(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-07
(45)【発行日】2023-04-17
(54)【発明の名称】半導体構造をエッチングするための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20230410BHJP
H05H 1/46 20060101ALI20230410BHJP
【FI】
H01L21/302 105A
H05H1/46 A
(21)【出願番号】P 2021546684
(86)(22)【出願日】2020-01-27
(86)【国際出願番号】 US2020015155
(87)【国際公開番号】W WO2020163100
(87)【国際公開日】2020-08-13
【審査請求日】2021-10-05
(32)【優先日】2019-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】清水 大亮
(72)【発明者】
【氏名】畠山 大輝
(72)【発明者】
【氏名】カン, ショーン エス.
(72)【発明者】
【氏名】川崎 勝正
(72)【発明者】
【氏名】チャン, チュンレイ
【審査官】高柳 匡克
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-133638(JP,A)
【文献】特表2007-537602(JP,A)
【文献】特開2017-112350(JP,A)
【文献】特開2017-050529(JP,A)
【文献】特開2017-028000(JP,A)
【文献】特開2017-022136(JP,A)
【文献】特開2016-048771(JP,A)
【文献】特開2014-107363(JP,A)
【文献】特開2012-084872(JP,A)
【文献】特開2012-114402(JP,A)
【文献】特開2011-199243(JP,A)
【文献】特開2003-023000(JP,A)
【文献】特表2011-511438(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0097077(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H05H 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板をエッチングするための方法であって、
C
3H
2F
4とコンパニオンガスとのガス混合物をプロセスチャンバに流すことと、
前記基板の上の上部電極に接続されたRF電源と、前記基板の下の下部電極に接続された少なくとも1つのRFバイアス電源とを使用して、前記ガス混合物からプラズマを形成することと、
パターンマスクを使用し、前記プラズマを介して、前記基板上の酸化物又は窒化物の少なくとも1つの層の異方性エッチングを実行することと、
前記基板上の酸化物又は窒化物の少なくとも1つの層の上にパッシベーション層
を堆積するために、前記少なくとも1つのRFバイアス電源の電力を低減させることと、
プラズマ形成を停止するために、前記RF電源を遮断しながら前記プロセスチャンバを排気することと
、
マイクロ秒のオーダーで前記プロセスチャンバへのRF電力供給を調節するために、前記RF電源を前記少なくとも1つのRFバイアス電源及びそれぞれのインピーダンス整合ネットワークにリンクすることと、
を含む方法。
【請求項2】
前記プラズマを形成するために、前記RF電源をパルス化することと、
前記基板へのイオンの誘引を支援するために、前記少なくとも1つのRFバイアス電源をパルス化することと
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
100MHzから
200MHzの周波数で動作する前記RF電源で前記プラズマを形成することと、
6MHz未満の周波数で動作する前記少なくとも1つのRFバイアス電源で前記異方性エッチングを実行することと
を更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記RF電源は、前記少なくとも1つのRFバイアス電源よりも小さいピーク電力レベルを有する、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つのプロセスパラメータを動的に変化させることを更に含み、前記少なくとも1つのプロセスパラメータは、ガス流量、RF電源、バイアス電源、又は前記プロセスチャンバの圧力を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
処理時間又はエッチング深さに基づいて、前記少なくとも1つのプロセスパラメータを動的に変化させること
を更に含む、請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
前記コンパニオンガスは、C
3F
6のフッ化炭素ガスである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
1:1の酸化物対窒化物の選択性を有するC
3H
2F
4と前記コンパニオンガスとの前記ガス混合物を用いて、前記基板上の酸化物と窒化物の交互層をエッチングすること
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
基板をエッチングするための方法であって、
C
3H
2F
4とコンパニオンガスとのガス混合物をプロセスチャンバに流すことであって、前記ガス混合物は、
1:1の酸化物対窒化物のエッチング選択性を有する、C
3H
2F
4とコンパニオンガスとのガス混合物をプロセスチャンバに流すことと、
前記プロセスチャンバにおいてプラズマを形成するために、前記基板の上の上部電極に接続されたRF電源の第1のRF電力パルスを生成することと、
パターンマスクを使用して、前記プラズマを介して、前記基板上の酸化物又は窒化物の少なくとも1つの層の異方性エッチングを実行するために、前記第1のRF電力パルス中に前記基板の下の下部電極に接続された少なくとも1つのRFバイアス電源の第1のRFバイアス電力パルスを生成することであって、前記第1のRFバイアス電力パルスの持続時間は、前記第1のRF電力パルスの持続時間よりも短い、前記第1のRFバイアス電力パルスを生成することと、
前記第1のRFバイアス電力パルスが完了したときに、前記第1のRF電力パルス中に前記基板上の酸化物又は窒化物の少なくとも1つの層の上にパッシベーション層を堆積させることと、
前記第1のRF電力パルスが完了したときに、前記プロセスチャンバを排気することと
を含む方法。
【請求項10】
400kHzの周波数で前記少なくとも1つのRFバイアス電源の第1のRFバイアス電源、及び
2MHzの周波数で前記少なくとも1つのRFバイアス電源の第2のRFバイアス電源を用いて、前記第1のRFバイアス電力パルスを生成すること
を更に含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
後続のRF電力パルスのために、前記第1のRF電力パルスの電力レベルを、毎秒
1キロワット~毎秒
2キロワットの速度で、
3kW~
4kWのピーク電力まで上昇させること
を更に含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項12】
後続のRFバイアス電力パルスのために、前記第1のRFバイアス電力パルスの電力レベルを、毎秒
1キロワット~毎秒
2キロワットの速度で、
10kW~
15kWのピーク電力まで上昇させること
を更に含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項13】
深さによる選択的反応性イオンエッチングにおいてアスペクト比に依存したエッチングの能動的な制御を提供するために、1又は複数のプロセスパラメータを動的に変化させること
を更に含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項14】
実行されると、基板処理システムを操作する方法を実行させる命令が格納されている非一過性コンピュータ可読媒体であって、前記方法は、
C
3H
2F
4とコンパニオンガスとのガス混合物をプロセスチャンバに流すことであって、
1:1の酸化物対窒化物のエッチング選択性を有する前記ガス混合物をプロセスチャンバに流すことと、
前記プロセスチャンバにおいてプラズマを形成するために、基板の上の上部電極に接続されたRF電源の第1のRF電力パルスを生成することと、
パターンマスクを使用して、前記プラズマを介して、前記基板上の酸化物又は窒化物の少なくとも1つの層の異方性エッチングを実行するために、前記第1のRF電力パルス中に前記基板の下の下部電極に接続された少なくとも1つのRFバイアス電源の第1のRFバイアス電力パルスを生成することであって、前記第1のRFバイアス電力パルスの持続時間は、前記第1のRF電力パルスの持続時間よりも短い、前記第1のRFバイアス電力パルスを生成することと、
前記第1のRFバイアス電力パルスが完了したときに、前記第1のRF電力パルス中に、前記基板上の酸化物又は窒化物の少なくとも1つの層の上にパッシベーション層を堆積させることと、
前記第1のRF電力パルスが完了したときに、前記プロセスチャンバを排気することと
を含む、非一過性コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本原理の実施形態は、概して、半導体処理に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]集積回路の複雑さが進化するにつれ、性能を改善するために回路特徴の密度を増加させる要求がますます高くなる。密度を上げるには、メーカーが、所与の空間により多くの特徴を収めるために、個々の特徴サイズを縮小し続ける必要がある。更に、三次元の特徴を使用して、半導体製造中に基板の所与の領域の密度を更に向上させることができる。基板の所与の領域に対してますます多くの特徴を可能にするために、複数の回路層を構築することもできる。三次元の特徴及び多層回路の追加はまた、回路の部分を相互接続するために基板の多くの層を通して形成され得る高いアスペクト比を有する特徴を必要とし得る。アスペクト比が大きくなると、エッチング等の製造技法によって特徴に欠陥が生じたときに、特徴の信頼性が低下し得る。穴やトレンチ等の特徴が適切に形成されていないと、密度や信頼性が低下し得る。したがって、本発明者らは、適正に形成された限界寸法(CD)を備えた特徴を生成することが、増え続ける回路密度の要求を満たすために重要であることを発見した。更に、ONONフィルムスタック等、酸化ケイ素と窒化ケイ素の交互層を使用する多層基板において高アスペクト比の特徴を生成することは、資源と時間の両方において困難でコストがかかることであることがわかる。
【0003】
[0003]したがって、本発明者らは、基板上の半導体構造をエッチングするための改良された方法及び装置を提供した。
【発明の概要】
【0004】
[0004]半導体構造をエッチングするための方法及び装置が本明細書で提供される。
【0005】
[0005]幾つかの実施形態では、基板をエッチングするための方法は、C3H2F4とコンパニオンガスとのガス混合物をプロセスチャンバに流すことと、基板の上の上部電極に接続されたRF電源と、基板の下の下部電極に接続された少なくとも1つのRFバイアス電源とを使用して、ガス混合物からプラズマを形成することと、パターンマスクを使用して、プラズマを介して、基板上の酸化物又は窒化物の少なくとも1つの層の異方性エッチングを実行することと、基板上の酸化物又は窒化物の少なくとも1つの層にパッシベーション層の堆積を生成するために、少なくとも1つのRFバイアス電源の電力を低減させることと、プラズマ形成を停止するために、RF電源を遮断しながらプロセスチャンバを排気することとを含む。
【0006】
[0006]幾つかの実施形態では、本方法は、プラズマを形成するために、RF電源をパルス化することと、基板へのイオンの誘引を支援するために、少なくとも1つのRFバイアス電源をパルス化することと、マイクロ秒のオーダーでプロセスチャンバへのRF電力供給を調節するために、RF電源を少なくとも1つのRFバイアス電源及びそれぞれのインピーダンス整合ネットワークにリンクすることと、約100MHzから約200MHzの周波数で動作するRF電源でプラズマを形成することと、約6MHz未満の周波数で動作する少なくとも1つのRFバイアス電源で異方性エッチングを実行することであって、RF電源は、少なくとも1つのRFバイアス電源よりも小さいピーク電力レベルを有する、約6MHz未満の周波数で動作する少なくとも1つのRFバイアス電源で異方性エッチングを実行することと、基板の一部を露出させるために、基板上の複数の交互の酸化物及び窒化物層を通して少なくとも1つの穴を形成するために本方法を繰り返し行うことと、少なくとも1つのプロセスパラメータのダイナミックランピングを実行することであって、少なくとも1つのプロセスパラメータは、ガス流量、RF電源、バイアス電源、又はプロセスチャンバの圧力である、少なくとも1つのプロセスパラメータのダイナミックランピングを実行することと、処理時間又はエッチング深さに基づいて、少なくとも1つのプロセスパラメータのダイナミックランピングを行うことであって、コンパニオンガスは、C3F6のフッ化炭素ガスである、処理時間又はエッチング深さに基づいて、少なくとも1つのプロセスパラメータのダイナミックランピングを行うこと、及び/又は約1:1の酸化物対窒化物の選択性を有するC3H2F4とコンパニオンガスとのガス混合物を用いて、基板上の酸化物と窒化物の交互層をエッチングすることとを更に含み得る。
【0007】
[0007]幾つかの実施形態では、基板をエッチングするための方法は、C3H2F4とコンパニオンガスとのガス混合物をプロセスチャンバに流すことであって、ガス混合物は、約1:1の酸化物対窒化物のエッチング選択性を有する、C3H2F4とコンパニオンガスとのガス混合物をプロセスチャンバに流すことと、プロセスチャンバにおいてプラズマを形成するために、基板の上の上部電極に接続されたRF電源の第1のRF電力パルスを生成することと、パターンマスクを使用して、プラズマを介して、基板上の酸化物又は窒化物の少なくとも1つの層の異方性エッチングを実行するために、第1のRF電力パルス中に基板の下の下部電極に接続された少なくとも1つのRFバイアス電源の第1のRFバイアス電力パルスを生成することであって、第1のRFバイアス電力パルスの持続時間は、第1のRF電力パルスの持続時間よりも短い、第1のRF電力パルス中に基板の下の下部電極に接続された少なくとも1つのRFバイアス電源の第1のRFバイアス電力パルスを生成することと、第1のRFバイアス電力パルスが完了したときに、第1のRF電力パルス中に基板上の酸化物又は窒化物の少なくとも1つの層にパッシベーション層を堆積させることと、第1のRF電力パルスが完了したときに、プロセスチャンバを排気することとを含む。
【0008】
[0008]幾つかの実施形態では、本方法は、約400kHzの周波数で少なくとも1つのRFバイアス電源の第1のRFバイアス電源、及び約2MHzの周波数で少なくとも1つのRFバイアス電源の第2のRFバイアス電源を用いて、第1のRFバイアス電力パルスを生成すること、約121MHzの周波数でRF電源を用いて、第1のRF電力パルスを生成すること、後続のRF電力パルスのために、第1のRF電力パルスの電力レベルを、毎秒約1キロワットから毎秒約2キロワットの速度で、約3kWから約4kWのピーク電力まで上昇させること、後続のRFバイアス電力パルスのために、第1のRFバイアス電力パルスの電力レベルを、毎秒約1キロワットから毎秒約2キロワットの速度で、約10kWから約15kWのピーク電力まで上昇させること、処理時間又はエッチング深さに基づいて、ガス混合物の流量を下降させること、処理時間又はエッチング深さに基づいて、RF電源又はRFバイアス電源のパルスの電力レベルを上昇させること、及び/又は深さによる選択的反応性イオンエッチングにおいてアクティブアスペクト比依存のエッチング制御を提供するために、1又は複数のプロセスパラメータのダイナミックランピングを行うこととを更に含み得る。
【0009】
[0009]幾つかの実施形態では、実行されると、基板処理システムを操作する方法を実行させる命令が格納された非一過性コンピュータ可読媒体であり、本方法は、C3H2F4とコンパニオンガスとのガス混合物をプロセスチャンバに流すことであって、ガス混合物は、約1:1の酸化物対窒化物のエッチング選択性を有する、C3H2F4とコンパニオンガスとのガス混合物をプロセスチャンバに流すことと、プロセスチャンバにおいてプラズマを形成するために、基板の上の上部電極に接続されたRF電源の第1のRF電力パルスを生成することと、パターンマスクを使用して、プラズマを介して、基板上の酸化物又は窒化物の少なくとも1つの層の異方性エッチングを実行するために、第1のRF電力パルス中に基板の下の下部電極に接続された少なくとも1つのRFバイアス電源の第1のRFバイアス電力パルスを生成することであって、第1のRFバイアス電力パルスの持続時間は、第1のRF電力パルスの持続時間よりも短い、第1のRF電力パルス中に基板の下の下部電極に接続された少なくとも1つのRFバイアス電源の第1のRFバイアス電力パルスを生成することと、第1のRFバイアス電力パルスが完了したときに、第1のRF電力パルス中に、基板上の酸化物又は窒化物の少なくとも1つの層にパッシベーション層を堆積させることと、第1のRF電力パルスが完了したときに、プロセスチャンバを排気することとを含む。
【0010】
[0010]他の及び更なる実施形態を以下に開示する。
【0011】
[0011]添付の図面に示す本原理の例示の実施形態を参照することで、上記に要約し、以下により詳細に説明する本原理の実施形態を理解することができる。ただし、添付の図面は本原理の典型的な実施形態を単に示すものであり、したがって、範囲を限定するものと見なすべきではなく、本原理は他の等しく有効な実施形態も許容しうることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1A】本原理の幾つかの実施形態に係るプラズマリアクタを示す図である。
【
図1B】本原理の幾つかの実施形態に係る、
図1AのプラズマリアクタのRFパルスタイミングのグラフを示す図である。
【
図2】本原理の幾つかの実施形態に係る、基板上の酸化物又は窒化物層をエッチングする方法である。
【
図3】本原理の幾つかの実施形態に係る、酸化物及び/又は窒化物の層及びエッチングマスクを備えた基板の断面図である。
【
図4】本原理の幾つかの実施形態に係るエッチングプロセス後の
図3の基板の断面図である。
【
図5】本原理の幾つかの実施形態に係る堆積プロセス後の
図4の基板の断面図である。
【
図6】本原理の幾つかの実施形態に係る別のエッチングプロセス後の
図5の基板の断面図である。
【
図7】本原理の幾つかの実施形態に係るダイナミックにランピングされたパラメータのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0020]理解を容易にするために、可能な限り、図面に共通の同一要素を示すのに同一の参照番号を使用している。図面は縮尺どおりに描かれておらず、わかりやすくするために簡略化されている場合がある。一実施形態の要素及び特徴は、更に詳述することなく、他の実施形態に有益に組み込まれ得る。
【0014】
[0021]方法及び装置は、酸化物及び窒化物の層状基板の高アスペクト比の特徴の反応性イオンエッチング(RIE)における増加した臨界寸法(CD)均一性を提供するものである。プロセスシーケンスは大幅に簡素化され、オペレータの仕事が大幅に削減され、処理時間が約800秒未満に短縮され得る。パターンマスクの整合性も大幅に改善され、特徴の反りからの保護が強化され、穴の歪みが排除され、信頼性と特徴密度の両方が向上する。本原理のプロセスはまた、特徴へのイオン偏向(ion deflection)、及び偏向されたイオンエッチングによって引き起こされる特徴側壁の、結果として生じる反りを排除する。穴の下部CDの反りは、約5ナノメートル未満に改善される。エッチング中の特徴の入口の目詰まり(ネッキング)が大幅に減少し、トリムプロセスの必要性がなくなり、処理時間が短くなり、コストが削減される。共形ライナ材料を堆積させるために化学気相堆積(CVD)チャンバを使用する必要性もまた有利に排除される。
【0015】
[0022]本原理の方法及び装置は、エッチング選択性制御及び側壁反り制御等における課題を克服することによって、接触用途及びブリッジ用途のための最高のアスペクト比を有利に可能にする。約50:1を超えるアスペクト比が実現可能である。本方法と装置により、プロセスのマイクロ秒制御調整が可能になるため、基板上の酸化物及び窒化物材料の多層スタックに形成された特徴は、滑らかな側壁と高いアスペクト比を有し、性能と信頼性の両方を向上させる。複数のリンクされた(例えば、マスター/スレーブ)RF電源は、プラズマ電源及び少なくとも1つのバイアス電源の個別の制御を提供するために使用される。RF電源は、処理タイミング及び/又はエッチング深さに基づいてほぼ瞬時に調整できる、サイクル中の様々な時点での電源のパルシングを可能にする制御スキーマを使用する。プロセスはまた、C3H2F4ガスとコンパニオンガス(例えば、C3F6等のフッ化炭素ガス等)とのプロセスガス混合物を利用する。ガス混合物は、酸化物材料対窒化物材料の約1:1のエッチング選択性を提供する。ガス混合物と他のガスの化学的性質は、エッチングされた材料が酸化物と窒化物の間で交互になる場合でも、エッチングプロセスを正確に制御して、高アスペクト比の特徴のための滑らかな側壁を生成するのに役立つ。
【0016】
[0023]本方法はまた、ダイナミックパラメータランピング(DPR:パラメータの動的な変化)を利用して、タイミング及び/又はエッチング深さに応じてパラメータ値の増減(すなわち、上向き/下向きランピング)を正確かつスムーズに制御する。DPRは、例えば、プロセスチャンバ圧力、RFプラズマ電力、RFバイアス電力、プロセスガス流量、及び/又は不活性ガス流量等を制御するために使用され得る。DPRは、エッチングプロセス中にパラメータを調整することにより、特に上部領域でのパターンマスクの目詰まり(ネッキング)を回避するために調整を行うことを可能にする。更に、DPRは、エッチングプロセスの初期段階中にパターンマスクの過剰エッチング及び側壁の反りを回避するために、O2等のエッチング補助ガスを制御することができる(例えば、エッチング深さが増加するにつれてO2ガスを増加させて、初期のエッチング段階でパターンマスクを過度に使い果たすことなく、エッチング深さに基づく能動的制御を提供する)。プロセスの正確な制御により、エッチング中の特徴の上部の閉鎖(ネッキング)が回避され、よりスムーズで迅速なエッチングプロセスが促進される。ネッキングを回避することにより、エッチングプロセスを中断することなく継続することができ、特徴の側壁を攻撃するイオンの偏向(つまり、反り)が回避される。従来のRIEプロセスでは、側壁の保護ライナを別のCVDチャンバで堆積させる前に、ネッキングを除去するためのトリミングが必要である。本原理の方法及び装置は、トリムプロセスを完全に排除し、単一のプロセスチャンバのみを使用し、大幅なコスト及び処理時間の両方を節約する。
【0017】
[0024]本原理の方法は、エッチングモード、堆積モード、及び排気モードを含む。全体的な時間多重化エッチングプロセスは、3つのモード間で交互に繰り返される複数のRFパルス周波数のインピーダンス調整によって実行され、ほぼ垂直なプロファイル(エッチング中の表面に約80度から約90度垂直な特徴側壁)を備えた高アスペクト比の構造を実現する。RF電源パルス制御は、マイクロ秒のオーダーでプロセス調整を行うことができる。プロセス調整速度と、酸化物対窒化物の選択性が約1:1の特殊なガス混合物、並びにDPR制御により、ネッキングと側壁の反り(例えば、特徴側壁へのイオンの偏向)の管理が可能になる。反りの制御を支援し、パターンマスクの上部エッジに保護キャップを提供して、イオンが特徴の側壁に偏向するのを防ぐために、エッチング後に保護堆積層も基板に適用される。堆積モードの後、ガスと副生成物が、排気モードの一部としてプロセスチャンバからポンプで排出される。パターンマスクへの入り口がクリアに保たれているため、保護層を特徴の奥深くまで送り込むことができ、イオン及びエッチング反応ガスが特徴の奥深くまで入り込むことができ、非常にスムーズなエッチングが可能になる。また、本技法により、生産ラインのオペレータがいかなる問題のトラブルシューティングも簡単に行い、影響を受ける場所とモードを決定して、ダウンタイムとコストを削減することが可能になる。
【0018】
[0025]
図1Aは、本明細書に開示の方法を実行するために利用され得るプラズマリアクタを示す図である。本方法は、(例えば、
図1Aに示すような)容量結合プラズマリアクタ又は誘導結合プラズマリアクタ等の他のいずれかの適切なプラズマリアクタで実行され得る。
図1Aのプラズマリアクタは、円筒形の側壁102、床103、及びリッド104によって囲まれたプロセスチャンバ100を含む。幾つかの実施形態では、リッド104は、ガス分配プレート108を通して形成されたオリフィス109を有するガス分配プレート108の上にあるガスマニホールド106を含むガス分配シャワーヘッドであり得る。ガスマニホールド106は、ガス供給入口111を有するマニホールドエンクロージャ110によって囲まれている。ガス分配シャワーヘッド(すなわち、リッド104)は、絶縁リング112によって円筒形側壁102から電気的に絶縁されている。ターボ分子ポンプ等の真空ポンプ114は、プロセスチャンバ100からガス及び副生成物を排出して、プロセスチャンバ100内の圧力を維持することができる。ガスパネル120は、ガス供給入口111への異なるプロセスガスの個々の流量を制御する。プロセスチャンバ100の床103を通して支持された支持ペデスタル136は、絶縁上面及び内部電極138を有し得る。内部電極138は、例えば、処理中にバイアス電力を供給するために使用され得る。
【0019】
[0026]電力は、複数のRFジェネレータ140、144、148から処理チャンバ100に印加され得る。複数のRFジェネレータ140、144、148は、マスターRFジェネレータ140及び1又は複数のスレーブRFジェネレータ144、148を含む。プラズマ源電力は、インピーダンス整合ネットワーク142を介して、マスターRFジェネレータ140からリッド104(本明細書ではガス分配シャワーヘッドとも呼ばれる)に印加される。リッド104又はガス分配シャワーヘッドは、例えばアルミニウム等の導電性材料で形成されており、したがって、リッド電極として機能する。幾つかの実施形態では、マスターRFジェネレータ140は、約100MHzから約200MHzの範囲等、VHFスペクトルの高い部分でVHF電力を生成し得る。マスターRFジェネレータ140は、所望のパルスレート及びデューティサイクルで生成された電力をパルス化する能力を有する。例えば、マスターRFジェネレータ140は、マスターRFジェネレータ140によって生成される各パルスの位相だけでなく、パルスレート及び/又はデューティサイクルを定義する1又は複数の制御信号を受信するためのパルス制御入力140aを有する。マスターRFジェネレータ140は、高速リンクケーブル153及びRFケーブル155を介してインピーダンス整合ネットワーク142に接続され得る。マスターRFジェネレータ140は、高速リンクケーブル172を介して第1のスレーブRFジェネレータ144に接続され得る。マスターRFジェネレータ140は、高速リンクケーブル174を介して第2のスレーブRFジェネレータ148に接続され得る。マスターRFジェネレータ140は、高速リンクケーブル153、182、及び184をそれぞれ介して、インピーダンス整合ネットワーク142、146、及び149に接続され得る。
【0020】
[0027]
図1Aに示す幾つかの実施形態では、バイアス電力は、インピーダンス整合ネットワーク146を介して第1のスレーブRFジェネレータ144から、及びインピーダンス整合ネットワーク149を介して第2のスレーブRFジェネレータ148から内部電極138に印加される。幾つかの実施形態では、第1のスレーブRFジェネレータ144及び第2のスレーブRFジェネレータ148は、バイアス電力を印加し得、マスターRFジェネレータ140は、プラズマ源電力を印加する。1又は複数のスレーブRFジェネレータ144、148は、LFスペクトルからHFスペクトルの低い部分において、約30kHzから約6MHzの範囲等の高周波(HF)又は低周波(LF)電力を生成し得る。例えば、第1のスレーブRFジェネレータ144及び第2のスレーブRFジェネレータ148は、それぞれ、約2MHz及び約400kHzで電力を生成し得る。1又は複数のスレーブRFジェネレータ144、148は、所望のパルスレート及びデューティサイクルで生成された電力をパルス化する能力を有する。例えば、1又は複数のスレーブRFジェネレータ144、148は、パルスレート及び/又はデューティサイクル、ならびに1又は複数のスレーブRFジェネレータ144,148によって生成される各パルスの位相を定義する1又は複数の制御信号を受信するためのパルス制御入力144a、148aを有する。1又は複数のスレーブRFジェネレータ144、148は、独立してパルス化、位相調整、及び/又はデューティサイクル制御され得る。更に、1又は複数のスレーブRFジェネレータ144、148は、同期的又は非同期的にパルス化され得る。
【0021】
[0028]幾つかの実施形態では、インピーダンス整合ネットワーク142、146、149は、1又は複数のキャパシタ及び/又はインダクタによって形成され得る。キャパシタの値は、インピーダンス整合ネットワーク142、146、149のそれぞれの整合を調節するために電子的又は機械的に調整され得る。低電力システムでは、1又は複数のキャパシタは機械的に調整されるのではなく電子的に調整され得る。幾つかの実施形態では、インピーダンス整合ネットワーク142、146、149は、調整可能なインダクタを有し得る。幾つかの実施形態では、インピーダンス整合ネットワーク142、146、149で使用される1又は複数のキャパシタは、1又は複数の固定キャパシタ又は直列キャパシタであり得る。他の実施形態では、インピーダンス整合ネットワーク142、146、149で使用されるキャパシタの1又は複数は、インピーダンス整合ネットワーク142、146、149の整合を調節するために電子的又は機械的に調整され得る可変キャパシタであり得る。幾つかの実施形態では、インピーダンス整合ネットワーク142、146、149の1又は複数は、接地への容量シャントを有し得る。
【0022】
[0029]コントローラ160は、複数のRFジェネレータ140、144、148のパルス制御入力140a、144a、148aのそれぞれにパルス制御信号を適用して、マスターRFジェネレータ140とスレーブRFジェネレータ144、148のパルス間の所望の位相進み又は遅れ関係及び/又はデューティサイクル関係を生成するようにプログラム可能である。コントローラ160はまた、ツール/プロセスチャンバの他の態様を制御し得る。
図1Aでは別個の構成要素として示したが、幾つかの実施形態では、コントローラ160は、各RFジェネレータの内部に配置され得る。同期信号は、マスターRFジェネレータ(例えば、マスターRFジェネレータ140)で生成され、他のスレーブジェネレータ(例えば、スレーブRFジェネレータ144、148)に送信される。コントローラ160はまた、前処理、特徴のエッチング、及び後処理で使用されるガスレシピをロード及び実行し得る。コントローラ160は、プロセスシーケンスを制御し、ガスパネル120からのガス流を調整するために使用され得る。
【0023】
[0030]幾つかの実施形態では、RFジェネレータ140、144、148、インピーダンス整合ネットワーク142、146、149、及び/又はコントローラ160は、中央処理装置(CPU)130、複数の支援回路134、及び/又はメモリ132を含む。複数のRFジェネレータ140、144、148、インピーダンス整合ネットワーク142、146、149、及びコントローラ160の本例示的な実施形態を、CPU、支援回路、及びメモリを有するコンピュータに関して説明しているが、当業者は、複数のRFジェネレータ140、144、148、インピーダンス整合ネットワーク142、146、149、及びコントローラ160が、特定用途向けインターフェース回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、システムオンチップ(SOC)等を含む様々な方法で実装され得ることを認識するであろう。コントローラ160の様々な実施形態はまた、当技術分野で周知の、対応する入力/出力インターフェースを備えた他のプロセスツールコントローラ内に統合され得る。
【0024】
[0031]支援回路134は、CPU130の機能を支援するためのディスプレイデバイスならびに他の回路を含み得る。上記回路は、クロック回路、キャッシュ、電源、ネットワークカード、ビデオ回路等を含み得る。メモリ132は、読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、リムーバブルメモリ、ディスクドライブ、光学ドライブ、及び/又は他の形態のデジタルストレージを含み得る。メモリ132は、オペレーティングシステム、及びサブファブ制御モジュールを格納するように構成される。オペレーティングシステムは、本明細書に記載の方法を実行するために、1又は複数のRFジェネレータ140、144、148又はインピーダンス整合ネットワーク142、146、149を制御して、様々なプロセス、アプリケーション、及びモジュールの実行を促進することを含む、複数のRFジェネレータ140、144、148、インピーダンス整合ネットワーク142、146、149、及びコントローラ160の一般的な動作を制御するように実行される。
【0025】
[0032]更に、DCジェネレータ162は、内部電極138及びリッド104のいずれか(又は両方)に結合され得る。幾つかの実施形態では、DCジェネレータ162は、連続的及び/又は可変のDCを供給し得る。幾つかの実施形態では、DCジェネレータ162は、パルスDC電力を提供し得る。DCジェネレータのパルス繰り返し率、位相及びデューティサイクルは、コントローラ160によって制御される。DC絶縁キャパシタ164、166は、各スレーブRFジェネレータ148、144をそれぞれDCジェネレータ162から絶縁するために配設され得る。DCジェネレータによって生成されたDC信号は、RFジェネレータ140、144、148によって生成されたRF信号と同期され得、基板137上の帯電の低減又はプラズマリアクタで形成されたプラズマを使用する基板の改善されたエッチング速度制御等の利点を提供する。
【0026】
[0033]RFジェネレータ140、144、148は、マイクロ秒のオーダーで調節され得る。RFジェネレータ140、144、148の高速制御は、本原理の方法の正確な制御を可能にする。幾つかの実施形態では、
図1Bに示すように、RFジェネレータ140、144、148は、グラフ100Bに従って制御され得る。マスター/スレーブ関係にあるRFジェネレータ140、144、148のトランジスタートランジスターロジック(TTL)信号とそれぞれのインピーダンス整合ネットワーク142、146、149との相互リンクにより、それぞれのRFジェネレータによって生成されるパルスのマイクロ秒のタイミング合わせが可能になる。RFマスター又はスレーブジェネレータは、RF整合器に同期するためのTTL信号を提供する。ターゲットインピーダンスは、各間隔又は期間で検出された複数のインピーダンスから平均化することによって計算され、インピーダンスの不一致によるRF電力損失なしで高速RF電力変更を可能にする。
【0027】
[0034]マスターRFジェネレータ140は、第1のサイクル194の第1の持続時間でプラズマパルス187を生成し得る。第1のサイクル194の間、スレーブRFジェネレータ144、148は、第1の持続時間よりも短い第2の持続時間の間、バイアスパルス188を生成する。幾つかの実施形態では、エッチング期間196は、プラズマパルス187とバイアスパルス188とのオーバーラップ期間中に生じ得る。幾つかの実施形態では、バイアスパルス188のないプラズマパルス187の第1の持続時間の一部において、堆積期間197がプロセスチャンバ100内で生じ得る。幾つかの実施形態では、チャンバ洗浄期間198(例えば、チャンバガス及び副生成物の排出)は、プラズマパルス187及びバイアスパルス188のない第1のサイクル194の期間に生じ得る。
【0028】
[0035]幾つかの実施形態では、プラズマパルス187の電力レベルは、プロセスにおける所与の時間にわたって、又は所与の量のエッチング深さにわたって、各パルスについて増加(矢印190)又は減少し得る。幾つかの実施形態では、バイアスパルス188の電力レベルは、プロセスにおける所与の時間にわたって各パルスに対して、又は所与の量のエッチング深さに対して増加(矢印192)又は減少し得る。幾つかの実施形態では、バイアス電力を供給するスレーブRFジェネレータ144、148のそれぞれは、同相又は異相の異なるレベルで独立してパルス化され得る。幾つかの実施形態では、バイアス電力は、バイアス電圧レベルを調節することによって調節され得る。
【0029】
[0036]
図2に、幾つかの実施形態に係る、基板上の酸化物及び/又は窒化物層をエッチングする方法200を示す。幾つかの実施形態では、基板温度は、プロセス中、摂氏約50度から摂氏約100度であり得る。ブロック202に示すように、少なくとも1つのプロセスパラメータが、エッチングプロセス中に動的にランピング(変化)される。プロセスパラメータは、所与のプロセス中に上昇し、及び/又は下降し得る。プロセスパラメータのダイナミックパラメータランピング(DPR)は、所与の期間(例えば、プロセスを完了する時間、500秒等の所与の時間)にわたって生じ得る、又はエッチング深さに基づいて生じ得る。ランピングは、開始値からの変化のプラス又はマイナスのパーセンテージ等、時間又は深さに対するデルタ変化によって示され得る。DPRは、アクティブアスペクト比依存エッチング(ARDE)制御(アスペクト比に依存したエッチングの能動的な制御)のためにランピング勾配(上向き又は下向き)を促進し、深さごとの選択的なRIEを生じさせ得る。
【0030】
[0037]プロセスパラメータのダイナミックランピングにより、基板上の高アスペクト比の特徴に対してより高品質のエッチングプロセスが得られる。幾つかの実施形態では、上記のように、ダイナミックランピングは、マイクロ秒のオーダーでパルスごとに調節可能である、及び/又は経時的に連続的に行われ得る。幾つかの実施形態では、プラズマ源電力及び/又はバイアス電力等のプロセス電力要件は、エッチング深さが増加するにつれて、上昇及び/又は下降し得る。バイアス電力が増加すると、例えば、穴の深さが増すにつれ、穴の底部でのより良い異方性エッチングが可能になる。幾つかの実施形態では、プロセスガス流量及び/又は不活性ガス流量もまた、動的に上昇及び/又は下降させることができる。幾つかの実施形態では、不活性ガスの流量は一定のままである。
【0031】
[0038]方法200により、単一のチャンバが、所与のガス混合物を用いてエッチング及び堆積プロセスを実行することが可能になる。エッチングにより、基板上の酸化物及び/又は窒化物層に穴及び/又はトレンチ等の特徴が作られる。堆積は、基板上に保護層又は化学的に不活性なパッシベーション層を提供して、基板上の特徴のパターンマスク及び側壁を保護する。
図3は、酸化物又は窒化物層304(窒化物層304はまた、酸化物及び窒化物材料の複数の交互層から構成され得る)を有する、
図1Aの基板137等の基板302を示す断面
図300である。開口部308を有する酸化物又は窒化物層304上に、パターンマスク306が形成されている。パターンマスク306は、フォトレジストマスク又はハードマスクであり得る。
【0032】
[0039]ブロック204において、C3H2F4とコンパニオンガス(付随ガス)とのガス混合物がプロセスチャンバ100に流される。ガス混合物は、単層及び/又は酸化物-窒化物マルチスタックをエッチングするためのより高いパターンマスク選択性を提供する選択的高アスペクト比プロセスを提供する。幾つかの実施形態では、ガス混合物は、不活性ガス及び他のプロセスガスに加えて、O2等のキャリアガスと共にプロセスチャンバに配置され得る。幾つかの実施形態では、ガスは、0sccmから約1000sccmを超える流量で、別々に又は一緒にプロセスチャンバに流され得る。幾つかの実施形態では、プロセスチャンバは、約5mTorrから約50mTorrの圧力を有する。ガス混合物は、約1:1の酸化物と窒化物のエッチング選択比を提供するイオンとラジカルの基礎を提供する。幾つかの実施形態では、コンパニオンガスは、CxFyの式を有するフッ素系ガスであり、各x及びyは少なくとも1である。他のガスをガス混合物に加えて、例えば、水素を含まないフッ化炭素等の酸化物及び/又は窒化物のエッチング速度を改善又は制御することができる。幾つかの実施形態では、ガス混合物及び/又は流量は、パターンマスクと比較した酸化物/窒化物のエッチング選択性が約5:1から約7:1であり得るように制御され得る。
【0033】
[0040]幾つかの実施形態では、ガス混合物は、約100sccmから約200sccmの流量を有する。幾つかの実施形態では、例えば、アルゴン、クリプトン、及び/又は窒素等の不活性ガスもまた、約100sccmから約200sccmの流量でチャンバに流される。幾つかの実施形態では、O2等のキャリアガスは、100sccmの流量でプロセスチャンバに導入され得、DPR制御の対象となり得る。一部の半導体では、酸化物の層が窒化物の層と交互になっている。約1:1の選択比で、酸化物と窒化物を単一のガス混合物で同じ速度でエッチングできる。幾つかの実施形態では、ガス混合物の流量は、時間とともに、又はエッチング深さが増加するにつれて、動的に下降する。
【0034】
[0041]ブロック206において、ガス混合物からプラズマが生成される。ガス混合物はイオン化され、酸化物又は窒化物材料をエッチングできるイオンとラジカルを生成する。幾つかの実施形態では、ガス混合物は、O2の存在下でイオン化されて、複数のイオン、ラジカル、及び様々な分子を有するプラズマを生成する。幾つかの実施形態では、ガスは、約80:20から約30:70までのガス混合物(C3H2F4及びコンパニオンガス)対キャリアガスの容量パーセント比でプロセスチャンバに存在し得る。幾つかの実施形態では、ガスは、約15:85から約25:75までのガス混合物(C3H2F4及びコンパニオンガス)対キャリアガスの容量パーセント比でプロセスチャンバに存在し得る。幾つかの実施形態では、プロセスチャンバのC3H2F4対キャリアガスの容量パーセント比は、約0:100から約90:10、又は約15:85から約25:75である。O2をキャリアガスとして使用する幾つかの実施形態では、C3H2F4は、エッチャントの容量パーセントの約15容量パーセントから約45容量パーセントまでを構成し、コンパニオンガスは、エッチャントの容量パーセントの約15容量パーセントから50容量パーセントまでを構成し、O2は、エッチャントの容量パーセントの約10容量パーセントから約40容量パーセントまでを構成する。イオン化可能なガス混合物とO2の比率は、約90:10から約60:40である。
【0035】
[0042]幾つかの実施形態では、プラズマは、
図1Aに示すように、スレーブRFジェネレータ144、148等の少なくとも1つのRFバイアス源と併せて、マスターRFジェネレータ140等のRFプラズマ電源によって生成される。マスターRFジェネレータ140は、マスターRFジェネレータ140とスレーブRFジェネレータ144、148との間のパルスを同期させるために使用することができるトランジスタ-トランジスタロジック(TTL)信号を提供する。幾つかの実施形態では、RFプラズマ電源は、約100MHzから約200MHzの超短波(VHF)で動作し得る。幾つかの実施形態では、RFプラズマ電源は、約100MHz、約121MHz、及び/又は約162MHz等の周波数で動作し得る。幾つかの実施形態では、RFプラズマ電源は、毎秒約1キロワットから毎秒約2キロワットのランピング速度で、約3kWのピーク電力から約4kWのピーク電力までランピングされ得る。
【0036】
[0043]幾つかの実施形態では、少なくとも1つのRFバイアス電源は、約6MHz未満の周波数で動作し得る。幾つかの実施形態では、第1のRFバイアス電源は、約400kHzの周波数で動作し得、第2のRFバイアス電源は、約2MHzの周波数で動作し得る。幾つかの実施形態では、第1のRFバイアス電源及び第2のRFバイアス電源は一緒にパルス化される。幾つかの実施形態では、第1のRFバイアス電源及び第2のRFバイアス電力は、独立してパルス化される。幾つかの実施形態では、第1のRFバイアス電源の周波数及び第2のバイアス電源の周波数は、約2MHzの第2のRFバイアス電源周波数のピーク電圧出力よりも約60%から約80%高い電圧出力を有する約400kHzの第1のRFバイアス電源周波数と混合される。幾つかの実施形態では、少なくとも1つのRFバイアス電源は、毎秒約1キロワットから毎秒約2キロワットのランピング速度で、約10kWのピーク電力から約15kWのピーク電力までランピングされ得る。
【0037】
[0044]ブロック208において、層又は酸化物及び/又は窒化物は、少なくとも1つのバイアス電源の支援によりエッチングされる。酸化物のエッチングは、フッ素Fを含むイオンの数を制御することによって調整され、窒化物のエッチングは、水素Hを含むイオンの数を制御することによって調整される。Fを含むイオンの比率とHを含むイオンの比率により、酸化物対窒化物のエッチング選択比も得られる。それに応じてエッチングガス種を制御することにより、酸化物及び窒化物に対して約1:1のエッチング選択比が達成される。
【0038】
[0045]1又は複数のバイアス電源は、プロセスチャンバ100の内部電極138等のバイアス電極に向かってイオンを加速させる(
図1A)。バイアス電源は、主に酸化物又は窒化物層304に垂直な垂直方向に異方性エッチングを生じさせるのに役立つ。異方性エッチングは、他の方向よりも垂直方向のエッチングが速く、酸化物又は窒化物層のエッチングされた特徴の側壁の反りが最小限に抑えられる。
図4の断面
図400に示すように、ガス混合物はまた、パターンマスク306もエッチングする。エッチングプロセスは、パターンマスク306の開口部308のエッジ410を侵食する。エッチングが続くと、イオンが特徴の側壁に偏向され(矢印412によって示す偏向経路)、側壁の反り414及び特徴の変形が引き起こされ得る。エッチングは、以下で説明するように、特徴及びパターンマスク516を保護するのを助けるために、エッチングモード間の堆積モードを用いて、短いパルスで制御される。
【0039】
[0046]ブロック210において、化学的に不活性なパッシベーション層516が基板302に堆積される。プラズマを維持している間、少なくとも1つのバイアス電源がオフにされる、又はプラズマによって提供されるイオンにもはや影響を及ぼさないレベルまで電力が低減される。幾つかの実施形態では、電力の低減は、ゼロより大きく、バイアス電力の約50パーセント未満である。堆積モードでは、プラズマは、
図5の断面
図500に示すように、ガス混合物を使用して、基板302に化学的に不活性なパッシベーション層516の共形層を生成する。化学的に不活性なパッシベーション層516は、エッチングモード中に特徴の側壁を保護し、側壁の反りを低減する。化学的に不活性なパッシベーション層516は、開口部308の間にパッシベーション層「キャップ」518を用いて、パターンマスク306の開口部308のエッジも保護する。エッチングは、パターンマスク306ならびに酸化物又は窒化物層304に影響を及ぼすため、化学的に不活性なパッシベーション層516は、後続のエッチングモード中にパターンマスク306が時期尚早に消耗されるのを防ぐのにも役立つ。幾つかの実施形態では、化学的に不活性なパッシベーション層516は、フッ化炭素ベースのポリマー又は炭化水素ベースのポリマー等を含み得る。
【0040】
[0047]ブロック212において、プラズマ電源をオフにすることによって、プラズマが遮断され、ガス混合物がプロセスチャンバ100に流され続けている間、プロセスチャンバ100のガス及び/又は副生成物が、真空ポンプ114によってポンプで排出される。ブロック214において、このプロセスは、エッチング結果が達成されるまで繰り返される。エッチング結果は、所与のエッチング深さ、所与のエッチング時間、及び/又は酸化物又は窒化物層304の下の基板302へのタッチダウンであり得る。
【0041】
[0048]方法200の利点の1つは、
図6の断面
図600に示すように、パッシベーション層キャップ518が、後続のエッチングモード中に開口部308のエッジを保護することである。異方性エッチングにより、パターンマスク306の上部が、主にパターンマスク306の表面に垂直な垂直方向に、及び開口部308の底部にエッチングされている。化学的に不活性なパッシベーション層516は、エッチングのために薄くなっているが、エッチングされたキャップ620は、エッチングモード中(イオン偏向経路624によって示すように)、いまだイオン偏向防止を提供する。イオン偏向経路624は、より鋭角を有し、開口部308の側壁622ではなく、パターンマスク306の側壁に偏向され、偏向されたイオンによる側壁の反りを防止する。
【0042】
[0049]
図7のグラフ700に、方法200で使用される様々なプロセスパラメータのダイナミックランピングを示す。幾つかの実施形態では、不活性ガス702が、ガス混合物と共に、一定の速度(ゼロランピング)でプロセスチャンバ100に流される。幾つかの実施形態では、圧力は増加する、一定に保たれる、又は
図7のように、プロセスチャンバ100の圧力704が、時間又はエッチング深さとともにゆっくりと減少する。幾つかの実施形態では、圧力のランピング速度は非常に小さく、例えば、1000秒あたり約1mTorr等である。ガス混合物の流量706は、時間又はエッチングの深さとともに減少する。プラズマ源電力708は、時間又はエッチング深さとともにゆっくりと減少する。バイアス源電圧710は、時間又はエッチング深さとともに増加し、ある時点又はエッチング深さで一定のままであり得る。O
2等のエッチング補助ガス712もまた、ネッキングによって影響を受ける領域をきれいにするのを助けるために、経時的に又はエッチング深さにわたって上昇させることができる。O
2はパターンマスク全体に影響を与えるため、O
2の流量は、最初はパターンマスクを維持するのを助けるために減少させ、その後、時間又はエッチング深度とともに増加させて、特徴へのより深い浸透を可能にすることができる。幾つかの実施形態では、O
2流量のランピングは、毎秒約0.01sccmから毎秒約0.1sccmであり得る。幾つかの実施形態では、プラズマ源電力又はバイアス源電力は、毎秒約1ワットから毎秒約2ワットのランピング速度を有し得る。
【0043】
[0050]上記は本原理の実施形態を対象としているが、本原理の他の及び更なる実施形態は、その基本的な範囲から逸脱することなく考案され得る。