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特許7269947周波数発生器の共通した励起のための方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-26
(45)【発行日】2023-05-09
(54)【発明の名称】周波数発生器の共通した励起のための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/46 20060101AFI20230427BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20230427BHJP
   C23C 16/505 20060101ALI20230427BHJP
【FI】
H05H1/46 R
H01L21/302 101C
C23C16/505
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020545186
(86)(22)【出願日】2019-02-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-17
(86)【国際出願番号】 US2019019361
(87)【国際公開番号】W WO2019168777
(87)【国際公開日】2019-09-06
【審査請求日】2022-02-02
(31)【優先権主張番号】15/908,065
(32)【優先日】2018-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100101502
【弁理士】
【氏名又は名称】安齋 嘉章
(72)【発明者】
【氏名】ルレー ギャリ―
【審査官】中尾 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-310245(JP,A)
【文献】特開2011-216369(JP,A)
【文献】特開2013-054856(JP,A)
【文献】特開2014-239029(JP,A)
【文献】特開2017-079127(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0224321(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0130354(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0018593(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H 1/46
H01L 21/3065
C23C 16/505
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高周波(RF)電力を処理チャンバに供給する方法であって、
第1RF発生器で基準周波数を生成する工程と、
第1RF電力出力の第1出力周波数が基準周波数と異なるとき、第1RF発生器の第1RF電力出力を基準周波数から分離する工程と、
第2RF発生器により、第1RF発生器からの基準周波数を受信する工程と、
第2RF電力出力の第2出力周波数が基準周波数と同期していないとき、第2RF発生器の第2RF電力出力を基準周波数から分離する工程を含む方法。
【請求項2】
第1出力周波数が基準周波数と同期しているとき、第1クロックランプを使用して、第1出力周波数と基準周波数を新しい基準周波数に調整する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1出力周波数が基準周波数から分離されたとき、第2出力ランプを使用して、第1出力周波数を基準周波数に調整し、第1出力周波数を基準周波数に結合する工程と、
第1出力周波数が基準周波数に同期しているとき、第1出力周波数を基準周波数に結合する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
基準周波数が時間と伴に変化するとき、複数の第2クロックランプを使用して、第1出力周波数を基準周波数に調整する工程を更に含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
更新期間の時点での基準周波数に基づいて、更新期間中に複数の第2クロックランプの別の1つに変える工程を更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
第2RF発生器により、第2RF電力出力とは無関係に、基準周波数を少なくとも第3RF発生器に出力する工程を更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項7】
第2出力周波数が基準周波数から分離されるとき、第2クロックランプを使用して、第2出力周波数を基準周波数に調整して、第2出力周波数を基準周波数に結合する工程と、
第2出力周波数が基準周波数と同期するとき、第2出力周波数を基準周波数に結合する工程を更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1セットのRF発生器を備えた少なくとも1つの処理チャンバに高周波(RF)電力を供給する方法であって、
マスターRF発生器で基準周波数を生成する工程と、
基準周波数をマスターRF発生器からスレーブRF発生器に送信する工程と、
スレーブRF電力出力とは独立して、基準周波数を再送信するようにスレーブRF発生器を構成する工程と、
マスターRF発生器のマスターRF電力出力のためのマスター出力周波数を生成する工程と、
マスターRF電力出力のマスター出力周波数が基準周波数と異なる場合、基準周波数からマスターRF発生器のマスターRF電力出力を分離する工程と、
スレーブRF電力出力のスレーブ出力周波数が基準周波数と異なる場合、基準周波数からスレーブRF発生器のスレーブRFパワー出力を分離する工程を含む方法。
【請求項9】
マスター出力周波数が基準周波数と同期しているとき、第1クロックランプを使用してマスター出力周波数と基準周波数を新しい基準周波数に調整する工程を更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
マスター出力周波数が基準周波数から分離される場合、第2クロックランプを使用してマスター出力周波数を基準周波数に調整し、マスター出力周波数を基準周波数に結合する工程と、
マスター出力周波数が基準周波数に同期するとき、マスター出力周波数を基準周波数に結合する工程を更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
処理チャンバに高周波(RF)電力を供給するための装置であって、
基準周波数とは独立して、RF電力出力のRF電力出力周波数を調整し、
RF電力出力が基準周波数からアンロックされたとき、第1クロックランプを使用してRF電力出力を基準周波数にロックし、RF電力出力のRF電力出力周波数を変更し、基準周波数に整合させるように構成されたRF電力出力を備えたRF電力発生器を備えた装置。
【請求項12】
RF電力発生器は、基準周波数を生成する第1周波数発生器と、RF電力出力周波数を生成する第2周波数発生器とを有する、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
RF電力発生器は、RF電力出力周波数が周波数チューニング又はランピングであるとき、基準周波数からRF電力出力を分離する、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
RF電力発生器は基準周波数を受領し、RF電力出力とは独立して基準周波数を出力する、請求項11に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【分野】
【0001】
本願の原理の実施形態は、一般に、半導体処理に関する。
【背景】
【0002】
半導体チャンバは、ガスプラズマを使用して半導体基板を処理することがある。プラズマは、処理中にプラズマを点火及び維持するために、高周波(RF)電源を使用して生成される。また、幾つかのチャンバは、基板にバイアスをかけるために第2RF電源を使用する。チャンバは、RF電源の後に整合ネットワークを使用して、インピーダンスをチャンバと整合させ、電力伝達効率を高める。また、RF電源は周波数チューニングを提供し、整合ネットワークのインピーダンスとの整合を支援し、より優れた電力伝達を実現する。
【0003】
基板にRFバイアス電力を供給するRF電源の周波数は、プラズマにRF電力を供給するRF電源と正確に同じであるべきである。2つの周波数が異なる場合、2つのRF電源周波数の差に等しいビート周波数でプラズマチャンバ内にビート効果が生じる。ビート効果を防ぐため、基準信号が両方のRF電源に供給され、RF電源が正確に同じ周波数で動作することを可能にする。コモンエキサイタ周波数又はCEX周波数とも呼ばれる基準周波数は、RF電源のマスター周波数発生器から、他のRF電源の1以上のスレーブ周波数発生器に提供される。しかしながら、スレーブ周波数発生器が周波数チューニングである場合、マスター周波数発生器からのCEX周波数が突然の周波数変化を引き起こし、システムを不安定にする可能性がある。更に、マスター周波数発生器はRF出力周波数をCEX周波数として送信するため、マスター周波数発生器が周波数チューニングの場合、スレーブ周波数発生器はマスター周波数発生器から常に変化する基準周波数を受信する。従って、スレーブ周波数発生器は、基準周波数に追従する時をCEXの有効化/無効化機能から通知される必要があり、システムが更に複雑になる。
従って、発明者は、マルチ発生器システムにおいてRF電力周波数を制御するための改善された方法及び装置を提供した。
【概要】
【0004】
方法及び装置は、システム基準周波数に対し、マスター又はスレーブ発生器により供給されるRFoutの独立した操作を可能にすることにより、半導体プロセスチャンバで用いられるRF電力の制御を提供する。
【0005】
幾つかの実施形態において、高周波(RF)電力を処理チャンバに供給する方法は、第1RF発生器で基準周波数を生成する工程と、第1RF電力出力の第1出力周波数が基準周波数と同期していないときに、第1RF発生器の第1RF電力出力を基準周波数から分離する工程を含む。
【0006】
幾つかの実施形態では、方法は、第1出力周波数が基準周波数と同期しているとき、第1クロックランプを使用して、第1出力周波数と基準周波数を新しい基準周波数に調整する工程と、
第1出力周波数が基準周波数から分離されたとき、第2出力ランプを使用して、第1出力周波数を基準周波数に調整し、第1出力周波数を基準周波数に結合する工程と、第1出力周波数が基準周波数に同期しているとき、第1出力周波数を基準周波数に結合する工程と、
基準周波数が時間と伴に変化するとき、複数の第2クロックランプを使用して、第1出力周波数を基準周波数に調整する工程と、
更新期間の時点での基準周波数に基づいて、更新期間中に複数の第2クロックランプの別の1つに変える工程と、
第2RF発生器により、第1RF発生器からの基準周波数を受信する工程と、第2RF電力出力の第2出力周波数が基準周波数と同期していないとき、第2RF発生器の第2RF電力出力を基準周波数から分離する工程と、
第2RF発生器により、第2RF電力出力とは無関係に、基準周波数を少なくとも第3RF発生器に出力する工程と、
第2出力周波数が基準周波数から分離されるとき、第2クロックランプを使用して、第2出力周波数を基準周波数に調整して、第2出力周波数を基準周波数に結合する工程と、第2出力周波数が基準周波数と同期するとき、第2出力周波数を基準周波数に結合する工程を含むことができる。
【0007】
幾つかの実施形態では、少なくとも1セットのRF発生器を備えた少なくとも1つの処理チャンバに高周波(RF)電力を供給する方法は、マスターRF発生器で基準周波数を生成する工程と、基準周波数をマスターRF発生器からスレーブRF発生器に送信する工程と、スレーブRF電力出力とは独立して、基準周波数を再送信するようにスレーブRF発生器を構成する工程と、マスターRF発生器のマスターRF電力出力のためのマスター出力周波数を生成する工程と、マスターRF電力出力のマスター出力周波数が基準周波数と同期していない場合、基準周波数からマスターRF発生器のマスターRF電力出力を分離する工程と、スレーブRF電力出力のスレーブ出力周波数が基準周波数と同期していない場合、基準周波数からスレーブRF発生器のスレーブRFパワー出力を分離する工程を含む。
【0008】
幾つかの実施形態では、方法は、更に、
マスター出力周波数が基準周波数と同期しているとき、第1クロックランプを使用してマスター出力周波数と基準周波数を新しい基準周波数に調整する工程と、
マスター出力周波数が基準周波数から分離される場合、第2クロックランプを使用してマスター出力周波数を基準周波数に調整し、マスター出力周波数を基準周波数に結合する工程と、マスター出力周波数が基準周波数に同期するとき、マスター出力周波数を基準周波数に結合する工程と、
スレーブ出力周波数が基準周波数から分離されるとき、第3クロックランプを使用して、スレーブ出力周波数を基準周波数に調整し、スレーブ出力周波数を基準周波数に結合する工程と、スレーブ出力周波数が基準周波数に同期するとき、スレーブ出力周波数を基準出力周波数に結合する工程を含む。
【0009】
幾つかの実施形態では、処理チャンバに高周波(RF)電力を供給するための装置は、基準周波数とは独立して、RF電力出力のRF電力出力周波数を調整し、RF電力出力が基準周波数からアンロックされたとき、第1クロックランプを使用してRF電力出力を基準周波数にロックし、RF電力出力のRF電力出力周波数を変更し、基準周波数に整合させるように構成されたRF電力出力を備えたRF電力発生器を備える。
【0010】
幾つかの実施形態では、
RF電力発生器は、基準周波数を生成する第1周波数発生器と、RF電力出力周波数を生成する第2周波数発生器とを有し、
RF電力発生器は、RF電力出力周波数が周波数チューニング又はランピングであるとき、基準周波数からRF電力出力を分離し、
基準周波数が第2クロックランプを使用して変化するとき、RF電力発生器は基準周波数を備えるRF電力出力を調整し、RF電力出力が基準周波数にロックされるとき、RF電力出力と基準周波数を変更し、
RF電力発生器は変化する周波数の周波数変化率を決定し、RF電力出力周波数を変化する基準周波数に収束するために用いられるクロックランプを定期的に更新し、
RF電力発生器は基準周波数を受領し、RF電力出力とは独立して基準周波数を出力し、
RF電力発生器は有効化/無効化コモンエキサイタ(CEX)入力なしで動作し、及び又は
RF電力発生器は、ツイン処理チャンバの他のマスター/スレーブRF周波数発生器セットにリンクして設定されたマスター/スレーブRF周波数発生器を動作させる。

【0011】
他の更なる実施形態を以下に開示する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
上記で簡潔に要約され、以下でより詳細に論じられる本原理の実施形態は、添付図面に図示される本原理の例示的な実施形態を参照することにより理解することができる。しかしながら、添付図面は、本原理の典型的な実施形態のみを示しており、従って、本原理は他の等しく有効な実施形態を含み得るため、その範囲を限定するものとは解釈されるべきではない。
図1】本原理の幾つかの実施形態による、複数のRF発生器の共通励起のための方法を実行して同期RF電力を処理チャンバに供給するのに適した処理チャンバを示す。
図2】本原理の幾つかの実施形態による、複数の周波数発生器を有するRF電力システムを示す。
図3】本原理の幾つかの実施形態による、マスター周波数発生器を制御する方法である。
図4】本原理の幾つかの実施形態による、基準信号が一定であるときにマスター周波数発生器を制御する方法を示すグラフである。
図5】本原理の幾つかの実施形態による、基準信号が変化するときにマスター周波数発生器を制御する方法を示すグラフである。
図6】本原理の幾つかの実施形態による、スレーブ周波数発生器を制御する方法である。
【0013】
理解を容易にするために、可能な場合、図に共通の同一の要素を示すために同一の参照番号が使用されている。図は縮尺どおりに描かれておらず、明確にするために簡略化されている場合がある。一実施形態の要素及び特徴は、更に詳述することなく、他の実施形態に有利に組み込むことができる。
【詳細な説明】
【0014】
処理チャンバ用の周波数発生器は、システム基準周波数から独立しているRF出力で動作することができる。RF出力をシステム基準周波数から分離することにより、周波数発生器は、システム基準周波数に影響を与えたり(マスター周波数発生器として動作している場合)、又は周波数を即座にジャンプさせてシステム基準周波数に到達させたりせずに(同期している場合)、ターゲット周波数への周波数チューニング又はランピングを実行することができる。処理チャンバのマスター周波数発生器とスレーブ周波数発生器は、システム基準周波数に通常影響を与えるシステム基準周波数から分離されると、独立して機能を実行することができる。システム基準周波数からの分離により、周波数ジャンプが減少し、RF出力をシステム基準周波数に結合又は再ロック(同期)する前に、RF出力の出力周波数をシステム基準周波数までランプアップ又はダウンさせることが可能になる。RF出力がシステム基準周波数にロックされると、RF出力はシステム基準周波数と同じ周波数になり、RF出力とシステム基準周波数の間の位相又は位相遅延が同じになる。マスター周波数発生器の場合、分離により、送信されたシステム基準周波数を安定化させることが可能になる。これは、システム基準周波数が、例えば周波数チューニング中にRF出力に追従しようとしないからである。マスター周波数発生器が出力する安定化システム基準周波数により、スレーブ周波数発生器は安定化システム基準周波数に簡単に追従することが可能になる。幾つかの実施形態では、スレーブ周波数発生器は、スレーブ周波数発生器RF出力とは独立してシステム基準周波数を再送信し、他のリンクされたスレーブ周波数発生器ためのシステム基準周波数を安定化させる。
【0015】
装置及び方法の幾つかの実施形態は、周波数発生器が基準周波数にロックされている場合、第1クロックを使用してランプ(変化率)を生成し、新しい基準周波数に変更し、第2クロックを使用して別のランプを生成し、アンロック状態からRFoutを基準周波数に再ロックすることを含む。第1クロックを使用してランプを生成する場合、ランプは第1クロックランプと呼ばれる。第2クロックを使用してランプを生成する場合、ランプは第2クロックランプと呼ばれる等である。幾つかの実施形態ではランプは線形であり、幾つかの実施形態ではランプは非線形であってもよい。幾つかの実施形態は、システム制御とは別個のマスター周波数発生器による独立制御を可能にし、どのクロックランプを実行するか、及び/又は、いつクロックランプを実行するかを決定し、処理チャンバに供給されるRF電力の安定性を高める。幾つかの実施形態は、基準周波数の現在値を定期的に決定し、RFoutが基準周波数に収束するまでクロックランプを更新し、アンロック状態からロック状態までRFoutの基準周波数への遷移を滑らかにすることにより、移動基準周波数にクロックランプする能力を組み込む。
【0016】
幾つかの実施形態では、周波数発生器はペアで、即ち、処理チャンバ内でプラズマを生成するためにRF電力を供給するマスター周波数発生器と、基板にバイアスRF電力を供給するスレーブ周波数発生器として使用することができる。図1は、幾つかの実施形態による、装置を使用するため、及び/又は、複数のRF発生器の共通励起のための方法を実行するために適した処理チャンバ100を示す。本発明の装置及び方法は、例えば、処理チャンバ100及びRF電源118又はバイアス電源122等のRF電源により提供される可変周波数を有するRF電力を利用する任意のタイプの処理チャンバで利用することができる。
【0017】
処理中、RF電源118は電力を提供し、ガス混合物150を点火し、処理チャンバ100内のプラズマ155を維持する。また、バイアス電源122はRF電力を処理チャンバに提供し、基板114をバイアスする。RF電源118及びバイアス電源122は、同一周波数(システム基準周波数)で動作するように同期され、ビート効果(同一チャンバで動作するRF電源間の周波数差)が処理チャンバ100で発生することを防止する。また、装置及び方法は、単一又は複数の周波数を有するバイアス電力を利用する任意のタイプの処理チャンバに利用されてもよい。例示的な処理チャンバは、エッチングプロセスに使用される任意の処理チャンバ(例えば、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズインコーポレイテッドから入手可能なCENTRIS(商標名)、ADVANTEDGE(商標名)又は他の処理チャンバ)を含む。他の製造業者からのものを含む他の処理チャンバを同様に使用することもできる。
【0018】
RF電源118は、RF電源118と負荷(例えば、プラズマ155)の間の最適なインピーダンスを達成することを容易にする周波数チューナ160を有することができる。また、RF電源118は、コントローラ162と、周波数調整に関連する情報(例えば、周波数、インピーダンス、及び/又は電力レベル等)を格納するためのコントローラ162を含むことができる。電源の周波数発生器が周波数チューニングの場合、周波数発生器はRF周波数設定ポイント(例えば、基準周波数等)を無視し、周波数発生器の出力で測定される反射電力を最小化し、インピーダンス整合を実現しようとする。反射電力は、通常、RF電源118により提供される順方向電力の約0%の目標に低減され、チューニングされた状態を達成する。幾つかの実施形態では、反射電力の許容可能な帯域は、チャンバ設計に応じてチューニングされた状態と考えられる。幾つかの実施形態では、情報は、RF電源118及びバイアス電源122にリンクされたコントローラ140(例えば、コントローラ140のメモリ142等)に格納することができる。処理チャンバ100は単独で利用することができ、又は、統合半導体基板処理システム又はクラスターツール(例えば、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズインコーポレイテッドから入手可能な、CENTURA(商標名)統合半導体基板処理システムのモジュール等)として利用することができる。また、適したエッチングリアクタは、アプライドマテリアルズインコーポレイテッドから入手可能なCENTRIS(商標名)SYM3(商標名)エッチング、ADVANTEDGE(商標名)エッチングリアクタライン(例えば、AdvantEdge G3又はAdvantEdge G5)、DPS(商標名)エッチングリアクタライン(例えば、DPS(商標名)、DPS(商標名)II、DPS(商標名)AE、DPS(商標名)HT、DPS(商標名)G3ポリエッチャー等)又は他のエッチングリアクタを含む。同様に、他の処理チャンバ及び/又はクラスターツールも適切に使用できる。
【0019】
処理チャンバ100は、導電性本体又は壁130内の基板支持体116(カソードを含む)及びコントローラ140を有する。処理チャンバ100は、平坦な誘電体天井120を備えることができる。代替的に、処理チャンバ100は他のタイプの天井(例えば、ドーム型の天井等)を有することができる。少なくとも1の誘導コイル要素112を含むアンテナが天井120の上に配置される(少なくとも1の誘導コイル要素112の2つの同軸要素が示される)。少なくとも1の誘導コイル要素112は、第1整合ネットワーク119を介してRF電源118に結合される。第1整合ネットワーク119は、周波数チューニング中に保持される。幾つかの実施形態では、異なるプロセスのため、異なる固定位置による、第1整合ネットワーク119が使用されてもよい。幾つかの実施形態では、RF電源118は、周波数発生器出力の約+/-5%~約+/-10%の範囲の調整可能な周波数で最大3000Wを生成することができる。例えば、13.56MHzのRF電源は、13.56MHzの約+/-5%~約+/-10%の範囲の調整可能な周波数を生成することができる。RF電源118は、RF発生器166、周波数チューナ160、及びプロセス情報を記憶するためのメモリ164を含むコントローラ162を含むことができる。幾つかの実施形態では、RF電源118はコントローラ140により制御することができる。
【0020】
基板支持体116は基板114を保持するための静電チャックを含むことができ、整合ネットワーク出力(陰極入力)125を有する第2整合ネットワーク124を介して、バイアス電源122に結合される。幾つかの実施形態では、バイアス電源122は、約13.56MHzの周波数で最大1500Wを生成することができる。バイアス電力は、連続電力でもパルス電力でもよい。幾つかの実施形態では、バイアス電源122は、DC又はパルスDC源であってもよい。幾つかの実施形態では、プローブ127を処理チャンバ100内で基板支持体116の近傍に配置することができ、処理チャンバ100内の測定(例えば、上述の基板の第1DC電圧測定)を提供する。プローブ127は処理チャンバ100の壁130に配置されたポート141を介して、処理チャンバ100外から供給することができる。幾つかの実施形態では、コントローラ129をプローブ127に結合することができ、プローブ127の測定値の記録又は表示を容易にすることができる。
【0021】
コントローラ140(例えば、システムコントローラ)は、一般に、中央処理装置(CPU)144、メモリ142、及びCPU144用のサポート回路146を含み、処理チャンバ100のコンポーネントの制御を容易にする。処理チャンバ100の制御を容易にするため、コントローラ140は、様々なチャンバ及びサブプロセッサを制御するための工業設定で使用することができる任意の形態の汎用コンピュータプロセッサの1であってもよい。CPU144のメモリ142、又はコンピュータ可読媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、フロッピーディスク、ハードディスク、ローカル又はリモートの任意の他の形式のデジタルストレージのような1以上の容易に利用可能なメモリであってもよい。サポート回路146は、プロセッサをサポートするためにCPU144に結合される。これらの回路には、キャッシュ、電源、クロック回路、入出力回路、サブシステム等が含まれる。本明細書で説明される方法は、一般に、ソフトウェアルーチンとしてメモリ142に格納される。また、ソフトウェアルーチンは、CPU144により制御されるハードウェアから離れて配置されている第2CPU(図示せず)により格納及び/又は実行されてもよい。
【0022】
処理チャンバ100の例示的な動作において、基板114が基板支持体116上に配置され、プロセスガスがガスパネル138から入口ポート126を介して供給され、ガス状混合物150を形成する。RF電源118及びバイアス電源122からの電力を基板支持体116上の少なくとも1つの誘導コイル要素112及び基板114に各々印加することにより、ガス状混合物150は処理チャンバ100内でプラズマに点火される。処理チャンバ100の内部の圧力は、スロットルバルブ131及び真空ポンプ136を使用して制御される。通常、壁130は、電気接地134に接続される。壁130の温度は、壁130を貫通する液体含有導管(図示せず)を使用して制御することができる。
【0023】
幾つかの実施形態では、基板114の温度は、基板支持体116の温度を安定させることにより制御することができる。幾つかの実施形態では、ガス源148からのガスは、ガス導管149を介して、基板114下の台座表面に形成されたチャネル(図示せず)に提供される。ガスは、基板支持体116と基板114の間の熱伝達を促進するために使用される。処理中、基板支持体116は、基板支持体116内の抵抗ヒータ(図示せず)により定常状態温度に加熱されることができ、次いで、ヘリウムガスが基板114の均一な加熱を促進する。
【0024】
図2は、図1の処理チャンバ100と共に使用することができるRF電力生成システム200を示す。RF電力生成システム200は、マスターRF出力204をマスター整合ネットワーク206に提供するマスターRF生成器202を含む。幾つかの実施形態では、RF電力生成システム200は、スレーブRF出力210をスレーブ整合ネットワーク212に提供するスレーブRF生成器208も含む。マスターRF生成器202は、基準周波数(例えば、13.56MHz)又は共通励起(CEX)出力をスレーブRF生成器208に提供し、スレーブRF生成器208は基準周波数をCEX入力として受信する。幾つかの実施形態では、マスターRF発生器202及びスレーブRF発生器208は、動作コマンド及びその他の制御を提供することができるシステムコントローラ218により制御することができる。幾つかの実施形態では、マスターRF発生器202はコントローラ220を含むことができ、これによって、マスターRF発生器202がシステムコントローラ218とは独立して動作を実行することを可能にする。例えば、コントローラ220は、どのクロックランプを使用するか、又は、いつクロックランプをアップデート/使用するかを独立して決定することができる。幾つかの実施形態では、マスターRF発生器202はRF電源118に実装することができ、スレーブRF発生器208は図1のバイアス電源122に実装することができる。マスター/スレーブの名称は、どのRF発生器が基準周波数を生成するか、及び、どのRF発生器が基準周波数を受信するかを示すために用いられる。
【0025】
一般的なチャンバプロセスでは、基準周波数(例えば、CEX OUT)は固定周波数である。発生器が周波数チューニング又は周波数ランピングされると、現在業界で行われているように、CEX OUTはマスター周波数発生器出力(例えば、RF OUT)で変化するのではなく、固定周波数として維持される。発明者は、RF OUTがCEX OUTとして使用されると、周波数チューニング又は周波数ランピングの際の変動が、CEX OUTを受信するスレーブ周波数発生器に安定性の問題を引き起こすことを発見した。CEX OUTの不安定性は、発生器周波数変化時間の増加、及び/又は、インピーダンス整合等のための不完全な発生器周波数チューニングにつながる。CEX OUTが常にジャンプする場合、インピーダンス整合が維持できず、反射電力が発生する。発明者は、RF OUTがマスター発生器のCEX OUTから独立することにより、RF発生器システムが有利により安定し、インピーダンス整合が維持され、反射電力を減少又は排除できることを見出した。
【0026】
マスター周波数発生器がアンロック状態にあるとき(RF OUTはCEX OUTに同期されていない)、マスター周波数発生器は、CEX OUTに影響を与えることなく、周波数チューン及び/又は周波数ランプを行うことができる。マスター周波数発生器がターゲット周波数に到達すると、RF OUTがロック状態でCEX OUTに同期され、潜在的な位相遅延をサポートする。時間の作用による固定周波数ランプは、CEX OUTの周波数が線形に変更されると、第1クロックランプに使用される。第1クロックランプは、システム及び/又はプロセスの最適化のため、固定周波数がスムーズに変更されるケースをサポートする。例えば、CEX OUTの変更がシステムコントローラによりコマンドされる場合、マスター周波数発生器はCEX OUTと共に新しい周波数にランプされる。次に、第1クロックランプを使用して、RF OUT周波数とCEX OUT周波数を新(ターゲット)CEX OUT周波数にスムーズに変更することができる。
【0027】
時間による可変固定周波数ランプは、周波数発生器がロック解除状態からロック状態にコマンドされるとき、第2クロックランプに使用される。第2クロックランプは、システムやプロセスの最適化の目的で、最後に使用された周波数が固定周波数又はCEX OUTにスムーズに変更されるケースをサポートする。例えば、周波数発生器(マスター又はスレーブ周波数発生器)がロック状態(RF OUT=CEX OUT/IN)にコマンドされた場合(例えば、インピーダンス整合のための周波数調整等)、周波数発生器は第2クロックランプを使用して、ロック状態になる前に、固定周波数(CEX OUT)にスムーズに戻る。第2クロックランプを使用してRF OUTをスムーズに変更することにより、RF OUTの急激な変化が発生せず、システムの安定性が向上する。
【0028】
CEX周波数が一定である場合、可変固定ランプ又は第2クロックランプが容易に決定される。例えば、スロープ又はランプは、発生器の現在の周波数、固定周波数(CEX周波数)、及び周波数の変化が発生する時間に基づいて決定される。周波数の変化を時間の変化で割ると、第2クロックランプのスロープが得られる。第2クロックランプの導出は、システムコントローラ及び/又は周波数発生器内のコントローラにより決定することができる。CEX周波数がランピングしている(時間とともに変化する)場合、可変制御ランプ又は第2クロックランプは、例えば、制御アルゴリズムが実行されたとき、又は更新が決定されたときに再計算される。言い換えれば、周波数変化率(例えば、kHz/s)は、アルゴリズム決定点で、又は周期的な速度で更新することができる。時間の経過と共に更新される複数の第2クロックランプを使用することにより、RF OUTはCEX周波数に収束し、RF OUTがCEX周波数(CEX OUT/IN)にスムーズに変化してロックできるようにする。第2クロックランプが定期的に更新されると、RF OUTが移動するターゲットに収束するため、第2クロックランプの実行を非線形CEX変更に拡張することができる。
【0029】
スレーブ周波数発生器は、基準周波数がCEX IN(CEX周波数、CEX OUT、マスター周波数発生器によりスレーブ周波数発生器に送られる)であることを除き、マスター周波数発生器と同様に作用することができる。スレーブ周波数発生器はマスター周波数発生器の後に続くため、スレーブ周波数発生器は第1クロックランプ又は固定周波数ランプ時間を利用しない場合がある。スレーブ周波数発生器がインピーダンス整合のために周波数チューニングを行っていない場合、又は、基準周波数に合致するためにランピングしていない場合(スレーブ周波数発生器がアンロック状態にある場合)は、マスター周波数発生器の後に直接続くことにより、スレーブ周波数発生器はマスター周波数発生器で効果的にランプする(CEX OUTからCEX INへ)。本明細書で開示される本発明の装置及び方法は、スレーブ周波数発生器がCEX有効化/無効化機能により制御されることを避けることを可能にする。CEXの有効化/無効化制御を排除することにより、RF生成システムはより堅牢になり、制御帯域幅を節約する。スレーブ周波数発生器が別のスレーブ周波数発生器にリンクされる場合、CEX伝播では、スレーブ周波数発生器をパススルーとして設定することができる(スレーブCEX OUT=スレーブCEX IN)。スレーブ周波数発生器のRF OUTは、CEX IN/OUTから独立している。また、本明細書で開示される本発明の装置及び方法は、周波数発生器が本発明の方法で動作すること、又は動作の以前のバージョンに設定可能とすることを可能にする。
【0030】
本発明の装置及び方法を実施する周波数発生器は、周波数発生器が下位互換性を有し、古い機器で動作できるように、いずれかのモードで動作するように構築するこいとができる。幾つかの実施形態では、デュアル周波数発生器をRF電源で使用することができる。本発明の状態では、第1周波数発生器はシステム基準周波数を生成又は維持することができ、第2周波数発生器はRF OUT周波数を生成又は維持するために使用することができる。RF電源が以前のバージョンの動作で動作するように切り替えられた場合、RF OUTを第2周波数発生器の使用から第1周波数発生器の使用に切り替えることができ、これによって、RF OUTがシステム基準周波数に追従する。また、以前のバージョンの操作に切り替えると、CEXの有効化/無効化制御が可能になる場合がある。デュアル機能を使用して、RF電源に下位互換性を持たせることができる。また、本明細書に開示される本発明の装置及び方法は、単一の処理チャンバ(N個の周波数発生器)及び/又はツインチャンバ(2×N個の周波数発生器)等を用いて実施することができる。
【0031】
図3は、幾つかの実施形態による、マスターRF発生器を制御する方法300である。システム基準周波数は、ブロック302でマスターRF発生器により生成される。システム基準周波数は、例えば、約13.56MHzであってもよい。システムの基準周波数を使用してチャンバに適用されるRF電力を生成することにより、周波数の違いにより生成されるビート効果が排除され、チャンバ内に安定したプラズマが提供される。システム基準周波数が突然又は一定に変化すると、RF発生器が変動し、チャンバ内でプラズマに影響を与える。ブロック304でマスターRF発生器がシステム基準周波数にロックされていない(ロック状態)場合、マスターRF発生器出力周波数はシステム基準周波数から分離される。分離により、マスターRF発生器はシステム基準周波数を不安定化させることなく、RF出力を調整することができる。マスターRF発生器は、システム基準周波数を変更せず、その後、マスターRF発生器からシステム基準周波数を受信するスレーブ発生器を変更せずに、周波数チューニングやランピング等の操作を実行できる。
【0032】
システム基準周波数が変化し(例えば、システムコントローラがシステム基準周波数は調整されるべきであると決定する)、マスターRF発生器出力周波数がシステム基準周波数(ロック状態)に結合される場合、マスターRF発生器出力周波数はシステム基準周波数(ロック状態)に結合され続け、周波数調整ターゲットが新しいシステム基準周波数に設定され、システム基準周波数は(マスターRF発生器の出力周波数と共に)、ブロック306の第1クロックランプを用いた周波数調整に基づいて調整される。第1クロックランプは、所与の時間に亘って周波数変化の量を制御し、システム基準周波数及びマスターRF発生器出力周波数の新しいシステム基準周波数へのスムーズな移行を可能にするように調整される。
【0033】
マスターRF発生器出力周波数がシステム基準周波数から分離され(アンロック状態)、マスターRF発生器が、例えば、システムコントローラ又は他の操作パラメータ(例えば、周波数チューニング完了等)により、システム基準周波数から分離されたロック状態にコマンドされると、周波数調整ターゲットがシステム基準周波数に設定され、マスターRF発生器出力周波数は第2クロックランプとともに調整ターゲットに基づいて調整され、次にマスターブロック308でマスターRF発生器出力周波数がシステム基準周波数(ターゲット)に到達すると、RF発生器出力周波数とシステム基準周波数がロックされる。例えば、マスターRF発生器が周波数チューニングである場合、マスターRF発生器では、マスターRF発生器出力周波数とシステム基準周波数の差が大きい可能性がある。第2クロックランプは、第1クロックランプとは異なる場合があるが、マスターRF発生器出力周波数をシステム基準周波数にスムーズに調整するために用いられる。マスターRF発生器の出力周波数がシステム基準周波数に到達すると、マスターRF発生器出力周波数はシステム基準周波数にロックされる。上記の例ではRF発生器が利用されているが、幾つかの実施形態は非RF発生器と共に使用することもできる。
【0034】
図4は、幾つかの実施形態による、基準信号が一定であるときにマスターRF発生器を制御する方法を示すグラフ400である。第1期間406において、マスターRF発生器のRFout402は、基準周波数404にロックされる。第2期間408の間、RFout402及び基準周波数404は、アンロックされる。RFout402と基準周波数404の分離により、マスターRF発生器はRFout402を周波数チューニングすることが可能になるが、基準周波数404は第2期間408の間一定である。マスターRF発生器は、第3期間の初期において、RFout402を基準周波数404にロックするようにコマンドされる。そして、マスターRF発生器は、第2クロックランプを使用して、RFアウト402を、第3期間410の終わりまでに、基準周波数402までスムーズにランプする。第4期間412の初期において、RFout402は基準周波数に等しく、基準周波数404に結合(ロック)される。
【0035】
図5は、幾つかの実施形態による、基準信号が変化するときにマスターRF発生器を制御する方法を示すグラフ500である。グラフ500は、基準周波数504が時間と共に変化するときのRFout502の調整を示す。第1期間506において、マスターRF発生器のRFout502は、基準周波数504にロックされる。第2期間508の間、RFout502及び基準周波数504はアンロックされる。RFout502と基準周波数504の分離は、例えば、基準周波数504が第2期間508の間に変化し続ける間、マスターRF発生器がRF出力502を周波数チューニングすることを可能にする。マスターRF発生器は、第3期間510の始めに、RFout502を基準周波数504にロックするようにコマンドされる。次に、マスターRF発生器は、複数の第2クロックランプを使用して、RFout502を第3期間510の終わりまでに基準周波数502にスムーズにランプする。例えば、第1基準ポイント514aでの第3期間510の初めに、マスターRF発生器は周期的アルゴリズムを実行し、RFout502を時間の第1ポイントにおける基準周波数504の値514bにランプする第2クロックランプを決定する。
【0036】
アルゴリズムが第2基準ポイント516aで2回目に実行されると、マスターRF発生器は、RFout502を時間における第2ポイントで基準周波数504の値516bにランプする他の第2クロックランプを決定する。アルゴリズムが第3基準ポイント518aで3回目に実行されると、マスターRF発生器は、RFout502を時間における第3ポイントで基準周波数504の値518bにランプする他の第2クロックランプを決定する。アルゴリズムが第4基準ポイント520aで4回目に実行されると、マスターRF発生器は、RFout502を時間における第4ポイントで基準周波数504の値520bにランプする他の第2クロックランプを決定する。第4期間512の間、RF出力502は基準周波数に等しく、基準周波数504に結合(ロック)される。上記の例では4つの基準ポイント及び4つ期間が使用されたが、幾つかの実施形態において基準ポイント及び時間の数は4より多くても、少なくてもよい。
【0037】
図6は、幾つかの実施形態による、スレーブRF発生器を制御する方法600である。システム基準周波数は、ブロック602でスレーブRF発生器により得られる。システム基準周波数は、例えば、約13.56MHzであってもよい。ブロック604で、スレーブRF発生器がシステム基準周波数にロックされていない(ロック状態)場合、スレーブ発生器の出力周波数はシステム基準周波数から分離される。分離により、スレーブ発生器はシステム基準からの干渉なしにRF出力を調整することが可能になる。スレーブRF発生器は、例えば、システムの基準周波数に影響を与えたり、その影響を受けたりすることなく、周波数調整等の操作を実行することができる。幾つかの実施形態では、システム基準周波数は、スレーブRF発生器にリンクされた他のスレーブ発生器に妨害されることなく、スレーブRF発生器を通過することができる。
【0038】
スレーブRF発生器出力周波数がシステム基準周波数から分離され(アンロック状態)、スレーブRF発生器が、例えば、システムコントローラ又は他の操作パラメータ(例えば、周波数チューニング完了等)により、システム基準周波数から分離されたロック状態にコマンドされると、周波数調整ターゲットがシステム基準周波数に設定され、スレーブRF発生器出力周波数が調整ターゲットと共に第3クロックランプに基づいて調整され、ブロック606で調整ターゲットがシステム基準周波数に達したとき、スレーブRF発生器出力周波数とシステムの基準周波数はロックされる。例えば、スレーブRF発生器が周波数チューニングされている場合、スレーブRF発生器では、スレーブRF発生器出力周波数とシステム基準周波数の差が大きき場合がある。第1クロックランプとは異なる(幾つかの実施形態では第2クロックランプと同じであってよい)第3クロックランプが用いられ、スレーブRF発生器出力周波数をシステム基準周波数にスムーズに調整する。スレーブRF発生器出力周波数がシステム基準周波数に達すると、スレーブRF発生器出力周波数はシステム基準周波数にロックされる。上記の例では、RF発生器を用いているが、幾つかの実施形態は非RF発生器と共に使用することもできる。
【0039】
上記は本原理の実施形態を対象としているが、本原理のその他の及び更なる実施形態は、その基本的な範囲から逸脱することなく創作することが可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6