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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-27
(45)【発行日】2023-05-10
(54)【発明の名称】表示装置及び表示ドライバ
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/20 20060101AFI20230428BHJP
   G09G 3/36 20060101ALI20230428BHJP
   G09G 3/3225 20160101ALI20230428BHJP
【FI】
G09G3/20 670F
G09G3/20 633B
G09G3/36
G09G3/3225
G09G3/20 622Z
G09G3/20 633D
G09G3/20 623R
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019046651
(22)【出願日】2019-03-14
(65)【公開番号】P2020148915
(43)【公開日】2020-09-17
【審査請求日】2021-11-25
(73)【特許権者】
【識別番号】308033711
【氏名又は名称】ラピスセミコンダクタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079119
【弁理士】
【氏名又は名称】藤村 元彦
(72)【発明者】
【氏名】渡部 五常
【審査官】橋本 直明
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-241828(JP,A)
【文献】特開2009-109955(JP,A)
【文献】特開2006-098923(JP,A)
【文献】特開2010-204667(JP,A)
【文献】特開2018-109751(JP,A)
【文献】特開2009-163239(JP,A)
【文献】特開2018-180414(JP,A)
【文献】特開2015-079236(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/20
G09G 3/36
G09G 3/3225
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数本のデータ線及び複数本の走査線と、前記複数本のデータ線及び複数本の走査線の交差部の各々に設けられた画素スイッチ及び画素部と、を有する表示パネルと、
前記画素スイッチをオンに制御するゲート信号を前記複数本の走査線に供給するゲートドライバと、
プリアンブルと前記表示パネルに表示される映像データとが交互に連続するシリアルデータ信号を出力する表示コントローラと、
前記表示コントローラとインタフェースを介して接続され、前記表示コントローラから前記インタフェースを介して伝送される前記シリアルデータ信号に基づいて、前記シリアルデータ信号中の前記映像データの伝送時における前記インタフェースの安定状態または非安定状態を検出し、前記映像データの伝送時に前記インタフェースの非安定状態を検出した場合に、前記ゲートドライバからの前記ゲート信号の供給を停止させるためのゲートリセット信号を出力するソースドライバと、
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記ソースドライバは、前記シリアルデータ信号に基づいて前記インタフェースの非安定状態を検出する検出部と、前記検出部に接続され、前記ゲートドライバに前記ゲートリセット信号を供給するゲートリセット信号出力部とを有することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記シリアルデータ信号のプリアンブルは、クロックトレーニング用のデータパターンを含み、
前記インタフェースは、前記クロックトレーニング用のデータパターンの伝送により非安定状態から安定状態へと切り替わり、
前記ソースドライバの前記検出部は、前記クロックトレーニング用のデータパターンの伝送後に前記インタフェースの安定状態で開始された前記映像データの伝送中に、前記インタフェースが非安定状態になったことを検出することを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記シリアルデータ信号は、プリアンブルと前記表示パネルの1フレーム分の前記映像データとが交互に連続する信号であり、
前記表示パネルは、前記ゲートリセット信号に基づく前記ゲートドライバからの前記ゲート信号の供給の停止に応じて、前フレームにおける表示状態を保持することを特徴とする請求項2又は3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記ソースドライバは、前記映像データに対応する階調電圧信号の前記複数本のデータ線に対する供給を分割して担う複数のドライバICから構成され、
前記複数のドライバICの各々は、前記検出部と、前記検出部によって前記表示コントローラとの間の前記インタフェースの非安定状態が検出されたことを示すロック信号を生成するロック信号生成部と、を有し、前記表示コントローラとの間の前記インタフェースにおいて互いに異なる部分を有するように前記表示コントローラと接続されるとともに、前記ロック信号を共有するための信号ラインを介して互いに接続され、
前記複数のドライバICのうちの少なくとも1のドライバICは、前記ゲートドライバと接続され、前記ロック信号に基づいて、前記複数のドライバICのうちのいずれかにおいて前記インタフェースの非安定状態が検出された場合に、前記ゲートリセット信号を前記ゲートドライバに供給することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記複数のドライバICの各々は、オープンドレイン出力の信号端子を有し、前記複数のドライバICのうちの他のドライバICと前記信号端子及び前記信号ラインを介して互いに接続されていることを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記ゲートドライバは、記複数本の走査線に前記ゲート信号を供給するゲート制御回路と、
前記ゲートリセット信号に応じて、前記ゲート制御回路の動作を停止させるリセット回路と、を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記検出部は、前記シリアルデータ信号中の前記映像データの伝送時における前記映像データの誤り発生を検出することによって前記インタフェースの非安定状態を検出することを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項9】
複数本のデータ線及び複数本の走査線と、前記複数本のデータ線及び前記複数本の走査線の交差部の各々に設けられた画素スイッチ及び画素部と、を有する表示パネルと、前記画素スイッチをオンに制御するゲート信号を前記複数本の走査線に供給するゲートドライバと、に接続され、映像データに対応する階調電圧信号を前記複数本のデータ線に供給する表示ドライバであって、
インタフェースを介して表示コントローラと接続され、前記表示コントローラから前記インタフェースを介して、プリアンブルと前記映像データとが交互に連続するシリアルデータ信号の供給を受け、
前記インタフェースを介して伝送された前記シリアルデータ信号に基づいて、前記シリアルデータ信号中の前記映像データの伝送時における前記インタフェースが安定状態および非安定状態であることを検出する検出部と、
前記映像データの伝送時に前記インタフェースの非安定状態が前記検出部によって検出された場合に、前記ゲートドライバの動作を停止させるためのゲートリセット信号を出力するゲートリセット信号出力部と、
を有することを特徴とする表示ドライバ。
【請求項10】
前記複数本のデータ線に対する前記階調電圧信号の供給を分割して担う複数のドライバICを含み、
前記複数のドライバICの各々は、前記検出部と、前記検出部によって前記表示コントローラとの間の前記インタフェースの非安定状態が検出されたことを示すロック信号を生成するロック信号生成部と、を有し、前記表示コントローラとの間の前記インタフェースにおいて互いに異なる部分を有するように前記表示コントローラと接続されるとともに、前記ロック信号を共有するための信号ラインを介して互いに接続され、
前記複数のドライバICのうちの少なくとも1のドライバICは、前記ゲートドライバと接続され、前記ロック信号に基づいて、前記複数のドライバICのうちのいずれかにおいて前記インタフェースの非安定状態が検出された場合に、前記ゲートリセット信号を前記ゲートドライバに供給することを特徴とする請求項に記載の表示ドライバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置及び表示ドライバに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置や有機EL(Electro Luminescence)等の表示デバイスの駆動方式として、アクティブマトリクス駆動方式が採用されている。アクティブマトリクス駆動方式の表示装置では、表示パネルは画素部及び画素スイッチをマトリクス状に配置した半導体基板から構成されている。ゲートパルスにより画素スイッチのオンオフを制御し、画素スイッチがオンになるときに映像データ信号に対応した階調電圧信号を画素部に供給して、各画素部の輝度を制御することにより、表示が行われる。表示装置の駆動回路は、例えばゲートパルスを制御するゲート制御回路、データ線にデータ信号を供給するドライバIC、及びこれらの動作タイミングを制御するためのタイミングコントローラを含む。
【0003】
このような表示装置として、内部クロックの位相及び周波数を安定に固定するためのクロックトレーニングを実行するドライバICを有する表示装置が提案されている(例えば、特許文献1)。タイミングコントローラは、ピアツーピア(以下、P2Pと称する)インタフェースを介してドライバICと接続され、例えばmini-LVDS(mini-Low Voltage Differential Signaling)等の差動信号方式により、プリアンブル信号及び映像データからなるシリアルデータをドライバICに供給する。ドライバICは、クロックトレーニングのためのデータパターンであるプリアンブル信号を用いて、クロックトレーニングを行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-79236号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
タイミングコントローラは、データをドライバICに供給する際、当該データがクロックトレーニングのためのデータパターンと表示用のデータとのいずれであるのかをドライバICにおいて判別可能とするためのデータ切替信号をドライバICに供給する。例えば、タイミングコントローラは、“L”レベルのデータ切替信号をドライバICに供給するとともに、クロックトレーニングのためのデータパターンをドライバICに供給する。その後、タイミングコントローラとドライバICとの間のP2Pインタフェースがアンロック状態からロック状態(安定状態)に切り替わると、タイミングコントローラは、切替信号を“H”レベルに切り替え、表示用のデータをドライバICに供給する。ドライバICは、これに応じてゲート制御信号をゲート制御回路に供給し、ゲート制御回路を制御してゲートパルスを表示パルスに印加させるとともに、データ線にデータ信号を供給する。これにより、表示パネルに画像が表示される。
【0006】
しかし、表示パネルに画像が表示されている通常の表示期間において、ESD(Electro Static Discharge)によるノイズ等のため、タイミングコントローラとドライバICとの間のP2Pインタフェースがアンロック状態となってしまう場合がある。P2Pインタフェースがアンロック状態になると、ドライバICにデータが正常に取り込まれないため、ドライバICは正常な値のゲート制御信号及びデータ信号を出力することができなくなる。その結果、表示パネルには期待される表示と異なる表示がなされてしまうという問題点があった。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ノイズ等の影響による表示パネルの誤表示を抑制することが可能な表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る表示装置は、複数本のデータ線及び複数本の走査線と、前記複数本のデータ線及び複数本の走査線の交差部の各々に設けられた画素スイッチ及び画素部と、を有する表示パネルと、前記画素スイッチをオンに制御するゲート信号を前記複数本の走査線に供給するゲートドライバと、プリアンブルと前記表示パネルに表示される映像データとが交互に連続するシリアルデータ信号を出力する表示コントローラと、前記表示コントローラとインタフェースを介して接続され、前記表示コントローラから前記インタフェースを介して伝送される前記シリアルデータ信号に基づいて、前記シリアルデータ信号中の前記映像データの伝送時における前記インタフェースの安定状態または非安定状態を検出し、前記映像データの伝送時に前記インタフェースの非安定状態を検出した場合に、前記ゲートドライバからの前記ゲート信号の供給を停止させるためのゲートリセット信号を出力するソースドライバと、を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る表示ドライバは、複数本のデータ線及び複数本の走査線と、前記複数本のデータ線及び前記複数本の走査線の交差部の各々に設けられた画素スイッチ及び画素部と、を有する表示パネルと、前記画素スイッチをオンに制御するゲート信号を前記複数本の走査線に供給するゲートドライバと、に接続され、映像データに対応する階調電圧信号を前記複数本のデータ線に供給する表示ドライバであって、インタフェースを介して表示コントローラと接続され、前記表示コントローラから前記インタフェースを介して、プリアンブルと前記映像データとが交互に連続するシリアルデータ信号の供給を受け、前記インタフェースを介して伝送された前記シリアルデータ信号に基づいて、前記シリアルデータ信号中の前記映像データの伝送時における前記インタフェースが安定状態および非安定状態であることを検出する検出部と、前記映像データの伝送時に前記インタフェースの非安定状態が前記検出部によって検出された場合に、前記ゲートドライバの動作を停止させるためのゲートリセット信号を出力するゲートリセット信号出力部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の表示装置によれば、ノイズ等によりタイミングコントローラとドライバICとの間のインタフェースがアンロック状態となった場合に、表示パネルに誤表示がなされることを抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施例1の表示装置の構成を示すブロック図である。
図2】実施例1の表示装置の各部の状態及び出力信号を示すタイムチャートである。
図3】比較例1の表示装置の各部の状態及び出力信号を示すタイムチャートである。
図4】比較例1の表示パネルにおける表示態様を模式的に示す図である。
図5】実施例1の表示パネルにおける表示態様を模式的に示す図である。
図6】実施例2の表示装置の構成を示すブロック図である。
図7】実施例2のリセット信号生成回路の構成を示す回路図である。
図8】実施例2の表示装置の各部の状態及び出力信号を示すタイムチャートである。
図9】比較例2の表示装置の各部の状態及び出力信号を示すタイムチャートである。
図10】比較例2の表示パネルにおける表示態様を模式的に示す図である。
図11】実施例2の表示パネルにおける表示態様を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本発明の好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下の各実施例における説明及び添付図面においては、実質的に同一または等価な部分には同一の参照符号を付している。
【実施例1】
【0013】
図1は、本実施例の表示装置100の構成を示すブロック図である。表示装置100は、表示パネル10、タイミングコントローラ11、ソースドライバ12及びゲートドライバ13を有する。
【0014】
表示パネル10は、例えば液晶表示パネル又は有機EL(electro luminescence)パネル等からなる画像表示デバイスである。表示パネル10には、2次元画面の水平方向に伸張するm個(mは2以上の自然数)の水平走査ラインS1~Smと、2次元画面の垂直方向に伸張するn個(nは2以上の自然数)のソースラインD1~Dnとが形成されている。水平走査ライン及びソースラインの各交差部の領域、つまり図1において破線にて囲まれた領域には、画素を担う表示セルが形成されている。
【0015】
タイミングコントローラ11は、ソースドライバ12にデータライン信号DATAP/Nを供給することにより、表示パネル10における画像の表示タイミングを制御する表示コントローラ(いわゆるT-CON)である。タイミングコントローラ11は、ピアツーピアのインタフェース(以下、P2PIFと称する)を介してソースドライバ12と接続されており、例えばmini-LVDS等の差動信号方式により、データライン信号DATAP/Nの伝送を行う。
【0016】
データライン信号DATAP/Nは、プリアンブル信号と1フレーム分の表示用の映像データ(以下、表示用データと称する)とが交互に連続してなるシリアルデータ信号である。プリアンブル信号は、クロックトレーニングのためのトレーニングパターンデータを含む。トレーニングパターンデータとは、ソースドライバ12において内部クロックの位相と周波数とを安定に固定するために実行するクロックトレーニングに用いられるデータである。タイミングコントローラは、1フレームの表示期間において、まずトレーニングパターンデータを含むプリアンブル信号をソースドライバ12に供給し、これに続いて1フレーム分の表示用データをソースドライバ12に供給する。
【0017】
タイミングコントローラ11とソースドライバ12との間のP2PIFは、トレーニングパターンデータの伝送によりアンロック状態(非安定状態)からロック状態(安定状態)へと切り替わる。このため、クロックトレーニング期間の後の表示期間における表示用データの伝送は、通常の場合(すなわち、ノイズ等の影響がない場合)、ロック状態のP2PIFを介して行われる。
【0018】
また、タイミングコントローラ11は、データライン信号DATAP/Nがトレーニングパターンデータなのか表示用データなのかをソースドライバ12側で判別可能とするためのデータ切替信号SFCをソースドライバ12に供給する。例えば、タイミングコントローラ11は、データライン信号DATAP/Nとしてトレーニングパターンデータを供給する際に、“L”レベルのデータ切替信号SFCをソースドライバ13に供給する。また、タイミングコントローラ11は、データライン信号DATAP/Nとして表示用データを供給する際に、“H”レベルのデータ切替信号SFCをソースドライバ12に供給する。
【0019】
ソースドライバ12は、タイミングコントローラ11からP2PIFを介して供給された表示用データに基づいて、1水平走査ライン毎にn個の画像駆動電圧を生成し、表示パネル10のソースラインD1~Dnに印加する表示ドライバである。本実施例において、ソースドライバ12は1つのIC(Integrated Circuit)から構成されている。また、ソースドライバ12は、ゲートドライバ13の動作を制御するためのゲート制御信号CSをゲートドライバ13に供給する。
【0020】
また、ソースドライバ12は、アンロック状態検出回路21及びリセット信号生成回路22を有する。アンロック状態検出回路21は、P2PIFを介して伝送されるデータに基づいて、P2PIFがアンロック状態であることを検出する。例えば、アンロック状態検出回路21は、タイミングコントローラ11から誤り符号を含むデータがデータライン信号DATAP/Nとして伝送され、このデータに基づいて誤り検出を行うことでP2PIFのアンロック状態を検出する。
【0021】
リセット信号生成回路22は、ゲートドライバ13の動作を停止させるためのゲートリセット信号RSを生成する。リセット信号生成回路22は、例えばP2PIFのアンロック状態が検出された場合には“H”レベル、アンロック状態が検出されない場合には“L”レベルのゲートリセット信号RSを生成する。なお、本実施例のソースドライバ12はゲートドライバ13と信号ラインにより直接接続されており、リセット信号生成回路22が生成したゲートリセット信号RSはゲートドライバ13に供給される。
【0022】
ゲートドライバ13は、ゲート制御回路31及びリセット回路32を含む。ゲート制御回路31は、ソースドライバ12から供給されたゲート制御信号CSに基づいてゲートパルスを生成し、表示パネル10の走査ラインS1~Sm各々に順次、択一的に印加する。リセット回路32は、ソースドライバ12から供給されたゲートリセット信号RSに応じて、ゲート制御回路31によるゲートパルスの印加動作を停止させ、ゲート制御回路31の動作状態をリセットする。
【0023】
次に、本実施例の表示装置100の動作について、図2のタイムチャートを参照して説明する。なお、ここでは表示期間中にタイミングコントローラ11とソースドライバ12との間のP2PIFにアンロック状態が生じた場合の動作について説明する。
【0024】
まず、クロックトレーニング期間(図2では、CT期間として示す)において、タイミングコントローラ11は、“L”レベルのデータ切替信号SFCをソースドライバ12に供給する。また、当該期間において、タイミングコントローラ11は、トレーニングパターンデータ(図2では、T-データとして示す)をソースドライバ12に供給する。タイミングコントローラ11とソースドライバ12との間のインタフェースであるP2PIFは、アンロック状態からロック状態に切り替わる。
【0025】
次に、通常のデータ表示を行う表示期間(図2では、L1DP、L2DP・・・LNDPとして示す)において、タイミングコントローラ11は、“H”レベルのデータ切替信号SFCをソースドライバ12に供給する。そして、タイミングコントローラ11は、表示用データをデータライン信号DATAP/Nとしてソースドライバ12に供給する。例えば、タイミングコントローラ11は、まず表示期間L1DPにおいて、1ライン目の表示セル(すなわち、水平走査ラインS1に沿った表示セル)に画像を表示するための表示用データD1をソースドライバ12に供給する。
【0026】
ソースドライバ12は、表示用データD1に基づいてゲート制御信号CSを生成し、ゲートドライバ13に供給する。ゲートドライバ13のゲート制御回路31は、ゲート制御信号CSの供給に応じてアクティブ状態となり、1ライン目の水平走査ラインS1にゲートパルスを印加する。また、ソースドライバ12は、1水平走査ライン分のn個の画像駆動電圧を表示パネル10のソースラインD1~Dnに印加する。これにより、表示パネル10の1ライン分の表示が行われる。
【0027】
次に、表示期間L2DPにおいて、タイミングコントローラ11は、2ライン目の表示セル(すなわち、水平走査ラインS2に沿った表示セル)に画像を表示するための表示用データD2をデータライン信号DATAP/Nとしてソースドライバ12に供給する。このとき、ESD等のノイズの影響により、タイミングコントローラ11とソースドライバ12との間のインタフェースであるP2PIFがアンロック状態になったとすると、データライン信号DATAP/Nの伝送に異常が生じる。
【0028】
ソースドライバ12のアンロック状態検出回路21は、タイミングコントローラ11から供給されたデータライン信号DATAP/Nに基づいて、P2PIFのアンロック状態を検出する。リセット信号生成回路22は、アンロック状態検出回路21によるアンロック状態の検出に応じて、“H”レベルのゲートリセット信号RSをゲートドライバ13に供給する。
【0029】
ゲートドライバ13のリセット回路32は、“H”レベルのゲートリセット信号RSの供給に応じてゲート制御回路31の動作を停止させ、動作状態をリセットする。これにより、ゲート制御回路31によるゲートパルスの印加が停止し、表示パネル10は従前の表示状態を保持する。
【0030】
ソースドライバ12のリセット信号生成回路22は、1フレーム期間の終了まで(すなわち、表示期間LNDPまで)の間、“H”レベルのゲートリセット信号RSの供給を継続する。ゲートドライバ13のリセット回路32は、これに応じてゲート制御回路31の動作を停止させるため、表示パネル10には1フレーム期間の終了まで従前の表示状態が保持される。
【0031】
次のフレーム期間になると、ソースドライバ12は、ゲートリセット信号RSの信号レベルを“L”に戻す。1フレーム期間の先頭はクロックトレーニング期間であるため、タイミングコントローラ11は、“L”レベルのデータ切替信号SFC及びトレーニングパターンデータをソースドライバ12に供給する。タイミングコントローラ11とソースドライバ12との間のP2PIFは、アンロック状態からロック状態に切り替わる。
【0032】
続く表示期間において、タイミングコントローラ11は、表示用データD1、D2・・・DNをデータライン信号DATAP/Nとしてソースドライバ12に順次供給する。ソースドライバ12は、ゲート制御信号RSをゲートドライバ13に供給する。ゲートドライバ13のゲート制御回路31はアクティブ状態となり、水平走査ラインS1~Smの各々にゲートパルスを印加する。ソースドライバ12は、画像駆動電圧を表示パネル10のソースラインD1~Dnに印加する。P2PIFにESDノイズ等に起因するアンロック状態が発生しない場合、表示パネル10では先頭ラインから順に正常に画像表示が行われる。
【0033】
このように、本実施例の表示装置100では、ソースドライバ12が、表示期間中にP2PIFがアンロック状態となったことを検出すると、ゲートリセット信号RSをゲートドライバ13に供給し、ゲート制御回路31の動作を停止させる。表示パネル10は、これに応じて従前の表示状態を保持する。
【0034】
本実施例の表示装置100によれば、画像の表示期間中にタイミングコントローラ11とソースドライバ12との間のP2PIFがアンロック状態となることによる表示パネル10の誤表示を抑えることができる。これについて、図3図5を参照しつつ説明する。
【0035】
図3は、本実施例とは異なり、ソースドライバ12がゲートリセット信号RSの生成及び供給を行わない比較例1の表示装置の動作を示すタイムチャートである。クロックトレーニング期間及び表示期間L1DPにおける動作については、本実施例の表示装置100と同様である。
【0036】
表示期間L2DPにおいて、ESDによるノイズが発生し、P2PIFがアンロック状態になったとすると、タイミングコントローラ11から出力された表示用データがソースドライバ12に正常に取り込まれない。このため、ソースドライバ12は、正常な値のゲート制御信号CS及び画素駆動電圧(すなわち、ソース出力)を出力することができない。
【0037】
図4は、比較例1の表示装置における表示パネルの表示態様を模式的に示す図である。表示期間L2DPでP2PIFのアンロック状態が生じたとすると、正常なゲートパルスの印加及び画素駆動電圧の印加が行われないため、2番目のライン(水平走査ラインS2)以降の画像表示は、期待される表示内容とは異なる表示(すなわち、誤表示)となってしまう。
【0038】
これに対し、図5は、本実施例の表示装置100における表示パネル10の表示態様を模式的に示す図である。表示期間L2DPでP2PIFのアンロック状態が生じた場合、ソースドライバ12からゲートドライバ13へのゲートリセット信号RSの供給によりゲートパルスの印加が停止し、表示パネル10の従前の表示状態が保持される。このため、比較例1の表示装置とは異なり、表示パネル10には誤表示が生じない。
【0039】
以上のように、本実施例の表示装置によれば、ノイズ等の影響による表示パネルの誤表示を抑制することが可能となる。
【実施例2】
【0040】
次に、本発明の実施例2について説明する。本実施例の表示装置は、ソースドライバが複数のドライバICから構成されている点で実施例1の表示装置と異なる。
【0041】
図6は、本実施例の表示装置200の構成を示すブロック図である。表示装置200は、表示パネル20、タイミングコントローラ11、第1ドライバIC12A、第2ドライバIC12B及びゲートドライバ13を有する。
【0042】
表示パネル20は、液晶表示パネル又は有機ELパネル等からなる画像表示デバイスである。表示パネル20には、2次元画面の水平方向に伸張するm個(mは2以上の自然数)の水平走査ラインS1~Smと、2次元画面の垂直方向に伸張する2n個(nは2以上の自然数)のソースラインD1~D2nとが形成されている。すなわち、本実施例の表示パネル20は、水平方向に実施例1の表示パネル10の約2倍の幅を有する。水平走査ライン及びソースラインの各交差部の領域には、画素を担う表示セルが形成されている。
【0043】
タイミングコントローラ11は、第1ドライバIC12A及び第2ドライバIC12Bの各々とP2PIFを介して接続され、データライン信号DATAP/Nの供給を行う。タイミングコントローラ11は、表示用データ又はトレーニングパターンデータを、データライン信号DATAP/Nとして第1ドライバIC12A及び第2ドライバIC12Bの各々に供給する。実施例1と同様、P2PIFは、クロックトレーニング期間におけるトレーニングパターンデータの伝送によりアンロック状態からロック状態へと切り替わる。このため、クロックトレーニング期間の後の表示期間における表示用データの伝送は、通常の場合(すなわち、ノイズ等の影響がない場合)、ロック状態のP2PIFを介して行われる。
【0044】
また、タイミングコントローラ11は、データ切替信号SFCを第1ドライバIC12A及び第2ドライバIC12Bの各々に供給する。タイミングコントローラ11は、トレーニングパターンデータの供給時には“L”レベル、表示用データの供給時には“H”レベルのデータ切替信号SFCを第1ドライバIC12A及び第2ドライバIC12Bの各々に供給する。
【0045】
第1ドライバIC12Aは、タイミングコントローラ11からP2PIFを介して供給された表示用データに基づいて、1水平走査ライン毎にn個の画像駆動電圧を生成し、表示パネル10のソースラインD1~Dnに印加するドライバICである。第1ドライバIC12Aは、実施例1のソースドライバ12と同様、ゲート制御信号CS1及びゲートリセット信号RS1を生成して出力する機能を有する。しかし、第1ドライバIC12Aとゲートドライバ13との間は信号ラインにより接続されていないため、第1ドライバIC12Aから出力されるゲート制御信号CS及びゲートリセット信号RSは、ゲートドライバ13には供給されない。
【0046】
一方、第2ドライバIC12Bは、タイミングコントローラ11からP2PIFを介して供給された表示用データに基づいて、1水平走査ライン毎にn個の画像駆動電圧を生成し、表示パネル20のソースラインDn+1~D2nに印加するドライバICである。第2ドライバIC12Bは、第1ドライバIC12Aとは異なり、信号ラインを介してゲートドライバ13と接続されている。第2ドライバIC12Bは、ゲート制御信号CS2を生成し、ゲートドライバ13に供給する。また、第2ドライバIC12Bは、ゲートリセット信号RS2を生成し、ゲートドライバ13に供給する。
【0047】
また、第1ドライバIC12Aと第2ドライバIC12Bとの間はロック信号S1の伝送ラインL1により接続されている。ロック信号S1は、第1ドライバIC12A及び第2ドライバIC12BのいずれかでP2PIFのアンロック状態が検出された場合に“L”レベル、それ以外の場合に“H”レベルとなる信号である。伝送ラインL1は電源電圧VDDを供給する電源に接続されており、ロック信号S1は“H”レベルにおいて電源電圧VDDの電圧レベルを有する。
【0048】
図7は、第1ドライバIC12A及び第2ドライバIC12Bの各々のリセット信号生成回路の構成を示す回路図である。ここでは、ゲートドライバ13及び各々のドライバICのアンロック状態検出回路を併せて示している。
【0049】
第1ドライバIC12Aは、アンロック状態検出回路21A及びリセット信号生成回路22Aを有する。アンロック状態検出回路21Aは、タイミングコントローラ11から供給されたデータライン信号DATAP/Nに基づいて、タイミングコントローラ11と第1ドライバIC12Aとの間のP2PIFがアンロック状態であることを検出する。P2PIFのアンロック状態を検出すると、アンロック状態検出回路21Aは、“H”レベルの状態検出信号DS1をリセット信号生成回路22Aに供給する。
【0050】
リセット信号生成回路22Aは、トランジスタMN1及びインバータIV1を含む。トランジスタMN1は、Nチャネル型MOSトランジスタから構成されている。トランジスタMN1は、ソースが接地され、ゲートに状態検出信号DS1の印加を受ける。トランジスタMN1のドレインは、オープンドレイン端子としてロック信号S1の伝送ラインL1に接続されている。
【0051】
インバータINV1は、入力信号を反転して出力するインバータ回路である。インバータINV1の入力端は、トランジスタMN1のドレインに接続されるとともにロック信号S1の伝送ラインL1に接続されている。このため、インバータINV1の出力端からは、ロック信号S1とは反対の論理を有する信号がゲートリセット信号RS1として出力される。なお、上記の通り第1ドライバIC12Aはゲートドライバ13と直接接続されていないため、リセット信号RS1はゲートドライバ13には供給されない。
【0052】
第2ドライバIC12Bは、アンロック状態検出回路21B及びリセット信号生成回路22Bを有する。アンロック状態検出回路21Bは、タイミングコントローラ11から供給されたデータライン信号DATAP/Nに基づいて、タイミングコントローラ11と第2ドライバIC12Bとの間のP2PIFがアンロック状態であることを検出する。P2PIFのアンロック状態を検出すると、アンロック状態検出回路21Bは、“H”レベルの状態検出信号DS2をリセット信号生成回路22Bに供給する。
【0053】
リセット信号生成回路22Bは、トランジスタMN2及びインバータIV2を含む。トランジスタMN2は、Nチャネル型MOSトランジスタから構成されている。トランジスタMN2は、ソースが接地され、ゲートに状態検出信号DS2の印加を受ける。トランジスタMN2のドレインは、オープンドレイン端子としてロック信号S1の伝送ラインL1に接続されている。
【0054】
インバータINV2は、入力信号を反転して出力するインバータ回路である。インバータINV2の入力端は、トランジスタMN2のドレインに接続されるとともにロック信号S1の伝送ラインL1に接続されている。このため、インバータINV2の出力端からは、ロック信号S1とは反対の論理を有する信号がゲートリセット信号RS2として出力される。第1ドライバIC12Aとは異なり、第2ドライバIC12Bはゲートドライバ13と信号ラインを介して接続されているため、ゲートリセット信号RS2はゲートドライバ13に供給される。
【0055】
例えば、第1ドライバIC12Aのアンロック状態検出回路21AによってP2PIFのアンロック状態が検出された場合、アンロック状態検出回路21Aは、“H”レベルの状態検出信号DS1をトランジスタMN1のゲートに印加する。これにより、トランジスタMN1がオン状態となり、ロック信号S1の信号レベルは“L”レベル(すなわち、接地電位VSSレベル)となる。リセット信号生成回路22Aから出力された“L”レベルのロック信号S1は、伝送ラインL1を介してリセット信号生成回路22BのインバータINV2に入力される。インバータINV2は、“L”レベルのロック信号S1を反転した“H”レベルのリセット信号RS2を出力し、ゲートドライバ13に供給する。
【0056】
一方、第2ドライバIC12Bのアンロック状態検出回路21BによってP2PIFのアンロック状態が検出された場合、アンロック状態検出回路21Bは、“H”レベルの状態検出信号DS2をトランジスタMN2のゲートに印加する。これにより、トランジスタMN2がオン状態となり、ロック信号S1の信号レベルは“L”レベル(すなわち、接地電位VSSレベル)となる。インバータINV2は、“L”レベルのロック信号S1を反転した“H”レベルのリセット信号RS2を出力し、ゲートドライバ13に供給する。
【0057】
いずれのドライバICにおいてもP2PIFのアンロック状態が検出されない場合、トランジスタMN1及びMN2はいずれもオン状態とはならず、ロック信号S1の信号レベルは“H”レベル(すなわち、電源電位VDDレベル)に維持される。
【0058】
このように、本実施例の表示装置200では、第1ドライバIC12A及び第2ドライバIC12BのいずれかでP2PIFのアンロック状態が検出された場合には、“H”レベルのゲートリセット信号RSがゲートドライバ13に供給される。また、第1ドライバIC12A及び第2ドライバIC12BのいずれにおいてもP2PIFのアンロック状態が検出されない場合には、“L”レベルのゲートリセット信号RSがゲートドライバ13に供給される。
【0059】
再び図6を参照すると、ゲートドライバ13は、ゲート制御回路31及びリセット回路32を含む。ゲート制御回路31は、第2ドライバIC12Bから供給されたゲート制御信号CS2に基づいてゲートパルスを生成し、表示パネル20の走査ラインS1~Sm各々に順次、択一的に印加する。リセット回路32は、第2ドライバIC12Bから供給されたゲートリセット信号RS2に応じて、ゲート制御回路31によるゲートパルスの印加動作を停止させ、ゲート制御回路31の動作状態をリセットする。
【0060】
次に、本実施例の表示装置200の動作について、図8のタイムチャートを参照して説明する。なお、ここでは表示期間中にタイミングコントローラ11と第1ドライバIC12Aとの間のP2PIFにアンロック状態が生じた場合の動作について説明する。
【0061】
まず、クロックトレーニング期間(図8では、CT期間として示す)において、タイミングコントローラ11は、“L”レベルのデータ切替信号SFCを第1ドライバIC12A及び第2ドライバIC12Bに供給する。また、当該期間において、タイミングコントローラ11は、トレーニングパターンデータ(図8では、T-データとして示す)を第1ドライバIC12A及び第2ドライバIC12Bに供給する。タイミングコントローラ11と第1ドライバIC12Aとの間のインタフェースであるP2PIFは、アンロック状態からロック状態に切り替わる。同様に、タイミングコントローラ11と第2ドライバIC12Bとの間のインタフェースであるP2PIFは、アンロック状態からロック状態に切り替わる。
【0062】
次に、通常のデータ表示を行う表示期間(図8では、L1DP、L2DP・・・LNDPとして示す)において、タイミングコントローラ11は、“H”レベルのデータ切替信号SFCを第1ドライバIC12A及び第2ドライバIC12Bに供給する。そして、タイミングコントローラ11は、表示用データをデータライン信号DATAP/Nとして第1ドライバIC12A及び第2ドライバIC12Bに供給する。例えば、タイミングコントローラ11は、まず表示期間L1DPにおいて、1ライン目の表示セル(すなわち、水平走査ラインS1に沿った表示セル)に画像を表示するための表示用データD1を第1ドライバIC12A及び第2ドライバIC12Bに供給する。
【0063】
第2ドライバIC12Bは、ゲート制御信号CS2をゲートドライバ13に供給する。ゲートドライバ13のゲート制御回路31は、これに応じてアクティブ状態となり、1ライン目の水平走査ラインS1にゲートパルスを印加する。また、第1ドライバIC12Aは、1水平走査ライン分のn個の画像駆動電圧を表示パネル20のソースラインD1~Dnに印加する。同様に、第2ドライバIC12Bは、1水平走査ライン分のn個の画像駆動電圧を表示パネル20のソースラインDn+1~D2nに印加する。これにより、表示パネル20の1ライン分の表示が行われる。
【0064】
次に、表示期間L2DPにおいて、タイミングコントローラ11は、2ライン目の表示セル(すなわち、水平走査ラインS2に沿った表示セル)に画像を表示するための表示用データD2をデータライン信号DATAP/Nとして第1ドライバIC12A及び第2ドライバIC12Bに供給する。このとき、ESD等のノイズの影響により、タイミングコントローラ11と第1ドライバIC12Aとの間のインタフェースであるP2PIFがアンロック状態になったとすると、タイミングコントローラ11と第1ドライバIC12Aとの間のデータライン信号DATAP/Nの伝送に異常が生じる。
【0065】
第1ドライバIC12Aのアンロック状態検出回路21Aは、タイミングコントローラ11から供給されたデータライン信号DATAP/Nに基づいて、タイミングコントローラ11と第1ドライバIC12Aとの間のP2PIFのアンロック状態を検出し、“H”レベルの状態検出信号DS1をトランジスタMN1のゲートに印加する。これにより、トランジスタMN1はオン状態となり、ロック信号S1の信号レベルは“L”レベルとなる。
【0066】
第2ドライバIC12Bのリセット信号生成回路22BのインバータINV2は、入力端に“L”レベルのロック信号S1の入力を受け、これを反転した“H”レベルのゲートリセット信号RS2を出力する。ゲートリセット信号RS2は、ゲートドライバ13に供給される。
【0067】
ゲートドライバ13のリセット回路32は、“H”レベルのゲートリセット信号RS2の供給に応じてゲート制御回路31の動作を停止させ、動作状態をリセットする。これにより、ゲート制御回路31によるゲートパルスの印加が停止し、表示パネル20は従前の表示状態を保持する。
【0068】
次のフレーム期間になると、第2ドライバIC12Bは、ゲートリセット信号RS2の信号レベルを“L”に戻す。1フレーム期間の先頭はクロックトレーニング期間であるため、タイミングコントローラ11は、“L”レベルのデータ切替信号SFC及びトレーニングパターンデータを第1ドライバIC12A及び第2ドライバIC12Bに供給する。タイミングコントローラ11と第1ドライバIC12Aとの間のP2PIFは、アンロック状態からロック状態に切り替わる。タイミングコントローラ11と第2ドライバIC12Bとの間のP2PIFは、ロック状態のまま維持される。
【0069】
続く表示期間において、タイミングコントローラ11は、表示用データD1、D2・・・DNをデータライン信号DATAP/Nとして第1ドライバIC12A及び第2ドライバIC12Bに順次供給する。第2ドライバIC12Bは、ゲート制御信号RSをゲートドライバ13に供給する。ゲートドライバ13のゲート制御回路31はアクティブ状態となり、水平走査ラインS1~Smの各々にゲートパルスを印加する。第1ドライバIC12Aは、画像駆動電圧を表示パネル20のソースラインD1~Dnに印加する。第2ドライバIC12Bは、画像駆動電圧を表示パネル20のソースラインDn+1~D2nに印加する。P2PIFにESDノイズ等に起因するアンロック状態が発生しない場合、表示パネル20では先頭ラインから順に正常に画像表示が行われる。
【0070】
このように、本実施例の表示装置200では、表示期間中にタイミングコントローラ11と第1ドライバIC12Aとの間のP2PIFがアンロック状態となったことを第1ドライバIC12Aが検出すると、“L”レベルのロック信号S1が第2ドライバIC12Bに供給される。第2ドライバIC12Bは、“L”レベルのロック信号S1を反転した“H”レベルのゲートリセット信号GRSをゲートドライバ13に供給し、ゲート制御回路31の動作を停止させる。表示パネル20は、これに応じて従前の表示状態を保持する。
【0071】
本実施例の表示装置200によれば、P2PIFのアンロック状態が、ゲートドライバ13に直接接続されていない第1ソースドライバ13Aとタイミングコントローラ11との間のP2PIFで生じた場合にも、表示パネル20の誤表示を抑えることができる。これについて、図9図11を参照しつつ説明する。
【0072】
図9は、本実施例とは異なり、第1ドライバIC12A及び第2ドライバIC12Bがロック信号S1の信号端子を有しない(すなわち、伝送ラインL1を介したロック信号S1の伝送を行わない)比較例2の表示装置の動作を示すタイムチャートである。クロックトレーニング期間及び表示期間L1DPにおける動作については、本実施例の表示装置200と同様である。
【0073】
表示期間L2DPにおいて、ESDによるノイズが発生し、タイミングコントローラ11と第1ドライバIC12Aとの間のP2PIFがアンロック状態になったとすると、タイミングコントローラ11から出力された表示用データが第1ドライバIC12Aに正常に取り込まれない。このため、第1ドライバ12Aは、正常な値の画素駆動電圧(すなわち、ソース出力)を出力することができない。
【0074】
また、第1ドライバIC12Aとゲートドライバ13との間は信号ラインで接続されていないため、第1ドライバIC12Aが出力するゲートリセット信号RSは、ゲートドライバ13には供給されない。従って、ゲート制御回路31は、通常通りのゲートパルスの印加動作を継続する。
【0075】
図10は、比較例2の表示装置における表示パネルの表示態様を模式的に示す図である。表示期間L2DPでタイミングコントローラ11と第1ソースドライバ13Aとの間のP2PIFのアンロック状態が生じたとすると、ソースラインD1~Dnでは正常な画素駆動電圧の印加が行われないため、表示パネル20の左側半分における2番目のライン(水平走査ラインS2)以降の画像表示は、期待される表示内容とは異なる表示(すなわち、誤表示)となってしまう。
【0076】
これに対し、図11は、本実施例の表示装置200における表示パネル20の表示態様を模式的に示す図である。表示期間L2DPでタイミングコントローラ11と第1ソースドライバ13Aとの間のP2PIFのアンロック状態が生じた場合、ロック信号S1の信号レベルが“L”レベルとなり、第2ドライバIC12Bのリセット信号生成回路22Bは、“H”レベルのゲートリセット信号RS2をゲートドライバ13に供給する。これにより、ゲートパルスの印加が停止し、表示パネル20の従前の表示状態が保持される。このため、比較例2の表示装置とは異なり、表示パネル20には誤表示が生じない。
【0077】
以上のように、本実施例の表示装置によれば、ソースドライバが複数のドライバICから構成されている場合において、ノイズ等の影響による表示パネルの誤表示を抑制することが可能となる。
【0078】
なお、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、上記実施例2では、ソースドライバが2つのドライバICから構成されている場合を例として説明したが、ドライバICの数はこれに限られず、3以上の複数のドライバICから構成されている場合にも適用が可能である。
【0079】
また、アンロック状態検出回路21(21A、21B)がP2PIFのアンロック状態を検出する際の検出方法は、特に限定されない。例えば、タイミングコントローラ11が誤り符号を含むデータをデータライン信号DATAP/Nとしてソースドライバ12に供給し、ソースドライバ12が誤り検出を行うことにより、P2PIFのアンロック状態を検出する構成であってもよい。また、データライン信号DATAP/Nの波形に基づいて、P2PIFのアンロック状態を検出する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0080】
100 表示装置
10 表示パネル
11 タイミングコントローラ
12 ソースドライバ
12A 第1ドライバIC
12B 第2ドライバIC
13 ゲートドライバ
20 表示パネル
21 アンロック状態検出回路
22 リセット信号生成回路
31 ゲート制御回路
32 リセット回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11