(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-17
(45)【発行日】2023-04-25
(54)【発明の名称】電気電子部品屑の処理方法及び電気電子部品屑の処理装置
(51)【国際特許分類】
G06T 7/00 20170101AFI20230418BHJP
B07C 5/10 20060101ALI20230418BHJP
G01N 21/27 20060101ALI20230418BHJP
【FI】
G06T7/00 Z
B07C5/10
G01N21/27 A
(21)【出願番号】P 2021072130
(22)【出願日】2021-04-21
【審査請求日】2022-06-28
(73)【特許権者】
【識別番号】502362758
【氏名又は名称】JX金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】青木 勝志
(72)【発明者】
【氏名】河野 弘
【審査官】小太刀 慶明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/090941(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/208754(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/026551(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/072338(WO,A1)
【文献】国際公開第2021/201250(WO,A1)
【文献】国際公開第2021/201251(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00
B07C 5/10
G01N 21/27
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気電子部品屑の選別条件を決定する選別条件決定工程を備え、該工程が、
複数の部品屑を含む電気電子部品屑を撮像した複数の撮像画像の中から特定の部品種に属する部品屑を画像認識処理によって識別し、識別した部品屑の確からしさを表すスコア、前記部品屑の検知面積及び前記部品屑の個数の情報を含む画像認識情報を取得する画像認識処理工程と、
前記複数の撮像画像の前記画像認識情報を用いて、前記識別した部品屑の個数を前記スコアと前記部品屑の検知面積との関係に基づいて分類した分類情報を作製する分類工程と、
前記分類情報と、前記部品屑を選別する選別装置の処理能力情報とに基づいて、前記画像認識処理のスコア閾値及び前記部品屑の検知面積閾値を決定する条件決定工程と
を備えることを特徴とする電気電子部品屑の処理方法。
【請求項2】
前記条件決定工程が、
前記選別装置が選別可能な前記部品屑の個数と前記分類情報とに基づいて、前記選別装置が選別対象とする前記部品屑に含まれる目的回収物の総重量が最大重量となるように、前記スコア閾値及び前記検知面積閾値を最適化することを特徴とする請求項1に記載の電気電子部品屑の処理方法。
【請求項3】
前記スコア閾値を0.08以上、前記検知面積閾値を40kpx以上に設定することを含む請求項1又は2に記載の電気電子部品屑の処理方法。
【請求項4】
前記検知面積が、前記部品屑と外接する外接図形の面積であることを含む請求項1~3のいずれか1項に記載の電気電子部品屑の処理方法。
【請求項5】
前記選別装置が、ピッキングロボットを含むことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の電気電子部品屑の処理方法。
【請求項6】
複数の部品屑を含む電気電子部品屑を撮像する撮像工程と、
前記撮像工程で得られた撮像画像の中から特定の部品種に属する部品屑を画像認識処理によって識別し、識別した部品屑の確からしさを表すスコア、前記部品屑の検知面積及び前記部品屑の個数の情報を少なくとも含む画像認識情報を取得する画像認識処理工程と、
前記画像認識情報の中から、前記部品屑に対して予め設定されたスコア閾値及び前記部品屑の検知面積閾値を超える部品屑を絞り込む絞り込み工程と、
前記絞り込まれた前記部品屑に優先順位を付ける優先順位付け工程と、
前記優先順位に基づいて選別装置を用いて前記部品屑を選別する選別工程と
を備えることを特徴とする電気電子部品屑の処理方法。
【請求項7】
前記撮像工程の前に、請求項1~5のいずれか1項に記載の前記選別条件決定工程を行い、前記スコア閾値及び前記検知面積閾値を決定することを含む請求項6に記載の電気電子部品屑の処理方法。
【請求項8】
前記選別装置が選別可能な前記部品屑の個数が、前記検知面積閾値を満足する前記部品屑の個数よりも多い場合に、前記電気電子部品屑の処理量を増やすように、該処理量を調整する処理量調整工程を更に含むことを特徴とする請求項6又は7に記載の電気電子部品屑の処理方法。
【請求項9】
電気電子部品屑を搬送する搬送装置と、
前記搬送装置により搬送される前記電気電子部品屑を撮像し、撮像画像を取得する撮像装置と、
前記撮像装置が撮像した前記撮像画像の中から特定の部品種に属する複数の部品屑を画像認識処理によって識別する画像認識処理装置と、
前記画像認識処理装置が識別した前記複数の部品屑を選別する選別装置と、
前記画像認識処理によって識別された部品屑の個数を、スコアと前記部品屑の検知面積との関係に基づいて分類した分類情報を取得し、該分類情報と、前記選別装置の処理能力情報とに基づいて、前記画像認識処理のスコア閾値及び前記選別装置が選別対象とする前記部品屑の検知面積閾値を決定する条件制御装置と
を備えることを特徴とする電気電子部品屑の処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気電子部品屑の処理方法及び電気電子部品屑の処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、資源保護の観点から、廃家電製品・PC、携帯電話等の電気電子部品屑から、有価金属を回収することがますます盛んになってきており、その効率的な回収方法が検討され、提案されている。
【0003】
例えば、特開平9-78151号公報(特許文献1)では、有価金属を含有するスクラップ類を銅鉱石溶錬用自溶炉へ天井部から装入し、有価金属を炉内に滞留するマットへ回収させる工程を含む有価金属のリサイクル方法が記載されている。
【0004】
特開2018-123380号公報(特許文献2)では、アルミニウムを含むリサイクル原料から有価金属を回収する方法として、リサイクル原料を銅製錬工程の溶融炉へ装入し、アルミニウムを酸化させて溶融スラグ層の成分にすることで系外に除去し、有価金属をメタル層やマット層に溶け込ませ、溶け込んだ有価金属を回収するリサイクル原料の処理方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平9-78151号公報
【文献】特開2018-123380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、電気電子部品屑の処理量が増加に伴い、電気電子部品屑に含まれる物質の種類によっては、その後の銅製錬工程での処理に好ましくない物質(製錬阻害物質)が従来よりも多量に投入されることとなる。このような銅製錬工程に装入される製錬阻害物質の量が多くなると、電気電子部品屑の投入量を制限せざるを得なくなる状況が生じる。
【0007】
製錬工程へ投入する原料中に含まれる製錬阻害物質を低減しながら有価金属をより多く回収するためには、製錬工程で処理可能な有価金属を含む銅線屑などの処理原料(以下「製錬原料」という)と、製錬工程の処理安定性を損なう可能性があり製錬工程の系外へ送るべき原料(以下「系外原料」という)とを予め選別しておくことが好ましい。
【0008】
本発明者らは、人工知能を用いた画像認識処理技術の利用を検討し、電気電子部品屑の中から選別対象となる部品屑を適切に解析するための種々の検討を行ってきた。しかしながら、電気電子部品屑は種々の部品が混在しており、組成も形状も様々であるため、画像認識による電気電子部品屑の個体識別を精度良く行うことが難しいという問題がある。
【0009】
一般的に、人工知能を用いた電気電子部品屑の画像認識処理においては、認識結果の確からしさを表すスコア(確信度)が高いほど、所望の部品屑である可能性が高くなる。スコアが低いほど誤検知が多くなり、所望の部品屑である可能性は低くなるが、部品屑の識別点数自体は多くなる。電気電子部品屑の個体識別においては、その性質上誤検知も多くなるため誤検知とのバランスを考えてスコア閾値の最適値を見極めることが必要である。
【0010】
一方、スコア閾値の最適化により電気電子部品屑の適切な個体識別が行えたとしても、電気電子部品屑を選別処理する選別装置の処理能力自体に限界があり、要求された選別対象数に対して十分な選別処理が行えない場合がある。例えば、所望の部品屑を採集する選別装置としてピッキングロボットを採用する場合等には、ロボットの台数にも限りがあるため、選別能力とのバランスを考慮する必要もある。
【0011】
そこで、本開示は、画像認識処理技術及び選別装置を用いて、電気電子部品屑の中から所望の部品屑をより効率良く選別することが可能な電気電子部品屑の処理方法及び電気電子部品屑の処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の実施の形態に係る電気電子部品屑の処理方法は一側面において、電気電子部品屑の選別条件を決定する選別条件決定工程を備え、該工程が、複数の部品屑を含む電気電子部品屑を撮像した複数の撮像画像の中から特定の部品種に属する部品屑を画像認識処理によって識別し、識別した部品屑の確からしさを表すスコア、部品屑の検知面積及び部品屑の個数の情報を含む画像認識情報を取得する画像認識処理工程と、複数の撮像画像の画像認識情報を用いて、識別した部品屑の個数をスコアと部品屑の検知面積との関係に基づいて分類した分類情報を作製する分類工程と、分類情報と、部品屑を選別する選別装置の処理能力情報とに基づいて、画像認識処理のスコア閾値及び部品屑の検知面積閾値を決定する条件決定工程とを備える電気電子部品屑の処理方法である。
【0013】
本発明の実施の形態に係る電気電子部品屑の処理方法は別の一側面において、複数の部品屑を含む電気電子部品屑を撮像する撮像工程と、撮像工程で得られた撮像画像の中から特定の部品種に属する部品屑を画像認識処理によって識別し、識別した部品屑の確からしさを表すスコア、部品屑の検知面積及び部品屑の個数の情報を少なくとも含む画像認識情報を取得する画像認識処理工程と、画像認識情報の中から、部品屑に対して予め設定されたスコア閾値及び部品屑の検知面積閾値を超える部品屑を絞り込む絞り込み工程と、絞り込まれた部品屑に優先順位を付ける優先順位付け工程と、優先順位に基づいて選別装置を用いて部品屑を選別する選別工程とを備える電気電子部品屑の処理方法である。
【0014】
本発明の実施の形態に係る電気電子部品屑の処理装置は一側面において、電気電子部品屑を搬送する搬送装置と、搬送装置により搬送される電気電子部品屑を撮像し、撮像画像を取得する撮像装置と、撮像装置が撮像した撮像画像の中から特定の部品種に属する複数の部品屑を画像認識処理によって識別する画像認識処理装置と、画像認識処理装置が識別した複数の部品屑を選別する選別装置と、画像認識処理によって識別された部品屑の個数を、スコアと部品屑の検知面積との関係に基づいて分類した分類情報を取得し、該分類情報と、選別装置の処理能力情報とに基づいて、画像認識処理のスコア閾値及び選別装置が選別対象とする部品屑の検知面積閾値を決定する条件制御装置とを備える電気電子部品屑の処理装置である。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、画像認識処理技術及び選別装置を用いて、電気電子部品屑の中から所望の部品屑をより効率良く選別することが可能な電気電子部品屑の処理方法及び電気電子部品屑の処理装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施の形態に係る電気電子部品屑の処理装置の一例を表す図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係る電気電子部品屑の処理装置の一例を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施の形態に係る電気電子部品屑の分類情報の一例を示す表である。
【
図4】本発明の実施の形態に係る電気電子部品屑の処理方法の一例を示すフローチャートである。
【
図5】
図4の選別条件決定工程の処理フローの一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図5の閾値決定工程の処理フローの一例を示すフローチャートである。
【
図7】本発明の実施の形態に係る電気電子部品屑の製錬工程を含めた全体フローの一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。以下に示す実施の形態はこの発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は、構成部品の構造、配置等を下記のものに特定するものではない。
【0018】
(電気電子部品屑の処理装置)
本発明の実施の形態に係る電気電子部品屑1の処理装置は、
図1に示すように、電気電子部品屑1を撮像する撮像装置12と、電気電子部品屑1を選別する選別装置13と、撮像装置12及び選別装置13の処理条件を制御する条件制御装置10を備える。
【0019】
電気電子部品屑1としては、廃家電製品・PCや携帯電話等の電子・電気機器を破砕した屑を利用することができ、回収された後、適当な大きさには破砕されたものを指す。電気電子部品屑1とするための破砕は、処理者自身が行ってもよいが、市中で破砕されたものを購入等したものでもよい。
【0020】
破砕方法として、特定の装置には限定されず、せん断方式でも衝撃方式でもよいが、できる限り、部品の形状を損なわない破砕が望ましい。従って、細かく粉砕することを目的とする粉砕機のカテゴリーに属する装置は含まれない。
【0021】
電気電子部品屑1は、基板、筐体などに使われるプラスチック(合成樹脂類)、金属片、銅線屑、コンデンサ、ICチップ、その他、等の複数の部品種からなり、処理目的に応じて、更に細かく分類することができる。典型的な例においては、電気電子部品屑1から、特定の部品種として、銅線屑、金属屑、コンデンサ、プラスチック屑、基板屑の少なくともいずれかを選択的に選別することが好ましい。
【0022】
以下に限定されるものではないが、本実施形態では、代表径が100mm以下、更に70mm以下、より更には50mm以下に破砕されている電気電子部品屑1を好適に処理することが好ましい。下限は特に限定されないが、5mm以上、より典型的には10mm以上、更には15mm以上である。「代表径」とは、電気電子部品屑1の中から任意の100点を抽出し、抽出した電気電子部品屑1の長径の平均値を算出し、これを5回繰り返した場合の平均値を表す。
【0023】
電気電子部品屑1はベルトコンベヤ等の搬送装置3によって搬送され、撮像装置12で撮像されて選別装置13で所定の選別処理がなされる。搬送装置3に供給される電気電子部品屑1は、電気電子部品屑1同士の重なりを防ぐように、また、選別装置13による選別処理を行いやすくするために、撮像装置12へ搬送される前に、それぞれ一定距離ずつ離間させて搬送されることが好ましい。
【0024】
撮像装置12としては、例えば、RGBカメラ、マルチスペクトル撮像装置等の種々の撮像装置を用いることができる。肉眼で判別が困難な光沢を有する部品屑等を含む電気電子部品屑1の撮像には、部品屑の色彩をより精度よく検出するマルチスペクトル撮像装置を用いることが好適である。
【0025】
選別装置13としては、
図1に示す構成に限定されず種々の選別装置を利用できることは勿論である。中でも特定の部品屑を選択的に抽出するために好適な選別装置13としては、先端に部品屑を把持するためのロボットハンドを備えるピッキングロボットを利用することが好ましい。ピッキングロボットにより、採集した電気電子部品屑1を搬送装置3とは別の方向へ搬送するベルトコンベヤ等の搬送装置4へ搬送させ、次の工程へ円滑に搬送させることができる。
【0026】
条件制御装置10は、
図2に示すように、撮像装置12と、選別装置13と、画像認識処理装置11と、記憶装置14とに接続されている。画像認識処理装置11は、条件制御装置10とともに一の処理装置内に格納されていてもよいし、条件制御装置10を備える処理装置の外部に、ネットワーク(不図示)を介して接続されるような構成であってもよい。
【0027】
記憶装置14は、画像認識処理装置11及び条件制御装置10を所定の制御アルゴリズムに従って動作させるための動作プログラム、撮像装置12による撮像画像、画像認識処理のための学習データ、入力装置(不図示)又はネットワーク(不図示)を介して入力される各種情報、条件制御装置10が作製及び出力する処理条件等を記憶する装置であり、メモリ等で構成することができる。図示を省略したが、各種情報を操作者に表示するための表示装置を更に備えていてもよい。
【0028】
画像認識処理装置11は、電気電子部品屑1を構成する複数の部品屑を部品種毎に識別可能とするために、学習データを用いた機械学習システムを利用した人工知能(AI)システムで構成されている。画像認識処理装置11は、電気電子部品屑1を撮像した撮像画像に対して、AIを利用した画像認識処理を行い、撮像画像中の電気電子部品屑1の中から特定の部品種に属する部品屑の識別処理を行う。AIを利用した機械学習には、ディープラーニング等の画像認識処理に適した一般的な解析ツールを適宜利用することができる。
【0029】
条件制御装置10は、画像認識処理装置11から出力される複数の撮像画像の識別(推論)結果を抽出する。条件制御装置10は、画像認識処理装置11が識別した複数の撮像画像の識別結果の中から、識別した部品屑の確からしさを表すスコアと、部品屑の個数及び部品屑の検知面積を少なくとも含む画像認識情報を取得する。条件制御装置10は、取得した複数の撮像画像の識別結果のうち、推論結果が予め定められた一定の基準を満たす複数の画像認識情報を抽出し、これらを合算して、識別した部品屑の個数をスコアと部品屑の検知面積との関係に基づいて分類する。具体的には、条件制御装置10は、推論結果が基準を満たす画像認識情報について得られたスコアを複数の設定範囲に分け、設定範囲毎に、識別した部品屑の個数をその部品屑の検知面積毎に分類した分類情報を取得する(
図4参照)。分類情報の作製は、操作者が表計算ソフト等を利用して手動で行うこともできる。分類情報は記憶装置14内へ格納される。
【0030】
条件制御装置10は、分類情報と、選別装置13の処理能力情報とに基づいて、画像認識処理装置11による画像認識処理に適用するスコア閾値と、選別装置13が選別対象とする部品屑の検知面積閾値を決定する。選別装置13の処理能力情報とは、選別装置13の台数、処理速度、運転又は休止情報等を含めた部品屑の選別処理に必要な種々の情報を含む。典型的には、選別装置13が単位時間当たりに抽出可能な部品屑の個数を含む情報を指す。条件制御装置10が決定した処理条件は、撮像装置12及び選別装置13へ出力される。
【0031】
図1の搬送装置3に電気電子部品屑1が供給されると、画像認識処理装置11は、条件制御装置10が決定したスコア閾値に基づいて、撮像装置12が撮像した撮像画像内の部品屑を識別し、選別装置13が、選別対象とする部品屑の検知面積閾値以上となる部品屑を、選別装置13側へ搬送するように選別処理を行う。
【0032】
記憶装置14は、画像認識処理装置11及び条件制御装置10を所定の制御アルゴリズムに従って動作させるための動作プログラム、撮像装置12による撮像画像、画像認識処理のための学習データ、入力装置(不図示)又はネットワーク(不図示)を介して入力される各種情報、条件制御装置10が作製及び出力する処理条件等を記憶する装置であり、メモリ等で構成することができる。図示を省略したが、各種情報を操作者に表示するための表示装置を更に備えていてもよい。
【0033】
本発明の実施の形態に係る電気電子部品屑の処理方法によれば、条件制御装置10により、選別装置13の選別処理能力に応じて、AIを用いた画像認識処理に適したスコア閾値が設定されるため、選別処理能力の過不足による部品屑の選別漏れを抑制できるため、電気電子部品屑1の中から所望の部品屑をより効率良く選別することが可能となる。
【0034】
さらに、選別装置13が選別可能な部品屑の個数が、条件制御装置10によって設定された検知面積閾値を満足する部品屑の個数よりも多い場合には、搬送装置3へ搬送する電気電子部品屑1の処理量を増やすように、処理量を調整する工程を備える。これにより、選別装置13の選別処理能力に応じて、電気電子部品屑1の処理量を多くすることができるため、処理工程の効率化が図れる。
【0035】
(電気電子部品屑の処理方法)
図4に示すフローチャートに基づいて、本発明の実施の形態に係る電気電子部品屑の処理方法の一例を説明する。ステップS10において、本発明の実施の形態に係る電気電子部品屑1の処理装置が、選別処理を行うための選別条件を決定する(選別条件決定工程)。選別条件決定工程S10の詳細は後述する。ステップS20において、撮像装置12が、搬送装置3により撮像エリア内に搬送された電気電子部品屑1を撮像し、撮像画像を取得する(撮像工程)。
【0036】
ステップS30において、画像認識処理装置11が、電気電子部品屑1を撮像した撮像画像の中から特定の部品種に属する複数の部品屑を、AIを用いた画像認識処理によって識別する。画像認識処理装置11は、識別した部品屑のスコア、部品屑の検知面積及び部品屑の個数、検知位置(座標)等の情報を含む画像認識情報を取得する(画像認識処理工程)。
【0037】
部品屑の検知面積としては、部品屑の外縁に沿った面積を測定してもよいが、部品屑と外接する外接図形を付しその外接図形の面積を測定することが、処理高速化の観点から好ましい。外接図形としては円形、楕円形、矩形、多角形等種々の形状を利用することができる。
【0038】
ステップS40において、条件制御装置10が、画像認識情報の中から、識別した部品屑に対して予め設定されたスコア閾値及び部品屑の検知面積閾値を超える部品屑を絞り込む(絞り込み工程)。ステップS50において、条件制御装置10が、絞り込まれた部品屑の中から優先順位を付する(優先順位付け工程)。優先順位付けの条件は、選別装置13の特徴に合わせて操作者が適宜設定することができる。例えば、部品屑の検知面積が大きいものから順に優先付けすることができる。或いは、選別装置13が選別処理しやすい形状を有する部品屑から順に優先付けするようにしてもよい。
【0039】
なお、優先順位を付した結果、選別装置13が選別可能な部品屑の個数が、検知面積閾値を満足する部品屑の個数よりも多い場合には、電気電子部品屑1の処理量を増やすように、処理量を調整する処理量調整工程を更に含んでもよい。ステップS60において、選別装置13が、ステップS5において優先付けされた部品屑から優先的に選別処理を行う。ステップS10~S60の各工程は、選別対象とする電気電子部品屑1の部品種毎にそれぞれ行う。
【0040】
(選別条件決定工程の具体例)
図4のステップS10の条件決定工程の一例について
図5及び6のフローチャート及び
図3の分類情報の例を用いて説明する。なお、以下に示す処理は一例であり、選別条件決定工程は以下の例に限定されるものではない。
【0041】
ステップS11において、対象とする部品屑を含む電気電子部品屑を撮像した複数の撮像画像を取得する(撮像画像取得工程)。ステップS12において、画像認識処理装置11は、取得した複数の撮像画像の中から、特定の部品種に属する部品屑を画像認識処理によって識別し、推論結果として、識別した部品屑の確からしさを表すスコア、部品屑の検知面積及び部品屑の個数の情報を含む画像認識情報を取得する(画像認識処理工程)。
【0042】
ステップS13において、条件制御装置10は、複数の撮像画像の画像認識情報を合算し、識別した部品屑の個数をスコアと部品屑の検知面積との関係に基づいて分類した分類情報(
図3参照)を作製する(分類工程)。ステップS14において、ステップS13で得られた分類情報と、部品屑を選別する選別装置13の処理能力情報とに基づいて、部品屑を選別処理するための画像認識処理のスコア閾値及び部品屑の検知面積閾値を決定する(条件決定工程)。
【0043】
(条件決定工程の具体例)
図6のステップS41において、条件制御装置10が、選別装置13の選別処理能力情報及び分類情報を取得する。選別処理能力情報としては、例えば一枚の撮像画像に撮像された電気電子部品屑1の中から選別装置13を用いて単位時間当たりに選別可能な部品屑の個数の情報を取得する。分類情報としては、例えば
図3に示すような分類情報を取得する。
【0044】
図3は、電気電子部品屑1の中から部品種として銅線屑を選択した場合のAIを用いた画像認識処理による分類結果の情報の例を示す。
図3の例では画像認識処理装置11が識別した複数の撮像画像の識別結果の中から、識別した部品屑の確からしさを表すスコアを複数の設定範囲に分け(横軸)、この設定範囲毎に、識別した部品屑の個数をその部品屑の検知面積毎に分類(縦軸)した情報を含む。
【0045】
ステップS42において、条件制御装置10は、分類情報のうち最もスコアが高い設定範囲であり、且つ最も検知面積の大きい区分となる第1区分を選択する。
図3の例では、分類情報のうち最もスコアが高い設定範囲であり(0.20以上)で且つ最も検知面積の大きい(40kpx以上)第1の区分100が選択される。
【0046】
ステップS43において、条件制御装置10は、第1の区分100の部品屑の個数が、選別装置13の選別可能な部品屑の個数よりも少ないか否かを判定する。選別装置13の選別可能な部品屑が第1の区分100の部品屑の個数を下回る場合は、条件決定工程を終了する。選別装置13の選別可能な部品屑が第1の区分100の部品屑の個数以上である場合は、ステップS44に進む。
【0047】
ステップS44において、分類情報の中から第1の区分100に隣接する他の区分を選択する。
図3の分類情報では、第1の区分100と同じスコアに属し、検出面積が第1の区分100よりも小さい第2の区分101と、第1の区分100よりもスコアが小さいが検出面積が同じ第3の区分102を選択する。
【0048】
次に、第2の区分101と第3の区分102に属する部品屑に含まれる目的とする回収物の総重量を算出する。記憶装置14には、各部品種毎に予め設定された目的回収物の重量割合の情報が格納されている。例えば
図3の分類情報は、銅線屑の分類情報の一例を表している。条件制御装置10は、銅線屑中の目的回収物である銅の重量割合と、第2の区分101、第3の区分102の個数と検出面積の関係から、選別装置13が選別対象とする部品屑に含まれる目的とする回収物の総重量が最大重量となるように、スコア閾値及び検知面積閾値を最適化する。
【0049】
図3の例においては、スコア閾値を0.20とし、検知面積閾値を10kpxとした場合、部品屑の個数の合計は369+111=480個であり、目的回収物の重量は57038gとなる。一方、スコア閾値を0.08とし、検知面積閾値を40kpxとした場合、部品屑の個数の合計は40+369=409個であり、目的回収物の重量は61297gとなる。
【0050】
そのため、例えば、本発明の実施の形態に係る電気電子部品屑の処理方法においては、銅線屑を適切に選別処理するために、スコア閾値を0.08以上、検知面積閾値を40kpx以上に設定することが好ましい。
【0051】
本実施形態によれば、小面積の部品屑を数多く回収するよりも、スコアの閾値を低くしても大面積の部品屑を優先的に回収できるように、画像認識処理のスコアの閾値と、部品屑の検出面積閾値とが最適化されるため、目的回収物の回収率をより高めることができる。
【0052】
即ち、本発明の実施の形態に係る電気電子部品屑の処理方法によれば、電気電子部品屑1の選別に際し、選別装置13が選別可能な部品屑の個数と、
図3に示すような分類情報とに基づいて、選別装置13が選別対象とする部品屑に含まれる目的回収物の総重量が最大重量となるように、スコア閾値及び検知面積閾値を最適化する工程を具備することによって、電気電子部品屑1の中から所望の部品屑をより多くより効率良く選別することが可能となる。
【0053】
(電気電子部品屑の処理方法)
本発明の実施の形態に係る電気電子部品屑の処理方法の一例を
図7に示す。本発明の実施の形態に係る電気電子部品屑の処理方法は、電気電子部品屑1を少なくとも2段階の風力選別工程(S2、S4)により処理する工程と、メタルソータを用いた金属選別工程(S6)により基板屑を選別する工程を少なくとも含む。
【0054】
本発明の実施の形態に係る電気電子部品屑の処理方法によれば、物理選別の初期段階において、まず風力選別を2段階に分けて行う(S2、S4)ことにより、初期に磁力選別の処理を行う場合に比べて、有価金属のロスを抑えることができ、より多くの有価金属を濃縮しながら多量の電気電子部品屑1を一気に選別処理することができる。
【0055】
そして、2段階の風力選別の後、処理に時間を要するメタルソータを用いた金属選別工程(S6)を組み合わせることによって、電気電子部品屑1の処理量を増大しながら、製錬阻害物質を除去して、有価金属を効率的に回収することができる。更に、金属選別工程(S6)の非金属物側に選別された選別処理物に対して塩水分離を実施することにより、非金属物側の部品屑にも含まれる有価金属を漏れなく回収することができる。
【0056】
一実施態様では、原料として投入される電気電子部品屑1に、粉砕や破砕を行うことなく、一定の寸法及び形状を保持した状態(例えば粒度10~70mm程度)で前選別工程(S1)を行う。これにより、単位時間当たりに処理可能な電気電子部品屑1の処理量をより多くすることができる。また、破砕及び粉砕を行って電気電子部品屑1を粒状化又は粉状化する場合に比べて、電気電子部品屑1の原料としての取り扱い性を向上でき、搬送も容易で、全体としての処理効率も高めることができる。
【0057】
以下に限定されるものではないが、一実施態様においては、電気電子部品屑1を、塊状銅線屑、粉状物、フィルム、線状銅線屑、基板屑、金属片、銅線屑、コンデンサ、ICチップ、鉄屑(Fe)、アルミ(Al)屑、ステンレス(SUS)屑、ゴム類及び筐体等を含む合成樹脂類、及びそれ以外の屑に分類することができる。
【0058】
このような分類基準において、分類目的とする物質が、一の部品屑中に重量比で90%以上を含まれる部品屑を、本実施形態では「単体屑」といい、複数の物質が混合する単体屑以外の屑を「複合屑」という。本実施形態では、電気電子部品屑1中に、単体屑が60%以上、更には70%以上含まれる原料を前選別工程S1で処理する原料として使用することにより、製錬阻害物質を系外へ除去しながら目的とする有価物を含む部品屑を効率良く的確に選別処理することができる。
【0059】
具体的な一実施形態においては、本発明の実施の形態に係る電気電子部品屑の処理方法は、電気電子部品屑1の中から塊状銅線屑を取り除く前選別工程(S1)と、前選別後の電気電子部品屑1を風力選別して粉状物及びフィルム状の屑を軽量物側に移行させて取り除く風力選別工程(S2)と、風力選別で得られる重量物を篩別し、線状(長尺状)銅線屑を取り除く篩別工程(S3)と、二段階目の風力選別工程(S4)と、線状銅線屑除去後の電気電子部品屑1から、カラーソータを用いて銅等の有価金属を含む基板屑を取り除く色彩選別工程(S5)と、色彩選別工程後の電気電子部品屑1の中からメタルソータを用いて銅等の有価金属を含む基板屑を更に取り除く金属選別工程(S6)を含む。
【0060】
一段階目の風力選別工程(S2)と二段階目の風力選別工程(S4)との間に篩別工程(S3)を備えることにより、電気電子部品屑1に含まれる線屑を除去することができる。篩別工程(S3)では、スリット状の篩を有する篩別機を用いて処理することが好ましい。篩別工程(S3)においては、篩別により、線屑の他に粉状物も除去することができる。篩別後の粉状物及び銅線屑は、焼却前処理工程を経由して製錬工程に送ることで、部品屑中の有価金属をより効率的に回収できる。また、風力選別工程(S4)の後に色彩選別工程(S5)が実施されることにより、金属選別工程(S6)に送られる処理対象物の金属含有比率を下げることができるため、金属選別工程(S6)における選別効率をより高くすることができる。
【0061】
二段階目の風力選別工程(S4)で得られる重量物の中には、銅製錬工程で処理すべき基板が一部混入する場合がある。よって、二段階目の風力選別工程(S4)で得られる重量物を、本実施形態に係る画像選別処理工程と磁力選別、渦電流選別、カラーソータ、手選別、ロボット等の選別処理とを組み合わせることにより、銅製錬工程で処理すべき基板を分離して製錬工程に送ることができるため、有価金属の回収効率が高まる。
【0062】
例えば、二段階目の風力選別工程(S4)で得られる重量物を、上述のAIを用いた画像認識処理を含む前選別工程(S7)を経て、磁力選別工程(S8)に送る。磁力選別工程(S8)では、重量物から鉄を含む原料を、製錬工程の系外原料として除去する。磁力選別工程(S8)後には渦電流選別工程(S9)が行われ、更に、前選別工程(S91)が行われ、アルミ、合成樹脂類(プラスチック)、SUSを含む屑等を除去し、残った基板屑を製錬工程へ送る。
【0063】
本実施形態に係る電気電子部品屑の処理方法では、各選別工程(S1~S91)に適宜組み合わせて利用することも可能である。更に、前選別工程(S7)、磁力選別工程(S8)、渦電流選別工程(S9)、前選別工程(S91)で系外原料として選別される原料に対して更に画像認識処理を行い、ロボットハンドを備える選別装置13を用いて対象物を抽出する選別処理を実施することもまた好適である。例えば、渦電流選別工程(S9)の後に抽出されたアルミ屑には、アルミ屑に有価物を含む基板のついた部品屑も含まれる。各選別工程(S7~S91)で系外原料として選別された対象物に対して更に本実施形態に係る塩水分離処理を用いた選別処理を行うことにより、系外原料へ混入する有価物量を低減することができ、より一層有価物の回収効率を高めることができる。
【0064】
(製錬工程)
本発明の実施の形態に係る電気電子部品屑の処理方法は、各選別工程(S1~S91)でそれぞれ選別された有価金属を含む処理原料を製錬する製錬工程を更に有する。
【0065】
有価金属として銅を回収する場合は、溶錬炉を用いた製錬が行われる。製錬工程には、例えば、電気電子部品屑1を焼却する工程と、焼却物を破砕及び篩別する工程と、破砕及び篩別処理した処理物を銅製錬する工程とを備える。製錬工程の処理能力に応じて、電気電子部品屑1を焼却する工程は省略してもよい。
【0066】
製錬工程において、電気電子部品屑1を破砕及び篩別する工程は、電気電子部品屑1を製錬処理に好ましいサイズに成形する処理であれば任意の手法を選択できる。
図7の各選別工程(S1~S91)が、製錬工程における焼却工程、破砕及び篩別する工程の前に行われることにより、有価金属をより効率的に回収しながら製錬阻害物質となる鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、合成樹脂のいずれかを含む原料を系外へ効率良く送ることができる。
【0067】
以下に制限されるものではないが、本実施形態に係る製錬工程としては、自溶炉法を用いた銅製錬工程が好適に利用できる。自溶炉法を用いた銅製錬工程としては、例えば、自溶炉のシャフトの天井部から銅精鉱と溶剤と電気電子部品屑1を装入する。装入された精鉱及び屑が、自溶炉のシャフトにおいて溶融し、自溶炉のセットラーにおいて例えば50~68%の銅を含むマットとそのマットの上方に浮遊するスラグとに分離される。電子・電気機器部品中の銅、金、銀などの有価金属は、自溶炉内を滞留するマットへ吸収されることで、電気電子部品屑1中から有価金属を回収できる。
【0068】
銅製錬においては、銅を製造するとともに、金、銀などの貴金属をより多く回収するために、処理する原料として銅、金、銀など有価金属の含有量の多い電気電子部品屑1をできるだけ多く投入して処理することが重要である。一方、電気電子部品屑1には、銅製錬における製品、副製品の品質に影響を与える物質及び/又は銅製錬のプロセスに影響を与える製錬阻害物質が含有される。例えば、上記のようなSb、Ni等の元素を含有する物質の溶錬炉への投入量が多くなると、銅製錬で得られる電気銅の品質が低下する場合がある。
【0069】
また、銅製錬などの非鉄金属製錬工程では、精鉱の酸化によって発生する二酸化硫黄から硫酸を製造するが、二酸化硫黄に炭化水素が混入すると、産出される硫酸が着色する場合がある。炭化水素の混入源としては、例えばプラスチックなどの合成樹脂類などが挙げられるが、銅製錬へ持ち込まれる電気電子部品屑1の構成によっては、このような合成樹脂類が多く含まれる場合がある。合成樹脂類は、溶錬炉内での急激な燃焼、漏煙のほか局所加熱による設備劣化を生じさせる恐れもある。
【0070】
更に、Al、Feなどが溶錬炉内に一定以上の濃度で存在すると、例えば、銅製錬のプロセスでスラグ組成に変化を与え、有価金属のスラグへの損失、いわゆるスラグロスに影響する場合もある。また、Cl、Br、F等のハロゲン元素が溶錬炉へ投入される電気電子部品屑1中に多く含まれていると、銅製錬の排ガス処理設備の腐食や硫酸触媒の劣化を引き起こす場合がある。このような製錬阻害物質の混入の問題は、電気電子部品屑1の処理量が多くなるにつれて顕在化し、製錬工程に負担がかかるという問題が生じている。
【0071】
本発明の実施の形態に係る電気電子部品屑の処理方法によれば、製錬工程に持ち込まれる製錬阻害物質の割合を極力抑えるとともに、電気電子部品屑1の処理量を増やし、銅及び有価金属を含む電気電子部品屑1の割合を多くして銅及び有価金属を効率的に回収することが可能となる。
【0072】
本発明は上記の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。即ち、本開示は、上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【符号の説明】
【0073】
1…電気電子部品屑
3、4…搬送装置
10…条件制御装置
11…画像認識処理装置
12…撮像装置
13…選別装置
14…記憶装置