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特許7267308上方電極アセンブリ、反応チャンバおよび原子層堆積装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-21
(45)【発行日】2023-05-01
(54)【発明の名称】上方電極アセンブリ、反応チャンバおよび原子層堆積装置
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/455 20060101AFI20230424BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20230424BHJP
   C23C 16/50 20060101ALI20230424BHJP
【FI】
C23C16/455
H01L21/205
C23C16/50
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020566989
(86)(22)【出願日】2018-11-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-16
(86)【国際出願番号】 CN2018115027
(87)【国際公開番号】W WO2019227861
(87)【国際公開日】2019-12-05
【審査請求日】2021-01-06
(31)【優先権主張番号】201810555365.9
(32)【優先日】2018-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510182294
【氏名又は名称】北京北方華創微電子装備有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING NAURA MICROELECTRONICS EQUIPMENT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】NO.8 Wenchang Avenue Beijing Economic-Technological Development Area, Beijing 100176, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】蘭 云 峰
(72)【発明者】
【氏名】史 小 平
(72)【発明者】
【氏名】李 春 雷
(72)【発明者】
【氏名】王 勇 飛
(72)【発明者】
【氏名】王 洪 彪
【審査官】安齋 美佐子
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-120859(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0026540(US,A1)
【文献】特開2000-012534(JP,A)
【文献】特開2000-273638(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0143551(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 16/00-16/56
H01L 21/205,21/31,21/365,21/469
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の経路を備えた吸気構造と、第2の経路を備えた上方電極板とを含む上方電極アセンブリであって、前記第1の経路は、プロセスガスを前記第2の経路内に投入するように構成されており、前記第2の経路は、前記プロセスガスを反応チャンバ内に投入するように構成されており、前記上方電極アセンブリはさらに、前記上方電極板と前記吸気構造との間に配置された吸気絶縁アセンブリを含み、前記吸気絶縁アセンブリは、前記プロセスガスを前記第1の経路から前記第2の経路内に投入している間、前記第1の経路の内壁を前記第2の経路の内壁から電気的に絶縁するように構成されており、
前記吸気絶縁アセンブリは、絶縁部材と吸気絶縁構造とを含み、前記絶縁部材は前記上方電極板と前記吸気構造との間に配置され、前記絶縁部材に中間経路が配置されており、前記中間経路は、前記第1の経路および前記第2の経路の各々と連通しており、
前記吸気絶縁構造は前記中間経路内に形成されるか、または、前記吸気絶縁構造は前記中間経路に配置され前記絶縁部材から独立した構成要素であり、
前記吸気絶縁構造は、前記第1の経路の前記内壁を前記第2の経路の前記内壁から電気的に絶縁するように構成され、
前記吸気絶縁構造は少なくとも2つの吸気孔群を含み各々は少なくとも1つの吸気孔を含み、前記吸気孔群の前記吸気孔の軸は、前記中間経路の軸に対して平行であるか、または、前記吸気孔の前記軸と前記中間経路の前記軸との間に予め定められた角度が形成されており、
異なる複数の吸気孔群における複数の当該吸気孔の軸と当該中間経路の当該軸との間の角度は異なっており、および/または、異なる複数の吸気孔群における複数の当該吸気孔は、異なる複数の径方向断面形状を有し、前記予め定められた角度は30°~89°の範囲である、上方電極アセンブリ。
【請求項2】
複数の吸気孔は、前記中間経路の前記軸を中心とする少なくとも1つの円周上に分布しているか、または、前記複数の吸気孔は、前記中間経路の径方向断面に対してアレイ状に配置されている、請求項1に記載の上方電極アセンブリ。
【請求項3】
前記吸気絶縁構造は、第1の吸気孔群および第2の吸気孔群である2つの吸気孔群を含み、
前記第1の吸気孔群は、少なくとも2つの第1の円周上に分布する複数の吸気孔を含み、前記少なくとも2つの第1の円周は前記中間経路の前記軸を中心とするとともに異なる半径を有し、前記第1の吸気孔群における各々の吸気孔は円形貫通孔であり、
前記第2の吸気孔群は、前記中間経路の前記軸を中心とする第2の円周上に分布する複数の吸気孔を含み、前記第2の吸気孔群における各々の吸気孔は矩形貫通孔であり、前記矩形貫通孔の径方向断面形状の長さは、前記第2の円周の径方向に沿って配置されている、請求項1に記載の上方電極アセンブリ。
【請求項4】
前記第1の吸気孔群における前記吸気孔が位置する前記第1の円周の前記半径が大きいほど、前記吸気孔の直径が大きくなる、請求項3に記載の上方電極アセンブリ。
【請求項5】
前記吸気孔は円形貫通孔であり、前記円形貫通孔の直径は0.5mm~4mmの範囲である、請求項1に記載の上方電極アセンブリ。
【請求項6】
前記円形貫通孔の直径は0.5mm~4mmの範囲である、請求項3に記載の上方電極アセンブリ。
【請求項7】
前記矩形貫通孔の径方向断面の面積は、1mm~20mmの範囲である、請求項3に記載の上方電極アセンブリ。
【請求項8】
前記上方電極板は、噴出口が設けられたシャワープレートであり、前記吸気孔の前記軸と前記噴出口の軸とが互い違いに配置されている、請求項1に記載の上方電極アセンブリ。
【請求項9】
前記上方電極板は、噴出口が設けられたシャワープレートであり、複数の前記吸気孔の複数の前記軸と前記噴出口の軸とが互い違いに配置されている、請求項1に記載の上方電極アセンブリ。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載の前記上方電極アセンブリを備える反応チャンバ。
【請求項11】
請求項10に記載の前記反応チャンバを備える原子層堆積装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本開示は、半導体製造技術の分野に関し、特に、上方電極アセンブリ、反応チャンバおよび原子層堆積装置に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
現在、薄膜堆積技術は、半導体、集積回路、ソーラーパネル、フラットパネルディスプレイ、マイクロエレクトロニクスおよび発光ダイオードなどの複数の分野のデバイスに広く適用されている。原子層堆積(atomic layer deposition:ALD)技術は、通常、薄膜を堆積させるためにいくつかの薄膜堆積プロセスにおいて用いられており、ALDプロセスによって生成される膜が非常に薄いために他の技術に勝る顕著な利点を有している。
【0003】
ALD技術におけるプラズマ強化ALD(plasma enhanced ALD:PE-ALD)プロセスを用いて、さまざまな薄膜を製造することができる。容量性PE-ALDプロセスでは、通常の条件下では互いに反応しない2つのプロセスガスを反応チャンバ内に投入し、高周波(radio frequency:RF)周期を調整することによってALDプロセスを実行する。
【0004】
図1に示されるように、既存の容量性PE-ALD装置は、反応チャンバ100と、シャワープレート200および吸気管300を含む上方電極アセンブリとを含む。吸気管300の吸気口400は接地されており、プロセスガスは、吸気管300およびシャワープレート200を順次通過して反応チャンバ100内に流入する。シャワープレート200は、RF電源に電気的に接続されており、RF電源がオンに切換えられると反応チャンバ内のプロセスガスを励起してプラズマを発生させるための電極板として機能する。
【0005】
本開示を実現するプロセスにおいて、出願人は、先行技術に以下の欠点があることを見いだした。
【0006】
吸気管300の吸気口400が接地されており、シャワープレート200がRF電源に電気的に接続されているので、吸気管300とシャワープレート200との間に電位差が生じ、この電位差によって吸気管300内にプラズマが発生し、これにより、吸気管300の内壁に導電性薄膜が堆積する。結果として、吸気口400とシャワープレート200との間に短絡が発生し、発火し易くなる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
概要
先行技術の技術的問題を少なくとも部分的にを解決するために、本開示は、上方電極アセンブリ、反応チャンバおよび原子層堆積装置を提供することで、吸気構造と上方電極板との間に電位差が生じるのを回避し、これにより、発火を有効に回避するものである。
【0008】
本開示の一局面に従うと、第1の経路を備えた吸気構造と、第2の経路を備えた上方電極板とを含む上方電極アセンブリが提供される。当該第1の経路は、プロセスガスを当該第2の経路内に投入するように構成されており、当該第2の経路は、当該プロセスガスを反応チャンバ内に投入するように構成されている。当該上方電極アセンブリはさらに、当該上方電極板と当該吸気構造との間に配置された吸気絶縁アセンブリを含む。当該吸気絶縁アセンブリは、当該プロセスガスを当該第1の経路から当該第2の経路内に投入している間、当該第1の経路の内壁を当該第2の経路の内壁から電気的に絶縁するように構成されている。
【0009】
本開示のいくつかの実施形態においては、当該吸気絶縁アセンブリは、当該上方電極板と当該吸気構造との間に配置された絶縁部材を含み、当該絶縁部材に中間経路が配置されている。
【0010】
当該中間経路は、当該第1の経路および当該第2の経路の各々と連通しており、当該第1の経路の当該内壁を当該第2の経路の当該内壁から電気的に絶縁するように構成された吸気絶縁構造を採用している。
【0011】
本開示のいくつかの実施形態においては、当該吸気絶縁アセンブリは、
当該上方電極板と当該吸気構造との間に配置された絶縁部材を備え、当該絶縁部材は、当該吸気構造から当該上方電極板を電気的に絶縁するように構成されており、中間経路が、当該絶縁部材に配置されているとともに、当該第1の経路および当該第2の経路の各々と連通しており、当該吸気絶縁アセンブリはさらに、
当該中間経路内に配置された吸気絶縁構造を含み、当該吸気絶縁構造は、当該第1の経路の当該内壁を当該第2の経路の当該内壁から電気的に絶縁するように構成されている。
【0012】
本開示のいくつかの実施形態においては、当該吸気絶縁構造は、少なくとも1つの吸気孔を含み、当該吸気孔の軸は、当該中間経路の軸に対して平行であるか、または、当該吸気孔の当該軸と当該中間経路の当該軸との間に予め定められた角度が形成されている。
【0013】
本開示のいくつかの実施形態においては、複数の吸気孔が設けられており、当該複数の吸気孔は、当該中間経路の当該軸を中心とする少なくとも1つの円周上に分布しているか、または、当該複数の吸気孔は、当該中間経路の径方向断面に対してアレイ状に配置されている。
【0014】
本開示のいくつかの実施形態においては、当該吸気絶縁構造は、少なくとも2つの吸気孔群を含み、各々の吸気孔群は少なくとも1つの吸気孔を含み、当該吸気孔群における当該吸気孔の軸は当該中間経路の軸に対して平行であるか、または、当該吸気孔の当該軸と当該中間経路の当該軸との間に予め定められた角度が形成されており、
異なる複数の吸気孔群における複数の当該吸気孔の軸と当該中間経路の当該軸との間の角度は異なっており、および/または、異なる複数の吸気孔群における複数の当該吸気孔は、異なる複数の径方向断面形状を有する。
【0015】
本開示のいくつかの実施形態においては、当該吸気絶縁構造は、第1の吸気孔群および第2の吸気孔群である2つの吸気孔群を含み、
当該第1の吸気孔群は、少なくとも2つの第1の円周上に分布する複数の吸気孔を含み、当該少なくとも2つの第1の円周は当該中間経路の当該軸を中心とするとともに異なる半径を有し、当該第1の吸気孔群における各々の吸気孔は円形貫通孔であり、
当該第2の吸気孔群は、当該中間経路の当該軸を中心とする第2の円周上に分布する複数の吸気孔を含み、当該第2の吸気孔群における各々の吸気孔は矩形貫通孔であり、当該矩形貫通孔の径方向断面形状の長さは、当該第2の円周の径方向に沿って配置されている。
【0016】
本開示のいくつかの実施形態においては、当該第1の吸気孔群における当該吸気孔が位置する当該第1の円周の当該半径が大きいほど、当該吸気孔の直径が大きくなる。
【0017】
本開示のいくつかの実施形態においては、当該予め定められた角度は30°~89°の範囲である。
【0018】
本開示のいくつかの実施形態においては、当該吸気孔は円形貫通孔であり、当該円形貫通孔の直径は0.5mm~4mmの範囲である。
【0019】
本開示のいくつかの実施形態においては、当該円形貫通孔の直径は0.5mm~4mmの範囲である。
【0020】
本開示のいくつかの実施形態においては、当該矩形貫通孔の径方向断面の面積は、1mm~20mmの範囲である。
【0021】
本開示のいくつかの実施形態においては、当該上方電極板は、噴出口が設けられたシャワープレートであり、当該吸気孔の当該軸と当該噴出口の軸とが互い違いに配置されている。
【0022】
本開示のいくつかの実施形態においては、当該上方電極板は、噴出口が設けられたシャワープレートであり、当該吸気孔の当該軸と当該噴出口の軸とが互い違いに配置されている。
【0023】
本開示の他の局面に従うと、チャンバ本体と当該上方電極アセンブリとを含む反応チャンバが提供される。
【0024】
本開示のさらに別の局面に従うと、上記反応チャンバを含むALD装置が提供される。
本開示によって提供される上方電極アセンブリ、反応チャンバおよびALD装置の技術的解決策では、吸気絶縁アセンブリは、吸気構造が上方電極板と直接接触する経路を遮断するとともに、第1の経路の内壁を第2の経路の内壁から電気的に絶縁するように配置されており、このため、吸気構造と上方電極板との間に電位差が発生せず、これにより、発火を有効に防止する。
【0025】
図面の簡単な説明
本開示の上記および他の目的、技術的特徴および利点は、添付の図面を参照した本開示の実施形態についての以下の説明によって、より明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】先行技術における容量性PE-ALD装置を示す概略図である。
図2】本開示の第1の実施形態に従った上方電極アセンブリの断面を示す構造図である。
図3】本開示の第1の実施形態で使用される吸気絶縁構造を示す側面図である。
図4a】本開示の第1の実施形態に従った吸気絶縁構造を示す三次元構造図である。
図4b】本開示の第1の実施形態に従った吸気絶縁構造を示す上面図である。
図5】本開示の第1の実施形態で使用される吸気絶縁構造を示す別の側面図である。
図6】本開示の第1の実施形態で使用される吸気絶縁構造を示すさらに別の側面図である。
図7】本開示の第2の実施形態に従った上方電極アセンブリの断面を示す構造図である。
図8a】本開示の第2の実施形態で使用される吸気絶縁構造を示す三次元構造図である。
図8b】本開示の第2の実施形態で使用される吸気絶縁構造を示す上面図である。
図9】本開示の第2の実施形態で使用される吸気絶縁構造を示す斜視図である。
図10】本開示の第3の実施形態に従った反応チャンバの断面を示す構造図である。
【0027】
参照番号:
[先行技術]
100 反応チャンバ、200 シャワープレート、300 吸気管、400 吸気口。
【0028】
[本開示]
10 吸気構造、101 第1の経路、102 第1の分岐経路、103 第2の分岐経路、104 パージ経路、105 吸気マニホールド用シール溝、11 絶縁部材、111 中間経路、112 絶縁ブロック用シール溝、12 吸気絶縁構造、120、120′ 吸気孔、121 第1の吸気孔、122 第2の吸気孔、Θ 予め定められた角度、2 上方電極板、21 第2の経路、22 高周波発生器、3チャンバ本体、31 プロセス反応ゾーン、32 プロセスゾーンの分散グリッド、33 支持基部。
【0029】
詳細な説明
先行技術における少なくとも1つの技術的問題を解決するために、本開示は、上方電極アセンブリ、反応チャンバおよびALD装置を提供する。本開示の目的、技術的解決策および利点をより明らかにするために、本開示を、具体的な実施形態および添付の図面を参照しつつ以下において詳細にさらに説明する。これらの説明は例示にすぎず、本開示の範囲を限定するように意図されたものではないことを理解されたい。加えて、以下の説明では、本開示の概念の不必要な混乱を避けるために、周知の構造および技術は記載はしない。
【0030】
本開示の第1の実施形態は、ALD装置、特に容量性PE-ALD装置に適用することができる上方電極アセンブリを提供する。
【0031】
図2に示されるように、上方電極アセンブリは、ALD装置の反応チャンバの上に配置されており、吸気構造10および上方電極板2を含む。吸気構造10は、第1の経路101を備えており、本実施形態においては、少なくとも2つの分岐経路をさらに備える。ALD装置が作動すると、前駆体Aおよび前駆体Bがそれぞれ2つの分岐経路を通過して第1の経路101内に同時に進入し、第1の経路101内で混合される。すなわち、第1の経路101は、前駆体Aと前駆体Bとを混合するとともに前駆体Aと前駆体Bとの混合ガスを送達するための主管として用いられる。前駆体Aおよび前駆体Bは、通常の条件下では互いに反応しない2つのプロセスガスである。
【0032】
上方電極板2には第2の経路21が設けられている。前駆体Aと前駆体Bとの混合ガスは、第1の経路101を介して第2の経路21に投入され、第2の経路21は、混合ガスを反応チャンバに投入するように構成されている。本実施形態においては、上方電極板2はシャワープレートである。シャワープレートは、反応チャンバの上に配置されており、RF発生器22に接続されている。RF発生器22は、反応チャンバ内のプロセスガスを励起してプラズマを発生させるためにシャワープレートにRF電力を印加するように構成されている。さらに、シャワープレートは分散チャンバを有しており、分散チャンバの上端には中央吸気孔が設けられており、下端にはプロセスガスを反応チャンバ内に均一に排出するための複数の噴出口が設けられている。第2の経路21は中空管であってもよく、シャワープレートの軸に沿って延在して分散チャンバの中心吸気孔と連通しているか、または、第2の経路21は分散チャンバの中心吸気孔である。
【0033】
上方電極アセンブリは吸気絶縁アセンブリをさらに含む。吸気絶縁アセンブリは、上方電極板2と吸気構造10との間に配置されており、プロセスガスを第1の経路101から第2の経路21内に投入している間、第1の経路101の内壁を第2の経路21の内壁から電気的に絶縁するように構成されている。電気的絶縁とは、正極と負極との間に電流が流れないように、正極が負極と直接接触する経路を遮断することを指している。
【0034】
反応チャンバ内で処理を実行する場合、シャワープレートが正極として機能するとともに吸気構造10が負極として機能しており、第1の経路101が第2の経路21と直接連通すると、シャワープレートと吸気構造との間に電位差が生じ易くなる。この問題を解決するために、上方電極板2と吸気構造10との間に吸気絶縁アセンブリを配置して、正極が負極と直接接触する(図2に矢印で示す)経路を遮断し、第1の経路101の内壁を第2の経路21の内壁から電気的に絶縁する。こうして、電位差の発生を防止することにより、発火を有効に回避する。一方、吸気絶縁アセンブリは、プロセスガスを通過させることができ、これにより、ガスの流れに影響を及ぼすことなく、ガスを第1の経路101から第2の経路21内へと投入することができる。
【0035】
以下に、吸気絶縁アセンブリの構造を詳細に説明する。具体的には、本実施形態においては、吸気絶縁アセンブリは絶縁部材11および吸気絶縁構造12を含む。絶縁材料でできた絶縁部材11は、上方電極板2と吸気構造10との間に配置されており、上方電極板2を吸気構造10から電気的に絶縁するように構成されている。絶縁部材11には中間経路111が設けられており、中間経路111は、第1の経路101および第2の経路21のそれぞれと連通して、ガスを第1の経路101から第2の経路21に投入する。
【0036】
吸気絶縁構造12は、中間経路111に配置されており、電位差の発生を避けるために、第1の経路101の内壁を第2の経路21の内壁から電気的に絶縁するように構成されている。
【0037】
好ましくは、吸気構造10、絶縁部材11およびシャワープレートは同軸に配置されており、第1の経路101、中間経路111および第2の経路21も同軸に配置されている。
【0038】
なお、本実施形態においては、第1の経路101内にガス混合のために十分な空間を確保するために、中間経路111に吸気絶縁構造12が配置されているが、本開示はこれに限定されない。実用の際には、第1の経路101内にガス混合のために十分な空間がある限り、吸気絶縁構造12は、第1の経路101に、または第1の経路101および中間経路111の両方に配置され得る。
【0039】
なお、本実施形態においては、吸気絶縁構造12は絶縁部材11から独立した構成要素であるが、本開示はこれに限定されない。実用の際には、吸気絶縁構造12は中間経路111内に形成されてもよく、すなわち、中間経路111は、第1の経路101の内壁を第2の経路21の内壁から電気的に絶縁することもできる吸気絶縁構造12を採用している。
【0040】
図3図4bを参照すると、本実施形態においては、吸気絶縁構造12は複数の吸気孔120を備えており、複数の吸気孔120の軸は中間経路111の軸に対して平行であり、このため、プロセスガスをより滑らかに投入することができる。
【0041】
任意には、複数の吸気孔120は、ガスを第2の経路21内に均一に投入するように、中間経路111の径方向断面に対してアレイ状に配置されている。アレイは、ほぼ円形のアレイ、正方形のアレイなどであってもよい。実用の際には、複数の吸気孔120は、他の如何なる態様で分布させてもよく、たとえば、複数の吸気孔120は中間経路111の軸を中心とする少なくとも1つの円周上に分布している。
【0042】
任意には、ガスの流れの要件を満たすために、吸気孔120の数は20個~200個、好ましくは80個~170個である。
【0043】
本実施形態においては、すべての吸気孔120は円形貫通孔であり、これら円形貫通孔の直径は0.5mm~4mm、好ましくは0.8mm~3mmである。このような直径範囲であれば、第1の経路101の内壁を第2の経路21の内壁から電気的に絶縁することができる。吸気孔120の直径は同じであってもよく、互いに異なっていてもよく、または、部分的に同じであってもよい。
【0044】
なお、本実施形態においては、すべての吸気孔120は円形貫通孔であるが、本開示はこれに限定されない。実用の際には、すべての吸気孔120の径方向断面は、正方形、楕円形または多角形などの他の形状であってもよい。加えて、吸気孔120は、径方向断面の形状が異なっている2種類以上の吸気孔を含んでいてもよい。
【0045】
なお、本実施形態においては、すべての吸気孔120は貫通孔であるが、本開示はこれに限定されない。実用の際には、吸気孔120は、テーパ孔などの異なる軸方向寸法を有する構造を採用してもよい。
【0046】
任意には、吸気孔120の厚さは、約2mm~20mm、好ましくは5mm~15mm、たとえば10mmである。
【0047】
任意には、12インチの直径を有するシリコンウェハに適用可能であるプロセスの場合、第1の経路101の内径および中間経路111の内径は、6mm~60mm、好ましくは25mm~45mm、より好ましくは30mm~40mm、たとえば38mmである。
【0048】
なお、本実施形態においては、複数の吸気孔120の軸は中間経路111の軸に対して平行であるが、本開示はこれに限定されない。実用の際には、図5に示されるように、予め定められた角度Θが、複数の吸気孔120′の軸と中間経路111の軸との間に形成される。このようにして、第1の経路101の内壁を第2の経路21の内壁から有効に電気的に絶縁して発火を回避することができ、さらに、プロセスガスは、傾斜した吸気孔120′を通過した後に円盤状の磁場や循環する磁場を発生させることができ、このため、プロセスガスを十分に混合させることができる。
【0049】
任意には、予め定められた角度Θは、好ましくは30°~89°、より好ましくは60°~80°である。
【0050】
本開示の第2の実施形態は上方電極アセンブリを提供する。第2の実施形態に従った上方電極アセンブリの技術的特徴は、第1の実施形態に従った上方電極アセンブリの技術的特徴と同一または同様であるため、ここでは説明を省略する。以下、第2の実施形態のうち第1の実施形態とは異なる内容についてのみ説明する。
【0051】
本実施形態においては、吸気絶縁構造12は少なくとも2つの吸気孔群を含み、当該少なくとも2つの吸気孔群の各々は少なくとも1つの吸気孔を含む。吸気孔群における吸気孔の軸は中間経路111の軸に対して平行であるか、または、吸気孔の軸と中間経路111の軸との間に予め定められた角度が形成されている。さらに、異なる複数の吸気孔群における複数の吸気孔の軸と中間経路111の軸との間の角度は異なっており、および/または、異なる複数の吸気孔群における複数の吸気孔は異なる径方向断面形状を有する。すなわち、吸気絶縁構造12は、吸気孔の傾斜角および/または径方向断面形状が異なっている2つ以上の吸気孔群を含む。
【0052】
たとえば、図6に示されるように、吸気絶縁構造12は、第1の吸気孔群および第2の吸気孔群を含む少なくとも2つの吸気孔群を含む。第1の吸気孔群は少なくとも1つの第1の吸気孔121を含む。第2の吸気孔群は少なくとも1つの第2の吸気孔122を含む。第1の吸気孔121の軸は中間経路111の軸に対して平行であり、第2の吸気孔122の軸と中間経路111の軸との間に予め定められた角度Θが形成されている。予め定められた角度Θは、好ましくは30°~89°、より好ましくは60°~80°である。
【0053】
傾斜角が異なっている2種類の吸気孔を設定することにより、第1の経路101の内壁を第2の経路21の内壁から有効に電気的に絶縁して発火を回避することができ、さらに、プロセスガスがそれぞれ第1の吸気孔121および第2の吸気孔122を通過した後に異なる方向に流れるので、プロセスガスをより十分に混合させることができる。
【0054】
任意には、第1の吸気孔121の径方向断面形状と第2の吸気孔122の径方向断面形状とは同じであってもよく異なっていてもよい。加えて、第1の吸気孔121および第2の吸気孔122はいずれも円形貫通孔であるが、直径が異なっていてもよい。
【0055】
別の例として、図7図8a、図8bおよび図9を参照すると、吸気絶縁構造12は、第1の吸気孔群および第2の吸気孔群を含む少なくとも2つの吸気孔群を含む。第1の吸気孔群は複数の第1の吸気孔121を含み、これら第1の吸気孔121は、中間経路111の軸を中心とするとともに異なる半径を有する少なくとも2つの第1の円周上に分布している。第1の吸気孔121の各々は円形貫通孔である。
【0056】
図8aおよび図8bに示すように、複数の第1の吸気孔121は、中間経路111の軸を中心とするとともに異なる半径を有する3つの第1の円周上に分布している。3つの第1の円周はそれぞれ、中間経路111のうち中央領域、中間領域および周辺領域に位置しており、このため、第1の吸気孔121を中間経路111の径方向に沿って均一に分布させることができる。
【0057】
任意には、2つの隣接する第1の円周同士の間の径方向距離は、3mm~10mm、好ましくは4mm~8mmである。
【0058】
実用の際には、各々の第1の円周上の第1の吸気孔121の数は、特定の要件に応じて自由に設定されてもよい。任意には、最も外側の第1の円周上の第1の吸気孔121の数は、5個~20個、好ましくは8個~15個である。中間の第1の円周上の第1の吸気孔121の数は、最も外側の第1の円周上の第1の吸気孔121の数以下であってもよい。任意には、中間の第1の円周上の第1の吸気孔121の数は、5個~20個、好ましくは8個~15個である。最も内側の第1の円周上の第1の吸気孔121の数は、中間の第1の円周上の第1の吸気孔121の数以下であってもよい。任意には、最も内側の第1の円周上の第1の吸気孔121の数は、1個~8個、好ましくは2個~6個である。
【0059】
実用の際には、各々の第1の円周上の第1の吸気孔121の直径は、特定の要件に応じて自由に設定されてもよい。任意には、第1の吸気孔121が配置されている第1の円周の半径が大きいほど、これらの第1の吸気孔121の直径は大きくなる。具体的には、最も外側の第1の円周上の第1の吸気孔121の直径が最も大きく、最も内側の第1の円周上の第1の吸気孔121の直径が最も小さい。このようにして、吸気絶縁構造12の空間を十分に活用して、吸気絶縁構造12を通過するプロセスガスの単位時間あたりの量を増やすことができ、これにより、プロセスガスをより迅速に吸気絶縁構造12内を通過させることができる。
【0060】
実用の際には、各々の第1の円周上の第1の吸気孔121の傾斜角は、特定の要件に応じて自由に設定されてもよい。具体的には、各々の第1の円周上の第1の吸気孔121の軸は中間経路111の軸に対して平行であるか、または、各々の第1の円周上の第1の吸気孔121の軸と中間経路111の軸との間に予め定められた角度Θが形成されている。予め定められた角度Θは、好ましくは30°~89°、より好ましくは60°~80°である。
【0061】
さらに、同じ第1の円周上の第1の吸気孔121の傾斜角は、同じであってもよく異なっていてもよい。異なる複数の第1の円周上の複数の第1の吸気孔121の傾斜角は、同じであってもよく異なっていてもよい。
【0062】
なお、本実施形態においては、第1の吸気孔121は円形貫通孔であるが、本開示はこれに限定されない。実用の際には、第1の吸気孔121の径方向断面形状は、正方形、楕円形、または多角形であってもよい。
【0063】
図8a、図8bおよび図9に示すように、第2の吸気孔群は複数の第2の吸気孔122を含む。これら複数の第2の吸気孔122は中間経路111の軸を中心とする第2の円周上に分布している。第2の吸気孔122の各々は、矩形貫通孔であり、この矩形貫通孔の径方向断面形状の長さが第2の円周の径方向に沿って配置されている。実用の際には、第2の吸気孔122の径方向断面形状は、細長い楕円形であってもよく、または、角に丸みのある準長方形であってもよい。
【0064】
さらに、本実施形態においては、最も外側の第1の円周上の隣接する任意の2つの第1の吸気孔121同士の間、および、最も外側の第1の円周上の隣接する当該2つの第1の吸気孔121に対応する中間の第1の円周上の隣接する2つの第1の吸気孔121同士の間に、1つの第2の吸気孔122が設けられている。さらに、最も内側の第1の円周上の第1の吸気孔121はすべて、第2の吸気孔122の内端よりも内側に位置している。このようにして、第1の吸気孔121と第2の吸気孔122とを中間経路111の円周方向に沿って交互に配置することができ、これにより、プロセスガスを十分に混合させることが可能となる。
【0065】
任意には、第2の吸気孔122は矩形貫通孔であり、その径方向断面の面積は1mm~20mm、好ましくは5mm~15mmの範囲である。
【0066】
実用の際には、第2の吸気孔122の傾斜角は特定の要件に応じて自由に設定されてもよい。具体的には、(中間経路の軸に対して平行な)第2の吸気孔122の軸と中間経路111の軸とが互いに対して平行であるか、または、第2の吸気孔122の軸と中間経路111の軸との間に予め定められた角度Θが形成されている。予め定められた角度Θは、好ましくは30°~89°、より好ましくは60°~80°である。
【0067】
以下、図2および図3を参照して上述の各実施形態に従った上方電極アセンブリの一例を説明する。吸気絶縁構造12は中間経路111内に埋込まれており、中間経路111の径方向断面形状は円形である。さらに、中間経路111は入口区域と本体区域とに分割されている。本体区域は、第1の経路101から第2の経路21へと延在する方向に沿って入口区域と連通している。入口区域の直径は本体区域の直径よりも大きい。吸気絶縁構造12は、軸に沿って第1の区域と第2の区域とに分割された円筒体を含み、第1の区域の外径は第2の区域の外径よりも大きい。加えて、第1の区域の外壁は、中間経路111の入口区域の内壁と適合し、第2の区域の外壁は中間経路111の本体区域の内壁と適合しており、このため、吸気絶縁構造12を中間経路111内に埋込むことができる。このようにすると、吸気絶縁構造12を位置決めし、設置し、分解し、洗浄するのに好都合である。
【0068】
加えて、第1の経路101の径方向断面形状も円形であり、第1の経路101の直径は、吸気絶縁構造12の第1の区域の外径よりも小さく、このため、吸気構造10は吸気絶縁構造12を押圧することができ、これにより、堅固な設置の向上が容易となる。
【0069】
本開示の別の実施形態は、チャンバ本体3と、上述の実施形態のいずれか1つに従った上方電極アセンブリとを含む反応チャンバを提供する。
【0070】
図10に示すように、支持基部33がチャンバ本体3の底部に設けられるとともに接地されており、加熱機能を有し、基板を支持して加熱するように構成されている。
【0071】
チャンバ本体3、上方電極アセンブリのシャワープレートおよび支持基部33は、ALDプロセスを実現するためのプロセス反応ゾーン31を形成している。プロセス反応ゾーン31を構成するチャンバ本体3の側壁の一部にプロセスゾーン32の分散グリッドが配置されている。プロセスゾーン32の分散グリッドはプロセスガスの流れの均一性を向上させるように構成されている。
【0072】
第1の経路101、第1の分岐経路102、第2の分岐経路103、およびパージ経路104は吸気構造10の側壁に設けられており、第1の分岐経路102、第2の分岐経路103およびパージ経路104はすべて、第1の経路101と連通している。一例では、第1の分岐経路102、第2の分岐経路103およびパージ経路104は、吸気構造10の側壁上において周方向に沿って異なる位置に配置されているものの、すべて同じ高さに位置している。シャワープレートの上面には絶縁ブロック用シール溝112が設けられており、絶縁ブロック用シール溝112内のシールリングによって絶縁部材11およびシャワープレートが封止されている。吸気構造10の下面上には吸気マニホールド用シール溝105が設けられており、この吸気マニホールド用シール溝105内のシールリングによって吸気構造10および絶縁ブロックが封止されている。
【0073】
前駆体Aは第1の分岐経路102を通過して第1の経路101に進入し、前駆体Bは第2の分岐経路103を通過して第1の経路101に進入する。前駆体Aおよび前駆体Bは、反応チャンバに進入した後、チャンバ本体3のプロセス反応ゾーン31に進入する。プロセス反応ゾーン31では、前駆体Aが基板の表面に吸着される。次いで、不活性ガスがパージ経路104を通過して第1の経路101に進入し、さらに、吸気絶縁構造、中間経路111およびシャワープレートを通過してプロセス反応ゾーン31に進入して、残留する前駆体Aをパージする。最後に、RF発生器22をオンに切換えて前駆体Bのプラズマを発生させる。このプラズマは基板の表面上の前駆体Aと反応して薄膜を形成する。以上の工程をプロセス全体にわたって連続的に繰返し、得られる薄膜の厚さがプロセス要件を満たすまで、基板上に薄膜を繰返し堆積させる。
【0074】
本開示のさらに別の実施形態は、ALD装置、より特定的には、上述の実施形態によって提供される反応チャンバを含む容量性PE-ALD装置、を提供する。
【0075】
本開示の目的、技術的解決策および有益な効果は、上述の具体的な実施形態によってさらに詳細に説明される。しかしながら、上記で説明されるものは本開示の特定の実施形態にすぎず、本開示を限定するよう意図されたものではないことを理解されたい。本開示の精神および原理の範囲内で実施される任意の変形例、同等例および改善例は本開示の保護範囲内に包含されるべきである。
【0076】
なお、実施形態において「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」などの方向を示すために用いられる用語は、添付の図面を基準とした方向を示しているに過ぎず、本開示の保護範囲を限定するよう意図されたものではない。添付の図面全体にわたって、同一の要素には同一または同様の参照符号を付している。本開示の誤解が生じる可能性がある場合、従来の構造または構成は省略される。
【0077】
特に指定のない限り、明細書および添付の特許請求の範囲において提供される数値パラメータは、本開示によって得られる所要の特性に応じて異なる可能性のある近似値である。具体的には、本明細書および特許請求の範囲における成分の含有量または反応条件を表すすべての数字は、すべての状況において「約」という語によって変更されることを理解されたい。概して、数とは、いくつかの実施形態において±10%、±5%、±1%、または±0.5%といった具体的な数のバリエーションが含まれることを意味する。
【0078】
さらに、「含む(include)」という語は、特許請求の範囲に列挙されていない要素またはステップを排除するものではない。要素の前に付されている「1つの(「a」または「an」)」という語は、そのような要素が複数あることを排除するものではない。
【0079】
本明細書および特許請求の範囲における「第1」、「第2」および「第3」などの順序番号は、対応する要素を変更することを意図しているが、変更された要素が任意の順序番号を有することを示唆または示すものではない。さらに、順序番号は、要素の順序や要素の製造プロセスの順序を示すものではなく、同じ名称をもつ2つの要素を区別するよう意図されたものに過ぎない。
【0080】
同様に、本開示を簡略化して本開示の1つ以上の局面を理解するのを助けるために、本開示の技術的特徴は、本開示の例示的な実施形態の上記説明において、単一の実施形態、添付の図面またはその説明において一緒に分類されることがあることを理解されたい。しかしながら、本開示の方法は、請求される開示が各請求項に明示的に記録されたものより多くの特徴を必要とするという意図を反映するものとして解釈されるべきではない。より正確には、添付の特許請求の範囲に反映されるように、開示される局面は、前述の単一の実施形態におけるすべての技術的特徴よりも少ない。したがって、本明細書における詳細な記載に従った特許請求の範囲は詳細な説明に明示的に組込まれており、各々の請求項自体が本開示の単一の実施形態と見なされる。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5
図6
図7
図8a
図8b
図9
図10