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特許7265762農作業情報処理プログラム、農作業情報処理方法及び農作業情報処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-19
(45)【発行日】2023-04-27
(54)【発明の名称】農作業情報処理プログラム、農作業情報処理方法及び農作業情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/02 20120101AFI20230420BHJP
【FI】
G06Q50/02
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019091335
(22)【出願日】2019-05-14
(65)【公開番号】P2019212298
(43)【公開日】2019-12-12
【審査請求日】2022-01-13
(31)【優先権主張番号】P 2018103750
(32)【優先日】2018-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成29年度、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構、「革新的技術開発・緊急展開事業(うち経営体強化プロジェクト)」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】501203344
【氏名又は名称】国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】太田 智彦
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 泰永
(72)【発明者】
【氏名】安 東赫
(72)【発明者】
【氏名】東出 忠桐
(72)【発明者】
【氏名】河崎 靖
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 岳士
【審査官】久宗 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-215674(JP,A)
【文献】特開平08-241348(JP,A)
【文献】特開平07-282135(JP,A)
【文献】特開2008-027102(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第3996012(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業者の識別情報を取得し、取得した前記識別情報と、作物の収穫量に応じて重量の計測値が変化する重量計と、圃場の複数箇所に設けられた圃場の位置を識別するための位置識別情報を読み取り可能な読取装置とを対応付け、
取得した前記識別情報に対応付けられた前記重量計の出力に基づいて、前記作業者による前記作物の収穫量を取得し、
取得した前記識別情報に対応付けられた前記読取装置が前記位置識別情報を読み取ったタイミングの情報に基づいて、前記作業者の作業時間を特定し、
取得した前記収穫量と、特定した前記作業時間と、に基づいて、前記作業者の作業能率を算出する、
処理をコンピュータに実行させるための農作業情報処理プログラム。
【請求項2】
作業者の識別情報を取得し、圃場の複数箇所に設けられた圃場の位置を識別するための位置識別情報を読み取り可能な読取装置と、取得した前記作業者の識別情報と、を対応付け、
取得した前記作業者の識別情報に対応付けられた前記読取装置の出力に基づいて、前記作業者の作物に関する作業範囲を取得し、
取得した前記識別情報に対応付けられた前記読取装置が前記位置識別情報を読み取ったタイミングの情報に基づいて、前記作業者の作業時間を特定し、
取得した前記作業範囲と、特定した前記作業時間と、に基づいて、前記作業者の作業能率を算出する、
処理をコンピュータに実行させるための農作業情報処理プログラム。
【請求項3】
実施予定の作業の作業量を取得し、
複数の作業者それぞれについて算出された前記作業能率に基づいて、取得した前記実施予定の作業の作業量に対して前記複数の作業者の少なくとも一部を割り当てる、
処理を前記コンピュータに更に実行させることを特徴とする請求項1又は2に記載の農作業情報処理プログラム。
【請求項4】
前記作業に割り当てられた作業者の前記作業能率と前記実施予定の作業の作業量とに基づいて、前記実施予定の作業の実施が完了するまでの時間を推定する、処理を前記コンピュータに更に実行させ、
前記割り当てる処理は、前記推定する処理で推定した時間が予め定めた条件を満たすまで繰り返し実行することを特徴とする請求項に記載の農作業情報処理プログラム。
【請求項5】
複数の作業者それぞれについて算出された作業能率を表示し、
実施予定の作業の作業量の入力を受け付けるとともに、前記作業に対する前記複数の作業者の割り当て情報の入力を受け付け、
前記作業に割り当てられた作業者の前記作業能率と前記作業量とに基づいて、前記実施予定の作業の実施が完了するまでの時間を推定し、表示する、処理を前記コンピュータに更に実行させることを特徴とする請求項1又は2に記載の農作業情報処理プログラム。
【請求項6】
前記実施予定の作業が複数種類ある場合に、優先順位が高い作業から順に前記作業者を割り当てることを促す表示を行う、ことを特徴とする請求項に記載の農作業情報処理プログラム。
【請求項7】
前記複数種類の作業それぞれについて、前記複数の作業者の作業能率の平均値を算出し、
前記実施予定の各作業の作業量と、算出した各作業の作業能率の平均値と、に基づいて、各作業が終了するまでの時間を推定し、
推定した時間が長い作業から順に、前記優先順位を高く設定する、処理を前記コンピュータに更に実行させることを特徴とする請求項に記載の農作業情報処理プログラム。
【請求項8】
前記実施予定の複数種類の作業それぞれの優先順位の入力を受け付ける、処理を前記コンピュータに更に実行させることを特徴とする請求項に記載の農作業情報処理プログラム。
【請求項9】
作業者の識別情報を取得し、取得した前記識別情報と、作物の収穫量に応じて重量の計測値が変化する重量計と、圃場の複数箇所に設けられた圃場の位置を識別するための位置識別情報を読み取り可能な読取装置とを対応付け、
取得した前記識別情報に対応付けられた前記重量計の出力に基づいて、前記作業者による前記作物の収穫量を取得し、
取得した前記識別情報に対応付けられた前記読取装置が前記位置識別情報を読み取ったタイミングの情報に基づいて、前記作業者の作業時間を特定し、
取得した前記収穫量と、特定した前記作業時間と、に基づいて、前記作業者の作業能率を算出する、
処理をコンピュータ実行することを特徴とする農作業情報処理方法。
【請求項10】
作業者の識別情報を取得し、圃場の複数箇所に設けられた圃場の位置を識別するための位置識別情報を読み取り可能な読取装置と、取得した前記作業者の識別情報と、を対応付け、
取得した前記作業者の識別情報に対応付けられた前記読取装置の出力に基づいて、前記作業者の作物に関する作業範囲を取得し、
取得した前記識別情報に対応付けられた前記読取装置が前記位置識別情報を読み取ったタイミングの情報に基づいて、前記作業者の作業時間を特定し、
取得した前記作業範囲と、特定した前記作業時間と、に基づいて、前記作業者の作業能率を算出する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする農作業情報処理方法。
【請求項11】
作業者の識別情報を取得し、取得した前記識別情報と、作物の収穫量に応じて重量の計測値が変化する重量計と、圃場の複数箇所に設けられた圃場の位置を識別するための位置識別情報を読み取り可能な読取装置とを対応付ける対応付け部と、
取得した前記識別情報に対応付けられた前記重量計の出力に基づいて、前記作業者による前記作物の収穫量を取得する取得部と、
取得した前記識別情報に対応付けられた前記読取装置が前記位置識別情報を読み取ったタイミングの情報に基づいて、前記作業者の作業時間を特定する特定部と、
取得した前記収穫量と、特定した前記作業時間と、に基づいて、前記作業者の作業能率を算出する算出部と、
を備える農作業情報処理装置。
【請求項12】
作業者の識別情報を取得し、圃場の複数箇所に設けられた圃場の位置を識別するための位置識別情報を読み取り可能な読取装置と、取得した前記作業者の識別情報と、を対応付ける対応付け部と、
取得した前記作業者の識別情報に対応付けられた前記読取装置の出力に基づいて、前記作業者の作物に関する作業範囲を取得する取得部と、
取得した前記識別情報に対応付けられた前記読取装置が前記位置識別情報を読み取ったタイミングの情報に基づいて、前記作業者の作業時間を特定する特定部と、
取得した前記作業範囲と、特定した前記作業時間と、に基づいて、前記作業者の作業能率を算出する算出部と、
を備える農作業情報処理装置。
【請求項13】
実施予定の作業量を取得する予定作業量取得部と、
複数の作業者それぞれについて算出された前記作業能率に基づいて、取得した前記実施予定の作業量に対して前記複数の作業者の少なくとも一部を割り当てる割り当て部と、
を更に備える請求項11又は12に記載の農作業情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農作業情報処理プログラム、農作業情報処理方法及び農作業情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多数の作業者を雇用する大規模施設園芸では、紙面やホワイトボードなどに農場やハウス内の区画名や、各区画で実施すべき作業名(収穫、摘葉、芽かきなどの作業名)、区画を担当する作業者名を掲示し、管理者の経験等に基づいて各作業に作業者を配分することで作業管理を行っている。
【0003】
最近では、システムを用いて、農作業管理や農作業計画の立案を行う技術が知られている。農作業管理に関する技術としては、例えば、特許文献1~3等の技術が知られている。また、作業者がどの畝で作業をしたかを管理する技術として、例えば特許文献4等の技術が知られている。
【0004】
また、農作区画ごとに実施された農作業イベントの内容とコストを管理し、これに基づいて農作業計画を立てる技術も知られている(例えば、特許文献5等参照)。また、普段と異なる圃場状態で行われた作業記録を抽出し、動作が急激に変動した作業記録の割合から作業者の熟練度を判断する技術も知られている(例えば、特許文献6等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2002-149744号公報
【文献】特開2005-92595号公報
【文献】国際公開第2012/120689号
【文献】特開2003-284432号公報
【文献】特開2014-194653号公報
【文献】特開2010-165254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
農作業計画の立案を行う場合には、どの作業者をどの作業に配置するかを決めることが重要であり、そのためには、各作業者が各作業をどの程度の作業能率で実施できるかを把握しておくことが有用である。しかしながら、これまでは作業者を管理者の主観により評価することが多く、評価の精度は高くなかった。
【0007】
本発明は、作業者の作業能率を精度よく算出することが可能な農作業情報処理プログラム、農作業情報処理方法及び農作業情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の農作業情報処理プログラムは、作業者の識別情報を取得し、取得した前記識別情報と、作物の収穫量に応じて重量の計測値が変化する重量計と、圃場の複数箇所に設けられた圃場の位置を識別するための位置識別情報を読み取り可能な読取装置とを対応付け、取得した前記識別情報に対応付けられた前記重量計の出力に基づいて、前記作業者による前記作物の収穫量を取得し、取得した前記識別情報に対応付けられた前記読取装置が前記位置識別情報を読み取ったタイミングの情報に基づいて、前記作業者の作業時間を特定し、取得した前記収穫量と、特定した前記作業時間と、に基づいて、前記作業者の作業能率を算出する、処理をコンピュータに実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の農作業情報処理プログラム、農作業情報処理方法及び農作業情報処理装置は、作業者の作業能率を精度よく算出することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態に係る農作業情報処理システムの構成を示す図である。
図2】農作業情報処理システムを利用可能なハウスの一例を示す図である。
図3図3(a)は、サーバのハードウェア構成を示す図であり、図3(b)は、利用者端末のハードウェア構成を示す図である。
図4】サーバの機能ブロック図である。
図5】作業データ取得部の処理を示すフローチャートである。
図6】作業DBのデータ構造の一例を示す図である。
図7】作業能率算出部及び作業計画策定部の処理を示すフローチャートである。
図8】作業能率の算出方法について説明するための図(グラフ)である。
図9】作業能率DBのデータ構造の一例を示す図である。
図10図10(a)、図10(b)は、表示画面を示す図(その1)である。
図11図11(a)、図11(b)は、表示画面を示す図(その2)である。
図12】第2の実施形態に係るサーバの機能ブロック図である。
図13】作業計画策定支援部の処理を示すフローチャートである。
図14】作業情報入力画面の一例を示す図である。
図15】作業能率表示画面の一例を示す図である。
図16】作業者割り当て画面の一例を示す図である。
図17】作業者割り当て画面を用いた作業者割り当てを示す図である。
図18】予想総作業時間の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
《第1の実施形態》
以下、農作業情報処理システムの第1の実施形態について、図1図11に基づいて詳細に説明する。図1には、第1の実施形態に係る農作業情報処理システム100の構成が概略的に示されている。本第1の実施形態の農作業情報処理システム100は、トマトなどを栽培する大規模施設(以下、ハウスと呼ぶ)において、雇用する作業者を作物に関する種々の作業に割り当て、割り当て結果を出力するシステムである。作物に関する種々の作業には、作物の収穫のほか、芽かき、誘引、下葉とりなどの管理作業も含まれる。
【0012】
農作業情報処理システム100は、図1に示すように、農作業情報処理装置としてのサーバ10と、利用者端末70と、重量計50と、読取装置52と、を備える。サーバ10、利用者端末70、重量計50、及び読取装置52は、インターネットなどのネットワーク80に接続されている。
【0013】
サーバ10は、データセンタ等に設置される情報処理装置であり、重量計50や読取装置52から入力される情報を取得し、取得した情報に基づいて、各作業者の作業能率を算出する。また、サーバ10は、各作業者の作業能率などに基づいて、ハウスにおいて実施する必要のある作業に対して作業者を割り当てる。サーバ10における割り当て結果は、利用者端末70に送信される。なお、サーバ10の構成や処理の詳細については後述する。
【0014】
利用者端末70は、作業者、管理者等が利用可能なPC(Personal Computer)等の端末であり、サーバ10が各作業に作業者を割り当てる際の設定情報の入力を受け付けたり、サーバ10の処理結果(割り当て結果)を受信して表示したりする。利用者端末70は、図3(b)に示すようなハードウェア構成を有する。すなわち、利用者端末70は、図3(b)に示すように、CPU(Central Processing Unit)190、ROM(Read Only Memory)192、RAM(Random Access Memory)194、記憶部(ここではHDD(Hard Disk Drive))196、ネットワークインタフェース197、表示部193、入力部195、及び可搬型記憶媒体191の読み取りが可能な可搬型記憶媒体用ドライブ199等を備えている。これら利用者端末70の構成各部は、バス198に接続されている。表示部193は、液晶ディスプレイ等を含み、入力部195は、キーボード、マウス、タッチパネル等を含む。
【0015】
図1に戻り、重量計50は、作業者が利用する台車60に設置されており、台車60上に設置されたコンテナ62内に収容された作物の重量を検出する。作業者は、作業を実施する際に、図2に示すようなハウス内の通路48を台車60とともに移動する。
【0016】
ここで、ハウス内ではトマトなどを栽培しており、内部には複数行の栽培ベッド40が設けられている。栽培ベッド40それぞれは、一例として4つのブロック(破線枠参照)に分けられており、各ブロックには、符号A1~A4、B1~B4、…J1~J4が割り当てられているものとする。各ブロックA1~J4の両端部近傍には、栽培場所識別コード44が設けられている。栽培場所識別コード44は、バーコードや2次元コードなどであり、サーバ10では、台車60に設けられている読取装置52が読み取った栽培場所識別コード44の情報を取得することで、台車60(すなわち作業者)がどのブロックに位置しているのか、どのブロックの作業を開始又は終了したのかなどがわかるようになっている。
【0017】
図1に戻り、読取装置52は、各台車60に設けられたバーコードリーダなどであり、上述のように栽培場所識別コード44の情報を読み取って、サーバ10に送信する。また、読取装置52は、作業者が有する作業者識別コード42の情報を読み取って、サーバ10に送信する。なお、読取装置52と台車60とは一対一で対応するため、サーバ10では、読取装置52が読み取った作業者識別コード42の情報から、台車60を操作する作業者の識別情報を特定することができる。なお、栽培場所識別コード44や作業者識別コード42は、ICチップが内蔵されたICカードなどであってもよく、この場合には、読取装置52は、ICカードリーダとなる。
【0018】
(サーバ10について)
図3(a)には、サーバ10のハードウェア構成が示されている。図3(a)に示すように、サーバ10は、コンピュータとしてのCPU90、ROM92、RAM94、記憶部(ここではHDD)96、ネットワークインタフェース97、及び可搬型記憶媒体用ドライブ99等を備えている。これらサーバ10の構成各部は、バス98に接続されている。サーバ10では、ROM92あるいはHDD96に格納されているプログラム(農作業情報処理プログラムを含む)、或いは可搬型記憶媒体用ドライブ99が可搬型記憶媒体91から読み取ったプログラム(農作業情報処理プログラムを含む)をCPU90が実行することにより、図4に示す各部の機能が実現される。なお、図4の各部の機能は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
【0019】
図4には、サーバ10の機能ブロック図が示されている。サーバ10においては、CPU90がプログラムを実行することにより、図4に示すように、作業データ取得部30、算出部としての作業能率算出部32、及び作業計画策定部34として機能する。なお、図4には、サーバ10のHDD96等に格納されている作業DB28、作業能率DB26についても図示されている。
【0020】
作業データ取得部30は、重量計50や読取装置52から情報を取得し、各作業者の作業量や作業時間などのデータを作業DB28に格納する。
【0021】
作業能率算出部32は、作業DB28に格納されているデータに基づいて、各作業者の作業能率を算出する。作業能率算出部32は、算出した作業能率を作業能率DB26に格納する。
【0022】
作業計画策定部34は、作業能率算出部32により算出された作業能率に基づいて、m日後(mは1、2…)に実施する作業に作業者を割り当て、作業グループを生成する。作業計画策定部34は、生成した1又は複数の作業グループを利用者端末70に対して出力し、管理者により選択された作業グループをm日後の作業グループとして決定する。
【0023】
(サーバ10の処理について)
以下、サーバ10の処理について、図5図7のフローチャートに沿って、その他図面を参照しつつ詳細に説明する。図5は、作業データ取得部30の処理を示すフローチャートであり、図7は、作業能率算出部32及び作業計画策定部34の処理を示すフローチャートである。
【0024】
(作業データ取得部30の処理について)
まず、作業データ取得部30の処理について、図5に基づいて説明する。図5の処理は、各作業者の作業に関するデータを取得する処理である。なお、作業者が実施すべき作業がどの種類の作業であるか(収穫であるか、管理作業であるか)は、予め定められており、作業者は予め定められている作業を実施するものとする。
【0025】
図5の処理では、まず、ステップS10において、作業データ取得部30が、作業者識別コード42の情報を取得する。作業者が自身のネームプレート等に記載されている作業者識別コード42を台車60に設けられている読取装置52により読み取ると、読取装置52から作業者識別コード42の情報を取得する。本第1の実施形態では、一例として、作業者識別コード42の情報が「B」であったとする。なお、作業者Bは、「収穫」作業を実施することが予め定められているものとする。ここで、作業データ取得部30は、取得した作業者識別コード42の情報と、作業者識別コード42を読み取った読取装置52と、読取装置52が設けられている台車60に搭載されている重量計50と、を対応付ける。すなわち、作業データ取得部30は、読取装置52と重量計50から出力されるデータを、これらの装置に対応付けられた作業者のデータとして扱うこととする。
【0026】
次いで、ステップS11では、作業者の実施予定作業が「収穫」であるか否かを判断する。このステップS11の判断が肯定されると、ステップS12に移行する。
【0027】
ステップS12に移行すると、作業データ取得部30は、重量Wnを計測し、一時記憶する。このステップS12では、作業開始前のコンテナ62内の重量として、重量計50の計測値(重量Wn)を作業者Bに対応付けて一時記憶する。なお、以下においては重量Wnを「作業開始前重量Wn」と呼ぶものとする。
【0028】
次いで、ステップS14では、作業データ取得部30が、栽培場所識別コード44の読み取りがあるまで待機する。作業者が読取装置52により作業を実行するブロックの一端側(例えば図2の左端側)に設けられた栽培場所識別コード44を読み取り、栽培場所識別コード44の情報が読取装置52から送られてくると、作業データ取得部30は、ステップS16に移行する。
【0029】
ステップS16に移行すると、作業データ取得部30は、一時記憶している重量Wnに栽培場所識別コード44の情報を対応付ける。例えば、栽培場所識別コード44の情報が「ブロックA1」であったとすると、作業者Bのデータとして、ブロックA1と作業開始前重量Wnとを対応付ける。
【0030】
次いで、ステップS18では、作業データ取得部30が、栽培場所識別コード44の情報に対応付けて、現在の時刻を作業開始時刻Tnとして一時記憶する。これにより、作業者Bのデータとして、ブロックA1と作業開始前重量Wnと作業開始時刻Tnとが対応付けられることになる。
【0031】
作業者は、これ以降、ブロックA1の作物の収穫を実行する。そして、ブロックA1の作物の収穫が完了すると、作業者は、収穫が完了したブロック(A1)の他端側(例えば図2の右端側)に設けられた栽培場所識別コード44を読取装置52により読み取る。
【0032】
次いで、ステップS20では、作業データ取得部30が、栽培場所識別コード44の読み取りがあるまで待機する。上述したように、作業者が読取装置52を用いてブロックA1の栽培場所識別コード44を読み取り、読取装置52から栽培場所識別コード44の情報が送信されてくると、作業データ取得部30はステップS22に移行する。
【0033】
ステップS22に移行すると、作業データ取得部30は、作業終了時の重量として、重量計50の計測値(重量Wn+1)を計測し、栽培場所識別コード44の情報(ブロックA1)に対応付けて、一時記憶する。なお、以下においては重量Wn+1を「作業終了後重量Wn+1」と呼ぶものとする。ステップS22の処理が実行されることにより、作業者Bのデータとして、ブロックA1と、作業開始前重量Wn、作業終了後重量Wn+1、作業開始時刻Tnが対応付けられたことになる。
【0034】
次いで、ステップS24では、作業データ取得部30が、栽培場所識別コード44の情報に対応付けて、現在の時刻を作業終了時刻Tn+1として一時記憶する。ステップS24の処理が実行されることにより、作業者Bのデータとして、ブロックA1と、作業開始前重量Wn、作業終了後重量Wn+1、作業開始時刻Tn、作業終了時刻Tn+1が対応付けられたことになる。
【0035】
次いで、ステップS26では、作業データ取得部30が、(Wn+1-Wn)及び(Tn+1-Tn)を算出し、栽培場所識別コード44の情報に対応付けて、作業DB28に記憶する。具体的には、作業データ取得部30は、図6に示す作業DB28の「作業量」として(Wn+1-Wn)を記憶するとともに、「作業時間」として(Tn+1-Tn)を記憶する。なお、(Wn+1-Wn)は、1ブロックにおける収量(収穫量)を意味する。上述した例では、作業データ取得部30は、本日の日付、作業者識別コード「B」、作業名「収穫」、作業ブロック名「A1」に対応付けて、作業時間と作業量の値を作業DB28に格納する。
【0036】
次いで、ステップS28では、作業データ取得部30が、作業終了か否かを判断する。例えば、作業者Bに対して予め定められている作業がすべて終了した場合には、ステップS28の判断が肯定されて、図5の全処理が終了する。一方、ステップS28の判断が否定された場合には、作業データ取得部30は、ステップS12に戻る。その後は、ステップS12~S28の処理・判断を、ステップS28の判断が肯定されるまで繰り返し実行する。なお、ステップS12~S28の処理においては、重量計50が作業量取得装置としての機能を有し、読取装置52がタイミング取得装置としての機能を有している。
【0037】
ところで、作業者Bが、管理作業(例えば「芽かき」とする)を実施することが予め定められていた場合、ステップS11の判断が否定され、ステップS114に移行する。
【0038】
ステップS114に移行すると、作業データ取得部30は、栽培場所識別コード44の読み取りがあるまで待機する。作業者が読取装置52により芽かき作業を実行するブロック(例えばJ2とする)の一端側(例えば図2の左端側)に設けられた栽培場所識別コード44を読み取り、栽培場所識別コード44の情報が読取装置52から送られてくると、作業データ取得部30は、ステップS118に移行する。
【0039】
ステップS118に移行すると、作業データ取得部30は、栽培場所識別コード44の情報に対応付けて、現在の時刻を作業開始時刻Tnとして一時記憶する。これにより、作業者Bのデータとして、ブロックJ2と作業開始時刻Tnとが対応付けられることになる。
【0040】
作業者は、これ以降、ブロックJ2の芽かき作業を実行する。そして、ブロックJ2の芽かき作業が完了すると、作業者は、収穫が完了したブロック(J2)の他端側(例えば図2の右端側)に設けられた栽培場所識別コード44を読取装置52により読み取る。
【0041】
次いで、ステップS120では、作業データ取得部30が、栽培場所識別コード44の読み取りがあるまで待機する。上述したように、作業者が読取装置52を用いてブロックJ2の栽培場所識別コード44を読み取り、読取装置52から栽培場所識別コード44の情報が送信されてくると、作業データ取得部30はステップS124に移行する。
【0042】
ステップS124に移行すると、作業データ取得部30は、栽培場所識別コード44の情報に対応付けて、現在の時刻を作業終了時刻Tn+1として一時記憶する。これにより、作業者Bのデータとして、ブロックJ2と作業開始時刻Tnと、作業終了時刻Tn+1が対応付けられることになる。
【0043】
次いで、ステップS126では、作業データ取得部30が、(Tn+1-Tn)を算出し、栽培場所識別コード44の情報に対応付けて、作業DB28に記憶する。具体的には、作業データ取得部30は、作業DB28の「作業量」として「1ブロック」を記憶するとともに、「作業時間」として(Tn+1-Tn)を記憶する。上述した例では、作業データ取得部30は、本日の日付、作業者識別コード「B」、作業名「芽かき」、作業ブロック名「J2」に対応付けて、作業時間と作業量の値を作業DB28に格納する。
【0044】
次いで、ステップS128では、作業データ取得部30が、作業終了か否かを判断する。例えば、作業者Bに対して予め定められている作業がすべて終了した場合には、ステップS128の判断が肯定されて、図5の全処理が終了する。一方、ステップS128の判断が否定された場合には、作業データ取得部30は、ステップS114に戻る。その後は、ステップS114~S128の処理・判断を、ステップS128の判断が肯定されるまで繰り返し実行する。なお、作業者が実施する作業が「芽かき」以外の管理作業(例えば、誘引や下葉とりなど)の場合にも、ステップS114~S128の処理が実施される。なお、ステップS114~S128の処理においては、読取装置52が、作業量取得装置及びタイミング取得装置としての機能を有している。
【0045】
以上のように、図5の処理が実行されることで、図6の作業DB28に各作業者の作業時間と作業量のデータが蓄積されるようになっている。
【0046】
(作業能率算出部32及び作業計画策定部34の処理)
次に、作業能率算出部32及び作業計画策定部34の処理について、図7のフローチャートに沿って、その他図面を適宜参照しつつ詳細に説明する。本処理は、例えば、m日後(mは1、2、…)に作業を実行する作業者の組み合わせ(作業グループ)を決めたい旨の入力を、管理者が利用者端末70を介して入力したタイミングで実行される処理である。
【0047】
図7の処理では、まずステップS50において、作業能率算出部32が、所定期間に得られた作業者ごとの作業時間及び作業量に基づいて、各作業者の作業能率を算出する。具体的には、作業能率算出部32は、所定期間(例えば過去1週間)に得られた各作業者の各作業に要した作業時間と作業量とを作業DB28から取得する。そして、作業能率算出部32は、各作業の作業時間と作業量を図8に示すようなグラフにプロットして、最小二乗法等により、作業時間と作業量との関係を示す式を求め、作業能率を求める。作業能率は図8のグラフの傾きに対応する。作業が「収穫」である場合、作業能率の単位は、「kg/h」となる。図8の例では、作業者A、B、Cの順に作業能率が高いことを示している。なお、管理作業「芽かき」や「下葉とり」の作業能率の場合、単位は「ブロック/h」となる。
【0048】
作業能率算出部32は、算出した作業能率を図9に示すような作業能率DB26に格納する。作業能率DB26には、図9に示すように、「芽かき」、「誘引」、「下葉とり」、「収穫」に関する作業能率が作業者名に対応付けて格納される。
【0049】
なお、作業DB28から取得するデータの範囲(上述した所定期間)は、予め定められていてもよいし、管理者が都度設定することとしてもよい。
【0050】
次いで、ステップS52では、作業計画策定部34が、優先する作業の選択を受け付ける。例えば、管理者は、利用者端末70を介して、実施すべき作業の優先順位を入力する。本第1の実施形態では、一例として、優先順位が「収穫」、「芽かき」、「下葉とり」の順であることが入力されたものとする。
【0051】
次いで、ステップS54では、作業計画策定部34が、m日後の予想収量、予想作業量、終了希望時刻の入力を受け付ける。この場合、管理者がm日後の予想収量、予想作業量を過去のデータに基づいて入力するものとする。
【0052】
例えば、利用者端末70の表示部193には、図10(a)に示すような表示画面が表示されるものとする。図10(a)に示すように、表示画面には、メニュー「メイン」、「予想入力」、「作業状況表示」、「作業計画」、「設定」が用意されているものとする。管理者がメニュー「メイン」を選択している場合、画面上には、図10(a)に示すように、ハウス内の区画(ブロック)が表示されるものとする。そして、管理者がメニュー「予想入力」を選択すると、図10(b)に示すような画面となる。この場合、管理者は、図10(b)に示すようにブロックA1を選択すると、ブロックA1の予想収量や予想作業量(芽かき、誘引、下葉とりが必要か否か)などの情報を入力することができる。管理者が全ブロックの予想収量や予想作業量を入力するとともに、終了希望時刻を入力すると、次のステップS56に移行する。
【0053】
なお、上記のように管理者が予想収量や予想作業量を入力する場合に限らず、サーバ10が、過去のデータや、環境データに基づいてm日後の収量を推定したり作業量を推定したりしてもよい。
【0054】
次いで、ステップS56では、作業計画策定部34が、NG組み合わせを除いて、優先する作業から作業能率の高い作業者を順に割り当てる。ここで、NG組み合わせは、同一の作業に割り当てることを禁止する作業者の組み合わせであり、管理者等が表示画面(図10(a)等参照)のメニュー「設定」の画面において予め入力しているものとする。
【0055】
このステップS56においては、作業計画策定部34が、優先順位が最も高い作業(ここでは、収穫)を特定し、当該作業(収穫)に関する作業能率が最も高い作業者から順に当該作業に割り当てる。この場合、作業計画策定部34は、作業開始時刻から終了希望時刻までの間の時間(作業実施時間と呼ぶ)に、全ての収穫作業が終わるように作業者を割り当てる。また、作業計画策定部34は、NG組み合わせに含まれる作業者が同一作業に割り当てられないようにする。
【0056】
また、作業計画策定部34は、優先順位が2番目に高い作業(ここでは、芽かき)を特定し、未だ作業に割り当てられていない作業者のうち、芽かき作業の作業能率が高い作業者を順に芽かき作業に割り当てる。この場合にも、作業実施時間内に全ての芽かき作業が終わるように、及びNG組み合わせの作業者が割り当てられないように、作業者を割り当てる。
【0057】
さらに、作業計画策定部34は、優先度が3番目以降の作業についても同様に作業者を割り当てる。
【0058】
このようにすることで、作業計画策定部34は、各作業に対して作業者を割り当て、作業グループを生成する。
【0059】
なお、全作業者を各作業に割り当てたものの、作業実施時間内に作業が終わらないような場合には、作業計画策定部34は、作業不可能な量(収穫できない量や作業できないブロック数)を算出したり、残業量(残業において収穫すべき量や作業量、残業時間)を算出する。
【0060】
なお、作業計画策定部34は、作業グループを生成する際の条件を異ならせることで、複数の作業グループを生成することとしてもよい。例えば、作業者の時給の合計が極力少なくなるように作業グループを生成したり、作業者の人数が最小となるように作業グループを生成したりすることができる。
【0061】
次いで、ステップS58では、作業計画策定部34が、作業グループの情報(作業不可能な量や残業量の情報を含む)を利用者端末70に出力する。利用者端末70では、表示部193上に表示される表示画面において、作業グループの情報を表示する。このとき、作業グループが複数生成されている場合には、複数の作業グループの情報が表示されることになる(例えば、図11(a)参照)。なお、図11(a)の表示画面には、各ブロックにおいて実施する予定の作業の情報と、各作業グループにおいてどの作業にどの作業者が割り当てられ、どの程度の作業時間を要するのかの情報が表示される。
【0062】
次いで、ステップS60では、作業計画策定部34が、作業グループが選択されるまで待機する。管理者が、図11(a)の表示画面上で作業グループを選択すると、作業計画策定部34は、ステップS62に移行する。
【0063】
ステップS62に移行すると、作業計画策定部34は、選択された作業グループをm日後の作業グループとして決定する。以上により、図7の全処理が終了する。なお、図10(a)等の表示画面において、メニュー「作業状況表示」が選択された場合には、利用者端末70は、作業DB28に格納されているデータを参照して、図11(b)に示すように、現在どのブロックの作業が完了しているかをグレー表示する画面を生成して、表示するようになっている。
【0064】
これまでの説明から明らかなように、本第1の実施形態では、作業データ取得部30により、作業者の識別情報(作業者識別コード42の情報)を取得し、作業者識別コード42の情報と、当該情報を読み取った読取装置52と、読取装置52に対応する重量計50とを対応付ける対応付け部としての機能が実現されている。また、作業データ取得部30により、重量計50の出力から作業量(収量)を取得する取得部、及び読取装置52の出力から作業時間を特定する特定部としての機能が実現されている。また、作業計画策定部34により、m日後に実施する予定の作業量を取得する予定作業量取得部、及び各作業者の作業能率に基づいて、実施予定の作業に作業者を割り当てる割り当て部、としての機能が実現されている。
【0065】
以上、詳細に説明したように、本第1の実施形態によると、サーバ10の作業データ取得部30は、読取装置52が読み取った作業者識別コード42の情報を取得し、取得した作業者識別コード42の情報に、情報を読み取った読取装置52と、該読取装置52に対応する重量計50とを対応付ける(S10)。また、作業データ取得部30は、重量計50の出力に基づいて、対応する作業者の収量(作業量)を算出する(S12、S22、S26)。また、作業データ取得部30は、読取装置52が読み取った栽培場所識別コード44の情報から、対応する作業者による1つのブロックの作業時間(収穫時間)を算出する(S18、S24、S26)。そして、作業能率算出部32は、算出した収量と作業時間と、に基づいて、作業者の作業能率を算出する(S50)。これにより、本第1の実施形態のサーバ10では、読取装置52及び重量計50から取得された情報に基づいて、作業者の作業能率を精度よく算出することができる。また、本第1の実施形態では、作業データ取得部30は、読取装置52が読み取った栽培場所識別コード44の情報から1ブロックの管理作業(芽かきや下葉とりなど)の実施開始及び実施終了の情報を取得し(S114、S120)、作業能率算出部32は、管理作業を実施したブロック数と作業時間とに基づいて、作業者の作業能率を算出するため、作業者による管理作業の作業能率を精度よく算出することができる。
【0066】
また、本第1の実施形態では、作業計画策定部34は、予想収量や予想作業量を取得し(S54)、複数の作業者それぞれの作業能率に基づいて、各作業に作業者を割り当てる(S56)。これにより、各作業者の作業能率に基づいて、予定している作業に対して作業者を適切に割り当てることができる。例えば、大規模施設においては、作業者の年齢や経験などにより作業能率に大きな差があることがある。具体的には、作業者の作業能率が最も高い人は最も低い人の6倍程度である場合もある。このため、大規模施設においては、作業能率を正確に見積もらなければ、各作業に作業者を適切に配置することはできないことになるが、本第1の実施形態のように、精度よく算出された作業者の作業能率を利用して作業グループを生成することで、作業者の実際の能力を考慮した適切な作業グループを生成することが可能である。このように、適切な作業グループを生成することにより、雇用に要するコストを削減することができる。
【0067】
また、本第1の実施形態では、管理者は、収穫や管理作業それぞれに優先順位をつけることができるため、優先すべき作業に対して、優先的に適切な作業者を割り当てることが可能である。
【0068】
また、本第1の実施形態では、管理作業(芽かき等)の作業量を読取装置52の出力に基づいて特定し、管理作業(芽かき等)の作業時間を読取装置52の出力に基づいて算出することとしている。このように、作業量の特定と作業時間の算出を同一の装置の出力に基づいて行うことができるので、必要な装置数を削減することができ、システム全体におけるコストダウンを図ることができる。
【0069】
なお、上記第1の実施形態では、作業グループを生成する際に、作業能率の低い作業者の教育を行うために、作業能率の低い作業者を作業能率の高い作業者の近傍に配置するようにすることとしてもよい。
【0070】
なお、上記第1の実施形態では、サーバ10は、m日後の作業グループを生成する場合について説明したが、これに限らず、作業当日(例えば朝)において、当日の作業グループを決定することとしてもよい。
【0071】
なお、上記第1の実施形態では、台車60に重量計50を設ける場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、トラックスケールなどの重量計を、ハウス内の所定位置(例えばブロックごと)に設けることとしてもよい。なお、このような重量計で重量(収量)を計測する場合には、計測前に作業者識別コード42の情報と重量計を対応付けたうえで計測することで、重量(収量)のデータを作業者と対応付けて管理する必要がある。このような構成を採用することで、台車60に重量計50を設けなくてもよくなるため、台車60を軽量化することができ、作業者の負担を軽減することができる。
【0072】
なお、上記第1の実施形態では、作業者の作業位置を読取装置52が読み取った栽培場所識別コード44の情報に基づいて判断する場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、作業者の作業位置をカメラにより撮影した画像に基づいて判断することとしてもよいし、その他の手段により作業者の作業位置を取得することとしてもよい。
【0073】
なお、上記第1の実施形態では、下葉とりなどの管理作業の作業量を何ブロック作業したかにより管理することとしたが、これに限られるものではない。例えば、下葉とりのように、作業量を下葉の重さで管理できるような場合には、重さにより作業量を管理することとしてもよい。
【0074】
なお、上記第1の実施形態では、サーバ10が図5図7の処理を実行する場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、利用者端末70において、図5及び図7の少なくとも一方の処理を行うこととしてもよい。
【0075】
なお、上記第1の実施形態では、作業能率算出部32が算出した各作業者の作業能率に基づいて、作業グループを生成する場合について説明したが、これに限らず、算出した各作業者の作業能率は、他の処理において利用するようにしてもよい。例えば、各作業者の時給や歩合を決める場合に、算出した作業能率を用いることとしてもよい。
【0076】
《第2の実施形態》
次に、第2の実施形態について説明する。なお、以下においては、上述した第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。したがって、第1の実施形態と同一又は同等の構成や処理についての記載は省略するものとする。
【0077】
本第2の実施形態においては、サーバ10が各作業者の作業能率を算出し、算出した作業能率を特定の人物(例えば作業長)に提供することで、作業長による作業計画の策定作業を支援する。
【0078】
図12には、本第2の実施形態のサーバ10の機能ブロック図が示されている。本第2の実施形態のサーバ10は、図12に示すように、図4の作業計画策定部34の機能に代えて、作業計画策定支援部134の機能を有している。
【0079】
作業計画策定支援部134は、作業長による作業計画の策定(予定している作業に対する作業者の割り当て)を支援するために、各種画面を表示する。作業計画策定支援部134は、図12に示すように、作業情報取得部140、作業能率表示部142、作業者割り当て画面表示部144、作業時間算出部146、優先順位決定部148を有する。
【0080】
作業情報取得部140は、作業情報入力画面(図14参照)を作業長の利用者端末70に表示し、作業情報入力画面に入力された予定している作業の作業量の情報を取得する。作業情報取得部140は、取得した情報を作業者割り当て画面表示部144に受け渡す。
【0081】
作業能率表示部142は、作業能率DB26に基づいて作業能率表示画面(図15参照)を作成し、表示する。
【0082】
作業者割り当て画面表示部144は、作業情報取得部140から取得した情報や、優先順位決定部148が決定した作業の優先順位に基づいて、作業者割り当て画面(図16参照)を作成する。また、作業者割り当て画面表示部144は、作成した作業者割り当て画面を作業長の利用者端末70に表示する。
【0083】
作業時間算出部146は、作業長が予定している作業に作業者を割り当てた後に、予想総作業時間(全作業の延べ時間の予想値)を算出し、算出結果を作業者割り当て画面表示部144に受け渡す。なお、作業者割り当て画面表示部144は、受け取った予想総作業時間を作業長の利用者端末70に表示する(図18参照)。
【0084】
優先順位決定部148は、作業能率DB26に格納されているデータに基づいて、予定している作業の優先順位を決定する。優先順位決定部148は、決定した優先順位の情報を作業者割り当て画面表示部144に受け渡す。
【0085】
(作業計画策定支援部134の処理について)
次に、作業計画策定支援部134の処理について、図13のフローチャートに沿って、その他図面を適宜参照しつつ詳細に説明する。なお、図13の処理が行われる段階では、作業DB28に、図9に示すようなデータが格納されているものとする。
【0086】
図13の処理では、まず、ステップS102において、作業情報取得部140が、作業長の利用者端末70において、作業計画の策定開始の操作があるまで待機する。作業長が利用者端末70の入力部195を用いて作業計画の策定開始の操作を実行すると、作業情報取得部140は、ステップS104に移行する。
【0087】
ステップS104に移行すると、作業情報取得部140は、作業情報入力画面を作業長の利用者端末70の表示部193上に表示する。ここで、作業情報入力画面は、図14に示すような画面であり、予定している作業の作業量を入力する欄や、「OK」ボタンが設けられた画面である。作業長は、芽かき、誘引、下葉とり、収穫などの作業のうち、実施する予定の作業についての作業量を入力し、「OK」ボタンを押す。
【0088】
次いで、ステップS106では、作業情報取得部140が、作業長によって作業情報入力画面内の「OK」ボタンが押されるまで待機する。なお、「OK」ボタンが押された場合には、作業情報取得部140は、作業情報入力画面に入力された作業量の情報を作業者割り当て画面表示部144に受け渡し、ステップS108に移行する。
【0089】
ステップS108に移行すると、作業能率表示部142は、作業能率DB26を参照して作業能率表示画面を作成し、表示する。ここで、作業能率表示画面は、図15に示すような画面である。具体的には、作業能率表示画面には、作業能率DB26に格納されている各作業者の各作業に関する作業能率を示す表(図15の下側の表)が含まれるとともに、当該表から生成された各作業者の作業能率を示すグラフ(図15の上側のグラフ)が含まれる。グラフは、作業名ごとに作成される。なお、図15においては、グラフの上側に設けられた作業名のタブ(芽かき、誘引、…)を選択することで、選択した作業に関する作業能率のグラフを表示することができるようになっている。
【0090】
次いで、ステップS110では、作業者割り当て画面表示部144が、作業者割り当て画面を作成して、表示する。この場合、作業者割り当て画面表示部144は、まず、優先順位決定部148に指示を出し、作業長が入力した各作業の優先順位を決定する。例えば、優先順位決定部148は、作業能率DB26を参照して、各作業(芽かき、誘引、…)について、全作業者の作業能率の平均値を算出する。また、優先順位決定部148は、作業長が入力した予定している各作業の作業量を、作業能率の平均値で除すことで、各作業の推定合計作業時間を算出する。そして、優先順位決定部148は、推定合計作業時間に基づいて各作業の優先順位を決定する。例えば、優先順位決定部148は、推定合計作業時間が長いほど優先順位を高く、すなわち、推定合計作業時間が最も長い作業を優先順位1とし、次に長い作業を優先順位2とし、…というように優先順位を決定する。優先順位決定部148は、決定した優先順位を作業者割り当て画面表示部144に受け渡し、作業者割り当て画面表示部144は、優先順位を表示した作業者割り当て画面(図16)を作成する。
【0091】
図16の作業者割り当て画面には、予定されている作業の作業名、優先順位、作業量(作業ブロックや収穫予定量)とともに、作業者を割り当てる欄(割り当て欄)が設けられている。また、作業者割り当て画面の右端の枠内には、作業者名が記載されたアイコンが設けられている。作業者割り当て画面表示部144は、作成した図16の画面を作業長の利用者端末70に送信し、表示部193上に表示する。
【0092】
作業長は、図15の作業能率表示画面を参照しながら、作業者割り当て画面において、図17に示すように、各作業に対して作業者を割り当てる(作業者名のアイコンを各作業の割り当て欄にドラッグする)。このとき、作業者割り当て画面には、各作業の優先順位が表示されているため、作業長は、優先順位が高いほうから順に作業者を割り当てることができるようになっている。すなわち、作業者割り当て画面の優先順位の表示は、優先順位が高い作業から順に作業者を割り当てることを促す表示であるといえる。
【0093】
そして、作業長は、全作業に対して作業者を割り当てた段階で、図17に示すように、作業者割り当て画面に設けられている「総作業時間表示」ボタンを押す。
【0094】
図13に戻り、ステップS110の後は、ステップS112に移行し、作業者割り当て画面表示部144が、「総作業時間表示」ボタンが押されるまで待機する。したがって、作業長が「総作業時間表示」ボタンを押した段階で、ステップS114に移行する。
【0095】
ステップS114に移行すると、作業者割り当て画面表示部144は、作業時間算出部146に指示を出し、予測総作業時間を算出する。そして、作業者割り当て画面表示部144は、作業時間算出部146から算出結果を受け取ると、受け取った算出結果を作業長の利用者端末70に送信し、表示部193上に表示する。
【0096】
ここで、作業時間算出部146は、以下のようにして予測総作業時間を算出する。例えば、図17に示すように、作業名:芽かき(作業ブロック:Uブロック)に作業者A、B、…が割り当てられ、作業者Aの芽かきの作業能率がQA1、作業者Bの芽かきの作業能率がQB1、…であったとする。また、作業名:誘引(作業ブロック:Xブロック)に作業者C、D、…が割り当てられ、作業者Cの誘引の作業能率がQC2、作業者Dの誘引の作業能率がQD2、…であったとする。また、作業名:下葉とり(作業ブロック:Yブロック)に作業者E、F、…が割り当てられ、作業者Eの下葉とりの作業能率がQE3、作業者Fの下葉とりの作業能率がQF3、…であったとする。更に、作業名:収穫(収穫予定量:Zkg)に作業者G、H、…が割り当てられ、作業者Gの収穫の作業能率がQG4、作業者Hの収穫の作業能率がQH4、…であったとする。この場合、予想総作業時間S(h)は、次式(1)から算出することができる。
S(h)=U/(QA1+QB1+…)+X/(QC2+QD2+…)
+Y/(QE3+QF3+…)+Z/(QG4+QH4+…) …(1)
【0097】
作業者割り当て画面表示部144は、予想総作業時間の算出結果として上式(1)から算出された「S時間」を受け取ると、図18に示すように、「予想総作業時間は、S時間です。」というメッセージと、「OK」ボタン及び「やり直す」ボタンが表示されたポップアップ画面を作業長の利用者端末70に表示する。
【0098】
このとき、作業長は、予想総作業時間に問題が無ければ、「OK」ボタンを押す。一方、作業長は、予想総作業時間に満足できず、作業者の割り当てをやり直したいような場合には、「やり直す」ボタンを押す。
【0099】
図13に戻り、次のステップS116では、作業者割り当て画面表示部144が、「やり直す」ボタンが押されたか否かを判断する。このステップS116の判断が肯定された場合には、ステップS110に戻る。この場合、ステップS110以降の処理が再度実行されるため、作業長の利用者端末70の表示部193には、図16の画面が再度表示されるようになっている。
【0100】
一方、ステップS116の判断が否定された場合には、ステップS118に移行し、作業者割り当て画面表示部144は、「OK」ボタンが押されたか否かを判断する。このステップS118の判断が否定された場合には、ステップS116に戻るが、肯定された場合には、図13の全処理を終了する。
【0101】
以上、詳細に説明したように、本第2の実施形態によると、作業能率表示部142は、作業者の作業能率表示画面(図15)を表示し、作業者割り当て画面表示部144は、作業者割り当て画面(図16)において、実施予定の作業に対する作業者の割り当て情報の入力を受け付ける。そして、作業時間算出部146は、作業に割り当てられた作業者の作業能率と作業量とに基づいて、実施予定の作業の実施が完了するまでの時間(予想総作業時間)を算出し、表示する(図18)。これにより、本第2の実施形態では、作業長が各作業に作業者を割り当てた場合に、その割り当てで作業を行った場合の予想総作業時間が表示されるため、作業長は、その割り当てが適切か否かを予想総作業時間から判断することが可能となる。
【0102】
また、本第2の実施形態では、作業者割り当て画面において、優先順位が高い作業から順に作業者を割り当てることを促す表示を行っているため、作業長は、適切な順番で各作業に作業者を割り当てることができる。
【0103】
また、本第2の実施形態では、優先順位決定部148は、各作業の作業量と、各作業の作業能率の平均値と、に基づいて、推定合計作業時間を算出し、当該時間が長い作業から順に、優先順位を高く設定している。これにより、優先順位を自動的に設定することができる。
【0104】
なお、上記第2の実施形態では、優先順位を推定合計作業時間に基づいて決定する場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、作業長に優先順位を入力させ、当該優先順位を図16の画面上に表示するようにしてもよい。この場合、作業長は、例えば、早く作業を終わらせたい順を優先順位として入力してもよい。また、優先順位を推定合計作業時間以外の指標に基づいて自動的に決定することとしてもよい。
【0105】
なお、上記第2の実施形態では、図16の画面に優先順位を表示する場合について説明したが、これに限らず、優先順位は表示しなくてもよい。
【0106】
なお、上記第2の実施形態では、図15の作業能率表示画面を表示する前に、作業長が作業能率の集計期間を入力できるようにしてもよい。作業長が集計期間を入力した場合には、作業能率算出部32が、作業DB28に含まれる集計期間中に得られたデータを用いて各作業者の各作業に関する作業能率を算出し、作業能率DB26に格納するようにすればよい。
【0107】
なお、上記第2の実施形態では、作業長が図16の作業者割り当て画面を用いて、各作業に作業者を割り当てることとしたが、これに限られるものではない。例えば、割り当て作業をサーバ10が行うこととしてもよい。この場合、サーバ10は、作業能率DB26に基づいて、優先順位の高い作業から順に、当該作業の作業能率が高い作業者を割り当てるようにする。そして、各作業に対する作業者の割り当てが完了すると、作業時間算出部146は、上記と同様に、上式(1)に基づいて予想総作業時間を算出し、算出した予想総作業時間が予め定めた条件を満たしているかを判断する。この場合の「条件」としては、例えば、予想総作業時間が所定の閾値以下である、という条件などを採用することができる。この判断の結果、予想総作業時間が条件を満たしていなかった場合には、サーバ10は、作業者の割り当てを繰り返し実行し、予想総作業時間が条件を満たした段階で、作業者の割り当てを完了する。このようにすることで、各作業に対して作業者を自動的にかつ適切に割り当てることが可能となる。
【0108】
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、処理装置が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体(ただし、搬送波は除く)に記録しておくことができる。
【0109】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD(Digital Versatile Disc)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの可搬型記憶媒体の形態で販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0110】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記憶媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記憶媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0111】
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
【符号の説明】
【0112】
10 サーバ(農作業情報処理装置)
30 作業データ取得部(対応付け部、取得部、特定部)
32 作業能率算出部(算出部)
34 作業計画策定部(予定作業量取得部、割り当て部)
50 重量計(作業量取得装置)
52 読取装置(タイミング取得装置)
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