(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-14
(45)【発行日】2023-04-24
(54)【発明の名称】新規農薬殺有害生物剤組成物
(51)【国際特許分類】
A01N 25/00 20060101AFI20230417BHJP
A01N 37/46 20060101ALI20230417BHJP
A01N 43/56 20060101ALI20230417BHJP
A01N 47/24 20060101ALI20230417BHJP
A01N 25/04 20060101ALI20230417BHJP
A01P 1/00 20060101ALI20230417BHJP
A01P 3/00 20060101ALI20230417BHJP
A01P 7/00 20060101ALI20230417BHJP
A01P 13/00 20060101ALI20230417BHJP
【FI】
A01N25/00 101
A01N37/46
A01N43/56 C
A01N47/24 G
A01N25/04 102
A01P1/00
A01P3/00
A01P7/00
A01P13/00
(21)【出願番号】P 2020519974
(86)(22)【出願日】2018-10-01
(86)【国際出願番号】 EP2018076555
(87)【国際公開番号】W WO2019072602
(87)【国際公開日】2019-04-18
【審査請求日】2021-09-30
(32)【優先日】2017-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュウ,ウェン
(72)【発明者】
【氏名】ディークマン,イヴォンヌ
(72)【発明者】
【氏名】レヴィ,アントワーヌ
(72)【発明者】
【氏名】ベントン,カラ ウォールデン
(72)【発明者】
【氏名】シュナイダー,カール-ハインリッヒ
【審査官】三須 大樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-265250(JP,A)
【文献】特開2011-057614(JP,A)
【文献】国際公開第92/001377(WO,A1)
【文献】特表2014-508099(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N
A01P
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)殺有害生物剤、
b)増粘剤T、
c)少なくとも150,000Daの平均分子質量Mwを有する(メタ)アクリル酸のホモポリマー又はコポリマーである、ポリマーP
を含み、
懸濁液濃縮物(SC)組成物であ
り、
増粘剤Tが、アタパルジャイト粘土又は親水性フュームドシリカである、農薬組成物。
【請求項2】
前記ポリマーPが、アクリル酸又はその塩のホモポリマー又はコポリマーである、請求項
1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ポリマーPが、少なくとも200,000Daの平均分子質量Mwを有する、請求項1~
2のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項4】
前記ポリマーPが、アクリル酸及びその塩のホモポリマーである、請求項1~
3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記ポリマーPが、アクリル酸及びその塩のコポリマーである、請求項1~
3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
d)肥料F
をさらに含む、請求項1~
5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
有害生物を防除するための、請求項1~
6のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項8】
植物病原性菌類及び/又は望ましくない植物生長及び/又は望ましくない昆虫若しくはダニの攻撃を防除する、及び/又は植物の生長を調節する方法であって、請求項1~
6のいずれか一項に記載の組成物を、各有害生物、それらの環境、又は各有害生物から保護すべき作物植物に、土壌に、及び/又は望ましくない植物に、及び/又は作物植物に、及び/又はそれらの環境に作用させる、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
a)殺有害生物剤、
b)増粘剤T、
c)少なくとも150,000Daの平均分子質量Mwを有する(メタ)アクリル酸のホモポリマー又はコポリマーである、ポリマーP
を含む、農薬組成物を対象とする。
【背景技術】
【0002】
広範囲の農薬組成物及び組成物添加物が公知である。農薬組成物の1つの課題は、とりわけ高濃度の塩の存在下における、それらの貯蔵安定性である。
【0003】
US 8,937,054は、とりわけビフェントリン(bifentrin)、ポリ(メタ)アクリル酸ポリマー及び特定の粘土を含む組成物を開示する。
【0004】
US 2016/0185680は、疎水変性ポリアクリレートを含む殺虫剤組成物を開示する。
【0005】
US 2012/0040827は、農薬活性物質と、AMPSを含む分散性ポリマーとを含む、農薬組成物を開示する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
高い貯蔵安定性を有する農薬組成物に対する継続的な必要性がある。したがって、本発明の目的は、改善された貯蔵安定性を有する農薬組成物を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、
a)殺有害生物剤、
b)増粘剤T、
c)少なくとも150,000Daの平均分子質量Mwを有する(メタ)アクリル酸のホモポリマー又はコポリマーである、ポリマーP
を含む、農薬組成物によって達成された。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書で言及されるポリマーの平均モル質量Mwは、実験セクションで示される手順に従って、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって決定される。
【0009】
用語「殺有害生物剤」は、1種以上の殺有害生物剤が、前記農薬組成物中に含まれ得ることを意味することが理解されるものとする。
【0010】
殺有害生物剤という用語は、殺菌剤、殺虫剤、殺線虫剤、除草剤、毒性緩和剤、バイオ殺有害生物剤及び/又は生長調節剤からなる群から選択される少なくとも1つの活性物質を指す。好ましくは、殺有害生物剤という用語は、殺菌剤、殺虫剤、殺線虫剤、除草剤、毒性緩和剤及び/又は生長調節剤からなる群から選択される少なくとも1つの活性物質を指す。好ましい殺有害生物剤は、殺菌剤、殺虫剤、除草剤及び生長調節剤である。一実施形態では、殺有害生物剤は、殺虫剤である。別の実施形態では、殺有害生物剤は、殺菌剤である。なお別の実施形態では、殺有害生物剤は、除草剤である。上記クラスの2つ以上からの殺有害生物剤の混合物を使用してもよい。
【0011】
当業者は、そのような殺有害生物剤に精通しており、そのような殺有害生物剤は、例えば、the Pesticide Manual, 16th Ed. (2013), The British Crop Protection Council, Londonに見出すことができる。適切な殺虫剤は、カルバメート系、有機ホスフェート系、有機塩素殺虫剤、フェニルピラゾール系、ピレスロイド系、ネオニコチノイド系、スピノシン系、アベルメクチン系、ミルベマイシン系、幼若ホルモン類似体、ハロゲン化アルキル系、有機スズ化合物、ネライストキシン類似体、ベンゾイル尿素系、ジアシルヒドラジン系、METI殺ダニ剤のクラスからの殺虫剤であり、及びクロロピクリン(chloropicrin)、ピメトロジン(pymetrozin)、フロニカミド(flonicamid)、クロフェンテジン(clofentezin)、ヘキシチアゾクス(hexythiazox)、エトキサゾール(etoxazole)、ジアフェンチウロン(diafenthiuron)、プロパルギット(propargite)、テトラジホン(tetradifon)、クロロフェナピル(chlorofenapyr)、DNOC、ブプロフェジン(buprofezine)、シロマジン(cyromazine)、アミトラズ(amitraz)、ヒドラメチルノン(hydramethylnon)、アセキノシル(acequinocyl)、フルアクリピリム(fluacrypyrim)、ロテノン(rotenone)、又はそれらの誘導体などの殺虫剤である。適切な殺菌剤は、ジニトロアニリン系、アリルアミン系、アニリノピリミジン系、抗生物質、芳香族炭化水素、ベンゼンスルホンアミド系、ベンゾイミダゾール系、ベンゾイソチアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾチアジアゾール系、ベンゾトリアジン系、ベンジルカルバメート系、カルバメート系、カルボキサミド系、カルボン酸ジアミド系、クロロニトリル系、シアノアセトアミドオキシム系、シアノイミダゾール系、シクロプロパンカルボキサミド系、ジカルボキシミド系、ジヒドロジオキサジン系、ジニトロフェニルクロトネート系、ジチオカルバメート系、ジチオラン系、エチルホスホネート系、エチルアミノチアゾールカルボキサミド系、グアニジン系、ヒドロキシ-(2-アミノ)ピリミジン系、ヒドロキシアニリド系、イミダゾール系、イミダゾリノン系、無機物質、イソベンゾフラノン系、メトキシアクリレート系、メトキシカルバメート系、モルホリン系、N-フェニルカルバメート系、オキサゾリジンジオン系、オキシミノアセテート系、オキシミノアセトアミド系、ペプチジルピリミジンヌクレオシド系、フェニルアセトアミド系、フェニルアミド系、フェニルピロール系、フェニル尿素系、ホスホネート系、ホスホロチオレート系、フタラミン酸系、フタルイミド系、ピペラジン系、ピペリジン系、プロピオンアミド系、ピリダジノン系、ピリジン系、ピリジニルメチルベンズアミド系、ピリミジンアミン系、ピリミジン系、ピリミジノンヒドラゾン系、ピロロキノリノン系、キナゾリノン系、キノリン系、キノン系、スルファミド系、スルファモイルトリアゾール系、チアゾールカルボキサミド系、チオカルバメート系、チオファネート系、チオフェンカルボキサミド系、トルアミド系、トリフェニルスズ化合物、トリアジン系、トリアゾール系のクラスからの殺菌剤である。適切な除草剤は、アセトアミド系、アミド系、アリールオキシフェノキシプロピオネート系、ベンズアミド系、ベンゾフラン、安息香酸系、ベンゾチアジアジノン系、ビピリジリウム、カルバメート系、クロロアセトアミド系、クロロカルボン酸系、シクロヘキサンジオン系、ジニトロアニリン系、ジニトロフェノール、ジフェニルエーテル、グリシン系、イミダゾリノン系、イソオキサゾール系、イソオキサゾリジノン系、ニトリル系、N-フェニルフタルイミド系、オキサジアゾール系、オキサゾリジンジオン系、オキシアセトアミド系、フェノキシカルボン酸系、フェニルカルバメート系、フェニルピラゾール系、フェニルピラゾリン系、フェニルピリダジン系、ホスフィン酸系、ホスホロアミデート系、ホスホロジチオエート系、フタラメート系、ピラゾール系、ピリダジノン系、ピリジン系、ピリジンカルボン酸系、ピリジンカルボキサミド系、ピリミジンジオン系、ピリミジニル(チオ)ベンゾエート系、キノリンカルボン酸系、セミカルバゾン系、スルホニルアミノカルボニルトリアゾリノン系、スルホニル尿素系、テトラゾリノン系、チアジアゾール系、チオカルバメート系、トリアジン系、トリアジノン系、トリアゾール系、トリアゾリノン系、トリアゾロカルボキサミド系、トリアゾロピリミジン系、トリケトン系、ウラシル系、尿素系のクラスからの除草剤である。
【0012】
適切な殺有害生物剤としては、例として、以下が挙げられる(殺有害生物剤A)からK)は、殺菌剤である):
【0013】
A)呼吸阻害剤
- Qo部位における複合体III阻害剤(例えば、ストロビルリン系): アゾキシストロビン(azoxystrobin)、コウメトキシストロビン(coumethoxystrobin)、コウモキシストロビン(coumoxystrobin)、ジモキシストロビン(dimoxystrobin)、エネストロブリン(enestroburin)、フェナミンストロビン(fenaminstrobin)、フェノキシストロビン(fenoxystrobin)/フルフェノキシストロビン(flufenoxystrobin)、フルオキサストロビン(fluoxastrobin)、クレソキシム-メチル(kresoxim-methyl)、メトミノストロビン(metominostrobin)、オリサストロビン(orysastrobin)、ピコキシストロビン(picoxystrobin)、ピラクロストロビン(pyraclostrobin)、ピラメトストロビン(pyrametostrobin)、ピラオキシストロビン(pyraoxystrobin)、トリフロキシストロビン(trifloxystrobin)、2-[2-(2,5-ジメチルフェニルオキシメチル)フェニル]-3-メトキシアクリル酸メチル、2-(2-(3-(2,6-ジクロロフェニル)-1-メチルアリリデンアミノオキシメチル)フェニル)-2-メトキシイミノ-N-メチルアセトアミド、ピリベンカルブ(pyribencarb)、トリクロピリカルブ(triclopyricarb)/クロロジンカルブ(chlorodincarb)、ファモキサドン(famoxadon)、フェンアミドン(fenamidon);
【0014】
- Qi部位における複合体III阻害剤: シアゾファミド(cyazofamid)、アミスルブロム(amisulbrom);
【0015】
- 複合体II阻害剤(例えば、カルボキサミド系): ベノダニル(benodanil)、ビキサフェン(bixafen)、ボスカリド(boscalid)、カルボキシン(carboxin)、フェンフラム(fenfuram)、フルオピラム(fluopyram)、フルトラニル(flutolanil)、フルキサピロキサド(fluxapyroxad)、フラメトピル(furametpyr)、イソピラザム(isopyrazam)、メプロニル(mepronil)、オキシカルボキシン(oxycarboxin)、ペンフルフェン(penflufen)、ペンチオピラド(penthiopyrad)、セダキサン(sedaxane)、テクロフタラム(tecloftalam)、チフルザミド(thifluzamide)、N-(4'-トリフルオロメチルチオビフェニル-2-イル)-3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、N-(2-(1,3,3-トリメチルブチル)フェニル)-1,3-ジメチル-5-フルオロ-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド及びN-[9-(ジクロロメチレン)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1,4-メタノナフタレン-5-イル]-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド;
【0016】
- 他の呼吸阻害剤(例えば、複合体I、脱共役剤): ジフルメトリム(diflumetorim); ニトロフェニル誘導体: ビナパクリル(binapacryl)、ジノブトン(dinobuton)、ジノカップ(dinocap)、フルアジナム(fluazinam); フェリムゾン(ferimzone); 有機金属化合物: フェンチン塩、例えば、フェンチンアセテート、フェンチンクロリド又はフェンチンヒドロキシド; アメトクトラジン(ametoctradin); 及びシルチオファム(silthiofam);
【0017】
B)ステロール生合成阻害剤(SBI殺菌剤)
- C14-デメチラーゼ阻害剤(DMI殺菌剤): トリアゾール系: アザコナゾール(azaconazole)、ビテルタノール(bitertanol)、ブロムコナゾール(bromuconazole)、シプロコナゾール(cyproconazole)、ジフェノコナゾール(difenoconazole)、ジニコナゾール(diniconazole)、ジニコナゾール-M(diniconazole-M)、エポキシコナゾール(epoxiconazole)、フェンブコナゾール(fenbuconazole)、フルキンコナゾール(fluquinconazole)、フルシラゾール(flusilazole)、フルトリアホール(flutriafol)、ヘキサコナゾール(hexaconazole)、イミベンコナゾール(imibenconazole)、イプコナゾール(ipconazole)、メトコナゾール(metconazole)、ミクロブタニル(myclobutanil)、オキスポコナゾール(oxpoconazole)、パクロブトラゾール(paclobutrazole)、ペンコナゾール(penconazole)、プロピコナゾール(propiconazole)、プロチオコナゾール(prothioconazole)、シメコナゾール(simeconazole)、テブコナゾール(tebuconazole)、テトラコナゾール(tetraconazole)、トリアジメホン(triadimefon)、トリアジメノール(triadimenol)、トリチコナゾール(triticonazole)、ウニコナゾール(uniconazole); イミダゾール系: イマザリル(imazalil)、ペフラゾエート(pefurazoate)、プロクロラズ(prochloraz)、メフェントリフルコナゾール(mefentrifluconazol)、トリフルミゾール(triflumizole); ピリミジン系、ピリジン系及びピペラジン系: フェナリモル(fenarimol)、ヌアリモル(nuarimol)、ピリフェノックス(pyrifenox)、トリホリン(triforine);
【0018】
- デルタ14-レダクターゼ阻害剤: アルジモルフ(aldimorph)、ドデモルフ(dodemorph)、ドデモルフアセテート(dodemorph acetate)、フェンプロピモルフ(fenpropimorph)、トリデモルフ(tridemorph)、フェンプロピジン(fenpropidin)、ピペラリン(piperalin)、スピロキサミン(spiroxamine);
【0019】
- 3-ケトレダクターゼ阻害剤: フェンヘキサミド(fenhexamid);
【0020】
C)核酸合成阻害剤
- フェニルアミド系又はアシルアミノ酸殺菌剤: ベナラキシル(benalaxyl)、ベナラキシル-m(benalaxyl-m)、キララキシル(kiralaxyl)、メタラキシル(metalaxyl)、メタラキシル-M(metalaxyl-M)(メフェノキサム(mefenoxam))、オフレース(ofurace)、オキサジキシル(oxadixyl);
【0021】
- その他: ヒメキサゾール(hymexazole)、オクチリノン(octhilinone)、オキソリン酸、ブピリメート(bupirimate);
【0022】
D)細胞分裂及び細胞骨格阻害剤
- チューブリン阻害剤、例えば、ベンゾイミダゾール系、チオファネート系: ベノミル(benomyl)、カルベンダジム(carbendazim)、フベリダゾール(fuberidazole)、チアベンダゾール(thiabendazole)、チオファネート-メチル(thiophanate-methyl); トリアゾロピリミジン系: 5-クロロ-7-(4-メチルピペリジン-1-イル)-6-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン;
【0023】
- さらなる細胞分裂阻害剤: ジエトフェンカルブ(diethofencarb)、エタボキサム(ethaboxam)、ペンシクロン(pencycuron)、フルオピコリド(fluopicolid)、ゾキサミド(zoxamid)、メトラフェノン(metrafenon)、ピリオフェノン(pyriofenon);
【0024】
E)アミノ酸合成及びタンパク質合成阻害剤
- メチオニン合成阻害剤(アニリノピリミジン系): シプロジニル(cyprodinil)、メパニピリム(mepanipyrim)、ピリメタニル(pyrimethanil);
【0025】
- タンパク質合成阻害剤: ブラストサイジン-S(blasticidin-S)、カスガマイシン(kasugamycin)、カスガマイシン塩酸塩水和物(kasugamycin hydrochloride hydrate)、ミルジオマイシン(mildiomycin)、ストレプトマイシン(streptomycin)、オキシテトラサイクリン(oxytetracyclin)、ポリオキシン(polyoxin)、バリダマイシンA(validamycin A);
【0026】
F)シグナル伝達阻害剤
- MAP/ヒスチジンキナーゼ阻害剤: フルオルイミド(fluoroimide)、イプロジオン(iprodione)、プロシミドン(procymidone)、ビンクロゾリン(vinclozolin)、フェンピクロニル(fenpiclonil)、フルジオキソニル(fludioxonil);
【0027】
- G-タンパク質阻害剤: キノキシフェン(quinoxyfen);
【0028】
G)脂質及び膜合成阻害剤
- リン脂質生合成阻害剤: エディフェンホス(edifenphos)、イプロベンホス(iprobenfos)、ピラゾホス(pyrazophos)、イソプロチオラン(isoprothiolane);
【0029】
- 脂質過酸化: ジクロラン(dicloran)、キントゼン(quintozene)、テクナゼン(tecnazene)、トルクロホス-メチル(tolclofos-methyl)、ビフェニル(biphenyl)、クロロネブ(chloroneb)、エトリジアゾール(etridiazole);
【0030】
- リン脂質生合成及び細胞壁付着: ジメトモルフ(dimethomorph)、フルモルフ(flumorph)、マンジプロパミド(mandipropamid)、ピリモルフ(pyrimorph)、ベンチアバリカルブ(benthiavalicarb)、イプロバリカルブ(iprovalicarb)、バリフェナレート(valifenalate)及び4-フルオロフェニルN-(1-(1-(4-シアノフェニル)エタンスルホニル)ブタ-2-イル)カルバメート;
【0031】
- 細胞膜浸透性及び脂肪酸に作用する化合物: プロパモカルブ(propamocarb)、プロパモカルブ塩酸塩(propamocarb hydrochloride)
【0032】
H)「多部位」阻害剤
- 無機活性物質: ボルドー混合液、酢酸銅、水酸化銅、オキシ塩化銅、塩基性硫酸銅、硫黄;
【0033】
- チオ-及びジチオカルバメート系: ファーバム(ferbam)、マンコゼブ(mancozeb)、マンネブ(maneb)、メタム(metam)、メチラム(metiram)、プロピネブ(propineb)、チラム(thiram)、ジネブ(zineb)、ジラム(ziram);
【0034】
- 有機塩素化合物(例えば、フタルイミド系、スルファミド系、クロロニトリル系): アニラジン(anilazine)、クロロタロニル(chlorothalonil)、カプタホール(captafol)、キャプタン(captan)、フォルペット(folpet)、ジクロフルアニド(dichlofluanid)、ジクロロフェン(dichlorophen)、フルスルファミド(flusulfamide)、ヘキサクロロベンゼン、ペンタクロロフェノール及びその塩、フタリド(phthalid)、トリルフルアニド(tolylfluanid)、N-(4-クロロ-2-ニトロフェニル)-N-エチル-4-メチルベンゼンスルホンアミド;
【0035】
- グアニジン系及びその他: グアニジン、ドジン(dodine)、ドジン-遊離塩基(dodine-free base)、グアザチン(guazatin)、グアザチンアセテート(guazatin acetate)、イミノクタジン(iminoctadin)、イミノクタジントリアセテート(iminoctadin triacetate)、イミノクタジントリス(アルベシレート)(iminoctadin tris(albesilate))、ジチアノン(dithianon);
【0036】
I)細胞壁生合成阻害剤
- グルカン合成阻害剤: バリダマイシン(validamycin)、ポリオキシンB(polyoxin B); メラニン合成阻害剤: ピロキロン(pyroquilon)、トリシクラゾール(tricyclazole)、カルプロパミド(carpropamid)、ジシクロメット(dicyclomet)、フェノキサニル(fenoxanil);
【0037】
J)抵抗性誘導剤
- アシベンゾラル-S-メチル(acibenzolar-S-methyl)、プロベナゾール(probenazol)、イソチアニル(isotianil)、チアジニル(tiadinil)、プロヘキサジオン-カルシウム(prohexadione-calcium); ホスホネート系: ホセチル(fosetyl)、ホセチル-アルミニウム(fosetyl-aluminum)、亜リン酸及びその塩;
【0038】
K)作用機序不明のもの
- キノメチオネート(quinomethionate)、シフルフェナミド(cyflufenamid)、シモキサニル(cymoxanil)、ダゾメット(dazomet)、デバカルブ(debacarb)、ジクロメジン(diclomezin)、ジフェンゾコート(difenzoquat)、ジフェンゾコート-メチル硫酸塩(difenzoquat-methyl sulfate)、ジフェニルアミン(diphenylamine)、フェンピラザミン(fenpyrazamine)、フルメトベル(flumetover)、フルスルファミド(flusulfamid)、フルチアニル(flutianil)、メタスルホカルブ(methasulfocarb)、ニトラピリン(nitrapyrin)、ニトロタール-イソプロピル(nitrothal-isopropyl)、オキシン-銅(oxine-copper)、プロキナジド(proquinazid)、テブフロキン(tebufloquin)、テクロフタラム(tecloftalam)、トリアゾキシド(triazoxide)、2-ブトキシ-6-ヨード-3-プロピルクロメン-4-オン、N-(シクロプロピルメトキシイミノ-(6-ジフルオロメトキシ-2,3-ジフルオロフェニル)メチル)-2-フェニルアセトアミド、N'-(4-(4-クロロ-3-トリフルオロメチルフェノキシ)-2,5-ジメチルフェニル)-N-エチル-N-メチルホルムアミジン、N'-(4-(4-フルオロ-3-トリフルオロメチルフェノキシ)-2,5-ジメチルフェニル)-N-エチル-N-メチルホルムアミジン、N'-(2-メチル-5-トリフルオロメチル-4-(3-トリメチルシラニルプロポキシ)フェニル)-N-エチル-N-メチルホルムアミジン、N'-(5-ジフルオロメチル-2-メチル-4-(3-トリメチルシラニルプロポキシ)フェニル)-N-エチル-N-メチルホルムアミジン、N-メチル-(1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル)-2-{1-[2-(5-メチル-3-トリフルオロメチルピラゾール-1-イル)アセチル]ピペリジン-4-イル}チアゾール-4-カルボキサミド、N-メチル-(R)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル2-{1-[2-(5-メチル-3-トリフルオロメチルピラゾール-1-イル)アセチル]ピペリジン-4-イル}チアゾール-4-カルボキサミド、1-[4-[4-[5-(2,6-ジフルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-3-イソオキサゾリル]-2-チアゾリル]-1-ピペリジニル]-2-[5-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]エタノン、6-tert.-ブチル-8-フルオロ-2,3-ジメチルキノリン-4-イルメトキシアセテート、N-メチル-2-{1-[(5-メチル-3-トリフルオロメチル-1H-ピラゾール-1-イル)アセチル]ピペリジン-4-イル}-N-[(1R)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-イル]-4-チアゾールカルボキサミド、3-[5-(4-メチルフェニル)-2,3-ジメチルイソオキサゾリジン-3-イル]-ピリジン、3-[5-(4-クロロフェニル)-2,3-ジメチルイソオキサゾリジン-3-イル]-ピリジン(ピリソキサゾール(pyrisoxazol))、N-(6-メトキシピリジン-3-イル)シクロプロパンカルボキサミド、5-クロロ-1-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール、2-(4-クロロフェニル)-N-[4-(3,4-ジメトキシフェニル)イソオキサゾール-5-イル]-2-プロパ-2-イニルオキシアセトアミド;
【0039】
M)生長調節剤
- アブシジン酸、アミドクロル(amidochlor)、アンシミドール(ancymidole)、6-ベンジルアミノプリン(6-benzylaminopurine)、ブラシノリド(brassinolide)、ブトラリン(butralin)、クロルメコート(chlormequat)(クロルメコートクロリド(chlormequat chloride))、コリンクロリド(choline chloride)、シクラニリド(cyclanilid)、ダミノジド(daminozide)、ジケグラック(dikegulac)、ジメチピン(dimethipin)、2,6-ジメチルプリジン(2,6-dimethylpuridine)、エテホン(ethephon)、フルメトラリン(flumetralin)、フルルプリミドール(flurprimidol)、フルチアセット(fluthiacet)、ホルクロルフェニュロン(forchlorfenuron)、ジベレリン酸、イナベンフィド(inabenfid)、インドール-3-酢酸、マレイン酸ヒドラジド、メフルイジド(mefluidid)、メピコート(mepiquat)(メピコートクロリド(mepiquat chloride))、メトコナゾール(metconazole)、ナフタレン酢酸、N-6-ベンジルアデニン、パクロブトラゾール(paclobutrazole)、プロヘキサジオン(prohexadione)(プロヘキサジオン-カルシウム(prohexadione-calcium))、プロヒドロジャスモン(prohydrojasmone)、チジアズロン(thidiazuron)、トリアペンテノール(triapenthenol)、トリブチルホスホロトリチオエート(tributylphosphorotrithioate)、2,3,5-トリヨード安息香酸、トリネキサパック-エチル(trinexapac-ethyl)及びウニコナゾール(uniconazole);
【0040】
N)除草剤
- アセトアミド系: アセトクロール(acetochlor)、アラクロール(alachlor)、ブタクロール(butachlor)、ジメタクロール(dimethachlor)、ジメテナミド(dimethenamid)、フルフェナセット(flufenacet)、メフェナセット(mefenacet)、メトラクロール(metolachlor)、メタザクロール(metazachlor)、ナプロパミド(napropamid)、ナプロアニリド(naproanilid)、ペトキサミド(pethoxamid)、プレチラクロール(pretilachlor)、プロパクロール(propachlor)、テニルクロール(thenylchlor);
【0041】
- アミノ酸類似体: ビラナホス(bilanafos)、グリホセート(glyphosate)、グルホシネート(glufosinate)、スルホセート(sulfosate);
【0042】
- アリールオキシフェノキシプロピオネート系: クロジナホップ(clodinafop)、シハロホップ-ブチル(cyhalofop-butyl)、フェノキサプロップ(fenoxaprop)、フルアジホップ(fluazifop)、ハロキシホップ(haloxyfop)、メタミホップ(metamifop)、プロパキザホップ(propaquizafop)、キザロホップ(quizalofop)、キザロホップ-P-テフリル(quizalofop-P-tefuryl);
【0043】
- ビピリジル系: ジクワット(diquat)、パラコート(paraquat);
【0044】
- カルバメート系及びチオカルバメート系: アシュラム(asulam)、ブチレート(butylate)、カルベタミド(carbetamide)、デスメジファム(desmedipham)、ジメピペレート(dimepiperat)、エプタム(eptam)(EPTC)、エスプロカルブ(esprocarb)、モリネート(molinate)、オルベンカルブ(orbencarb)、フェンメジファム(phenmedipham)、プロスルホカルブ(prosulfocarb)、ピリブチカルブ(pyributicarb)、チオベンカルブ(thiobencarb)、トリアレート(triallate);
【0045】
- シクロヘキサンジオン系: ブトロキシジム(butroxydim)、クレトジム(clethodim)、シクロキシジム(cycloxydim)、プロホキシジム(profoxydim)、セトキシジム(sethoxydim)、テプラロキシジム(tepraloxydim)、トラルコキシジム(tralkoxydim);
【0046】
- ジニトロアニリン系: ベンフルラリン(benfluralin)、エタルフルラリン(ethalfluralin)、オリザリン(oryzalin)、ペンジメタリン(pendimethalin)、プロジアミン(prodiamine)、トリフルラリン(trifluralin);
【0047】
- ジフェニルエーテル系: アシフルオルフェン(acifluorfen)、アクロニフェン(aclonifen)、ビフェノックス(bifenox)、ジクロホップ(diclofop)、エトキシフェン(ethoxyfen)、ホメサフェン(fomesafen)、ラクトフェン(lactofen)、オキシフルオルフェン(oxyfluorfen);
【0048】
- ヒドロキシベンゾニトリル系: ブロモキシニル(bromoxynil)、ジクロベニル(dichlobenil)、イオキシニル(ioxynil);
【0049】
- イミダゾリノン系: イマザメタベンズ(imazamethabenz)、イマザモックス(imazamox)、イマザピック(imazapic)、イマザピル(imazapyr)、イマザキン(imazaquin)、イマゼタピル(imazethapyr);
【0050】
- フェノキシ酢酸系: クロメプロップ(clomeprop)、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)、2,4-DB、ジクロルプロップ(dichlorprop)、MCPA、MCPA-チオエチル、MCPB、メコプロップ(mecoprop);
【0051】
- ピラジン系: クロリダゾン(chloridazon)、フルフェンピル-エチル(flufenpyr-ethyl)、フルチアセット(fluthiacet)、ノルフルラゾン(norflurazon)、ピリデート(pyridate);
【0052】
- ピリジン系: アミノピラリド(aminopyralid)、クロピラリド(clopyralid)、ジフルフェニカン(diflufenican)、ジチオピル(dithiopyr)、フルリドン(fluridone)、フルロキシピル(fluroxypyr)、ピクロラム(picloram)、ピコリナフェン(picolinafen)、チアゾピル(thiazopyr);
【0053】
- スルホニル尿素系: アミドスルフロン(amidosulfuron)、アジムスルフロン(azimsulfuron)、ベンスルフロン(bensulfuron)、クロリムロン-エチル(chlorimuron-ethyl)、クロルスルフロン(chlorsulfuron)、シノスルフロン(cinosulfuron)、シクロスルファムロン(cyclosulfamuron)、エトキシスルフロン(ethoxysulfuron)、フラザスルフロン(flazasulfuron)、フルセトスルフロン(flucetosulfuron)、フルピルスルフロン(flupyrsulfuron)、ホラムスルフロン(foramsulfuron)、ハロスルフロン(halosulfuron)、イマゾスルフロン(imazosulfuron)、ヨードスルフロン(iodosulfuron)、メソスルフロン(mesosulfuron)、メトスルフロン-メチル(metsulfuron-methyl)、ニコスルフロン(nicosulfuron)、オキサスルフロン(oxasulfuron)、プリミスルフロン(primisulfuron)、プロスルフロン(prosulfuron)、ピラゾスルフロン(pyrazosulfuron)、リムスルフロン(rimsulfuron)、スルホメツロン(sulfometuron)、スルホスルフロン(sulfosulfuron)、チフェンスルフロン(thifensulfuron)、トリアスルフロン(triasulfuron)、トリベヌロン(tribenuron)、トリフロキシスルフロン(trifloxysulfuron)、トリフルスルフロン(triflusulfuron)、トリトスルフロン(tritosulfuron)、1-((2-クロロ-6-プロピルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-イル)スルホニル)-3-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル)尿素;
【0054】
- トリアジン系: アメトリン(ametryne)、アトラジン(atrazine)、シアナジン(cyanazine)、ジメタメトリン(dimethametryne)、エチオジン(ethiozine)、ヘキサジノン(hexazinone)、メタミトロン(metamitron)、メトリブジン(metribuzine)、プロメトリン(prometryne)、シマジン(simazine)、テルブチラジン(terbuthylazine)、テルブトリン(terbutryne)、トリアジフラム(triaziflam);
【0055】
- 尿素系: クロロトルロン(chlortoluron)、ダイムロン(daimuron)、ジウロン(diuron)、フルオメツロン(fluometuron)、イソプロツロン(isoproturon)、リニュロン(linuron)、メタベンズチアズロン(methabenzthiazuron)、テブチウロン(tebuthiuron);
【0056】
- 他のアセトラクテートシンターゼ阻害剤: ビスピリバック-ナトリウム(bispyribac-sodium)、クロランスラム-メチル(cloransulam-methyl)、ジクロスラム(diclosulam)、フロラスラム(florasulam)、フルカルバゾン(flucarbazone)、フルメトスラム(flumetsulam)、メトスラム(metosulam)、オルトスルファムロン(orthosulfamuron)、ペノキススラム(penoxsulam)、プロポキシカルバゾン(propoxycarbazone)、ピリバムベンズ-プロピル(pyribambenz-propyl)、ピリベンゾキシム(pyribenzoxim)、ピリフタリド(pyriftalide)、ピリミノバック-メチル(pyriminobac-methyl)、ピリミスルファン(pyrimisulfan)、ピリチオバック(pyrithiobac)、ピロキサスルホン(pyroxasulfon)、ピロキシスラム(pyroxsulam);
【0057】
- その他: アミカルバゾン(amicarbazone)、アミノトリアゾール(aminotriazole)、アニロホス(anilofos)、ベフルブタミド(beflubutamid)、ベナゾリン(benazolin)、ベンカルバゾン(bencarbazone)、ベンフレセート(benfluresate)、ベンゾフェナップ(benzofenap)、ベンタゾン(bentazone)、ベンゾビシクロン(benzobicyclon)、ブロマシル(bromacil)、ブロモブチド(bromobutide)、ブタフェナシル(butafenacil)、ブタミホス(butamifos)、カフェンストロール(cafenstrole)、カルフェントラゾン(carfentrazone)、シニドン-エチル(cinidon-ethyl)、クロルタール(chlorthal)、シンメチリン(cinmethylin)、クロマゾン(clomazone)、クミルロン(cumyluron)、シプロスルファミド(cyprosulfamid)、ジカンバ(dicamba)、ジフェンゾコート(difenzoquat)、ジフルフェンゾピル(diflufenzopyr)、ドレクスレラ・モノセラス(Drechslera monoceras)、エンドタール(endothal)、エトフメセート(ethofumesate)、エトベンザニド(etobenzanid)、フェントラザミド(fentrazamide)、フルミクロラック-ペンチル(flumiclorac-pentyl)、フルミオキサジン(flumioxazin)、フルポキサム(flupoxam)、フルオロクロリドン(fluorochloridon)、フルルタモン(flurtamon)、インダノファン(indanofan)、イソキサベン(isoxaben)、イソキサフルトール(isoxaflutol)、レナシル(lenacil)、プロパニル(propanil)、プロピザミド(propyzamide)、キンクロラック(quinclorac)、キンメラック(quinmerac)、メソトリオン(mesotrione)、メチルヒ酸(methylarsenic acid)、ナプタラム(naptalam)、オキサジアルギル(oxadiargyl)、オキサジアゾン(oxadiazone)、オキサジクロメホン(oxaziclomefon)、ペントキサゾン(pentoxazone)、ピノキサデン(pinoxaden)、ピラクロニル(pyraclonil)、ピラフルフェン-エチル(pyraflufen-ethyl)、ピラスルホトール(pyrasulfotol)、ピラゾキシフェン(pyrazoxyfen)、ピラゾリネート(pyrazolynate)、キノクラミン(quinoclamin)、サフルフェナシル(saflufenacil)、スルコトリオン(sulcotrione)、スルフェントラゾン(sulfentrazone)、ターバシル(terbacil)、テフリルトリオン(tefuryltrione)、テンボトリオン(tembotrione)、チエンカルバゾン(thiencarbazone)、トプラメゾン(topramezone)、4-ヒドロキシ-3-[2-(2-メトキシエトキシメチル)-6-トリフルオロメチルピリジン-3-カルボニル]ビシクロ[3.2.1]オクタ-3-エン-2-オン、(3-[2-クロロ-4-フルオロ-5-(3-メチル-2,6-ジオキソ-4-トリフルオロメチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル)フェノキシ]ピリジン-2-イルオキシ)酢酸エチル、6-アミノ-5-クロロ-2-シクロプロピルピリミジン-4-カルボン酸メチル、6-クロロ-3-(2-シクロプロピル-6-メチルフェノキシ)ピリダジン-4-オール、4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロフェニル)-5-フルオロピリジン-2-カルボン酸、4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-2-フルオロ-3-メトキシフェニル)ピリジン-2-カルボン酸メチル、及び4-アミノ-3-クロロ-6-(4-クロロ-3-ジメチルアミノ-2-フルオロフェニル)ピリジン-2-カルボン酸メチル;
【0058】
O)殺虫剤
- 有機(チオ)ホスフェート系: アセフェート(acephate)、アザメチホス(azamethiphos)、アジンホス-メチル(azinphos-methyl)、クロルピリホス(chlorpyrifos)、クロルピリホス-メチル(chlorpyrifos-methyl)、クロルフェンビンホス(chlorfenvinphos)、ダイアジノン(diazinon)、ジクロルボス(dichlorvos)、ジクロトホス(dicrotophos)、ジメトエート(dimethoate)、ジスルホトン(disulfoton)、エチオン(ethion)、フェニトロチオン(fenitrothion)、フェンチオン(fenthion)、イソキサチオン(isoxathion)、マラチオン(malathion)、メタミドホス(methamidophos)、メチダチオン(methidathion)、メチル-パラチオン(methyl-parathion)、メビンホス(mevinphos)、モノクロトホス(monocrotophos)、オキシデメトン-メチル(oxydemeton-methyl)、パラオキソン(paraoxon)、パラチオン(parathion)、フェントエート(phenthoate)、ホサロン(phosalone)、ホスメット(phosmet)、ホスファミドン(phosphamidon)、ホレート(phorate)、ホキシム(phoxim)、ピリミホス-メチル(pirimiphos-methyl)、プロフェノホス(profenofos)、プロチオホス(prothiofos)、スルプロホス(sulprophos)、テトラクロロビンホス(tetrachlorvinphos)、テルブホス(terbufos)、トリアゾホス(triazophos)、トリクロルホン(trichlorfon);
【0059】
- カルバメート系: アラニカルブ(alanycarb)、アルジカルブ(aldicarb)、ベンジオカルブ(bendiocarb)、ベンフラカルブ(benfuracarb)、カルバリル(carbaryl)、カルボフラン(carbofuran)、カルボスルファン(carbosulfan)、フェノキシカルブ(fenoxycarb)、フラチオカルブ(furathiocarb)、メチオカルブ(methiocarb)、メソミル(methomyl)、オキサミル(oxamyl)、ピリミカルブ(pirimicarb)、プロポクスル(propoxur)、チオジカルブ(thiodicarb)、トリアザメート(triazamate);
【0060】
- ピレスロイド系: アレスリン(allethrin)、ビフェントリン(bifenthrin)、シフルトリン(cyfluthrin)、シハロトリン(cyhalothrin)、シフェノトリン(cyphenothrin)、シペルメトリン(cypermethrin)、α-シペルメトリン(alpha-cypermethrin)、β-シペルメトリン(beta-cypermethrin)、ζ-シペルメトリン(zeta-cypermethrin)、デルタメトリン(deltamethrin)、エスフェンバレレート(esfenvalerate)、エトフェンプロックス(etofenprox)、フェンプロパトリン(fenpropathrin)、フェンバレレート(fenvalerate)、イミプロトリン(imiprothrin)、λ-シハロトリン(lambda-cyhalothrin)、ペルメトリン(permethrin)、プラレトリン(prallethrin)、ピレトリンI(pyrethrin I)及びピレトリンII(pyrethrin II)、レスメトリン(resmethrin)、シラフルオフェン(silafluofen)、τ-フルバリネート(tau-fluvalinate)、テフルトリン(tefluthrin)、テトラメトリン(tetramethrin)、トラロメトリン(tralomethrin)、トランスフルトリン(transfluthrin)、プロフルトリン(profluthrin)、ジメフルトリン(dimefluthrin)、
【0061】
- 昆虫成長阻害剤: a)キチン合成阻害剤: ベンゾイル尿素系: クロルフルアズロン(chlorfluazuron)、シロマジン(cyramazin)、ジフルベンズロン(diflubenzuron)、フルシクロクスロン(flucycloxuron)、フルフェノクスロン(flufenoxuron)、ヘキサフルムロン(hexaflumuron)、ルフェヌロン(lufenuron)、ノバルロン(novaluron)、テフルベンズロン(teflubenzuron)、トリフルムロン(triflumuron); ブプロフェジン(buprofezin)、ジオフェノラン(diofenolan)、ヘキシチアゾクス(hexythiazox)、エトキサゾール(etoxazole)、クロフェンタジン(clofentazin); b)エクジソン拮抗薬: ハロフェノジド(halofenozide)、メトキシフェノジド(methoxyfenozide)、テブフェノジド(tebufenozide)、アザジラクチン(azadirachtin); c)幼若ホルモン様作用物質(juvenoid): ピリプロキシフェン(pyriproxyfen)、メトプレン(methoprene)、フェノキシカルブ(fenoxycarb); d)脂質生合成阻害剤: スピロジクロフェン(spirodiclofen)、スピロメシフェン(spiromesifen)、スピロテトラマト(spirotetramate);
【0062】
- ニコチン受容体作動薬/拮抗薬: クロチアニジン(clothianidin)、ジノテフラン(dinotefuran)、イミダクロプリド(imidacloprid)、チアメトキサム(thiamethoxam)、ニテンピラム(nitenpyram)、アセタミプリド(acetamiprid)、チアクロプリド(thiacloprid)、1-(2-クロロチアゾール-5-イルメチル)-2-ニトリミノ-3,5-ジメチル-[1,3,5]トリアジナン;
【0063】
- GABA拮抗薬: エンドスルファン(endosulfan)、エチプロール(ethiprole)、フィプロニル(fipronil)、バニリプロール(vaniliprole)、ピラフルプロール(pyrafluprole)、ピリプロール(pyriprole)、N-5-アミノ-1-(2,6-ジクロロ-4-メチルフェニル)-4-スルフィナモイル-1H-ピラゾール-3-チオカルボキサミド;
【0064】
- 大環状ラクトン系: アバメクチン(abamectin)、エマメクチン(emamectin)、ミルベメクチン(milbemectin)、レピメクチン(lepimectin)、スピノサド(spinosad)、スピネトラム(spinetoram);
【0065】
- ミトコンドリア電子伝達鎖阻害剤(METI)I殺ダニ剤: フェナザキン(fenazaquin)、ピリダベン(pyridaben)、テブフェンピラド(tebufenpyrad)、トルフェンピラド(tolfenpyrad)、フルフェネリム(flufenerim);
【0066】
- METI II及びIII物質: アセキノシル(acequinocyl)、フルアシプリム(fluacyprim)、ヒドラメチルノン(hydramethylnone);
【0067】
- 脱共役剤: クロルフェナピル(chlorfenapyr);
【0068】
- 酸化的リン酸化阻害剤: シヘキサチン(cyhexatin)、ジアフェンチウロン(diafenthiuron)、酸化フェンブタスズ(fenbutatin oxide)、プロパルギット(propargite);
【0069】
- 昆虫脱皮阻害剤: クリオマジン(cryomazine);
【0070】
- 「混合機能オキシダーゼ」阻害剤: ピペロニルブトキシド(piperonyl butoxide);
【0071】
- ナトリウムチャンネル遮断薬: インドキサカルブ(indoxacarb)、メタフルミゾン(metaflumizone);
【0072】
- その他: ベンクロチアズ(benclothiaz)、ビフェナゼート(bifenazate)、カルタップ(cartap)、フロニカミド(flonicamid)、ピリダリル(pyridalyl)、ピメトロジン(pymetrozin)、硫黄、チオシクラム(thiocyclam)、フルベンジアミド(flubendiamide)、クロラントラニリプロール(chlorantraniliprole)、シアジピル(cyazypyr)(HGW86); シエノピラフェン(cyenopyrafen)、フルピラゾホス(flupyrazofos)、シフルメトフェン(cyflumetofen)、アミドフルメト(amidoflumet)、イミシアホス(imicyafos)、ビストリフルロン(bistrifluron)及びピリフルキナゾン(pyrifluquinazone)。
【0073】
1つの好ましい実施形態では、殺有害生物剤は、23℃で1g/l未満の水への溶解度を有する。
【0074】
一実施形態では、殺有害生物剤は、ブロフラニリド(broflanilide)、ピラクロストロビン(pyraclostrobin)及びフルキサピロキサド(fluxapyroxad)又はそれらの混合物から選択される。
【0075】
増粘剤は、組成物に改変された流動挙動、すなわち、静止状態での高粘度及び撹拌状態での低粘度を付与する化合物である。
【0076】
増粘剤Tは、好ましくは、アタパルジャイト粘土又は親水性フュームドシリカである。
【0077】
一実施形態では、増粘剤Tは、アタパルジャイト粘土である。
【0078】
ポリマーPは、(メタ)アクリル酸のホモポリマー又はコポリマーである。
【0079】
「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を意味するものとする。
【0080】
本明細書においてポリマー中のモノマー単位として(メタ)アクリル酸又は他のカルボン酸に言及する場合、これは、カルボン酸自体及びそのようなカルボン酸の塩を意味すると理解されるものとする。
【0081】
本発明によれば、ポリマーPは、少なくとも150,000Daの平均モル質量MWを有する。
【0082】
本明細書において言及される全ての平均モル質量Mwは、実験セクションに記載されているゲル浸透クロマトグラフィーによって決定される。
【0083】
好ましくは、ポリマーPは、少なくとも200,000Daの平均モル質量MWを有する。
【0084】
さらにより好ましくは、ポリマーPは、少なくとも225,000Daの平均モル質量MWを有する。
【0085】
一実施形態では、ポリマーPは、メタクリル酸又はその塩のホモポリマー又はコポリマーである。
【0086】
一実施形態では、ポリマーPは、アクリル酸又はその塩のホモポリマー又はコポリマーである。
【0087】
一実施形態では、ポリマーPは、アクリル酸又はその塩のホモポリマーである。
【0088】
一実施形態では、ポリマーPは、アクリル酸又はその塩の、エチレン性不飽和二重結合を有する他のモノマーMとのコポリマーである。適切なモノマーMとしては、ビニル芳香族モノマー、例えば、スチレン及びスチレン誘導体、例えば、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、オルト-、メタ-及びパラ-メチルスチレン、エチルビニルベンゼン、ビニルナフタレン、ビニルキシレン及び対応するハロゲン化ビニル芳香族モノマー、ニトロ、アルコキシ、ハロアルキル、カルバルコキシ、カルボキシ、アミノ及びアルキルアミノ基を持つビニル芳香族モノマー、α-オレフィン、例えば、エテン、プロペン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、イソブテン、長鎖(C10~C20)-アルキル-α-オレフィン、ジエン、例えば、ブタジエン及びイソプレン、ビニルアルコールエステル、例えば、酢酸ビニル、ビニルハロゲン化物、例えば、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、臭化ビニリデン、ビニルニトリル、カルボン酸ビニル、1-ビニルアミド、例えば、1-ビニルピロリドン、1-ビニルピペリドン、1-ビニルカプロラクタム、N-ビニルイミダゾール、モノエチレン性不飽和モノマー、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸及びイタコン酸、ビニルスルホン酸のC1~C24-アルキルエステル並びに一置換及び二置換及び非置換C1-~C24-アルキルアミド、無水物、例えば、無水マレイン酸、不飽和アルデヒド、例えば、アクロレイン、不飽和エーテル、例えば、1,4-シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、1,4-シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ブタンジオールモノビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、エチレングリコールモノビニルエーテル、エチルビニルエーテル、メチルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、トリエチレングリコールビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニル2-エチルヘキシルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルイソプロピルエーテル、ビニルドデシルエーテル、ビニルtert.-ブチルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ポリテトラヒドロフラン-290ジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、トリアリルアミン、エチレングリコールブチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、アミノプロピルビニルエーテルが挙げられる。好ましいさらなるモノマーは、少なくとも2つのオレフィン性不飽和二重結合を有するもの、例えば、トリアリルアミンである。
【0089】
好ましいモノマーMは、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、ビニルスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、無水マレイン酸、アクリルアミド、N-ビニルピロリドンである。
【0090】
モノマーとしてカルボン酸又はスルホン酸のような酸に言及するそれぞれの場合、これは、それらのそれぞれの塩も含むものとする。
【0091】
1つの好ましい実施形態では、ポリマーPは、少なくとも150,000Da、より好ましくは200,000Da、さらにより好ましくは225,000Daの平均モル質量Mwを有するアクリル酸のホモポリマーである。
【0092】
ポリマーPは、通常、フリーラジカル重合によって通常の方法で合成される。しかし、重合のための他のプロセス、例えば、制御されたフリーラジカルプロセスを使用することも可能である。重合は、モノマー及び1つ以上の開始剤の存在下で実施され、溶媒有り又は無しで、エマルジョン中又は懸濁液中で実施することができる。重合は、バッチ反応として、半連続操作として、又は連続操作として実施することができる。反応時間は、一般に、1~12時間の範囲である。反応を実施することができる温度範囲は、一般に、20~200℃、好ましくは40~120℃である。
【0093】
フリーラジカル重合に使用される開始剤は、通例のフリーラジカル形成物質である。開始剤は、好ましくは、アゾ化合物、過酸化物化合物又はヒドロペルオキシド化合物の群から選択される。記述し得る例としては、過酸化アセチル、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、tert.-ブチルペルオキシイソブチレート、過酸化カプロイル、クメンヒドロペルオキシド、アゾビスイソブチロニトリル又は2,2-アゾビス(2-メチルブタン)ニトリルが挙げられる。特に好ましいのは、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)である。
【0094】
ポリマーPを製造するためのフリーラジカル重合は、好ましくは、溶液中で実施される。溶媒は、水、アルコール、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、双極性非プロトン性溶媒、例えば、DMF、DMSO又はNMP、芳香族、脂肪族、ハロゲン化又は非ハロゲン化炭化水素、例えば、ヘキサン、クロロベンゼン、トルエン又はベンゼンである。好ましい溶媒は、水、イソプロパノール、メタノール、トルエン、DMF、NMP、DMSO及びヘキサンである。
【0095】
ポリマーPは、通常、例えば20℃で少なくとも5g/l(好ましくは少なくとも20g/l、特に少なくとも50g/l)まで、水に可溶性である。
【0096】
本発明による組成物は、通常、少なくとも0.1重量%、好ましくは少なくとも1重量%、特に少なくとも2重量%のポリマーPを含む。本発明による組成物は、通常、0.1~25重量%、好ましくは0.5~10重量%、特に1~5重量%のポリマーPを含む。
【0097】
殺有害生物剤とポリマーPの重量比は、任意の範囲、例えば、1:10000~10000:1の範囲、好ましくは1:1000~1000:1の範囲、とりわけ好ましくは1:100~100:1の範囲内で変わり得る。
【0098】
本発明による農薬組成物は、原則として、いずれのpHでも調製することができる。好ましくは、本発明による農薬組成物は、9未満、より好ましくは4~8のpHを有する。
【0099】
上記のように、本発明による組成物は、ポリマーPと組み合わせて増粘剤Tを含む。全く予想外に見出されたように、150,000Da未満のモル質量MWを有するポリマーPを含めると、増粘剤Tのみを含みポリマーPを含まない組成物と比較して、低減した又は同様の粘度の組成物が得られる。
【0100】
しかし、少なくとも150,000Daのモル質量を有するポリマーPが、そのような組成物に含まれる場合、増加した粘度を有する組成物が得られる。
【0101】
一実施形態では、本発明による組成物は、肥料Fをさらに含む。肥料Fは液体であり、つまり、固体としてではなく、液相において存在する。通常、肥料Fは、組成物又は組成物の1つの相に溶解される。肥料Fは、通常水溶性である。
【0102】
水溶性肥料Fは、ほとんどの場合、20℃で10g/l超まで水に可溶性である。好ましくは、それは、50g/l超、特に100g/l超まで水に可溶性である。当業者は、上記の肥料リストから適切な溶解度を有する肥料を簡単に選択することができる。好ましい肥料Fは、硫酸塩、リン酸塩又は硝酸塩、特に硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、及び/又はポリリン酸アンモニウム(例えば、10-34-0、肥料グレードの説明については実験セクションを参照)である。
【0103】
一実施形態では、本発明による組成物は、組成物に基づいて、5~99%の量の肥料Fを含む。
【0104】
一実施形態では、本発明による組成物は、硝化阻害剤及び/又はウレアーゼ阻害剤をさらに含んでもよい。
【0105】
適切な硝化阻害剤は、原則として、硝化プロセスにおける細菌の活性を低減することが可能な全ての化合物である。
【0106】
好ましくは、硝化阻害剤は、ピラゾール、例えば、3,4-ジメチル-1-H-ピラゾール(DMP)、3,4-ジメチル-1-H-ピラゾールコハク酸(DMPSA)又は3,4-ジメチルピラゾールリン酸塩(DMPP); 2-クロロ-6-(トリクロロメチル)ピリジン(ニトラピリン(Nitrapyrin)); ジシアンジアミド(DCD); チオ硫酸アンモニウム、又はそれらの混合物から選択される。
【0107】
好ましくは、硝化阻害剤は、ニトラピリン(nitrapyrin)、DMP、DMPP又はそれらの混合物から選択される。
【0108】
適切なウレアーゼ阻害剤の例は、フェニルリン酸ジアミド(PPD)、モノフェノキシホスファゼン(monophenoxyphosphacen)、チオ尿素、ヒドロキシ尿素、N-(n-ブチル)チオリン酸トリアミド(NBPT)、N-(n-プロピル)チオリン酸トリアミド(NPPT)である。
【0109】
好ましいウレアーゼ阻害剤は、NBPT及びNPPTである。
【0110】
一実施形態では、本発明による組成物は、組成物に基づいて、0.01重量%~5重量%の量の硝化阻害剤及び/又はウレアーゼ阻害剤を含む。
【0111】
本発明による組成物は、好ましくは、農薬組成物の形態で存在する。通常の種類の農薬組成物は、例えば、液剤、乳剤、懸濁剤、粉剤、散剤、ペースト剤及び粒剤である。ここでの組成物の種類の例は、懸濁剤(SC、OD、FS)、乳化性濃縮物(EC)、乳剤(EW、EO、ES)、ペースト剤、丸剤、水和性散剤又は粉剤(WP、SP、SS、WS、DP、DS)又は粒剤(GR、FG、GG、MG)(水に可溶性又は分散性(水和性)であり得る)、及び種子などの植物繁殖材料の処理用のゲル(GF)である。農薬組成物は、公知の方法で調製される(例えば、Mollet, H. and Grubemann, A.: Composition technology (Wiley VCH Verlag, Weinheim, 2001)を参照)。
【0112】
1つの好ましい実施形態では、本発明による組成物は、懸濁液濃縮物(suspension concentrate)である。
【0113】
農薬組成物は、植物保護製品に従来使用される従来の助剤もさらに含むことができ、助剤の選択は、具体的な使用形態又は殺有害生物剤に依存する。適切な助剤の例は、溶媒、固体担体、表面活性物質(例えば、さらなる可溶化剤、保護コロイド、湿潤剤及び接着剤)、有機及び無機増粘剤、殺細菌剤、凍結防止剤、消泡剤、場合により着色剤及び展着剤(例えば、種子の処理用)である。
【0114】
適切な溶媒は、水、有機溶媒、例えば、中~高沸点の鉱油留分、例えば、ケロセン、及びディーゼル油、さらにコールタール油、並びに植物若しくは動物由来の油、脂肪族、環状及び芳香族の炭化水素、例えば、パラフィン、テトラヒドロナフタレン、アルキル化ナフタレン及びそれらの誘導体、アルキル化ベンゼン及びそれらの誘導体、アルコール、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール及びシクロヘキサノール、グリコール、ケトン、例えば、シクロヘキサノン、γ-ブチロラクトン、ジメチル脂肪酸アミド、脂肪酸及び脂肪酸エステル、及び強極性溶媒、例えば、アミン、例えば、N-メチルピロリドンである。原則として、溶媒混合物並びに上記溶媒及び水の混合物を使用することも可能である。
【0115】
固体担体は、鉱物質土類(mineral earth)、例えば、シリカ、シリカゲル、ケイ酸塩、タルク、カオリン、石灰岩、石灰、白亜、ボール(bole)、黄土、粘土、ドロマイト、珪藻土、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、粉砕合成材料、肥料、例えば、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素、及び植物由来の生成物、例えば、穀類粉、樹皮粉、木粉及び堅果の殻の粉、セルロース粉末、又は他の固体担体である。
【0116】
適切な表面活性物質(助剤、湿潤剤、接着剤、分散剤又は乳化剤)は、芳香族スルホン酸の、例えば、リグノスルホン酸(Borresperse(登録商標)タイプ、Borregaard、ノルウェー)、フェノールスルホン酸、ナフタレンスルホン酸(Morwet(登録商標)タイプ、Akzo Nobel、米国)及びジブチルナフタレンスルホン酸(Nekal(登録商標)タイプ、BASF、ドイツ)の、及び脂肪酸のアルカリ塩、アルカリ土類塩、アンモニウム塩、アルキル-及びアルキルアリールスルホネート、アルキルサルフェート、ラウリルエーテルサルフェート及び脂肪アルコールサルフェート、並びに硫酸化ヘキサ-、ヘプタ-、及びオクタデカノールの塩及び脂肪アルコールグリコールエーテルの塩、ホルムアルデヒドとのスルホン化ナフタレン及びその誘導体の縮合物、フェノール及びホルムアルデヒドとのナフタレンの縮合物又はナフタレンスルホン酸の縮合物、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、エトキシ化イソオクチル-、オクチル-又はノニルフェノール、アルキルフェニルポリグリコールエーテル、トリブチルフェニルポリグリコールエーテル、アルキルアリールポリエーテルアルコール、イソトリデシルアルコール、脂肪アルコール/エチレンオキシド縮合物、エトキシ化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ラウリルアルコールポリグリコールエーテルアセテート、ソルビトールエステル、リグニン亜硫酸塩廃液、及びタンパク質、変性タンパク質、多糖(例えば、メチルセルロース)、疎水変性デンプン、ポリビニルアルコール(Mowiol(登録商標)タイプ、Clariant、スイス)、ポリカルボキシレート(Sokalan(登録商標)タイプ、BASF、ドイツ)、ポリアルコキシレート、ポリビニルアミン(Lupamin(登録商標)タイプ、BASF、ドイツ)、ポリエチレンイミン(Lupasol(登録商標)タイプ、BASF、ドイツ)、ポリビニルピロリドン及びそれらのコポリマーである。
【0117】
殺細菌剤を、組成物を安定化するために添加してもよい。殺細菌剤の例は、ジクロロフェン及びベンジルアルコールヘミホルマール(ICIからProxel(登録商標)又はThor ChemieからActicide(登録商標)RS及びRohm & HaasからKathon(登録商標)MK)及びまたイソチアゾリノン誘導体、例えば、アルキルイソチアゾリノン及びベンゾイソチアゾリノン(Thor ChemieからActicide(登録商標)MBS)である。適切な凍結防止剤の例は、エチレングリコール、プロピレングリコール、尿素及びグリセロールである。消泡剤の例は、シリコーンエマルジョン(例えば、Silikon(登録商標)SRE、Wacker、ドイツ又はRhodorsil(登録商標)、Rhodia、フランス)、長鎖アルコール、脂肪酸、脂肪酸の塩、有機フッ素化合物及びそれらの混合物である。着色剤の例は、水にほとんど溶けない顔料であるがまた、水に溶ける染料である。展着剤の例は、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール及びセルロースエーテル(Tylose(登録商標)、Shin-Etsu、日本)である。
【0118】
本発明による組成物は、好ましくは、水不溶性殺有害生物剤が懸濁粒子の形態で存在する、水性組成物(例えば、懸濁液濃縮物SC)の形態である。含水量は、少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも30重量%であってよい。懸濁粒子は、20℃で固体である、結晶性粒子又は不定形粒子の形態で存在してもよい。懸濁された水不溶性殺有害生物剤は、通常、0.1~10μm、好ましくは0.2μm~5μm、とりわけ好ましくは0.5μm~2μmのx50値を有する粒径分布を有する。粒径分布は、粒子を含む水性懸濁液のレーザー光回折によって決定することができる。サンプル調製、例えば測定濃度への希釈は、この測定方法では、とりわけ、懸濁液サンプル中の殺有害生物剤の細かさ及び濃度、並びに使用する装置(例えば、Malvern Mastersizer)に依存する。手順は、問題のシステムのために開発されなければならず、当業者に公知である。
【0119】
すぐに使える調製物中の殺有害生物剤濃度は、相当な範囲内で変えることができる。一般に、それらは、0.0001~10%、好ましくは0.01~1%である。殺有害生物剤はまた、超低体積法(ULV)においてうまく使用することができ、95重量%を超える殺有害生物剤、又はそれどころか添加物のない殺有害生物剤を含む組成物を施用することが可能である。植物保護に使用する場合、施用量は、所望の効果の性質に応じて、1haあたり0.001~2.0kgの殺有害生物剤、好ましくは1haあたり0.005~2kg、とりわけ好ましくは1haあたり0.05~0.9kg、特に1haあたり0.1~0.75kgである。植物繁殖材料、例えば種子を処理する場合、0.1~1000gの殺有害生物剤/100kgの繁殖材料又は種子の量、好ましくは1~1000g/100kg、とりわけ好ましくは1~100g/100kg、特に5~100g/100kgが一般に使用される。材料又は貯蔵材料の保護に使用する場合、殺有害生物剤の施用量は、施用地の性質及び所望の効果に依存する。材料の保護における従来の施用量は、例えば、処理される材料1立方メートルあたり0.001g~2kg、好ましくは0.005~1kgの殺有害生物剤である。
【0120】
殺有害生物剤又はそれを含む組成物に(場合によりまた、使用直前にのみ(タンクミックス))混合し得る物質としては、様々な種類の油、又は湿潤剤、助剤、除草剤、殺細菌剤、他の殺菌剤及び/又は殺有害生物剤が挙げられる。これらの薬剤は、本発明による組成物に対して、重量比1:100~100:1、好ましくは1:10~10:1で混合することができる。この意味で適切な助剤は、特に、有機変性ポリシロキサン、例えば、Break Thru S 240(登録商標); アルコールアルコキシレート、例えば、Atplus(登録商標)245、Atplus(登録商標)MBA 1303、Plurafac(登録商標)LF 300及びLutensol(登録商標)ON 30; EO-POブロックポリマー、例えば、Pluronic(登録商標)RPE 2035及びGenapol(登録商標)B; アルコールエトキシレート、例えば、Lutensol(登録商標)XP 80; 及びジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、例えば、Leophen(登録商標)RAである。
【0121】
さらなる主題は、例えば混合によって、ポリマーP、増粘剤T及び殺有害生物剤を接触させることによって、本発明による組成物を調製する方法である。上記の補助剤はまた、場合により、組成物と接触させることができる。様々な種類の組成物のためのさらなる調製方法は、上記の通りである。
【0122】
さらなる目的は、殺有害生物剤を分散させるためのポリマーPの使用である。好ましい殺有害生物剤は、上記の通りである。
【0123】
さらに、本発明は、植物病原性菌類及び/又は望ましくない植物生長及び/又は望ましくない昆虫若しくはダニの攻撃を防除する、及び/又は植物の生長を調節する方法であって、本発明による組成物を、各有害生物、それらの環境、又は各有害生物から保護すべき作物植物に、土壌に、及び/又は望ましくない植物に、及び/又は作物植物に、及び/又はそれらの環境に作用させる、方法に関する。作物植物という用語はまた、育種、変異誘発又は組み換え法により改変されている植物を含み、市場にある又は開発段階にあるバイオ技術農産物を含む。遺伝子改変植物は、それらの遺伝物質が交雑、変異又は自然組み換え(すなわち、遺伝物質の組み換え)により自然環境下で生じない方法で改変されている植物である。ここで、植物の特性を改善するために、一般に、1つ以上の遺伝子が、植物の遺伝物質に組み込まれる。このような遺伝子改変はまた、例えば、グリコシル化又はポリマーの結合(例えば、プレニル化、アセチル化又はファルネシル化した残基又はPEG残基)による、タンパク質、オリゴペプチド又はポリペプチドの翻訳後修飾を含む。
【0124】
本発明の利点は、とりわけ、それが製剤の高い貯蔵安定性を可能にすること; 分散した殺有害生物剤の粒径増加が、遅くなるか又は抑制されること; 分散した殺有害生物剤粒子の凝集が、遅くなるか又は抑制されること; 分散した殺有害生物剤の沈降が、遅くなるか又は抑制されること; 上記の利点が、高塩濃度の存在下でも達成されることである。
【0125】
以下の実施例は、なんの限定も課すことなく、本発明を説明する。
【実施例】
【0126】
使用した材料:
【0127】
【0128】
補助剤1: アルキルポリグリコシド
【0129】
補助剤2: ポリジメチルシロキサン消泡剤、水中エマルジョン
【0130】
補助剤3: 5-クロロ-2-メチル-2H-イソチアゾール-3-オン及び2-メチル-2H-イソチアゾール-3-オン(3:1)を含有する混合物
【0131】
補助剤4: 1,2-ベンゾイソチアゾール-3(2H)-オン
【0132】
補助剤5: ブロノポール(Bronopol)
【0133】
補助剤6: 弱アルカリ性pHを有する、親水性フュームドシリカの低粘度の水性分散液
【0134】
増粘剤1: アタパルジャイトの不活性粉末ゲル化グレード。それは細かく粉砕されて、イオン性及び非イオン性水溶液中で効果的にコロイド状ゲルを形成し、チキソトロピック増粘及び懸濁を提供する。
【0135】
肥料は、本明細書では肥料グレードを使用して言及される。全ての肥料ラベルは、3つの数字を含む。最初の数字は、窒素(N)の量であり、2番目の数字はリン酸塩(P2O5)の量であり、3番目の数字はカリ(K2O)の量である。これらの3つの数字は、主要な栄養素(窒素(N)-リン(P)-カリウム(K))を表す。10-10-10肥料は、10%の窒素、10%のリン酸塩、及び10%のカリを含有する。
【0136】
使用したポリマーのMWを決定する方法: 全ての平均モル質量Mwは、ゲル浸透クロマトグラフィーによって決定した。使用したカラムは、タイプTSKgel G3000PWXLの直径7.8mm及び長さ30cmを有する親水性ビニルポリマーネットワークカラムであった。カラム温度は35℃であった。流速は0.5ml/分であった。使用した検出器は、タイプDRI Agilent 1100の示差屈折計(DRI)検出器であった。使用した溶媒は、0.01mol/lのリン酸塩緩衝液(=10Na2HPO4+1.8KH2PO4+2.7KCl+137NaCl(mmol/L))pH=7.4(0.01M NaN3を含む蒸留水中)であった。較正は、狭い分子量のナトリウム塩ポリアクリル酸ホモポリマー(Na-PAA、モル質量範囲1250~1'100'000g/mol、供給業者PSS)を用いて得た。American Polymer Standards Corporationの追加の2つの標準(900g/mol、1770g/mol)を、検量線に追加した。外挿法を使用して、排除及び透過の限界に関して、これらの較正標準の範囲外の分子量分布を推定した。注入前にサンプルをGPC溶離液に溶解させた。注入体積は100μlであった。
【0137】
実施例1~14: 増粘剤/ポリマー組成物の粘度
界面活性剤-増粘剤相互作用試験を実施した。この試験では、水中の増粘剤1の3%懸濁液を、水中の5%ポリマー溶液と95%:5%の質量比で混合した。次いで、粘土溶液を、均一に混合し、剪断速度100 1/sでの粘度を、20℃で円錐(2度)/平面構成を使用して回転粘度測定により測定した。
【0138】
【0139】
少なくとも150kDaのMWを有するポリマー(ポリマー10)は、増粘剤1を含む組成物の粘度を大幅に高めるが、一方、他の全てのポリマーは、より低い粘度、多くの場合、対照実験1と比較して同様の粘度を示すことが見出された。
【0140】
実験16~22: 固体濃縮物農業用製剤の粘度
同様の試験を実施して、ポリマーと親水性フュームドシリカ増粘剤の間の相互作用の増強を示した。この実験では、以下の成分を有する標準的な殺虫剤SC製剤を調製した:
【0141】
【0142】
比較のために、様々なポリマーを使用した。界面活性剤-増粘剤の相互作用を示すために、100 1/sの剪断速度での製剤粘度を測定した。
【0143】
【0144】
実験データは、とりわけポリマー10が、より低いMwのポリマーと比較して、製剤粘度を著しく高めることを明確に実証した。
【0145】
実施例23~29: 貯蔵安定性
実施例16~22で得られた上記製剤の物理的貯蔵安定性試験を実施した。この試験では、製剤を、様々な貯蔵条件、すなわち、-10℃、凍結/解凍サイクル(48時間ごとに-10℃から30℃までサイクルする温度)、0℃、20℃、40℃及び54℃に2週間保持した。物理的安定性を比較するために、貯蔵後に製剤の%相分離を評価した。
【0146】
【0147】
上記の実験結果は、少なくとも150kダルトンのMWを有するポリマー(ポリマー10)を有する製剤が、とりわけ高温で、はるかに安定であることを明確に示す。
【0148】
実施例30~31: 貯蔵安定性
比較のために、SC肥料適合性試験も実施した。この実験では、以下の処方のブロフラニリド(Broflanilide)SCを調製した:
【0149】
【0150】
ポリマーPとしてポリマー10(実施例30)及びポリマー13(実施例31)を有する2つの製剤を調製した。次いで、製剤肥料適合性試験を実施した。この試験では、上記の製剤を、ガラス管中で3-18-18肥料と5%(製剤):95%(液体肥料)の重量/重量比で混合した。混合後、ガラス管を実験台上に24時間20℃で保持し、肥料適合性の程度の指標として、混合物相分離の目視観察を実施した。
【0151】
ポリマー10から調製された製剤はこの試験で相分離の兆候を示さないが、一方、ポリマー13を有する製剤は相分離したことが見出され、ポリマー10によって安定化された製剤が、より肥料適合性であることを示した。
【0152】
実施例32: ピラクロストロビン(Pyraclostrobin)製剤の貯蔵安定性及適合性
以下の処方のピラクロストロビン(Pyraclostrobin)SC(懸濁液濃縮物)を調製した:
【0153】
【0154】
上記の製剤の物理的貯蔵安定性試験を実施した。この試験では、製剤を、様々な貯蔵条件、すなわち、-10℃、凍結/解凍サイクル(48時間ごとに-10℃から30℃までサイクルする温度)、0℃、20℃、40℃及び54℃に2週間保持した。貯蔵後に製剤の%相分離を評価した。上記の製剤は、上記の全ての温度で2週間貯蔵した後、相分離がないことが見出された。
【0155】
製剤肥料適合性試験も実施した。この試験では、ピラクロストロビン(pyraclostrobin)製剤を、ガラス管中で肥料と5%(製剤):95%(液体肥料)の比で混合した。4つの肥料を試験した: 3-18-18、10-34-0、2-6-16、及び3-18-18。混合後、ガラス管を実験台上に24時間20℃で保持し; 製剤相分離の目視観察を実施した。相分離が起こった場合、ガラス管を10回反転させることによる再分散を実施した。反転後、沈降物が分散して均一になる場合、製剤は、肥料適合性と判断された。
【0156】
上記のピラクロストロビン(Pyraclostrobin)SCは、試験した全ての肥料と適合性があることが見出された。
【0157】
実施例33: 本発明に基づくフルキサピロキサド(Fluxapyroxad)肥料製剤
以下の処方のフルキサピロキサド(Fluxapyroxad)SCを調製した:
【0158】
【0159】
上記の製剤の物理的貯蔵安定性試験を実施した。この試験では、製剤を、様々な貯蔵条件、すなわち、-10℃、凍結/解凍サイクル(48時間ごとに-10℃から30℃までサイクルする温度)、0℃、20℃、40℃及び54℃に2週間保持した。貯蔵後に製剤の%相分離を評価した。上記の製剤は、上記の全ての温度で2週間貯蔵した後、相分離がないことが見出され、製剤が物理的に安定であることを示した。
【0160】
製剤肥料適合性試験も実施した。この試験では、製剤を、ガラス管中で肥料と5%(製剤):95%(液体肥料)の比で混合した。4つの肥料を試験した: 3-18-18、10-34-0、2-6-16、及び3-18-18。混合後、ガラス管を実験台上に24時間20℃で保持し; 製剤相分離の目視観察を実施した。相分離が起こった場合、ガラス管を10回反転させることによる再分散を実施した。反転後、沈降物が分散して均一になる場合、製剤は、肥料適合性と判断された。
【0161】
上記のフルキサピロキサド(Fluxapyroxad)SCは、試験した全ての肥料と適合性があることが見出された。
【0162】
実施例34: 本発明に基づくブロフラニリド(Broflanilide)+フルキサピロキサド(Fluxapyroxad)肥料適合性製剤の貯蔵安定性及び適合性
以下の処方のブロフラニリド(Broflanilide)+フルキサピロキサド(Fluxapyroxad)SCを調製した:
【0163】
【0164】
上記の製剤の物理的貯蔵安定性試験を実施した。この試験では、製剤を、様々な貯蔵条件、すなわち、-10℃、凍結/解凍サイクル(48時間ごとに-10℃から30℃までサイクルする温度)、0℃、20℃、40℃及び54℃に2週間保持した。貯蔵後に製剤の%相分離を評価した。上記の製剤は、上記の全ての温度で2週間貯蔵した後、相分離がないことが見出され、製剤が物理的に安定であることを示した。
【0165】
製剤肥料適合性試験も実施した。この試験では、製剤を、ガラス管中で肥料と5%(製剤):95%(液体肥料)の比で混合した。4つの肥料を試験した: 3-18-18、10-34-0、2-6-16、及び3-18-18。混合後、ガラス管を実験台上に24時間20℃で保持し; 製剤相分離の目視観察を実施した。相分離が起こった場合、ガラス管を10回反転させることによる再分散を実施した。反転後、沈降物が分散して均一になる場合、製剤は、肥料適合性と判断された。
【0166】
上記のブロフラニリド(Broflanilide)+フルキサピロキサド(Fluxapyroxad)SCは、試験した全ての肥料と適合性があることが見出された。
(付記)
(付記1)
a)殺有害生物剤、
b)増粘剤T、
c)少なくとも150,000Daの平均分子質量Mwを有する(メタ)アクリル酸のホモポリマー又はコポリマーである、ポリマーP
を含み、
懸濁液濃縮物(SC)組成物である、農薬組成物。
(付記2)
増粘剤Tが、アタパルジャイト粘土又は親水性フュームドシリカである、付記1に記載の組成物。
(付記3)
前記ポリマーPが、アクリル酸又はその塩のホモポリマー又はコポリマーである、付記1~2のいずれか一項に記載の組成物。
(付記4)
前記ポリマーPが、少なくとも200,000Daの平均分子質量Mwを有する、付記1~3のいずれか一項に記載の組成物。
(付記5)
前記ポリマーPが、アクリル酸及びその塩のホモポリマーである、付記1~4のいずれか一項に記載の組成物。
(付記6)
前記ポリマーPが、アクリル酸及びその塩のコポリマーである、付記1~4のいずれか一項に記載の組成物。
(付記7)
d)肥料F
をさらに含む、付記1~6のいずれか一項に記載の組成物。
(付記8)
有害生物を防除するための、付記1~7のいずれか一項に記載の組成物の使用。
(付記9)
植物病原性菌類及び/又は望ましくない植物生長及び/又は望ましくない昆虫若しくはダニの攻撃を防除する、及び/又は植物の生長を調節する方法であって、付記1~7のいずれか一項に記載の組成物を、各有害生物、それらの環境、又は各有害生物から保護すべき作物植物に、土壌に、及び/又は望ましくない植物に、及び/又は作物植物に、及び/又はそれらの環境に作用させる、方法。