(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-25
(45)【発行日】2023-05-08
(54)【発明の名称】加熱素子が埋め込まれた基板支持体のための長寿命高出力端子
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20230426BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20230426BHJP
H01L 21/205 20060101ALI20230426BHJP
H05B 3/02 20060101ALI20230426BHJP
【FI】
H01L21/68 N
H01L21/302 101G
H01L21/205
H05B3/02 A
(21)【出願番号】P 2021514006
(86)(22)【出願日】2019-09-17
(86)【国際出願番号】 US2019051477
(87)【国際公開番号】W WO2020061019
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2022-09-13
(32)【優先日】2018-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ティアン・シユアン
【審査官】杢 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-216786(JP,A)
【文献】特開2017-153254(JP,A)
【文献】特開2015-002300(JP,A)
【文献】特開2013-239575(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0075624(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0062260(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0069585(US,A1)
【文献】特開2001-319756(JP,A)
【文献】特開2006-295138(JP,A)
【文献】特開2011-142302(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H01L 21/3065
H01L 21/205
H05B 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理システムの基板支持体であって、
前記基板支持体の加熱素子のための接続端子を含み、
前記接続端子は、
コンタクトプレートであって、前記基板支持体のセラミック層内の前記加熱素子のコンタクトパッドと電気接続されたコンタクトプレートと、
前記コンタクトプレートから伸びる結線部であって、前記加熱素子に電力を供給するように配置された配線を受け入れ保持する結線部と、を備え、
前記コンタクトプレートおよび前記結線部の少なくとも1つは、前記セラミック層の第2の熱膨張係数(CTE)
から20%
の範囲内である第1のCTEを有する第1の材料を含
み、
前記結線部は、前記コンタクトプレートから下向きに伸びる垂直フィンを備え、前記垂直フィンは、前記配線を受け入れるように構成された開口部を含む、基板支持体。
【請求項2】
請求項1に記載の基板支持体であって、
前記第1のCTEは、前記第2のCTE
から5%
の範囲内である、基板支持体。
【請求項3】
請求項1に記載の基板支持体であって、
前記第1のCTEは約7.2であり、前記第2のCTEは約7.1である、基板支持体。
【請求項4】
請求項1に記載の基板支持体であって、
前記コンタクトプレートおよび前記結線部の各々は、前記第1の材料を含む、基板支持体。
【請求項5】
請求項1に記載の基板支持体であって、
前記第1の材料は、タングステン合金である、基板支持体。
【請求項6】
請求項1に記載の基板支持体であって、
前記第1の材料は、タングステン-銅合金である、基板支持体。
【請求項7】
請求項1に記載の基板支持体であって、
前記第1の材料は、約85%のタングステンおよび15%の銅からなるタングステン-銅合金である、基板支持体。
【請求項8】
請求項1に記載の基板支持体であって、
前記第1の材料は、タングステン-モリブデン合金である、基板支持体。
【請求項9】
請求項1に記載の基板支持体であって、
前記コンタクトプレートは前記第1の材料を含み、前記結線部は、前記配線の第4のCTE
から20%
の範囲内の第3のCTEを有する第2の材料を含む、基板支持体。
【請求項10】
請求項9に記載の基板支持体であって、
前記第1の材料はタングステン合金であり、前記第2の材料は銅である、基板支持体。
【請求項11】
請求項9に記載の基板支持体であって、
前記コンタクトプレートおよび前記結線部はろう付けされる、基板支持体。
【請求項12】
請求項9に記載の基板支持体であって、
前記コンタクトプレートおよび前記結線部は、銀を用いてろう付けされる、基板支持体。
【請求項13】
請求項1に記載の基板支持体であって、さらに、
前記コンタクトプレートの上部接触面に配置された複数のスペーサを備える、基板支持体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2018年9月20日出願の米国特許出願第16/136,799号に対する優先権を主張する。上記出願の全ての開示は、参照として本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、基板処理システムにおける基板支持体の熱制御素子の端子に関する。
【背景技術】
【0003】
本明細書に記載の背景技術の説明は、本開示の内容を一般的に提示するためである。現在名前が挙げられている発明者の発明は、本背景技術欄、および出願時の先行技術に該当しない説明の態様において記載される範囲で、本開示に対する先行技術として明示的にも黙示的にも認められない。
【0004】
基板処理システムは、半導体ウエハなどの基板を処理するのに用いられてよい。基板上で実施されてよいプロセスの例は、化学蒸着(CVD)、原子層堆積(ALD)、コンダクタエッチング、および/または、他のエッチングプロセス、堆積プロセス、もしくは洗浄プロセスを含むが、これらに限定されない。基板は、基板処理システムの処理チャンバ内の基板支持体(台座、静電チャック(ESC)など)の上に配置されてよい。エッチングの間、1つ以上の前駆体を含むガス混合物が処理チャンバに導入されてよく、化学反応が生じるようにプラズマが用いられてよい。
【0005】
基板支持体は、基板を支持するように配置されたセラミック層を含んでよい。例えば基板は、処理の間はセラミック層にクランプされてよい。いくつかの例では、基板支持体(例えば、セラミック層)の温度は、熱制御素子を用いて調節されてよい。
【発明の概要】
【0006】
基板処理システムにおける基板支持体の加熱素子のための接続端子は、基板支持体のセラミック層内の加熱素子のコンタクトパッドに電気接続するように構成されたコンタクトプレートを備える。結線部はコンタクトプレートから伸び、加熱素子に電力を供給するように配置された配線を受け入れ保持するように構成されている。コンタクトプレートおよび結線部の少なくとも1つは、セラミック層の第2の熱膨張係数(CTE)から20%の範囲内である第1のCTEを有する第1の材料を含む。
【0007】
他の特徴では、第1のCTEは、第2のCTEから5%の範囲内である。第1のCTEは約7.2であり、第2のCTEは約7.1である。コンタクトプレートおよび結線部の各々は、第1の材料を含む。第1の材料は、タングステン合金である。第1の材料は、タングステン-銅合金である。第1の材料は、約85%のタングステンおよび約15%の銅からなるタングステン-銅合金である。第1の材料は、タングステン-モリブデン合金である。結線部は、コンタクトプレートから下向きに伸びる垂直フィンを備え、垂直フィンは、配線を受け入れるように構成された開口部を備える。結線部は、配線を受け入れるように構成された筒状ソケットを備える。
【0008】
他の特徴では、コンタクトプレートは第1の材料を含み、結線部は、配線の第4のCTEから20%の範囲内の第3のCTEを有する第2の材料を含む。第1の材料はタングステン合金であり、第2の材料は銅である。コンタクトプレートおよび結線部は、ろう付けされる。コンタクトプレートおよび結線部は、銀を用いてろう付けされる。接続端子はさらに、コンタクトプレートの上部接触面に配置された複数のスペーサを備える。
【0009】
基板処理システムにおける基板支持体の加熱素子のための接続端子は、基板支持体のセラミック層内の加熱素子のコンタクトパッドに電気接続するように構成されたコンタクトプレートを備える。結線部はコンタクトプレートから伸び、加熱素子に電力を供給するように配置された配線を受け入れ保持するように構成されている。接続端子は、接続端子のセラミック層側から接続端子の配線側に向かって熱膨張係数(CTE)勾配を有する傾斜機能材料(FGM)を含む。
【0010】
他の特徴では、FGMのCTEは、接続端子のセラミック層側から接続端子の配線側に向かって増加する。FGMは、接続端子のセラミック層側で第1のCTEを有し、接続端子の配線側で第2のCTEを有する。第1のCTEは、セラミック層の第3のCTEから20%の範囲内であり、第2のCTEは、配線の第4のCTEから20%の範囲内である。FGMは、タングステン、ならびに、銅およびモリブデンの少なくとも1つを含む。
【0011】
本開示のさらなる適用分野は、発明を実施するための形態、特許請求の範囲、および図面から明らかになるだろう。発明を実施するための形態および特定の例は説明の目的のみを意図し、本開示の範囲を限定する意図はない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本開示は、発明を実施するための形態および添付の図面からより深く理解されるだろう。
【0013】
【
図1】本開示による例示的な処理チャンバの機能ブロック図。
【0014】
【
図2A】本開示の原理による接続端子を備える例示的な基板支持体。
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
図面では、類似のおよび/または同一の要素を特定するために参照番号は繰り返し用いられてよい。
【発明を実施するための形態】
【0019】
基板処理システムは、基板支持体に配置された複数の加熱素子(例えば、マクロ熱制御素子(TCE)および/またはマイクロ熱制御素子(TCE))に接続された温度コントローラを備えてよい。例えば、複数のTCEは基板支持体のセラミック層に配置されてよい。温度コントローラは複数の加熱素子を制御して、基板支持体上に配置された基板の温度を制御するように基板支持体の温度を調節する。
【0020】
配線は、加熱素子を制御するために外部電源から電流を供給する。例えのみでは、電源は、高電流のAC電源またはDC電源(マクロTCEについて5~10kW、マイクロTCEについて1~5kWなど)に相当してよい。いくつかの例(例えば、マクロTCEについて)では、配線は、接続端子およびコンタクトパッドを用いてそれぞれの加熱素子に接続されてよい。他の例(例えば、マイクロTCEについて)では、配線は、それぞれの加熱素子のコンタクトパッドに直接はんだ付けされてよい。例えのみでは、コンタクトパッドは、セラミックの底面上および/または底面内に配置される。
【0021】
接続端子は、コンタクトパッドを介して配線と加熱素子との間に低い電気抵抗を有する界面を提供する。いくつかの例では、接続端子は銅、銀めっき銅などを含む。コンタクトパッドは、ニッケルめっきされてよい。通常、接続端子はコンタクトパッドに手動ではんだ付けされ、配線は接続端子にはんだ付けされる。配線、接続端子、およびコンタクトパッドの間の接続は、不具合を引き起こす、ならびに/または、基板支持体の信頼性および寿命の低下を引き起こす様々な問題の影響を受けやすいかもしれない。
【0022】
例えば、接続端子およびセラミック層のそれぞれの熱膨張係数(CTE)は異なってよい。従って、セラミック層の温度を上昇させるために加熱素子が加熱されるにつれて、セラミック層のCTEと接続端子のCTEとの差は、接続端子とコンタクトパッドとの間のはんだ接合部にストレスを与えて疲労させ、ひび割れ、層剥離、および電気開回路故障を引き起こす可能性がある。さらに、接続端子とコンタクトパッドとの間の接触界面は実質的に平坦なため、手動はんだ付けにおいて一貫したはんだ厚さを実現することが難しい。同様に、配線(例えば、銅線)がコンタクトパッドに直接はんだ付けされる例では、セラミック層のCTEと配線のCTEとの差は、はんだ接合部のストレスおよび疲労ならびに関連する不具合を引き起こす。
【0023】
本開示の原理による加熱素子の接続端子は、接続端子とセラミック層の間のはんだ接合部におけるストレスを低減する。例えば接続端子は、接続端子およびセラミック層のそれぞれのCTE間の差を低減するように構成されている。一例では、接続端子は、セラミック層のCTEに調整されたCTEを有する金属合金材料を含む。別の例では、接続端子は各々、異なるCTEを有する金属を含む複数部分(例えば、はんだ付けされた、または接合された複数部分)を含む。さらに別の例では、接続端子は傾斜機能材料(FGM)を含む。いくつかの例では、接続端子とセラミック層のコンタクトパッドとの接触界面は、一貫したはんだ厚さを実現するように構成されたスペーサを備える。
【0024】
このように、本開示による接続端子は、はんだ接合部のストレスを低減し、基板支持体の信頼性および全寿命を(例えば、3~5倍)増加させる。本開示の原理は、埋め込みRFファラデーシールドグリッド、クランプ電極、埋め込み温度センサ、埋め込み基板電圧センサなどを含むがこれらに限定されない、基板処理システム内の他の接続部にも実施されてよい。
【0025】
ここで
図1を参照すると、例示的な基板処理システム100が示されている。例えのみでは、基板処理システム100は、RFプラズマを用いるエッチング、および/または、他の適した基板処理を実施するのに用いられてよい。基板処理システム100は、基板処理システム100の他の構成部品を取り囲み、RFプラズマを含む処理チャンバ102を備える。基板処理チャンバ102は、上部電極104と、静電チャック(ESC)などの基板支持体106とを備える。動作の間、基板108は基板支持体106の上に配置される。例として特定の基板処理システム100およびチャンバ102が示されているが、本開示の原理は、他の種類の基板処理システムおよびチャンバ(プラズマをin-situで生成する基板処理システム、リモートプラズマの生成および(例えば、プラズマチューブ、マイクロ波チューブを用いて)供給を実施する基板処理システムなど)にも適用されてよい。
【0026】
例えのみでは、上部電極104は、プロセスガスを導入および分配するシャワーヘッド109などのガス分配装置を備えてよい。シャワーヘッド109は、処理チャンバの上面に接続された一端を有するステム部を備えてよい。基部は一般に円筒形で、処理チャンバの上面から離れた位置でステム部のもう一端から径方向外向きに伸びる。シャワーヘッドの基部の基板対向面またはフェースプレートは、プロセスガスまたはパージガスが流れる複数の穴を含む。あるいは、上部電極104は導電性プレートを備えてよく、プロセスガスは別の方法で導入されてよい。
【0027】
基板支持体106は、下部電極として機能する導電性ベースプレート110を備える。ベースプレート110は、セラミック層112を支持する。いくつかの例では、セラミック層112は、セラミックマルチゾーン加熱プレートなどの加熱層を含んでよい。セラミック層112とベースプレート110との間には、熱抵抗層114(例えば、接合層)が配置されてよい。ベースプレート110は、ベースプレート110内に冷媒を通して流すための1つ以上の冷媒流路116を備えてよい。
【0028】
RF生成システム120はRF電圧を生成し、上部電極104および下部電極(例えば、基板支持体106のベースプレート110)のいずれか一方に出力する。上部電極104およびベースプレート110のもう一方は、DC接地されてよい、AC接地されてよい、または浮遊状態であってよい。例えのみでは、RF生成システム120は、整合分配ネットワーク124によって上部電極104またはベースプレート110に供給されるRF電圧を生成するRF電圧発生器122を備えてよい。他の例では、プラズマは誘導的または遠隔的に生成されてよい。例示的目的で示されているように、RF生成システム120は容量結合プラズマ(CCP)システムに相当するが、本開示の原理は、他の適したシステム(例えのみで、トランス結合プラズマ(TCP)システム、CCPカソードシステム、リモートマイクロ波プラズマ生成供給システムなど)で実施されてもよい。
【0029】
ガス供給システム130は、1つ以上のガス源、ガス源132-1、ガス源132-2、・・・、およびガス源132-N(総称して、ガス源132)(Nはゼロより大きい整数)を備える。ガス源は、1つ以上の前駆体およびその混合物を供給する。ガス源は、パージガスを供給してもよい。気化前駆体が用いられてもよい。ガス源132は、弁134-1、弁134-2、・・・、および弁134-N(総称して、弁134)、ならびに、マスフローコントローラ136-1、マスフローコントローラ136-2、・・・、およびマスフローコントローラ136-N(総称して、マスフローコントローラ136)によってマニホルド140に接続されている。マニホルド140の出力は、処理チャンバ102に供給される。例えのみでは、マニホルド140の出力は、シャワーヘッド109に供給される。
【0030】
温度コントローラ142は、セラミック層112に配置された熱制御素子(TCE)144などの複数の加熱素子に接続されてよい。例えば加熱素子144は、マルチゾーン加熱プレートのそれぞれの区画に対応するマクロ加熱素子、および/または、マルチゾーン加熱プレートの複数の区画にわたって配置されたマイクロ加熱素子の配列を含んでよいが、これらに限定されない。温度コントローラ142は、基板支持体106および基板108の温度を制御するように複数の加熱素子144を制御するのに用いられてよい。以下により詳細に説明されるように、電流は、本開示の原理により接続端子(
図1には示されず)を介して基板支持体106の温度を制御するためにTCE144に供給される。
【0031】
温度コントローラ142は、冷媒アセンブリ146と連通して流路116を通る冷媒流を制御してよい。例えば、冷媒アセンブリ146は、冷媒ポンプおよび貯留槽を備えてよい。温度コントローラ142は、基板支持体106を冷却するために流路116を通じて冷媒を選択的に流すように冷媒アセンブリ146を操作する。
【0032】
弁150およびポンプ152は、処理チャンバ102から反応物を排出するのに用いられてよい。システムコントローラ160は、基板処理システム100の構成部品を制御するのに用いられてよい。ロボット170は、基板支持体106の上に基板を受け渡し、基板支持体106から基板を取り除くのに用いられてよい。例えばロボット170は、基板支持体106とロードロック172との間で基板を移送してよい。図では別々のコントローラとして示されているが、温度コントローラ142は、システムコントローラ160の内部に実装されてよい。いくつかの例では、セラミック層112とベースプレート110との間の接合層114の周囲に保護シール176が設けられてよい。
【0033】
基板支持体106は、エッジリング180を備える。エッジリング180は、ボトムリング184に支持されうるトップリングに相当してよい。いくつかの例では、以下により詳細に説明されるように、エッジリング180はさらに、ミドルリング(
図1には示されず)、セラミック層112の段差部などの1つ以上に支持されてよい。本開示の原理によるエッジリング180は、基板108に対して可動(例えば、垂直方向に上下に移動可能)である。例えばエッジリング180は、システムコントローラ160に応答してアクチュエータによって制御されてよい。いくつかの例では、エッジリング180は基板処理中に調節されてよい(すなわち、エッジリング180は調節可能なエッジリングであってよい)。他の例では、エッジリング180は取り外し可能であってよい(例えば、処理チャンバ102が真空下である間にエアロックを通じてロボット170を用いて)。さらに他の例では、エッジリング180は調節可能および取り外し可能の両方であってよい。
【0034】
次に
図2を参照すると、例示的な基板支持体200は、セラミック層208を支持するように構成されたベースプレート204を備える。熱抵抗層212(例えば、接合層)は、セラミック層208とベースプレート204との間に配置されてよい。エッジシール216は熱抵抗層212を取り囲み、プラズマおよび他の処理材料への暴露から熱抵抗層212を保護するように配置されてよい。セラミック層208は、処理の間は基板220を支持するように構成され、エッジリング224は、セラミック層208および基板220を取り囲む。いくつかの例では、ベースプレート204は、ベースプレート204内に冷媒を通して流すための1つ以上の冷媒流路228を備えてよい。
【0035】
セラミック層208は、加熱層232を備える。例えば、セラミック層208は、埋め込み加熱層を有するマルチゾーン加熱プレートに相当してよい。図のように、加熱層232は、マクロ加熱素子236-1およびマイクロ加熱素子236-2(総称して、加熱素子236)を備える。マクロ加熱素子236-1は、セラミック層208のそれぞれの区画に対応する。従って、マクロ加熱素子236-1は、セラミック層208のそれぞれの区画の温度を制御するように個々に制御されてよい。一方で、マイクロ加熱素子236-2は、セラミック層208の複数の区画にわたって分配された加熱素子の配列に相当する。マイクロ加熱素子236-2は、温度の不均一などを補償するために、セラミック層208の特定の位置における温度を制御するように個々に制御されてよい。
【0036】
電力(例えば、AC電力、パルス幅変調DC電力など)は、ベースプレート204の底面内部に埋め込まれた、または底面に隣接する回路基板(例えば、分電盤)240から配線244を通じて加熱素子236に供給される。例えば、配線244の第1の端(例えば、入力端)は回路基板240にはんだ付けされている。一方で、以下にさらに詳細に説明されるように、配線244の第2の端(例えば、出力端)は、セラミック層208内部の加熱素子236に直接的または間接的にはんだ付けされている。
【0037】
いくつかの例では、配線244は、
図2Bおよび
図2Cに示されるように接続端子248の内部にはんだ付けされてよい。接続端子248は次に、加熱層232内部のそれぞれの加熱素子236のコンタクトパッド252にはんだ付けされる。例えのみでは、
図2Bに示された配線244は、接続端子248を用いて1つのマクロ加熱素子236-1のコンタクトパッド252にはんだ付けされる。一方、他の例では、配線244は、
図2Dに示されるようにコンタクトパッド252に直接はんだ付けされる。例えのみでは、
図2Dに示された配線244は、接続端子248の1つを用いることなく1つのマイクロ加熱素子236-2のコンタクトパッド252に直接はんだ付けされる。
【0038】
図2B、
図2C、および
図2Dの例では、セラミック層208、配線244、接続端子248、コンタクトパッド252などは異なるCTEを有するため、動作中に(例えば、加熱素子236を用いてセラミック層208の温度を制御した結果としての)セラミック層208の温度変化に応答して、異なる比率で膨張し接触する。例えば、セラミック層208のCTEは、配線244、接続端子248、およびはんだ材のCTEと比べて比較的低くてよい。従って温度変化は、はんだ材のストレスおよび疲労を引き起こし、結果的にはんだ材のひび割れ、ならびに、コンタクトパッド252からの配線244および/または接続端子248の断線につながる。
【0039】
次に
図3A、
図3B、
図3C、
図3D、および
図3Eを参照すると、本開示による例示的な接続端子300が示されている。接続端子300は、コンタクトプレート304および結線部(例えば、垂直フィン)308を備える。コンタクトプレート304は一般に平坦であり、円形(図のように)、卵形、長方形などであってよい。図のように結線部308は、コンタクトプレート304によって規定された平面に垂直方向に伸び、スルーホールまたは開口部312を含む。開口部312(図のように円形であってよい)は、
図3Bに示されるように配線316の一端を受け入れるように配置される。いくつかの例では、配線316は開口部312に圧着されてよい。開口部312内部に配線316を保持し、配線316を接続端子300に電気接続するために、はんだ320が付与される。
【0040】
接続端子300は、コンタクトプレート304の上部接触面328に配置された1つ以上のスタンドオフまたはスペーサ(例えば、突起部)324を備える。例えば、
図2Bおよび
図2Cに示された例では、接続端子248とコンタクトパッド252との間の接触界面は実質的に平坦であり、手動はんだ付けにおいて一貫したはんだ厚さを実現することが難しい。不均一なはんだ厚さは、接続端子248とコンタクトパッド252との間の不適切な電気接続、コンタクトパッド252に対する接続端子248の傾き、厚すぎるまたは薄すぎるはんだ接合部、などを引き起こす可能性がある。本開示の原理によるスペーサ324は、
図3Eに示されるように、接触面328とコンタクトパッド336との間のはんだ接合部332の均一で所望の厚さを確実にする。例えば、スペーサ324の高さは、接触面328とコンタクトパッド336との間のギャップ340の厚さを決定する。例えのみでは、はんだ320および/またははんだ接合部332は、スズ、銀、スズ-銀合金などを含む。
【0041】
接続端子300は、セラミック層344のCTEに一致する(例えば、20%
の範囲内)ように調整されたCTEで構成された材料からなる。いくつかの例では、接続端子300のCTEは、セラミック層344のCTE
から5%
の範囲内になるように調整される。例えば、
図2A、
図2B、
図2C、および
図2Dに示されるように、セラミック層208は、99%以上の酸化アルミニウム(Al2O3)などのアルミナ材料からなってよく、約7.1(例えば、+/-0.5)のCTEを有する。一方で、配線244および接続端子248は通常、約17.2(例えば、+/-0.5)のCTEを有するほぼ100%の銅(Cu)からなる。従って、セラミック層208の温度変化は、セラミック層208および接続端子248において大きく異なる膨張率をもたらし、はんだ接合部の不具合を引き起こす。反対に、本開示の原理による接続端子300は、セラミック層344のCTEにより近く一致する(例えば、20%
の範囲内)CTEを有する。いくつかの例では、接続端子300のCTEは、セラミック層344のCTE
から5%
の範囲内になるように調整される。
【0042】
例えば、接続端子300は、約7.2(例えば、+/-0.5)のCTEを有する銅-タングステン(Cu-W)合金を含む。例えのみでは、接続端子300は、約85%(例えば、+/-5%)のタングステンおよび約15%(例えば、+/-5%)の銅を含む。一例では、Cu-W合金は、多孔質のタングステンマトリクス構造に溶け込んだ銅を含む。合金中の銅に対するタングステンの比率は、所望の導電率、熱伝導率、表面めっき特性およびはんだ付け特性、ならびに機械加工性を実現するように選択されてよい。さらに、合金は非磁性である。他の例では、接続端子300は、約7.2(例えば、+/-0.5)のCTEを有するW-モリブデン(Mo)を含む。このようにして、セラミック層344および接続端子300の熱膨張率間の差は最小になる。いくつかの例では、接続端子300は、金属間成長を最小限にするために(例えば、銀めっきの代わりにニッケルめっきを用いて)めっきされてよい。例えば、ニッケルめっきは5.0~10μmの厚さを有してよい。
【0043】
従って、
図3Eに示されるように、接続端子300は、スペーサ324によって決定された所望の均一な厚さを有するはんだ接合部332によってコンタクトパッド336にはんだ付けされている。配線316は、ベースプレート348および接合層352を通って配索され、結線部308の開口部312の内部に圧着およびはんだ付けされる。セラミック層344および接続端子300のCTE間の差は、上記のように最小であるため、はんだ320およびはんだ接合部332が曝される、熱膨張によって生じるストレスはより少なくなる。さらに、配線316は開口部312の内部に圧着されているため、配線316と接続端子300との間の電気接続は、はんだ320の不具合の場合でも維持されうる。このように、接続端子300の寿命、およびそれによる基板支持体の寿命は、大幅に増加する。
【0044】
図3Cは、接続端子300の一例を示す。例えのみでは、
図3Cの接続端子300は、マクロ加熱素子236-1に接続するように構成されてよい。一方で、
図3Dの接続端子300は、マイクロ加熱素子236-2に接続するように構成されてよい。この例では、
図3Dの接続端子300は、
図3Cの接続端子300に対して低減した寸法(例えば、より小さい開口部312、より狭い幅を有する結線部308、より小さい直径を有するコンタクトプレート304など)を有してよい。いくつかの例では、
図3Dの接続端子300は、配線316のより固い圧着を可能にし、その結果低減した幅のはんだ320が可能になるように結線部308の両側に溝356を備える。従って、基板支持体200は、マクロ加熱素子236-1に接続するための
図3Cの接続端子300の配列、および、マイクロ加熱素子236-2に接続するための
図3Dの接続端子300の配列を備えてよい。
【0045】
次に
図4A、
図4B、および
図4Cを参照すると、本開示による別の例示的な接続端子400が示されている。接続端子400は、コンタクトプレート404および結線部(例えば、筒状ソケット)408を備える。コンタクトプレート404は一般に平坦であり、円形(図のように)、卵形、長方形などであってよい。図のように結線部408は、コンタクトプレート404によって規定された平面に垂直方向に伸び、下向き開口部412を備える。開口部412(図のように円形であってよい)は、
図4Bに示されるように、配線416の一端を受け入れるように配置されている。はんだ420は、結線部408の内部に配線416を保持し、配線416を接続端子400に電気接続するために付与される。いくつかの例では、結線部408は配線416の周りに圧着されてよい。
【0046】
接続端子400は、
図3Aで上述したスペーサ324に類似する1つ以上のスタンドオフまたはスペーサ(例えば、突起部)424を備えてよい。スペーサ424は、
図4Cに示されるように、接続端子400とコンタクトパッド436との間に均一で所望の厚さのはんだ接合部432の一部を確保する。例えのみでは、はんだ420および/またははんだ接合部432は、スズ、銀、スズ-銀合金などを含む。
【0047】
接続端子400は、バイメタル構造を備えてよい。例えば、コンタクトプレート404は第1の金属または第1の金属合金を含み、結線部408は第2の金属または第2の金属合金を含んでよい。第1の金属および第2の金属は、異なるCTEを有する。例えば、コンタクトプレート404の第1の金属は、セラミック層444のCTEと一致する(例えば、いくつかの例では20%の範囲内、他の例では5%の範囲内)ように選択された第1のCTEを有する。一方で、結線部408の第2の金属は、配線416のCTEと一致する(例えば、いくつかの例では20%の範囲内、他の例では5%の範囲内)ように選択された第2のCTEを有する。
【0048】
一例では、コンタクトプレート404は、タングステンまたはタングステン合金(例えば、少なくとも85%のタングステンおよび15%以下の銅)を含み、結線部は、銅または銅合金(例えば、少なくとも85%の銅および15%以下のタングステン)を含む。従って、コンタクトプレート404のCTEは、コンタクトプレート404のCTEがセラミック層444のCTEにより近く一致する(例えば、いくつかの例では20%の範囲内、他の例では5%の範囲内)ように、および、結線部408のCTEが配線416(100%の銅を含んでよい)のCTEにより近く一致する(例えば、いくつかの例では20%の範囲内、他の例では5%の範囲内)ように、結線部408のCTEよりも小さい。コンタクトプレート404および結線部408のそれぞれの接触面のCTEは、セラミック層444および配線416により近く一致するため、はんだ420およびはんだ結合部432の内部でストレスを引き起こす熱膨張差はさらに最小化される。
【0049】
コンタクトプレート404および結線部408は、焼結、ろう付けなどのプロセスを用いて接合されてよい。図のように、コンタクトプレート404および結線部408は、ろう付け技術を用いて接続されている。例えば、ろう付けは、ろう付け接合部に448よってコンタクトプレート404を結線部408に接合するのに用いられる。例えのみでは、ろう付け接合部448は銀(Ag)からなり、20~30μmの厚さを有する。一例では、まずバイメタル構造が(例えば、銀を用いてタングステン-銅合金を銅にろう付けすることで)形成され、次に接続端子400に機械加工されてよい。別の例では、コンタクトプレート404および結線部408は別々に形成および機械加工され、それからろう付けされてよい。接続端子400全体は、ニッケルめっきされてよい。いくつかの例では、コンタクトプレート404および結線部408は、ろう付けされる前にニッケルめっきされる。銀ろう付け接合部448を含む接続端子400は、ろう付けに続いて再びニッケルめっきされてよい。
【0050】
別の例では、接続端子400は、一定のCTE勾配(すなわち、接続端子400のセラミック層側から配線側に向かって減少するCTE)を有する材料を含んでよい。例えば、接続端子400は傾斜機能材料(FGM)を含んでよい。一例では、接続端子400は傾斜機能タングステン-銅材料を含む。銅に対するタングステンの比率は、接続端子のセラミック層側から配線側に向かって減少してよい(例えば、85:15のタングステン:銅の比率から100:0の銅:タングステンの比率)。傾斜機能材料が最初に形成され(例えば、ブロックとして)、次に接続端子400に機械加工されてよい。
【0051】
図4A~
図4Cの例に記載の原理は、
図3A~
図3Eの接続端子300にも適用されてよい。例えば、接続端子300は、バイメタル構造、FGM構造などを備えてよい。同様に、接続端子400の結線部408は、
図3A~
図3Eに記載されたように、スルーホールまたは開口部312を含む垂直フィンとして構成されてよい。
【0052】
上述の説明は本質的に単なる例示であり、本開示、その適用、または使用を限定する意図はない。本開示の広義の教示は、様々な形態で実施することができる。よって、本開示は特定の例を含むが、図面、明細書、以下の特許請求の範囲を検討すると他の変形が明らかになるため、本開示の真の範囲はそれほど限定されるべきでない。方法における1つ以上の工程は、本開示の原理を変更することなく異なる順番で(または、同時に)実行してよいことを理解されたい。さらに、各実施形態は特定の特徴を有するように上述されているが、本開示のあらゆる実施形態に関して記載された1つ以上のこれらの特徴は、他の実施形態において、および/または、他の実施形態の特徴と組み合わせて(その組み合わせが明記されていないとしても)実施できる。つまり、記載の実施形態は相互に排他的ではなく、1つ以上の実施形態を互いに並べ替えることは本開示の範囲内である。
【0053】
要素間(例えば、モジュール間、回路素子間、半導体層間など)の空間的および機能的関係は、「接続された」、「係合された」、「結合された」、「隣接する」、「近接する」、「上に」、「上方」、「下方」、および「配置された」を含む様々な用語を用いて説明される。上記の開示において第1の要素と第2の要素との関係が説明されるときは、「直接的」であると明記されない限り、その関係は、第1の要素と第2の要素との間に他の要素が介在しない直接的関係でありうるが、第1の要素と第2の要素との間に(空間的または機能的に)1つ以上の介在要素が存在する間接的関係でもありうる。本明細書では、A、B、およびCのうちの少なくとも1つという表現は、非排他的論理、OR、を用いる論理(A OR B OR C)を意味すると解釈されるべきであり、「Aのうちの少なくとも1つ、Bのうちの少なくとも1つ、およびCのうちの少なくとも1つ」を意味すると解釈されるべきではない。
【0054】
いくつかの実施形態では、コントローラは、上記の例の一部でありうるシステムの一部である。かかるシステムは、処理ツール、チャンバ、処理用プラットフォーム、および/または、特定の処理部品(ウエハ台座、ガス流システムなど)を含む半導体処理装置を含みうる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後の動作を制御するための電子機器と統合されてよい。電子機器は、システムの様々な部品または副部品を制御しうる「コントローラ」を意味してよい。コントローラは、処理条件および/またはシステムの種類に応じて、プロセスガスの供給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、高周波(RF)生成器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体供給設定、位置動作設定、ツールおよび他の搬送ツールに対するウエハ搬入出、ならびに/または、特定のシステムに接続もしくは結合されたロードロックに対するウエハ搬入出など、本開示に記載のプロセスを制御するようにプログラムされてよい。
【0055】
概してコントローラは、命令を受信し、命令を発行し、動作を制御し、洗浄動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどの様々な集積回路、ロジック、メモリ、および/または、ソフトウェアを有する電子機器として定義されてよい。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェア形式のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されるチップ、および/または、プログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行する1つ以上のマイクロプロセッサもしくはマイクロコントローラを含んでよい。プログラム命令は、様々な個別設定(または、プログラムファイル)の形式でコントローラに伝達される命令であって、特定のプロセスを半導体ウエハ上でもしくは半導体ウエハ向けに、またはシステムに対して実行するための動作パラメータを定義してよい。いくつかの実施形態では、動作パラメータは、1つ以上の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、および/または、ウエハダイの製造中における1つ以上の処理工程を実現するために、プロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、コントローラは、システムと統合もしくは結合された、そうでなければシステムにネットワーク接続された、もしくはこれらが組み合わされたコンピュータの一部であってよく、またはそのコンピュータに結合されてよい。例えば、コントローラは、ウエハ処理のリモートアクセスを可能にする「クラウド」内にあってよい、またはファブホストコンピュータシステムの全てもしくは一部であってよい。コンピュータは、システムへのリモートアクセスを可能にして、製造動作の進捗状況を監視し、過去の製造動作の経歴を調査し、複数の製造動作から傾向または実施の基準を調査して、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に続く処理工程を設定し、または、新しいプロセスを開始してよい。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ローカルネットワークまたはインターネットを含みうるネットワークを通じて、プロセスレシピをシステムに提供できる。リモートコンピュータは、次にリモートコンピュータからシステムに伝達されるパラメータおよび/もしくは設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインタフェースを含んでよい。いくつかの例では、コントローラは、1つ以上の動作中に実施される各処理工程のパラメータを特定するデータ形式の命令を受信する。パラメータは、実施されるプロセスの種類、および、コントローラが接続するまたは制御するように構成されたツールの種類に固有であってよいことを理解されたい。よって、上述のようにコントローラは、例えば互いにネットワーク接続する1つ以上の別々のコントローラを含むことと、本明細書に記載のプロセスや制御などの共通の目的に向けて協働することとによって分散されてよい。かかる目的で分散されたコントローラの例は、遠隔に(例えば、プラットフォームレベルで、または、リモートコンピュータの一部として)設置され、協働してチャンバにおけるプロセスを制御する1つ以上の集積回路と連通する、チャンバ上の1つ以上の集積回路だろう。
【0057】
制限するのではなく、例示のシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはプラズマエッチングモジュール、堆積チャンバまたは堆積モジュール、スピンリンスチャンバまたはスピンリンスモジュール、金属めっきチャンバまたは金属めっきモジュール、洗浄チャンバまたは洗浄モジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはベベルエッジエッチングモジュール、物理蒸着(PVD)チャンバまたはPVDモジュール、化学蒸着(CVD)チャンバまたはCVDモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはALDモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはALEモジュール、イオン注入チャンバまたはイオン注入モジュール、トラックチャンバまたはトラックモジュール、ならびに、半導体ウエハの製作および/もしくは製造において関連もしくは使用しうる他の半導体処理システムを含んでよい。
【0058】
上述のように、ツールによって実施されるプロセス工程に応じて、コントローラは、他のツール回路もしくはモジュール、他のツール部品、クラスタツール、他のツールインタフェース、隣接するツール、近接するツール、工場全体に設置されたツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または、半導体製造工場においてツール位置および/もしくはロードポートに対してウエハ容器を搬入出する材料搬送に用いられるツール、のうちの1つ以上と連通しうる。
本発明は、たとえば、以下のような態様で実現することもできる。
適用例1:
基板処理システムにおける基板支持体の加熱素子のための接続端子であって、
コンタクトプレートであって、前記基板支持体のセラミック層内の前記加熱素子のコンタクトパッドと電気接続するように構成されたコンタクトプレートと、
前記コンタクトプレートから伸びる結線部であって、前記加熱素子に電力を供給するように配置された配線を受け入れ保持するように構成された結線部と、を備え、
前記コンタクトプレートおよび前記結線部の少なくとも1つは、前記セラミック層の第2の熱膨張係数(CTE)から20%の範囲内である第1のCTEを有する第1の材料を含む、接続端子。
適用例2:
請求項1の接続端子であって、
前記第1のCTEは、前記第2のCTEから5%の範囲内である、接続端子。
適用例3:
請求項1の接続端子であって、
前記第1のCTEは約7.2であり、前記第2のCTEは約7.1である、接続端子。
適用例4:
請求項1の接続端子であって、
前記コンタクトプレートおよび前記結線部の各々は、前記第1の材料を含む、接続端子。
適用例5:
請求項1の接続端子であって、
前記第1の材料は、タングステン合金である、接続端子。
適用例6:
請求項1の接続端子であって、
前記第1の材料は、タングステン-銅合金である、接続端子。
適用例7:
請求項1の接続端子であって、
前記第1の材料は、約85%のタングステンおよび15%の銅からなるタングステン-銅合金である、接続端子。
適用例8:
請求項1の接続端子であって、
前記第1の材料は、タングステン-モリブデン合金である、接続端子。
適用例9:
請求項1の接続端子であって、
前記結線部は、前記コンタクトプレートから下向きに伸びる垂直フィンを備え、前記垂直フィンは、前記配線を受け入れるように構成された開口部を含む、接続端子。
適用例10:
請求項1の接続端子であって、
前記結線部は、前記配線を受け入れるように構成された筒状ソケットを備える、接続端子。
適用例11:
請求項1の接続端子であって、
前記コンタクトプレートは前記第1の材料を含み、前記結線部は、前記配線の第4のCTEから20%の範囲内の第3のCTEを有する第2の材料を含む、接続端子。
適用例12:
請求項11の接続端子であって、
前記第1の材料はタングステン合金であり、前記第2の材料は銅である、接続端子。
適用例13:
請求項11の接続端子であって、
前記コンタクトプレートおよび前記結線部はろう付けされる、接続端子。
適用例14:
請求項11の接続端子であって、
前記コンタクトプレートおよび前記結線部は、銀を用いてろう付けされる、接続端子。
適用例15:
請求項1の接続端子であって、さらに、
前記コンタクトプレートの上部接触面に配置された複数のスペーサを備える、接続端子。
適用例16:
基板処理システムにおける基板支持体の加熱素子のための接続端子であって、
コンタクトプレートであって、前記基板支持体のセラミック層内の前記加熱素子のコンタクトパッドに電気接続するように構成されたコンタクトプレートと、
前記コンタクトプレートから伸びる結線部であって、前記加熱素子に電力を供給するように配置された配線を受け入れ保持するように構成された結線部と、を備え、
前記接続端子は、前記接続端子のセラミック層側から前記接続端子の配線側に向かって熱膨張係数(CTE)勾配を有する傾斜機能材料(FGM)を含む、接続端子。
適用例17:
請求項16の接続端子であって、
前記FGMのCTEは、前記接続端子の前記セラミック層側から前記接続端子の前記配線側に向かって増加する、接続端子。
適用例18:
請求項16の接続端子であって、
前記FGMは、前記接続端子の前記セラミック層側では第1のCTEを有し、前記接続端子の前記配線側では第2のCTEを有し、前記第1のCTEは、前記セラミック層の第3のCTEから20%の範囲内であり、前記第2のCTEは、前記配線の第4のCTEから20%の範囲内である、接続端子。
適用例19:
請求項16の接続端子であって、
前記FGMは、タングステン、ならびに、銅およびモリブデンの少なくとも1つを含む、接続端子。