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特許7263636基板処理装置の基板の搬送アームのための操作の方法および基板搬送装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-17
(45)【発行日】2023-04-25
(54)【発明の名称】基板処理装置の基板の搬送アームのための操作の方法および基板搬送装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20230418BHJP
   B25J 9/06 20060101ALI20230418BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B25J9/06 D
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020026510
(22)【出願日】2020-02-19
(62)【分割の表示】P 2016537775の分割
【原出願日】2014-08-26
(65)【公開番号】P2020092281
(43)【公開日】2020-06-11
【審査請求日】2020-02-19
(31)【優先権主張番号】14/469,260
(32)【優先日】2014-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/869,870
(32)【優先日】2013-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522041444
【氏名又は名称】ブルックス オートメーション ユーエス、エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ギルクリスト、ユリシーズ
【審査官】内田 正和
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05682795(US,A)
【文献】特表2002-534820(JP,A)
【文献】特開2002-093881(JP,A)
【文献】実開平02-058151(JP,U)
【文献】特開平11-165290(JP,A)
【文献】特開2004-301275(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
B25J 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理装置の基板の搬送アームのための操作の方法であって、前記方法は、
前記基板処理装置内に前記搬送アームを提供することであって、前記搬送アームは、連続的に接続されたアームリンクと、少なくとも第1プーリおよび第2プーリとを有し、
2以上の独立した一方向のトルク伝達バンドを有する、複数バンドのトルク伝達によって、前記第1プーリと前記第2プーリとを連結すること
とを含み、
前記アームリンクの少なくとも1つが所定のアームリンクの高さを有し、
前記第2プーリが前記連続的に接続されたアームリンクのうちの1つのアームリンクに固定され、
前記2以上の独立した一方向のトルク伝達バンドのそれぞれは、各トルク荷重伝達が、前記第1プーリおよび前記第2プーリの間で、前記2以上の独立した一方向のトルク伝達バンドのそれぞれによって、トルク荷重の下で、前記2以上の独立した一方向のトルク伝達バンドのそれぞれの1つを通じて一定の一方向かつ一軸の緊張荷重を前記第1プーリから前記第2プーリへと延在する前記2以上の独立した一方向のトルク伝達バンドのそれぞれの1つの全長を通じて連続的に与えるように、前記第1プーリおよび前記第2プーリのそれぞれの間で長手方向に連続的に延在し、前記第1プーリおよび前記第2プーリのそれぞれに独立して連結され、
前記2以上の独立した一方向のトルク伝達バンドのそれぞれが、前記所定のアームリンクの高さに対応するバンドの高さと、前記対応するバンドの高さに対して、横方向に増加した断面のセグメントを含むように、変化する横方向厚さとを有している、方法。
【請求項2】
前記連続的に接続されたアームリンクの伸長および収縮をもたらすために、前記第1プーリに駆動部を駆動接続すること、をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記第1プーリが駆動プーリであり、前記第2プーリが従動プーリである、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記横方向に増加した断面のセグメントが、非湾曲バンドセグメントである、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記搬送アームが、
駆動部に連結される近位端部を有する、第1アームリンクと、
第2アームリンクであって、前記第2アームリンクの近位端部で、前記第1アームリンクの遠位端部に回転可能に連結された、第2アームリンクと、
前記第2アームリンクの遠位端部に接続された、基板支持部と、
を含む、
請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記搬送アームがスカラアームを備える、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記2以上の独立した一方向のトルク伝達バンドのそれぞれが、前記横方向に増加した断面と異なる第1の横方向の断面を有する、第1および第2プーリ接合部を含み、前記横方向に増加した断面のセグメントが、前記第1プーリ接合部を前記第2プーリ接合部につなぐ、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記2以上の独立した一方向のトルク伝達バンドのそれぞれが、第1および第2プーリ接合部を含み、前記横方向に増加した断面のセグメントが、前記第1プーリ接合部と前記第2プーリ接合部との間の、前記2以上の独立した一方向のトルク伝達バンド上に配置される、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記横方向に増加した断面のセグメントが、前記2以上の独立した一方向のトルク伝達バンドのそれぞれの1つに取り付けられる、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記横方向に増加した断面のセグメントが、前記2以上の独立した一方向のトルク伝達バンドのそれぞれの1つを備えた単一の一体構造を有する、請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記横方向に増加した断面のセグメントが、前記2以上の独立した一方向のトルク伝達バンドのそれぞれの1つの1つまたは複数の側面から横方向に延在する、1つまたは複数のフランジを備える、請求項1記載の方法。
【請求項12】
基板処理装置であって、
連続的に接続されたアームリンクを有し、前記アームリンクの少なくとも1つが所定のアームリンクの高さを有する、搬送アームと、
少なくとも、第1プーリおよび第2プーリであって、前記第2プーリが前記連続的に接続されたアームリンクのうち、1つのアームリンクに固定された、第1プーリおよび第2プーリと、
2以上の独立した一方向のトルク伝達バンドを有する複数バンドのトルク伝達部材であって、前記2以上の独立した一方向のトルク伝達バンドのそれぞれは、各トルク荷重伝達が、前記第1プーリおよび前記第2プーリの間で、前記2以上の独立した一方向のトルク伝達バンドのそれぞれによって、トルク荷重の下で、前記2以上の独立した一方向のトルク伝達バンドのそれぞれの1つを通じて一定の一方向かつ一軸の緊張荷重を前記第1プーリから前記第2プーリへと延在する前記2以上の独立した一方向のトルク伝達バンドのそれぞれの1つの全長を通じて連続的に与えるように、前記第1プーリおよび前記第2プーリのそれぞれの間で長手方向に連続的に延在し、前記第1プーリおよび前記第2プーリのそれぞれに独立して連結される、トルク伝達部材と
を備え、
前記2以上の独立した一方向のトルク伝達バンドのそれぞれが、前記所定のアームリンクの高さに対して対応するバンドの高さと、前記対応するバンドの高さに対して横方向に増加した断面のセグメントを形成するように、プレートセグメントが取り付けられる、前記独立した一方向のトルク伝達バンドの長さに沿う、取り付け部とを有する、基板処理装置。
【請求項13】
前記連続的に接続されたアームリンクの伸長および収縮をもたらすために、前記第1プーリに駆動接続された駆動部をさらに備える、請求項12記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記第1プーリが駆動プーリであり、前記第2プーリが従動プーリである、請求項12記載の基板処理装置。
【請求項15】
前記横方向に増加した断面のセグメントが、非湾曲バンドセグメントである、請求項12記載の基板処理装置。
【請求項16】
前記搬送アームが、
駆動部に連結される近位端部を有する、第1アームリンクと、
第2アームリンクであって、前記第2アームリンクの近位端部で、前記第1アームリンクの遠位端部に回転可能に連結された、第2アームリンクと、
前記第2アームリンクの遠位端部に接続された、基板支持部と、
を含む、
請求項12記載の基板処理装置。
【請求項17】
前記搬送アームがスカラアームを備える、請求項12記載の基板処理装置。
【請求項18】
前記2以上の独立した一方向のトルク伝達バンドのそれぞれが、第1および第2プーリ接合部を含み、前記横方向に増加した断面のセグメントが、前記第1プーリ接合部と前記第2プーリ接合部との間の、前記2以上の独立した一方向のトルク伝達バンドのそれぞれの1つ上に配置される、請求項12記載の基板処理装置。
【請求項19】
前記横方向に増加した断面のセグメントが、前記2以上の独立した一方向のトルク伝達バンドのそれぞれの1つの1つまたは複数の側面から横方向に延在する、1つまたは複数のフランジを備える、請求項12記載の基板処理装置。
【請求項20】
前記プレートセグメントが、T字状の断面、逆T字状の断面、横向きのT字状の断面、I字状の断面、C字状の断面、反転C字状の断面、L字状の断面、逆L字状の断面、穴の開いた長方形の形状の断面、三角形状の断面、または、Z字状の断面を有する、請求項12記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
例示的な実施形態は、概してロボット搬送装置、特に、ロボット駆動伝達に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体基板のサイズが増加するにつれて、これらの基板の搬送に使用されるロボットアームのサイズ/長さもまた増加する。ロボットアームは、ロボット駆動部からロボットアームの関節部へトルクおよび動作を伝達するために、金属バンドを使用することができる。しかし、アームリンクの長さが増加すると、金属バンドの長さも増加する。一般的に、これら金属バンドは、たとえば、曲げ応力を最小にし、金属バンドの機能上の寿命を維持するために、薄い。理解できるように、金属バンドは薄いため、金属バンドの断面積は小さい。この小さい断面積は、バンドの軸剛性に影響する可能性があり、その結果、ダイナミックドライブシステムの固有振動数が低下し、特にダイレクトドライブシステムにおいて、サーボ/駆動モータのチューニングが困難になる。たとえば、サーボ帯域幅は金属バンドの固有振動数に近似し得ることがあり、振動を打ち消すことを困難にする可能性があり、その結果、低サーボ帯域幅のために、性能を低下させ得る。非ダイレクトドライブ方式においては、金属バンドの固有振動数が低いと、整定時間が長くなり、全体のスループットの低下につながり得る。
【発明の概要】
【0003】
上記の性能問題の無い、金属バンドが使用される駆動システムを有することは利点となる。
【0004】
開示される実施形態の、前述の態様および他の特徴が、添付の図面と関連して、以下の記載において説明される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1A】開示される実施形態の態様を組み込んだ、処理装置の概略図である。
図1B】開示される実施形態の態様を組み込んだ、処理装置の概略図である。
図1C】開示される実施形態の態様を組み込んだ、処理装置の概略図である。
図1D】開示される実施形態の態様を組み込んだ、処理装置の概略図である。
図2】開示される実施形態の態様を具体化する、処理装置の概略図である。
図3A】開示される実施形態の態様に従った、ロボット搬送装置の一部分の概略図である。
図3B】開示される実施形態の態様に従った、ロボット搬送装置の一部分の概略図である。
図3C】開示される実施形態の態様に従った、ロボット搬送装置の一部分の概略図である。
図3D】開示される実施形態の態様に従った、ロボット搬送装置の一部分の概略図である。
図4A】開示される実施形態の態様に従った、ロボット搬送アームの一部分の概略図である。
図4B】開示される実施形態の態様に従った、ロボット搬送アームの一部分の概略図である。
図5】開示される実施形態の態様に従った、ロボット搬送アームの一部分の概略図である。
図5A】開示される実施形態の態様に従った、ロボット搬送アームの一部分の概略図である。
図6】開示される実施形態の態様に従った、ロボット搬送アームの一部分の概略図である。
図7】開示される実施形態の態様に従った、ロボット搬送アームの一部分の概略図である。
図8】開示される実施形態の態様に従った、ロボット搬送アームの一部分の概略図である。
図9図9A~9Kは開示される実施形態の態様に従った、ロボット搬送アームの一部分の概略図である。
図10】開示される実施形態の態様に従った、ロボット搬送アームの一部分の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1A~1Dを参照すると、本明細書においてさらに開示されるような、開示される実施形態の態様を組み込んだ基板処理装置またはツールの概略図が示されている。開示される実施形態の態様は、図面に関連して説明されるが、開示される実施形態の態様は、多くの形態で具体化され得ることが理解されるべきである。加えて、任意の適切なサイズ、形状、または種類の、構成要素または材料が使用され得る。
【0007】
図1Aおよび1Bを参照すると、たとえば、半導体ツールステーション11090のような処理装置が、開示される実施形態の態様に従って示されている。図中に半導体ツールが示されているが、本明細書で説明される、開示される実施形態の態様は、ロボットマニピュレータを使用する、いずれのツールステーションまたは応用例にも適用可能である。この例において、ツール11090はクラスターツールとして示されるが、開示される実施形態の態様は、たとえば、その開示内容の全てが、参照により本明細書に組み込まれる、2013年3月19日に発行された、「Linearly Distributed Semiconductor Workpiece Processing Tool」と題された、米国特許第8,398,355号明細書、および2011年3月8日に発行された、「Apparatus and Methods for Transporting and Processing Substrates」と題された、米国特許第7,901,539号明細書に記載されたような、図1C、1D、および2に示されるもののような線形ツールステーションのような、任意のツールステーションに適用されてもよい。ツールステーション11090は典型的に、大気前端部11000、真空ロードロック11010、および真空後端部11020を含む。他の態様では、ツールステーションは任意の適切な構成を有してもよい。前端部11000、ロードロック11010、後端部11020のそれぞれの構成要素は、たとえば、クラスタ化されたアーキテクチャ制御のような、任意の適切な制御アーキテクチャの一部であってもよい、制御装置11091に接続されてもよい。制御システムは、その開示内容の全てが、参照により本明細書に組み込まれる、2011年3月8日に発行された、「Scalable Motion Control System」と題された、米国特許第7,904,182号明細書に記載されたもののような、主制御装置、クラスタ制御装置、自律型遠隔制御装置を有する閉ループ制御装置であってもよい。他の態様では、任意の適切な制御装置および/または制御システムが利用されてもよい。
【0008】
ある態様では、前端部11000は典型的に、ロードポートモジュール11005および、たとえばイクイップメントフロントエンドモジュール(equipment front end module)(EFEM)のようなミニエンバイロメント11060を含む。ロードポートモジュール11005は、300mmロードポートのSEMI規格E15.1、E47.1、E62、E19.5またはE1.9、450mmロードポートのSEMI規格、前開き型または底開き型ボックス/ポッドおよびカセットに適合した、ボックスオープナー/ローダーツール標準(BOLTS)インターフェースであってもよい。他の態様では、ロードポートモジュールは、200mm、300mm、および/もしくは450mm基板もしくはウェハインターフェース、または、たとえば、大型もしくは小型の基板もしくは平面パネルディスプレイ用の平面パネルのような、他の任意の適切な基板インターフェースとして構成されてもよい。図1Aに2つのロードポートモジュールが示されているが、他の態様では、任意の適切な数のロードポートモジュールが前端部11000に組み込まれてもよい。ロードポートモジュール11005は、オーバーヘッド型搬送システム、無人搬送車、有人搬送車、レール型搬送車、または他の任意の適切な搬送手段から、基板キャリアまたはカセット11050を受容するように構成されていてもよい。ロードポートモジュール11005は、ロードポート11040を通じて、ミニエンバイロメント11060と接合してもよい。ロードポート11040は、基板カセット11050とミニエンバイロメント11060との間で、基板の通過を可能にしてもよい。ミニエンバイロメント11060は典型的に、本明細書で説明される、開示される実施形態の1つまたは複数の態様を組み込んでもよい、任意の適切な大気移送ロボット11013を含む。ある態様では、ロボット11013は、たとえば、その開示内容の全てが、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,002,840号明細書に記載されたもののような、走路搭載型ロボットであってもよい。ミニエンバイロメント11060は、複数のロードポートモジュール間での基板移送のための、制御されたクリーンゾーンを提供してもよい。
【0009】
真空ロードロック11010は、ミニエンバイロメント11060と後端部11020との間に位置付けられて、接続されてもよい。本明細書において使用される真空という用語は、基板が処理される、10-5Torr以下のような高真空を意味してもよい。ロードロック11010は典型的に大気および真空スロットバルブを含む。スロットバルブは、基板をロードした後に、大気前端部からロードロック内を排気するために、および窒素のような不活性ガスを用いてロック内を排出するときに、搬送チャンバ内の真空を維持するために使用される、環境の隔離を提供する。ロードロック11010は、基板の基準を、処理に望ましい位置に調整するためのアライナ11011を含んでいてもよい。他の態様では、真空ロードロックは、処理装置の任意の適切な場所に設置されていてもよく、および任意の適切な構成を有していてもよい。
【0010】
真空後端部11020は典型的に、搬送チャンバ11025、1つまたは複数の処理ステーション11030、および、本明細書で説明される、開示される実施形態の1つまたは複数の態様を含んでいてもよい、任意の適切な真空移送ロボット11014を含む。移送ロボット11014は、ロードロック11010と個々の処理ステーション11030との間で基板を搬送するために、搬送チャンバ11025内に設置されていてもよい。処理ステーション11030は、様々な、成膜、エッチング、または他の種類の処理を通じて、基板上に電気回路または他の望ましい構造体を形成するために、基板に対して動作してもよい。典型的な処理は、限定されないが、プラズマエッチングまたは他のエッチング処理、化学蒸着(CVD)、プラズマ蒸着(PVD)、イオン注入などの注入、測定、急速熱処理(RTP)、乾燥細片原子層成膜(ALD)、酸化/拡散、窒化物の形成、真空リソグラフィ、エピタキシ(EPI)、ワイヤボンダ、および蒸発のような、真空を使用する薄膜処理、または他の真空圧を使用する薄膜処理を含む。搬送チャンバ11025から処理ステーション11030に、またはその逆に、基板を通過させることを可能にするために、処理ステーション11030は搬送チャンバ11025に接続される。
【0011】
次に図1Cを参照すると、ツール接合部2012が一般的には(例えば内向きに)向くが、搬送チャンバ3018の長手方向軸Xからずれるように、ツール接合部2012が搬送チャンバモジュール3018に取り付けられている、線形基板処理システム2010の概略平面図が示されている。搬送チャンバモジュール3018は、すでに参照により本明細書に組み込まれた、米国特許第8,398,355号明細書に記載されたように、他の搬送チャンバモジュール3018A、3018I、3018J、を接合部2050、2060、2070に取り付けることによって、任意の適切な方向に延長されてもよい。各搬送チャンバモジュール3018、3019A、3018I、3018Jは、基板を、処理システム2010の全体に亘って、および、たとえば、処理モジュールPM内外へ搬送するために、本明細書で説明される、開示される実施形態の1つまたは複数の態様を含んでもよい、任意の適切な基板搬送部2080を含んでいる。理解できるように、各チャンバモジュールは、隔離された、または制御された大気(たとえば、N2、清浄空気、真空)を維持することが可能であってもよい。
【0012】
図1Dを参照すると、線形搬送チャンバ416の長手方向軸Xに沿った、例示的な処理ツール410の概略的な立面図が示されている。図1Dに示される、開示される実施形態の態様では、ツール接合部12は典型的に、搬送チャンバ416に接続されてもよい。この態様では、接合部12は、ツール搬送チャンバ416の一方の端部を画定してもよい。図1Dに見られるように、搬送チャンバ416は、たとえば、接合ステーション12から反対の端部に、別のワークピース進入/退出ステーション412を有していてもよい。他の態様では、搬送チャンバからワークピースを挿入/除去するための、他の進入/退出ステーションが設けられてもよい。ある態様では、接合部12および進入/退出ステーション412は、ツールからのワークピースのロードおよび取出しを可能にしてもよい。他の態様では、ワークピースは、一方の端部からツールにロードされ、他方の端部から取り除かれてもよい。ある態様では、搬送チャンバ416は、1つまたは複数の搬送チャンバモジュール18B、18iを有していてもよい。各チャンバモジュールは、隔離された、または制御された大気(たとえば、N2、清浄空気、真空)を維持することが可能であってもよい。既に述べられたように、図1Dに示される、搬送チャンバ416を形成する、搬送チャンバモジュール18B、18i、ロードロックモジュール56A、56B、およびワークピースステーションの構成/配置は例示的なものに過ぎず、他の態様では、搬送チャンバは、任意の望ましいモジュール配置で配置された、より多くのまたはより少ないモジュールを有してもよい。示された態様では、ステーション412はロードロックであってもよい。他の態様では、ロードロックモジュールは、(ステーション412に類似の)端部進入/退出ステーションの間に設置されてもよく、または隣の(モジュール18iに類似の)搬送チャンバモジュールはロードロックとして動作するように構成されてもよい。既に述べられたように、搬送チャンバモジュール18B、18iは、搬送チャンバモジュール18B、18iに設置され、本明細書で説明される、開示された実施形態の1つまたは複数の態様を含んでもよい、1つまたは複数の、対応する搬送装置26B、26iを有してもよい。それぞれの搬送チャンバモジュール18B、18iの搬送装置26B、26iは、搬送チャンバ内に線形に分散されたワークピース搬送システム420を提供するために連携してもよい。この態様では、搬送装置26Bは、一般的なスカラ(SCARA)(水平多関節ロボットアーム)アーム構成を有してもよい(しかし他の態様では、搬送アームは、フロッグレッグ型の構成、伸縮型の構成、左右対称型の構成、などの他の任意の、望ましい配置を有してもよい)。図1Dに示される、開示される実施形態の態様では、搬送装置26Bのアームは、取り上げ/配置場所から素早く基板を交換する搬送を可能にする、迅速交換配置(fast swap arrangement)と呼ばれてもよいものを提供するように配置されてもよい(たとえば、第1のアームまたは基板ホルダーが、その位置から基板を取り上げ、第2のアームまたは基板ホルダーが、取り上げられた基板が除去された実質的に直後に、その同じ位置に基板を配置する)。搬送アーム26Bは、各アームに任意の適切な自由度を提供するために、以下に説明されるような、適切な駆動部を有していてもよい(たとえば、Z軸運動で、肩および肘関節部の周りを独立して回転する)。図1Dに見られるように、この態様では、モジュール56A、56、30iは、搬送チャンバモジュール18Bと18iとの間に介在して設置されてもよく、適切な処理モジュール、1つまたは複数のロードロック、バッファステーション、測定ステーション、または他の任意の望ましいステーションを画定してもよい。たとえば、ロードロック56A、56、およびワークピースステーション30iなどの、介装型モジュールはそれぞれ、搬送チャンバの直線軸Xに沿った搬送チャンバの全長に亘って、ワークピースの搬送をもたらすために搬送アームと連携する、静止型ワークピース支持部/シェルフ56S、56S1、56S2、30S1、30S2を有してもよい。例として、1つまたは複数のワークピースが、接合部12によって、搬送チャンバ416にロードされてもよい。1つまたは複数のワークピースは、接合部の搬送アーム15を用いて、ロードロックモジュール56Aの、1つまたは複数の支持部上に位置付けられてもよい。ロードロックモジュール56A内で、1つまたは複数のワークピースは、モジュール18B内の搬送アーム26Bによって、ロードロックモジュール56Aとロードロックモジュール56との間で移動させられてもよく、同様の連続的な方法で、アーム26iを用いて、ロードロック56とワークピースステーション30iとの間で(モジュール18i内の)、モジュール18i内のアーム26iを用いて、ステーション30iとステーション412との間で移動させられてもよい。1つまたは複数のワークピースを反対の方向に移動させるために、この処理は全体的に、または部分的に逆行されてもよい。したがって、ある態様では、ワークピースは、X軸に沿って任意の方向に、および搬送チャンバに沿って任意の位置に移動させられてもよく、搬送チャンバと連絡している、望ましいモジュール(処理モジュール、あるいは別のモジュール)に、または望ましいモジュールから、ロードまたは取り出されてもよい。他の態様では、搬送チャンバモジュール18Bと18iの間には、静止型ワークピース支持部またはシェルフを有する、介装型搬送チャンバモジュールは設けられない。そのような態様では、搬送チャンバを通してワークピースを移動させるために、隣接する搬送チャンバモジュールの搬送アームは、ワークピースを、エンドエフェクタまたは搬送アームから直接、エンドエフェクタまたは別の搬送アームへ受け渡してもよい。処理ステーションモジュールは、様々な、成膜、エッチング、または他の種類の処理を通じて、基板上に電気回路または他の望ましい構造体を形成するために、基板に対し動作してもよい。基板が、搬送チャンバから処理ステーションに、またはその逆に、通過することを可能にするために、処理ステーションモジュールは、搬送チャンバモジュールに接続される。図1Dに示された処理装置と類似の一般的特徴を有する処理ツールの適切な例は、既に参照により本明細書に組み込まれた、米国特許第8,398,355号明細書に記載されている。
【0013】
図2を参照すると、線形搬送チャンバ232を有する、別の線形の例示的な処理ツール200が図示されている。処理ツール200は、既に参照により本明細書に組み込まれた、米国特許第7,901,539号明細書に記載されたものと実質的に類似であってもよい。ここでは、線形搬送チャンバ232は、処理モジュール231および/または、入力/出力モジュール235(たとえば、ロードロック)が接続される、1つまたは複数の開口を有していてもよい。この態様では、線形トラック243が、搬送チャンバ232内に配置されている。1つまたは複数の搬送アーム241A、241Bは、入力/出力モジュール235と処理モジュール231との間で基板を搬送するために、線形トラック243に沿って走行してもよい。搬送アーム241A、241Bは、関節運動のために、あるいは線形トラック243に沿った、アームの運動、およびアームの伸長および収縮をもたらすために、線形トラック243に沿って走行し、少なくとも駆動伝達部の一部を含む、それぞれの駆動および支持機構245に取り付けられていてもよい。たとえば、ある態様では、少なくとも1つの線形および/または回転駆動部(図示されず)が駆動および支持機構245の少なくとも1つの従動体または磁気ヘッド248に磁気によって連結され、それによって、少なくとも1つの線形および/または回転駆動部と少なくとも1つの磁気ヘッド248との間の磁気連結が、その開示内容の全てが、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,901,539号明細書、および、2012年10月23日に発行された、「Apparatus and Methods for Transporting and Processing Substrates」と題された、米国特許第8,293,066号明細書、および2013年4月16日に発行された、「Linear Vacuum Robot with Z Motion and Articulated Arm」と題された、米国特許第8,419,341号明細書に記載されたものに実質的に類似の方法で、搬送アーム241A、241Bの伸長および、線形トラック243に沿った、搬送アーム241A、241Bの線形運動をもたらすように、各アームの少なくとも1つの線形および/または回転駆動部は、搬送チャンバ232の密閉環境の外部に配置されてもよい。
【0014】
理解できるように、上記のロボット搬送装置のそれぞれは、少なくとも1つのトルク伝達バンドによって駆動される、少なくとも1つのアームリンクを含んでいてもよい。次に図3Aおよび3Bを参照すると、本明細書で説明されるもののような、ロボット搬送装置に使用される例示的なトルク伝達バンド構成が、開示される実施形態の態様に従って、図示されている。図3Aおよび3Bに見られるように、ロボット搬送装置320は、任意の適切な基部または駆動部ハウジング322に取り付けられた搬送アーム324を含んでいる。ある態様では、搬送アーム324はスカラ(SCARA)アームであってもよく、近位および遠位端部を有するアッパーアーム326、近位および遠位端部を有するフォアアーム328、および1つまたは複数の基板を保持するように構成された、少なくとも1つの基板支持部またはエンドエフェクタ330を含んでもよい。アッパーアーム326の近位端部は肩関節部332で、基部322に回転可能に接続される。フォアアーム328の近位端部は肘関節部334で、アッパーアーム326の遠位端部に回転可能に接続される。1つまたは複数の基板支持部330は手首関節部336で、フォアアーム328の遠位端部に回転可能に接続される。本明細書に図示されるスカラアームに加え、開示される実施形態の態様を用いて使用されるアーム構成の他の例は、限定されないが、その開示内容の全てが、参照により本明細書に組み込まれる、2008年3月8日に出願された、「Substrate Transport Apparatus with Multiple Movable Arms Utilizing a Mechanical Switch Mechanism」と題された、米国特許出願第12/117,415号明細書、および2013年2月11日に出願された、「Substrate Processing Apparatus」と題された、国際特許出願第PCT/US13/25513号明細書に記載されたアーム構成、または他の任意の適切な、ベルトおよび/またはバンドが(たとえば、シャフトアレンジメントを駆動する横並びのモータと同様に)駆動部内、および/またはアームリンク内に設置されるかどうかにかかわらず、搬送アームの動作のために、プーリから別のプーリにトルクを伝達するため、ベルトおよび/またはバンドを使用する搬送アームを含む。
【0015】
理解できるように、搬送アームの各アームリンク326、328、330は、それぞれにアームリンクの高さALH1、ALH2(基板ホルダー330の高さは図示されず)を有していてもよい。また、理解できるように、各アームリンクの高さALH1、ALH2、および搬送アームの全体の高さ(図示されず)は、搬送アームが動作する、(上に説明されたもののような)搬送チャンバの高さTCHによって制限され得る。したがって、アームを駆動させるために各アームリンク内に設置された、トルク伝達バンドのそれぞれの高さHは、それぞれのアームリンクの高さによって制限され得る。理解できるように、複数のプーリがアームリンク内で積み重ねられている場合、または(以下に説明されるように)各プーリ伝動が複数のバンドを利用する場合、トルク伝達バンドの高さは、アームリンク内で複数のバンドが、垂直方向に上下に積み重ねられているために、さらに制限され得る。搬送アームによって運搬される基板のサイズが増加するにつれて、アームリンクの長さも増加するが、アームリンクおよび/または移送チャンバの高さ制限は増加するとは限らない。以下に説明されるように、トルク伝達バンドの厚さは、以下により詳細に説明されるように、各バンドの厚さとそれぞれのアームリンクの厚さとの関係を維持する一方で、トルク伝達バンドの剛性の増加を提供するために、増加あるいは変化してもよい。たとえば、以下により詳細に説明されるように、トルク伝達バンドは、たとえば、2つのプーリの間で長手方向に延在してもよく、少なくとも、第1の厚さを有し、長手方向に延在する第1のバンド部分、および第2の厚さを有し、長手方向に延在する第2のバンド部分を有してもよく、第2の厚さは第1の厚さよりも大きい。
【0016】
基部322は、それぞれのドライブシャフトを駆動するように構成された、1つまたは複数のサーボまたはモータ370M、371Mを含んでいてもよい。搬送基部または駆動部322は、上記のような、任意の適切な大気または真空ロボット搬送において、使用されてもよい。駆動部は駆動部ハウジングを含んでいてもよく、駆動部ハウジングは、駆動部ハウジング内に少なくとも部分的に配置された、少なくとも1つのドライブシャフト339、340を有する。理解できるように、ドライブシャフトは、同軸配置または並列配置などの、任意の適切な配置を有していてもよい。図3Aに2つのドライブシャフトが図示されているが、他の態様では、駆動部は、任意の適切な数のドライブシャフトを含んでいてもよい。ドライブシャフト339、340は、ハウジング内で、その開示内容の全てが、参照により本明細書に組み込まれる、2012年10月9日に発行された、「Robot Drive with Magnetic Spindle Bearings」と題された、米国特許第8,283,813号明細書、および2011年8月30日に発行された、「Substrate Processing Apparatus with Motors Integral to Chamber Walls」と題された、米国特許第8,008,884号明細書に記載されたもののような、任意の適切な方法で、機械的に支持される、または(たとえば、実質的に接触せずに)磁気的に吊設されてもよい。基部322の各ドライブシャフト339、440は、ステータSTATおよびロータROTを含む、それぞれのモータ370M、371Mによって駆動されてもよい。本明細書で説明される駆動モータは、永久磁石モータ、(対応するコイルユニットを備えた、少なくとも1つの突極と、少なくとも1つの、透磁性材料の突極を有する、少なくとも1つの、それぞれのロータと、を有する)可変リラクタンスモータ、または他の任意の適切な駆動モータであってもよい。1つまたは複数のステータは、少なくとも部分的にハウジング内に固定されてもよく、1つまたは複数のロータは、任意の適切な方法で、それぞれのドライブシャフト339、340に固定されてもよい。一態様では、任意の適切な隔離壁または障壁の使用によって、1つまたは複数のステータSTATは、1つまたは複数のロボットアーム208が動作する大気から密閉された(本明細書において、1つまたは複数のロボットアームが動作する環境は、「密閉」環境と呼ばれ、真空または他の任意の適切な環境であってもよい)、「外部」または「非密閉」環境に配置されてもよく、一方で、1つまたは複数のロータROTは密閉環境内に配置される。本明細書で使用される「隔離壁」という用語は、任意の適切な非強磁性材料製であり、ロボット駆動および/または(駆動部に関連する)センサの移動部分と、対応する、ロボット駆動および/またはセンサの静止部分との間に配置され得る壁のことをいう。第1のドライブシャフト339は、アッパーアーム326を肩関節部332の周りで駆動回転させるために、モータ370M、371Mの1つに駆動接続されてもよい。第2のドライブシャフト340(この態様では、第1のドライブシャフトと同軸である)は、フォアアーム328を肘関節部334の周りで駆動回転させるために、モータ370M、371Mの他方に駆動接続されていてもよい。アームリンク(たとえば、アッパーアーム、フォアアームおよび/またはエンドエフェクタ)のそれぞれを駆動するためのモータ370M、371Mは、任意の適切な方法で、ロボット搬送装置320の基板取り上げおよび基板配置の動作を制御するための制御装置11091などの、任意の適切な制御装置に接続されてもよい。
【0017】
図3Aにみられるように、ドライブシャフト340が回転すると、第1プーリ342がドライブシャフト340と共に回転するように、第1プーリ342は、たとえば、肩軸332でドライブシャフト340に接続される。第2プーリ344が回転すると、フォアアーム328が第2プーリ344と共に回転するように、第2プーリ344は、たとえば、肘関節部334でシャフトS1に、(たとえば、任意の適切な軸受B1を使用して)回転可能に取り付けられていてもよく、(アッパーアーム326に固定されていてもよい)シャフト354などの任意の適切な方法で、フォアアーム328に接続されていてもよい。理解できるように、第1プーリおよび第2プーリは、ある態様では、プーリは同じ径、または異なる径(たとえば、駆動プーリは従動プーリより小さい、またはその逆でもよい)を有していてもよいように、互いに対して任意の適切な径(たとえば駆動比)を有していてもよい。また、理解できるように、第1および第2プーリはそれぞれ、駆動および従動プーリであってもよい。第2プーリ342は、1つまたは複数のトルク伝達バンド350(図3に2つのトルク伝達バンド350、351が図示されている)などの、任意の適切な方法で第1プーリ342に連結されていてもよい。トルク伝達バンドは、第1プーリ342から第2プーリ344にトルクを伝達することが可能である、任意の適切な材料で構成されていてもよい。ある態様では、トルク伝達バンドは、任意の適切な金属で構成された、金属バンドであってもよい。
【0018】
トルク伝達バンド350、351は、プーリ342、344の周りに連続した円形状のベルトを形成しなくてもよい。むしろ、トルク伝達バンド350の一方の端部は、第1プーリ342に少なくとも部分的に(たとえば、時計回りの方向で)巻き付けられ、取り付けられてもよく、トルク伝達バンド350の他方の端部は、第2プーリ344に少なくとも部分的に(たとえば、反時計回りの方向で)巻き付けられ、取り付けられてもよい。トルク伝達バンド350の端部は、ピンまたは任意の適切な、取り外し可能の、または取り外し可能でない、化学的または機械的ファスナなどの、任意の適切な方法で、それぞれのプーリ342、344に取り付けられてもよい。トルク伝達バンド350に実質的に類似の、第2トルク伝達バンド351は、トルク伝達バンド350に関して、上記のものと実質的に類似の任意の適切な方法で、その端部でプーリ342、342に取り付けられてもよいが、トルク伝達バンド351がプーリ342、344の周りで巻きつけられる方向は逆であってもよい(たとえば、トルク伝達バンド351の一方の端部は、プーリ342の周りを反時計まわりの方向で巻きつけられ、トルク伝達バンド351の他方の端部は、プーリ344の周りを時計回りの方向で巻きつけられる)。この2つのトルク伝達バンドによる構成によって、どちらのトルク伝達バンドも緩まないように、トルク伝達バンド350、351の両方は一定の緊張状態におかれる。
【0019】
理解できるように、基板支持部330の長手方向軸330Xが、ロボットアーム324の伸長および収縮の軸と並んだままとなるように、基板支持部330は、たとえば、本明細書で説明されるような、トルク伝達バンドおよびプーリ伝達部などの、任意の適切な方法の伝達部を使用して、従動されてもよい。たとえば、図3Bを参照すると、第1プーリ342’は、シャフトS1に固定され、少なくとも部分的に、フォアアーム328内に延在してもよい。第2プーリ344’は、任意の適切な軸受B2を使用して、(フォアアーム328に固定されてもよい)シャフトS2上などの手首関節部336で、回転可能に取り付けられてもよい。第2プーリ344’が回転すると、エンドエフェクタ330が第2プーリ344’と共に回転するように、第2プーリ344’は、シャフト354’を用いる、などの任意の適切な方法で、エンドエフェクタ330に接続されてもよい。フォアアーム328とアッパーアーム326との間の相対的運動が第2プーリ344’の回転を引き起こし、その回転が、エンドエフェクタの長手方向軸330Xが伸長および収縮の軸と並んだままとなるように、エンドエフェクタ330をアッパーアームおよびフォアアームに対して回転させるように、トルク伝達バンド350、351に実質的に類似のトルク伝達バンド350’、351’は、第1プーリ342’を第2プーリ344’に連結させてもよい。他の態様では、フォアアームに関して本明細書で説明されるものと実質的に類似の方法で、基板支持部330の、手首関節部336の周りでの回転を駆動するために、第3モータおよびドライブシャフトがロボット搬送部320に追加されてもよい。
【0020】
理解できるように、再び図3Aを参照すると、基板ホルダー330が両面エンドエフェクタ(たとえば、1つまたは複数の基板を、エンドエフェクタの回転軸または手首関節部の対向する二面上で保持することが可能なエンドエフェクタ)として図示されているが、他の態様では、本明細書に説明される搬送アームの基板ホルダーは、たとえば、片面エンドエフェクタ、バッチエンドエフェクタ(たとえば、2つ以上の基板を、積み重ねてまたは横に並べて、保持することが可能なエンドエフェクタ)、またはその組み合わせなどの、任意の適切な構成を有してもよい。また、理解できるように、バンドおよびプーリから発生するどのような微粒子もアームリンクの外部に移送されないように、搬送アーム324のアッパーアーム326およびフォアアーム328リンクは、搬送アームが動作する環境からアームリンクの内部を密閉する、あるいは隔離するための、任意の適切なカバーC1、C2を有してもよい。
【0021】
次に図3Cを参照すると、理解できるように、本明細書で説明されるロボット搬送装置の任意の適切なアームリンクは、本明細書に説明されたもののようなトルク伝達バンドによって従動および駆動されてもよい。たとえば、図3Cに図示されるロボット搬送装置は、第1またはアッパーアームリンク1721、および第1アームリンク1721に回転可能に取り付けられた、第2またはフォアアームリンク1722を有する、アーム1720を含んでいる。アームリンクは、任意の適切な駆動部1700によって駆動されてもよい。この態様では、駆動部は、それぞれ、各駆動モータ(図示されず)によって駆動される、内側ドライブシャフト1262、中間ドライブシャフト1261、および外側ドライブシャフト1260を有する同軸ドライブシャフトアレンジメントを含んでいる。外側ドライブシャフト1260が回転すると、第1アームリンク1721が共に回転するように、外側ドライブシャフト1260は、回転駆動軸Xの周りで第1アームリンク1721に連結されていてもよい。ベースアーム1720が伸長および収縮する(たとえば、単一の駆動モータによってアーム1720の伸長および収縮が引き起こされる)際に、第2アームリンク1722の肩軸SXが、略直線状の経路に沿って進むように、第2アームリンク1722は、たとえば、駆動部1700のハウジング1701(または他の任意の適切な場所)に従動してもよい。第1プーリ1780が、第1アームリンク1721に対して回転方向で静止するように、たとえば、第1プーリ1780は、回転駆動軸Xと実質的に同心円状に取り付けられてもよく、および、たとえば、任意の適切な方法で、駆動部1700のハウジング1701(または、移送装置の他の任意の適切な部分)に接地されてもよい。他の態様では、第1プーリ1780は、任意の適切な方法で、回転可能に固定されてもよい。従動または第2プーリは、任意の適切な軸受EXBなどの、任意の適切な方法で、アーム1720の肘軸EXにおいて回転可能に取り付けられてもよい。第2プーリ1783が回転すると、第2アームリンク1722が共に回転するように、第2プーリ1783は、たとえば、シャフト1763によって、第2アームリンク1722に連結されてもよい。プーリ1780、1783は、本明細書に説明されるような、トルク伝達バンド1791のような、任意の適切な方法で、互いに連結されてもよい。ある態様では、プーリ1780、1783は、プーリのどちらか一方の端部で終端し、上記のように、緩みやバックラッシュを実質的になくすように、互いに対して緊張状態にある、少なくとも2つのトルク伝達バンドを用いて、互いに連結されてもよい。他の態様では、任意の適切な伝達部材が、プーリ780、783を連結させるために使用されてもよい。
【0022】
この態様では、外側シャフト1271および内側シャフト1270を有する同軸スピンドル(ドライブシャフトアレンジメント)は、第2アームリンク1722の肩軸SXに設置されてもよい。外側シャフト1271は、たとえば、中間ドライブシャフト1261によって、任意の適切な方法で、駆動されてもよい。中間ドライブシャフト1261が回転すると、プーリ1781が共に回転するように、たとえば、プーリ1781は、中間ドライブシャフト1261に連結されてもよい。アイドラプーリ1784が、肘軸EXの周りで回転するために、第1アームリンク1721内に配置されてもよい。アイドラプーリ1784が回転すると、シャフト1765が共に回転するように、アイドラプーリ1784は、シャフト1765に連結されてもよい。シャフト1765およびプーリ1784は、任意の適切な軸受EXBを用いるなどの、任意の適切な方法で支持されてもよい。アイドラプーリ1784は、本明細書で説明されるものに実質的に類似の、任意の適切な伝達部1790を通して、などの任意の適切な方法で、プーリ1781と連結されてもよい。プーリ1784および1787が同時に回転するように、第2アイドラプーリ1787もまた、第2アームリンク1722内でシャフト1765に連結されてもよい。シャフト1271および肩部プーリ1789が同時に回転するように、肩部プーリ1789は、シャフト1271に連結されてもよい。第2アイドラプーリ1787は、本明細書で説明されるものに実質的に類似の、任意の適切な伝達部794を通して、などの任意の適切な方法で、肩部プーリ1789と連結されてもよい。
【0023】
同軸スピンドルの内側シャフト1270は、任意の適切な方法で、たとえば、内側ドライブシャフト1262によって、駆動されてもよい。内側ドライブシャフト1262が回転すると、プーリ1782が共に回転するように、たとえば、プーリ1782は、内側ドライブシャフト1262に連結されてもよい。アイドラプーリ1785が、肘軸EXの周りで回転するために、第1アームリンク1721内に配置されてもよい。アイドラプーリ1785が回転すると、シャフト1764が共に回転するように、アイドラプーリ1785は、シャフト1764に連結されてもよい。シャフト1764およびプーリ1785は、任意の適切な軸受EXBを用いるなどの、任意の適切な方法で、支持されてもよい。アイドラプーリ1785は、本明細書で説明されるものに実質的に類似の、任意の適切な伝達部792を通して、などの任意の適切な方法で、プーリ1782と連結されてもよい。プーリ1785および1786が同時に回転するように、第2アイドラプーリ1786もまた、第2アームリンク1722内でシャフト1764に連結されてもよい。内側シャフト1270および肩部プーリ1788が同時に回転するように、肩部プーリ1788は、内側シャフト1270に連結されてもよい。第2アイドラプーリ1786は、本明細書で説明されるものに実質的に類似の、任意の適切な伝達部1793を通して、などの任意の適切な方法で、肩部プーリ1788と連結されてもよい。理解できるように、ある態様では、1つまたは複数の任意の適切な基板ホルダーが、任意の適切な方法で、シャフト1270、1270に固定されてもよい。別の態様では、アーム1720が、たとえば、その開示内容の全てが、参照により本明細書に組み込まれる、2013年2月11日に出願された、「Substrate Processing Apparatus」と題された、国際特許出願第PCT/US13/25513号明細書に記載されたような、細長い移送チャンバを通して、移送アーム1214を搬送するための「ブーム」または「ベース」型アームとして構成されるように、(たとえば、任意の適切な数のアームリンクおよび基板ホルダーを有する)任意の適切な移送アーム1214が、シャフト1270、1270に取り付けられてもよい。
【0024】
たとえば、図3Dを参照すると、開示される実施形態の態様に従って、自動化または移送モジュール2030が図示され、基板は、基板に一度触れることによって、処理ツールモジュール2025、2026、2040の間で、自動化モジュール2030を通して移送される。処理ツールモジュールは、自動化モジュール2030のポート2030P1~2030P6を通して、などの任意の適切な方法で(たとえば、横並びで、上下に積み重ねられて、および/または他の任意の適切な配置で)、自動化モジュール2030に連結されてもよい。自動化モジュール2030は移送ロボット2080を含む。ある態様では、移送ロボット2080は、上記のものと実質的に類似の、駆動部2081を含んでもよい。ブームまたはベースアーム2082Bは、駆動部2081に回転可能に取り付けられてもよく、1つまたは複数の、それぞれの基板ホルダー2083を有する、1つまたは複数のマルチリンクアーム2082は、肩軸SXにおいてベースアーム2082Bに回転可能に取り付けられてもよい。1つまたは複数のアーム2082が、自動化モジュール2030の両側面に基板を移送するため、基板を、矢印2400の方向に(たとえば、自動化モジュール2030および/または真空トンネルの長手方向軸に沿って)、また、矢印2401の方向に、移送することが可能であるように、駆動部2081は、1つまたは複数のアーム2082およびエンドエフェクタ2083を、肩軸SXの周りで、単一体として回転させるように構成されてもよい。理解できるように、ベースアーム2082Bは、1つまたは複数のマルチリンクアーム2082、およびそれらのエンドエフェクタを、自動化モジュール2030の長さに沿った方向2400に搬送するために、軸BXの周りで回転可能である。
【0025】
再び図3Cを参照すると、本明細書で説明される搬送装置は、任意の適切なZ軸駆動部1203を含んでいてもよい。Z軸駆動部1203は、移送アームを搬送アームの伸長/収縮の軸に実質的に直角をなす方向1799に移動させるように構成されてもよい。
【0026】
次に図4Aおよび4Bを参照すると、トルク伝達バンド350、351の剛性は、1つまたは複数のエンドエフェクタ/ペイロードの慣性および駆動ねじり固有振動数とともに、ロボットアームの性能に影響を与え得る。たとえば、少なくともトルク伝達バンドの剛性は、アームの加速、アームのジャークとジャーク率、およびアームの最高速度などの、トルク伝達バンドの剛性の関数とすることができる、アームの応答に影響を与え得る。また、アームの長さが増加すると、搬送アームにおける、バンドの緊張状態からの変位も増加するため、アームリンクがより長くなると、トルク伝達バンドの剛性に影響し得る。搬送アームリンクの長さの増加による、搬送アームリンクの角速度の変化もまた、たとえば、バンドの長手方向軸に沿う、および/またはトルク伝達バンドの短手方向軸に沿う、バンドの固有振動数の1次モードに応答を生じ得る。トルク伝達バンドの振動の振動数モードは通常、ロボットアームの振動の最低次モードであるため、たとえば、アームが任意の適切な基板保持位置に伸長するときに、この振動の振動数モードもまた、駆動モータ、ロボットアームの位置決め精度および停止性能に影響し得る。トルク伝達バンド350、350の固有振動数は、以下のように記載されてもよい。
【0027】
【数1】
【0028】
rはプーリの半径であり、Iは基板ホルダーおよびペイロード(基板S)の慣性である。Kは各トルク伝達バンドの剛性(ばね定数)であり、以下のように記載されてもよい。
【0029】
【数2】
【0030】
Aはトルク伝達バンドの断面積であり、Eは弾性率であり、Lは、トルク伝達バンドの長手方向軸LAに沿った、トルク伝達バンドの自由長さ(たとえば、それぞれの駆動部との接触点と、従動プーリP1、P2との間のトルク伝達バンドの長さ)である。等式[2]に見られるように、各トルク伝達バンドの剛性は、トルク伝達バンドの長さLに反比例する。半導体基板のサイズは300mmから450mmおよびそれ以上に増加しているため、ロボットアームのアームリンク(たとえば、アッパーアーム、フォアアーム、エンドエフェクタ)の長さもまた、増加しなければならない。したがって、トルク伝達バンドの剛性Kおよび/または振動数fを増加させるのが望ましい。
【0031】
ある態様では、トルク伝達バンドの固有振動数が、ロボットアームモータのチューニングに干渉しないように、振動数fは最大化されてもよい。ある態様では、振動数は、ある一定のトルク伝達バンドの高さにおいて、トルク伝達バンドの断面積を増加させることによって、増加させることができる。たとえば、さらに図4Bを、および図5を参照すると、たとえばトルク伝達バンド350のような各トルク伝達バンドは、側面LS1、LS2を有し、所定のまたは固定の高さH、および厚さTを有している。各トルク伝達バンドはまた、プーリ接合部350PS1、350PS2、および増加した側面厚さ/断面を有する部分またはセクションを含んでいる。なお、トルク伝達バンドの厚さTは、たとえば、トルク伝達バンドがプーリP1、P2に巻き付くように、少なくともプーリ接合部350PS1、350PS2において湾曲可能となるように、充分に薄くなくてはならないが、トルク伝達バンドの高さHは、トルク伝達バンドが設置される、それぞれのアームリンク326、328の高さHA1、HA2および/または外形(図3B参照)によって制限される、あるいは固定される。トルク伝達バンドの剛性を増加させるために、(たとえば、所定の/制限された高さHにおいて)トルク伝達バンドの厚さTを横方向に、(たとえば、トルク伝達バンドが変化する側面の厚さを有するように)少なくともトルク伝達バンドの長さLの一部またはセグメント350ISに亘って、厚さT’にまで増加させることによって、トルク伝達バンドの断面積は増加させることができ、各トルク伝達バンドの等価剛性Keqは以下のように記載されてもよい。
【0032】
【数3】
【0033】
1は、厚さTを有するトルク伝達バンドの各部分の剛性であり、K2は増加された厚さT’を有するトルク伝達バンドの部分の剛性である。図4Bおよび5に見られるように、トルク伝達バンド350の変化する厚さは、バンドの厚さTが、厚さT’に増加するように、セグメント350ISに沿って、たとえば、横方向にトルク伝達バンドの断面積を増加させることによってもたらされる。ある態様では、トルク伝達バンド350のセグメント350ISは、非湾曲バンドセグメントであってもよく、「非湾曲」という用語は、増加した断面/厚さT’のセグメント350ISが、プーリP1、P2との接触またはプーリP1、P2の影響によって、湾曲することを予定されないことを示している。他の態様では、セグメント350ISは、所定の、ある程度の湾曲性を可能にしてもよい。
【0034】
さらに図5を参照すると、トルク伝達バンド350の増加した厚さT’は、任意の適した方法で提供され得る。ある態様では、図5に示されるように、プーリ接合部350PS1、350PS2、および増加した側面の厚さ/断面350ISの部分は、1つの単一部品で構成されるように、トルク伝達バンドは任意の適切な方法で形成されてもよい。理解できるように、バンドの追加された厚さは、トルク伝達バンド350の、1つまたは複数の側面LS1、LS2から延在する、あるいは側面LS1、LS2上に形成されてもよい。この態様では、増加した厚さT’が側面LS1から延在して示されているが、他の態様では、増加した厚さは側面LS2から、または両側面LS1、LS2から延在してもよい(図5A参照)。
【0035】
図6を参照すると、開示される実施形態の別の態様では、駆動ベルトの部分/セグメントは、機械的に締結された、あるいは結合された、別個の部品であってもよい。たとえば、(上記の駆動ベルトに実質的に類似の)駆動ベルト600は、厚さTおよび高さHを有する、プーリ接合セグメント601、602を含んでもよい。駆動ベルト600はまた、厚さT’、高さH、および、たとえば、トルク伝達バンドが使用されるアームリンクの長さ、および/またはバンドの自由長さに対応する、任意の適した所定の長さを有する、(説明目的のため、本明細書において「プレートセグメント」と呼ばれる)増加した厚さ603のセグメントを有してもよい。プレートセグメント603は、プレートセグメント603の側面から横方向に延在する、支持棒または他の適切な突出部605を含んでもよい。プーリ接合セグメント601、602のそれぞれは開口609を含んでもよく、突出部605は開口609を通って延在する。組み立てられると、プーリ接合セグメント601、602がプレートセグメント603とそれぞれの保持部材610との間に配置されるように、突出部は、任意の適切な保持部材610(たとえば、任意の適切なクリップ、ナット、ピンなど)と接合するように構成された、任意の適切な凹部、溝、開口、スレッドなどに嵌ってもよい。この態様では、プレートセグメント603とプーリ接合セグメント601、602のそれぞれとの間の、突出部605と開口609の接続は、トルク伝達バンド600が緊張状態にあるとき、プレートセグメント603およびプーリ接合セグメント601、602のそれぞれの自己整列を可能にする。他の態様では、プーリ接合セグメント601、602は、たとえば、化学的ファスナ、溶接、ろう付け、エポキシ接合、または、たとえば、ねじ、ボルト/ナット、クリップ、留め金などのような、他の任意の適切な機械的ファスナなどの、任意の適切な方法で、プレートセグメント603に、化学的または機械的に接着あるいは取り付けられてもよい。
【0036】
図7を参照すると、別の駆動ベルト700が、開示される実施形態の態様に従って図示されている。駆動ベルト700は、トルク伝達バンド600に実質的に類似であるが、この態様では、プーリ接合セグメント701、702は、任意の適切な方法で、プレートセグメント703に化学的または機械的に取り付けられてもよい。たとえば、プレートセグメント703は、プレートセグメント703の長手方向の各端部に配置された、1つまたは複数の凹部703Rを有してもよい。凹部703Rは、それぞれのプーリ接合セグメント701、702の端部701E、702Eを受容するような、形状およびサイズであってもよい。プーリ接合セグメント701、702の端部701E、702Eは、たとえば、化学的ファスナ、溶接、ろう付け、エポキシ接合などの、任意の適切な方法で、プレートセグメント703に、化学的または機械的に接着あるいは取り付けられてもよい。理解できるように、組み立て中に、プーリ接合セグメント701、702およびプレートセグメント703を整列させるために、任意の適切な整列固定具が使用されてもよい。
【0037】
次に図8を参照すると、トルク伝達バンド800が、開示される実施形態の態様に従って図示されている。トルク伝達バンド800は、上記のものに実質的に類似であってもよいが、この態様では、トルク伝達バンド800は一体式バンド850および、一体式バンドに取り付けられ、バンド重ね板(band doubler)を形成する、プレートセグメント803を含む(たとえば、プレートセグメントが、バンドの長さに沿って長手方向に延在し、バンドと、その長手方向の長さに沿って、実質的に接触している)。プレートセグメント850は、上記のものに実質的に類似の方法のような、任意の適切な方法で、一体式バンド800に、化学的または機械的に接着、あるいは化学的または機械的に取り付けられてもよい。理解できるように、組み立て中に、一体式バンド850およびプレートセグメント803を整列させるために、任意の適切な整列固定具が使用されてもよい。
【0038】
上記の、開示される実施形態の態様では、増加した側面の厚さ/断面350ISの一体形成された部分、およびプレートセグメント603、703、803は、実質的に長方形の断面を有して図示されている。しかし、他の態様では、プレートセグメント、および/または(説明目的のために、まとめてプレート部と呼ばれる)増加した側面の厚さ/断面の一体形成された部分は、図9A~9Hに記載されるもののような、任意の適切な断面を有してもよい。たとえば、図9Aは、一体式バンドまたはプーリ接合セグメントが取り付け、または一体形成され得る側面PLS1、PLS2を備えた、「T」字(または逆「T」字)状の断面を有する、プレート部を図示している。図9Bは、一体式バンドまたはプーリ接合セグメントが取り付け、または一体形成され得る側面PLS1、PLS2を備えた、「I」字状の断面を有する、プレート部を図示している。図9Cは、一体式バンドまたはプーリ接合セグメントが取り付け、または一体形成され得る側面PLS1、PLS2を備えた、「C」字(または反転「C」字)状の断面を有する、プレート部を図示している。図9Dは、一体式バンドまたはプーリ接合セグメントが取り付け、または一体形成され得る側面PLS1、PLS2を備えた、「L」字(または逆「L」字)状の断面を有する、プレート部を図示している。図9Eは、一体式バンドまたはプーリ接合セグメントが取り付け、または一体形成され得る側面PLS1、PLS2を備えた、穴の開いた長方形の形状の断面(たとえば、長方形のチューブ)を有する、プレート部を図示している。図9Fは、一体式バンドまたはプーリ接合セグメントが取り付け、または一体形成され得る側面PLS1、PLS2を備えた、三角形状の断面を有する、プレート部を図示している。図9Gは、一体式バンドまたはプーリ接合セグメントが取り付け、または一体形成され得る側面PLS1、PLS2を備えた、穴の開いた長方形の形状の断面(たとえば、三角形のチューブ)を有する、プレート部を図示している。図9Hは、一体式バンドまたはプーリ接合セグメントが取り付け、または一体形成され得る側面PLS1、PLS2を備えた、横向きの「T]字状の断面を有する、プレート部を図示している。図9Iは、一体式バンドまたはプーリ接合セグメントが取り付け、または一体形成され得る側面PLS1、PLS2を備えた、「Z」字状の断面を有する、プレート部を図示している。理解できるように、図9A~9Iに図示される、1つまたは複数のプレート部は、上記のトルク伝達バンド350、600、700、800のプーリ接合部の、1つまたは複数の側面LS1、LS2と、(単一の一体構造体として)一体形成、接着、あるいは取り付けられてもよい。図9Jおよび9Kは、上記のプレートセグメントに類似であり、バンド重ね板を形成するために、上記のような、一体式バンドまたはプーリ接合セグメントの1つまたは複数の側面PLS1、PLS2に(たとえば、接着、溶接、圧着などの、機械的または化学的な任意の適切な方法で)取り付けられ得る、1つまたは複数のワイヤセグメントWSを図示している。各側面に1つのワイヤセグメントWSが図示されているが、他の態様では、2つ以上のワイヤセグメントが各側面に取り付けられてもよい。
【0039】
再び図5を参照すると、本明細書で説明されるプレートセグメントは、バンドにおける応力集中を減少させるために、1つまたは複数のウェブまたは他の適切な形状の部分550、551を含んでもよい。たとえば、一体式バンドまたはプーリ接合部に取り付けられた、プレート部の端部は、プレート部と、一体式バンドまたはプーリ接合部との間の移行部に、先細りする、フィレット状の、または他の適切な形状の端部550、551を有してもよい。他の態様では、バンドおよび/またはプレート部における応力集中は、任意の適切な方法で減少されてもよい。
【0040】
図10を参照すると、バンドの剛性をさらに増加させるために、プレート部は、バンドの運動を制限および誘導するように構成された、任意の適切なガイド部に接続されていてもよい。たとえば、図10は、トルク伝達バンド1001が設置される、例示的なアームリンクを図示している。トルク伝達バンド1001は、上記のものに実質的に類似であってもよい(バンド1001と接合するプーリは、明確にするために省略されている)。線形ガイドレール1010が、搬送アームリンク1000内に配置されてもよい。可動式キャリッジ1011が搬送アームリンク1000の長手方向軸(たとえば、X方向)に沿った運動に、実質的に制限されるように、可動式キャリッジ1011は、ガイドレール1010と接合する、およびガイドレール1010に沿って移動するように構成されてもよい。バンド1001のプレート部1001Pもまた、X方向の運動に、実質的に制限されるように、連結部材1012は、たとえば、バンド1001のプレート部1001Pをキャリッジ1011に連結する、あるいは接続してもよい。他の態様では、プレート部1001Pの運動をX方向の運動に実質的に制限するために、任意の適切なガイド構成が提供されてもよい。
【0041】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様に従って、基板処理装置は、連続的に接続されたアームリンクを有し、アームリンクの少なくとも1つが所定のアームリンクの高さを有する、搬送アームと、少なくとも、第1プーリおよび第2プーリであって、第2プーリが連続的に接続されたアームリンクのうちの1つのアームリンクに固定されている、第1プーリおよび第2プーリと、第1プーリおよび第2プーリのそれぞれの間で長手方向に延在し、第1プーリおよび第2プーリのそれぞれに連結される、少なくとも1つのトルク伝達バンドとを備え、少なくとも1つのトルク伝達バンドが、所定のアームリンクの高さ対応するバンドの高さと、対応するバンドの高さに対して、横方向に増加した断面のセグメントを含むように、変化する横方向厚さとを有している。
【0042】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様に従って、基板処理装置は、連続的に接続されたアームリンクの伸長および収縮をもたらすために、第1プーリに駆動接続された駆動部を含む。
【0043】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様に従って、第1プーリは駆動プーリであり、第2プーリは従動プーリである。
【0044】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様に従って、横方向に増加した断面のセグメントは、非湾曲バンドセグメントである。
【0045】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様に従って、搬送アームは、駆動部に連結される近位端部を有する、第1アームリンクと、第2アームリンクであって、第2アームリンクの近位端部で、第1アームリンクの遠位端部に回転可能に連結された、第2アームリンクと、第2アームリンクの遠位端部に接続された、基板支持部と、を含む。
【0046】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様に従って、搬送アームはスカラアームを備える。
【0047】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様に従って、少なくとも1つのトルク伝達バンドのそれぞれは、横方向に増加した断面と異なる第1の横方向の断面を有する、第1および第2プーリ接合部を含み、横方向に増加した断面のセグメントは、第1プーリ接合部を第2プーリ接合部につなぐ。
【0048】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様に従って、少なくとも1つのトルク伝達バンドのそれぞれは、第1および第2プーリ接合部を含み、横方向に増加した断面のセグメントは、第1プーリ接合部と第2プーリ接合部との間の、少なくとも1つのトルク伝達バンド上に配置される。
【0049】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様に従って、横方向に増加した断面のセグメントは、少なくとも1つのトルク伝達バンドに取り付けられる。
【0050】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様に従って、横方向に増加した断面のセグメントは、少なくとも1つのトルク伝達バンドを備えた単一の一体構造を有する。
【0051】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様に従って、横方向に増加した断面のセグメントは、少なくとも1つのトルク伝達バンドの1つまたは複数の側面から横方向に延在する、1つまたは複数のフランジを備える。
【0052】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様に従って、基板処理装置は、連続的に接続されたアームリンクを有し、アームリンクのそれぞれが所定のアームリンクの高さを有する、搬送アームと、少なくとも、第1プーリおよび第2プーリであって、第2プーリが連続的に接続されたアームリンクのうち、駆動されるアームリンクに接続された、第1プーリおよび第2プーリと、第1プーリおよび第2プーリのそれぞれの間で長手方向に延在し、第1プーリおよび第2プーリのそれぞれに連結される、少なくとも1つのトルク伝達バンドとを備え、少なくとも1つのトルク伝達バンドが、横方向のバンド厚さと、所定のアームリンクの高さに関連する所定の高さとを有し、少なくとも1つのトルク伝達バンドのうち、少なくとも1つの側面にバンドセグメントが連結され、バンドセグメントは、少なくとも1つのトルク伝達バンドの所定の長さに亘って、少なくとも1つのトルク伝達バンドの厚さを変えるために、重ね板部材を形成するように構成されている。
【0053】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様に従って、基板処理装置は、アームリンクの伸長および収縮をもたらすために、第1プーリに駆動接続された駆動部をさらに含む。
【0054】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様に従って、第1プーリは駆動プーリであり、第2プーリは従動プーリである。
【0055】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様に従って、バンドセグメントは、非湾曲バンドセグメントである。
【0056】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様に従って、搬送アームは、駆動部に連結される近位端部を有する、第1アームリンクと、第2アームリンクであって、第2アームリンクの近位端部で、第1アームリンクの遠位端部に回転可能に連結された、第2アームリンクと、第2アームリンクの遠位端部に接続された、基板支持部と、を含む。
【0057】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様に従って、搬送アームはスカラアームを備える。
【0058】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様に従って、バンドセグメントは、少なくとも1つの側面に、機械的に固定される、または化学的に接着される。
【0059】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様に従って、バンドセグメントは、少なくとも1つの側面から横方向に延在する、1つまたは複数のフランジを備える。
【0060】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様に従って、バンドセグメントは、少なくとも1つのトルク伝達バンドの第1側面上に配置された第1バンドセグメント、および少なくとも1つのトルク伝達バンドの第2側面上に配置された第2バンドセグメントを備え、第2側面は第1側面の反対に位置する。
【0061】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様に従って、基板搬送装置は、駆動部と、3つ以上のアームリンクを有し、少なくとも1つのアームリンクが所定のアームリンクの高さを有する、スカラアームと、少なくとも、第1プーリおよび第2プーリであって、第2プーリが、連続的に接続されたアームリンクのうちの1つのアームリンクに固定されている、第1プーリおよび第2プーリと、第1プーリおよび第2プーリのそれぞれの間で長手方向に延在し、第1プーリおよび第2プーリのそれぞれに連結される、少なくとも1つのトルク伝達バンドとを備え、少なくとも1つのトルク伝達バンドが、所定のアームリンクの高さに対応するバンドの高さと、対応するバンドの高さに対して、横方向に増加した断面のセグメントを含むように、変化する横方向厚さとを有している。
【0062】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様に従って、少なくとも1つのトルク伝達バンドは、少なくとも1つのトルク伝達バンドの少なくとも1つの側面上に配置された、バンドセグメントを含み、バンドセグメントは所定の高さに対して、少なくとも1つのトルク伝達バンドの所定の長さに亘って、バンドセグメントの断面を変えるように構成されている。
【0063】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様に従って、バンドセグメントは、少なくとも1つの側面に、機械的に取り付けられる、または化学的に接着される。
【0064】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様に従って、バンドセグメントは、少なくとも1つの側面から横方向に延在する、1つまたは複数のフランジを備える。
【0065】
開示される実施形態の1つまたは複数の態様に従って、基板処理装置は、連続的に接続されたアームリンクを有し、アームリンクの少なくとも1つが所定のアームリンクの高さを有する、搬送アームと、少なくとも、第1プーリおよび第2プーリであって、第2プーリが連続的に接続されたアームリンクのうちの1つのアームリンクに接続された、第1プーリおよび第2プーリと、第1プーリおよび第2プーリのそれぞれの間で長手方向に延在し、第1プーリおよび第2プーリのそれぞれに連結される、少なくとも1つのトルク伝達バンドとを備え、少なくとも1つのトルク伝達バンドが、所定のアームリンクの高さに対応するバンドの高さを有し、第1および第2プーリの間に、第1バンド部分が長手方向に延在し、第1および第2プーリの間に、第2バンド部分が長手方向に延在し、第2バンド部分の厚さは、第1バンド部分の厚さよりも大きい。
【0066】
上記記載は、開示される実施形態の態様の例示にすぎないことが理解されるべきである。当業者によって、様々な代替例および修正例が、開示される実施形態の態様から逸脱することなく案出され得る。従って、開示される実施形態の態様は、添付の請求項の範囲に該当する、そのような代替例、修正例、および変形例のすべてを含むことを意図している。さらに、異なる特徴が、それぞれ異なる従属または独立請求項に詳述されるという一事実は、これらの特徴の組み合わせを有利に使用することができないということを意味せず、そのような組み合わせは、本発明の態様の範囲内に留まる。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図5
図5A
図6
図7
図8
図9
図10