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特許7258184ローラベアリングの寿命向上のためのステージフレッチング防止機構
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-06
(45)【発行日】2023-04-14
(54)【発明の名称】ローラベアリングの寿命向上のためのステージフレッチング防止機構
(51)【国際特許分類】
   H01J 37/20 20060101AFI20230407BHJP
   H01J 37/28 20060101ALI20230407BHJP
   H01J 37/305 20060101ALI20230407BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20230407BHJP
【FI】
H01J37/20 D
H01J37/28 B
H01J37/305 B
G03F7/20 501
G03F7/20 521
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021564575
(86)(22)【出願日】2020-05-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-21
(86)【国際出願番号】 EP2020063148
(87)【国際公開番号】W WO2020239426
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2021-12-22
(31)【優先権主張番号】19176502.3
(32)【優先日】2019-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ゲルヴェン,マーク,ヘンリカス,ウィルヘルムス
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン デ リフト,ヨハネス,ヒューベルタス,アントニウス
(72)【発明者】
【氏名】ロンド,マイケル,ヨハネス,クリスティアーン
(72)【発明者】
【氏名】ボッシュ,ニールズ,ヨハネス,マリア
【審査官】右▲高▼ 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-035392(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01J 37/20
H01J 37/28
H01J 37/305
G03F 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ョートストロークステージと、ロングストロークステージと、前記ショートストロークステージ上に存在しないように、及び前記ロングストロークステージ上に存在しないように配置された基準に対する前記ショートストロークステージの位置を測定するように構成された第1のセンサと、前記ロングストロークステージを支持するように構成された1つ又は複数のローラベアリングと、少なくとも部分的に前記第1のセンサからの測定に基づいて、前記基準の移動に追従するために、前記ロングストロークステージの動き、及び前記ショートストロークステージの動きを制御するためのコントローラと、を備えるステージ装置であって
前記コントローラが、前記1つ又は複数のローラベアリングのデブリ生成を減少させるために、前記ステージ装置の動作の少なくとも一部において前記ロングストロークステージの制御が前記基準の前記移動から切り離されるように動作可能であり、
前記コントローラが、少なくとも、第1の動作モードと、第2の動作モードと、の間で、制御を切り替えるように動作可能であり、
前記第1の動作モードでは、前記コントローラが、前記基準に照らして、前記ショートストロークステージを制御することと、前記ショートストロークステージに照らして前記ロングストロークステージを制御することと、を行うように動作可能であり、
前記ステージ装置が実質的に停止状態にあると決定されたときに、前記コントローラが、前記第1の動作モードから前記第2の動作モードへと制御を切り替えるように動作可能である、ステージ装置。
【請求項2】
前記ステージ装置が停止状態にあるかどうかを決定することが、前記ショートストロークステージと前記ロングストロークステージとの間の相対位置が閾オフセットを超えないかどうかを決定することを含み、又は、
前記ステージ装置が停止状態にあるかどうかを決定することが、前記ショートストロークステージと前記ロングストロークステージとの間の前記相対位置が、少なくとも閾期間の間、前記閾オフセットを超えないかどうかを決定することを含む、請求項に記載のステージ装置。
【請求項3】
前記第2の動作モードが、前記ロングストロークステージを開ループ制御で動作させることを含む、請求項に記載のステージ装置。
【請求項4】
前記第2の動作モードが、前記ショートストロークステージ以外の基準に照らして前記ロングストロークステージを動作させることを含む、請求項に記載のステージ装置。
【請求項5】
前記ロングストロークステージの前記制御が、前記ステージ装置の動作の少なくともさらなる一部において前記基準の前記動作に結合される、請求項1に記載のステージ装置。
【請求項6】
前記基準の前記移動が、前記ステージ装置が内部に含まれるチャンバの移動から生じ、
前記基準の前記移動からの前記ロングストロークステージの制御の前記切り離しが、前記チャンバの前記移動からの前記ロングストロークステージの制御の切り離しを含む、請求項1に記載のステージ装置。
【請求項7】
前記コントローラが、
前記基準に照らして前記ショートストロークステージを制御することと、
前記ショートストロークステージ以外の基準に照らして、前記ロングストロークステージを制御することと、
を行うように動作可能である、請求項1に記載のステージ装置。
【請求項8】
前記ショートストロークステージ以外の前記基準が、その上に前記1つ又は複数のローラベアリングが取り付けられるベースプレート上に位置する、請求項に記載のステージ装置。
【請求項9】
前記ショートストロークステージと前記ロングストロークステージとの間のドリフトをモニタリングすること、及び、前記ドリフトを減少させるために前記ショートストロークステージ及び/又は前記ロングストロークステージの適切な移動を行うこと、によって、前記ドリフトを補償するように前記コントローラが動作可能である、請求項に記載のステージ装置。
【請求項10】
前記ロングストロークステージの位置を測定するセンサの測定信号がデッドゾーン閾値を下回る場合に、前記コントローラが、前記基準から前記ロングストロークステージの前記制御を切り離すように動作可能である、請求項1に記載のステージ装置。
【請求項11】
前記コントローラが、動作中の制御モード、前記基準の前記移動の大きさ、前記ステージ装置を用いて行われている測定に関する測定レシピ、特定の使用ケース、及び、1つ又は複数の環境要因、の内の1つ又は複数に基づいて、動的デッドゾーン閾値を決定するように動作可能である、請求項10に記載のステージ装置。
【請求項12】
前記コントローラが、
前記ステージ装置のステータスを評価することと、
前記評価に基づいてグリーシングメンテナンス動作を行うことを決定することと、を行うように動作可能であり、
前記グリーシングメンテナンス動作が、前記ローラベアリング全体にわたりグリースを分布させるために、前記ロングストロークステージを移動させることを含む、請求項1に記載のステージ装置。
【請求項13】
前記ステージ装置の前記ステータスを前記評価することが、前記ロングストロークステージの停止時間、前記ロングストロークステージ及び/又は前記1つ若しくは複数のローラベアリングの移動の振幅、並びに、閉制御ループのセットポイント、の内の1つ又は複数を考慮することを含む、請求項12に記載のステージ装置。
【請求項14】
オブジェクトの保持及び位置決めを行うための請求項1に記載のステージ装置を備えた装置であって、
前記装置が、粒子ビーム装置、電子ビーム装置、走査電子顕微鏡、電子ビームダイレクトライタ、電子ビーム投影リソグラフィ装置、電子ビーム検査装置、電子ビーム欠陥検証装置、電子ビームメトロロジ装置、リソグラフィ装置、メトロロジ装置、又は、真空装置である、装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、及び2019年5月24日に出願された欧州特許出願公開第19176502.3号の優先権を主張するものであり、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本明細書は、半導体デバイスなどの試料を検査するように構成された電子ビーム検査装置用のステージ装置に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 半導体プロセスでは、欠陥は、必ず生成される。このような欠陥は、デバイス性能に影響を与え、故障を引き起こす場合さえある。したがって、デバイスの歩留まりに影響を及ぼし、その結果、コストが上昇し得る。半導体プロセスの歩留まりを制御するために、欠陥のモニタリングが重要である。欠陥のモニタリングに役立つツールの1つは、1つ又は複数の電子ビームを使用して試料のターゲット部分をスキャンするSEM(走査型電子顕微鏡)である。
【0004】
[0004] SEMなどの検査装置によって検査されるウェーハ又は基板などのオブジェクトは、位置誤差、具体的には、動的(例えば、振動)位置誤差、及び熱的位置誤差の両方を受けやすい。これらの位置誤差の原因の一方、及び好ましくは両方を軽減することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
本発明の第1の態様では、ステージ装置であって、ショートストロークステージと、ロングストロークステージと、ショートストロークステージ上に存在しないように及びロングストロークステージ上に存在しないように配置された基準に対するショートストロークステージの位置を測定するように構成された第1のセンサと、ロングストロークステージを支持するように構成された1つ又は複数のローラベアリングと、少なくとも部分的に第1のセンサからの測定に基づいて、基準の移動に追従するために、ロングストロークステージの動き及びショートストロークステージの動きを制御するためのコントローラと、を備え、コントローラが、1つ又は複数のローラベアリングのデブリ生成を減少させるために、ステージ装置の動作の少なくとも一部において、ロングストロークステージの制御が基準の移動から切り離されるように動作可能である、ステージ装置が提供される。
【0006】
[0005] 本発明の他の態様は、第1の態様のステージ装置を備えた、粒子ビーム装置、電子ビーム装置、走査電子顕微鏡、電子ビームダイレクトライタ、電子ビーム投影リソグラフィ装置、電子ビーム検査装置、電子ビーム欠陥検証装置、電子ビームメトロロジ装置、リソグラフィ装置、メトロロジ装置、又は、真空装置を含む。
【0007】
[0006] 本発明のさらなる態様、フィーチャ、及び利点、並びに本発明の様々な実施形態の構造及び動作は、添付の図面を参照して、以下に詳細に説明される。本発明が、本明細書に記載される具体的な実施形態に限定されないことに留意されたい。このような実施形態は、単なる例示目的で、本明細書に提示される。追加の実施形態は、本明細書に含まれる教示に基づいて、1つ又は複数の関連分野の当業者には明らかとなるだろう。
【0008】
[0007] これより、添付の図面を参照して、本発明の実施形態を例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A】[0007]図1Aは、本発明の実施形態による電子ビーム検査ツールの概略図である。
図1B】[0007]図1Bは、本発明の実施形態による電子ビーム検査ツールの概略図である。
図2A】[0007]図2Aは、本発明の実施形態に適用できる電子光学システムの概略図である。
図2B】[0007]図2Bは、本発明の実施形態に適用できる電子光学システムの概略図である。
図3】[0007]図3は、EBIシステムの可能な制御アーキテクチャを概略的に描く。
図4】[0007]EBIシステム、又はより具体的には、マルチビーム検査(MBI)システムの真空チャンバ内に含まれるステージ装置を概略的に示す。
図5】[0007]本発明の一実施形態による、例示的フレッチング防止機能ブロックのブロック図である。
図6】[0007]本発明の第1の実施形態による、第1のフレッチング防止制御モードのフローチャートダイヤグラムである。
図7】[0007]本発明の第2の実施形態による、第2のフレッチング防止制御モードのフローチャートダイヤグラムである。
図8】[0007]本発明の第3の実施形態による、第3のフレッチング防止制御モードのフローチャートダイヤグラムである。
図9】[0007]本発明の第4の実施形態による、デッドゾーン機能制御モードのフローチャートダイヤグラムである。
図10】[0007]本発明のさらなる実施形態による、スマートグリーシング機構のフローチャートダイヤグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0008] ここで、本発明のいくつかの例示の実施形態を示す、添付の図面を参照しながら、本発明の種々の例示の実施形態をより完全に説明する。図面では、分かり易くするために、層及び領域の厚さが誇張されている場合がある。
【0011】
[0009] 本明細書では、本発明の詳細な例示の実施形態が開示される。しかしながら、本明細書に開示する特定の構造的且つ機能的詳細は、単に本発明の例示の実施形態を説明する目的で示すにすぎない。本発明は、しかしながら、多くの代替形態で具現化されてもよく、本明細書に記載の実施形態のみに限定されるものと解釈されるべきではない。
【0012】
[0010] よって、本発明の例示の実施形態は、種々の修正及び代替形態を受け入れる余地があるが、これらの実施形態は、図面中に例として示され、本明細書で詳細に説明されるであろう。しかしながら、本発明の例示の実施形態を開示の特定の形態に限定する意図はなく、それどころか、本発明の例示の実施形態が、本明細書の範囲内に含まれる全ての修正、同等物、及び代替案を網羅するものであることを理解されたい。類似の番号は、図の説明全体を通して類似の要素を指す。
【0013】
[0011] 本明細書で使用される場合、「ウェーハ」という用語は、概して、半導体又は非半導体材料で形成された基板を指す。そのような半導体又は非半導体材料の例としては、限定されるものではないが、単結晶シリコン、ヒ化ガリウム、及びリン化インジウムが挙げられる。そのような基板は、一般的に、半導体製造設備内で見られ、及び/又は処理される。
【0014】
[0012] 「基板」という用語は、(上記のような)ウェーハ、又はガラス基板でもよく、「パターニングデバイス」という用語は、「レチクル」(これは、「マスク」と呼ばれることもある)でもよい。
【0015】
[0013] 本発明では、「軸方向」とは、「レンズなどの装置、コラム、又はデバイスの光軸方向」を意味し、「半径方向」とは、「光軸に垂直な方向」を意味する。通常、光軸は、カソードから始まり、試料で終わる。全図面において、光軸は、常にz軸を指す。
【0016】
[0014] 交差点という用語は、電子ビームの焦点が合わせられる点を指す。
【0017】
[0015] 仮想光源という用語は、カソードから放出された電子ビームを「仮想」光源まで後方に辿ることができることを意味する。
【0018】
[0016] 本発明による検査ツールは、荷電粒子源、特にSEM、電子ビーム検査ツール、又はEBDWに適用できる電子ビーム源に関する。電子ビーム源は、当技術分野では、e銃(電子銃)と称されることもある。
【0019】
[0017] 図面に関して、図が一定の縮尺で描かれていないことに留意されたい。特に、図のいくつかの要素の縮尺は、要素の特徴を強調するために大きく誇張されている場合がある。また、図が同じ縮尺で描かれていないことにも留意されたい。同様に構成され得る、2つ以上の図に示す要素は、同じ参照符号を使用して示される。
【0020】
[0018] 図面では、分かり易くするために、各コンポーネントの及び全てのコンポーネント間の相対的寸法が誇張されている場合がある。以下の図面の説明では、同じ又は類似の参照番号は、同じ若しくは類似のコンポーネント又はエンティティを指し、且つ個々の実施形態に関する相違のみを説明する。
【0021】
[0019] よって、本発明の例示の実施形態は、種々の修正及び代替形態を受け入れる余地があるが、これらの実施形態は、図面中に例として示され、本明細書で詳細に説明されるであろう。しかしながら、本発明の例示の実施形態を開示の特定の形態に限定する意図はなく、それどころか、本発明の例示の実施形態が、本明細書の範囲内に含まれる全ての修正、同等物、及び代替案を網羅するものであることを理解されたい。
【0022】
[0020] 図1A及び図1Bは、本発明の実施形態による電子ビーム(eビーム)検査(EBI)システム100の上面図及び断面図を概略的に描く。図示の実施形態は、筐体110、検査すべきオブジェクトを受け入れて検査されたオブジェクトを出力するためのインターフェースとしての役割を果たす1対のロードポート120とを備える。図示の実施形態は、ロードポートに/ロードポートからオブジェクトを搬送及び/又は移送するように構成された、EFEM、機器フロントエンドモジュール130と称される、オブジェクト移送システムをさらに備える。図示の実施形態では、EFEMは、EBIシステム100のロードポートとロードロック150との間でオブジェクトを移送するように構成されたハンドラロボット140を備える。ロードロック150は、筐体110の外側及びEFEM130内で生じる大気条件と、EBIシステム100の真空チャンバ160内で生じる真空条件との間のインターフェースである。図示の実施形態では、真空チャンバ160は、検査すべきオブジェクト、例えば半導体基板又はウェーハ上に電子ビームを投影するように構成された電子光学システム170を備える。EBIシステム100は、電子光学システム170によって生成された電子ビームに対してオブジェクト190を変位させるように構成される位置決めデバイス180をさらに備える。実施形態では、位置決めデバイス180は、少なくとも部分的に真空チャンバ160内に配置される。
【0023】
[0021] 実施形態では、位置決めデバイスは、オブジェクトを略水平面に位置決めするためのXYステージ、及びオブジェクトを垂直方向に位置決めするためのZステージなどの、縦続形配置の複数のポジショナを備えてもよい。
【0024】
[0022] 実施形態では、位置決めデバイスは、比較的長い距離にわたってオブジェクトの粗動位置決めを行うように構成された、粗動ポジショナと、比較的短い距離にわたってオブジェクトの微動位置決めを行うように構成された、微動ポジショナとの組み合わせを備えてもよい。
【0025】
[0023] 実施形態では、位置決めデバイス180は、EBIシステム100によって行われる検査プロセス中にオブジェクトを保持するためのオブジェクトテーブルをさらに備える。そのような実施形態では、オブジェクト190は、静電クランプ又は真空クランプなどのクランプを用いてオブジェクトテーブル上にクランプされてもよい。そのようなクランプは、オブジェクトテーブルに一体化されてもよい。
【0026】
[0024] 本発明においては、位置決めデバイス180は、オブジェクトテーブルを位置決めするための第一ポジショナと、第一ポジショナ及びオブジェクトテーブルを位置決めするための第二のポジショナとを備える。
【0027】
[0025] 実施形態では、真空チャンバ160は、外的電磁影響から保護するための電磁シールド1001を備える。このような電磁シールドは、EMI(電磁干渉)シールド1001と呼ばれることもある。
【0028】
[0026] 実施形態では、電磁シールド1001は、外的影響から検査ツール100の検出器を保護するように構成される。
【0029】
[0027] 図2Aは、本発明による電子ビーム検査ツール又はシステムに適用できる電子光学システム200の実施形態を概略的に描く。電子光学システム200は、電子銃210と称される、電子ビーム源と、結像システム240とを備える。
【0030】
[0028] 電子銃210は、電子源212と、サプレッサ214と、アノード216と、1組の開口218と、コンデンサレンズ220と、を備える。電子源212は、ショットキーエミッタとすることができる。より具体的には、電子源212は、セラミック基板と、2つの電極と、タングステンフィラメントと、タングステンピンと、を含む。2つの電極は、セラミック基板に平行に固定され、且つ2つの電極の他の側は、タングステンフィラメントの2つの端部にそれぞれ接続される。タングステンは、タングステンピンの配置のための先端部を形成するように僅かに湾曲される。次にタングステンピンの表面がZrOで被覆され、ZrOが、溶融されるように1300℃に加熱され、タングステンピンを覆うが、タングステンピンの先端を露出させる。溶融したZrOは、タングステンの仕事関数を低下させることができ、且つ放出電子のエネルギー障壁を低下させることができ、したがって、電子ビーム202が効率的に放出される。次いで、サプレッサ214を負の電気に帯電させることによって、電子ビーム202が抑制される。よって、大きな広がり角を有する電子ビームが抑制されて一次電子ビーム202とされ、ひいては、電子ビーム202の輝度が高められる。アノード216の正電荷によって、電子ビーム202を抽出することができ、次いで、電子ビーム202のクーロン強制力が、開口の外側の不要な電子ビームを排除するために異なる開口サイズを有する可変開口218を使用することによって制御されてもよい。電子ビーム202を集束させるために、コンデンサレンズ220が電子ビーム202に適用され、コンデンサレンズ220はまた拡大ももたらす。図2に示すコンデンサレンズ220は、例えば、電子ビーム202を集束させることができる静電レンズであってもよい。その一方で、コンデンサレンズ220は、磁気レンズとすることもできる。
【0031】
[0029] 図2Bに示す結像システム240は、ブランカ248と、1組の開口242と、検出器244と、4組の偏向器250、252、254、及び256と、1対のコイル262と、ヨーク260と、フィルタ246と、電極270と、を備える。電極270は、電子ビーム202を遅延させ且つ偏向させるために使用され、さらに、上部ポールピースとサンプル300との組み合わせによる静電レンズ機能を有する。それとは別にコイル262及びヨーク260は、磁気対物レンズに構成される。
【0032】
[0030] 上記の電子ビーム202は、電子ピンを加熱し、及びアノード216に電界を印加することによって生成されるため、電子ビーム202を安定化させるには、電子ピンを加熱する時間が長くなければならない。ユーザ側では、それは、確実に、時間がかかり、且つ不便なものである。したがって、電子ビーム202をオフにするのではなく、サンプルから離れるように電子ビーム202を時間的に偏向させるために、ブランカ248が、凝縮電子ビーム202に適用される。
【0033】
[0031] 偏向器250及び256は、電子ビーム202を広視野にわたってスキャンするために適用され、且つ偏向器252及び254は、電子ビーム202を小視野にわたってスキャンするために使用される。全ての偏向器250、252、254、及び256は、電子ビーム202のスキャン方向を制御することができる。偏向器250、252、254、及び256は、静電偏向器又は磁気偏向器とすることができる。ヨーク260の開口部は、サンプル300に面しており、磁界をサンプル300にさらす。一方、電極270は、ヨーク260の開口部の下に配置され、それゆえ、サンプル300が損傷を受けない。電子ビーム202の色収差を補正するために、位相板270、サンプル300、及び上部ポールピースは、電子ビーム202の色収差を排除するレンズを形成する。
【0034】
[0032] その一方で、電子ビーム202がサンプル300に衝突したときに、サンプル300の表面から二次電子が発せられる。次に、フィルタ246によって2次電子が検出器244へ誘導される。
【0035】
[0033] 図3は、EBIシステム300の可能な制御アーキテクチャを概略的に描く。図1に示すように、EBIシステムは、ロードポート120と、オブジェクト移送システム130と、ロード/ロック150と、電子光学システム170と、位置決めデバイス180とを備え、例えば位置決めデバイス180は、zステージ302及びxyステージ305を含む。図示のように、EBIシステムのこれらの種々のコンポーネントは、オブジェクト移送システム130に接続されたオブジェクト移送システムコントローラ310、ロード/ロックコントローラ315、ステージコントローラ320、(検出器244の制御のための)検出器コントローラ320、及び電子光学コントローラ325などのそれぞれのコントローラを備えていてもよい。これらのコントローラは、例えば通信バス345を介して、例えば、システムコントローラコンピュータ335及びイメージ処理コンピュータ340に通信可能に接続されてもよい。図示の実施形態では、システムコントローラコンピュータ335及びイメージ処理コンピュータ340は、ワークステーション350に接続されてもよい。
【0036】
[0034] ロードポート120は、オブジェクト移送システム130にオブジェクト190(例えば、ウェーハ)をロードし、オブジェクト移送システムコントローラ310は、オブジェクト190をロード/ロック150に移送するようにオブジェクト移送システム130を制御する。ロード/ロックコントローラ315は、検査すべきオブジェクト190をクランプ355(例えば、eチャックとも称される、静電クランプ)に固定することができるように、チャンバ160へのロード/ロック150を制御する。位置決めデバイス(例えば、zステージ302及びxyステージ305)は、ステージコントローラ330の制御下でオブジェクト190が移動することを可能にする。実施形態では、zステージ302の高さは、ピエゾアクチュエータなどのピエゾコンポーネントを使用して調整されてもよい。電子光学コントローラ325は、電子光学システム170の全ての状態を制御してもよく、検出器コントローラ320は、電子光学システム(検出器244)から電気信号を受信してイメージ信号に変換してもよい。システムコントローラコンピュータ335は、コマンドを対応するコントローラに送信するように動作可能である。イメージ信号を受信した後に、イメージ処理コンピュータ340は、欠陥を特定するためにイメージ信号を処理してもよい。
【0037】
[0035] 上記のようなリソグラフィデバイス及びメトロロジデバイスでは、オブジェクト(その上で、構造がパターン形成されたビームを使用して露光された基板若しくはウェーハ、又はリソグラフィ装置でビームをパターン形成するためのレチクル(若しくはマスク)など)が、ステージ装置を用いて正確に位置決めされる。このようなステージ装置は、レチクルステージ装置、又はウェーハステージ装置でもよく、並びに、少なくとも1つの位置決めデバイスと、そのような位置決めデバイスによって支持され、及び移動される基板サポートと、を含み得る。位置決めデバイスは、例えば、0.1nm、1nm、10nm、100nm、又は1000nm未満の位置決め誤差で、オブジェクトサポートの位置を制御するように構成され得る。
【0038】
[0036] 図4は、EBIシステム400(これは、複数の電子ビームを並列で使用するマルチビーム検査(MBI)システムでもよい)の真空チャンバ406内に配置できる一般的なステージ装置410を概略的に示す。たった1つの電子ビームのみを用いる従来のEBIシステムと比較して、MBIシステムは、複数の電子ビームを使用してサンプルをスキャンし、それによって、システムのスループットを大幅に向上させるように構成される。全SEM測定が行われる真空チャンバ406は、上側真空チャンバ406a、下側真空チャンバ406b、及び接続点426用の圧力/真空封止コンポーネント(図示せず)から構成される。真空チャンバ406は、ベースフレーム408c上に固定された複数のエアマウント422によって静かに浮いている。このようなエアマウント422は、真空チャンバ406に含まれるコンポーネントに対する外部振動の影響が減少するように、防振バッファとして機能する。真空チャンバ406は、電子光学システム(EOS)402が取り付けられるメトロフレーム(MF)404を保持する。
【0039】
[0037] 真空チャンバ406の下部に位置するステージ装置410は、オブジェクトサポート(図示せず)を位置決めするためのショートストロークステージ412を含み、並びに、ショートストロークステージ412及びオブジェクトサポートを位置決めするためのロングストロークステージ414も含み、ここでは、接続構成が、少なくとも部分的に、オブジェクトサポートをショートストロークステージ412に接続し得る。各ステージ、すなわち、ショートストロークステージ412、ロングストロークステージ414、又はオブジェクトサポートは、位置決め及び変位のための独自の位置決めデバイス(図示せず)を有する。ショートストロークステージは、比較的短い移動範囲であるが、正確な位置決めを提供する。一方、ロングストロークステージは、比較的長い移動範囲であるが、より確度の低い(又は粗い)位置決めを提供する。
【0040】
[0038] ショートストロークステージ412は、複数のポジショナ又はアクチュエータ(例えば、ローレンツ力駆動型電磁アクチュエータ)を含む第1の位置決めデバイスによって可能になる、最大6自由度(すなわち、3つの直交する直線軸、及び3つの直交する回転軸)まで、基板サポートの正確な位置決めを提供する。このようなアクチュエータは、ショートストロークステージ412とロングストロークステージ414との間の電気機械接続を成す。ショートストローク範囲412の移動範囲は、比較的短く、例えば、数十マイクロメータである。ショートストロークステージ412は、時に、干渉位置センサ(IFS)432を有効にするための1つ又は複数のミラーをその表面に有する場合があるため、ブロック又はミラーブロックと呼ばれる。
【0041】
[0039] ショートストロークステージ412及びオブジェクトサポートを保持するロングストロークステージ414は、はるかにより長い移動範囲、例えば、数百ミリメートルの粗動位置決めを提供する。ロングストロークステージ414の動きは、第2の位置決めデバイスによって可能になる。第2の位置決めデバイスの各ポジショナ又はアクチュエータ416(例えば、電磁アクチュエータ)は、ロングストロークステージの一方の側に取り付けられる。この場合、ロングストロークステージ414の作動によって生成される反力を吸収及び/又は減衰させるために、1つ又は複数のバランス・マス418が、このようなアクチュエータ416に取り付けられてもよい。
【0042】
[0040] ロングストロークステージ414は、ローラベアリング424を介してベースプレート408a上に取り付けられる。ベースプレート408aは、例えば、真空チャンバの2つの接続点426を通過する2つの機械フィードスルー408bを介して、ベースフレーム408cに接続される。このような接続点426は、後に、例えばベローズを用いて、真空気密に封止される。ベースフレーム408cは、システムの台に、又は直接床(図示せず)に固定されるため、このような機械フィードスルー408bは、ロングストロークステージ414から生じた反力がさらに減衰され、その結果、SEM測定に対する振動外乱の影響を最小限に抑えることができるように、外界への効果的な力の経路を提供する。
【0043】
[0041] ベースプレート408aに対するx方向及びy方向の両方におけるロングストロークステージ414の移動は、ローラベアリング424によってガイドされる。EOS402に対するショートストロークステージ412の位置は、IFS432によって測定される。一方、ベースプレート408aに対するロングストロークステージ414の位置は、エンコーダ436a、又はより具体的にはデジタルエンコーダによって測定される。ロングストロークステージ414と、ショートストロークステージ412との間の相対位置変化は、(第1の)差動位置センサ(DPS)434aを用いてモニタリングされる。ステージ装置410は、高確度モード又は低確度モードで動作するように構成され得る。高確度モードでは、ステージ装置410のスキャン範囲は、一般的に、オブジェクトサポートによって保持されるオブジェクト(例えば、300mmウェーハ)の直径よりも大きいIFS432の測定範囲によって制限される。一方、低確度モードでは、ステージ装置410のスキャン範囲は、ロングストロークステージ414の移動範囲によって決定されるため、はるかに大きい。
【0044】
[0042] 2つのベースライン制御モード、すなわち、高確度モード及び低確度モードは、測定の開始前に、システムレベルで(システムコントローラによって)互いに切り替えることができる。例えば、ウェーハを基板サポート上にロードする際に、低確度モードが、より長い移動範囲を提供するため望ましい。ウェーハが、IFS432の測定範囲内で位置決めされると、低確度モードは、SEM測定のために、高確度モードへと切り替えられ得る。高確度モードに切り替えられた後、ステージ装置410は、両ステージの再センタリングを行うために、ゼロに設定される必要があり得る。しかしながら、本発明の幾つかの実施形態では、ウェーハがIFS432の測定範囲内で位置決めされる場合であっても、低確度モードがなお望ましい。このような2つのベースライン制御モードが、マスター/スレーブ構成に基づく。
【0045】
[0043] 高確度モードで動作する際に、ショートストロークステージコントローラ(マスター)は、ショートストロークステージ412の位置を制御するために、IFS432によって測定されたデータに依存し、ロングストロークステージコントローラ(スレーブ)は、ロングストロークステージ414の位置を制御するために、DPS434aによって測定されたデータに依存する。その一方で、ロングストロークステージ414が、ベースプレート408aによって影響を受けることなく、ショートストロークステージ412の移動に追従するように、ロングストロークステージ414とベースプレート408aとの間に位置するエンコーダ436aは、受動的に動作する(すなわち、測定結果がステージの制御に使用されることなく、位置測定を行う)。レーザベースのIFS432の使用により、ショートストロークステージ412に関して、ナノメータスケールの位置決め確度を達成することが可能となる。低確度モードで動作する際に、ショートストロークステージコントローラ(スレーブ)は、ショートストロークステージ412の位置を制御するために、DPS434aによって測定されたデータを使用する。そして、ロングストロークステージコントローラ(マスター)は、ロングストロークステージ414の位置を制御するために、エンコーダ436aによって測定されたデータを使用する。IFS432は、受動的に作動する(測定結果がステージの制御に使用されることなく、位置測定を行う)のみであるため、ショートストロークステージ412は、それによって、ロングストロークステージ414の移動に追従する。ステージ装置がIFS432の測定範囲外にある場合、IFS432が位置測定を行うことを停止することに留意されたい。
【0046】
[0044] 位置測定が完了すると、各有効メトロロジセンサ、すなわち、IFS、DPS、又はエンコーダが、それぞれのステージコントローラに対して、電気信号形式で測定データを送る。受信ステージコントローラは、特定の予め定義された要件に応じて信号を評価し、位置を変更するように、又は同じ位置にとどまるように、対応するステージに制御信号を送り返す。これは、閉ループ制御又はフィードバック制御と呼ばれる。ロングストロークステージ及びショートストロークステージの一方又は両方が、閉ループモードで動作させられ得る。
【0047】
[0045] 例えば、ショートストロークステージ412が閉ループ制御モードで動作させられている場合、ショートストロークステージコントローラは、高確度モードのIFS432から、又は低確度モードのDPS434aから受信された、測定された位置値を予め定義された位置セットポイントと比較することによって、位置誤差信号を取得する。次に、このような誤差信号は、アルゴリズム、例えば比例積分微分(PID)アルゴリズムに提供され、誤差を減少させるために出力信号が計算される。計算された出力信号に基づいて、ショートストロークステージコントローラは、適切な補償移動を決定し、次に、それに応じて位置を調節するようにショートストロークステージ412に命令する。IFS432又はDPS434aは、継続的及び/又は周期的に、誤差信号を更新し、及び位置セットポイントに対してショートストロークステージを動的に位置決めするために、ステージ位置を測定し、及び測定された新しい位置値をコントローラに送り続ける。このようにして、ショートストロークステージ412は、ステージが正確に位置決めされ、及びステージ位置が能動的に維持されるように、継続的及び/又は周期的に測定、評価、及び調節が行われている。
【0048】
[0046] ショートストロークステージが(少なくとも)閉ループモードで動作可能である間に、ロングストロークステージは、閉ループモード又は開ループモードで動作させられ得る。ロングストロークステージの制御モードは、必要に応じて、閉ループ制御モードと開ループ制御モードとの間で切り替えられ得る。
【0049】
[0047] 各切り替え動作後に、ステージ(ショートストロークステージ412又はロングストロークステージ414のどちらか一方)は、完全に整定するまで一定の時間がかかり得ることに留意されたい。しかしながら、ステージが既に停止状態であれば、切り替え動作後に整定することなく、静止状態のままである。
【0050】
[0048] 様々な外部外乱の存在は、真空チャンバ406にエアマウント上で低周波移動させ得、これは、第2のDPS434bによってモニタリング及び測定が行われ得る。このような移動の周波数は、例えば、1Hz、3Hz、5Hz、又は10Hzでもよく、振幅は、例えば、5μm、10μm、15μm、又は20μmでもよい。ステージ装置410が高確度モード及び閉ループ制御モードで動作する場合、MF404に接続及び/又は固定されたEOS402に照らして、ショートストロークステージ412の位置が、IFS432によって閉ループ制御される。その結果、ショートストロークステージの位置決めは、IFS432によって、MF404に対して制御される。真空チャンバ406によってMF404が受動的に保持されるため、真空チャンバ406の移動は、ショートストロークステージ412の移動をもたらす。ショートストロークステージ412のこれらの移動は、次に、ロングストロークステージ414がDPS434aによってショートストロークステージ412に対して制御されるため、ロングストロークステージ414に伝えられる。このようにして、ロングストロークステージ414は、真空チャンバ406に結合され、したがって、真空チャンバ406の移動に対応して、ベースプレート408aに対する連続微小移動を行う。
【0051】
[0049] 追加的又は代替的に、ロングストロークステージの上記連続微小移動は、EOS402自体の移動からも生じる可能性がある。ステージ装置410は、EOS402以外の別の処理ユニットで使用され得るため、ショートストロークステージの閉ループ動作に使用される測定基準は、用途に依存する。例えば、ステージ装置410が露光装置で使用される場合は、測定基準は、投影光学系でもよい。或いは、ステージ装置410が測定/検査装置で使用される場合は、基準は、測定/検査プローブでもよい。
【0052】
[0050] このような連続微小移動中に、ロングストロークステージ414とベースプレート408aとの間のインターフェースを提供するローラベアリング424のキャリッジ及びレールは、互いに対して継続的に移動している。これは、潤滑油、例えばグリースが、回転素子とガイド素子との間のギャップから押し出されることを生じさせる。潤滑の不足は、ローラベアリング424において、直接的な金属間接触をもたらし、微粒子の破片が、収縮面から削り取られる結果となる。これらの微粒子は、接触する金属面を摩耗させ、及び接触する金属面に損傷を与える、硬質の研磨粒子へと酸化し続ける。このような欠陥のある機構は、フレッチング腐食とも呼ばれる。フレッチング腐食プロセスが始まると、ローラベアリングは、急速に劣化し、短期間のうちに(例えば、数時間から数日)壊れる可能性がある。さらに、ローラベアリングの劣化は、接触する金属面間の摩擦を増加させ、その結果、後続のSEM測定に悪影響を与える。例えば、過剰な摩擦を有するローラベアリング424は、ロングストロークステージ414の移動の平滑性を大幅に低下させ、次に、電子ビームに対する基板の位置決めの確度を低下させ得る。また、ローラベアリング424の故障は、交換を必要とし、したがって、システムの可用性を大幅に低下させる。
【0053】
[0051] フレッチング腐食問題を軽減するために、エアベアリング及び磁気ベアリングなどの他の代替取り付け技術が考えられ得る。しかしながら、エアベアリング426は、真空チャンバ406内の圧力を上げ、真空品質を劣化させる(これは、SEM測定に悪影響を与える)エアリークを潜在的に有し得る。一方、磁気ベアリングの磁界は、電子ビームの投影に影響を与え、後続のSEM像の品質を劣化させ得る。電子ビームの伝搬に対する影響を無視できるようにするためには、磁気ベアリングからの磁界の強度は、ミリガウス(mG)のオーダーである必要がある。このような仕様は、磁気ベアリングにとって厳し過ぎる。
【0054】
[0052] 時折、ローラベアリング424においてグリースを再分配するために、メンテナンスプロセス(いわゆるグリーシングストローク)が行われる。これは、一般的に、移動範囲全体にわたり、x方向及びy方向の両方にロングストロークステージ414を移動させることによって実施される。このようなメンテナンスルーチンの頻度を大幅に増加させることにより、フレッチング腐食問題が軽減され得る。しかしながら、そうすることによって、システムのスループットが悪影響を受ける。
【0055】
[0053] ベースプレート408a上の代わりに、直接下側真空チャンバ406b上に、すなわち、下側真空チャンバ406bとロングストロークステージ414との間の機械接続として、ロングストロークステージ414のローラベアリングを取り付けることも可能である。ロングストロークステージ414と真空チャンバ406との間に相対移動がないため、フレッチング腐食が、結果として回避される。しかしながら、このようにして、ロングストロークステージの移動から生じる動的力は、ローラベアリングのキャリッジとレールとの間の摩擦によって、真空チャンバ406に伝達され、これは、次に、EOS402の励起、ひいては像歪みを生じさせる。どのようにアクチュエータ416及びバランス・マス418が取り付けられるかに応じて、これらのコンポーネントの励起も、このような動的力によって誘発され得る。さらに、ロングストロークステージ414の振動は、ローラベアリングによって、真空チャンバ406に伝達され、その結果、像品質がさらに劣化する。本発明は、ローラベアリング424のフレッチング腐食のリスクを最小限に抑えるための幾つかの効率的且つ実用的な方法を開示する。
【0056】
[0054] 本明細書に開示されるフレッチング問題に対処するために、ロングストロークステージ414を真空チャンバ移動から切り離すために、ロングストロークステージ414が、真空チャンバに関連する基準(例えば、真空チャンバ、メトロロジフレーム、及び/又はEOS)から(例えば選択的に)切り離され得るように、フレッチング防止機能ブロックをシステムコントローラに追加することが提案される。真空チャンバ移動からロングストロークステージ414を切り離すことによって、ベースプレート408aに対する微小移動を回避することができ、その結果、フレッチング腐食を減少させることができる。この切り離しは、選択的でもよく、1つ又は複数の特定の動作モードでのみ、例えばステージが相対的停止状態であり、差し迫った移動が存在しない場合に使用され得る。他の実施形態は、ロングストロークステージが常に真空チャンバ移動から切り離されるように、ロングストロークステージを動作させることを含む。
【0057】
[0055] 図5は、このようなフレッチング防止機能ブロックの一実施形態を示すブロック図である。それは、位置データPOSを受信する移動チェックモジュール500と、タイマモジュール510と、カウンタモジュール520と、(例えば、差し迫った移動が存在しない場合には、0に設定され、又は差し迫った移動が存在する場合には、1に設定される)セットポイント速度データVELを受信する、差し迫った移動チェックモジュール530(任意選択)と、フレッチング防止制御モジュール540とを含む。これらのブロックのそれぞれの内部の詳細は、各モジュールの完全に例示的な可能な実施態様である。例えば、移動チェックモジュール500は、DPSセンサからの位置データPOSの絶対値を合計し、これを位置又はオフセット閾値Tと比較し得る。タイマモジュール及びカウンタモジュール520は、動作モードを変更する前に、整定遅延を実施する。差し迫った移動チェックモジュール530は、ロングストロークステージセットポイント速度がゼロである(すなわち、差し迫った移動が存在しない)かどうかをチェックする。フレッチング防止制御モジュール540は、システムをフレッチング防止制御モードに入れる。
【0058】
[0056] 図6は、第1の実施形態による制御プロシージャを表すフローチャートである。この方法は、例えば、測定の開始の前に、610から始まる。ステップ620では、IFSフィードバックを用いて、システムが閉ループ制御下で動作させられる。このステップは、ショートストロークステージ412が、IFS432の測定範囲内の位置に移動された(又は既に位置する)と仮定する。ロングストロークステージ414も、DPS434aのフィードバックを使用して、閉ループ制御される。ロングストロークステージ414と、上側ベースプレート408aとの間のエンコーダ436aが、受動的にのみ位置をモニタリングするように設定され、ロングストロークステージ414の制御下では使用されない。このようにして、ステージ装置は、ショートストロークステージコントローラがマスターであり、及びロングストロークステージコントローラがスレーブである、マスター/スレーブ構成で動作させられる。ステップ630では、DPS434aは、ロングストロークステージ414の(例えば、オブジェクト面と平行なx及びyにおける)位置を継続的及び/又は周期的に測定する。並行して、ステップ680において、ステージ移動が差し迫っているか、又は既に要求されたかを決定するために、(例えば、x方向及びy方向の両方における)ステージセットポイントが評価される。
【0059】
[0057] ステップ640では、DPSセンサからデータを受信すると、フレッチング防止機能ブロックが、測定された位置又はオフセット(例えば、ロングストロークステージに対するショートストロークステージの測定されたx及びy位置の絶対値の合計)を所定の閾オフセット値Tと比較する。測定されたオフセットが閾オフセットを下回る場合、ステージは、実質的に静止している、すなわち、停止状態であると見なされる。次に、ステップ650において、整定期間を許容するために、この測定されたオフセットが閾オフセットを下回ったままでいる継続時間を測定するために、タイマが有効にされる。閉ループ制御モードに切り替えた後、ロングストロークステージ414が整定するために、ある程度の時間がかかるため、所定のタイマ閾値がステージの整定時間よりも大きいことが確実にされるべきである。タイマ閾値Tは、10秒、15秒、20秒、又は30秒でもよい。このようにして、ロングストロークステージ414の多数の微小移動が防止される。
【0060】
[0058] ステップ660では、タイマ値が所定の時間閾値を超えるかどうかに加えて、差し迫ったステージ移動が存在しないか、又は既に要求されたステージ移動が存在しないか(例えば、x及びyセットポイント速度の絶対値の合計が0m/sであるかどうか)が決定される。閾継続時間の間、ステージが十分に静止していたこと、及び差し迫った移動が存在しないことをこのステップが決定すると、ステップ670において、(例えば、DPS434aによる)ロングストロークステージ414の制御が、閉ループ制御モードから開ループ制御モードへと切り替えられる。このようにして、ロングストロークステージ414の制御が開ループ制御モードに設定されると、ロングストロークステージ414は、もはやショートストロークステージ412に追従せず、その結果、その制御は、真空チャンバ406の移動から切り離される。ショートストロークステージ412は、IFS432によって制御される閉ループのままであり、DPS434aは、ロングストロークステージ414の位置のモニタリングを続ける。
【0061】
[0059] ステップ690では、もしDPS434aによる測定されたオフセットが閾オフセットを超える場合、又はステージが新しい位置へと移動することを指示される場合には、ロングストロークステージ414の制御方法は、ステップ630に戻り、システムは、閉ループ制御モードに戻るように切り替えられる。
【0062】
[0060] 図7は、フレッチング防止機能ブロックが第2のフレッチング防止制御モードを有効にする、本発明の第2の実施形態を示すフローチャートである。これは、第1の実施形態の第1のフレッチング防止制御モードの制御プロシージャと類似の制御プロシージャを有する。
【0063】
[0061] ステップ720及び730は、ステップ620及び630と同じ、すなわち、ショートストロークステージ412の初期制御ステータスが、IFS432からのフィードバックを使用した閉ループ制御モードであり、ロングストロークステージ414が、DPS434aからのフィードバックを使用した閉ループ制御モード、又は閉ループ高確度モードである。ステップ740及び760で評価された特定の所定の条件が全て満たされた場合、例えば、(DPS434aによって測定された)ショートストロークステージに対するロングストロークステージ414の測定されたオフセットが、少なくともある特定の時間、ある特定の閾オフセットを下回る場合、ステップ770において、ステージ装置410は、閉ループ高確度モードから閉ループ低確度モードへと切り替えられ、すなわち、ロングストロークステージは、DPS434aによる制御からエンコーダ436aへと切り替えられ、ショートストロークステージ412は、IFS432による制御からDPS434aへと切り替えられ、これは、ロングストロークステージコントローラがマスターであり、及びショートストロークステージがスレーブである、別のマスター/スレーブ構成に対応する。第1の実施形態のように、タイマ閾値は、10秒、15秒、20秒、又は30秒でもよい。閉ループ低確度モードで動作する場合、ショートストロークステージ412は、DPS434aによって、ロングストロークステージ414に追従し、ロングストロークステージ414は、ベースプレートエンコーダ436aを使用して位置決めされる。その結果、両ステージが、真空チャンバから切り離され、その結果、ローラベアリング424のフレッチング腐食が防止される。ステップ790で評価された任意の条件が満たされた場合は(例えば、ステージ移動が差し迫っている場合は)、システムは、ステップ720に戻る。
【0064】
[0062] 第1の実施形態と比較して、この第2の実施形態は、ステップ570における高確度モードと低確度モードの切り替えが、完了するためには、ある有限時間がかかるという事実により、より時間がかかり得る。また、像品質が影響を受け得るため、SEM測定のために、ステージ装置410を低確度モードで動作させることは望ましくない場合がある。ステップ720において、ステージ装置410が、高確度モードに戻るように切り替えられる場合、ショートストロークステージは、それがIFS432によって高確度モードで制御され得る前に、潜在的に、再びゼロに設定される必要がある。これは、例えば、モード切り替え後に、ショートストロークステージ412がIFS432の測定範囲外にあり、したがって、それが、再度、再センタリングされる前に、再びゼロに設定される必要があるケースであり得る。このような再ゼロ設定プロセスは、代替の制御モード、すなわち、アイドリングモードの選択肢がコントローラに追加されれば、回避され得る。アイドリングモードは、高確度モードから低確度モードへと切り替えられる代わりに、ショートストロークステージ412がIFS432によって制御される閉ループを維持し、ロングストロークステージ414がエンコーダ436aによって同じ位置に閉ループロックされるアイドリング制御モードへとステージが切り替えられるようなものでもよい。高確度モードとアイドリング制御モードの切り替えは、システムコントローラによってシステムレベルで実施され得る。
【0065】
[0063] 本発明の第3の実施形態によれば、フレッチング防止機能ブロックは、第3のフレッチング防止制御モードを有効にする。図8は、第3の制御モードの制御プロシージャを示す。この方法は、ステップ810から始まる。ステップ830では、ショートストロークステージ412は、IFSフィードバックを使用して、閉ループ制御モードで動作させられ、ロングストロークステージ414は、エンコーダフィードバックを使用した閉ループ制御モードにある。このようにして、ステージ装置410は、マスター/マスター構成で動作させられる。ロングストロークステージ414は、ショートストロークステージ412によって制御されず、したがって、真空チャンバ406から切り離される。第1の実施形態と比較して、第3の実施形態は、ロングストロークステージ414に関する制御モードの変更(すなわち、開ループ制御モードから閉ループ制御モードへの切り替え)を必要とせず、したがって、潜在的なステージ整定の影響が防止される。しかしながら、別の実施形態では、制御モードの変更、例えば、IFSフィードバックを使用した閉ループ制御からマスター/マスター制御モードへの切り替えによって、本明細書に記載されるマスター/マスター制御モードに入り得る。
【0066】
[0064] マスター/マスター構成での動作は、ロングストロークステージ414とショートストロークステージ412との間でドリフトをもたらし得ることが理解できる。ドリフト量は、ロングストロークステージ414とショートストロークステージ412との間の相対移動範囲によって制限され、DPS434aによってモニタリングされる。ロングストロークステージ414とショートストロークステージ412との間の相対移動範囲は、例えば、100μm、200μm、300μm、又は400μmでもよい。これに対処するため、少なくともこのような相対移動範囲をカバーするために、ドリフト補償スキームが追加され得る。例えば、ステップ830では、x方向及びy方向の両方におけるドリフト距離(オフセット)が、DPS434aによって測定される。次いで、ステップ840において、このようなドリフト距離が評価される。ドリフト距離が所定のドリフト閾値よりも大きければ、ステップ850において、システムは、ドリフト補償プロシージャを開始する。ロングストロークステージ414とショートストロークステージ412との間のオフセットを定期的に更新及び補正することによって、ショートストロークステージによって保持される基板サポートが、ショートストロークステージ412の移動範囲の中心に維持されることが可能である。ドリフト補償プロシージャが完了すると、新しいドリフト距離が、ステップ850において測定され、及びステップ840において評価される。新しいドリフト距離が所定の閾値よりも小さければ、さらなる測定のために、システムは、ステップ830に戻る。そうでなければ、システムは、ステップ850に進み、ドリフトレベルが許容可能になるまで、別のドリフト補償プロシージャを行う。
【0067】
[0065] ロングストロークステージ414が、真空チャンバのドリフト/移動又はセンサノイズ(例えば、エンコーダビットのフリッピング)によって誘発され得る小さな移動に反応することを防止するために、デッドゾーン機能ブロック(又はコントローラ)もシステムコントローラに追加され得る。ある実施形態では、デッドゾーンコントローラは、ロングストロークステージの制御モードに応じて予め定義された(又は固定された)許容範囲を有し得る。幾つかの制御モード(例えば、DPS434aによって制御される閉ループ)は、他の制御モード(例えば、エンコーダ436aによって制御される閉ループ)よりも広い許容範囲を必要とし得る。代替的に、スマートデッドゾーンコントローラが、外部外乱(例えば、真空チャンバのドリフト/移動)の影響を継続的に評価し、それに応じて、外部外乱の許容可能な振幅変化に適応するように、許容範囲を自動調整するように、コントローラが使用されてもよい。評価は、制御モードの1つ又は複数、ウェーハ検査レシピ、並びにセンサ信号及び閉制御ループのセットポイントなどのステージ装置410の1つ又は複数の変数などの、EBIシステム400の入手可能な情報を考慮し得る。デッドゾーン機能ブロックは、フレッチング防止機能ブロックとの組み合わせで、又はフレッチング防止機能ブロックの代替として、実施され得る。
【0068】
[0066] そのため、第4の実施形態によれば、デッドゾーン機能ブロックは、先行する実施形態の何れかで使用されたフレッチング防止機能ブロックと組み合わせて実施され得る。このような実施形態の一例では、第3の実施形態に記載されたようなマスター/マスター構成でステージ装置410が動作させられるシステムに対して、デッドゾーンコントローラが追加される。エンコーダ436aによるロングストロークステージ414の閉ループ制御は、(例えば、エンコーダビットのフリッピングとして現れる)エンコーダノイズによって誘発されるリミットサイクリングをもたらし得る。このようなリミットサイクリングは、小さなステージ移動を生じさせ、その結果、ローラベアリング424のフレッチング腐食のリスクを増加させる。したがって、フレッチング腐食のリスクをさらに低下させるために、ステップ830(図8を参照)において、デッドゾーンが有効にされてもよい。デッドゾーンコントローラは、ロングストロークステージによって無視される(例えば、追従されない)移動又はエンコーダノイズのデッドゾーン又は許容範囲を定義する。このようにして、ロングストロークステージコントローラは、このような移動又はエンコーダノイズに反応せず(それが許容範囲内にあるという条件で)、その結果、フレッチング腐食が減少する。上記のマスター/マスター構成の場合、フレッチング腐食のリスクは、比較的低く、したがって、デッドゾーンコントローラの許容範囲は、比較的狭い範囲、例えば2~3のエンコーダカウント又は約1μmに予め定義(又は固定)され得る。一方、デッドゾーンコントローラが上記の第1の実施形態と組み合わせて使用される(すなわち、ステージ装置410が、ロングストロークステージがDPS434aによって閉ループ制御される高確度マスター/スレーブ構成で動作させられる)別の実施形態では、フレッチング腐食のリスクがより高いため、比較的大きな許容範囲(例えば、チャンバの振動/ドリフトよりも大きい、例えば、約10μm)が定義され得る。代替的に、動的に設定された許容範囲を有するスマート(動的)デッドゾーンコントローラが、これらの実施形態の何れかにおいて実施されてもよい(このような動的デッドゾーンの恩恵は、フレッチング腐食のリスクがより高い場合、例えば、マスター/スレーブ構成での動作時に、より大きくなる)。動的許容範囲は、動作中の制御モード、直面した外乱のレベル(大きさ)、測定レシピ、又は特定の使用ケース、及び環境要因(例えば、床、周囲の機械など)の内の1つ又は複数に基づいて調節され得る。スマートデッドゾーンコントローラは、次の実施形態で、より詳細に説明される。デッドゾーン機能ブロックの実施により、ロングストロークステージ414のいくらかの遷移挙動が生じ得る。
【0069】
[0067] 本発明の第5の実施形態によれば、フレッチング防止機能ブロックの代替として、すなわち、基準、ひいては真空チャンバ移動からロングストロークステージを切り離すための代替方法として、デッドゾーン機能ブロックが実施される。図9は、ステージ装置410が高確度マスター/スレーブ構成で動作させられ、及びスマート又は動的デッドゾーンコントローラが使用される実施形態による、上記デッドゾーン制御モードの制御プロシージャを示す。この方法は、910から始まり、ステップ930では、デッドゾーンのデフォルト許容範囲が設定される。デッドゾーン範囲(デッドゾーン閾値)が設定されると、システムは、ステップ940に進み、SEM測定の準備が整う。ショートストロークステージ412は、IFS432からのフィードバックを使用して閉ループ制御モードで動作し、ロングストロークステージ414は、DPS434aからのフィードバックを使用して閉ループ制御モードで動作する。このようにして、ロングストロークステージ414は、真空チャンバ406に結合され、ステージの微小移動が引き起こされる。ステップ950では、結果として生じた微小移動の振幅が、デッドゾーンの許容範囲に対して評価される。結果として生じた微小移動の振幅が、そのような許容範囲よりも小さい場合、システムは、ロングストロークステージコントローラが真空チャンバ移動に反応することをやめさせられるステップ960へと進む。例えば、ロングストロークステージ414の制御は、デッドゾーン内にあり、そのため、真空チャンバ406から切り離される場合に、効果的な開ループ動作に設定され得る。代替的に、ロングストロークステージコントローラは、例えば、デッドゾーン内にある場合に、測定信号を無視することによって、又は測定信号が実質的にゼロであると見なすことによって、DPS434aからの測定信号に応答しないように構成されてもよい。しかしながら、ステップ950において、微小移動の振幅がデッドゾーンの許容範囲よりも大きいと決定された場合、システムは、ステップ930に戻り、評価に応じて許容範囲を増大させる。ステップ960において、ロングストロークステージ414がデッドゾーンで動作している間、微小移動の測定された振幅は、継続的に評価される。もし測定された振幅が増大し、許容範囲を超える場合には、システムは、ステップ930に戻り、それに応じて許容範囲を増大させる。前の例と同様に、この第5の実施形態は、動的デッドゾーンの代わりに、固定デッドゾーンを使用し得ることに留意されたい。また、前の例と同様に、動的許容範囲は、先行する段落で述べた他の基準の1つ又は複数に応じて調節されてもよい。
【0070】
[0068] ローラベアリング424のフレッチング腐食のリスクを減少させる代替方法は、スマートグリーシング機構を実施することである。スマートグリーシング機構は、ロングストロークステージ414の停止時間、ロングストロークステージ及び/又はローラベアリング424の微小移動の振幅、並びに閉制御ループのセットポイントなどのステージ装置410の異なる複数の変数を考慮することによって、ステージ装置410のステータスを評価し、次に、ローラベアリング424が常に十分に潤滑されることを確実にするために、メンテナンスプロセス(例えば、グリーシングストローク)を行うのに最も適した時期を決定する。これは、このプロセスを定期的に行う本方法とは対照的である。本発明の第6の実施形態によれば、このようなスマートグリーシング機構は、フレッチング防止機能ブロック又はデッドゾーン機能ブロックに取って代わることができ、及びフレッチング腐食問題に対処する代替方法として使用され得る。代替的に、このような方法は、本明細書に記載される他の実施形態の何れかと組み合わせて使用されてもよい。図10は、このようなスマートグリーシング制御モードの制御プロシージャを示す。この方法は、ステップ1010から始まる。ステップ1030では、システムは、SEM測定の準備が整う。このステップでは、異なる複数のシステムパラメータが測定される。ステップ1040では、このようなパラメータの分析及び評価が行われる。ステップ1040において、特定の条件が満たされなければ(又は所定の閾値が超過されると)、システムは、ステップ1050に進み、メンテナンスプロセス(すなわち、グリーシングストローク)を初期化する。メンテナンスプロセスは、ローラベアリングの回転素子が1つ又は複数の完全な回転を行うように、ロングストロークステージを移動させることでもよい。代替的に、メンテナンスプロセスは、ステージ装置によって保持及び位置決めされるオブジェクトによって定義される面の1つ又は複数の方向(例えば、x方向及びy方向)において、ロングストロークステージの移動範囲の全て又はかなりの部分にわたり、ロングストロークステージを移動させることでもよい。
【0071】
[0069] メンテナンスプロセスの完了後に、ステップ1040において、新しいシステムパラメータの測定及び評価が行われる。閾値が超過されなければ、システムは、SEM測定のためにステップ1030に戻る。そうでなければ、別のメンテナンスプロセスが行われる。
【0072】
[0070] 要約すると、ロングストロークステージ414のローラベアリング424のフレッチング腐食の影響は、フレッチング防止機能ブロック、デッドゾーン機能ブロック、及びスマートグリーシング機構の1つ又は任意の組み合わせを実施することによって、減少させることができる。本発明の幾つかの実施形態により、ロングストロークステージの微小移動を防止するために、ロングストロークステージ424が、真空チャンバ406から切り離されることが可能となる。フレッチング腐食のリスクは、ローラベアリングが十分に潤滑された状態を維持するためにグリーシングストロークをスマートに行うことによって、さらに減少させることができる。
【0073】
[0071] さらなる実施形態については、以下の条項で説明され得る。
1.ステージ装置であって、
ショートストロークステージと、
ロングストロークステージと、
基準に対するショートストロークステージの位置を測定するように構成された第1のセンサと、
ロングストロークステージを支持するように構成された、1つ又は複数のローラベアリングと、
ロングストロークステージの動きを制御するためのコントローラと、を備え、
コントローラが、ステージ装置の動作の少なくとも一部において、ロングストロークステージの制御が基準から切り離されるように動作可能である、ステージ装置。
2.コントローラが、基準からロングストロークステージの制御を選択的に切り離すように動作可能である、条項1に記載のステージ装置。
3.基準が、移動を受けやすく、基準からのロングストロークステージの制御の切り離しが、基準の移動からのロングストロークステージの制御の切り離しをもたらす、条項1又は2に記載のステージ装置。
4.基準の移動が、ステージ装置が内部に含まれるチャンバの移動から生じ、基準の移動からのロングストロークステージの制御の切り離しが、チャンバの移動からのロングストロークステージの制御の切り離しを含む、条項3に記載のステージ装置。
5.基準が、チャンバを含む、又はチャンバに直接的に、若しくは間接的に結合される、条項4に記載のステージ装置。
6.基準が、メトロフレームを含む、又はメトロフレームに直接的に、若しくは間接的に結合される、条項3~5の何れか一項に記載のステージ装置。
7.基準の移動が、メトロフレームの移動から生じ、基準の移動からのロングストロークステージの制御の切り離しが、メトロフレームの移動からのロングストロークステージの制御の切り離しを含む、条項6に記載のステージ装置。
8.基準の移動が、ステージ装置によって保持及び位置決めされるオブジェクトの処理、測定、及び/又は検査を行う処理ユニットの移動から生じ、基準の移動からのロングストロークステージの制御の切り離しが、処理ユニットの移動からのロングストロークステージの制御の切り離しを含む、条項3~7の何れか一項に記載のステージ装置。
9.基準が、処理ユニットを含む、又は処理ユニットに直接的に、若しくは間接的に結合される、条項8に記載のステージ装置。
10.処理ユニットが、電子光学システムである、条項8又は9に記載のステージ装置。
11.ステージ装置が第1のセンサの測定範囲内に位置する場合、ロングストロークステージの制御が、ステージ装置の動作の少なくとも一部において、基準から切り離されるように、コントローラが動作可能である、先行する条項の何れか一項に記載のステージ装置。
12.ショートストロークステージが、ロングストロークステージによって支持される、先行する条項の何れか一項に記載のステージ装置。
13.コントローラが、少なくとも、第1の動作モードと、第2の動作モードとの間で、制御を切り替えるように動作可能であり、第1の動作モードでは、コントローラが、
基準に照らして、ショートストロークステージを制御することと、
ショートストロークステージに照らしてロングストロークステージを制御することと、
を行うように動作可能である、先行する条項の何れか一項に記載のステージ装置。
14.ステージ装置が実質的に停止状態にあると決定されたときに、コントローラが、第1の動作モードから第2の動作モードへと制御を切り替えるように動作可能である、条項13に記載のステージ装置。
15.ステージ装置が停止状態にあるかどうかを決定することが、ショートストロークステージとロングストロークステージとの間の相対位置が閾オフセットを超えないかどうかを決定することを含む、条項14に記載のステージ装置。
16.ステージ装置が停止状態にあるかどうかを決定することが、ショートストロークステージとロングストロークステージとの間の相対位置が、少なくとも閾期間の間、閾オフセットを超えないかどうかを決定することをさらに含む、条項15に記載のステージ装置。
17.ステージ装置の差し迫ったさらなる移動が存在しないとさらに決定されたときに、制御の切り替えが行われる、条項14~16の何れか一項に記載のステージ装置。
18.差し迫ったさらなる移動が存在しないかどうかを決定することが、セットポイント速度がゼロ又は他の閾値を超えるかどうかを決定することを含む、条項17に記載のステージ装置。
19.第1の動作モードから第2の動作モードへと制御を切り替える前に、及び/又は第2の動作モードから第1の動作モードへと制御を切り替える前に、遅延を課すことを含む、条項13~18の何れか一項に記載のステージ装置。
20.第1の動作モードにおけるショートストロークステージ及びロングストロークステージの制御が、それぞれ、閉ループ制御を含むように、コントローラが動作可能である、条項13~19の何れか一項に記載のステージ装置。
21.ショートストロークステージ及びロングストロークステージの閉ループ動作が、それぞれ、基準に対するショートストロークステージ、及びショートストロークステージに対するロングストロークステージの測定された位置に基づくように、上記コントローラが動作可能であり、制御が、測定された位置と、セットポイントと、の間の差を表す誤差信号を最小にすることに基づく、条項20に記載のステージ装置。
22.第2の動作モードが、ロングストロークステージを開ループ制御で動作させることを含む、条項13~21の何れか一項に記載のステージ装置。
23.第2の動作モードが、ショートストロークステージ以外の基準に照らして、ロングストロークステージを動作させることを含む、条項13~21の何れか一項に記載のステージ装置。
24.第2の動作モードが、基準に照らして、ショートストロークステージを動作させることをさらに含む、条項23に記載のステージ装置。
25.第2の動作モードが、ロングストロークステージに照らして、ショートストロークステージを動作させることをさらに含む、条項23に記載のステージ装置。
26.コントローラが、
基準に照らしてショートストロークステージを制御することと、
ショートストロークステージ以外の基準に照らして、ロングストロークステージを制御することと、
を行うように動作可能である、条項1~12の何れか一項に記載のステージ装置。
27.ショートストロークステージ以外の基準が、上に1つ又は複数のローラベアリングが取り付けられるベースプレート上に位置する、条項23~26の何れか一項に記載のステージ装置。
28.ショートストロークステージとロングストロークステージとの間のドリフトをモニタリングすること、並びに、ドリフトを減少させるために、ショートストロークステージ及び/又はロングストロークステージの適切な移動を行うことによって、ドリフトを補償するようにコントローラが動作可能である、条項23~27の何れか一項に記載のステージ装置。
29.ロングストロークステージの位置を測定するセンサの測定信号が、デッドゾーン閾値を下回る場合に、コントローラが、基準からロングストロークステージの制御を切り離すように動作可能である、先行する条項の何れか一項に記載のステージ装置。
30.基準からのロングストロークステージの制御の切り離しが、ロングストロークステージの測定された位置がデッドゾーン閾値を下回る場合に、ロングストロークステージの制御を開ループ動作に設定することによって実施される、条項29に記載のステージ装置。
31.基準からのロングストロークステージの制御の切り離しが、ロングストロークステージの測定された位置がデッドゾーン閾値を下回る場合に、コントローラが、センサからの測定信号に応答しないように、ロングストロークステージのコントローラを構成することによって実施される、条項29に記載のステージ装置。
32.コントローラが、動作中の制御モード、基準の移動の大きさ、ステージ装置を用いて行われている測定に関する測定レシピ、特定の使用ケース、及び1つ又は複数の環境要因の内の1つ又は複数に基づいて、動的デッドゾーン閾値を決定するように動作可能である、条項29に記載のステージ装置。
33.移動がデッドゾーン閾値よりも大きいと決定された場合に、デッドゾーン閾値が増加させられるように、コントローラが動作可能である、条項32に記載のステージ装置。
34.ショートストロークステージ及びロングストロークステージの相対位置の第2の測定を行うための第2のセンサと、
ベースプレートに対するロングストロークステージの位置の第3の測定を行うための第3のセンサと、
を備えた、先行する条項の何れか一項に記載のステージ装置。
35.コントローラが、ステージ装置のステータスを評価することと、
評価に基づいて、グリーシングメンテナンス動作を行うことを決定することと、
を行うように動作可能であり、
グリーシングメンテナンス動作が、ローラベアリング全体にわたりグリースを分布させるために、ロングストロークステージを移動させることを含む、先行する条項の何れか一項に記載のステージ装置。
36.グリーシングメンテナンス動作が、ローラベアリングの1つ又は複数の回転素子が、1つ又は複数の完全な回転を行うように、ロングストロークステージを移動させることを含む、条項35に記載のステージ装置。
37.グリーシングメンテナンス動作が、ステージ装置によって保持及び位置決めされるオブジェクトによって定義される面の一方又は両方の方向において、ロングストロークステージの移動範囲の全て又はかなりの部分にわたり、ロングストロークステージを移動させることを含む、条項35又は36に記載のステージ装置。
38.ステージ装置のステータスを評価することが、ロングストロークステージの停止時間、ロングストロークステージ及び/又は1つ若しくは複数のローラベアリングの移動の振幅、並びに閉制御ループのセットポイントの内の1つ又は複数を考慮することを含む、条項35~37の何れか一項に記載のステージ装置。
39.ステージ装置であって、
ショートストロークステージと、
ロングストロークステージと、
ロングストロークステージを支持するための1つ又は複数のローラベアリングと、
ステージ装置のステータスを評価するために動作可能なコントローラと、を備え、
コントローラが、ステージ装置のステータスを評価することと、
評価に基づいて、グリーシングメンテナンス動作を行うことを決定することと、
を行うように動作可能であり、グリーシングメンテナンス動作が、ローラベアリング全体にわたりグリースを分布させるために、ロングストロークステージを移動させることを含む、ステージ装置。
40.グリーシングメンテナンス動作が、ローラベアリングの1つ又は複数の回転素子が、1つ又は複数の完全な回転を行うように、ロングストロークステージを移動させることを含む、条項39に記載のステージ装置。
41.グリーシングメンテナンス動作が、ステージ装置によって保持及び位置決めされるオブジェクトによって定義されるオブジェクト面に平行な面の一方又は両方の方向において、ロングストロークステージの移動範囲の全て又はかなりの部分にわたり、ロングストロークステージを移動させることを含む、条項39又は40に記載のステージ装置。
42.ステージ装置のステータスを評価することが、ロングストロークステージの停止時間、ロングストロークステージ及び/又は1つ若しくは複数のローラベアリングの移動の振幅、並びに閉制御ループのセットポイントの内の1つ又は複数を考慮することを含む、条項39~41の何れか一項に記載のステージ装置。
43.オブジェクトの保持及び位置決めを行うための、先行する条項の何れか一項に記載のステージ装置を含む、メトロロジ装置。
44.オブジェクトサポートによって保持されるオブジェクト上に1つ又は複数のフィーチャを結像するように動作可能な走査電子顕微鏡装置を備えた、条項43に記載のメトロロジ装置。
45.オブジェクトの保持及び位置決めを行うための、条項1~42の何れか一項に記載のステージ装置を備えた、検査装置。
46.オブジェクトサポートによって保持されるオブジェクト上に1つ又は複数のフィーチャを結像するように動作可能な走査電子顕微鏡装置を備えた、条項45に記載の検査装置。
47.オブジェクトの保持及び位置決めを行うための、条項1~42の何れか一項に記載のステージ装置を備えた、リソグラフィ装置。
48.オブジェクトの保持及び位置決めを行うための条項1~42の何れか一項に記載のステージ装置を備えた装置であって、この装置が、粒子ビーム装置、電子ビーム装置、走査電子顕微鏡、電子ビームダイレクトライタ、電子ビーム投影リソグラフィ装置、電子ビーム検査装置、電子ビーム欠陥検証装置、電子ビームメトロロジ装置、リソグラフィ装置、メトロロジ装置、又は真空装置である、装置。
49.ステージ装置であって、
ショートストロークステージと、
ロングストロークステージと、
ショートストロークステージ上に存在しないように、及びロングストロークステージ上に存在しないように配置された基準に対するショートストロークステージの位置を測定するように構成された第1のセンサと、
ロングストロークステージを支持するように構成された、1つ又は複数のローラベアリングと、
少なくとも部分的に第1のセンサからの測定に基づいて、基準の移動に追従するために、ロングストロークステージの動き、及びショートストロークステージの動きを制御するためのコントローラと、を備え、
コントローラが、1つ又は複数のローラベアリングのデブリ生成を減少させるために、ステージ装置の動作の少なくとも一部において、ロングストロークステージの制御が基準の移動から切り離されるように動作可能である、ステージ装置。
50. ステージ装置であって、
ショートストロークステージと、
ロングストロークステージと、
ショートストロークステージ上に存在しないように、又はロングストロークステージ上に存在しないように配置された基準に対するショートストロークステージの位置を測定するように構成された第1のセンサと、
ロングストロークステージを支持するように構成された、1つ又は複数のローラベアリングと、
ロングストロークステージの動き、及びショートストロークステージの動きを制御するためのコントローラと、を備え、
基準が、移動を受けやすく、並びに、
コントローラが、第1のセンサからの測定に基づいて、ショートストロークステージの制御が基準の移動に結合され、
及び1つ又は複数のローラベアリングのデブリ生成を減少させるために、ステージ装置の動作の少なくとも一部において、ロングストロークステージの制御が基準の移動から切り離されるように動作可能である、ステージ装置。
【0074】
[0072] 本明細書に開示されるステージ装置は、例えば、粒子ビーム装置、電子ビーム装置、電子ビーム検査装置、メトロロジ装置(スキャトロメータ装置を含む)、真空装置、レチクル検査ツール、又はリソグラフィ装置の範囲内に適用性があり、及びそのような装置の一部を含み得る。後ろの2つの例では、オブジェクトは、リソグラフィ装置において、ビームをパターン形成するための、基板ではなくレチクル(又はマスク)でもよく、したがって、ステージ装置は、レチクルステージである。
【0075】
[0073] リソグラフィ装置との関連で使用される、「放射」及び「ビーム」という用語は、(例えば、365、355、248、193、157、若しくは126nmの波長、又は約365、355、248、193、157、若しくは126nmの波長を有する)紫外線(UV)、及び(例えば、5~20nmの範囲内の波長を有する)極端紫外線(EUV)を含む、あらゆるタイプの電磁放射、並びにイオンビーム又は電子ビームなどの粒子ビームを包含する。
【0076】
[0074] 「レンズ」という用語は、状況が許せば、屈折、反射、磁気、電磁、及び静電光学コンポーネントを含む、様々なタイプの光学コンポーネントの何れか1つ又は組み合わせを指し得る。
【0077】
[0075] 具体的な実施形態の上記の説明は、本発明の一般的性質を十分に明らかにするため、他者が、当該分野の技術の範囲内の知識を適用することによって、本発明の一般的概念から逸脱することなく、過度の実験なしに、このような具体的な実施形態を容易に変更することができ、及び/又は様々な用途のために、このような具体的な実施形態を適応させることができる。したがって、このような適応及び変更は、本明細書に提示される教示及びガイダンスに基づいて、開示された実施形態の均等物の意味及び範囲内であることが意図される。本明細書の用語又は表現が、教示及びガイダンスに鑑みて、当業者によって解釈されるように、本明細書の表現又は用語は、限定ではなく、例による説明を目的としたものであることが理解されるものとする。
【0078】
[0076] 構成要素の相対的な配置について記載する場合、特定の方向が示されている。これらの方向は、純粋に例として与えられており、限定することを意図するものではないことが理解されるであろう。例えば、位置決めデバイス180のxyステージは、実質的に水平な平面にオブジェクトを位置決めするように動作可能であると記載してきた。位置決めデバイス180のxyステージは、代替として、オブジェクトを垂直面又は傾斜面に位置決めするように動作可能であり得る。構成要素の向きは、この構成要素の意図される機能的効果を維持しながらも、本明細書に記載される向きとは異なる場合がある。
【0079】
[0077] 本発明の広がり及び範囲は、上記の例示的な実施形態の何れによっても限定されるものではなく、以下の請求項及びそれらの均等物によってのみ定義されるものである。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10