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特許7260669斜めフィッティング技術に基づいてアライメントモデルを決定するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-10
(45)【発行日】2023-04-18
(54)【発明の名称】斜めフィッティング技術に基づいてアライメントモデルを決定するための方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20230411BHJP
   G01B 11/16 20060101ALI20230411BHJP
【FI】
G03F7/20 521
G01B11/16 G
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021564990
(86)(22)【出願日】2020-04-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-29
(86)【国際出願番号】 EP2020059411
(87)【国際公開番号】W WO2020224879
(87)【国際公開日】2020-11-12
【審査請求日】2021-12-08
(31)【優先権主張番号】19172514.2
(32)【優先日】2019-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100134256
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 武司
(72)【発明者】
【氏名】フルセボス、エド、マリア
【審査官】植木 隆和
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/087129(WO,A1)
【文献】特開2013-074294(JP,A)
【文献】特表2017-524960(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
G03F 7/20
G03F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)比較的疎なマークレイアウトと比べて比較的密なマークレイアウトに関する第1測定データおよび前記比較的疎なマークレイアウトに関する第2測定データを取得することと、
(b)前記比較的密なマークレイアウトについてオブジェクトの変形を記述する第1フィットモデルを取得することと、
(c)斜内積行列または斜投影行列を用いる斜めフィッティング技術を用いて、前記比較的疎なマークレイアウトについて前記オブジェクトの変形を記述する第2フィットモデルに基づいてアライメントモデルを決定することと、
を備えるマークレイアウトに関するアライメントモデルを決定するための方法。
【請求項2】
前記斜めフィッティング技術は前記第1および第2測定データを使用する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記斜めフィッティング技術は、前記斜内積行列を用いる一般化最小二乗フィッティングである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記斜内積行列の決定は、
前記第1フィットモデルおよび前記第1測定データを使用して第1出力を決定するステップと、
前記斜内積行列、前記第2フィットモデル、前記第2測定データおよび前記第1フィットモデルを使用して第2出力を決定するステップと、
前記第1フィットモデルおよび前記第2フィットモデルの間の差が低減されるように前記斜内積行列の係数を決定するステップと、
を備える請求項1からのいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記第1および第2測定データは、アライメントマーク測位データおよび/またはオーバーレイ測位データを備え、
前記斜内積行列の係数を決定するステップは、以下の数理モデルを実行することを備える、
請求項4に記載の方法。
【数1】
以上の数理モデルにおいて、Wは前記斜内積行列であり、c前記第2フィットモデルに関するWのフィット係数であり、M前記比較的疎なマークレイアウトに関する前記第2フィットモデルのモデル関数を構成し、M前記比較的密なマークレイアウトに関する前記第1フィットモデルのモデル関数を構成し、x前記第1フィットモデルに関するM前記第2測定データxおよび前記第2フィットモデルに関するWの係数に基づいて前記比較的密なマークレイアウト上で評価される前記第2出力であり、y前記第1フィットモデルおよび前記第1測定データyに基づく前記第1出力である。
【請求項6】
前記斜めフィッティング技術は前記斜投影行列を用いる斜投影最小二乗フィッティングである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項7】
前記斜投影行列の決定は、
前記第1フィットモデルおよび前記第1測定データを使用して第1出力を決定するステップと、
前記斜投影行列、前記第2フィットモデル、前記第2測定データおよび前記第1フィットモデルを使用して第2出力を決定するステップと、
前記第1フィットモデルおよび前記第2フィットモデルの間の差が低減されるように前記斜投影行列の係数を決定するステップと、
を備える請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1および第2測定データは、アライメントマーク測位データおよび/またはオーバーレイ測位データを備え、
前記斜投影行列の係数を決定するステップは、以下の数理モデルを実行することを備える、
請求項7に記載の方法。
【数2】
以上の数理モデルにおいて、Pは前記斜投影行列であり、c前記第2フィットモデルに関する前記斜投影行列Pのフィット係数であり、M前記比較的疎なマークレイアウトに関する前記第2フィットモデルのモデル関数を構成し、xは前記第2測定データであり、M前記比較的密なマークレイアウトに関する前記第1フィットモデルのモデル関数を構成し、y前記第1フィットモデルによって記述されて前記第1測定データ上で評価される前記第1出力であり、M前記第2フィットモデルに関するM前記第2測定データxに基づいて計算されて前記第1フィットモデルに関するMを使用して前記比較的密なマークレイアウト上で評価される前記第2出力を表す。
【請求項9】
前記測定データは、所定の公称位置データに対する疎なマークレイアウトの位置データおよび変位データを備える、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記オブジェクトはパターニングプロセスのウェーハであり、
前記フィットモデルはウェーハフィットモデルである、
請求項1から9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記オブジェクトの変形は、パターニングプロセスによって所望パターンが転写されるウェーハの表面の変形である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第2フィットモデルおよび/または前記第1フィットモデルは、少なくとも四つのパラメータの第1セットを備える第1サブモデルおよび少なくとも六つのパラメータの第2セットを備える第2サブモデルの二つのサブモデルの組合せである、請求項1から11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
コンピュータによって実行されると請求項1から12のいずれかに記載の方法を実行する命令が記録された、コンピュータが読み取り可能な非一時的な媒体を備えるコンピュータプログラム製品。
【請求項14】
請求項13に記載のコンピュータプログラム製品を備える測定システム。
【請求項15】
請求項14に記載の測定システムを備えるリソグラフィ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願へのクロスリファレンス]
本出願は、2019年5月3日に出願された欧州出願19172514.2号の優先権を主張し、その全体が参照によって本書に援用される。
【0002】
[技術分野]
本記述は、例えばリソグラフィ技術によるデバイスの製造時の計測を実行するために使用可能な検査装置および方法、または、パターニングプロセス中のリソグラフィ装置の制御に関する。本記述は、このような方法の実行時の使用のためのコンピュータプログラム製品にも関する。
【背景技術】
【0003】
リソグラフィ装置は、基板上に所望パターンを適用するために構成された装置である。リソグラフィ装置は、例えば集積回路(IC)の製造時に使用されうる。リソグラフィ装置は、例えば、基板(例えばウェーハ)上に提供される放射感応性材料(レジスト)の層上に、パターニングデバイス(例えばマスク)のパターン(しばしば「デザインレイアウト」または「デザイン」とも呼ばれる)を投影してもよい。
【0004】
半導体製造プロセスが進歩を続けるにつれて、一般的に「ムーアの法則」と呼ばれるトレンドに従って数十年に亘ってデバイス当たりのトランジスタ等の機能素子の数が着実に増加すると共に、回路素子の寸法が継続的に低減されている。ムーアの法則に付いていくために、ますます小さいフィーチャの生成を可能にする技術を半導体業界は追い求めている。基板上にパターンを投影するために、リソグラフィ装置は電磁放射を使用しうる。この放射の波長は、基板上にパターン形成されるフィーチャの最小サイズを決定する。現在使用されている典型的な波長は、365nm(i線)、248nm、193nmおよび13.5nmである。4nmから20nmの範囲内、例えば6.7nmまたは13.5nmの波長を有する極端紫外線(EUV)放射を使用するリソグラフィ装置は、例えば193nmの波長を有する放射を使用するリソグラフィ装置より小さいフィーチャを基板上に形成するために使用されうる。
【0005】
一例に係るリソグラフィ装置では、マスクまたはレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスが、ICの個々の層上に形成される回路パターンを生成するために使用されうる。このパターンは、基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば、ダイの部分、一つのダイ、複数のダイを含む)上に転写されうる。パターンの転写は、典型的に基板上に提供される放射感応性材料(レジスト)の層上への結像による。一般的に、単一の基板は連続的にパターン形成される隣り合うターゲット部分のネットワークを含む。これらのターゲット部分は一般的に「フィールド」と呼ばれる。ウェーハは、半導体製造工場(ファブ)における各種の装置を通じて、バッチまたはロットで処理される。リソグラフィステップがリソグラフィ装置によって各層で実行され、他の製造プロセスがリソグラフィステップの間に実行されることで、集積回路は一層ずつ形成される。
【0006】
基板上におけるパターンの正確な配置が、回路コンポーネントおよびリソグラフィによって製造されうる他の製品のサイズを低減する上での主要なチャレンジである。特に、既に配置された基板上のフィーチャを正確に測定するチャレンジが、正常動作するデバイスを高い歩留まりで製造するための十分な重ね合わせ精度で、後続のフィーチャの層を位置合わせすることを可能にするための決定的なステップである。いわゆるオーバーレイは、一般的に、今日のサブミクロン半導体デバイスでは数十ナノメートル内で、最も決定的な層では数ナノメートル内で実現されてなくてはならない。
【0007】
結果的に、現代のリソグラフィ装置は、ターゲット位置の基板を実際に露光またはパターニングするステップの前に、広範な測定または「マッピング」処理を伴う。処理ステップおよび/またはリソグラフィ装置自体によって引き起こされるウェーハ「グリッド」の非線型歪みをモデル化してより正確に補正するために、いわゆる高度アライメントモデルが開発されて改良が続けられている。しかし、全ての歪みが露光中に補正可能である訳ではなく、このような歪みの原因を可能な限り多く特定して除去することが依然として重要である。
【0008】
これらのウェーハグリッドの歪みは、マーク位置に関する測定データによって表される。測定データはウェーハの測定から取得される。このような測定の一例は、リソグラフィ装置におけるアライメントシステムを使用して露光前に実行されるアライメントマークのアライメント測定である。このような測定の他の例は、計測システムを使用して露光後に実行されるオーバーレイターゲットのオーバーレイ測定である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
処理のためにアライメントマークおよびオーバーレイターゲットが変形すると、測定誤差やオーバーレイペナルティを引き起こす。従来、この変形の影響の緩和は、測定に使用される照明色の選択または重み付けによって実行される。例えば、緩和は基板の変形をモデル化するように構成される基板モデルによって実行されうる。いくつかの用途では、このような基板モデルは、リソグラフィプロセスのスループット要求を維持するために、疎なレイアウト測定に基づいて変形を正確にモデル化しなくてはならない。
【0010】
パターニングプロセスでは、例えばプロセスの制御および検証のために、生成された構造の測定を行うのが望ましい。本開示は、高いスループットを維持しながら、リソグラフィプロセスにおけるアライメントおよびオーバーレイ性能を向上させることを目的とする。基板変形を決定するためのアライメントモデルは、スループットの維持等の一または複数の関連する問題を回避または少なくとも緩和しながら、リソグラフィプロセスのアライメントの改善、計測の改善、および、改善された補正のために使用されうる。
【0011】
一実施形態では、マークレイアウトに関するアライメントモデルを決定するための方法が提供される。方法は、(a)比較的疎なマークレイアウトと比べて比較的密なマークレイアウトに関する第1測定データおよび比較的疎なマークレイアウトに関する第2測定データを取得することと、(b)比較的密なマークレイアウトについてオブジェクトの変形を記述する第1フィットモデルを取得することと、(c)フィッティング技術(好ましくは斜めフィッティング技術)を介してまたは用いて、比較的疎なマークレイアウトについてオブジェクトの変形を記述する第2フィットモデルに基づいてアライメントモデルを決定することと、を備える。
【0012】
一実施形態では、マークレイアウトはアライメントマークレイアウトでもよい。従って、その実施形態では、比較的疎なマークレイアウトは比較的疎なアライメントマークレイアウトであり、比較的密なマークレイアウトは比較的密なアライメントマークレイアウトである。他の実施形態では、マークレイアウトはオーバーレイマークレイアウトでもよい。従って、その実施形態では、比較的疎なマークレイアウトは比較的疎なオーバーレイマークレイアウトであり、比較的密なマークレイアウトは比較的密なオーバーレイマークレイアウトである。他の実施形態では、マークレイアウトはオーバーレイおよびアライメントの両方でもよく、比較的疎なアライメントマークレイアウトおよび比較的密なオーバーレイマークレイアウトが使用される。
【0013】
一実施形態では、フィッティング技術は第1および第2測定データを使用する。
【0014】
一実施形態では、フィッティング技術は斜内積行列を用いる一般化最小二乗フィッティング(GLSF)である、すなわち、フィッティング技術はGLSFアルゴリズムである。
【0015】
一実施形態では、斜内積行列の決定は、第1フィットモデルおよび第1測定データを使用して第1出力を決定するステップと、斜内積行列、第2フィットモデル、第2測定データおよび第1フィットモデルを使用して第2出力を決定するステップと、第1フィットモデルおよび第2フィットモデルの間の差が低減されるように斜内積行列の係数を決定するステップと、を備える。
【0016】
一実施形態では、第1フィットモデルおよび第2フィットモデルの間の差は、第1および第2出力の間の差を低減することによって低減されうる。更なる実施形態では、第1および第2出力の間の差が最小化される。
【0017】
他の実施形態では、第1および第2出力の間の差が低減されるように斜内積行列の係数が決定される。更なる実施形態では、第1および第2出力の間の差が最小化される。
【0018】
一実施形態では、フィッティング技術は斜投影行列を用いる斜投影最小二乗フィッティング(OPF)である、すなわち、フィッティング技術はOPFアルゴリズムである。一実施形態では、OPFアルゴリズムは、斜投影行列を適用することと、通常の最小二乗法を実行することと、を備える。
【0019】
一実施形態では、斜投影行列の決定は、第1フィットモデルおよび第1測定データを使用して第1出力を決定するステップと、斜投影行列、第2フィットモデル、第2測定データおよび第1フィットモデルを使用して第2出力を決定するステップと、第1フィットモデルおよび第2フィットモデルの間の差が低減されるように斜投影行列の係数を決定するステップと、を備える。
【0020】
一実施形態では、第1フィットモデルおよび第2フィットモデルの間の差は、第1および第2出力の間の差を低減することによって低減されうる。更なる実施形態では、第1および第2出力の間の差が最小化される。
【0021】
他の実施形態では、第1および第2出力の間の差が低減されるように斜投影行列の係数が決定される。更なる実施形態では、第1および第2出力の間の差が最小化される。
【0022】
前述したように、第1出力は、より多くの測定を伴うことでより正確なデータとなりうる密なマークレイアウトの表現を提供してもよい。比較的疎なマークレイアウトからの測定結果のモデル化は、疎なマークレイアウトおよび密なマークレイアウトの情報の間のクロストークのために、密なマークレイアウト上の測定からのモデル結果の正確な近似を提供しない。そこで、本発明は、密な疎なマークレイアウトから得られる測定結果または情報を考慮して、第2フィットモデルで使用される係数の変更を許容する。本発明は前記クロストークを除去し、比較的疎なマークレイアウトに関する測定データのためのより正確なフィッティングを提供することで、測定の正確性を高めることができ、層の間のオーバーレイを低減できる。
【0023】
任意の上記の実施形態および任意の権利請求される実施形態は、コンピュータで実行される方法と解釈されうると理解されるべきである。従って、前記実施形態は、アライメントマークレイアウトに関するアライメントモデルを決定するためにコンピュータで実行される方法と解釈されうる。
【0024】
更に、一実施形態では、コンピュータによって実行されると任意の上記の実施形態のステップを実行する命令が記録された、コンピュータが読み取り可能な非一時的な媒体を備えるコンピュータプログラム製品が提供される。更なる実施形態では、上記のコンピュータプログラム製品を備える測定システムが提供される。他の実施形態では、前記測定システムを備えるリソグラフィ装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
実施形態は以下の図面を参照して例示的に記述される。
【0026】
図1】一実施形態に係るリソグラフィ装置の模式図である。
【0027】
図2】一実施形態に係るリソグラフィセルまたはクラスタの一実施形態を模式的に示す。
【0028】
図3図1の装置における公知技術に係る測定および露光プロセスを模式的に示す。
【0029】
図4図1の装置を制御するための公知技術に係る高度プロセス制御方法の模式図である。
【0030】
図5図4の方法における一実施形態に係る基板モデルおよびプロセスモデルの実装を示す。
【0031】
図6】疎なレイアウトに基づいてアライメントモデルを決定するための一実施形態に係るフローチャートである。
【0032】
図7図6で用いられる第2のアライメントモデルの一実施例に係る方法である。
【0033】
図8図8Aは一実施形態に係る疎なレイアウトである。
【0034】
図8Bは一実施形態に係る密なオーバーレイレイアウトである。
【0035】
図9図9Aおよび図9Bは、それぞれ密なレイアウトおよび疎なレイアウトを使用してフィットされた異なるアライメントモデルの一実施形態に係る結果である。
【0036】
当業者が実施形態を実施できるように、実施例が図面を参照して詳細に記述される。但し、以下の図および例は範囲を単一の実施形態に限定する趣旨ではなく、いくつかのまたは全ての記述または図示される要素の置換によって他の実施形態を構成できる。便宜上、同じまたは同様の部分を参照するために、図面を通じて同じ参照符号が使用される。これらの実施形態の特定の要素が公知のコンポーネントを使用して部分的または全体的に実行されうる場合、このような公知のコンポーネントのうち実施形態の理解のために必要な部分のみが記述され、このような公知のコンポーネントの他の部分の詳細な記述は実施形態の記述を不明瞭化しないように省略される。本明細書では、単一のコンポーネントを示す一実施形態は限定的に解釈されるべきではなく、その趣旨と異なることが明記されない限り、範囲は複数の同じコンポーネントを含む他の実施形態も包含する趣旨であり、逆もまた同様である。更に、出願人は、特に明記されない限り、明細書または請求項におけるいずれの用語にも通例外のまたは特別な意味を与えることを意図していない。更に、範囲は、例示されるコンポーネントの現在および将来における公知の均等物を包含する。
【発明を実施するための形態】
【0037】
実施形態を詳細に記述する前に、実施形態が実行されうる環境の例を示す。
【0038】
本文書では、「放射」および「ビーム」の用語は、紫外線放射(例えば365、248、193、157または126nmの波長を有するもの)およびEUV(例えば約5-100nmの範囲の波長を有する極端紫外線放射)を含む全てのタイプの電磁放射を包含する。
【0039】
「レチクル」、「マスク」または「パターニングデバイス」の用語は、基板のターゲット部分に生成されるパターンに対応するパターンが形成された断面を、入射する放射ビームに付与するために使用されうる包括的なパターニングデバイスを指すものと広義に解釈されうる。用語「ライトバルブ」もこの文脈で使用されうる。典型的なマスク(透過型または反射型、バイナリ型、位相シフト型、ハイブリッド型等)に加え、他のこのようなパターニングデバイスの例はプログラマブルミラーアレイおよびプログラマブルLCDアレイを含む。
【0040】
図1は、リソグラフィ装置LAを模式的に示す。リソグラフィ装置LAは、放射ビームB(例えば、UV放射、DUV放射またはEUV放射)を調整するように構成される照明システム(イルミネータとも呼ばれる)ILと、パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持し、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスMAを正確に位置決めするように構成される第1ポジショナPMに接続されるように構成されるマスクサポート(例えば、マスクテーブル)MTと、基板(例えばレジストで覆われたウェーハ)Wを保持し、特定のパラメータに従って基板サポートを正確に位置決めするように構成される第2ポジショナPWに接続されるように構成される基板サポート(例えばウェーハテーブル)WTと、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付与されたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば一または複数のダイを備える)上に投影するように構成される投影システム(例えば、屈折投影レンズシステム)PSを含む。
【0041】
処理中の照明システムILは、例えばビームデリバリシステムBDを介して、放射源SOから放射ビームを受け取る。照明システムILは、放射の方向付け、成形および/または制御のために、屈折型、反射型、磁気型、電磁気型、静電型等の各種のタイプの光学コンポーネントおよび/または他のタイプの光学コンポーネントまたはこれらの任意の組合せを含みうる。イルミネータILは放射ビームBを調整するために使用され、その断面における所望の空間および角度の強度分布がパターニングデバイスMAの平面上で実現される。
【0042】
用語「投影システム」PSは、使用される露光放射、および/または、液浸液または真空の使用等の他の要素にとって適切な、屈折型、反射型、反射屈折型、アナモルフィック型、磁気型、電磁気型および/または静電型の光学システム、またはこれらの任意の組合せを含む各種のタイプの投影システムを包含するものと広義に解釈されるべきである。用語「投影レンズ」は、より包括的な用語「投影システム」PSと同義に解釈されうる。
【0043】
リソグラフィ装置LAは、投影システムPSと基板Wの間の空間を満たすために、基板の少なくとも一部が水等の比較的高い屈折率を有する液体によって覆われうるタイプでもよい(液浸リソグラフィとも呼ばれる)。液浸技術についての更なる情報は、参照によって本書に援用されるUS6952253で与えられる。
【0044】
リソグラフィ装置LAは、二つ以上の基板サポートWTを有するタイプ(「デュアルステージ」とも呼ばれる)でもよい。このような「マルチステージ」装置では、基板サポートWTは並行して使用されてもよいし、および/または、一つの基板サポートWT上に位置する一つの基板W上で後続の露光のための準備ステップが実行されている間に、他の基板サポートWT上の他の基板Wがパターンを露光するために使用されてもよい。
【0045】
基板サポートWTに加えて、リソグラフィ装置LAは測定ステージを備えてもよい。測定ステージはセンサおよび/またはクリーニングデバイスを保持するように設けられる。センサは投影システムPSまたは放射ビームBの特性を測定するように設けられうる。測定ステージは複数のセンサを保持してもよい。クリーニングデバイスは、リソグラフィ装置の部分、例えば投影システムPSまたは液浸液を提供するシステムの一部を洗浄するように設けられうる。基板サポートWTが投影システムPSから離れている時、測定ステージは投影システムPSの下方を移動しうる。
【0046】
処理中の放射ビームBは、マスクサポートMT上に保持されるパターニングデバイス、例えばマスクMA上に入射し、パターニングデバイスMA上に存在するパターン(デザインレイアウト)によってパターン形成される。マスクMAを通過した放射ビームBは、基板Wのターゲット部分C上にビームを照射する投影システムPSを通過する。第2ポジショナPWおよび位置測定システムIFによって、例えば異なるターゲット部分Cを放射ビームBの経路上の所定の照射位置に動かすために、基板サポートWTは正確に駆動されうる。同様に、第1ポジショナPMおよび付随しうる他の位置センサ(図1では明示されない)は、放射ビームBの経路に対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めするために使用されうる。パターニングデバイスMAおよび基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2および基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせされてもよい。図示の基板アライメントマークP1、P2は専用のターゲット部分を占めるが、これらはターゲット部分の間の空間に配置されてもよい。ターゲット部分Cの間に配置される基板アライメントマークP1、P2は、スクライブラインアライメントマークとして知られている。
【0047】
発明を明確化するためにデカルト座標系が使用される。デカルト座標系は、三つの軸、すなわち、x軸、y軸およびz軸を有する。三つの軸のそれぞれは他の二つの軸に直交する。x軸周りの回転はRx回転と呼ばれる。y軸周りの回転はRy回転と呼ばれる。z軸周りの回転はRz回転と呼ばれる。x軸およびy軸は水平面を定義し、z軸は鉛直方向である。デカルト座標系は発明を限定せず、明確化のためだけに使用される。代わりに、円筒座標系等の他の座標系が、発明を明確化するために使用されうる。例えばz軸が水平面に沿ったコンポーネントを有するように、デカルト座標系の向きは異なっていてもよい。
【0048】
複雑なデバイスの製造では、典型的に多くのリソグラフィパターニングステップが実行され、基板上の連続する層に機能フィーチャを形成する。従って、リソグラフィ装置の性能の決定的な側面は、(同じ装置または異なるリソグラフィ装置によって)先の層に配置されるフィーチャに関して、適用されるパターンを正確に配置する能力である。この目的のために、基板にはマークの一または複数の組が提供される。各マークは、その位置が位置センサ、典型的には光学位置センサを使用して、後で測定されうる構造である。位置センサは「アライメントセンサ」と呼ばれてもよく、マークは「アライメントマーク」と呼ばれてもよい。
【0049】
リソグラフィ装置は、基板上に提供されるアライメントマークの位置を正確に測定しうる一または複数の(例えば複数の)アライメントセンサを含んでもよい。アライメント(または位置)センサは、基板上に形成されるアライメントマークから位置情報を取得するために、回折および干渉等の光学現象を使用しうる。現在のリソグラフィ装置で使用されるアライメントセンサの例は、US6961116に記述されているような自己参照干渉計に基づく。例えばUS2015261097A1に開示されているように、位置センサの各種の改良および変更が検討されている。これらの公報の全ての内容は参照によって本書に援用される。
【0050】
マークまたはアライメントマークは、基板上に提供される層上または層内に形成される、または、基板内に(直接的に)形成される一連のバーを備えてもよい。バーは所定間隔で配置されてもよく、マークが周知の空間周期(ピッチ)を持つ回折格子と見なされうるような格子線として機能する。これらの格子線の向きに応じて、X軸またはY軸(実質的にX軸に直交する)に沿う位置の測定を許容するために、マークがデザインされてもよい。XおよびY軸の両方に対して+45度および/または-45度で設けられるバーを備えるマークは、参照によって本書に援用されるUS2009/195768Aに記述されているような技術を使用して、XおよびYの組み合わせ測定を許容する。
【0051】
アライメントセンサは、正弦波等の周期的に変わる信号を取得するために、放射のスポットで各マークを光学的にスキャンする。この信号の位相は、マークの位置を決定するために、すなわちアライメントセンサに対する基板の位置を決定するために分析され、リソグラフィ装置の参照フレームに対して固定される。アライメントセンサが周期的な信号の異なるサイクルの間およびサイクル内の正確な位置(位相)を識別できるように、異なる(粗いおよび細かい)マーク寸法に関するいわゆる粗いおよび細かいマークが提供されてもよい。この目的のために異なるピッチのマークが使用されてもよい。
【0052】
マークの位置の測定は、マークが提供される基板の変形についての情報を、例えばウェーハグリッドの形態で提供してもよい。基板の変形は、基板が放射に露光される時に、例えば基板の基板テーブルへの静電クランプおよび/または基板の熱によって発生しうる。
【0053】
図2は、例えば参照によって本書に援用されるUS6961116に記述されているような、公知のアライメントセンサの一実施形態の模式的なブロック図である。放射源RSOは、基板W上に位置するマークAM等のマーク上に誘導光学素子によって照明スポットSPとして誘導される、一または複数の波長の放射のビームRBを提供する。この例では、誘導光学素子がスポットミラーSMおよび対物レンズOLを備える。マークAMを照明する照明スポットSPは、マーク自体の幅より直径がわずかに小さくてもよい。
【0054】
マークAMによって回折された放射は、(この例では対物レンズOLを介して)情報搬送ビームIBにコリメートされる。用語「回折される」は、マークからの零次回折(反射と呼ばれうる)も含む趣旨である。例えば前述のUS6961116に開示されているタイプの自己参照干渉計SRIがビームIBをそれ自体と干渉させた後に、ビームが光検出器PDによって受け取られる。複数の波長が放射源RSOによって生成される場合、別のビームを提供するために追加的な光学素子(不図示)が含まれてもよい。光検出器は、単一の素子でもよいし、必要な場合は複数の画素を備えてもよい。光検出器はセンサアレイを備えてもよい。
【0055】
この例ではスポットミラーSMを備える誘導光学素子は、情報搬送ビームIBがマークAMからの高次回折放射のみを含む(これは測定にとって必須ではないが、信号対雑音比を向上させる)ように、マークから反射される零次放射をブロックする機能を担ってもよい。
【0056】
強度信号SIは処理ユニットPUに供給される。ブロックSRIにおける光学処理およびユニットPUにおける演算処理の組み合わせによって、参照フレームに対する基板上のXおよびY位置の値が出力される。
【0057】
図示のタイプの単一の測定は、マークの一つのピッチに対応する特定の範囲内のマークの位置を決定するだけである。これと共に、マークされた位置を含む正弦波の周期を特定するために、より粗い測定技術が使用される。マーク自体の材料およびマークの上および/または下に提供される材料に関わらず、より高い正確性および/またはマークの確実な検出を実現するために、より粗いおよび/またはより細かいレベルで、同じプロセスが異なる波長で繰り返されてもよい。波長は、同時に処理されるように光学的に多重化および分離化されてもよいし、および/または、時間分割または周波数分割によって多重化されてもよい。
【0058】
この例では、基板Wが移動する一方で、アライメントセンサおよびスポットSPは静止している。従って、アライメントセンサは強固および正確に参照フレームに取り付けられ、基板Wの移動方向と反対の方向にマークAMを効果的にスキャンできる。基板サポートの移動を基板位置決めシステムが制御することによって、当該基板サポート上に取り付けられる基板Wの移動が制御される。基板サポート位置センサ(例えば干渉計)は、基板サポート(不図示)の位置を測定する。一実施形態では、一または複数の(アライメント)マークが基板サポート上に提供される。基板サポート上に提供されるマークの位置の測定は、位置センサによって決定される基板サポートの位置の較正を許容する(例えばアライメントシステムが接続されるフレームに対して)。基板上に提供されるアライメントマークの位置の測定は、基板サポートに対する基板の位置の決定を許容する。
【0059】
アライメント処理の背景
【0060】
図3は、図1のデュアルステージ装置において、基板W上のターゲット部分(例えばダイ)を露光するステップを示す。始めに従来技術に係るプロセスが記述される。
【0061】
左側の点線ボックス内は測定ステーションMEAで実行されるステップを示し、右側は露光ステーションEXPで実行されるステップを示す。前述のように、随時、基板テーブルWTa、WTbの一方が露光ステーションにいる間に他方が測定ステーションにいる。この記述の目的のため、基板Wが露光ステーションに既に投入されているものとする。ステップ200では、新たな基板W’が不図示の機構によって装置に投入される。これらの二つの基板はリソグラフィ装置のスループットを高めるために並行して処理される。
【0062】
初めに新たに投入された基板W’に触れると、これは装置における最初の露光のための新たなフォトレジストが設けられた未処理基板でもよい。しかし、一般的には、記述されるリソグラフィプロセスは一連の露光および処理ステップにおける一つのステップに過ぎず、基板W’は既にこの装置および/または他のリソグラフィ装置で数回に亘って処理されていてもよいし、後続の処理プロセスを控えていてもよい。特にオーバーレイ性能を向上させるという課題におけるタスクは、既に一または複数のパターン形成および処理のサイクルを経た基板上の正確な位置に新たなパターンが適用されることの担保である。各パターン形成ステップが適用されるパターン中に導入しうる位置偏差や、後続の処理ステップが基板および/またはそれに適用されるパターン中に累進的に導入しうる歪みは、十分なオーバーレイ性能を実現するために測定および補正されなければならない。
【0063】
先のおよび/または後続のパターン形成ステップは、上記の通り他のリソグラフィ装置で実行されてもよく、異なるタイプのリソグラフィ装置で実行されてもよい。例えば、解像度およびオーバーレイ等のパラメータにおける要求が非常に厳しいいくつかの層のデバイス製造プロセスは、要求がより低い他の層より高度なリソグラフィツールにおいて実行されてもよい。従って、いくつかの層は液浸タイプのリソグラフィツールにおいて露光されてもよく、他の層は「ドライ」ツールにおいて露光されてもよい。いくつかの層はDUV波長で稼働するツールにおいて露光されてもよく、他の層はEUV波長放射を使用して露光されてもよい。いくつかの層は図示のリソグラフィ装置における露光に対して代替的または補足的なステップによってパターン形成されてもよい。このような代替的および補足的な技術は、例えばインプリントリソグラフィ、自己整合化複数パターン形成および自己組織化リソグラフィを含む。
【0064】
202では、基板マークP1等および画像センサ(不図示)を使用するアライメント測定が、基板テーブルWTa/WTbに対する基板のアライメントを測定および記録するために使用される。加えて、基板W’に亘るいくつかのアライメントマークが、アライメントセンサASを使用して測定される。一実施形態では、名目上の矩形グリッドに対する任意の歪みを含む、基板に亘るマークの分布を非常に正確にマッピングする基板モデル(「ウェーハグリッド」とも呼ばれる)を構築するために、これらの測定が使用される。
【0065】
ステップ204では、X-Y位置に対するウェーハ高さ(Z)のマップが、レベルセンサLSも使用して測定される。主に、高さマップは露光パターンの正確なフォーカシングを実現するためだけに使用される。加えて、これは他の目的のために使用されうる。
【0066】
基板W’が投入されると、実行される露光を定義するレシピデータ206と、ウェーハおよび先に形成されたおよび後に形成されるパターンの特性が受け取られる。これらのレシピデータに対して、202、204で行われたウェーハ位置、ウェーハグリッドおよび高さマップの測定結果が加えられ、レシピおよび測定データの完全な組208が露光ステーションEXPに渡されうる。アライメントデータの測定結果は、例えば、リソグラフィプロセスの製品である製品パターンに対して固定的または名目上固定的な関係で形成されるアライメントターゲットのXおよびY位置を備える。露光直前に得られるこれらのアライメントデータは、モデルをデータにフィットさせるパラメータを有するアライメントモデルを生成するために使用される。これらのパラメータおよびアライメントモデルは、現在のリソグラフィステップにおいて適用されるパターンの位置を補正するために、露光処理中に使用される。使用されるモデルは、測定される位置の間の位置偏差を補間する。従来のアライメントモデルは、異なる次元における並進、回転および「理想的な」グリッドのスケーリングを共に定義するための、四つ、五つまたは六つのパラメータを備える。US2013230797A1で詳述されているように、より多くのパラメータを使用する高度なモデルが知られている。
【0067】
210ではウェーハW’およびWが交換され、測定された基板W’が露光ステーションEXPに入る基板Wになる。例えば図1の装置では、この交換がサポートWTaおよびWTbを装置内で交換することによって実行されるため、基板W、W’はこれらのサポート上の正確な位置に固定されたままであり、基板テーブルおよび基板自体の間の相対的なアライメントが維持される。従って、一旦テーブルが交換された後、基板W(先のW’)の露光ステップの制御において測定情報202、204を利用するためには、投影システムPSおよび基板テーブルWTb(先のWTa)の間の相対的な位置を決定しさえすればよい。ステップ212では、マスクアライメントマークM1、M2を使用してレチクルアライメントが実行される。ステップ214、216、218では、多数のパターンの露光を完了するために、基板Wに亘る連続的なターゲット位置でスキャン動作および放射パルスが適用される。
【0068】
露光ステップの実行中に測定ステーションで取得されたアライメントデータおよび高さマップを使用することで、これらのパターンが所望の位置、特に同じ基板上に先に配置されたフィーチャに対して正確に位置合わせされる。露光された基板W”はステップ220で装置から取り出され、露光されたパターンに従ってエッチングまたは他のプロセスを受ける。
【0069】
履歴性能データを使用する高度プロセス制御
【0070】
最良の性能のために、現在の基板がリソグラフィ装置に投入される時に行われる測定結果に加えて、リソグラフィプロセスに関する履歴性能データが一般的に使用される。この目的のために、計測システムMET(図2)で性能の測定が行われる。異なる形態の高度プロセス制御が実行されうる。図4は公知の安定性制御方法を実行する一例を示す。
【0071】
図4は安定性モジュール300を示す。このモジュールは、例えばプロセッサ上で動作するアプリケーションである。1、2、3の符号が付された三つの主なプロセス制御ループが示されている。第1ループは、安定性モジュール300およびモニタウェーハを使用するリソグラフィ装置のローカル制御を提供する。モニタウェーハ302は図2のリソセルLC等のリソグラフィセル304から渡される。モニタウェーハ302は、フォーカスおよびオーバーレイのための「ベースライン」パラメータを設定するための較正パターンで露光されている。後に計測ツール306によって読み取られるこれらのベースラインパラメータは、このリソセルに特化した安定性補正308を計算するために安定性モジュール300によって解釈される。この性能データは、リソグラフィセル304にフィードバックされ、更なる露光を実行する時に使用されうる。モニタウェーハの露光は、参照マーク上へのマークのパターンのプリントを伴ってもよい。トップおよびボトムマークの間のオーバーレイ誤差の測定によって、ウェーハが装置から除去されて計測ツールに移動した時でも、リソグラフィ装置の性能における偏差が測定されうる。
【0072】
第2(APC)制御ループは、実際の製品ウェーハ上のフォーカス、ドーズおよびオーバーレイ等の性能パラメータの測定に基づく。露光された製品ウェーハ320は、第1制御ループにおける計測ツール306と同じまたは異なる計測ツール322に渡される。322では、例えば臨界寸法、側壁角度およびオーバーレイ等のパラメータに関する情報が決定され、高度プロセス制御(APC)モジュール324に渡される。このデータは安定性モジュール300にも渡される。計算されたプロセス補正326は、安定性モジュール300と通信しながらリソセル304の制御を提供する監視制御システム(SCS)328によって使用される。
【0073】
第3制御ループは、例えば二重パターニング用途における、第2(APC)制御ループへの計測インテグレーションを許容する。エッチングされたウェーハ330が、第1および/または第2制御ループにおいて使用される計測ツール306、322と同じまたは異なる計測ユニット332に渡される。計測ツール332は、ウェーハから読み取られる臨界寸法、側壁角度およびオーバーレイ等の性能パラメータを測定する。これらのパラメータは、高度プロセス制御(APC)モジュール324に渡される。ループの残りは第2ループと同様である。
【0074】
基板モデルマッピング(背景)
【0075】
オーバーレイ性能のため、新たなパターンは、単にいくつかの名目上の「正しい」位置に配置されるだけでなく、基板上に既にあるパターンに対して正確に配置されなくてはならない。以上の記述から、オーバーレイ等のパラメータにおける高い性能を実現するために、いくつかの異なるメカニズムが実行されると理解される。
【0076】
図5は、リソグラフィ装置LAを制御する公知の方法における現在の基板上のパターン形成処理に関するこれらのメカニズムを要約する。402では、現在の基板の位置偏差が、図3を参照して記述された態様で、アライメントセンサASを使用するリソグラフィ装置によって測定される。404では、パターンが適用される時に408でリソグラフィ装置によって適用される基板に特化した補正を許容する基板モデルSMが、現在の基板の位置測定結果から計算される。
【0077】
加えて、412では、履歴性能データを提供するために、先の基板上の性能の測定結果が保存される。この履歴性能データは、現在の基板に関連する特定のリソグラフィ装置および他の処理設備の性能を表す一または複数のプロセスモデルPMを計算するために414で使用される。これらの計算は、例えば図4の例の制御ループにおいて行われてもよい。
【0078】
416では、完全な基板およびプロセス補正モデルPSMを生成するために、基板モデルおよびプロセスモデルが組み合わされる。リソグラフィ装置408は組合せモデルを使用して補正を計算し、基板上に既にあるフィーチャにおける位置偏差だけでなく、パターン形成および他の処理ステップの性能における偏差も補正しうる新たなパターンが各基板に適用される。
【0079】
理想的には、基板モデルはプロセスモデルによって補正されない偏差のみを補正し、逆もまた同様である。本発明者は、公知のシステムでは、基板モデルを介して補正されるアライメント偏差およびプロセスモデルを介して補正されるオーバーレイ誤差の間に相関要素が生じうることを認識した。このような相関は誤差の過大補正または過小補正を引き起こしうる。本開示によれば、これらの相関を特定および除去することによって、リソグラフィプロセス全体としての性能が特にオーバーレイに関して更に向上されうる。
【0080】
プロセスモデルPMおよび基板モデルSMは単数形で表されるが、当業者はこれらのモデルの一方または両方が二つ以上のサブモデルの重ね合わせでもよいと理解できる。プロセスモデルはリソグラフィ装置の性能および他の処理ステップの性能のためのサブモデルを備えてもよいが、本開示における簡潔性のために履歴性能データに基づく全てのモデルは単純にプロセスモデルと見なされる。一般的な例として、プロセスモデルはフィールド間モデルおよびフィールド内モデルを備えてもよい。フィールド間モデルは基板上の位置に関する性能における変動を表し、フィールド内モデルは基板の各ターゲット部分(フィールド)において繰り返される傾向がある変動を表す。これらはそれぞれ更なるサブモデルに分割されうる。これらのモデルの一方または両方は、特定の製品デザインに特化したサブモデルおよび多数の製品デザインに共通のサブモデルを備えてもよい。追加的なモデルは、レンズ、レチクルおよび/または基板の熱等の過渡的効果の補正を適用しうる。安定性モジュールは、履歴性能測定に基づくプロセスモデルからの実際の性能の日々の乖離を表す他のサブモデルを生成する。
【0081】
同様に、基板モデルは実際には二つ以上のサブモデルの組合せを備えてもよい。一般的に、例えば四つのパラメータ(4PAR)モデルが第1にフィットされる。その後に高次変動を含む第2モデルが4PARモデルの残余上にフィットされる(残余は4PARモデルによってモデル化されない位置偏差を含む)。高次モデルは、例えば、6パラメータ(6PAR)モデル、3次多項式モデルまたは放射基底関数に基づくモデルでもよい。従って、用語「基板モデル」は二つ以上のサブモデルの組合せを包含する。更に、プロセスモデルのように、基板モデルはフィールド内モデルおよびフィールド間モデルを備えうる。一例では、複数のアライメントマークが現在の基板上の少数のフィールドについて測定され、フィールド内基板モデルにフィットさせるために使用される。その場合、基板モデルは実質的に三つのサブモデル(4PAR基板モデル、高次フィールド間基板モデルおよびフィールド内基板モデル)の組合せである。連続する各モデルが表す偏差は次第に小さくなるが、それぞれが更に小さい量のオーバーレイの低減に寄与する。これは現代の半導体製造において極めて重要である。
【0082】
現在のウェーハアライメントフィットは、ウェーハマークレイアウトに関する測定データにフィットさせるアライメントモデル(例えば前述の基板モデル)を決定するために最小二乗技術(例えば、行列演算(MM)-1によって特徴付けられる)を使用する。フィットモデルは、ウェーハの変形を記述するグリッドを生成しうる。一実施形態では、図4において前述したように測定データが取得されうる。例えば、測定データは、ウェーハアライメントマークレイアウトのマークでの位置(例えばX、Y)測定、高さ(例えばZ)測定を含む。
【0083】
いくつかの場合、パターニングプロセスのスループット要求を維持するために、疎なマークレイアウトがウェーハアライメントに使用される。一実施形態では、疎なマークレイアウト(疎なレイアウトともいう)が、密なレイアウトに比べて比較的より少数のマークを含む。例えば、疎なレイアウトは65より少ないマーク(例えば、ウェーハのダイ当たり約1マーク)を含んでもよく、密なレイアウトは200より多いマーク(例えば、ウェーハのダイ当たり複数のマーク)を含んでもよい。このように、疎なレイアウトに対応する測定データは、密なレイアウトの測定データに比べて比較的少なくなる。従って、疎なレイアウトデータ上で訓練されたモデルは、基板を正確に記述しない可能性がある。
【0084】
より密なマークレイアウト(例えば、図8Bにおけるレイアウト810)によれば、疎なマークレイアウト(例えば、図8Aにおけるレイアウト800)より良いモデルが取得されうる。密なレイアウトおよび疎なレイアウトに基づいてフィットされるモデルの間のギャップを埋めるために、全体が本書に援用される2016年9月15日に出願されたPCT特許出願番号15/763,780においてウェーハアライメントモデルマッピング(WAMM)が提案されている。WAMMを例えば65マークに使用すれば、100マーク対と同様の性能レベルが得られる。
【0085】
しかし、疎なウェーハマークレイアウトには、密なウェーハマークレイアウトに対して、性能に関する二つの側面がある。すなわち、(i)疎なマークレイアウトはより少ない雑音抑圧(または次元削減)をもたらし、(ii)疎なマークレイアウトは補正不能コンポーネントから補正可能コンポーネントへのより多いクロストークをもたらす。補正可能コンポーネントはウェーハモデルによってモデル化されうるコンポーネントであり、補正不能コンポーネントはウェーハモデルに関する残余である。
【0086】
一実施形態では、ウェーハモデルがウェーハ表面の変形をモデル化する。従って、補正可能コンポーネントはウェーハモデルによって記述される変形を指し、補正不能コンポーネントはウェーハモデルの残余を指す。実際には、残余はウェーハの縁で最も強く、変形もウェーハの中心に比べてウェーハの縁で比較的大きい。
【0087】
一実施形態では、WAMMまたはサブ空間モデリング(例えば、PCT特許出願番号15/763,780で議論されている)を使用することによって、部分的雑音抑圧が効果的に向上されうる。例えば、モデル空間の次数を低減することによって、雑音抑圧(スキームファクタ)を向上させる。しかし、ウェーハアライメントモデルを決定するために最小二乗アライメントフィットが使用される場合、補正可能および補正不能コンポーネントの間にクロストークが存在しうる。従って、疎および密なアライメントレイアウトの間のギャップを埋めるために、WAMMは更なる改良を必要とする。
【0088】
公知のWAMMの最小二乗フィッティングプロセス中に、補正不能コンポーネント(または形状)はWAMMモデルによって補正可能コンポーネント(または形状)上に投影されるため、補正可能な形状から識別することが更に困難になる。
【0089】
密なアライメントグリッドから疎なアライメントグリッドに遷移する場合、補正可能および補正不能コンポーネントの間の直交関係が変化する。すなわち、密なレイアウト上では補正可能および補正不能コンポーネントが直交し、疎なレイアウト上では直交しない。この疎なレイアウトに関する非直交性がクロストークに繋がる。本開示によれば、斜めフィッティング技術を介してクロストークが低減されうる。一実施形態では、斜めフィッティング技術は、一般化最小二乗法(例えば、一般化最小二乗フィッティング、後述の方法600)または斜投影最小二乗法(例えば、斜投影最小二乗フィッティング、後述の方法700)を備える。
【0090】
一実施形態では、補正可能および補正不能コンポーネントの間の直交性が密なレイアウトと同様になるように、一般化最小二乗法は疎なレイアウトに関する内積要素の変更を伴う。一実施形態では、このような変更は、疎なレイアウトの内積を異なる(非直交)基底に基づかせることを伴う。
【0091】
一実施形態では、斜投影最小二乗法が、クロストークをブロックするために最小二乗法における斜投影を伴う。
【0092】
本開示では一般化最小二乗法が議論される。測定データ(すなわち、ウェーハ上の異なるマーク位置でのアライメント測定データまたはオーバーレイ測定データ)を含む列ベクトルをxおよびyとして、内積は<x,y> = xTyを使用して計算されうる。そして、この内積に関するノルムは||x|| = √(<x,x>) = √(xTx)と計算されうる。
【0093】
ここで、yが密なレイアウトに関して密に測定されるアライメントデータ(または未補正のオーバーレイデータ)すなわち第1測定データを構成すると想定する。そして、密なレイアウトデータの補正可能コンポーネント(ycorrectable)は、ycorrectable = Mycyを使用して計算されうる。ここで、Mは密なマーク位置でサンプリングされるモデル関数(すなわち、第1フィットモデル)を含み、cは密なレイアウトデータに対するモデルのフィット係数を構成する。
【0094】
通常の最小二乗法の場合、フィット係数は前述の最小二乗ノルムを使用して最適化される。この最適化の結果は、cy = My +y = (My TMy)-1My Ty、を使用して計算されうることが示されうる。ここで、演算子「+」は行列の疑似逆を表す。
【0095】
correctableおよびcの先の二つの方程式を組み合わせることによって、ycorrectable = Mycy = MyMy +y = My(My TMy)-1My Ty = Pyy、が得られる。ここで、Pは測定データyをモデル行列Mの列によって展開される空間上に投影して補正可能コンポーネントycorrectableとする直交投影行列である。従って概念的には、最小二乗法を使用する従来のウェーハアライメントは、内積を使用して測定データをモデルによって展開される空間上に直交投影することと解釈されうる。
【0096】
本開示によれば、二つの列ベクトルxおよびyの間の斜内積が、<x,y>w = xTWTWy、と計算される。そして、斜ノルムは、||x||w = √(<x,x>w) = √(xTWTWx)、と計算される。ここで、行列Wは基底変換行列(すなわち、斜内積行列)と解釈されうる。これらの内積およびノルムは、本開示による新たな斜基底上で定義される新たな内積およびノルムである。
【0097】
xが疎なウェーハアライメント測定データ(すなわち第2測定データ)を含み、yが密なウェーハアライメントデータ(または未補正のオーバーレイ測定データ、すなわち第1測定データ)を含むものとする。一般化最小二乗法からのフィット係数は、斜ノルムを使用して次のように表される。
cw = (Mx TWTWMx)-1Mx TWTWx = (WMx)+Wx
【0098】
一実施形態では、これらのフィット係数cは、密なレイアウトアライメントデータ(または未補正の密なオーバーレイデータ)を近似し、斜内積行列Wを最適化するために使用される。
【0099】
一実施形態では、疎なレイアウトに関するウェーハアライメントモデルの近似が、密なレイアウトに関するモデルと連携して実行される。このようなウェーハアライメントモデルは、以下の方程式を実行することによって計算されうる。
xcorrection = Mycw = My(Mx TWTWMx)-1Mx TWTWx = My(WMx)+Wx
【0100】
一実施形態では、疎なレイアウトに関するウェーハアライメントモデルが、密なレイアウトデータ(または未補正のオーバーレイデータ)の結果を厳密に近似するように、行列Wにおける係数が最適化される。Wの係数は、以下の方程式を実行することによって決定される。
【数1】
【0101】
行列Wに逆行列が存在する場合、アライメントモデルの補正可能および補正不能コンポーネントの間のクロストークは、一般化最小二乗法によって抑圧されうる。行列に逆行列が存在しない場合、一般化最小二乗法ではクロストークを抑圧できないばかりか、次元削減によって悪化したノイズ伝播も補正できない。また、最適な行列Wは、使用される疎なレイアウトや、データに存在する一種の変形およびノイズレベルに依存する。従って、ウェーハのトレーニングまたは履歴データが、フィッティングおよびフィットモデルの検証に必要である。yが密なアライメントレイアウトデータを含む場合、疎なアライメントモデル結果は、密なアライメント結果に可能な限り合致するように最適化される。また、yが密な未補正のオーバーレイデータを含む場合、Wは直接的にオーバーレイに最適化される。これらは二つの別の用途である。
【0102】
一実施形態では、内積行列Wの以下の四つのクラスが特定されうる。
(i)単位行列。
(ii)ウェーハで比較的疎にサンプリングされた領域におけるアライメントマークに対する重みを増やし、または、よりノイズが多いアライメントスキャンに対する重みを減らすために使用されうる対角行列。
(iii)本開示の一般化最小二乗フィッティングにおいて使用される正則行列。内積およびノルムの基礎となる基底は直交しない。この内積は、行列Wを適宜選択することによって、補正不能コンポーネントから補正可能コンポーネントへのクロストークを低減しうる。
(iv)データにおける自由度の数を低減することから(例えば、データの部分空間への斜投影のみ)、一般化最小二乗法と(斜め)部分空間モデリングの組合せと見なしうる非正則行列。このアプローチは、クロストークおよびノイズ伝播の両方を低減しうる。このアプローチ(iv)は、斜投影行列を用いる斜投影最小二乗フィッティングによって実行されうる。
【0103】
斜投影最小二乗フィッティングは以下で簡潔に説明され、図7Aおよび7Bの方法700において更に詳述される。斜投影最小二乗フィッティングでは、以下の方程式が実行される。
cP = (Mx TMx)-1Mx TPx = Mx +Px
ここで、Pは斜投影行列である。密なアライメントレイアウト上の補正不能コンポーネントが疎なアライメントレイアウト上の補正可能コンポーネントに直交しないため、補正可能なコンポーネントおよび補正不能コンポーネントが少なくとも疎なグリッド上で線型独立である限り、斜投影行列を使用することで補正不能コンポーネントがブロックされうる。
【0104】
一実施形態では、疎なウェーハアライメントモデル結果が密なアライメントデータ(または密な未補正のオーバーレイデータ)に可能な限り合致するように、行列P(すなわち斜投影行列)が最適化される。例えば、行列Pが斜投影行列(例えば、各固有値が0または1である対角化可能行列)であるという制約の下で、行列Pにおける係数の値が決定される。一実施形態では、Pの係数の値が前述の差を累進的に低減する(例えば、一実施形態では最小化する)ように、以下のモデルを実行して最適化が反復的に実行される。
【数2】
【0105】
図6は、マークに関するアライメントモデル610を決定する方法600を示すフローチャートである。個々の基板に対する補正を施すために使用されうるアライメントモデルは、例えば図4および図5に関して前述したようにリソグラフィ装置によって適用される。一実施形態では、アライメントモデルを決定するためのプロセスが、ノイズが抑圧され、アライメントモデルのコンポーネント(例えば、補正可能および補正不能コンポーネント)の間のクロストークが実質的に低減されるように構築される。
【0106】
一実施形態では、アライメントモデルに関するクロストークは、補正可能および補正不能(例えば残余)コンポーネントの間の相関を指す。例えば、補正不能コンポーネント(例えばモデルの残余)は、パターニングプロセス(例えば、基板テーブル、フォーカス等)に対する不必要な調整を引き起こしうる、フィットモデル610の補正可能コンポーネントとして現れうる。
【0107】
方法600における手順P601は、(i)第1および第2測定データ602を取得することを含む。第1測定データは、比較的密なマークレイアウトと比べて密疎な(dense sparse)マークレイアウト(例えば、図8Bにおける810)に関し、第2測定データは、疎疎な(sparse sparse)マークレイアウト(例えば、図8Aにおける800)に関する。更に方法は、(ii)比較的密なマークレイアウトについてオブジェクトの変形を記述する第1フィットモデル604(例えば、前述の行列Mによって表される)を取得すること、および、(iii)フィッティング技術(好ましくは斜めフィッティング技術)を用いて、比較的疎なマークレイアウトについてオブジェクトの変形を記述する第2フィットモデルに基づいてアライメントモデルを決定すること、を含む。前述したように、比較的密なマークレイアウトは、比較的密なアライメントマークレイアウト603でもよいし、密なオーバーレイマークレイアウト605でもよい。
【0108】
前述のように、第1および第2測定データ602は、例えば、疎および密なレイアウトそれぞれのマークのX-Y位置、マークでの高さ(Z)、露光前後の偏差、オーバーレイ等を含む。図8Aは、32個のマークを含む基板801の疎なレイアウト800を例示する。疎なレイアウト800は、互いに比較的大きい間隔で配置されたマーク(例えば、800a、800b、800c、800d等)を含む。一実施形態では、疎なレイアウト800のマークの数が、例えばリソグラフィ装置のスループット要求によって制限される。典型的に、パターニングプロセスにおいて使用されるリソグラフィ装置は非常に高価であり、パターニングプロセスから利益を上げるためには時間当たりの十分な数のウェーハが露光されなければならない。例えば、最近の装置は、1時間当たり275枚より多いウェーハを露光できる。これは、実際には、利用可能な測定時間がウェーハ当たり数秒であることを意味する。従って、限られた数のマーク(約44個から65個のマーク)のみが測定可能である。換言すれば、疎なレイアウトは、ウェーハのフィールド当たり約1個のマークを含んでもよい。一実施形態では、疎なレイアウト800は、100個より少ないマーク(例えば、40個、44個、65個のマーク等)を含んでもよい。典型的に、データはオーバーフィッティング領域(例えば、モデルパラメータの数より十分に分散された測定)にある。しかし、疎なレイアウトにおけるマークの数は高い雑音抑圧を達成するために十分とはいえず、モデルコンポーネントの間にクロストークが存在する。このような課題を解決するために、本開示は、第1フィットモデル604と連携して第2フィットモデル610(疎なレイアウトに関する)を決定する。
【0109】
第1フィットモデル604は、比較的密なレイアウト603(または605)から取得される第2測定データに基づいてフィットされ、例えば基板変形をより正確に記述する。一実施形態では、第1フィットモデル604は、比較的密なアライメントマークレイアウト603または密なオーバーレイマークレイアウト605に関する履歴データに基づいてフィットされるモデルである。1024個のマークを含む密なマークレイアウト810の例が、図8Bに示されている。
【0110】
一実施形態では、第1フィットモデル604および第2フィットモデルが、本開示に従ってフィットされうる複数のパラメータを備える任意の数理モデルでよい。例えば、第2フィットモデル(および/または第1フィットモデル604)は、四つのパラメータ(4PAR)モデル、六つのパラメータ(6PAR)モデル、または単一モデル(例えば、前述のような基板モデル)といいうる二つ以上のモデルの組合せでよい。例えば、第2フィットモデル(および/または第1モデル604)は、二つのサブモデルの組合せでもよい。ここで、一つのサブモデルはパラメータ(例えば、四つのパラメータ)の第1セットを有し、他のサブモデルはパラメータ(例えば、六つのパラメータ)の第2セットを有する。本開示によれば、第2フィットモデルは、後述するように、斜投影データ(例えば、斜投影行列または斜投影演算子)と連携して、履歴データ(例えば、オーバーレイまたはアライメントデータ)に基づくモデルフィッティングを通じて決定されるモデルパラメータの値を有する。一実施形態では、斜投影データが、アライメントモデルをフィットするためのアライメントモデル(例えば、行列の形態で表される)と共に更に使用される行列の形態で表される。モデルフィッティングのための斜投影アプローチは、従来のモデルフィッティングアプローチに比べてより正確なフィットモデルを提供する。
【0111】
手順P603は、斜めフィッティング技術を通じて、比較的疎なマークレイアウト(例えば800)についてオブジェクトの変形を記述する第2フィットモデルに基づくアライメントモデル610の決定を伴う。一実施形態では、斜めフィッティング技術が、第1および第2測定データ602、第1フィットモデル604、および前述のような斜内積行列を用いる一般化最小二乗フィッティング(図7における手順P615に関して更に後述する)に基づいてもよい。他の実施形態では、斜めフィッティング技術が、前述のような斜投影行列を用いる斜投影最小二乗フィッティング(図7における手順P715に関して更に後述する)に基づいてもよい。
【0112】
一実施形態では、オブジェクトはパターニングプロセスのウェーハであり、アライメントモデルはウェーハアライメントモデルである。オブジェクト変形は、パターニングプロセスによって所望パターンが転写されるウェーハの表面の変形である。
【0113】
手順P603のフローチャート例は、図7に関して更に記述される。一実施形態では、斜内積行列の決定または斜投影行列の決定は、手順P611、P613およびP615が反復される反復的なプロセスでもよい。一実施形態では、更に後述するように、差が低減または最小化されるように係数が各反復において調整される。一実施形態では、差が最小化されると、第2フィットモデルはリソグラフィ用途に用いられうるアライメントモデルと見なされる。
【0114】
手順P611は、第1フィットモデル604および第1測定データを使用して、第1出力611(例えば、前述の第1フィットモデル604を使用して決定される補正可能な値y)を決定するステップを伴う。手順P613は、斜内積行列W、第2フィットモデル(例えば、行列Mによって表される)、第2測定データx、第1フィットモデル604(例えば、行列Mによって表される)を使用して、第2出力613(例えばx(W))を決定するステップを伴う。
【0115】
一実施形態では、手順P615が、第1出力および第2出力の差が低減されるように斜内積行列(例えばW)の係数615を決定することを伴う。一実施形態では、差が最小化されるまで反復が継続する。
【0116】
一実施形態では、第1および第2測定データは、アライメントマーク測位データおよび/またはオーバーレイ測位データを備え、斜内積行列Wの係数615を決定することは、以下の数理モデルを実行することを伴う。
【数3】
ここで、(a)Wは斜内積行列であり、(b)cは第2フィットモデルに関するWのフィット係数であり、(c)Mは疎なマークレイアウトに関する第2フィットモデルのモデル関数を構成し、(d)Mは密なマークレイアウトに関する第1フィットモデル604のモデル関数を構成し、(e)xは、第1フィットモデル604に関するM、第2測定データx、第2フィットモデルに関するWの係数に基づいて、密なマークレイアウト上で評価される第2出力613であり、(f)yは第1フィットモデル604および第1測定データyに基づく第1出力611である。
【0117】
一実施形態では、斜内積行列の決定の最初の反復では、斜内積行列の係数の初期値がランダムに(例えば、ガウス分布から)選択されてもよいし、第2出力を生成するためにユーザによって選択されてもよい。後続の反復では、第1出力および第2出力(の差)が低減されるように、斜内積行列の係数の現在値が変更される。
【0118】
一実施形態では、第1出力611および第2出力613の上記の差が最小化される。一実施形態では、第2測定データが、所定の公称位置データに対する疎なアライメントマークレイアウトの位置データおよび変位データを含む。第2測定データは、前述のアライメントセンサASを通じて測定されるアライメントデータまたはオーバーレイデータでもよい。同様のことが第1測定データにも当てはまる。従って、疎または密なマークレイアウトにおいて記述されるデータは、アライメントマーク測位データまたはオーバーレイ測位データを備えてもよい。
【0119】
前述のように、疎なマークレイアウト(例えば800)は、密なマークレイアウトより実質的に少数のマークを備える。例えば、疎なレイアウトは、65個以下のマークを備える。
【0120】
一実施形態では、斜めフィッティング技術が、斜投影行列を用いる斜投影最小二乗フィッティングに基づいてもよい。このため、手順P715は、斜投影行列の係数を決定するために使用されうる。
【0121】
例えば、手順P715は、第1出力711および第2出力713の差が低減されるように、斜投影行列の係数715を決定することを伴う。
【0122】
一実施形態では、斜投影行列の係数を決定するステップは、以下の数理モデルを実行することを伴う。ここで、xは第2測定データ(アライメントマークレイアウトまたはオーバーレイレイアウトに基づく)である。
【数4】
【0123】
上記の方程式において、(a)Pは斜投影行列であり、(b)cは第2フィットモデルに関する斜投影行列Pのフィット係数であり、(c)Mは疎なマークレイアウトに関するモデル関数を含み、(d)xは第2測定データであり、(e)Mは密なマークレイアウトに関する第1フィットモデル604のモデル関数を構成し、(f)yは第1フィットモデル604および測定データによって記述される第1出力711であり、(g)Mは、第2フィットモデル610に関するM、第2測定データx、第1フィットモデル604に関するMに基づいて計算され、第1測定データ上で評価される第2出力711を表す。特に、cは、上記の方程式において記述される第2フィットモデルのM、第2測定データxを使用して決定される。
【0124】
一実施形態では、第1出力711および第2出力713の上記の差が最小化される。一実施形態では、第2測定データが、所定の公称位置データに対する疎なアライメントマークレイアウトの位置データおよび変位データを含む。第2測定データは、前述のアライメントセンサASを通じて測定されるアライメントデータまたはオーバーレイデータでもよい。同様のことが第1測定データにも当てはまる。
【0125】
前述のように、疎なマークレイアウト(例えば800)は、密なマークレイアウトより実質的に少数のマークを備える。例えば、疎なレイアウトは、65個以下のマークを備える。
【0126】
更に、一実施形態では、前述のように、アライメントモデルが、密なオーバーレイデータ、すなわちオーバーレイ測位データを使用して決定されてもよい。このように、アライメントマークレイアウトに関するフィットモデルを決定するための他の方法(例えば、方法600と同様の方法)が提供される。この方法は、比較的密なオーバーレイマークレイアウト605と比べて比較的疎なアライメントマークレイアウトに関する測定データ(例えば、602)、および、比較的密なオーバーレイマークレイアウトについてオブジェクトの変形を記述する第1アライメントモデル604を取得することを伴う。
【0127】
更に、方法は、斜めフィッティング技術を用いて、比較的疎なアライメントマークレイアウトについてオブジェクトの変形を記述する第2フィットモデルに基づいてアライメントモデルを決定することを伴う。フィッティング技術は、前述のように、斜内積行列を用いる一般化最小二乗フィッティング、または、斜投影行列を用いる斜投影最小二乗フィッティングである。
【0128】
モデルフィッティングプロセスの後、フィットモデル(例えば、モデル行列)と共に使用される斜投影データ(例えば、斜投影行列として表される)は、疎なレイアウトについてのフィットモデルに関するノイズおよびクロストークコンポーネント(例えば、補正可能および補正不能コンポーネントの間)を抑圧できる。例えば、アライメントモデルのコンポーネントは、補正可能コンポーネント(例えば、アライメントモデルを通じて決定される基板またはプロセス補正)および補正不能コンポーネント(例えば、アライメントモデルの残余)を含む。残余は観測データおよびモデル予測の差である。
【0129】
モデルがデータ(例えば、モデルフィッティングのために使用される過去のアライメントまたはオーバーレイデータ)を正確に記述する場合、残余(例えば、図9Aおよび9Bにおける残余913および943)は無視可能または零である。無視可能または零の残余は、モデルが基板に関して正確な予測(例えば、基板変形について)を行っており、基板全体に対する補正が決定されうることを示すため、極めて望ましい。しかし、残余が基板の縁等に関して存在する場合、モデル予測は正確でなく、基板の縁における補正(例えば、リソグラフィ装置の基板テーブル調整、フォーカス調整等)が決定されないことを示す。図9Aおよび9Bは、異なるアライメントモデルにおける補正可能コンポーネントおよび残余の例を示す。
【0130】
図9Aおよび9Bは、密なレイアウトおよび疎なレイアウトからの測定データを使用してフィットされる異なるモデルの結果の例を示す。図9Aには、細かいウェーハグリッドに関するアライメントモデルを実行した結果が示される。一実施形態では、モデル出力901は、補正可能コンポーネント902(または形状)および補正不能コンポーネント903(または形状)に分解される基板の変形(または形状)を表す。モデルは、903において有意な残余値を有する。
【0131】
一実施形態では、密なレイアウトデータ上の高次ウェーハモデルの結果が示される。例えば、モデル出力911は、補正可能コンポーネント912(または形状)および補正不能コンポーネント913(または形状)に分解される基板の変形(または形状)を表す。ここで、高次モデルおよび密な測定データによれば、残余が無視可能なフィットが提供される。例えば、図示の例では、XおよびYにおける平均残余値が、それぞれ0.323nmおよび0.313nmである。
【0132】
図9Bを参照して、従来の方法および疎なレイアウトデータを使用してフィットされる高次ウェーハモデルは図示の結果を提供する。例えば、モデル出力921は、補正可能コンポーネント922(または形状)および補正不能コンポーネント923(または形状)に分解される基板の変形(または形状)を表す。ここで、疎なレイアウトデータを使用した結果、残余は無視できない。例えば、933(923)に示されるように、縁に沿う残余が基板の中央部分に比べて極めて大きい。このように、疎なレイアウト上でフィットされる高次ウェーハモデルは、基板変形の正確な予測を提供しない。
【0133】
一実施形態では、WAMM方法(前述)および疎なレイアウトデータを使用する高次ウェーハモデルが、図示の結果を提供する。例えば、モデル出力931は、補正可能コンポーネント932(または形状)および補正不能コンポーネント933(または形状)に分解される基板の変形(または形状)を表す。ここで、疎なレイアウトデータを使用した結果、残余は縁において無視できないが中央では無視できる。このように、従来の方法およびWAMMに基づく方法でフィットされる高次モデルの結果921および931は実質的に異なる。特に、WAMMに基づくモデルの残余933は、ウェーハの縁における残余を除いて、実質的に残余923より小さい。
【0134】
前述の方法(例えば、方法600および700)に従って決定されるアライメントモデルは、上記の結果911、921、931に比べて格段に優れた結果941を提供する。例えば、アライメントモデルは、疎なデータを使用してフィットされた場合でも、基板全体に亘って無視可能または零の残余943を提供する。例えば、残余913、923、933と異なり、残余943は基板の縁でも無視できる。このように、方法600および700に従って決定されるアライメントモデルは、他の方法より正確で有利である。
【0135】
一実施形態によれば、本発明の方法の任意の実施形態によって取得されるアライメントモデルは、図5において前述したようなリソグラフィ装置LAの制御に更に利用できる。例えば、アライメントモデルは、パターニングプロセスにおいてリソグラフィ装置を制御するためのプロセスモデルPMと連携する基板モデルSMである。
【0136】
一実施形態によれば、アライメントモデルは、計測ツールのためのサンプリングの決定に更に利用できる。アライメントモデルが基板変形を正確に決定できるため、モデルの実行結果は、測定されるウェーハ上の位置を正確に決定するために使用されうる変形情報を提供する。
【0137】
用語「値」は、数字、シンボル、文字等のデータを意味しうる。
【0138】
一実施形態では、用語「最適化」は、結果および/またはプロセスが、基板上へのデザインレイアウトの投影のより高い正確性、より大きいプロセスウィンドウ等のより望ましい特性を備えるように、パターニング装置(例えばリソグラフィ装置)、パターニングプロセス等を調整することを指す。従って、用語「最適化」は、一または複数のパラメータに対する一または複数の初期値の組に比べて、少なくとも一つの重要なメトリックにおける局所最適条件等の向上をもたらす、一または複数のパラメータに対する一または複数の値を特定するプロセスを指す。「最適条件」および他の関連する用語も同様に解釈される。一実施形態では、一または複数のメトリックにおける更なる向上をもたらすために、最適化ステップが反復的に適用されうる。
【0139】
開示された概念は、サブ波長フィーチャの結像のための任意の包括的な結像システムのシミュレーションまたは数理モデル化に利用でき、ますます短い波長を生成できる最新の結像技術に特に有用である。既に使用されている最新技術は、ArFレーザの使用による193nmの波長や、フッ素レーザの使用による157nmの波長を生成できるEUV(極端紫外線)、DUVリソグラフィを含む。更に、EUVリソグラフィは、シンクロトロンを使用することによって、または、所望範囲内(20-5nm)の光子を生成するために高エネルギー電子を材料(固体またはプラズマ)に衝突させることによって、20-5nmの範囲内の波長を生成できる。
【0140】
開示された概念はシリコンウェーハ等の基板上の結像に使用されうるが、開示された概念は例えばシリコンウェーハ以外の基板上の結像に使用される任意のタイプのリソグラフィ結像システムにも使用されうる。
【0141】
リソグラフィ装置の用途に関してICの製造に具体的に言及したが、リソグラフィ装置は他の用途に用いてもよいと理解されるべきである。このような他の用途は、集積光学システム、磁気ドメインメモリのためのガイダンスおよび検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド等の製造を含む。
【0142】
発明の実施形態においてリソグラフィ装置に具体的に言及したが、発明の実施形態は他の装置にも使用されうる。発明の実施形態は、マスク検査装置、計測装置、またはウェーハ(または他の基板)またはマスク(または他のパターニングデバイス)等のオブジェクトを測定または処理する任意の装置の一部を構成してもよい。これらの装置は、一般的にリソグラフィツールとも呼ばれる。このようなリソグラフィツールは、真空条件または大気(非真空)条件を使用しうる。
【0143】
発明の実施形態の用途に関して光学リソグラフィに具体的に言及したが、本発明は文脈が許す限り光学リソグラフィに限定されず、インプリントリソグラフィ等の他の用途にも使用されうる。
【0144】
文脈が許す限り、発明の実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはこれらの任意の組合せにおいて実現されうる。発明の実施形態は、一または複数のプロセッサによって読み取られて実行される、機械読取可能媒体上に保存される命令として実現されてもよい。機械読取可能媒体は、機械(例えば、演算デバイス)が読み取り可能な態様で情報を保存および送信するための任意の機構を含んでもよい。例えば、機械読取可能媒体は、電気、光、音声または他の形態の伝送信号(例えば搬送波、赤外線信号、デジタル信号等)を扱う読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気記録媒体、光学記録媒体、フラッシュメモリデバイス等を含んでもよい。更に、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令は、特定のアクションを実行するものとして記述されてもよい。しかし、このような記述は単に便宜上のものであり、実際にはファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令等を実行する演算デバイス、プロセッサ、コントローラ、または他のデバイスがこのようなアクションを実行し、必要に応じてアクチュエータまたは他のデバイスに物理的世界との相互作用を引き起こさせる。
【0145】
発明の実施形態を具体的に記述したが、本発明はこれまでの記述と異なる態様で実施されてもよい。これまでの記述は例示を目的としており、本発明を限定する趣旨ではない。従って、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で、記述された発明を変更できることは当業者にとって自明である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B