領域内で均一であり、膜は25~26.7nmの厚さ(成長速度0.63~0.67Å/サイクル)で、抵抗率は175~177μΩ・cmであった。成長が観察された領域に配置したフィーチャを有する基板には、膜厚のいくらかの変動を伴う、コンフォーマル成長が観察された。試料の粗さを、五つの異なる位置でAFMによって分析した。これらの5回の測定の平均は、1.783nmの平均RMS粗さ(標準偏差=0.061)であることが得られ、これは膜厚の6.9%であった。SEM画像を、
図35~37に示すように、蒸着後の様々なフィーチャについて撮影した。
【0208】
図35は、厚いモリブデン膜がフィーチャE1上部およびフィーチャE1の外側に蒸着したことを示し、蒸着はエッチング/脱離よりも大きかった。
【0209】
図36は、厚いモリブデン膜がフィーチャE2下部に蒸着したことを示し、蒸着はエッチング/脱離よりも大きかった。
【0210】
図37は、モリブデン膜がフィーチャE3、E4、およびE5(左から右)に蒸着したことを示す。
図37は、フィーチャ内のモリブデンの量が頂部から底部までどのように変化するかを図示し、厚いモリブデンの膜がフィーチャの長さ方向全体にわたって蒸着したことを示す。さらに、中央のフィーチャE4は劈開中に破壊されず、一方、左側のフィーチャE3および右側のフィーチャE5は劈開中に部分的に破壊された。フィーチャE5上部で測定された厚さは34nmであり、フィーチャ下部では23nmであり、膜厚のいくらかの変動は、コンフォーマルALDプロセスと一致した。
【0211】
図38aおよび38bは、フィーチャ内の位置関数としてのモリブデンの定量化(EDSによって測定される)を示し、フィーチャ内の深さが増加するにつれてモリブデンの量がどのように漸減するかを図示する。特に、
図38aは、フィーチャE6におけるEDSライン走査の位置を示すSEM画像であり、
図38bは、フィーチャE6の長さ方向に沿ったモリブデン強度のEDSカウントを示す。
図29bのEDS強度カウントの右側はフィーチャE6の底部に対応し、EDS強度カウントの左側はフィーチャE6の頂部に対応する。モリブデン信号の強度のこの漸減は、モリブデン厚さの(フィーチャ深さ方向に沿った)減少の指標となり得、また、フィーチャE6の直径が縮小したこと、すなわちモリブデン膜が成長するために利用可能な空間が減少したことも反映している。加えて、サンプルが劈開された方法は、両側に存在するモリブデンの量と、それにしたがってモリブデンEDS信号の強度とに影響を及ぼす可能性がある。20:1のアスペクト比を有する、フィーチャE7を横断するモリブデン厚さのこのパターンは、膜厚のいくらかの変動を伴うコンフォーマルALDプロセスと一致した。
【0212】
図39aおよび39bは、別のフィーチャ内の位置関数としてのモリブデンの定量化(EDSによって測定される)を示し、これは、モリブデンの量がフィーチャ内の深さが増加するにつれてどのように漸減するかを図示する。特に、
図39aは、フィーチャE7におけるEDSライン走査の位置を示すSEM画像であり、
図39bは、フィーチャE7の長さ方向に沿ったモリブデン強度のEDSカウントを示す。
図39bのEDS強度カウントの右側はフィーチャE7の頂部に対応し、EDS強度カウントの左側はフィーチャE7の底部に対応する。モリブデン信号の強度のこの漸減は、モリブデン厚さの(フィーチャ深さ方向に沿った)減少の指標となり得、また、フィーチャE7の直径が縮小したこと、すなわちモリブデン膜が成長するために利用可能な空間が減少したことも反映している。加えて、サンプルが劈開された方法は、両側に存在するモリブデンの量と、それにしたがってモリブデンEDS信号の強度とに影響を及ぼす可能性がある。20:1のアスペクト比を有するフィーチャE7を横断する厚さのこのパターンは、膜厚のいくらかの変動を伴うコンフォーマルALDプロセスと一致した。
【0213】
図40および41はそれぞれ、フィーチャE8全体をカバーする長方形(
図40の右端に提供されるSEM画像)およびフィーチャE9全体をカバーする長方形(
図41の右端に提供されるSEM画像)内のモリブデン、ケイ素、酸素およびチタンのそれぞれの定量化(EDSによって測定される)を示し、これは、モリブデンの強いシグナルがどのようにフィーチャE8およびE9全体内でやや一定であったかを図示する。この強いモリブデン信号は、シリカ基板に由来するケイ素および酸素の信号を「遮蔽」する。シリカ基板を50ÅのTiNライナーでコーティングし、チタンを分析することで、分析が所望の感度であることを確認した。20:1のアスペクト比を有するフィーチャE8およびE9を横断する厚さのこのパターンは、膜厚のある程度の変動を伴うコンフォーマルALDプロセスと一致する。
【0214】
図42a(右側)は、サンプルの頂部表面に蒸着したMo膜の1μm四方の領域のAFMマップを提供し、蒸着した膜が粗いことを示す。
図42a(左側)は、AFMマップの各ピクセルの高さを示すために使用される色のパレットを図示する。
図42bは、高さによるピクセルの分布を示すヒストグラムである。この試料のRMS粗さは1.775nmであり、これはRMS粗さが膜厚の6.9%であることを意味する。四つの追加の1μm四方の領域を同様に分析し(データは示さず)、それぞれ1.878nm(7.3%)、1.783nm(6.9%)、1.769nm(6.9%)および1.708nm(6.6%)のRMS粗さを提供した。
【0215】
<実施例1F:コンフォーマル成長条件VI下でのALD:モリブデン膜のコンフォーマルALD成長>
本明細書で提供されるコンフォーマル成長条件(本明細書では「コンフォーマル成長条件VI」と呼ぶ)下、295℃で600サイクルにわたってALDを実施した。各サイクルは、以下からなる:
1.MoCl5の1秒間の曝露(蒸気吸引により送達し、その間117℃(未補正温度)で保持することにより、これは0.012~0.015Torrの圧力スパイクをもたらした)、
2.続いて20sccmの窒素による10秒間のパージ、
3.CHDの3秒間の曝露(50℃に加熱したCHDボンベ内に窒素をバブリングして送達した)、
4.続いて20sccmの窒素による10秒間のパージ。
【0216】
二つの領域が蒸着リアクタ内に見られた:一つは基板として働くクーポン上で成長が観察されず(エッチング/脱離は蒸着よりも大きかった)、もう一つはクーポン上で成長が観察された(蒸着はエッチング/脱離よりも大きかった)。膜厚は、成長が観察された領域内で均一であり、膜厚は20~21nmであり(成長速度0.34~0.35Å/サイクル)、抵抗率は140~148μΩ・cmであった。成長が観察された領域に配置されたフィーチャを有する基板には、コンフォーマルな成長が観察された。試料の粗さを、五つの異なる位置でAFMによって分析した。これらの5回の測定の平均は5.67nmの平均RMS粗さ(標準偏差=1.79)を与え、これは、膜厚の27.6%であり、モリブデン膜が粗いことを示し、不規則な粗さも有する。SEM画像を、
図43~46に示すように、蒸着後の様々なフィーチャについて撮影した。
【0217】
図43は、厚いモリブデン膜がフィーチャF1上部およびフィーチャF1の外側に蒸着したことを示し、蒸着はエッチング/脱離よりも大きかった。
【0218】
図44は、厚いモリブデン膜がフィーチャF2上部およびフィーチャF2の外側に蒸着したことを示し、蒸着はエッチング/脱離よりも大きかった。
【0219】
図45は、厚いモリブデン膜がフィーチャF3下部に蒸着したことを示し、蒸着はエッチング/脱離よりも大きかった。
【0220】
図46は、モリブデン膜がフィーチャF4、F5、およびF6(左から右)に蒸着したことを示す。
図46は、フィーチャ内のモリブデンの量が頂部から底部までどのように変化するかを図示し、モリブデンの厚膜がフィーチャの長さ方向全体にわたって蒸着したことを示す。さらに、中央フィーチャF5および右側フィーチャF6は劈開中に破壊されず、一方、左側フィーチャF4は劈開中に部分的に破壊された。フィーチャF4上部で測定された厚さは42nmであり、フィーチャ下部では34nmであり、膜厚のいくらかの変動はコンフォーマルALDプロセスと一致した。
【0221】
図47aおよび47bは、フィーチャ内の位置関数としてのモリブデンの定量化(EDSによって測定される)を示し、フィーチャ内の深さが増加することにつれてモリブデンの量がどのように漸減するかを図示する。特に、
図47aは、フィーチャF7におけるEDSライン走査の位置を示すSEM画像であり、
図47bは、フィーチャF7の長さ方向に沿ったモリブデン強度のEDSカウントを示す。
図47bのEDS強度カウントの右側はフィーチャF7の上部に対応し、EDS強度カウントの左側はフィーチャF7の下部に対応する。モリブデン信号の強度のこの(フィーチャ深さに沿った)漸減は、モリブデン厚さの(フィーチャ深さに沿った)減少の指標となり得るが、フィーチャF7の直径が縮小したこと、すなわちモリブデン膜が成長するために利用可能な空間が減少したことも反映している。加えて、サンプルが劈開された方法は、両側に存在するモリブデンの量と、それにしたがってモリブデンEDS信号の強度とに影響を及ぼす可能性がある。20:1のアスペクト比を有する、フィーチャを横断する厚さのこのパターンは、膜厚のいくらかの変動を伴うコンフォーマルALDプロセスと一致した。モリブデン膜は、劈開中に破壊されなかった。
【0222】
図48aおよび48bは、フィーチャ内の位置の関数としてのモリブデンの定量化(EDSによって測定される)を示し、フィーチャ内の深さが増加することにつれてモリブデンの量がどのように漸減するかを図示する。特に、
図48aは、フィーチャF8におけるEDSライン走査の位置を示すSEM画像であり、
図48bは、フィーチャF8の長さ方向に沿ったモリブデン強度のEDSカウントを示す。
図48bのEDS強度カウントの右側はフィーチャF8の底部に対応し、EDS強度カウントの左側はフィーチャF8の頂部に対応する。モリブデン信号の強度の(フィーチャ深さに沿った)漸減は、モリブデン厚さの(フィーチャ深さに沿った)減少の指標となり得るが、フィーチャF8の直径が縮小したこと、すなわちモリブデン膜が成長するために利用可能な空間が減少したことも反映している。加えて、サンプルが劈開された方法は、両側に存在するモリブデンの量と、それにしたがってモリブデンEDS信号の強度とに影響を及ぼす可能性がある。20:1のアスペクト比を有するフィーチャを横断する厚さのこのパターンは、膜厚のいくらかの変動を伴うコンフォーマルALDプロセスと一致した。モリブデン膜は、劈開中に破壊された。
【0223】
図49は、フィーチャF9全体をカバーする長方形(
図49の右端に提供されるSEM画像)内のモリブデン、ケイ素、酸素、およびチタン(EDSによって測定される)の定量化を示し、これは、モリブデンの強いシグナルがどのようにフィーチャF9全体内でやや一定であったかを図示する。この強いモリブデン信号は、シリカ基板に由来するケイ素および酸素の信号を「遮蔽」する。シリカ基板を50ÅのTiNライナーでコーティングし、チタンを分析して、分析が所望の感度であることを確認した。20:1のアスペクト比を有するフィーチャF9を横断する厚さのこのパターンは、膜厚のいくつかの変動を伴うコンフォーマルALDプロセスと一致した。
【0224】
図50a(右側)は、サンプルの頂部表面上に蒸着したMo膜の1μm四方の領域のAFMマップを提供し、蒸着した膜が粗いことを示す。
図50a(左側)は、AFMマップの各ピクセルの高さを示すために使用される色のパレットを図示する。
図50bは、高さによるピクセルの分布を示すヒストグラムである。この試料のRMS粗さは4.191nmであり、これはRMS粗さが膜厚の20.4%であることを意味する。四つの追加の1μm四方の領域を同様に分析し(データは示さず)、それぞれ、6.137nm(30.0%)、4.039nm(19.7%)、5.506nm(26.9%)および8.46nm(41.3%)のRMS粗さを提供した。
【0225】
〔実施例1G:コンフォーマルおよびスーパーコンフォーマル成長条件VII下でのALD:極めて平滑な膜を蒸着できるコンフォーマルALD成長〕
本明細書で提供されるコンフォーマル成長サイクルおよびスーパーコンフォーマル成長サイクル(本明細書では「成長条件VII」と呼ぶ)を組み合わせて、275℃で250回のスーパーサイクルにわたってALDを実施した。各スーパーサイクルは、三つの連続したコンフォーマルサイクルと、それに続く一つのスーパーコンフォーマルサイクルとからなる。
【0226】
各コンフォーマルサイクルは、以下からなる:
1.MoCl5の1秒間の曝露(蒸気吸引により送達し、その間120℃(補正温度)で保持することにより、0.018~0.022Torrの圧力スパイクをもたらした)、
2.続いて20sccmの窒素による10秒間のパージ、
3.CHDの3秒間の曝露(50℃に加熱したCHDボンベ内に窒素をバブリングして送達した)、
4.続いて20sccmの窒素による10秒間のパージ。
【0227】
各スーパーコンフォーマルサイクルは、以下からなる:
1.MoCl5の1秒間の曝露(蒸気吸引により送達し、その間120℃(補正温度)で保持することにより、0.018~0.022Torrの圧力スパイクをもたらした)、
2.続いて20sccmの窒素による30秒間のパージ、
3.CHDの3秒間の曝露(50℃に加熱したCHDボンベ内に窒素をバブリングして送達した)、
4.続いて20sccmの窒素による30秒間のパージ。
【0228】
二つの領域が蒸着リアクタ内に見られた:一つは基板として働くクーポン上で成長が観察されず(エッチング/脱離は蒸着よりも大きかった)、もう一つはクーポン上で成長が観察された(蒸着はエッチング/脱離よりも大きかった)。膜厚は、成長がない領域の近傍を除いて、成長が観察された領域内では均一であったが、膜の位置が膜の成長がない領域に近づくにつれてモリブデン膜は徐々に薄くなった。均一な膜厚の領域内では、膜は26~35nmの厚さであり(成長速度1.05~1.40Å/スーパーサイクル)、抵抗率は244~280μΩ・cmであった。成長が観察された領域に配置されたフィーチャを有する基板について、コンフォーマル成長が観察された。試料の粗さを、五つの異なる位置でAFMによって分析した。これらの5回の測定の平均は0.704nmの平均RMS粗さ(標準偏差=0.0132)を与え、これは、膜の厚さの2.30%であり、滑らかなモリブデン膜を示す。SEM画像を、
図51~55に示すように、蒸着後の様々なフィーチャについて撮影した。
【0229】
図51および52は、厚いモリブデン膜がそれぞれフィーチャG1およびG2の上部に、ならびにそれぞれフィーチャG1およびG2の外側に蒸着したことを示し、蒸着はエッチング/脱離よりも大きかった。
【0230】
図53は、厚いモリブデン膜がフィーチャG3下部に蒸着したことを示し、蒸着はエッチング/脱離よりも大きかった。
【0231】
図54は、モリブデン膜がフィーチャG4、G5、G6、G7、およびG8(左から右)に蒸着したことを示す。
図55は、モリブデン膜がフィーチャG9、G10、およびG11(左から右)に蒸着したことを示す。
図54および55は、フィーチャ内のモリブデンの量が頂部から底部までどのように変化するかを図示しており、モリブデンの厚い膜がフィーチャの長さ方向全体にわたって蒸着したことを示している。
【0232】
図56aおよび56bは、フィーチャ内の位置関数としてのモリブデンの定量化(EDSによって測定、5keVで収集したデータ)を示す。特に、
図56aは、フィーチャG12におけるEDSライン走査の位置を示すSEM画像であり、
図56bは、フィーチャG12の長さ方向に沿ったモリブデン強度のEDSカウントを示す。データは、フィーチャの長さ方向に沿って存在するモリブデンの量を図示する。
図56bのEDS強度カウントの右側はフィーチャG12頂部に対応し、EDS強度カウントの左側はフィーチャG12底部に対応する。このモリブデン膜は、試料の劈開中に破壊されなかった。
【0233】
図57は、フィーチャG13全体をカバーする長方形(
図57の右端に提供されたSEM画像)内の酸素、ケイ素、チタン、およびモリブデンの定量化(EDSによって測定、15keVで収集されたデータ)を示し、これは、モリブデンの強いシグナルがどのようにフィーチャG13全体内でやや一定であったかを図示する。前記強いモリブデン信号は、シリカ基板に由来するケイ素および酸素信号を「遮蔽」する。シリカ基板を50ÅのTiNライナーでコーティングし、チタンを分析して、分析が所望の感度であることを確認した。20:1のアスペクト比を有するフィーチャG13を横断する厚さのこのパターンは、膜厚のいくらかの変動を伴うALDプロセスと一致した。
【0234】
図58a(右側)は、試料の頂部表面に蒸着したMo膜の1μm四方の領域のAFMマップを提供し、蒸着した膜が非常に滑らかであったことを示す。
図58a(左側)は、AFMマップの各ピクセルの高さを示すために使用される色のパレットを図示する。
図58bは、高さによるピクセルの分布を示すヒストグラムである。この試料のRMS粗さは0.703nmであり、これはRMS粗さが膜厚の2.30%であったことを意味する。四つの追加の1μm四方の領域を同様に分析し(データは示していない)、それぞれのRMS粗さは、それぞれ、0.721nm(2.36%)、0.698nm(2.29%)、0.687nm(2.25%)および0.713nm(2.34%)であった。
【0235】
〔実施例1H:コンフォーマルおよびスーパーコンフォーマル成長条件VII下でのALD:極めて平滑な膜を蒸着させ、検出不能な継ぎ目でフィーチャを充填できるコンフォーマルALD成長〕
本明細書中に提供されるようなコンフォーマル成長サイクルおよびスーパーコンフォーマル成長サイクル(本明細書中では「成長条件VII」と呼ばれる)を組み合わせて、275℃で375回のスーパーサイクルにわたってALDを実施した。各スーパーサイクルは、三つの連続したコンフォーマルサイクルと、それに続く一つのスーパーコンフォーマルサイクルからなっていた。
【0236】
各コンフォーマルサイクルは、以下からなる:
1.MoCl5の1秒間の曝露(蒸気吸引により送達され、その間120℃(補正温度)で保持することにより、0.018~0.022Torrの圧力スパイクをもたらした)、
2.続いて20sccm(標準立方センチメートル/分)の窒素による10秒間のパージ、
3.CHDの3秒間の曝露(50℃に加熱したCHDボンベ内に窒素をバブリングして送達した)、
4.続いて20sccmの窒素による10秒間のパージをもたらす。
【0237】
各スーパーコンフォーマルサイクルは、以下からなる:
1.MoCl5の1秒間の曝露(蒸気吸引により送達し、一方120℃(補正温度)で保持することにより、0.018~0.022Torrの圧力スパイクをもたらした)、
2.続いて20sccmの窒素による30秒間のパージ、
3.CHDの3秒間の曝露(50℃に加熱したCHDボンベ内に窒素をバブリングして送達した)、
4.続いて20sccmの窒素による30秒間のパージ。
【0238】
二つの領域が蒸着リアクタ内に見られた:一つは基板として働くクーポン上で成長が観察されず(エッチング/脱離は蒸着よりも大きかった)、もう一つはクーポン上で成長が観察された(蒸着はエッチング/脱離よりも大きかった)。膜厚は、成長が観察された領域内で均一であり、膜厚は35~43nmであり(成長速度0.93~1.15Å/スーパーサイクル)、抵抗率は330~430μΩ・cmであった。成長が観察された領域に配置された、フィーチャを有する基板は、コンフォーマルな成長が観察された。SEM画像を、
図59~63に示すように、蒸着後の様々なフィーチャについて撮影した。
【0239】
図59および60は、厚いモリブデン膜がフィーチャH1およびH2上部にそれぞれ蒸着して、フィーチャH1およびH2の外側にそれぞれ蒸着したことを示し、蒸着はエッチング/脱離よりも大きかった。
【0240】
図61および62は、厚いモリブデン膜がそれぞれ、フィーチャH3およびH4下部に蒸着したことを示し、ここで、蒸着はエッチング/脱離よりも大きかった。
【0241】
図63は、モリブデン膜がフィーチャH5、H6、H7、H8、およびH9(左から右)に蒸着したことを示す。
図63は、フィーチャ内のモリブデンの量が頂部から底部までどのように変化するかを図示し、モリブデンの厚膜がフィーチャの長さ方向全体にわたって蒸着したことを示す。劈開後に破壊されたモリブデン膜を有するフィーチャを見つけることができなかったという事実は、モリブデン蒸着物が固体であり、継ぎ目がない可能性があることを示す。
【0242】
図59および63でモリブデン蒸着物の上部に見られる「漏斗状」の形状は、継ぎ目がフィーチャの下にずっと延在することを意味しない。「漏斗状」の形状は、より多いモリブデン蒸着のスーパーサイクル(コンフォーマル成長サイクルおよびスーパーコンフォーマル成長サイクルからなる)によって、モリブデンで完全に充填することができ、これは平坦な頂部表面での充填をもたらすことができる。
【0243】
図64aおよび64bは、フィーチャ内の位置関数としてのモリブデンの定量化(EDSによって測定、5keVで収集したデータ)を示す。特に、
図64aは、フィーチャH10におけるEDSライン走査の位置を示すSEM画像であり、
図64bは、フィーチャH10の長さ方向に沿ったモリブデン強度のEDSカウントを示す。データは、モリブデンの量がフィーチャ内のすべての深さでどのようにほぼ一定であるかを図示する。
【0244】
図65は、フィーチャH11全体をカバーする長方形(
図65の右端に提供されるSEM画像)内の酸素、ケイ素、チタン、およびモリブデンの定量化(EDSによって測定、15keVで収集されたデータ)を示し、これは、モリブデンの強いシグナルがどのようにフィーチャH11全体内でやや一定であったかを図示する。強いモリブデン信号は、シリカ基板に由来するケイ素および酸素信号を「遮蔽」する。シリカ基板を50ÅのTiNライナーでコーティングし、チタンを分析して、分析が所望の感度であることを確認した。20:1のアスペクト比を有するフィーチャH11を横断する厚さのこのパターン、および弱いモリブデン信号を有する領域が、充填されたフィーチャH11の中央で欠如していることは、検出不能な継ぎ目でフィーチャを充填することができるALDプロセスと一致した。
【0245】
図66a(右側)は、試料の頂部表面に蒸着したMo膜の1μm四方の領域のAFMマップを提供し、蒸着した膜が非常に滑らかであったことを示す。
図66a(左側)は、AFMマップの各ピクセルの高さを示すために使用される色のパレットを図示する。
図66bは、高さによるピクセルの分布を示すヒストグラムである。この試料のRMS粗さは0.745nmであり、これはRMS粗さが膜厚の1.91%であったことを意味する。四つの追加の1μm四方の領域を同様に分析し(データは示していない)、各RMS粗さは、それぞれ、0.741nm(1.90%)、0.744nm(1.91%)、0.729nm(1.87%)および0.725nm(1.86%)であった。
【0246】
〔実施例1I:スーパーコンフォーマル成長条件VIII下でのALD:実質的にフィーチャの深さ全体内における、フィーチャの外側での成長が著しく少ない、モリブデン膜のスーパーコンフォーマルALD成長〕
本明細書で提供される成長条件(本明細書では「成長条件VIII」と呼ぶ)下、280℃で300サイクルにわたってALDを実施した。各サイクルは、以下からなる:
1.MoCl5の1秒間の曝露(蒸気吸引により送達し、その間110℃(補正温度)で保持することにより、0.002~0.003Torrの圧力スパイクをもたらした)、
2.続いて20sccmの窒素による2秒間のパージ、
3.CHDの3秒間の曝露(50℃に加熱したCHDボンベ内に窒素をバブリングして送達した)、
4.続いて20sccmの窒素による2秒間のパージ。
【0247】
二つの領域が蒸着リアクタ内に見られた:一つは基板として働くクーポン上で成長が観察されず(エッチング/脱離は蒸着よりも大きかった)、もう一つはクーポン上で成長が観察された(蒸着はエッチング/脱離よりも大きかった)。膜は、膜成長があった領域と、膜成長のない領域とを分割する境界近くに、10~11nmの最大厚さを有し(成長速度0.34~0.37Å/サイクル)、140~146μΩ・cmの抵抗率を有した。ほぼ一定の厚さを有するモリブデン膜がフィーチャ全体にわたって蒸着し、フィーチャの外側のモリブデン蒸着は著しく少なかった。SEM画像を、
図67~69に示すように、蒸着後の様々なフィーチャについて撮影した。
【0248】
図67は、厚いモリブデン膜がフィーチャI1、I2、およびI3(左から右)の長さ全体にわたって蒸着したことを示し、蒸着はエッチング/脱離よりも大きかった。さらに、これらの写真は、フィーチャI1、I2、およびI3の外側のモリブデン膜厚がフィーチャI1、I2、およびI3の内側の膜厚と比較して著しく薄いことを示す。最後に、フィーチャ内部の厚膜とフィーチャ外部の薄膜との間の遷移が急激であることが分かる。
【0249】
図68は、厚いモリブデン膜がフィーチャI4の底部に蒸着したことを示し、蒸着はエッチング/脱離よりも大きかった。
【0250】
図69は、フィーチャI5の内側の厚膜とフィーチャI5の外側の薄膜との間の急激な遷移を示す。フィーチャI5の外側の膜厚は10nm未満であり、フィーチャI5内の膜は30nmを超える厚さであり、遷移は60nmより短い距離にわたって生じている。
【0251】
図70は、フィーチャI6全体をカバーする長方形(
図70の左端に提供されるSEM画像)内のモリブデン、ケイ素、および酸素(EDSによって測定され、15keVで収集されたデータ)の定量化を示し、これは、モリブデンの強い信号がどのように、フィーチャ全体内でやや一定であるかと、フィーチャの外側ではかなり弱いこととを図示する。強いモリブデン信号は、シリカ基板に由来するケイ素および酸素信号を「遮蔽」する。シリカ基板を50ÅのTiNライナーでコーティングし、チタンを分析して、分析が所望の感度であることを確認した。20:1のアスペクト比を有するフィーチャI6を横断する厚さのこのパターンは、フィーチャの外側に著しくモリブデンを蒸着しながら、フィーチャ内にモリブデンを均一に蒸着することができるALDプロセスと一致した。
【0252】
〔実施例1J:コンフォーマル成長条件IX下でのALD:非常に小さいフィーチャにおけるモリブデン膜のコンフォーマルALD成長〕
本明細書で提供されるコンフォーマル成長条件(本明細書では「コンフォーマル成長条件IX」と呼ぶ)下、290℃で200サイクルにわたってALDを実施した。この例では、約100nmの深さおよび約30nmの幅を有する小さなフィーチャを使用して、小さなフィーチャにおいてコンフォーマル成長が達成され得ることを実証した。各サイクルは、以下からなる:
1.MoCl5の1秒間の曝露(蒸気吸引により送達し、その間110℃(補正温度)で保持することにより、0.001~0.002Torrの圧力スパイクをもたらした)、
2.続いて20sccmの窒素による1.5秒間のパージ、
3.CHDの3秒間の曝露(50℃に加熱したCHDボンベ内に窒素をバブリングして送達した)、
4.続いて20sccmの窒素による1.5秒間のパージ。
【0253】
二つの領域が蒸着リアクタ内に見られた:一つは基板として働くクーポン上で成長が観察されず(エッチング/脱離は蒸着よりも大きかった)、もう一つはクーポン上で成長が観察された(蒸着はエッチング/脱離よりも大きかった)。膜は、成長が観察された領域内では、4.1~8.4nmの厚さであり(成長速度0.21~0.41Å/サイクル)、145~160μΩ・cmの抵抗率であった。成長が観察された領域に配置されたフィーチャを有する基板には、膜厚のいくらかの変動を伴うコンフォーマルな成長が観察された。SEM画像を、
図71aに示すように、蒸着後の様々なフィーチャについて撮影した。
【0254】
図71aは、モリブデン膜がフィーチャJ1、J2、およびJ3(白い長方形の内側、左から右)に蒸着したことを示す。
図71aは、フィーチャ内のモリブデンの量が頂部から底部までどのように変化するかを図示し、モリブデンの膜がフィーチャの長さ方向全体にわたって蒸着したことを示す。フィーチャ内の膜プロファイルは、膜厚のいくつかの変動を伴うコンフォーマル成長と一致した。
【0255】
図71bは、フィーチャJ1、J2、およびJ3全体をカバーする白い長方形内のEDS(15keVで収集されたデータ)によって測定されたモリブデン(左)、ケイ素(中央)、および酸素(右)の定量を示し、フィーチャ内およびフィーチャ外でモリブデンの信号がどのように一定であるかを図示する。強いモリブデン信号は、シリカ基板に由来するケイ素および酸素信号を「遮蔽」する。小さいフィーチャJ1、J2、およびJ3(高いアスペクト比および100nmの深さを有する)を横断するこの膜プロファイルは、膜厚のいくつかの変動を伴うコンフォーマル成長と一致した。
【0256】
〔実施例1K:スーパーコンフォーマル成長条件X下でのALD:小さいフィーチャ内のモリブデン膜のスーパーコンフォーマルALD成長〕
本明細書で提供される成長条件(本明細書では「成長条件X」と呼ぶ)下、280℃で300サイクルにわたってALDを実施した。この例では、約600nmの深さおよび約100nmの幅を有するより小さいフィーチャを使用して、より浅いフィーチャにおいてスーパーコンフォーマル性が達成され得ることを実証した。各サイクルは、以下からなる:
1.MoCl5の1秒間の曝露(蒸気吸引により送達し、その間110℃(補正温度)で保持することにより、0.002~0.003Torrの圧力スパイクをもたらした)、
2.続いて20sccmの窒素による2秒間のパージ、
3.(CHD)の3秒間の曝露(50℃に加熱したCHDボンベ内に窒素をバブリングして送達した)、
4.続いて20sccmの窒素による2秒間のパージ。
【0257】
二つの領域が蒸着リアクタ内に見られた:一つは基板として働くクーポン上で成長が観察されず(エッチング/脱離は蒸着よりも大きかった)、もう一つはクーポン上で成長が観察された(蒸着はエッチング/脱離よりも大きかった)。膜は、膜成長があった領域と膜成長のない領域とを分割する境界近くに、10~11nmの最大厚さを有し(成長速度0.34~0.37Å/サイクル)、140~146μΩ・cmの抵抗率を有した。クーポンの位置は、フィーチャ底部のみに蒸着が起こるように選択することができた(スーパーコンフォーマル成長)。モリブデンは、フィーチャ下部のみに検出され、これはフィーチャ底部(すなわち、フィーチャ下部)から測定を開始した場合、フィーチャの約50~75%にモリブデンが検出される、スーパーコンフォーマル成長が起こったことを示す。SEM画像を、
図72に示すように、蒸着後の様々なフィーチャについて撮影した。
【0258】
図72は、モリブデン膜がフィーチャK1、K2、K3、K4、K5、K6、およびK7(左から右)に蒸着したことを示す。
図72は、フィーチャ内のモリブデンの量がフィーチャの上部から下部までどのように変化するかを図示し、フィーチャ底部(すなわち、フィーチャ下部)から測定を開始してフィーチャの約50~75%にモリブデン膜が蒸着したことを示す。この基板の酸化物ライナーは、モリブデン成長の核形成に影響を与え、滑らかな膜の代わりに粒状の膜をもたらした。
【0259】
[実施例2:275℃でのモリブデン膜のMoCl5エッチング]
実験は、本明細書に提供される成長条件下、275℃で100サイクルにわたって実施した。各サイクルは、MoCl5の1秒間の曝露(蒸気吸引による送達、その間119℃(補正温度)で保持)と、その後の20sccmの窒素による7秒間のパージからなった。モリブデン膜を有するいくつかのクーポンを、37.2nmのモリブデンが予め蒸着されているリアクタ内に配置した。蒸着が完了した後、クーポン上のモリブデン膜厚は減少し、異なるクーポン上では7.6nm~37.1nmの範囲であった。クーポンがリアクタの入口に近いほどモリブデン膜は薄く、MoCl5により0.1nm~29.6nmの厚さがエッチングされたことを示した。クーポンがリアクタ入口(ここで、MoClの5濃度が最大であった)に近ければ近いほど、エッチングは強かった。サイクル当たりのエッチングは、0.01Å/サイクル~2.96Å/サイクルの範囲であった。
【0260】
[実施例3:二つ以上の基板間の選択的ALD膜成長]
<実施例3A:TiN、MoおよびSiO2基板上での選択的Mo膜成長>
本明細書に提供される成長条件下、275℃で300サイクルにわたってALDを実施した。各サイクルは、以下からなる:
1.MoCl5の1秒間の曝露(蒸気吸引により送達し、116℃(補正温度)で保持した)、
2.続いて20sccmの窒素による10秒間のパージ、
3.CHDの3秒間の曝露(65℃に加熱したCHDボンベから蒸気吸引により送達した)、
4.続いて20sccmの窒素による10秒間のパージ。
【0261】
二つの領域が蒸着リアクタ内に見られた:一つは成長が観察されず(エッチング/脱離は蒸着よりも大きかった)、もう一つは成長が観察された(蒸着はエッチング/脱離よりも大きかった)。蒸着が観察された領域には、SiO2(シリカ)クーポン、TiNクーポン、およびMoクーポンの3種類の異なる基板を有するクーポンを置いた。Moクーポンは、22.7nmのモリブデンが蒸着したシリカ基板を含んでいた。蒸着が完了した後、モリブデンの厚さはSiO2クーポン上で0nm(測定範囲は-0.1nm~0.2nm)、TiNクーポン上で10.5nm、Moクーポン上で31.3nmであり、これはMoクーポン上に新しく蒸着したMoの8.6nmに相当した。成長/サイクルは、SiO2クーポン上では0Å/サイクル、TiNクーポン上では0.35Å/サイクル、Moクーポン上では0.29Å/サイクルであった。
【0262】
<実施例3B:TiN、MoおよびSiO2基板上での選択的Mo膜成長>
本明細書に提供される成長条件下、275℃で300サイクルにわたってALDを実施した。各サイクルは、以下からなる:
1.MoCl5の1秒間の曝露(蒸気吸引により送達し、その間117℃(補正温度)で保持した)、
2.続いて20sccmの窒素による5秒間のパージ、
3.CHDの3秒間の曝露(65℃に加熱したCHDボンベから蒸気吸引により送達した)、
4.続いて20sccmの窒素による10秒間のパージ。
【0263】
二つの領域が蒸着リアクタ内に見られた:一つは成長が観察されず(エッチング/脱離は蒸着よりも大きかった)、もう一つは成長が観察された(蒸着はエッチング/脱離よりも大きかった)。蒸着が観察された領域には、SiO2(シリカ)クーポン、TiNクーポン、およびMoクーポンの3種類の異なる基板を有するクーポンを置いた。Moクーポンは、22.7nmのモリブデンが蒸着したシリカ基板を含んでいた。蒸着が完了した後、モリブデンの厚さはSiO2クーポン上で0nm(測定範囲は-0.8nm~1.3nm、実験誤差内では、全くまたはほとんどモリブデンが蒸着していないことに対応する)、TiNクーポン上で10.8nm、Moクーポン上で32.4~33.5nmであり、これはMoクーポン上に新しく蒸着したMoの9.7~10.8nmに相当する。成長/サイクルは、SiO2クーポン上では0Å/サイクル、TiNクーポン上では0.36Å/サイクル、Moクーポン上では0.32~0.36Å/サイクルであった。
【0264】
<実施例3C:TiN、MoおよびSiO2基板上での選択的Mo膜成長>
本明細書に提供される成長条件下、285℃で500サイクルにわたってALDを実施した。各サイクルは、以下からなる:
1.MoCl5の1秒間の曝露(蒸気吸引により送達し、その間119℃(補正温度)で保持した)、
2.続いて20sccmの窒素による2秒間のパージ、
3.CHDの3秒間の曝露(65℃に加熱したCHDボンベから蒸気吸引により送達した)、
4.続いて20sccmの窒素による2秒間のパージ。
【0265】
二つの領域が蒸着リアクタ内に見られた:一つは成長が観察されず(エッチング/脱離は蒸着よりも大きかった)、もう一つは成長が観察された(蒸着はエッチング/脱離よりも大きかった)。蒸着が観察された領域には、SiO2(シリカ)クーポン、TiNクーポン、およびMoクーポンの3種類の異なる基板を有するクーポンを置いた。Moクーポンは、9.2nmのモリブデンが蒸着したシリカ基板を含んでいた。蒸着が完了した後、モリブデンの厚さはSiO2クーポン上で0nm(測定値は-0.8nm、実験誤差内では、蒸着したモリブデンなしに相当)、TiNクーポン上で2.2nm、Moクーポン上で31.6nmであり、これはMoクーポン上に新しく蒸着したMoの22.4nmに相当した。成長/サイクルは、SiO2クーポン上で0Å/サイクル、TiNクーポン上で0.045Å/サイクル、Moクーポン上で0.45Å/サイクルであった。
【0266】
<実施例3D:TiN、MoおよびSiO2基板上での選択的Mo膜成長>
本明細書に提供される成長条件下、275℃で300サイクルにわたってALDを実施した。各サイクルは、以下からなる:
1.MoCl5の1秒間の曝露(蒸気吸引により送達し、119℃(補正温度)で保持した)、
2.続いて20sccmの窒素による2秒間のパージ、
3.CHDの3秒間の曝露(65℃に加熱されたCHDボンベから蒸気吸引により送達した)、
4.続いて20sccmの窒素による2秒間のパージ。
【0267】
二つの領域が蒸着リアクタに見られた:一つは成長が観察されず(エッチング/脱離は蒸着よりも大きかった)、もう一つは成長が観察された(蒸着はエッチング/脱離よりも大きかった)。蒸着が観察された領域には、SiO2(シリカ)クーポン、TiNクーポン、およびMoクーポンの3種類の異なる基板を有するクーポンを置いた。Moクーポンは、18.5nmのモリブデンが蒸着したシリカ基板を含んでいた。蒸着が完了した後、モリブデンの厚さはSiO2クーポン上で0nm(測定範囲は-0.4nm~2.4nm、これは実験誤差内で、全くまたはほとんどモリブデンが蒸着しないことに対応する)、TiNクーポン上で13.2nm、モリブデンクーポン上で29.1nmであり、これはMoクーポン上に新しく蒸着した10.6nmのMoに対応する。成長/サイクルは、SiO2クーポン上で0.0Å/サイクル~0.08Å/サイクル、TiNクーポン上で0.44Å/サイクル、Moクーポン上で0.35Å/サイクルまで変化した。
【0268】
<実施例3E:TiN、MoおよびSiO2基板上での選択的Mo膜成長>
この一連の実験は、275℃で、300、500、および800サイクルの蒸着からなる。各サイクルは、以下からなる:
1.MoCl5の1秒間の曝露(蒸気吸引により送達し、その間119℃(未補正温度)で保持した)、
2.続いて20sccmの窒素による2秒間のパージ、
3.CHDの3秒間の曝露(65℃に加熱したCHDボンベから蒸気吸引により送達した)、
4.続いて20sccmの窒素による2秒間のパージ。
【0269】
シリカ(SiO2)表面、TiN表面、モリブデン(Mo)表面(厚さ9.1nm)を有するクーポンをリアクタ内に配置した。
【0270】
300サイクル蒸着後、シリカクーポン、TiNクーポン、およびモリブデンクーポン上に蒸着したモリブデンの厚さの中央値は、それぞれ3.75nm、10.7nm、および12.5nmであった。モリブデンの測定された厚さはモリブデン基板上で21.6nmであり、これは新たに蒸着した12.5nmのモリブデンに相当する。
【0271】
500サイクル蒸着後、シリカクーポン、TiNクーポン、およびモリブデンクーポン上に蒸着したモリブデンの厚さの中央値は、それぞれ18.5nm、44.3nm、および42nmであった。モリブデンの測定された厚さはモリブデン基板上で51.1nmであり、これは新たに蒸着した42nmのモリブデンに相当する。
【0272】
800サイクル蒸着後、シリカクーポン、TiNクーポン、およびモリブデンクーポン上に蒸着したモリブデンの厚さの中央値は、それぞれ67.75nm、76nm、および75.3nmであった。モリブデンの測定された厚さはモリブデン基板上で84.4nmであり、これは75.3nmの新たに蒸着したモリブデンに相当する。
【0273】
図73は、SiO
2、TiNおよびMo基板上に蒸着したMoの厚さ(nm)をサイクル数の関数として図示する。
【0274】
<実施例3F:異なる持続時間のパージガス送達サイクル数の関数としての選択的膜成長>
二つの一連の実験を、一つはパージ時間10秒、もう一つはパージ時間30秒で行った。
【0275】
最初の一連の実験は、275℃で、75、150、200、および300サイクルの蒸着からなる。各サイクルは、以下からなる:
1.MoCl5の1秒間の曝露(蒸気吸引により送達し、その間120℃(補正温度)で保持した)、
2.続いて20sccmの窒素による10秒間のパージ、
3.CHDの3秒間の曝露(50℃に加熱したCHDボンベ内に窒素をバブリングして送達した)、
4.続いて20sccmの窒素による10秒間のパージ。
【0276】
75サイクル蒸着後、蒸着したモリブデンの厚さの中央値は3.25nmであった。150サイクル蒸着後、蒸着したモリブデンの厚さの中央値は8.9nmであった。200サイクル蒸着後、蒸着したモリブデンの厚さの中央値は13.5nmであった。300サイクル蒸着後、蒸着したモリブデンの厚さの中央値は25.65nmであった。
【0277】
第2の一連の実験は、275℃で300、600、および700サイクルの蒸着からなった。各サイクルは、以下からなる:
1.MoCl5の1秒間の曝露(蒸気吸引により送達し、その間120℃(補正温度)で保持した)、
2.続いて20sccmの窒素による30秒間のパージ、
3.CHDの3秒間の曝露(50℃に加熱したCHDボンベ内に窒素をバブリングして送達した)、
4.続いて20sccmの窒素による30秒間のパージ。
【0278】
300サイクル蒸着後、蒸着したモリブデンの厚さの中央値は6.25nmであった。600サイクル蒸着後、蒸着したモリブデンの厚さの中央値は30.5nmであった。700サイクル蒸着後、蒸着したモリブデンの厚さの中央値は41.8nmであった。
【0279】
図74は、パージガス送達の異なる持続時間に対するサイクル数の関数としての厚さ(nm)を図示する。
【0280】
[実施例4:コンフォーマル成長サイクルとスーパーコンフォーマル成長サイクルの比率を変えることによるモリブデン膜の粗さの調整可能性]
コンフォーマルサイクルのみを用いて蒸着したモリブデン膜の表面粗さ(実施例1A、
図9;実施例1E、
図42;実施例1F、
図50)は、AFMによって測定した場合、非常に粗く、それぞれ、2.818nm、1.783nm、および5.67nmの平均粗さを有していた。これは、それぞれ、膜厚の11.3%、6.9%、および27.6%の粗さに相当する。
【0281】
対照的に、コンフォーマルサイクルとスーパーコンフォーマルサイクルとの組み合わせを用いて蒸着したモリブデン膜の表面粗さ(実施例1G、
図58;実施例1H、
図66)は、AFMによって測定した場合、非常に滑らかであり;これらはそれぞれ、0.704nmおよび0.737nmの平均粗さを有する。これは、それぞれ、膜厚の2.30%および1.89%の粗さに相当する。
【0282】
コンフォーマル成長サイクルの数およびスーパーコンフォーマル成長サイクルの数を変えることによって、表面粗さを制御または調整することができることを、前記結果は示している。
【0283】
本明細書で言及されるすべての刊行物、特許出願、発行された特許、および他の文書は、あたかもそれぞれの個々の刊行物、特許出願、発行された特許、または他の文書が参照によりその全体が組み込まれるように具体的かつ個々に示されるかのように、参照により本明細書に組み込まれる。参照により組み込まれる文に含まれる定義は、本開示における定義と矛盾する範囲で除外される。
【0284】
「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、および「含む(comprising)」という用語は、排他的ではなく包括的に解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0285】
【
図1】
図1aは、不均一な幅を有するフィーチャ(「凹状フィーチャ」としても知られる)を示す。
図1bは、実質的に均一な幅を有するフィーチャを示す。
【
図2】
図2aおよび2bは、スーパーコンフォーマル成長の例を示す。
図2cは、ボトムアップ充填の例を示す。
図2dは、コンフォーマル成長の例を示す。
【
図3】
図3は、フィーチャA1の上部およびフィーチャA1の外側の両方に厚いモリブデン膜が蒸着したことを示す、倍率150KのフィーチャA1頂部の斜方向の走査型電子顕微鏡(SEM)画像を提供する。
【
図4】
図4は、フィーチャA2の下部に厚いモリブデン膜が蒸着したことを示す、倍率150KでのフィーチャA2底部の垂直方向のSEM画像を提供する。
【
図5】
図5は、フィーチャの長さ方向全体にわたって厚いモリブデン膜が蒸着したことを示す、倍率35KのフィーチャA3、A4、およびA5(左から右)の長さ全体の斜方向のSEM画像を提供する。
【
図6】
図6は、エネルギー分散型X線分光法(EDS)による、フィーチャA6の内側および外側における、モリブデン量を定量化した6ヶ所の、おおよその位置を示すSEM画像を提供する。
【
図7】
図7は、
図6に示す6ヶ所のおおよその位置に対するEDS走査の強度を図示する。
【
図8】
図8は、フィーチャA7全体をカバーする長方形内のモリブデン、ケイ素、酸素、およびチタン(EDSによって測定される)の定量化を図示する(最も右側はSEM画像)。
【
図9】
図9a(右側)は、蒸着したMo膜における、1μm四方の領域の原子間力顕微鏡(AFM)マップを提供し、蒸着した膜が粗いことを示す。
図9a(左側)は、AFMマップの各ピクセルの高さを示すために使用される色のパレットを示す。
図9bは、高さによるピクセルの分布を示すヒストグラムである。
【
図10】
図10は、フィーチャB1の上部およびフィーチャB1の外側に、モリブデンがほとんどまたは全く蒸着されなかったことを示す、倍率150KのフィーチャB1頂部斜方向のSEM画像を提供する。
【
図11】
図11は、モリブデン膜がフィーチャ底部に蒸着したことを示す、倍率150KのフィーチャB2底部斜方向のSEM画像を提供する。
【
図12】
図12は、モリブデン膜がフィーチャB3底部に蒸着したことを示す、倍率150KのフィーチャB3底部斜方向のSEM画像を提供する。
【
図13】
図13は、倍率35KのフィーチャB4、B5、およびB6(左から右)それぞれの長さ全体の斜方向のSEM画像を提供し、モリブデン膜がフィーチャ下部に蒸着したことを示す。
【
図14】
図14は、倍率35KのフィーチャB7、B8、およびB9(左から右)それぞれの長さ全体の垂直方向のSEM画像を提供し、モリブデン膜がフィーチャ下部に蒸着したことを示す。
【
図15】
図15は、EDSによる、フィーチャB10の内側および外側の、モリブデン量を定量化した6ヶ所の、おおよその位置を示すSEM顕微鏡写真を提供する。
【
図16】
図16は、
図14に示す6ヶ所のおおよその位置に対するEDS走査の強度を図示する。
【
図17】
図17aは、フィーチャB11(右側のフィーチャ)におけるEDSライン走査の位置を示すSEM画像であり、
図17bは、フィーチャB11の長さ方向に沿ったモリブデン強度のEDSカウントを示す。
図17bのEDS強度カウントの右側はフィーチャB11の頂部に対応し、EDS強度カウントの左側はフィーチャB11の底部に対応する。
【
図18】
図18aは、フィーチャB12(中央のフィーチャ)におけるEDSライン走査の位置を示すSEM画像であり、
図18bは、フィーチャB12の長さ方向に沿ったモリブデン強度のEDSカウントを示す。
図18bのEDS強度カウントの右側はフィーチャB12の頂部に対応し、EDS強度カウントの左側はフィーチャB12の底部に対応する。
【
図19】
図19は、倍率150KのフィーチャC1頂部の斜方向のSEM画像を提供し、フィーチャC1の上部およびフィーチャC1の外側に、モリブデンがほとんどまたは全く蒸着しなかったことを示す。
【
図20】
図20は、厚いモリブデン膜がフィーチャC2の下部に蒸着したことを示す、倍率150KのフィーチャC2底部の垂直方向のSEM画像を提供する。このモリブデン膜は、試料の劈開中に破壊されなかった。
【
図21】
図21は、厚いモリブデン膜がフィーチャC3の下部に蒸着したことを示す、倍率150KのフィーチャC3底部の斜方向のSEM画像を提供する。このモリブデン膜は、試料の劈開中に破壊された。
【
図22】
図22は、倍率35KのフィーチャC4、C5、およびC6(左から右)それぞれの長さ全体の斜方向のSEM画像を提供し、モリブデン膜がフィーチャ下部に蒸着したことを示す。
【
図23】
図23aは、フィーチャC7におけるEDSライン走査の位置を示すSEM画像であり、
図23bは、フィーチャC7の長さ方向に沿ったモリブデン強度のEDSカウントを示す。
図23bのEDS強度カウントの右側はフィーチャC7の頂部に対応し、EDS強度カウントの左側はフィーチャC7の底部に対応する。
【
図24】
図24aは、モリブデン強度(インサート、左側)のEDSカウントがフィーチャC8に沿って測定された位置を示すための、倍率35KのフィーチャC8(矢印で示されるフィーチャ)長さ全体の斜方向のSEM画像である。
図24bは、フィーチャC8の底部におけるモリブデンの領域を図示する、
図24aのSEM画像の拡大図(倍率150K)を示す。
図24cは、
図24bに示されるフィーチャC8領域内のモリブデンの定量(EDSによって測定され、15keVで収集したデータ)である。
図24dは、フィーチャC8の長さ方向に沿ったモリブデン強度のEDSカウントを示す。
図24dのEDS強度カウントの右側はフィーチャC8の頂部に対応し、
図24dのEDS強度カウントの左側面はフィーチャC8の底部に対応する。
【
図25】
図25は、フィーチャD1の上部およびフィーチャD1の外側に、モリブデンがほとんどまたは全く蒸着しなかったことを示す、倍率150KのフィーチャD1頂部の斜方向SEM画像を提供する。
【
図26】
図26は、厚いモリブデン膜がフィーチャD2の下部に蒸着したことを示す、倍率150KのフィーチャD2底部の斜方向SEM画像を提供する。
【
図27】
図27は、フィーチャ内のモリブデン量がフィーチャの上部から下部までどのように変化するかを示す、倍率35KのフィーチャD3、D4、およびD5(左から右)それぞれの長さ全体の斜方向のSEM画像を提供する。
【
図28】
図28は、フィーチャ内のモリブデン量がフィーチャの上部から下部までどのように変化するかを示す、倍率35KのフィーチャD6、D7、およびD8(左から右)それぞれの長さ全体の斜方向のSEM画像を提供する。
【
図29】
図29aは、フィーチャD9におけるEDSライン走査の位置を示すSEM画像であり、
図29bは、フィーチャD9の長さ方向に沿ったモリブデン強度のEDSカウントを示す。
図29bのEDS強度カウントの右側はフィーチャD9の底部に対応し、EDS強度カウントの左側はフィーチャD9の頂部に対応する。
【
図30】
図30aは、フィーチャD10におけるEDSライン走査の位置を示すSEM画像である。
図30bは、フィーチャD10の長さ方向に沿ったモリブデン強度のEDSカウントを示す。
図30bのEDS強度カウントの右側はフィーチャD10の底部に対応し、EDS強度カウントの左側はフィーチャD10の頂部に対応する。
【
図31】
図31aは、フィーチャD11におけるEDSライン走査の位置を示すSEM画像である。
図31bは、フィーチャD11の長さ方向に沿ったモリブデン強度のEDSカウントを示す。
図31bのEDS強度カウントの右側はフィーチャD11の頂部に対応し、EDS強度カウントの左側はフィーチャD11の底部に対応する。
【
図32】
図32aは、フィーチャD12におけるEDSライン走査の位置を示すSEM画像である。
図32bは、フィーチャD12の長さ方向に沿ったモリブデン強度のEDSカウントを示す。
図32bのEDS強度カウントの右側はフィーチャD12の頂部に対応し、EDS強度カウントの左側はフィーチャD12の底部に対応する。
【
図33】
図33aは、倍率35KのフィーチャD13、D14、D15、D16、D17、D18、D19、D20、D21およびD22(左から右)それぞれの長さ全体の斜方向SEM画像を提供し、モリブデン膜がフィーチャ下部に蒸着したことを示す。
図33b、33c、および33dはそれぞれ、代表的なフィーチャ内の位置関数としてのモリブデンの定量化(EDSによって測定され、15keVで収集したデータ)を示し、これは、モリブデンがどのようにフィーチャ下部にのみ存在したかを図示する。
図33bでは、EDS強度カウントの右側はフィーチャ底部に対応し、EDS強度カウントの左側はフィーチャ頂部に対応する。
図33cにおいて、EDS強度カウントの右側はフィーチャ底部に対応し、EDS強度カウントの左側はフィーチャ頂部に対応する。
図33dにおいて、EDS強度カウントの右側はフィーチャ頂部に対応し、EDS強度カウントの左側はフィーチャ底部に対応する。
【
図34】
図34は、
図33aに示されるのと同じ10個のフィーチャをカバーするマップ上の位置関数としてのモリブデンの定量化(EDSによって測定され、15keVで収集したデータ)を図示する。
【
図35】
図35は、厚いモリブデン膜がフィーチャE1の上部およびフィーチャE1の外側に蒸着したことを示す、倍率150KのフィーチャE1頂部の斜方向のSEM画像を提供する。
【
図36】
図36は、厚いモリブデン膜がフィーチャE2の下部に蒸着したことを示す、倍率150KのフィーチャE2底部の垂直方向のSEM画像を提供する。
【
図37】
図37は、フィーチャ内のモリブデン量がフィーチャ上部から下部までどのように変化するかを示し、厚いモリブデン膜がフィーチャの長さ全体にわたって蒸着したことを示す、倍率35KのフィーチャE3、E4、およびE5(左から右)それぞれの長さ全体の垂直方向のSEM画像を提供する。
【
図38】
図38aは、フィーチャE6におけるEDSライン走査の位置を示すSEM画像であり、
図38bは、フィーチャE6の長さ方向に沿ったモリブデン強度のEDSカウントを示す。
図29bのEDS強度カウントの右側はフィーチャE6の底部に対応し、EDS強度カウントの左側はフィーチャE6の頂部に対応する。
【
図39】
図39aは、フィーチャE7におけるEDSライン走査の位置を示すSEM画像であり、
図39bは、フィーチャE7の長さ方向に沿ったモリブデン強度のEDSカウントを示す。
図39bのEDS強度カウントの右側はフィーチャE7の頂部に対応し、EDS強度カウントの左側はフィーチャE7の底部に対応する。
【
図40】
図40は、フィーチャE8全体をカバーする長方形内のモリブデン、ケイ素、酸素、およびチタン(EDSによって測定される)の定量化を図示する(右端に示されるSEM画像)。
【
図41】
図41は、フィーチャE9全体をカバーする長方形内のモリブデン、ケイ素、酸素、およびチタン(EDSによって測定される)の定量化を示す(右端に示されるSEM画像)。
【
図42】
図42a(右側)は、蒸着したMo膜における1μm四方の領域のAFMマップを提供し、蒸着した膜が粗いことを示す。
図42a(左側)は、AFMマップの各ピクセルの高さを示すために使用される色のパレットを示す。
図42bは、高さによるピクセルの分布を示すヒストグラムである。
【
図43】
図43は、厚いモリブデン膜がフィーチャF1の上部およびフィーチャF1の外側に蒸着したことを示す、倍率150KのフィーチャF1頂部の斜方向のSEM画像を提供する。
【
図44】
図44は、厚いモリブデン膜がフィーチャF2の上部およびフィーチャF2の外側に蒸着したことを示す、倍率150KのフィーチャF2頂部の垂直方向のSEM画像を提供する。
【
図45】
図45は、厚いモリブデン膜がフィーチャF3の下部に蒸着したことを示す、倍率150KのフィーチャF3底部の斜方向のSEM画像を提供する。
【
図46】
図46は、倍率35KのフィーチャF4、F5、およびF6(左から右)それぞれの長さ全体の斜方向のSEM画像を提供し、フィーチャ内のモリブデン量がフィーチャ上部から下部までどのように変化するかを示し、厚いモリブデンの膜がフィーチャの長さ全体にわたって蒸着したことを示す。
【
図47】
図47aは、フィーチャF7におけるEDSライン走査の位置を示すSEM画像であり、
図47bは、フィーチャF7の長さ方向に沿ったモリブデン強度のEDSカウントを示す。
図47bのEDS強度カウントの右側はフィーチャF7の頂部に対応し、EDS強度カウントの左側はフィーチャF7の底部に対応する。
【
図48】
図48aは、フィーチャF8におけるEDSライン走査の位置を示すSEM画像であり、
図48bは、フィーチャF8の長さ方向に沿ったモリブデン強度のEDSカウントを示す。
図48bのEDS強度カウントの右側はフィーチャF8の底部に対応し、EDS強度カウントの左側はフィーチャF8の頂部に対応する。
【
図49】
図49は、フィーチャF9全体をカバーする長方形内のモリブデン、ケイ素、酸素、およびチタン(EDSによって測定される)の定量化を示す(
図49の右端に提供されるSEM画像)。
【
図50】
図50a(右側)は、蒸着したMo膜における1μm四方の領域のAFMマップを提供し、蒸着した膜が粗いことを示す。
図50a(左側)は、AFMマップの各ピクセルの高さを示すために使用される色のパレットを示す。
図50bは、高さによるピクセルの分布を示すヒストグラムである。
【
図51】
図51は、厚いモリブデン膜がフィーチャG1の上部およびフィーチャG1の外側に蒸着したことを示す、倍率150KのフィーチャG1頂部の斜方向のSEM画像を提供する。このモリブデン膜は、試料の劈開中に破壊されなかった。
【
図52】
図52は、倍率150KのフィーチャG2頂部の垂直方向のSEM画像を提供し、厚いモリブデン膜がフィーチャG2の上部およびフィーチャG2の外側に蒸着したことを示す。このモリブデン膜は、試料の劈開中に破壊されなかった。
【
図53】
図53は、厚いモリブデン膜がフィーチャG3の下部に蒸着したことを示す、倍率150KのフィーチャG3底部の垂直方向のSEM画像を提供する。このモリブデン膜は、試料の劈開中に破壊されなかった。
【
図54】
図54は、厚いモリブデン膜がフィーチャの長さ全体にわたって蒸着したことを示す、倍率35KのフィーチャG4、G5、G6、G7、およびG8(左から右)それぞれの長さ全体の斜方向のSEM画像を提供する。フィーチャからのモリブデン膜は、サンプルの劈開中に破壊されなかった。
【
図55】
図55は、厚いモリブデン膜がフィーチャの長さ全体にわたって蒸着したことを示す、倍率35KのフィーチャG9、G10、およびG11(左から右)それぞれの長さ全体の垂直方向のSEM画像を提供する。フィーチャからのモリブデン膜は、サンプルの劈開中に破壊されなかった。
【
図56】
図56aは、フィーチャG12におけるEDSライン走査の位置を示すSEM画像であり、
図56bは、フィーチャG12の長さ方向に沿ったモリブデン強度のEDSカウントを示す。
図56bのEDS強度カウントの右側はフィーチャG12の頂部に対応し、EDS強度カウントの左側はフィーチャG12の底部に対応する。
【
図57】
図57は、フィーチャG13全体をカバーする長方形内の酸素、ケイ素、チタン、およびモリブデン(EDSによって測定され、15keVで収集したデータ)の定量化を示す(
図57の右端に提供されるSEM画像)。
【
図58】
図58a(右側)は、蒸着したMo膜における1μm四方の領域のAFMマップを提供し、蒸着した膜が非常に滑らかであったことを示す。
図58a(左側)は、AFMマップの各ピクセルの高さを示すために使用される色のパレットを示す。
図58bは、高さによるピクセルの分布を示すヒストグラムである。
【
図59】
図59は、厚いモリブデン膜がフィーチャH1の上部およびフィーチャH1の外側に蒸着したことを示す、倍率150KのフィーチャH1頂部の斜方向のSEM画像を提供する。このモリブデン膜は、試料の劈開中に破壊されなかった。
【
図60】
図60は、厚いモリブデン膜がフィーチャH2の上部およびフィーチャH2の外側に蒸着したことを示す、倍率150KのフィーチャH2頂部の垂直方向のSEM画像を提供する。このモリブデン膜は、試料の劈開中に破壊されなかった。
【
図61】
図61は、厚いモリブデン膜がフィーチャH3の下部に蒸着したことを示す、倍率150KのフィーチャH3底部の斜方向のSEM画像を提供する。このモリブデン膜は、試料の劈開中に破壊されなかった。
【
図62】
図62は、厚いモリブデン膜がフィーチャ下部に蒸着したことを示す、倍率150KのフィーチャH4の底部の垂直方向のSEM画像を提供する。このモリブデン膜は、試料の劈開中に破壊されなかった。
【
図63】
図63は、厚いモリブデン膜がフィーチャの長さ全体にわたって蒸着したことを示す、倍率35KのフィーチャH5、H6、H7、H8、およびH9(左から右へ)それぞれの長さ全体の斜方向のSEM画像を提供する。フィーチャからのモリブデン膜は、サンプルの劈開中に破壊されなかった。
【
図64】
図64aは、フィーチャH10におけるEDSライン走査の位置を示すSEM画像であり、
図64bは、フィーチャH10の長さ方向に沿ったモリブデン強度のEDSカウントを示す。
図64bのEDS強度カウントの右側はフィーチャH10の頂部に対応し、
図65bのEDS強度カウントの左側はフィーチャH10の底部に対応する。このモリブデン膜は、試料の劈開中に破壊されなかった。
【
図65】
図65は、フィーチャH11全体をカバーする長方形内の酸素、ケイ素、チタン、およびモリブデン(EDSによって測定され、15keVで収集したデータ)の定量化を示す(
図65の右端に提供されるSEM画像)。
【
図66】
図66a(右側)は、蒸着したMo膜における1μm四方の領域のAFMマップを提供し、蒸着した膜が非常に滑らかであったことを示す。
図66a(左側)は、AFMマップの各ピクセルの高さを示すために使用される色のパレットを示す。
図66bは、高さによるピクセルの分布を示すヒストグラムである。
【
図67】
図67は、厚いモリブデン膜がフィーチャの長さ全体にわたって蒸着し、フィーチャの外側のモリブデン蒸着が著しく少ないことを示す、倍率35KのフィーチャI1、I2、およびI3(左から右)それぞれの長さ全体の斜方向のSEM画像を提供する。左フィーチャI1のモリブデン膜はサンプル劈開中に破壊されず、右フィーチャI3および中央フィーチャI2のモリブデン膜はサンプル劈開中に破壊された。
【
図68】
図68は、厚いモリブデン膜がフィーチャI4の下部に蒸着したことを示す、倍率200KのフィーチャI4底部の斜方向のSEM画像を提供する。このモリブデン膜は、試料の劈開中に破壊されなかった。
【
図69】
図69は、厚いモリブデン膜がフィーチャI5の上部に蒸着し、フィーチャI5の外側のモリブデン蒸着が著しく少ないことを示す、倍率200KのフィーチャI5頂部の斜方向SEM画像を提供する。このモリブデン膜は、試料の劈開中に破壊されなかった。
【
図70】
図70は、フィーチャI6全体をカバーする長方形内のモリブデン、ケイ素、および酸素(EDSによって測定され、15keVで収集したデータ)の定量化を示す(
図70の左端に提供されるSEM画像)。
【
図71】
図71aは、モリブデン膜がフィーチャの長さ全体にわたって蒸着したことを示す、倍率350K、深さ100nmの三つのフィーチャJ1、J2、およびJ3(白い長方形の内側、左から右)の垂直方向のSEM画像を提供する。このモリブデン膜は、試料の劈開中に破壊されなかった。
図71bは、フィーチャJ1、J2、およびJ3全体をカバーする白い長方形内の、EDS(15keVのエネルギーを有する)によって測定したモリブデン(左)、ケイ素(中央)、および酸素(右)の定量化を図示する。
【
図72】
図72は、モリブデン膜がフィーチャ下部に蒸着したことを示す、フィーチャK1、K2、K3、K4、K5、K6、およびK7(左から右)それぞれの、深さ600nmを有する領域の、倍率100K、斜方向のSEM画像を提供する。
【
図73】
図73は、SiO
2、TiNおよびMo基板上に蒸着したMoの厚さ(nm)をサイクル数の関数として図示する。
【
図74】
図74は、パージガス送達の異なる持続時間に対する厚さ(nm)をサイクル数の関数として図示する。