(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-26
(45)【発行日】2023-05-09
(54)【発明の名称】デュアルカラムパラレルCCDセンサおよびセンサを用いた検査システム
(51)【国際特許分類】
H04N 25/713 20230101AFI20230427BHJP
H04N 25/71 20230101ALI20230427BHJP
H01L 27/148 20060101ALI20230427BHJP
H01L 27/144 20060101ALI20230427BHJP
【FI】
H04N25/713
H04N25/71
H01L27/148 B
H01L27/144 K
(21)【出願番号】P 2021113225
(22)【出願日】2021-07-08
(62)【分割の表示】P 2018552866の分割
【原出願日】2017-04-05
【審査請求日】2021-08-05
(32)【優先日】2016-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャン ユン-ホ アレックス
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ジンジン
(72)【発明者】
【氏名】ザメク スティーブ
(72)【発明者】
【氏名】フィールデン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】コンタラト デービス
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン デイビッド エル
【審査官】鈴木 明
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-166577(JP,A)
【文献】特開2006-128600(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 25/00-25/79
H01L 27/148
H01L 27/144
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イメージセンサであって、
1つ以上のピクセル制御信号に従って第1と第2のイメージ電荷をそれぞれ生成するように構成された第1と第2のピクセルと、
読み出し回路を含み、読み出し回路が、
第1と第2のピクセルからそれぞれ第1と第2のイメージ電荷を受け取るように構成された第1と第2トランスファゲートと、
前記第1と第2のトランスファゲートからそれぞれ前記第1と第2のイメージ電荷を受け取るように構成された第3と第4トランスファゲートと、
前記第3と第4トランスファゲートに結合された共有加算ゲートと、
前記共有加算ゲートに結合された出力回路と、を備え、
前記第1トランスファゲートと前記第4トランスファゲートが結合され、前記第2トランスファゲートと前記第3トランスファゲートが結合されて、その結果、前記第1トランスファゲートに印加された第1トランスファゲート制御信号が前記第4トランスファゲートに実質的に同時に印加され、また、前記第2トランスファゲートに印加された第2トランスファゲート制御信号が前記第3トランスファゲートに実質的に同時に印加され、
前記共有加算ゲートは、第1の時間周期中に前記第3トランスファゲートから前記第1のイメージ電荷を受け取り、引き続い
て共有加算ゲート制御信号に従って前記第1のイメージ電荷を前記出力回路に移動させるように構成され、前記共有加算ゲートはさらに、前記第1の時間周期に続く第2の時間周期中に前記第4トランスファゲートから前記第2のイメージ電荷を受け取り、引き続いて前記共有加算ゲート制御信号に従って前記第2のイメージ電荷を前記出力回路に移動させるように構成されるイメージセンサ。
【請求項2】
前記出力回路が、前記第1と第2のイメージ電荷を受け取って格納するように構成された浮遊拡散と、前記浮遊拡散に結合されて、前記第1のイメージ電荷が前記浮遊拡散に格納されたときに第1の出力電圧信号を生成し、前記第2のイメージ電荷が前記浮遊拡散に格納されたときに第2の出力電圧信号を生成するように構成された増幅器を備えている、請求項1に記載のセンサ。
【請求項3】
さらに、偶数個の列に配置されたピクセルのアレイを備え、
前記読み出し回路が複数の読み出し構造を含み、各前記読み出し構造は前記列のうち関連するペアに接続され、4つのトランスファゲート、1つの共有加算ゲートおよび1つの増幅器を含む、請求項1に記載のセンサ。
【請求項4】
各前記読み出し構造の前記増幅器は金属配線を備え、異なる増幅器の金属配線の静電容量は実質的に同じである、請求項3に記載のセンサ。
【請求項5】
各前記増幅器は金属配線を備え、異なる増幅器の金属配線の面積は実質的に等しい、請求項3に記載のセンサ。
【請求項6】
前記ピクセルのアレイはピクセルの1つ以上の行からなる、請求項3に記載のセンサ。
【請求項7】
イメージセンサであって、
半導体基板と、
前記基板に形成され、V字形融合区分によって第3の細長い部分に接続された平行な第1と第2の細長い部分を含むY字形埋込拡散と、
前記第1と第2の細長い部分の上にそれぞれ形成された複数のピクセルゲート構造と、
前記第1と第2の細長い部分の上にそれぞれ形成され、前記ピクセルゲート構造と前記V字形融合区分の間に配置された第1と第2トランスファゲート構造と、
前記第1と第2の細長い部分の上にそれぞれ形成され、前記第1と第2トランスファゲート構造と前記V字形融合区分の間に配置された第3と第4トランスファゲート構造と、
前記V字形融合区分の上に形成された共有加算ゲート構造と、
前記第3の細長い部分に結合された出力回路と、を備え、
前記第1トランスファゲート構造と前記第4トランスファゲート構造は、前記第1トランスファゲート構造に印加された第1の制御信号が前記第4トランスファゲート構造に実質的に同時に印加されるように結合され、
前記第2トランスファゲート構造と前記第3トランスファゲート構造は、前記第2トランスファゲート構造に印加された第2の制御信号が前記第3トランスファゲート構造に実質的に同時に印加されるように結合される、イメージセンサ。
【請求項8】
前記第1トランスファゲート構造と前記第4トランスファゲート構造は、前記第1トランスファゲート構造に印加された前記第1の制御信号
が第1の導電性リンク構造によって前記第4トランスファゲート構造に伝送されるように、第1の導電性リンク構造によって接続されている、請求項7に記載のイメージセンサ。
【請求項9】
前記第1の導電性リンク構造は金属および多結晶シリコンのうち1つを含む請求項8に記載にイメージセンサ。
【請求項10】
前記第1トランスファゲート構造、前記第4トランスファゲート構造および前記第1の導電性リンク構造は一体型複合多結晶シリコン構造を備える、請求項8に記載にイメージセンサ。
【請求項11】
前記共有加算ゲート構造は、第1の時間周期中に前記第1の細長い部分から第1のイメージ電荷を受け取り、続いて前記第1のイメージ電荷を共有加算ゲート制御信号に従って前記第3の細長い部分に移動させるように構成され、前記共有加算ゲート構造はさらに、前記第1の時間周期に続く第2の時間周期中に前記第2の細長い部分から第2のイメージ電荷を受け取り、続いて前記第2のイメージ電荷を前記共有加算ゲート制御信号に従って前記第3の細長い部分に移動させるように構成されている、請求項7に記載にイメージセンサ。
【請求項12】
前記共有加算ゲート構造は、前記第1と第2の細長い部分に面した上流縁と、前記第3の細長い部分に面した下流縁を有する先細の多結晶シリコン構造を備え、前記上流縁の長さは前記下流縁の長さより大きい、請求項7に記載にイメージセンサ。
【請求項13】
さらに、前記共有加算ゲート構造と前記第3の細長い部分の間に配置された先細の出力ゲート構造を備えている請求項7に記載にイメージセンサ。
【請求項14】
前記出力回路が、
前記第3の細長い部分に形成された浮遊拡散と、
前記基板上に配置され、導電性構造によって前記浮遊拡散に作動的に結合された増幅器を備えている、請求項7に記載にイメージセンサ。
【請求項15】
前記増幅器が第1段ゲイントランジスタを備え、
前記導電性構造が、コンタクトホールを貫通して前記浮遊拡散に延出する下部ポリ部と、前記下部ポリ部から延出する水平ポリ部を備え、前記水平ポリ部の部分は前記第1段ゲイントランジスタのゲート構造を形成する、
請求項14に記載にイメージセンサ。
【請求項16】
マルチコラムパーチャネル(multiple-column-per-channel)電荷結合素子(CCD)イメージセンサであって、
複数の列および複数のピクセル行に並んだ複数のピクセルを含むピクセルのアレイであって、イメージ電荷を生成し、かつ複数のピクセル制御信号に応答して、前記イメージ電荷のそれぞれを前記列の対応する列に配置された関連するピクセル間で連続的に移動させるように構成されることにより、前記複数のピクセル制御信号の各周期中に、第1のピクセル行に配置されたイメージ電荷のセットが前記ピクセルの隣接する第2のピクセル行に同時に移動する、ピクセルのアレイと、
読み出し回路であって、
複数のバッファセルであって、1つまたは複数のバッファ制御信号に応答して縁のピクセル行からのイメージ電荷を同時に受け取るように配置されて、各バッファセルが対応するイメージ電荷を前記縁のピクセル行の関連するピクセルから、前記1つまたは複数のバッファ制御信号のアサート時に受け取る、複数のバッファセルと、
前記複数の列に配置され、かつ前記バッファセルの関連するバッファセルから対応するイメージ電荷を受け取るように配置された第1トランスファゲート行を含む複数のトランスファゲート行に並べられた複数のトランスファゲートであって、前記複数のトランスファゲートのそれぞれが関連するトランスファクロック信号によって動作可能に制御される、複数のトランスファゲートと、
最終トランスファゲート行に接続された共有加算ゲートと、
前記共有加算ゲートに接続された出力回路と、
を含む、読み出し回路と、
を備え、
前記複数のトランスファゲートが、第1の時間周期中に第1のトランスファクロック信号をアサートすることにより、第1のイメージ電荷が第1のバッファセルから第1のトランスファゲートに移動し、第2のイメージ電荷が第2のトランスファゲートから第3のトランスファゲートに移動するように構成かつ接続され、
前記第1のバッファセルおよび第1のトランスファゲートが第1の列に配置され、前記第2のトランスファゲートと前記第3のトランスファゲートが第2の列に配置され、
前記共有加算ゲートが、共有加算ゲート制御信号に応じて、前記第1の時間周期に続く第2の時間周期中に、前記第2の列から前記第2のイメージ電荷を受け取るように構成され、前記共有加算ゲートが、さらに、前記共有加算ゲート制御信号に応じて、前記第2の時間周期に続く第3の時間周期中に、前記第1の列から前記第1のイメージ電荷を受け取るように構成され、
前記共有加算ゲート制御信号のクロックレートが、前記複数のピクセル制御信号のラインクロックレートより少なくとも2倍高速である、
イメージセンサ。
【請求項17】
前記複数のトランスファゲートが、さらに、前記第1の時間周期中に前記第1のトランスファクロック信号をアサートすることにより、第3のイメージ電荷が第4のトランスファゲートから第5のトランスファゲートに移動するように構成され、
前記第4のトランスファゲートおよび前記第5のトランスファゲートが第3の列に配置され、
前記第1のトランスファゲートおよび前記第4のトランスファゲートが前記第1のトランスファゲート行に配置され、前記第2のトランスファゲートおよび前記第5のトランスファゲートが、前記第1のトランスファゲート行の下に配置された第2のトランスファゲート行に配置され、前記第3のトランスファゲートが前記第2のトランスファゲート行の下に配置された第3のトランスファゲート行に配置されている、
請求項16に記載のイメージセンサ。
【請求項18】
前記出力回路が、前記イメージ電荷を受け取って格納するように構成された浮遊拡散と、前記浮遊拡散に結合されて、前記浮遊拡散に格納された前記イメージ電荷のそれぞれにしたがって対応する出力電圧信号を生成するように構成された増幅器とを備える、請求項16に記載のイメージセンサ。
【請求項19】
前記読み出し回路が複数の読み出し構造を含み、各前記読み出し構造は前記列のうち関連するグループに接続され、対応する複数の前記トランスファゲート、対応する前記共有加算ゲートおよび対応する前記出力回路を含む、請求項16に記載のイメージセンサ。
【請求項20】
各前記読み出し構造の増幅器は金属配線を備え、異なる増幅器の金属配線の静電容量は実質的に同じである、請求項19に記載のイメージセンサ。
【請求項21】
各前記読み出し構造の各増幅器は金属配線を備え、異なる増幅器の金属配線の面積は実質的に等しい、請求項19に記載のイメージセンサ。
【請求項22】
前記ピクセルのアレイはピクセルの1つ以上の行からなる、請求項19に記載のイメージセンサ。
【請求項23】
第4のイメージ電荷が前記第1の時間周期中に第6のトランスファゲートから前記共有加算ゲートに移動されるように前記共有加算ゲートを動作可能に制御するように構成された出力制御回路をさらに備え、前記第6のトランスファゲートが前記第1の列に配置されかつ前記第3のトランスファゲート行に配置される、請求項17に記載のイメージセンサ。
【請求項24】
前記複数のトランスファゲートが、さらに、第2の時間周期中に第2のトランスファクロック信号をアサートすることにより、第4のイメージ電荷が第2のバッファセルから第7のトランスファゲートに移動し、前記第1のイメージ電荷が前記第1のトランスファゲートから第8のトランスファゲートに移動し、前記第3のイメージ電荷が前記第5のトランスファゲートから第9のトランスファゲートに移動するように構成され、
前記第2のバッファセルが前記第3の列に配置され、
前記第7のトランスファゲートが前記第2の列および前記第1のトランスファゲート行に配置され、
前記第8のトランスファゲートが前記第1の列および前記第2のトランスファゲート行に配置され、
前記第9のトランスファゲートが前記第3の列および前記第3のトランスファゲート行に配置されている、
請求項23に記載のイメージセンサ。
【請求項25】
前記出力制御回路がさらに、前記第2の時間周期中に、前記第4のイメージ電荷が前記共有加算ゲートから浮遊拡散に移動され、前記第2のイメージ電荷が前記第3のトランスファゲートから前記共有加算ゲートに移動されるように前記出力回路および前記共有加算ゲートを動作可能に制御するように構成されている、請求項24に記載のイメージセンサ。
【請求項26】
前記複数のトランスファゲートが、さらに、第3の時間周期中に第3のトランスファクロック信号をアサートすることにより、第6のイメージ電荷が第3のバッファセルから第4のトランスファゲートに移動し、前記第1のイメージ電荷が前記第8のトランスファゲートから前記第6のトランスファゲートに移動し、前記第4のイメージ電荷が前記第7のトランスファゲートから前記第2のトランスファゲートに移動するように構成されている、請求項25に記載のイメージセンサ。
【請求項27】
前記出力制御回路がさらに、前記第3の時間周期中に、前記第2のイメージ電荷が前記共有加算ゲートから前記浮遊拡散に移動され、前記第3のイメージ電荷が前記第9のトランスファゲートから前記共有加算ゲートに移動されるように前記出力回路および前記共有加算ゲートを動作可能に制御するように構成されている、請求項26に記載のイメージセンサ。
【請求項28】
バッファ制御回路をさらに備え、
前記バッファ制御回路が、前記第1、第2、および第3のバッファセルを制御して、前記第3の時間周期中であり、かつ前記第6のイメージ電荷が前記第3のバッファセルから前記第4のトランスファゲートに移動された後に、前記縁のピクセル行から第7、第8、および第9のイメージ電荷をそれぞれ同時に受け取るように構成されている、
請求項27に記載のイメージセンサ。
【請求項29】
試料を検査する方法であって、方法が、
前記試料を放射線源に対して移動させながら、放射線を前記試料に指向させて集束させ、
前記試料から受け取った放射線をイメージセンサに指向させ、前記イメージセンサが、複数の行と、それぞれが少なくとも第1の列、第2の列、および第3の列を含む隣接列の複数の関連するグループとに並べられたピクセルのアレイを含むマルチカラムパーチャネル電荷結合素子(CCD)を備え、
前記イメージセンサを、前記放射線源に対する前記試料の移動に同期化されたラインクロック信号で駆動し、前記ラインクロック信号が、第1および第2の電荷をそれぞれ前記第1、第2、および第3の列に沿って前記ピクセルの行の1つの行から前記ピクセルの行の隣接する行に移動させ、
前記イメージセンサのバッファセルの行をバッファクロック信号で駆動し、前記バッファクロック信号は、前記第1および第2の電荷をそれぞれ、関連する列のグループのそれぞれの前記第1、第2、および第3の列におけるピクセルの縁の行から前記バッファセルの行の第1、第2、および第3のバッファセルに移動させ、
第1のトランスファクロック信号で、第1の時間周期中に、第1のトランスファゲートと、第3のトランスファゲートと、第5のトランスファゲートとを同時に駆動し、前記第1のトランスファゲートが前記トランスファゲートの第1の行に配置され、かつ前記第1の列に配置され、前記第3のトランスファゲートが前記トランスファゲートの第3の行に配置され、かつ前記第2の列に配置され、前記第5のトランスファゲートが前記トランスファゲートの第2の行に配置され、かつ前記第3の列に配置され、
第2のトランスファクロック信号で、第2の時間周期中に、第7のトランスファゲートと、第8のトランスファゲートと、第9のトランスファゲートとを同時に駆動し、前記第7のトランスファゲートが前記トランスファゲートの前記第1の行に配置され、かつ前記第2の列に配置され、前記第8のトランスファゲートが前記トランスファゲートの前記第2の行に配置され、かつ前記第1の列に配置され、前記第9のトランスファゲートが前記トランスファゲートの前記第3の行に配置され、かつ前記第3の列に配置され、
第3のトランスファクロック信号で、第3の時間周期中に、第4のトランスファゲートと、第2のトランスファゲートと、第6のトランスファゲートとを同時に駆動し、前記第4のトランスファゲートが前記トランスファゲートの前記第1の行に配置され、かつ前記第3の列に配置され、前記第2のトランスファゲートが前記トランスファゲートの前記第2の行に配置され、かつ前記第2の列に配置され、前記第6のトランスファゲートが前記トランスファゲートの前記第3の行に配置され、かつ前記第1の列に配置され、
出力回路およびアナログデジタルコンバータ(ADC)回路を利用して、前記第1、第2、および第3の列に沿って移動させられたイメージ電荷を順次デジタルナンバーに変換する、ことを含み、
前記ADC回路を利用することが、前記ADC回路を前記ラインクロック信号の周波数の少なくとも三倍より大きいクロック周波数で駆動することを含む、
方法。
【請求項30】
前記第1のトランスファクロック信号で同時に駆動することが、前記第1のトランスファクロック信号をアサートして、前記第1の時間周期中に、第1のイメージ電荷を前記第1のバッファセルから前記第1のトランスファゲートに移動させ、第2のイメージ電荷を前記第2のトランスファゲートから前記第3のトランスファゲートに移動させ、第3のイメージ電荷を前記第4のトランスファゲートから前記第5のトランスファゲートに移動させることを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記出力回路を利用することが、共有加算ゲートを制御して、前記第1の時間周期中に第4のイメージ電荷が前記第6のトランスファゲートから前記共有加算ゲートに移動させることを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記第2のトランスファクロック信号で同時に駆動することが、前記第2のトランスファクロック信号をアサートして、前記第2の時間周期中に、第4のイメージ電荷を前記第2のバッファセルから前記第7のトランスファゲートに移動させ、前記第1のイメージ電荷を前記第1のトランスファゲートから前記第8のトランスファゲートに移動させ、前記第3のイメージ電荷を前記第5のトランスファゲートから前記トランスファゲートに移動させることを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記出力回路を利用することが、さらに、共有加算ゲートと感知ノードとを制御して、前記第2の時間周期中に第4のイメージ電荷を前記共有加算ゲートから浮遊拡散に移動させ、前記第2のイメージ電荷を前記第3のトランスファゲートから前記共有加算ゲートに移動させることを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記第3のトランスファクロック信号で同時に駆動することが、前記第3のトランスファクロック信号をアサートして、前記第3の時間周期中に、第6のイメージ電荷を前記第3のバッファセルから前記第4のトランスファゲートに移動させ、前記第1のイメージ電荷を前記第8のトランスファゲートから前記第6のトランスファゲートに移動させ、前記第4のイメージ電荷を前記第7のトランスファゲートから前記第2のトランスファゲートに移動させることを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記出力回路を利用することが、さらに、前記共有加算ゲートと前記感知ノードとを制御して、前記第3の時間周期中に前記第2のイメージ電荷を前記共有加算ゲートから前記浮遊拡散に移動させ、前記第3のイメージ電荷を前記第9のトランスファゲートから前記共有加算ゲートに移動させることを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記第1、第2、および第3のバッファセルが、前記第3の時間周期中であって前記第6のイメージ電荷が前記第3のバッファセルから前記第4のトランスファゲートに移動された後に、前記縁のピクセル行から第7、第8、および第9のイメージ電荷をそれぞれ同時に受け取るように、バッファセルの前記行を駆動することをさらに含む、請求項35に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、可視、UV、深UV(DUV)、真空UV(VUV)、極UV(EUV)およびX線波長での放射線、および電子またはその他の帯電パーティクルを感知するのに適したイメージセンサおよび関連する電子回路、ならびにそのようなイメージセンサの操作方法に関する。センサおよび回路は、フォトマスク、レチクルおよび半導体ウェハを検査するのに用いられるものを含めて、検査システムでの使用に特に適している。
【背景技術】
【0002】
優先権主張出願
本出願は、2016年4月6日にChuangほかによって出願された「A DUAL COLUMN-PARALLEL CCD SENSOR AND INSPECTION SYSTEMS USING A SENSOR」というタイトルの米国仮特許出願第62/319,130号の優先権を主張する。
【0003】
集積回路産業は、より低い所有コストのために高スループットを維持しながら、より小さい欠陥およびパーティクルを検出するためのさらなる高い感度を提供する検査ツールを必要としている。半導体産業は現在、約20nm以下のフィーチャ寸法を有する半導体デバイスを製造している。数年のうちに、産業は約5nmのフィーチャ寸法のデバイスを製造することとなる。サイズが数nmしかないパーティクルと欠陥は、ウェハの歩留まりを低減させる可能性があるため、高歩留まりの製造を確実にするためにキャプチャされなければならない。さらに、今日の300mmウェハから近い将来の450mmウェハへの移行に対処するために検査速度を上げるための取り組みがなされてきた。このように、半導体産業は、高速度で高感度を達成できる検査ツールに対するさらに高い需要によって駆られている。
【0004】
イメージセンサは半導体検査ツールの主要な要素である。イメージセンサは、欠陥検出感度と検査速度を決定するにあたり重要な役割を果たす。その画質、光感度および、読み出し雑音性能を考慮して、CCDが半導体検査用途のイメージセンサとして広く用いられている。CCDイメージセンサの感度を向上させるために2つの基本的方式がある。第1の方式は信号の振幅を増加させることであり、第2の方式は雑音レベルを低下させることである。この数十年、これら両方式に多くの取り組みが費やされてきた。裏面照明、反射防止コーティング、完全空乏化およびマイクロレンズ等の種々の技術が開発されるにつれ、CCDイメージセンサの感度は、量子効率の進化によって増加し、それによって信号強度を向上させた。
【0005】
CCDイメージセンサは3つの主要なタイプの雑音、すなわちショット雑音、暗電流雑音および読み出し雑音を蒙る。イメージセンサに入射する光子は、光子束の時間依存性変動を伝播する。イメージセンサは、ピクセルビニングおよび/またはフレーム平均化を用いる場合に、出力ピクセルごとに収集される光子が多くなるため、入射光子束においてより低いショット雑音と統計的変動を示す。暗電流は、電荷担体の、イメージセンサのシリコン内の伝導帯への熱励起によって生成する。CCD冷却、マルチピン位相(Multi-Pinned-Phase(MPP))および/または暗画像除去の諸技法が、暗電流雑音を、高速検査で用いられる短い露光時間(典型的には数ミリ秒から数百ミリ秒の間)ではその影響をわずかなレベルに抑制してきた。読み出し雑音は、オンチップエレクトロニクスから生じ、入念に設計されたエレクトロニクスと、イメージ処理技法によって低減され得る。
【0006】
読み出し速度が増加するにつれ、読み出し雑音が、CCDイメージセンサの感度を制限する支配的な雑音因子になる。CCDオンチップ増幅器は、高ピクセルクロックレートでの各ピクセル内の信号(イメージ)電荷を測定するために高帯域幅を必要とする。この高帯域幅の結果として読み出し雑音が増加する。従来型フルフレームCCDイメージセンサはシリアル読み出しアーキテクチャを用いているため、高ピクセルクロックレート(20MHzまたはそれ以上など)および高読み出し速度を要求する。そのような高速では読み出し雑音を低減することは困難または不可能である。より小さい欠陥を検出するために、検査される物体上のピクセルサイズが減少する(例えば、画像の光学的倍率を増加させることによって)につれ、全体的な検査速度を維持する(例えば、毎時の被検ウェハの個数を、画像ピクセルサイズが減少するにつれほぼ一定に保持する)ために、読み出し速度の増加が必要となる。これは、読み出し雑音が減少するというよりも増加する傾向となることを意味する。
【0007】
カラムパラレルCCD(CPCCD)イメージセンサが当技術分野で知られている。CPCCDピクセルの各列には、各画像電荷のパラレル読み出しを促進する増幅器が備わっている。例えば、非特許文献1を参照されたい。カラムパラレル読み出しは、ピクセルクロックレートへの要求を緩和して、高読み出し速度における読み出し雑音の低減を補助できる。しかしながら、カラムパラレル読み出しアーキテクチャの実装は、大ピクセルのCCD設計(30μm超のピクセル幅など)向けのみに実用的である。小さい列ピッチ(高速半導体検査用途に最適な約10μmから約25μmの間のピッチなど)を有するCCDセンサの場合、列ごとに1つの増幅器のレイアウトは空間の制約により実装できない。さらに、カラムパラレル設計は、全ての出力が同時にクロック制御されることを要求する。それは、高切り替え電流と高読み出し雑音を招く。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】米国特許出願公開第2016/0050383号明細書
【非特許文献】
【0009】
【文献】J.R.Janesick、「サイエンティフィック・チャージカップルドデバイス(Scientific Charge-coupled Devices)、2001 SPIE、p60」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、検査システムの高感度且つ高速動作を促進して、上記の不都合の一部または全部を克服するCCDイメージセンサを提供する必要が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、デュアルカラムパラレルCCDイメージセンサおよび関連する読み出し方法を対象とし、隣接するピクセル列の関連ペア(associated pair)で生成した電荷の、単一の(共有)増幅器による読み出しのための単一の(共有)浮遊拡散への高速移動を調整するための新規の読み出し回路を用いることによって、高感度且つ高速動作を促進する。この、2列ごとに1つの増幅器の構成は、1列ごとに1つの増幅器のCPCCDセンサに関連する高スイッチング電流、高読み出し雑音および増幅器スペースの問題を回避することによって、高速半導体検査用途に適した小さい列ピッチ(例えば、約10μmから約25μmの間)を有するCCDセンサの製造を促進する。さらに、2列ごとに1つの増幅器の構成は、ラインクロックレート速度の二倍の出力クロックレートを用いて実装され、それによって従来型CPCCDセンサに関連する高ピクセルクロックレートの問題を回避するとともに、シリアル読み出し手法に関連する高読み出し雑音の問題も回避する。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、デュアルカラムパラレルCCDイメージセンサは、偶数個の列に配置されたピクセルのアレイを含み、新規の読み出し回路は、各列の関連ペア内の少なくとも1つのピクセルにそれぞれ結合された複数の読み出し構造を含む。各読み出し構造は、列の関連ペアからイメージ電荷を受け取るために作動的に結合された2行のトランスファゲートと、トランスファゲートから伝えられるイメージ電荷を交互に受け取るために結合された共有加算ゲートと、列の関連ペアから移動されたイメージ電荷に基づいて出力電圧信号を生成するように構成された単一の増幅器を含む出力回路を含む。本発明の一態様によれば、関連列の各ペア内の2行のトランスファゲートは、1つの列内の第1行(第1)トランスファゲートに印加された(第1)トランスファゲート制御信号が、関連する第2列内の第2行(第4)トランスファゲートに実質的に同時に印加されるように、また、第2列内の第1行(第2)トランスファゲートに印加された第2トランスファゲート制御信号が、第1列内の第2行(第3)トランスファゲートに実質的に同時に印加されるように、有効に交差結合される。別の態様によれば、各読み出し構造の加算ゲートは、異なる時間周期中に2つの第2行(第3および第4)トランスファゲートからイメージ電荷を受け取るように構成され、また、受け取ったイメージ電荷それぞれを、加算ゲート制御信号に従って出力回路(例えば、増幅器に結合された浮遊拡散)に伝えるように構成される。隣接列内のトランスファゲートを交差結合してこのように共有加算ゲートを利用することは、2列のピクセルからのイメージ電荷の1つの共有出力回路への、低雑音且つ適正なクロックレート(すなわち、ラインクロックレートの二倍)でのイメージ電荷の効率よく確実な移動を促進し、それによって、フォトマスク、レチクルおよび半導体ウェハを検査するために用いられるものを含む検査システムでの使用に特に適したイメージセンサの製造を促進する。
【0013】
別の実施形態によれば、複数の対称なY字形埋込拡散が形成され、各Y字形埋込拡散が、平行な上流の(第1および第2)細長い部分と、感知ノード(すなわち、浮遊拡散)が形成される下流の(第3)細長い部分と、2つの上流の細長い部分を下流の細長い部分に接続する介在(第4)V字形融合区分を有するイメージセンサが、半導体基板(例えば、単結晶シリコン)上に製造される。上流の細長い部分はそれぞれ、上記の関連列を画定する。多結晶シリコンピクセルゲート構造が上流の細長い部分の上に形成され、それによってイメージ電荷を生成し、そのイメージ電荷を2つの関連するチャネルに沿ってV字形融合区分のほうに移動させるように働くピクセルを形成する。2行のトランスファゲートは、上流の(第1および第2)細長い部分の部分の上に形成された多結晶シリコントランスファゲート構造によって生成され、2つの(第1および第3)トランスファゲートが1つのチャネルからのイメージ電荷をV字形融合区分に移動させるように構成され、2つの(第2および第4)トランスファゲートが関連する第2のチャネルからのイメージ電荷をV字形融合区分に伝えるように構成される。加算ゲートは多結晶シリコンゲート構造によって形成され、多結晶シリコンゲート構造は、V字形融合区分の上に配置され、2つの関連するチャネルのいずれかから、2つの上流の(第1および第2)細長い部分によってイメージ電荷を受け取るように構成され、且つ、受け取ったイメージ電荷を下流の細長い区分に伝えるように構成される。上記で説明した実施形態のように、2行のトランスファゲート内のトランスファゲート電極は、2つの関連列から加算ゲートへのイメージ電荷の効率よく確実な移動を促進するために有効に交差結合され、加算ゲートは、2つの関連列からのイメージ電荷を共有出力回路(感知ノード)に、低雑音且つ適正なクロックレート(すなわち、ラインクロックレートの二倍)で伝えるために加算ゲート制御信号によって制御される。対称なY字形埋込拡散を、交差結合されたトランスファゲートと加算ゲートと組み合わせて用いることによって、イメージ電荷を感知ノード(例えば、下流の細長い拡散部に配置された共有浮遊拡散)に移動することで、本発明は、浮遊拡散に制御された、または作動的に結合された単一の増幅器を用いた出力のために、2列のピクセルからのイメージ電荷の、高効率、高速且つ低雑音の移動を促進する。隣接列のトランスファゲートは交互に切り替わるため、トランスファゲートへのクロック信号は概ね均衡して最小の基板電流を生成し、したがって、低雑音レベルを維持しながら高速クロック制御を可能にする。各出力が2つの列のみに接続されているため、出力ごとに12、16またはそれ以上の列を有する可能性がある従来型高速CCDとは対照的に、イメージセンサのピクセルクロックレートは、ラインクロックレートの12倍、16倍またはそれ以上の倍数の代わり、ラインクロックレートの二倍になるのみである。帯域幅が増加するにつれ雑音が増加するため、より低いピクセルクロックレートのイメージセンサは、より高いピクセルクロックレートのイメージセンサよりも雑音が少なくなり得る。
【0014】
特定の実施形態によれば、2つの異なる行に配置された関連する多結晶シリコントランスファゲート構造の交差結合は、2つの関連するトランスファゲート構造の間に接続された導電性(例えば、金属またはドープ多結晶シリコン)リンク構造によって達成される。つまり1つの列の第1行に配置された(第1)トランスファゲート構造は、(第1)導電性リンク構造によって、関連する第2列の第2行に配置された(第4)トランスファゲート構造に電気的に接続される。この構成は、関連するトランスファゲート制御信号を(第1)トランスファゲート構造に印加することによって両方の関連するトランスファゲート構造への確実な制御を促進し、それにより、トランスファゲート制御信号は(第4)トランスファゲート構造に実質的に同時に印加される(すなわち、(第1)導電性リンク構造を介した伝送によって)。一実施形態において、導電性リンク構造は多結晶シリコンを用いて実装され、その場合2つの関連するトランスファゲート構造と導電性リンク構造は、一体型「Z」形状の複合多結晶シリコン構造として製造される。この実施形態は過度の複雑性、二層の金属配線を用いることに関連する費用と能力が低減した歩留まりを回避する、または、金属の第2層が使用されることを可能にしてクロック信号の直列抵抗を低減してより高速の動作を可能にする。
【0015】
別の特定の実施形態によれば、加算ゲートは、その下流縁(すなわち、下流の細長い拡散部に面した縁)より長い上流縁(すなわち、上流の細長い拡散部に面した縁)を有する先細の多結晶シリコン構造を用いて実装される。先細の加算ゲート構造は、両方の上流の細長い拡散部から、下流の細長い拡散部へのイメージ電荷の効率よい移動を促進する。好ましい実施形態において、同様に先細の出力ゲート構造が、V字形融合区分(すなわち、加算ゲート構造と、下流の細長い拡散部の間)の下流部分の上に配置され、感知ノードから加算ゲートへの電荷漏出を防止するように働く。
【0016】
別の特定の実施形態によれば、各列の関連ペアの共有出力回路は、下流の(第3)細長い拡散部内に形成された浮遊拡散と、浮遊拡散に、導電性(金属または多結晶シリコン)構造によって作動的に結合されたオンチップ前置増幅器を含む。一実施形態において、導電性構造は、下部/垂直ポリ(poly)部がコンタクトホールを貫通して浮遊拡散に延出し、上部/水平ポリ部が下部/垂直ポリ部から水平に延出して、オンチップ前置増幅器の第1段ゲイントランジスタのためのゲート構造を形成するように形成されパターニングされた多結晶シリコン構造を用いて実装される。この構成は、浮遊拡散とポリシリコンゲート構造のセルフアライメントを促進して、金属配線の必要なく前置増幅器の接続を促進して、それによってさらに雑音と浮遊拡散の静電容量を減少させて、電荷変換効率を増加させ、それによりセンサの信号雑音比を改良する。
【0017】
本発明のデュアルカラムパラレルCCDセンサを用いた検査方法は、放射線を試料に指向させて集束させ、試料からの放射線を受け取って、受け取った放射線をCCDイメージセンサに指向させることを含む。受け取られる放射線は散乱放射線または反射放射線を含み得る。CCDセンサは、2ペアのトランスファゲートと、共通加算ゲートと、浮遊拡散(感知ノードとしても知られる)と、2列ごとに1つの増幅器を備えたデュアルカラムパラレル読み出し構造を組み込んでいる。デュアルカラムパラレル読み出し構造は、全ての列が同じ電荷移動および信号読み出し経路を有するような方式で実装される。一実施形態において、デュアルカラムパラレルCCDは、増幅器に接続されたポリシリコンコンタクトを有するセルフアラインされた浮遊拡散を用いてよい。別の実施形態において、デュアルカラムパラレルCCDは、均等チャネル応答および最小クロストークを有する読み出し構造内の金属配線を備えてよい。
【0018】
検査方法はさらに、クロック電圧波形を生成することを含んでよく、また、オンチップデュアルカラムパラレル読み出しおよびオフチップ信号処理回路を、センサ読み出しの適切な同期化と出力信号のデジタル化のために制御することを含んでよい。オンチップデュアルカラムパラレル読み出しおよびオフチップ信号処理回路を駆動するためのクロック電圧波形およびタイミング構成の3つの典型的な実施形態が説明される。これらは、センサ出力の同期化のための可能な方法のいくつかを説明するための単なる例に過ぎない。上記のクロック駆動スキームはアナログ-デジタルコンバータ(ADC)、デジタル信号プロセッサ、クロックドライバおよび外部処理、記憶および制御回路系を含む装置によって実装されてよい。
【0019】
試料を検査するためのシステムも説明される。このシステムは、照明源、光検出デバイス、照明源からの光を試料に指向させ、試料からの光出力または反射を、デバイスおよび駆動回路に指向させるように構成された光学系を含む。一実施形態において、光検出デバイスは、時間遅延積分(TDI)センサ等のCCDアレイセンサを備えてよい。別の実施形態において、デバイスはCCDラインセンサを備えてよい。CCDセンサは、隣接列のペアごとに、2ペアのトランスファゲート、1つの共通加算ゲート、1つの浮遊拡散および1つの増幅器を備えたデュアルカラムパラレル読み出し構造を組み込んでいる。CCDピクセルの各列は1ペアのトランスファゲートによって終端する。隣接列の各ペアは共通加算ゲートに統合し、共通加算ゲートは浮遊拡散に向けて先細になり、そこで増幅器は各イメージ電荷を出力電圧信号に変換する。デュアルカラムパラレル読み出し構造は、全ての列が実質的に同じ電荷移動と信号読み出し経路特性を有するような方式で実装される。駆動回路は、センサ出力を所望のタイミングで読み出すためにオンチップデュアルカラムパラレル読み出し構造とオフチップ信号処理回路にバイアス電圧とクロック信号を供給する。
【0020】
一実施形態において、CCDセンサはさらに半導体膜を備えてよい。別の実施形態において、半導体膜は半導体膜の第1の表面上に形成された回路素子と、半導体膜の第2の表面上に堆積された高純度ホウ素層を含んでよい。さらに別の実施形態において、システムは複数のCCDセンサを含んでよい。
【0021】
試料は、検査中に光学系に対して移動するステージによって支持されてよい。電荷はステージの運動と同期してセンサから読み出されてよい。
【0022】
典型的検査システムは、異なる入射角および/または異なる方位角および/または異なる波長を有するおよび/または偏光状態から試料を照明する1つ以上の照明経路を含んでよい。例示的検査システムは、試料によって異なる方向に反射または散乱された光および/または異なる波長および/または異なる偏光状態に感応する光を収集する1つ以上の収集経路を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図2A】ライン照明と1つ以上の収集チャネルを備えた例示的検査システムの図である。
【
図2B】ライン照明と1つ以上の収集チャネルを備えた例示的検査システムの図である。
【
図3】垂直および斜めの照明を備えた例示的検査システムの図である。
【
図4】例示的デュアルカラムパラレルCCDセンサの図である。
【
図4A】作動中の
図4の例示的デュアルカラムパラレルCCDセンサの部分の図である。
【
図4B】作動中の
図4の例示的デュアルカラムパラレルCCDセンサの部分の図である。
【
図4C】作動中の
図4の例示的デュアルカラムパラレルCCDセンサの部分の図である。
【
図4D】作動中の
図4の例示的デュアルカラムパラレルCCDセンサの部分の図である。
【
図4E】作動中の
図4の例示的デュアルカラムパラレルCCDセンサの部分の図である。
【
図4F】作動中の
図4の例示的デュアルカラムパラレルCCDセンサの部分の図である。
【
図5】本発明の別の例示的実施形態に従って加工された読み出し構造を含む例示的デュアルカラムパラレルCCDセンサの部分図である。
【
図5A】
図5の例示的デュアルカラムパラレルCCDセンサの加工を示す部分分解斜視図である。
【
図5B】
図5の例示的デュアルカラムパラレルCCDセンサの加工を示す部分分解斜視図である。
【
図5C】
図5の例示的デュアルカラムパラレルCCDセンサの加工を示す部分分解斜視図である。
【
図5D】
図5の例示的デュアルカラムパラレルCCDセンサの加工を示す部分分解斜視図である。
【
図5E】
図5の例示的デュアルカラムパラレルCCDセンサの加工を示す部分分解斜視図である。
【
図5F】
図5の例示的デュアルカラムパラレルCCDセンサの加工を示す部分分解斜視図である。
【
図5G】
図5の例示的デュアルカラムパラレルCCDセンサの加工を示す部分分解斜視図である。
【
図6】本発明の一実施形態によるポリシリコントランスファゲート構造を備えたセルフアラインされた浮遊拡散のための例示的レイアウトを示す簡略平面図である。
【
図7】本発明の別の実施形態によるオンチップ増幅器の金属配線の例示的レイアウトを示す簡略平面図である。
【
図8A】本発明の実施形態に従ってオンチップデュアルカラムパラレル読み出しおよびオフチップ信号処理回路を駆動するためのクロック信号の例示的電圧波形およびタイミング構成を示す図である。
【
図8B】本発明の実施形態に従ってオンチップデュアルカラムパラレル読み出しおよびオフチップ信号処理回路を駆動するためのクロック信号の例示的電圧波形およびタイミング構成を示す図である。
【
図8C】本発明の実施形態に従ってオンチップデュアルカラムパラレル読み出しおよびオフチップ信号処理回路を駆動するためのクロック信号の例示的電圧波形およびタイミング構成を示す図である。
【
図9】イメージセンサ読み出しの同期化を伴ってデュアルカラムパラレルCCDイメージセンサとオフチップ信号処理回路を駆動するための例示的装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は半導体検査システム用のセンサの改良に関する。以下の説明は、当業者が本発明を、特定の用途およびその要件の文脈で提供されたように作製し使用できるようにするために提示されている。本明細書で用いられる場合、「上部」、「下部」、「上に」、「下に」、「の下方に」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」および「下方に」などの方向の用語は、説明目的のための相対位置を提供することを目的としており、基準の絶対枠を定める意図はない。説明された実施形態への種々の変更が当業者には明らかであり、本明細書で定義される一般原理は他の実施形態にも適用され得る。したがって、本発明は、図示され説明される特定の実施形態に限定される意図はなく、本明細書に記載される原理と新規の特徴に整合する最大範囲に即したものであるものとする。
【0025】
図1は、ウェハ、レチクルまたはフォトマスクなどの試料108を検査するように構成された例示的検査システム100を示す。試料108は、光学素子の下の試料108の異なる領域への移動を促進するためにステージ112上に配置される。ステージ112は、X-YステージまたはR-θステージを備えてよい。いくつかの実施形態において、ステージ112は検査中に焦点を維持するために試料108の高さを調節できる。別の実施形態において、焦点を維持するために対物レンズ105が調節され得る。
【0026】
照明源102は1つ以上のレーザーおよび/または広帯域光源を備えてよい。照明源102はDUVおよび/またはVUV放射線を放射してよい。対物レンズ105を含む光学素子103は放射線を試料108に指向させ、試料108に集束させる。光学素子103はさらに、ミラー、レンズ、偏光子および/またはビームスプリッタ(簡略化のため図示せず)を備えてもよい。試料108から反射または散乱された光は、光学素子103によって収集され、検出器アセンブリ104内のセンサ106に指向されてセンサ106に集束される。
【0027】
検出器アセンブリ104は、本明細書に記載されるセンサのうち少なくとも1つを含む。一実施形態において、センサ106の出力は、出力を解析するコンピューティングシステム114に供給される。コンピューティングシステム114は、キャリア媒体116に記憶され得るプログラム命令118によって構成される。一実施形態において、コンピューティングシステム114は、本明細書に開示される方法に従って試料108上の構造を検査し、センサを読み出すように検査システム100とセンサ106を制御する。
【0028】
一実施形態において、照明源102は、アークランプ、レーザーポンププラズマ光源またはCWレーザーなどの連続源であってよい。別の実施形態において、照明源102はQスイッチレーザーによって励起されるモードロックレーザー、Qスイッチレーザーまたはプラズマ光源などのパルス線源であってよい。Qスイッチレーザーを組み込んだ検査システム100の一実施形態において、検出器アセンブリ104内のセンサまたは複数のセンサは、レーザーパルスと同期化される。
【0029】
検査システム100の1つの実施形態は、試料108上のラインを照明して、暗視野および/または明視野収集チャネルのうち1つ以上における散乱および/または反射光を収集する。この実施形態において、検出器アセンブリ104はラインセンサまたは電子衝撃ラインセンサを含んでよい。検査システム100の別の実施形態は、試料108上の領域を照明して、暗視野および/または明視野収集チャネルのうち1つ以上における散乱および/または反射光を収集する。この実施形態において、検出器アセンブリ104はアレイセンサまたは電子衝撃アレイセンサを含んでよい。
【0030】
検査システム100の種々の実施形態の付加的な詳細は、2016年3月8日にRomanovskyほかに発行された「Wafer inspection system」というタイトルの米国特許第9,279,774号、Armstrongほかによる「Split field inspection system using small catadioptric objectives」というタイトルの米国特許第7,957,066号、Chuangほかによる「Beam delivery system for laser dark-field illumination in a catadioptric optical system」というタイトルの米国特許第7,345,825号、1999年12月7日に発行された「Ultra-broadband UV microscope imaging system with wide range zoom capability」というタイトルの米国特許第5,999,310号、2009年4月28日に発行された「Surface inspection system using laser line illumination with two dimensional imaging」というタイトルの米国特許第7,515,649号に記載されている。これら全ての特許は参照により本明細書に組み込まれる。
【0031】
図2Aおよび2Bは、本発明の別の例示的実施形態による、本明細書に記載されたセンサおよび/または方法を組み込んだ暗視野検査システムの態様を示す。
図2Aにおいて、照明光学素子201はレーザーシステム220を備え、レーザーシステム220は、光202を発生し、光202はミラーまたはレンズ203によって、被検ウェハまたはフォトマスク(試料)211の表面上のライン205に集束される。被検試料はパターン付きでもパターンなしでもよい。収集光学素子210は、ライン205から散乱された光を、レンズおよび/またはミラー212および213を用いてセンサ215に指向させる。収集光学素子210の光軸214は、ライン205の照明面にはない。いくつかの実施形態において、光軸214はライン205に対してほぼ垂直である。センサ215は、リニアアレイセンサなどのアレイセンサを備える。センサ215は、本明細書に記載されるセンサを備えてもよく、および/または、本明細書に記載される方法のうち1つがセンサを読み出すために用いられてよい。
【0032】
図2Bは、複数の暗視野収集システム231、232および233の一実施形態を示し、各収集システムは、
図2Aの収集光学素子210と実質的に同じである。収集システム231、232および233は、
図2Aの照明光学素子201と実質的に同じ照明光学素子と組み合わせて用いられてよい。各収集システム231、232および233は、本明細書に記載されるセンサのうち1つ以上を組み込んでいる。試料211は、被検領域を光学素子の下で動かすステージ221上に支持される。ステージ221は、試料の大きな領域を最小デッドタイムで検査するために、検査中に好ましくは実質的に連続して移動するX-YステージまたはR-θを含んでよい。
【0033】
図2Aおよび2Bに示した実施形態による検査システムのさらなる詳細が、5/12/2016に出願された「Sensor With Electrically Controllable Aperture For Inspection And Metrology Systems」というタイトルの米国特許出願第15/153,542号、2009年4月28日に発行された「Surface inspection system using laser line illumination with two dimensional imaging」というタイトルの米国特許第7,515,649号、および2003年8月19日に発行された「System for detecting anomalies and/or features of a surface」というタイトルの米国特許第6,608,676号に記載されている。これら特許および特許出願は全て、参照により本明細書に組み込まれる。
【0034】
図3は、パターンなしウェハなどの試料上のパーティクルまたは欠陥を、垂直および斜めの照明ビーム両方を用いて検出するように構成された検査システム300を示す。この構成において、レーザーシステム330はレーザービーム301を供給する。レンズ302は、空間フィルタ303を介してビーム301を集束する。レンズ304はビームをコリメートしてそれを偏光ビームスプリッタ305に伝える。ビームスプリッタ305は第1の偏光成分を垂直照明チャネルに伝え、第2の偏光成分を斜めの照明チャネルに伝え、第1の成分と第2の成分は直角である。垂直照明チャネル306において、第1の偏光成分は光学素子307によって集束され、ミラー308によって試料309の表面のほうに反射される。試料309(ウェハまたはフォトマスクなど)によって散乱された放射線は、放物面鏡310によって収集されてセンサ311に集束される。
【0035】
斜めの照明チャネル312において、第2の偏光成分はビームスプリッタ305によってミラー313に反射され、ミラー313はそのようなビームを1/2波長板314を介して反射し、それは光学素子315によって試料309に集束される。斜めのチャネル312内の斜めの照明ビームに由来し試料309によって散乱された放射線は、放物面鏡310によって収集されてセンサ311に集束される。センサ311と被照明領域(試料309上の垂直および斜めの照明チャネルからの)は好ましくは放物面鏡310の焦点にある。
【0036】
放物面鏡310は試料309から散乱された放射線をコリメートしてコリメートビーム316にする。次にコリメートビーム316は対物レンズ317によって、また、分析器318を介してセンサ311に集束される。放物面形状以外の形状を有する湾曲鏡面も用いられ得ることに留意されたい。機器320は、試料309の表面を横断してスポットが走査されるように、ビームと試料309の間の相対運動を提供できる。センサ311は本明細書に記載されるセンサのうち1つ以上を備えてよい。2001年3月13日にVaez-Iravaniほかに発行された「Sample inspection system」というタイトルの米国特許第6,201,601号、2016年3月8日にRomanovskyほかに発行された「Wafer inspection」というタイトルの米国特許第9,279,774号、および2016年4月7日に公開されたVazhaeparambilほかによる「TDI Sensor in a Darkfield System」というタイトルの米国特許出願公開第2016-0097727号は検査システム300の付加的な態様と詳細を説明している。これらの文献は参照により本明細書に組み込まれる。
【0037】
図4は、本発明のある種の実施形態による例示的デュアルカラムパラレルCCDセンサ400を示す。センサ400は、偶数個の列401-1乃至401-8を備える。好ましい実施形態において、センサ400は約50列乃至約10,000列を備える。各列401-1乃至401-8は、等しい個数の矩形または長方形のピクセルを備えている(例えば、列401-1は8個のピクセル4011-11乃至4011-18を含み、列401-8は8個のピクセル4011-81乃至4011-88を含む)。好ましい実施形態において、センサ400はアレイデュアルカラムパラレルCCDであり、各列は約50乃至約10,000ピクセルを備える。アレイの各列内のピクセルの個数は、列の個数と等しくても、等しくなくてもよい。別の実施形態(図示せず)において、センサはラインデュアルカラムパラレルCCDであってよく、各カラムは単一のピクセルを備えている。ラインセンサは、Armstrongほかによって出願され2011年3月31日に公開された「Inspection System Using Back Side Illuminated Linear Sensor」というタイトルの、米国特許出願公開第2011-0073982号に記載の抵抗ゲートに類似した抵抗ゲート、または、上記で引用した米国特許出願第15/153,543号に記載の抵抗ゲートに類似した抵抗ゲートを組み込んでもよく、両特許出願は参照により本明細書に組み込まれる。光、放射線または帯電パーティクルはセンサ400上に入射して、各ピクセル内にイメージ電荷を生成させる。イメージ電荷は、以下に説明する方式でピクセルに印加される3相ライン制御(クロック)信号PV1、PV2およびPV3(PV1、PV2およびPV3は、垂直クロック信号とも呼ばれる)によってピクセルの列を降下する。例えば、ピクセル4011-81で生成したイメージ電荷は、制御信号PV1-PV3に応答してピクセル4011-82のほうに下降し、続いて、ピクセル4011-88に達するまで列401-8に沿ってピクセルからピクセルに下降する。別の実施形態では、3相ライン制御信号の代わりに2相ライン制御信号が用いられてよい。3相ライン制御信号で構成されたセンサの利点は、電荷が、PV1-PV3に印加された適切な駆動信号によっていずれの方向にも移動され得ることであり、それに対し2相ライン制御信号は電荷を一方向にしか移動できない。3相ライン制御信号を用いたセンサには、いずれの方向にも信号の読み出しを可能にするために、ピクセルアレイの上部と下部の両方に読み出し回路が構成されてよい(
図4ではアレイの下部での読み出し回路402のみが示されている)。単一方向移動が必要なのか双方向の移動が必要なのかによって、センサ400は2相ライン制御信号か3相ライン制御信号を用いてよい。
【0038】
図4の下部を参照すると、デュアルカラムパラレルCCDセンサ400はさらに、列401-1乃至401-8に沿って移動されたイメージ電荷を、出力電圧信号V
OUT1乃至V
OUT4に変換するように機能する読み出し(出力)回路402を含む。読み出し回路402は、隣接列401-1乃至401-8の関連するペアからイメージ電荷をそれぞれ受け取る複数の読み出し構造402-1乃至402-4を含み、それにより、各列に沿って伝えられたイメージ電荷は、隣接する関連列で共有の読み出し構造によって出力電圧信号に変換される。例えば、列401-1と関連列401-2に沿って伝えられたイメージ電荷は、読み出し構造402-1によって出力電圧信号V
OUT1に変換される。同様に、読み出し構造402-2は関連列401-3および401-4から受け取ったイメージ電荷を変換して出力電圧信号V
OUT2を生成し、読み出し構造402-3は関連列401-5および401-6から受け取ったイメージ電荷を変換して出力電圧信号V
OUT3を生成し、読み出し構造402-4は関連列401-7および401-8から受け取ったイメージ電荷を変換して出力電圧信号V
OUT4を生成する。
【0039】
各読み出し構造402-1乃至402-4は、それぞれのイメージ信号をトランスファゲート制御信号C1およびC2に従って共有加算ゲートに移動するように構成された2ペアのトランスファゲートを含み、それは次に、イメージ信号を、加算ゲート制御信号SGに従って関連する感知ノードに伝える。例えば、読み出し構造402-1は、列401-1に配置された第1ペアのトランスファゲート403-1と、列401-2に配置された第2ペアのトランスファゲート403-2を含み、トランスファゲートペア403-1および403-2は、列401-1および列401-2からのそれぞれのイメージ信号を共有加算ゲート404-1に伝えるように制御され、加算ゲート404-1はイメージ信号を出力回路407-1に伝えるように構成され、出力回路407-1は、一例において浮遊拡散(感知ノード)405-1および増幅器406-1を含む。同様に、読み出し構造402-4は、列401-7および列401-8からのそれぞれのイメージ信号を、出力回路407-4(例えば、浮遊拡散405-4および増幅器406-4)から伝送するために共有加算ゲート404-4に伝えるために配置されたトランスファゲートペア403-7および403-8を含む。イメージ電荷が列401-7を下降するにつれ、トランスファゲートペア403-7はピクセル4011-78から共通加算ゲート404-4へのイメージ電荷の移動を制御して、イメージ電荷が漏出してピクセル4011-78に戻ることを防止する。トランスファゲートペア403-8は、列401-8およびその列4011-88の最終ピクセルに関して同じ機能を実行する。加算ゲート404-4は電荷移動中に雑音を付加せずにイメージ電荷を蓄積する。共通加算ゲート404-4の下部に、浮遊拡散405-4が形成されて、共通加算ゲートから移動されたイメージ電荷を収集し格納する。トランスファゲートペア403-7および403-8と共通加算ゲート404-5は、2つの隣接列からのイメージ電荷が、浮遊拡散405-4に逐次クロック制御されて出されるようにクロック/制御信号C1、C2およびSGによって制御される。上記のクロック信号の電圧波形とタイミング構成は
図8A、8Bおよび8Cに描写されている。浮遊拡散405-4は共有増幅器406-4に取り付けられ、共有増幅器406-4はイメージ電荷を電圧に変換して、バッファ済み電圧をオフチップADC(図示せず)に伝送する。増幅器406-4の詳細については以下に説明する。
【0040】
図4A乃至4Fは、デュアルカラムパラレルCCDセンサ400の一部分を描写しており、読み出し構造402-4をさらに詳細に示し、また、センサ400の例示的な簡略操作中の列401-7および401-8からの2つのイメージ電荷C11およびC12の、読み出し構造402-4への移動も描写している。これらの図において、センサ400の動作状態が6つの逐次時間周期t0乃至t5で描写され、それらは、各図の上部にかっこで示されている(例えば、
図4Aは、「400(t0)」で示される初期周期t0中のセンサ400を示す)。以下の説明を簡略化するために、
図4A乃至4Fでは、明確にするためイメージ電荷C11およびC12の位置のみが描写され、時間t0乃至t5の間に回路素子によって同時に処理される他のイメージ電荷は省略されている。読み出し構造402-1乃至402-3(
図4)の動作は、以下に説明するものと本質的に同じであると理解される。
【0041】
図4Aは、(第1と第2の)イメージ電荷が、読み出し構造402-4に伝えられる前にピクセル4011-78および4011-88にそれぞれ格納される場合のセンサ400(t0)を示す。ピクセル4011-78および4011-88はそれぞれ、イメージ電荷C11およびC12を生成し(すなわち、収集および/または一時的に格納)、次にイメージ電荷C11およびC12を、1つ以上のライン制御信号PVX(例えば、
図4に示す3相信号PV1、PV2およびPV3)に従って読み出し構造402-4に伝えるように構成される。読み出し構造402-4は、ピクセル4011-78および88それぞれからイメージ電荷C11およびC12を受け取るように構成された第1行トランスファゲート403-71および403-81と、トランスファゲート403-71および403-81それぞれからイメージ電荷C11およびC12を受け取るように構成された第2行トランスファゲート403-72および403-82と、トランスファゲート403-72および403-82に結合された加算ゲート404-4と、加算ゲート404-4に結合された出力回路(例えば、浮遊拡散405-4および増幅器406-4)を含む。第1および第3トランスファゲート403-71および403-72がトランスファゲートペア403-7を形成し(
図4参照)、第2および第4トランスファゲート403-81および403-82がトランスファゲートペア403-8を形成し(
図4参照)、各ペアのトランスファゲート間の信号経路は、イメージ電荷C11およびC12がそれぞれ、列401-7(すなわち、トランスファゲート403-71から403-72に)および401-8(すなわち、トランスファゲート403-81から403-82に)のみを移動するように制約されるよう構成されることに留意されたい。
【0042】
図4Aに示すように、本発明の一態様によれば、第1行トランスファゲート403-71および403-81は、第2行トランスファゲート403-72および403-82と有効に交差結合される(例えば、トランスファゲート403-71と403-82の間に接続された導体408-1によって、また、トランスファゲート403-72と403-81の間に接続された導体408-2によって示されるように)。この構成により、(第1)トランスファゲート403-71に印加された(第1)トランスファゲート制御信号C1は(第4)トランスファゲート403-82にも実質的に同時に印加され、(第2)トランスファゲート403-81に印加された(第2)トランスファゲート制御信号C2は(第3)トランスファゲート403-72にも実質的に同時に印加される。以下に説明するように、このような方式で隣接列内のトランスファゲートを有効に交差結合することは、交互の時間周期中の、単一の出力回路へのイメージ電荷の確実な移動を促進し(例えば、加算ゲート404-4によって)、それにより、単一の増幅器406-4によって2つの列401-7および401-8内に生成するイメージ電荷の出力を促進する。
【0043】
本発明の別の態様によれば、加算ゲート404-4は、異なる時間周期中に第2行(第3および第4)トランスファゲート403-72および403-82からイメージ電荷を受け取るように構成され、また、受け取ったイメージ電荷それぞれを、加算ゲート制御信号SGに従って浮遊拡散405-4に伝えるように構成される。以下に説明するように、トランスファゲート403-71のトランスファゲート403-82との交差結合、およびトランスファゲート403-72のトランスファゲート403-81との交差結合は、一度に1つのイメージ電荷のみが加算ゲート404-4に移動されることを確実にし、それによって2つの列401-7および401-8から、増幅器406-4によって関連する出力信号を生成するために作動的に結合された単一の浮遊拡散405-4へのイメージ電荷の簡略化された確実な移動を促進する。2つの列401-7および401-8からのイメージ電荷の出力を促進するために、ライン制御信号(複数可)PVXのラインクロックレートの二倍であるクロックレートで加算ゲート制御信号SGが提供される。
【0044】
図4Bおよび4Cは、簡略化された例示的実施形態による、ピクセル4011-78および4011-88からトランスファゲートへのイメージ電荷C11およびC12の交互の(逐次)移動中の時間周期t1およびt2でのセンサ400を描写する。時間周期t1(
図4B)中に、ライン制御信号PVXとトランスファゲート制御信号C1は駆動/切り替えられて、ピクセル4011-78から第1のトランスファゲート403-71へのイメージ電荷C11の移動およびピクセル4011-88から第2のトランスファゲート403-81へのイメージ電荷C11の移動を引き起こす。時間周期t2(
図4C)中に、トランスファゲート制御信号C1およびC2は駆動されて、第1のトランスファゲート403-71から第3のトランスファゲート403-72へのイメージ電荷C11の移動を引き起こす。
【0045】
図4Dおよび4Eは、イメージ電荷C11およびC12の、第2行トランスファゲート403-72および403-82から加算ゲート404-4への引き続いた逐次移動中の時間周期t3およびt4の間のセンサ400を描写する。(第1)時間周期t3(
図4D)中に、(第1)トランスファゲート制御信号C1、(第2)トランスファゲート制御信号C2および加算ゲート制御信号SGは駆動/切り替えられて、第2行トランスファゲート403-72から加算ゲート404-4へのイメージ電荷C11の移動を引き起こし、また同時に、第1行トランスファゲート403-81から第2行(第4)トランスファゲート403-82へのイメージ電荷C12の移動を引き起こす。
図4Dに描写された2つの電荷移動は、トランスファゲート403-71と403-82の有効な交差結合により、および、トランスファゲート403-81と403-72の有効な交差結合により、トランスファゲート制御信号C1およびC2の駆動/切り替えに応答して作動的に有益に調整されることに留意されたい。(第2)時間周期t4(
図4E)中に、(第1)トランスファゲート制御信号C1および加算ゲート制御信号SGは駆動/切り替えられて、第2行トランスファゲート403-82から加算ゲート404-4へのイメージ電荷C12の移動を引き起こす。
【0046】
図4Eおよび4Fは、イメージ電荷C11およびC12の、加算ゲート404-4から浮遊拡散405-4への引き続いた逐次移動中の時間周期t4およびt5の間のセンサ400を描写する。
図4Eに示すように、(第2)時間周期t4中に、加算ゲート404-4は加算ゲート制御信号SGによってイメージ電荷C11を浮遊拡散405-4に移動するように制御され、それにより、浮遊拡散405-4に格納されていた関連する電荷は、増幅器406-4に、イメージ電荷C11に対応する出力信号V
OUT-C11を生成させる。それに続く時間周期t5(
図4F)の間、加算ゲート404-4は、加算ゲート制御信号SGによって制御されて、浮遊ゲート405-4にイメージ電荷C11を移動させ、それにより、浮遊拡散405-4に格納されていた関連する電荷は、増幅器406-4に、イメージ電荷C12に対応する出力電圧信号V
OUT-C12を生成させる。浮遊拡散405-4は、各電荷移動の間に(すなわち、C11の移動の後且つC12の移動の前に)リセットされてもよく、または、C11の移動の前にのみリセットされてもよいことに留意されたい。リセットトランジスタおよびリセット信号は、図を簡略化し、電荷移動の動作をより明確に説明するために
図4、4A-Fには描写されていない。
【0047】
図4A乃至4Fに示した例によって設定されているように、センサ400は、2列ごとに1つの増幅器の構成を提供し、それは、出力クロックレートをわずかに増加させる(すなわち、加算ゲート制御信号SGは、ライン制御信号(複数可)PVXのラインクロックレートの二倍だけのクロックレートを有する)だけで、高切り替え電流、高読み出し雑音及び1列ごとに1つの増幅器の構成に関連する増幅器スペース問題を回避することによって小さい列ピッチ(例えば、約10μmから約25μm間)のCCDセンサの製造を促進する。
【0048】
図5は、本発明の例示的な好ましい実施形態によるデュアルカラムパラレルCCDイメージセンサ500の部分を示す。
【0049】
本発明の一態様によれば、センサ500は、2つの列511および512から1つの共有出力回路へのイメージ電荷の移動を促進するように働く対称なY字形埋込拡散502を含む。Y字形埋込拡散502は、半導体基板501上に形成された連続nドープ領域を備え、V字形融合区分502-4によって下流(第3の)細長い部分502-3に接続された平行な上流の(第1および第2)細長い部分502-1と502-2を含む。連続nドープ領域は、ピクセル520-1および520-2によって蓄積されたイメージ電荷(電子を含む)が、上流の細長い部分502-1および502-2に沿って移動するように制約されて、それぞれV字形融合区分502-4によって下流の細長い部分502-3に指向されるように、既知の技法を用いて形成される。
【0050】
ピクセル520-1および520-2は、それぞれ上流の細長い部分502-1と502-2の上に形成された多結晶シリコンピクセルゲート構造515-1、515-2および515-3によって対応する関連列511および512に形成される。付加的なピクセルが、各列511および512(例えば、図のピクセル520-1および520-2の上に)形成されてよい。ピクセル520-1および520-2によって生成されるイメージ電荷は、以下に説明する方式で生成される3相ピクセル制御信号PV1、PV2およびPV3によって、列511および512を下って移動するように制約される(すなわち、上流の細長い拡散部502-1および502-2によって)。
【0051】
前の実施形態と同様に、センサ500は、第1行(第1および第2)トランスファゲート523-1および523-2と、第2行(第3および第4)トランスファゲート523-3および523-4を含む2行のトランスファゲート523-1乃至523-4を含む。第1行のトランスファゲート523-1および523-2は、上流の(第1および第2)細長い拡散部502-1および502-2の上に、ピクセル520-1および520-2と第2行トランスファゲートの間に、それぞれ作動的に配置された多結晶シリコントランスファゲート構造504-11および504-12によって形成される。第2行トランスファゲート523-3および523-4は、第1行トランスファゲートとV字形融合区分502-4の細長い拡散部502-1および502-2の上にそれぞれ作動的に配置された多結晶シリコントランスファゲート構造504-21および504-22によって形成される。この構成によって、(第1および第3)トランスファゲート523-1および523-3は、チャネル511に沿って伝えられたイメージ電荷をV字形融合区分502-4のほうに移動するように構成され、(第2および第4)トランスファゲート523-2および523-4は、関連する第2チャネル512に沿って伝えられたイメージ電荷をV字形融合区分502-4のほうに移動するように構成される。
【0052】
上記に記載したように、トランスファゲート523-1乃至523-4を形成するトランスファゲート構造は、有効に交差結合されて、列511および512から加算ゲート524へのイメージ電荷の効率よく確実な移動を促進する。特に、(第1)トランスファゲート523-1および(第4)トランスファゲート523-4は、信号ライン562-1で伝送されるトランスファゲート制御信号C1を受け取るために結合され、(第2)トランスファゲート523-2および(第3)トランスファゲート523-3は、信号ライン562-2で伝送されるトランスファゲート制御信号C2を受け取るために結合される。この構成は本明細書では有効交差結合と呼ばれるが、その所以は、第1と第4のトランスファゲート523-1と523-4が、(第1)トランスファゲート制御信号C1が第1のトランスファゲート構造504-11に印加されるときに実質的に同時に(第4)トランスファゲート構造504-22に印加されるように有効に結合され、また、第2と第3トランスファゲート523-2と523-3が、(第2)トランスファゲート制御信号C2が第2トランスファゲート構造504-12に印加されるときに実質的に同時に(第3)トランスファゲート構造504-21に印加されるように有効に結合されているからである。
【0053】
描写された実施形態によれば、有効交差結合は、2つの関連するトランスファゲート構造の間に接続された1つ以上の導電性(例えば、金属またはドープ多結晶シリコン)リンク構造を用いて少なくとも部分的に達成される。
図5の2つの列間の領域を参照すると、第1行、第1列トランスファゲート構造504-11は、領域分離列511および512の上に右側に延在する水平に配向した細長い多結晶シリコンゲート構造として実装され、第2行、第2列トランスファゲート構造504-22は、領域分離列511および512の上に左側に延在する水平に配向した細長い多結晶シリコンゲート構造として実装される。トランスファゲート構造504-11と504-22の部分を水平方向に重複させることにより、これらの2つの構造は、列(垂直)方向に対して平行に延在する導電性リンク構造532によって電気的に接続される。このリンク構成は、トランスファゲート制御信号C1がトランスファゲート構造504-11に印加されるときに、トランスファゲート構造504-22にも実質的に同時に印加される(すなわち、導電性リンク構造532を介した伝送によって)ことによって、関連するトランスファゲート構造504-11および504-22にわたる確実な交差結合制御を促進する。
【0054】
加算ゲート524は、加算ゲート524が、列511または512いずれかから下流の細長い拡散部502-3にイメージ電荷を移動するべく機能するように、V字形融合領域502-4の上に形成されている。一実施形態において、加算ゲート524は、その下流縁505Bのその幅W2よりも長い幅W1(すなわち、列511および512に対して垂直な方向に測定された)を有する上流縁505Aを有する先細の多結晶シリコン構造として実装される。この先細の加算ゲート構造は、上流の細長い拡散部502-1および502-2から下流の細長い拡散部502-3へのイメージ電荷の効率よい移動を促進する。加算ゲート505は、加算ゲート404-4を参照して上記で説明したのと同じ方式で機能するように加算ゲート制御信号SGによって制御され、その場合、加算ゲート制御信号SGのクロックレートは、ピクセル制御信号PV1、PV2およびPV3のラインクロックレートよりも二倍高速である。一実施形態において、V字形融合区分502-4の下流部分の上(すなわち、加算ゲート構造505と下流の細長い拡散部502-3の間)に付加的な先細の出力ゲート構造(
図5Cの構造506を参照)が配置され、感知ノードから電荷が漏出して加算ゲート505に戻ることを防止するように機能する。
【0055】
作動中、ピクセル520-1および520-2で生成したイメージ電荷は、ラインクロック信号PV1、PV2およびPV3によって決定されるクロックレートで列511および512に沿って移動される。種々の制御信号の波形の例が
図8A、8Bおよび8Cに示されている。
図8A、8Bおよび8Cに示したような波形がどのようにして電荷をセンサ500に移動できるかに関する簡略な説明が以下にある。
図8A、8Bおよび8Cは、幾つかの実施形態において存在するが
図5には描写されていないバッファゲート用の制御信号VBを含むことに留意されたい。トランスファゲート制御信号C1が信号ライン562-1上でハイの電圧(すなわち、ローの電圧よりも正である電圧)を生成すると、トランスファゲート構造504-11および504-22の下にポテンシャル井戸が形成される。同様に、トランスファゲート制御信号C2が信号ライン562-2上でハイの電圧(すなわち、ローの電圧よりも正である電圧)を生成すると、トランスファゲート構造504-12および504-21の下にポテンシャル井戸が形成される。ラインクロック信号PV3がローの電圧に駆動されると、イメージ電荷はピクセル520-1および520-2から(または、代替的に、例えば
図5Gおよび8Aのバッファゲートへの制御信号VBがローの電圧に駆動された場合、イメージ電荷は、図示しない列511および512内の介在バッファゲート下から)、トランスファゲート構造504-11および504-12下に移動する。チャネル502-1および502-2内の適切な位置に埋め込まれたバリアは、制御信号C1およびC2が概ね等しい電位にある間はゲート504-21および504-22下で電荷が移動することを防止する。CCDにおける2相クロック制御を可能にするための埋め込まれたバリアの使用は良く知られている。次に、トランスファゲート制御信号C1は、トランスファゲート制御信号C2が依然としてハイである間に信号ライン562-1上の電圧がハイからローに切り替わるように切り替えられ、それによってトランスファゲート504-11および504-22下のポテンシャル井戸が崩壊する。こうして、トランスファゲート504-11下のイメージ電荷はトランスファゲート504-21下に移動し、トランスファゲート504-22下のイメージ電荷は加算ゲート505下に移動する。トランスファゲート制御信号C2がハイからローに切り替わると、トランスファゲート504-21下のイメージ電荷は加算ゲート構造505下に移動し、一方で、トランスファゲート504-12下のイメージ電荷はトランスファゲート構造504-22下に移動する。限定ではないが例として、ハイの電圧は、基板の電位に対して約+5Vの電圧を意味することがあり、それに対し、ローの電圧は基板の電位に対して約-5Vの電圧を意味することがある。当業者ならば、用いるべき適切な電圧は、埋込チャネル内のドーピングレベル(複数可)、ポリシリコンゲート電極のドーピングレベル、誘電層の厚さと誘電定数およびピクセルとゲート構造の寸法とフルウェルキャパシティを含む多くの要因に依存することを理解するであろう。
【0056】
上記の操作を繰り返すことで、2つの列(すなわち、列511および512)内のピクセルによって生成されたイメージ電荷は、共有(共通)加算ゲート505によって単一の出力回路に逐次移動される。同時に、他のペアの列はそれらの電荷を、これらのペアの列用に配設された対応する共通加算ゲート下に逐次クロック制御する。上記のクロック信号の例示的電圧波形とタイミング構成が
図8A、8Bおよび8Cにさらに詳しく描写されている。
図5に示された好ましい実施形態において、各列は1つのトランスファゲートペアを用いてイメージ電荷を共通加算ゲートにクロック制御する。別の実施形態において、一列につき2つ以上のトランスファゲートペアが、別の電荷移動スキームを実施するために用いられてよい。センサ500はさらに、加算ゲート505内の2つの列からの電荷を、ラインクロック周波数の二倍で読み出す代わりにラインクロックと同じ速度で加算ゲート505を読み出すことによって加算するように操作されてよいことに留意されたい。これは、センサ500を組み込んだ機器が、改良された信号対雑音比のために空間分解能をトレードオフする異なる動作モードを有することを可能にする。
【0057】
図5の下部分を参照すると、出力回路は、下流の細長い拡散部502-3に形成された浮遊拡散507と、適切な(金属またはポリシリコン)導電性構造535によって浮遊拡散507に作動的に結合されたオンチップ前置増幅器回路509によって実装される。オンチップ前置増幅器509は、浮遊拡散507に格納されたイメージ電荷を電圧信号に変換して、バッファ済み電圧信号V
OUTを出力端子510に届けるように機能する。前置増幅器はCCDセンサにおいて、信号を増幅および/またはバッファしてさらなる処理に向けて準備するために広く用いられる。当技術分野で知られる複数の前置増幅器およびバッファ構成が、デュアルカラムパラレルCCDイメージセンサ500での使用に適している。前置増幅器509は複数のトランジスタ、抵抗器およびコンデンサを備えてよい。例として、増幅器509は2段のソースフォロアを備えてよい。第1段ソースフォロアはゲイントランジスタM1と電流シンクトランジスタM2を含み、第2段ソースフォロアはゲイントランジスタM3を含み、それにより増幅器509の出力端子510はトランジスタM3のソース端子によって形成される。浮遊拡散507に接続されたソース端子と、リセットクロック信号RGによって制御されるゲート端子と、リセット電圧RDに接続されたドレイン端子を含むリセットトランジスタ508が配設される。典型的な動作(積分および読み出し)サイクルは、リセットトランジスタ508を切り替えることによって浮遊拡散507を電圧RDにリセットし、所定の積分期間だけ待機し、次に出力端子510での出力電圧をサンプリングすることによって開始する。積分期間中に、出力端子510での電圧レベルは、浮遊拡散507にファネリング(funneled)されたイメージ電荷に比例した量だけ変化する(より負になる)。読み出し期間中に、ADC(図示せず)はアナログ電圧レベルを測定して、それをさらなる信号処理用にデジタル数に変換する。ADCはオンチップに配置されてもオフチップに配置されてもよい。
【0058】
図5A乃至5Gは、センサ500の製造に関連する主要な加工の特徴を図示し、
図5には図示されていない付加的な特徴を含む。例えば、
図5A乃至5Gは2つのみの列の代わりに5つの列を示しており、さらに、バッファゲートなどの任意の要素も示している。簡潔にするため前置増幅器の一部のみが示され、前置増幅器の付加的な特徴は以下で
図7を参照して説明されることに留意されたい。
【0059】
図5Aは、既知の(例えばCMOS)半導体処理技法を用いた適切なドーパントの拡散後であり且つ基板の上面の上に最下誘電層540を形成する前の基板501を示す。上記で説明したように、センサ500は3つのY字形埋込拡散(チャネル)502-0、502-1および502-2を含み、例示のために拡散502-0の部分のみが示されている。各Y字形埋込拡散は、5つのチャネルを形成する上流の細長い部分を含み、拡散502-1の上流の細長い拡散部502-11と502-12が第1と第2のチャネルを形成し、拡散502-2の上部細長い拡散部502-21と502-22が第3と第4のチャネルを形成し、拡散502-0の上流の細長い拡散部502-01が第5のチャネルを形成する。一実施形態において、埋込チャネル拡散502-0、502-1および502-2は、既知の技法を用いてp型単結晶シリコン基板501A上に形成されたエピタキシャルシリコン層501Bに拡散されたn型ドーパントによって形成される。別の実施形態において、埋込チャネルは、イメージ電荷(ホールを備える)が蓄積し移動するn型半導体基板の上へのp型ドーピングによって形成され得る。V字形埋込チャネル部分の幅は下流埋込拡散部502-03、502-13および502-23に向かって漸次先細になる。下流埋込拡散部(例えば、埋込部502-13の幅W3)の最小幅は、引き続いて形成される加算ゲートが、2つの関連する上流埋込拡散部(例えば、埋込部502-11および502-12)両方から伝えられたイメージ電荷を収容できるように設定される。
【0060】
浮遊拡散507-0、507-1および507-2およびリセット拡散508-01、508-11および508-21はそれぞれ、埋込チャネル502-0、502-1および502-2の狭端部に拡散されたn+ドーパントによって形成される。浮遊拡散の静電容量を減少させるために、フルウェル信号レベルに整合する可能な最小サイズで浮遊拡散507が形成されることが好ましい。浮遊拡散の静電容量の減少は電荷変換効率(CCE)の増加につながり、それにより出力端子510での改良された信号対雑音比につながる。
【0061】
図5Aには、前置増幅器509-0、509-1および509-2の第1段トランジスタのソース、ドレインおよびチャネル領域を形成する拡散509-0M1D、509-1M1D、509-2M1Dも示されている。これらの拡散の関係性は、以下で、浮遊拡散509-0、509-1および509-2に接続する多結晶シリコン構造の形成を参照して論じる。
【0062】
図5Bは、第1の多結晶シリコンプロセスを描写し、そのプロセス中に誘電層540上に第1組の多結晶シリコン構造(「第1のポリ構造」として知られる)が形成される。これらの第1のポリ構造は、第1のピクセルゲート構造515-1と、第1行トランスファゲート構造504-1と、加算ゲート構造505と、相互接続構造535Aとリセットゲート構造508-2を含む。
図5Bの左側を参照すると、描写された第1のポリ構造は2つのピクセルゲート構造515-11および515-12を含み、それはピクセル520-1Aおよび520-1Bの2つの行に対応する。5つの第1行トランスファゲート構造504-02、504-11、504-12、504-21および504-22が、対応する上流の細長い拡散部の上に配置された別個の構造として形成される(例えば、第1行トランスファゲート構造504-02は上流の細長い拡散部502-02の上に延在する)。3つの加算ゲート構造505-0、505-1および505-2がそれぞれのV字形拡散部の上に形成される(例えば、加算ゲート構造505-0はV字形拡散部502-04の上に配置される)。3つの導電性構造535A-0、535A-1および535A-2は、それぞれの浮遊拡散の上に形成される(例えば、導電性構造535A-0は浮遊拡散507-0の上に配置される)。最後に、3つのリセットゲート構造508-01、508-11および508-21がそれぞれの下流拡散部の上に形成される(例えば、リセットゲート構造508-01は下流拡散部502-03の上に配置される)。
【0063】
図5Bの右下部分に配置された部分断面図によって示されるように、一実施形態において各導電性構造535A-0、535A-1および535A-2は、それらが、誘電層540を貫通して対応する浮遊拡散に延出する下部/垂直ポリ部と、水平に延出して第1段ゲイントランジスタゲート構造を形成する上部/水平ポリ部を含むように形成される。例えば、断面図を参照すると、ポリ部535A-0は、誘電層540に形成された関連するコンタクトホール541を貫通して延出して浮遊拡散507-0に接する下部/垂直ポリ部535A-01と、下部/垂直ポリ部535A-01の上端から誘電層540の上面を横断して水平に延出するとともに拡散509-0M1Dの上に延出して前置増幅器509-0の第1段トランジスタのためのゲート構造を提供する上部/水平ポリ部535A-02を含む。この構成は、金属配線を必要とせずに各感知ノードと関連する前置増幅器との間の作動接続を促進し、それによって浮遊拡散の静電容量を減少させて電荷変換効率を増加させ、それによりセンサの信号対雑音比を向上させる。さらに、一実施形態において、浮遊拡散は、接続ポリ部を形成するために用いられたのと同じ開口部を通じて浮遊拡散を形成することによって導電性構造535A-0、535A-1および535A-2とセルフアラインされる。従来型CCDセンサにおいて、浮遊拡散はコンタクトホールのエッチングとポリシリコン(すなわち、多結晶シリコン)堆積前に形成され、浮遊拡散、コンタクトホールおよびポリシリコンの間にミスアライメントがあればそれは寄生静電容量をもたらす。好ましい実施形態において、コンタクトホール541が先ず誘電層540を貫通してエッチングされ、続いて浮遊拡散507-0のドーピング、次に第1のポリシリコン材料の堆積と続き、それによって導電性構造535A-0が浮遊拡散507-0にセルフアラインされる。こうしてセルフアラインされた浮遊拡散が形成されて、金属配線なしで第1段トランジスタM1のポリシリコンゲートに直接接続される。この技法はさらに、浮遊拡散の静電容量を減少して電荷変換効率を増加させ、それによって本明細書に記載されるCCDセンサにおける信号対雑音比を改良する。1972年10月24日に、Vadaszに発行され、参照により本明細書に組み込まれる「Integrated circuit structure and method for making integrated circuit structure」というタイトルの米国特許第3,699,646号は、埋込コンタクトとセルフアラインされた拡散の付加的な態様と詳細を記載している。
【0064】
浮遊拡散507-0は、
図5およびその関連する説明に詳細に記載された高濃度ドープ領域である。リセットトランジスタMRは、リセットトランジスタのソース端子としても機能する浮遊拡散の他方の側に隣接している。リセットトランジスタMRを切り替えることによって浮遊拡散をリセット電圧RDにリセットした後で、イメージ電荷は出力ゲートOGによって浮遊拡散に移動されてオンチップ増幅器によって読み出される。
【0065】
図5Cは第2の多結晶シリコンプロセスを描写し、そのプロセス中に第2のポリ構造が誘電層540の上に形成される。第2のポリ構造は、第2のピクセルゲート構造515-2、第2行トランスファゲート構造504-2および出力ゲート構造506を含む。第2のピクセルゲート構造515-2は、誘電層540の上面に部分的に形成されたピクセルゲート構造515-21および515-22を含み、また、隣接する第1のポリ構造の上に延在する隆起部分を含む(例えば、第2のポリゲート構造515-21は第1のピクセルゲート構造515-12に部分的に重複する)。同様に、バッファゲート構造503は、誘電層540の上面に部分的に形成された平面中央部分503Aと、第1のピクセルゲート構造515-11の1つの縁の上に延在するように形成された隆起した第1の縁部503Aと、第1行トランスファゲート構造の第1の(左側)縁の上に延在するように(例えば、トランスファゲート構造504-012の上に)形成された隆起した第2の縁部503Cを含む。バッファゲート503は、ピクセル列から移動して出て行くイメージ電荷を一時的に格納して、イメージ電荷をトランスファゲートに移動するように機能する。各列に対して1つのバッファゲート503を図示しているが、バッファゲートが1つもなくても、または2以上のバッファゲートが用いられてもよい。1つの好ましい実施形態において、奇数行を駆動するクロック信号が、偶数行を駆動するクロックと実質的に180°位相を異にし、その結果最小基板電流が生じ、出力にほとんど雑音を加えないように、2行などの偶数の行のバッファゲートが用いられる。5つの別個の第2行トランスファゲート構造504-022、504-121、504-122、504-221および504-222が、それぞれが、平面中央部分と、第1行トランスファゲート構造の第2の(右側)縁の上に延在する隆起した第1の縁部と、加算ゲート構造505の左側縁の上に延在する隆起した第2の縁を含むように、バッファゲート構造503と同様の方式で形成される。例えば、第2行トランスファゲート構造504-022は、第1行トランスファゲート構造504-012の右側の側縁の上に延在する隆起した第1の縁部と、加算ゲート構造505-0の第1の(左側の縁)の上に延在する隆起した第2の縁を含む。3つの出力ゲート構造506-0、506-1および506-2は、それぞれが、平面部分と、それぞれ加算ゲート構造505-0、506-1および506-2の第2の(右側)縁の上に延在する1つの隆起した縁部を含むように同様の方式で形成される。描写された第1ポリ構造の上への第2ポリ構造の重複は既知の技法を用いて達成され、ゲート間の埋込拡散チャネルにおける潜在的なバリアを減少することによってイメージ電荷の不完全な移動を防止するように働く。異なる誘電ゲート絶縁体上に配置されるゲート構造を垂直に配置するなどの、他の既知の技法も用いられてよい。センサ用途および電荷移動要件によって、上記のゲートそれぞれは、1つ以上の多結晶またはアモルファスシリコンゲート構造によって実装されてよい。
【0066】
各ゲートの一方の側付近において他方の側よりも低い埋込チャネルの電位が達成されるように、適切な高さの埋込バリアが、バッファおよびトランスファゲート下の埋込チャネル内の適切な位置に配置される。1つのゲートがハイの電位であり、隣接ゲートがローの電位である場合、この下部埋込チャネルの電位が、階段様の電位を形成し、それが、イメージ電荷が所望の方向にのみ移動されることを確実にする。2つの隣接ゲートが等しい電位である場合、下部埋込チャネル電位がバリアを形成し、それが、電位が1つのゲートから他のゲートにドリフトすることを防止する。
【0067】
出力ゲート構造506-0、506-1および506-2はY字形埋込拡散502-0、502-1および502-2それぞれのV字形融合区分の下流部分の上(すなわち、加算ゲート構造と下流の細長い拡散部の間)に配置され、感知ノードから電荷が漏出して加算ゲート505-0、505-1および505-2に戻ることを防止するように機能する。各出力ゲート506-0乃至506-2は、誘電(ゲート絶縁体)層140上に配置された多結晶(またはアモルファス)シリコンゲート構造を含み、出力ゲート下で適切な電位が達成されるような電圧によってバイアスされる。関連する加算ゲート505-0乃至505-2から浮遊拡散507-0乃至507-2への電荷移動中に、出力ゲート構造506-0乃至506-2下の電位は共通加算ゲート領域下より高く、浮遊拡散領域下より低く、イメージ電荷は電位「階段」を上昇して加算ゲートから浮遊拡散に円滑に移動する。イメージ電荷のパケットが移動した後で、加算ゲート505-0乃至505-2の電圧はローからハイに切り替えられ、各加算ゲート下の電位は隣接出力ゲート下よりも高くなり、イメージ電荷は、出力ゲート下の電位バリアによって加算ゲートに漏出して戻ることが不能となる。加算ゲート505-0乃至505-2と類似した方式で、出力ゲート構造506-0乃至506-2は、それぞれ浮遊拡散507-0乃至507-2のほうに漸次先細になる幅で配置される。
【0068】
図5Dは、第3の多結晶シリコンプロセスを描写し、そのプロセス中に第3のポリ構造が誘電層540の上に形成される。第3のポリプロセスは、本例においては、誘電層540の上面に部分的に形成されたピクセルゲート構造515-13および515-23を含み、隣接する第1および第2ポリ構造の上に延在する隆起部分を含む第3のピクセルゲート構造515-3を形成するために典型的に用いられる。例えば、第3のポリゲート構造515-13は第1のピクセルゲート構造515-11の左側の縁に部分的に重複し、また、第2のピクセルゲート構造515-12の一部にも重複する。同様に、第3のポリゲート構造515-23は第1のピクセルゲート構造515-21の左側の縁に部分的に重複し、また、第2のピクセルゲート構造515-22の一部にも部分的に重複する。これらの第3のポリ構造も、既知の技法を用いて形成される。
【0069】
典型的なCCD製造プロセスは3つの異なる多結晶シリコン堆積を用いて3相ライン(垂直)クロックのために必要な3つのピクセルゲート構造を形成する。
図5A乃至5Dに描写された第1、第2および第3の多結晶構造は、センサ500を加工するための1つの方式を示す。第1、第2および第3の多結晶構造の異なる組み合わせを用いてセンサを加工してもよい。例えば、バッファ、トランスファ、加算および出力ゲートは、第1と第2の多結晶構造からではなく第2と第3の多結晶構造から加工されてよい。別の例では、個々のゲートは2つの異なる多結晶層の組み合わせから加工されてよい。
【0070】
図5Eは、第1のメタライゼーション(第1の金属)プロセスを描写し、そのプロセス中に金属配線構造の第1の層がポリ構造の上に形成される。金属配線構造のプレメタル誘電層550が下部誘電層540の上に形成され、任意で、既知の技法に従って平坦化される。次に下層構造へのコンタクト開口部(ビア)が、プレメタル誘電層550の上面を貫通して形成され、次に、金属ビア構造がビア開口部に形成されて、次に金属層が堆積されパターニングされて第1の金属構造を形成する。
【0071】
例示的実施形態によれば、各第1行トランスファゲート構造が、関連する第2行トランスファゲート構造に、上記で説明した同時ゲート制御技法を満たす方式で電気的に接続されるように金属導電性リンク構造532Aを形成するために、第1の金属プロセスが用いられる。特に、1つの列内の各第1行トランスファゲート構造は、関連する金属導電性リンク構造532Aと対応する金属ビアによって隣接列内の第2行トランスファゲート構造に接続される。例えば、列512-0内の第1行トランスファゲート構造504-012は、隣接する隣列511-1内の第2行トランスファゲート構造504-121に、金属導電性リンク構造532A-01によって接続され、また、
図5Eの上左部分に提供された部分断面図に示すように、接続は、プレメタル誘電層550を貫通する金属ビア555-1および555-2によって促進される。同様に、列511-1、512-1および511-2内に配置された第1行トランスファゲート構造は、それぞれ金属導電性リンク構造532A-11、532A-12および532A-22によって列512-1、511-2および512-2それぞれの第2行トランスファゲート構造に接続される。
【0072】
図5Fおよび5Gは、第2のメタライゼーション(第2の金属)プロセスを描写し、そのプロセス中に金属配線構造の第2の層がポリ構造と第1の金属構造の上に形成される。第2の金属プロセスは、プレメタル誘電層550と第1の金属構造の上に中間金属誘電材料を堆積し、任意で平坦化することによって開始し、中間金属誘電層560を形成する。次に下層構造へのコンタクト開口部(ビア)が、中間金属誘電層560の上面を貫通して形成され、次に、金属ビア構造がビア開口部に形成されて、次に第2の金属層が堆積されパターニングされて第2の金属構造を形成する。例示的実施形態において、第2の金属プロセスは、種々のポリゲート構造に適切なバイアス電圧およびクロック/制御信号を伝導するために用いられる金属信号ラインを形成するために用いられ、その信号は、外部制御回路(図示せず)によって生成されて、既知の技法に従って半田バンプまたはワイヤボンドによって第2の金属信号ラインに印加される。分かりやすくするため、
図5Fは、トランスファゲート制御信号C1およびC2を金属導電性リンク構造532A-01、532A-11、532A-12および532A-22に伝送するために用いられる第2の金属(信号ライン)構造562-1および562-2のみを示しており、第2の金属プロセス中に形成される残りの第2の金属構造は
図5Gに描写されており、これら第2の金属構造のすべては同時に形成されることを理解されたい。
【0073】
図5Fを参照すると、上記で説明したトランスファゲート機能を促進するために、第2の金属(信号ライン)構造562-1および562-2は、金属導電性リンク構造532A-01、532A-11、532A-12および532A-22に交互の配置で接続されている。つまり、信号ライン構造562-1は中間金属誘電層560内に画定された(すなわち、そこにエッチングされた)ビア開口561-1を貫通して延出する金属ビア構造565-1によって導電性リンク構造532A-01に接続される。交互の配置に従って、信号ライン構造562-2は、次のインライン導電性リンク構造532A-11に、中間金属誘電層560内に画定されたビア開口561-2を貫通して延在する金属ビア構造565-2によって接続され、信号ライン構造562-1は、次のインライン導電性リンク構造532A-12に接続される。信号ライン562-1および562-2は、例示的実施形態においてX軸方向に延出する金属導電性リンク構造532A-01、532A-11、532A-12および532A-22に対して垂直(すなわち、Y軸方向)に延在することに留意されたい。
【0074】
図5Gは、残りの第2の金属(信号ライン)構造562と、中間金属誘電体560上に形成され、対応するゲート構造とセンサ500の拡散に制御およびバイアス信号を伝送するために用いられる例示的ビアコンタクト構造を示す。特に、6つのピクセル信号ライン562Pが、ラインクロック信号P1V、P2VおよびP3Vをピクセルゲート構造515に伝送するために用いられ、バッファ信号ライン562-3は、バッファ制御(クロック)信号VBをバッファゲート構造503に伝送するために用いられ、信号ライン562-4および562-5は、加算ゲート制御信号SGを加算ゲート構造505および出力ゲート506に伝送するために用いられ、リセットゲート信号ライン562-3は、リセットゲート制御信号RGをリセットゲート構造508-2に伝送するために用いられ、リセットバイアス信号ライン562-3は、リセットバイアス信号RDをリセット拡散508-1に伝送するために用いられる。簡略化のためピクセル信号ライン562Pは直線状金属ラインとして示されているが、実際にはこれらのラインは、センサ500を加工するために用いられる半導体プロセスの最小フィーチャ(例えばライン幅および間隔)要件を満たすためにV字形パターンに配置される場合が多いことに留意されたい。トランスファゲート信号ライン562-1および562-2と、関連するトランスファゲート構造504-1および504-2との接続は上記で
図5Fを参照して図示され説明されていることにも留意されたい。
【0075】
図6は、本発明の別の例示的な好ましい実施形態による部分的デュアルカラムパラレルCCDイメージセンサ600を示す。センサ500(上記で説明した)と同様に、センサ600は、関連列611-0乃至612-2に配置されたピクセル(図示せず)からのイメージ電荷の移動を促進するためにY字形埋込拡散602-0、602-1および602-2を用い、各列の関連ペア(例えば、列611-1および611-2)は、上記で説明した方式で形成された単一の感知ノードを共有する。前の実施形態と同様に、センサ600は、多結晶シリコンバッファゲート構造603によって制御される一行のバッファゲートと、多結晶シリコントランスファゲート構造(以下に説明する)によって形成された2行のトランスファゲートと、先細の多結晶シリコン加算ゲート構造605-0乃至605-2と、先細の多結晶シリコン出力ゲート構造606-0乃至606-2を含む。イメージセンサ600は、実質的に、センサ500を参照して上記に説明したように動作する。
【0076】
センサ600は、センサ600によって用いられる2行のトランスファゲートが、一体型「Z」形状複合多結晶シリコン構造を用いて実装されるということにおいて、センサ500と異なっている。
図6の中心に示すように、そのような1つの「Z」形状複合多結晶シリコン構造604-11は、第1行(第1)トランスファゲート構造604-111を形成する第1の水平部分と、第2行(第4)トランスファゲート構造604-122を形成する第2の水平部分と、トランスファゲート構造604-111と604-122を一体に接続する斜めの(第1)多結晶シリコン構造導電性リンク構造632-11を含む。付加的な「Z」形状複合多結晶シリコン構造(例えば、構造604-01および604-12)は、トランスファゲート構造604-111の特徴をより明確に描写するために破線で示されているが、構造において本質的に同じであると理解される。センサ500と同様に、「Z」形状複合多結晶シリコン構造は関連する第1行トランスファゲートと第2行トランスファゲートの有効交差結合を、「Z」形状複合多結晶シリコン構造に交互のパターンで移動制御信号C1およびC2を印加することによって提供する。特に、関連する第1行(第1)トランスファゲート構造604-111と第2行(第4)トランスファゲート604-122は、トランスファゲート構造604-111に印加される第1の制御信号C1が、導電性リンク構造632-11によってトランスファゲート604-122に伝送されるように、多結晶シリコン構造604-11によって形成される一体型接続を介して結合される。第2行トランスファゲート604-121は「Z」形状複合多結晶シリコン構造604-01の下部水平部分によって形成され、関連する第1行トランスファゲート604-112は「Z」形状複合多結晶シリコン構造604-12の上部水平部分によって形成される。多結晶シリコン構造604-01および604-12は多結晶シリコン構造604-11の反対側側部に配置され、したがって制御信号C2を受信するように接続され、それによって、制御信号C2がトランスファゲート構造604-121に印加されると(例えば、第1行トランスファゲート構造604-011および導電性リンク構造632-01によって)、実質的に同時に関連する第1行トランスファゲート構造604-112に印加される(それが、導電性リンク構造632-12によって制御信号を第2行トランスファゲート604-221に伝える)ように、関連するトランスファゲート構造604-121と604-112の間の有効結合を確立する。
【0077】
図6の最下部に提供された断面図は、センサ600を加工する1つの可能な手法を示す。第1のポリ構造は、第1の多結晶シリコン層を堆積し、その層をパターニングし、その層をエッチングし、次に、残りのポリ構造を、CCDの加工で用いられる普通の方式で酸化することによって形成される。断面図において、これらの第1のポリ構造は、ピクセル構造615と複合多結晶シリコン構造の第1のポリ部を含む(例えば、第1行トランスファゲート604-112および第2行トランスファゲート604-122を形成する「Z」形状複合多結晶シリコン構造604-01および604-11の部分604-01Aおよび604-11A)。次に、第1のポリ部604-01Aおよび604-11Aの上面を露光するために付加的なマスクが用いられ、適切なエッチング液を用いて、これら第1のポリ構造の、続いて形成される第2のポリ構造への電気的接続を促進するために酸化物を除去する。第2のポリプロセスが次に実行され、そのプロセス中に第1のポリ部の上に第2のポリ部604-01Bおよび604-11Bが形成されて複合多結晶シリコン構造を完成する。隣接する構造の好ましい重複をもたらすために、バッファゲート構造603と加算ゲート構造605-1も、同様の複合ポリシリコン構造を用いて形成され、出力ゲート構造606-1が、第2のポリ構造のみによって形成される。
【0078】
図7は、センサ出力が、等化された応答と最小化されたクロストークで最適化されているオンチップ増幅器の金属配線の例示的レイアウトを示す。イメージ電荷を電圧に変換し、各チャネルの出力回路で外部負荷を駆動するためにCCDイメージセンサにおいて種々のタイプの増幅器が用いられ得るが、例示のため、2段のソースフォロアを備えた増幅器が示されている。好ましい実施形態において、センサ出力701の1つのブロックは、2段のソースフォロア増幅器の4つのチャネルを備え、第1段702は簡潔にするために
図7には図示していない(第1段702は上記で説明した浮遊拡散付近に配置されている)。金属配線703-1、703-2、703-3および703-4は、第1段702-1、702-2、702-3および702-4の出力端子を、第2段トランジスタM3-1、M3-2、M3-3およびM3-4それぞれの対応するゲート端子に接続する。第2段トランジスタのソース端子は、金属パッドOSに接続される、すなわち、M3-1がOS1に、M3-2がOS2に、M3-3がOS3に、M3-4がOS4に接続される。一実施形態において、CCDイメージセンサは、1つ以上のADCおよび他の信号処理回路を備えた第2の半導体(例えば、シリコン)基板にフリップチップボンド処理される。ADCは、ハンダボールを介して金属パッドでセンサ出力信号を読み取る。
【0079】
各2段の増幅器に関して、第1段トランジスタは浮遊拡散への負荷を最小にするために小さく保持される。これは、第1段702の低いトランスコンダクタンスと低い駆動能力をもたらす。そのため、第2段は、数ピコファラッド程度の入力静電容量を有し得る外部回路を駆動するためにより大きなトランジスタM3を備える。殆どの放熱は第2段で発生するため、大トランジスタM3-1、M3-2、M3-3およびM3-4を広げることが重要である。さらに、好ましい実施形態において、フリップチップボンディングの良好な機械的強度を提供するために、直径が約50μmから100μmの金属パッドOS1、OS2、OS3およびOS4が用いられる。好ましい実施形態において、典型的なCCDピクセルの横幅は約10μmから約25μmの間であるため、大きなトランジスタと金属パッドを収容するために、センサ出力の4つのチャネルはブロック701にグループ化され得る。ピクセルサイズ、出力トランジスタサイズおよび金属パッドサイズ次第で、より多数のまたはより少数のチャネルがセンサ出力の1つのブロックにグループ化され得る。しかしながら、1つのブロック内のチャネルの個数は、高いトランジスタおよび金属パッド密度を維持しつつ高帯域幅動作のために十分に金属配線を短く保持するために、実用上可能な限り少数であるべきである。好ましい実施形態において、1つのブロック内の出力チャネルの個数は2から8の間である。
【0080】
一実施形態において、トランジスタM3-1、M3-2、M3-3およびM3-4はそれぞれ金属パッドOS1、OS2、OS3およびOS4に接近して配置される。増幅器の第1段と第2段の間の金属配線703-1、703-2、703-3および703-4はブロック内でトランジスタM3-1、M3-2、M3-3およびM3-4を広げるために異なる長さを有する。増幅器の第1段に最も近い金属パッドOS1を駆動するチャネルに関して、金属配線703-1は最短であり、金属片704-1がない場合に第1段702-1に最小負荷を付与する。最も遠い金属パッドOS4を駆動するチャネルに関して、金属配線703-4は最長であり、その静電容量は第1段702-4への総負荷の主要因となる。異なるチャネル間での配線静電容量を平衡するために、金属配線703-1、703-2、703-3および703-4それぞれに、漸次面積が小さくなる金属片704-1、704-2、704-3および704-4が追加される。4つのチャネル全てにわたり均化された総負荷静電容量をもって、センサの出力は均一なチャネル応答と最小化されたクロストークを特徴とする。一実施形態において、関連する配線703-4が最大静電容量を有するため、704-4は省略されてよいことに留意されたい。トレース703-1、703-2などの面積が通常は出力の帯域幅を決定する最大の因子であるが、トレース703-1、703-2などの下のシリコンのドーピング、ポリシリコン配線の抵抗および
図5に示したM3などのトランジスタのトランスコンダクタンスなどの他の因子も、金属片704-1、704-2などがない場合に異なる帯域幅を有する異なる出力をもたらし得ることにも留意されたい。金属片704-1、704-2などの面積は、これらおよびその他の因子を補償するために選択されてよい。別の実施形態において、第2段トランジスタが第1段トランジスタ付近に配置されて、異なる長さのトレースがこれらのトランジスタを、OS1、OS2、OS3およびOS4などの金属パッドに接続してもよい。
【0081】
図8Aは、本発明の一実施形態によるオンチップデュアルカラムパラレル読み出し構造を駆動するためのクロック信号の例示的電圧波形とタイミング構成を示す。電圧と時間は任意単位でプロットされている。異なるクロック信号の電圧は必ずしも同じ縮尺でプロットされているわけではない。
【0082】
図8Aに示した特定の実施形態では3相CCDアレイセンサが用いられているが、本クロック駆動スキームは他のCCDエリアセンサおよびラインセンサにも適用され得る。3相CCDセンサの各ピクセルは、それぞれ連続位相クロックP1V、P2VおよびP3Vによって駆動される3つのポリシリコンゲートを含む。位相クロックはラインクロック(図示せず)に同期化され、ラインクロックはピクセルの行から読み出し構造への電荷移動を制御する。3つのクロック信号それぞれは他の2つのクロック信号に対して120度位相をシフトされて、
図4に簡潔に説明したように列を下る電荷移動を可能にする。2009年10月27日に発行された「Continuous clocking of TDI sensors」というタイトルの米国特許第7,609,309号、および2011年5月31日に発行された「Apparatus for continuous clocking of TDI sensors」というタイトルの米国特許第7,952,633号は、連続クロック駆動スキームの付加的な態様と詳細を記載している。両特許は参照により本明細書に組み込まれる。
【0083】
図5に描写されたデュアルカラムパラレル読み出し構造と、
図8Aに示されたそのクロック駆動スキームを参照すると、クロック信号VBはバッファゲート503の行を駆動し、クロック信号C1およびC2はペアのトランスファゲート504の2つの行を駆動し、クロック信号SGは共通加算ゲート505の行を駆動し、クロック信号RGは508などのリセットトランジスタのゲートを駆動する。これらのクロックは、オフチップ信号処理回路内のADCの自走内部クロックADC-Cに同期化される。一クロックサイクル中に、クロック信号VBはローからハイに漸次増加し、ピーク値に達した後で急峻に降下する。従来型CCDにおいて、イメージ電荷は、P1V、P2V、P3VおよびVBに類似したクロック信号が一定の周波数で稼動するため、ピクセルから水平出力レジスタに(または503に類似したバッファゲートに)一定レートで移動する。2行のバッファゲートを含む一実施形態において、VBと約180°位相を異にしている第2のバッファゲートクロック信号(図示せず)がその第2の行を駆動する。2行を超える行のバッファゲートを有する別の実施形態において、奇数行(ピクセルの最終行に隣接したバッファゲートの行から開始して)がクロック信号VBによって駆動され、偶数行はVBと約180°位相を異にしたクロック信号によって駆動される。偶数行のバッファゲートを用いることの利点は、互いに約180°位相を異にした2つのバッファゲートクロック信号が、これらのクロック信号からの電流が、センサ内を流れる雑音電流を最小化して相殺することである。本発明の一実施形態において、相補クロック信号C1とC2がイメージ電荷を奇数行および偶数行から共通加算ゲート505に逐次移動させ、一方で、クロック信号SGはイメージ電荷を浮遊拡散に、位相クロックP1V、P2VおよびP3Vの周波数の二倍で伝送する。クロック信号RGは次のクロックサイクルでのイメージ電荷に備えて浮遊拡散での電圧をリセットする。クロック信号STはタイミング生成器によって生成されて、ADC-Cと同期化される。クロック信号RGが浮遊拡散での電圧をリセットした後で、クロック信号STは相関2重サンプリング(CDS)を起動し、その間にセンサ出力がサンプリングされてデジタル化に向けて準備される。
【0084】
検査システムにおいて、画像取得は試料の運動と同期化される必要がある。そのようなシステムにおいてイメージセンサはクロックジッタと動作する、またはラインクロックとADCクロックADC-Cとの多様な位相不整合で動作する。これは、望ましくなく、また、検査の感度を劣化させる可能性がある像ぶれおよび残像を引き起こす可能性がある。
図8Aに示された1つの好ましい実施形態において、クロック信号VB、C1およびC2は像を追跡するために自らの周波数を絶えず変えるのに対し、オンチップ増幅器とオフチップ信号処理回路は一定の周波数で動作する。説明のため公称10MHzラインクロック周波数を想定する。位相クロックP1V、P2VおよびP3Vの周波数は10MHzに設定される。この例では、クロック信号SGおよびRFの周波数は22MHzに設定され、それは、ラインクロック周波数の二倍より10%高い。ラインクロック周波数と同期化した状態を保つために、クロック信号VBは、時間801付近で示されるように5ラインクロックサイクルごとに半クロックサイクルをスキップする。相補クロック信号C1およびC2もそれに従って半クロックサイクルだけスキップする。リセットクロックRGはラインクロック周波数の二倍より10%高く稼動するため、5ラインクロックサイクルごとに1つの冗長RGクロックサイクルがある。リセットクロック周波数が、最高のラインクロック周波数の二倍より大きい限り、ラインクロック周波数に対するリセットクロック周波数の他の割合が可能である。このスキームは、リセットクロック周波数の適切な選択により、少しだけ異なるラインクロック周波数に順応することができるが、それは、例えば、それが、少しだけ変動する速度で移動する試料の運動に同期化されるからである。クロックジッタは、イメージ電荷が浮遊拡散に移動しない冗長RGクロックサイクルによって補償される。その結果、このラインクロック同期化方法は、クロック位相不整合を所望の限度内に保持することができ、像ぶれと残像を軽減できる。冗長RGクロックサイクルに対応するデータは、デジタル化される必要がないか、またはデジタル化されて廃棄されるか、いずれか便利なほうで処理される。
【0085】
図8Bは、本発明の別の実施形態によるオンチップデュアルカラムパラレル読み出し構造およびオフチップ信号処理回路を駆動するためのクロック信号の例示的電圧波形とタイミング構成を示す。電圧と時間は任意単位でプロットされている。クロック信号の電圧は必ずしも同じ縮尺でプロットされないことがある。
図8Bに示された特定の実施形態では3相CCDアレイセンサが用いられているが、本クロック駆動スキームは他のCCDエリアセンサおよびラインセンサにも適用され得る。個々のクロック信号は
図8Aと同様に標示されて実質的に同じ機能を実行するが、それらの相対タイミングは以下に説明するように異なっている。
【0086】
説明のため、自走公称10MHzラインクロックと200MHzADCクロックADC-Cが
図8Bに示されている。本発明を明確に説明するために、50%の誇張された周波数掃引でのラインクロックの効果が示されている。典型的な検査システムにおいて、ラインクロック周波数変動は数パーセント以下であり得る。クロック信号P1V、P2VおよびP3Vはラインクロックと同期化され、クロック信号VB、C1、C2、SGおよびRGはADCクロックADC-Cに同期化されている。クロック信号は
図8Bに描写されるように動作する。クロック信号STは、10MHzから5MHzに掃引する、変化するラインクロックに整合するために20MHzから10MHzに掃引する。したがって、クロック信号VB、C1およびC2は、10MHzから5MHzに掃引し、クロック信号SGおよびRGは20MHzから10MHzに掃引する。ラインクロック周波数が減少するにつれ、オフチップ信号処理回路はラインクロックとADCクロックの間の位相不整合を補正して同時にセンサ出力を読み出す。ADCクロックADC-Cはこの例示的実施形態において200MHzの一定周波数で動作する。この実施形態において、冗長RGクロックサイクルは不要である。
【0087】
図8Aおよび8Bに示された実施形態はADCクロックADC-Cに一定周波数と、リセットゲートRGに一定パルス幅と、リセットゲートRGおよび、データサンプリングを起動するSTの立ち上がりエッジの間に一定の遅延とを用いる。この組み合わせは、ラインクロックレートが変動しても大きく変化しない、リセットパルスの出力信号へのフィードスルーと、出力信号の設定時間をもたらす。フィードスルーが一定であるため、フィードスルーは、例えばダークピクセルまたは暗画像から測定されて、イメージ信号から差し引かれることができ、より正確な像をもたらす。
【0088】
図8Cは、本発明のさらに別の実施形態によるオンチップデュアルカラムパラレル読み出し構造と、オフチップ信号処理回路を駆動するクロック信号の例示的電圧波形およびタイミング構成を示す。電圧と時間は任意単位でプロットされている。クロック信号の電圧は必ずしも同じ縮尺でプロットされないことがある。
図8Cに示された特定の実施形態では3相CCDアレイセンサが用いられているが、本クロック駆動スキームは他のCCDエリアセンサおよびラインセンサにも適用され得る。個々のクロック信号は
図8Aおよび8Bと同様に標示されて実質的に同じ機能を実行するが、それらの相対タイミングは以下に説明するように異なっている。
【0089】
説明のため、自走公称10MHzラインクロックと200MHzADCクロックを備えたシステムのクロック信号が示されている。本発明を明確に説明するために、50%の誇張された周波数掃引でのラインクロックが示されている。典型的な検査システムにおいて、ラインクロック周波数変動は数パーセント以下であり得る。クロック信号P1V、P2VおよびP3Vはラインクロックと同期化され、クロック信号VB、C1、C2、SGおよびRGはADCクロックADC-Cに同期化さている。クロック信号は
図8Cに描写されるように動作する。ADCクロックADC-Cは、変化するラインクロック周波数を追跡するために200MHzから100MHzに掃引する。したがって、クロック信号VB、C1およびC2は、10MHzから5MHzに掃引し、クロック信号SGおよびRGは20MHzから10MHzに掃引する。
図8Bで説明した実施形態と同様に、ピクセルデータレートは、センサ出力の読み出しがラインクロックと同期化された状態を保つように、ラインクロック周波数を追跡する。CCDクロック周波数が掃引するがADCクロックADC-Cは一定に保たれる
図8Bに示した実施形態と対照的に、
図8Cは、CCDのクロック周波数とADCクロックが全て掃引する実施形態を描写している。
【0090】
図8A、8Bおよび8Cに描写された例示的な例において、トランスファゲートを駆動するクロックC1およびC2は矩形パルスとして示されている。好ましい実施形態において、これらのクロックは、効率よい高速信号移動を確実にしながら雑音を低減するように整形される。他のクロック信号の立上がりおよび立下り時間も、効率よい電荷移動を確実にし雑音を最小にするように制御される。一実施形態において、クロックC1およびC2は、バッファクロックVBで示したものと類似した概ね半正弦波形状を有するが、周波数は二倍である。クロックC1とC2は実質的に互いに180°位相を異にしているため、これらのクロックから生じる電流は概ね互いに相殺し、イメージの信号対雑音比を劣化させ得る雑音を低減する。
【0091】
図8A、8Bおよび8Cは、イメージセンサの各個々のピクセルを別個の信号として読み出すためのクロック波形とタイミングを示す。加算ゲートと出力ゲートのフルウェルキャパシティが信号レベルと比べて十分に大きい限り、各加算ゲート下の信号を対応する出力ゲートおよび浮遊拡散に、ラインクロックごとに二度ではなくラインクロックごとに一度移動することによって隣接するピクセルの対を加算することも可能である。イメージ行は、例えば、バッファゲート下の信号をトランスファゲートの第1行に移動する前に2つのラインをバッファゲートに移動することによって加算されてよい。2016年7月14日にChuangほかによって出願された、「Dark-Field Inspection Using a Low-Noise Sensor」というタイトルの米国特許出願第15/210,056号に記載されたシステムと方法が、本明細書に記載されるセンサと組み合わせて用いられてよい。この特許出願は参照により本明細書に組み込まれる。
【0092】
図9は、本明細書に記載された特徴と方法論を実装できる装置900の簡略図である。装置は、本明細書で開示されるデュアルカラムパラレルCCDセンサのうち1つと、オフチップ信号処理回路902と、外部記憶、処理および制御の回路903とを備えたCCDイメージセンサ901を含む。CCDセンサ901は入射放射線を検出し、光生成電子を電圧に変換し、電圧信号をオフチップ信号処理回路902に出力する。簡潔にするため、本発明を説明するために必要な機能ブロックのみがオフチップ信号処理回路902内に描写されている。これらは、ADC9021、デジタル信号プロセッサ9022およびクロックドライバ9023を含む。ADC9021はCDSとADC回路を備え、CCDアナログ出力信号をデジタル化する。ADC9021のデジタル出力は後処理のため、また、任意でデータ圧縮のためにデジタル信号プロセッサ9022に送信される。デジタル信号プロセッサ9022に組み込まれたタイミング生成器90221はクロック信号を生成し、信号は、CCDセンサ901およびADC9021を制御するためにクロックドライバ9023によってバッファされる。例えば、クロックドライバ9023は、上記で説明し
図8A、8Bおよび8Cで図示されたクロック信号P1V、P2V、P3V、VB、C1、C2、SG、RG、STおよびADC-Cを提供してよい。デジタル信号プロセッサ9022は、クロック同期化などのさらなる信号処理、制御およびデータ移動のための外部記憶、処理および制御回路903とインターフェースする。
【0093】
図9に描写された装置は、Brownほかの「A Low-Noise Sensor and an Inspection System Using a Low-Noise Sensor」というタイトルの米国特許第9,347,890号に記載された波形生成器を組み込んでもよい、および/または、装置はその出願に記載された方法を実行してよいことに留意されたい。‘890特許は参照により本明細書に組み込まれる。
【0094】
バッファゲート、トランスファゲート、加算ゲート、出力ゲート、読み出しゲート、浮遊拡散および出力増幅器はCCDイメージセンサにおいてよく知られているため、本明細書ではさらに詳細には説明しない。
図4、5、6および7で示した構成は単に、デュアルカラムパラレルCCDセンサの動作を説明するための例に過ぎない。本発明の範囲から逸脱せずに、読み出し構造の異なる構成が可能である。1つの例示的実施形態において、1つ以上のバッファゲートを備えた1つ以上のトランスファゲートペアが用いられてよい。別の例示的実施形態において、3つのトランスファゲートが1つの加算ゲートに接続されてよい。この例示的実施形態において、各列は3つのトランスファゲートを備え、各列から信号を加算ゲートに逐次クロック制御するために3相クロックが用いられ得る。これらの3相クロックは互いに対して実質的に120°位相を異にしている。そのようなセンサは3カラムパラレルCCDセンサとして説明され得るが、それは本明細書に記載されるデュアルカラムパラレルCCDセンサと実質的に同じ方式で動作することとなり、本発明の範囲内にある。
【0095】
別の例示的実施形態において、オンチップ増幅器に接続されたポリシリコンコンタクトを備えたセルフアライメント浮遊拡散が用いられ得る。さらに別の例示的実施形態において、オンチップ増幅器の金属配線はチャネル応答を等化してクロストークを最小化するために最適化されてよい。本発明に直接関与しない、一般に用いられる半導体製造プロセスの詳細は、説明を複雑にすることを避けるために含まれていない。
【0096】
上記で説明される本発明の構造および方法の種々の実施形態は、本発明の原理を例示するためのみであって、本発明の範囲を、説明された特定の実施形態に限定する意図はない。例えば、3相センサもしくは他の多位相センサを含む1つ以上のCCDアレイセンサおよび/またはCCDラインセンサが、試料を検査するために検査システムで用いられてよい。
【0097】
本明細書に記載されるイメージセンサは、2014年6月17日にBrownほかに発行された「Integrated multi-channel analog front end and digitizer for high speed imaging applications」というタイトルの米国特許第8,754,972号に記載されているようなモジュールまたはシステムに一体化されてよい。この特許は参照により本明細書に組み込まれる。
【0098】
センサまたは方法が、光を検出すると記載される場合、これらの記載は、赤外、可視光、紫外、極UVおよびX線を含む異なる波長の電磁放射線の検出、また、電子などの荷電パーティクルの検出にも当てはまることも理解されるべきである。
【0099】
したがって、本発明は以下の請求項およびそれらの等価物によってのみ限定される。