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  • 特許-地中状態観測装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-26
(45)【発行日】2023-05-09
(54)【発明の名称】地中状態観測装置
(51)【国際特許分類】
   G01V 5/04 20060101AFI20230427BHJP
   G01T 1/00 20060101ALI20230427BHJP
   G01T 1/18 20060101ALI20230427BHJP
【FI】
G01V5/04
G01T1/00
G01T1/18 D
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018222565
(22)【出願日】2018-11-28
(65)【公開番号】P2020085732
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-10-12
(73)【特許権者】
【識別番号】504137912
【氏名又は名称】国立大学法人 東京大学
(73)【特許権者】
【識別番号】516124579
【氏名又は名称】ウィグナー リサーチ センター フォー フィジックス オブ ザ ハンガリアン アカデミー オブ サイエンス
【氏名又は名称原語表記】WIGNER Research Center for Physics of the Hungarian Academy of Science
【住所又は居所原語表記】H-1121 Budapest, Konkoly T. M. u. 29-33., Hungary
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 宏幸
(72)【発明者】
【氏名】ラスロ・オラ
(72)【発明者】
【氏名】末永 弘
(72)【発明者】
【氏名】宮川 公雄
(72)【発明者】
【氏名】デッソ・ヴァルガ
(72)【発明者】
【氏名】ゲルゴ・ハマー
(72)【発明者】
【氏名】宮本 伸一
(72)【発明者】
【氏名】長藤 延幸
【審査官】櫃本 研太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-126407(JP,A)
【文献】特開2017-198482(JP,A)
【文献】特開2015-075334(JP,A)
【文献】特開2013-156099(JP,A)
【文献】特開2016-004024(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0060686(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01V 1/00-99/00
G01T 1/00-7/12
G01N 23/00-23/2276
JSTPlus/JST7580/JSTChina(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地中に配置され、ミュオンを用いて地中の状態を観測する地中状態観測装置であって、
扁平面に等間隔に配列した複数のワイヤーによりミュオンを検出する矩形形状の複数のガス検出器と、各ガス検出器の間に配置された鉛板による放射線シールドと、を備える複数の観測部を有し、
前記複数の観測部は、一列に隣接して配置されており、且つ、少なくとも1つの観測部における前記ガス検出器の扁平面の中心からの法線と他の観測部における前記ガス検出器の扁平面の中心からの法線とがねじれの位置となるように配置され、更に、同一の収納ケースに収納されている、
地中状態観測装置。
【請求項2】
請求項1記載の地中状態観測装置であって、
前記複数の観測部は、前記ガス検出器の扁平面が90度だけ異なるように配置された2つの観測部である、
地中状態観測装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の地中状態観測装置であって、
前記収納ケースは、円筒形状に形成されている、
地中状態観測装置。
【請求項4】
請求項3記載の地中状態観測装置であって、
前記複数の観測部は、前記ガス検出器の扁平面が前記収納ケースの軸に平行になるように前記収納ケースに収納されている、
地中状態観測装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地中状態観測装置に関し、詳しくは、地中に配置され、ミュオンを用いて地中の状態を観測する地中状態観測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の技術としては、ボーリング孔に挿入して地層の密度分布を検出する検層装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この検層装置では、ミュオンの衝突により発光する一対のシンチレータと一致のシンチレータで挟持されるように配置した板状の変形抑制部材とからなる検出部を長手方向が軸方向となるように円筒状の筒ケースに収納し、モータにより検出部が筒ケース内で軸回りに回転できるように構成されている。そして、一対のシンチレータにより検出された一対の検出位置と検出部の回転角とに基づいてミュオンの飛来方向を特定している。
【0003】
また、ミュオンを用いて巨大物体の内部イメージを観測するミュオグラフィ観測システムに用いられるミュオン検出装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。この装置では、扁平面に等間隔に配列した複数のワイヤーによりミュオンを検出する複数のガス検出器と、ステンレス製のケースに鉛の板材を収納してなる放射線シールドと、設置器と、を備えている。設置器は、所定間隔で扁平面が平行になるように配置されて複数のガス検出器の各々を着脱可能な複数の検出器用ソケットと検出器用ソケットの間に配置されて放射線シールドを着脱可能なシールド用ソケットとが組み立て分解自在の複数の部材により構成されている。これにより、設置すべき場所へのアクセスが困難な場合でも、設置器を分解した状態で設置すべき場所に運んで組み立てることができるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-126407号公報
【文献】特開2017-198482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の検層装置では、シンチレータを用いているから、電磁シャワー(主に荷電電子e-,e+)により2つのシンチレータ検出器の2点が同時検出されると、その2点を結んだ直線上をミュオンが透過したとして誤って検出する場合が生じる。また、検出部をモータにより回転させるから、装置の構成が複雑なものとなり、検出可能なミュオンの数を制限してしまう。
【0006】
一方、上述のミュオン検出装置では、大きな体格を有するため、巨大物体の内部イメージを観測する場合には適していても、地中に配置して地中の状態を観測するには不向きである。
【0007】
本発明の地中状態観測装置は、小型で精度よく簡易な構成で地中の状態を観測することができる装置を提案することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の地中状態観測装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0009】
本発明の地中状態観測装置は、
地中に配置され、ミュオンを用いて地中の状態を観測する地中状態観測装置であって、
扁平面に等間隔に配列した複数のワイヤーによりミュオンを検出する矩形形状の複数のガス検出器と、各ガス検出器の間に配置された鉛板による放射線シールドと、を備える複数の観測部を有し、
前記複数の観測部は、一列に、且つ、少なくとも1つの観測部における前記ガス検出器の扁平面の中心からの法線と他の観測部における前記ガス検出器の扁平面の中心からの法線とがねじれの位置となるように配置されている、
ことを特徴とする。
【0010】
この本発明の地中状態観測装置では、扁平面に等間隔に配列した複数のワイヤーによりミュオンを検出する矩形形状の複数のガス検出器と、各ガス検出器の間に配置された鉛板による放射線シールドと、を備える複数の観測部を備える。ガス検出器は、一般的なシンチレータ検出器に比して空間分解能が1/10程度と小さい。このため、ミュオン検出の際にノイズとして作用する電磁シャワー(主に荷電電子e-,e+)を取り除くために必要な放射線シールド内の鉛の厚みを1/5以下にすることができる。また、ガス検出器はシンチレータ検出器に比して軽い。これらの結果、同程度の性能を有する地中状態観測装置をシンチレータ検出器を用いて構成した場合に比して、小型で精度の良いものとすることができる。また、複数の観測部を、一列に、且つ、少なくとも1つの観測部におけるガス検出器の扁平面の中心からの法線と他の観測部におけるガス検出器の扁平面の中心からの法線とがねじれの位置となるように配置する。1つの観測部では最も外側に配置されるガス検出器に通過することができる範囲が観測範囲となるが、複数の観測部をねじれの位置となるように配置することにより、より広範囲を観測範囲とすることができる。複数の観測部をねじれの位置に配置するだけでよいから、観測部を回転させる機構を有するものに比して簡易な構成とすることができ、回転角を考慮せずにミュオンの飛来方向を検出することができる。これらの結果、小型で精度よく簡易な構成で地中の状態を観測することができる。
【0011】
本発明の地中状態観測装置において、前記複数の観測部は、前記ガス検出器の扁平面が90度だけ異なるように配置された2つの観測部であるものとすることもできる。こうすれば、2つの観測部だけでよいから装置をより小型なものとすることができる。
【0012】
本発明の地中状態観測装置において、円筒形状に形成され、前記複数の観測部を収納する収納ケースを備えるものとすることもできる。こうすれば、ボーリング孔に挿入して地中の状態を観測するのに適したものとすることができる。この場合、前記複数の観測部は、前記ガス検出器の扁平面が前記収納ケースの軸に平行になるように前記収納ケースに収納されているものとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態の地中状態観測装置20の構成の概略を示す説明図である。
図2】ミュオン検出装置22の円筒形状における中心軸を通る断面を模式的に示す模式断面図である。
図3図2におけるミュオン検出装置22のA-A断面を模式的に示す模式断面図である。
図4】観測部30の外観を模式的に示す模式外観図である。
図5】ガス検出器40の一部の構成を模式的に示す構成図である。
図6図5のB-B面の断面図である。
図7】放射線シールド50の構成の概略を示す分解斜視図である。
図8】観測部30と観測領域との関係を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明を実施するための形態について説明する。図1は、実施形態の地中状態観測装置20の構成の概略を示す説明図である。実施形態の地中状態観測装置20は、地中に配置されてるミュオンの通過を検出するミュオン検出装置22と、ミュオン検出装置22による検出結果を用いて地中の状態をイメージ解析する解析装置60と、を備える。ミュオン検出装置22は、有線または無線のデータ転送リンクを介して解析装置60に接続されている。解析装置60は、図1に示すように、汎用のコンピュータにアプリケーションソフトウエアとしての地中状態解析プログラム62がインストールされたものとして構成されている。コンピュータは、図示しないCPUやROM,RAM,グラフィックプロセッサ(GPU),グラフィックメモリ(VRAM),システムバス,ハードディスクドライブ(HDD)などを備え、ハードディスクドライブに地中状態解析プログラム62などが記憶されている。地中状態解析プログラム62は、データを入力する入力モジュール64と、入力されたデータを用いて地中の状態を解析する解析モジュール66と、解析結果を出力する出力モジュール68と、によって構成されている。なお、コンピュータには、表示装置としてのディスプレイ70や、入力装置としてのキーボード72やマウス74などが接続されている。なお、地中状態解析プログラム62による地中の状態解析は、基本的には周知技術(例えば、特開2013-156099号公報に記載の技術)と同様であり、本発明の中核をなさないから、その詳細な説明は省略する。
【0015】
ミュオン検出装置22は、ボーリング孔10に挿入されるように円筒形状に構成されている。図2は、ミュオン検出装置22の円筒形状における中心軸を通る断面を模式的に示す模式断面図であり、図3は、図2におけるミュオン検出装置22のA-A断面を模式的に示す模式断面図である。ミュオン検出装置22は、図示するように、円筒形状に形成された収納ケース24と、この収納ケース24に2段に収納される2つの観測部30とを備える。図4は、観測部30の外観を模式的に示す模式外観図である。観測部30は、扁平な略正方形状に形成された4つのガス検出器40と、扁平な略正方形状に形成されて各ガス検出器40の間に配置された3つの放射線シールド50と、を備え、全体として略正六面体の形状となるように構成されている。2つの観測部30は、2つの観測部30のガス検出器40の扁平面の中心における法線がねじれの位置となると共に2つの観測部30のガス検出器40の扁平面が90度だけ異なるように、さらに、2つの観測部30のガス検出器40の扁平面が収納ケース24の中心軸に平行になるように、収納ケース24に収納されている。
【0016】
図5は、ガス検出器40の一部の構成を模式的に示す構成図であり、図6は、図5のB-B面の断面図である。なお、図5は、図6のC-C面の断面図である。ガス検出器40は、周知のガスワイヤーチャンバー(MWPC:Multi Wire Proportional Chamber)として構成されており、2つのカソードプレーン42a,42bと、2つのカソードプレーン42a.42bの略中央に平行に等間隔に配置された複数のアノードワイヤー44(1),44(2),…,44(n)と、各アノードワイヤー44(1),44(2),…,44(n)の間に配置された複数のフィールド形成ワイヤー45(1),45(2),…,45(n)と、2つのカソードプレーン42a,42b間のカソードプレーン42b側近傍に複数のアノードワイヤー44(1),44(2),…,44(n)と直交するように配置された複数の信号収集ワイヤー46(1),46(2),…,46(m)と、複数の信号収集ワイヤー46(1),46(2),…,46(m)に取りつけられた複数の信号読み出し部48と、複数のフィールド形成ワイヤー45(1),45(2),…,45(n)に接続された複数の信号読み出し部47と、により構成されている。ガス検出器40の内部空間には、アルゴン(Ar)や二酸化炭素(CO2)の不燃性で無毒の混成ガスが充填されている。このガス検出器40では、単一のシグナルで2方向(x方向とy方向)の検出を行なうことができる。本実施形態では、ガス検出器40は、複数のアノードワイヤ44(1),44(2),…,44(n)として直径が20μmのワイヤーを用い、複数のフィールド形成ワイヤー45(1),45(2),…,45(n)として直径が100μmのワイヤーを用い、ワイヤーを等間隔で配置し、信号収集ワイヤー46(1),46(2),…,46(m)として直径が100μmのワイヤーを用いた。
【0017】
図7は、放射線シールド50の構成の概略を示す分解斜視図である。図示するように、放射線シールド50は、ステンレス製の下枠52と、ステンレス製の蓋54と、下枠52に形成された扁平な略正方形状の収納部53に収納される鉛板56とにより構成されている。
【0018】
図8は、観測部30と観測領域との関係を示す説明図である。実施形態の地中状態観測装置20におけるミュオン検出装置22は、図中領域A側および領域C側から飛来するミュオンについては、ガス検出器40の扁平面が図中水平方向と平行な観測部30(2つの観測部30のうちの一方)により検出することができ、図中領域B側および領域D側から飛来するミュオンについては、ガス検出器40の扁平面が図中垂直方向と平行な観測部30(2つの観測部30のうちの他方)により検出することができる。このため、2つの観測部30によりミュオン検出装置22の径方向における略全周から飛来するミュオンを検出することができる。
【0019】
実施形態の地中状態観測装置20では、4つのガス検出器40を等間隔に扁平面が平行になるように配置してミュオン検出装置22を構成することにより、各ガス検出器40に同時に直線上に並ばない反応点が観測されたときにはその反応点はノイズであると判別し、各ガス検出器40に同時に直線上に並ぶ反応点が観測されたときにはその反応点はミュオンによるものであると判別する。これにより、電磁シャワーなどのノイズによる誤検出を抑制することができる。
【0020】
以上説明した実施形態の地中状態観測装置20では、扁平面に等間隔に配列した4つのガス検出器40と、各ガス検出器40の間に配置された鉛板による3つの放射線シールド50とを備える2つの観測部30を備える。ガス検出器30は、シンチレータ検出器に比して空間分解能が1/10程度と小さいから、ミュオン検出の際にノイズとして作用する電磁シャワー(主に荷電電子e-,e+)を取り除くために必要な放射線シールド内の鉛の厚みを小さくすることができる。また、ガス検出器40はシンチレータ検出器に比して軽い。これらの結果、同程度の性能を有する地中状態観測装置をシンチレータ検出器を用いて構成した場合に比して、小型で精度の良いものとすることができる。また、実施形態の地中状態観測装置20では、2つの観測部30を、2つの観測部30のガス検出器40の扁平面の中心における法線がねじれの位置となると共に2つの観測部30のガス検出器40の扁平面が90度だけ異なるようにように、さらに、2つの観測部30のガス検出器40の扁平面が収納ケース24の中心軸に平行になるように、収納ケース24に収納する。これにより、ミュオン検出装置22の径方向における略全周から飛来するミュオンを検出することができる。したがって、観測部を回転させる機構を有するものに比して、簡易な構成とすることができ、回転角を考慮せずにミュオンの飛来方向を検出することができる。これらの結果、小型で精度よく簡易な構成で地中の状態を観測することができる。
【0021】
実施形態の地中状態観測装置20では、2つの観測部30を、2つの観測部30のガス検出器40の扁平面の中心における法線がねじれの位置となると共に2つの観測部30のガス検出器40の扁平面が90度だけ異なるように、さらに、2つの観測部30のガス検出器40の扁平面が収納ケース24の中心軸に平行になるように、収納ケース24に収納するものとした。しかし、3つ以上の観測部30を収納ケースに収納するものとしてもよい。3つの観測部30を収納する場合には3つの観測部30のガス検出器40の扁平面が60度だけ異なるようにように3段に配置すればよいし、3つの観測部30を収納する場合には、4つの観測部30のガス検出器40の扁平面が45度だけ異なるようにように4段に配置すればよい。
【0022】
実施形態の地中状態観測装置20では、ミュオン検出器22をボーリング孔に挿入するものとしたが、ミュオン検出器22をボーリング孔に挿入せず、地中に設置するものとしてもよい。この場合、収納ケース24の形状は円筒形状に限られず、矩形形状であってもよい。
【0023】
実施形態の地中状態観測装置20におけるミュオン検出装置22では、4つのガス検出器40を等間隔に扁平面が平行になるように配置するものとしたが、扁平面が平行になるように配置すればよいから、等間隔に配置しないものとしても構わない。また、ガス検出器40の数も4個に限定されるものではなく、3個以下でもよいし5個以上でも構わない。
【0024】
実施形態の地中状態観測装置20におけるミュオン検出装置22では、鉛板56をステンレス製の下枠52および蓋54により収納するものとしたが、下枠52や蓋54は、ステンレスによって形成されていることに限定されるものではなく、他の金属材料により形成されているものとしてもよいし、硬化プラスチックなどにより形成されているものとしてもよい。
【0025】
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は、地中状態観測装置の製造産業などに利用可能である。
【符号の説明】
【0027】
20 地中状態観測装置、22 ミュオン検出装置、24 収納ケース、30 観測部、40 ガス検出器、42a,42b カソードプレーン、44(1),44(2),…,44(n) アノードワイヤー、45(1),45(2),…,45(n) フィールドワイヤー、47 信号読み出し部、48 信号読み出し部、50 放射線シールド、52 下枠、53 収納部、54 蓋、56 鉛板、60 解析装置、62 地中状態解析プログラム、64 入力モジュール、66 解析モジュール、68 出力モジュール、70 ディスプレイ、72 キーボード、74 マウス。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8