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特許7267271半導体デバイス製作用の高アスペクト比誘電孔における選択的相変化材料成長
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-21
(45)【発行日】2023-05-01
(54)【発明の名称】半導体デバイス製作用の高アスペクト比誘電孔における選択的相変化材料成長
(51)【国際特許分類】
   H10B 63/10 20230101AFI20230424BHJP
   H10N 70/20 20230101ALI20230424BHJP
   C23C 16/04 20060101ALI20230424BHJP
   C23C 16/30 20060101ALI20230424BHJP
   C23C 16/34 20060101ALI20230424BHJP
【FI】
H10B63/10
H10N70/20
C23C16/04
C23C16/30
C23C16/34
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020521989
(86)(22)【出願日】2018-10-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-21
(86)【国際出願番号】 IB2018058468
(87)【国際公開番号】W WO2019087050
(87)【国際公開日】2019-05-09
【審査請求日】2021-04-19
(31)【優先権主張番号】15/803,349
(32)【優先日】2017-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(73)【特許権者】
【識別番号】000231464
【氏名又は名称】株式会社アルバック
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【弁理士】
【氏名又は名称】太佐 種一
(72)【発明者】
【氏名】ブルース、ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ブライトスキー、マシュー、ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】増田 健
【審査官】小山 満
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0243884(US,A1)
【文献】特表2010-514918(JP,A)
【文献】特開2011-151370(JP,A)
【文献】特表2017-532771(JP,A)
【文献】特開2001-308077(JP,A)
【文献】国際公開第2016/194092(WO,A1)
【文献】特開2011-139070(JP,A)
【文献】特表2012-518862(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0305458(US,A1)
【文献】国際公開第2008/057616(WO,A2)
【文献】欧州特許出願公開第02511280(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0248451(US,A1)
【文献】国際公開第2011/078398(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0093804(US,A1)
【文献】国際公開第2016/048701(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0155985(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0214830(US,A1)
【文献】国際公開第2010/097302(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10B 63/10
H10N 70/00
C23C 16/04
C23C 16/30
C23C 16/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相変化メモリ(PCM)デバイスを製作するための方法であって、
第1の誘電材料を堆積させることと、
前記第1の誘電材料に開口を形成することと、
前記開口内にボトム金属電極を堆積させ、前記ボトム金属電極を磨くことと、
前記ボトム金属電極および前記第1の誘電材料の表面に第2の誘電材料を堆積させることと、
前記相変化メモリ(PCM)デバイスの前記第2の誘電材料内の孔に金属窒化物をコンフォーマルに堆積させることであって、前記孔が前記第2の誘電材料を貫通し、前記ボトム金属電極の上面の一部を露出させる、前記堆積させることと、
前記金属窒化物が、前記金属窒化物のエッチング後に前記ボトム金属電極の前記上面の前記一部を露出させて前記孔の側壁全体のみに直接残るように、前記金属窒化物をエッチングすることと、
前記孔を相変化材料で埋めるように、前記第2の誘電材料の前記孔内にのみ前記相変化材料を選択的に堆積させることであって、前記相変化材料の前記選択的堆積が、前記第2の誘電材料の露出面上の前記相変化材料の成長率よりも大きい率で前記金属窒化物上の前記相変化材料の成長率をもたらす、前記堆積させることと、
前記金属窒化物の前記堆積、前記金属窒化物のエッチング、および前記相変化材料の前記選択的堆積の最中に真空を適用することと、
前記相変化材料の上面および前記第2の誘電材料の上面の一部に接触してトップ金属電極を堆積させ、前記トップ金属電極の側部の周りに第3の誘電材料を堆積させることと、を含む、方法。
【請求項2】
コンフォーマル原子層堆積成長プロセスを使用して、前記金属窒化物が堆積される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記金属窒化物は、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、およびアルミニウム(Al)のうちの1つまたは複数を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記金属窒化物は、プラズマ・エッチング・プロセスを使用してエッチングされる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記相変化材料は、ゲルマニウム-アンチモン-テルル(GST)化合物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記相変化材料の前記選択的堆積は、所定の温度におけるゲルマニウム-アンチモン-テルル(GST)成長の選択的堆積を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記選択的堆積は、化学蒸着(CVD)、パルス式CVD、および原子層堆積(ALD)のうちの1つまたは複数を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記相変化材料の前記選択的堆積中に特定の流量でガス混合物の流れを加えることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ガス混合物は、アンモニア(NH)とアルゴン(Ar)の混合物を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記トップ金属電極が、堆積プロセスを使用して形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
1つまたは複数のコンピュータ可読ストレージ・デバイス、および前記1つまたは複数のストレージ・デバイスのうちの少なくとも1つに格納されたプログラム命令を備えるコンピュータ使用可能プログラム製品であって、前記格納されたプログラム命令が、
第1の誘電材料を堆積させるためのプログラム命令と、
前記第1の誘電材料に開口を形成するためのプログラム命令と、
前記開口内にボトム金属電極を堆積させ、前記ボトム金属電極を磨くためのプログラム命令と、
前記ボトム金属電極および前記第1の誘電材料の表面に第2の誘電材料を堆積させるためのプログラム命令と、
前記第2の誘電材料内の孔に金属窒化物をコンフォーマルに堆積させるためのプログラム命令であって、前記孔が前記第2の誘電材料を貫通し、前記ボトム金属電極の上面の一部を露出させる、前記プログラム命令と、
前記金属窒化物が、前記金属窒化物のエッチング後に前記ボトム金属電極の前記上面の前記一部を露出させて前記孔の側壁全体にのみ直接残るように、前記金属窒化物をエッチングするためのプログラム命令と、
前記孔を相変化材料で埋めるように、前記第2の誘電材料の前記孔内にのみ前記相変化材料を選択的に堆積させるためのプログラム命令であって、前記相変化材料の前記選択的堆積が、前記第2の誘電材料の露出面上の前記相変化材料の成長率よりも大きい率で前記金属窒化物上の前記相変化材料の成長率をもたらす、前記プログラム命令と、
前記金属窒化物の前記堆積、前記金属窒化物のエッチング、および前記相変化材料の前記選択的堆積の最中に真空を適用するためのプログラム命令と、
前記相変化材料の上面および前記第2の誘電材料の上面の一部に接触してトップ金属電極を堆積させ、前記トップ金属電極の側部の周りに第3の誘電材料を堆積させるためのプログラム命令と、
を含む、コンピュータ使用可能プログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、半導体デバイス製作における相変化材料成長のための方法、およびその方法によって形成される装置に関する。より詳細には、本発明は、半導体デバイス製作用の高アスペクト比誘電孔における選択的相変化材料成長のための方法、およびその方法によって形成される装置に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路(IC:Integrated Circuit)は、基板としてシリコンなどの半導体材料を使用して不純物を加えることにより形成された電子回路であり、トランジスタ、ダイオード、コンデンサ、および抵抗器などのソリッド・ステート電子デバイスを形成する。「チップ」または「パッケージ」として一般に知られているように、集積回路は、「パッケージ」を形成する、硬質プラスチックに大抵入れられている。現代の電子機器の構成要素は、大抵長方形の黒色プラスチック・パッケージであるように見え、プラスチック・ケースからコネクタ・ピンが突き出ている。しばしば、多くのこのようなパッケージは、その中のチップが電子回路を形成して特定の機能を行うように、電気的に結合される。
【0003】
ICを設計する際に使用されるソフトウェア・ツールは、非常に小さな規模の回路レイアウトおよび回路部品を作り出し、細工し、または処理する。このようなツールが細工することのできる回路部品のうちのいくつかは、シリコンに形成されると、差渡しで数十ナノメートルにしかならない。これらのソフトウェア・ツールを使用して作り出され、細工された設計は、複雑であり、意図した電子回路を形成するように相互接続された何十万ものこのような回路部品を含むことが多い。
【0004】
レイアウトは、設計目的を達成するために設計者が選択して配置する形状を含む。その目的は、設計されたようにウェーハ上に形状-目標形状を出現させることである。しかし、形状は、フォトリソグラフィを通してウェーハ上に製造される場合、設計されたように正確には現れない可能性がある。例えば、角張った隅部を有する長方形形状は、ウェーハ上に丸められた隅部を有する長方形形状のように現れ得る。
【0005】
一旦、単にレイアウトとも呼ばれる設計レイアウトがIC用に確定されると、設計は、一組のマスクまたはレチクルに変換される。一組のマスクまたはレチクルは、1つまたは複数のマスクまたはレチクルである。製造中に、半導体ウェーハは、ICの微視的構成要素を形成するように、マスクを通して光または放射線に曝される。このプロセスは、フォトリソグラフィとして知られている。
【0006】
製造マスクは、ウェーハの上にマスクの内容をうまく製造または印刷するために使用可能なマスクである。フォトリソグラフィ印刷プロセスの間中、放射線は、マスクを通して放射線のある所望の強度でフォーカスされる。放射線のこの強度は、一般に「ドーズ」とも呼ばれる。放射線のフォーカスおよびドージングは、ウェーハ上の所望の形状および電気的特性を達成するように制御される。
【0007】
多くの半導体デバイスは平面状であり、すなわち、半導体構造が1つの平面上に製作される。非平面状デバイスは3次元(3D)デバイスであり、構造のいくつかは、所与の製作面の上または下に形成される。
【0008】
現在のところ、高密度、高性能で、また低い電力消費で済むメモリ・デイバスが求められている。新たに出現したメモリ・デバイス技術は、相変化メモリの技術である。相変化メモリ(PCM:Phase Change Memory)は、不揮発性のランダム・アクセス・メモリ(RAM:Random Access Memory)のタイプである。PCMは、相変化材料の挙動を活用し、そこにおいて、相変化材料は、相変化材料を流れる電流に反応する、結晶相と非晶相との間の転移が可能である。典型的に、PCM製作において、相変化材料は、ゲルマニウム-アンチモン-テルル(GST:Germanium-Antimony-Tellurium)などのカルコゲナイド化合物を含む。
【0009】
PCMは、ボトム電極接触とトップ電極接触との間に配置された相変化材料の領域を含む。相変化材料は、結晶相における場合には低抵抗率、非晶相における場合には高抵抗率を有する。非晶相にPCMを設定するために、相変化材料は、最初に溶かされ、次に、大電流パルスを短時間印加することによって急速に冷却され、PCMセルに非晶質で高抵抗の材料の領域を残す。結晶相にPCMを設定するために、中電流パルスが、比較的低抵抗を有する相変化材料の結晶化には十分長い時間、結晶化温度と融解温度との間の温度で相変化材料にアニール処理を施す。PCMの状態を読むために、セルの抵抗率は、相変化材料の状態を乱さない低電流電気信号をセルに流すことによって、測定される。加えて、PCM技術は、いくつかの別個の中間状態を達成する能力を有し、それによって、増加したメモリ密度を提供する単一セルにおいて、PCMが多重ビットを保持する能力を提供する。
【0010】
相変化メモリ・デバイス素子は、幾通りかの方法で構成され得る。1つの実装形態において、平面状相変化材料膜は堆積され、ピラーは、リソグラフィで画定され、プラズマ・エッチングによって相変化材料にパターニングされる。このような実装形態の欠点は、相変化材料がエッチング、クリーニング、およびカプセル化などの処理に過敏で、デバイス製作中に損傷される可能性があることを含む。別の実装形態において、パターン化穴は誘電材料に形成され、相変化材料は穴の中で成長する。この実装形態は、後処理によってピラーが損傷するのを避けるように、相変化メモリ・ピラーに良好な代替物を提供する。しかし、この実装形態の欠点は、高密度メモリ素子に必要な、ナノメートル・サイズで高アスペクト比の穴を完全に埋めるという大きな課題があることである。
【0011】
相変化材料は、物理蒸着(PVD:Physical Vapor Deposition)、化学蒸着(CVD:Chemical Vapor Deposition)、プラズマ増強化学蒸着(PECVD:Plasma-EnhancedChemical Vapor Deposition)、および、有機金属化学蒸着(MOCVD:Metalorganic Chemical Vapor Deposition)などによって、いくつかの方法で堆積され得る。しかし、いかなる場合でも、ナノメートル・サイズで高アスペクト比の穴を埋めることは課題である。原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)は、ナノメートル・サイズで高アスペクト比の穴を埋めるのに使用され得る別の技法である。しかし、ALDは、層ごとの成長が遅く、前駆物質が堆積後に膜に残る可能性があるという不利な点を有する。CVDプロセスは一般的に速いが、不完全な充填問題に陥る。加えて、層ごとの成長でさえ、凹んだ穴外形を完全に埋めることはできない。相変化材料のALDは、誘電シード層と比較して、金属シード層上でより速く進み、より一様になることが見出されたので、誘電体において金属層ライニング穴(すなわち、金属ライナ)で相変化材料を成長させるのに有益である。金属ライナを有することも、PCMデバイス操作において、電気抵抗ドリフト軽減に対して有益さを示している。
【0012】
金属ライナ上のGSTなどの相変化材料のCVD堆積のための既存の解決策は、いくつかの欠点を示す。金属ライナ上の非晶質GSTのCVD堆積は、堆積後に完全に埋められた穴を提供することができるが、相変化材料にボイド(void)をもたらす容積収縮を受ける。金属ライナ上の結晶質GSTのCVD堆積は、核形成部位からの方向である結晶粒子の成長を提供し、相変化材料の内部で遮断(blocking)およびボイド形成を可能にする。金属ライナ上のナノ結晶質GSTのCVD堆積は、穴のできる限り完全な充填を可能にする、小粒子の成長を提供する。しかし、遮断によるボイドはまだ発生し、ナノ結晶粒子の成長のためのプロセスウインドは非常に小さい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
例示的な実施形態は、PCMデバイスなどの半導体デバイスの製作用の、高アスペクト比の誘電孔における相変化材料の成長のための本方法および技術が、上記の問題を提示することを認識している。本明細書に記述された例示的な実施形態は、小さく(例えば、20nm限界寸法以下)、低リセット電流を有し、電気抵抗ドリフト軽減を有し、かつ、ウェーハ歩留まりにわたってボイドがない、相変化メモリ・デバイスを提供する、半導体デバイス製作用の、高アスペクト比の誘電孔における選択的相変化材料の成長を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
例示的な実施形態は、方法および装置を提供する。半導体デバイスを製作するための方法の実施形態は、半導体デバイスの第1の誘電材料の内部の孔にコンフォーマルにライナを堆積させることを含む。この実施形態において、孔は、第1の誘電材料を通って、第1の金属電極の上面まで貫通する。この実施形態は、ライナだけが孔の側壁に実質的に残るように、ライナをエッチングすることをさらに含む。この実施形態は、相変化材料で孔を実質的に埋めるために、第1の誘電層の孔の内部に相変化材料を選択的に堆積させることをさらに含む。この実施形態において、相変化材料の選択的堆積は、第1の誘電材料の露出面上の相変化材料の成長率より実質的に大きい率で、ライナ上の相変化材料の成長率を生じさせる。少なくとも1つの実施形態によって提供される利点は、低リセット電流および電気抵抗ドリフト軽減の1つまたは複数を提供する、半導体デバイスにおける相変化材料の実質的にボイドのない充填を有する半導体デバイスの製作を含む。
【0015】
一実施形態は、ライナの堆積、ライナのエッチング、および、相変化材料の選択的堆積の間中、真空を適用することをさらに含む。一実施形態において、ライナは、コンフォーマルな原子層堆積成長プロセスを使用して堆積される。一実施形態において、ライナは金属窒化物を含む。一実施形態において、金属窒化物は、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、およびアルミニウム(Al)の1つまたは複数を含む。一実施形態において、ライナは、プラズマ・エッチング・プロセスを使用してエッチングされる。
【0016】
一実施形態において、相変化材料は、ゲルマニウム-アンチモン-テルル(GST)化合物を含む。一実施形態において、相変化材料の選択的堆積は、所定の温度でのゲルマニウム-アンチモン-テルル(GST)成長の選択的堆積を含む。一実施形態において、選択的堆積は、化学蒸着(CVD)、パルス式CVD、および原子層堆積(ALD)の1つまたは複数を含む。
【0017】
一実施形態には、相変化材料の選択的堆積の間中、特定の流量でガス混合物の流れを加えることがさらに含まれる。この実施形態において、ガス混合物は、アンモニア(NH)およびアルゴン(Ar)の混合物を含む。
【0018】
一実施形態には、相変化材料と接触する第2の金属電極を形成することがさらに含まれる。一実施形態において、第2の金属電極は、堆積プロセスを使用して形成される。一実施形態において、半導体デバイスは、相変化メモリ・デバイスを含む。
【0019】
装置の一実施形態は、半導体デバイスの第1の金属電極、およびその内部に孔を含む第1の誘電材料を含む。この実施形態において、孔は、第1の金属電極の上面まで第1の誘電材料を貫通する。この実施形態は、第1の誘電材料の孔の側壁上のライナをさらに含む。この実施形態において、ライナは、ライナだけが孔の側壁上に実質的に残るように、第1の誘電材料にコンフォーマルに堆積し、エッチングされる。この実施形態は、相変化材料で孔を実質的に埋めるために、第1の誘電層の孔の内部に選択的に堆積した相変化材料をさらに含む。この実施形態において、相変化材料の選択的堆積は、第1の誘電材料の露出面上の相変化材料の成長率より実質的に大きい率で、ライナ上の相変化材料の成長率を生成する。少なくとも1つの実施形態によって提供される利点は、低リセット電流および電気抵抗ドリフト軽減の1つまたは複数を提供する、半導体デバイスにおける相変化材料の実質的にボイドのない充填を有する半導体デバイスを含む。
【0020】
一実施形態において、ライナは金属窒化物を含む。一実施形態において、金属窒化物は、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、およびアルミニウム(Al)の1つまたは複数を含む。一実施形態において、相変化材料は、ゲルマニウム-アンチモン-テルル(GST)化合物を含む。
【0021】
別の実施形態には、相変化材料と接触する第2の金属電極がさらに含まれる。別の実施形態において、半導体デバイスは、相変化メモリ・デバイスを含む。
【0022】
一実施形態は、コンピュータ使用可能プログラム製品を含む。コンピュータ使用可能プログラム製品は、1つまたは複数のコンピュータ可読ストレージ・デバイス、および、1つまたは複数のストレージ・デバイスの少なくとも1つに格納されたプログラム命令を含む。
【0023】
本発明の特性と考えられる新規な特徴が、添付の特許請求の範囲に明示されている。しかし、本発明自体とともに好ましい使用態様、それらのさらなる目的およびその利点は、以下の添付図面と一緒に、例示的な実施形態の以下の詳細な説明を参照すことによって、最もよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】例示的な実施形態が実装され得る、データ処理システムのネットワークのブロック図である。
図2】例示的な実施形態が実装され得る、データ処理システムのブロック図である。
図3】一実施形態による、プロセスによって提供された相変化メモリ・デバイスの実施形態の横断面図である。
図4】例示的な実施形態による、プロセスの一部を示す図である。
図5】例示的な実施形態による、プロセスの別の一部を示す図である。
図6】例示的な実施形態による、プロセスの別の一部を示す図である。
図7】例示的な実施形態による、プロセスの別の一部を示す図である。
図8】例示的な実施形態による、プロセスの別の一部を示す図である。
図9】例示的な実施形態による、プロセスの別の一部を示す図である。
図10】例示的な実施形態による、相変化メモリ・デバイスを製作するためのプロセス例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明を記述するのに使用した例示的な実施形態は、上述の問題、および半導体デバイス製作において相変化材料成長に関連した他の問題を概して扱い、解決する。様々な例示的な実施形態において、誘電孔のパターンの内側の相変化材料の制御された選択的堆積成長は、相変化メモリ・デバイスまたは他の適切な半導体デバイスの製作を容易にするために提供される。一実施形態において、コンフォーマルな原子層堆積成長プロセスは、誘電材料の1つまたは複数の孔に薄い金属ライナを堆積させるように行われ、金属ライナのプラズマ・エッチング・プロセスは、金属ライナが孔側壁上にのみ含まれるように行われる。この実施形態において、NH限定結晶質GeSbTe(GST)成長プロセスのパルス状化学蒸着は、GSTが他の露出絶縁面より早く金属ライナ上で優先的に成長するように行われる。1つまたは複数の実施形態において、このプロセスは、金属ライナがその特性を維持し、ライナとGSTとの間に酸化されたインタフェースがないように、プロセス間で真空破壊なしで行われ、こうして、低リセット電流、電気抵抗ドリフト軽減、および、相変化メモリ(PCM)デバイス内のボイドのない相変化材料成長などの、相変化メモリ・デバイスの電気的特性または性能特性あるいはその両方を改善する。
【0026】
一実施形態は、ソフトウェア・アプリケーションとして実装され得る。一実施形態を実装しているアプリケーションは、既存の製作システムの変更形態として、既存の製作システムと協働して動作する別個のアプリケーションとして、独立型アプリケーションとして、またはそれらのいくつかの組合せとして構成され得る。例えば、このアプリケーションは、相変化メモリ・デバイスを製作するために、製作システムに本明細書に記述されたステップを行わせる。
【0027】
説明を分かりやすくするために、またそれへの限定を何も暗示することなく、例示的な実施形態は、単一のPCMデバイスを使用して記述される。一実施形態は、異なる数のPCMデバイス、異なるメモリ・デバイス、または例示的な実施形態の範囲内の任意の他の適切な半導体デバイスで実装され得る。さらに、誘電孔は、本明細書に記述された例示的な実施形態において見出される誘電孔以外の、その形状および幾何学的向きを有することができる。PCMメモリ・デバイスは、CMOS論理回路(例えば、NANDおよびNOR)、メモリ・セル(例えば、SRAM)、アナログ回路(例えば、PLL)、および入力/出力(I/O)回路などのいくつかの有用な回路に配線され得る。
【0028】
さらに、PCMデバイス例の簡略図は、図および例示的な実施形態において使用される。PCMデバイスの実際の製作において、本明細書に示されていないかまたは記述されていない付加的構造は、例示的な実施形態の範囲を逸脱することなく存在し得る。同様に、例示的な実施形態の範囲内で、PCMデバイス例における示されるかまたは記述された構造は、本明細書に記述の通り同様な動作または結果をもたらすように、別様に製作され得る。
【0029】
PCMデバイス例の2次元図面における別様の陰影部分は、本明細書に記述の通りPCMデバイス例における異なる構造を表現するように意図される。異なる構造は、当業者に知られている適切な材料を使用して製作され得る。
【0030】
本明細書に描写された特定の形状または形状の寸法は、例示的な実施形態に限定されることを意図されない。形状および寸法は、図面および説明を単に分かりやすくするために選ばれ、例示的な実施形態によりPCMデバイスを実際に製作するのに使用され得る実際の形状および寸法を誇張し、最小化し、そうでなければ変化させ得る。
【0031】
さらに、例示的な実施形態は、単なる例としてPCMデバイスに関して記述される。様々な例示的な実施形態によって記述されたステップは、他の平面状および非平面状デバイスを製作するのに適合し得、このような適合は例示的な実施形態の範囲内で意図される。
【0032】
ソフトウェア・アプリケーションに実装される場合の実施形態は、製作システムに、本明細書に記述されたようなあるステップを行わせる。製作プロセスのステップは、いくつかの図に描写される。すべてのステップが特定の製作プロセスに必要ではない場合がある。いくつかの製作プロセスは、例示的な実施形態の範囲を逸脱することなく、様々な順番でステップを実施し、いくつかのステップを結び付け、いくつかのステップを省くかまたは取り換え、または、それらのいくつかの組合せおよび他のステップの操作を行い得る。
【0033】
本明細書に記述された実施形態の方法は、製造デバイス、ツール、またはデータ処理システム上で実行するように実装される場合、本明細書に記述されるようなPCMデバイス製作においてその製造デバイス、ツール、またはデータ処理システムの機能性の実質的な発展を備える。
【0034】
この開示における例は、説明を分かりやすくするためだけに使用され、例示的な実施形態に限定されない。付加的データ、作業、動作、タスク、活動、および操作は、この開示から考えられることとなり、同様の事は、例示的な実施形態の範囲内で意図される。
【0035】
本明細書にリスト化された任意の利点は、例のみであり、例示的な実施形態に限定される意図はない。付加的または異なる利点は、特定の例示的な実施形態によって実現され得る。
【0036】
さらに、特定の例示的な実施形態は、上にリスト化された利点のいくつか、すべてを有し得るか、または有し得ない。
【0037】
図を参照して、特に図1および2を参照して、これらの図は、例示的な実施形態が実装され得る、データ処理環境のダイヤグラム例である。図1および2は、例のみであり、様々な実施形態が実装され得る、環境に関して任意の限定を主張または意味することは意図されない。特定の実装形態は、以下の説明に基づき描写された環境に多くの変更をなし得る。
【0038】
図1は、例示的な実施形態が実装され得る、データ処理システムのネットワークのブロック図を示す。データ処理環境100は、例示的な実施形態が実装され得る、コンピュータのネットワークである。データ処理環境100は、ネットワーク102を含む。ネットワーク102は、データ処理環境100内で一緒に接続された、様々なデバイスとコンピュータとの間に通信リンクを提供するのに使用される媒体である。ネットワーク102は、有線通信リンク、無線通信リンク、または光ファイバ・ケーブルなどの、接続を含み得る。
【0039】
クライアントまたはサーバは、ネットワーク102に接続されたあるデータ処理システムの役割例のみであり、これらのデータ処理システムのための他の構成または役割を除外する意図はない。サーバ104およびサーバ106は、データベース109を含むストレージ・ユニット108と一緒にネットワーク102に結合する。ソフトウェア・アプリケーションは、データ処理環境100における任意のコンピュータ上で実行し得る。クライアント110、112、および114もネットワーク102に結合される。サーバ104もしくは106、または、クライアント110、112もしくは114などのデータ処理システムは、データを含み得、その上で実行するソフトウェア・アプリケーションまたはソフトウェア・ツールを有し得る。
【0040】
単なる例として、またこのようなアーキテクチャに対する限定を何ら意味することなく、図1は、実施形態の実装例において使用可能である特定の構成要素を示す。例えば、サーバ104および106、ならびにクライアント110、112、114は、単なる例としてのサーバおよびクライアントとして示され、クライアント-サーバ・アーキテクチャに対する限定を意味しない。別の例として、一実施形態は、示されるようにいくつかのデータ処理システムおよびデータ・ネットワークにわたって分散され得るが、別の実施形態は、例示的な実施形態の範囲内で単一のデータ処理システム上に実装され得る。データ処理システム104、106、110、112、および114も、実施形態を実装するのに適切なクラスタ、区分、および他の構成におけるノード例を表す。
【0041】
デバイス132は、本明細書に記述されたデバイスの例である。例えば、デバイス132は、スマートフォン、タブレット・コンピュータ、ラップトップ・コンピュータ、設置型または携帯型におけるクライアント110、装着型計算デバイス、または任意の他の適切なデバイスの形を取ることができる。図1の別のデータ処理システムにおいて実行するように記述された任意のソフトウェア・アプリケーションは、同じ方法で、デバイス132において実行するように構成され得る。図1の別のデータ処理システムにおいて記憶または生成されたデータまたは情報は、類似の方法で、デバイス132において記憶または生成されるように構成され得る。
【0042】
アプリケーション105は、本明細書に記述された実施形態を実装する。製作制御システム107は、半導体デバイスの製作中に、製造設備およびシーケンス・プロセス・ステップを制御するための、任意の適切な制御システムである。製作制御システム107も、本明細書に記述された実施形態を実装する。非限定例において、アプリケーション105は、特定の製造デバイスまたはツール内のレシピ・プログラムを示す。レシピ・プログラムは、単一の製造ツール内で半導体基板を処理している間中、ツール物理的プロセス・パラメータ(例えば、プロセス温度、環境、圧力、前駆物質ガス流、プロセス・ステップ持続時間、イオン・ビーム・エネルギー、イオン・ビーム線量、および他のもの)を制御する。1つまたは複数の実施形態において、製作制御システム107は、半導体基板処理フローを制御し、すなわち、製作制御システム107は、製造デバイスまたはツールのシーケンス、および、そのシーケンスにおけるそれぞれのツールに対する適切なレシピ・プログラムまたはアプリケーション105の選択を担当している。したがって、アプリケーション105および製作制御システム107は、本明細書に記述された方法でPCMデバイスを製作するための命令を提供する。
【0043】
図2を参照して、この図は、例示的な実施形態が実装され得る、データ処理システムのブロック図を示す。データ処理システム200は、図1のサーバ104および106、またはクライアント110、112、および114、あるいは、そのプロセスを実施しているコンピュータ使用可能プログラムコードまたは命令が、例示的な実施形態用に位置し得る、別のタイプのデバイス、などの、コンピュータの例である。
【0044】
示された例において、データ処理システム200は、ノース・ブリッジおよびメモリ・コントローラ・ハブ(NB/MCH)202およびサウス・ブリッジおよび入力/出力(I/O)コントローラ・ハブ(SB/ICH)204を含む、ハブ・アーキテクチャを使用する。処理ユニット206、主メモリ208、およびグラフィック・プロセッサ210は、ノース・ブリッジおよびメモリ・コントローラ・ハブ(NB/MCH)202に結合される。
【0045】
示された例において、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN:Local Area Network)アダプタ212は、サウス・ブリッジおよびI/Oコントローラ・ハブ(SB/ICH)204に結合される。オーディオ・アダプタ216、キーボードおよびマウス・アダプタ220、モデム222、読み出し専用メモリ(ROM)224、ユニバーサル・シリアル・バス(USB:Universal Serial Bus)および他のポート232、ならびにPCI/PCIeデバイス234は、バス238を通して、サウス・ブリッジおよびI/Oコントローラ・ハブ204に結合される。ハード・ディスク・ドライブ(HDD:Hard Disk Drive)またはソリッド・ステート・ドライブ(SSD:Solid-State Drive)226およびCD-ROM230は、バス240を通して、サウス・ブリッジおよびI/Oコントローラ・ハブ204に結合される。PCI/PCIeデバイス234は、例えば、イーサネット(R)・アダプタ、アドイン・カード、およびノートブック・コンピュータ用のPCカードを含み得る。PCIはカード・バス・コントローラを使用するが、PCIeはそれを使用しない。ROM224は、例えば、フラッシュ2値入力/出力システム(BIOS:Binary Input/Output System)であり得る。ハード・ディスク・ドライブ226およびCD-ROM230は、例えば、一体型ドライブ・エレクトロニクス(IDE:Integrated Drive Electronics)、シリアル・アドバンスト技術アタッチメント(SATA:Serial Advanced Technology Attachment)インタフェース、または、外部SATA(eSATA:External-SATA)およびマイクロSATA(mSATA:Micro-SATA)などの異形を使用し得る。スーパーI/O(SIO)デバイス236は、バス238を通して、サウス・ブリッジおよびI/Oコントローラ・ハブ(SB/ICH)204に結合され得る。
【0046】
主メモリ208、ROM224、またはフラッシュ・メモリ(図示せず)などのメモリは、コンピュータ使用可能ストレージ・デバイスのいくつかの例である。ハード・ディスク・ドライブまたはソリッド・ステート・ドライブ226、CD-ROM230、および他の同様の使用可能デバイスは、コンピュータ使用可能ストレージ媒体を含んでいる、コンピュータ使用可能ストレージ・デバイスのいくつかの例である。
【0047】
オペレーティング・システムは、処理ユニット206上で動作する。オペレーティング・システムは、図2のデータ処理システム200内の様々な構成要素の制御を調整し、かつ提供する。図1のアプリケーション105および製作制御システム107などの、オペレーティング・システム用の命令、オブジェクト指向プログラミング・システム、および、アプリケーションまたはプログラムは、ハード・ディスク・ドライブ226上のコード226Aの形式などのストレージ・デバイス上に位置し、処理ユニット206による実行のために、主メモリ208などの1つまたは複数のメモリのうちの少なくとも1つにロードされ得る。例示的な実施形態のプロセスは、例えば、主メモリ208、読み出し専用メモリ224、または、1つもしくは複数の周辺デバイスなどの、メモリに位置し得る、コンピュータ実装型命令を使用して、処理ユニット206によって行われ得る。
【0048】
さらに、1つの場合において、コード226Aは、同様なコード201Cがストレージ・デイバス201Dに格納されている、リモート・システム201Bからネットワーク201A上でダウンロードされ得る。別の場合において、コード226Aは、ダウンロードされたコード201Cがストレージ・デバイス201Dに格納されている、リモート・システム201Bにネットワーク201A上でダウンロードされ得る。
【0049】
図1および2のハードウェアは、実装形態に応じて変化し得る。フラッシュ・メモリ、同等の不揮発性メモリ、または、光ディスク・ドライブおよび同種のものなどの、他の内部ハードウェアまたは周辺デバイスは、図1および2に示されたハードウェアに加えてまたはその代わりに使用され得る。加えて、例示的な実施形態のプロセスは、マルチプロセッサ・データ処理システムに適用され得る。
【0050】
図3を参照して、図3は、本発明の実施形態による、プロセスによって生成された相変化メモリ(PCM)デバイスの実施形態の横断面図を示す。PCMデバイス300は、ボトム金属電極302、および、ボトム金属電極302の1つまたは複数の側の周りに配置された第1の誘電材料304を含む。PCMデバイス300は、第2の誘電材料306を通って孔をライニングするライナ310、および、ライナ310およびボトム金属電極302と接触する孔内に配置された相変化材料312をさらに含む。特定の実施形態において、相変化材料312はGST化合物を含む。PCMデバイス300は、金属ライナ310および相変化材料312と接触するトップ金属電極314、および、トップ金属電極314の側の周りに配置された第3の誘電材料316をさらに含む。したがって、相変化材料312は、ボトム金属電極302とトップ金属電極314との間に配置される。
【0051】
図4~9を参照して、これらの図は、1つまたは複数の例示的な実施形態による、PCMデバイス300を製作するためのプロセス例を示す。図4~9に示された特定の実施形態において、単一のPCMデバイス300が製作される。他の実施形態において、どんなPCMデバイスおよび他の半導体デバイスも、類似の方法でウェーハ上に製作され得ることを理解されたい。
【0052】
図4を参照して、図4は、構造400が例示的な実施形態により形成される、プロセスの一部を示す。例示的な実施形態において、アプリケーション105および製作システム107によって制御された製造製作システムは、第1の誘電材料304を堆積させ、誘電材料304に開口を形成し、かつ開口内にボトム金属電極304を堆積させる。この実施形態において、製作システム107は、ボトム金属電極304を十分に磨く。この実施形態において、製作システム107は、ボトム金属電極302および第1の誘電材料304の上面の上に第2の誘電材料306を堆積させる。
【0053】
特定の実施形態において、第1の誘電材料304および第2の誘電材料306は、適切な堆積プロセス、例えば、CVD、プラズマ増強化学蒸着(PECVD)、ALD、蒸発、PVD、化学溶液蒸着、または他の同様なプロセスによって形成され得る。誘電材料の厚さは、使用される誘電材料の組成およびその数と同様に、堆積プロセスに応じて、変わることがある。
【0054】
図5を参照して、図5は、構造500が例示的な実施形態により形成される、プロセスの一部を示す。例示的な実施形態において、製作システム107は、ボトム金属電極302の上面まで第2の誘電材料306を貫通する孔308を形成する。特定の実施形態において、製作システム107は、反応イオン・エッチング(RIE:Reactive Ion Etching)、化学エッチング、プラズマ・エッチング、または別の適切なエッチング・プロセスなどの、エッチング・プロセスを使用して、孔308を形成する。
【0055】
図6を参照して、図6は、構造600が例示的な実施形態により形成される、プロセスの一部を示す。1つまたは複数の実施形態において、製作システム107は、図5の構造500に真空を適用し、コンフォーマルな金属蒸着プロセスを使用して、孔308の側壁を含む第2の誘電層306の露出面上にライナ310を堆積させる。特定の実施形態において、製作システム107は、コンフォーマルな原子層堆積成長プロセスを使用して、第2の誘電材料306の露出面上に金属ライナを堆積させる。特定の実施形態において、ライナ310は、3~6ナノメートル(nm)の厚さを有する。1つまたは複数の実施形態において、ライナ310の材料は金属窒化物を含む。特定の実施形態において、金属窒化物は、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)の1つまたは複数、それらの窒化物、ならびに、TaN、TaTiNおよびTiAlNなどのその組合せを含む。
【0056】
図7を参照して、図7は、構造700が例示的な実施形態により形成される、プロセスの一部を示す。1つまたは複数の実施形態において、製作システム107は、図6の真空を維持し、これは図6のプロセスと図7のプロセスとの間で真空破壊がないことを意味する。この実施形態において、製作システム107は、ライナ310のみが孔308の側壁上に残るように、エッチング・プロセスを使用してライナ310をエッチングする。特定の実施形態において、製作システム107は、プラズマ・エッチング・プロセスを使用して、ライナ310をエッチングする。
【0057】
図8を参照して、図8は、構造800が例示的な実施形態により形成される、プロセスの一部を示す。1つまたは複数の実施形態において、製作システム107は、図7の真空を維持し、これは図7のプロセスと図8のプロセスとの間で真空破壊がないことを意味する。この実施形態において、製作システム107は、相変化材料312で孔308を実質的に埋めるために、第2の誘電層306の孔308の内部に相変化材料312を選択的に堆積させる。特定の実施形態において、相変化材料の選択的堆積は、化学蒸着(CVD)、パルス式CVD、および原子層堆積(ALD)の1つまたは複数を含む。相変化材料312の選択的堆積は、第2の誘電材料306の露出面上の相変化材料312の成長率より実質的に大きい率で、ライナ310上の相変化材料312の成長率をもたらす。したがって、孔308は、構造800の他の面上の相変化材料312の最小限の堆積で、相変化材料312で実質的に埋められる。特定の実施形態において、相変化材料312はGST化合物を含む。特定の実施形態において、NH限定結晶質GeSbTe(GST)成長の原子層堆積は、GSTが他の露出誘電面上より早くライナ310上で優先的に成長するように、所定の温度で使用される。1つまたは複数の実施形態において、アンモニア(NH)/アルゴン(Ar)の混合物の特定の流量での流れは、相変化材料312の堆積の間中に構造800に晒され、GST堆積の改善された選択性および成長、ならびに相変化材料312で孔308のより完全な充填をもたらす。
【0058】
図9を参照して、図9は、PCMデバイス300が例示的な実施形態により形成される、プロセスの一部を示す。1つまたは複数の実施形態において、製作システム107は、前もって適用された真空を解放し得る。1つまたは複数の実施形態において、製作システム107は、相変化材料312の上面および第2の誘電材料306の上面の一部の上にトップ金属電極314を堆積させる。この実施形態において、製作システム107は、トップ金属電極314の側の周りに第3の誘電材料316をさらに堆積させる。図4~9に記述されたプロセスの結果として、図3に示されたPCMデバイス300は、1つまたは複数の実施形態により製作される。
【0059】
図10を参照して、図10は、例示的な実施形態による、相変化メモリ・デバイスを製作するためのプロセス1000例のフローチャートを示す。ブロック1002において、アプリケーション105および製作システム107によって制御された製造製作システムは、第1の誘電材料304を堆積させ、第1の誘電材料304に開口を形成する。ブロック1004において、製作システム107は、第1の誘電材料304の開口の内部にボトム金属電極304を堆積させる。
【0060】
ブロック1006において、製作システム107は、第1の誘電材料304およびボトム金属電極302の上に第2の誘電材料306を堆積させる。ブロック1008において、製作システム107は、ボトム金属電極302の上面まで、第2の誘電材料306を貫通する孔306を形成する。1つまたは複数の実施形態において、製作システム107は、製作の間中、構造に真空を適用する。ブロック1010において、製作システム107は、コンフォーマルな金属堆積プロセスを使用して、孔308の側壁を含む第2の誘電層306の露出面上にライナ310を堆積させる。ブロック1012において、製作システム107は、ライナ310のみが孔308の側壁上に実質的に残るように、エッチング・プロセスを使用して、ライナ310をエッチングする。
【0061】
ブロック1014において、製作システム107は、第2の誘電層306の孔308内に相変化材料312を選択的に堆積させ、相変化材料312で孔308を実質的に埋めるようにする。相変化材料312の選択的堆積は、第2の誘電材料306の露出面上の相変化材料312の成長率よりも実質的に大きい率で、ライナ310上の相変化材料312の成長率をもたらす。したがって、孔308は、構造800の他の面上の相変化材料312の最小限の堆積で、相変化材料312で実質的に埋められる。1つまたは複数の実施形態において、製作システム107は、アンモニア(NH)/アルゴン(Ar)のガス混合物の特定の流量での流れを、相変化材料312の堆積中の構造に適用し、相材料堆積の改善された選択性および成長、ならびに相変化材料312で孔308のより完全な充填をもたらす。他の特定の実施形態において、他のガス混合物は、相材料堆積の選択性および成長を改善するのに使用され得る。1つまたは複数の実施形態において、製作システム107は、前もって適用された真空を解放し得る。
【0062】
ブロック1016において、製作システム107が、相変化材料312の上面に接触してトップ金属電極314を形成する。特定の実施形態では、製作システム107が、堆積を使用してトップ金属電極314を形成する。ブロック1018において、製作システム107は、トップ金属電極314の側部の周りに第3の誘電材料316を堆積させる。ブロック1020において、製作システム107が、半導体回路に結果として生じた構造体をまとめて、図3のPCMデバイス300を形成する。
【0063】
このように、コンピュータ実施式の方法、システム、または装置、およびコンピュータ・プログラム製品が、選択的相変化材料成長および他の関係する特徴、機能、または動作を使用してPCMデバイスを製作するのに、例示的な実施形態において提供される。ある種のデバイスに関して実施形態またはその一部が記述されている場合、コンピュータ実施式の方法、システム、もしくは装置、コンピュータ・プログラム製品、またはその一部が、その種のデバイスの適切で同様の表現で使用されるように適合または構成される。
【0064】
一実施形態があるアプリケーションにおいて実装されるとして記述されている場合、ソフトウェア・アズ・ア・サービス(SaaS)モデルにおけるそのアプリケーションの配信が、例示的な実施形態の範囲内で意図されている。SaaSモデルでは、実施形態を実装するアプリケーションの能力が、クラウド・インフラストラクチャにおいてそのアプリケーションを実行することによって、ユーザに提供される。ユーザは、webブラウザ(例えば、webベースのeメール)、または他の軽量クライアント・アプリケーションなどの薄いクライアント・インタフェースを通し様々なクライアント・デバイスを使用して、そのアプリケーションにアクセスすることができる。ユーザは、ネットワーク、サーバ、オペレーティング・システム、またはクラウド・インフラストラクチャのストレージを含む基礎的なクラウド・インフラストラクチャを管理することも制御することもない。場合によっては、ユーザは、SaaSアプリケーションの能力を管理または制御することさえしなくてもよい。また場合によっては、アプリケーションのSaaS実装形態は、限られたユーザ固有アプリケーション構成設定の考えられ得る例外を許すことができる。
【0065】
本発明は、任意の可能な技術的細目集積度のシステム、方法、またはコンピュータ・プログラム製品あるいはその組合せであり得る。コンピュータ・プログラム製品には、プロセッサに本発明の態様を実施させるためのコンピュータ可読プログラム命令を有する、1つまたは複数のコンピュータ可読ストレージ媒体が含まれ得る。
【0066】
コンピュータ可読ストレージ媒体は、命令実行デバイス用の命令を保持し、格納することができる有形のデバイスとすることができる。コンピュータ可読ストレージ媒体は、例えば、電子ストレージ・デバイス、磁気ストレージ・デバイス、光ストレージ・デバイス、電磁ストレージ・デバイス、半導体ストレージ・デバイス、または以上の任意の適切な組合せであり得るが、それらに限定されるものではない。コンピュータ可読ストレージ媒体のより具体的な例の非網羅的リストには、ポータブル・コンピュータ・ディスケット、ハード・ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM:Erasable Programmable Read-Only Memory、またはフラッシュ・メモリ)、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM:Static Random Access Memory)、ポータブル・コンパクト・ディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM:Compact Disc Read-Only Memory)、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD:Digital Versatile Disk)、メモリ・スティック、フロッピー・ディスク、それに記録された命令を有する溝内のパンチカードまたは隆起構造体などの機械式符号化デバイス、および以上の任意の適切な組合せが含まれる。コンピュータ可読ストレージ媒体は、本明細書で使用される際、電波もしくは他の自由に伝播する電磁波、導波管もしくは他の伝送媒体を通して伝播する電磁波(例えば、光ファイバ・ケーブルを通過する光パルス)、または電線を通して伝送される電気信号など、言わば一時的な信号であると解釈されるものではない。
【0067】
本明細書に記載のコンピュータ可読プログラム命令は、ネットワーク、例えば、インターネット、ローカル・エリア・ネットワーク、広域ネットワークまたは無線ネットワークあるいはその組合せを介して、コンピュータ可読ストレージ媒体からそれぞれのコンピューティング/処理デバイスに、または外部コンピュータもしくは外部ストレージ・デバイスにダウンロードされ得る。ネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイ・コンピュータまたはエッジ・サーバあるいはその組合せを備え得る。各コンピューティング/処理デバイス内のネットワーク・アダプタ・カードまたはネットワーク・インタフェースは、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、コンピュータ可読プログラム命令を、それぞれのコンピューティング/処理デバイス内のコンピュータ可読媒体に格納するために転送する。
【0068】
本発明の動作を実施するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令-セット-アーキテクチャ(ISA:Instruction-Set-Architecture)命令、機械命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、集積回路用の構成データ、または、Smalltalk(R)、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語などのプログラミング言語を含む、1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組合せで書き込まれたソースコードもしくはオブジェクトコードであり得る。コンピュータ可読プログラム命令は、ユーザのコンピュータ上で完全に、ユーザのコンピュータ上で部分的に、独立型ソフトウェアパッケージとして、一部はユーザのコンピュータ上でかつその他はリモートコンピュータ上で、またはリモートコンピュータもしくはサーバ上で完全に、実行され得る。後者の場合、リモートコンピュータが、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN:Wide Area Network)を含む任意のタイプのネットワークを通して、ユーザのコンピュータに接続され得るか、あるいは、外部コンピュータへの接続が作られ得る(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを通して)。実施形態によっては、例えば、プログラマブル論理回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA:Field-Programmable Gate Array)、またはプログラマブル・ロジック・アレイ(PLA:Programmable logic Array)を含む電子回路は、本発明の態様を行うために、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を活用して電子回路を個人化することによって、コンピュータ可読プログラム命令を実行し得る。
【0069】
本明細書では、本発明の実施形態による、方法、装置(システム)、およびコンピュータ・プログラム製品のフローチャートまたはブロック図あるいはその両方を参照して、本発明の態様が説明されている。フローチャートまたはブロック図あるいはその両方の各ブロック、およびフローチャートまたはブロック図あるいはその両方におけるブロックの組合せは、コンピュータ可読プログラム命令によって実装され得ることを理解されたい。
【0070】
このようなコンピュータ・プログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサを介して実行される命令が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方の1つまたは複数のブロックに指定される機能/動作を実施するための手段を作り出すべく、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに提供されてマシン作り出すものであってよい。このようなコンピュータ可読プログラム命令はまた、命令を記憶したコンピュータ可読ストレージ媒体が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方の1つまたは複数のブロックに指定される機能/動作の態様を実施する命令を含む製造品を有するように、コンピュータ可読ストレージ媒体に記憶され、コンピュータ、プログラム可能なデータ処理装置または他のデバイスあるいはその組合せに特定の方式で機能するよう指示することができるものであってもよい。
【0071】
コンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ、他のプログラマブル装置、または他のデバイス上で実行される命令が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方の1つまたは複数のブロックに指定される機能/動作を実施するように、コンピュータによって実行されるプロセスを生み出すべく、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置、または他のデバイスにロードされ、コンピュータ、他のプログラム可能装置、または他のデバイス上で一連の動作ステップを実行させるものであってもよい。
【0072】
図中のフローチャートおよびブロック図は、本発明の様々な実施形態による、システム、方法、およびコンピュータ・プログラム製品の考えられ得る実装形態のアーキテクチャ、機能性、および動作を示す。この点では、フローチャートまたはブロック図における各ブロックは、モジュール、セグメント、または命令の一部に相当し得、命令には、規定の論理機能を実施するための1つまたは複数の実行可能命令が含まれる。いくつかの代替の実装形態では、ブロックに示されている機能は、図に示されている順番以外で行われ得る。例えば、関わる機能性に応じて、連続して示されている2つのブロックが、実際には、実質的に同時に実行されることもあり、または、それらのブロックが、逆の順番で実行される場合もある。ブロック図またはフローチャートあるいはその両方の各ブロック、およびブロック図またはフローチャートあるいはその両方におけるブロックの組合せが、規定の機能もしくは動作を行う、または専用ハードウェア命令とコンピュータ命令との組合せを実施する専用ハードウェアベースのシステムによって実装され得ることにも留意されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10