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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-17
(45)【発行日】2023-04-25
(54)【発明の名称】ステージシステム及びリソグラフィ装置
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20230418BHJP
   G03F 9/00 20060101ALI20230418BHJP
   H01L 21/68 20060101ALI20230418BHJP
   G01B 11/00 20060101ALI20230418BHJP
   G01B 11/24 20060101ALI20230418BHJP
【FI】
G03F7/20 501
G03F7/20 521
G03F9/00 H
H01L21/68 F
G01B11/00 G
G01B11/24 D
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021545809
(86)(22)【出願日】2020-01-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-11
(86)【国際出願番号】 EP2020052244
(87)【国際公開番号】W WO2020173652
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2021-09-30
(31)【優先権主張番号】19159972.9
(32)【優先日】2019-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ヤンセン,マールテン,ヨゼフ
(72)【発明者】
【氏名】アウアー,フランク
【審査官】植木 隆和
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-241909(JP,A)
【文献】特開2009-206203(JP,A)
【文献】特許第5517071(JP,B2)
【文献】特開2016-054232(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
G03F 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準構造に関して移動可能なステージであって、前記ステージと前記基準構造とのうち一方が反射面を備える、ステージと、
前記ステージと前記基準構造とのうち他方に配置された光学位置センサであって、前記光学位置センサに対する前記反射面の位置を判定するように構成された光学位置センサと、
前記反射面の形状を判定するように構成された光学形状センサと、
を備え、
前記光学位置センサは位置測定ビームを前記反射面の位置測定ビームの入射の領域に向けるように構成されており、前記光学形状センサは形状測定ビームを形状測定ビームの入射の領域に向けるように構成されており、前記位置測定ビームの入射の領域及び前記形状測定ビームの入射の領域は重なり合う、ステージシステム。
【請求項2】
前記光学位置センサに対する前記反射面の前記位置から及び前記光学形状センサによって判定される前記反射面の前記形状から前記ステージのステージ位置を求めるように構成された位置測定コントローラを更に備える、請求項1に記載のステージシステム。
【請求項3】
前記位置測定コントローラは、
前記光学位置センサに対する前記反射面の前記判定された位置から前記ステージの初期ステージ位置を求めるように、
前記初期ステージ位置から前記反射面における前記光学位置センサの光ビームの入射の領域を求めるように、及び
前記入射の領域における前記反射面の前記形状を用いて前記初期ステージ位置を補正することによって前記ステージ位置を求めるように構成されている、請求項1又は2に記載のステージシステム。
【請求項4】
前記入射の領域は光線トレースモデルを用いて求められる、請求項3に記載のステージシステム。
【請求項5】
前記入射の領域における前記反射面の前記形状を用いて前記初期ステージ位置を補正することは並進補正を実施することを備える、請求項3又は4のいずれか一項に記載のステージシステム。
【請求項6】
前記入射の領域における前記反射面の前記形状を用いて前記初期ステージ位置を補正することは回転補正を実施することを備える、請求項3から5のいずれか一項に記載のステージシステム。
【請求項7】
前記位置測定コントローラは、前記光学形状センサによる更なる測定と前記反射面の前記判定された形状との比較から前記ステージの傾斜を求めるように構成されている、請求項2から6のいずれか一項に記載のステージシステム。
【請求項8】
前記反射面の形状は前記位置測定コントローラのメモリに記憶され、前記位置測定コントローラは、前記入射の領域における前記反射面の前記記憶された形状を用いて前記初期ステージ位置を補正することによって前記ステージ位置を求めるように構成されている、請求項3から7のいずれか一項に記載のステージシステム。
【請求項9】
前記ステージは更に、前記ステージの移動の主面に関して45度未満で延伸する更なる反射面を備えており、前記光学位置センサは前記ステージの前記移動の主面に実質的に平行に延伸する位置センサターゲットミラーを備えており、前記光学位置センサ及び前記光学形状センサはそれぞれの更なる測定ビームを前記更なる反射面上の重なり合うそれぞれの更なる入射の領域に投影するように構成されている、請求項に記載のステージシステム。
【請求項10】
前記光学位置センサは変位干渉計を備える、及び/又は前記光学形状センサは形状干渉計を備える、請求項1からのいずれか一項に記載のステージシステム。
【請求項11】
前記光学位置センサ及び前記光学形状センサは共通の光源を備え、前記ステージシステムは前記光学位置センサのそれぞれのビームを通過させるための少なくとも1つの穴を設けられたビームスプリッタを備える、請求項1から10のいずれか一項に記載のステージシステム。
【請求項12】
前記光学位置センサ及び前記光学形状センサは第1及び第2の波長を放射するように構成された共通の光源を備え、前記ステージシステムは前記第1の波長の光を反射するように且つ前記第2の波長の光を透過するように構成されたダイクロイックビームスプリッタを備え、前記光学位置センサは前記第1及び第2の波長のうち一方を受けるように配置され、前記光学形状センサは前記第1及び第2の波長のうち他方を受けるように配置されている、請求項1から11のいずれか一項に記載のステージシステム。
【請求項13】
前記光学形状センサは光学形状測定ビームを前記ステージの前記反射面と相互作用するための第1の部分と前記ステージの別の反射面と相互作用するための第2の部分とに分割するためのスプリッタを備える、請求項1から12のいずれか一項に記載のステージシステム。
【請求項14】
請求項1から13のいずれかに記載のステージシステムを備えるリソグラフィ装置。
【請求項15】
前記ステージシステムは、基板を保持するように構成された基板サポートとパターニングデバイスを保持するように構成されたマスクサポートとのうち一方である、請求項14に記載のリソグラフィ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本願は2019年2月28日に提出された欧州出願第19159972.9号の優先権を主張するものであり、同出願は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本発明は、ステージシステム及びそのようなステージシステムを備えるリソグラフィ装置に係る。
【背景技術】
【0003】
[0003] リソグラフィ装置は、基板に所望のパターンを適用するように構築された機械である。リソグラフィ装置は、例えば集積回路(IC)の製造において使用可能である。リソグラフィ装置は、例えばパターニングデバイス(例えばマスク)のパターン(「設計レイアウト」又は「設計」と称されることも多い)を、基板(例えばウェーハ)上に提供された放射感応性材料(レジスト)層に投影し得る。
【0004】
[0004] 半導体製造プロセスが進み続けるにつれ、回路素子の寸法は継続的に縮小されてきたが、その一方で、デバイス毎のトランジスタなどの機能素子の量は、「ムーアの法則」と通称される傾向に従って、数十年にわたり着実に増加している。ムーアの法則に対応するために、半導体産業はますます小さなフィーチャを作り出すことを可能にする技術を追求している。基板上にパターンを投影するために、リソグラフィ装置は電磁放射を用い得る。この放射の波長が、基板上にパターン形成されるフィーチャの最小サイズを決定する。現在使用されている典型的な波長は、365nm(i線)、248nm、193nm及び13.5nmである。例えば193nmの波長を有する放射線を使用するリソグラフィ装置よりも小さなフィーチャを基板上に形成するためには、4nm~20nmの範囲内、例えば6.7nm又は13.5nmの波長を有する極端紫外線(EUV)放射を使用するリソグラフィ装置が用いられ得る。
【0005】
[0005] リソグラフィ装置においては、基板を保持する基板サポート又はマークを保持するマスクサポートのような可動ステージが適用され得る。そのようなステージの位置決めの精度は、投影精度、例えば基板上に投影されるパターンのオーバーレイ精度につながり得る。ステージは、例えば1つ以上のアクチュエータを備えるポジショナによって位置決めされ得る。ステージの位置は、光学位置センサのような1つ以上の位置センサを利用して制御されてもよい。そのような光学位置センサの例が、干渉計及びエンコーダである。光学位置センサは、ミラーなどの基準を利用し得る。例えば、干渉計は反射性表面(reflecting surface)を利用してもよく、その反射性表面上で干渉計ビームが反射される。例えば、干渉計の測定ヘッドが固定的に配置されてもよく、ステージの反射性表面までの距離が干渉計ビームを用いて測定される。別の一例として、エンコーダ及び/又は干渉計の測定ヘッドがステージに配置されてもよい。固定的なエンコーダグリッドがエンコーダの基準として適用されてもよい。エンコーダグリッドは反射面(reflective surface)を形成し得る。同様に、干渉計の場合には、干渉計測定ヘッドがステージに配置されてもよく、固定的な反射面と協働して位置測定を実施してもよい。
【発明の概要】
【0006】
[0006] 本発明は、ステージのより正確な位置決めを可能にしようとするものである。
【0007】
[0007] 本発明の一態様によれば、
基準構造に関して移動可能なステージであって、ステージと基準構造とのうち一方が反射面を備える、ステージと、
ステージと基準構造とのうち他方に配置された光学位置センサであって、光学位置センサに対する反射面の位置を判定するように構成された光学位置センサと、
反射面の形状を判定するように構成された光学形状センサと、
を備えるステージシステムが提供される。
【0008】
[0008] 本発明の別の一態様によれば、そのようなステージシステムを備えるリソグラフィ装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
[0009] 本発明の実施形態を、添付の概略図を参照して、単なる例示として以下に説明する。
【0010】
図1】リソグラフィ装置の図式的概観を示す。
図2図1のリソグラフィ装置の一部の詳細図を図示する。
図3】位置制御システムを概略的に図示する。
図4A】本開示によるステージシステムの概略斜視図を図示する。
図4B】本開示によるステージシステムの概略斜視図を図示する。
図5】本開示によるステージシステムの概略斜視図を図示する。
図6】本開示によるステージシステムの概略上面図を図示する。
図7】本開示によるステージシステムの概略上面図を図示する。
図8】本開示によるステージシステムの概略上面図を図示する。
図9】本開示によるステージシステムの概略上面図を図示する。
図10】本開示によるステージシステムの概略上面図を図示する。
図11】本開示によるステージシステムの概略上面図を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本文献では、「放射」及び「ビーム」という用語は、特に明記しない限り、紫外線(例えば、波長が365nm、248nm、193nm、157nm又は126nmの波長)及びEUV(極端紫外線放射、例えば、約5~100nmの範囲の波長を有する)を含む、すべてのタイプの電磁放射を包含するために使用される。
【0012】
[00010] 「レチクル」、「マスク」、又は「パターニングデバイス」という用語は、本文で用いる場合、基板のターゲット部分に生成されるパターンに対応して、入来する放射ビームにパターン付き断面を与えるため使用できる汎用パターニングデバイスを指すものとして広義に解釈され得る。また、この文脈において「ライトバルブ」という用語も使用できる。古典的なマスク(透過型又は反射型マスク、バイナリマスク、位相シフトマスク、ハイブリッドマスク等)以外に、他のそのようなパターニングデバイスの例は、プログラマブルミラーアレイ及びプログラマブルLCDアレイを含む。
【0013】
[00011] 図1は、リソグラフィ装置LAを概略的に示す。リソグラフィ装置LAは、放射ビームB(例えばUV放射、DUV放射、又はEUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータとも呼ばれる)ILと、パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するように構築され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスMAを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに連結されたマスクサポート(例えばマスクテーブル)MTと、基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、特定のパラメータに従って基板を正確に位置決めするように構築された第2のポジショナPWに連結された基板サポート(例えばウェーハテーブル)WTと、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付与されたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ以上のダイを含む)上に投影するように構成された投影システム(例えば、屈折投影レンズシステム)PSと、を含む。
【0014】
[00012] 動作中、照明システムILは、例えばビームデリバリシステムBDを介して放射源SOから放射ビームを受ける。照明システムILは、放射を誘導し、整形し、及び/又は制御するための、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、及び/又はその他のタイプの光学コンポーネント、又はそれらの任意の組み合わせなどの様々なタイプの光学コンポーネントを含むことができる。イルミネータILを使用して放射ビームBを調節し、パターニングデバイスMAの平面において、その断面にわたって所望の空間及び角度強度分布が得られるようにしてもよい。
【0015】
[00013] 本明細書で用いられる「投影システム」PSという用語は、使用する露光放射、及び/又は液浸液の使用や真空の使用のような他のファクタに合わせて適宜、屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、アナモルフィック光学システム、磁気光学システム、電磁気光学システム、及び/又は静電気光学システム、又はそれらの任意の組み合わせを含む様々なタイプの投影システムを包含するものとして広義に解釈するべきである。本明細書で「投影レンズ」という用語が使用される場合、これは更に一般的な「投影システム」PSという用語と同義と見なすことができる。
【0016】
[00014] リソグラフィ装置LAは、投影システムPSと基板Wとの間の空間を充填するように、基板の少なくとも一部を例えば水のような比較的高い屈折率を有する液体で覆うことができるタイプでもよい。これは液浸リソグラフィとも呼ばれる。液浸技法に関する更なる情報は、参照により本願に含まれる米国特許6952253号に与えられている。
【0017】
[00015] リソグラフィ装置LAは、2つ以上の基板サポートWTを有するタイプである場合もある(「デュアルステージ」とも呼ばれる)。こうした「マルチステージ」機械において、基板サポートWTを並行して使用するか、及び/又は、一方の基板サポートWT上の基板Wにパターンを露光するためこの基板を用いている間に、他方の基板サポートWT上に配置された基板Wに対して基板Wの以降の露光の準備ステップを実行することができる。
【0018】
[00016] 基板サポートWTに加えて、リソグラフィ装置LAは測定ステージを含むことができる。測定ステージは、センサ及び/又はクリーニングデバイスを保持するように配置されている。センサは、投影システムPSの特性又は放射ビームBの特性を測定するよう配置できる。測定ステージは複数のセンサを保持することができる。クリーニングデバイスは、例えば投影システムPSの一部又は液浸液を提供するシステムの一部のような、リソグラフィ装置の一部をクリーニングするよう配置できる。基板サポートWTが投影システムPSから離れている場合、測定ステージは投影システムPSの下方で移動することができる。
【0019】
[00017] 動作中、放射ビームBは、マスクサポートMT上に保持されている、例えばマスクのようなパターニングデバイスMAに入射し、パターニングデバイスMA上に存在するパターン(設計レイアウト)によってパターンが付与される。マスクMAを横断した放射ビームBは投影システムPSを通過し、投影システムPSはビームを基板Wのターゲット部分Cに集束させる。第2のポジショナPW及び位置測定システムIFを用いて、例えば、放射ビームBの経路内の集束し位置合わせした位置に様々なターゲット部分Cを位置決めするように、基板サポートWTを正確に移動させることができる。同様に、第1のポジショナPMと、場合によっては別の位置センサ(図1には明示的に図示されていない)を用いて、放射ビームBの経路に対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めすることができる。パターニングデバイスMA及び基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を用いて位置合わせすることができる。図示されている基板アライメントマークP1、P2は専用のターゲット部分を占有するが、それらをターゲット部分間の空間に位置付けることも可能である。基板アライメントマークP1、P2は、これらがターゲット部分C間に位置付けられている場合、スクライブラインアライメントマークとして知られている。
【0020】
[00018] 本発明を明確にするために、デカルト座標系が用いられる。デカルト座標系は、3つの軸、すなわちx軸、y軸、及びz軸を有する。3つの軸のそれぞれは、他の2つの軸と直交する。x軸を中心とする回転は、Rx回転と呼ばれる。y軸を中心とする回転は、Ry回転と呼ばれる。z軸を中心とする回転は、Rz回転と呼ばれる。x軸及びy軸は水平面を定義するのに対して、z軸は垂直方向にある。デカルト座標系は本発明を限定しているのではなく、明確化のためにのみ用いられる。代わりに、円筒座標系などの別の座標系を用いて本発明を明確にすることもある。デカルト座標系の向きは、例えばz軸が水平面に沿った成分を有するように異なることがある。
【0021】
[00019] 図2は、図1のリソグラフィ装置LAの一部のより詳細な図を示す。リソグラフィ装置LAは、基礎フレームBFと、バランス・マスBMと、メトロロジフレームMFと、振動絶縁システムISとを備え得る。メトロロジフレームMFは投影システムPSを支持する。また、メトロロジフレームMFは、位置測定システムPMSの一部を支持し得る。メトロロジフレームMFは、振動絶縁システムISを介して基礎フレームBFによって支持されている。振動絶縁システムISは、振動が基礎フレームBFからメトロロジフレームMFへと伝搬するのを防止又は低減するために配置される。
【0022】
[00020] 第2のポジショナPWは、基板サポートWTとバランス・マスBMとの間に駆動力を提供することによって基板サポートWTを加速させるために配置される。駆動力は基板サポートWTを所望の方向に加速させる。運動量保存により、駆動力はバランス・マスBMにも、同じ規模で、しかし所望の方向とは反対の方向で、付与される。典型的には、バランス・マスBMの質量は、第2のポジショナPW及び基板サポートWTの移動部の質量よりも有意に大きい。
【0023】
[00021] 一実施形態においては、第2のポジショナPWはバランス・マスBMによって支持される。例えば、その場合第2のポジショナPWは、基板サポートWTをバランス・マスBMの上方に浮揚させるための平面モータを含む。別の一実施形態においては、第2のポジショナPWは基礎フレームBFによって支持される。例えば、その場合第2のポジショナPWはリニアモータを含み、その場合第2のポジショナPWは基板サポートWTを基礎フレームBFの上方に浮揚させるためのガスベアリングのようなベアリングを含む。
【0024】
[00022] 位置測定システムPMSは、基板サポートWTの位置を判定するのに適した任意のタイプのセンサを備えていてもよい。位置測定システムPMSは、マスクサポートMTの位置を判定するのに適した任意のタイプのセンサを含んでいてもよい。センサは、干渉計又はエンコーダなどの光学センサであってもよい。位置測定システムPMSは、干渉計とエンコーダとの複合システムを備えていてもよい。センサは、磁気センサ、静電容量センサ、又は誘導センサなど、別のタイプのセンサであってもよい。位置測定システムPMSは、基準、例えばメトロロジフレームMF又は投影システムPSに対して位置を判定し得る。位置測定システムPMSは、位置を測定することによって又は速度若しくは加速など位置の時間微分を測定することによって、基板テーブルWT及び/又はマスクサポートMTの位置を判定してもよい。
【0025】
[00023] 位置測定システムPMSはエンコーダシステムを備えていてもよい。エンコーダシステムは、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、2006年9月7日に提出された米国特許出願第2007/0058173A1号明細書から既知である。エンコーダシステムは、エンコーダヘッドと、格子と、センサとを備える。エンコーダシステムは第1放射ビーム及び第2放射ビームを受け得る。第1放射ビーム並びに第2放射ビームはいずれも、同じ放射ビーム、すなわち原放射ビームに由来し得る。第1放射ビームと第2放射ビームとのうち少なくとも一方は、原放射ビームを格子で回折することによって生成される。第1放射ビームと第2放射ビームとの両方が原放射ビームを格子で回折することによって生成される場合には、第1放射ビームは第2放射ビームとは異なる回折次数を有する必要がある。異なる回折次数とは、例えば、+1次、-1次、+2次、及び-2次である。エンコーダシステムは第1放射ビームと第2放射ビームとを光学的に組み合わせて複合放射ビームにする。エンコーダヘッド内のセンサが、複合放射ビームの位相又は位相差を判定する。センサは、その位相又は位相差に基づいて信号を生成する。信号は、格子に対するエンコーダヘッドの位置を表す。エンコーダヘッドと格子とのうち一方は、基板構造WT上に配置されてもよい。エンコーダヘッドと格子とのうち他方は、メトロロジフレームMF又は基礎フレームBF上に配置されてもよい。例えば、複数のエンコーダヘッドがメトロロジフレームMF上に配置され、その一方で1つの格子が基板サポートWTの上面に配置される。別の一例においては、1つの格子が基板サポートWTの底面に配置され、1つのエンコーダヘッドが基板サポートWTの下方に配置される。
【0026】
[00024] 位置測定システムPMSは干渉計システムを含んでいてもよい。干渉計システムは、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、1998年7月13日に提出された米国特許第6,020,964号明細書から既知である。干渉計システムは、ビームスプリッタと、ミラーと、基準ミラーと、センサとを含み得る。放射ビームはビームスプリッタによって基準ビームと測定ビームとに分割される。測定ビームはミラーへ伝搬し、ミラーによって反射されてビームスプリッタに戻る。基準ビームは基準ミラーへ伝搬し、基準ミラーによって反射されてビームスプリッタに戻る。ビームスプリッタでは、測定ビームと基準ビームとが組み合わされて複合放射ビームにされる。複合放射ビームはセンサに入射する。センサは複合放射ビームの位相又は周波数を判定する。センサは、その位相又は周波数に基づいて信号を生成する。信号はミラーの変位を表す。一実施形態においては、ミラーは基板サポートWTに接続される。基準ミラーはメトロロジフレームMFに接続されてもよい。一実施形態においては、測定ビームと基準ビームとは、ビームスプリッタではなく追加的な光学コンポーネントによって組み合わされて複合放射ビームにされる。
【0027】
[00025] 第1のポジショナPMはロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを含んでいてもよい。ショートストロークモジュールは、ロングストロークモジュールに対して高精度で小さな移動範囲にわたってマスクサポートMTを移動させるように配置される。ロングストロークモジュールは、投影システムPSに対して比較的低精度で大きな移動範囲にわたってショートストロークモジュールを移動させるように配置される。ロングストロークモジュールとショートストロークモジュールとの組み合わせによって、第1のポジショナPMは、投影システムPSに対して高精度で大きな移動範囲にわたってマスクサポートMTを移動させることができる。同様に、第2のポジショナPWはロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを含んでいてもよい。ショートストロークモジュールは、ロングストロークモジュールに対して高精度で小さな移動範囲にわたって基板サポートWTを移動させるように配置される。ロングストロークモジュールは、投影システムPSに対して比較的低精度で大きな移動範囲にわたってショートストロークモジュールを移動させるように配置される。ロングストロークモジュールとショートストロークモジュールとの組み合わせによって、第2のポジショナPWは、投影システムPSに対して高精度で大きな移動範囲にわたって基板サポートWTを移動させることができる。
【0028】
[00026] 第1のポジショナPM及び第2のポジショナPWは、各々が、マスクサポートMT及び基板サポートWTをそれぞれ移動させるためのアクチュエータを備えている。アクチュエータは、単軸、例えばy軸に沿って駆動力を提供するためのリニアアクチュエータであってもよい。複数の軸に沿って駆動力を提供するために、複数のリニアアクチュエータが適用されてもよい。アクチュエータは、複数の軸に沿って駆動力を提供するための平面アクチュエータであってもよい。例えば、平面アクチュエータは、基板サポートWTを6自由度で移動させるように配置されてもよい。アクチュエータは、少なくとも1つのコイルと少なくとも1つの磁石とを含む電磁アクチュエータであってもよい。アクチュエータは、少なくとも1つのコイルに電流を印加することによって少なくとも1つのコイルを少なくとも1つの磁石に対して移動させるように配置される。アクチュエータは可動磁石式アクチュエータであってもよく、これはそれぞれ基板サポートWT及びマスクサポートMTに連結された少なくとも1つの磁石を有する。アクチュエータは可動コイル式アクチュエータであってもよく、これはそれぞれ基板サポートWT及びマスクサポートMTに連結された少なくとも1つのコイルを有する。アクチュエータは、ボイスコイルアクチュエータ、リラクタンスアクチュエータ、ローレンツアクチュエータ、若しくはピエゾアクチュエータ、又は任意の他の適当なアクチュエータであってもよい。
【0029】
[00027] リソグラフィ装置LAは、図3に概略的に図示されるような位置制御システムPCSを備える。位置制御システムPCSは、セットポイントジェネレータSPと、フィードフォワードコントローラFFと、フィードバックコントローラFBとを備える。位置制御システムPCSは、駆動信号をアクチュエータACTに提供する。アクチュエータACTは、第1のポジショナPMのアクチュエータであってもよく、又は第2のポジショナPWのアクチュエータであってもよい。アクチュエータACTは、基板サポートWT又はマスクサポートMTを備え得るプラントPを駆動する。プラントPの出力は、位置又は速度又は加速などの位置量である。位置量は位置測定システムPMSによって測定される。位置測定システムPMSは信号を生成し、この信号はプラントPの位置量を表す位置信号である。セットポイントジェネレータSPは信号を生成し、この信号はプラントPの所望の位置量を表す基準信号である。例えば、基準信号は基板サポートWTの所望の軌道を表す。基準信号と位置信号との差は、フィードバックコントローラFBのための入力を形成する。その入力に基づいて、フィードバックコントローラFBは、アクチュエータACTのための駆動信号の少なくとも一部を提供する。基準信号はフィードフォワードコントローラFFのための入力を形成し得る。その入力に基づいて、フィードフォワードコントローラFFは、アクチュエータACTのための駆動信号の少なくとも一部を提供する。フィードフォワードFFは、質量、剛性、共振モード、及び固有振動数など、プラントPの力学的特性についての情報を利用してもよい。
【0030】
[00028] 本発明の一態様によれば、
基準構造に関して移動可能なステージであって、ステージと基準構造とのうち一方が反射面を備える、ステージと、
ステージと基準構造とのうち他方に配置された光学位置センサであって、光学位置センサに対する反射面の位置を判定するように構成された光学位置センサと、
反射面の形状を判定するように構成された光学形状センサと、
を備えるステージシステムが提供される。
【0031】
[00029] ステージは、リソグラフィ装置の基板サポート、すなわち基板を支持するように構成されたステージを備え得る。ステージは更に、リソグラフィ装置のマスクステージ、すなわちリソグラフィ装置のパターニングデバイスを支持するように構成されたステージを備え得る。光学位置センサは干渉計を備え得る。代替的又は追加的には、光学位置センサはエンコーダを備え得る。光学位置センサは、ミラーなどの基準を利用し得る。例えば、干渉計は反射性表面を利用してもよく、その反射性表面上で干渉計ビームが反射される。例えば、干渉計の測定ヘッドが固定的に、すなわち固定的な基準構造に配置されてもよく、ステージの反射性表面までの距離が干渉計ビームを用いて測定される。別の一例として、エンコーダ及び/又は干渉計の測定ヘッドがステージに配置されてもよい。固定的な反射面などの固定的な基準構造に対して位置が測定されてもよい。例えば、エンコーダグリッドがエンコーダのための基準として適用されてもよい。エンコーダグリッドは反射面を形成し得る。同様に、干渉計の場合には、干渉計測定ヘッドがステージに配置されてもよく、固定的な反射面(すなわち固定的な基準構造)と協働して位置測定を実施してもよい。
【0032】
[00030] 上記で説明したように、ステージの位置決めの精度は、投影精度、例えば基板上に投影されるパターンのオーバーレイ精度につながり得る。位置センサは反射面を基準として利用するので、基準の(不)精度は位置測定の(不)精度につながり得る。例えば、干渉計の場合には、反射面の非平坦性又は反射面の位置の不精度がステージの位置の測定における不精度につながるであろう。ステージは基準に関して移動可能であるため、光学位置センサの測定ビームの入射の領域は、ステージが移動するにつれ、反射面にわたって移動され得る。
【0033】
[00031] 発明者らは、反射面の形状を判定するように構成された光学形状センサを提供するように工夫した。反射面の形状がひとたび測定されると、その形状は、光学位置センサによる位置測定を補正するために勘案され得る。反射面の形状は、例えば反射面の製造公差及び/又は取り付け公差に起因して、当初は理想の形状からずれるかもしれない。また、反射面の形状は、変形をもたらすステージでの放熱(dissipation)又は他の温度変動といった様々な他の要因に起因して、あるいは例えばステージにかかる力、ステージの移動等の結果としての変形に起因して、ずれるかもしれない。例えば、ステージの作動によってステージの共振モードが励振され得る。それに応じて、反射面の形状が測定され得るので、ステージの位置がより正確に測定され得、対応してその形状がステージの位置を判定するときに勘案され得る。光学形状センサは、例えば、反射面の形状を判定するように構成された干渉計を備えていてもよい。例えば、光学形状センサは、反射面(の一部)の形状を測定するように構成されたかすめ入射型の干渉計を備えていてもよい。代替的又は追加的には、ステージの様々な位置での光学形状センサによる測定が反射面上の様々な入射の領域における測定を提供してもよく、それらが反射面の形状を求めるために組み合わされてもよい。
【0034】
[00032] 光学位置センサは、例えば1つ以上の測定ビームを反射面に向け、そこから、反射面に向かう距離を求めてもよい(例えば、測定ビームの伝搬経路の長さを平均する)。光学形状センサは複数の測定ビームを反射面に向けてもよく、測定ビームの伝搬経路の長さにおいて起こり得る相違が反射面の形状を反映する。
【0035】
[00033] 一実施形態においては、ステージは更に、光学位置センサに対する反射面の位置から及び光学形状センサによって判定される反射面の形状からステージのステージ位置を求めるように構成された位置測定コントローラを備える。位置測定コントローラは、適当なプログラムされたマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ等のような、任意の適当な制御デバイスによって形成され得る。位置測定コントローラは、別個のコントローラによって形成されてもよい。代替的には、位置測定コントローラは、リソグラフィ装置の既存のコントローラ内に備えられてもよく、例えば、上述したような位置制御システムPCSなどリソグラフィ装置の既存のコントローラによって実行されるプログラムタスクによって形成され得る。位置測定コントローラは、光学位置センサに対する反射面の位置から及び光学形状センサによって判定される反射面の形状からステージのステージ位置を求める。反射面の形状が意図した形状に一致することがわかった場合、例えば反射面の形状が全体として平坦であることがわかった場合には、位置センサの測定ヘッドと反射面との間の距離の補正は不要であろう。しかしながら、光学形状センサによって測定される反射面の形状のずれは、ステージの位置を判定するときに勘案され得る。形状のずれは、例えば非平坦性、変形等を含み得る。このように、ステージの位置を測定するときには、反射面の形状が勘案され得る。
【0036】
[00034] 図4A及び図4Bはそれぞれ、本展開によるステージシステムの一実施形態を図示する。図4A及び図4Bに図示されるステージシステムは、各々が、STとして識別されるステージを備えている。ステージは、例えば、基板Wを保持するように構成された基板サポートWT(図示しない)又はパターニングデバイスMを保持するように構成されたマスクサポートMT(図示しない)を備え得る。ステージは、上述したアクチュエータACTのようなアクチュエータによって作動され得る。ステージは、本例における反射ミラーのような反射面REFSを備えている。上述した位置測定システムPMSの一部を形成し得る位置センサが、反射面に対して位置を測定してもよい。例えば、位置センサは位置干渉計IF1を備えていてもよい。干渉計IF1は、干渉計と反射面との間の距離を判定するために、1つ以上の干渉計ビームを反射面上に向ける。ステージの位置は干渉計IF1によって測定される距離から求められ得る。
【0037】
[00035] 図4Aは、形状干渉計IF2を備える光学形状センサを図示する。形状干渉計IF2は、ステージの移動の主面に沿った方向で見て変位干渉計の両側に延伸する測定ヘッドIF2A及びIF2Bを備えている。ステージの移動の主面は、本例においては水平面である。図4Aによる実施形態においては、干渉計IF1及び干渉計IF2はいずれも、反射面の同じ部分と相互作用する、すなわち反射面の同じ部分に反射する。このように、反射面の形状は、位置測定が基にするのと同じ場所で測定され得る。
【0038】
[00036] 図4Bは、光学形状センサ、つまり形状干渉計IF2の別の一実施形態を図示する。形状干渉計IF2は測定ビームを、干渉計IF1がその単数又は複数の測定ビームを向ける反射面の部分から離れた反射面の一部に向ける。したがって、図4Bの形状干渉計IF2を図4Aの形状干渉計IF2と比較すると、図4Bによる形状干渉計IF2はより小型であり得、その一方で図4Aによる形状干渉計は、位置測定干渉計IF1と同じ入射の領域に向け得るので、干渉計IF1の測定ビームが反射するのと同じ部分で反射面の形状を同時に測定することを可能にする。
【0039】
[00037] また、様々なアパーチャが適用され得る。例えば、形状干渉計は、反射面又はその大部分を一度に測定するように構成されたかすめ入射干渉計であってもよい。代替的には、より小さなアパーチャが適用されてもよく、ステージが移動するにつれて得られる様々な箇所での結果がスティッチング技術を用いて組み合わされる。もう1つの代替案としては、複数のサブアパーチャ測定が実施される。ここでも、例えばステージの様々な位置で又はステージが移動するにつれて得られるサブアパーチャ測定を組み合わせるために、スティッチングが適用され得る。
【0040】
[00038] 図4A及び図4Bは更に、本実施形態において、ステージが更なる反射面REFS2を備えることを図示している。更なる反射面は、反射面REFSに関して45度未満の角度で、並びに水平面に関して実質的に45度未満の角度で延伸する。また、zターゲットミラーZTMのような水平反射面が提供される。zターゲットミラーは更なる反射面と協働して、垂直方向のステージの位置を次のように測定する。位置干渉計は更なる測定ビームFMBを更なる反射面に放射し、その更なる放射ビームは水平反射面に向かって反射し、その後同一又は類似の経路に沿って伝搬して干渉計に戻る。したがって、ステージの垂直位置が変化するにつれて更なる測定ビームの経路の経路長が変化し得るので、垂直位置が測定され得る。特に、zターゲットミラーは固定的であり得るので、ステージとzターゲットミラーとの間の距離が変化し得る。
【0041】
[00039] 更なる反射面の平坦性が、以下に説明されるように、同様に判定され得ると共に勘案され得る。図4A及び図4Bの光学形状センサの両方、つまり図4A及び図4Bに概略的に図示されるそれぞれの干渉計IF2は、更なる反射面の平坦性を判定するために、更なる測定ビームをそれぞれ更なる反射面に向け得る。図4Aによる構成においては、形状測定干渉計IF2が干渉計IF1と実質的に同じターゲット領域に向けるとき、zターゲットミラーが適用され得る。図4Bによる構成においては、位置干渉計IF1及び形状干渉計IF2の更なる測定ビームは水平のaミラー(zターゲットミラー)上の入射の領域に向けられ、これらの領域は、ステージの移動の主面に沿った方向で(特に反射面に沿う水平方向に沿って)離隔している。
【0042】
[00040] 図4A及び図4Bの例においては、位置センサは変位干渉計を備えており、光学形状センサは形状干渉計を備えているが、以下のような他のタイプの光学センサが備えられてもよいことは理解されるであろう。
・非干渉波面センサ(すなわちシャック・ハルトマン波面センサ)
・たわみ計測表面形状測定(deflectometric surface shape measurement)
・干渉波面/表面形状センサ、
・シアリング干渉計(形状センサの派生物)
・フィゾー干渉計/トワイマン・グリーン干渉計/点回折干渉計
【0043】
[00041] なお、反射面の形状は、位置測定コントローラのメモリに記憶され得る。位置測定コントローラは、記憶された入射の領域における反射面の形状を用いて初期ステージ位置を補正することによってステージ位置を求めるように構成されている。したがって、記憶された形状は、初期ステージ位置を補正するために適用され得る。記憶された形状は、光学形状センサによって先に実施された測定から求められてもよく、及び/又は事前に記憶され、例えば較正プロセスにおいて判定されてもよい。
【0044】
[00042] 図5は、光線トレースモデルの概略斜視図を図示しており、ステージ(本例においては基板サポートWT)及び位置センサが図示されている。ステージには、その4つの側部の各々に反射面が設けられており、それぞれが実質的に垂直に延伸している。ステージの各側部には更に、各反射面に関して45度未満で延伸する更なる反射面がそれぞれ設けられている。反射面は各々がそれぞれの光学位置センサ及びそれぞれの光学形状センサと協働する。それに応じて、それぞれの反射面の各々の位置及び形状が測定され得る。したがって、図5は、内部チャック変形の測定のための3つの冗長な軸を有する、完全な9軸位置測定システムを図示している。
【0045】
[00043] ステージが、位置センサ及び形状センサに関して、移動の(水平の)主面に沿って移動するにつれて、反射面及び更なる反射面上の測定ビームの入射の領域は変化し得る。形状センサは、反射面の一部、すなわちそれぞれの単数又は複数の測定ビームが反射面と相互作用する部分の測定を実施し得る。ステージが移動するにつれて、反射面の異なる部分が測定され得る。したがって、それらの部分の形状は、反射面の全体形状を形成するように組み合わされ得る。
【0046】
[00044] ステージの位置を判定するために、位置測定コントローラは次のように進行し得る。まず、初期ステージ位置が、位置センサから取得された測定データから求められる。換言すれば、初期ステージ位置が、それぞれの位置センサに対する反射面(及びおそらくは更なる反射面)の位置から求められる。次に、その初期位置から、反射面における入射の領域が判定される。反射面の形状が、形状センサによる単数又は複数の測定から判定される。ステージ位置は、判定された入射の領域における反射面の形状を用いて初期ステージ位置を補正することによって求められる。このように、最初の初期位置測定が、反射面のどの入射の領域にビームが入射し得るかを判定するために適用され得る。その後、判定された入射の領域を用いて、その領域における形状が、先に判定された反射面の形状から求められ得るか、又は、例えば位置測定と同時に、形状センサによって測定され得る。同時測定は、測定の瞬間に起こる、反射面の形状に影響する変形を勘案することができるであろう。そのような同時測定は、図4Aに図示され同図を参照して説明された構成を用いて実施されてもよい。代替的には、ステージの内部変形についての情報は、ステージの冗長な(すなわち過剰に判定された)位置測定から求められる。
【0047】
[00045] 図5に結果が図示されている光線トレースモデルが、単数又は複数の反射面上の入射の領域を求めるために適用されてもよく、したがって、初期位置を予期される入射の領域と正確に相関させることができる。
光線トレースモデルは、センサのために予期される入射の領域を再構築するためだけに用いられなくてもよく、(特に)n-DOFの位置誤差又は誤差感度を予測するためにも用いられ得る。ステージが6未満の自由度(DOF)を有する場合には、分析及び補正はn-DOFに限定され得る。ただし、nは1,2,3,4,5又は6であり得る。
(1)単数又は複数の形状センサを用いて、全ての関連する及び/又は測定可能なミラーの形状を再構築することができる。
(2)所与のn-DOFの位置セットポイント、センサレイアウト及びミラーブロック形状に関しては、光線トレースモデルを用いて、センサ測定信号を予測することができる。
(3)位置モデルは、シミュレーションされた測定信号を取り込むことができ、n-DOFのステージ位置を再構築する。
(4)セットポイントと再構築されたn-DOF位置との差は位置誤差補正モデルにおいて用いられ得る。
【0048】
[00046] ステージの位置は、位置センサからの出力及び形状センサの出力を用いて判定され得る。それによって、位置センサの出力から求められる初期位置が、ステージの位置の並進補正によって補正され得る。また、ステージの位置の回転補正が実施され得る。換言すれば、回転誤差が、例えばステージの異なる側部(縁部)における位置測定及び形状測定を勘案して、補正され得る。更に、ステージの傾斜が判定され得る。ステージの傾斜は、x軸又はy軸に関するステージの傾きとして理解されるべきである(x軸及びy軸は直交するものとして且つ水平面を定義するものとして定義される)。例えば、光学形状センサを採用して、反射面又はその関連する部分の形状を測定してもよい。この測定は基準と考えられてもよく、例えば、水平位置などの基準傾斜位置で実施されたものと考えられてもよい。水平に延伸するzミラーを用いた垂直位置検知を採用して、例えば、そのような水平位置を確認又は設定してもよい。すると、その(傾斜した又は傾斜していない)基準位置における反射面の形状がわかり、ステージの傾きが、形状測定によって検出され得る反射面の傾きにつながり得る。
【0049】
[00047] 図4A図4B及び図5を参照して説明されたのと同一又は類似の位置及び形状の測定が他の構成においても採用され得ることは理解されるであろう。例えば、関連する可動反射面がステージに取り付けられるか又はステージの一部を形成する固定的な位置センサ及び形状センサの代わりに、反転配置が適用されてもよい。例えば、位置センサ及び形状センサはステージに配置されてもよく、反射面は固定的であってもよい。いずれの場合も、固定的な部分は、リソグラフィ装置のメトロロジフレーム又は他の基準フレームなど、ステージの基準構造又は他の基準構造に取り付けられ得る。
【0050】
[00048] 以下では、図6から図11を参照して、形状干渉計の様々な可能な実施形態が説明される。
【0051】
[00049] 概して、形状干渉計には、フィゾー若しくはトワイマン・グリーン構成又は格子干渉計など、様々なタイプの干渉計が採用され得る。フィゾー干渉計のマイケルソン、トワイマン・グリーンなど、基準面を有する干渉計構成が採用されてもよい。代替的には、点回折又はシアリング干渉計など、自己参照型の干渉計構成が採用されてもよい。自己参照干渉計は軸方向で移動するターゲットについての測定を可能にし得る。また、様々なアパーチャが適用され得る。例えば、形状干渉計は、反射面又はその大部分を一度に測定するように構成されたかすめ入射干渉計であってもよい。代替的には、より小さなアパーチャが適用されてもよく、ステージが移動するにつれて得られる様々な箇所での結果がスティッチング技術を用いて組み合わされる。干渉計は、時間位相シフト型、波長位相シフト型、ヘテロダイン型、合成ヘテロダイン型、又は瞬時位相シフト型干渉計であり得る。一実施形態においては、位相シフトはステージの移動によって提供されてもよく、したがって干渉計の設計を簡易化することができる。
【0052】
[00050] 位置干渉計と形状干渉計とは別々の干渉計であってもよい。代替的には、位置干渉計と形状干渉計とは統合され、すなわち単一のユニットに合併されてもよい。例えば、位置干渉計及び形状干渉計は、共通の光源を利用、すなわち光源を共有してもよい。
【0053】
[00051] 図6は、反射面REFSと、反射面REFSに関して45度で配置された更なる反射面REFS2とを有するステージSTの上面図を図示している。位置干渉計IF1が干渉計に対する反射面の位置を測定する。形状干渉計IF2が反射面の形状を測定する。更なる反射面を用いたZ位置測定のためにZターゲットミラーが提供されて、上記で説明したように関連する干渉計ビームパスを形成する。形状干渉計は、更なる反射面の形状も同様に測定し得る。上述したように、位置干渉計及び形状干渉計の入射の領域は重なり合い、形状干渉計に、反射面及び更なる反射面の、単数又は複数の位置干渉計ビームが反射されるのと同じ領域で、形状を測定させる。このように、形状は実質的に位置測定と同時に測定されることができ、ステージの捩れモード、ステージの放熱等による形状の瞬間的なずれを勘案することを可能にする。形状干渉計はIF2-SRC(例えばレーザ源を備える)及びディテクタIF2-DETを備えていてもよく、そのレーザ源及びディテクタの各々に、干渉計ビームを反射面上のターゲット領域の方に偏向させるために、関連する格子IF2-GRが設けられている。
【0054】
[00052] 図7は別の一実施形態を図示しており、かすめ入射タイプの形状干渉計IF2が適用される。基準ビームIF2-REFが、レーザ源からディテクタへ、直接的な光伝送路を介して伝送され得る。かすめ入射タイプの干渉計は測定ビームをかすめ入射で及び比較的大きなアパーチャで反射性表面(及び恐らくは更なる反射面)に向けてもよく、したがって、反射面(及び更なる反射面)の比較的大きな部分、又は全面についてさえ、一度で測定を実施することができる。よって、ステージの捩れモード、ステージの放熱等による反射面及び/又は更なる反射面の形状のずれは、反射面の全体(又は大部分)についての瞬時の測定から求められ得ると共に、位置測定を補正するように適宜勘案され得る。
【0055】
[00053] 図8は、合併された位置及び形状干渉計の一例を図示している。共通の干渉計光源IF-SRCが提供される。穴を設けられたビームスプリッタIF-SPLが提供されており、位置干渉計IF1の干渉計ビームはそのスプリッタの穴を通過して位置干渉計IF1-DETのディテクタによって検出され、その一方で、形状干渉計のビームはビームスプリッタによって反射されて形状干渉計IF2-DETのディテクタによって検出され、出力画像IF2-OIを提供する。形状干渉計は適宜、反射面上で位置測定に近い測定を実施する。ステージが移動するにつれ、干渉計は反射面の異なる部分で測定を実施し、形状の測定はスティッチング技術を用いて組み合わされる。このように、スティッチング技術を用いて、ビームスプリッタの穴による形状測定のオブスキュレーションが、スティッチング技術を利用して対処され得る。組み合わされた干渉計が、上述したように、更なる反射面上に45度で及びZミラー上にもビームを投影する場合には、出力画像IF2-OIのZ部分によって図示されるように、更なる反射面の形状も撮像され得る。
【0056】
[00054] 図9は、ステージ並びに組み合わされた位置干渉計及び形状干渉計の上面図の別の一例を図示している。図8による実施形態と同様、ここでもビームスプリッタIF-SPLが適用される。ビームスプリッタの穴の代わりに、様々な波長が位置干渉計及び形状干渉計に適用される。ラムダ1及びラムダ2の両波長が光源IF-SRCによって放射され、ビームスプリッタによって反射面上へと反射される。ビームスプリッタは、一方の波長ラムダ1については反射性であり他方の波長ラムダ2については透過性であるダイクロイックミラーを形成し、波長ラムダ1の位置干渉計ビームをビームスプリッタによって反射させると共に位置干渉計のディテクタIF1-DEtへと伝搬させる。ダイクロイックミラーは波長ラムダ2については透過性であり、波長ラムダ2の形状干渉計ビームにビームスプリッタを通過させて位置干渉計のディテクタIF1-DEtへと伝搬させる。図8に記載のビームスプリッタの穴によって生じ得る形状測定のオブスキュレーションは、この2波長アプローチによって回避され得る。
【0057】
[00055] 形状センサは、(典型的には6~10mm程度のアパーチャを有する)変位センサの検出光の一部がビームスプリッタを介して分割されると共に波面形状センサの方に導かれるように、変位センサと統合されてもよい。すると、波面形状センサは、「変位センサによって観察される」ミラーブロックの波面形状を正確に測定し得る。
【0058】
[00056] 図10は、ステージ、位置干渉計IF1、及び形状干渉計IF2の上面図の更に別の一例を図示している。2つの形状干渉計IF2A,IF2Bがステージの同じ反射面と協働するように提供され、2つの形状干渉計は位置干渉計IF1の(水平面で見て)両側に提供されている。本実施形態においては、形状干渉計に格子IF2-GRが設けられており、この格子は基準ビームを反射してディテクタに戻し、その一方で測定ビームは格子を通過して反射面によって反射される。図10に示されるように、本実施形態において、形状干渉計は、反射面のうち、位置干渉計ビームが反射面で反射する部分に隣接した各側にある部分と相互作用する。反射面全体の形状の再構築は、ステージの移動と、複数の(アパーチャ)測定を組み合わせることとによって実施され得る。
【0059】
[00057] 図11は、ステージ、位置干渉計IF1、及び形状干渉計IF2の上面図の更なる一例を図示する。ステージの側部には、ステージのX及びY位置又はY及びZ位置を求めることができるように、反射位置干渉計が設けられる。形状干渉計IF2のビームはスプリッタによって2つのビームに分割され、各々がステージの反射面の1つとそれぞれ相互作用する。したがって、形状干渉計の出力画像IF2-OIはX形状測定及びY形状測定と関連する各部分を備え、出力画像の更なる部分は関連するzミラーを用いた更なる反射面についての測定と関連付けられ得る。
【0060】
[00058] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。例えば、これは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用ガイダンス及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。
【0061】
[00059] 本明細書ではリソグラフィ装置に関連して本発明の実施形態について具体的な言及がなされているが、本発明の実施形態は他の装置に使用することもできる。本発明の実施形態は、マスク検査装置、メトロロジ装置、又はウェーハ(あるいはその他の基板)もしくはマスク(あるいはその他のパターニングデバイス)などのオブジェクトを測定又は処理する任意の装置の一部を形成してよい。これらの装置は一般にリソグラフィツールと呼ばれることがある。このようなリソグラフィツールは、真空条件又は周囲(非真空)条件を使用することができる。
[00060] 本発明は、次の条項によっても記載され得る。
1. 基準構造に関して移動可能なステージであって、前記ステージと前記基準構造とのうち一方が反射面を備える、ステージと、
前記ステージと前記基準構造とのうち他方に配置された光学位置センサであって、前記光学位置センサに対する前記反射面の位置を判定するように構成された光学位置センサと、
前記反射面の形状を判定するように構成された光学形状センサと、
を備える、ステージシステム。
2. 前記光学位置センサに対する前記反射面の前記位置から及び前記光学形状センサによって判定される前記反射面の前記形状から前記ステージのステージ位置を求めるように構成された位置測定コントローラを更に備える、条項1に記載のステージシステム。
3. 前記位置測定コントローラは、
前記光学位置センサに対する前記反射面の前記判定された位置から前記ステージの初期ステージ位置を求めるように、
前記初期ステージ位置から前記反射面における前記光学位置センサの光ビームの入射の領域を求めるように、及び
前記入射の領域における前記反射面の前記形状を用いて前記初期ステージ位置を補正することによって前記ステージ位置を求めるように構成されている、条項1又は2に記載のステージシステム。
4. 前記入射の領域は光線トレースモデルを用いて求められる、条項3に記載のステージシステム。
5. 前記入射の領域における前記反射面の前記形状を用いて前記初期ステージ位置を補正することは並進補正を実施することを備える、条項3又は4のいずれか一項に記載のステージシステム。
6. 前記入射の領域における前記反射面の前記形状を用いて前記初期ステージ位置を補正することは回転補正を実施することを備える、条項3から5のいずれか一項に記載のステージシステム。
7. 前記位置測定コントローラは、前記光学形状センサによる更なる測定と前記反射面の前記判定された形状との比較から前記ステージの傾斜を求めるように構成されている、条項2から6のいずれか一項に記載のステージシステム。
8. 前記反射面の形状は前記位置測定コントローラのメモリに記憶され、前記位置測定コントローラは、前記入射の領域における前記反射面の前記記憶された形状を用いて前記初期ステージ位置を補正することによって前記ステージ位置を求めるように構成されている、条項3から7のいずれか一項に記載のステージシステム。
9. 前記光学位置センサは位置測定ビームを前記反射面の位置測定ビームの入射の領域に向けるように構成されており、前記光学形状センサは形状測定ビームを形状測定ビームの入射の領域に向けるように構成されており、前記位置測定ビームの入射の領域及び前記形状測定ビームの入射の領域は重なり合う、条項1から8のいずれか一項に記載のステージシステム。
10. 前記ステージは更に、前記ステージの移動の主面に関して45度未満で延伸する更なる反射面を備えており、前記光学位置センサは前記ステージの前記移動の主面に実質的に平行に延伸する位置センサターゲットミラーを備えており、前記光学位置センサ及び前記光学形状センサはそれぞれの更なる測定ビームを前記更なる反射面上の重なり合うそれぞれの更なる入射の領域に投影するように構成されている、条項9に記載のステージシステム。
11. 前記光学位置センサは位置測定ビームを前記反射面の位置測定ビームの入射の領域に向けるように構成されており、前記光学形状センサは形状測定ビームを形状測定ビームの入射の領域に向けるように構成されており、前記位置測定ビームの入射の領域及び前記形状測定ビームの入射の領域は前記ステージの移動の主面に沿った方向で相互に離隔している、条項1から8のいずれか一項に記載のステージシステム。
12. 前記ステージは更に、前記ステージの移動の主面に関して45度未満で延伸する更なる反射面を備えており、前記光学位置センサは前記ステージの前記移動の主面に実質的に平行に延伸する位置センサターゲットミラーを備えており、前記光学位置センサ及び前記光学形状センサはそれぞれの更なる測定ビームを、前記更なる反射面上の、前記ステージの移動の主面に沿った前記方向で相互に離隔しているそれぞれの更なる入射の領域に投影するように構成されている、条項11に記載のステージシステム。
13. 前記光学位置センサは変位干渉計を備える、及び/又は前記光学形状センサは形状干渉計を備える、条項1から12のいずれか一項に記載のステージシステム。
14. 前記光学形状センサはかすめ入射干渉計を備える、条項1から13のいずれか一項に記載のステージシステム。
15. 前記光学形状センサはたわみ計を備える、条項1から14のいずれか一項に記載のステージシステム。
16. 前記光学形状センサは波面センサを備える、条項1から15のいずれか一項に記載のステージシステム。
17. 前記光学位置センサ及び前記光学形状センサは共通の光源を備え、前記ステージシステムは前記光学位置センサのそれぞれのビームを通過させるための少なくとも1つの穴を設けられたビームスプリッタを備える、条項1から16のいずれか一項に記載のステージシステム。
18. 前記光学位置センサ及び前記光学形状センサは第1及び第2の波長を放射するように構成された共通の光源を備え、前記ステージシステムは前記第1の波長の光を反射するように且つ前記第2の波長の光を透過するように構成されたダイクロイックビームスプリッタを備え、前記光学位置センサは前記第1及び第2の波長のうち一方を受けるように配置され、前記光学形状センサは前記第1及び第2の波長のうち他方を受けるように配置されている、条項1から17のいずれか一項に記載のステージシステム。
19. 前記光学形状センサは光学形状測定ビームを前記ステージの前記反射面と相互作用するための第1の部分と前記ステージの別の反射面と相互作用するための第2の部分とに分割するためのスプリッタを備える、条項1から18のいずれか一項に記載のステージシステム。
20. 条項1から19のいずれかに記載のステージシステムを備えるリソグラフィ装置。
21. 前記ステージシステムは、基板を保持するように構成された基板サポートとパターニングデバイスを保持するように構成されたマスクサポートとのうち一方である、条項20に記載のリソグラフィ装置。
【0062】
[00061] 以上では光学リソグラフィと関連して本発明の実施形態の使用に特に言及しているが、本発明は、例えばインプリントリソグラフィなど、その他の適用例において使用されてもよく、文脈が許す限り、光学リソグラフィに限定されないことが理解されるであろう。
【0063】
[00062] 文脈上許される場合、本発明の実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの任意の組み合わせにおいて実装することができる。本発明の実施形態は、1つ以上のプロセッサにより読み取られて実行され得る、機械可読媒体に記憶された命令として実装することも可能である。機械可読媒体は、機械(例えばコンピューティングデバイス)により読み取り可能な形態で情報を記憶又は伝送するための任意の機構を含むことができる。例えば機械可読媒体は、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、電気、光、音響又は他の形態の伝搬信号(例えば搬送波、赤外信号、デジタル信号など)、及び他のものを含むことができる。さらに、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令は、特定のアクションを実行するものとして本明細書で説明されることがある。しかしながら、そのような説明は単に便宜上のものであり、そのようなアクションは実際には、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令などを実行するコンピューティングデバイス、プロセッサ、コントローラ、又は他のデバイスから生じ、実行する際、アクチュエータ又は他のデバイスが物質世界と相互作用し得ることを理解すべきである。
【0064】
[00063] 以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることは理解されよう。上記の説明は例示的であり、限定的ではない。それ故、下記に示す特許請求の範囲から逸脱することなく、記載されたような本発明を変更できることが当業者には明白である。
図1
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図4B
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